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特表2023-512059感覚媒体カートリッジを有するエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】感覚媒体カートリッジを有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/30 20200101AFI20230315BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20230315BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20230315BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/465
A24F40/44
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022546129
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2021051498
(87)【国際公開番号】W WO2021151800
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】20386006.9
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ツィムリス ダリア
(72)【発明者】
【氏名】サハラウィ アデラ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AC02
4B162AC06
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC42
(57)【要約】
本発明は、上部分(20)、主部分(70)、およびカートリッジ(50)を含む、エアロゾル発生装置(10)に関する。上部分は、エアロゾル発生物品(12)を受容するための空洞(22)を備える近位端を備える。上部分は、上部カートリッジコネクタ(24)と、上部カートリッジコネクタから空洞へと延びる上部気流チャネルとを備える遠位端をさらに備える。主部分は、主カートリッジコネクタ(72)を備える近位端を備える。主部分は、主空気吸込み口と、主空気吸込み口から主カートリッジコネクタへと延びる主気流チャネルとをさらに備える。上部カートリッジコネクタは、カートリッジの近位端に取り外し可能に取り付け可能であり、また主カートリッジコネクタは、カートリッジの遠位端に取り外し可能に取り付け可能であり、第一の動作モードを可能にする。上部カートリッジコネクタは、主カートリッジコネクタに直接取り外し可能に取り付け可能であり、第二の動作モードを可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部分、主部分、およびカートリッジを備えるエアロゾル発生装置であって、
前記上部分が、
-上部ハウジングと、
-発熱体と、
-エアロゾル発生物品を受容するための空洞を備える近位端と、
-上部カートリッジコネクタを備える遠位端と、
-前記上部カートリッジコネクタから前記空洞へと延びる上部気流チャネルと、を備え、
前記主部分が、
-主ハウジングと、
-電源と、
-主カートリッジコネクタを備える近位端と、
-主空気吸込み口と、
-前記主空気吸込み口から前記主カートリッジコネクタへと延びる主気流チャネルと、を備え、
前記カートリッジが、
-液体出口を備える近位端と、
-空気吸込み口を備える遠位端と、
-前記近位端と前記遠位端との間に配設された液体貯蔵部分と、を備え、
前記上部分の前記上部カートリッジコネクタが、前記カートリッジの前記近位端に取り外し可能に取り付け可能であり、かつ前記主部分の前記主カートリッジコネクタが、前記カートリッジの前記遠位端に取り外し可能に取り付け可能であり、これにより前記カートリッジが前記上部分および前記主部分の両方に取り付けられる時、連続的な流体接続が、前記主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って、前記主空気吸込み口から前記空洞へと前記カートリッジの前記液体貯蔵部分を介して提供されて、第一の動作モードを可能にし、
前記上部カートリッジコネクタが、前記主カートリッジコネクタに直接取り外し可能に取り付け可能で、第二の動作モードを可能にし、
前記上部分が、上部空気吸込み口と、前記上部空気吸込み口から前記空洞へと延びる追加的な気流チャネルと、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
いかなるエアロゾル発生物品も前記空洞内に受容されていない時、前記上部分の前記近位端が、マウスピースの取り付けを可能にするように適合されて、第三の動作モードを可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
マウスピースをさらに備え、いかなるエアロゾル発生物品も前記空洞内に受容されていない時、前記マウスピースが、前記上部分の前記近位端に取り外し可能に取り付け可能である、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記上部カートリッジコネクタが、前記第二の動作モードに従って前記主カートリッジコネクタに直接取り付けられる時、前記上部カートリッジコネクタおよび前記主カートリッジコネクタの両方が、前記上部分と前記主部分との間の電気的な接触を確立するように適合される導電性要素を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記上部分の前記発熱体が、誘導発熱体を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記誘導発熱体が、周辺誘導コイルおよび管状サセプタを備え、前記管状サセプタが、前記上部気流チャネルの少なくとも一部分を取り囲む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記上部分が、上部空気吸込み口と、前記上部空気吸込み口から前記空洞へと延びる追加的な気流チャネルと、を備え、かつ前記誘導発熱体が、追加的な管状サセプタを備え、前記追加的な管状サセプタが前記空洞の少なくとも一部分を取り囲む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記誘導コイル、前記管状サセプタ、および前記追加的な管状サセプタが同軸で整列される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記上部分が、前記上部気流チャネル内に少なくとも部分的に配設される芯を備え、かつ前記芯が前記上部気流チャネルの前記遠位端から離隔して配設される、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記芯が多孔性要素である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記主部分が、前記カートリッジの潜在的な漏れを吸収するために、前記主カートリッジコネクタに近接して配設される高保持材料を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記カートリッジの前記近位端の前記液体出口が、一方向弁を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記カートリッジの前記遠位端の前記空気吸込み口が、一方向弁を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記カートリッジの前記液体貯蔵部分が、液体感覚媒体を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記液体感覚媒体が風味剤を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記液体感覚媒体がニコチンを含む、請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
前記カートリッジの前記液体貯蔵部分が、二つ以上の直列接続された液体貯蔵区画を備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記カートリッジの前記液体貯蔵部分が、二つ以上の並列接続された液体貯蔵区画を備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
少なくとも一つの液体貯蔵区画が、別の液体貯蔵区画の液体組成物とは異なる液体組成物を含む、請求項17または請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記カートリッジが前記上部分と前記主部分との両方に取り付けられる時、前記カートリッジが前記上部分と前記主部分との間の電気的な接触を確立するように適合された導電性要素を備える、請求項1~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の装置と、エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生装置に関する。本開示は、エアロゾル発生装置で使用するためのカートリッジにさらに関する。本開示は、エアロゾル発生装置、およびエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なエアロゾルまたは蒸気を発生するためのエアロゾル発生装置を提供することは公知である。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度へとエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の加熱チャンバーなどの空洞の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中へと挿入されると、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配設されてもよい。
【0003】
ユーザー体験が修正可能なエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。ユーザー体験がユーザーによって修正可能なエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。ユーザー体験がより簡単に修正可能なエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。生成されたエアロゾルの風味が修正可能であるエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。生成されたエアロゾルのニコチン含有量が修正可能であるエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。ユーザーが固体または液体エアロゾル発生源からエアロゾルを生成するかどうかを選んでもよいエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。ユーザーが、液体を収容してもよい取り外し可能なカートリッジを有して、または有しないで、装置を使用しうるエアロゾル発生装置を有することが望ましいことになる。実施形態では、液体は、風味剤、ニコチンなどの活性成分、またはエアロゾルを加湿するための水を含有してもよい。
【発明の概要】
【0004】
実施形態によると、上部分および主部分を備えるエアロゾル発生装置が提供される。上部分は上部ハウジングを備えてもよい。上部分は、発熱体をさらに備えてもよい。上部分は、エアロゾル発生物品を受容するための空洞を備える近位端をさらに備えてもよい。上部分は、上部分の近位端へと取り外し可能に取り付け可能な取り外し可能なマウスピースを有してもよい。上部分は、上部カートリッジコネクタを備える遠位端をさらに備えてもよい。上部分は、上部カートリッジコネクタから空洞へと延びる上部気流チャネルをさらに備えてもよい。上部気流チャネルは、上部カートリッジコネクタを通って延びてもよい。
【0005】
主部分は、主ハウジングを備えてもよい。主部分は、電源、好ましくは電池をさらに備えてもよい。主部分は、主カートリッジコネクタを含む近位端をさらに備えてもよい。主部分は、主空気吸込み口をさらに備えてもよい。主部分は、主空気吸込み口から主カートリッジコネクタへと延びる主気流チャネルをさらに備えてもよい。上部カートリッジコネクタは、カートリッジの近位端に取り外し可能に取り付け可能であってもよく、また主カートリッジコネクタは、カートリッジの遠位端に取り外し可能に取り付け可能であってもよく、カートリッジが上部分と主部分との間に係合され、かつ気流経路が主空気吸込み口からカートリッジを通って空洞へと流れる第一の動作モードを可能にする。上部カートリッジコネクタは、主カートリッジコネクタに直接取り外し可能に取り付け可能であってもよく、上部分が主部分に直接取り付けられる第二の動作モードを可能にする。
【0006】
本発明の実施形態によると、上部分および主部分を備えるエアロゾル発生装置が提供される。上部分は上部ハウジングを備える。上部分は、発熱体をさらに備える。上部分は、エアロゾル発生物品を受容するための空洞を備える近位端をさらに備える。上部分は、取り外し可能なマウスピースをさらに備えてもよい。上部分は、上部カートリッジコネクタを備える遠位端をさらに備える。上部分は、上部カートリッジコネクタから空洞へと延びる上部気流チャネルをさらに備える。主部分は、主ハウジングを備える。主部分は、電源、好ましくは電池をさらに備える。主部分は、主カートリッジコネクタを含む近位端をさらに備える。主部分は、主空気吸込み口をさらに備える。主部分は、主空気吸込み口から主カートリッジコネクタへと延びる主気流チャネルをさらに備える。上部カートリッジコネクタは、カートリッジの近位端に取り外し可能に取り付け可能であり、また主カートリッジコネクタは、カートリッジの遠位端に取り外し可能に取り付け可能であり、カートリッジが上部分と主部分との間に係合される第一の動作モードを可能にする。上部カートリッジコネクタは、主カートリッジコネクタに直接取り外し可能に取り付け可能であり、上部分が主部分に直接取り付けられる第二の動作モードを可能にする。
【0007】
第二の動作モードによると、上部カートリッジコネクタは、磁気的接続またはねじ接続によって、主カートリッジコネクタに直接取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
【0008】
第一の動作モードによると、装置は、エアロゾル発生装置に取り付けられるカートリッジ、および空洞内に受容されるエアロゾル発生物品とともに使用されてもよい。したがって、吸入可能なエアロゾルは、カートリッジの液体貯蔵部分内に含まれる液体感覚媒体と、エアロゾル発生物品内に含まれるエアロゾル形成基体との両方に由来する物質の混合物を含有してもよい。
【0009】
別の方法として、第一の動作モードによると、装置は、エアロゾル発生装置に取り付けられるカートリッジとともに使用されてもよいが、空洞内に受容されるエアロゾル発生物品を有しない。したがって、吸入可能なエアロゾルは、カートリッジの液体貯蔵部分内に含まれる液体感覚媒体のみに由来する物質を含有してもよい。
【0010】
第二の動作モードによると、装置は、エアロゾル発生装置に取り付けられたカートリッジを有しないが、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品を有して使用されてもよい。したがって、吸入可能なエアロゾルは、エアロゾル発生物品内に含まれるエアロゾル形成基体に由来する物質のみを含有してもよい。
【0011】
本発明のエアロゾル発生装置は、異なる動作モードを可能にすることによって多機能装置を提供する。ユーザーは、異なる動作モードの中から選んでもよい。それ故に、ユーザーは、必ずしも各動作モードのために複数の異なる装置を携行しなくてもよく、一つの装置のみを携行すればよい。また、ユーザーは複数の異なる装置を購入する必要がなく、一つの装置のみを購入する必要がある場合もあり、これはコストの節約になる場合がある。
【0012】
異なる動作モードを可能にすることによって、ユーザー体験は修正可能である。異なる動作モードを可能にすることによって、ユーザー体験はユーザーによって修正可能である。異なる動作モードを可能にすることによって、ユーザー体験はより簡単に修正可能である。異なる動作モードを可能にすることによって、発生するエアロゾルの風味は修正可能である。異なる動作モードを可能にすることによって、発生するエアロゾルのニコチン含有量は修正可能である。
【0013】
上部分の近位端は、いかなるエアロゾル発生物品も空洞内に受容されていない時、マウスピースの取り付けを可能にするように適合されてもよく、第三の動作モードを可能にする。したがって、吸入可能なエアロゾルは、カートリッジの液体貯蔵部分内に含まれる液体感覚媒体のみに由来する物質を含有してもよい。追加的なマウスピースは、ユーザーによって吸入される気流のさらなる修正を可能にする場合がある。例えば、エアロゾルは、エアロゾルをさらに希釈するマウスピース内の追加的な空気開口によってさらに修正されてもよい。
【0014】
装置はマウスピースをさらに備えてもよい。マウスピースは、いかなるエアロゾル発生物品も空洞内に受容されていない時、エアロゾル発生装置の上部分の近位端に取り外し可能に取り付け可能である。
【0015】
エアロゾル発生装置は、カートリッジを取り外し可能に取り付けるように構成されてもよい。それによって、カートリッジは、ユーザーによって簡単に交換されてもよい。ユーザーは、空になったカートリッジを交換してもよい。ユーザーは、異なる液体を保持する異なるカートリッジの間で選択してもよい。異なるカートリッジは、ユーザーが異なる液体の間で簡単に区別しうるように、異なる色で色分けされてもよい。
【0016】
カートリッジの壁は、カートリッジのハウジングの壁、液体貯蔵部分の壁、または液体貯蔵部分の液体貯蔵区画の壁のうちの一つ以上であってもよい。カートリッジの壁は、透明であってもよく、これにより液体貯蔵部分内に収容される液体は外側から見えてもよい。ユーザーは、液体の色に基づいて、異なる液体を区別してもよい。カートリッジの壁は、透明であってもよく、これにより液体貯蔵部分が空になることが外側から見えてもよい。
【0017】
エアロゾル発生装置の空洞は、開放端を有してもよく、エアロゾル発生物品はその中へと挿入される。開放端は、近位端であってもよい。空洞は、開放端とは反対側に閉鎖端を有してもよい。閉鎖端は、空洞の基部であってもよい。閉鎖端は、基部内に配設された空気開口の提供を除いて、閉じられていてもよい。空洞の基部は平坦であってもよい。空洞の基部は円形状であってもよい。空洞の基部は、空洞の上流に配設されてもよい。開放端は、空洞の下流に配設されてもよい。空洞は、細長い延長を有してもよい。空洞は、長軸方向中心軸を有してもよい。長軸方向は、長軸方向中心軸に沿って開放端と閉鎖端との間に延びる方向であってもよい。空洞の長軸方向中心軸は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と平行であってもよい。
【0018】
空洞は、加熱チャンバーとして構成されてもよい。空洞は、円筒状形状を有してもよい。空洞は、中空円筒状形状を有してもよい。空洞は、空洞内に受容されるエアロゾル発生物品の形状に対応する形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。空洞は、楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の外径に対応する内径を有してもよい。
【0019】
空洞は、空気が空洞を通って流れうるように適合されてもよい。上部気流チャネルは、空洞の中へと延びてもよい。カートリッジの液体貯蔵部分は、上部気流チャネルを介して空洞と流体接続されてもよい。周囲空気は、エアロゾル発生装置の中へと、空洞の中へと、かつユーザーに向かって引き込まれてもよい。空洞の開放端は、空気出口を備えてもよい。空洞の下流では、マウスピースが配設されてもよく、またはユーザーがエアロゾル発生物品を直接吸ってもよい。気流チャネルは、マウスピースを通って延びてもよい。
【0020】
上部分は、上部空気吸込み口と、上部空気吸込み口から空洞へと延びる追加的な気流チャネルとを備えてもよい。
【0021】
エアロゾル発生装置はハウジングを備えてもよい。上部分は上部ハウジングを備えてもよく、また主部分は主ハウジングを備えてもよい。上部ハウジングおよび主ハウジングは、別個の要素であってもよい。
【0022】
上部分は、発熱体を備えてもよく、また主部分は、発熱体に電力を供給するための電源を備えてもよい。電源は電池を備えてもよい。電源はリチウムイオン電池であってもよい。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約六分間、または六分の倍数の時間の間エアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、または発熱体の不連続的な起動を提供するために十分な容量を有してもよい。
【0023】
電源は直流(DC)電源であってもよい。一実施形態では、電源は、2.5ボルト~4.5ボルトの範囲のDC供給電圧と、1アンペア10アンペアの範囲のDC供給電流とを有するDC電源(2.5ワット~45ワットの範囲のDC電源に対応する)である。エアロゾル発生装置は有利なことに、DC電源によって供給されたDC電流を交流電流に変換するための直流から交流への(DC/AC)インバータを備えてもよい。DC/ACコンバータは、クラスD、クラスC、またはクラスEの電力増幅器を備えてもよい。DC/ACコンバータのAC電力出力は、誘導コイルへと供給される。
【0024】
電源は、誘導コイルに電力を供給するように適合されてもよく、また高周波で動作するように構成されてもよい 高周波で動作するためには、クラスEの電力増幅器が好ましい。本明細書で使用される場合、「高周波振動電流」という用語は、500キロヘルツ~30メガヘルツの周波数を有する振動電流を意味する。高周波振動電流は、1メガヘルツ~30メガヘルツの周波数を有してもよく、1メガヘルツ~10メガヘルツの周波数を有することが好ましく、そして5メガヘルツ~8メガヘルツの周波数を有することがより好ましい。
【0025】
別の実施形態では、電力増幅器のスイッチング周波数は、より低いkHz範囲、例えば、100kHz~400KHzであってもよい。クラスDまたはクラスCの電力増幅器が使用される実施形態では、より低いkHz範囲のスイッチング周波数は特に有利である。
【0026】
発熱体は電気抵抗性材料を含んでもよい。適切な電気抵抗性材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料と金属材料とで作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル白金、金、および銀が挙げられる。適切な金属合金の例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオブ含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、金含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、ならびに鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。複合材料では、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて随意に、断熱材料中に包埋、断熱材料に封入、もしくは断熱材料で被覆されてもよく、またはその逆も可である。
【0027】
発熱体は有利なことに、熱伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する。発熱体は、基体、または基体がその上に配置されている担体と、少なくとも部分的に接触してもよい。別の方法として、内部発熱体または外部発熱体のいずれかからの熱は、熱伝導性要素によって基体に伝導されてもよい。
【0028】
動作中、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置内に完全に収容されてもよい。その場合、ユーザーはエアロゾル発生装置のマウスピースを吸煙してもよい。別の方法として、動作中、エアロゾル形成基体を含有する喫煙物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に収容されてもよい。その場合、ユーザーは喫煙物品を直接吸煙してもよい。
【0029】
エアロゾル発生装置の発熱体は、抵抗発熱体を備えてもよい。上部分の発熱体は、抵抗発熱体を備えてもよい。エアロゾル発生装置の発熱体は、誘導発熱体を備えてもよい。上部分の発熱体は、誘導発熱体を備えてもよい。
【0030】
誘導発熱体は、誘導によって熱を発生するように構成されてもよい。誘導発熱体は、誘導コイルおよびサセプタ配設を備えてもよい。単一の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ配設が提供されてもよい。単一の誘導コイルより多くの誘導コイルが提供されることが好ましい。第一の誘導コイルおよび第二の誘導コイルが提供されてもよい。単一のサセプタ配設より多くのサセプタ配設が提供されることが好ましい。誘導発熱体は、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設を備えてもよい。
【0031】
中央サセプタ配設は、管状サセプタであってもよい。誘導発熱体は、周辺誘導コイルおよび管状サセプタを備えてもよい。管状サセプタは、上部気流チャネルの少なくとも一部分を取り囲んでもよい。
【0032】
周辺サセプタ配設は、追加的な管状サセプタであってもよい。追加的な管状サセプタは、空洞の少なくとも一部分を取り囲んでもよい。
【0033】
誘導発熱体は、周辺誘導コイル、管状サセプタ、および追加的な管状サセプタを備えてもよい。誘導コイル、管状サセプタ、および追加的な管状サセプタは、同軸に整列されてもよい。
【0034】
中央サセプタ配設は、中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、少なくとも二つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、三つ以上の中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、四つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、四つの中央サセプタから成ってもよい。中央サセプタ(複数可)のうちの少なくとも一つ、好ましくは、すべては、細長くてもよい。
【0035】
中央サセプタは、空洞の長軸方向中心軸に平行に配設されてもよい。複数の中央サセプタが提供される場合、各中央サセプタは、空洞の長軸方向中心軸に平行に等距離で配設されてもよい。
【0036】
中央サセプタ配設の下流端部分は、丸み付きであってもよく、好ましくは、空洞の中央長軸方向軸に向かって内向きに曲げられてもよい。中央サセプタの下流端部分は、丸み付きであってもよく、好ましくは、空洞の中央長軸方向軸に向かって内向きに曲げられてもよい。複数の中央サセプタが提供される場合、好ましくは、各中央サセプタの各下流端部分は丸み付きであってもよく、好ましくは、空洞の中央長軸方向軸に向かって内向きに曲げられてもよい。丸み付きの端部分は、中央サセプタ配設にわたるエアロゾル発生物品の挿入を容易にする場合がある。丸み付きの端部分の代替として、端部分は、空洞の長軸方向中心軸に向かってテーパー状であってもよく、または面取りされてもよい。
【0037】
中央サセプタ配設は、空洞の中央長軸方向軸の周りに配設されてもよい。複数の中央サセプタが提供される場合、中央サセプタは、空洞の中央長軸方向軸の周りにリング形状の向きで配設されてもよい。エアロゾル発生物品が空洞の中へと挿入される時、エアロゾル発生物品は、中央サセプタ配設の配設によって空洞内で中心合わせされてもよい。
【0038】
中央サセプタ配設は、中空であってもよい。中央サセプタ配設は、中央サセプタ間に中空の空洞を画定する少なくとも二つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設の中空構成は、中空の中央サセプタ配設の中への気流を可能にしてもよい。上部気流チャネルは、中空の中央サセプタ配設を通って延びてもよい。芯は、中空の中央サセプタ配設内に提供されてもよい。本明細書に記述されるように、中央サセプタ配設は、少なくとも二つの中央サセプタを備えることが好ましい。間隙は、少なくとも二つの中央サセプタ間に提供されることが好ましい。結果として、中央サセプタ配設を通る気流が可能になる場合がある。気流は、空洞の長軸方向中心軸に平行な、またはそれに沿った方向で可能になる場合がある。好ましくは、間隙によって、横方向での気流が可能になる場合がある。横方向の気流は、中央サセプタ間の間隙を通した入ってくる空気とエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体との間の接触に起因して、エアロゾル発生を可能にする場合がある。中央サセプタ配設の加熱は、中空の中央サセプタ配設の中に提供される芯の加熱につながる場合がある。芯の加熱は、中空の中央サセプタ配設内のエアロゾル発生につながる場合がある。追加的にまたは別の方法として、中央サセプタ配設の加熱は、エアロゾル発生物品が空洞の中へと挿入された時、中空の中央サセプタ配設内のエアロゾル発生につながる場合がある。中央サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の内側を加熱するように構成されてもよい。エアロゾルは、中空の中央サセプタ配設を通して下流方向で引き出されてもよい。
【0039】
中央サセプタ配設は、リング形状の断面を有してもよい。中央サセプタ配設は、中央サセプタ間にリング形状の断面を有する中空の空洞を画定する少なくとも二つの中央サセプタを備えてもよい。中央サセプタ配設は、管状であってもよい。中央サセプタ配設が少なくとも二つの中央サセプタを備える場合、中央サセプタは、管状の中央サセプタ配設を形成するように配設されてもよい。気流は、中央サセプタ間の間隙を通し中央サセプタ配設を通して可能にされることが好ましい。
【0040】
周辺サセプタ配設は、細長い、好ましくはブレード形状のサセプタ、または円筒形状のサセプタを備えてもよい。周辺サセプタ配設は、少なくとも二つのブレード形状のサセプタを備えてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞を包囲して配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞の長軸方向中心軸に平行に配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、空洞の内側に配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、エアロゾル発生物品が空洞の中へと挿入されている時にエアロゾル発生物品を保持するために配設されてもよい。ブレード形状のサセプタは、ブレード形状のサセプタの中へのエアロゾル発生物品の挿入を容易にするために、裾が広がった下流端を有してもよい。空気は、ブレード形状のサセプタ間の空洞の中へと流れてもよい。個々のブレード形状のサセプタ間に間隙が提供されてもよい。空気は、その後、エアロゾル発生物品と接触してもよく、またはエアロゾル発生物品の中へと入ってもよい。空気を用いたエアロゾル発生物品の均一な浸透は、このようにして達成されてもよく、それによってエアロゾル発生を最適化する。周辺サセプタ配設は、エアロゾル発生物品の外側を加熱するように構成されてもよい。
【0041】
周辺サセプタ配設は、少なくとも二つの周辺サセプタを備えてもよい。周辺サセプタ配設は、複数の周辺サセプタを備えてもよい。周辺サセプタのうちの少なくとも一つ、好ましくは、すべては、細長くてもよい。周辺サセプタのうちの少なくとも一つ、好ましくは、すべては、ブレード形状であってもよい。
【0042】
周辺サセプタ配設の下流端部分は、裾が広がっていてもよい。周辺サセプタのうちの少なくとも一つ、好ましくは、すべては、裾が広がった下流端部分を有してもよい。
【0043】
周辺サセプタ配設は、空洞の中央長軸方向軸の周りに配設されてもよい。周辺サセプタ配設は、中央サセプタ配設の周りに配設されてもよい。周辺サセプタ配設が複数の周辺サセプタを備える場合、各周辺サセプタは、空洞の中央長軸方向軸と平行に等距離で配設されてもよい。
【0044】
周辺サセプタ配設は、周辺サセプタ配設と中央サセプタ配設との間に環状の中空円筒形状空洞を画定してもよい。環状の中空円筒形状空洞は、エアロゾル発生物品の挿入のための空洞であってもよい。中央サセプタ配設は、環状の中空円筒形状空洞内に配設されてもよい。環状の中空円筒形状空洞は、エアロゾル発生物品を受容するように構成されてもよい。
【0045】
周辺サセプタは、リング形状の断面を有してもよい。周辺サセプタ配設は、リング形状の断面を有する中空空洞を画定する少なくとも二つの周辺サセプタを含んでもよい。周辺サセプタ配設は、管状であってもよい。
【0046】
周辺サセプタ配設は、中央サセプタ配設の外径より大きい内径を有してもよい。周辺サセプタ配設と中央サセプタ配設との間に、環状の中空円筒形状空洞が配設されてもよい。
【0047】
中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設は、同軸に配設されてもよい。
【0048】
誘導コイルは、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設の両方を包囲してもよい。第一の誘導コイルは、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設の第一の領域を包囲してもよい。第二の誘導コイルは、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設の第二の領域を包囲してもよい。誘導コイルによって包囲された領域は、下記により詳細に記述するように、加熱ゾーンとして構成されてもよい。
【0049】
エアロゾル発生装置は磁束コンセントレータを備えてもよい。磁束コンセントレータは、高い透磁率を有する材料から作製されてもよい。磁束コンセントレータは、誘導発熱体を包囲して配設されてもよい。磁束コンセントレータは、磁力線を磁束コンセントレータの内部に集中させ、それによって誘導コイルによるサセプタ配設の加熱効果を増加させ、かつインダクタからの交番磁界が周辺にある他の装置と干渉するのを防止してもよい。
【0050】
エアロゾル発生装置は、コントローラを備えてもよい。コントローラは、誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、第一の誘導コイルへ、および第二の誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、誘導コイルへと供給される電流、そしてそれ故に誘導コイル(複数可)によって生成される磁界強度を制御するように構成されてもよい。
【0051】
電源およびコントローラは、誘導コイルへと接続されてもよい。
【0052】
コントローラは、DC/ACコンバータの入力側の電流供給をチョップすることができるように構成されてもよい。このようにして、誘導コイルに供給される電力は、従来の負荷サイクル管理の方法によって制御されてもよい。
【0053】
上部カートリッジコネクタおよび主カートリッジコネクタの両方は、上部カートリッジコネクタが第二の動作モードに従って主カートリッジコネクタに直接取り付けられる時、上部分と主部分との間の電気的な接触を確立するように適合される導電性要素を備えてもよい。別の方法として、または追加的に、第一の動作モードに従って上部カートリッジコネクタがカートリッジの近位端へと取り付けられ、かつ主カートリッジコネクタがカートリッジの遠位端へと取り付けられる時、上部分と主部分との間の電気的な接触を確立するように適合される導電性要素を備えてもよい。
【0054】
上部分は、上部気流チャネル内に少なくとも部分的に配設される芯を備えてもよい。芯は、上部気流チャネルの遠位端から離隔して配設されてもよい。
【0055】
芯は、上部カートリッジコネクタから離隔して配設されてもよい。芯は、上部カートリッジコネクタがカートリッジに接続されている時、カートリッジの液体貯蔵部分から離隔して配設されてもよい。それ故に、芯は、液体貯蔵部分内に収容されている液体と接触しないように配設されてもよい。その結果、上部カートリッジコネクタにおいて上部気流チャネル内に圧力降下がない場合、いかなる液体も液体貯蔵部分から芯へと実質的に輸送されない。上部カートリッジコネクタにおいて上部気流チャネル内に圧力降下がない場合、液体貯蔵部分の外への液体漏れは低減または防止される。
【0056】
上部気流チャネルにおける圧力降下は、エアロゾル発生装置の空気出口を吸うユーザーによって生じる場合がある。圧力降下は、上部気流チャネル内に気流を引き起こす場合がある。それ故に、圧力降下は、気流を介して、液体を、液体貯蔵部分から、カートリッジの液体出口を通り過ぎ、かつ上部分の上部カートリッジコネクタを通り過ぎて、芯へと輸送させる場合がある。
【0057】
芯と液体貯蔵部分との分離によって、ユーザーが空気出口を吸う際に、芯は、気流から液体のみを吸収してもよい。芯による液体の吸収は有利なことに制御される場合がある。また、芯による液体の過剰吸収が低減される場合もある。装置が非活性の間の芯による液体の吸収が低減される場合がある。それによって、望ましくない味覚の劣化を防止または軽減する場合がある。液体エアロゾル発生基体の漏れを防止または軽減する場合がある。それ故に、装置の汚染は防止または軽減される場合がある。
【0058】
芯は多孔性要素であってもよい。芯は、気流から液体を吸収する能力を有する場合がある。芯は毛細管材料を含んでもよい。毛細管材料は繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は概して、液体をヒーターへと運ぶように整列していてもよい。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴またはチューブを形成し、それを通して液体を毛細管作用によって搬送することができる。毛細管材料は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系または黒鉛系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、エチレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。液体は、毛細管作用によって液体が毛細管材料を通して搬送されることを可能にする粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を有する。毛細管材料はエアロゾル形成基体を発熱体へと運ぶように構成されてもよい。毛細管材料は発熱体内の隙間の中へと延びてもよい。
【0059】
主部分は、カートリッジの潜在的な漏れを吸収するために、主カートリッジコネクタに近接して配設された高保持材料を含んでもよい。高保持材料は、一つ以上の吸収材料を含んでもよい。高保持材料は、海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。高保持材料は、ゼオライト、無水塩化カルシウム、ソーダ石灰、シリカゲル、活性炭、および超吸収性ポリマーのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0060】
本発明の実施形態によると、エアロゾル発生装置とともに使用するためのカートリッジが提供される。カートリッジは、液体出口を備え、また本明細書に記述されるようなエアロゾル発生装置の上部分の上部カートリッジコネクタへと取り外し可能に取り付け可能な近位端を備えてもよい。カートリッジは、空気吸込み口を備え、また本明細書に記述されるようなエアロゾル発生装置の主部分の主カートリッジコネクタへと取り外し可能に取り付け可能な遠位端をさらに備えてもよい。カートリッジは、近位端と遠位端との間に配設される液体貯蔵部分をさらに備えてもよく、これにより、カートリッジが上部分と主部分との両方に取り付けられる時、主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って、カートリッジの液体貯蔵部分を介して、主空気吸込み口から空洞へと連続的な流体接続が提供される。
【0061】
本発明の実施形態によると、エアロゾル発生装置とともに使用するためのカートリッジが提供される。カートリッジは、液体出口を備え、また本明細書に記述されるようなエアロゾル発生装置の上部分の上部カートリッジコネクタへと取り外し可能に取り付け可能な近位端を備える。カートリッジは、空気吸込み口を備え、また本明細書に記述されるようなエアロゾル発生装置の主部分の主カートリッジコネクタへと取り外し可能に取り付け可能な遠位端をさらに備える。カートリッジは、近位端と遠位端との間に配設される液体貯蔵部分をさらに備える、これにより、カートリッジが上部分と主部分との両方に取り付けられる時、主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って、カートリッジの液体貯蔵部分を介して、主空気吸込み口から空洞へと連続的な流体接続が提供される。
【0062】
カートリッジは実質的に密封されてもよい。カートリッジは、液体貯蔵部分内に貯蔵された液体感覚媒体を液体貯蔵部分からエアロゾル発生装置の他の部分へと流すための一つ以上の液体出口を備えてもよい。カートリッジは、一つ以上の半開放入口を備えてもよい。これは、周囲空気がカートリッジおよび液体貯蔵部分へと入ることを可能にする場合がある。一つ以上の半開放入口は、周囲空気が液体貯蔵部分の中へと入ることを可能にするように透過性があり、かつ液体貯蔵部分の内側の空気および液体が液体貯蔵部分から出るのを実質的に防止するように不透過性である、半透過性の膜または一方向弁であってもよい。一つ以上の半開放入口は、特定の条件下で空気が液体貯蔵部分の中へと通ることを可能にする場合がある。カートリッジの液体貯蔵部分は、再充填可能であってもよい。別の方法として、カートリッジは、交換可能なカートリッジとして構成されてもよい。当初のカートリッジが消費された時、新しいカートリッジがエアロゾル発生装置に取り付けられてもよい。
【0063】
カートリッジの近位端の液体出口は、一方向弁を備えてもよい。一方向弁は、上部気流チャネル内の圧力降下に応答して開放するように構成されてもよい。一方向弁は、液体出口を介してあらゆる残留物が液体貯蔵部分の中へと入るのを妨害することによって、液体貯蔵部分の汚染をさらに防止する場合がある。
【0064】
カートリッジの遠位端の空気吸込み口は、一方向弁を備えてもよい。一方向弁は、主気流チャネル内の圧力降下に応答して開放するように構成されてもよい。一方向弁は、カートリッジの遠位端における空気吸込み口の外への液体の漏れをさらに防止してもよい。
【0065】
液体貯蔵部分は、液体感覚媒体を含んでもよい。液体感覚媒体は、風味剤を含んでもよい。液体感覚媒体は、ニコチンを含んでもよい。
【0066】
カートリッジの液体貯蔵部分は、二つ以上の個別の液体貯蔵区画を備えてもよい。各液体貯蔵区画は、液体感覚媒体を含む液体を含んでもよい。個別の液体貯蔵区画は、同一の液体を含んでもよい。別の方法として、少なくとも一つの液体貯蔵区画は、別の液体貯蔵区画の液体組成物とは異なる液体組成物を含んでもよい。少なくとも一つの液体貯蔵区画は、別の液体貯蔵区画の液体感覚媒体とは異なる液体感覚媒体を含んでもよい。
【0067】
各液体貯蔵区画は、個別の区画空気吸込み口および個別の区画液体出口を有してもよい。カートリッジは、区画空気吸込み口および区画液体出口のうちの一方または両方を、個別に開放し、また個別に閉じる手段を備えてもよい。
【0068】
液体貯蔵部分は、二つ以上の直列接続された液体貯蔵区画を備えてもよい。液体貯蔵部分は、二つ以上の直列接続された液体貯蔵区画を備えてもよく、これにより、カートリッジが上部分と主部分との両方に取り付けられた時、主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って、カートリッジの液体貯蔵部分を介して、主空気吸込み口から空洞へと連続的な流体接続が提供され、続いて流体接続がカートリッジの液体貯蔵部分の二つ以上の直列接続された液体貯蔵区画を通して提供される。
【0069】
液体貯蔵部分は、二つ以上の並列接続された液体貯蔵区画を備えてもよい。液体貯蔵部分は、二つ以上の並列接続された液体貯蔵区画を備えてもよく、これにより、カートリッジが上部分と主部分との両方に取り付けられた時、主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って、カートリッジの液体貯蔵部分の並列接続された液体貯蔵区画のうちの一つを介して、主空気吸込み口から空洞へと連続的な流体接続が提供される。別の方法として、液体貯蔵部分は、二つ以上の並列接続された液体貯蔵区画を備えてもよく、これにより、カートリッジが上部分と主部分との両方に取り付けられた時、主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って、カートリッジの液体貯蔵部分の並列接続された液体貯蔵区画のうちの少なくとも二つを介して、主空気吸込み口から空洞へと連続的な流体接続が提供される。
【0070】
液体貯蔵部分は、流体接続を提供し、かつエアロゾル発生に関与するように、ユーザーが二つ以上の並列接続された液体貯蔵区画の間で選んでもよいように構成されてもよい。それ故に、ユーザーは、異なる並列接続された液体貯蔵区画内に貯蔵された異なる液体感覚媒体の間で選んでもよい。異なるタイプのエアロゾルを生成する異なる構成で使用することができるカートリッジが提供されてもよい。
【0071】
別の方法として、または追加的に、異なる液体貯蔵区画からの異なる液体感覚媒体の重ね合わせによって修正されたエアロゾルが生成されてもよい。例えば、異なる風味剤を含む異なる液体感覚媒体が、異なる液体貯蔵区画において使用されてもよい。それ故に、ユーザーは、エアロゾル発生に関与するように特定の液体貯蔵区画の組み合わせを選択することによって、異なる風味剤を組み合わせた特定の風味を作り出してもよい。
【0072】
カートリッジの液体貯蔵部分は、並列接続された液体貯蔵区画および直列接続された液体貯蔵区画の両方を備えてもよい。
【0073】
並列接続された液体貯蔵区画、ならびに別の方法として、または追加的に、直列接続された液体貯蔵区画の様々な異なるタイプおよびカートリッジの構成が選択されてもよい。
【0074】
カートリッジの異なるタイプおよび構成によって、ユーザー体験は修正可能である。カートリッジの異なるタイプおよび構成によって、ユーザー体験はユーザーによって修正可能である。カートリッジの異なるタイプおよび構成によって、ユーザー体験はより簡単に修正可能である。カートリッジの異なるタイプおよび構成によって、発生したエアロゾルの風味は修正可能である。カートリッジの異なるタイプおよび構成によって、発生したエアロゾルのニコチン含有量は修正可能である。
【0075】
カートリッジが上部分と主部分との両方に取り付けられる時、カートリッジは、上部分と主部分との間の電気的な接触を確立するように適合された導電性要素を備えてもよい。導電性要素は、上部分内の発熱体を、主部分内のコントローラおよび電源のうちの一方または両方に接続してもよい。
【0076】
本発明の実施形態によると、本明細書に記述されるようなエアロゾル発生装置と、本明細書に記述されるようなエアロゾル形成基体を備える本明細書に記述されるようなエアロゾル発生物品と、を備えるエアロゾル発生システムが提供される。
【0077】
本明細書で使用される場合、「液体感覚媒体」という用語は、液体感覚媒体と接触する気流を修正する能力を有する液体組成物に関する。気流の修正は、エアロゾルまたは蒸気を形成することと、気流を冷却することと、気流を濾過することとのうちの一つ以上であってもよい。例えば、液体感覚媒体は、エアロゾルまたは蒸気を形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含んでもよい。液体感覚媒体中のエアロゾル形成基体は、風味剤であるか、または風味剤を含むことが好ましい。別の方法として、または追加的に、液体感覚媒体は、液体感覚媒体を通過する気流を冷却するための冷却物質と、気流中の望ましくない構成要素を捕捉するための濾過物質とのうちの一方または両方を含んでもよい。冷却物質として、水が使用されてもよい。気流からダスト粒子などの粒子を捕捉するための濾過物質として、水が使用されてもよい。液体感覚媒体は、ニコチン提供液体、調味料、および増量剤のうちの一つ以上として機能してもよい。
【0078】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルまたは蒸気を形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、固体形態であってもよく、または液体形態であってもよい。「エアロゾル」および「蒸気」という用語は、同じ意味で使用される。
【0079】
エアロゾル形成基体はエアロゾル発生物品の一部であってもよい。エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分内に保持された液体の一部であってもよい。エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分内に保持された液体感覚媒体の一部であってもよい。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を収容してもよい。別の方法として、または追加的に、液体貯蔵部分は、固体エアロゾル形成基体を収容してもよい。例えば、液体貯蔵部分は、固体エアロゾル形成基体と液体との懸濁液を収容してもよい。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を収容することが好ましい。
【0080】
以下に記述されるエアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分内に含まれるエアロゾル形成基体と、エアロゾル発生物品内に含まれるエアロゾル形成基体とのうちの一方または両方であってもよい。好ましくは、液体ニコチンまたは風味/風味剤含有エアロゾル形成基体は、カートリッジの液体貯蔵部分で採用されてもよく、一方で、固体たばこ含有エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品で採用されてもよい。
【0081】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチン含有エアロゾル形成基体は、ニコチン塩マトリクスであってもよい。
【0082】
エアロゾル形成基体は、植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含むたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料の捲縮したシートの集合体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「捲縮したシート」という用語は、複数の実質的に平行な隆起または波形を有するシートを意味する。
【0083】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつ装置の動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)である。エアロゾル形成体は、グリセリンであることが好ましい。存在する場合、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で5重量パーセント以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、また乾燥重量基準で5重量パーセント~30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を有することが好ましい。エアロゾル形成基体は、風味剤などのその他の添加物および成分を含んでもよい。
【0084】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、装置の近位端またはユーザー端でマウスピースを吸うまたは吸煙するユーザーによって直接吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞の中へと挿入可能であってもよい。
【0085】
エアロゾル発生物品およびエアロゾル発生装置の空洞は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に部分的に受容されるように配設されてもよい。エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品の空洞は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞内に完全に受容されるように配設されてもよい。
【0086】
エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す周囲と、を有してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル形成セグメントとして提供されてもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成セグメントは実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成セグメントはまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す周囲とを有してもよい。
【0087】
本明細書で使用される場合、「液体貯蔵部分」という用語は、液体感覚媒体、および追加的に、または代替的に、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む貯蔵部分を指す。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を貯蔵するための容器または貯蔵部として構成されてもよい。
【0088】
液体貯蔵部分は、交換可能なタンクまたは容器として構成されてもよい。液体貯蔵部分は、任意の適切な形状およびサイズであってもよい。例えば、液体貯蔵部分は、実質的に円筒状であってもよい。液体貯蔵部分の断面は、例えば実質的に円形、楕円形、正方形または長方形であってもよい。
【0089】
液体貯蔵部分はハウジングを備えてもよい。ハウジングは、基部と、基部から延びる一つ以上の側壁とを備えてもよい。基部および一つ以上の側壁は、一体的に形成されてもよい。基部および一つ以上の側壁は、相互に取り付けられている、または固定されている別個の要素であってもよい。液体貯蔵部分のハウジングは、透明または半透明の部分を備えてもよく、これにより液体貯蔵部分内に貯蔵された液体エアロゾル形成基体は、ハウジングを通してユーザーに見えてもよい。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内に貯蔵されたエアロゾル形成基体が周囲空気から保護されるように構成されてもよい。液体貯蔵部分は、液体貯蔵部分内に貯蔵されたエアロゾル形成基体が光から保護されるように構成されてもよい。これは、基体の劣化のリスクを低減する場合があり、また高いレベルの衛生状態を維持する場合がある。
【0090】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品とカートリッジとのうちの一方または両方と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。
【0091】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書でさらに記述および例示するようなエアロゾル発生物品と、本明細書でさらに記述および例示するようなエアロゾル発生装置との組み合わせを指す。システムでは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生物品とカートリッジとのうちの一方または両方が協働して、呼吸に適したエアロゾルを発生する。
【0092】
エアロゾル発生装置は、断熱要素を備えてもよい。断熱要素は、空洞を包囲して配設されてもよい。断熱要素は、エアロゾル発生装置のハウジングと空洞との間に配設されてもよい。断熱要素は、管状であってもよい。断熱要素は、誘導発熱体と同軸に整列されてもよく、好ましくは、管状サセプタと同軸に整列されてもよい。
【0093】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。装置は電気的に動作する喫煙装置であってもよい。装置は、手持ち式エアロゾル発生装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、30ミリメートル~150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生装置は、5ミリメートル~30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0094】
エアロゾル発生装置は、ハウジングを備えてもよい。ハウジングは細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適する熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は、軽量で、かつ脆くないことが好ましい。
【0095】
ハウジングは、少なくとも一つの空気吸込み口を備えてもよい。ハウジングは、二つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。
【0096】
本明細書で使用される場合、「マウスピース」という用語は、装置の空洞内に受容されたエアロゾル発生物品から、および/またはカートリッジの液体貯蔵部分内に受容された液体から、エアロゾル発生装置によって発生したエアロゾルを直接吸入するためにユーザーの口の中へと入れられるエアロゾル発生装置の一部分を指す。
【0097】
発熱体の動作は、吸煙検出システムによってトリガーされてもよい。別の方法として、発熱体は、オンオフボタンを押すことによってトリガーされ、ユーザーの吸煙の持続時間の間保持されてもよい。吸煙検出システムはセンサーとして提供されてもよく、これは気流速度を測定するための気流センサーとして構成されてもよい。気流速度は、ユーザーによってエアロゾル発生装置の気流経路を通して引き出される時間当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸煙の開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出されてもよい。開始はまた、ユーザーがボタンを起動する際に検出されてもよい。
【0098】
センサーはまた、圧力センサーとして構成されてもよい。ユーザーがエアロゾル発生装置を吸う時、陰圧または真空が装置の内側に作り出され、この陰圧は圧力センサーによって検出されてもよい。「陰圧」という用語は、周囲空気の圧力より低い圧力として理解される。言い換えれば、ユーザーが装置を吸う時、装置を通して引き出される空気は、装置の外側の周囲空気の圧力より低い圧力を有する。
【0099】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を起動するためのユーザーインターフェース、例えば、エアロゾル発生装置の加熱を開始するボタン、またはエアロゾル発生装置またはエアロゾル形成基体の状態を表示するディスプレイを含んでもよい。
【0100】
エアロゾル発生装置は、例えば、電気的に動作する、または電気式のエアロゾル発生装置内の搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなどの、追加的な構成要素を含んでもよい。
【0101】
本明細書で使用される場合、エアロゾル発生装置の「近位」という用語は、ユーザー端、あるいは口側端、またはその一部もしくはその部分を指し、また「遠位」という用語は、近位端の反対側の端を指す。空洞を参照する時、「近位」という用語は、空洞の開放端に最も近い領域を指し、また「遠位」という用語は、閉鎖端に最も近い領域を指す。
【0102】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に関して、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0103】
本明細書で使用される場合、「サセプタ配設」は、交番磁界に供された時に加熱する要素を意味する。これはサセプタ配設内で誘発された渦電流、ヒステリシス損失、または渦電流とヒステリシス損失との両方の結果であってもよい。使用中に、サセプタ配設は、エアロゾル発生装置内に受容されたエアロゾル形成基体と熱的接触して、または熱的に近接して位置する。このようにして、エアロゾル形成基体は、サセプタ配設によって加熱され、これによりエアロゾルが形成される。
【0104】
サセプタ材料は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するために十分な温度まで誘導加熱することができる任意の材料であってもよい。サセプタ配設に関する以下の実施例および特徴は、中央サセプタ配設および周辺サセプタ配設のうちの一方または両方に適用されてもよい。サセプタ材料のために適切な材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合材料が挙げられる。好ましいサセプタ材料は金属または炭素を含む。有利なことに、サセプタ材料は、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料またはフェリ磁性材料を含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。適切なサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ材料は、5パーセント超の、好ましくは20パーセント超の、より好ましくは50パーセント超の、または90パーセント超の強磁性材料、フェリ磁性材料、もしくは常磁性材料を含んでもよい。好ましいサセプタ材料は、劣化することなく、摂氏約250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0105】
サセプタ材料は、単一の材料層から形成されてもよい。単一の材料層は、鋼層であってもよい。
【0106】
サセプタ材料は、非金属コア上に配置された金属層を有する非金属コアを備えてもよい。例えば、サセプタ材料は、セラミックコアまたは基体の外表面上に形成された金属トラックを備えてもよい。
【0107】
サセプタ材料はオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。ステンレス鋼の一つ以上の層は、オーステナイト鋼の層上に配設されてもよい。例えば、サセプタ材料は、その上方表面および下方表面のそれぞれ上にステンレス鋼の層を有するオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。サセプタ配設は、単一のサセプタ材料を備えてもよい。サセプタ配設は、第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と密接な物理的接触をして配置されてもよい。第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料は密接に接触して分解できない単一のサセプタを形成してもよい。ある特定の実施形態では、第一のサセプタ材料はステンレス鋼であり、また第二のサセプタ材料はニッケルである。サセプタ配設は、二層構造を有してもよい。サセプタ配設はステンレス鋼層およびニッケル層から形成されてもよい。
【0108】
第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料との間の密接な接触は、任意の適切な手段によってなされてもよい。例えば、第二のサセプタ材料は、第一のサセプタ材料の上へとメッキ、堆積、被覆、クラッディング、または溶接されてもよい。好ましい方法としては、電気メッキ、亜鉛メッキ、およびクラッディングが挙げられる。
【0109】
一実施形態に関して記述される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0110】
下記に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例または実施形態の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0111】
〔実施例A〕
上部分および主部分を備えるエアロゾル発生装置であって、
上部分が、
-上部ハウジングと、
-発熱体と、
-エアロゾル発生物品を受容するための空洞を備える近位端と、
-上部カートリッジコネクタを備える遠位端と、
-上部カートリッジコネクタから空洞へと延びる上部気流チャネルと、を備え、
主部分が、
-主ハウジングと、
-電源と、
-主カートリッジコネクタを備える近位端と、
-主空気吸込み口と、
-主空気吸込み口から主カートリッジコネクタへと延びる主気流チャネルと、を備え、
上部カートリッジコネクタが、カートリッジの近位端へと取り外し可能に取り付け可能であり、また主カートリッジコネクタが、カートリッジの遠位端へと取り外し可能に取り付け可能であり、第一の動作モードを可能にし、また上部カートリッジコネクタが、主カートリッジコネクタへと直接取り外し可能に取り付け可能であり、第二の動作モードを可能にする、エアロゾル発生装置。
【0112】
〔実施例B〕
上部分が、上部空気吸込み口、および上部空気吸込み口から空洞へと延びる追加的な気流チャネルを備える、実施例Aに記載の装置。
【0113】
〔実施例C〕
いかなるエアロゾル発生物品も空洞内に受容されていない時、上部分の近位端が、マウスピースの取り付けを可能にするように適合されて、第三の動作モードを可能にする、実施例AまたはBに記載の装置。
【0114】
〔実施例D〕
上部カートリッジコネクタが、第二の動作モードに従って主カートリッジコネクタに直接取り付けられる時、上部カートリッジコネクタおよび主カートリッジコネクタの両方が、上部分と主部分との間の電気的な接触を確立するように適合される導電性要素を備える、先行する実施例のいずれか一つに記載の装置。
【0115】
〔実施例E〕
上部分の発熱体が、誘導発熱体を備える、先行する実施例のいずれか一つに記載の装置。
【0116】
〔実施例F〕
誘導発熱体が、周辺誘導コイルおよび管状サセプタを備え、管状サセプタが、上部気流チャネルの少なくとも一部分を取り囲む、実施例Eに記載の装置。
【0117】
〔実施例G〕
上部分が、上部空気吸込み口と、上部空気吸込み口から空洞へと延びる追加的な気流チャネルと、を備え、かつ誘導発熱体が、追加的な管状サセプタを備え、追加的な管状サセプタが空洞の少なくとも一部分を取り囲む、実施例Fに記載の装置。
【0118】
〔実施例H〕
誘導コイル、管状サセプタ、および追加的な管状サセプタが同軸で整列される、実施例Gに記載の装置。
【0119】
〔実施例I〕
上部分が、上部気流チャネル内に少なくとも部分的に配設される芯を備え、かつ芯が上部気流チャネルの遠位端から離隔して配設される、先行する実施例のいずれか一つに記載の装置。
【0120】
〔実施例J〕
芯が多孔性要素である、実施例Iに記載の装置。
【0121】
〔実施例K〕
主部分が、カートリッジの潜在的な漏れを吸収するために、主カートリッジコネクタに近接して配設される高保持材料を備える、先行する実施例のいずれか一つに記載の装置。
【0122】
〔実施例L〕
実施例A~Kのいずれか一つに記載の装置とともに使用するカートリッジであって、
-液体出口を備え、かつ上部分の上部カートリッジコネクタ24へと取り外し可能に取り付け可能な近位端と、
-空気吸込み口を備え、かつ主部分の主カートリッジコネクタへと取り外し可能に取り付け可能な遠位端と、
-近位端と遠位端との間に配設される液体貯蔵部分であって、これによりカートリッジが上部分と主部分との両方に取り付けられるとき、主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って主空気吸込み口からカートリッジの液体貯蔵部分を介して空洞へと連続的な流体接続が提供される、液体貯蔵部分と、を備えるカートリッジ。
【0123】
〔実施例M〕
近位端の液体出口が、一方向弁を備える、実施例Lに記載のカートリッジ。
【0124】
〔実施例N〕
遠位端の空気吸込み口が一方向弁を備える、実施例Lまたは実施例Mに記載のカートリッジ。
【0125】
〔実施例O〕
液体貯蔵部分が、液体感覚媒体を備える、実施例L~Nのいずれか一つに記載のカートリッジ。
【0126】
〔実施例P〕
液体感覚媒体が風味剤を含む、実施例Oに記載のカートリッジ。
【0127】
〔実施例Q〕
液体感覚媒体がニコチンを含む、実施例Oまたは実施例Pに記載のカートリッジ。
【0128】
〔実施例R〕
液体貯蔵部分が、二つ以上の直列接続された液体貯蔵区画を備える、実施例L~Qのいずれか1つに記載のカートリッジ。
【0129】
〔実施例S〕
液体貯蔵部分が、二つ以上の並列接続された液体貯蔵区画を備える、実施例LからRのいずれか1つに記載のカートリッジ。
【0130】
〔実施例T〕
少なくとも一つの液体貯蔵区画が、別の液体貯蔵区画の液体組成物とは異なる液体組成物を含む、実施例Rまたは実施例Sに記載のカートリッジ。
【0131】
〔実施例U〕
カートリッジが上部分と主部分との両方に取り付けられる時、カートリッジが上部分と主部分との間の電気的な接触を確立するように適合された導電性要素を備える、実施例LからTのいずれか一つに記載のカートリッジ。
【0132】
〔実施例V〕
実施例A~Kのいずれか一つに記載の装置、および実施例L~Uのいずれか一つに記載のカートリッジを備える、エアロゾル発生装置。
【0133】
〔実施例W〕
マウスピースをさらに備え、いかなるエアロゾル発生物品も空洞内に受容されていない時、マウスピースが上部分の近位端に取り外し可能に取り付け可能な、実施例Vに記載の装置。
【0134】
〔実施例X〕
実施例A~Wのいずれか一つに記載の装置と、エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
【0135】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0136】
図1図1は、三つの異なる動作モードにおける本発明のエアロゾル発生装置の実施形態を示す。
図2図2は、本発明のエアロゾル発生装置の実施形態を示す。
図3図3は、本発明のエアロゾル発生装置の実施形態の上部分の断面を示す。
図4図4は、本発明のエアロゾル発生装置の実施形態の上部分の断面を示す。
図5図5は、本発明のカートリッジの実施形態を示す。
図6図6は、本発明のカートリッジの三つの異なる実施形態を示す。
図7図7は、本発明のエアロゾル発生装置の実施形態の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0137】
図1は、三つの異なる動作モードにおける本発明のエアロゾル発生装置10を示す。エアロゾル発生装置10は、上部ハウジングおよび発熱体を備える上部分20と、主ハウジングおよび電源を備える主部分70とを備える。上部分20は、エアロゾル発生物品12を受容するための空洞22を備える近位端と、上部カートリッジコネクタ24を備える遠位端と、上部カートリッジコネクタ24から空洞22へと延びる上部気流チャネルと、を備える。主部分70は、主カートリッジコネクタ72と、主空気吸込み口(図示せず)と、主空気吸込み口から主カートリッジコネクタ72へと延びる主気流チャネルとを備える近位端を備える。図1の左側に示すように、上部カートリッジコネクタ24は、カートリッジ50の近位端に取り外し可能に取り付け可能であり、また主カートリッジコネクタ74は、カートリッジ50の遠位端に取り外し可能に取り付け可能であり、第一の動作モードを可能にする。第一の動作モードによると、吸入可能なエアロゾルは、カートリッジ50に由来する物質と、追加的にエアロゾル発生物品12内に含まれるエアロゾル形成基体に由来する物質を含有してもよい。
【0138】
図1の真ん中に示すように、上部カートリッジコネクタ24はまた、主カートリッジコネクタ72に直接取り外し可能に取り付け可能でもあり、第二の動作モードを可能にする。第二の動作モードによると、吸入可能なエアロゾルは、エアロゾル発生物品12内に含まれるエアロゾル形成基体に由来する物質のみを含有してもよい。
【0139】
図1の右側に示すように、いかなるエアロゾル発生物品12も空洞22内に受容されていない時、上部分の近位端は、マウスピース14の取り付けを可能にするように適合されて、第三の動作モードを可能にする。第三の動作モードによると、吸入可能なエアロゾルは、カートリッジ50のみに由来する物質を含有してもよい。
【0140】
ユーザーは、異なる動作モードの中から選んでもよい。それによって、多機能エアロゾル発生装置10には、有利なことに、一つの単一の装置で三つの異なる動作モードを可能にすることが提供されてもよい。それ故に、ユーザーは、必ずしも各動作モードのために三つの異なる装置を携行しなくてもよく、一つの装置のみを携行すればよい。また、ユーザーは三つの異なる装置を購入する必要がなく、一つの装置のみを購入する必要がある場合もあり、これはコストの節約になる場合がある。
【0141】
図2は、本発明のエアロゾル発生装置10を示す。図2の左側は、組み立てられた状態にあるエアロゾル発生装置10を示す。エアロゾル発生物品12は、空洞22の中へと挿入される。図2の真ん中は、分解組立図におけるエアロゾル発生装置10を示し、上部分20、カートリッジ50、および主部分70は相互に取り付けられていない。主部分70の遠位端は、主部分70をカートリッジ50に取り外し可能に取り付けるための主カートリッジコネクタ72を備える。上部分20の近位端は、上部分20をカートリッジ50に取り外し可能に取り付けるための対応する上部カートリッジコネクタ(図示せず)を備える。図2の右側は、いかなるエアロゾル発生物品12も空洞22の中へと挿入されていない時に、空洞22の上へと取り外し可能に取り付け可能でもよい、随意のマウスピース14を示す。
【0142】
図3は、本発明のエアロゾル発生装置10の上部分20の断面を示す。上部気流チャネルは、上部カートリッジコネクタ24から空洞22へと延びる。上部分20は、上部気流チャネル内に配設される芯36をさらに備える。芯36は、上部カートリッジコネクタ24から離隔して配設される。芯36は、上部気流チャネルの遠位端から離隔して配設される。
【0143】
上部分20は、上部空気吸込み口26と、上部空気吸込み口26から空洞22へと延びる追加的な気流チャネルとを備える。上部分20の近位端は、いかなるエアロゾル発生物品も空洞内に受容されていない時、マウスピース14の可逆的な取り付けを可能にするように適合され、第三の動作モードを可能にする。上部分20の発熱体は、誘導発熱体を備える。誘導発熱体は、周辺誘導コイル28および管状サセプタ30を備える。管状サセプタ30は、上部気流チャネルの一部分を取り囲む。誘導発熱体は、追加的な管状サセプタ32をさらに備える。追加的な管状サセプタ32は、空洞22の一部分を取り囲む。誘導コイル28、管状サセプタ30、および追加的な管状サセプタ32は、同軸に整列される。また、誘導コイル28、追加的な管状サセプタ32の間に位置付けられた断熱材34も示されている。
【0144】
図3の実施形態の代替的な実施形態では、誘導発熱体の代わりに抵抗発熱体が使用される。代替的な実施形態では、誘導コイル28は省略される。さらに、代替的な実施形態では、管状サセプタ30は、管状サセプタ30と同じ形状の抵抗加熱管によって置き換えられ、また追加的な管状サセプタ32は、追加的な管状サセプタ32と同じ形状の追加的な抵抗加熱管によって置き換えられる。抵抗加熱管および追加的な抵抗加熱管は、ポリイミドなどの誘電性基体上の可撓性の加熱箔を含んでもよい。
【0145】
図4は、本発明のエアロゾル発生装置10の上部分20の断面を示す。また、図4は、上部分20へと可逆的に取り付けられるカートリッジ50の近位部分も示す。近位端の液体出口52は、一方向弁を備える。曲がりくねった矢印は、上部気流チャネルに沿った、および追加的な気流チャネルに沿った気流を示す。
【0146】
空洞22の中へと挿入されるエアロゾル発生物品は、その遠位端における固体エアロゾル形成基体と、その近位端におけるマウスピースフィルターを含むマウスピースと、を備える中空の円筒状管を備えてもよい。エアロゾル発生物品の遠位端は、空洞22の中へと挿入されてもよく、これにより中空の円筒状管は管状サセプタ30と追加的な管状サセプタ32との間に配設される。それ故に、エアロゾル発生物品を、二つのサセプタの間に挟むことができる。エアロゾル発生物品は、追加的な管状サセプタ32によって加熱されてもよい。エアロゾル発生物品は、管状サセプタ30によって追加的に加熱されてもよい。
【0147】
上部空気吸込み口26は、追加的な管状サセプタ32内の開口を介して、追加的な気流チャネルに沿って空洞22と流体接続される。例えば、追加的な管状サセプタ32は、円筒状の構成で配設された複数の別個の加熱ブレードを備えてもよく、また隣接する加熱ブレード間の空間は、開口を画定してもよい。加熱ブレードは、サセプタ材料を含んでもよい。
【0148】
上部気流チャネルは、管状サセプタ30の中空管内に延びる。芯36は、管状サセプタ30内に定置される。上部気流チャネルは、管状サセプタ30内の上部開口38を介して空洞22と流体接続される。
【0149】
図5は、本明細書に記述されるようなエアロゾル発生装置10とともに使用するための本発明のカートリッジ50を示す。カートリッジ50は、液体出口52を備え、また上部分20の上部カートリッジコネクタ24へと取り外し可能に取り付け可能な近位端を備える。カートリッジ50は、空気吸込み口54を備え、かつ主部分70の主カートリッジコネクタ72に取り外し可能に取り付け可能な遠位端を備える。カートリッジ50は、近位端と遠位端との間に配設される液体貯蔵部分56をさらに備え、これにより、カートリッジ50が上部分20と主部分70との両方に取り付けられる時、主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って、カートリッジ50の液体貯蔵部分56を介して、主空気吸込み口から空洞22へと連続的な流体接続が提供される。
【0150】
図6は、本発明の異なる実施形態による三つの異なるカートリッジ50を示す。図6に示すカートリッジ50は各々、第一の液体貯蔵区画58および第二の液体貯蔵区画60を含む、液体貯蔵部分56を備える。それ故に、液体貯蔵部分50は、二つの個別の液体貯蔵区画58、60を備える。第一の液体貯蔵区画58および第二の液体貯蔵区画60の両方は、区画空気吸込み口62および区画液体出口64を備える。第一の液体貯蔵区画58は、第二の液体貯蔵区画60と比較して異なる液体感覚媒体を備える。それ故に、第一の液体貯蔵区画58は、第二の液体貯蔵区画60の組成物とは異なる液体組成物を含む。
【0151】
図6の左側において、カートリッジ50は、二つの並列接続された液体貯蔵区画58、60を備えて示され、これにより、カートリッジ50が上部分および主部分の両方へと取り付けられた時、主空気吸込み口から空洞へと、カートリッジ50の液体貯蔵部分56の並列接続された液体貯蔵区画58、60を介して、主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って連続的な流体接続が提供される。並列接続された液体貯蔵区画58、60の各々の両方の区画液体出口64を出る気流は、液体出口52を介してカートリッジ50を出る前に、上流混合領域で混合してもよい。
【0152】
別の方法として、カートリッジが上部分および主部分の両方に取り付けられた時、主空気吸込み口から空洞へと二つの液体貯蔵区画58、60のうちの一つのみを介して、主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って連続的な流体接続を選択的に提供するために、追加的な手段を備えてもよい。例えば、個別に制御可能なシャッターが、区画空気吸込み口62に、また別の方法として、または追加的に、個々の液体貯蔵区画58、60のうちの一方または両方の区画液体出口64に、提供されてもよい。ユーザーは、流体接続を提供するために、並列接続された液体貯蔵区画58、60の中から選んでもよい。
【0153】
区画空気吸込み口62は、同時に、カートリッジ50の空気吸込み口54として機能してもよい。
【0154】
図6の真ん中は、別の構成にある二つの個別の液体貯蔵区画58、60を備える、カートリッジ50の実施形態を示す。二つの液体貯蔵区画58、60は、直列接続され、これにより、カートリッジが上部分および主部分の両方へと取り付けられた時、主空気吸込み口から空洞へと、カートリッジの液体貯蔵部分介して、主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って連続的な流体接続が提供される。第一の液体貯蔵区画58の区画液体出口64は、第二の液体貯蔵区画60の区画空気吸込み口62に流体接続される。それ故に、流体接続は、カートリッジ50の液体貯蔵部分56の二つの直列接続された液体貯蔵区画58、60を通してその後提供される。
【0155】
第一の液体貯蔵区画58の区画空気吸込み口62は、同時に、カートリッジ50の空気吸込み口54として機能してもよい。第二の液体貯蔵区画60の区画液体出口64は、同時に、カートリッジ50の液体出口52として機能してもよい。
【0156】
図6の右側は、同様に、二つの直列接続された液体貯蔵区画58、60を有する実施形態を示す。しかしながら、第一の液体貯蔵区画58および第二の液体貯蔵区画60の両方は、円筒状形状を有し、これにより液体貯蔵部分56およびカートリッジ50の円筒状形状が結果としてもたらされる。
【0157】
図7は、本発明のエアロゾル発生装置10の断面を示す。エアロゾル発生装置10は、上部分20および主部分70を備える。エアロゾル発生物品(図示せず)を受容するための空洞22が、上部分20内に提供される。カートリッジ50は、エアロゾル発生装置10へと接続される。カートリッジ50は、上部分20と主部分70との間に配設される。図7の上部分20は、図4の実施形態の上部分20に対応する。
【0158】
主部分70は、主空気吸込み口74を備え、また主カートリッジコネクタ72を介してカートリッジ50に取り付けられる。主部分70は、カートリッジ50の潜在的な漏れを吸収するために、カートリッジ50の空気吸込み口54に近接して配設される高保持材料76を備える。主部分70は、上部分20内の発熱体に電力を供給するための電源78をさらに備える。電源78に電気的に接続される主部分70は、電源78を制御するためのコントローラ80をさらに備える。追加的に、エアロゾル発生装置10は、カートリッジ50が上部分20および主部分70の両方に取り付けられる時、および上部分20が主部分70に直接取り付けられる時、上部分20と主部分70との間の電気的な接触を確立するために適合される導電性要素82を備える。導電性要素82は、上部分20、主部分70の両方、およびカートリッジ50に提供される。導電性要素82は、上部分20内の発熱体を主部分70内のコントローラ80および電源78に接続する。
【0159】
エアロゾル発生装置10は、図7における曲がりくねった矢印によって示されるように、気流に対して異なるルートを提供する。気流に対する第一のルートおよび第二のルートは、図4の上部分に関して上記に示し、かつ説明したように、上部気流チャネルおよび追加的な気流チャネルに沿って延びる。第三の気流ルートは、主空気吸込み口74から主カートリッジコネクタ72へと延びる主気流チャネルに沿って延びる。第三の気流ルートは、液体貯蔵部分56内に収容された液体を通ってさらに延びる。第三の気流ルートによって、液体出口52を介した液体貯蔵部分56からの液体の抽出は、有利なことに促進される場合がある。
【0160】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示される最大点および最小点を含み、それらの任意の中間範囲を含み、それらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数AはA±5パーセントとして理解される。この文脈内において、数Aは、数Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数Aは、添付の特許請求の範囲で使用されるような一部の事例において、それによってAが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙される割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されてもよく、列挙されていなくてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-07-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部分、主部分、およびカートリッジを備えるエアロゾル発生装置であって、
前記上部分が、
-上部ハウジングと、
-発熱体と、
-エアロゾル発生物品を受容するための空洞を備える近位端と、
-上部カートリッジコネクタを備える遠位端と、
-前記上部カートリッジコネクタから前記空洞へと延びる上部気流チャネルと、を備え、
前記主部分が、
-主ハウジングと、
-電源と、
-主カートリッジコネクタを備える近位端と、
-主空気吸込み口と、
-前記主空気吸込み口から前記主カートリッジコネクタへと延びる主気流チャネルと、を備え、
前記カートリッジが、
-液体出口を備える近位端と、
-空気吸込み口を備える遠位端と、
-前記近位端と前記遠位端との間に配設された液体貯蔵部分と、を備え、
前記上部分の前記上部カートリッジコネクタが、前記カートリッジの前記近位端に取り外し可能に取り付け可能であり、かつ前記主部分の前記主カートリッジコネクタが、前記カートリッジの前記遠位端に取り外し可能に取り付け可能であり、これにより前記カートリッジが前記上部分および前記主部分の両方に取り付けられる時、流体接続されている連続的な気流経路が、前記主気流チャネルおよび上部気流チャネルに沿って、前記主空気吸込み口から前記空洞へと前記カートリッジの前記液体貯蔵部分内に含まれている液体を通して提供されて、第一の動作モードを可能にし、
前記上部カートリッジコネクタが、前記主カートリッジコネクタに直接取り外し可能に取り付け可能で、第二の動作モードを可能にする、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記上部分が、上部空気吸込み口と、前記上部空気吸込み口から前記空洞へと延びる追加的な気流チャネルと、を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
いかなるエアロゾル発生物品も前記空洞内に受容されていない時、前記上部分の前記近位端が、マウスピースの取り付けを可能にするように適合されて、第三の動作モードを可能にする、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
マウスピースをさらに備え、いかなるエアロゾル発生物品も前記空洞内に受容されていない時、前記マウスピースが、前記上部分の前記近位端に取り外し可能に取り付け可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記上部カートリッジコネクタが、前記第二の動作モードに従って前記主カートリッジコネクタに直接取り付けられる時、前記上部カートリッジコネクタおよび前記主カートリッジコネクタの両方が、前記上部分と前記主部分との間の電気的な接触を確立するように適合される導電性要素を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記上部分の前記発熱体が、誘導発熱体を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記誘導発熱体が、周辺誘導コイルおよび管状サセプタを備え、前記管状サセプタが、前記上部気流チャネルの少なくとも一部分を取り囲む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記上部分が、上部空気吸込み口と、前記上部空気吸込み口から前記空洞へと延びる追加的な気流チャネルと、を備え、かつ前記誘導発熱体が、追加的な管状サセプタを備え、前記追加的な管状サセプタが前記空洞の少なくとも一部分を取り囲む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記誘導コイル、前記管状サセプタ、および前記追加的な管状サセプタが同軸で整列される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記上部分が、前記上部気流チャネル内に少なくとも部分的に配設される芯を備え、かつ前記芯が前記上部気流チャネルの前記遠位端から離隔して配設される、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記芯が多孔性要素である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記主部分が、前記カートリッジの潜在的な漏れを吸収するために、前記主カートリッジコネクタに近接して配設される高保持材料を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記カートリッジの前記近位端の前記液体出口が、一方向弁を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記カートリッジの前記遠位端の前記空気吸込み口が、一方向弁を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記カートリッジの前記液体貯蔵部分が、液体感覚媒体を備える、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記液体感覚媒体が風味剤を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記液体感覚媒体がニコチンを含む、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記カートリッジの前記液体貯蔵部分が、二つ以上の直列接続された液体貯蔵区画を備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記カートリッジの前記液体貯蔵部分が、二つ以上の並列接続された液体貯蔵区画を備える、請求項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
少なくとも一つの液体貯蔵区画が、別の液体貯蔵区画の液体組成物とは異なる液体組成物を含む、請求項18または請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記カートリッジが前記上部分と前記主部分との両方に取り付けられる時、前記カートリッジが前記上部分と前記主部分との間の電気的な接触を確立するように適合された導電性要素を備える、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の装置と、エアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生物品と、を備える、エアロゾル発生システム。
【国際調査報告】