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特表2023-512063ガイドワイヤブレーキを備えた医療装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】ガイドワイヤブレーキを備えた医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/3207 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
A61B17/3207
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546351
(86)(22)【出願日】2020-12-28
(85)【翻訳文提出日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 US2020067233
(87)【国際公開番号】W WO2021154438
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】62/967,860
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ローソン、ロバート
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE24
4C160MM36
4C160NN01
4C160NN11
(57)【要約】
例示的な医療装置は、遠位端領域(11)と、近位端領域(13)と、内部チャンバとを有するハンドル(15)を含む。医療装置(10)は、第1の把持部材(40a)と第2の把持部材(40b)とに結合された作動部材(28)を含むガイドワイヤブレーキ(22)を含む。第1の把持部材(40a)及び第2の把持部材(40b)は、ハンドル(15)の内部チャンバ内に設けられるとともに、作動部材(28)の少なくとも一部分は、ハンドル(15)の外面に沿って配置される。更に、第1の把持部材(40a)及び第2の把持部材(40b)は、第1の把持部材(40a)と第2の把持部材(40b)との間でガイドワイヤ(16)をクランプ及びクランプ解除するために、非クランプ構成とクランプ構成との間でシフトするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
遠位端領域と近位端領域と内部チャンバとを有するハンドルと、
第1の把持部材と第2の把持部材とに結合された作動部材を含むガイドワイヤブレーキと、
を備え、
前記第1の把持部材及び第2の把持部材は、前記ハンドルの前記内部チャンバ内に設けられ、
前記作動部材の少なくとも一部分は、前記ハンドルの外面に沿って配置され、
前記第1の把持部材及び前記第2の把持部材は、非クランプ構成とクランプ構成との間でシフトするように構成される、医療装置。
【請求項2】
前記第1の把持部材は、第1の把持パッドを含むとともに、前記第2の把持部材は、第2の把持パッドを含み、前記非クランプ構成において、前記第1の把持パッドの少なくとも一部分は、前記第2の把持パッドの少なくとも一部分から離間されるとともに、前記クランプ構成において、前記第1の把持パッドは、前記第2の把持パッドに接触する、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記クランプ構成において、前記第1の把持パッド及び前記第2の把持パッドは、当該第1の把持パッドと当該第2の把持パッドとの間でガイドワイヤをクランプするように構成される、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記第1の把持パッド及び前記第2の把持パッドは、ガイドワイヤが長手方向にシフトし、回転し、又は、長手方向にシフトしつつ回転することが阻止されるように、前記ガイドワイヤに力を作用させるように構成される、請求項2又は3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記作動部材は、1つ以上のリンク機構を介して前記第1の把持部材及び前記第2の把持部材に結合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記作動部材の作動は、前記非クランプ構成と前記クランプ構成との間で前記ガイドワイヤブレーキをシフトさせる、請求項1~5のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
前記作動部材は、手動で作動されるように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項8】
前記ガイドワイヤブレーキに沿って設けられたセンサを更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項9】
前記センサは、前記ガイドワイヤブレーキが前記クランプ構成に配置される場合に検知するように構成される、請求項8に記載の医療装置。
【請求項10】
前記ハンドルに沿って設けられた制御システムを更に備え、前記センサは、前記ガイドワイヤブレーキが前記クランプ構成に配置されていることを示す信号を制御システムに送信するように構成される、請求項8又は9に記載の医療装置。
【請求項11】
前記ハンドルの前記遠位端領域に結合されたドライブシャフトを更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項12】
前記ドライブシャフトの遠位端に結合されたアテレクトミーバーを更に備える、請求項11に記載の医療装置。
【請求項13】
アテレクトミー装置であって、
該アテレクトミー装置は、遠位端領域と近位端領域と内部チャンバとを有するハンドルを備え、
該アテレクトミー装置は、前記ハンドルの前記遠位端領域に結合されたドライブシャフトを備え、該ドライブシャフトは、当該ドライブシャフトの遠位端に沿って設けられたアテレクトミーバーを含み、
該アテレクトミー装置は、第1の把持部材と第2の把持部材とに結合された作動部材を含むガイドワイヤブレーキを備え、
前記第1の把持部材及び第2の把持部材は、前記ハンドルの前記内部チャンバ内に設けられ、
前記作動部材の少なくとも一部分は、前記ハンドルの外面に沿って配置され、
前記第1の把持部材及び前記第2の把持部材は、非クランプ構成とクランプ構成との間でシフトするように構成される、アテレクトミー装置。
【請求項14】
前記第1の把持部材は、第1の把持パッドを含むとともに、前記第2の把持部材は、第2の把持パッドを含み、前記非クランプ構成において、前記第1の把持パッドの少なくとも一部分は、前記第2の把持パッドの少なくとも一部分から離間されるとともに、前記クランプ構成において、前記第1の把持パッドは、前記第2の把持パッドに接触する、請求項13に記載の医療装置。
【請求項15】
前記クランプ構成において、前記第1の把持パッド及び前記第2の把持パッドは、当該第1の把持パッドと当該第2の把持パッドとの間でガイドワイヤをクランプするように構成される、請求項14に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療装置並びに医療装置を製造及び使用する方法に関する。より具体的には、本開示は、体管腔から閉塞物質を除去するための装置及び方法に関する。更に、本開示は、血管などの体管腔の閉塞物を通って通路を形成するためのアテレクトミー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの患者が、血流が制限される動脈及び他の血管の閉塞を患っている。閉塞は、血管の閉塞部分を通る血流を減少させる部分閉塞又は閉塞した血管を通る血流を実質的に遮断する完全閉塞(例えば、慢性完全閉塞)であり得る。いくつかの場合、閉塞を治療した領域にステントが配置され得る。しかしながら、ステント内に再狭窄が生じ、血管が更に閉塞して血流を制限する場合がある。血行再建術は、閉塞物を通過する様々な装置を使用して、閉塞物を通る開口を作成又は拡大することを含む。アテレクトミーは、閉塞物を通って、切断要素を有するカテーテルを進めて、閉塞物を通る通路を形成又は拡大する1つの技法である。閉塞物の横断を容易にするための代替的なアテレクトミー装置が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、医療装置の設計、材料、製造方法及び使用の代替形態を提供する。例示的な医療装置は、遠位端領域と、近位端領域と、内部チャンバとを有するハンドルを含む。医療装置は、第1の把持部材と第2の把持部材とに結合された作動部材を含むガイドワイヤブレーキも含む。第1の把持部材及び第2の把持部材は、ハンドルの内部チャンバ内に設けられるとともに作動部材の少なくとも一部分は、ハンドルの外面に沿って配置される。更に、第1の把持部材及び第2の把持部材は、非クランプ構成とクランプ構成との間でシフトするように構成される。
【0004】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、第1の把持部材は、第1の把持パッドを含むとともに、第2の把持部材は、第2の把持パッドを含み、且つ、非クランプ構成において、第1の把持パッドの少なくとも一部分は、第2の把持パッドの少なくとも一部分から離間されるとともに、クランプ構成において、第1の把持パッドは、第2の把持パッドに接触する。
【0005】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、クランプ構成において、第1の把持パッド及び第2の把持パッドは、当該第1の把持パッドと当該第2の把持パッドとの間でガイドワイヤをクランプするように構成される。
【0006】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、第1の把持パッド及び第2の把持パッドは、ガイドワイヤが、長手方向にシフトし、回転し、又は、長手方向にシフトしつつ回転することを阻止されるように、ガイドワイヤに力を作用させるように構成される。
【0007】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、作動部材は、1つ以上のリンク機構を介して第1の把持部材及び第2の把持部材に結合される。
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、作動部材の作動は、非クランプ構成とクランプ構成との間でガイドワイヤブレーキをシフトさせる。
【0008】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、作動部材は、手動で作動されるように構成される。
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、ガイドワイヤブレーキに沿って設けられたセンサを更に備える。
【0009】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、センサは、ガイドワイヤブレーキがクランプ構成に配置される場合に検知するように構成される。
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、ハンドルに沿って設けられた制御システムを更に備え、センサは、ガイドワイヤブレーキがクランプ構成に配置されていることを示す信号を制御システムに送信するように構成される。
【0010】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、ハンドルの遠位端領域に結合されたドライブシャフトを更に備える。
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、ドライブシャフトの遠位端に結合されたアテレクトミーバーを更に備える。
【0011】
別の例示的なアテレクトミー装置は、遠位端領域と、近位端領域と、内部チャンバとを有するハンドルを含む。装置は、ハンドルの遠位端領域に結合されたドライブシャフトを含み、該ドライブシャフトは、当該ドライブシャフトの遠位端に沿って設けられたアテレクトミーバーを含む。装置は、第1の把持部材と第2の把持部材とに結合された作動部材を含むガイドワイヤブレーキも含む。第1の把持部材及び第2の把持部材は、ハンドルの内部チャンバ内に設けられるとともに、作動部材の少なくとも一部分は、ハンドルの外面に沿って配置される。更に、第1の把持部材及び第2の把持部材は、非クランプ構成とクランプ構成との間でシフトするように構成される。
【0012】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、第1の把持部材は、第1の把持パッドを含むとともに、第2の把持部材は、第2の把持パッドを含み、非クランプ構成において、第1の把持パッドの少なくとも一部分は、第2の把持パッドの少なくとも一部分から離間されるとともに、クランプ構成において、第1の把持パッドは、第2の把持パッドに接触する。
【0013】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、クランプ構成において、第1の把持パッド及び第2の把持パッドは、第1の把持パッドと第2の把持パッドとの間でガイドワイヤをクランプするように構成される。
【0014】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、第1の把持パッド及び第2の把持パッドは、ガイドワイヤが長手方向にシフトし、回転し、又は、長手方向にシフトしつつ回転することが阻止されるように、ガイドワイヤに力を作用させるように構成される。
【0015】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、作動部材は、1つ以上のリンク機構を介して第1の把持部材及び第2の把持部材に結合される。
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、作動部材の作動は、非クランプ構成とクランプ構成との間でガイドワイヤブレーキをシフトさせる。
【0016】
上記の実施形態のいずれかの代わりに又はそれに加えて、作動部材は、手動で作動されるように構成される。
組織病変の例示的な治療方法は、アテレクトミー装置をガイドワイヤ上で病変に進めることを含み、アテレクトミー装置は、遠位端領域と、近位端領域と、内部チャンバとを有するハンドルを含む。装置はまた、ハンドルの遠位端に結合されたドライブシャフトと、ドライブシャフトの遠位端に結合されたアテレクトミーバーとを含む。装置は、第1の把持部材と第2の把持部材とに結合された作動部材を含むガイドワイヤブレーキも含み、第1の把持部材及び第2の把持部材は、ハンドルの内部チャンバ内に設けられ、作動部材の少なくとも一部分は、ハンドルの外面に沿って配置される。この方法は、第1の把持部材及び第2の把持部材が第1の把持部材と第2の把持部材との間でガイドワイヤをクランプし、アテレクトミーバーを回転させるように、作動部材を作動させることも含む。
【0017】
いくつかの実施形態の上記の概要は、開示される各実施形態又は本開示のあらゆる実装形態を記述することを目的とするものではない。以下の図及び詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例証する。
【0018】
本開示は、以下の詳細な説明を添付の図面と共に考慮することでより詳細に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】例示的な医療装置の図。
図2図1に示される医療装置の一部分を示す図。
図3図1に示される医療装置のガイドワイヤブレーキを示す図。
図4図3に示されるガイドワイヤブレーキの一部分を示す図。
図5図3に示されるガイドワイヤブレーキの一部分を示す図。
図6図3に示されるガイドワイヤブレーキの分解図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態に適用できるが、その詳細は、例として図面に示され、詳細に説明される。しかしながら、記載された特定の実施形態に本開示を限定する意図はないことが理解されるべきである。むしろ、本開示の趣旨及び範囲内にある全ての修正形態、均等物及び代替形態を包含することが意図される。
【0021】
以下の定義される用語について、特許請求の範囲又は本明細書の別の箇所で異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
本明細書では、明示的に示されるか否かを問わず、全ての数値は、「約」という用語によって修飾されるものと想定される。「約」という用語は、一般に、当業者が、列挙された数値に等しい(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考える数の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数を含み得る。
【0022】
端点による数値範囲の記述には、その範囲内の全ての数が含まれる(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、別段の明確な指示がない限り、複数形の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、「又は」という用語は、別段の明確な指示がない限り、一般に「及び/又は」を含む意味で用いられる。
【0023】
本明細書における「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」などへの言及は、記載される実施形態が1つ以上の特定の特徴、構造及び/又は特性を含み得ることを示すことに留意されたい。しかしながら、そのような記述は、全ての実施形態が特定の特徴、構造及び/又は特性を含むことを必ずしも意味しない。更に、特定の特徴、構造及び/又は特性が一実施形態に関連して記載される場合、別段の明確な指示がない限り、明示的に記載されるか否かを問わず、そのような特徴、構造及び/又は特性は、他の実施形態に関連しても使用され得ることが理解されるべきである。
【0024】
以下の詳細な説明は、異なる図面内の同様の要素に同じ番号が付された図面を参照して読むべきである。必ずしも縮尺通りではない図面は、例示的な実施形態を示し、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0025】
多くの患者が、体液(例えば、血液、胆汁など)の流れを制限する可能性のある動脈、他の血管の閉塞及び/又は管若しくは他の体管腔の閉塞を患っている。閉塞は、血管の閉塞部分を通る血流を減少させる部分閉塞又は閉塞した血管を通る血流を実質的に遮断する完全閉塞(例えば、慢性完全閉塞)であり得る。血行再建術は、閉塞物を通過する様々な装置を使用して、閉塞物を通る開口を作成又は拡大することを含む。アテレクトミーは、閉塞物を通って、切断要素を有するカテーテルを進めて、閉塞物を通る通路を形成又は拡大する1つの技法である。理想的には、切断要素は、周囲の血管壁及び/又は再狭窄が起こった場所に以前に植え込まれたステントを損傷することなく、閉塞物を切除する。しかしながら、場合により、切断要素は、血管壁及び/又はステントに接触するように操作され、且つ/又は進められる場合がある。従って、周囲の血管及び/又は再狭窄が起こった場所に以前に植え込まれたステントを損傷することなく、閉塞物を切除することができる材料を用いること及び/又はアテレクトミー装置を設計することが望ましい場合がある。更に、石灰化物質などの硬い閉塞物質だけでなく、より軟らかい閉塞物質を効果的に除去することができる切断要素を設計することが望ましい場合がある。本明細書で開示される方法及びシステムは、閉塞物質を効果的に切除する一方、以前のアテレクトミー装置の制約の少なくともいくつかを克服するように設計され得る。
【0026】
図1は、例示的な医療装置システム10を示す。場合により、医療装置システム10は、アテレクトミーシステムを含み得る。例えば、アテレクトミーシステム10は、遠位端領域11と近位端領域13とを有するハンドル部材15を含み得る。ハンドル15の遠位端領域は、ドライブシャフト12に結合され得る。更に、システム10は、ドライブシャフト12の遠位端に結合されたエンドエフェクタ14を更に含み得る。場合により、エンドエフェクタ14は、アテレクトミーバーを含み得る。
【0027】
加えて、図1は、医療装置システム10がハウジング17を含み得ることを示す。ハウジング17は、内部チャンバを含み得る。いくつかの例では、医療装置は、ハウジング17の内部チャンバ内に設けられた駆動機構(図1には示さず)も含み得る。更に、駆動機構は、ドライブシャフト12の回転によってアテレクトミーバー14を回転可能に作動させるように適合され得ることが理解され得る。例えば、駆動機構は、ドライブシャフト12を回転させることで、ドライブシャフト12の遠位端に結合されたアテレクトミーバー14を回転させるように設計され得ることが理解され得る。
【0028】
更に、アテレクトミーシステム10は、駆動機構の動作を調整するように適合された制御システム(図1には示さず)を含み得る。いくつかの場合、アテレクトミーシステム10は、ユーザインタフェース18が駆動機構の性能に関する情報を表示することができるように、制御システムに動作的に結合され得るユーザインタフェース18を含み得る。この情報は、例えば、駆動機構の瞬間速度、アテレクトミーバー14が受ける瞬間トルクなどの1つ以上を含み得る。場合により、アテレクトミーシステム10は、ユーザインタフェース18を含まなくてもよい。いくつかの場合、アテレクトミーバー14は、切断ヘッド若しくは切断部材であるか又は切断ヘッド若しくは切断部材を含むとも言及され得、これらの用語は、互換的に使用され得る。
【0029】
図1に示されるように、場合により、アテレクトミーバー14の遠位端は、ガイドワイヤ16が延びることを可能にするように構成されたアパーチャ(図1には示さず)と、アテレクトミーバー14の内部キャビティ(例えば、ルーメン)とを含み得る。更に、ガイドワイヤ16は、ドライブシャフト12のルーメンを通って延び、ハウジング17の内側チャンバに入ることが可能であり得る。更に、図1は、ガイドワイヤがハウジング17の内側チャンバを通って延びることができ、ハウジング17の壁を貫通するアパーチャ20を通ってハウジングの近位端領域13から出ることができることを示す。換言すると、アパーチャ20は、ハウジング17の壁にわたって(ハンドル15の外側の位置からハウジング17の内側チャンバ内の位置まで)広がり得る。
【0030】
上述のように、アテレクトミーを用いた医療処置は、閉塞物を通る通路を形成又は拡大するために、閉塞物を通って回転する切断要素(例えば、アテレクトミーバー14)を進めことを含む。場合により、閉塞物を通ってアテレクトミーバー14を進める前に、ガイドワイヤ16は、閉塞物に隣接して位置決めされ得ることが理解され得る。例えば、臨床医は、閉塞物を通って回転するアテレクトミーバー14を進める前に、ガイドワイヤ16が閉塞物に隣接して位置決めされるようにガイドワイヤ16を操作し得る。他の例では、臨床医は、ガイドワイヤ16が閉塞物を横切って位置決めされるようにガイドワイヤ16を操作し得る。しかしながら、ガイドワイヤ16を位置決めした後(しかし、回転するアテレクトミーバー14を閉塞物にわたって進める前に)、臨床医は、ガイドワイヤ16がハンドル15に対して(回転して又は長手方向に)動くことができないように、ガイドワイヤ16を「ロックする」(例えば、固定する)ことが必要であり得る。ガイドワイヤ16がハンドル15に対して(回転して又は長手方向に)動くのを阻止することは、ドライブシャフト12が進むことができるより安定したガイドワイヤ通路を提供することができるため、必要であり得る。患者の安全のために、ガイドワイヤをロックして回転を阻止することが必要であり得る。ガイドワイヤが通過する回転するアテレクトミーバーは、200,000毎分回転数超の速度で回転し得る。ガイドワイヤが確実にロックされず、アテレクトミーバーと共に回転する場合、ガイドワイヤは、「しなり」始め、アテレクトミーバーがその内部で回転している静脈又は動脈の損傷(例えば、穿刺又は裂口)を生じさせる場合がある。
【0031】
この目的のために、図2は、ハンドル15の近位端領域13を示す(明確化のために、図2は、ハウジング17が取り外され、それによりハンドル15の近位端領域13に沿って配置された内部構成要素が露出しているハンドル15を示す)。図2に示すように、ハウジング17の内側チャンバ内に配置される構成要素の1つは、ガイドワイヤブレーキ22(いくつかの場合、ガイドワイヤブレーキ22は、ガイドワイヤロック又はガイドワイヤクランプと呼ばれ得ることが理解され得る)を含み得る。図2は、ガイドワイヤブレーキ22に位置するアパーチャ21aを通って延びるガイドワイヤ16を更に示す。アパーチャ21aは、図1に関して上述したアパーチャ20と整合され得ることが理解され得る。上述のように、ガイドワイヤブレーキ22は、ハンドル15の内部(例えば、ハンドル15の内側チャンバ内)に設けられ得、アテレクトミーシステム10の動作中にガイドワイヤ16の移動を阻止するために、ガイドワイヤ16を可逆的にクランプするように構成され得る。
【0032】
以下でより詳細に説明するように、ガイドワイヤブレーキ22は、開(例えば、非クランプ)構成と閉(例えば、クランプ)構成との間でシフトするように設計され得る。更に、クランプ構成(これにより、ガイドワイヤ16は固定され、回転すること及び長手方向に移動することが阻止される)と非クランプ構成(これにより、ガイドワイヤ16は自由になり、回転すること及び長手方向に移動することができる)との間でガイドワイヤブレーキ22をシフトさせることは、ガイドワイヤブレーキ22の頂面29に沿って作動部材28をスライドさせることによって達成され得る。換言すると、ガイドワイヤブレーキ22は、非クランプ構成とクランプ構成との間で作動する(例えば、シフトする)ように設計され得る。
【0033】
更に、いくつかの例では、非クランプ構成とクランプ構成との間でガイドワイヤブレーキ22のシフトさせることは、作動部材28を手動で作動させることを含み得ることが理解され得る。換言すると、医療装置10を動作させる臨床医は、作動部材を左から右に又はその逆に手動で(例えば、自らの手で)シフト(例えば、スライド)させ得る。作動部材28のこの手動作動により、ガイドワイヤブレーキ22を非クランプ構成とクランプ構成との間でシフトさせることができる。手動作動部材28を含むようにガイドワイヤブレーキ22を設計すると、臨床医が電力と無関係にブレーキを動作させることを可能にできるため、望ましい場合がある。換言すると、臨床医は、医療装置10に電力が供給されるかどうかと無関係に、ブレーキ22を適用又は解放することが可能であり得る。臨床医がガイドワイヤ16から医療装置10を取り外す必要がある場合、臨床医は、作動部材28の手動操作によってガイドワイヤ16からガイドワイヤブレーキ22を解放することができる。
【0034】
図3は、上述したガイドワイヤブレーキ22を示す。ガイドワイヤブレーキ22は第1のハウジング26aを含み得、該第1のハウジング26aは第2のハウジング26bに結合される。場合により、第1のハウジング26aは、クラムシェル構成により第2のハウジング26bに結合され得る。第2のハウジング26bに対する第1のハウジング26aの固定は、1つ以上のピン、ねじ、ボルトなどにより実現され得る。
【0035】
上述のように、ガイドワイヤブレーキ22は、第1のハウジング26aと第2のハウジング26bとの間に設けられた作動部材28を更に含み得る。作動部材28は、第1のハウジング部材26aと第2のハウジング部材26bとの間に形成された軌道内でシフトする(例えば、スライドする、横断する、作動するなど)ように設計され得る。図1から理解され得るように、作動部材28は、ハンドル部材15のハウジング17の外側に延び得る。作動部材28をハウジングの外側に配置すると、臨床医が上述のように作動部材28をクランプ構成と非クランプ構成との間において手動でシフトさせることを可能にし得る。
【0036】
上述のように、図3は、第1のハウジング部材26a内に延びるアパーチャ21aを示す。特に、図3は、第1のハウジング部材26aのベース部分32aを通って延びるアパーチャ21aを示す。ベース部分32aは、当該ベース部分32aがハンドル15の内側チャンバ内に配置された際、アパーチャ21aが、ハウジング17を通って延びるアパーチャ20と整合され得るように設計され得る。
【0037】
図3は、いくつかの例において、ガイドワイヤブレーキ22がセンサ24を含み得ることを更に示す。センサ24は、センサハウジング30を介してガイドワイヤブレーキ22に結合され得る。換言すると、センサ24の一部分は、センサハウジング30内に位置することができ、センサハウジング30は、第1のハウジング部材26a及び第2のハウジング部材26bに結合される。センサ24は、様々な異なるセンサ構成を含み得る。例えば、センサ24は、接触センサ、圧力センサ、力センサ、光センサ又は任意の他の種類の適切なセンサを含み得る。
【0038】
更に、センサ24は、ハンドル15内に位置する制御システムと通信するように設計され得ることが理解され得る。いくつかの例では、センサ24は、ガイドワイヤブレーキ22の状態を検知し、ガイドワイヤブレーキ22がクランプ構成又は非クランプ構成にあるかどうかを示す信号を制御システムに送信することが可能であり得る。更に、ユーザインタフェース18は、ガイドワイヤブレーキ22の状態の視覚表示を提供し得ることが理解され得る。
【0039】
図4は、第1のハウジング部材26aが取り外され、ガイドワイヤブレーキ22の内部構成要素を露出させているガイドワイヤブレーキ22の正面図を示す。図4は、非クランプ構成にあるガイドワイヤブレーキ22を示すことが理解され得る。例えば、図4は、第2のハウジング部材26bに対して最も左の位置にスライドする作動部材28を示す。この位置において、第1の把持部材40a(第1の把持部材40aのその遠位端領域に設けられた第1の把持パッド42aを含む)は、第2の把持部材40b(第2の把持部材の遠位端領域に設けられた第2の把持パッド42bを含む)から離間され得、それにより第1の把持パッド42aの少なくとも一部分と第2の把持パッド42bの少なくとも一部分との間に空間を作成し、ガイドワイヤ16が第1の把持パッド42aと第2の把持パッド42bとの間を自由に移動することを可能にし得る。上述のように、図4は、第2のハウジング部材26bとセンサハウジング30との間に配置されたセンサ24の一部分を更に示す。
【0040】
加えて、図4から、ガイドワイヤ16が、第2のハウジング部材26b内に位置するアパーチャ21bを通って延び得ることが理解され得る。更に、アパーチャ21bは、アパーチャ21a(第1のハウジング部材26aに位置する)及び(上述したような)ハウジング17を通って延びるアパーチャ20と整合され得る。アパーチャ21bは、第1の把持パッド42a及び第2の把持パッド42bの垂直面内でガイドワイヤ16を垂直に整合するように配置され得る。例えば、ガイドワイヤ16は、ハウジング17の内部キャビティを通り、アパーチャ21bを通って、第1の把持パッド42aと第2の把持パッド42bとの間並びにアパーチャ21a及びアパーチャ20の両方を通って延び得ることが理解され得る。上述のように、アパーチャ21b、21a及び20は、第1の把持部材42aと第2の把持部材42bとの間の垂直面内にガイドワイヤ16を位置決めするように設計され得る。
【0041】
図4は、作動部材28が一連のリンク機構を介して第1の把持パッド42a及び第2の把持パッド42bに結合され得ることを更に示す。例えば、図4は、作動部材28が中央リンク34に結合され得ることを示す。図4に示すように、作動部材28は、スリット50を含み得、スリット50は、それを通って延びるピン52を受け入れるように構成され得る。ピン52は、中央リンク34に結合され得る。図4に示すように、スリット50は、中央リンク34の水平軸線に対して角度をなして配置されるため、作動部材28の左から右への作動(例えば、スライド)により、中央リンク34を下方に押しやることができる。更に、ピン52は、第2のハウジング部材26bに形成された垂直チャネル46にも延び得るため、中央リンク34は、垂直運動に制限され得る。従って、作動部材28の左から右への作動(例えば、スライド)により、中央リンク34を垂直に下方に押しやることができる。
【0042】
この目的のため、中央リンク34は、一連のリンク機構36a/36b/38a/38bを介して第1の把持部材40a及び第2の把持部材40bに結合され得る。各第1の把持部材40a及び第2の把持部材40bの遠位端領域には、それぞれ第1の把持パッド42a及び第2の把持パッド42bが結合され得ることが理解され得る。更に、各第1の把持部材40a及び第2の把持部材40bは、第1のスプリング44a及び第2のスプリング44bにより張力がかけられた状態に維持され得る。クランプ構成にある場合、第1のスプリング44a及び第2のスプリング44bは、第1の把持パッド42a及び第2の把持パッド42bを介してガイドワイヤ16にかけられる圧縮力に変換される外向きの力を提供することが理解され得る。
【0043】
図5は、作動部材28が第2のハウジング部材26bに対して左から右の方向(矢印48によって示されるような方向)にシフトした(例えば、スライドした)後のガイドワイヤブレーキ22を示す。作動部材28は、ガイドワイヤブレーキ22の近位端から見ると(例えば、ガイドワイヤブレーキ22がハンドル15内に配置されるときに近位端から見ると)、左から右の方向にシフトされることに留意されたい。
【0044】
作動部材28を左から右の方向にスライドさせると、中央リンク機構34が垂直に(上述のように)下方に押しやられ、それにより、第1の把持部材40a及び第2の把持部材40bの両方に結合された一連のリンク機構36a/36b/38a/38bを介して、第1の把持パッド42aが第2の把持パッド42bに向けて移動することが理解され得る。図5にはガイドワイヤ16が示されていないが、図5は、ガイドワイヤブレーキ22のクランプ構成を示しており、該クランプ構成によって、ガイドワイヤ16が第1の把持パッド42aと第2の把持パッド42bとの間に位置決めされることが理解され得ることに留意されたい。
【0045】
更に、図5は、第2の構成においてリンク機構36bの遠位端37bがセンサ24に接触し得ることを示すことが理解され得る。リンク機構36bの遠位端37bとセンサ24との間のこのポイントツウポイント接触は、センサ24によって検知され得る。センサ24は、接触を検知した後、医療装置10の制御システムに信号を送信することができる。信号は、ガイドワイヤブレーキ22がクランプ構成に配置されていることを示し得る。更に、この情報は、ユーザインタフェース18(図1に示される)上に表示され得る。
【0046】
図6は、上述のガイドワイヤブレーキ22の分解図を示す。例えば、図6は、第1のハウジング部材26a、第2のハウジング部材26b、作動部材28、中央リンク機構34、センサ24、センサハウジング30、第1の把持部材40a、第2の把持部材40b、第1のスプリング44a、第2のスプリング44b、第1の把持パッド42a、第2の把持パッド42b及び接続リンク機構36a/36b/38a/38bを示す。更に、前述の構成要素は、複数のピン60、クリップ66、第1のボルト62及び第2のボルト64を介して互いに接続され得ることが理解され得る。
【0047】
本明細書で開示される医療装置10又は医療装置10の構成要素に使用され得る材料は、一般に、医療装置に関連するものを含み得る。簡略化の目的で、以下の説明では、医療装置10又は医療装置10の構成要素に言及する。しかしながら、これは、本明細書に記載される装置及び方法を限定することを意図するものではなく、説明は、本明細書で開示される他の類似の装置に適用され得る。
【0048】
医療装置10又は医療装置10の構成要素は、金属、金属合金、ポリマー(このいくつかの例は、以下で開示される)、金属ポリマー複合体、セラミックス、これらの組み合わせなど、又は他の好適な材料から作製され得る。好適なポリマーのいくつかの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えばデュポン(DuPont)から入手可能なデルリン(DELRIN)(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A(Polyurethane 85A))、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSMエンジニアリングプラスチック(DSM Engineering Plastics)から入手可能なアーニテル(ARNITEL)(登録商標))、エーテル若しくはエステル系コポリマー(例えば、デュポン(DuPont)から入手可能なハイトレル(HYTREL)(登録商標)などのブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレート及び/若しくは他のポリエステルエラストマー)、ポリアミド(例えば、バイエル(Bayer)から入手可能なデュレタン(DURETHAN)(登録商標)若しくはエルフアトケム(Elf Atochem)から入手可能なクリスタミド(CRISTAMID)(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えばペバックス(PEBAX)(登録商標)の商品名で入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、マーレックス(Marlex)高密度ポリエチレン、マーレックス(Marlex)低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(例えば、レクセル(REXELL)(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、ケブラー(KEVLAR)(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMSアメリカングリロン(EMS American Grilon)から入手可能なグリラミド(GRILAMID)(登録商標)など)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/若しくはSIBS 50A)、ポリカーボネート、アイオノマー、生体適合性ポリマー、他の好適な材料又はそれらの混合物、組み合わせ、コポリマー、ポリマー/金属複合体などが挙げられ得る。いくつかの実施形態では、シースに液晶ポリマー(LCP:liquid crystal polymer)をブレンドすることができる。例えば、この混合物は、最大で約6パーセントのLCPを含むことができる。
【0049】
好適な金属及び金属合金のいくつかの例としては、304V、304L及び316LVステンレス鋼などのステンレス鋼;軟鋼;線形弾性及び/若しくは超弾性ニチノールなどのニッケル-チタン合金;ニッケル-クロム-モリブデン合金(例えば、インコネル(INCONEL)(登録商標)625などのUNS:N06625、ハステロイ(HASTELLOY)(登録商標)C-22(登録商標)などのUNS:N06022、ハステロイ(HASTELLOY)(登録商標)C276(登録商標)、他のハステロイ(HASTELLOY)(登録商標)合金等などのUNS:N10276)、ニッケル-銅合金(例えば、モネル(MONEL)(登録商標)400、ニッケルバック(NICKELVAC)(登録商標)400、ニコロス(NICORROS)(登録商標)400等などのUNS:N04400)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)等などのUNS:R30035)、ニッケル-モリブデン合金(例えば、ハステロイ(HASTELLOY)(登録商標)合金B2(ALLOY B2)(登録商標)などのUNS:N10665)、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、他のニッケル-タングステン若しくはタングステン合金等などの他のニッケル合金;コバルト-クロム合金;コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、エルジロイ(ELGILOY)(登録商標)、フィノックス(PHYNOX)(登録商標)等などのUNS:R30003);白金富化ステンレス鋼;チタン;これらの組み合わせなど、又は任意の他の好適な材料が挙げられる。
【0050】
少なくともいくつかの実施形態において、医療装置10の一部分又は全体はまた、放射線不透過性材料を添加され得るか、放射線不透過性材料で作製され得るか、又はそうでなければ放射線不透過性材料を含み得る。放射線不透過性材料は、医療処置中に蛍光透視法の画面又は別の撮像技術で比較的高輝度の画像を生成することができる材料であると理解される。この比較的高輝度の画像は、医療装置10の使用者がその位置を特定することを支援する。放射線不透過性材料のいくつかの例としては、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填剤が装填されたポリマー材料などが挙げられ得るが、これらに限定されない。更に、同じ結果を達成するために、他の放射線不透過性マーカバンド及び/又はコイルも医療装置10又は医療装置10の構成要素の設計に組み込まれ得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、ある程度の磁気共鳴像(MRI:Magnetic Resonance Imaging)適合性が医療装置10又は医療装置10の構成要素に付与される。例えば、医療装置10又はその一部分は、画像を実質的に歪めず、実質的なアーチファクト(例えば、画像内の隙間)を生じさせない材料で作製され得る。例えば、特定の強磁性体は、MRI画像にアーチファクトを生じさせることがあるため、適切でない場合がある。医療装置10又はその一部分は、MRI機械が画像化することができる材料からも作製され得る。これらの特性を示すいくつかの材料には、例えば、タングステン、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、エルジロイ(ELGILOY)(登録商標)、フィノックス(PHYNOX)(登録商標)等などのUNS:R30003)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)等などのUNS:R30035)、ニチノールなど及びその他が含まれる。
【0052】
本開示は、多くの点において例示に過ぎないことが理解されるべきである。本開示の範囲を超えることなく、詳細、特に形状、大きさ及び工程の配置に関する事項における変更形態がなされ得る。これは、適切な程度で、他の実施形態に使用される1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかを使用することを含み得る。本開示の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語において定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】