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特表2023-512088センサアセンブリ、ブレーキシステムのための操作装置
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  • 特表-センサアセンブリ、ブレーキシステムのための操作装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】センサアセンブリ、ブレーキシステムのための操作装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 7/02 20060101AFI20230315BHJP
【FI】
B60T7/02 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546489
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 EP2020087611
(87)【国際公開番号】W WO2021151596
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】102020201134.6
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリス アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】マティアス マイデル
(72)【発明者】
【氏名】ズィラス デールヴェス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ヴィンクラー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス レアヒェンミュラー
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ベンダ
【テーマコード(参考)】
3D124
【Fターム(参考)】
3D124AA32
3D124CC15
3D124DD42
3D124DD52
(57)【要約】
本発明は、センサアセンブリ(3)であって、円筒状の凹部(7)を備えたケーシング(4)を有し、この凹部は、凹部(7)の周方向で閉じた周壁(8)を有し、当該センサアセンブリはさらに、凹部(7)に対応して配置されたカバー(9)を有し、このカバーは少なくとも1つのセンサユニット(5)を支持しており、カバー(9)は円筒状の差込み部(10)を有し、この差込み部は、所定の領域で軸方向に凹部(7)内に差し込まれており、これにより少なくとも所定の領域で、周壁(8)に半径方向で対向して位置しており、差込み部(10)は形状接続部(15)によって軸方向で凹部(7)内に保持されている、センサアセンブリ(3)に関する。形状接続部(15)は、弾性的に変形可能なCリング(16)を有し、Cリングは、差込み部(10)と同心に配置されていて、差込み部(10)の第1の軸方向当接部と、周壁(8)の第2の軸方向当接部との間に軸方向で保持されていることが想定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサアセンブリであって、
円筒状の凹部(7)であってであって、前記凹部(7)の周方向で閉じた周壁(8)を有している凹部を備えたケーシング(4)と、
前記凹部(7)に対応して配置されたカバー(9)であって、少なくとも1つのセンサユニット(5)を支持している、カバー(9)と、
を備え、
前記カバー(9)は円筒状の差込み部(10)を有し、前記差込み部は、所定の領域で軸方向に前記凹部(7)内に差し込まれており、これにより少なくとも所定の領域で、前記周壁(8)に半径方向で対向して位置しており、前記差込み部(10)は形状接続部(15)によって軸方向で前記凹部(7)内に保持されている、センサアセンブリにおいて、
前記形状接続部(15)は、弾性的に変形可能なCリング(16)を有し、前記Cリングは、前記差込み部(10)と同心に配置されていて、前記差込み部(10)の第1の軸方向当接部と、前記周壁(8)の第2の軸方向当接部との間に軸方向で保持されていることを特徴とする、センサアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の軸方向当接部は、前記差込み部(10)の周方向で延在するリング状の第1の当接面(19)を有する、かつ/または前記第2の軸方向当接部は、前記凹部(7)の周方向で延在するリング状の第2の当接面(20)を有する、請求項1記載のセンサアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の当接面(19)および/または前記第2の当接面(20)は傾斜している、請求項2記載のセンサアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の当接面(19)は、前記差込み部(10)の周方向溝(17)の側壁である、かつ/または前記第2の当接面(20)は、前記周壁(8)の周方向溝(18)の側壁である、請求項2または3記載のセンサアセンブリ。
【請求項5】
前記Cリング(16)は、前記第1の軸方向当接部と前記第2の軸方向当接部との間に軸方向で予荷重をかけられて保持されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のセンサアセンブリ。
【請求項6】
前記差込み部(10)を半径方向で取り囲むシールリング(23)を備える、請求項5記載のセンサアセンブリ。
【請求項7】
前記差込み部(10)は少なくとも1つの軸方向貫通部(31)を有し、前記軸方向貫通部を通って、導電性のコンタクトピン(32)が、前記センサユニット(5)の電気的なコンタクトのために、かつ前記カバー(9)への前記センサユニット(5)の取り付けのために延在している、請求項1から6までのいずれか1項記載のセンサアセンブリ。
【請求項8】
前記カバー(9)と前記ケーシング(4)との間に作用する回動防止部(28)を備える、請求項1から7までのいずれか1項記載のセンサアセンブリ。
【請求項9】
前記カバー(9)は、前記Cリング(16)の半径方向外側に軸方向突出部(29)を有し、前記軸方向突出部は、前記ケーシング(4)の突出部収容部(30)に軸方向で係合して、前記回動防止部(28)を構成する、請求項8記載のセンサアセンブリ。
【請求項10】
ブレーキシステムのための操作装置であって、前記操作装置(1)のケーシング(4)内に軸方向摺動可能に支持された入力ロッドを有し、前記入力ロッドは、ブレーキペダルに連結可能な端部を有する操作装置において、
請求項1から9までのいずれか1項記載のセンサアセンブリ(3)が設けられており、前記操作装置(1)の前記ケーシング(4)は、前記センサアセンブリ(3)のケーシング(4)を形成しており、センサユニット(5)は、前記入力ロッドの摺動位置を監視するように構成されていることを特徴とする、操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサアセンブリであって、円筒状の凹部を備えたケーシングを有し、この凹部は、凹部の周方向で閉じた周壁を有し、当該センサアセンブリはさらに、凹部に対応して配置されたカバーを有し、このカバーは少なくとも1つのセンサユニットを支持しており、カバーは円筒状の差込み部を有し、この差込み部は、所定の領域で軸方向に凹部内に差し込まれており、これにより少なくとも所定の領域で、周壁に半径方向で対向して位置しており、差込み部は形状接続部によって軸方向で凹部内に保持されている、センサアセンブリに関する。
【0002】
さらに本発明は、このようなセンサアセンブリを備えた、ブレーキシステムのための操作装置に関する。
【0003】
背景技術
冒頭で述べた形式のセンサアセンブリは公知である。例えば、欧州特許第2979073号明細書には、センサアセンブリであって、円筒状の凹部を備えたケーシングを有し、この凹部は、凹部の周方向で閉じた周壁を有する、センサアセンブリが開示されている。このセンサアセンブリはさらに、凹部に配属されたカバーを有し、このカバーはセンサユニットを支持している。カバーは、凹部内に所定の領域で軸方向に差し込まれている円筒状の差込み部を有し、これによりこの差込み部は、少なくとも所定の領域で凹部の周壁に半径方向で対向して位置している。
【0004】
カバーをケーシングに取り付けるために、差込み部は、形状接続部によって軸方向で凹部内に保持されている。欧州特許第2979073号明細書では、形状接続部は複数のねじを有している。これに対して代替的に、形状接続部は、カバーを覆う固定リングを有している。
【0005】
発明の開示
請求項1の特徴を備えた本発明に係るセンサアセンブリは、形状接続部が、弾性的に変形可能なCリングを有し、このCリングは、差込み部と同心に配置されていて、差込み部の第1の軸方向当接部と、周壁の第2の軸方向当接部との間に軸方向で保持されていることを特徴とする。「半径方向」および「軸方向」という表現は、本開示の範囲では、「半径方向」および「軸方向」の表現に関して別の基準が述べられていない限りは、円筒状の差込み部の長手方向中心軸線を基準とする。好ましくは、第1の軸方向当接部は、差込み部の差込み方向で、第2の軸方向当接部のより前方に位置している。すなわち、差込み部が凹部内に差し込まれた場合、第1の軸方向当接部は、第2の軸方向当接部よりも凹部の底面の近くに位置している。Cリングは、差込み方向とは逆方向の差込み部の取外しを阻止する。Cリングが、第1の軸方向当接部と第2の軸方向当接部との間に軸方向で保持されているので、Cリングは、差込み部が周壁に半径方向で対向する領域に配置されている。したがって、Cリングには簡単にアクセスすることはできない。特に、ケーシングからのカバーの取外しは、センサアセンブリのエレメントの明らかな不正操作がなければ不可能である。好ましくは、Cリングは特殊鋼材料から形成されている。このような構成により、Cリングは、少なくとも僅かに弾性的に変形可能であって、さらに、差込み方向とは逆方向の凹部からの差込み部の取外しを阻止するために十分な機械的強度を有している。さらに、Cリングによって、振動耐性のある形状接続部が形成される。この形状接続部は、すなわち、カバーおよび/またはケーシングの振動によって損なわれない。好ましくは、センサユニットは、このセンサユニットが差込み方向で、差込み部の自由端部よりも前方に位置するように、カバーに配置されている。したがって、差込み部が凹部内に差し込まれると、センサユニットは、軸方向で、差込み部の自由端部と、凹部の底面との間に位置する。これにより、センサユニットには、カバーを事前に外さなければアクセスすることができず、したがって、不正操作から保護されている。好ましくは、センサユニットは、ケーシング内に配置されたかつ/またはケーシング内に格納されたエレメントに配属されていて、このエレメントを監視するために形成されている。
【0006】
好適な実施形態によれば、第1の軸方向当接部は、差込み部の周方向で延在するリング状の第1の当接面を有している、かつ/または第2の軸方向当接部は、凹部の周方向で延在するリング状の第2の当接面を有していることが想定されている。第1の当接面もしくは第2の当接面のこのような形式の構成により、第1の当接面とCリングとの間のもしくは第2の当接面とCリングとの間の全周にわたる面状の当接が得られる。これによりCリングは、差込み方向とは逆方向の差込み部の取外しを特に確実に阻止する。
【0007】
好ましくは、第1の当接面および/または第2の当接面は傾斜している。これにより、差込み方向とは逆方向に作用する力がCリングに負荷された場合、Cリングは、Cリングの第1の端部とCリングの第2の端部との間の間隔が拡大するように弾性的に変形する。すなわち、Cリングは、差込み方向とは逆方向に作用する力が負荷された状態で拡開し、これによりCリングは、差込み方向とは逆方向の差込み部の取外しを特に確実に阻止する。好ましくは、第1の当接面は、このために、第1の当接面の半径方向外側の縁部が、差込み方向で、第1の当接面の半径方向内側の縁部よりも前方に位置するように傾けられている。第1の当接面および/または第2の当接面の適切な傾斜は、好ましくは、Cリングと当接面との間の摩擦係数、およびセルフロック基準に応じて選択される。好ましくは、カバーおよび/またはケーシングはプラスチック材料から製造されている。好ましくは、Cリングは、カバーおよび/またはケーシングの温度に基づく応力緩和および/または力に基づく応力緩和を補償する。
【0008】
好適な実施形態によれば、第1の当接面は、差込み部の周方向溝の側壁である、かつ/または第2の当接面は、周壁の周方向溝の側壁であることが想定されている。この場合、Cリングは半径方向で、差込み部の周方向溝と周壁の周方向溝との両方に係合する。第1の当接面が、差込み部の周方向溝の側壁であるならば、凹部への差込み部の容易な差込みが、したがってセンサアセンブリの容易な組付けが可能となる。センサアセンブリを組み付けるために、好適にはまずCリングを差込み部の周方向溝内に配置する。場合によってはこのために、Cリングを拡開するために、Cリングを最初に加熱する。Cリングが差込み部の周方向溝に配置されると、差込み区が凹部内に差し込まれる。差込み部の周方向溝の他方の側壁、すなわち、第1の当接面を形成していない側壁は、この場合、連行面を形成し、この連行面は、-差込み部が凹部内に十分に差し込まれるとすぐに-Cリングが半径方向で周壁の周方向溝内に係止するまで、Cリングを差込み部と共に変位させる。好ましくは、周壁の縁部は、差込み部の差込みを容易にするために、導入面取部を有している。
【0009】
好ましくは、Cリングは、第1の軸方向当接部と第2の軸方向当接部との間に軸方向で予荷重をかけられて保持されている。これによりカバーの、ひいては、カバーによって支持されるセンサユニットの、軸方向で遊びのない組付けが得られる。センサユニットは、通常、始動前に、電気的に校正される。センサユニットは軸方向で遊びなく組み付けられているので、センサユニットが規定通りに実施する監視の精度は向上する。センサユニットが軸方向で遊びなしに保持されていない場合は、軸方向での、すなわち差込み方向または反差込み方向でのセンサユニットの動きが、監視の精度を損なうおそれがある。好ましくは、差込み部は、底面に面した側に第1の端面を有しており、この場合、凹部は、この第1の端面に軸方向で対向する第2の端面を有しており、第1の端面は、軸方向で間接的にまたは直接的に第2の端面に当接しており、この当接により、差込み部の最大差込み深さが予め規定され、Cリングは軸方向で予荷重をかけられている。
【0010】
好ましくは、差込み部は、ひいてはセンサユニットは、半径方向で遊びなしに凹部内に保持されている。したがって、半径方向での差込み部の動きは阻止される。好ましくは、このために、差込み部は、凹部を補完するように成形されている。好ましくは、差込み部は、傾斜した当接面にCリングが当接することにより、半径方向で遊びなしに凹部内に保持されている。センサユニットが半径方向で遊びがないと、センサユニットが規定通りに実施する監視の精度は向上する。センサユニットが半径方向で遊びなしに保持されていない場合は、半径方向でのセンサユニットの動きが、監視の精度を損なうおそれがある。
【0011】
好ましくは、アセンブリは、差込み部を半径方向で取り囲むシールリングを有している。シールリングによって、差込み部は半径方向でシールされて凹部内に保持されている。これにより、センサユニットが配置されている領域への汚染物質の侵入は阻止される。好ましくは、シールリングは弾性的に変形可能なポリマー材料を有している。特に好ましくは、シールリングは、差込み部と同心に配置されているOリングとして形成されている。好ましくは、シールリングは、軸方向で第1の端面と第2の端面との間に配置されている。第1の端面は、シールリングによって軸方向で第2の端面に当接している。これに対して代替的に、シールリングは、好適には差込み部の別の周方向溝内に配置されている。この場合、第1の端面は、好適には仲介物を介さずに、すなわち直接、軸方向で第2の端面に当接している。
【0012】
好ましくは、差込み部は少なくとも1つの軸方向貫通部を有しており、この軸方向貫通部を通って、導電性のコンタクトピンが、センサユニットの電気的なコンタクトのために、かつカバーへのセンサユニットの取り付けのために延在している。すなわち、カバーは、コンタクトピンによってセンサユニットを支持している。好ましくは、半径方向で互いに離隔されて配置された複数のコンタクトピンが設けられている。好ましくは、コンタクトピンは、少なくとも実質的に同じ膨張係数を有している。温度変化によりコンタクトピンの長さが変化すると、センサユニットは単に並進的に変位する。センサユニットによって実施される監視の精度に対して特に不都合な影響を与えるセンサユニットの傾動は回避される。
【0013】
好ましくは、アセンブリは、カバーとケーシングとの間に作用する回動防止部を有している。回動防止部によって、ケーシングの、ひいてはセンサユニットの、差込み部の長手方向中心軸線を中心とした回動が阻止される。これにより、センサユニットが規定通りに実施する監視の精度は向上する。
【0014】
好適な実施形態によれば、カバーは、Cリングの半径方向外側に軸方向突出部を有しており、この軸方向突出部が、ケーシングの突出部収容部に軸方向で係合して、回動防止部を形成することが想定されている。回動防止部のこのような形式の構成により、凹部内への差込み部の誤った差込みが防止される。例えば、凹部内への差込み部の差込みの際に、軸方向突出部が突出部収容部内に導入されないように、差込み部がその長手方向中心軸線を中心として回動させられていると、この軸方向突出部によって、凹部内への差込み部の差込みは妨げられることになる。
【0015】
ブレーキシステムのための本発明に係る操作装置は、操作装置のケーシング内に軸方向摺動可能に支持された入力ロッドを有しており、この入力ロッドは、ブレーキペダルに連結可能な端部を有しており、当該操作装置は、請求項10の特徴を有し、本発明に係るセンサアセンブリを有しており、操作装置のケーシングは、センサアセンブリのケーシングを形成しており、センサユニットは、入力ロッドの摺動位置を監視するように形成されていることを特徴とする。この操作装置によっても、既に述べた利点が得られる。さらなる好適な特徴および特徴の組み合わせは、上述した記載ならびに請求項により得られる。
【0016】
以下に、図面につき本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】センサアセンブリの領域にあるブレーキシステムの操作装置の断面図である。
図2】センサアセンブリのカバーを示す斜視図である。
【0018】
図1は、センサアセンブリ3の領域にあるブレーキシステム2の操作装置1の断面図を示している。操作装置1はケーシング4を有しており、ケーシング内には図示されていない入力ロッドが、その長手方向中心軸線に関して軸方向摺動可能に支持されている。入力ロッドの一方の端部はブレーキペダルに連結可能であってまたは連結されていて、これにより入力ロッドはブレーキペダルによって軸方向に摺動可能である。センサアセンブリ3はセンサユニット5を有し、このセンサユニットは入力ロッドに配属されていて、入力ロッドの摺動位置を検出するように構成されている。摺動位置を検出するために、センサユニット5は例えば磁場感受性エレメント6を有している。操作装置1は、検出された入力ロッドの摺動位置に応じて、遅延モーメントを生成するためにまたは強化するために、操作装置1の電気モータによってブレーキシステムのマスタブレーキシリンダを操作するように構成されている。
【0019】
ケーシング4は凹部7を有しており、この凹部は、凹部7の周方向で閉じている周壁8と底面14とを有している。この場合、凹部7は円形の横断面を有している。
【0020】
センサアセンブリ3はさらに、凹部7に配属されたカバー9を有している。カバー9は、凹部7内に所定の領域で軸方向に差し込まれている円筒状の差込み部10を有し、これによりこの差込み部10は、領域11で周壁8に半径方向で対向している。差込み部10が凹部7内に差し込まれていると、凹部7は差込み部10もしくはカバー9によって閉鎖されているもしくはカバーされている。
【0021】
センサユニット5はカバー9に取り付けられているので、カバー9はセンサユニット5を支持している。センサユニット5は、この場合、差込み部10の差込み方向12で、差込み部10よりも前方に配置されている。すなわちセンサユニット5は、差込み部10の前端部13と凹部7の底面14との間に位置している。これにより、センサユニット5は、図示されていない入力ロッドに対して空間的に近位に位置している。
【0022】
差込み部10は、形状接続部15によって軸方向で凹部7内に保持されている。形状接続部15は、差込み部10と同心に配置されている弾性的に変形可能なCリング16を有している。Cリング16はこの場合、特殊鋼材料から製造されている。これに対して代替的に、Cリング16は、好適には、その弾性的な変形性に関して特殊鋼材料に類似した別の材料から製造されている。
【0023】
差込み部10は周方向溝17を有し、すなわち、差込み部10の周方向で全周にわたって差込み部10を通って延在する溝を有している。この周方向溝17は、以下で、第1の周方向溝17と記載する。周壁8は周方向溝18を有し、すなわち、周壁8の周方向で全周にわたって周壁8を通って延在する溝を有している。この溝は、以下で、第2の周方向溝18と記載する。
【0024】
Cリング16は、第1の周方向溝17の、差込み方向12で前方の側壁19によって形成されている第1の軸方向当接部に軸方向で当接している。前方の側壁19は、すなわち第1の当接面19である。第1の軸方向当接部は、底面14とは逆方向に向けられている。さらに、Cリング16は、第2の周方向溝18の、底面14から離れている方の側壁20によって形成されている第2の軸方向当接部に軸方向で当接している。側壁20は、すなわち第2の当接面20である。
【0025】
第1の周方向溝17の側壁19は、側壁19の半径方向内側の縁部21が、側壁19の半径方向外側の縁部22よりも、底面14から遠くに離隔されるように傾けられている。すなわち、半径方向外側の縁部22は、差込み方向12で、半径方向内側の縁部21よりも前に位置している。したがって差込み方向12とは逆に作用する力が差込み部10にかけられると、側壁19の傾斜により、Cリング16は拡開される。すなわち、Cリング16の第1の端部33は、Cリング16の第2の端部34から離される。これにより、Cリング16は、凹部7から差込み部10が外れるのを阻止する。第2の周方向溝18の側壁20も傾けられている。傾斜した側壁19,20へのCリング16の当接により、差込み部10は半径方向の遊びなく凹部7内に配置されている。
【0026】
センサアセンブリ3はさらに、Oリング23として形成されている弾性的に変形可能なシールリング23を有している。Oリング23は、ポリマー材料から製造されている。Oリング23によって、差込み部10は半径方向でシールされて凹部7内に配置されている。差込み部10は、底面14に面した第1の端面25を備えた当接肩部24を有している。凹部7は、第1の端面25に軸方向で対向する第2の端面27を備えた当接肩部26を有している。差込み部10が凹部7内に差し込まれると、Oリング23が軸方向で第1の端面25と第2の端面27との間に配置される。
【0027】
センサアセンブリ3はさらに、回動防止部28を有している。回動防止部28は、Cリング16の半径方向外側に位置する、カバー9の軸方向突出部29と、ケーシング4の突出部収容部30とから成る。図1に示したように、カバー9がケーシング4に組み付けられると、軸方向突出部29が軸方向で、突出部収容部30に係合して、回動防止部28が形成される。
【0028】
差込み部10は複数の軸方向貫通部31を有し、そのうちの1つだけが図1に略示されている。センサユニット5の電気的なコンタクトのために導電性のコンタクトピン32が設けられていて、このコンタクトピンは、軸方向貫通部31を通って延在していて、センサユニット5に、例えばセンサユニット5の導電プレートに電気的に接続されている。さらに、センサユニット5は、コンタクトピン32を介してカバー9に取り付けられている。
【0029】
図2は、カバー9の別の実施例を斜視図で示している。図2に示されているように、Cリング16は、差込み部10の長手方向中心軸線を中心として約300°にわたって延在している。このような構造的な構成は、好適には、図1に示したカバー9に関しても実現されている。
【0030】
さらに、図2には、複数の軸方向貫通部31と、複数の導電性のコンタクトピン32とが示されている。この場合、センサアセンブリ3は4つの軸方向貫通部31と4つのコンタクトピン32とを有している。軸方向貫通部31の横断面は、コンタクトピン32の横断面よりも少なくとも僅かに大きいので、コンタクトピン32は軸方向貫通部31内で半径方向の遊びを有している。
【0031】
図2に示されたカバー9は、図1に示されたカバー9とは特に、シールリング23が、差込み部10の別の周方向溝35内に、すなわち、第3の周方向溝35内に配置されている点で異なっている。したがって図2に示されたカバー9が、差込み部10の差込みによりケーシング4に取り付けられると、第1の端面としての差込み部10の前端部13は、ケーシング4の第2の端面27に軸方向で直接、当接する。前端部13が第2の端面27に当接することにより、差込み部10の最大差込み深さが予め規定され、Cリングは軸方向で予荷重をかけられる。
図1
図2
【国際調査報告】