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特表2023-512090複合部品の予備成形または硬化のための可撓性加熱マット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(54)【発明の名称】複合部品の予備成形または硬化のための可撓性加熱マット
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/46 20060101AFI20230315BHJP
   B29C 70/06 20060101ALI20230315BHJP
【FI】
B29C70/46
B29C70/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546646
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(85)【翻訳文提出日】2022-09-20
(86)【国際出願番号】 FR2021050173
(87)【国際公開番号】W WO2021152273
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】2000987
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522303618
【氏名又は名称】エコール ナショナル シュペリウール ダール エ メチエ
【氏名又は名称原語表記】ECOLE NATIONALE SUPERIEURED’ARTS ET METIERS
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ルグラン,マルク
(72)【発明者】
【氏名】デュトワ,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ゴトゥロ,マルタン
(72)【発明者】
【氏名】パリューク,ベルナール
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AD16
4F205AJ01
4F205AJ08
4F205AR06
4F205HA08
4F205HA22
4F205HA35
4F205HA43
4F205HB01
4F205HK04
4F205HK22
4F205HK31
(57)【要約】
複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化を実現するための、加熱マット(7)タイプの可撓性加熱多層デバイスに関する。該デバイスは、少なくとも1つの第1の支持層、少なくとも1つの第1の支持層上に配設され、予備成形または硬化すべき複合部品の表面に適応された熱処理表面(22)を画定する少なくとも1つの第1の加熱コード、少なくとも1つの第1の加熱コードに対して電気的に接続された第1のワイヤー網(35)、少なくとも1つの第1の支持層上に配設され熱処理表面(22)の表面の少なくとも1つの周辺部(30)において少なくとも1つの熱遮断ベルト(27)を画定する少なくとも1つの第2の加熱コード、および少なくとも1つの第2の加熱コードに対して電気的に接続された第2のワイヤー網(36)を含んでいる。本発明は同様に、金型およびこのような加熱マット(7)が備わった設備にも関する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合部品(5)の繊維プリフォームの予備成形または硬化を実現するための、可撓性加熱マット(7)タイプの可撓性加熱多層デバイスにおいて、少なくとも1つの第1の支持層(17)、少なくとも1つの第1の支持層上に配設され、予備成形または硬化すべき複合部品の表面に適応された熱処理表面(22)を画定する少なくとも1つの第1の加熱コード(23)、少なくとも1つの第1の加熱コード(23)に対して電気的に接続された第1のワイヤー網(35)を含むデバイスであって、少なくとも1つの第1の支持層(17)上に配設され、熱処理表面(22)の少なくとも1つの周辺部(30、31)において少なくとも1つの熱遮断ベルト(27、28)を画定する少なくとも1つの第2の加熱コード(33)、および少なくとも1つの第2の加熱コード(33)に対して電気的に接続された第2のワイヤー網(36)を含んでいることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
少なくとも2つの第1の加熱コード(23)が、熱処理表面(22)を画定するように少なくとも1つの第1の支持層(17)の上で互いに隣接する形で配設されており、少なくとも2つの第2の加熱コード(33)が、前記熱処理表面を中心として少なくとも1つの熱遮断ベルト(27、28)を画定するように少なくとも1つの第1の支持層(17)上で互いに隣接する形で配設されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
少なくとも1つの第1の支持層(17)上に存在する各々の第1の加熱コード(23)について、1つまたは2つの第2の加熱コード(33)が、前記第1の加熱コード(23)と対応して配置されている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
少なくとも2つの第1の加熱コード(23)が、第1の結合用電気ワイヤー(38)によって、互いに直列および/または並列に連結されており、少なくとも2つの第2の加熱コード(33)が、第2の結合用電気ワイヤー(39)によって、互いに直列および/または並列に連結されている、請求項2または3のいずれか一つに記載のデバイス。
【請求項5】
重畳された2つの第1の支持層(17)を含み、少なくとも1つの第1の加熱コード(23)と少なくとも1つの第2の加熱コード(33)が、各々の第1の支持層(17)上に配設されており、2つの第1の支持層の第1の加熱コード(23)が、重畳されかつ組合わさって処理表面を画定しており、2つの第1の支持層の第2の加熱コード(33)が、重畳されかつ組合わさって少なくとも1つの熱遮断ベルト(27、28)を画定している、請求項1から4のいずれか一つに記載のデバイス。
【請求項6】
少なくとも1つの第1の支持層(17)の上方に配設された第2の支持層(18)を含み、第1のワイヤー網(35)および第2のワイヤー網(36)が、第2の支持層上に配設されている、請求項1から5のいずれか一つに記載のデバイス。
【請求項7】
少なくとも1つの第1の加熱コード(23)および少なくとも1つの第2の加熱コード(33)が、第1の固定手段、好ましくは縫合(24)によって少なくとも1つの第1の支持層(17)の上部面(25)上に固定されており、第1のワイヤー網(35)および第2のワイヤー網(36)が、第2の固定手段、好ましくは縫合(40)によって第2の支持層(18)の上部面上に固定されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
第1のワイヤー網(35)が、少なくとも第2の支持層(18)を通過しかつ不変の連結手段によって少なくとも1つの第1の加熱コード(23)に連結される第1の接続用電気ワイヤー(42)を含み、同様にして、第2のワイヤー網(36)が、少なくとも第2の支持層(18)を通過しかつ不変の連結手段によって少なくとも1つの第2の加熱コード(33)に連結される第2の接続用電気ワイヤー(42)を含む、請求項6または7に記載のデバイス。
【請求項9】
少なくとも1つの第1の支持層(17)および第2の支持層(18)が、少なくとも450℃の温度に耐える電気絶縁性の繊維材料、好ましくはガラス繊維または玄武岩繊維で構想されている、請求項6から8のいずれか一つに記載のデバイス。
【請求項10】
少なくとも1つの第1の加熱コード(23)および少なくとも1つの第2の加熱コード(33)が各々、上に抵抗ワイヤー(43)が巻回される乾燥繊維製の電気絶縁性コア(44)を含む、請求項1から9のいずれか一つに記載のデバイス。
【請求項11】
2つの補強層(20、21)を含み、これらの補強層の間には、特に熱処理表面(22)および少なくとも1つの熱遮断ベルト(27、28)を利用する少なくとも1つの第1の支持層(17)、第1のワイヤー網(35)および第2のワイヤー網(36)が挟置されており、2つの補強層(20、21)の間には、ケーシングを形成するように組立てシステムが利用されており、その縁部(52)の1つから第1のワイヤー網および第2のワイヤー網を外に出している、請求項1から10のいずれか一つに記載のデバイス。
【請求項12】
組立てシステムが、2つの補強層(20、21)間の取外し可能な固定を可能にするように配設されている、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
2つの補強層(20、21)が、少なくとも450℃の温度に耐える電気絶縁性の繊維材料、好ましくはガラス繊維または玄武岩繊維で構成されている、請求項11または12に記載のデバイス。
【請求項14】
下部補強層(20)と少なくとも1つの第1の支持層(17)の間に配設される金属グリッド(19)を含み、前記金属グリッドが、接地のための電気ワイヤーに連結されている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
熱処理表面(22)および少なくとも1つの熱遮断ベルト(27、28)を利用する少なくとも1つの第1の支持層(17)の上方に配設された断熱層(49)を含む、請求項11から14のいずれか一つに記載のデバイス。
【請求項16】
断熱層(49)が、上部補強層(21)の下部面の直下または、逆に、上部補強層(21)の上部面の直上に位置付けされている、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
好ましくはシリコーン材料製の被覆層(55)を含み、この層内に熱処理表面(22)および少なくとも1つの熱遮断ベルト(27、28)を利用する少なくとも1つの第1の支持層(17)、第1のワイヤー網(35)および第2のワイヤー網(36)が埋込まれており、前記被覆層が、その縁部(56)の1つのところで、第1のワイヤー網および第2のワイヤー網を外に出している、請求項1から10のいずれか一つに記載のデバイス。
【請求項18】
少なくとも1つの第1の加熱コード(23)および少なくとも1つの第2の加熱コード(33)のところで少なくとも1つの第1の支持層(17)の上に配設された少なくとも2つの温度測定用センサ(46、47)を含む、請求項1から17のいずれか一つに記載のデバイス。
【請求項19】
好ましくはシリコーン製の可鍛性気密ブロック(13)を含み、第1のワイヤー網(35)および第2のワイヤー網(36)を包含する給電ケーブル(11)ならびに温度測定ケーブル(12)が、このブロックを通過している、請求項1から18のいずれか一つに記載のデバイス。
【請求項20】
複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化を実現するための設備(1)において、製作すべき複合部品(5)のネガを構成するマトリックス(4)および周囲(6)を含む上部面(3)の備わった金型(2)、熱処理表面(22)および少なくとも1つの熱遮断ベルト(27、28)が、製作すべき複合部品(5)に適応されている、請求項1から19のいずれか一つに記載の特徴を有する可撓性加熱多層デバイス、金型の上部面の周囲(6)上に気密接触することのできる周縁部(10)および逆止弁(14)を含む真空化膜(8)、前記逆止弁(14)に連結され得る導管(15)を含む吸気用デバイス(16)、および、第1のワイヤー網(35)および第2のワイヤー網(36)が連結される調節用キャビネット(57)を含み、前記キャビネットが、少なくとも1つの第1の支持層(17)上の少なくとも1つの第1の加熱コード(23)および少なくとも1つの第2の加熱コード(33)の温度を調節するように構成されている、設備(1)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合部品、詳細には大きな表面積を有する複合部品の製造に関し、特に、例えば航空機製造部品などの複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化の実現のための内部加熱式金型の分野で使用される加熱マットタイプの可撓性加熱多層デバイスに関する。
【0002】
本発明は同様に、このような加熱マットを利用する複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化の実現のための設備にも関する。
【背景技術】
【0003】
有機マトリックス複合部品は、金型を用いた一定数の工程を実施することによって得られ、そのうち加圧および加熱の工程は、樹脂を加工するのに役立つ。金型の加熱は、選定された技法に応じて、外部的または内部的加熱のいずれかである。
【0004】
外部加熱は、オートクレーブまたは恒温器内で得られ、熱は対流によって金型に伝達される。この技法は、これらの設備の熱効率が低くそれらの慣性が大きいことを考えると、極めてエネルギー消費量の大きいものである。さらに、この技法は、大型部品の生産および大量生産には適していない。実際、オートクレーブのサイズは、製造される複合部品の寸法を限定する。その上、必要な冷却時間が長いために、複合部品の生産速度は制限される。
【0005】
内部加熱は、第1の変形形態によると、マトリックスに熱量をもたらす冷却液の通過を可能にする加熱管である加熱要素を金型に組込むことからなる。第2の変形形態によると、金属金型には、誘導加熱デバイスが備わっている。この技法は非常に費用のかかるものであり、エネルギーを多く消費し、かつ大きな加熱表面にはあまり適さない。第3の変形形態によると、金属金型には、抵抗加熱カートリッジが備わっている。この技法は、同様に、エネルギーを多く消費し、大きな加熱表面にはあまり適していない。上述のこれら3つの変形形態は、特に、大きな寸法の複合部品を製作する場合の設備上の制約のため、そして消費エネルギーが大きいため、比較的利用可能性が低い。
【0006】
第4の変形形態は、仏国特許第2956555号明細書中に記載されているような抵抗加熱システムの備わった複合材料製金型を使用することからなる。この第4の変形形態は、エネルギー消費量が前述の変形形態に比べはるかに少ないことから、有利であり続けている。ただし、この技法の欠点は、絶縁シース内に配置された抵抗ワイヤーで構成されるコードを、同様に複合材料製である金型内に埋込む必要があり、このため、最大温度は、金型内で使用される樹脂の強度に制限されることになるという点にある。200℃の温度を超えることが所望される場合、350℃の温度に達することを可能にする非常に高価で加工のむずかしい樹脂(シアネートエステル、ポリイミドまたはBMI 350℃)を使用する以外、この技法を維持するのは困難であり、350℃の温度を超えることが所望される場合には、それはただ単に不可能となる。
【0007】
第5の変形形態は、製造すべき複合部品のネガを構成するマトリックス上に適用された可撓性加熱マットを利用することからなる。国際公開第2019/075173号および欧州特許出願公開第3431276号明細書が引用される。これらの利用は、国際公開第2019/075173号については100℃未満、そして欧州特許出願公開第3431276号明細書については200℃未満の温度で作業するように想定されている。さらに、これらの利用の場合、製造すべき複合部品の表面全体に均一な温度を得ることに関する欠点が残る可能性がある。
【0008】
1つの主加熱マットおよびこの主加熱マットの周辺部に隣接する形で配置された複数の従加熱マットを使用することによる複合部品または複合部品の一部分の修理に関する欧州特許第2643151号明細書が知られている。これにより、主加熱マットの周辺部における熱損失を補償し、したがって、主加熱マットにより被覆された構造の全ての領域内の温度の急速な安定化を得ることが可能になる。この利用は、特に、大きな寸法の複合部品である場合、および生産速度が一定したものであり要素の自動配備が必要である場合には、複合部品全体の製造のために考えるのは困難である。
【0009】
同様に、エンジンナセルタイプの複合部品の修理に関係し、このエンジンナセルの一部分を覆うためにエンジンナセルの形状に適合する画定された形状を有する加熱マットタイプの加熱多層デバイスについて記述する欧州特許出願公開第1962562号明細書も公知である。加熱多層デバイスは、エンジンナセルの表面に適応された熱処理表面を含み、この熱処理表面は、各々ワイヤー網に連結された加熱要素を含む複数の加熱領域で構成されている。これらの加熱領域は、エンジンナセル上の1つの欠陥または、エンジンナセルを被覆する複数の領域もしくは全部を覆う単数または複数の欠陥を、局所的に修理するために、コントローラーによって互いに独立してかまたは同時に管理され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】仏国特許第2956555号明細書
【特許文献2】国際公開第2019/075173号
【特許文献3】欧州特許出願公開第3431276号明細書
【特許文献4】欧州特許第2643151号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第1962562号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、複合部品、特に大きな寸法の複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化を実現するための、可撓性加熱マットタイプの可撓性加熱多層デバイスに関する。
【0012】
予備成形作業は、複合構造部品の硬化作業に先立つ作業である。プリフォームは、一方向繊維層または、例えば、好適には炭素繊維、ガラス繊維またはアラミド繊維製のファブリック、多軸層またはマットのような、他のあらゆる織物層の重なりによって製作可能であり、これらの層には、マスターモデル上で熱可塑性樹脂が塗布されている。この予備的作業は、概して、「ドレーピング」ロボットによって実施される。結果は「予備硬化品」と呼ばれ、すなわち、これは、低い機械的強度と、異なる層の間になおも多くの空気を有し、層の間の結合は樹脂の溶融によって製作されている。
【0013】
硬化作業において、予め得られたプリフォームは、製造すべき複合部品のネガを構成するマトリックス上に置かれ、加熱マットはプリフォームの上で、両者の間に保護を伴って置かれ、その後、場合によっては加熱マットと膜の間に絶縁体層を予め設置した状態で、全体が真空化膜で被覆される。硬化作業は、400℃近くになり得る温度でプリフォームを可能なかぎり完璧な真空下で加熱することからなる。硬化の役割は、層間に含まれる残留空気を排出しながら熱可塑性樹脂の溶融により異なる層の最大限の凝集力を保証することにある。したがって、最終的結果は、多孔性の無い完全に溶接された構造である。
【0014】
本発明の主要な目的は、製造すべき複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化作業を実施する際に、複合部品の表面のあらゆる点において均一の温度分布を保証する可撓性加熱マットを構想することにある。これには、複合部品の表面全体にわたり均一の加熱を保証する目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このために、本発明に係るデバイスは、少なくとも1つの第1の支持層、少なくとも1つの第1の支持層上に例えば蛇行状にまたは螺旋状に配設され、予備成形または硬化すべき複合部品の表面に適応された熱処理表面を画定する少なくとも1つの第1の加熱コード、および少なくとも1つの第1の加熱コードに対して電気的に接続された第1のワイヤー網を含む。さらに、該デバイスは、少なくとも1つの第1の支持層上に例えば蛇行状にまたは螺旋状に配設され、熱処理表面の少なくとも1つの周辺部において少なくとも1つの熱遮断ベルトを画定する少なくとも1つの第2の加熱コード、および少なくとも1つの第2の加熱コードに対して電気的に接続された第2のワイヤー網を含んでいる。したがって、熱遮断ベルトは、熱処理表面の少なくとも1つの周辺部における熱損失を回避し、これにより、前記熱処理表面により被覆された予備成形または硬化すべき複合部品の表面全体にわたって温度の急速な安定化を得ることが可能となる。熱遮断ベルトが熱処理表面の周縁部を取り囲んでいることが理解される。
【0016】
複合部品の表面が中実である、すなわちくり抜き部を有していない場合、熱処理表面も同様に中実であり、外側周辺部しか含まず、この場合、ただ一つの熱遮断ベルトが具備される。反対に複合部品の表面が単数または複数のくり抜き部を含む場合、熱処理表面も同様に同数のくり抜き部を含むか、さらには中実のままである。この熱処理表面がこのようなくり抜き部を含む場合には、1つの熱遮断ベルトが、熱処理表面の外側周辺部に具備され、熱処理表面上の前記くり抜き部により画定されている内側周辺部には、複数の熱遮断ベルトが具備されることになる。
【0017】
本発明の目的であるデバイスの一実施形態によると、少なくとも2つの第1の加熱コードが、熱処理表面を画定するように少なくとも1つの第1の支持層の上で互いに隣接する形で、例えば蛇行状にまたは螺旋状に配設されており、少なくとも2つの第2の加熱コードが、前記熱処理表面を中心として少なくとも1つの熱遮断ベルトを画定するように少なくとも1つの第1の支持層上で互いに隣接する形で、例えば蛇行状にまたは螺旋状に配設されている。これにより、予備成形または硬化すべき複合部品の厚み変動の如何に関わらず均一の温度を得るために熱処理表面の加熱出力を適応させること、そして同様に前記熱処理表面の周辺部における温度の均一性を保証するために遮断ベルトに加熱出力を適応させることが可能になる。
【0018】
好ましくは、この上述の実施形態によると、少なくとも1つの第1の支持層上に存在する各々の第1の加熱コードについて、1つまたは2つの第2の加熱コードが、前記第1の加熱コードと対応して配置されている。
【0019】
本発明の目的であるデバイスのこの上述の実施形態によると、少なくとも2つの第1の加熱コードは、第1の結合用電気ワイヤーによって、互いに直列および/または並列に連結されており、少なくとも2つの第2の加熱コードは、第2の結合用電気ワイヤーによって、互いに直列および/または並列に連結されている。換言すると、各々の第1の支持層上で、いくつかの第1の加熱コードを直列に、そして他の第1の加熱コードを並列に連結することができ、直列に連結された第1の加熱コードの第1の群を、直列に連結された第1の加熱コードの第2の群と並列に連結することができ、並列に連結された第1の加熱コードの第1の群を、並列に連結された第1の加熱コードの第2の群と直列に連結することができ、さらには並列に連結された第1の加熱コードの第1の群を、直列に連結された第1の加熱コードの第2の群と直列または並列に連結することができる。熱遮断ベルトを構成する第2の加熱コードについても同様である。換言すると、各々の第1の支持層上で、コードの直列化および/または並列化を介入させる任意の配設にしたがってコードを連結することが可能である。これにより、第1および第2の加熱コードの数を削減しながら、熱処理表面上の至る所で、かつ単数または複数の熱遮断ベルト上の至る所で、単数または複数の所望の温度を得るために、各々の第1の支持層上のあらゆる点でもたらされる加熱出力をより良好に制御することが可能になる。
【0020】
少なくとも1つの第1の支持層とは、本発明の目的であるデバイスが複数の重畳された第1の支持層を含むことができ、各々の第1の支持層が少なくとも1つの第1の加熱コードおよび少なくとも1つの第2の加熱コードを収容し、重畳された第1の支持層の第1の加熱コードが、組合わさって熱処理表面を画定し、重畳された第1の支持層の第2の加熱コードが、組合わさって少なくとも1つの熱遮断ベルトを画定することを意味する。第1の支持層を重畳することにより、第1の支持層一層のみを使用する解決法と比べて、単位面積あたりの熱出力を増大させることを可能にする。逆に、これにより、単位面積あたりの同じ熱出力について、第1および第2の加熱コード内を循環する電流を制限し、結果として、過渡状態におけるそれらの最大温度を低下させ、こうして、これらの加熱コードの劣化を遅らせることが可能になる。
【0021】
こうして、本発明の目的であるデバイスの一実施形態によると、該デバイスは、重畳された2つの第1の支持層を含み、少なくとも1つの第1の加熱コードと少なくとも1つの第2の加熱コードは、各々の第1の支持層上に配設されている。2つの第1の支持層の第1の加熱コードは、重畳されかつ組合わさって処理表面を画定しており、2つの第1の支持層の第2の加熱コードは、重畳されかつ組合わさって少なくとも1つの熱遮断ベルトを画定している。
【0022】
本発明の好適な実施形態によると、デバイスは、少なくとも1つの第1の支持層の上方に配設された第2の支持層を含む。さらに第1のワイヤー網および第2のワイヤー網が、第2の支持層上に配設されている。こうして、第1のワイヤー網および第2のワイヤー網を、第1の加熱コードおよび第2の加熱コードに対して物理的に分離することが可能である。しかしながら、十分に単純なマットのため、この第2の支持層の無い変形形態を想定することは可能である。
【0023】
本発明の目的であるデバイスのこの好適な実施形態によると、少なくとも1つの第1の加熱コードおよび少なくとも1つの第2の加熱コードは、第1の固定手段、好ましくは縫合によって少なくとも1つの第1の支持層の上部面上に固定されている。さらに、第1のワイヤー網および第2のワイヤー網は、第2の固定手段、好ましくは縫合によって第2の支持層の上部面上に固定されている。こうして、熱処理表面および少なくとも1つの熱遮断ベルトを画定する加熱コードを非常に正確に所定の位置に維持することが保証され、前記加熱コードに給電する第1のワイヤー網および第2のワイヤー網についても同様である。
【0024】
デバイスのこの好適な実施形態によると、第1のワイヤー網は、少なくとも第2の支持層を通過しかつ溶接によって少なくとも1つの第1の加熱コードに連結される第1の接続用電気ワイヤーを含む。同様にして、第2のワイヤー網は、少なくとも第2の支持層を通過しかつ好適には溶接によって少なくとも1つの第2の加熱コードに連結される第2の接続用電気ワイヤーを含む。他の不変の連結手段、例えば接合固定リングの使用などを、溶接の代わりに考えることができる。「少なくとも第2の支持層を通過する」とは、前述の通り、重畳された2つの第1の支持層の存在下で、第1および第2の接続用電気ワイヤーが、第2の支持層および第1の上部支持層を通過することを意味している。
【0025】
デバイスのこの好適な実施形態によると、少なくとも1つの第1の支持層および第2の支持層は、電気絶縁性の繊維材料、好ましくはガラス繊維または玄武岩繊維で構想されている。
【0026】
デバイスのこの好適な実施形態によると、少なくとも1つの第1の支持層および第2の支持層は、少なくとも450℃の温度に耐える繊維材料、好ましくはガラス繊維または玄武岩繊維で構想されている。
【0027】
デバイスのこの好適な実施形態によると、少なくとも1つの第1の加熱コードおよび少なくとも1つの第2の加熱コードは各々、上に抵抗ワイヤーが巻回される乾燥繊維製の電気絶縁性コアを含み、コードの電気絶縁レベルを高めるため、絶縁性乾燥繊維の編組シースで、長さ全体にわたりこのアセンブリを被覆してもよいしまたはしなくてもよい。
【0028】
本発明の目的であるデバイスの第1の実施形態によると、該デバイスは、2つの補強層を含み、これらの補強層の間には、特に熱処理表面および少なくとも1つの熱遮断ベルトを利用する少なくとも1つの第1の支持層、第1のワイヤー網および第2のワイヤー網が挟置されている。さらに、2つの補強層の間には、ケーシングを形成するように組立てシステムが利用されており、その縁部の1つから第1のワイヤー網および第2のワイヤー網を外に出している。
【0029】
好ましくは、デバイスのこの第1の実施形態によると、組立てシステムは、2つの補強層の間の取外し可能な固定を可能にする。その目的は、第1および第2の加熱コードおよび第1および第2のワイヤー網に近づき、場合によってこれらについてのメンテナンス作業を実施できるようにすることにある。
【0030】
好ましくは、デバイスのこの第1の実施形態によると、2つの補強層は、電気絶縁性の繊維材料、好ましくはガラス繊維または玄武岩繊維で構成されている。
【0031】
好ましくは、デバイスのこの第1の実施形態によると、2つの補強層は、少なくとも450℃の温度に耐える繊維材料、好ましくはガラス繊維または玄武岩繊維で構想されている。
【0032】
好ましくは、デバイスのこの第1の実施形態によると、下部補強層と少なくとも1つの第1の支持層の間に金属グリッドが配設され、前記金属グリッドは、接地のための電気ワイヤーに連結されている。これにより、電気絶縁性材料の補強層の使用を考慮して、複合部品の表面に蓄積する静電荷を排出することが可能になる。
【0033】
好ましくは、デバイスのこの第1の実施形態によると、該デバイスは、熱処理表面および少なくとも1つの熱遮断ベルトを利用する少なくとも1つの第1の支持層の上方に配設された断熱層を含む。一実施形態によると、絶縁層は、上部補強層の下部面の直下に位置付けされており、これにより、2つの補強層の組立てによって形成されるケーシングの内部に絶縁層を適切に維持することが可能になる。しかしながら、変形形態として、絶縁層を上部補強層の上部面の上方に位置付けすることを考えることができ、その場合、絶縁層は、2つの補強層の組立てによって形成されるケーシングの上方で外部に位置付けされる。
【0034】
本発明の目的であるデバイスの第2の実施形態によると、該デバイスは、好ましくはシリコーン材料製の被覆層を含み、この層内に熱処理表面および少なくとも1つの熱遮断ベルトを利用する少なくとも1つの第1の支持層、第1のワイヤー網および第2のワイヤー網が埋込まれており、前記被覆層は、その縁部の1つのところで、第1のワイヤー網および第2のワイヤー網を外に出している。
【0035】
本発明の目的であるデバイスによると、該デバイスは、少なくとも1つの第1の加熱コードおよび少なくとも1つの第2の加熱コードのところで少なくとも1つの第1の支持層の上に配設された少なくとも2つの温度測定用センサを含む。これらの測定用センサは、第1および第2の加熱コードの温度制御を実施して、2つの別個の調節経路上で第1および第2のワイヤー網が連結されている調節用キャビネットからこれらの温度を調節することを可能にする。一実施形態によると、これらの温度測定用センサは、熱電対であるが、変形形態も考えることが可能である。
【0036】
本発明の目的であるデバイスの一実施形態によると、該デバイスは、好ましくはシリコーン製の可鍛性気密ブロックを含み、第1のワイヤー網および第2のワイヤー網を包含する給電ケーブルならびに温度測定ケーブルが、このブロックを通過している。この可鍛性ブロックは、複合部品の予備成形または硬化中に、前記複合部品と前記デバイスを真空化する際の気密性に寄与する。
【0037】
本発明は同様に、複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化を実現するための設備において、製作すべき複合部品のネガを構成するマトリックスおよび周囲を含む上部面の備わった金型、熱処理表面および少なくとも1つの熱遮断ベルトが製作すべき複合部品に適応されている、前述の特徴のうちの1つおよび/または別のものを有する可撓性加熱多層デバイス、金型の上部面の周囲上に気密接触することのできる周縁部および逆止弁を含む真空化膜、前記逆止弁に連結され得る導管を含む吸気用デバイス、および、第1のワイヤー網および第2のワイヤー網が連結される調節用キャビネットを含み、前記キャビネットが、少なくとも1つの第1の支持層上の少なくとも1つの第1の加熱コードおよび少なくとも1つの第2の加熱コードの温度を独立して調節するように構成されている、設備にも関する。
【0038】
本発明の特徴および利点は、図に基づく以下の説明を読んだ時点で明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明に係る複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化を実現するための設備を概略的に示す。
図2】第1の支持層およびこの第1の支持層の上方の第2の支持層を含む、本発明に係る複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化を実現するための可撓性加熱多層デバイスの組成を断面図で概略的に示す。
図3】熱処理表面および熱遮断ベルトの第1の配設例を概略的に示す。
図4】熱処理表面および熱遮断ベルトの第2の配設例を概略的に示す。
図5】熱処理表面および熱遮断ベルトの第3の配設例を概略的に示す。
図6】熱処理表面および2つの熱遮断ベルトの第4の配設例を概略的に示す。
図7】熱処理表面上または熱遮断ベルト上の一つの加熱コードの第1の配設例を概略的に示す。
図8】熱処理表面上または熱遮断ベルト上の加熱コードの第2の配設例を概略的に示す。
図9】熱処理表面上または熱遮断ベルト上の加熱コードの第3の配設例を概略的に示す。
図10】熱処理表面上または熱遮断ベルト上の2つの加熱コードの第4の配設例を概略的に示す。
図11】熱処理表面上または熱遮断ベルト上の加熱コードの第5の配設例を概略的に示す。
図12】熱処理表面上または熱遮断ベルト上の加熱コードの第6の配設例を概略的に示す。
図13】熱処理表面上または熱遮断ベルト上の加熱コードの第7の配設例を概略的に示す。
図14】第1または第2の加熱コードの一実施形態を概略的に示す。
図15】第1または第2の加熱コードの一端部と第1または第2のワイヤー網の一端部との間の電気的接続を概略的に示す。
図16】本発明に係る複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化を実現するための可撓性加熱多層デバイスの全体図を例示する。
図17】本発明に係る可撓性加熱多層デバイスの利用の一変形実施形態を断面図で概略的に示す。
図18】熱処理表面および熱遮断ベルトの第5の配設例を概略的に示す。
図19】第1の支持層とこの第1の支持層の上方の第2の支持層を含む加熱マット上の熱処理表面および熱遮断ベルトの第2の配設例を例示する。
図20】異なる形で設置された断熱層を伴う、図2の一変形形態を例示する。
図21】重畳された2つの第1の支持層および2つの第1の支持層の上方の第2の支持層を含む加熱マット上の熱処理表面および熱遮断ベルトの第3の配設例を例示する。
図22図22は、第1の支持層上の第1または第2の加熱コードと第2の支持層上の第1または第2のワイヤー網の1本のワイヤーとの間の電気的接続、および第2の支持層上の第1または第2の加熱コードと第2の支持層上の第1または第2のワイヤー網の1本のワイヤーとの間の電気的接続を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の説明中、加熱マットなる用語は、本発明の目的である複合部品の繊維プリフォームの予備成形または硬化を実現するための可撓性加熱多層デバイスを表わす。
【0041】
さらに、本明細書中に指示の無いかぎり、異なる変形形態に係る同じ特徴またはその等価物を表わすために、同じ参照番号が用いられる。
【0042】
さらに、本明細書中で用いられる可能性のある、上、下、上部および下部なる用語は、水平な平面上に置かれた加熱マットの正常な位置を考慮した上でのものである。
【0043】
図1は、金型2を含む設備1を例示している。この金型2は、その上部面3上に、複合部品の製造を目的として予備成形または硬化すべき複合部品5のネガを構成するマトリックス4を含んでいる。この上部面3は、前記マトリックス4を取り囲む周囲6も含んでいる。設備1は、複合部品5を完全に被覆する加熱マット7も含んでおり、加熱マット7と複合部品5の間には保護層(図1には例示せず)が間置されている。この加熱マット7はそれ自体、硬化作業の際にマトリックス4、複合部品5および加熱マット7を格納する空間9の真空化を実現できるようにする膜8によって完全に被覆され、こうして前記膜8は加熱マット7と複合部品5を押圧し、熱可塑性樹脂が塗布され積重ねられ予め硬化された一方向炭素繊維層の間に含まれる残留空気を追い出すことになる。
【0044】
真空を実現するために、膜8の周縁部10は、金型2の上部面3の周囲6と気密接触状態になければならない。膜8は、プラスチック材料製のシートで構成され得る。この場合、周縁部10と周囲6の間にマスチック58が配置され、膜8の真空化の際に前記周縁部10と前記周囲6の間の気密性を保証する目的で、加熱マット7に連結された給電ケーブル11および温度測定ケーブル12(以下の説明中で詳述する)が、このマスチック58内にその横断部で埋込まれている。この細片状のマスチック58は、例えばBUTYL(登録商標)タイプの材料で構成されている。膜8は、一変形形態によると、厚い周縁部10を伴うシリコーン材料で構成され得、こうして前記周縁部10は、膜8の真空化の際に周囲6との気密性を直接、すなわちマスチックを追加せずに保証する。この場合、加熱マット7は、小さいサイズのシリコーン製ブロック13を含み、その中を、図16に例示されているように給電ケーブル11および温度測定用ケーブル12が通ることになり、前記シリコーン製ブロック13は、膜8の真空化の際に押し付けて周縁部10とぴったり一致して、周囲6とのこの気密性を保証する。膜8は、導管15を用いて吸気デバイス16に連結するための逆止弁14を含む。この図16では、ただ一つの給電ケーブル11とただ一つの温度測定ケーブル12が例示されているが、それらの数は、利用される加熱マット7に応じて、さらに多いものであり得る。
【0045】
図2~16は、上述の設備1上で使用される加熱マット7の好適な実施形態に関係する。図2に例示されているように加熱マット7は、第1の支持層17、この第1の支持層17の上方に配置された第2の支持層18、第1の支持層17の下方に配置された金属グリッド19、下部補強層20および上部補強層21を含む。2つの支持層17、18および金属グリッド19は、それらを包み込む2つの補強層20、21の間に挟置されている。これらの異なる層17、18、20、21および金属グリッド19は柔軟なものであり、そのため加熱マット7は複合部品5と適切にぴったり一致できる。これらの異なる層17、18、20、21は、電気的絶縁を保証しかつ少なくとも450℃の温度に対する強度を備えた乾燥ファブリックで製作されており、これらの層は好ましくは、ガラス繊維または玄武岩繊維で構想されている。金属グリッド19は、アースを給電ケーブル11のワイヤーの1本に連結することによって接地され、これにより、電気的絶縁材料製の補強層20、21の利用を考慮に入れて、複合部品5の表面に蓄積する静電荷を消散させることが可能になる。
【0046】
図3~15を見ると、加熱マット7は、製造すべき複合部品5の表面に依存しこの表面に対応する形状および寸法を有する熱処理表面22を含む。この熱処理表面22は、図15に例示されているように、好ましくは蛇行状にまたは螺旋状に配設され第1の支持層17の上部面25上に縫合24によって固定された単数または複数の第1の加熱コード23で構成されている。第1の支持層17上の単数または複数の加熱コード23の縫合24は、第1の支持層17上の単数または複数の加熱コード23の位置が正確であり、製造すべき各々の複合部品5のために決定された仕様に対応する下部補強層20の機能面20aのところにおいて制御された熱分布を保証するような形で、パターンをたどりながら製作される。縫合24は有利には、デジタル制御式のミシンまたは刺繍ミシンを用いて自動的に実現される。
【0047】
第1の加熱コード23の数および配設は、複合部品5上に存在する異なる厚みおよびそれらの形状、ひいてはこれらの厚みに応じて前記複合部品5を異なる形で加熱する必要性、により左右される。例えば、図1中、複合部品5は、断面図上で、異なる厚みを有する3つの領域5a、5b、5cを有し、このため、加熱マット7上の熱処理表面22を、前記3つの領域5a、5b、5cと一致する3つの部分7a、7b、7cに分割することが必要になる。
【0048】
図3では、熱処理表面22は、図7に示されているように、この部分22a全体にわたり蛇行状に配置されたただ一つの第1の加熱コード23で構成され得るただ一つの矩形部分22aで形成されている。この第1の加熱コード23をこの部分22a全体にわたり螺旋状に配置すること、さらには他の配設を考えることが可能である。
【0049】
図4では、熱処理表面22は、矩形であり、図7に示されているように、対応する部分22a、22b上に蛇行状に配置された第1の加熱コード23で各々構成された2つの矩形部分22a、22bで形成されており、これら2つの部分22a、22bは、複合部品5上の厚みに応じて異なる温度に発熱し得る。これらの第1の加熱コード23を、これら2つの部分22a、22b上に螺旋状に配置すること、さらには他の配設を考えることが可能である。
【0050】
図5では、熱処理表面22は、矩形であり、図7に示されているように、対応する部分22a、22b、22c、22d上に蛇行状に配置された第1の加熱コード23で各々構成された4つの矩形部分22a、22b、22c、22dで形成されており、これら4つの部分22a、22b、22c、22dは、複合部品5上の厚みに応じて異なる温度に発熱し得る。これらの第1の加熱コード23を、これら4つの部分22a、22b、22c、22d上に螺旋状に配置すること、さらには他の配設を考えることが可能である。
【0051】
図6では、熱処理表面22は、平坦な環であり、図9に示されているように、対応する部分22e、22fに蛇行状に配置された第1の加熱コード23で各々構成された2つの円弧状部分22e、22fで形成されており、これら2つの部分22e、22fは、複合部品5上の厚みに応じて異なる温度に発熱し得る。この図9では、一つの円弧部分のみが例示されているが、2つの部分22e、22fの場合と同様、半円上でこの円弧部分の角度を増大させながら、原理は同一のままである。これらの第1の加熱コード23を、これら2つの部分22e、22f上に螺旋状に配置すること、さらには他の配設を考えることが可能である。
【0052】
当然のことながら、熱処理表面22を構成するために、図10で例示されているように、2つの第1の加熱コード23が螺旋状に上に配設される任意の多角形状26などのような、複合部品5上の形状および厚みに応じて、同じ原理に基づいて前記熱処理表面22の部分の他の多種多様な形状を考えることが可能である。この多角形状の上に蛇行状にこれらの第1の加熱コード23を配置すること、さらには他の配設を考えることが可能である。当然のことながら、前記熱処理表面22さらには以下で説明するような熱遮断ベルトを利用するために、図10中と同じ原理にしたがって、1つ、2つまたは3つ以上の加熱コード23を配設することが可能である。これは、図10の形状以外の形状の場合も同様に考えることが可能である。
【0053】
図3~15を見ると、加熱マット7は、図3~5中のように熱処理表面22が中実であるかまたは図6中のようにくり抜き部29を備えているかに応じて、単数または複数の熱遮断ベルト27、28を含む。熱遮断ベルト27は、熱処理表面22の外側周辺部30の側面の熱損失を回避し、図6の場合では、熱遮断ベルト28は熱処理表面22の内側周辺部31の側面の熱損失を回避し、これにより、前記熱処理表面22により被覆された予備成形または硬化すべき複合部品5の表面全体にわたる温度の急速な安定化を得ることが可能になる。
【0054】
図3では、遮断ベルト27は、熱処理表面22の外側周辺部30に配置されたただ一つの部分32aからなる1つのフレーム32で形成されており、図11に示されているように、蛇行状の第2の加熱コード33により前記フレーム32を構成することが可能となっている。この第2の加熱コード33をこのフレーム32上で螺旋状に配置すること、さらには他の配設を考えることが可能である。
【0055】
図4では、遮断ベルト27は、熱処理表面22の外側周辺部30に配置されたU字形の、2つの部分32a、32bからなる1つのフレーム32で形成されており、図12に示されているように、フレームの各部分32a、32bは、蛇行状の第2の加熱コード33で構成されている。これら2つのフレーム部分32a、32bはそれぞれ、図4に示されているように、熱処理表面22の2つの部分22a、22bと対応している。フレーム32のこれら2つの部分32a、32b上で螺旋状にこれらの第2の加熱コード33を配置すること、さらには他の配設を考えることが可能である。
【0056】
図5では、遮断ベルト27は、熱処理表面22の外側周辺部30に配置された四角の形をした、4つの部分32a、32b、32c、32dからなるフレーム32で形成されており、各フレーム部分32a、32b、32c、32dは、図13に示されているように、蛇行状の第2の加熱コード33で構成されている。フレーム32のこれら4つの部分32a、32b、32c、32dの上に螺旋状にこれらの第2の加熱コード33を配置すること、さらには他の配設を考えることが可能である。
【0057】
図6では、第1の遮断ベルト27は、熱処理表面22の円形外側周辺部30に配置された円弧の形をした2つの部分32e、32fからなる円形フレーム32で形成されており、各円弧状部分32e、32fは、図9に示されているように、蛇行状の第2の加熱コード33で構成されている。この図9では、1つの円弧部分のみが例示されているが、2つの部分32e、32fの場合と同様、半環上でこの円弧部分の角度を増大させながら、原理は同一のままである。円形フレーム32のこれら2つの部分32e、32f上でこれらの第2の加熱コード33を螺旋状に配置すること、さらには他の配設を考えることが可能である。さらに、この図6では、第2の遮断ベルト28が熱処理表面22の内側周辺部31の内部に配置されたディスク34で形成されており、図8に示されているように、蛇行状の第2の加熱コード33が前記ディスク34の構成を可能にしている。ディスク34上で螺旋状にこの第2の加熱コード33を配置すること、さらには他の配設を考えることが可能である。図7または図10の多角形状、さらには他の任意の形状全てが、任意の熱処理表面22の内側周辺部31における第2の熱遮断ベルト28の利用のために考えることが可能である。第2の遮断ベルト28を構成するこのディスク34を、例えば図6の変形形態の他の特徴を引継ぐ図18の変形形態が例示するように、2つの半環34a、34bによって置換えることもできる。図19の加熱マット7の変形形態は、図4の変形形態の特徴を引継いでいるが、この変形形態の上には、くり抜き部29および、2つの半環34a、34bで構成された第2の遮断ベルト28も同様に具備されている。
【0058】
したがって、図7~13、18および19が、熱処理表面22または熱遮断ベルト27、28の表面の組成内に入り得る非限定的でかつ考えられるいくつかの形状例しか例示していないということが分かるだろう。第2の加熱コード33は、第1の加熱コード23の場合と同様、図15に例示されているように、第1の支持層17の上部面25上に縫合24によって固定されるものである。
【0059】
図2~6および15を見ると、加熱マット7は、同様に、熱処理表面22上の単数または複数の第1の加熱コード23に給電する第1のワイヤー網35も含んでいる。同様に、加熱マット7は、熱遮断ベルト27上、および図6の場合のように第2の熱遮断ベルト28が存在する場合にはその上で、単数または複数の第2の加熱コード33に給電する第2のワイヤー網36を含む。第1のワイヤー網35および第2のワイヤー網36は、同じ給電ケーブル11内でまとめられる。
【0060】
熱処理表面22上に複数の第1の加熱コード23が存在する場合には、これらの第1の加熱コードは、前記熱処理表面22上に所望される異なる温度に応じて、および加熱出力をより良好に制御しかつ削減された数の第1の加熱コード23によって、より広範囲にわたる温度を提供する目的で、第1の結合用電気ワイヤー38を用いて直列および/または並列に連結され得る。同様に、複数の第2の加熱コード33が単数または複数の熱遮断ベルト27、28上に存在する場合には、これらの第2の加熱コードは、前記熱遮断ベルト27、27上に所望される異なる温度に応じて、かつ加熱出力をより良好に制御しかつ削減された数の第2の加熱コード33により、より広範囲にわたる温度を提供する目的で、第2の結合用電気ワイヤー39を用いて直列および/または並列に連結され得る。同じ第1の支持層17上に複数の第1の加熱コード23および複数の第2の加熱コード33を設置することの利点は、第1の支持層17上のあらゆる点にもたらされる加熱出力をより良好に制御して、熱処理表面22のあらゆる点で、かつ単数または複数の熱遮断ベルト27、28のあらゆる点で、削減された数の第1および第2の加熱コード23、33により、所望される単数または複数の温度が得られる、ということにある。
【0061】
非限定的な例示的例として、図4では、熱処理表面22の2つの部分22a、22bが、第1の結合用電気ワイヤー38によって直列に連結されている。図5では、熱処理表面22の2つの第1の部分22a、22bは、前記熱処理表面22の2つの第2の部分22c、22dについてと同様に、第1の結合用電気ワイヤー38によって並列に連結されており、熱遮断ベルト27の2つの第1のフレーム部分32a、32bは、熱遮断ベルト27の2つの第2のフレーム部分32c、32dについてと同様に、第2の結合用電気ワイヤー39によって直列に連結されている。図6では、熱処理表面22の2つの円弧状部分22e、22fは、第1の結合用電気ワイヤー38により直列に連結され、熱遮断ベルト27の2つの円弧状部分32e、32fは、第2の結合用電気ワイヤー39により直列に連結されている。
【0062】
図15に例示されているように、第1のワイヤー網35、第2のワイヤー網36、第1の結合用電気ワイヤー38および第2の結合用電気ワイヤー39は、第2の支持層18の上部面41上に縫合40によって固定され、第2の支持層18を通過し前記ワイヤー35、36、38、または39と溶接されている接続用電気ワイヤー42を介して、第1の加熱コード23または第2の加熱コード33の端部23a、23b、33a、33bの1つと溶接により連結されている。
【0063】
図14には、電気絶縁性コア44を取り囲む抵抗ワイヤー43を各々含む第1または第2の加熱コード23、33の好適な実施形態が例示されており、ここで、このコア44は、メッシュとして形成された乾燥繊維で構成されている。抵抗ワイヤー43は、前述の接続用電気ワイヤー42に対して溶接により連結される。第1または第2の加熱コード23、33は、場合によっては、補足的に、前記抵抗ワイヤー43を取り囲む乾燥繊維のシース45を含むことができる。このシース45を組み入れるか否かの選択は、特に、支持層17、18および補強層20、21用に使用される材料に応じたこれらの層の電気伝導性によって左右されることになる。このシース45は、撚合、編組または編成の結果として得られる。加熱コード23、33の断面の直径は、支持層17、18および補強層20、21の厚みに比べて小さく、こうして温度変動の作用下での加熱コード23、33の変形は、前記層17、18、20、21によって挟まれ、複合部品5と接触する下部補強層20の機能面20aは、あらゆる変形を免れる。
【0064】
図3~6を見ると、第1の熱電対46が、第1の支持層17上で、熱処理表面22の異なる部分22a、22b、22c、22d、22e、22f上に配設されて、それらの温度を読み取る。同様に、第2の熱電対47が、第1の支持層17上で、熱遮断ベルト27の異なる部分32a、32b、32c、32d、32e、32f上そして、図6の場合には第2の熱遮断ベルト28上に配設されて、それらの温度を読み取る。図15を使って先に説明した通り、ワイヤー35、36、38、39が第1および第2の加熱コード23、33に連結されるのと同じ形で、温度測定ケーブル12は、第2の支持層18の上部面41上に縫合によって固定され、かつ連結用電気ワイヤー42によってこれらの熱電対46、47に結ばれてている連結用電気ワイヤー48を有している。
【0065】
第1および第2の加熱コード23、33の給電ケーブル11および温度測定ケーブル12は、上流側において、熱処理表面22上および単数または複数の熱遮断ベルト27、28の表面上の温度の測定値を回収して第1および第2の加熱コード23、33の給電を調整する調節用キャビネット57に、連結される。これにより、複合部品5の焼成の正確な制御が可能になる。
【0066】
図2を見ると、加熱マット7は、例えばセラミックタイプの無機材料で構成された断熱層49を含む。図7では、この断熱層49は、上部補強層21の上方に配置されているが、図20に例示されているように、これを第2の支持層18と上部補強層21の間に位置付けすることが可能である。この断熱層49は有利にも、シートがおよそ450℃の温度に耐える必要性を無くすることから、膜8を構成するのにより安価なプラスチック材料製のシートを使用することを可能にする。実際、この断熱層49の存在により、膜と接触する温度を60℃未満の温度に低下させることができる。
【0067】
図16を見ると、下部補強層20および上部補強層21は、共通の縁部50のところで2つに折られた同じ補強層を用いて利用され、ここで下部補強層20および上部補強層21の他の3つの縁部51、52、53はスナップボタン54によって取外し可能な形で組立てられている。これらの押しボタン54をVelcro(登録商標)タイプのフック/ループによってかまたはEclair(登録商標)ファスナーによって置き換えることが可能である。これによって、有利にも、下部20および上部21の2つの補強層を部分的に分離して支持層17、18および金属グリッド19に近づき、こうして第1および第2のコード23、33、熱電対46、47、または接続用電気ワイヤー42のところの溶接について可能性のあるメンテナンス作業を実施することが可能である。この図16には、給電ケーブル11と温度測定ケーブル12が中を通るシリコーン製ブロック13が見える。
【0068】
熱処理表面22および単数または複数の熱遮断ベルト27、28の実現に関して、本発明の枠内で加熱マット7の変形形態を考えることができる。一例として、図21および22を見ると、加熱マット7は、図2~16および18~20を使って先に説明した特徴と同様の特徴を有するものの、ここでは、この加熱マット7が、両方共、その上部面25上に、縫合24によって固定された単数または複数の第1の加熱コード23を収容する2つの重畳された第1の支持層17を含み、これら2つの第1の支持層17上の単数または複数の第1の加熱コード23が重畳され、組合わさって熱処理表面22を形成しているという点で異なっている。同様に、これら2つの第1の支持層17は両方共、その上部面25上に、縫合24によって固定された単数または複数の第2の加熱コード33を収容し、これら2つの第1の支持層17上の単数または複数の第2の加熱コード33は重畳され、組合わさって外側熱遮断ベルト27そして場合によっては第2の内側熱遮断ベルト28を形成する。図15を使って先に例示した通り、第1のワイヤー網35、第2のワイヤー網36、第1の結合用電気ワイヤー38および第2の結合用電気ワイヤー39は、第2の支持層18の上部面41上で縫合40により固定され、第2の支持層18を通過し2つの第1の支持層17の一方または他方の上の前記ワイヤー35、36、38または39と溶接されている接続用電気ワイヤー42を介して、第1の加熱コード23または第2の加熱コード33の端部23a、23b、33a、33bのうちの1つと溶接によって連結されている。図22に例示されているように、接続用ワイヤー42が、第2の支持層18上の前記ワイヤー35、36、38、39の1つと、第1の下部支持層17上の第1の加熱コード23または第2の加熱コード33を連結する場合、前記接続用ワイヤー42は、第1の上部支持層17も同様に通過する。2つの第1の支持層17を重畳することにより、特に、第1の支持層17一層のみを使用する解決法と比べて、単位面積あたりの熱出力を増大させることを可能にする。逆に、これにより、単位面積あたりの同じ熱出力について、第1および第2の加熱コード23、33内を循環する電流を制限し、結果として、過渡状態におけるそれらの最大温度を低下させ、こうして、これらの加熱コードの劣化を遅らせることが可能になる。場合によっては、同じ原理に基づいて重畳された3つ以上の第1の支持層17を考えることが可能である。
【0069】
本発明の枠内で、加熱マット7の他の変形形態も同様に考えることが可能である。例えば、図17に例示されているように、上述の実施形態の2つの補強層20、21を、単数または複数の第1の支持層17、第2の支持層18および金属グリッド19が中に直接に埋込まれている好ましくはシリコーン材料製の被覆層55で置換することを考えることができ、この場合給電ケーブル11および温度測定ケーブル12は、前記被覆層55の縁部56のところで外に出ている。
【符号の説明】
【0070】
5 複合部品
7 可撓性加熱マット
17 第1の支持層
22 熱処理表面
23 第1の加熱コード
27 熱遮断ベルト
28 熱遮断ベルト
33 第2の加熱コード
35 第1のワイヤー網
36 第2のワイヤー網

図1
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【国際調査報告】