(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-24
(54)【発明の名称】シートベルト構成要素用の張力デバイス
(51)【国際特許分類】
B60R 22/46 20060101AFI20230316BHJP
【FI】
B60R22/46 128
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544361
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(85)【翻訳文提出日】2022-08-05
(86)【国際出願番号】 EP2021050359
(87)【国際公開番号】W WO2021156015
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】102020103157.2
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】レッジ、ディトマー
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018MA05
(57)【要約】
本発明は、圧縮ガスを生成するためのガス発生器と、圧縮ガスによって駆動され得るピストンと、張力運動を起こすようにピストンに接続されかつシートベルト構成要素に接続可能である張力ケーブル(4)と、ピストンを受容し導くためのテンショナーチューブ(5)と、ケーブルガイドを形成し、かつガス発生器と、流れに関してレセプタクル(2)と接続された圧力チャンバ(3)とを受容するレセプタクル(2)とが形成された、ガイドブロック(1)と、を有するシートベルト構成要素用の張力デバイスであって、ガイドブロック(1)はテンショナーチューブ(5)に接続され、張力ケーブル(4)は、テンショナーチューブ(5)から圧力チャンバ(3)を通ってピストン移動方向(6)に直線状に走り、ガイドブロック(1)は、リニアガイド(7)であって、圧力チャンバ(3)に隣接し、かつ張力ケーブル(4)がガイドブロック(1)の、テンショナーチューブ(5)とは反対側から、ピストン移動方向(6)と平行に引き出され得るように構成されているリニアガイド(7)を形成する、張力デバイスに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガスを生成するためのガス発生器と、
前記圧縮ガスによって駆動され得るピストンと、
張力運動を起こすように前記ピストンに接続されかつシートベルト構成要素に接続可能である張力ケーブル(4)と、
ピストンを受容し導くためのテンショナーチューブ(5)と、
ケーブルガイドを形成し、かつ前記ガス発生器と、流れに関してレセプタクル(2)と接続された圧力チャンバ(3)とを受容する前記レセプタクル(2)とが形成された、ガイドブロック(1)と、
を有するシートベルト構成要素用の張力デバイスであって、
前記ガイドブロック(1)は前記テンショナーチューブ(5)に接続され、前記張力ケーブル(4)は、前記テンショナーチューブ(5)から前記圧力チャンバ(3)を通ってピストン移動方向(6)に直線状に走り、
前記ガイドブロック(1)は、リニアガイド(7)であって、前記圧力チャンバ(3)に隣接し、かつ前記張力ケーブル(4)が前記ガイドブロック(1)の、前記テンショナーチューブ(5)とは反対側から、前記ピストン移動方向(6)と平行に引き出され得るように構成されているリニアガイド(7)を形成する、張力デバイス。
【請求項2】
前記リニアガイド(7)において、前記張力ケーブル(4)の意図しない動きを妨げる、少なくとも1つの抵抗要素(8)が配置されている、請求項1に記載の張力デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの抵抗要素(8)が、前記リニアガイド(7)に挿入された構成要素(9)によって形成される、請求項2に記載の張力デバイス。
【請求項4】
前記挿入された構成要素(9)がプラスチック製であり、前記構成要素(9)によって形成された前記抵抗要素(8)は、張力プロセスの始めに摩擦により縮小される、請求項3に記載の張力デバイス。
【請求項5】
前記抵抗要素(8)が、前記張力ケーブル(4)のS字状ガイドをもたらし、したがって前記張力ケーブル(4)の平行なオフセットをもたらす、請求項2~4のいずれか一項に記載の張力デバイス。
【請求項6】
前記リニアガイド(7)に加えて、前記ガイドブロック(1)内に偏向ガイド(10)が形成され、前記張力ケーブル(4)が前記ガイドブロック(1)から前記ピストン移動方向(6)に対して斜めに引き出され得るように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の張力デバイス。
【請求項7】
前記抵抗要素(8)を形成する前記構成要素(9)が、前記リニアガイド(7)内と前記偏向ガイド(10)内の両方に配置されている、請求項3及び6に記載の張力デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ガスを生成するためのガス発生器と、圧縮ガスによって駆動され得るピストンと、張力運動を起こすようにピストンに接続され、かつシートベルト構成要素に接続可能である張力ケーブルと、ピストンを受容し導くためのテンショナーチューブと、ケーブルガイドを形成し、かつガス発生器と、流れに関してレセプタクルと接続された圧力チャンバとを受容するレセプタクルとが形成された、ガイドブロックと、を有するシートベルト構成要素用の張力デバイスであって、ガイドブロックはテンショナーチューブに接続され、張力ケーブルは、テンショナーチューブから圧力チャンバを通ってピストン移動方向に直線状に走る、張力デバイスに関する。
【0002】
そのような張力デバイスは、例えば、ガイドブロックがケーブル偏向を形成するドイツ特許第102015111083B4号から知られている。その結果、シートベルト構成要素は、シートベルト構成要素が圧力チャンバから張力を受けて、ガイドブロック内の偏向ガイドによってピストン移動方向を横切る方向に偏向される。ガイドブロックによって張力ケーブルをこのように偏向させることが従来必要であった理由は、張力デバイスは車両シートの隣に横方向に取り付けられるが、ピストン移動方向は車両の長手方向軸に平行に向けられており、シートベルトのベルトバックル又は端部取付具は通常張力ケーブルを介して張力をかけられるためである。今、自動車において、張力デバイスを異なる向きにも装着する必要性が高まっている。
【0003】
したがって、自動車内で異なる向きに取り付けることができ、かつ/又は張力デバイスの構成においてさらなる柔軟性を可能とする張力デバイスを提供することが本発明の目的である。
【0004】
上記目的は、独立請求項の特徴を有する張力デバイスによって解決される。張力デバイスの有利な進歩が、従属請求項及び明細書に示されており、有利な進歩の個々の特徴は、技術的に道理にかなった方法で互いに組み合わせることができる。
【0005】
目的は、とりわけ、冒頭で言及された機能を有する張力デバイスによって達成され、ガイドブロックは、リニアガイドであって、圧力チャンバに隣接し、かつ張力ケーブルがガイドブロックの、テンショナーチューブとは反対側から、ピストン移動方向と平行に引き出され得るように構成されているリニアガイドを形成する。
【0006】
したがって、その基本的な考え方において、本発明は、張力ケーブルがピストン移動方向と平行に整列して、又は平行にオフセットされてガイドブロックから出てくるように一体のガイドブロックが形成されることをもたらす。その結果、ピストン移動方向を提供するテンショナーチューブは、シートベルト構成要素の張力運動に平行に整列されるか、又は平行にオフセットされ得る。あるいは、張力ケーブルは、追加の手段でガイドブロックの外側で偏向されることが可能である。したがって、張力デバイスを、このようにして、自動車内の従来普通であった位置以外の位置に配置することができる。
【0007】
張力デバイスが組み立てられた後、かつ張力デバイスが自動車内に取り付けられる前、又は取り付けられた後にも、張力ケーブルが意図せずに動かされることを防止し、したがって、テンショニングチューブ内のピストンが望ましくない位置に置かれることを防止するために、リニアガイドが、とりわけリニアガイド内に配置された少なくとも1つの抵抗要素を有し、抵抗要素は、張力ケーブルの意図しない動きを妨げることができる。したがって、例えば、直線ガイド内に突出する突起又は狭窄部を圧力チャンバの外側のガイドブロック内に形成することができ、これは、自動車内に取り付けられる前、又は取り付けられた後にも、張力ケーブル及びしたがってピストンのテンショナーチューブに対する相対的な動きを防止する。
【0008】
原則として、抵抗要素をガイドブロック上に一体に形成することが可能である。しかしながら、抵抗要素は独立構成要素として形成され、ガイドブロックによって形成されたリニアガイドに挿入されることが好ましい。独立構成要素は、ガイドブロックとは異なる材料で作製される。
【0009】
使用される構成要素は、好ましくはプラスチックで作製され、その構成要素によって形成された少なくとも1つの抵抗要素は、張力ケーブルと少なくとも1つの抵抗要素との間の摩擦により張力プロセスの始めに縮小される。例えば、張力ケーブルと最初に接触している突起は、プラスチックから形成された構成要素上に形成され得、この突起は、張力ケーブルの意図しない動きを防止するが、張力ケーブルとの摩擦により、張力付与プロセスの始めに高さが縮小されるため、抵抗が減少する。そのような独立構成要素は、とりわけ、張力ケーブルがピストン移動方向と平行に整列して誘導されてガイドブロックから出る場合に有用である。
【0010】
しかしながら、抵抗要素は、ガイドブロック自体によって又はガイドブロックに挿入された構成要素によって張力ケーブルのためのシケインを生成することによっても形成することができる。特に、抵抗要素は、張力ケーブルのためのS字状ガイドをガイドブロック又はそのリニアガイドによって形成することができ、その結果、張力ケーブルは、ピストン移動方向に対して平行にオフセットされてガイドブロックを出る。
【0011】
ガイドブロックを、張力デバイスを新規の構成のみでの使用ではなく、既に知られている張力デバイスのガイドブロックとしても使用可能とするため、ガイドブロック内にリニアガイドに加えて偏向ガイドが形成され、この偏向ガイドは、張力ケーブルがガイドブロックからピストン移動方向に対して斜めに引き出され得るように構成されてもよい。このようにして、ガイドブロック内にリニアガイド及び偏向ガイドの両方が形成されるため、ガイドブロックを柔軟に使用することができる。特に、ガイドブロックは、偏向ガイドがリニアガイドから分岐するように形成されてもよく、特に、20°超、好ましくは45°超、特に好ましくは90°超のケーブル偏向を可能にする。
【0012】
抵抗要素が独立構成要素上に形成される場合、独立構成要素は、リニアガイド内及び偏向ガイド内の両方に配置されるように成形されることができる。このように、ガイドブロック内の構成要素の位置も確実に事前決定することができ、独立構成要素の動きが防止される。特に、独立構成要素は、抵抗要素を形成する部分を伴って、リニアガイドに沿って延びるように形成され、保持部が偏向ガイド内に係合する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明及び技術的環境は、図を参照して例として以下に説明される。以下を概略的に示す。
【
図2】
図1による張力デバイスの抵抗要素を形成するための独立構成要素である。
【
図3】張力デバイスの追加の実施形態の詳細図である。
【0014】
図1及び
図3に示される張力デバイスは、それぞれの場合において、ガス発生器(図示せず)のためのレセプタクル2が形成されるガイドブロック1を備える。レセプタクル2は、ガイドブロック1内に形成された圧力チャンバ3と流れに関して接続されている。
【0015】
張力ケーブル4は、圧力チャンバ3を通って、テンショナーチューブ5内に直線状に誘導される。テンショナーチューブ5内で、張力ケーブル4は、ピストン(図示せず)に接続されている。張力ケーブルとのピストンの配置及びテンショナーチューブ内のピストンの配置は、序論において言及されたドイツ特許第102015111083B4号において既に言及されており、これに関して参照される。しかしながら、ピストンの配置もまた、本発明にとって重要ではない。
【0016】
トリガされると、ガス発生器は圧縮ガスを生成し、圧縮ガスは圧力チャンバ3を通ってテンショナーチューブ5に誘導され、そこでピストンを駆動し、したがって張力ケーブル4も、ピストン移動方向6に駆動する。
【0017】
テンショナーチューブ5に背を向ける側で、ガイドブロック1は、張力ケーブル4がガイドブロック1と平行に整列して(
図1)、又はガイドブロック1から平行にオフセットされて(
図3)ガイドブロック1から誘導されるように形成される。このようにして、ガイドブロック1はリニアガイド7を有する。さらに、ガイドブロック1はまた、張力ケーブル4が、ピストン移動方向6(図には図示せず)を横切る方向にもガイドブロック1から誘導され得るように、偏向ガイド10を有する。
【0018】
張力ケーブル4、したがって、ピストンが張力プロセスの前に意図せずに移動されることを防止するために、抵抗要素8が設けられている。
【0019】
図1及び
図2の実施形態によれば、抵抗要素8は、独立構成要素9上の突起によって形成される。独立構成要素9は、保持部が偏向ガイド10内に配置され、保持部がリニアガイド7内に抵抗要素8を有するように成形されている。ガス発生器によってトリガされる張力プロセスの始めに、個々の構成要素9の突起は、張力ケーブル4との摩擦によって高さが減少し、その結果、摩擦又は抵抗も減少する。
【0020】
図3の実施形態によれば、抵抗要素8は、シケインの1種によって形成され、その結果、張力ケーブル4はS字状に偏向され、それによって抵抗を提供する。
【符号の説明】
【0021】
1 ガイドブロック
2 レセプタクル
3 圧力チャンバ
4 張力ケーブル
5 テンショナーチューブ
6 ピストン移動方向
7 リニアガイド
8 抵抗要素
9 構成要素
10 偏向ガイド
【国際調査報告】