(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-24
(54)【発明の名称】医療装置回転アセンブリ及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20230316BHJP
A61B 17/34 20060101ALN20230316BHJP
【FI】
A61M25/06 556
A61B17/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545943
(86)(22)【出願日】2021-02-03
(85)【翻訳文提出日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 US2021016391
(87)【国際公開番号】W WO2021158647
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン、カトリーナ
(72)【発明者】
【氏名】ガバリス、ロブ エム.
(72)【発明者】
【氏名】キャラハン、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】デュール、ベルナデット
(72)【発明者】
【氏名】ゴールデン、ジョン ビー.
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160FF48
4C160KL03
4C160MM32
4C160NN03
4C160NN13
4C160NN15
4C267AA05
4C267AA17
4C267BB04
4C267BB10
4C267BB20
4C267BB31
4C267BB40
4C267CC07
4C267EE01
(57)【要約】
医療装置は、シースと、シース内に配置されて当該シースに相対して移動可能な器具と、回転アセンブリを含むハンドルであって、回転アセンブリが、ハンドルの一部分に対する回転アセンブリの回転に応じてシースに対して器具を回転させる、ハンドルとを含む。回転アセンブリは、予め画定された角度間隔でシースに対して器具を回転させ、各角度間隔において移動を阻止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シースと、
前記シース内に配置されて前記シースに対して移動可能な器具と、
回転アセンブリを含むハンドルであって、前記回転アセンブリが、前記ハンドルの一部分に対する前記回転アセンブリの回転に応じて前記シースに対して前記器具を回転させるように構成されている、前記ハンドルと、
を備え、
前記回転アセンブリが、予め画定された複数の角度間隔をもって前記シースに対して前記器具を回転させ、各角度間隔において移動を阻止する、医療装置。
【請求項2】
前記回転アセンブリが、前記予め画定された角度間隔のうちの少なくとも1つで前記器具をシースに対して固定するように維持する、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記回転アセンブリが、前記回転アセンブリに付与される予め定められた回転力に応じて、前記予め画定された角度間隔のうちの少なくとも1つから前記器具を解放する、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記回転アセンブリが、前記予め画定された角度間隔の間で回転する際に、触覚フィードバック、可聴フィードバック、又は視覚フィードバックのうちの少なくとも1つを生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項5】
前記回転アセンブリは、複数の凹部と周方向において交互に配置された複数の隆起部を有するシャフトを含み、
前記ハンドルは、1つ以上のアームを含み、
前記1つ以上のアームの各アームは、前記複数の隆起部及び前記複数の凹部に係合するように構成されており、
前記回転アセンブリは、前記1つ以上のアームのうちの第1アームが前記複数の凹部のうちの第1凹部内に配置されたとき、前記回転アセンブリと前記ハンドルの当該部分との間の回転移動を阻止する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記第1アームが前記第1凹部内に配置されている間、前記ハンドルの当該部分に対して前記回転アセンブリ上に回転力が付与されることにより、前記第1アームを前記第1凹部から退出させて、前記第1アームを前記第1凹部に対して周方向において隣接する第2凹部内に位置させる、請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
前記1つ以上のアームが、前記ハンドルのルーメン内において径方向内方に延びる複数のアームを含む、請求項5又は6に記載の医療装置。
【請求項8】
前記複数のアームの各々が、他の複数のアームの各々から偏倚されている、請求項5~7のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項9】
前記回転アセンブリが、前記回転アセンブリの外面に配置された複数の凹部又は穴を含み、
前記ハンドルが、前記複数の凹部又は穴と係合するように構成された1つ以上の戻り止めを含み、
前記1つ以上の戻り止めのうちの第1戻り止めが、前記複数の凹部又は穴のうちの第1凹部又は穴内に配置されると、前記回転アセンブリが前記回転アセンブリと前記ハンドルの当該部分との間の回転移動を阻止する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
前記第1戻り止めが圧縮可能部分を含み、
前記第1戻り止めが前記第1凹部又は穴内に配置されている間、前記ハンドルの当該部分に対して前記回転アセンブリに回転力が付与されることにより、前記第1戻り止めを圧縮させて前記第1凹部から退出させるとともに、前記第1戻り止めを前記第1凹部又は穴に対し周方向に隣接する第2凹部又は穴内に位置させる、請求項9に記載の医療装置。
【請求項11】
前記回転アセンブリが遠位側に面するフランジを含み、当該遠位側に面するフランジから突起が遠位側に延在し、
前記ハンドルが、複数の周方向に離隔した凹部又は穴を有する近位側に面するフランジを含み、
前記突起が、前記複数の凹部又は穴の各々によって受け入れられるように構成されており、前記突起が前記複数の凹部又は穴のうちの1つに受け入れられると、前記回転部材と前記ハンドルの当該部分との間の回転移動が阻止される、請求項1~10のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項12】
前記遠位側に面するフランジの近位側に配置された変形可能部材をさらに含み、
前記変形可能部材が、前記遠位側に面するフランジを前記近位側に面するフランジに向かって付勢し、
前記突起が第1凹部又は穴内に配置されている間、前記ハンドルの当該部分に対して前記回転アセンブリに回転力が付与されると、前記変形可能部材が圧縮され、前記突起を前記第1凹部又は穴から退出させて、前記突起を前記第1凹部又は穴に周方向に隣接する第2凹部又は穴内に位置させる、請求項11に記載の医療装置。
【請求項13】
前記突起が圧縮可能部分を含んでおり、
前記突起が前記第1凹部又は穴内に配置されている間、前記ハンドルの前記部分に対して前記回転アセンブリに回転力が付与されると、前記突起を圧縮させるとともに前記第1凹部又は穴から退出させて、前記突起を前記第1凹部又は穴に対し周方向に隣接する第2凹部又は穴内に位置させる、請求項11又は12に記載の医療装置。
【請求項14】
前記ハンドルが複数の突起及び複数の凹部を含んでおり、
前記複数の突起及び前記複数の凹部が互いに交互になっており、
前記回転アセンブリが圧縮可能部材を含んでおり、
前記圧縮可能部材が、前記複数の凹部の各凹部によって受け入れられるように構成されており、前記突起が前記複数の凹部のうちの1つによって受け入れられると、前記回転アセンブリと前記ハンドルの前記部分との間の回転移動が阻止される、請求項1~13のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項15】
前記回転アセンブリがフランジを含み、前記フランジが前記フランジによって囲まれたスロットを有しており、
前記圧縮可能部材が、前記スロットの少なくとも一部を画定する前記フランジの周縁部を含んでおり、
前記圧縮可能部材が第1凹部内に配置されている間、前記ハンドルの前記部分に対して前記回転アセンブリに回転力が付与されると、前記圧縮可能部材が前記スロットの容積を低減させながら径方向内方に圧縮され、前記圧縮可能部材を前記第1凹部から退出させて、前記圧縮可能部材を前記第1凹部又は穴に対して周方向に隣接する第2凹部内に配置させる、請求項14に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療システム、装置及び関連方法に関する。本発明は、特には、処置中に患者の体内における1つ以上の医療装置の位置を割出し、制御する、システム、装置及び関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術開発により、医療システム、装置及び方法の使用者は、対象者に対してますます複雑な処置を行うことが可能になってきている。内視鏡検査、腹腔鏡検査及び胸腔鏡検査等、低侵襲手術の分野における1つの課題は、処置中にこうした装置の向き及び位置に関して医療装置の制御を提供することに関連する。患者の体内における医療装置の配置は困難である可能性がある。さらに、装置の所望の位置を維持することは、信頼性が低い。配置のために患者の体内への他の装置のアクセスを容易にする医療装置に対する制限により、処置が長くなったり、処置の有効性が制限されたり、装置の故障若しくは破損に起因して患者が負傷したりする可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、医療装置の位置決めを容易にする特徴を有する医療装置によって、標的治療部位にアクセスする、システム、装置及び方法に関する。本明細書に開示する態様の各々は、他の開示する態様のうちの任意のものに関連して説明する特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0004】
一例によれば、医療装置は、シースと、シース内に配置されて当該シースに対して移動可能な器具と、回転アセンブリを含むハンドルとを含み、回転アセンブリは、ハンドルの一部分に対する回転アセンブリの回転に応じてシースに対して器具を回転させる。回転アセンブリは、予め画定された角度間隔でシースに対して器具を回転させるとともに各角度間隔において移動を阻止する。
【0005】
本明細書に記載する医療装置のうちのいずれも、以下の特徴のうちの任意のものを有し得る。回転アセンブリは、予め画定された角度間隔のうちの少なくとも1つで器具を維持してシースに対して器具を固定する。回転アセンブリは、回転アセンブリに付与される予め定められた回転力に応じて、予め画定された角度間隔のうちの少なくとも1つから器具を解放する。回転アセンブリは、予め画定された角度間隔の間で回転する際に、触覚フィードバック、可聴フィードバック、又は視覚フィードバックのうちの少なくとも1つを生成する。回転アセンブリは、複数の凹部と周方向に交互になる複数の隆起部を有するシャフトを含む。ハンドルは、1つ以上のアームを含む。1つ以上のアームの各々は、複数の隆起部及び複数の凹部に係合する。回転アセンブリは、1つ以上のアームのうちの第1アームが複数の凹部のうちの第1凹部内に配置されると、回転アセンブリとハンドルの当該部分との間の回転移動を阻止する。第1アームが第1凹部内に配置されている間、ハンドルの当該部分に対して回転アセンブリの上に回転力が付与されることにより、第1アームが第1凹部を退出させて、第1アームを第1凹部に対して周方向において隣接する第2凹部内に配置させる。1つ以上のアームは、ハンドルのルーメン内に径方向内方に延びる複数のアームを含む。複数のアームの各々は、他の複数のアームの各々から偏倚されている。回転アセンブリは、回転アセンブリの外面に配置された複数の凹部又は穴を含む。ハンドルは、複数の凹部又は穴に係合するように構成された1つ以上の戻り止めを含む。回転アセンブリは、1つ以上の戻り止めのうちの第1戻り止めが、複数の凹部又は穴のうちの第1凹部又は穴内に配置されると、回転アセンブリとハンドルの当該部分との間の回転移動を阻止する。第1戻り止めは、圧縮可能部分を含む。第1戻り止めが第1凹部又は穴内に配置されている間、ハンドルの当該部分に対して回転アセンブリに回転力が付与されると、第1戻り止めを圧縮させて第1凹部から退出させて、第1戻り止めを第1凹部又は穴に周方向に隣接する第2凹部又は穴内に配置させる。回転アセンブリは、遠位端側に面するフランジを含み、遠位端側に面するフランジから突起が遠位方向に延びている。ハンドルは、複数の周方向に間隔をあけて配置された凹部又は穴を有する近位側に面するフランジを含む。突起は、複数の凹部又はアパーチャの各々によって受け入れられるように構成されており、突起が複数の凹部又は穴のうちの1つによって受け入れられると、回転部材とハンドルの当該部分との間の回転移動が阻止される。医療装置は、遠位側に面するフランジの近位側に配置された変形可能部材をさらに含む。変形可能部材は、遠位側に面するフランジを近位端側に面するフランジに向かって付勢する。突起が第1凹部又はアパーチャ内に配置されている間、ハンドルの部分に対して回転アセンブリに回転力が付与されると、変形可能部材が圧縮され、突起を第1凹部又は穴から退出させて、突起を第1凹部又は穴に周方向に隣接する第2凹部又は穴内に配置させる。突起は、圧縮可能部分を含む。突起が第1凹部又は穴内に配置されている間、ハンドルの当該部分に対して回転アセンブリに回転力が付与されると、突起を圧縮させて第1凹部又は穴から退出させて、突起を第1凹部又は穴に周方向に隣接する第2凹部又は穴内に配置させる。ハンドルは、複数の突起及び複数の凹部を含む。複数の突起及び複数の凹部は、互いに交互をなす。回転アセンブリは、圧縮可能部材を含む。圧縮可能部材は、複数の凹部の各々によって受け入れられるように構成されており、突起が複数の凹部のうちの1つによって受け入れられると、回転アセンブリとハンドルの当該部分との間の回転移動が阻止される。回転アセンブリはフランジを含み、フランジは、フランジによって囲まれたスロットを有する。圧縮可能部材は、スロットの少なくとも一部を画定するフランジの周縁部を含む。圧縮可能部材が第1凹部内に配置されている間、ハンドルの当該部分に対して回転アセンブリに回転力が付与されると、圧縮可能部材がスロットの容積を低減させながら径方向内方に圧縮され、圧縮可能部材を第1凹部から退出させて、圧縮可能部材を第1凹部又は穴に周方向に隣接する第2凹部内に配置させる。
【0006】
別例によれば、医療装置は、ハンドルであって、ハンドルの残りの部分に対して移動可能である回転アセンブリを含むハンドルと、ハンドルから延びるシースと、シース内に配置されて当該シースに相対して移動可能な器具とを含む。回転アセンブリは、ハンドルの少なくとも一部分に対する回転アセンブリの回転に応じて、シースに対して器具を複数の予め画定された角度位置まで回転させる。回転アセンブリは、複数の予め画定された角度位置のうちの1つの角度位置から複数の予め画定された角度位置のうちの別の角度位置まで回転する際、使用者に触覚フィードバック又は可聴フィードバックのうちの少なくとも一方を提供する。
【0007】
本明細書に記載する医療装置のうちのいずれも、以下の特徴のうちの任意のものを有することができる。回転アセンブリは、予め画定された角度位置のうちの少なくとも1つにおいて器具を維持してシースに対して器具を固定する。回転アセンブリは、回転アセンブリに付与される予め定められた回転力に応じて、予め画定された角度位置のうちの少なくとも1つから器具を解放する。回転アセンブリは、予め画定された角度位置の間で回転する際に、触覚フィードバック、可聴フィードバック、又は視覚フィードバックのうちの少なくとも1つを生成する。回転アセンブリは、複数の凹部と周方向に交互に設けられた複数の隆起部を有するシャフトを含む。ハンドルは、1つ以上のアームを含む。1つ以上のアームの各々は、複数の隆起部及び複数の凹部と係合する。回転アセンブリは、1つ以上のアームのうちの第1アームが複数の凹部のうちの第1凹部内に配置されると、回転アセンブリとハンドルの当該部分との間の回転移動を阻止する。
【0008】
別例によれば、シースに対して器具を複数の予め画定された角度位置まで回転させる方法は、ハンドルに対してアセンブリを第1の予め画定された角度位置から離れて第2の予め画定された角度位置まで回転させる工程を含む。本方法は、回転アセンブリを第1の予め画定された角度間隔から退出するように回転させることに応じて、回転アセンブリにおいて第1割出しフィードバックを生成する工程と、回転アセンブリを第2の予め画定された角度位置に回転させることに応じて、回転アセンブリにおいて第2割出しフィードバックを生成する工程とを含む。第1の予め画定された角度位置は、シースに対して器具を第1固定向きで維持するように構成され、第2の予め画定された角度位置は、シースに対して器具を第2固定向きで維持するように構成される。
【0009】
上記した全体的な説明と以下の詳細な説明とはともに、単に例示的且つ説明的であり、請求項に係る本発明を制限するものではない。
本明細書に組み込まれるとともにその一部を構成する添付図面は、本発明の例示的な態様を示し、本明細書とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の態様に係る、医療装置と医療機器とを含む例示的な医療システムであって、医療装置が回転アセンブリを有する、例示的な医療システムを示す側面図。
【
図1B】本発明の態様に係る、
図1の医療機器を示す側断面図。医療機器は延伸状態にある針を含む。
【
図1C】本発明の態様に係る、
図1の医療機器を示す側断面図。医療機器は延伸状態にあるカニューレを含む。
【
図2】本発明の態様に係る、
図1の回転アセンブリを示す分解図。
【
図3】本発明の態様に係る、
図1の回転アセンブリを示す底面図。
【
図4】本発明の態様に係る、
図1の医療装置の別の例示的な回転アセンブリを示す分解図。
【
図5】本発明の態様に係る、
図1の医療装置の別の例示的な回転アセンブリを示す分解図。
【
図6】本発明の態様に係る、
図5の回転アセンブリを示す断面図。
【
図7】本発明の態様に係る、
図1の医療装置の別の例示的な回転アセンブリを示す斜視図。
【
図8】本発明の態様に係る、
図7の回転アセンブリを示す側面図。
【
図9】本発明の態様に係る、
図8の回転アセンブリを示す断面図。
【
図10】本発明の態様に係る、
図1の医療装置の別の例示的な回転アセンブリを示す側面図。
【
図11】本発明の態様に係る、
図10の回転アセンブリを示す断面図。
【
図12】本発明の態様に係る、
図1の医療装置を示す別の回転アセンブリの分解側面図。
【
図13】本発明の態様に係る、
図12の回転アセンブリを示す底面図。
【
図14】本発明の態様に係る、
図12の回転アセンブリを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、身体内の標的部位において医療機器の複数の構成要素の位置及び/又は向きを割出すシステム、装置及び方法を含む。ここで、本発明の態様について詳細に言及し、その例を添付図面に示す。可能な限り、図面に亘って同一又は同様の参照番号を使用して、同一又は同様の部分を指す。「遠位」という用語は、患者の身体内に装置を導入しているときに使用者から最も遠い部分を指す。対照的に、「近位」という用語は、患者の身体内に装置を配置しているときに、装置使用者に最も近い部分を指す。本明細書で用いる場合の「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」という用語、又はそれらの他の任意の変形は、非排他的な包含を対象とするように意図されており、要素のリストを含む、又は備える処理、方法、物品又は装置が必ずしもそれらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない、又はこうした工程、方法、物品又は装置に固有の別の要素を含む可能性がある。「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用する。本明細書で用いる場合の「約」、「実質的に」及び「およそ」という用語は、言及する値の±10%以内の値の範囲を指す。
【0012】
本発明の例を用いて、標的治療部位における医療機器の器具/装置の位置及び向きの制御を、前記器具/装置の移動を割出す1つ以上の機構及び/又はアセンブリを提供することにより容易にすることができる。例えば、いくつかの例は、医療装置内に受け入れられた医療機器の構成要素を複数の予め画定された角度間隔/位置へ選択的に制御したり、操作したりするために、その医療装置上に回転アセンブリを組み合わせる。回転アセンブリは、医療機器の遠位端部の径方向の向きを制御するように構成され得る。医療装置は、内部に医療機器を受け入れるように構成されたルーメンを画定する本体と、本体のルーメン内で医療機器を移動させるように医療機器に連結された回転アセンブリとを含む。医療機器は、シースと、例えば、アクセスカニューレ等、シース内に配置された器具とを含む。回転アセンブリは、本体の外部に配置されるとともにルーメン内の医療機器の器具に連結されており、当該器具の位置及び向きは、回転アセンブリの駆動に応じて本体に対して割出され得る。医療装置の回転アセンブリは、さらに、医療装置の構成要素を複数の予め画定された角度間隔/位置に選択的に制御したり、操作したりすることを可能にし得る。
【0013】
本発明の例は、さまざまな医療処置を実施したり、大腸(結腸)、小腸、盲腸、食道、消化管の他の任意の部分、及び/又は他の任意の好適な患者の生体構造(本明細書ではまとめて「標的治療部位」と称する)の一部を治療したりするための装置及び方法に関する。本装置及び関連方法は、腹腔鏡的に若しくは内視鏡的に、又は胸腔鏡及びENT処置を含む他の任意の開腹若しくは低侵襲処置で、使用され得る。ここで、上記し且つ添付図面に示す本発明の例について詳細に言及する。可能な限り、図面に亘って同一参照番号を使用して同一又は同様の部分を指す。
【0014】
図1Aは、本発明の一例による例示的な医療システム100の概略図を示す。医療システム100は、ハンドル110と医療機器170とを含む。この例では、ハンドル110は、外側本体112及び内側本体114を含み、外側本体112は、長手方向に延びる長さを有するとともに、内側本体114を受け入れるようなサイズ、形状及び構成を有するルーメンを画定している。本明細書でより詳細に説明するように、外側本体112は、内側本体114に対して移動し、逆も同様に、内側本体114は、外側本体112に対して移動する。ハンドル110の内側本体114は、長手方向に延びる長さを有し、医療機器170を受け入れるようなサイズ、形状及び構成を有するルーメンを画定している。
【0015】
この例では、内側本体114は、内側本体114の外面に沿って延びる複数の歯116を有するラック部分を含む。複数の歯116は、内側本体114に対する外側本体112の移動範囲に対応する、内側本体114の長手方向に延びる長さの少なくとも一部に沿って(最大、長手方向全体に)延びる。したがって、複数の歯116を含むラック部分は、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に図示及び説明するもの以外の内側本体114のさまざまな好適な長さ及び/又は表面に沿って延在し得る。ハンドル110は、外側本体112上に配置され及び/又は外側本体112に連結された、キャップカバー120、エンドキャップ130及び回転アセンブリ150をさらに含む。ハンドル110のキャップカバー120は、外側本体112の近位端部に配置され、近位端部に固定されると、キャップカバー120と外側本体112との間で外側本体112のルーメンを密閉する。エンドキャップ130及び回転アセンブリ150は、キャップカバー120から延び、及び/又はキャップカバー120に連結されている。ハンドル110のキャップカバー120、エンドキャップ130及び回転アセンブリ150は、互いに対して、及びハンドル110に対してさまざまな好適な構成及び/又は配置を有し得る。
【0016】
さらに、医療システム100の医療機器170は、シース172、カニューレ176及び針179を有するカテーテルを含み得る。カニューレ176は、シース172のルーメン内に配置され、針179は、カニューレ176のルーメン内に配置されて、カニューレ176の先端178から少なくとも部分的に外方に延びる。この例では、カニューレ176に対する針179の位置、向き及び/又は構成は、針179の遠位端部がカニューレ176の先端178に対して延伸姿勢で維持されるように固定されている。シース172は、先端174を含み、先端174とシース172の近位端部(図示せず)との間の距離によって画定される長手方向における長さを有する。医療機器170のカニューレ176は、先端178を含み、先端178とカニューレ176の近位端部(図示せず)との間の距離によって画定される長手方向における長さを有する。本明細書においてより詳細に記載するように、ハンドル110の1つ以上の構成要素は、患者の身体内(例えば、患者の生体構造内)で標的治療部位に対して医療機器170を位置決めするように構成される。例えば、医療機器170は、
図1Bに示すように、針179が先端174から遠位方向に延伸すると、針179によって標的治療部位を穿刺するように動作可能である。
【0017】
さらに
図1Aを参照すると、いくつかの例では、医療機器170は、カニューレ176によって、針179を含む及び/又は針179に加えて、1つ以上の器具及び/又は装置の標的治療部位へのアクセスを容易にするように動作可能である。この事例では、カニューレ176のルーメンから針179を除去すると、1つ以上の追加の器具及び/又は装置を、カニューレ176のルーメンの中に受け入れ、そこから外方に及び遠位方向にカニューレ176の先端178を介して延ばされる。いくつかの例では、カニューレ176は、針179がカニューレ176の先端178から少なくとも部分的に後退するのに応じて変形する。追加的に及び/代替的に、別例では、カニューレ176は、カニューレ176の先端178がシース172の先端174から外方に、遠位方向に延びることに応じて、又は反対に、シース172の先端174がカニューレ178の先端178に対して近位側に延びることに応じて、変形する。
【0018】
図1Cに示すように、カニューレ176の先端178は、針179が省略されたり、先端178がシース172のルーメンから出て延伸されるとき、予め定められた形状及び/又は形態(例えば、J字型)に適合する。カニューレ178からの針179を後退させること、及び/又はシース172のルーメンから先端178を延伸させることにより、カニューレ176に付与される力を取り除いて、先端178を一定の形状及び/又は構成に拘束し得る。本明細書においてさらに詳細に説明するように、ハンドル110の回転アセンブリは、処置中にカニューレ176のJ字型先端178の位置決めを制御する。
【0019】
さらに、いくつかの例では、医療機器170は、シース172により標的治療部位を電気外科的に拡張するように動作可能である。この事例では、シース172は、電気外科用シースを含み、先端174は、電気外科用先端を含む。別例では、医療機器170は、本明細書に図示及び記載するもの以外のさまざまな好適な器具、構成、ハイポチューブ及び/又は構成要素を含み得る。例示的な例として、いくつかの例では、医療機器170は、例えば、処置中にステントを送達するため等の、先端178を省略する電気外科用端部(例えば、シストトーム(cystotome)針)を含み得る。別例では、医療機器170は、電気的活性化のために構成された構成要素を省略する。
【0020】
図1Aに戻ると、ハンドル110は、外側本体112上に配置された第1アクチュエータ118及び第2アクチュエータ119をさらに含む。この例では、第1アクチュエータ118及び第2アクチュエータ119は、外側本体112の上に配置されている。第1アクチュエータ118は、外側本体112に固定及び/又は連結され、第1アクチュエータ118の駆動に応じて内側本体114に対して外側本体112を移動させる。この例では、第1アクチュエータ118は、外側本体112と一体構造を形成するように、外側本体112と一体的である。さらに、第2アクチュエータ119は、内側本体114に固定及び/又は連結されており、第2アクチュエータ119の駆動に応答して外側本体112に相対して内側本体114を移動させる。例えば、第2アクチュエータ119は、例えば、外側本体112を貫通して形成された1つ以上の開口部及び/又はスロット(図示せず)を介する等、外側本体112を貫通して内側本体114に連結されてもよい。第1アクチュエータ118及び第2アクチュエータ119は、開示内容が参照により本明細書に援用される、本願と同日に出願された、「医療装置ロックアセンブリ及びその使用方法(Medical Device Locking Assemblies and Methods of Using the Same)」と題する米国特許出願第(顧客参照番号第19-0411PV01、代理人整理番号第06530-1057-00600)号明細書の教示の少なくとも一部に従って構成され得る。
【0021】
ハンドル110は、外側本体112とは反対側の内側本体114の遠位端部に配置された、遠位ハウジング160をさらに含む。ハンドル110の遠位ハウジング160は、例えば、内側本体120、医療機器170等の少なくとも一部等、内部を通ってハンドル110の1つ以上の構成要素を受け入れるようなサイズ、形状及び構成を有するルーメンを画定している。ハンドル110の遠位ハウジング160は、ハウジング先端162とねじ(締結具)164とをさらに含む。この例では、ハウジング先端162は、遠位ハウジング160及び/又は内側本体114のルーメンから医療機器170が退出するのを容易にするようなサイズ及び形状である開口部を含む。ねじ164は、遠位ハウジング160のルーメン内で内側本体114の外面に係合して、内側本体114を遠位ハウジング160に固定的に連結する。この事例では、ねじ164は、遠位ハウジング160に対して移動可能(例えば、回転可能)であって、遠位ハウジング160内に受け入れられた内側本体114と選択的に係合したり、離脱したりする。本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな他の好適な締結要素、クランプ、ピン等も企図される。
【0022】
以下の説明は、上記に図示及び記載したキャップカバー120、エンドキャップ130及び回転アセンブリ150のさまざまな例を提供する。本明細書で言及する例示的なキャップカバー120、エンドキャップ130及び/又は回転アセンブリ150の各々は、上記ハンドル110及び医療機器170とともに、本明細書に記載するさまざまな処置のうちの任意のものにおいて、使用し得る。したがって、本明細書に図示及び説明するキャップカバー120、エンドキャップ130及び/又は回転アセンブリ150のいずれも(
図2~
図12を参照)、上記に詳述するとともに
図1Aに図示する医療システム100に容易に組み込み得る。
【0023】
ここで
図2を参照すると、キャップカバー120A、エンドキャップ130A及び回転アセンブリ150Aの一例が示され、本明細書に説明されている。この例では、キャップカバー120Aは、遠位開口部124A及び近位開口部126Aによって画定された本体122Aを含む。本明細書においてさらに記載するように、本体122Aの遠位開口部124Aは、内部にエンドキャップ130A及び/又は回転アセンブリ150Aを少なくとも部分的に受け入れるようなサイズ、形状構成を有する。さらに、本体122Aの近位開口部126Aは、内部に回転アセンブリ150Aを受け入れるようなサイズ、形状及び構成を有する。キャップカバー120Aの本体122Aは、遠位開口部124Aと近位開口部126Aとの間で本体122Aの側壁に沿って形成された凹部125Aをさらに含む。本明細書にさらに記載するように、凹部125Aは、エンドキャップ130Aにキャップカバー120Aが取り付けられるとエンドキャップ130Aの1つ以上の構成要素(例えば、ピンハウジング134A)を受け入れるようなサイズ及び形状である。キャップカバー120Aは、本体122Aの1つ以上の側壁に沿って形成された1つ以上のスロット127Aを含む。1つ以上のスロット127Aは、ハンドル110の長手方向軸に対して横方向の(例えば、概ね直交する)軸に沿って延び得る。キャップカバー120Aは、本体122Aの一対の側壁を貫通して形成されるとともに近位開口部126Aに隣接して配置された、一対のスロット127Aを含む。
【0024】
さらに、キャップカバー120Aは、本体122Aの1つ以上の側壁に沿って形成された1つ以上の穴128Aを含む。キャップカバー120Aは、本体122Aの一対の側壁を貫通して形成されるとともに遠位開口部124Aに隣接して配置された、一対の穴128Aを含む。この例では、キャップカバー120Aの一対のスロット127A及び一対の穴128Aは、本体122Aの同じ側壁に沿って形成されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、スロット127A及び/又は穴128Aは、キャップカバー120Aの本体122Aのさまざまな他の壁及び/又は表面に沿って配置されてもよい。例えば、本体122Aの同じ側壁が、スロット127A及び穴128Aを含んでもよい。別例では、キャップカバー120Aは、本明細書に図示及び記載するものに対して追加のスロット127及び穴128A及び/又はそれよりも少ないスロット127A及び穴128Aを含んでもよい。
【0025】
図2をさらに参照すると、エンドキャップ130Aは、中心本体132Aと、中心本体132Aから径方向外方に延びるピンハウジング134Aとを含む。ピンハウジング134Aは、エンドキャップ130Aの中心本体132Aの長手方向軸に対して横方向をなす(例えば、概ね直交する)。上記したように、ピンハウジング134Aは、エンドキャップ130Aがキャップカバー120Aに連結されると、エンドキャップ130Aの本体122Aから凹部125Aを通って外方に延びる。エンドキャップ130Aのピンハウジング134Aは、ピンハウジング134Aがアクティブピン(コネクタ)136Aを囲むように、内部に配置されたアクティブピン136Aを含む。この例では、アクティブピン136Aは、エンドキャップ130Aが外側本体112に連結され、医療機器170が内側本体120内に配置されると、医療機器170との通信を確立するように動作可能である。例えば、アクティブピン136Aは、例えばシース172(例えば、導電性材料を含む電気外科用シース)等、医療機器170の1つ以上の構成要素に通信可能に連結することができる。この事例では、アクティブピン136Aは、医療機器170のシース172と、高周波電流すなわちRF電流を発生させるように動作可能な電気外科用発電機(図示せず)等、補助装置との間に、電気外科用接続を確立するように動作可能である。
【0026】
エンドキャップ130Aの本体132Aは、キャップカバー120Aの対応する構成要素に係合してエンドキャップ130Aをキャップカバー120Aに連結するように構成される、1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、この例では、エンドキャップ130Aは、中心本体132Aの1つ以上の側壁から外方に延びるとともに、本体132Aの遠位部に比較的隣接して配置された、1つ以上の突起138Aを含む。エンドキャップ130Aの本体132Aに含まれる突起138Aの数量は、キャップカバー120Aの本体122Aに含まれる穴128Aの数量に対応する。この例では、エンドキャップ130Aは、キャップカバー120Aの上の一対の穴128Aに対応して一対の突起138Aを含む。この事例では、一対の突起138Aの各々は、一対の穴128Aが、それぞれ内部に一対の突起138Aを受け入れてキャップカバー120Aをエンドキャップ130Aに連結するように、穴128Aのサイズ及び形状と対応するようなサイズ及び形状である。別例では、突起138Aは、本明細書に図示及び記載するもの以外のさまざまな好適な形状、サイズ及び/又は構成を含み得る。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、エンドキャップ130Aの本体132A上に、追加の突起138A及び/又はより少ない突起138Aを含んでもよい。
【0027】
さらに
図2を参照すると、エンドキャップ130Aは、本体132Aの近位端部に沿って配置された1つ以上の突条139Aを含む。1つ以上の突条139Aは、本体132Aの近位端部に沿って配置された1つ以上の凹部137Aの間に配置され、本体132Aの近位端部に沿って配置された1つ以上の凹部137Aによって画定される。この例では、エンドキャップ130Aは、隣接する一対の突条139Aの間に形成された凹部137Aを含む。本明細書にさらに説明するように、エンドキャップ130Aの突条139Aは、エンドキャップ130Aの近位端部への回転アセンブリ150Aの整合及び/又は係合を容易にするように、回転アセンブリ150Aの1つ以上の構成要素(例えば、遠位フランジ154A)に対応するサイズ及び形状である。エンドキャップ130Aは、本体132Aの近位端部に沿って配置された係合インタフェース140Aをさらに含む。本明細書にさらに詳細に説明するように、係合インタフェース140Aは、回転アセンブリ150Aの対応する構成要素と係合してエンドキャップ130Aを回転アセンブリ150Aに連結するように構成される1つ以上の構成要素を含む。
【0028】
回転アセンブリ150Aは、遠位フランジ154A及び近位端部151Aによって画定される本体152Aを含む。この例では、回転アセンブリ150Aの本体152Aは、回転アセンブリ150Aの手動操作を容易にするように回転アセンブリ150Aの外部に沿って配置された1つ以上の要素を含む。単に例として、回転アセンブリ150Aの本体152Aは、医療システム100の使用者が本体152Aを容易に把持することができるように、1つ以上の突起、凹部、フランジ、タブ及び同様の表面要素を含み得る。本体152Aは、さらに、回転アセンブリ150Aがキャップカバー120A内に挿入されると、キャップカバー120Aの遠位開口部124A及び近位開口部126Aに受け入れられるようなサイズ及び形状である。回転アセンブリ150Aの遠位フランジ154Aは、医療システム100の使用中に近位開口部126Aを介してキャップカバー120Aから回転アセンブリ150Aが外れるのを阻止するように、少なくとも近位開口部126Aよりも大きいサイズを有する。
【0029】
さらに
図2を参照すると、遠位フランジ154Aは、本体152Aから径方向外方に延びており、本体152Aの外周部の周囲に延びている。いくつかの例では、遠位フランジ154Aは、1つ以上の平坦縁部及び/又は1つ以上の湾曲縁部を含む。本明細書に図示及び記載する例では、遠位フランジ154Aは、一対の湾曲縁部と各々その間に配置された各々一対の平坦縁部とを含む。遠位フランジ154Aの一対の湾曲縁部は、エンドキャップ130Aの突条139Aのサイズ及び形状に対応するサイズ及び形状である。したがって、遠位フランジ154Aは、回転アセンブリ150Aの遠位端部をエンドキャップ130Aの近位端部に向かって移動させることに応じて、エンドキャップ130Aの一対の突条139Aによって受け入れられるか、及又は突条139Aの間に受け入れられる。いくつかの例では、エンドキャップ130Aの1つ以上の突条139Aは、回転アセンブリ150Aの遠位フランジ154A上にスナップ式に留まったり、遠位フランジ154Aと噛み合ったりするように動作可能である。
【0030】
キャップカバー120Aの本体122A上のスロット127Aと、エンドキャップ130Aの本体132A上の凹部137Aとは、回転アセンブリ150Aがキャップカバー120Aとエンドキャップ130Aとの間に受け入れられて、これらに対して回転されるとき、遠位フランジ154Aの湾曲縁部を受け入れるようなサイズ、形状及び構成を有する。言い換えれば、スロット127A及び凹部137Aは、湾曲縁部154Aがスロット127A及び凹部137Aとそれぞれ整合されるように、回転アセンブリ150Aが回転すると、遠位フランジ154Aの湾曲縁部を収容するように動作可能である。
【0031】
さらに
図2を参照すると、回転アセンブリ150Aは、遠位フランジ154Aから外方に延びる遠位シャフト156Aをさらに含む。遠位シャフト156Aは、遠位シャフト156Aから遠位方向に、本体152A及び近位端部151Aから離間して延びている。遠位シャフト156Aは、遠位シャフト156Aの長手方向における長さに沿って配置された1つ以上の隆起部158Aを含み得る。この例では、遠位シャフト156Aは、遠位シャフト156Aの外面から径方向外方に延びる複数の隆起部158Aを含む。遠位シャフト156Aの複数の隆起部158Aは、一対の隣接する隆起部158Aの間に形成された少なくとも1つの凹部によって画定される。本明細書においてさらに詳細に説明するように、遠位シャフト156A上の隆起部158Aは、エンドキャップ130A上の係合インタフェース140Aの1つ以上の構成要素(例えば、フレックスアーム142A)に係合して、回転アセンブリ150Aをエンドキャップ130Aに連結するとともに、使用(例えば、回転アセンブリ150Aの回転)中に触覚フィードバックを形成する。回転アセンブリ150Aの近位端部151Aは、回転アセンブリ150Aのルーメンへのアクセスを容易にする近位開口部153Aを含む。回転アセンブリ150Aのルーメンは、近位開口部153Aから、遠位シャフト156Aの最遠位部に配置された遠位開口部まで、本体152Aを貫通して延びる(
図3を参照)。上記したように、回転アセンブリ150Aのルーメンは、内部を通って、例えば、医療機器170の針179等、1つ以上の器具及び/又は装置を受け入れるようなサイズ、形状及び構成を有する。
【0032】
ここで
図3を参照すると、回転アセンブリ150Aの遠位シャフト156Aは、エンドキャップ130Aの近位端部の中を通ってエンドキャップ130Aの本体132A内に受け入れられる。エンドキャップ130Aの係合インタフェース140Aは、内周面から、エンドキャップ130のルーメン内に径方向内方に延びる、1つ以上のフレックスアーム142Aを含む。1つ以上のフレックスアーム142Aは、周方向に互いに隣接するとともに、隣接するフレックスアーム142Aに対して偏倚されている。いくつかの例では、1つ以上のフレックスアーム142Aは、係合インタフェース140の長手方向軸から偏倚されている(例えば、係合インタフェース140Aのルーメンの径方向中心と交差しない)軸に沿って延びる。言い換えれば、1つ以上のフレックスアーム142Aは、係合インタフェース140Aの径方向中心に向かって延びていない。
【0033】
この例では、係合インタフェース140Aは、4つのフレックスアーム142Aを含むが、別例では、係合インタフェース140Aは追加のフレックスアーム142A及び/又はより少ないフレックスアーム142Aを含んでもよい。フレックスアーム142Aは、回転アセンブリ150Aがエンドキャップ130A内に受け入れられると、回転アセンブリ150Aの遠位シャフト156A上の1つ以上の隆起部158Aに係合する。いくつかの例では、フレックスアーム142Aは、フレックスアーム142Aの遠位端部に、例えば、突起、丸みを帯びた/円形先端、湾曲面等、遠位シャフト158Aの1つ以上の隆起部158Aと係合する当接要素を含み得る。したがって、フレックスアーム142Aは、遠位シャフト156A上の1つ以上の隆起部158Aと係合することに応じて、回転アセンブリ150Aをエンドキャップ130Aに少なくとも部分的に連結するように動作可能である。エンドキャップ130Aのフレックスアーム142Aは、角度付きアレイで本体132Aのルーメンへ内に延びるとともに、付与される径方向の力に応じて変形するように柔軟に変形可能である。
【0034】
処置中に医療システム100でキャップカバー120A、エンドキャップ130A及び回転アセンブリ150Aを使用する例示的な方法によれば、医療システム100は、最初に患者の身体内に挿入され、ハンドル110内に受け入れられた医療機器170が標的治療部位に隣接して配置されるように操作される。医療機器170の少なくともカニューレ176は、キャップカバー120A、エンドキャップ130及び/又はハンドル110に対して回転アセンブリ150Aが回転することにより、外側本体112及び内側本体114のルーメン内でカニューレ176が回転するように、回転アセンブリ150Aに固定されている。したがって、回転アセンブリ150Aは、カニューレの先端178の径方向の向きを制御することができる。先端178が、例えば、
図1Cに示すようなJ字型先端178等、予め定められた形状及び/又は構成を含む例では、回転アセンブリ150Aの回転により、J字型先端178の位置及び/又は方向が制御される。したがって、使用者は、医療システム100の近位端部の回転アセンブリ150Aを駆動して、標的治療部位の近くでカニューレ176及びカニューレ176の先端178を回転させることができる。カニューレ176内に針179が受け入れられている場合、回転アセンブリ150Aの駆動により、針179はカニューレ176と同時に回転させ得る。いくつかの例では、カニューレ176のルーメンから針179を取り除いて、回転アセンブリ150Aの駆動により、カニューレ176及び/又はカニューレ176内に配置された他の装置/器具を回転させ得る。
【0035】
回転アセンブリ150Aの遠位シャフト156Aがエンドキャップ130Aのルーメンを通って延びている状態で、回転アセンブリ150Aの遠位シャフト156Aが内部で回転すると、エンドキャップ130Aのフレックスアーム142Aは、外方に撓む。遠位シャフト156A上の隆起部158Aは、フレックスアーム142Aに当接し、それにより、フレックスアーム142A上に径方向外方に作用する力を付与する。この事例では、隆起部158Aにより、フレックスアーム142Aの各々は、一対の隣接する隆起部158Aの間に形成された凹部と整合するまで、遠位シャフト156Aから少なくとも部分的に離れるように曲がる。遠位シャフト156A上の凹部内にフレックスアーム142Aの一部が受け入れられることにより、キャップカバー120A、エンドキャップ130A及びハンドル110に対する回転アセンブリ150Aの径方向の向きを少なくとも部分的に固定することができる。フレックスアーム142Aは、遠位シャフト156A上の凹部内に受け入れられると回転アセンブリ150Aのさらなる回転を部分的に阻止することができる(例えば、使用者が再び回転アセンブリ150Aを回転させるまで)。
【0036】
この例では、回転アセンブリ150Aは、キャップカバー120A、エンドキャップ130A及び/又はハンドル110に相対して回転アセンブリ150Aを回転させることに応じて、割出しフィードバックを生成する。例えば、医療システム100の使用者は、エンドキャップ130Aのフレックスアーム142Aが隣接する一対の隆起部158Aの間の凹部内に受け入れられたり、回転アセンブリ150Aを回転させたりすると、回転アセンブリ150Aの本体152Aにおいて触覚フィードバック、可聴フィードバック及び/又は視覚フィードバックを体験する。この事例では、医療システム100の使用者は、ハンドル110に対する医療機器170、例えば、カニューレ176及び(カニューレ176内に配置されている場合は)針179の位置(例えば、向き)を、割出しフィードバックを受け取ることにより漸増的に割出すことができる。
【0037】
遠位シャフト156Aに沿って隣接する隆起部158Aの間に形成された凹部は、回転アセンブリ150A(及び医療機器170)を配置することができる複数の予め画定された角度間隔を形成する。したがって、遠位シャフト156Aに沿って含まれる凹部及び/又は隆起部158Aの量により、回転アセンブリ150Aによって形成された予め画定された角度間隔の量を決定し得る。さらに、遠位シャフト156A上の隆起部158Aは、フレックスアーム142Aを隣接する隆起部158Aの対と係合させることにより、複数の予め画定された角度間隔の各々における回転アセンブリ150Aの移動を阻止する。フレックスアーム142Aは、予め画定された角度間隔のうちの少なくとも1つに回転アセンブリ150Aを維持するための力を付与することができる。この力を克服して、フレックスアーム142Aによって付与される力よりも大きい回転力を本体152Aに付与することにより、ハンドル110に対する回転アセンブリ150A及びカニューレ176の移動を可能にする。
【0038】
ここで
図4を参照すると、エンドキャップ130B及び回転アセンブリ150Bの一例が示され、本明細書に説明されている。この例のエンドキャップ130B及び回転アセンブリ150Bは、上記に図示するとともに説明したキャップカバー120Aと統合し得る。本明細書において別段明示的に述べることを除き、エンドキャップ130B及び回転アセンブリ150Bは、それぞれ、上記エンドキャップ130A及び回転アセンブリ150Aと同様に構成されて動作可能であり、同様の特徴を特定するために対応する数字が使用されている。例えば、回転アセンブリ150Bは、近位端部151B及び遠位フランジ154Bによって画定される本体152Bを含み、近位端部151Bは、回転アセンブリ150Bのルーメンへのアクセスを容易にする近位開口部153Bを含む。
【0039】
回転アセンブリ150Bの本体152Bは、
図4に示すように、例えば近位開口部153Bにおいて及び/又は近位開口部153Bに隣接して、1つ以上のルアー要素を含み得る。この事例では、回転アセンブリ150Bのルアー要素は、回転アセンブリ150Bの近位開口部153Bへの医療機器(例えば、シリンジ)の取付けを可能にするように構成され、回転アセンブリ150Bのルーメンと医療機器との連通を容易にする。さらに、回転アセンブリ150Bは、遠位フランジ154Bから遠位方向に延びるとともに回転アセンブリ150Bのルーメンの少なくとも遠位部分を画定する遠位シャフト156Bを含む。回転アセンブリ150Bは、遠位フランジ154Bが、本体152Bの外周部の周囲に延びる単一の連続する湾曲縁部によって構成されるという点で、上述した回転アセンブリ150Aとは異なる。
【0040】
エンドキャップ130Bは、本体132Bの外面に沿って配置された1つ以上の整合要素138Bを有する本体132Bを含み得る。この例では、エンドキャップ130Bは、一対の整合要素138Bを含むが、エンドキャップ130Bは、本発明の範囲から逸脱することなく追加の整合要素138B及び/又はより少ない整合要素138Bを含んでもよい。一対の整合要素138Bは、医療装置100の1つ以上の他の構成要素の対応する要素と係合して、例えば、内部に回転アセンブリ150Aを密閉する回転アセンブリカバー(図示せず)、キャップカバー120A等、医療装置100の構成要素へのエンドキャップ130Bの整合及び/又は係合を容易にする。例えば、回転アセンブリカバーは、針179の一構成要素であってもよく、整合要素138Bは、回転止め具として回転アセンブリカバーとインタフェースしてもよい。
【0041】
さらに
図4を参照すると、エンドキャップ130Bは、本体132Bの近位端の周囲に延びる突条137B及び1つ以上のロック139Bをさらに含み得る。この例では、エンドキャップ130Bは一対のロック139Bを含み、ロック139Bの各々は、本体132Bの近位端部において突条137Bと周方向において隣接して配置されている。突条137Bは、内部に遠位フランジ154Bを受け入れるように、回転アセンブリ150Bの遠位フランジ154Bの輪郭に対応するサイズ及び形状である。一対のロック139Bは、突条137Bに対して柔軟に移動可能であり、遠位フランジ154Bが突条137Bに接して受け入れられることに応じて、遠位フランジ154Bと係合して、エンドキャップ130Bを回転アセンブリ150Bに連結する。いくつかの例では、一対のロック139Bは、突条137Bに対して径方向内方に延びる突起を含み、ロック139Bの突起は、遠位フランジ154Bに当接してエンドキャップ130Bに回転アセンブリ150Bを固定するように動作可能である。
【0042】
エンドキャップ130Bは、本体132Bの近位端部に、エンドキャップ130Bのルーメン内に内方に延びる1つ以上のフレックスアーム142Bを有する係合インタフェース140Bをさらに含む。この例では、係合インタフェース140Bのフレックスアーム142Bは、上記に図示及び記載したエンドキャップ130A上の係合インタフェース140Aのフレックスアーム142Aと概ね同様である。回転アセンブリ150Bの遠位シャフト156Bは、1つ以上の隆起部158Bと、隣接する隆起部158Bの対の間に形成された対応する凹部とを含む。この例では、回転アセンブリ150Bの隆起部158B及び遠位シャフト156Bは、上記に図示及び記載した回転アセンブリ150Aの隆起部158A及び遠位シャフト156Aと概ね同様である。したがって、回転アセンブリ150Bは、回転アセンブリ150A及びエンドキャップ120Aに関して同様に上記したように、エンドキャップ130Bと相互作用するように構成される。
【0043】
ここで
図5を参照すると、キャップカバー120C、エンドキャップ130C及び回転アセンブリ150Cの一例が示され、本明細書に説明されている。本明細書において別段明示的に述べることを除き、キャップカバー120C、エンドキャップ130C及び回転アセンブリ150Cは、それぞれ、上記キャップカバー120A、エンドキャップ130A及び回転アセンブリ150Aと同様に構成されて動作可能であり、同様の特徴を特定するために対応する数字が使用されている。例えば、回転アセンブリ150Cは、近位端部151C及び遠位フランジ154Cによって画定される本体152Cを含み、近位端部151Cは、回転アセンブリ150Cのルーメンへのアクセスを容易にする近位開口部153C(
図6)を含む。さらに、回転アセンブリ150Cは、遠位フランジ154Cから遠位側に延びる遠位シャフト156Cを含む。回転アセンブリ150Cは、遠位シャフト156Cがその上に形成された1つ以上の穴158Cを含むという点で、上記回転アセンブリ150Aとは異なる。回転アセンブリ150Cの遠位シャフト156Cは、遠位シャフト156Cの外部の周囲の環状アレイに沿って延びる複数の穴/凹部158Cを含む。複数の穴/凹部158Cは、回転アセンブリ150Cの遠位シャフト156Cに沿って任意の好適な間隔をおいて互いに離隔して配置され得る。
【0044】
キャップカバー120Cは、遠位開口部124C及び近位開口部126Cによって画定された本体122Cを含む。遠位開口部124Cは、内部を通って回転アセンブリ150C及びキャップカバー120Cを受け入れるようなサイズ、形状及び構成を有する。本体122Cは、内部を通して、例えばピンハウジング134C等、エンドキャップ130Cの1つ以上の構成要素を受け入れるようなサイズ及び形状である凹部128Cをさらに含む。キャップカバー120Cの本体122Cは、本体122Cの外面を貫通して本体122Cのルーメン内に1つ以上の開口部129Cをさらに含む。さらに後述するように、キャップカバー120Cは、一対の開口部129Cを含み、それらは、各々、例えばエンドキャップ130C(
図6)等、医療システム100の別の構成要素にキャップカバー120Cを連結するように、内部を通って締結具(図示せず)を受け入れる。
【0045】
さらに
図5を参照すると、エンドキャップ130Cは、外方に延びるピンハウジング134Cを有する本体132Cと、本体132Cの遠位部から遠位側に延びる1つ以上の係合タブ137Cとを含む。この例では、エンドキャップ130Cは、本体132Cの遠位部から遠位側に延びる一対の係合タブ137Cを含み、係合タブ137Cは本体132Cのルーメンの周囲に配置されている。一対の係合タブ137Cは、医療システム100のハンドル110にエンドキャップ130Cを整合させたり、係合させたりする。例えば、一対の係合タブ137Cは、ハンドル110の外側本体112と係合し、それにより、エンドキャップ130Cを外側本体112に連結するように動作可能である。
【0046】
エンドキャップ130Cは、1つ以上の開口部138C、139Cをさらに含む得、開口部138C、139Cは、本体132Cのルーメン内に延びるように本体132Cの外面を貫通して形成されている。エンドキャップ130Cは、一対の遠位開口部138Cと一対の近位開口部139Cとを含み、遠位開口部138Cは、近位開口部139Cに対して本体132Cの遠位部に隣接して配置されており、近位開口部139Cは、遠位開口部138Cに対して本体132Cの近位端部に隣接して配置されている。さらに後述するように、一対の遠位開口部138Cは、各々、例えばキャップカバー120C(
図6)等、医療システム100の別の構成要素にエンドキャップ130Cを連結する締結具(図示せず)を、内部を通って受け入れる。この例では、エンドキャップ130Cは、戻り止め140Cをさらに含み、戻り止め140Cは、近位開口部139Cのうちの少なくとも1つの中に受け入れられるようなサイズ、形状及び構成を有する。本明細書においてさらに詳細に記載するように、戻り止め140Cは、エンドキャップ130Cが内部を通って回転アセンブリ150Cを受け入れるのに応じて、回転アセンブリ150Cの遠位シャフト156Cに沿って設けられた複数の凹部158Cのうちの少なくとも1つと係合する。いくつかの例では、戻り止め140Cは、ばね及び/又は付勢機構の遠位部に結合されたボール及び/又は突起要素を含むことができる。この事例では、ばねの遠位部におけるボール/突起は、凹部158C内に受け入れられた戻り止め140Cの一部分であり得る。他の例では、戻り止め140Cは、長手方向に拡張可能且つ圧縮可能な弾性突起を含んでもよい。
【0047】
ここで
図6を参照すると、戻り止め140Cは、近位開口部139C内に示され、複数の凹部158Cのうちの1つと係合している。この事例では、戻り止め140Cは、少なくとも部分的に、凹部158C内に受け入れられると、キャップカバー120C、エンドキャップ130C及び/又はハンドル110に対して固定された径方向位置(例えば、向き)で回転アセンブリ150Cを維持する。回転アセンブリ150Cの遠位フランジ154Cは、キャップカバー120Cの近位端部とエンドキャップ130Cの近位端部との間に配置されるとともに、それらによって係合される。遠位フランジ154Cは、キャップカバー120Cの近位端部とエンドキャップ130Cの近位端部との間に形成された空洞133C内に受け入れられる。この事例では、回転アセンブリ150Cは、キャップカバー120C及びエンドキャップ130Cに対して軸方向、且つ長手方向に固定されている。他の例では、エンドキャップ130Cは、例えば、本体132Cの他の近位開口部139C内に等、追加の戻り止め140Cを含み得る。上述したように、キャップカバー120Cがエンドキャップ130Cの上に配置された状態で、キャップカバー120Cの本体122Cの上の一対の開口部129Cは、エンドキャップ130Cの本体132C上の一対の遠位開口部138Cに整合し得る。この事例では、キャップカバー120Cをエンドキャップ130Cに締結するために、対応する開口部129C、138Cに締結具(図示せず)を受け入れることができる。
【0048】
処置中に医療システム100でキャップカバー120C、エンドキャップ130C及び回転アセンブリ150Cを使用する例示的な方法によれば、戻り止め140Cは、回転アセンブリ150Cがエンドキャップ130Cのルーメンを通って受け入れられるときに遠位シャフト156Cと係合し得る。戻り止め140Cは、遠位シャフト156Cに向かって付勢され、複数の凹部158Cのうちの少なくとも1つの中に受け入れられる。回転アセンブリ150Cは、遠位シャフト156Cがエンドキャップ130C内で回転する際に、戻り止め140Cを(戻り止め140Cのばねを圧縮する)凹部158Cから退出するように移動させる(例えば、押す)。回転アセンブリ150Cの回転により戻り止め140Cは、凹部158Cから退出させられ、一対の隣接する凹部158Cの間に配置された遠位シャフト156Cの外面(すなわち、空間)に沿って受け入れられ得る。
【0049】
この例では、遠位シャフト156Cの外面は、戻り止め140Cと当接し、戻り止め140Cに対して(ばねを圧縮する)径方向外方の力を付与することができる。この事例では、回転アセンブリ150Cは、ボール/戻り止めが遠位シャフト156Cに沿って少なくとも別の凹部158Cに整合されるまで、戻り止め140Cのボール/突起が凹部158Cから退出するように移動させ得る。遠位シャフト156C上の凹部158C内に戻り止め140Cが受け入れられることにより、キャップカバー120C、エンドキャップ130C及びハンドル110に対して回転アセンブリ150Cの径方向における向きを少なくとも部分的に固定することができる。戻り止め140Cが遠位シャフト156C上の少なくとも1つの凹部158Cに向かって付勢されるとともに、同凹部中に受け入れられると、凹部158C及び戻り止め140Cはまとまって、回転アセンブリ150Cのさらなる回転を阻止し得る。
【0050】
この例では、回転アセンブリ150Cは、キャップカバー120C、エンドキャップ130C及び/又はハンドル110に対して回転アセンブリ150Cを回転させることに応じて、割出しフィードバックを生成する。例えば、医療システム100の使用者は、エンドキャップ130Cの戻り止め140Cが、遠位シャフト156C上の穴158Cのうちの少なくとも1つの中に受け入れられたとき、及び/又は回転アセンブリ150Cの回転中に、回転アセンブリ150Cの本体152Cにおいて触覚フィードバック及び可聴フィードバックのうちの少なくともいずれか一方を体験し得る。この事例では、医療システム100の使用者は、ハンドル110に対する医療機器170、例えば、カニューレ176及び針179(カニューレ176内に配置されているとき)の径方向位置(例えば、向き)を、割出しフィードバックを受け取ることにより漸増的に割出し得る。
【0051】
遠位シャフト156Cに沿って含まれる複数の凹部158Cは、回転アセンブリ150C(及び医療機器170)を整合させることができる複数の予め画定された角度間隔を形成し得る。さらに、遠位シャフト156C上の複数の凹部158Cは、複数の凹部158Cのうちの少なくとも1つの中に戻り止め140Cを係合させることにより、複数の予め画定された角度間隔の各々における回転アセンブリ150Cの移動を阻止する。戻り止め140Cは、予め画定された角度間隔のうちの少なくとも1つに回転アセンブリ150Cを維持するための力を付与し得る。この力を克服して、戻り止め140Cのばねによって付与される力よりも大きい所定の回転力を本体152Cに付与することにより、ハンドル110に対する回転アセンブリ150C及びカニューレ176の移動を可能にし得る。
【0052】
ここで
図7~
図9を参照すると、キャップカバー120D、エンドキャップ130D及び回転アセンブリ150Dの一例が示されるとともに、本明細書に説明されている。本明細書において別段明示的に述べることを除き、キャップカバー120D、エンドキャップ130D及び回転アセンブリ150Dは、それぞれ、上記キャップカバー120A、エンドキャップ130A及び回転アセンブリ150Aと同様に構成されて動作可能であり、同様の特徴を特定するために対応する数字が使用されている。例えば、
図7を参照すると、エンドキャップ130Dは、本体132Dの近位端部と遠位部との間に延びるルーメン139Dを画定する本体132Dを含む。本体132Dの近位端部は、本体132Dのルーメン139D内に径方向内方に延びる近位端側に面する環条142Dを有する係合インタフェース140Dを含む。係合インタフェース140Dの環条142Dは、環条142Dがルーメン139Dのサイズ(例えば、直径)及び形状を少なくとも部分的に画定するような程度まで、ルーメン139D内に延びる。
【0053】
係合インタフェース140Dは、環条142D上に形成された2つ以上の近位端側に面する穴/凹部144Dをさらに含み得る。この例では、係合インタフェース140Dは、環条142Dに沿って配置されるとともにエンドキャップ130Dの近位端部に面する、複数の穴/凹部144Dを含む。複数の穴/凹部144Dは、隣接する穴/凹部144Dがさまざまな好適な間隔で互いに対して偏倚されるように、係合インタフェース140Dに沿って互いに周方向に離隔して配置される。本明細書においてさらに説明するように、複数の穴/凹部144Dの各々は、例えば、突起158D等、回転アセンブリ150Dの1つ以上の構成要素のサイズ及び形状に対応したサイズ及び形状である。いくつかの例では、複数の穴/凹部144Dのうちの1つ以上は、突起158Dのサイズ及び/又は形状(例えば、球形、立方体及び/又は他の相補的な形状)に対応する、互いに対して異なるサイズ及び/又は形状を含んでもよい。別例では、エンドキャップ130D上の環条142Dは、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書において図示及び記載するものに対して追加の穴/凹部144D及び/又はそれよりも少ない穴/凹部144Dを含んでもよい。
【0054】
図7をさらに参照すると、エンドキャップ130Dは、本体132Dの外面に沿って配置された1つ以上の整合要素138Dをさらに含み得る。この例では、エンドキャップ130Dは、一対の整合要素138Dを含むが、エンドキャップ130Dは、本発明の範囲から逸脱することなく、追加の整合要素138D及び/又はより少ない整合要素138Dを含んでもよい。一対の整合要素138Dは、医療装置100の1つ以上の構成要素の対応する要素と係合して、例えば、回転アセンブリカバー(図示せず)、キャップカバー120D等、対応する構成要素へのエンドキャップ130Dの整合及び/又は係合を容易にする。例えば、回転アセンブリカバーは、針179の構成要素であってもよく、整合要素138Dは、回転止め具として回転アセンブリカバーとインタフェースしてもよい。
【0055】
ここで
図8を参照すると、回転アセンブリ150Dは、近位端部151D及び遠位フランジ154Dによって画定された本体152Dを含み、近位端部151Dは、回転アセンブリ150Dのルーメンへのアクセスを容易にする近位開口部153D(
図9を参照)を含む。さらに、回転アセンブリ150Dは、遠位フランジ154Dから遠位側に延びる遠位シャフト156Dを含む。回転アセンブリ150Dは、遠位フランジ154Dが遠位フランジ154D上に形成された1つ以上の遠位側に面する突起158Dを含むという点で、上記回転アセンブリ150Aとは異なる。回転アセンブリ150Dの遠位フランジ154Dは、本体152Dの反対側の遠位フランジ154Dの外面から外方に延びる一対の突起158Dを含む。別例では、回転アセンブリ150Dは、本明細書に図示及び説明するものに対して他のさまざまな好適な面に沿って追加の突起158D及び/又はより少ない突起158Dを含んでもよい。回転アセンブリ150Dが複数の突起158Dを含む例では、突起158Dは、係合インタフェース142Dの環条142Dに沿って隣接する穴/凹部144Dの間の領域に対応する距離だけ、互いに周方向に離隔して配置させ得る。
【0056】
ここで
図9を参照すると、上記したように、突起158Dは、回転アセンブリ150Dがエンドキャップ130D内に受け入れられると、係合インタフェース140Dの環条142Dに沿った1つ以上の穴/凹部144D内に受け入れられるようなサイズ、形状及び構成を有する。この事例では、突起158Dは、環条142D上の複数の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つの中に受け入れられると、キャップカバー120D、エンドキャップ130D及び/又はハンドル110に対して固定された径方向位置(例えば、向き)で回転アセンブリ150Dを少なくとも部分的に維持する。遠位フランジ154Dは、係合インタフェース140Dの環条142Dに沿って受け入れられ、突起158Dが環条142D上に形成された穴/凹部144D内に受け入れられると、環条142Dに係合する。
【0057】
遠位フランジ154Dは、環条142Dとは反対側の遠位フランジ154Dの外面とキャップカバー120Dの内面との間に配置された1つ以上のガスケット157Dにより、エンドキャップ130Dの環条142Dに接して維持される。この例では、1つ以上のガスケット157Dは、エラストマーから形成されたOリングを含み、Oリングは、キャップカバー120Dがエンドキャップ130Dに連結されると、回転アセンブリ150Dの遠位フランジ154Dをエンドキャップ130Dの環条142Dに接触させたり、押し付けたりする。言い換えれば、キャップカバー120Dをエンドキャップ130Dと取り付けることにより、力を発生させることができ、この力は、それにより1つ以上のガスケット157D(例えば、Oリング)の移動を制限するとともに、1つ以上のガスケット157Dを弾性変形させて回転アセンブリ150Dを線形移動させる。
【0058】
さらに
図9を参照すると、この例のキャップカバー120Dは、単一のガスケット157Dを含むが、キャップカバー120Dと遠位フランジ154Dとの間に、本明細書に図示及び説明するものに対して追加のガスケット157Dを含めてもよい。例えば、他の例では、ガスケット157Dは、キャップカバー120Dと回転アセンブリ150Dの間から完全に省略されたり、本明細書に記載したOリング以外のさまざまな変形可能な又はばね状の装置を含んだりしてもよい。さらに、詳細に後述するように、ガスケット157Dは、例えば遠位フランジ154D及び/又はキャップカバー120D等に付与される圧縮力を受けることに応じて柔軟に変形して、突起158Dを穴/凹部144Dから離脱可能にする。
【0059】
処置中に医療システム100でキャップカバー120D、エンドキャップ130D及び回転アセンブリ150Dを使用する例示的な方法によれば、医療システム100は、最初に患者の体内に挿入され、ハンドル110内に受け入れられた医療機器170が標的治療部位に隣接して配置されるように操作される。回転アセンブリ150Dの遠位シャフト156Dがエンドキャップ130Dのルーメンを通って延びる状態で、回転アセンブリ150Dの突起158Dの各々は、エンドキャップ130D上の複数の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つと係合したり、その中に受け入れられたりし得る。突起158Dは、遠位フランジ154Dから外方に付勢されており、環条142D上の複数の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つの中に受け入れられる。回転アセンブリ150Dは、遠位シャフト156Dがエンドキャップ130D内で回転すると、突起158Dを穴/凹部144Dから退出するように移動(例えば、回転)させる。
【0060】
回転アセンブリ150Dの回転により、突起158Dは穴/凹部144Dから退出して、一対の隣接する穴/凹部144Dの間で環条142Dの外面に沿って受け入れられ得る。この事例では、環条142Dの外面は、突起158Dに当接し、それにより、回転アセンブリ150Dの遠位フランジ154D上に近位方向に作用する力を付与し得る。この場合、回転アセンブリ150Dは、遠位フランジ154Dがキャップカバー120Dと遠位フランジ154Dとの間に配置されたガスケット157Dに当接するように、キャップカバー120D及びエンドキャップ130Dに対して近位方向に移動し得る。その結果、遠位フランジ154Dにより、ガスケット157Dは、一対の突起158Dが環条142D上の少なくとも1つの穴/凹部144D内に受け入れられていないとき、少なくとも別の穴/凹部144Dに整合される(低エネルギー状態)まで、圧縮され得る(高エネルギー状態)。ガスケット157Dの圧縮により、一対の突起158Dが少なくとも1つの穴/凹部144D内に受け入れられてガスケット157Dが圧縮されていない低エネルギー状態と比較して、回転アセンブリ150Dは高エネルギー状態になる。
【0061】
係合インタフェース140Dの穴/凹部144D内に一対の突起158Dの少なくとも一部を受け入れることにより、キャップカバー120D、エンドキャップ130D及びハンドル110に対して回転アセンブリ150Dの径方向の向きを少なくとも部分的に固定し得る。突起158Dが、環条142D上の少なくとも1つの穴/凹部144Dに向かって付勢されるとともにその中に受け入れられると、穴/凹部144D及び突起158Dはまとまって回転アセンブリ150Dのさらなる回転を阻止し得る。この事例では、ガスケット157Dは、拡張し、それにより、回転アセンブリ150Dを低エネルギー状態にすることができる。
【0062】
この例では、回転アセンブリ150Dは、キャップカバー120D、エンドキャップ130D及び/又はハンドル110に対して回転アセンブリ150Dを回転させることに応じて、割出しフィードバックを生成する。例えば、医療システム100の使用者は、遠位フランジ154D上の突起158Dが、エンドキャップ130Dの環条142D上の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つの中に受け入れられたとき、及び/又は回転アセンブリ150Dの回転中に、回転アセンブリ150Dの本体152Dにおいて触覚フィードバック及び可聴フィードバックのうちの少なくともいずれか一方を体験し得る。この事例では、医療システム100の使用者は、ハンドル110に対する医療機器170、例えばカニューレ176及び針179(カニューレ176内に配置されている場合)の径方向位置(例えば、向き)を、割出しフィードバックを受け取ることによって漸増的に割出し得る。
【0063】
係合インタフェース140Dの環条142Dに沿って含まれる複数の穴/凹部144Dは、回転アセンブリ150D(及び医療機器170)を配置し得る複数の予め画定された角度間隔を形成する。さらに、エンドキャップ130D上の複数の穴/凹部144Dは、複数の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つの中に突起158Dを係合させることにより、複数の予め画定された角度間隔の各々において回転アセンブリ150Dの移動を阻止する。穴/凹部144D及び/又は突起158Dはまとまって、予め画定された角度間隔のうちの少なくとも1つにおいて回転アセンブリ150Dを維持する力を付与し得る。ガスケット157Dの圧縮によって生成されるように、穴/凹部144D及び/又は突起158Dによって付与される力よりも大きい回転力を本体152Dに付与することにより、この力を克服して、ハンドル110に対する回転アセンブリ150D及びカニューレ176の移動を可能にし得る。
【0064】
ここで
図10及び
図11を参照すると、回転アセンブリ150Eの一例が示されており、本明細書に説明されている。この例の回転アセンブリ150Eは、上記に図示及び説明したキャップカバー120D及びエンドキャップ130Dと統合し得る。さらに、本明細書において別段明示的に述べることを除き、回転アセンブリ150Eは、上記回転アセンブリ150Aと同様に構成され且つ動作可能であり、同様の特徴を特定するために対応する数字が使用されている。例えば、回転アセンブリ150Eは、近位端部151E及び遠位フランジ154Eによって画定される本体152Eを含み、近位端部151Eは、回転アセンブリ150Eのルーメンへのアクセスを容易にする近位開口部153E(
図10を参照)を含む。さらに、回転アセンブリ150Eは、遠位フランジ154Eから遠位側に延びる遠位シャフト156Eを含む。
【0065】
回転アセンブリ150Eは、遠位フランジ154Eがその上に形成、又は他の方法でそこに取り付けられた1つ以上の戻り止め158Eを含むという点で、上記回転アセンブリ150Aとは異なる。回転アセンブリ150Eの遠位フランジ154Eは、本体152Eとは反対側の遠位フランジ154Eの外面から外方に延びる戻り止め158Eを含む。別例では、回転アセンブリ150Eは、本明細書に図示及び記載するもの以外のさまざまな好適な面に沿って追加の戻り止め158Eを含んでもよい。さらに、別例では、1つ以上の戻り止め158Eは、医療装置100の回転アセンブリ150E以外の1つ以上の他の構成要素の上に形成されてもよい。回転アセンブリ150Eの戻り止め158Eは、
図10に示すように、遠位フランジ154Eの外面に対して延伸状態に付勢される。
【0066】
回転アセンブリ150Eの戻り止め158Eは、柔軟に変形可能であって、例えば予め定められた力が付与されたときに、延伸状態から後退状態に変形する(例えば、圧縮される)。いくつかの例では、戻り止め158Eは、ばね及び/又は付勢機構の遠位部に結合されたボール及び/又は突起要素を含み得る。この事例では、ばねの遠位部におけるボール/突起は、穴/凹部144D内に受け入れられる戻り止め158Eの一部分であり得る。別例では、戻り止め158Eは、長手方向に拡張可能且つ圧縮可能である弾性突起を含んでもよい。別例では、戻り止め158Eは、遠位フランジ154E内にねじ込まれるねじであって、遠位フランジ154Eに対してそれぞれ外方に及び/又は内向きに回転させることにより延伸状態から後退状態に移行するように構成されてもよい。
【0067】
ここで
図11を参照すると、上記したように、戻り止め158Eは、回転アセンブリ150Eがエンドキャップ130D内に受け入れられたときに、係合インタフェース142Dの環条142Dに沿って1つ以上の穴/凹部144D内に受け入れられるようなサイズ、形状及び構成を有する。この事例では、戻り止め158Eは、環条142D上の複数の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つの中に受け入れられたときにキャップカバー120D、エンドキャップ130D及び/又はハンドル110に対して固定位置(例えば、向き)で回転アセンブリ150Eを少なくとも部分的に維持する。回転アセンブリ150Eの遠位フランジ154Eは、係合インタフェース140Dの環条142Dに沿って受け入れられ、戻り止め158Eが環条142D上に形成された複数の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つの中に受け入れられたときに突条142Dと係合する。
【0068】
処置中に医療システム100でキャップカバー120D、エンドキャップ130D及び回転アセンブリ150Eを使用する例示的な方法によれば、戻り止め158Eは、回転アセンブリ150Eの遠位シャフト156Eがエンドキャップ130Dのルーメン内を通って延びるときに、複数の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つと係合し及び/又はその中に受け入れられ得る。戻り止め158Eは、遠位フランジ154Eから遠位側に且つ外方に付勢されており、環条142D上の複数の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つの中に少なくとも部分的に受け入れられる。この事例では、孔/凹部144Dは、戻り止め158Eが孔/凹部144D内に部分的にのみ配置され得るようなサイズ及び形状を有する。したがって、遠位フランジ154Eは、戻り止め158Eが延伸状態にあるとき、環条142Dから偏倚されて、それにより、遠位フランジ154Eと突条142Dとの間に空間及び/又は間隙を形成する。回転アセンブリ150Eは、遠位シャフト156Eがエンドキャップ130D内で回転する際に(戻り止め158Eのばねを圧縮する)穴/凹部144Dから戻り止め158Eを退出させるように移動させる。
【0069】
回転アセンブリ150Eの回転により、戻り止め158Eは、穴/凹部144Dから退出し、一対の隣接する穴/凹部144Dの間に環条142Dの外面に沿って受け入れられ得る。この事例では、戻り止め158Eは、環条142Dの外面に当接し、それにより、回転アセンブリ150Eの戻り止め158Eに対して(ばねを圧縮する)長手方向近位方向に作用する力を付与することができる。この事例では、遠位フランジ154Eと環条142Dとの間の空間/間隙により、戻り止め158Eが圧縮されることによって延伸状態から後退状態に移行する空間的隙間が形成される。キャップカバー120D及びエンドキャップ130Dに対する回転アセンブリ150Eの移動は、戻り止め158Eの圧縮により最小であることが理解されるべきである。したがって、遠位フランジ154Eは、戻り止め158Eが後退状態にあるとき、少なくとも別の穴/凹部144Dに整合されるまで、係合インタフェース140Dの環条142Dから偏倚されている。係合インタフェース140Dの少なくとも1つの穴144D内に戻り止め158Eの少なくとも一部が受け入れられることにより、キャップカバー120D、エンドキャップ130D及びハンドル110に対する回転アセンブリ150Eの径方向向きを少なくとも部分的に固定することができる。戻り止め158Eが環条142D上の少なくとも1つの穴/凹部144Dに向かって付勢されるとともにその中に受け入れられると、穴144D及び戻り止め158Eはまとまって、回転アセンブリ150Eのさらなる回転を阻止し得る。
【0070】
この例では、回転アセンブリ150Eは、キャップカバー120D、エンドキャップ130D及び/又はハンドル110に対して回転アセンブリ150Eを回転させることに応じて割出しフィードバックを生成する。例えば、医療システム100の使用者は、遠位フランジ154E上の戻り止め158Eが、エンドキャップ130Dの環条142D上の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つの中に受け入れられたとき、及び/又は回転アセンブリ150Eの回転中に、回転アセンブリ150Eの本体152Eにおいて触覚フィードバック及び可聴フィードバックのうちの少なくともいずれか一方を体験し得る。この事例では、医療システム100の使用者は、ハンドル110に対する医療機器170、例えばカニューレ176及び針179の半径方向位置(例えば、向き)を、割出しフィードバックを受け取ることにより漸増的に割出し得る。
【0071】
係合インタフェース140Dの環条142Dに沿って含まれる複数の穴/凹部144Dは、回転アセンブリ150E(及び医療機器170)を配置することができる複数の予め画定された角度間隔を形成する。さらに、エンドキャップ130D上の複数の穴/凹部144Dは、複数の穴/凹部144Dのうちの少なくとも1つの中に戻り止め158Eを係合させることにより、複数の予め画定された角度間隔の各々における回転アセンブリ150Eの移動を阻止する。穴/凹部144D及び/又は戻り止め158Eは、予め画定された角度間隔のうちの少なくとも1つで回転アセンブリ150Eを維持するための集合的な力を付与することができる。この力を克服して、穴/凹部144D及び/又は戻り止め158Eによって付与される力よりも大きい回転力を本体152Eに付与することにより、ハンドル110に対する回転アセンブリ150E及びカニューレ176の移動を可能にし得る。
【0072】
ここで
図12を参照すると、キャップカバー120F、エンドキャップ130F及び回転アセンブリ150Fの一例が示され、本明細書に説明されている。本明細書において別段明示的に述べることを除き、キャップカバー120F、エンドキャップ130F及び回転アセンブリ150Fは、それぞれ、上記キャップカバー120A、エンドキャップ130A及び回転アセンブリ150Aと同様に構成されて動作可能であり、同様の特徴を特定するために対応する数字が使用されている。例えば、回転アセンブリ150Fは、近位端部151F及び遠位フランジ154Fによって画定された本体152Fを含み、近位端部151Fは、回転アセンブリ150Fのルーメンへのアクセスを容易にする近位開口部153F(
図13及び
図14)を含む。さらに、回転アセンブリ150Fは、遠位フランジ154Fから遠位側に延びる遠位シャフト156Fを含む。
【0073】
回転アセンブリ150Fは、遠位フランジ154Fがその上に形成された1つ以上の偏向可能及び/又は可撓性のアーム158Fを含むという点で、上記回転アセンブリ150Aとは異なる。回転アセンブリ150Fの遠位フランジ154Fは、遠位フランジ154Fの周縁部から外方に延びる一対の可撓性アーム158Fを含む。この例では、一対の可撓性アーム158Fの各々は、例えば開口部144F等、エンドキャップ130Fの1つ以上の構成要素内に受け入れられるようなサイズ、形状及び構成を有する。本明細書においてさらに詳細に説明するように、一対の可撓性アーム158Fの各々は、エンドキャップ130Fが回転アセンブリ150Fを受け入れたときにエンドキャップ130Fの1つ以上の構成要素と係合する。たとえば、可撓性アーム158Fは、回転アセンブリ150Fがエンドキャップ130F内に挿入されることに応じて、エンドキャップ130Fの一対の突起142Fと係合するように動作可能である。
【0074】
さらに
図12を参照すると、キャップカバー120Fは、遠位開口部124F及び近位開口部126Fによって画定された本体122Fを含み得る。遠位開口部124Fは、内部に回転アセンブリ150F及びキャップカバー120Fを受け入れるようなサイズ、形状及び構成を有する。本体122Fは、キャップカバー120Fの側壁に沿って側部窓125Fと1つ以上の穴128Fとをさらに含む。側部窓125Fは、内部を通って、例えば、ピンハウジング134F等、エンドキャップ130Fの1つ以上の構成要素を受け入れるようなサイズ及び形状である。エンドキャップ130Fは、外方に延びるピンハウジング134Fを有する本体132Fと、本体132Fから径方向外方に延びる1つ以上の係合タブ137Fとを含むことができる。1つ以上の係合タブ137Fは、外側本体112の近位端部と係合し、それによりエンドキャップ130Fをハンドル110に結合するようなサイズ、形状及び構成を有する。追加的に又は代替的に、1つ以上の係合タブ137Fは、キャップカバー120Fの側壁に沿って形成された1つ以上の穴128Fと係合し、それにより、エンドキャップ130Fをキャップカバー120Fに結合するように構成され得る。
【0075】
エンドキャップ130Fは、エンドキャップ130Fの近位端部に沿って係合インタフェース140Fをさらに含み得る。上記したように、エンドキャップ130Fの係合インタフェース140Fは、その上に形成された1つ以上の近位側に面する突起142Fと1つ以上の近位側に面する凹部144Fとを含む。突起142Fは、凹部144Fと交互になっており、凹部144Fを形成して凹部144Fを画定する。係合インタフェース140Fは、本体132Fの近位端部に沿って形成された複数の突起142F及び複数の凹部144Fを含み、少なくとも1つの凹部144Fは、隣接する一対の突起142Fの間に配置されている。本明細書においてさらに詳細に説明するように、複数の凹部144Fの各々は、エンドキャップ130Fが回転アセンブリ150Fに連結されると、隣接する一対の突起142Fの間に回転アセンブリ150Fの少なくとも1つの可撓性アーム158Fを受け入れるようなサイズ、形状及び構成を有する。
【0076】
図13に示されているように、回転アセンブリ150Fは、遠位フランジ154Fと可撓性アーム158Fの各々との間に配置された少なくとも1つのスロット159Fを含む。回転アセンブリ150Fの可撓性アーム158Fは、少なくとも1つのスロット159Fのサイズ、形状及び構成に対して遠位フランジ154Fから外方に延びる。本明細書においてさらに説明するように、可撓性アーム158Fの各々は、それらの間に配置されたスロット159Fの拡張及び/又は圧縮に応じて遠位フランジ154Fに対して移動可能である。したがって、可撓性アーム158F及び/又はスロット159Fは、遠位フランジ154Fに対して変形可能であり、可撓性アーム158Fの移動によりスロット159Fのサイズを増減させ得る。
【0077】
ここで
図14を参照すると、回転アセンブリ150Fはエンドキャップ130F内に示されており、可撓性アーム158Fは複数の凹部144Fのうちの少なくとも1つの中に受け入れられている。この事例では、可撓性アーム158Fは、凹部144F内に受け入れられているとき、キャップカバー120F、エンドキャップ130F及び/又はハンドル110に対して固定された径方向位置(例えば、向き)で回転アセンブリ150Fを少なくとも部分的に維持する。回転アセンブリ150Fの遠位フランジ154Fは、キャップカバー120Fの近位端部及びエンドキャップ130Fの近位端部の間に配置されるとともに、それらによって係合される。この事例では、回転アセンブリ150Fは、キャップカバー120F及びエンドキャップ130Fに対して長手方向に及び軸方向に固定されている。別例では、回転アセンブリ150Fは、遠位フランジ154F上の追加の可撓性アーム158F及び/又はより少ない可撓性アーム158Fを含んでもよい。
【0078】
処置中に医療システム100でキャップカバー120F、エンドキャップ130F及び回転アセンブリ150Fを使用する例示的な方法によれば、遠位フランジ154Fの可撓性アーム158Fは、回転アセンブリ150Fの遠位シャフト156Fがエンドキャップ130Fのルーメン内に受け入れられると、係合インタフェース140Fに沿って凹部144Fに係合し得る。可撓性アーム158Fは、遠位フランジ154Fから外方に付勢されており、複数の凹部144Fのうちの少なくとも1つの中に受け入れられる。この事例では、可撓性アーム158Fの各々が少なくとも1つの凹部144F内に配置された状態で、可撓性アーム158Fは延伸状態で維持される。回転アセンブリ150Fは、遠位シャフト156Fがエンドキャップ130F内で回転する際、可撓性アーム158Fを凹部144Fから退出させるように移動させる。
【0079】
回転アセンブリ150Fの回転により、可撓性アーム158Fは、径方向内方に移動して凹部144Fから退出して、係合インタフェース140Fの少なくとも1つの突起142Fに整合され得る。この事例では、可撓性アーム158Fは、突起142Fに当接し、それにより、可撓性アーム158Fに径方向内方の力を付与し得る。この事例では、エンドキャップ130Fにより、可撓性アーム158Fは、一対の突起142Fの間の少なくとも別の凹部144Fに整合されるまで、延伸状態から圧縮状態まで移行される。圧縮状態では、遠位フランジ154Fと可撓性アーム158Fの各々との間に配置された少なくとも1つのスロット159Fは、可撓性アーム158Fが遠位フランジ154Fに向かって径方向内方に移動する際に変形する。
【0080】
少なくとも1つの凹部144F内に可撓性アーム158Fの各々の少なくとも一部が受け入れられることにより、キャップカバー120F、エンドキャップ130F及びハンドル110に対する回転アセンブリ150Fの径方向回転を少なくとも部分的に固定し得る。可撓性アーム158Fがエンドキャップ130F上の少なくとも1つの凹部144Fに向かって付勢されるとともにその中に受け入れられると、突起142F、凹部144F及び可撓性アーム158Fはまとまって、回転アセンブリ150Fのさらなる回転を阻止し得る。
【0081】
この例では、回転アセンブリ150Fは、キャップカバー120F、エンドキャップ130F及び/又はハンドル110に対して回転アセンブリ150Fを回転させることに応じて、割出しフィードバックを生成する。例えば、医療システム100の使用者は、遠位フランジ154Fにおける可撓性アーム158Fが、エンドキャップ130F上の凹部144Fのうちの1つの中に受け入れられたとき、及び/又は回転アセンブリ150Fの回転中に、回転アセンブリ150Fの本体152Fにおいて触覚フィードバック及び可聴フィードバックのうちの少なくともいずれか一方を体験し得る。この事例では、医療システム100の使用者は、ハンドル110に対する医療機器170、例えば、カニューレ176及び(カニューレ176内に配置されている場合は)針179の半径方向位置(例えば、向き)を、割出しフィードバックを受け取ることにより漸増的に割出し得る。
【0082】
係合インタフェース140Fに沿って含まれる複数の凹部144Fは、回転アセンブリ150F(及び医療機器170)を配置し得る複数の予め画定された角度間隔を形成する。さらに、複数の凹部144Fは、一対の隣接する突起142Fの間で可撓性アーム158Fを係合させることにより、複数の予め画定された角度間隔の各々で回転アセンブリ150Fの移動を阻止するサイズ、形状及び構成を有する。突起142F、凹部144F及び/又は可撓性アーム158Fはまとまって、予め画定された角度間隔のうちの少なくとも1つで回転アセンブリ150Fを維持するための力を付与し得る。この力を克服して、突起142F、凹部144F及び/又は可撓性アーム158Fによって付与される力よりも大きい回転力を本体152Fに付与することにより、ハンドル110に対して回転アセンブリ150F及びカニューレ176の移動可能にし得る。
【0083】
上記装置、アセンブリ及び方法の各々を使用して、標的治療部位へのアクセスを容易にするとともに、標的治療部位で使用される補助器具/装置の制御を強化することができる。医療装置に連結された医療機器の複数の器具/装置を予め画定された角度間隔で制御することができる回転アセンブリを備える医療装置を提供することにより、使用者は、処置中に医療機器のさまざまな器具/装置を使用して標的治療部位と相互作用し、前記器具/装置の位置のフィードバックを受け取ることができる。この事例では、使用者は、全体的な処置時間を短縮したり、処置の効率を向上させたり、補助器具/装置の制限された制御によって生じ得る患者の身体に対する不要な損傷を回避し得る。
【0084】
本発明の範囲から逸脱することなく、開示した装置及び方法に対してさまざまな変更及び変形を行うことができることは、当業者には明らかとなろう。当業者であれば、本明細書に開示した特徴の仕様及び実施を考慮して、本発明の他の態様が明らかとなろう。この仕様及び例は単に例示的であるとみなされることが意図されている。
【国際調査報告】