(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-24
(54)【発明の名称】抗NGF抗体及びその抗原結合フラグメント、その調製方法並びに使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20230316BHJP
C07K 16/22 20060101ALI20230316BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20230316BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230316BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230316BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230316BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/22 ZNA
C07K16/46
A61K39/395 N
A61P43/00 111
A61P25/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547093
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(85)【翻訳文提出日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 CN2021109995
(87)【国際公開番号】W WO2022028354
(87)【国際公開日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】202010780690.2
(32)【優先日】2020-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522306701
【氏名又は名称】熙源安健医▲薬▼(上▲海▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】原 ▲曉▼▲輝▼
(72)【発明者】
【氏名】王 国永
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 玉▲ジャオ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ ▲東▼▲紅▼
【テーマコード(参考)】
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB41
4C085BB43
4C085BB44
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA30
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本願発明は、抗NGF抗体又はその抗原結合フラグメント、その調製方法及び使用を提供し、また、本願発明は、前記抗NGF抗体又はその抗原結合フラグメントをコードする単離されたポリヌクレオチド、並びに、前記単離されたポリヌクレオチドを含むベクターを提供した。さらに、本願発明は、NGFを介した疾患や病症の治療に用いられる薬物の調製における本願発明の抗体又はその抗原結合フラグメントの使用を提供した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメントであって、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下
(a) 下記(i)~(iii)の3つの相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変領域(VH):
(i) 以下の配列からなるVH CDR1(SEQ ID NO: 13)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
(ii) 以下の配列からなるVH CDR2(SEQ ID NO: 14)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;及び
(iii) 以下の配列からなるVH CDR3(SEQ ID NO: 15)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
及び/又は
(b) 下記(iv)~(vi)の3つの相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) 以下の配列からなるVL CDR1(SEQ ID NO: 22)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
(v) 以下の配列からなるVL CDR2(SEQ ID NO: 23)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;及び
(vi) 以下の配列からなるVL CDR3(SEQ ID NO: 24)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
を含み、
好ましくは、(i)-(vi)のいずれか1つに記載の置換は保存的置換であり;
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVHは、SEQ ID NO: 13に示されるVH CDR1と、SEQ ID NO: 14に示されるVH CDR2と、SEQ ID NO: 15に示されるVH CDR3と、を含み;且つ前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVLは、SEQ ID NO: 22に示されるVL CDR1と、SEQ ID NO: 23に示されるVL CDR2と、SEQ ID NO: 24に示されるVL CDR3と、を含む、
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項2】
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメントであって、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下 (a) 下記(i)~(iii)の3つの相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変領域(VH):
(i) 以下の配列からなるVH CDR1(SEQ ID NO: 16)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
(ii) 以下の配列からなるVH CDR2(SEQ ID NO: 17)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;及び
(iii) 以下の配列からなるVH CDR3(SEQ ID NO: 18)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
及び/又は
(b) 下記(iv)~(vi)の3つの相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) 以下の配列からなるVL CDR1(SEQ ID NO: 25)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、
(v) 以下の配列からなるVL CDR2(SEQ ID NO: 26)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、及び、
(vi) 以下の配列からなるVL CDR3(SEQ ID NO: 27)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
を含み、
好ましくは、(i)-(vi)のいずれか1つに記載される置換は保存的置換であり;
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVHは、SEQ ID NO: 16に示されるVH CDR1と、SEQ ID NO: 17に示されるVH CDR2と、SEQ ID NO: 18に示されるVH CDR3と、を含み;且つ、前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVLは、SEQ ID NO: 25に示されるVL CDR1と、SEQ ID NO: 26に示されるVL CDR2と、SEQ ID NO: 27に示されるVL CDR3と、を含む、
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメントであって、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下
(a) 下記(i)~(iii)の3つの相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変領域(VH):
(i) 以下の配列からなるVH CDR1(SEQ ID NO: 19)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
(ii) 以下の配列からなるVH CDR2(SEQ ID NO: 20)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;及び
(iii) 以下の配列からなるVH CDR3(SEQ ID NO: 21)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
及び/又は
(b) 下記(iv)~(vi)の3つの相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) 以下の配列からなるVL CDR1(SEQ ID NO: 28)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、
(v) 以下の配列からなるVL CDR2(SEQ ID NO: 29)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、及び、
(vi) 以下の配列からなるVL CDR3(SEQ ID NO: 30)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
を含み、
好ましくは、(i)-(vi)のいずれか1つに記載される置換は保存的置換であり;
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVHは、SEQ ID NO: 19に示されるVH CDR1と、SEQ ID NO: 20に示されるVH CDR2と、SEQ ID NO: 21に示されるVH CDR3と、を含み;且つ、前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVLは、SEQ ID NO: 28に示されるVL CDR1と、SEQ ID NO: 29に示されるVL CDR2と、SEQ ID NO: 30に示されるVL CDR3と、を含む、
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項4】
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメントであって、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、前記重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 1、5及び9のいずれか1つに示される重鎖可変領域に含まれる3つのCDRを含み;且つ、前記軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 3、7及び11のいずれか1つに示される軽鎖可変領域に含まれる3つのCDRを含み;
好ましくは、前記重鎖可変領域に含まれる3つのCDR、及び/又は前記軽鎖可変領域に含まれる3つのCDRは、Kabat、Chothia又はIMGT番号付けシステムによって定義される、
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項5】
前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下
(a) 以下(i)~(iii)から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH):
(i) SEQ ID NO: 1に示される配列;
(ii) SEQ ID NO: 1に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(iii) SEQ ID NO: 1に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
及び/又は、
(b) 以下(iv)~(vi)から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) SEQ ID NO: 3に示される配列;
(v) SEQ ID NO: 3に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(vi) SEQ ID NO: 3に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
を含み、
好ましくは、(ii)又は(v)に記載の置換は保存的置換であり;
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 1に示される配列を有するVHとSEQ ID NO:3に示される配列を有するVLとを含む、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下
(a) 以下(i)~(iii)から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH):
(i) SEQ ID NO: 5に示される配列;
(ii) SEQ ID NO: 5に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(iii) SEQ ID NO: 5に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
及び/又は、
(b) 以下(iv)~(vi)から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) SEQ ID NO: 7に示される配列;
(v) SEQ ID NO: 7に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(vi) SEQ ID NO: 7に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
を含み、
好ましくは、(ii)又は(v)に記載の置換は保存的置換であり;
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 5に示される配列を有するVHとSEQ ID NO: 7に示される配列を有するVLとを含む、
請求項2に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項7】
前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下
(a) 以下(i)~(iii)から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH):
(i) SEQ ID NO: 9に示される配列;
(ii) SEQ ID NO: 9に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(iii) SEQ ID NO: 9に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
及び/又は、
(b) 以下(iv)~(vi)から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) SEQ ID NO: 11に示される配列;
(v) SEQ ID NO: 11に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(vi) SEQ ID NO: 11に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
を含み、
好ましくは、(ii)又は(v)に記載の置換は保存的置換であり;
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 9に示される配列を有するVHとSEQ ID NO:11に示される配列を有するVLとを含む、
請求項3に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項8】
前記抗体又はその抗原結合フラグメントは以下
(a) ヒト免疫グロブリンの重鎖定常領域(CH)又はその変異体であって、前記変異体は、該変異体が由来する配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば、多くとも20個、多くとも15個、多くとも10個、又は多くとも5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された;例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)、ヒト免疫グロブリンの重鎖定常領域(CH)又はその変異体;及び
(b) ヒト免疫グロブリンの軽鎖定常領域(CL)又はその変異体であって、前記変異体は、該変異体が由来する配列に対して多くとも20個のアミノ酸が保存的置換された(例えば多くとも15個、多くとも10個、又は多くとも5個のアミノ酸が保存的置換された;例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が保存的置換された)、ヒト免疫グロブリンの軽鎖定常領域(CL)又はその変異体;
をさらに含み、
好ましくは、前記重鎖定常領域はIgG重鎖定常領域であり、例えばIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4重鎖定常領域であり;
好ましくは、前記軽鎖定常領域はκ軽鎖定常領域である、
請求項1-7のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項9】
前記抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、(Fab’)
2、Fv、ジスルフィド結合Fv、scFv、二重特異性抗体(diabody)及び単一ドメイン抗体(sdAb)から選択され;及び/又は、前記抗体は、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体又は多重特異性抗体であり;
好ましくは、前記ヒト化抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 33、35、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61及び63のいずれか1つに示される配列を有する重鎖及び/又はSEQ ID NO: 31及び41のいずれか1つに示される配列を有する軽鎖を含む、
請求項1-8のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項10】
前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、標識されており;好ましくは、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、検出可能な標識、例えば酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、放射性核種、蛍光染料、発光物質(例えば、化学発光物質)又はビオチンにより標識されている、
請求項1-9のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項11】
請求項1-9のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント、或いはその重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域をコードする単離された核酸分子であって、
好ましくは、前記ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO: 2、4、6、8、10、12、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62及び64のいずれか1つに示されるヌクレオチドコード配列を含む、
単離された核酸分子。
【請求項12】
請求項11に記載の単離された核酸分子を含むベクターであって;好ましくは、前記ベクターはクローニングベクター又は発現ベクターである、
ベクター。
【請求項13】
請求項11に記載の単離された核酸分子又は請求項12に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項14】
前記抗体又はその抗原結合フラグメントの発現を許す条件下で、請求項13に記載の宿主細胞を培養すること、及び、培養された宿主細胞培養物から前記抗体又はその抗原結合フラグメントを回収すること、を含み;
好ましくは、前記宿主細胞は、哺乳動物細胞であり、より好ましくはヒト、マウス、ヒツジ、ウマ、イヌ又はネコの細胞であり、さらに好ましくはチャイニーズハムスター卵巣細胞である、
請求項1-10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメントを調製する方法。
【請求項15】
請求項1-10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメントを含む二重特異性又は多重特異性分子であって;
好ましくは、前記二重特異性又は多重特異性分子は、NGFに特異的に結合し、且つ1つ又は複数の他のターゲットにさらに特異的に結合し;
好ましくは、前記二重特異性又は多重特異性分子は、第2ターゲットに対する第2結合特異性を有する分子(例えば二次抗体)を少なくとも1種さらに含む、
二重特異性又は多重特異性分子。
【請求項16】
請求項1-10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント及び前記抗体又はその抗原結合フラグメントに連結された治療剤を含む免疫複合体であって;
好ましくは、前記治療剤は、毒素、放射性同位体、薬物又は細胞毒性薬から選択され;
好ましくは、前記治療剤は、アルキル化剤、有糸分裂阻害剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、放射性核種剤、及びそれらの任意の組み合わせから選択され;
好ましくは、前記免疫複合体は、抗体薬物複合体(ADC)である、
免疫複合体。
【請求項17】
請求項1-10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント、請求項15に記載の二重特異性又は多重特異性分子或いは請求項16に記載の免疫複合体、並びに薬学的に許容されるベクター及び/又は賦形剤を含む医薬組成物であって;
好ましくは、医薬組成物は、別の医薬活性剤をさらに含み;
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合フラグメント、二重特異性又は多重特異性分子或いは免疫複合体と、前記別的医薬活性剤とは、別個の成分として、又は同一の組成物の成分として提供される、
医薬組成物。
【請求項18】
請求項1-10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメントを含むキットであって;
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、検出可能な標識、例えば酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、放射性核種、蛍光染料、発光物質(例えば、化学発光物質)又はビオチンにより標識されており;
好ましくは、前記キットは、さらに請求項1-10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメントを特異的に認識する二次抗体を含み;
好ましくは、前記二次抗体は、さらに検出可能な標識、例えば酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、放射性核種、蛍光染料、発光物質(例えば、化学発光物質)又はビオチンを含む、
キット。
【請求項19】
請求項1-10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメントの抗原結合ドメインを含むキメラ抗原受容体であって;
好ましくは、前記抗原結合ドメインは、請求項1-10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメントの重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み;
好ましくは、前記抗原結合ドメインはscFvであり;
好ましくは、前記抗原結合受容体は、請求項1-10のいずれか1項に記載の抗体の抗原結合フラグメントを含み;
好ましくは、前記抗原結合受容体は、免疫エフェクター細胞(例えばT細胞)によって発現される、
キメラ抗原受容体。
【請求項20】
薬物調製における請求項1-10のいずれか1項に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント、或いは請求項15に記載の二重特異性又は多重特異性分子、或いは請求項16に記載の免疫複合体、或いは請求項17に記載の医薬組成物、或いは請求項19に記載のキメラ抗原受容体の使用であって、前記薬物は、NGFを介した疾患や病症の治療に用いられ;
好ましくは、前記疾患や病症は、骨関節炎疼痛、術後疼痛、関節リウマチ疼痛、下背部痛、癌性疼痛、神経障害痛及び内臓痛を含み;
好ましくは、前記被験者は哺乳動物、例えばヒトである、
使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、生物免疫の技術分野に属し、具体的に、特異的にヒト神経成長因子に結合できる抗NGF抗体及びその抗原結合フラグメントに関するものであり、本願発明は、抗体及びその抗原結合フラグメントの調製方法並びに使用にも関するものである。
【背景技術】
【0002】
神経成長因子(Nerve Growth Factor, NGF)は、最初に同定された神経栄養因子であり、末梢と中枢ニューロンの発達及び生存における役割が既に特性化されている。NGFは、末梢交感及び胚胎感覚ニューロンと前脳基底部コリン作動性ニューロンの発達における重要な生存及び維持因子であることが証明されおり(Smeyne et al. (1994) Nature, 368:246-249; Crowley et al. (1994) Cell, 76:1001-1011)、感覚ニューロンにおける神経ペプチドの発現を向上させることができる(Lindsay et al. (1989) Nature, 337:362-364)。NGFには、α、β、γの3つのサブユニットが含まれており、βサブユニットがNGFの活性サブユニットである。現在、NGFは、TrkAチロシンキナーゼ受容体(Tropomyosin receptor kinase A, TrkA,「高親和性」NGF受容体とも称される)及びp75共通神経栄養因子受容体(p75 neurotrophin receptor, p75NTR,「低親和性」NGF受容体とも称される)という2種類の異なる膜表面受容体によってその活性を調節することが知られている(Chao et al. (1986) Science, 232:518-521)。
【0003】
NGF/TrkAシグナル伝達経路は疼痛と密接に関連しており、疼痛の発生を介することができる。損傷した組織や炎症組織において、NGFは高度に発現されており、且つ、TrkAによる侵害受容ニューロンの活性化は複数のメカニズムによって引き起こされ、疼痛信号を発生させる。ラットにNGFを注射した後、熱刺激による足引っ込め潜時は明らかに短縮された(Lewin et al. (1994) Eur J Neurosci, 6:1903-1912)。動物モデルにおいて、NGF抗体、TrkA-IgGなどの投与によるNGF活性の中和は、炎症関連の疼痛を大幅に軽減することができ(Woolf CJ et al. (1994) Neuroscience, 62:327-331; McMahon SB et al. (1995) Net. Med. 1:774-780; Koltzenburg M et al. (1999) Eur. J. Neurosci. 11:1698 -1704)、全身性痛覚過敏反応の発生にはNGFレベルの上昇が必要であることが示唆されている。関節リウマチに罹患する患者の滑液には、NGF含有量が明らかに高く、非炎症患者の滑液にはNGFが検出されていない(Aloe et al. (1992) Arthritis and Rheumatism, 35:351-355)。健康な人にNGFを注射した後、痛覚過敏及び限局性の疼痛が生じる可能性がある(Petty et al. (1994) Ann Neurol, 36:244-246)。NGF β遺伝子のホモ接合体ミスセンス変異はヒトにHSAN5症状を引き起こし、このような患者は痛み、寒さ、暑さに鈍感である(Larsson et al. (2009) Neurobiol Dis, 33:221-228)。NTRK1遺伝子はTrkAタンパク質をコードし、その多型は痛覚の変化と密接に関連している。NTRK1のエクソン17の常染色体劣性突然変異は、先天性無痛無汗症を引き起こす(Indo et al. (1996) Nature genetics,13:485-488)。
【0004】
世界的に、数千万人の患者は慢性疼痛に苦しんでおり、この数が人口増加とともに増加し続けている。現在、臨床的に慢性疼痛の治療に使用されている薬物には、非ステロイド性抗炎症薬、抗けいれん薬、オピオイドなどがあるが、これらの薬物には多くの欠点がある。その中、非ステロイド性抗炎症薬の治療効果は限られており、且つ、消化管出血や腎臓毒性などを含む副作用がある。一方、オピオイドには依存症などの副作用がある。当該分野では、疼痛を緩和でき、毒性がなく、乱用を防止できる非オピオイド鎮痛薬は緊急に必要とされているので、NGFを阻害することにより慢性疼痛を治療する方法の価値は非常に明確である。現在まで、多くの抗ヒトNGF抗体は、研究開発や臨床開発の段階にあり、その中、最も進んでいるのはPfizer/Lilly社の抗NGFモノクローナル抗体Tanezumab及びRegeneron/Sanofi社のFasinumabを含む。Tanezumabは最初に開発された抗NGF抗体薬物であり、それは変形性関節症に伴う関節痛、慢性腰痛、間質性膀胱炎に伴う膀胱痛などの疼痛に対して、強力で広範囲にわたる鎮痛効果を示すことが報告されている(Lane NE et al.(2010)N Engl J Med, 363:1521-1531)。現在、当該薬物は骨関節炎、背部痛、癌性疼痛などの症状の第III相臨床実験に用いられている。骨関節炎痛の治療におけるFasinumabの第II/III相臨床研究データから分かるように、4種類の投与量のFasinumab治療群患者は、疼痛緩和において統計的に有意な改善が得られた。一方、複数のNGF阻害剤の臨床実験からも分かるように、NGF抗体は、重症者の使用に限定され、長期間使用できず、且つ投与量が限定されるなどの問題に直面する可能性があり、NGF抗体の臨床応用には、さらなる安全性の検証が必要である。
【0005】
NGFはニューロンの発達にとって非常に重要な要素であり、NGF機能を阻害する薬物を開発する際に、ニューロンに対するNGFの投与量の影響も考慮する必要がある。一方、抗体薬物の有効量は、抗原に対する中和活性と体内に存在する抗原の量に依存し、中和活性の増加は、投与量の減少に関連する。抗NGF抗体の研究では、異なるエピトープ或いはエピトープが同様であるが親和性が異なるのに対するCDR領域を取得する必要がある。異なるCDRは、免疫原性が異なり、結果として抗体耐性率や毒性も異なり、薬効に直接的に影響する。一方、抗体自体に対する被験者の免疫応答により、免疫複合体が形成され、薬物動力学が変化され、アレルギー反応などが生じ、その治療性用途が取り除かれる。マウス抗体とキメラ抗体に対して、ヒト化抗体に対するヒト免疫系の抗体反応は最も小さいとともに、ヒト化抗体と天然ヒト抗体とは類似する半減期を持ち、これにより、より少ない投与頻度及びより低い投与量が保証されている。
【0006】
したがって、親和力がより高く、特異性がより強い抗NGF抗体を研究開発し、さらにヒト化変更を行うことは、NGFに関連する様々な疾患の治療又は予防にとって非常に重要なことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の問題を鑑み、本願発明の主な目的は、高い親和性、強い特異性、及び顕著な治療効果を有する抗NGF抗体を提供することである。且つ、本願発明は、抗体の調製方法及び使用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、本願発明は、NGFに特異的に結合することができる抗NGF抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下を含み、
(a) 下記の3つの相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変領域(VH):
(i) 以下の配列からなるVH CDR1(SEQ ID NO: 13)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、
(ii) 以下の配列からなるVH CDR2(SEQ ID NO: 14)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、及び、
(iii) 以下の配列からなるVH CDR3(SEQ ID NO: 15)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
及び/又は
(b) 下記の3つの相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) 以下の配列からなるVL CDR1(SEQ ID NO: 22)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、
(v) 以下の配列からなるVL CDR2(SEQ ID NO: 23)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、及び、
(vi) 以下の配列からなるVL CDR3(SEQ ID NO: 24)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
【0009】
好ましくは、(i)-(vi)のいずれか1つに記載される置換は保存的置換であり;
【0010】
好ましくは、抗体又はその抗原結合フラグメントのVHは、SEQ ID NO: 13に示されるVH CDR1、SEQ ID NO: 14に示されるVH CDR2、SEQ ID NO: 15に示されるVH CDR3を含み;且つ、抗体又はその抗原結合フラグメントのVLは、SEQ ID NO: 22に示されるVL CDR1、SEQ ID NO: 23に示されるVL CDR2、SEQ ID NO: 24に示されるVL CDR3を含む。
【0011】
一方、本願発明は、NGFに特異的に結合することができる抗NGF抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下を含み、
(a) 下記の3つの相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変領域(VH):
(i) 以下の配列からなるVH CDR1(SEQ ID NO: 16)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、
(ii) 以下の配列からなるVH CDR2(SEQ ID NO: 17)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、及び、
(iii) 以下の配列からなるVH CDR3(SEQ ID NO: 18)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
及び/又は
(b) 下記の3つの相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) 以下の配列からなるVL CDR1(SEQ ID NO: 25)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、
(v) 以下の配列からなるVL CDR2(SEQ ID NO: 26)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、及び、
(vi) 以下の配列からなるVL CDR3(SEQ ID NO: 27)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
【0012】
好ましくは、(i)-(vi)のいずれか1つに記載される置換は保存的置換であり;
【0013】
好ましくは、抗体又はその抗原結合フラグメントのVHは、SEQ ID NO: 16に示されるVH CDR1、SEQ ID NO: 17に示されるVH CDR2、SEQ ID NO: 18に示されるVH CDR3を含み;且つ、抗体又はその抗原結合フラグメントのVLは、SEQ ID NO: 25に示されるVL CDR1、SEQ ID NO: 26に示されるVL CDR2、SEQ ID NO: 27に示されるVL CDR3を含む。
【0014】
一方、本願発明は、NGFに特異的に結合することができる抗NGF抗体又はその抗原結合フラグメントを提供し、抗体又はその抗原結合フラグメントは、以下を含み、
(a) 下記の3つの相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変領域(VH):
(i) 以下の配列からなるVH CDR1(SEQ ID NO: 19)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、
(ii) 以下の配列からなるVH CDR2(SEQ ID NO: 20)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、及び、
(iii) 以下の配列からなるVH CDR3(SEQ ID NO: 21)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
及び/又は
(b) 下記の3つの相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) 以下の配列からなるVL CDR1(SEQ ID NO: 28)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、
(v) 以下の配列からなるVL CDR2(SEQ ID NO: 29)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列、及び、
(vi) 以下の配列からなるVL CDR3(SEQ ID NO: 30)、又はそれに対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個又は3個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;
【0015】
好ましくは、(i)-(vi)のいずれか1つに記載される置換は保存的置換であり;
【0016】
好ましくは、抗体又はその抗原結合フラグメントのVHは、SEQ ID NO: 19に示されるVH CDR1、SEQ ID NO: 20に示されるVH CDR2、SEQ ID NO: 21に示されるVH CDR3を含み;且つ、抗体又はその抗原結合フラグメントのVLは、SEQ ID NO: 28に示されるVL CDR1、SEQ ID NO: 29に示されるVL CDR2、SEQ ID NO: 30に示されるVL CDR3を含む。
【0017】
本願発明によるNGFに特異的に結合することができる抗NGF抗体又はその抗原結合フラグメントにおいて、抗体又はその抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域と軽鎖可変領域を含み、その中、
重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 1、5及び9のいずれか1つに示される重鎖可変領域に含まれる3つのCDRを含み;且つ、軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 3、7及び11のいずれか1つに示される軽鎖可変領域に含まれる3つのCDRを含み;
【0018】
好ましくは、重鎖可変領域に含まれる3つのCDR、及び/又は軽鎖可変領域に含まれる3つのCDRは、Kabat、Chothia又はIMGT番号付けシステムによって定義される。
【0019】
本願発明による抗体又はその抗原結合フラグメントにおいて、抗体又はその抗原結合フラグメントは以下を含み:
(a) 以下から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH):
(i) SEQ ID NO: 1に示される配列;
(ii) SEQ ID NO: 1に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(iii) SEQ ID NO: 1に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
及び/又は、
(b) 以下から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) SEQ ID NO: 3に示される配列;
(v) SEQ ID NO: 3に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(vi) SEQ ID NO: 3に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
【0020】
好ましくは、(ii)又は(v)に記載される置換は保存的置換であり;
【0021】
好ましくは、抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 1に示される配列を有するVH及びSEQ ID NO:3に示される配列を有するVLを含む。
【0022】
本願発明による抗体又はその抗原結合フラグメントにおいて、抗体又はその抗原結合フラグメントは以下を含み:
(a) 以下から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH):
(i) SEQ ID NO: 5に示される配列;
(ii) SEQ ID NO: 5に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(iii) SEQ ID NO: 5に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
及び/又は、
(b) 以下から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) SEQ ID NO: 7に示される配列;
(v) SEQ ID NO: 7に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(vi) SEQ ID NO: 7に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
【0023】
好ましくは、(ii)又は(v)に記載される置換は保存的置換であり;
【0024】
好ましくは、抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 5に示される配列を有するVH及びSEQ ID NO: 7に示される配列を有するVLを含む。
【0025】
本願発明による抗体又はその抗原結合フラグメントにおいて、抗体又はその抗原結合フラグメントは以下を含み:
(a) 以下から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH):
(i) SEQ ID NO: 9に示される配列;
(ii) SEQ ID NO: 9に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(iii) SEQ ID NO: 9に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
及び/又は、
(b) 以下から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL):
(iv) SEQ ID NO: 11に示される配列;
(v) SEQ ID NO: 11に示される配列に対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された)配列;或いは、
(vi) SEQ ID NO: 11に示される配列とは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列;
【0026】
好ましくは、(ii)又は(v)に記載される置換は保存的置換であり;
【0027】
好ましくは、抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 9に示される配列を有するVH及びSEQ ID NO:11に示される配列を有するVLを含む。
【0028】
本願発明による抗体又はその抗原結合フラグメントにおいて、抗体又はその抗原結合フラグメントはさらに以下を含み:
(a) ヒト免疫グロブリンの重鎖定常領域(CH)又はその変異体であって、変異体は、それが由来する配列と対して1個もしくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された(例えば、多くとも20個、多くとも15個、多くとも10個、又は多くとも5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された;例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が置換、欠失又は付加された);及び
(b) ヒト免疫グロブリンの軽鎖定常領域(CL)又はその変異体であって、変異体は、それが由来する配列と対して多くとも20個のアミノ酸が保存的置換された(例えば多くとも15個、多くとも10個、又は多くとも5個のアミノ酸が保存的置換された;例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が保存的置換された);
【0029】
好ましくは、重鎖定常領域はIgG重鎖定常領域であり、例えばIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4重鎖定常領域であり;
【0030】
好ましくは、軽鎖定常領域はκ軽鎖定常領域である。
【0031】
本願発明による抗体又はその抗原結合フラグメントにおいて、抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、(Fab’)2、Fv、ジスルフィド結合Fv、scFv、二重特異性抗体(diabody)及び単一ドメイン抗体(sdAb)から選択され;及び/又は、抗体は、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体又は多重特異性抗体であり;
【0032】
好ましくは、ヒト化抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 33、35、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61及び63のいずれか1つに示される配列を有する重鎖及び/又はSEQ ID NO: 31及び41のいずれか1つに示される配列を有する軽鎖を含む。
【0033】
本願発明による抗体又はその抗原結合フラグメントにおいて、抗体又はその抗原結合フラグメントは、標識されており;好ましくは、抗体又はその抗原結合フラグメントは、検出可能な標識、例えば酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、放射性核種、蛍光染料、発光物質(例えば、化学発光物質)又はビオチンにより標識されている。
【0034】
本願発明は、抗体又はその抗原結合フラグメント、或いはその重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域をコードする単離された核酸分子も提供し;
【0035】
好ましくは、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO: 2、4、6、8、10、12、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62及び64のいずれか1つに示されるヌクレオチドコード配列を含む。
【0036】
本願発明は、単離された核酸分子を含むベクターも提供し;好ましくは、ベクターはクローニングベクター又は発現ベクターである。
【0037】
本願発明は、単離された核酸分子又はベクターを含む宿主細胞も提供する。
【0038】
本願発明は、抗体又はその抗原結合フラグメントを調製する方法も提供し、当該方法は、抗体又はその抗原結合フラグメントの発現を許す条件下で、宿主細胞を培養すること、及び、培養された宿主細胞培養物から抗体又はその抗原結合フラグメントを回収すること、を含み;
【0039】
好ましくは、宿主細胞は哺乳動物細胞であり、より好ましくはヒト、マウス、ヒツジ、ウマ、イヌ又はネコの細胞であり、さらに好ましくはチャイニーズハムスター卵巣細胞である。
【0040】
本願発明は、抗体又はその抗原結合フラグメントを含む二重特異性又は多重特異性分子も提供し;
【0041】
好ましくは、二重特異性又は多重特異性分子は、NGFに特異的に結合し、そして、さらに1つ又は複数の他のターゲットに特異的に結合する。
【0042】
好ましくは、二重特異性又は多重特異性分子は、さらに第2ターゲットに対する第2結合特異性を有する分子(例えば二次抗体)を少なくとも1種含む。
【0043】
本願発明は、抗体又はその抗原結合フラグメント及び抗体又はその抗原結合フラグメントに連結された治療剤を含む免疫複合体も提供し;
【0044】
好ましくは、治療剤は、毒素、放射性同位体、薬物又は細胞毒性薬から選択され;
【0045】
好ましくは、治療剤は、アルキル化剤、有糸分裂阻害剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、放射性核種剤、及びそれらの任意の組み合わせから選択され;
【0046】
好ましくは、免疫複合体は、抗体薬物複合体(ADC)である。
【0047】
本願発明は、抗体又はその抗原結合フラグメント、二重特異性又は多重特異性分子或いは免疫複合体、並びに薬学的に許容されるベクター及び/又は賦形剤を含む医薬組成物も提供し;
【0048】
好ましくは、医薬組成物は、さらに別の医薬活性剤も含み;
【0049】
好ましくは、抗体又はその抗原結合フラグメント、二重特異性又は多重特異性分子或いは免疫複合体と、別的医薬活性剤とは、別個の成分として、又は同一の組成物の成分として提供される。
【0050】
本願発明は、抗体又はその抗原結合フラグメントを含むキットも提供し;
【0051】
好ましくは、抗体又はその抗原結合フラグメントは、検出可能な標識、例えば酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、放射性核種、蛍光染料、発光物質(例えば、化学発光物質)又はビオチンにより標識されており;
【0052】
好ましくは、キットは、さらに抗体又はその抗原結合フラグメントを特異的に認識する二次抗体を含み;
【0053】
好ましくは、二次抗体は、さらに検出可能な標識、例えば酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、放射性核種、蛍光染料、発光物質(例えば、化学発光物質)又はビオチンを含む。
【0054】
本願発明は、抗体又はその抗原結合フラグメントの抗原結合ドメインを含むキメラ抗原受容体も提供し;
【0055】
好ましくは、抗原結合ドメインは、抗体又はその抗原結合フラグメントの重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み;
【0056】
好ましくは、抗原結合ドメインはscFvであり;
【0057】
好ましくは、抗原結合受容体は、抗体の抗原結合フラグメントを含み;
【0058】
好ましくは、抗原結合受容体は、免疫エフェクター細胞(例えばT細胞)によって発現される。
【0059】
本願発明は、薬物調製における抗体又はその抗原結合フラグメント、或いは二重特異性又は多重特異性分子、或いは免疫複合体、或いは医薬組成物、或いはキメラ抗原受容体の使用も提供し、薬物は、NGFを介した疾患や病症の治療に用いられ;
【0060】
好ましくは、疾患や病症は、骨関節炎疼痛、術後疼痛、関節リウマチ疼痛、下背部痛、癌性疼痛、神経障害痛及び内臓痛を含み;
【0061】
好ましくは、被験者は哺乳動物、例えばヒトである。
【0062】
本願発明は、被験者(例えばヒト)の疾患を予防及び/又は治療するための方法も提供し、方法は、それを必要とする被験者に有効量の抗体又はその抗原結合フラグメント、或いは二重特異性又は多重特異性分子、或いは免疫複合体、或いは医薬組成物、或いはキメラ抗原受容体、或いは宿主細胞を投与することを含み;
【0063】
疾患は、NGFを介した疾患や病症であり;
【0064】
好ましくは、疾患や病症は、骨関節炎疼痛、術後疼痛、関節リウマチ疼痛、下背部痛、癌性疼痛、神経障害痛及び内臓痛を含み;
【0065】
好ましくは、被験者は哺乳動物、例えばヒトである。
【0066】
本願発明は、サンプルにおけるNGF(例えばヒトNGF)の存在又はその量を検出する方法を提供し、以下の工程を含み:
(1) サンプルを抗体又はその抗原結合フラグメントと接触させ;
(2) 抗体又はその抗原結合フラグメントとNGFとの間の複合体の形成を検出し、又は複合体の量を検出し;
【0067】
好ましくは、抗体又はその抗原結合フラグメントは、検出可能な標識により標識されており;
【0068】
好ましくは、NGFはヒトNGFである。
【0069】
本願発明者は、本願発明により提供される抗体又はその抗原結合フラグメントが以下の利点を有することを見出した。
1. 本願発明によって提供される抗体は、高い親和性を有し、親和定数KD値が10-12M未満又は10-12Mに近く、NGFとその受容体との間の結合を効果的に遮断し、疼痛の応答を遮断することができる;
2. 本願発明によって提供される抗体は、抗原に対して非常に強い結合特異性を示し、NGF同ファミリータンパク質と交差結合せず、臨床的安全性のリスクも低減されることが予期できる;
3. 本願発明によって提供される抗体は、有意な動物鎮痛効果を有し、臨床効果が顕著であることが予期できる;
4.本願発明によって提供される抗体は、CHO細胞によって発現され、高収率、高活性、簡単な精製プロセス、及び低製造コストという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】本願発明の抗NGF抗体がヒトNGFタンパク質に結合するELISA実験結果を示す。
【
図2】
図2A~2Cは、ヒトNGFと受容体TrkA、p75との結合に対する本願発明の抗NGF抗体の影響を示す。
【
図3】本願発明の抗NGF抗体が、NGFによって誘導されるTF-1細胞増殖を阻害することを示す。
【
図4】本願発明の抗NGF抗体が、NGFによって誘導されるTrkA/Ba/F3細胞増殖を阻害することを示す。
【
図5】本願発明の抗NGF抗体が、TrkA/NFAT-bla/CHO細胞におけるレポーター遺伝子発現を阻害することを示す。
【
図6】
図6A~6Eは、本願発明の抗NGF抗体がNGFに特異的に結合し、NGFによって誘導されるシグナル伝達経路を阻害することを示す。
【
図7】本願発明の抗NGF抗体43E5と138E12との競合的結合曲線を示す。
【
図8】
図8A~8Eは、マウスにおけるCFA誘発炎症性疼痛に対する本願発明の抗NGF抗体43E5と138E12の役割を示し、ただ、**P<0.01 vs 生理食塩水; ***P<0.001 vs 生理食塩水。
【
図9】
図9A~9Bは、本願発明のヒト化抗NGF抗体がヒトNGFに結合することを示す。
【
図10】
図10A~10Hは、本願発明のヒト化抗NGF抗体がNGF同ファミリータンパク質に結合することを示す。
【
図11】
図11A~11Bは本願発明のヒト化抗NGF抗体が、NGFによって誘導されるTF-1細胞増殖を阻害することを示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本願の下記説明は、本願の様々な実施形態を説明するためのものである。従って、ここで説明する具体的な変更方法は、出願の範囲に対する制限と理解されるべきではない。当業者は、本願の範囲を逸脱せず、様々な均等な形態、変化や修正を容易に取得することができ、このような均等な実施形態も本願発明の範囲内にあると理解される。公開出版物、特許及び特許出願を含む本願に引用されたあらゆる文献も、参照によりその全体が組み込まれる。
【0072】
ある実施形態では、本願に記載の抗体又は抗原結合フラグメントは、10-12M未満又は10-12Mに近い結合親和性(KD)でNGFに特異的に結合することができ、それはバイオフィルム層の光干渉法によって測定される。結合親和性値はKD値として示され、抗原と抗体の結合が平衡に達した時の解離速度と結合速度との比率(koff/kon)によって計算される。前記抗原結合親和性(例えば、KD)は、当分野で周知される適切な方法により適宜に確定され、例えば、Fortebioのような機器を使用したバイオフィルム層の光干渉法がある。
【0073】
ある実施形態では、本願に記載の抗体又は抗原結合フラグメントは、0.1nMのEC50(即ち、半結合濃度)でNGFに結合する。抗体又は抗原結合フラグメントとNGFとの結合は、当分野で周知される方法、例えばELISA、ウエスタンブロット、FACS又は他の結合アッセイなどのサンドイッチ法により測定できる。
【0074】
前記抗体はNGFに特異的である。ある実施形態では、前記抗体は、NGF同ファミリータンパク質脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor, BDNF)、神経栄養因子-3(neurotrophin-3, NT-3)、神経栄養因子-4(neurotrophin-4, NT-4)に任意に結合しない。
【0075】
実施例1: マウス抗NGF抗体の調製
組換えヒトNGFタンパク質(北京義翹神州科技有限公司、11050-HNAC)を免疫原として、等量の完全フロイントアジュバント(Sigma-Alderich,F5881)と混合、乳化して、初期免疫に用いられた。6週齢のBALB/c及びC57マウス(江蘇華阜康)をそれぞれ5匹用意し、各動物に50μgの免疫原(アジュバントの質量を除く。以下同じである。)を皮下注射した。免疫原と不完全フロイントアジュバント(Sigma-Alderich,F5506)と混合、乳化して、続く追加免疫に用いられた。初期免疫の2週間後、各動物に25μgの免疫原を腹腔内注射して、1回目の追加免疫を行った。2週間後、各動物に25μgの免疫原を皮下注射して、2回目の追加免疫を行った。4-5週間後、最後の免疫ショックを行い、25μgの免疫原を腹腔内注射した。
【0076】
最後の免疫後、マウスB細胞を単離し、SP2/0細胞(中国科学院セルバンク、TCM18)と混合し、BTX社のエレクトロポレーターの操作マニュアルに従って融合させた。融合細胞を培養した後、酵素免疫測定法(ELISA)を使用して、NGFに結合し且つヒトNGFと受容体TrkAとの結合を阻害できるハイブリドーマ細胞を選別した。さらに、限界希釈法によりサブクローニングは行われ、同じELISA法で3つの陽性ハイブリドーマモノクローナル細胞株を選別し、それぞれ43E5、137H8、138E12と命名した。
【0077】
ハイブリドーマモノクローナル細胞株を増殖させ、無血清培地で培養し、培地を収集し、また、プロテインGカラムで精製して、マウス抗ヒトNGFモノクローナル抗体43E5、137H8、138E12を得た。
【0078】
実施例2:マウス抗NGF抗体がヒトNGFに結合するELISA検出
ヒトNGF(北京義翹神州科技有限公司、11050-HNAC)を抗原として使用し、抗NGF抗体の結合能を検討した。96ウェルELISAプレートの各ウェルを50ngのヒトNGFでコーティングして、洗浄、ブロッキングした後、段階希釈された抗体を加え、室温で1時間インキュベートした。3回洗浄した後、HRP標識ヤギ抗マウス抗体(Biolegend, 405306)を加え、室温で1時間インキュベートし、3回洗浄した後、テトラメチルベンジジン(TMB,Biolegend,421101)を加えて発色させ、1M HClで発色を中止し、マイクロプレートリーダーによって450nmの吸光度値を読み取った。
【0079】
3つのハイブリドーマによって分泌された抗NGF抗体は、いずれも用量依存的にヒトNGFに結合し(
図1)、3つの抗体がヒトNGFに結合するEC50は、それぞれ0.082nM、0.112nM、0.1nMである(表1)。
【表1】
【0080】
実施例3:マウス抗NGF抗体とヒトNGFとの結合親和力の検出
生物分子相互作用検出プラットフォームForteBio Octet Red96 (PALL)を適用して抗体親和力を測定した。SA(Streptavidin) Biosensor(Fortebio,18-5021)を利用してビオチン標識ヒトNGFを固定した後、勾配濃度の抗NGF抗体を結合させた。さらに、バッファー(1X Kinetics Buffer: PBS + 0.1% BSA + 0.05% Tween20)を加え解離を行い、最後に抗原抗体結合した親和速度定数を機器アルゴリズムで算出した(表2)。
【0081】
【0082】
実施例4:ヒトNGFと受容体TrkA又はp75との結合に対するマウス抗NGF抗体の遮断作用の検出
A.ヒトNGFと受容体TrkAとの結合に対する抗NGF抗体の遮断作用
受容体TrkAをコーティングする方法で検出する場合、96ウェルELISAプレートの各ウェルを50ng NGF受容体TrkAタンパク質(ヒトFcと融合する)でコーティングし、3回洗浄した後、3%BSAで1時間ブロッキングした。10000ng/mL (66.67nM) 抗NGF抗体を順次に3倍希釈で0.17ng/mL (0.0011nM)まで10個の濃度に希釈し、100μlを取り、等容量の1μg/mLビオチン標識ヒトNGFと均一に混合して、両者を室温で0.5時間インキュベートした後、ブロッキング及び洗浄後のELISAプレートに加えた。室温で1時間インキュベートし、3回洗浄した。ストレプトアビジン標識HRP(Streptavidin-HRP,Biolegend,405210)を加え、0.5時間インキュベートした後、3回洗浄した。ELISAプレートにTMBを加え、発色が終止した後、データを読み取った。
【0083】
リガンドNGFをコーティングする方法で検出する場合、96ウェルELISAプレートの各ウェルを50ngのヒトNGFでコーティングし、3回洗浄した。3%BSAで1時間ブロッキングした後、3回洗浄して、10000ng/mL (66.67nM) 抗ヒトNGF抗体を0.17ng/mL (0.0011nM)になるまで3倍段階希釈し、各ウェルに100μLを加え、室温で1時間インキュベートした後、3回洗浄した。各ウェルに100μLのヒトFcに融合した1μg/mLのTrkAを加え、室温で1時間インキュベートした後、3回洗浄した。HRP標識ロバ抗ヒトIgG抗体(Biolegend,410902)を加え、室温で1時間反応させた。洗浄後、TMBを加え発色させ、終止した後、データを読み取った。
結果を
図2Aと
図2Bに示すように、抗NGF抗体は、ヒトNGFと受容体TrkAとの結合を遮断することができ、遮断効果は、抗体濃度の増加とともに明らかに増加する。3つの抗体がヒトNGFと受容体TrkAとの結合を遮断するIC50を表3と表4に示す。
【0084】
【0085】
【0086】
B. ヒトNGFと受容体p75との結合に対する抗NGF抗体の遮断作用
96ウェルELISAプレートの各ウェルを50ngのヒトNGFでコーティングし、3%BSAで1時間ブロッキングした後、3回洗浄して、10μg/mL、1μg/mL、0.1μg/mL、0.01μg/mL、0μg/mL(66.67nM、6.67nM、0.67nM、0.067nM、0nM)の抗NGF抗体40μLを加え、室温で15分間インキュベートして、各ウェルに40μLのヒトFcに融合した2μg/mLのp75(北京義翹神州科技有限公司、13184-H02H)を加え、1時間インキュベートした後、3回洗浄した。100uLのHRP標識ロバ抗ヒトFc二次抗体(Biolegend,410902)を加え、室温で1時間反応させた。洗浄後、TMBを加え発色させ、終止した後、データを読み取った。
図2Cに示すように、選択された3つの抗NGF抗体のうち43E5はヒトNGFと受容体p75との結合を遮断できず、137H8及び138E12はヒトNGFと受容体p75との結合を遮断することができる。
【0087】
なお、Pfizer/LillyのNGF抗体Tanezumab臨床試験過程では、急速進行性骨関節炎(Rapidly Progressive Osteoarthritis, RPOA)の不良反応が生じ、TanezumabはNGFとTrkA及びp75との結合を同時に遮断することができる。研究によれば、p75受容体の機能は、ニューロンの発達、骨芽細胞の分化、増殖、筋芽細胞の分化、筋肉の修復などに関連している(Akiyama Y et al. (2014) Differentiation, 87:111-118; Deponti et al. (2009) Molecular Biology of the Cell, 20:3620-3627; Mikami et al. (2012) Differentiation, 84:392-399)。さらに、Sanofi社が開発したTrkA小分子阻害剤GZ389988A臨床試験過程では、RPOA不良反応が生じることがなく、研究者らは、GZ389988AがTrkAに選択的に作用し、NGF-p75経路の完全な機能を保持させることに関連すると考えている(Krupka et al. (2019) Osteoarthritis and Cartilage, 27:1599-1607)。本願発明では、43E5はヒトNGFとp75との結合を遮断することができず、RPOAの臨床発生可能性が低減し、安全性がp75遮断作用を持つ他の抗体よりも優れると予期できる。
【0088】
実施例5:マウス抗NGF抗体のinvitro中和活性検出
A.NGFによって誘導されるTF-1細胞増殖実験
TF-1細胞(ヒト血液白血病細胞,ATCC, CRL-2003)の成長は、GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)に高度に依存するが、NGFはTF-1細胞表面のTrkAに結合した後TF-1の成長を誘導することもできるので、GM-CSFに依存する必要はない。
【0089】
TF-1細胞を10%FBS (Gibco,10091148)、2μg/mL GM-CSF(R&D,215-GM-010)を含むRPMI1640培地(HyClone,SH30027)で培養し、細胞を対数増殖期で回収し、十分に洗浄して元の増殖培地からGM-CSFを除去し、GM-CSFを含まない培地に再懸濁し、ウェルあたり5000個の細胞を80μlの培地で希釈し、底部が透明である白い96ウェル細胞培養プレート(corning,3610)に敷いた。抗NGF抗体を400μg/mL(2666.67nM)から4倍段階希釈して、10個の濃度を調製し、等容量の50ng/mLヒトNGFと混合して、0.5時間インキュベートし、20μLを取り、96ウェルプレート内の細胞に加え、37℃、5%CO2インキュベーターで細胞を72時間培養した後、100μL CellTiter-Glo(R)細胞生存率検出試薬(Promega,G7573)を加え、振とうにより細胞を破砕し、マルチプレートリーダー(SpectraMax)を使用して光学発光シグナルを読み取った。
【0090】
図3に示すように、3つの抗NGF抗体は、ヒトNGFによって誘導されるTF-1細胞の増殖を阻害することができ、IC50を表5に示す。
【0091】
【表5】
B.NGFによって誘導されるTrkA/Ba/F3細胞増殖実験
Ba/F3細胞の成長には、IL3依存性とIL3非依存性の2つの手段があり、IL3非依存性の成長には、Ba/F3細胞が活性キナーゼを安定して発現することが必要である。完全長ヒトTrkAを発現するBa/F3(TrkA/Ba/F3)細胞を構築し、当該細胞の増殖には、NGFを添加して誘導することが必要である。
【0092】
TrkA/Ba/F3細胞を10%FBS、100ng/mL NGFを含むRPMI1640培地で培養して、細胞を回収し、十分に洗浄して元の増殖培地からNGFを除去し、ウェルあたり3000個の細胞を80μLのNGFを含まない培地に再懸濁し、底部が透明である白い96ウェル細胞培養プレート(corning,3610)に敷いた。ヒトNGFと段階希釈された抗体とを混合し、96ウェルプレート内の細胞に加え、NGFの最終濃度は5ng/mLであり、段階希釈された抗NGF抗体の最終濃度は最大40μg/mL (266.67nM)である。37℃、5%CO2インキュベーターで細胞を48時間培養した後、CellTiter-Glo(R)細胞生存率検出試薬(Promega,G7573)を加え、振とうにより細胞を破砕し、マルチプレートリーダー(SpectraMax)を使用して光学発光シグナルを読み取った。
【0093】
TrkA/Ba/F3細胞成長を観察する過程では、ヒトNGFを添加した細胞は正常に増殖することができる。3つの抗NFG抗体は、NGFによって誘導されるTrkA/Ba/F3細胞の増殖を阻害することができ、阻害作用は濃度の増加とともに強くなり(
図4)、IC50を表6に示す。
【0094】
【0095】
C.NGFによって誘導されるTrkA/NFAT-bla/CHO細胞におけるレポーター遺伝子の発現の検出
NGFが膜貫通型受容体TrkAに結合すると、下流のホスホリパーゼC(PLC)が活性化され、一連のシグナル伝達を通じて細胞内カルシウム濃度が上昇し、プロテインキナーゼC(PKC)が活性化され、最終的に細胞質から細胞核への細胞核因子(nuclear factor)及び活性化T細胞核因子(NFAT)の輸送を促進し、NFAT依存性遺伝子の発現を始める。ヒトTrkAをコードする遺伝子は、TrkA/NFAT-bla/CHO細胞(ThermoFisher,K1516)ゲノムに組み込まれ、また、レポーター遺伝子β-ラクタマーゼ(β-bla)遺伝子の上流にNFAT応答エレメントが挿入されている。NGF-TrkA経路が活性化されると、細胞はNFATの制御下でβ-ラクタマーゼを発現し、β-ラクタマーゼの活性はNGF-TrkA経路の活性化程度を反映することができる。
【0096】
製品の説明に従ってTrkA-NFAT-bla/CHO細胞を用意し、ウェルあたり10,000個の細胞を384ウェルプレートに敷き、一晩培養した。ヒトNGFと段階希釈された抗体を混合し、室温で0.5時間インキュベートした後細胞に加え、NGFの最終作用濃度を80ng/mLとし、段階希釈されたNGF抗体の最終濃度を最大40μg/mL (266.67nM)とする。37℃、5%CO
2インキュベーターで5時間培養した後、操作マニュアルに従って調製したLiveBLAzer(TM) FRET-B/G β-ラクタマーゼ基質CCF4(ThermoFisher,K1095)を細胞に加え、暗所で室温で2時間放置した。マルチプレートリーダー(SpectraMax)を利用してシグナルを読み取った。
結果として、3つの抗NGF抗体は、ヒトNGFによるシグナル伝達経路の活性化を阻害できることが示され(
図5)、IC50を表7に示す。
【0097】
【0098】
実施例6:抗NGF抗体の特異性の検出
A. マウス抗NGF抗体がNGF同ファミリータンパク質に結合するELISA検出
96ウェルELISAプレートの各ウェルを50ngのヒトNGF(北京義翹神州科技有限公司、11050-HNAC)、ヒトBDNF(北京義翹神州科技有限公司、50240-MNAS)、ヒトNT-3(北京義翹神州科技有限公司、10286-HNAE)、又はヒトNT-4(Alomone, N-270)でコーティングして、実施例2における方法によりマウス抗NGF抗体とヒトNGF及び3つの同ファミリータンパク質との結合状況を検出した。
【0099】
図6に示すように、3つのマウス抗NGF抗体はNGF(
図6A)に対して高い親和力を示し、抗体43E5、138E12とBDNF(
図6B)、NT-3(
図6C)、NT-4(
図6D)にほとんど結合せず、抗体137H8は3つのNGF同ファミリータンパク質と弱く結合する(
図6B-6D)。
【0100】
B. マウス抗NGF抗体はTrkA-NFAT-bla/CHO細胞におけるレポーター遺伝子の発現を特異的に阻害する検出
実施例5Cのように、製品説明に従ってTrkA-NFAT-bla/CHO細胞、TrkB-NFAT-bla/CHO細胞(ThermoFisher,K1491)及びTrkC-NFAT-bla/ CHO細胞(ThermoFisher,K1515)を用意した。
【0101】
本願発明の抗体を40μg/mL(266.67nM)に希釈し、ヒトNGF又はヒトBDNF(TrkB-NFAT-bla/CHO細胞に用いられる)、又はヒトNT-3(TrkC-NFAT-bla/CHO細胞に用いられる)と混合して、室温で0.5時間インキュベートした後、細胞に加えた。5時間培養した後、操作マニュアルに従って調製したLiveBLAzer(TM) FRET-B/G β-ラクタマーゼ基質CCF4を細胞に加え、暗所で室温で2時間放置した。マルチプレートリーダーによってシグナルを読み取った。
【0102】
3つの抗NGF抗体は、NGFとTrkAとの結合による後続のシグナル伝達を阻害することができるが、BDNFとTrkB及びNT-3とTrkCのシグナル伝達に影響を及ぼさない(
図6E)。
【0103】
なお、Pfizer/LillyのNGF抗体Tanezumabに比べて、本願の3つの抗NGF抗体、特に抗体43E5、138E12は、NGF同ファミリー抗体BDNF、NT-3、NT-4に結合せず、一方、TanezumabはNT-3、NT-4に交差結合する効果が明らかである。即ち、本願の43E5、138E12の特異性はTanezumabよりも優れており、臨床的不良反応のパフォーマンスがTanezumabよりも優れると予期できる。
【0104】
実施例7:抗NGF抗体43E5と138E12のエピトープ分類
生物分子相互作用検出プラットフォームForteBio Octet Red96を適用して、2つの抗NGF抗体43E5及び138E12とNGFとの結合が競合するか否かを測定した。SA(Streptavidin) Biosensor(Fortebio,18-5021)を利用してビオチン標識ヒトNGFを固定し、ステップ1では、サンプルをロードし、抗体138E12の結合状況を監視する。ステップ2では、サンプルをロードし、138E12又は43E5の結合状況を監視し続く。最後に、バッファー(1X Kinetics Buffer: PBS + 0.1% BSA + 0.05% Tween20)を加え、解離させる。
【0105】
図7に示すように、43E5及び138E12はヒトNGFに同時に結合することができ、そして、非競合的に結合する。
【0106】
実施例8:マウス抗NGF抗体の可変領域のシーケンシング及び配列解析
TRIzolキット(Ambion, 15596-026)を用いてハイブリドーマ細胞のトータルRNAを抽出し、それをテンプレートとしてファーストストランドcDNA(Takara)を合成した。cDNA末端(RACE)を迅速増幅することにより抗体軽鎖及び重鎖フラグメントを取得し、増幅されたフラグメントをそれぞれ標準ベクターにクローンした。シーケンシングにより得られた抗NGF抗体43E5、137H8、138E12の重鎖及び軽鎖可変領域の配列は以下のとおりである。
【0107】
抗NGF抗体43E5:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQQSGAELVRPGASVTLSCKASGYTFTDYEMHWVRQTPVHGLEWIGAIDPETGGTAYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCRRGANLNHYGNDEGSYWGQGTLVTVSA(SEQ ID NO: 1)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTTCAACTGCAGCAGTCTGGGGCTGAGCTGGTGAGGCCTGGGGCTTCAGTGACGCTGTCCTGCAAGGCTTCGGGCTACACATTTACTGACTATGAAATGCACTGGGTGAGGCAGACACCTGTGCATGGCCTGGAATGGATTGGAGCTATTGATCCTGAAACTGGTGGTACTGCCTACAATCAGAAGTTCAAGGGCAAGGCCACACTGACTGCAGACAAATCCTCCAGCACAGCCTACATGGAGCTCCGCAGCCTGACATCTGAGGACTCTGCCGTCTATTACTGTAGAAGAGGGGCAAATCTTAATCACTATGGTAACGACGAGGGTTCTTACTGGGGCCAAGGGACTCTGGTCACTGTCTCTGCA(SEQ ID NO: 2)
軽鎖可変領域アミノ酸配列:
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLHSVGKTYLNWLLQRPGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCWQGTHLPQTFGGGTKLEIK(SEQ ID NO:3)
軽鎖可変領域核酸配列:
GATGTTGTGATGACCCAGACTCCACTCACTTTGTCGGTTACCATTGGACAACCAGCCTCCATCTCTTGTAAGTCAAGTCAGAGCCTCTTACATAGTGTTGGAAAGACATATTTGAATTGGTTGTTACAGAGGCCAGGCCAGTCTCCAAAGCGCCTAATCTATCTGGTGTCTAAACTGGACTCTGGAGTCCCTGACAGGTTCACTGGCAGTGGATCAGGGACAGATTTCACACTGAAAATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATTTGGGAGTTTATTTTTGCTGGCAAGGTACACATCTTCCTCAGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAA(SEQ ID NO: 4)
【0108】
抗NGF抗体137H8:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLKESGPGLVAPSQSLSITCTVSGFSLTGYAVNWVRQPPGKGLEWLGMIWFDGSTDYNSALKSRLSISKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTARYYCARDYYGSSWYFDVWGAGTTVTVSS(SEQ ID NO: 5)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGAAGGAGTCAGGACCTGGCCTGGTGGCGCCCTCACAGAGCCTGTCCATCACATGCACCGTCTCAGGGTTCTCATTAACCGGCTATGCTGTAAACTGGGTTCGCCAGCCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAATGATATGGTTTGATGGAAGCACAGACTATAATTCAGCTCTCAAATCCAGACTGAGCATCAGCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTAAAAATGAACAGTCTGCAAACTGATGACACAGCCAGGTACTACTGTGCCAGAGACTACTACGGTAGTAGCTGGTACTTCGATGTCTGGGGCGCAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA(SEQ ID NO: 6)
軽鎖可変領域アミノ酸配列:
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISYYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPRTFGGGTKLDIK(SEQ ID NO: 7)
軽鎖可変領域核酸配列:
GATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTAGCTATTATTTAAACTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACTACACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAGCAAGAAGATATTGCCACTTACTTTTGCCAACAGGGTAATACGCTTCCTCGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGACATCAAA(SEQ ID NO: 8)
【0109】
抗NGF抗体138E12:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLKESGPGLVAPSQSLSITCTVSGFSLTGYGVNWVRQPPGKGLEWLGMIWFDGSTDYNSALKSRLSISKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTARYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTLTVSS(SEQ ID NO: 9)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGAAGGAGTCAGGACCTGGCCTGGTGGCGCCCTCACAGAGCCTGTCCATCACATGCACCGTCTCAGGGTTCTCATTAACCGGCTATGGTGTAAACTGGGTTCGCCAGCCTCCAGGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAATGATATGGTTTGATGGAAGCACAGACTATAATTCAGCTCTCAAATCCAGACTGAGCATCAGCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTAAAAATGAACAGTCTGCAAACTGATGACACAGCCAGGTACTACTGTGCCAGAGAGGGTTATTACTACGGTACTACCTACTACTTTGACTACTGGGGCCAAGGCACCACTCTCACAGTCTCCTCA(SEQ ID NO: 10)
軽鎖可変領域アミノ酸配列:
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISNYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPRTFGGGTKLEIK(SEQ ID NO: 11)
軽鎖可変領域核酸配列:
GATATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTAGCAATTATTTAAACTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACTACACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAGCAAGAAGATATTGCCACTTACTTTTGCCAACAGGGTAATACGCTTCCTCGGACGTTCGGTGGAGGCACCAAGCTGGAAATCAAA(SEQ ID NO: 12)
【0110】
配列解析により、Kabat及びIMGTシステムによって定められたCDRが得られた。以下の表(表8)に、Kabat及びIMGTシステムの定義に基づき3つの抗NGF抗体のCDRを示す。
【0111】
【0112】
実施例9:CFA誘発マウス炎症性疼痛に対する抗NGF抗体の作用
C57BL/6マウス(浙江維通利華実験動物技術有限公司)(オス、SPF級、6-8週齢)を5日間順化飼育した。順化期間後、動物を各群10匹で生理食塩水群、抗NGF抗体43E5群、抗NGF抗体138E12群という3つの群に分けた。モデリング剤CFAをマウスの足底に注射する前に、VonFreyにより3回痛覚閾値を測定し(10分以上の間隔で)、3回の平均値を基本的な痛覚閾値とする(
図8A)。
【0113】
翌日、マウスの左後足底に25μlのCFAを注射して炎症を誘発した(CFAと流動パラフィンとの比率が1:1である)。足指が著しく腫れた後(モデリング後約24時間)、同じ方法でマウスの左後足の痛覚閾値を3回測定し、平均値を投与前の痛覚閾値とする(
図8B)。
【0114】
次に、各群にそれぞれ生理食塩水、抗NGF抗体43E5、抗NGF抗体138E12を投与量10mg/kgで皮下注射し、投与後24時間、48時間、72時間の痛覚閾値を測定し(
図8C-8E)、痛覚閾値に対する試験物質の影響を評価するために、1回測定した。
【0115】
結果を
図8に示すように、投与後24、48、72時間で、抗NGF抗体43E5及び138E12はいずれもCFAによる痛覚閾値の低下を明らかに改善することができ、生理食塩水群に比べて統計学的差異がある。
【0116】
実施例10:マウス抗NGF抗体のヒト化及び特性化
A.抗体のヒト化
上記得られたハイブリドーマ細胞によって分泌された抗体の軽鎖可変領域(VL)及び重鎖可変領域(VH)配列に従って、ヒト化を行った。マウス抗体のVL、VHのアミノ酸配列を、ヒト胚性抗体のアミノ酸配列データベースで比較検索し、相同性の高いヒトIGHV及びIGKV配列を見出し、ヒト化テンプレートとした。コンピューターシミュレーション技術により、可変領域とフレームワーク領域に存在可能なアミノ酸の立体障害と相互影響を分析し、ヒト化抗体の活性を維持するために重要なフレームワーク領域のアミノ酸を確定し、ヒト化過程においてこれらのアミノ酸を保持する。軽鎖と重鎖可変領域のヒト化は、CDRグラフト技術によって達成された。その後、選択された抗体定常領域テンプレートにより、以下の複数のヒト化抗体が得られた。その中、抗NGF抗体43E5は、ヒトIGHV1-2を重鎖可変領域、ヒトIGKV2-30を軽鎖可変領域テンプレートとして、抗体43E5-01と43E5-02を得た。ヒトIGHV1-69を重鎖可変領域、ヒトIGKV2-30を軽鎖可変領域テンプレートとして、抗体43E5-05と43E5-06を得た。43E5-01、43E5-02、43E5-05及び43E5-06という4つの抗体の軽鎖可変領域配列は同一である。抗NGF抗体138E12は、ヒトIGHV4-59を重鎖可変領域、ヒトIGKV1-39を軽鎖可変領域として、抗体138E12-01と138E12-02を得た。138E12-01と138E12-02抗体軽鎖可変領域のアミノ酸配列は同一であり、重鎖可変領域のアミノ酸は異なる。さらに、138E12-01及び138E12-02抗体重鎖相補性決定領域配列には、異性化部位DG及び脱アミド部位NSが含まれているので、抗体に対する上記部位の潜在的な影響を除くために、138E12-01及び138E12-02抗体の重鎖可変領域をさらに変更した。138E12-01をテンプレートとして、VHにおけるDG54-55をEG54-55に変異させ、NS60-61をQS60-61に変異させ、同時にDG54-55、NS60-61をEG54-55とQS60-61に変異させ、それぞれ抗体138E12-08、138E12-09、138E12-10を得た。138E12-02をテンプレートとして、VHにおけるDG54-55をEG54-55に変異させ、DG54-55をDA54-55に変異させ、NS60-61をQS60-61に変異させ、NS60-61をNT60-61に変異させ、DG54-55とNS60-61を同時にEG54-55とQS60-61に変異させ、抗体138E12-03、138E12-04、138E12-05、138E12-06及び138E12-11を得た。138E12-07は、ヒトIGHV4-59を重鎖可変領域として、ヒトIGKV1-39を軽鎖可変領域とすることにより得られ、その重鎖可変領域のフレームワーク領域配列は完全にヒト由来であり、マウス由来のアミノ酸が保持されていないが、その重鎖相補性決定領域のDG54-55とNS60-61を同時にEG54-55とQS60-61に変異させた。
【0117】
ヒト化抗体の重鎖と軽鎖をそれぞれ遺伝子合成し、酵素切断後、対応するプラスミドにライゲーションした。構築したプラスミドをCHO細胞に一過性トランスフェクションして発現させた。7-10日間発現した後、細胞培養上清を、対応するバッファー(例えば、リン酸塩緩衝食塩水(pH7.4))で平衡化したMabSelectカラム(GE Healthcare)を利用して精製した後、クエン酸ナトリウム又は他のバッファーで溶出させた。以上のステップで得られた抗体は、SDS-PAGE又はSEC-HPLCにより純度などの特定を行い、後続の他の特性化研究に用いられる。
【0118】
上記抗体の可変領域アミノ酸配列を表9に示す。
【表9】
【0119】
抗NGF抗体43E5ヒト化抗体可変領域配列:
抗NGF抗体43E5ヒト化抗体43E5-01、43E5-02、43E5-05、43E5-06には同じ軽鎖が含まれている。
軽鎖可変領域アミノ酸配列:
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCKSSQSLLHSVGKTYLNWLQQRPGQSPRRLIYLVSKLDSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYFCWQGTHLPQTFGGGTKVEIK(SEQ ID NO: 31)
軽鎖可変領域核酸配列:
GACGTGGTCATGACACAGAGCCCACTGTCTCTGCCTGTGACCCTGGGACAGCCAGCCTCTATCTCCTGCAAGTCCAGCCAGTCCCTGCTGCACAGCGTGGGCAAGACATACCTGAACTGGCTGCAGCAGAGGCCAGGACAGAGCCCAAGGCGGCTGATCTATCTGGTGTCTAAGCTGGACTCCGGCGTGCCTGATAGATTCAGCGGCTCTGGCTCCGGCACCGACTTTACACTGAAGATCTCTCGCGTGGAGGCTGAGGATGTGGGCGTGTACTTCTGTTGGCAGGGCACCCATCTGCCACAGACATTTGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAG(SEQ ID NO: 32)
【0120】
43E5-01:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQAPGQGLEWMGAIDPETGGTAYNQKFKGRVTMTADKSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCRRGANLNHYGNDEGSYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO: 33)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCAGGAGCCTCCGTGAAGGTGTCTTGCAAGGCCTCCGGCTACACCTTCACAGACTATGAGATGCACTGGGTGAGGCAGGCTCCAGGACAGGGACTGGAGTGGATGGGAGCTATCGATCCTGAGACCGGAGGAACAGCTTACAACCAGAAGTTTAAGGGCAGAGTGACCATGACAGCCGACAAGTCTATCTCCACCGCTTATATGGAGCTGAGCAGACTGCGCTCTGACGATACAGCCGTGTACTATTGTAGGCGGGGCGCTAACCTGAATCATTACGGCAATGATGAGGGCTCCTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACAGTGTCCAGC (SEQ ID NO: 34)
【0121】
43E5-02:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQAPGQGLEWIGAIDPETGGTAYNQKFKGRATLTADKSISTAYMELSRLRSDDTAVYYCRRGANLNHYGNDEGSYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:35)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCAGGAGCCTCCGTGAAGGTGTCTTGCAAGGCCTCCGGCTACACCTTCACAGACTATGAGATGCACTGGGTGAGGCAGGCTCCAGGACAGGGACTGGAGTGGATCGGAGCTATCGATCCTGAGACCGGAGGAACAGCTTACAACCAGAAGTTTAAGGGCAGAGCCACCCTGACAGCTGACAAGTCTATCTCCACCGCCTATATGGAGCTGAGCAGACTGCGCTCTGACGATACAGCCGTGTACTATTGTAGGCGGGGCGCTAACCTGAATCATTACGGCAATGATGAGGGCTCCTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACAGTGTCCAGC (SEQ ID NO:36)
【0122】
43E5-05:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQAPGQGLEWMGAIDPETGGTAYNQKFKGRVTITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCRRGANLNHYGNDEGSYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:37)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCAGGCTCCAGCGTGAAGGTGTCTTGCAAGGCTTCCGGCTACACCTTCACAGACTATGAGATGCACTGGGTGAGGCAGGCTCCAGGACAGGGACTGGAGTGGATGGGAGCTATCGATCCTGAGACCGGAGGAACAGCTTACAACCAGAAGTTTAAGGGCAGAGTGACCATCACAGCCGACAAGTCCACCAGCACAGCTTATATGGAGCTGTCTTCCCTGCGCAGCGAGGATACCGCCGTGTACTATTGTAGGCGGGGCGCTAACCTGAATCATTACGGCAATGACGAGGGCTCTTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACAGTGAGCTCT (SEQ ID NO:38)
【0123】
43E5-06:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQAPGQGLEWIGAIDPETGGTAYNQKFKGRATLTADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCRRGANLNHYGNDEGSYWGQGTLVTVSS (SEQ ID NO:39)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGGTGCAGTCCGGAGCTGAGGTGAAGAAGCCAGGCTCCAGCGTGAAGGTGTCTTGCAAGGCTTCCGGCTACACCTTCACAGACTATGAGATGCACTGGGTGAGGCAGGCTCCAGGACAGGGACTGGAGTGGATCGGAGCTATCGATCCTGAGACCGGAGGAACAGCTTACAACCAGAAGTTTAAGGGCAGAGCCACCCTGACAGCTGACAAGTCCACCAGCACAGCTTATATGGAGCTGTCTTCCCTGCGCAGCGAGGATACCGCCGTGTACTATTGTAGGCGGGGCGCTAACCTGAATCATTACGGCAATGACGAGGGCTCTTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACAGTGAGCTCT (SEQ ID NO:40)
【0124】
抗NGF抗体138E12ヒト化抗体可変領域配列:
抗NGF抗体138E12ヒト化抗体138E12-01、138E12-02、138E12-03、138E12-04、138E12-05、138E12-06、138E12-07、138E12-08、138E12-09、138E12-10、138E12-11には同じ軽鎖が含まれている。
軽鎖可変領域アミノ酸配列:
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDISNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYTLTISSLQPEDFATYFCQQGNTLPRTFGGGTKVEIK(SEQ ID NO:41)
軽鎖可変領域核酸配列:
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCCAGCAGCCTGAGCGCCAGCGTGGGCGACAGAGTGACCATCACCTGCAGAGCCAGCCAGGACATCAGCAACTACCTGAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACTACACCAGCAGACTGCACAGCGGCGTGCCCAGCAGATTCAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGACTACACCCTGACCATCAGCAGCCTGCAGCCCGAGGACTTCGCCACCTACTTCTGCCAGCAGGGCAACACCCTGCCCAGAACCTTCGGCGGCGGCACCAAGGTGGAGATCAAG(SEQ ID NO:42)
【0125】
138E12-01:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWIGMIWFDGSTDYNSALKSRVTISKDNSKSQVSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:43)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGATCGGCATGATCTGGTTCGACGGCAGCACCGACTACAACAGCGCCCTGAAGAGCAGAGTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC(SEQ ID NO:44)
【0126】
138E12-02:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWLGMIWFDGSTDYNSALKSRLTISKDNSKSQVSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:45)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGCTGGGCATGATCTGGTTCGACGGCAGCACCGACTACAACAGCGCCCTGAAGAGCAGACTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC(SEQ ID NO:46)
【0127】
138E12-03:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWLGMIWFEGSTDYNSALKSRLTISKDNSKSQVSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS (SEQ ID NO:47)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGCTGGGCATGATCTGGTTCGAGGGCAGCACCGACTACAACAGCGCCCTGAAGAGCAGACTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC(SEQ ID NO:48)
【0128】
138E12-04:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWLGMIWFDASTDYNSALKSRLTISKDNSKSQVSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:49)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGCTGGGCATGATCTGGTTCGACGCCAGCACCGACTACAACAGCGCCCTGAAGAGCAGACTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC (SEQ ID NO:50)
【0129】
138E12-05:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWLGMIWFDGSTDYQSALKSRLTISKDNSKSQVSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:51)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGCTGGGCATGATCTGGTTCGACGGCAGCACCGACTACCAGAGCGCCCTGAAGAGCAGACTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC (SEQ ID NO:52)
【0130】
138E12-06:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWLGMIWFDGSTDYNTALKSRLTISKDNSKSQVSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:53)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGCTGGGCATGATCTGGTTCGACGGCAGCACCGACTACAACACCGCCCTGAAGAGCAGACTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC (SEQ ID NO:54)
【0131】
138E12-07:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWIGMIWFEGSTDYQSALKSRVTISVDTSKNQFSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:55)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGATCGGCATGATCTGGTTCGAGGGCAGCACCGACTACCAGAGCGCCCTGAAGAGCAGAGTGACCATCAGCGTGGACACCAGCAAGAACCAGTTCAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC (SEQ ID NO:56)
【0132】
138E12-08:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWIGMIWFEGSTDYNSALKSRVTISKDNSKSQVSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:57)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGATCGGCATGATCTGGTTCGAGGGCAGCACCGACTACAACAGCGCCCTGAAGAGCAGAGTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC (SEQ ID NO:58)
【0133】
138E12-09:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWIGMIWFDGSTDYQSALKSRVTISKDNSKSQVSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:59)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGATCGGCATGATCTGGTTCGACGGCAGCACCGACTACCAGAGCGCCCTGAAGAGCAGAGTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC (SEQ ID NO:60)
【0134】
138E12-10:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWIGMIWFEGSTDYQSALKSRVTISKDNSKSQVSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:61)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGATCGGCATGATCTGGTTCGAGGGCAGCACCGACTACCAGAGCGCCCTGAAGAGCAGAGTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC (SEQ ID NO:62)
【0135】
138E12-11:
重鎖可変領域アミノ酸配列:
QVQLQESGPGLVKPSETLSLTCTVSGFSLTGYGVNWIRQPPGKGLEWLGMIWFEGSTDYQSALKSRLTISKDNSKSQVSLKLSSVTAADTAVYYCAREGYYYGTTYYFDYWGQGTTVTVSS(SEQ ID NO:63)
重鎖可変領域核酸配列:
CAGGTGCAGCTGCAGGAGAGCGGCCCCGGCCTGGTGAAGCCCAGCGAGACCCTGAGCCTGACCTGCACCGTGAGCGGCTTCAGCCTGACCGGCTACGGCGTGAACTGGATCAGACAGCCCCCCGGCAAGGGCCTGGAGTGGCTGGGCATGATCTGGTTCGAGGGCAGCACCGACTACCAGAGCGCCCTGAAGAGCAGACTGACCATCAGCAAGGACAACAGCAAGAGCCAGGTGAGCCTGAAGCTGAGCAGCGTGACCGCCGCCGACACCGCCGTGTACTACTGCGCCAGAGAGGGCTACTACTACGGCACCACCTACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACCGTGACCGTGAGCAGC (SEQ ID NO:64)
【0136】
B.ヒト化抗NGF抗体の特性化
1) ヒト化抗体とヒトNGFとの結合
ヒトNGF(北京義翹神州科技有限公司、11050-HNAC)を抗原として使用し、ヒト化後の抗体の親和力と特異性を検討した。NGFをコーティング液(PBS)で希釈し、96ウェルELISAプレートの各ウェルを50ngでコーティングし、洗浄・ブロッキングした後、段階希釈された抗体を加え、室温で1時間インキュベートした。3回洗浄した後、HRP標識ロバ抗ヒトIgG抗体(Biolegend)を加え、室温で1時間反応させ、3回洗浄した後、テトラメチルベンジジン(TMB,Biolegend)によって発色させ、1M HClで発色を中止し、マイクロプレートリーダーによって450nmの吸光度値を読み取った。
【0137】
結合状況を表10及び
図9に示すように、異なる配列を持つヒト化抗体は、いずれもヒトNGFと類似する結合を持ち、結合の程度はヒト-マウスキメラ抗体(マウス抗NGF抗体可変領域とヒト抗体定常領域を含む)に匹敵する。
【0138】
【0139】
2) ヒト化抗体と他のNGFファミリータンパク質との結合
実施例6Aに記載されたELISA方法に従って、ヒト化抗NGF抗体とヒトNGF及び3つの同ファミリータンパク質との結合状況を検出した。結果を
図10A-Hに示すように、ヒト化後の抗体はNGF(
図10Aと10B)に対して高い親和力を示し、BDNF(
図10Cと
図10D)、NT-3(
図10Eと
図10F)、NT-4(
図10Gと
図10H)にほとんど結合しない。
【0140】
3) NGFによって誘導されるTF-1細胞増殖実験
実施例5Aに記載されているように、ヒト化抗NGF抗体の中和活性は、TF-1細胞の増殖によって検出された。結果を
図11に示すように、ヒト化抗体は、いずれもNGFによって誘導されるTF-1細胞の増殖を阻害することができ、且つ、ほとんどのヒト化抗体の阻害能力はヒト-マウスキメラ抗体に匹敵し、IC50を表11に示す。
【0141】
【0142】
本願発明を実施するための形態を詳細に説明及び記載したが、本願発明は、前記実施形態に限定されないと考えられる。本願発明の精神及び範囲から逸脱せず、本願発明に対して様々な改良、修正及び変更を行うことができ、これらの改良、修正及び変更は全て本願発明の範囲内にある。
【0143】
配列表(SEQUENCE LISTING)
<110> 熙源安健医薬(上海)有限公司
<120> 抗NGF抗体及びその抗原結合フラグメント、その調製方法並びに使用
<160> 64
<170> SIPOSequenceListing 1.0
<210> 1
<211> 123
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 1
Gln Val Gln Leu Gln Gln Ser Gly Ala Glu Leu Val Arg Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Thr Leu Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Asp Tyr
20 25 30
Glu Met His Trp Val Arg Gln Thr Pro Val His Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Ala Ile Asp Pro Glu Thr Gly Gly Thr Ala Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Lys Ala Thr Leu Thr Ala Asp Lys Ser Ser Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Arg Ser Leu Thr Ser Glu Asp Ser Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Arg Arg Gly Ala Asn Leu Asn His Tyr Gly Asn Asp Glu Gly Ser Tyr
100 105 110
Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ala
115 120
<210> 2
<211> 369
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 2
caggttcaac tgcagcagtc tggggctgag ctggtgaggc ctggggcttc agtgacgctg 60
tcctgcaagg cttcgggcta cacatttact gactatgaaa tgcactgggt gaggcagaca 120
cctgtgcatg gcctggaatg gattggagct attgatcctg aaactggtgg tactgcctac 180
aatcagaagt tcaagggcaa ggccacactg actgcagaca aatcctccag cacagcctac 240
atggagctcc gcagcctgac atctgaggac tctgccgtct attactgtag aagaggggca 300
aatcttaatc actatggtaa cgacgagggt tcttactggg gccaagggac tctggtcact 360
gtctctgca 369
<210> 3
<211> 112
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 3
Asp Val Val Met Thr Gln Thr Pro Leu Thr Leu Ser Val Thr Ile Gly
1 5 10 15
Gln Pro Ala Ser Ile Ser Cys Lys Ser Ser Gln Ser Leu Leu His Ser
20 25 30
Val Gly Lys Thr Tyr Leu Asn Trp Leu Leu Gln Arg Pro Gly Gln Ser
35 40 45
Pro Lys Arg Leu Ile Tyr Leu Val Ser Lys Leu Asp Ser Gly Val Pro
50 55 60
Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Lys Ile
65 70 75 80
Ser Arg Val Glu Ala Glu Asp Leu Gly Val Tyr Phe Cys Trp Gln Gly
85 90 95
Thr His Leu Pro Gln Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys
100 105 110
<210> 4
<211> 336
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 4
gatgttgtga tgacccagac tccactcact ttgtcggtta ccattggaca accagcctcc 60
atctcttgta agtcaagtca gagcctctta catagtgttg gaaagacata tttgaattgg 120
ttgttacaga ggccaggcca gtctccaaag cgcctaatct atctggtgtc taaactggac 180
tctggagtcc ctgacaggtt cactggcagt ggatcaggga cagatttcac actgaaaatc 240
agcagagtgg aggctgagga tttgggagtt tatttttgct ggcaaggtac acatcttcct 300
cagacgttcg gtggaggcac caagctggaa atcaaa 336
<210> 5
<211> 119
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 5
Gln Val Gln Leu Lys Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Ala Pro Ser Gln
1 5 10 15
Ser Leu Ser Ile Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Ala Val Asn Trp Val Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Asp Gly Ser Thr Asp Tyr Asn Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Leu Ser Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Phe Leu
65 70 75 80
Lys Met Asn Ser Leu Gln Thr Asp Asp Thr Ala Arg Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Asp Tyr Tyr Gly Ser Ser Trp Tyr Phe Asp Val Trp Gly Ala Gly
100 105 110
Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115
<210> 6
<211> 357
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 6
caggtgcagc tgaaggagtc aggacctggc ctggtggcgc cctcacagag cctgtccatc 60
acatgcaccg tctcagggtt ctcattaacc ggctatgctg taaactgggt tcgccagcct 120
ccaggaaagg gtctggagtg gctgggaatg atatggtttg atggaagcac agactataat 180
tcagctctca aatccagact gagcatcagc aaggacaact ccaagagcca agttttctta 240
aaaatgaaca gtctgcaaac tgatgacaca gccaggtact actgtgccag agactactac 300
ggtagtagct ggtacttcga tgtctggggc gcagggacca cggtcaccgt ctcctca 357
<210> 7
<211> 107
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 7
Asp Ile Gln Met Thr Gln Thr Thr Ser Ser Leu Ser Ala Ser Leu Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Ser Cys Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Tyr Tyr
20 25 30
Leu Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Asp Gly Thr Val Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr Tyr Thr Ser Arg Leu His Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Asn Leu Glu Gln
65 70 75 80
Glu Asp Ile Ala Thr Tyr Phe Cys Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Arg
85 90 95
Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Asp Ile Lys
100 105
<210> 8
<211> 321
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 8
gatatccaga tgacacagac tacatcctcc ctgtctgcct ctctgggaga cagagtcacc 60
atcagttgca gggcaagtca ggacattagc tattatttaa actggtatca gcagaaacca 120
gatggaactg ttaaactcct gatctactac acatcaagat tacactcagg agtcccatca 180
aggttcagtg gcagtgggtc tggaacagat tattctctca ccattagcaa cctggagcaa 240
gaagatattg ccacttactt ttgccaacag ggtaatacgc ttcctcggac gttcggtgga 300
ggcaccaagc tggacatcaa a 321
<210> 9
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 9
Gln Val Gln Leu Lys Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Ala Pro Ser Gln
1 5 10 15
Ser Leu Ser Ile Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Val Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Asp Gly Ser Thr Asp Tyr Asn Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Leu Ser Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Phe Leu
65 70 75 80
Lys Met Asn Ser Leu Gln Thr Asp Asp Thr Ala Arg Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Leu Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 10
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 10
caggtgcagc tgaaggagtc aggacctggc ctggtggcgc cctcacagag cctgtccatc 60
acatgcaccg tctcagggtt ctcattaacc ggctatggtg taaactgggt tcgccagcct 120
ccaggaaagg gtctggagtg gctgggaatg atatggtttg atggaagcac agactataat 180
tcagctctca aatccagact gagcatcagc aaggacaact ccaagagcca agttttctta 240
aaaatgaaca gtctgcaaac tgatgacaca gccaggtact actgtgccag agagggttat 300
tactacggta ctacctacta ctttgactac tggggccaag gcaccactct cacagtctcc 360
tca 363
<210> 11
<211> 107
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 11
Asp Ile Gln Met Thr Gln Thr Thr Ser Ser Leu Ser Ala Ser Leu Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Ser Cys Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Asn Tyr
20 25 30
Leu Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Asp Gly Thr Val Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr Tyr Thr Ser Arg Leu His Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Asn Leu Glu Gln
65 70 75 80
Glu Asp Ile Ala Thr Tyr Phe Cys Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Arg
85 90 95
Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys
100 105
<210> 12
<211> 321
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 12
gatatccaga tgacacagac tacatcctcc ctgtctgcct ctctgggaga cagagtcacc 60
atcagttgca gggcaagtca ggacattagc aattatttaa actggtatca gcagaaacca 120
gatggaactg ttaaactcct gatctactac acatcaagat tacactcagg agtcccatca 180
aggttcagtg gcagtgggtc tggaacagat tattctctca ccattagcaa cctggagcaa 240
gaagatattg ccacttactt ttgccaacag ggtaatacgc ttcctcggac gttcggtgga 300
ggcaccaagc tggaaatcaa a 321
<210> 13
<211> 10
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 13
Gly Tyr Thr Phe Thr Asp Tyr Glu Met His
1 5 10
<210> 14
<211> 17
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 14
Ala Ile Asp Pro Glu Thr Gly Gly Thr Ala Tyr Asn Gln Lys Phe Lys
1 5 10 15
Gly
<210> 15
<211> 16
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 15
Arg Arg Gly Ala Asn Leu Asn His Tyr Gly Asn Asp Glu Gly Ser Tyr
1 5 10 15
<210> 16
<211> 10
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 16
Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr Ala Val Asn
1 5 10
<210> 17
<211> 16
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 17
Met Ile Trp Phe Asp Gly Ser Thr Asp Tyr Asn Ser Ala Leu Lys Ser
1 5 10 15
<210> 18
<211> 13
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 18
Ala Arg Asp Tyr Tyr Gly Ser Ser Trp Tyr Phe Asp Val
1 5 10
<210> 19
<211> 10
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 19
Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr Gly Val Asn
1 5 10
<210> 20
<211> 16
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 20
Met Ile Trp Phe Asp Gly Ser Thr Asp Tyr Asn Ser Ala Leu Lys Ser
1 5 10 15
<210> 21
<211> 15
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 21
Ala Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr
1 5 10 15
<210> 22
<211> 16
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 22
Lys Ser Ser Gln Ser Leu Leu His Ser Val Gly Lys Thr Tyr Leu Asn
1 5 10 15
<210> 23
<211> 7
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 23
Leu Val Ser Lys Leu Asp Ser
1 5
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<211> 9
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 24
Trp Gln Gly Thr His Leu Pro Gln Thr
1 5
<210> 25
<211> 11
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 25
Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Tyr Tyr Leu Asn
1 5 10
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<211> 7
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 26
Tyr Thr Ser Arg Leu His Ser
1 5
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<211> 9
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 27
Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Arg Thr
1 5
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<211> 11
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 28
Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Asn Tyr Leu Asn
1 5 10
<210> 29
<211> 7
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 29
Tyr Thr Ser Arg Leu His Ser
1 5
<210> 30
<211> 9
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 30
Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Arg Thr
1 5
<210> 31
<211> 112
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 31
Asp Val Val Met Thr Gln Ser Pro Leu Ser Leu Pro Val Thr Leu Gly
1 5 10 15
Gln Pro Ala Ser Ile Ser Cys Lys Ser Ser Gln Ser Leu Leu His Ser
20 25 30
Val Gly Lys Thr Tyr Leu Asn Trp Leu Gln Gln Arg Pro Gly Gln Ser
35 40 45
Pro Arg Arg Leu Ile Tyr Leu Val Ser Lys Leu Asp Ser Gly Val Pro
50 55 60
Asp Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Lys Ile
65 70 75 80
Ser Arg Val Glu Ala Glu Asp Val Gly Val Tyr Phe Cys Trp Gln Gly
85 90 95
Thr His Leu Pro Gln Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
100 105 110
<210> 32
<211> 336
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 32
gacgtggtca tgacacagag cccactgtct ctgcctgtga ccctgggaca gccagcctct 60
atctcctgca agtccagcca gtccctgctg cacagcgtgg gcaagacata cctgaactgg 120
ctgcagcaga ggccaggaca gagcccaagg cggctgatct atctggtgtc taagctggac 180
tccggcgtgc ctgatagatt cagcggctct ggctccggca ccgactttac actgaagatc 240
tctcgcgtgg aggctgagga tgtgggcgtg tacttctgtt ggcagggcac ccatctgcca 300
cagacatttg gcggcggcac caaggtggag atcaag 336
<210> 33
<211> 123
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 33
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Asp Tyr
20 25 30
Glu Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Ala Ile Asp Pro Glu Thr Gly Gly Thr Ala Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Arg Val Thr Met Thr Ala Asp Lys Ser Ile Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Ser Arg Leu Arg Ser Asp Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Arg Arg Gly Ala Asn Leu Asn His Tyr Gly Asn Asp Glu Gly Ser Tyr
100 105 110
Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 34
<211> 369
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 34
caggtgcagc tggtgcagtc cggagctgag gtgaagaagc caggagcctc cgtgaaggtg 60
tcttgcaagg cctccggcta caccttcaca gactatgaga tgcactgggt gaggcaggct 120
ccaggacagg gactggagtg gatgggagct atcgatcctg agaccggagg aacagcttac 180
aaccagaagt ttaagggcag agtgaccatg acagccgaca agtctatctc caccgcttat 240
atggagctga gcagactgcg ctctgacgat acagccgtgt actattgtag gcggggcgct 300
aacctgaatc attacggcaa tgatgagggc tcctattggg gccagggcac cctggtgaca 360
gtgtccagc 369
<210> 35
<211> 123
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 35
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Asp Tyr
20 25 30
Glu Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Ala Ile Asp Pro Glu Thr Gly Gly Thr Ala Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Arg Ala Thr Leu Thr Ala Asp Lys Ser Ile Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Ser Arg Leu Arg Ser Asp Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Arg Arg Gly Ala Asn Leu Asn His Tyr Gly Asn Asp Glu Gly Ser Tyr
100 105 110
Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 36
<211> 369
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 36
caggtgcagc tggtgcagtc cggagctgag gtgaagaagc caggagcctc cgtgaaggtg 60
tcttgcaagg cctccggcta caccttcaca gactatgaga tgcactgggt gaggcaggct 120
ccaggacagg gactggagtg gatcggagct atcgatcctg agaccggagg aacagcttac 180
aaccagaagt ttaagggcag agccaccctg acagctgaca agtctatctc caccgcctat 240
atggagctga gcagactgcg ctctgacgat acagccgtgt actattgtag gcggggcgct 300
aacctgaatc attacggcaa tgatgagggc tcctattggg gccagggcac cctggtgaca 360
gtgtccagc 369
<210> 37
<211> 123
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 37
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ser
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Asp Tyr
20 25 30
Glu Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Ala Ile Asp Pro Glu Thr Gly Gly Thr Ala Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Arg Val Thr Ile Thr Ala Asp Lys Ser Thr Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Ser Ser Leu Arg Ser Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Arg Arg Gly Ala Asn Leu Asn His Tyr Gly Asn Asp Glu Gly Ser Tyr
100 105 110
Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 38
<211> 369
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 38
caggtgcagc tggtgcagtc cggagctgag gtgaagaagc caggctccag cgtgaaggtg 60
tcttgcaagg cttccggcta caccttcaca gactatgaga tgcactgggt gaggcaggct 120
ccaggacagg gactggagtg gatgggagct atcgatcctg agaccggagg aacagcttac 180
aaccagaagt ttaagggcag agtgaccatc acagccgaca agtccaccag cacagcttat 240
atggagctgt cttccctgcg cagcgaggat accgccgtgt actattgtag gcggggcgct 300
aacctgaatc attacggcaa tgacgagggc tcttattggg gccagggcac cctggtgaca 360
gtgagctct 369
<210> 39
<211> 123
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 39
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ser
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Asp Tyr
20 25 30
Glu Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Ala Ile Asp Pro Glu Thr Gly Gly Thr Ala Tyr Asn Gln Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Arg Ala Thr Leu Thr Ala Asp Lys Ser Thr Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Ser Ser Leu Arg Ser Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Arg Arg Gly Ala Asn Leu Asn His Tyr Gly Asn Asp Glu Gly Ser Tyr
100 105 110
Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 40
<211> 369
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 40
caggtgcagc tggtgcagtc cggagctgag gtgaagaagc caggctccag cgtgaaggtg 60
tcttgcaagg cttccggcta caccttcaca gactatgaga tgcactgggt gaggcaggct 120
ccaggacagg gactggagtg gatcggagct atcgatcctg agaccggagg aacagcttac 180
aaccagaagt ttaagggcag agccaccctg acagctgaca agtccaccag cacagcttat 240
atggagctgt cttccctgcg cagcgaggat accgccgtgt actattgtag gcggggcgct 300
aacctgaatc attacggcaa tgacgagggc tcttattggg gccagggcac cctggtgaca 360
gtgagctct 369
<210> 41
<211> 107
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 41
Asp Ile Gln Met Thr Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ser Ala Ser Val Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Arg Ala Ser Gln Asp Ile Ser Asn Tyr
20 25 30
Leu Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Lys Ala Pro Lys Leu Leu Ile
35 40 45
Tyr Tyr Thr Ser Arg Leu His Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Tyr Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Pro
65 70 75 80
Glu Asp Phe Ala Thr Tyr Phe Cys Gln Gln Gly Asn Thr Leu Pro Arg
85 90 95
Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
100 105
<210> 42
<211> 321
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 42
gacatccaga tgacccagag ccccagcagc ctgagcgcca gcgtgggcga cagagtgacc 60
atcacctgca gagccagcca ggacatcagc aactacctga actggtacca gcagaagccc 120
ggcaaggccc ccaagctgct gatctactac accagcagac tgcacagcgg cgtgcccagc 180
agattcagcg gcagcggcag cggcaccgac tacaccctga ccatcagcag cctgcagccc 240
gaggacttcg ccacctactt ctgccagcag ggcaacaccc tgcccagaac cttcggcggc 300
ggcaccaagg tggagatcaa g 321
<210> 43
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 43
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Asp Gly Ser Thr Asp Tyr Asn Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Val Thr Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 44
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 44
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gatcggcatg atctggttcg acggcagcac cgactacaac 180
agcgccctga agagcagagt gaccatcagc aaggacaaca gcaagagcca ggtgagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
<210> 45
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 45
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Asp Gly Ser Thr Asp Tyr Asn Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Leu Thr Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 46
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 46
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gctgggcatg atctggttcg acggcagcac cgactacaac 180
agcgccctga agagcagact gaccatcagc aaggacaaca gcaagagcca ggtgagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
<210> 47
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 47
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Glu Gly Ser Thr Asp Tyr Asn Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Leu Thr Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 48
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 48
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gctgggcatg atctggttcg agggcagcac cgactacaac 180
agcgccctga agagcagact gaccatcagc aaggacaaca gcaagagcca ggtgagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
<210> 49
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 49
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Asp Ala Ser Thr Asp Tyr Asn Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Leu Thr Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 50
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 50
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gctgggcatg atctggttcg acgccagcac cgactacaac 180
agcgccctga agagcagact gaccatcagc aaggacaaca gcaagagcca ggtgagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
<210> 51
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 51
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Asp Gly Ser Thr Asp Tyr Gln Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Leu Thr Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 52
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 52
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gctgggcatg atctggttcg acggcagcac cgactaccag 180
agcgccctga agagcagact gaccatcagc aaggacaaca gcaagagcca ggtgagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
<210> 53
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 53
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Asp Gly Ser Thr Asp Tyr Asn Thr Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Leu Thr Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 54
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 54
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gctgggcatg atctggttcg acggcagcac cgactacaac 180
accgccctga agagcagact gaccatcagc aaggacaaca gcaagagcca ggtgagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
<210> 55
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 55
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Glu Gly Ser Thr Asp Tyr Gln Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Val Thr Ile Ser Val Asp Thr Ser Lys Asn Gln Phe Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 56
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 56
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gatcggcatg atctggttcg agggcagcac cgactaccag 180
agcgccctga agagcagagt gaccatcagc gtggacacca gcaagaacca gttcagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
<210> 57
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 57
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Glu Gly Ser Thr Asp Tyr Asn Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Val Thr Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 58
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 58
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gatcggcatg atctggttcg agggcagcac cgactacaac 180
agcgccctga agagcagagt gaccatcagc aaggacaaca gcaagagcca ggtgagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
<210> 59
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 59
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Asp Gly Ser Thr Asp Tyr Gln Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Val Thr Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 60
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 60
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gatcggcatg atctggttcg acggcagcac cgactaccag 180
agcgccctga agagcagagt gaccatcagc aaggacaaca gcaagagcca ggtgagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
<210> 61
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 61
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Ile
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Glu Gly Ser Thr Asp Tyr Gln Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Val Thr Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 62
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 62
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gatcggcatg atctggttcg agggcagcac cgactaccag 180
agcgccctga agagcagagt gaccatcagc aaggacaaca gcaagagcca ggtgagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
<210> 63
<211> 121
<212> PRT
<213> (Artificial Sequence)
<400> 63
Gln Val Gln Leu Gln Glu Ser Gly Pro Gly Leu Val Lys Pro Ser Glu
1 5 10 15
Thr Leu Ser Leu Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Leu Thr Gly Tyr
20 25 30
Gly Val Asn Trp Ile Arg Gln Pro Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu
35 40 45
Gly Met Ile Trp Phe Glu Gly Ser Thr Asp Tyr Gln Ser Ala Leu Lys
50 55 60
Ser Arg Leu Thr Ile Ser Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Ser Leu
65 70 75 80
Lys Leu Ser Ser Val Thr Ala Ala Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys Ala
85 90 95
Arg Glu Gly Tyr Tyr Tyr Gly Thr Thr Tyr Tyr Phe Asp Tyr Trp Gly
100 105 110
Gln Gly Thr Thr Val Thr Val Ser Ser
115 120
<210> 64
<211> 363
<212> DNA
<213> (Artificial Sequence)
<400> 64
caggtgcagc tgcaggagag cggccccggc ctggtgaagc ccagcgagac cctgagcctg 60
acctgcaccg tgagcggctt cagcctgacc ggctacggcg tgaactggat cagacagccc 120
cccggcaagg gcctggagtg gctgggcatg atctggttcg agggcagcac cgactaccag 180
agcgccctga agagcagact gaccatcagc aaggacaaca gcaagagcca ggtgagcctg 240
aagctgagca gcgtgaccgc cgccgacacc gccgtgtact actgcgccag agagggctac 300
tactacggca ccacctacta cttcgactac tggggccagg gcaccaccgt gaccgtgagc 360
agc 363
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2022-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメントであって、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、
重鎖可変領域VH及び軽鎖可変領域VLを含み、
前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVHは、SEQ ID NO: 13に示されるVH CDR1と、SEQ ID NO: 14に示されるVH CDR2と、SEQ ID NO: 15に示されるVH CDR3と、を含み;且つ前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVLは、SEQ ID NO: 22に示されるVL CDR1と、SEQ ID NO: 23に示されるVL CDR2と、SEQ ID NO: 24に示されるVL CDR3と、を含み;或いは、
前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVHは、SEQ ID NO: 16に示されるVH CDR1と、SEQ ID NO: 17に示されるVH CDR2と、SEQ ID NO: 18に示されるVH CDR3と、を含み;且つ、前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVLは、SEQ ID NO: 25に示されるVL CDR1と、SEQ ID NO: 26に示されるVL CDR2と、SEQ ID NO: 27に示されるVL CDR3と、を含み;或いは、
前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVHは、SEQ ID NO: 19に示されるVH CDR1と、SEQ ID NO: 20に示されるVH CDR2と、SEQ ID NO: 21に示されるVH CDR3と、を含み;且つ、前記抗体又はその抗原結合フラグメントのVLは、SEQ ID NO: 28に示されるVL CDR1と、SEQ ID NO: 29に示されるVL CDR2と、SEQ ID NO: 30に示されるVL CDR3と、を含む、
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項2】
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメントであって、前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域と軽鎖可変領域とを含み、
前記重鎖可変領域は、SEQ ID NO: 1、5及び9のいずれか1つに示される重鎖可変領域に含まれる3つのCDRを含み;且つ、前記軽鎖可変領域は、SEQ ID NO: 3、7及び11のいずれか1つに示される軽鎖可変領域に含まれる3つのCDRを含む
、
NGFに特異的に結合することができる抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 1に示される配列を有するVHとSEQ ID NO:3に示される配列を有するVLとを含み;或いは、
前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 5に示される配列を有するVHとSEQ ID NO: 7に示される配列を有するVLとを含み;或いは、
前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 9に示される配列を有するVHとSEQ ID NO:11に示される配列を有するVLとを含む、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項4】
前記抗体又はその抗原結合フラグメントは、
(a) ヒト免疫グロブリンの重鎖定常領域(CH)又はその変異体
;又は
(b) ヒト免疫グロブリンの軽鎖定常領域(CL)又はその変異
体
をさらに含む、
請求項1に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項5】
前記抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’、(Fab’)
2、Fv、ジスルフィド結合Fv、scFv、二重特異性抗体(diabody)及び単一ドメイン抗体(sdAb)から選択され;及び/又は、
前記抗体は、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体又は多重特異性抗体であ
る、
請求項
1に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
前記ヒト化抗体又はその抗原結合フラグメントは、SEQ ID NO: 33、35、37、39、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61及び63のいずれか1つに示される配列を有する重鎖及び/又はSEQ ID NO: 31及び41のいずれか1つに示される配列を有する軽鎖を含む、
請求項5に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント。
【請求項7】
請求項
1に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント、或いはその重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域をコードする単離された核酸分子であ
る、
単離された核酸分子。
【請求項8】
請求項
1に記載の抗体又はその抗原結合フラグメント
、並びに薬学的に許容されるベクター及び/又は賦形剤を含む
、
医薬組成物。
【請求項9】
薬物調製における請求項
1に記載の抗体又はその抗原結合フラグメン
トの使用であって、前記薬物は、NGFを介した疾患
又は病症の治療に用いられ
る、
使用。
【請求項10】
前記疾患又は病症は、骨関節炎疼痛、術後疼痛、関節リウマチ疼痛、下背部痛、癌性疼痛、神経障害痛及び内臓痛を含む、請求項9に記載の使用。
【国際調査報告】