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  • 特表-遮蔽体を備えるスニッファプローブ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-24
(54)【発明の名称】遮蔽体を備えるスニッファプローブ
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/20 20060101AFI20230316BHJP
【FI】
G01M3/20 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547102
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2021050430
(87)【国際公開番号】W WO2021156021
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】102020102630.7
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500469855
【氏名又は名称】インフィコン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Inficon GmbH
【住所又は居所原語表記】Bonner Strasse 498, D-50968 Koeln, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【弁理士】
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100187469
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 由子
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【弁理士】
【氏名又は名称】古後 亜紀
(72)【発明者】
【氏名】ピュシャラ-ケーニヒ・ヨッヘン
(72)【発明者】
【氏名】ロルフ・エリク
(72)【発明者】
【氏名】デッカー・シルヴィオ
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067BB12
2G067CC18
2G067DD27
(57)【要約】
【課題】調査対象の配管の後方部についてのリーク検知が容易なスニッファプローブを提供する。
【解決手段】ガスを吸い込むスニッファプローブ10は、吸込口16が設けられた少なくとも1つのスニッファ先端部11を有する。吸込口16は、接続ラインによって、ガスリーク検知器に接続可能なメインスニッファラインと接続されている。スニッファ先端部11のうち、吸込口16の領域には、同吸込口16をスニッファプローブ10外部の環境38から全ての側で遮蔽するように同スニッファ先端部11から突出した、可撓性の細長い遮蔽体30が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを吸い込むスニッファプローブ(10)であって、
吸込口(16)が設けられた少なくとも1つのスニッファ先端部(11)を有し、
前記吸込口(16)が、接続ラインによって、ガスリーク検知器に接続可能なメインスニッファラインと接続されている、スニッファプローブ(10)において、
前記スニッファ先端部(11)は、前記吸込口(16)の領域に、可撓性の細長い遮蔽体(30)を備え、該遮蔽体(30)は、前記吸込口(16)を当該スニッファプローブ(10)外部の環境(38)から全ての側で遮蔽するように前記スニッファ先端部(11)から突出していることを特徴とする、
スニッファプローブ(10)。
【請求項2】
請求項1に記載のスニッファプローブ(10)において、隣合う遮蔽体間の隙間が、前記吸込口の口径の約1/10以下、好ましくは約1/100以下であることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項3】
請求項1または2に記載のスニッファプローブにおいて、前記遮蔽体(30)が、調査対象の被検査体用の検査空間(20)を、前記吸込口(16)に接する位置に形成しており、該検査空間を当該スニッファプローブ(10)外部の環境(38)から全ての側で遮蔽していることを特徴とする、スニッファプローブ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、前記スニッファ先端部(11)は、少なくとも1つのアーム(12)によって形成されており、該アーム(12)の前記検査空間(20)に面する側から、前記遮蔽体(30)が突設されていることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項5】
請求項4に記載のスニッファプローブ(10)において、当該スニッファプローブ(10)は、前記検査空間(20)が間に形成された少なくとも2つの別々のアーム(12,14)を備え、1つ以上の当該アーム(12,14)が、前記検査空間(20)に面する側に、前記吸込口(16)を有していることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、複数の遮蔽体(30)が、前記吸込口(16)を取り囲んでいることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、複数の遮蔽体(30)が、可撓性の、好ましくは弾性の繊維の形態で、好ましくはブラシ形の毛材の形態で、設けられていることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、前記遮蔽体(30)が、前記検査空間(20)を当該スニッファプローブ(10)外部の環境(38)から遮蔽する、可撓性の壁を形成していることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、前記遮蔽体(30)が、前記アーム(12,14)の、前記検査空間(20)に面する側(26)において、前記検査空間(20)と前記外部の環境(38)とを区切る縁部領域(36)のみに配置されていることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、前記遮蔽体(30)が、前記検査空間(20)の両側にある両アーム(12,14)上に配置されており、それぞれ前記検査空間(20)を境界決めしているか又は前記検査空間(20)を前記環境から遮蔽していることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項11】
請求項10に記載のスニッファプローブ(10)において、少なくとも一部の前記遮蔽体(30)が、前記空間(20)の略中央まで延設されていることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、少なくとも2種類の長さの遮蔽体(30)が設けられており、好ましくは、同じ長さの遮蔽体(30)同士が列(32,34)状に配置されていて、長い遮蔽体(30)同士の列(32)と短い遮蔽体(30)同士の列(34)が交互に並んでいることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、少なくとも一部の前記遮蔽体(30)が、前記空間(20)の大部分を囲繞していることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、2つの前記アーム(12,14)は、後端部同士がフォーク状に互いに連結されており、同後端部とは反対側の前端部(22,24)に前記吸込口(16,18)を有していることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項15】
請求項14に記載のスニッファプローブ(10)において、前記2つのアーム(12,14)が、U字形状に形成されていることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、前記吸込口(16,18)が、対応する前記アーム(12,14)の、前記検査空間(20)に面する内側部(26)に形成されていることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項17】
請求項16に記載のスニッファプローブ(10)において、2つの前記アーム(12,14)の前端部(22,24)の領域に、前記内側部(26)同士が互いに平行に形成されていることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載のスニッファプローブ(10)において、前記アーム(12,14)は、後端部で、前記メインスニッファラインを含みガスリーク検知器に接続可能な基部エレメント(28)と連結されていることを特徴とする、スニッファプローブ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスリークを探索するガスリーク検知器のスニッファプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスリーク探知時には、スニッファプローブは、被検査体のガスリークが疑われる領域の表面に沿って動かすようにして使用される。この目的のために、スニッファプローブは、ガス吸込口が設けられたスニッファ先端部を有し、そのガス吸込口から、分析対象となるガス混合気が吸い込まれる。通常、スニッファプローブの、ガス吸込口とは反対側となる後端部は、メインスニッファラインによって、吸い込まれたガスの分析を行うガスリーク検知器に接続される。
【0003】
配管に対する自動スニッファリーク検知では、調査対象の配管の後方部のガスリークを検知することが難しい。従来のスニッファプローブの場合、対象の配管の後方部については、ガス流量を増加させて漏洩ガスを空気と一緒に吸い込む必要がある。そのため、ガスリーク検知の感度が低下する。別の方法では、配管に対してプローブを回り込ませる必要があり、時間を要する。特に冷凍装置の配管系では、調査対象の配管の後方部に対し、ガス流量を増加させて0.5g/a規模のリークが検知されるようにすることは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、スニッファプローブ、特に、調査対象の配管の後方部についてのリーク検知が容易なスニッファプローブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のリーク検知装置は、請求項1の構成によって定まる。
【0006】
よって、本発明は、吸込口を有する少なくとも1つのスニッファ先端部を含むスニッファプローブであり、接続ライン、好ましくは前記スニッファプローブ内に、例えば前記スニッファ先端部内に延設された接続ラインが、前記吸込口とメインスニッファラインを接続しており、メインスニッファラインは、ガスリーク検知器に接続可能であるか又はガスリーク検知器に接続されている。
【0007】
本発明では、前記スニッファ先端部が、前記吸込口の領域に、吸込口を前記スニッファプローブ外部の環境から全ての側で遮蔽するようにスニッファ先端部から突設された、可撓性の細長い遮蔽体を具備している。全ての側で遮蔽するとは、隣合う遮蔽体間に、約数ミリメートル以下、好ましくは1ミリメートル未満の隙間しか残っておらず、この隙間を通って、外部の環境から吸込口へとガスが流れて吸い込まれることを意味する。
【0008】
つまり、前記遮蔽体は、調査対象の被検査体用の、前記吸込口に接した検査空間を形成しており、かつ、前記スニッファ先端部とスニッファ先端部から突設された遮蔽体が、僅かな隙間を除き、前記空間の全体を囲い込むことで、前記検査空間を遮蔽体によってスニッファプローブ外部の環境から遮蔽されたものできる。好ましくは、この隙間は、前記吸込口の口径の約1/10以下が望ましい。このように、前記スニッファプローブとスニッファプローブから突設された遮蔽体は、検査空間の壁のようなものを形成することになり、遮蔽体の領域のガスを透過させながらも、例えば噴出時等に生じるガスの乱流は抑制する。
【0009】
隣合う遮蔽体間の隙間は、吸込口の口径の約1/10以下、好ましくは約1/100以下であることが望ましい。つまり、吸込口の口径が4mmであれば、隣合う遮蔽体間の隙間が0.4mm未満、好ましくは40μm未満であることが望ましい。吸込口の口径とは、吸込口の両縁間の距離の最大値を意味する。つまり、「口径」とは、吸込口が円形状であることを必ずしも前提としない。
【0010】
スニッファ先端部は、スニッファ先端部のアームとして構成され得る。具体的には、スニッファプローブは、検査空間が間に形成された複数の、例えば2つのアームを備え得る。前記遮蔽体は、少なくとも1つのアームから突設されている。
【0011】
少なくとも1つの前記アームには、検査空間に面する側部に、少なくとも1つの、好ましくは複数の、可撓性の遮蔽体が設けられている。好ましくは、遮蔽体は、アームから直角に突設されて検査空間を画定することにより、吸込口をスニッファプローブ外部の環境から遮蔽している。遮蔽体は、弾性の繊維体および/またはブラシ形の毛材であってもよい。遮蔽体は、ガス吸込み時の空気の主要な動きがスニッファプローブ外から空間内への内向きとなるようにスニッファ先端部と吸込口をスニッファプローブ外部の環境から遮蔽するので、メインスニッファラインは主に検査空間内から吸い込みを行うことになる。これにより、スニッファプローブ外の領域の空気の乱流が、リーク部からの漏出ガスの吸込みに影響を及ぼすようなことが減少する。
【0012】
遮蔽体は、可撓性の繊維として形成され得る。複数の繊維が密接に並んで配置されることで、繊維は、検査空間20をスニッファプローブ外部の環境から遮蔽する壁状の囲いとなる。一変形例として、遮蔽体は、可撓性の壁の形態で設けられてもよい。
【0013】
有利には、遮蔽体は、各アームの、検査空間に面する内側部の、縁部領域に配置されている。さらに好ましくは、遮蔽体は、前記検査空間全体を囲んで検査空間内と吸込口をスニッファプローブ外部の環境から遮蔽するように、各アームの縁部領域全体に配置されている。
【0014】
スニッファプローブを例えば配管等の被検査体に押し付けると、繊維体は、被検査体に追従し、検査空間内に位置した被検査体の一部を囲い込んで当該部分を外部の環境から遮蔽する。このようにして、被検査体に押し当てることのできる、移動自在の被検査体用の検査空間が形成される。スニッファプローブの吸込口から検査空間の吸込みが行われる際には、スニッファプローブ外部の環境からの例えば空気等のガスが、外側から遮蔽体を通って検査空間へと流入することになる。その際、スニッファプローブ外部の環境の空気の乱流により、被検査体のリーク部からの漏出ガスが遮蔽体の遮蔽領域の検査空間内でかき回されることは防止される。
【0015】
有利には、2つのアームのそれぞれに、互いに反対側から当該2つのアーム間の空間へと延設されるようにして遮蔽体が設けられている。このとき、少なくとも一部の遮蔽体が、検査空間の少なくとも大部分を環境から遮蔽するようにアーム間の距離の略中間まで延設されていることが好ましい。
【0016】
各遮蔽体は、対応するアームに設置された第1の端部、および当該第1の端部とは反対側の第2の端部を有している。別々のアームから互いに向かって延設されている互いに反対側の遮蔽体同士の、第2の端部間の距離は、僅かであることが望ましく、任意で吸込口の口径の1/10未満、好ましくは吸込口の口径の1/100未満であることが望ましい。
【0017】
検査空間に位置した例えば吸込み検査対象の配管等の被検査体によって遮蔽体が曲げられて遮蔽体の存在しない自由空間が生じてしまうのを防ぐために、少なくとも2種類の長さの遮蔽体を設けることで、形成空間の遮蔽が最低でも短いほうの遮蔽体によって行われるようにしてもよい。総合的には、被検査体が検査空間に配置されて遮蔽体が局所的に曲げられた際にも、検査空間における出来る限り多くの縁部領域が遮蔽体で占有されていることが望ましい。
【0018】
この目的のために、相異なる長さの遮蔽体が列状に配置されてもよく、各列は、同じ長さの遮蔽体同士からなり得て、相異なる長さの遮蔽体の列が交互に並ぶものとされる。
【0019】
好ましくは、吸込口の少なくとも大部分、好ましくは全体が、遮蔽体によって取り囲まれているか又は遮蔽されていることが望ましい。
【0020】
スニッファプローブは、各アームの前端部の領域にてフォーク状に構成されていてもよく、各アームの同前端部とは反対側の後端部同士を連結した状態で形成され得る。
【0021】
好ましくは、アームの後端部同士は、共通の基部エレメントに終端している。例えば、当該基部エレメントは、把持部として構成され得て、かつ、メインスニッファラインを含んでいる。アーム同士は、Y字形状又はU字形状で形成され得て、U字形状の設計が有利である。アーム同士がU字形状の設計である場合には、吸込口が、対応するアームの検査空間に面する内側部の、前端部の領域に形成される。そして、吸込み検査対象の配管系が検査空間内に収まるようにU字形状のフォークを配管系に押し付けるだけで、被検査体(例えば、検査対象の配管系)の任意の側部についての吸込み検査を吸込口によって行うことが可能になる。
【0022】
好ましくは、各アームの、検査空間に面する内側部同士が、前端部の領域にて互いに平行に設けられていることで、遮蔽体同士も互いに平行に延設されている。
【0023】
以下では、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】発明の一実施形態を示す斜視図である。
図2図1の実施形態を矢印IIの方向でみた図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
スニッファプローブは、U字を形成する2つのアーム12,14を備える。2つのアーム12,14の後端部は、中央の基部エレメント28と一体的に連結されている。基部エレメント28には、図示しないメインスニッファラインが含まれ、メインスニッファラインは、ガスリーク検知器に接続されている。2つのアーム12,14の、後端部とは反対側の前端部22,24同士は、互いに離間して形成されており、両者の間に、調査対象の配管系用の検査空間20が形成される。
【0026】
検査空間20の両側では、2つのアーム22,24の、検査空間20と接する内側部26に、吸込口16,18が形成されている。変形例として、2つのアーム22,24の一方のみに吸込口16を設けて他方のアーム24は吸込口18を持たないものとしてもよく、2つのアーム22,24間の基部エレメント28の領域の中央に唯一の吸込口16を配置してもよい。変形例として、吸込口は、キャピラリーを用いて遮蔽領域内に導設されたものであってもよい。
【0027】
各吸込口16,18は、各アーム12,14の前端部22,24の前部領域に形成されている。各吸込口16,18は、各アーム12,14内に延在する別々の接続ライン(図示せず)によってメインスニッファラインへとガス導通可能に接続されている。
【0028】
前端部22,24の領域において、2つのアーム12,14の内側部26同士は、互いに平行に設けられている。これにより、調査対象の配管系に対するスニッファプローブ10の向きを、配管系の検査対象となる領域が検査空間20内に収まるような向きに設定することが可能となる。
【0029】
両方のアーム12,14の内側部26からは、弾性の繊維の形態又はブラシの毛材の形態の可撓性の遮蔽体が、ブラシ状に突出して、検査空間20へと突設されているか又は検査空間20を境界決めしている。遮蔽体30同士は、互いに平行に配置されている。
【0030】
遮蔽体は、2つのアーム12,14の内側部26の、縁部領域36のみに配置されている。壁領域36は、内側部と外部とを区切り、吸込口16,18全体を囲い込んでいる。これにより、内側部26の縁部領域36から突出した遮蔽体は、検査空間20をスニッファプローブ10外部の環境38から遮蔽する、ガス透過性の壁を形成している。
【0031】
2つのアーム12,14のそれぞれには、長い遮蔽体30同士の1つ以上の列32および/または短い遮蔽体30同士の1つ以上の列34が設けられている。列34の遮蔽体は、列32の遮蔽体30よりも短く形成されている。列32と列34は、1つの列34が2つの隣接する列32間に、かつ、1つの列32が2つの隣接する列34間に位置するように、交互に並んでいる。列32における長い遮蔽体30は、それぞれ検査空間20の中央まで延設されている。よって、列32における遮蔽体30同士は、検査空間20の中央の領域で互いにほぼ接触している。対照的に、列34における短い各遮蔽体30は、列32における遮蔽体30の約半分の長さにしかならないように形成されている。そのため、検査空間20の中央の領域では、列34における、互いに反対側のアーム22,24から延設されて検査空間20を囲繞又は遮蔽している互いに反対側の遮蔽体30間に、被検査体用の空間が残されている。したがって、検査空間20に導入された被検査体は、列34における短い遮蔽体30よりも、列32における長い遮蔽体30を大きく曲げることになる。
【0032】
一変形例として、長い遮蔽体30と短い遮蔽体30を、同じ長さ同士の列状に配置せずに交互に並べるということも考えられ得る。ここでは、短い繊維体30が1本ずつ複数の長い遮蔽体に挟まれ得ると共に、長い繊維体30が1本ずつ複数の短い遮蔽体に挟まれ得る。
【0033】
遮蔽体30は、検査空間20外の領域の空気の乱流による、検査空間20内の吸込口16,18方向への空気流への影響を抑えるように、吸込口16をスニッファプローブ10外部の環境から遮蔽している。
【0034】
図示しないさらなる実施形態では、スニッファ先端部として構成されたアームが1つだけ設けられており、アームは、スニッファ先端部の領域に吸込口を有している。ここでは、吸込口の領域に、可撓性の細長い遮蔽体が突設されている。遮蔽体は、毛材状の細長い繊維および/または可撓性の壁であり得る。本発明の重要な点として、吸込口に接した検査空間は、隣合う遮蔽体間に吸込口の口径の1/5以下、好ましくは同口径の1/10未満または1/100未満の隙間しか残されないようにして遮蔽体によってスニッファプローブ外部の環境から全ての側で遮蔽されている。遮蔽体は、検査空間の全体を囲い込む及び/又は画定する壁を形成している。
【符号の説明】
【0035】
10 スニッファプローブ
11 スニッファ先端部
12、14 アーム
16 吸込口
20 検査空間
22,24 アーム前の前端部
30 遮蔽体
32,34 遮蔽体の列
36 縁部領域
図1
図2
【国際調査報告】