(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-24
(54)【発明の名称】マルチモード干渉装置および方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/17 20060101AFI20230316BHJP
【FI】
G01N21/17 630
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022570750
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(85)【翻訳文提出日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 CA2021050080
(87)【国際公開番号】W WO2021151194
(87)【国際公開日】2021-08-05
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522299115
【氏名又は名称】ブドゥ、カロリヌ
(71)【出願人】
【識別番号】522299126
【氏名又は名称】ポワンジネット ドゥ シヴリィ、マルタン
(71)【出願人】
【識別番号】522299137
【氏名又は名称】ボルデュク ボドワン、シモン
(71)【出願人】
【識別番号】522299148
【氏名又は名称】ゴブ、ニコラ
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】ブドゥ、カロリヌ
(72)【発明者】
【氏名】ポワンジネット ドゥ シヴリィ、マルタン
(72)【発明者】
【氏名】ボルデュク ボドワン、シモン
(72)【発明者】
【氏名】ゴブ、ニコラ
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059EE09
2G059JJ17
2G059JJ22
2G059JJ30
2G059MM05
(57)【要約】
マルチモード干渉装置およびマルチモード干渉を実施する方法が記載されている。該装置は、シングルモード光を受信するための、光源に接続可能な、少なくとも1つのシングルモード伝送入力部、マルチモード光を放射し、反射されたマルチモード光を収集するための、マルチモード出力部、該少なくとも1つのシングルモード伝送入力部と該マルチモード出力部との間に動作可能に接続され、該シングルモード光をマルチモード光に変換し、該反射されたマルチモード光をシングルモード光に変換するために設計された、少なくとも1つのフォトニックランタン、該反射されたシングルモード光と少なくとも1つのシングルモード参照信号との間の少なくとも1つの干渉パターンを生成するための、少なくとも1つのシングルモード参照入力部、および該少なくとも1つの干渉パターンを検出するための、光検出器に接続可能な、少なくとも1つのシングルモード出力部を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シングルモード光を受信するための、光源に接続可能な、少なくとも1つのシングルモード伝送入力部;
マルチモード光を放射し、反射されたマルチモード光を収集するための、マルチモード出力部;
該少なくとも1つのシングルモード伝送入力部と該マルチモード出力部との間に動作可能に接続され、該シングルモード光をマルチモード光に変換し、該反射されたマルチモード光をシングルモード光に変換するために設計された、少なくとも1つのフォトニックランタン;
該反射されたシングルモード光と少なくとも1つのシングルモード参照信号との間の少なくとも1つの干渉パターンを生成するための、少なくとも1つのシングルモード参照入力部;および
該少なくとも1つの干渉パターンを検出するための、光検出器に接続可能な、少なくとも1つのシングルモード出力部
を含む、マルチモード干渉装置。
【請求項2】
少なくとも1つのシングルモード伝送入力部が複数のシングルモード伝送入力部を含む、請求項1の装置。
【請求項3】
複数のシングルモード伝送入力部がN個のシングルモード伝送入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード参照入力部がN個のシングルモード参照入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード出力部がN個のシングルモード出力部を含む、請求項2の装置。
【請求項4】
N個のシングルモード伝送入力部、N個のシングルモード参照入力部、およびN個のシングルモード出力部の対応するものの間に接続された複数の電力分割カプラーをさらに含む、請求項3の装置。
【請求項5】
複数のシングルモード伝送入力部がN個のシングルモード伝送入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード参照入力部がN個のシングルモード参照入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード出力部が2
*N個のシングルモード出力部を含む、請求項2の装置。
【請求項6】
N個のシングルモード伝送入力部、フォトニックランタン、および2N個のシングルモード出力部の対の間に接続されたN個の光サーキュレーター;並びに
N個のシングルモード参照入力部、N個の光サーキュレーター、および2N個のシングルモード出力部の対の間に接続されたN個の電力分割カプラー
をさらに含む、請求項5の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのシングルモード伝送入力部が1つのシングルモード伝送入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード参照入力部が1つのシングルモード参照入力部を含み、並びに少なくとも1つのシングルモード出力部が、複数のシングルモード出力部を含み、およびシングルモードM
oでマルチモード出力部で放射し、少なくとも1つのシングルモード参照信号によってどのモードが誘導されるかに依存するモードM
iのいずれか1つでマルチモード出力部で収集するために、入力部および出力部を相互接続するように配置された複数の電力分割カプラーをさらに含む、請求項1の装置。
【請求項8】
少なくとも1つのシングルモード伝送入力部が1つのシングルモード伝送入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード参照入力部が1つのシングルモード参照入力部を含み、並びに少なくとも1つのシングルモード出力部が、複数のシングルモード出力部を含み、およびモードの線形結合を使用して光を投影し収集するために、入力部および出力部を相互接続するように配置された複数の電力分割カプラーおよび光サーキュレーターをさらに含む、請求項1の装置。
【請求項9】
少なくとも1つのシングルモード参照信号を生成するために、少なくとも1つのシングルモード参照入力部に接続された反射回路をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項の装置。
【請求項10】
イメージング設定;および
請求項1から9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのマルチモード干渉装置
を含む、イメージングシステム。
【請求項11】
イメージング設定が光干渉断層撮影(OCT)イメージング設定である、請求項10のイメージング設定。
【請求項12】
マルチモード干渉を実施する方法であって、該方法が、
マルチモード干渉装置の1つ以上のシングルモード伝送入力部でシングルモード光を受信すること;
該シングルモード光をマルチモード光に変換し、該装置のマルチモード出力部で該マルチモード光を出力すること;
該マルチモード出力部で反射されたマルチモード光を収集すること;
該反射されたマルチモード光を反射されたシングルモード光に変換すること;
該装置の1つ以上のシングルモード参照入力部で少なくとも1つのシングルモード参照信号を取得すること;
該反射されたシングルモード光と該少なくとも1つのシングルモード参照信号との間の干渉パターンを生成すること;および
該装置の1つ以上のシングルモード出力部で該干渉パターンを検出すること
を含む、方法。
【請求項13】
シングルモード光をマルチモード光に変換すること、および反射されたマルチモード光を反射されたシングルモード光に変換することが、フォトニックランタンを使用することを含む、請求項9の方法。
【請求項14】
1つ以上のシングルモード伝送入力部でシングルモード光を受信することが、複数のシングルモード伝送入力部でシングルモード光を受信することを含む、請求項12または13の方法。
【請求項15】
シングルモード光を受信することが、N個のシングルモード伝送入力部でシングルモード光を受信することを含み;
少なくとも1つのシングルモード参照信号を取得することが、N個のシングルモード参照信号を取得することを含み;および
干渉パターンを検出することが、N個のシングルモード出力部で干渉パターンを検出することを含む、
請求項14の方法。
【請求項16】
シングルモード光を受信することが、N個のシングルモード伝送入力部でシングルモード光を受信することを含み;
少なくとも1つのシングルモード参照信号を取得することが、N個のシングルモード参照信号を取得することを含み;および
干渉パターンを検出することが、2N個のシングルモード出力部で干渉パターンを検出することを含む、
請求項14の方法。
【請求項17】
装置のマルチモード出力部でマルチモード光を出力することが、シングルモードM
oでマルチモード光を放射することを含み、反射されたマルチモード光を収集することが、少なくとも1つの参照信号によってどのモードが誘導されるかに依存するモードM
iのいずれか1つでマルチモード出力部で収集することを含む、請求項12または13の方法。
【請求項18】
マルチモード光を出力すること、およびマルチモード出力部で反射されたマルチモード光を収集することが、モードの線形結合を使用して出力することおよび収集することを含む、請求項12または13の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのシングルモード参照信号を取得することが、外部光源から少なくとも1つのシングルモード参照信号を受信することを含む、請求項12から18のいずれか一項の方法。
【請求項20】
少なくとも1つのシングルモード参照信号を取得することが、少なくとも1つのシングルモード伝送入力部で受信されたシングルモード光から少なくとも1つのシングルモード参照信号を作り出すことを含む、請求項12から18のいずれか一項の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2020年1月27日付で出願された米国仮特許出願62/966,279号の優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に干渉法に関し、より具体的には、ファイバーベースのマルチモード干渉法に関する。
【背景技術】
【0003】
技術の背景
干渉計は、科学の多くの分野において使用されている。それらは、さまざまな形状およびサイズで提供され、特にイメージングおよびセンシングの分野において、幅広い用途を有する。干渉計の基本原理は、2つ以上の波を併合することにより干渉パターンを作り出すことである。情報は、干渉パターンから抽出し得る。波は、電波または音波であり得るが、一方で、レーザー技術が進化するにつれて、光波が、貴重な測定技術であることが見出されてきた。
【0004】
光干渉断層撮影(OCT)は、例えば生物学的組織を画像化するための、低コヒーレンス干渉法に依存するイメージング技術の一例である。このイメージング技術は、とりわけ、表面的な脳構造を画像化するために使用し得る。
【0005】
従って、イメージングの質に提供される改善が、望ましい。
【発明の概要】
【0006】
要約
広い態様によれば、マルチモード干渉装置が提供される。この装置は、シングルモード光を受信するための、光源に接続可能な、少なくとも1つのシングルモード伝送入力部、マルチモード光を放射し、反射されたマルチモード光を収集するための、マルチモード出力部、該少なくとも1つのシングルモード伝送入力部と該マルチモード出力部との間に動作可能に接続され、該シングルモード光をマルチモード光に変換し、該反射されたマルチモード光をシングルモード光に変換するために設計された、少なくとも1つのフォトニックランタン、該反射されたシングルモード光と少なくとも1つのシングルモード参照信号との間の少なくとも1つの干渉パターンを生成するための、少なくとも1つのシングルモード参照入力部、および該少なくとも1つの干渉パターンを検出するための、光検出器に接続可能な、少なくとも1つのシングルモード出力部を含む。
【0007】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、少なくとも1つのシングルモード伝送入力部は、複数のシングルモード伝送入力部を含む。
【0008】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、複数のシングルモード伝送入力部は、N個のシングルモード伝送入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード参照入力部は、N個のシングルモード参照入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード出力部は、N個のシングルモード出力部を含む。
【0009】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、装置は、N個のシングルモード伝送入力部、N個のシングルモード参照入力部、およびN個のシングルモード出力部の対応するものの間に接続された複数の電力分割カプラーをさらに含む。
【0010】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、複数のシングルモード伝送入力部は、N個のシングルモード伝送入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード参照入力部は、N個のシングルモード参照入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード出力部は、2*N個のシングルモード出力部を含む。
【0011】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、装置は、N個のシングルモード伝送入力部、フォトニックランタン、および2N個のシングルモード出力部の対の間に接続されたN個の光サーキュレーター、並びにN個のシングルモード参照入力部、N個の光サーキュレーター、および2N個のシングルモード出力部の対の間に接続されたN個の電力分割カプラーをさらに含む。
【0012】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、少なくとも1つのシングルモード伝送入力部は、1つのシングルモード伝送入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード参照入力部は、1つのシングルモード参照入力部を含み、並びに少なくとも1つのシングルモード出力部は、複数のシングルモード出力部を含み、およびシングルモードMoでマルチモード出力部で放射し、少なくとも1つのシングルモード参照信号によってどのモードが誘導されるかに依存するモードMiのいずれか1つでマルチモード出力部で収集するために、入力部および出力部を相互接続するように配置された複数の電力分割カプラーをさらに含む。
【0013】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、少なくとも1つのシングルモード伝送入力部は、1つのシングルモード伝送入力部を含み、少なくとも1つのシングルモード参照入力部は、1つのシングルモード参照入力部を含み、並びに少なくとも1つのシングルモード出力部は、複数のシングルモード出力部を含み、およびモードの線形結合を使用して光を投影し収集するために、入力部および出力部を相互接続するように配置された複数の電力分割カプラーおよび光サーキュレーターをさらに含む。
【0014】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、装置は、少なくとも1つのシングルモード参照信号を生成するために、少なくとも1つのシングルモード参照入力部に接続された反射回路をさらに含む。
【0015】
別の広い態様によれば、イメージング設定、および前述の実施態様のいずれかによる実施態様における少なくとも1つのマルチモード干渉装置を含む、イメージングシステムが提供される。一実施態様においては、イメージング設定は、光干渉断層撮影(OCT)イメージング設定である。
【0016】
別の広い態様によれば、マルチモード干渉を実施する方法が提供される。この方法は、マルチモード干渉装置の1つ以上のシングルモード伝送入力部でシングルモード光を受信すること、該シングルモード光をマルチモード光に変換し、該装置のマルチモード出力部で該マルチモード光を出力すること、該マルチモード出力部で反射されたマルチモード光を収集すること、該反射されたマルチモード光を反射されたシングルモード光に変換すること、該装置の1つ以上のシングルモード参照入力部で少なくとも1つのシングルモード参照信号を取得すること、該反射されたシングルモード光と該少なくとも1つのシングルモード参照信号との間の干渉パターンを生成すること、および該装置の1つ以上のシングルモード出力部で該干渉パターンを検出することを含む。
【0017】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、シングルモード光をマルチモード光に変換すること、および反射されたマルチモード光を反射されたシングルモード光に変換することは、フォトニックランタンを使用することを含む。
【0018】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、1つ以上のシングルモード伝送入力部でシングルモード光を受信することは、複数のシングルモード伝送入力部でシングルモード光を受信することを含む。
【0019】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、シングルモード光を受信することは、N個のシングルモード伝送入力部でシングルモード光を受信することを含み;少なくとも1つのシングルモード参照信号を取得することは、N個のシングルモード参照信号を取得することを含み;および干渉パターンを検出することは、N個のシングルモード出力部で干渉パターンを検出することを含む。
【0020】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、シングルモード光を受信することは、N個のシングルモード伝送入力部でシングルモード光を受信することを含み;少なくとも1つのシングルモード参照信号を取得することは、N個のシングルモード参照信号を取得することを含み;および干渉パターンを検出することは、2N個のシングルモード出力部で干渉パターンを検出することを含む。
【0021】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、装置のマルチモード出力部でマルチモード光を出力することは、シングルモードMoでマルチモード光を放射することを含み、ここで、反射されたマルチモード光を収集することは、少なくとも1つの参照信号によってどのモードが誘導されるかに依存するモードMiのいずれか1つでマルチモード出力部で収集することを含む。
【0022】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、マルチモード光を出力すること、およびマルチモード出力部で反射されたマルチモード光を収集することは、モードの線形結合を使用して出力することおよび収集することを含む。
【0023】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、少なくとも1つのシングルモード参照信号を取得することは、外部光源から少なくとも1つのシングルモード参照信号を受信することを含む。
【0024】
前述の実施態様のいずれかによる実施態様においては、少なくとも1つのシングルモード参照信号を取得することは、少なくとも1つのシングルモード伝送入力部で受信されたシングルモード光から少なくとも1つのシングルモード参照信号を作り出すことを含む。
【0025】
本明細書において記載されるシステム、装置、および方法の特徴は、本明細書において記載される実施態様に従って、さまざまな組合せで使用し得る。特に、上記の特徴のいずれも、任意の組合せで一緒に使用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
ここで、添付の図面を参照する。
【
図1】
図1は、例示的なマルチモード干渉装置の概略図である。
【
図2】
図2Aおよび2Bは、例示的なフォトニックランタンを例示する。
【
図3】
図3は、マルチモード干渉装置の第1の例示的な実施態様である。
【
図4】
図4は、マルチモード干渉装置の第2の例示的な実施態様である。
【
図5】
図5は、マルチモード干渉装置の第3の例示的な実施態様である。
【
図6】
図6は、マルチモード干渉装置の第4の例示的な実施態様である。
【
図7】
図7は、
図2A、2Bのフォトニックランタンを用いたイメージング設定の例示的な実施態様である。
【
図8】
図8は、LP
01(上)およびLP
11+(下)を示す少数モードファイバーの遠距離場強度プロファイルを例示する。
【
図9】
図9は、LP
01およびLP
11+の理論的および実験的結合効率のグラフ表示である。
【
図11】
図11は、マルチモード干渉を実施する方法のフローチャートである。 添付の図面全体を通して、同様の特徴は同様の参照番号によって識別されることが留意されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
本明細書においては、マルチモード干渉装置およびそれを操作する方法を記載する。この装置は、参照モードとマルチモード出力部の任意のモードとの間の干渉パターンを検出するために構成されている。この装置は、光干渉断層撮影(OCT)、分光法、顕微鏡法、超解像イメージング(すなわち回折限界を破るイメージング)、適応光学イメージング、光検出および測距(LIDAR)センシング、並びに他の光ベースのイメージング技術用のイメージングシステムなどの、イメージングシステムに統合または結合し得る。イメージングシステムは、コヒーレント光または非コヒーレント光用であり得る。いくつかの実施態様においては、マルチモード干渉装置は、BRight field And Dark field(BRAD)OCT用に使用される。
【0028】
図1は、マルチモード干渉装置100の例示的な実施態様を例示する。導波路102は、それぞれレーザーなどの光源に接続可能な複数のシングルモード伝送入力部(E
0、E
1、E
2、…、N
E)を含む。使用において、シングルモード伝送入力部(E
0、E
1、E
2、…、N
E)は、シングルモードファイバー(SMF)に接続し得る。
【0029】
マルチモード出力部は、導波路102からサンプルに光を放射し、サンプルから反射された光を収集する。光学イメージングシステムを、装置100のマルチモード出力部とサンプルとの間に提供し得ることに、留意されたい。複数のモード(M0、M1、M2)が、マルチモード出力部において伝搬され得る。いくつかの実施態様においては、マルチモード出力部は、光を放射し収集するためにイメージングシステムのイメージングヘッドに結合し得る、少数モードファイバー(FMF)に接続する。
【0030】
複数のシングルモード参照入力部(R0、R1、R2、…、NR)は、マルチモード出力部において伝搬するモードとの干渉を作り出すために使用し得る。複数のシングルモード出力部(S0、S1、S2、…、NS)はそれぞれ、干渉を検出するための光検出器に接続可能である。いくつかの実施態様においては、シングルモード出力部の数は、シングルモード伝送入力部の数およびシングルモード参照入力部の数に対応する。あるいは、シングルモード出力部の数は、シングルモード伝送入力部の数および/またはシングルモード参照入力部の数とは異なり得る。
【0031】
装置100は、複数の参照モードを(制御された相対位相と)同時に使用することを可能にし、例えば超解像イメージングを実施するために、出力部でモードのさまざまな組合せを可能にする。干渉装置は、通常、放射および収集のシングルモードに基づいている。しかしながら、装置100は、それぞれの個々の干渉パターンへの何らの重要な影響なしに、複数のモードで並行して干渉法を実施するために使用し得る。有用な情報を、伝搬モードの干渉パターンを別々におよび独立して分離し測定することによって、マルチモード出力部の最初の伝搬モードを使用して、取得し得る。
【0032】
導波路102は、少なくとも1つのフォトニックランタンを含む。フォトニックランタンは、いくつかのシングルモード導波路を1つのマルチモード導波路に断熱的に併合する非結合ファイバーカプラーであると理解される。フォトニックランタンは、クロストークをほとんどまたは全く有さず、モード制御にとって理想的である。それは、シングルモードとマルチモードとの間の低損失インターフェースを広い帯域幅(例えば≧100nm)について提供し、モード伝搬上の並列測定および制御を可能にする。
【0033】
フォトニックランタン200の例示的な実施態様を、
図2Aおよび
図2Bに例示する。2つの融合SMFからなるアクロマティック2対1光学部品を、示す。
図2Aにおいて、フォトニックランタン200は、上部ファイバーの基本モード(入力部202)をFMFのLP
01モード(出力部206)に変換する。
図2Bにおいて、フォトニックランタン200は、下部ファイバーの基本モード(入力部204)をFMFのLP
11+モード(出力部206)に変換する。フォトニックランタン200はすなわち、シングルモード入力部202、204の所与の1つを使用して、マルチモード出力部206における所与の伝搬モードを励起することによって、マルチプレクサとして作動する。フォトニックランタン200はまた、光がマルチモード出力部206で収集され、対応するシングルモード入力部202、204が励起されるとき、逆方向のデマルチプレクサとしても作動する。
【0034】
図2A、2Bの例についての作動の原理は、数学的に以下のように定義し得る。
【0035】
【0036】
【0037】
i番目のシングルモードファイバーの基本モード、すなわち
図2Aおよび2Bの例における入力部202および204を表す。|LP
i>状態は、マルチモード構造のi番目の解、すなわち
図2Aおよび2Bの例における出力部206を表す。複素係数α
iは、
【0038】
【0039】
|LPi>状態との間のベース変更を特徴付ける。換言すると、1対1のマッピングを、シングルモードファイバーベースとマルチモードファイバーベースとの間で実施する。
【0040】
図2A、2Bの例は単に例示目的のためであり、さまざまな他の実施形態がフォトニックランタン200について使用し得ることが理解されるであろう。いくつかの実施態様においては、フォトニックランタンは、国際特許出願公開第WO2019/148276号に記載されている実施態様を使用して実行する。一般に、いくつかのシングルモード導波路を1つのマルチモード導波路に断熱的に併合し、マルチモード干渉装置100の所望の特性に従って設計される任意の非結合ファイバーカプラー(すなわちヌルカプラー)を、使用し得る。
【0041】
マルチモード干渉装置100は、さまざまな方法で実行し得る。第1の例示的な実施態様を、
図3に示す。この例においては、シングルモード出力部(S
0、S
1、S
2、…、N
S)の数は、シングルモード伝送入力部(E
0、E
1、E
2、…、N
E)の数およびシングルモード参照入力部(R
0、R
1、R
2、…、N
R)の数に対応し、すなわちN
E=N
R=N
S=Nである。フォトニックランタン200およびN個の電力分割カプラー300を使用して、シングルモード伝送入力部、シングルモード参照入力部、シングルモード出力部、およびマルチモード出力部を相互接続する。入力信号E
iは、電力分割カプラー300によって2つの信号に分離され、フォトニックランタン200を介してマルチモード出力部のモードM
iに結合される。フォトニックランタン200は、N個のシングルモード入力部からN個のモードを有するマルチモード出力部への変換を実施する。
【0042】
図3の実施態様は、例えば、マルチモードOCTイメージングシステムを設計するために使用し得る。そうするために、電力分割カプラー300およびフォトニックランタン200は、波長とは独立しているべきである。理想的な波長とは独立したランタンは、各波長について同じ1対1のマッピングを産生する。これは、ランタンが各波長について断熱的であり、およびシングルモードベースおよびマルチモードベースもまた各波長について同じであることを意味する。
【0043】
本明細書において使用する場合、直線偏光モードは、{SLPlm}として示される。導波路102が円筒の対称性を有するとき、使用される表記法は、{LPlm}である。装置100をOCTにおいて実行するために、各入力部Eiの信号は、フォトニックランタン200までLP01モードで伝搬され、そこで、それは、サンプルと相互作用する前にSLP01に変換される。Miモードはすなわち、マルチモード出力部でSLPモードのベースとして作動する。
【0044】
反射光がマルチモード出力部で収集されるとき、フォトニックランタン200は、SLPベースからLPベースに向かって再変換する。i番目のカプラー300は、Riからの信号を、フォトニックランタン200によって戻されたモードMiから来る信号と結合させる。干渉パターンは、出力部Siで検出される。
【0045】
図4を参照すると、別の実施態様が、マルチモード干渉装置100について提供される。この例においては、2N
E=2N
R=N
S=2Nである。換言すると、シングルモード出力部(S
0、S
1、S
2、…、N
S)の半分のシングルモード伝送入力部(E
0、E
1、E
2、…、N
E)およびシングルモード参照入力部(R
0、R
1、R
2、…、N
R)がある。N個の光サーキュレーター402およびN個の電力分割カプラー404が、この実行において使用される。光サーキュレーター402は、波長とは独立しており、シングルモード伝送入力部E
iと電力分割カプラー404との間に接続される。電力分割カプラー404は、シングルモード参照入力部R
i、光サーキュレーター402、および1対のシングルモード出力部S
iの間に接続される。フォトニックランタン200は、
図3の実施態様に関して説明したのと同じ方法で使用する。2N個あるシングルモード出力部は、N個の対にグループ化され、各対は、2つの干渉パターン信号を有する。
【0046】
図5を参照すると、さらに別の実施態様が、マルチモード干渉装置100について提供される。この例においては、N
E=1;N
R=N
S=Nである。換言すると、1つのシングルモード伝送入力部(E
0、E
1、E
2、…、N
E)、N個のシングルモード参照入力部(R
0、R
1、R
2、…、N
R)、およびN個のシングルモード出力部(S
0、S
1、S
2、…、N
S)が提供される。全ての参照信号R
iは、入力部E
0で提供される単一の入力源から作り出される。より一般的には、反射回路を、干渉パターンを作り出すために、シングルモード参照入力部に接続し得る。反射回路は、例えば、ミラー、およびエネルギービーム内の光子または他の粒子のエネルギーを吸収するための1つ以上の装置(すなわちビームダンプ、ビームブロック、ビームストップ、またはビームトラップ)を含み得る。
【0047】
マルチモード出力部で放射され、サンプル上で反射される光は、モードM0のみであるが、一方で、マルチモード出力部で収集される光は、サンプル上の光の反射によってどのモードが誘導されるかに依存して、モードMiのいずれか1つであり得る。ソースは、サンプル上の光の反射によって誘導されるモードMi間の干渉を引き起こすために、シングルモード伝送入力部Eiの他のものに移動され、すなわち結合マトリックスを作り出し得る。そのようなマトリックスは、モードMiとマルチモード構造との間のサンプルによって誘導される結合を特徴付ける複素係数を有する。OCTイメージングにおいては、レンズおよびミラーの配列を、装置100とサンプルとの間に挿入し得る。
【0048】
図6を参照すると、別の実施態様が、マルチモード干渉装置100について提供される。この例においては、N
E=1;N
R=1;N
S=4である。換言すると、1つのシングルモード伝送入力部(E
0、E
1、E
2、…、N
E)、1つのシングルモード参照入力部(R
0、R
1、R
2、…、N
R)、および4つのシングルモード出力部(S
0、S
1、S
2、…、N
S)が提供される。この実施態様は、モードの線形結合を使用した投光および集光の一例である。例えば、モードM
0およびM
1は、マルチモード出力部で線形に結合されている。この組合せの振幅係数は、導波路102内部の電力分割カプラー604の特性に依存しており、組合せの位相係数は、入力部と出力部との間の光路の長さに依存している。光サーキュレーター602もまた、電力分割カプラー604に加えて、この配列において使用される。この実行の特定の詳細は、装置100の作動の基本原理を例示するために、簡略化のために省略されていることに留意されたい。
【0049】
図6の実施態様は、超解像OCTイメージング、すなわち解像度限界がイメージングモード(この場合においてはM
0)の回折によって課せられる従来の限界よりも低いOCTイメージングを実施するために使用し得る。
【0050】
図3~6に例示する例は特定の非限定的な実施態様であり、多くの他の変形を使用し得ることが、理解されるであろう。例えば、いくつかの実施態様においては、シングルモード参照入力部は、共通のグローバル位相を有すると考え得る。さらに、シングルモード参照入力部(R
0、R
1、R
2、…、N
R)は、
図6の例において示すように、レーザーなどの外部ソース、または内部ソースを使用して生成し得る。
【0051】
マルチモード干渉装置100は、複数の利用可能なモードから選択されるモードを使用して、所望の照明を提供するために使用し得る。モードの線形結合は、ユーザーによって選択されるように、励起し得る。線形結合は次いで、サンプルを励起するためにイメージングシステムへの入力部として提供し得る。これは、例えば、超解像イメージングにおいて、行われる。サンプルから収集されたマルチモード出力部を通して戻される各モードの位相および振幅を、決定し得る。
【0052】
光は、複数のシングルモード構造からマルチモード構造に伝搬され、すなわち、多種多様の干渉パターンを作り出しおよび検出することを可能にする。装置100内に見出される光回路は、各モードについて(放射および検出について)独立して適合させ得る。検出は、いかなる追加の遅延または情報の損失も引き起こすことなく、任意の選択したモード上で並行して起こり得る。
【0053】
励起モードと収集モードとの間の結合は、並行して測定し得る。結合係数は、サンプルに関する情報を提供し得る。コヒーレント光に基づくイメージングシステムにおいて使用するとき、放射モードと収集モードとの間のサンプルによって誘導される結合を、測定し得る。この結合は、体積画像におけるコントラストのソースとして、またはサンプルの拡散特性に関する情報を取得するために使用し得る。
【0054】
いくつかの実施態様においては、装置100の入力部および出力部は、レーザ源、光ファイバー、光検出器などの標準的な光学機器と完全に互換性がある。
【0055】
試験目的のために、
図2A、2Bに例示するフォトニックランタン200を、
図7に示すように、イメージング設定に組み込んだ。2つの市販のスペクトルドメインOCT源/検出器システム702A、702Bを、使用した(λ
0=930nm、Δλ≒110nm)。フォトニックランタン200は、アクロマティックファイバーカプラー704を介してシステム702A、702Bに接続した。さまざまな光学部品から構成されるサンプル回路706は、観察中のサンプルを表す。2つの個々の参照アームから構成される参照回路708は、設定700の2つの伝搬モードのそれぞれの1つについて分散を補償するように設計されている。
【0056】
対物レンズの焦点距離に位置する場合、レンズを通してSMFを用いて行う照明は、サンプル上で基本(かつ唯一の)伝搬モード(LP01と指定される)をもたらす。逆に、同一の光学スキームを用いて光を収集することは、サンプルからファイバーチップ中に戻る光の投射につながる。集光ファイバーを通して伝搬する光のみが検出されるため、SMF中に結合するサンプルによって散乱される光、すなわちLP01モードのみが検出されると言い得る。光の残りは、ファイバーのクラッドモードに結合し、それは次いで、伝搬の最初の数センチメートル中で失われる。任意の2つの直線偏光モードの強度結合効率は、
【0057】
【0058】
として定義し得る。
ここで、|Ψ>は、サンプル内部の散乱体から来る入射光の状態を表し、|Φl,m>は、ファイバーのLPl,mモードを表す。少数モードファイバーの各モードの相対強度を測定することは、サンプルから戻る光の散乱位相関数の正射影を測定することと等しい。十分なモードが与えられ、照明モードの知識があれば、後方散乱光の位相関数を、推測し得る。
【0059】
球状誘電体については、ミー散乱理論は、散乱効率および位相関数がα=πd/λとして定義されるサイズパラメータに依存することを予測し、ここで、dは、球状散乱体の直径であり、λは、入射光の波長である。散乱位相関数における変動はさまざまなモードの結合効率に影響を与えるため、これらの結合の比を測定することは、理論的には、光学システムの解像度限界よりはるかに低い情報である、散乱体の形状を推測することを可能にするであろう。このモード依存の結合効率の効率的な測定はすなわち、
図2A、2Bに例示される、全ファイバーのモーダル固有フォトニックランタン(MSPL)を使用して実施し得る。
【0060】
図8は、設定700を使用して得られたフォトニックランタン200のモーダル多重化の特異性を示し、ここで、FMFの2つのモードのそれぞれは、個別に励起されている。逆多重化スキームの検証は、サンプルの代わりに傾斜ミラーを使用して実施し、LP
01モードを用いて照明しながら傾斜角(θ)のモード結合効率関数を測定した。ミラーの傾きは、傾き軸に沿った、投影されたLP
01モードの位相シフトをもたらし、これは、該モードをLP
11+と結合させる。式(1)を使用して、結合効率は、
【0061】
【0062】
として記載し得る。
OCT Aラインから、およびパーセバルの定理(フーリエ変換がユニタリーであることを主張する)を使用して、各傾斜角について収集された帯域幅の総強度は、OCTの干渉信号のフーリエ変換から推測し得る。
【0063】
図9は、2つのモード間の理論的および実験的結合を示す。理論と実験との間の一致は、装置が理論に従って伝搬モードを逆多重化することを示す。
【0064】
図10A~10Hは、
図7の設定700を使用して取得したOCT画像を示す。
図10A~10Dは、照明についてLP
01モードを、収集についてLP
01モードを使用して取得し、正面(
図10A)、B-スキャン(
図10B)、分散(
図10C)、並びに標準サイズおよび分散(
図10C)図に対応する。
図10E~10Hは、照明についてLP
01モードを、収集についてLP
11+モードを使用して取得し、正面(
図10E)、B-スキャン(
図10F)、分散(
図10G)、並びに標準サイズおよび分散(
図10H)図に対応する。サンプルは、赤外透過ポリジメチルシロキサン(PDMS)およびTiO
2マイクロ-ビーズで構成された光学ファントムであった。矢印1002は、より強いLP
01コントラストを強調し、一方で、矢印1004は、より強いLP
11+コントラストを強調する。これらの画像は、フォトニックランタン200に基づく全ファイバーシステムを使用して、FMFの最初の2つのモードから収集した光間の目に見えるコントラストを実証する。粒子の形状に基づくこのコントラストは、追加情報を推測することを可能にし、該追加情報は、イメージング解像度より低く、さもなければアクセスできない。|LP
i>における照明または収集モードの他の順列もまた使用し得、広い範囲の可能な用途につながり得る。
【0065】
図2A、2Bのフォトニックランタン200は、2つのモードを有するが、より多くのモードを提供し得ることが理解されるであろう。より多くのコントラストチャネルに加えて、より多くのモードはまた、筋細胞などの円筒状の形状の細胞について予想される、指向性散乱に関するより多くの情報を提供し得る。いくつかの実施態様においては、フォトニックランタン200を使用して、非基本モードを用いる照明に対するサンプルの応答を研究するために、個々のモードを励起し得る。
【0066】
上記に従って、
図11のフローチャートに例示されるように、マルチモード干渉法を実施する方法を本明細書において記載する。工程1102で、シングルモード光は、装置100などのマルチモード干渉装置の1つ以上の複数のシングルモード伝送入力部で受信される。装置の特性に依存して、シングルモード光は、単一の入力部(
図5および6の例を参照)または複数の入力部(
図3および4の例を参照)で受信され得る。光は、1つ以上の光源を使用して、装置中に結合され得る。
【0067】
工程1104で、シングルモード光は、マルチモード光に変換され、装置のマルチモード出力部で出力される。1つ以上のフォトニックランタン、例えばフォトニックランタン200を、この変換について使用し得る。光が複数のシングルモード伝送入力部で受信されるとき、各入力部のシングルモード光は、マルチモード光に変換され得る。フォトニックランタンは、シングルモード光をマルチモード出力に多重化する。
【0068】
工程1106で、反射されたマルチモード光は、マルチモード出力部で収集される。反射されたマルチモード光は、例えば、生物学的サンプルから反射され得る。いくつかの実施態様においては、反射されたマルチモード光は、例えばイメージングシステムから、1つ以上の追加の光学部品を通して受信される。
【0069】
工程1108で、反射されたマルチモード光は、反射されたシングルモード光に変換される。1つ以上のフォトニックランタンを、この変換について使用し得る。フォトニックランタンは、反射されたマルチモード光を反射されたシングルモード光に逆多重化する。
【0070】
工程1110で、少なくとも1つのシングルモード参照信号が、1つ以上のシングルモード参照入力部で取得される。いくつかの実施態様においては、シングルモード参照信号(複数可)は、1つ以上の外部光源から受信される。いくつかの実施態様においては、シングルモード参照信号(複数可)は、1つ以上のシングルモード伝送入力部で受信されたシングルモード光から作り出される。
【0071】
工程1112で、干渉パターンが、シングルモード反射光とシングルモード参照信号(複数可)との間で生成される。工程1114で、干渉パターンは、装置の1つ以上のシングルモード出力部で検出される。
【0072】
図11の方法は、本明細書において説明するマルチモード干渉装置100の実施態様の全てに適用可能である。いくつかの実施態様においては、該方法は、イメージングシステム、例えばOCTイメージングまたは超解像イメージングのコンテキスト内で実施される。他の実施態様もまた、適用し得る。
【0073】
上記の説明は、例示のみを意図しており、当業者は、開示された本発明の範囲から逸脱することなく、説明された実施態様に変更がなされ得ることを理解するであろう。例えば、工程1110は、反射されたマルチモード光が収集され反射されたシングルモード光に変換された後だけでなく、該方法中の任意の時点で実施し得る。他の変形もまた、
図11の方法の工程の順序に対してなされ得る。本発明の範囲内に入るさらに他の修正は、この開示の再検討を踏まえて、当業者には明らかであろう。
【0074】
本明細書において記載されるシステムおよび方法のさまざまな態様は、単独で、組み合わせて、または上記において説明される実施態様において具体的に論じられていないさまざまな配置で使用し得、従って、その適用において前述の説明において記載する若しくは図面において例示する詳細および構成要素の配置に限定されない。例えば、一つの実施態様において説明される態様は、他の実施態様において説明される態様と任意の方法で組み合わせ得る。特定の実施態様を示し、説明してきたが、当業者には、本発明から逸脱することなく、そのより広い態様において変更および修正がなされ得ることが明らかであろう。以下の特許請求の範囲は、実施例において記載される実施態様によって限定されるべきではなく、全体として説明と一致する最も広い合理的な解釈を与えられるべきである。
【国際調査報告】