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特表2023-512368アレイ基板、調光液晶パネル及びディスプレイパネル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】アレイ基板、調光液晶パネル及びディスプレイパネル
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20230317BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20230317BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20230317BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/13 505
G02F1/1347
G02F1/1368
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568021
(86)(22)【出願日】2019-11-28
(85)【翻訳文提出日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 CN2019121437
(87)【国際公開番号】W WO2021102769
(87)【国際公開日】2021-06-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】521495840
【氏名又は名称】合肥京▲東▼方▲顯▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】杜 悦
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 云天
(72)【発明者】
【氏名】江 ▲亮▼▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 磊
(72)【発明者】
【氏名】戴 珂
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 家▲慶▼
【テーマコード(参考)】
2H088
2H092
2H189
2H192
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088FA16
2H088HA02
2H088HA28
2H088JA11
2H088MA02
2H092GA13
2H092GA21
2H092GA26
2H092HA03
2H092JA24
2H092JB04
2H092JB05
2H092JB23
2H092JB32
2H092QA06
2H189AA22
2H189JA14
2H189LA10
2H189LA20
2H192AA24
2H192BB13
2H192BB53
2H192BB73
2H192CC15
2H192CC55
2H192JA32
2H192JB12
(57)【要約】
本開示は、アレイ基板、調光液晶パネル及びディスプレイパネルを提供する。アレイ基板は、複数のスリット構造を有する第1透明電極層と、行方向に沿って延在する複数本のゲート線と、列方向に沿って延在する複数本のデータ線とを含み、第1透明電極層は、面積が等しい複数のドメインを含み、前記複数のドメインは、モザイク状に配置される少なくとも2種類のドメインを含み、同じ種類の前記ドメインに位置する前記スリット構造の延在方向が同じであり、異なる種類の前記ドメインに位置する前記スリット構造の延在方向が異なる。前記複数本のゲート線と前記複数本のデータ線とが交差して、アレイ状に配置される複数の調光領域を画定し、各々の前記調光領域が前記第1透明電極層の少なくとも2種類のドメインと重複する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板であって、
複数のスリット構造を有する第1透明電極層と、行方向に沿って延在する複数本のゲート線と、列方向に沿って延在する複数本のデータ線とを含み
第1透明電極層は、面積が等しい複数のドメインを含み、前記複数のドメインは、モザイク状に配置される少なくとも2種類のドメインを含み、同じ種類の前記ドメインに位置する前記スリット構造の延在方向が同じであり、異なる種類の前記ドメインに位置する前記スリット構造の延在方向が異なり、
前記複数本のゲート線と前記複数本のデータ線とが交差して、アレイ状に配置される複数の調光領域を画定し、各々の前記調光領域が前記第1透明電極層の少なくとも2種類の前記ドメインと重複する、アレイ基板。
【請求項2】
前記ドメインの面積と前記調光領域の面積との比は、1/16以上であり、且つ1/2以下である、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記ゲート線は、行方向に沿って波状の折れ線で延在しており、周期的に配列される複数の第1折れ線ユニットを含み、前記第1折れ線ユニットは、列方向を対称軸として対称的に設けられる2つの第1直線部を含み、
前記データ線は、列方向に沿って波状の折れ線で延在しており、周期的に配列される複数の第2折れ線ユニットを含み、前記第2折れ線ユニットは、中心対称的な第1サブ部分と第2サブ部分とを含み、前記第1サブ部分と前記第2サブ部分は、いずれも、行方向を対称軸として対称的に設けられる2つの第2直線部を含み、
前記アレイ基板は、隣り合う2本の前記データ線間に位置する共通電極線をさらに含み、前記共通電極線は、列方向に沿って波状の折れ線で延在しており、周期的に配列される複数の第3折れ線ユニットを含み、前記第3折れ線ユニットは、中心対称的な第3サブ部分と第4サブ部分とを含み、前記第3サブ部分と前記第4サブ部分は、いずれも、行方向を対称軸として対称的に設けられる2つの第3直線部を含む、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記共通電極線の形状は、前記データ線の形状と概して列方向に対して対称的であり、又は、前記共通電極線の形状は、前記データ線の形状とほぼ同じである、請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記アレイ基板に垂直な方向において、前記第1折れ線ユニットの端点は、前記第2折れ線ユニットの端点又は中点と重なり、前記第1折れ線ユニットの中点は、前記第3折れ線ユニットの端点又は中点と重なる、請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記アレイ基板に垂直な方向において、同じ種類の前記ドメインに位置する前記第2直線部と前記第3直線部の延在方向は、前記スリット構造の延在方向と同じである、請求項5に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記スリット構造と列方向とがなす鋭角夾角の範囲は、7°以上であり、且つ11°以下である、請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記複数のドメインの形状サイズは、同一であり且ついずれも二等辺三角形であり、前記複数のドメインは、2種類のドメインを含む、請求項3~7のいずれかに記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記アレイ基板に垂直な方向において、各々の前記第1直線部は、2つの前記二等辺三角形の同側に位置する等辺とほぼ重なり、
前記第2折れ線ユニット及び前記第3折れ線ユニットの列方向での正投影は、前記二等辺三角形の高さの4倍にほぼ等しい、請求項8に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記第1透明電極層は、複数の乾式電極と、各々の前記乾式電極の両側で前記乾式電極に接続される複数の枝電極とを含み、
各々の前記乾式電極は、隣り合う2つの異なる種類の前記ドメインのスリット構造の間に位置し、
1つの前記ドメイン内において、前記枝電極の延在方向は、前記スリット構造の延在方向と同じであり、隣り合う前記枝電極は、前記スリット構造によって間隔を空けられており、
少なくとも1つの前記乾式電極は、行方向に沿って延在している、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記ゲート線と前記データ線との交差点に設けられ且つそれぞれ前記ゲート線と前記データ線に接続される薄膜トランジスタをさらに含み、
行方向に沿って配列される前記薄膜トランジスタは、それらのそれぞれに隣接する前記データ線の同側に設けられ、
列方向に沿って配列される前記薄膜トランジスタは、それらに隣接する前記データ線の両側に設けられる、請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記アレイ基板に垂直な方向において、各前記薄膜トランジスタは、同じ種類の前記ドメイン内に位置する、請求項11に記載のアレイ基板。
【請求項13】
第1透明電極層絶縁と間隔を置いて設けられる第2透明電極層をさらに含み、前記第2透明電極層は、前記第1透明電極層と、液晶分子を偏向制御させるフリンジ電界を形成するように構成されている、請求項11に記載のアレイ基板。
【請求項14】
請求項1~13のいずれかに記載のアレイ基板と、前記アレイ基板と間隔を置いて設けられる対向基板と、記アレイ基板と前記対向基板との間に位置する液晶層とを含む、調光液晶パネル。
【請求項15】
請求項14に記載の調光液晶パネルと、前記調光液晶パネルの一側に位置する表示液晶パネルとを含む、ディスプレイパネル。
【請求項16】
前記第1透明電極層は、複数の乾式電極と、各々の前記乾式電極の両側で前記乾式電極に接続される複数の枝電極とを含み、
各々の前記乾式電極は、隣り合う2つの異なる種類の前記ドメインのスリット構造の間に位置し、
1つの前記ドメイン内において、前記枝電極の延在方向は、前記スリット構造の延在方向と同じであり、隣り合う前記枝電極は、前記スリット構造によって間隔を空けられており、
少なくとも1つの前記乾式電極は、行方向に沿って延在しており、且つ行方向に沿って延在する前記乾式電極の線幅が前記表示液晶パネルのゲート線の線幅未満であり、前記表示液晶パネルに垂直な方向において、行方向に沿って延在する前記乾式電極は、前記表示液晶パネルのゲート線と少なくとも部分的に重なる、請求項15に記載のディスプレイパネル。
【請求項17】
前記表示液晶パネルに垂直な方向において、行方向に沿って延在する前記乾式電極は、前記表示液晶パネルのゲート線のエッジの内側に位置する、請求項16に記載のディスプレイパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術分野に関し、特にアレイ基板、調光液晶パネル及びディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネル表示装置において、液晶表示装置は、サイズが小さく、消費電力が少なく、製造コストが比較的低く、放射がないなどの特徴を有するため、製品市場で支配的な位置を占めている。如何に液晶表示装置の表示品質を向上させて、ユーザーによりよい視聴体験をもたらすかは、当業者にとって常に重要な研究の方向性である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施例の一態様によれば、アレイ基板が提供され、アレイ基板は、複数のスリット構造を有する第1透明電極層と、行方向に沿って延在する複数本のゲート線と、列方向に沿って延在する複数本のデータ線とを含み
第1透明電極層は、面積が等しい複数のドメインを含み、前記複数のドメインは、モザイク状に配置される少なくとも2種類のドメインを含み、同じ種類の前記ドメインに位置する前記スリット構造の延在方向が同じであり、異なる種類の前記ドメインに位置する前記スリット構造の延在方向が異なり、
前記複数本のゲート線と前記複数本のデータ線とが交差して、アレイ状に配置される複数の調光領域を画定し、各々の前記調光領域が前記第1透明電極層の少なくとも2種類の前記ドメインと重複する。
【0004】
いくつかの実施例では、前記ドメインの面積と前記調光領域の面積との比は、1/16以上であり、且つ1/2以下である。
【0005】
いくつかの実施例では、前記ゲート線は、行方向に沿って波状の折れ線で延在しており、周期的に配列される複数の第1折れ線ユニットを含み、前記第1折れ線ユニットは、列方向を対称軸として対称的に設けられる2つの第1直線部を含み、
前記データ線は、列方向に沿って波状の折れ線で延在しており、周期的に配列される複数の第2折れ線ユニットを含み、前記第2折れ線ユニットは、中心対称的な第1サブ部分と第2サブ部分とを含み、前記第1サブ部分と前記第2サブ部分は、いずれも、行方向を対称軸として対称的に設けられる2つの第2直線部を含み、
前記アレイ基板は、隣り合う2本の前記データ線間に位置する共通電極線をさらに含み、前記共通電極線は、列方向に沿って波状の折れ線で延在しており、周期的に配列される複数の第3折れ線ユニットを含み、前記第3折れ線ユニットは、中心対称的な第3サブ部分と第4サブ部分とを含み、前記第3サブ部分と前記第4サブ部分は、いずれも、行方向を対称軸として対称的に設けられる2つの第3直線部を含む。
【0006】
いくつかの実施例では、前記共通電極線の形状は、前記データ線の形状と概して列方向に対して対称的であり、又は、前記共通電極線の形状は、前記データ線の形状とほぼ同じである、請求項3に記載のアレイ基板。
【0007】
いくつかの実施例では、前記アレイ基板に垂直な方向において、前記第1折れ線ユニットの端点は、前記第2折れ線ユニットの端点又は中点と重なり、前記第1折れ線ユニットの中点は、前記第3折れ線ユニットの端点又は中点と重なる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記アレイ基板に垂直な方向において、同じ種類の前記ドメインに位置する前記第2直線部と前記第3直線部の延在方向は、前記スリット構造の延在方向と同じである。
【0009】
いくつかの実施例では、前記スリット構造と列方向とがなす鋭角夾角の範囲は、7°以上であり、且つ11°以下である。
【0010】
いくつかの実施例では、前記複数のドメインの形状サイズは、同一であり且ついずれも二等辺三角形であり、前記複数のドメインは、2種類のドメインを含む。
【0011】
いくつかの実施例では、前記アレイ基板に垂直な方向において、各々の前記第1直線部は、2つの前記二等辺三角形の同側に位置する等辺とほぼ重なり、
前記第2折れ線ユニット及び前記第3折れ線ユニットの列方向での正投影は、前記二等辺三角形の高さの4倍にほぼ等しい。
【0012】
いくつかの実施例では、前記第1透明電極層は、複数の乾式電極と、各々の前記乾式電極の両側で前記乾式電極に接続される複数の枝電極とを含み、各々の前記乾式電極は、隣り合う2つの異なる種類の前記ドメインのスリット構造の間に位置し、1つの前記ドメイン内において、前記枝電極の延在方向は、前記スリット構造の延在方向と同じであり、隣り合う前記枝電極は、前記スリット構造によって間隔を空けられており、少なくとも1つの前記乾式電極は、行方向に沿って延在している。
【0013】
いくつかの実施例では、前記アレイ基板は、前記ゲート線と前記データ線との交差点に設けられ且つそれぞれ前記ゲート線と前記データ線に接続される薄膜トランジスタをさらに含み、
行方向に沿って配列される前記薄膜トランジスタは、それらのそれぞれに隣接する前記データ線の同側に設けられ、
列方向に沿って配列される前記薄膜トランジスタは、それらに隣接する前記データ線の両側に設けられる。
【0014】
いくつかの実施例では、前記アレイ基板に垂直な方向において、各前記薄膜トランジスタは、同じ種類の前記ドメイン内に位置する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記アレイ基板は、前記第1透明電極層絶縁と間隔を置いて設けられる第2透明電極層をさらに含み、前記第2透明電極層は、前記第1透明電極層と、液晶分子を偏向制御させるフリンジ電界を形成するように構成されている。
【0016】
本開示の実施例の一態様によれば、前述技術的解決手段のいずれかに記載のアレイ基板と、前記アレイ基板と間隔を置いて設けられる対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に位置する液晶層とを含む、調光液晶パネルが提供される。
【0017】
本開示の実施例の他の態様によれば、前述技術的解決手段に記載の調光液晶パネルと、前記調光液晶パネルの一側に位置する表示液晶パネルとを含む、ディスプレイパネルが提供される。
【0018】
いくつかの実施例では、前記第1透明電極層は、複数の乾式電極と、各々の前記乾式電極の両側で前記乾式電極に接続される複数の枝電極とを含み、各々の前記乾式電極は、隣り合う2つの異なる種類の前記ドメインのスリット構造の間に位置する。1つの前記ドメイン内において、前記枝電極の延在方向は、前記スリット構造の延在方向と同じであり、隣り合う前記枝電極は、前記スリット構造によって間隔を空けられている。少なくとも1つの前記乾式電極は、行方向に沿って延在しており、且つ行方向に沿って延在する前記乾式電極の線幅が前記表示液晶パネルのゲート線の線幅未満であり、前記表示液晶パネルに垂直な方向において、行方向に沿って延在する前記乾式電極が前記表示液晶パネルのゲート線と少なくとも部分的に重なる。
【0019】
いくつかの実施例では、前記表示液晶パネルに垂直な方向において、行方向に沿って延在する前記乾式電極は、前記表示液晶パネルのゲート線のエッジの内側に位置する。
【0020】
明細書の一部を構成する図面は、本開示の実施形態を説明し、本明細書とともに、本開示の原理を説明する。
【0021】
図面を参照して、本開示は、以下の詳細な説明に基づいてより明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1a】関連技術でのディスプレイパネルの断面構造の模式図である。
図1b】関連技術での調光液晶パネルのアレイ基板の正面図である。
図2a】本開示の一実施例によるアレイ基板の正面図である。
図2b】本開示の他の実施例によるアレイ基板の正面図である。
図3a】本開示の一実施例によるアレイ基板の調光領域の構造正面図である。
図3b】本開示の一実施例による乾式電極と枝電極の、異なるドメインにおける配置模式図である。
図3c】本開示の一実施例による乾式電極と枝電極の、異なるドメインにおける他の配置模式図である。
図4】本開示の他の実施例によるアレイ基板の正面図である。
図5】本開示の一実施例による調光液晶パネルの断面構造の模式図である。
図6】関連技術での調光液晶パネル、及び、本開示の実施例による調光液晶パネルの画面のシミュレートの局所図である。
図7】本開示の一実施例によるディスプレイパネルの断面構造の模式図である。
【0023】
図面に示されている様々な部品の寸法は、必ずしも実際の比例関係に従って描かれているわけではないことを理解されたい。さらに、同じまたは類似の符号は、同じまたは類似の部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の様々な例示的な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。例示的な実施形態についての説明は単なる例示的なものであり、本開示およびその適用または使用に対するいかなる限定としては決してしない。本開示は、ここに記載された実施形態に限定されず、多くの異なる形態で実施されてもよい。これらの実施形態を提供することは、本開示を理解しやすくかつ完全にし、本開示の範囲を当業者に十分に表現するためのものである。これらの実施形態で説明された部材、ステップの相対配置、材料の成分、数値表現式および数値は、限定としてではなく単なる例示として解釈されるべきであることに留意すべきである。
【0025】
本開示で使用される「第一」、「第二」および類似の用語は、任意の順序、数量または重要性を示さず、異なる部分を区別するためのものに過ぎない。「含む」または「備える」などの類似用語は、この用語の前の要素がこの用語の後に挙げられる要素を含む意味し、他の要素も含む可能性を排除しない。「上」、「下」などは、相対位置関係を表すためのものに過ぎず、記述対象の絶対位置が変化すると、その相対位置関係もそれに応じて変化することがある。
【0026】
本開示では、特定の部材が第1の部材と第2の部材との間に位置していると説明した場合には、その特定の部材と第1の部材または第2の部材との間に、中間部材が存在してもよく、また、中間部材が存在しなくてもよい。特定の部材が他の部材と接続されていると説明した場合、その特定の部材は、前記他の部材と直接接続してもよく、前記他の部材と直接接続しなくてもよいし、前記中間部材を有してもよい。
【0027】
本開示で使用されるすべての用語(技術用語または科学用語を含む)は、特に定義されない限り、本開示の属する分野の当業者が理解する意味と同じである。また、一般的に使用される辞書において定義される用語は、ここで明示的に定義されない限り、それらの関連技術の文脈における意味と一致すると解釈されるべきであり、理想化された意味又は過度に形式的な意味に解釈されないことが更に理解されるだろう。
【0028】
関連分野での当業者に知られている技術、方法、および装置については、詳細に議論しないことがあるが、適切な場合には、前記技術、方法、および装置は、説明書の一部とみなされるべきである。
【0029】
従来、市販の1種の表示装置は、液晶表示装置である。従来の液晶表示装置の構造は、一般的に、液晶ディスプレイパネルと、液晶ディスプレイパネルの入光側に位置するバックライトモジュールとを含む。液晶ディスプレイパネルは、対向して設けられて液晶セルを形成するアレイ基板とフィルター基板と、アレイ基板とフィルター基板との間に位置する液晶と、アレイ基板のフィルター基板から離れる側に位置する第1偏光板と、フィルター基板のアレイ基板から離れる側に位置する第2偏光板とを含み、アレイ基板は、フィルター基板よりもバックライトモジュールに近く、第1偏光板の偏光方向は、第2偏光板の偏光方向に直交する。液晶ディスプレイパネルは、複数の画素手段を含み、各々の画素手段は、色が異なる複数のサブ画素を含む。同一の画素手段のサブ画素が所定の比率で混光することで、画素手段が人の目に見えるカラーを表示することができる。このような従来の液晶表示装置は、自体の構造特徴のため、画面コントラストが悪く、暗状態での黒浮きの技術的欠陥がある。
【0030】
上記の欠陥を改善するために、関連技術は、両画面駆動技術を採用した液晶表示装置を提供する。上記従来の液晶表示装置との主な違いは、図1aに示すように、ディスプレイパネル100’が積層して設けられた調光液晶パネル2’と表示液晶パネル1’を含むことである。表示液晶パネル1’は、上記液晶ディスプレイパネルの構造と作動原理と同様であり、調光液晶パネル2’は、表示液晶パネル1’の入光側に位置し、且つバックライトモジュールの出光側(バックライトモジュールは図示せず、バックライトモジュールの出光は、図における点線矢印で示す)に位置し、アレイ状に配置される複数の調光画素020’を含む。各々の調光画素020’は、1つの調光手段として、表示液晶パネル1’の複数のサブ画素010’の位置に相対し、該調光画素020’を経由して表示液晶パネル1’における対応領域に入射したバックライトの方向と強さを制御するために用いられる。
【0031】
関連技術での液晶表示装置は、表示される画面の異なる領域での階調に応じて、調光液晶パネル2’における対応する調光画素020’の透光性を調整する(すなわち、バックライトが透過できる方向及び/又は強さ)という原理で、画面に対してより微細な領域調光を行うことができる。例えば、画面の輝度が高い領域に対して、調光液晶パネル2’における対応する調光画素020’の光透過率を比較的高く調整し、画面輝度が低い領域に対して、調光液晶パネル2’における対応する調光画素020’の光透過率を比較的低く調整し、画面が黒く表示されている領域に対して、調光液晶パネル2’における対応する調光画素020’の光透過率をほぼゼロに調整する。該当液晶表示装置は、上記の従来の液晶表示装置に比べて、画面の暗状態での黒浮きの欠陥を克服し、コントラストを著しく向上させ、それにより、ユーザーによりよい視聴体験をもたらすことができる。特に、液晶表示装置がHDR(High-Dynamic Range、ハイダイナミックレンジ画像)を表示するとき、領域調光により、画面の輝度範囲が広くなり、低階調移行がより自然で、表示効果がより優れる。
【0032】
図1bに示すように、上記調光液晶パネルのアレイ基板21’は、複数のスリット構造(スリット構造が図には示されていない)を有する共通電極層213’を含み、共通電極層213’は、列方向に沿って交互に配列される2種類のドメイン3a’、3b’を含み、該アレイ基板21’における対応する上記調光画素020’の各々の調光領域20’は、2種類のドメイン3a’、3b’といずれも重複している。このように、上記調光画素020’の液晶分子は、共通電極層と画素電極層(図示せず)で形成された電場の駆動下で、軸対称的な2種の配向を示すことができ、それにより、ディスプレイパネルの水平方向での可視角度が軸対称性を示す。
【0033】
ディスプレイパネルの透過率を向上させ、調光液晶パネルの負荷容量を低減させるために、調光液晶パネルの解像度は通常より低く設計されている。ディスプレイパネルのサイズが大きく設定されており、例えば、65インチ以上のサイズに設計されている場合、各々の調光画素のサイズも大きい。人の目が側面から画面を見ると、同じ調光画素の共通電極層と画素電極層が異なるドメインで形成した電場方向が異なり、従って、液晶の偏向方向も異なり、光に対する屈折効果も異なり、側面から画面を見ると、2種類のドメインの透過率には一定の違いがあるため、人の目が明らかな縞を見え、特に、画面が白色に表示されると、黄と青の縞が交互についており、視聴体験が好ましくない。
【0034】
本開示の実施例は、関連技術における技術的問題を解決するために、アレイ基板、調光液晶パネル及びディスプレイパネルを提供する。
【0035】
本開示の実施例では、調光画素は、調光液晶パネルにおけるものであり、該調光画素を経由して表示液晶パネルにおける対応領域に入射したバックライトの方向と強さを制御するための全体的な構成となっている。調光領域は、アレイ基板におけるものであり、隣り合うゲート線とデータ線とが交差して画定され、調光画素と一対一対応する関係を持ち、アレイ基板の調光領域の構造設計は、調光画素の構造設計の一部である。
【0036】
図2a及び図3aに示すように、本開示の一実施例は、アレイ基板21を提供し、アレイ基板21は、複数のスリット構造2130を有する第1透明電極層213と、行方向に沿って延在する複数本のゲート線211及び列方向に沿って延在する複数本のデータ線212とを含み
該第1透明電極層213は、面積が等しい複数のドメイン3を含み、該複数のドメイン3は、モザイク状に配置される少なくとも2種類のドメイン(図におけるドメイン3a、3bのように、異なる種類のドメインが異なる階調で区別される)を含み、同じ種類のドメインに位置するスリット構造2130の延在方向が同一であるが、異なる種類のドメインに位置するスリット構造2130の延在方向が異なり(図3aにおいて、異なるドメインは点線で境界を示している)、
複数本のゲート線211と複数本のデータ線212とが交差して、アレイ状に配置される複数の調光領域20を画定し、各々の調光領域20が上記の少なくとも2種類のドメインと重複する(すなわち、面積が重なる)。
【0037】
本開示の実施例のアレイ基板21は、調光液晶パネルに適用される。図5に示すように、調光液晶パネル2は、アレイ基板21のほか、アレイ基板21と間隔を置いて設けられる対向基板22と、アレイ基板21と対向基板22との間に位置する液晶層23とをさらに含む。調光液晶パネル2の動作中に、バックライトは、アレイ基板21に入射し、液晶層23を通過して対向基板22から出射する。
【0038】
本開示のいくつかの実施例では、上記の調光液晶パネルは、AD-SDS(ADvanced Super Dimension Switch、先進超次元スイッチ、ADSと略称)モードの液晶パネルである。図3aは、アレイ基板の1つの調光領域の構造を概略的に示す。本開示の実施例によるアレイ基板は、第1透明電極層213のほか、第2透明電極層214をさらに含み、第2透明電極層214は、第1透明電極層213と絶縁されかつ間隔をおいて設けられ、また、第2透明電極層214は、第1透明電極層213よりもアレイ基板の基板(図示せず)に近い。いくつかの実施例では、第2透明電極層214は、画素電極層であってもよく、複数の面状の画素電極を含み、スリット構造2130を有する第1透明電極層213は、共通電極層である。他の実施例では、第2透明電極層は、共通電極層であってもよく、スリット構造を有する第1透明電極層は、画素電極層であり、複数のスリット構造を有する画素電極を含む。
【0039】
図2a及び図3aに示すように、アレイ基板の構造は、ゲート線211とデータ線212との交差点に設けられ且つそれぞれゲート線211及びデータ線212に接続される薄膜トランジスタ215をさらに含み、具体的には、薄膜トランジスタ215のゲートがゲート線211に接続され、薄膜トランジスタ215のソースがデータ線212に接続され、薄膜トランジスタ215のドレインが画素電極に接続される。また、アレイ基板の構造は、共通電圧信号を共通電極層である第1透明電極層213又は第2透明電極層214により均一に伝送するための共通電極線218をさらに含む。該実施例では、共通電極線218は、隣り合う2本のデータ線212間に設けられる。
【0040】
調光液晶パネルの動作中、第1透明電極層213のスリット構造2130のエッジに電場が発生し、第1透明電極層213と第2透明電極層214との間にも電場が発生し、それにより、多次元電場が形成される。該多次元電場は、液晶分子のほとんどを偏向させることができ、それにより、調光液晶パネルの動作効率と透過率を向上させる。
【0041】
図2aに示すように、該実施例では、行方向に沿って配列される薄膜トランジスタ215は、それらのそれぞれに隣接するデータ線212の同側に設けられ、列方向に沿って配列される薄膜トランジスタ215は、それらに隣接するデータ線212の両側に交互に設けられ、データ線212は、交互に両側の画素電極にデータ信号を伝送する。図から分かるように、アレイ基板21に垂直な方向において、各薄膜トランジスタ215は、同じ種類のドメイン3a内に位置し、各薄膜トランジスタ215のドレインは、同じ種類のドメイン内において調光画素の画素電極に接続される。このような駆動設計は、列反転駆動方式(列反転駆動設計において、各薄膜トランジスタのそれぞれは、それに隣接するデータ線の同側に設けられる)に比べて、表示画面のディザリングによる縞を効果的に低減することができる。
【0042】
表示装置の可視視点の対称性を実現するために、通常、調光領域20の構造は、マルチドメイン設計を用いる。図2a及び図3aに示すように、各々の調光領域20は、第1透明電極層213の複数のドメイン3と重複し、且つ少なくとも2種類のドメインと重複し、また、第1透明電極層213の異なる種類のドメインに位置するスリット構造2130の延在方向は、一定の対称性を示している。このように、電場駆動下で、同じ調光画素において、異なる種類のドメインの液晶分子の配向も一定の対称性を示している。
【0043】
本開示の実施例では、第1透明電極層213のドメイン3の分割密度は限定されず、表示製品の具体的な仕様サイズに応じて設計が可能である。いくつかの実施例では、ドメインの面積と調光領域の面積との比は、1/16以上であり、且つ1/2以下である。図2aに示す実施例では、ドメイン3の面積と調光領域20の面積との比はほぼ1/8である。第1透明電極層213に含まれるドメイン3の種類も限定されず、例えば図2aに示すように、2種類のドメイン3a、3bを含んでもよいし、2種類のドメイン又はそれ以上の種類のドメインを含んでもよい。
【0044】
図2aに示す実施例では、該複数のドメイン3の形状サイズは同じであり、いずれも二等辺三角形であり、例えば、正三角形であってもよい。該複数のドメイン3は、モザイク状に配置される2種類のドメイン3a、3bを含む。つまり、非エッジに位置するドメイン3aは、3つのドメイン3bで囲まれており、同様に、非エッジに位置するドメイン3bは、3つのドメイン3aで囲まれている。2種類のドメイン3a、3bがモザイク状に配置されており、異なる種類のドメインが均一に乱れされ、マクロ的には、表示装置の表示画面の縞欠陥を改善することができる。
【0045】
図2a及び図3aに示す実施例では、各々の調光領域20は、合計、第1透明電極層213の10個のドメイン3(図における符号が1~10のドメインを参照)と重複し、各々の調光領域20は、第1透明電極層213の2種類のドメインといずれも重複する。図1bに示す関連技術では、各々の調光領域20’は、透明電極層213’の4つのドメインと重複し、各々の調光領域20’は、透明電極層213’の2種類のドメイン3a’、3b’といずれも重複する。図2aと図1bとを比較することから、本開示の実施例では、調光領域20と重複するドメイン3の数がより多いことがわかり、調光液晶パネルの調光画素の異なる配向の光に対して、より微細な領域分割が行われることに相当し、それにより、均一に混色する効果が得られ、表示装置の表示画面の縞欠陥が効果的に改善される。
【0046】
図2aに示すように、本開示の該実施例では、ゲート線211は、行方向に沿って波状の折れ線で延在しており、周期的に配列される複数の第1折れ線ユニット2110を含み、第1折れ線ユニット2110は、列方向を対称軸として対称的に設けられる2つの第1直線部03を含む。データ線212は、列方向に沿って波状の折れ線で延在しており、周期的に配列される複数の第2折れ線ユニット2120を含み、第2折れ線ユニット2120は、中心対称的な第1サブ部分2120aと第2サブ部分2120bとを含み、第1サブ部分2120aと第2サブ部分2120bは、いずれも、行方向を対称軸として対称的に設けられる2つの第2直線部04を含む。該設計を用いることにより、調光液晶パネルの調光画素の形状と表示液晶パネルのサブ画素の形状(通常、長方形)との違いが大きくなり、それにより、モアレの除去に有利になる。該実施例では、各データ線212の形状が完全に同じであり、隣り合うデータ線212の間に共通電極線218が設けられ、共通電極線218は、列方向に沿って波状の折れ線で延在しており、周期的に配列される複数の第3折れ線ユニット2180を含み、第3折れ線ユニット2180は、中心対称的な第3サブ部分2180aと第4サブ部分2180bとを含み、第3サブ部分2180aと第4サブ部分2180bは、いずれも、行方向を対称軸として対称的に設けられる2つの第3直線部05を含む。
【0047】
図2aに示すように、本開示のいくつかの実施例では、共通電極線218の形状は、データ線212の形状と概して列方向に対して対称的であり、このようにして、1つの調光領域内において、共通電極層の共通電極線の両側に位置する部分の面積がほぼ等しく、従って、信号一致性が高く、ディスプレイパネル画面の横縞現象を改善するのに有利である。図2bに示すように、本開示の他の実施例では、共通電極線218の形状とデータ線212の形状は、ほぼ同じであってもよい。
【0048】
また、該実施例では、アレイ基板21に垂直な方向において、第1折れ線ユニット2110の端点A1、A2は、第2折れ線ユニット2120の端点B1、B2又は中点B3と重なり、第1折れ線ユニット2110の中点A3は、第3折れ線ユニット2180の端点C1、C2又は中点C3と重なる。各々の調光領域20は、隣り合う2本のゲート線211の一周期の第1折れ線ユニット2110と、隣り合う2本のデータ線212の半周期の第2折れ線ユニット2120とにより画定される。
【0049】
図2aに示すように、該実施例では、ドメイン3の形状は、二等辺三角形である。アレイ基板に垂直な方向において、各々の第1直線部03は、2つのドメイン3の側辺(すなわち、2つの前述した二等辺三角形の同側に位置する等辺)とほぼ重なり、第2折れ線ユニット2120及び第3折れ線ユニット2180の列方向での正投影は、前述した二等辺三角形の高さの4倍にほぼ等しい。
【0050】
本開示の該実施例では、図2aに示すように、1つの調光領域20の面積は、8つのドメイン3の面積にほぼ等しい。1つの調光領域20と重複する2種類のドメイン3a、3bの面積は、等しく、ほぼ調光領域20の面積の半分である。各々の調光領域は、10個のドメインと重複し、単一のドメインとの最大重複面積は、該単一のドメインの面積に等しく、すなわち、ほぼ調光領域面積の8分の1である。関連技術に比べて、調光領域の、単一のドメインとの最大重複面積が4分の1減少したので、良好な混色効果が得られ、縞欠陥が効果的に改善される。
【0051】
図2a及び図3aに示すように、アレイ基板に垂直な方向において、同じ種類のドメインに位置する第2直線部04及び第3直線部05の延在方向は、スリット構造2130の延在方向と同じである。該設計を用いることにより、第1透明電極層213のスリット構造2130の調光領域20内での配列を最適化させ、より多くのフリンジ電界を発生することができ、調光液晶パネルの透過率の最大化に有利である。いくつかの実施例では、スリット構造2130と列方向とがなす鋭角夾角の範囲は、7°以上であり、且つ11°以下である。
【0052】
図3a、図3b及び図3cに示すように、本開示の一実施例では、第1透明電極層213は、複数の乾式電極2131と、乾式電極2131の両側に分布する複数の枝電極2132とを含む。各々の乾式電極2131は、隣り合う2つの異なる種類のドメインのスリット構造2130の間に位置する。1つのドメイン内において、枝電極2132の延在方向は、スリット構造2130の延在方向と同じであり、隣り合う枝電極2132は、スリット構造2130によって間隔を空けられている。また、複数の乾式電極2131のうちの少なくとも1つの乾式電極2131は、行方向に沿って延在している。図3bに示すように、該行方向に沿って延在する乾式電極2131の両側での複数の枝電極2132は、該乾式電極2131に対して対称的に設けられる。図3bに示すように、延在方向と行方向とが所定の夾角をなす乾式電極2131の両側での複数の枝電極2132は、該乾式電極2131に対して非対称的に設けられる。
【0053】
上記行方向に沿って延在する乾式電極2131は、表示液晶パネルのゲート線の線幅よりも線幅が小さく設計可能である。該アレイ基板を含む調光液晶パネルが表示液晶パネルと組み立てられた後、図4に示すように、表示液晶パネルに垂直な方向において、該行方向に沿って延在する乾式電極2131は、表示液晶パネルのゲート線101のエッジの内側に位置することができ、すなわち、該行方向に沿って延在する乾式電極2131の表示液晶パネルでの正投影は、ゲート線101の内部と完全に重り、それにより、ゲート線101によって遮蔽される(表示液晶パネルのゲート線101がアレイ基板21の構造ではなく、ここでは、乾式電極2131との相対位置関係を例示するためのものに過ぎない)。
【0054】
乾式電極2131の両側でのスリット構造2130の延在方向が異なるため、調光画素の液晶分子の、乾式電極2131の両側での偏向方向も異なり、乾式電極2131には、黒浮き現象がある恐れがある。乾式電極2131の線幅を表示液晶パネルのゲート線101の線幅よりも小さく設定し、表示液晶パネルのゲート線101によって遮蔽することで、乾式電極2131における黒浮き現象を減少さらに防止することができ、それにより、さらに表示画面の品質を向上させる。
【0055】
なお、本開示の他のいくつかの実施例では、表示液晶パネルに垂直な方向において、行方向に沿って延在する乾式電極2131は、ゲート線101の幅における部分と重複することができ、それにより、黒浮きを減少させる効果をある程度果たすことができる。
【0056】
図5に示すように、本開示の実施例は、前述のいずれか技術的解決手段のアレイ基板21と、該アレイ基板21と間隔を置いて設けられる対向基板22と、アレイ基板21と対向基板22との間に位置する液晶層23とを含む、調光液晶パネル2をさらに提供する。
【0057】
75インチの調光液晶パネルを例とすると、図6に示すように、左図は、本開示の図2aに示す実施例による調光液晶パネルの画面のシミュレートの局所図であり、右図は、図1bに示す関連技術での調光液晶パネルの画面のシミュレートの局所図である。関連技術での調光液晶パネルのシミュレート画面から、明らかな縞が見えるが、本開示の実施例での調光液晶パネルのシミュレート画面から、あまり縞が見えず、表示品質が著しく向上していることが分かる。
【0058】
図7に示すように、本開示の実施例は、ディスプレイパネル100をさらに提供し、ディスプレイパネル100は、前述実施例の調光液晶パネル2と、調光液晶パネル2の一側に位置する表示液晶パネル1とを含む。具体的には、表示液晶パネル1は、調光液晶パネル2の出光側に位置する。
【0059】
該ディスプレイパネルは、表示装置に適用され、画面に対してより微細な領域調光を行うことができ、コントラスト表現が優れており、関連技術に比べて、画面の縞欠陥も効果的に改善されているため、画面品質が高く、ユーザー体験を著しく向上させる。表示装置の具体的な製品の種類は限定されず、例えば、ディスプレイ、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、テレビ、ATM機器、電子ペーパー、ディスプレイスクリーンなどであり得る。
【0060】
いくつかの実施例では、上記のように、調光液晶パネルのアレイ基板の第1透明電極層は、複数の乾式電極と、乾式電極の両側に分布している複数の枝電極とを含み、各々の乾式電極は、隣り合う2つの異なる種類のドメインのスリット構造の間に位置する。1つのドメイン内において、枝電極の延在方向は、スリット構造の延在方向と同じであり、隣り合う枝電極は、スリット構造によって間隔を空けられている。少なくとも1つの乾式電極は、行方向に沿って延在しており、且つ行方向に沿って延在する乾式電極の線幅は、表示液晶パネルのゲート線の線幅未満であり、表示液晶パネルに垂直な方向において、行方向に沿って延在する乾式電極は、表示液晶パネルのゲート線のエッジの内側に位置する。他の実施例では、表示液晶パネルに垂直な方向において、行方向に沿って延在する乾式電極は、表示液晶パネルのゲート線と一部的に重なってもよい。これらの実施例の設計案を用いることにより、乾式電極における黒浮き現象を効果的に減少さらに防止でき、それにより、さらに表示画面の品質を向上させることができる。
【0061】
以上、本開示の実施形態について詳細に説明する。本開示のアイデアを不明瞭にすることを避けるために、本分野における知られている詳細は説明されていない。当業者は、上記の説明に従って、ここに開示された技術案をどのように実施するかを完全に理解することができる。
【0062】
当業者であれば理解できるように、本開示のいくつかの特定の実施形態を例に挙げて詳細に説明したが、上記例は、本開示の範囲を限定するものではなく、上記の例を説明するためのものに過ぎない。当業者であれば理解できるように、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、上記実施形態を修正したり、一部の技術的特徴を均等に置換したりすることができる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】