(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A01C 7/18 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
A01C7/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516165
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2021080672
(87)【国際公開番号】W WO2022183523
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】202110238591.6
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517405840
【氏名又は名称】江▲蘇▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 進
(72)【発明者】
【氏名】張 志巧
(72)【発明者】
【氏名】李 耀明
(72)【発明者】
【氏名】喬 祥山
(72)【発明者】
【氏名】廖 彩淇
【テーマコード(参考)】
2B054
【Fターム(参考)】
2B054AA04
2B054BA01
2B054BB03
2B054CA06
2B054CB03
2B054DA17
2B054DB04
2B054DD12
2B054EA07
2B054EA15
2B054EA22
(57)【要約】
本発明は、空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置及び方法を提供し、該装置は、播種ライン、シード吸引トレイの動作制御部材、可動シード添加部材、及びシード洗浄部材が含まれ、シード吸引トレイの動作制御部材を主な制御対象として、シード吸引トレイが4自由度の機械ハンドに接続され、任意の変位を直交座標系で実現し得、播種ラインと連携して播種協同動作を完了する。本発明において、シード吸引高さは、シード振動トレイ内のシード層の厚さに従って調整することができるため、シード吸引率が向上する。本発明は、シード運搬速度とシード吸引トレイ追従速度のタンデム動作の制御モデルを確立し、同じ速度で栽培トレイと共に移動するプロセスでシード吸引トレイを制御してシードフィードを完了する。本発明によれば、シード吸引トレイは、可動シード添加部材、シード洗浄部材、及びラインと連携することにより播種フロー作業を完了し得、シード吸引率を高めるとともに播種プロセスのリズムを調整し、シード添加、シード吸引、シード運搬、シードフィード、及びシード洗浄を最適な連携で実現する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シード吸引トレイの動作制御部材と可動シード添加部材(4)が含まれ、上記の可動シード添加部材(4)とシード吸引トレイの動作制御部材が播種ライン(17)上での穴押え機構(3)と表土覆い機構(14)との間に設けられ、
上記のシード吸引トレイの動作制御部材は、シード吸引トレイ(5)、4自由度の機械ハンド、シード振動トレイ(10)、及び真空ポンプ(12)が含まれ、シード吸引トレイ(5)は、4自由度の機械ハンドに駆使され、直交座標系の任意の位置に移動し、シード吸引トレイ(5)の空気吸入孔は、エアパイプに介して真空ポンプ(12)に接続され、シード振動トレイ(10)は、クランク接続棒(34)に介して振動モータ(33)の出力軸に接続され、
上記の可動シード添加部材(4)は、シード添加機構(26)とシード供給伝動機構(27)が含まれ、シード添加機構(26)は、シード添加モータ(28)、シードドロップバルブ(29)、及びシード供給ホッパー(30)が含まれ、シード添加モータ(28)の出力軸に接続されたシードドロップバルブ(29)の上部は、シード供給ホッパー(30)の底部開口部に密着し、シード供給ホッパー(30)は、Z形接続部(32)に介してシード供給伝動機構(27)の滑り子に固定されており、シード供給伝動機構(27)は、移動式シード供給モータ(31)と線形滑り台モジュールとを4相接続で構成され、
播種ライン(17)のホルダーには、位置決めモータ(19f)に介して位置決めストッパー(19b)が接続されており、位置決めストッパー(19b)に距離測定センサー(19c)が取り付けられ、
穴押え機構(3)は、その末端に第2の光電子センサー(23)が設けられており、偏向角測定機構(22)と第1の光電子センサー(20)は、それぞれシード吸引トレイ(5)が播種ライン(17)の真上に位置する場合の2つの側面角の位置の真下に配置され、
上記の真空ポンプ(12)、振動モータ(33)、位置決めモータ(19f)、シード添加モータ(28)、移動式シード供給モータ(31)、及び4自由度の機械ハンドは、いずれも主制御部によって制御され、主制御部は、距離測定センサー(19c)、第1の光電子センサー(20)、第2の光電子センサー(23)、偏向角測定機構(22)、CCD測定素子(18)、及び4自由度の機械ハンドに設けられた変位及び距離測定センサーによって収集された信号も受信する
ことを特徴とする、空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項2】
上記の4自由度の機械ハンドは、回転機構(6)、Z軸伝動機構(7)、X軸伝動機構(8)、及びY軸伝動機構(9)が含まれ、上記の回転機構(6)は、回転モータ(6c)が含まれ、回転モータ(6c)は、第1のL形接続部(6d)に介して金属板接続部(6e)上に固定されており、回転モータ(6c)のモータ軸(6b)は、凹形接続部(6a)に介してシード吸引トレイ(5)を固定することを特徴とする、請求項1に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項3】
上記のZ軸伝動機構(7)は、Z軸モータ(7a)と第2の線形滑り台モジュールを直接接続で組み立てて構成され、第2の線形滑り台モジュールのシェルは、第2のL形接続部(7d)に介してX軸伝動機構(8)の第2の滑り子(8g)に固定され、Z軸モータ(7a)の出力軸は、第3の親ねじ(7k)に接続され、第3の親ねじ(7k)は、第1の滑り子(7c)を貫通して第1のねじ伝動機構を形成し、第1の滑り子(7c)は、さらに金属板接続部(6e)の上端に接続され、金属板接続部(6e)は、延長板に介してZ軸変位センサーの測棒(7h)が固定され、
上記の第2の線形滑り台モジュールのシェルには、上部のリミットスイッチ(7b)、シードフィード待機位置のリミットスイッチ(7e)、及び下部のリミットスイッチ(7f)が垂直方向に順次配置されており、第2の線形滑り台モジュールのシェルには、Z軸変位センサーも配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項4】
上記のX軸伝動機構(8)は、X軸モータ(8a)と第3の線形滑り台モジュールを直接接続で組み立てて構成され、第3の線形滑り台モジュールは、横桁(9d)の上部に固定され、X軸モータ(8a)は、第1の親ねじ(8f)に接続され、第1の親ねじ(8f)は、第2の滑り子(8g)の雌ねじを貫通して第2のねじ伝動機構を形成し、第3の線形滑り台モジュールのシェルには、X軸距離測定センサー(8d)が取り付けられており、第3の線形滑り台モジュールのシェルには、X軸方向に沿って右リミットスイッチ(8e)と左リミットスイッチ(8h)が配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項5】
上記のY軸伝動機構(9)は、伝動軸(9k)とY軸モータ(9g)が含まれ、伝動軸(9k)の両端は、それぞれY軸方向に沿って配置された2つの線形モジュール(9l)に軸継手(9j)で接続され、その1つの線形モジュール(9l)の軸継手(9j)には、遊星減速機(9h)が取り付けられ、遊星減速機(9h)は、Y軸モータ(9g)に取り付けられ、線形モジュール(9l)の第2の親ねじ(9c)は、第3の滑り子(9e)を貫通して第3のねじ伝動機構を形成し、2つの第3の滑り子(9e)には、横桁(9d)が固定され、線形モジュール(9l)のシェルには、Y軸距離測定センサー(9b)が取り付けられ、線形モジュール(9l)のシェルには、Y軸方向に沿って最小ストロークリミットスイッチ(9f)、最大ストロークリミットスイッチ(9m)が順次配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項6】
シード洗浄部材(11)がさらに含まれ、上記のシード洗浄部材(11)は、2自由度の回転機械ハンド(25)とシード洗浄針(24)が含まれ、2自由度の機械ハンド(25)は、フレーム(13)の中間横桁に固定され、シード洗浄針(24)は、2自由度の回転機械ハンド(25)の上端に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項7】
シード吸引、シード運搬、シードフィード、及びシード洗浄のシリアル制御、並びに栽培トレイ(21)の動作、シード添加、及びシード吸引トレイ(5)のY軸方向に沿った動作のパラレル制御が含まれ、具体的には、
シード吸引トレイ(5)が初期位置に配置された後、シード吸引トレイの動作制御部材と播種ライン(17)を起動し、栽培トレイ(21)が播種ライン(17)に入る時に、位置決めストッパー(19b)を下ろし、シード振動トレイ(10)を高周波数で振動させ、修正されたシード層の厚さとシード吸引高さとの関係に従って、シード層の厚さに対応するシード吸引高さを見つけ、シード吸引高さの制御信号を4自由度の機械ハンドへ出力し、シード吸引トレイ(5)がシード吸引位置に到達するまで下降するようにシード吸引トレイ(5)を制御し、真空ポンプ(12)を負圧にしてシード吸引を実行し、シード吸引が完了した後、シード振動トレイ(10)を低周波数で振動させ、シード吸引トレイ(5)が上向きに移動し、上部のリミットスイッチ(7b)がトリガーされた後、シード吸引トレイ(5)のシード運搬が右向きに移動し、右リミットスイッチ(8e)がトリガーされた後、シード吸引トレイ(5)が下向きに移動し、シードフィード待機位置のリミットスイッチ(7e)がトリガーされ、シードを添加する必要がある場合、シード供給モータ(31)とシード添加モータ(28)を起動し、シードドロップバルブ(29)が開き、シード吸引トレイ(5)と栽培トレイ(21)との間に相対的な変位がない場合、真空ポンプ(12)を負圧にし、シードフィードに追従し始め、シードフィードが完了した後、位置決めストッパー(19b)が開き、シード吸引トレイ(5)が初期位置に戻り、シード洗浄が必要な場合は、2自由度の回転機械ハンド(25)を起動してシードを洗浄し、シード洗浄が完了した後、次の栽培トレイが入るのを待ち続ける
ことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一つの項に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置の制御方法。
【請求項8】
シード吸引トレイ(5)と栽培トレイ(21)との協調動作のための数学的モデルは
【数8】
であり、ここで、V
2はシード運搬速度であり、V
3はシード吸引トレイ(5)がシードフィード待機位置に移動する移動速度であり、V
4はシード吸引トレイ(5)の追従移動速度であり、V
tranはコンベヤーベルトの移動速度であり、hはシード吸引高さであり、L
3はシード吸引トレイ(5)がシードフィードの待機位置まで下降する移動距離であり、L
4は栽培トレイ(21)からシードフィード位置までの距離であり、T
Sはシード吸引時間であり、ΔLはシード吸引トレイ(5)と栽培トレイ(21)との間の相対的変位であり、Δtはシード吸引トレイ(5)のY軸方向での追従速度が栽培トレイ(21)と同じ速度に調整されるのに必要な時間である
ことを特徴とする、請求項7に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御方法。
【請求項9】
修正されたシード層の厚さとシード吸引高さとの関係を取得するプロセスにおいて、まず振動周波数、振幅、及び圧力差に従って、ガス-固体結合の計算を実行し、理想的な状態でのシード層の厚さとシード吸引高さとの間の理想的な対応関係を取得し、次に、振動周波数、振幅、及び圧力差に従ってベンチテストを実行し、シード吸引率が95%を超える高さを実際のシード吸引高さとし、シード吸引高さとシード層の厚さとの間の実際の対応関係を取得し、最後に、シード吸引高さとシード層の厚さとの間の実際の対応関係を理論上の対応関係と比較することを特徴とする、請求項7に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御方法。
【請求項10】
X軸方向でのシード吸引トレイ(5)のシード運搬速度を制御するプロセスにおいて、シード運搬速度の標的曲線を入力信号とし、X軸方向でのシード吸引トレイ(5)の実際速度をフィードバックリンクとして第1の予測制御器を確立し、シード運搬速度を制御し、Y軸方向でのシード吸引トレイ(5)の追従速度を制御するプロセスにおいて、シード吸引トレイ(5)が栽培トレイ(21)に追従する速度の標的曲線を入力信号とし、Y軸方向でのシード吸引トレイ(5)の実際速度をフィードバックリンクとして、第2の予測制御器を確立し、追従速度を制御することを特徴とする、請求項7に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業精密播種の技術分野に属し、特に、空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中国は、現在世界最大のコメ生産国であり、年間生産量が世界のコメ総生産量の約31%を占めていると同時に、我が国の主要な食用作物の一つであるコメは、広く植えられており、また、人工育苗から機械的自動化への段階的な移行が促されている。スーパーライスの普及に伴い、工場苗の播種精度に対する要求が1穴あたり1~2粒に増加した。播種装置は、工場で育苗するコアコンポーネントとして、播種精度の低いローラー式が主に用いられているが、播種被害率が低く、播種量が多いなどの特徴のため、スーパーライス育苗の分野で広く使用されている。空気振動型播種ラインの作業プロセスでは、シード吸引率に影響を与える主な要因は、シード吸引高さであるが、現在、シード吸引高さが固定されているため、シード層の厚さが薄くなると、シード群は、有効な気流フィールドエリアに入ることができず、シードの吸引率が低下する。2自由度のマニピュレーターの動きが制限されるシードフィードリンクでは、栽培トレイは、シードフィード位置で吸引トレイが到着するのを待つ必要があり、作業効率が低い。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、先行技術の欠陥に対して、空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置及び方法を提供し、空気振動型精密播種ラインに好適であり、シード添加、シード吸引、シード運搬、シードフィード、シード洗浄の各リンクの間の協調を改善することができ、回転機構と3次元追従型シードフィード方法によって、位置合わせのシードドロップ精度と播種効率を高める。
【0004】
本発明は、以下の技術的手段により上記の技術的目的を達成する。
【0005】
本発明の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置は、シード吸引トレイの動作制御部材、可動シード添加部材、及びシード洗浄部材が含まれ、可動シード添加部材、シード吸引トレイの動作制御部材、及びシード洗浄部材は、播種ライン上での穴押え機構と表土覆い機構との間に設けられている。
【0006】
上記のシード吸引トレイの動作制御部材は、シード吸引トレイ、4自由度の機械ハンド、シード振動トレイ、及び真空ポンプが含まれ、シード吸引トレイは、4自由度の機械ハンドにより駆使され、直交座標系の任意の位置に移動し、シード吸引トレイの空気吸入孔は、エアパイプに介して真空ポンプに接続され、シード振動トレイは、クランク接続棒を介して振動モータの出力軸に接続される。
【0007】
上記の可動シード添加部材は、シード添加機構とシード供給伝動機構が含まれ、シード添加機構は、シード添加モータ、シードドロップバルブ、及びシード供給ホッパーが含まれ、シード添加モータの出力軸に接続されたシードドロップバルブの上部は、シード供給ホッパーの底部開口部に密着し、シード供給ホッパーは、Z形接続部に介してシード供給伝動機構の滑り子に固定され、シード供給伝動機構は、移動式シード供給モータと線形滑り台モジュールとを4相接続で構成される。
【0008】
播種ラインのホルダーには、位置決めモータにより位置決めストッパーが接続され、位置決めストッパーに距離測定センサーが取り付けられている。
【0009】
穴押え機構は、その末端に第2の光電子センサーが設けられており、偏向角測定機構と第1の光電子センサーは、それぞれシード吸引トレイが播種ラインの真上に位置する場合の2つの側面角の位置の真下に配置されている。
【0010】
上記の真空ポンプ、振動モータ、位置決めモータ、シード添加モータ、移動式シード供給モータ、及び4自由度の機械ハンドは、いずれも主制御部によって制御され、主制御部は、距離測定センサー、第1の光電子センサー、第2の光電子センサー、偏向角測定機構、CCD測定素子、及び4自由度の機械ハンドに設けられた変位及び距離測定センサーによって収集された信号も受信する。
【0011】
上記のシード洗浄部材は、2自由度の回転機械ハンドとシード洗浄針が含まれ、2自由度の機械ハンドは、フレームの中間横桁に固定され、シード洗浄針は、2自由度の回転機械ハンドの上端に配置されている。
【0012】
上記の技術手段において、上記の4自由度の機械ハンドは、回転機構、Z軸伝動機構、X軸伝動機構、及びY軸伝動機構が含まれ、上記の回転機構は、回転モータが含まれ、回転モータは、第1のL形接続部に介して金属板接続部上に固定され、回転モータのモータ軸は、凹形接続部に介してシード吸引トレイを固定する。
【0013】
上記の技術手段において、上記のZ軸伝動機構は、Z軸モータと第2の線形滑り台モジュールを直接接続で組み立てて構成され、第2の線形滑り台モジュールのシェルは、第2のL形接続部を介してX軸伝動機構の第2の滑り子に固定され、Z軸モータの出力軸は、第3の親ねじに接続され、第3の親ねじは、第1の滑り子を貫通して第1のねじ伝動機構を形成し、第1の滑り子は、さらに金属板接続部の上端に接続され、金属板接続部は、延長板に介してZ軸変位センサーの測棒が固定されている。
【0014】
上記の第2の線形滑り台モジュールのシェルには、上部のリミットスイッチ、シードフィード待機位置のリミットスイッチ、及び下部のリミットスイッチが垂直方向に順次配置されており、第2の線形滑り台モジュールのシェルには、Z軸変位センサーも配置されている。
【0015】
上記の技術手段において、上記のX軸伝動機構は、X軸モータと第3の線形滑り台モジュールを直接接続で組み立てて構成され、第3の線形滑り台モジュールは、横桁の上部に固定され、X軸モータは、第1の親ねじに接続され、第1の親ねじは、第2の滑り子の雌ねじを貫通して第2のねじ伝動機構を形成し、第3の線形滑り台モジュールのシェルには、X軸距離測定センサーが取り付けられており、第3の線形滑り台モジュールのシェルには、X軸方向に沿って右リミットスイッチと左リミットスイッチが配置されている。
【0016】
上記の技術手段において、上記のY軸伝動機構は、伝動軸とY軸モータが含まれ、伝動軸の両端は、それぞれ軸継手を介してY軸方向に沿って配置された2つの線形モジュールに接続され、その1つの線形モジュールの軸継手には、遊星減速機が取り付けられ、遊星減速機は、Y軸モータに取り付けられ、線形モジュールの第2の親ねじは、第3の滑り子を貫通して第3のねじ伝動機構を形成し、2つの第3の滑り子には、横桁が固定され、線形モジュールのシェルには、Y軸距離測定センサーが取り付けられ、線形モジュールのシェルには、Y軸方向に沿って最小ストロークリミットスイッチ、最大ストロークリミットスイッチが順次配置されている。
【0017】
本発明の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御方法は、シード吸引、シード運搬、シードフィード、及びシード洗浄のシリアル制御、並びに栽培トレイ動作、シード添加、及びシード吸引トレイのY軸方向に沿った動作のパラレル制御が含まれ、具体的には、
シード吸引トレイが初期位置に配置された後、シード吸引トレイの動作制御部材と播種ラインを起動し、栽培トレイが播種ラインに入る時に、位置決めストッパーを下ろし、シード振動トレイを高周波数で振動させ、修正されたシード層の厚さとシード吸引高さとの関係に従って、シード層の厚さに対応するシード吸引高さを見つけ、シード吸引高さの制御信号を4自由度の機械ハンドへ出力し、制御シード吸引トレイを下ろし、シード吸引トレイがシード吸引位置に到達するまで、真空ポンプを負圧にしてシード吸引を実行する。シード吸引が完了した後、シード振動トレイが低周波数で振動し、シード吸引トレイが上向きに移動し、上部のリミットスイッチがトリガーされた後、シード吸引トレイのシード運搬が右向きに移動し、右リミットスイッチがトリガーされた後、シード吸引トレイが下向きに移動する。シードフィード待機位置のリミットスイッチがトリガーされ、シードを添加する必要がある場合、シード供給モータとシード添加モータを起動し、シードドロップバルブが開く。シード吸引トレイと栽培トレイとの間に相対的な変位がない場合、真空ポンプを負圧にし、シードフィードに追従し始める。シードフィードが完了した後、位置決めストッパーが開き、シード吸引トレイが初期位置に戻る。シード洗浄が必要な場合は、2自由度の回転機械ハンドを起動してシードを洗浄し、シード洗浄が完了した後、次の栽培トレイが入るのを待ち続ける。
【0018】
さらに、シード吸引トレイと栽培トレイとの協調動作のための数学的モデルは、
【数1】
であり、ここで、V
2はシード運搬速度であり、V
3はシード吸引トレイがシードフィード待機位置に移動する移動速度であり、V
4はシード吸引トレイの追従移動速度であり、V
tranはコンベヤーベルトの移動速度であり、hはシード吸引高さであり、L
3はシード吸引トレイがシードフィードの待機位置まで下降する移動距離であり、L
4は栽培トレイからシードフィード位置までの距離であり、T
Sはシード吸引時間であり、ΔLはシード吸引トレイと栽培トレイとの間の相対的変位であり、Δtはシード吸引トレイのY軸方向での追従速度が栽培トレイと同じ速度に調整されるのに必要な時間である。
【0019】
さらに、修正されたシード層の厚さとシード吸引高さとの間の関係を取得するプロセスにおいて、まず振動周波数、振幅、及び圧力差に従って、ガス-固体結合の計算を実行し、理想的な状態でのシード層の厚さとシード吸引高さとの間の理想的な対応関係を取得する。次に、振動周波数、振幅、及び圧力差に従ってベンチテストを実行し、シード吸引率が95%を超える高さを実際のシード吸引高さとし、シード吸引高さとシード層の厚さとの間の実際の対応関係を取得する。最後に、シード吸引高さとシード層の厚さとの間の実際の対応関係を理論上の対応関係と比較する。
【0020】
さらに、シード吸引トレイのX軸方向でのシード運搬速度を制御するプロセスにおいて、シード運搬速度の標的曲線を入力信号とし、X軸方向でのシード吸引トレイの実際速度をフィードバックリンクとして第1の予測制御器を確立し、シード運搬速度を制御する。シード吸引トレイのY軸方向での追従速度を制御するプロセスにおいて、シード吸引トレイが栽培トレイに追従する速度の標的曲線を入力信号とし、Y軸方向でのシード吸引トレイの実際速度をフィードバックリンクとして、第2の予測制御器を確立し、追従速度を制御する。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以下の積極的な効果を有する。
【0022】
(1)本発明は、時系列制御思想に基づき、シード吸引、シード運搬、シードフィード、及びシード洗浄のシリアル制御、並びに栽培トレイ動作、シード添加、及びシード吸引トレイのY軸方向に沿った動作のパラレル制御を用い、播種プロセスのリズムを調整することにより、シード添加、シード吸引、シード運搬、シードフィード、シード洗浄の各作業リンク間の最適な連携を実現する。
【0023】
(2)本発明は、シードフィードを追従する機能を有し、シード吸引トレイの移動速度を自動的に調整し、シードフィードの待機時間をなくし、2次元平面の間欠式シードフィードから3次元追従型シードフィードへの変換を実現することができ、播種効率を効果的に改善する。
【0024】
(3)本発明において、回転機構、Z軸伝動機構、X軸伝動機構、及びY軸伝動機構は、シード吸引トレイの動作を制御する4自由度の機械ハンドを構成し、シード吸引高さを自動的に調整する機能を有し、吸引漏れ率を低下することができる。
【0025】
(4)本発明は、偏向角測定機構を配置することにより、栽培トレイの偏向角を測定し、4自由度の機械ハンドの回転機構に制御基礎を提供し、位置合わせのシードドロップの精度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】上記の本発明の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置の構成ブロック図である。
【
図2(a)】上記の本発明の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置の正面図である。
【
図2(b)】上記の本発明の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置の上面図である。
【
図3(a)】上記の本発明における4自由度の機械ハンドの構造の正面図である。
【
図3(b)】上記の本発明における4自由度の機械ハンドの構造の上面図である。
【
図3(c)】上記の本発明におけるZ軸伝動機構の等角図である。
【
図4(a)】上記の本発明における移動規制中の位置決め機構の正面図である。
【
図4(b)】上記の本発明における規制解除の位置決め機構の等角図である。
【
図5】上記の本発明における位置決め機構の測定のフローチャートである。
【
図6】上記の本発明の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置のシステムハードウェア構造図である。
【
図7】本発明シード吸引トレイの動作プロセスの概略図である。
【
図8(a)】本発明におけるシード吸引高さを自動的に調整する制御モデルの確立を示す模式図である。
【
図8(b)】本発明におけるシード吸引トレイのシード吸引動作を制御するフローチャートである。
【
図9(a)】本発明における追従動作を制御する算法の模式図である。
【
図9(b)】本発明におけるシード吸引トレイのシード運搬動作を制御するフローチャートである。
【
図10(a)】本発明における空気振動型精密播種ライン多部材協調動作を制御するフローチャートである。
【
図10(b)】本発明におけるシード吸引、シード運搬、シードフィード、シード添加、シード洗浄を制御するフローチャートである。
【
図11(a)】本発明のタッチパネルのパワーオンメインディスプレイインタフェースの概略図である。
【
図11(b)】本発明のタッチパネルの手動制御モードでのメインディスプレイインタフェースの概略図である。
【
図11(c)】本発明のタッチパネルの自動制御モードでのメインディスプレイインタフェースの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面と具体的な実施例を合わせて、本発明をさらに説明するが、本発明の保護範囲がこれらに制限されない。
【0028】
図1、2(a)、2(b)に示すように、本発明の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置は、播種ライン17、シード吸引トレイの動作制御部材、可動シード添加部材4、及びシード洗浄部材11が含まれる。播種ライン17にコンベヤーベルト伝動機構が設けられ、播種ライン17に、作業方向に沿って底土敷き機構1、底土掃き機構2、穴押え機構3、表土覆い機構14、表土掃き機構15、及び散水機構16が順次配置され、かつ該当底土敷き機構1、底土掃き機構2、穴押え機構3、表土覆い機構14、表土掃き機構15、及び散水機構16は、いずれも先行技術であるため、本明細書では詳細に説明されていない。穴押え機構3と表土覆い機構14との間には、可動シード添加部材4、シード吸引トレイの動作制御部材、及びシード洗浄部材11が配置されている。シード吸引トレイの動作制御部材は、シード吸引トレイ5、回転機構6、Z軸伝動機構7、X軸伝動機構8、Y軸伝動機構9、シード振動トレイ10、及び真空ポンプ12が含まれ、かつシード吸引トレイ5は、X軸伝動機構8、Y軸伝動機構9、Z軸伝動機構7、回転機構6に駆使され、直交座標系で任意の位置に移動することを実現し、シード吸引トレイ5の空気吸入孔は、フランジプレートに介してエアパイプの端部に固定され、エアパイプの他端は真空ポンプ12に接続され、シード振動トレイ10は、クランク接続棒34に介して振動モータ33の出力軸に接続され、シード振動トレイ10は、可動シード添加部材4とシード洗浄部材11との間に配置されている。可動シード添加部材4は、シード添加機構26とシード供給伝動機構27が含まれ、シード添加機構26は、シード添加モータ28、シードドロップバルブ29、及びシード供給ホッパー30からなり、シード添加モータ28の出力軸は、シードドロップバルブ29に接続され、シードドロップバルブ29の開口サイズを制御し、シードドロップバルブ29の上部断面は、シード供給ホッパー30の底部開口と密着されている。Z形接続部32の右端は、シード供給ホッパー30シェルにボルトで固定され、Z形接続部32の左端は、シード供給伝動機構27の滑り子(第4の線形滑り台モジュールに含まれ)に固定されている。移動式シード供給モータ31は、第4の線形滑り台モジュールにねじで接続されてシード供給伝動機構27を形成し、シード供給伝動機構27は、フレーム13の延長板に取り付けられている。シード洗浄部材11は、2自由度の回転機械ハンド25とシード洗浄針24が含まれ、2自由度の機械ハンド25の基台は、フレーム13の中間横桁にボルトで固定され、シード洗浄針24は、2自由度の回転機械ハンド25の上端に配置され、XY平面内を移動し得る。シード吸引トレイ5、可動シード添加部材4、シード洗浄部材11、及び播種ライン17の各部材間のプロセスリズムを調整することにより、シード添加、シード吸引、シード運搬、シードフィード、シード洗浄は、最適な連携が実現される。
【0029】
播種ライン17は、穴押え機構3の末端に第2の光電子センサー23が配置されており、シード吸引トレイ5が播種ライン17の真上に位置する場合、偏向角測定機構22は、シード吸引トレイ5の右側面角位置の真下に配置され、左側面角位置に第1の光電子センサー20が配置され、偏向角測定機構22は、一対の距離測定センサーである。
【0030】
図3(a)、
図3(b)、
図3(c)に示すように、回転機構6、Z軸伝動機構7、X軸伝動機構8、及びY軸伝動機構9は、4自由度の機械ハンドを構成する。回転機構6の第1のL形接続部6dは、その一端が金属板接続部6eにボルトで固定されており、他端が回転モータ6cの底部に固定されている。回転モータ6cのモータ軸6bは、第1のL形接続部6dの底部を貫通して、凹形接続部6aの上端に接続され、シード吸引トレイ5は、凹形接続部6aの下端にボルトで固定され、回転モータ6cは、シード吸引トレイ5を駆使して特定の角度だけ回転させ得る。金属板接続部6eの上端は、第1の滑り子7cに接続され、第3の親ねじ7kは、第1の滑り子7cを貫通して第1のねじ伝動機構を形成する。Z軸伝動機構7は、Z軸モータ7aと第2の線形滑り台モジュールが含まれ、Z軸モータ7aは、ねじにより第2の線形滑り台モジュールに直接接続で取り付けられ、第2の線形滑り台モジュールのシェルは、第2のL形接続部7dを介してX軸伝動機構8の第2の滑り子8gに固定されている。垂直方向の動力は、Z軸モータ7aによって供給され、Z軸モータ7aは、ステッピングモータが用いられ、かつZ軸モータ7aの出力軸は、第3の軸継手7jを介して第3の親ねじ7kと接続されている(
図3(c))。上部のリミットスイッチ7b、シードフィード待機位置のリミットスイッチ7e、及び下部のリミットスイッチ7fは、垂直方向に沿って第1のT字形ナット溝に順次固定され、第1のT字形ナット溝は、第2の線形滑り台モジュールのシェルに設けられており、上記リミットスイッチの位置を手動で調整することができる。Z軸変位センサーの基台7gは、第2の線形滑り台モジュールのシェル側縁に固定されて取り付けられ、Z軸変位センサーの基台7gにZ軸変位センサーが取り付けられている。Z軸変位センサーの測棒7hは、金属板接続部の延長板7iに固定されて接続されており、金属板接続部の延長板7iは、金属板接続部6eの底部に固定され、Z軸変位センサーの測棒7hは、シード吸引トレイ5を追従して同期線形移動をし得る。X軸伝動機構8は、X軸モータ8aと第3の線形滑り台モジュールが含まれ、X軸モータ8aは、ねじにより第3の線形滑り台モジュールに直接接続で取り付けられ、第3の線形滑り台モジュールは、横桁9dの上部に固定されている。X軸モータ8aは、第1の軸継手8bを介して第1の親ねじ8fに接続され、第1の親ねじ8fは、第2の滑り子8gの雌ねじを貫通して第2のねじ伝動機構を形成する。第2の滑り子8gは、X軸モータ8aに駆動されて、水平方向に沿って線形動作される。X軸センサーホルダー8cは、第3の線形滑り台モジュールのシェルに取り付けられ、X軸距離測定センサー8dは、X軸センサーホルダー8cに固定されて取り付けられ、第2の滑り子8gのX軸方向での変位を測定し得る。右リミットスイッチ8eと左リミットスイッチ8hは、X軸方向に沿って第2のT字形ナット溝に配置されており、第2のT字形ナット溝は、第3の線形滑り台モジュールのシェルに設けられている。Y軸伝動機構9の伝動軸9kは、それぞれY軸方向に沿って配置された2つの線形モジュール9lに2つの軸継手9jで接続され、線形モジュール9lは、フレーム13に取り付けられ、Y軸モータ9gは、遊星減速機9hに取り付けられ、遊星減速機9hは、フランジプレート9iに介してその1つの第2の軸継手9jに取り付けられ、モータ9gに制御されることにより、2つの線形モジュール9lが同期して動作する。横桁9dの両端は、それぞれY軸に沿って2つの第3の滑り子9eにボルトで固定され、線形モジュール9lの第2の親ねじ9cは、第3の滑り子9eを貫通して第3のねじ伝動機構を形成する。線形モジュール9lのシェルには、Y軸センサーホルダー9aが取り付けられており、Y軸センサーホルダー9aには、Y軸距離測定センサー9bが取り付けられている。最小ストロークリミットスイッチ9f、最大ストロークリミットスイッチ9mは、Y軸方向に沿って線形モジュール9lのシェル側縁に順次配置されている。
【0031】
図4(a)、
図4(b)に示すように、位置決め機構19は、位置決めホルダー19a、位置決めストッパー19b、距離測定センサー19c、モータ軸19d、第3の軸継手19e、及び位置決めモータ19fが含まれる。位置決めホルダー19aは、播種ライン17のホルダーにボルトで固定され、位置決めモータ19fは、位置決めホルダー19aに固定され、第3の軸継手19eは、位置決めモータ19fのモータ軸19dと位置決めストッパー19bに接続され、位置決めストッパー19bは、位置決めモータ19fに駆使されて時計回り又は反時計回りに90°ひっくり返すことができる。距離測定センサー19cは、位置決めストッパー19bに固定されて取り付けられている。
【0032】
図5に示すように、栽培トレイ21が穴押えプロセスを完了して、シードフィード待機位置の領域に入ると、第2の光電子センサー23は、トリガーされ、位置決めストッパー19bは、時計回りで90°回転して、コンベヤーベルトと垂直になり、距離測定センサー19cは、栽培トレイ21と距離測定センサー19cとの間の距離を測定し始め、その結果を主制御部に伝達し、播種ライン17上での栽培トレイ21の位置を推算する。シードフィードが完了した後、位置決めストッパー19bは、反時計回りで90°回転して、コンベヤーベルトと平行になり、距離測定センサー19cは、測定を停止する。栽培トレイ21が再びシードフィード待機位置の領域に入ると、位置決めストッパー19bが再び下され、栽培トレイ21の位置が測定され、プロセスが順番に循環させる。
【0033】
図6に示すように、本発明の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置のシステムハードウェアは、情報取得モジュール、主制御部、タッチパネル、駆動モジュール、及び実行モジュールが含まれる。情報取得モジュールは、Z軸変位センサー、X軸距離測定センサー8d、Y軸距離測定センサー9b、距離測定センサー19c、偏向角測定機構22、光電子センサー(第1の光電子センサー20と第2の光電子センサー23)、リミットスイッチ(上部のリミットスイッチ7b、下部のリミットスイッチ7f、シードフィード待機位置のリミットスイッチ7e、右リミットスイッチ8eと左リミットスイッチ8h、最小ストロークリミットスイッチ9f、最大ストロークリミットスイッチ9m)、CCD測定素子18と計量センサー(シード振動トレイ10の下方に配置され)が含まれ、CCD測定素子18は、栽培トレイ21の出口の上方のクロスバーに取り付けられており、クロスバーは、フレーム13に取り付けられている。Z軸変位センサーは、Z軸方向でのシード吸引トレイ5の変位を測定し、X軸距離測定センサー8dとY軸距離測定センサー9bは、X軸とY軸方向でのシード吸引トレイ5の変位を測定し、距離測定センサー19cは、播種ライン17上での栽培トレイ21の位置を取得するのに用いられ、偏向角測定機構22は、栽培トレイ21の偏向角度を測定するのに用いられる。光電子センサーは、シードフィード待機位置の領域栽培トレイ21の運転状態を取得し、リミットスイッチは、機械式ハンドの動作範囲を制限し、CCD測定素子18は、空穴率と穴遮断位置を測定し、計量センサーは、シード振動トレイ10内のシード質量を測定する。
【0034】
駆動モジュールは、ドライバーと周波数変換器が含まれ、ドライバーは、各ステッピングモータ(回転モータ6c、Z軸モータ7a、X軸モータ8a、Y軸モータ9g、位置決めモータ19f、シード添加モータ28、及び移動式シード供給モータ31)の駆動ユニットであり、各ステッピングモータの速度調整と変位制御を負担する。周波数変換器は、真空ポンプ12と振動モータ33の駆動ユニットであり、真空ポンプ12の気圧調整と振動モータ33の転速調整を負担する。
【0035】
真空ポンプ12、回転モータ6c、Z軸モータ7a、X軸モータ8a、Y軸モータ9g、位置決めモータ19f、シード添加モータ28、移動式シード供給モータ31、及び振動モータ33は、2自由度の回転機械ハンド25と共に実行モジュールを形成する。
【0036】
主制御部は、シングルチップマイコン又はPLCであり、センサーデータを取得し、播種装置の各軸モータ(Z軸モータ7a、X軸モータ8a、及びY軸モータ9g)の動作の制御を負担し、播種ライン17と連携して、シード添加、シード吸引、シード運搬、シードフィード、シード洗浄を完了し、機器の動作パラメーターが産業用タッチパネルに表示される。
【0037】
図7に示すように、シード吸引トレイ5の運転手順は、(1)-(2)-(3)-(4)-(5)-(6)である。第2の光電子センサー23は、播種ライン17上に栽培トレイ21がシードフィード待機位置の領域に入ることを検出すると、シード吸引トレイ5は、自起動運転方式で初期位置からシード吸引位に下降し、シード吸引を開始する((1)に対応)。シード吸引が完了した後、シード吸引トレイ5は、上限位置に上昇する((2)に対応)。S曲線の加減速制御方式でシードを右向きに運搬し、右の制限位置に到達する((3)に対応)。自起動運転方式でシードフィード待機位置の位置まで下降する((4)に対応)。追従の速度を調整し、シード吸引トレイ5を制御して栽培トレイ21に追従させ、相対的に静的な同じ速度で動作させることにより、シードフィードを実行する((5)に対応)。シードフィードが完了した後、多軸リンケージの方式でシード吸引トレイ5を制御して最短時間で初期位置に戻らせて、次の栽培トレイがシードフィード待機位置の領域に入るのを待つ((6)に対応)。上記のプロセスにおいて、シード吸引トレイ5の運転は、4自由度の機械ハンドにより主制御部の制御下で実現する。
【0038】
図7におけるシード吸引トレイ5のシード吸引、シード運搬、シードフィードの円運動法則に従って、シード吸引トレイ5と栽培トレイ21の協調動作数学的モデルを確立する。シードフィード待機位置の領域で、シード吸引トレイ5がシードをシードフィード位置に運搬する時間と栽培トレイ21が現在の位置からシードフィード位置に移動する時間と等しい時、シード吸引トレイ5と播種ライン17は、最適な連携状態となり、シード吸引トレイ5と栽培トレイ21との協調動作の数学的モデルを確立する。
【0039】
【数2】
シード運搬速度、シード吸引高さ、及び栽培トレイ位置間の関係は、式(1)、式(2)、式(3)によって得ることができる。
【0040】
【数3】
速度調整領域において、シード吸引トレイ5の追従速度と相対的変位との間の関係は、次の通りである。
【数4】
【0041】
両方は、相対的変位がなくなると、シードフィード領域に入り、シードフィードに追従し始める。
【0042】
ここで、V1はZ軸方向でのシード吸引トレイ5の移動速度であり、V2はシード運搬速度であり、V3はシード吸引トレイ5がシードフィード待機位置に移動する移動速度であり、V4はシード吸引トレイ5の追従移動速度であり、Vtranはコンベヤーベルトの移動速度であり、hはシード吸引高さであり、L2はシード運搬移動距離であり、L3はシード吸引トレイ5がシードフィードの待機位置まで下降する移動距離であり、L4は栽培トレイ21からシードフィード位置までの距離であり、VX0は最大シード運搬速度であり、TSはシード吸引時間であり、T2はシード運搬運転時間であり、ΔLはシード吸引トレイ5と栽培トレイ21との間の相対的変位であり、ΔtはY軸方向でのシード吸引トレイ5の追従速度が栽培トレイ21と同じ速度に調整されるのに必要な時間である。
【0043】
図8(a)に示すように、ガス-固体結合とベンチテストとを組み合わせる方法でシード吸引高さの制御モデルを確立する。まず、振動周波数、振幅、及び圧力差に従って、ガス-固体結合の計算を実行し、理想的な状態でのシード層の厚さとシード吸引高さとの間の理想的な対応関係を取得する。次に、振動周波数、振幅、及び圧力差に従ってベンチテストを実行し、シード吸引率が95%を超える高さを実際のシード吸引高さとし、シード吸引高さとシード層の厚さとの間の実際の対応関係を取得する。最後に、シード吸引高さとシード層の厚さとの間の実際の対応関係を理論上の対応関係と比較し、シード吸引高さとシード層の厚さとの間の対応関係を修正する。播種ライン17の上で、光電子センサーは、播種されたトレイの数を測定し、CCD測定素子18によって測定された空穴率を合わせて、シード振動トレイ10内の残りのシードの数Nを算出する。具体的な式は、次の通りである。
【0044】
【数5】
ここで、Cはシード層の厚さであり、ρはシードの密度であり、mはシードの質量であり、Dは、シード群の圧密度であり、Aはシード振動トレイ10の底面積であり、Nはシードの数である。
【0045】
図8(b)に示すように、シード振動トレイ10は、高周波数f1で振動し、式(6)によりシード層の厚さCを求め、シード層の厚さCのある領域を判断し、シード層の厚さがC1-C2の範囲内にあれば、シード吸引高さがh1である。シード層の厚さCがC2-C3範囲内にあれば、シード吸引高さがh2である。類推により、修正されたシード層の厚さとシード吸引高さとの関係に従って、シード層の厚さに対応するシード吸引高さを見つけ、シード吸引高さの制御信号を4自由度の機械ハンドへ出力し、制御シード吸引トレイ5が下降する。Z軸変位センサーは、シード吸引トレイ5の現在の下降高さを測定し、指定されたシード吸引高さと比較し、シード吸引トレイ5がシード吸引位置に到達するまで、真空ポンプ12を負圧にし、シード吸引を実行する。シード吸引が完了した後、シード吸引に位置1とマークし、シード振動トレイ10を制御して低周波数f2で振動させる。シード層の厚さがC1未満の場合、シード添加のマーク位置1とする。
【0046】
図9(a)に示すように、X軸方向でのシード吸引トレイ5のシード運搬速度とY軸方向での追従速度の制御モデルの確立において、確立されたシード吸引、シード運搬、シードフィードの円運動数学的モデル(式(1)~(3))に従って、式(4)によりシード運搬速度の標的曲線を入力信号として算出し、X軸モータ8aに配置された速度センサーに取得されたシード吸引トレイ5の実際速度をフィードバックリンクとし、第1の予測制御器を確立し、シード運搬速度を制御する。Y軸距離測定センサー9bと距離測定センサー19cによりシード吸引トレイ5と栽培トレイ21との間の距離差を算出し、式(5)によって追従速度の標的曲線を入力信号として算出し、Y軸モータ9gに配置された速度センサーにより取得されたシード吸引トレイ5の実際速度をフィードバックリンクとし、第2の予測制御器を確立し、追従速度を制御し、タンデム動作の制御システムを形成する。改良された一般化予測制御算法によって、シード運搬速度と追従速度のタンデム動作の制御モデルを確立し、予測時間領域内の出力誤差により時間領域内の制御増加分の重みを制御して標的関数を確立し、制御量のオーバーシュートを回避するために、標的関数にα係数を増加させる。標的関数は、次の通りである。
【0047】
【数6】
シード運搬運動学の要件に従って、ニュートンの第2法則によりシードの脱落がない場合の最大加速度を取得することにより、入力飽和制約を確立する。
【0048】
【数7】
ここで、N
1は最小予測時間領域の長さであり、N
2は最大予測時間領域の長さであり、N
uは制御時間領域の長さであり、yは将来の出力予測値であり、y
rは入力参照値であり、λは制御増加分の重み系数であり、Δuは予測された出力増加分であり、βは制御量の重み系数であり、fは慣性力であり、mはシードの質量であり、Pはシードに対する気流場の作用力である。
【0049】
上記の標的関数と入力飽和制約を合わせて、最適な制御則を取得し、忘却係数が使用された再帰的拡張最小二乗法で最適な制御則中の求逆部分を直接識別し、予測制御器を確立し、出力信号によりX軸とY軸モータの転速を制御する。
【0050】
図9(b)に示すように、距離測定センサー19cは、播種ライン17上での栽培トレイ21の位置を推算し、式(4)を合わせてシード運搬速度を算出し、シード吸引トレイ5が右向きにシード運搬するように制御する。右リミットスイッチ8eがトリガーされた後、シード吸引トレイ5が下向きに移動し、シードフィード待機位置のリミットスイッチ7eがトリガーされた後、シードの添加が必要かどうかを判断し、シード添加のマーク位置が1であると、シード供給モータ31とシード添加モータ28が動き始め、シードドロップバルブ29が開き、シード添加リンクとシードフィードリンクを同期して実行する。偏向角測定機構22は、栽培トレイ21と播種ライン17ホルダーの2つの側縁間の距離を取得し、栽培トレイ21の偏向角を計算し、シード吸引トレイ5を特定角度回転させるように制御する。式(5)に従って理想的な追従速度を計算し、第2の予測制御器を入力し、シード吸引トレイ5の追従速度を調整して、シード吸引トレイ5を栽培トレイ21に追従させて相対的に静的な同じ速度で動作させるように制御する。シード吸引トレイ5と栽培トレイ21との間に相対的な変位がない場合、真空ポンプ12を負圧にし、シードフィードに追従し始め、シードフィードの時間は0.5秒に設定される。シードフィードが完了した後、シードフィードのマーク位置1とする。
【0051】
図10(a)に示すように、本発明の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御のフローチャートであり、時系列制御思想に基づき、制御プロセスがシリアル制御関係とパラレル制御関係に分けられ、その中で、シード吸引、シード運搬、シードフィード、シード洗浄は、シリアル制御関係であり、栽培トレイ21の動作、シード添加、及びY軸方向でのシード吸引トレイ5の動作は、パラレル制御関係である。プロセスが開始された後、シード吸引トレイ5が初期位置にあるかどうかを測定し、初期位置ではないと、まずシード吸引トレイ5を初期位置に戻させる。シード吸引トレイ5が初期位置に達した後、シード吸引トレイの動作制御部材と播種ライン17を起動し、栽培トレイ21が播種ライン17に入った後、底土敷き、底土掃き、及び穴押えのリンクを実行する。入口の第2の光電子センサー23では栽培トレイ21が入るのを検出すると、位置決めストッパー19bを下ろし、栽培トレイ21が播種領域を早めに離れないようにする。この時、栽培トレイ21は、搬送ベルト上を等速度で動作し、シード吸引、シード運搬、シードフィード、シード添加、シード洗浄制御のサブプロセスに入り、
図10(b)に示すように、まずシード吸引トレイのシード吸引サブプロセスにより、シード吸引トレイ5を下降させてシード吸引するように制御し、シード振動トレイ10の振動周波数、真空ポンプ12の気圧を制御し、
図8(b)に示すように、上記で詳述したので、ここでは改めて説明されない。シード吸引のマーク位置が1であると、シード吸引トレイ5が上向きに移動する。上部のリミットスイッチ7bがトリガーされた後、シード吸引トレイ5のシード運搬の運転サブプロセスにより、シード吸引トレイ5のシード添加リンクとシードフィードリンクを制御し、
図9(b)に示すように、上記で詳述したので、ここでは改めて説明されない。シードフィードのマーク位置が1であると、位置決めストッパー19bが開き、栽培トレイ21は、シードフィード領域を離れ得、サブプロセスを終了させ、再びライン制御に戻され、表土覆い、表土掃き、散水のリンクが順次に入れられる。一方、シード吸引トレイ5が初期位置に戻る。シード洗浄が必要な場合は、シード吸引トレイ5を初期位置でシード洗浄し、シード洗浄が完了した後、次の播種期間を継続して順次に循環させ、マルチトレイの連続播種作業を完了する。
【0052】
図11(a)に示すように、本発明におけるシード吸引トレイの動作制御部材は、作業プロセスのインターフェースが表示され、全機の電源がオンになると、タッチパネルが起動し、手動制御、自動制御、履歴情報の表示、及び操作説明のメインページを表示する。
図11(b)に示すように、手動制御モードで、振動周波数、シード吸引トレイの初期高さ、シード吸引の気圧値、及びシードフィードの気圧値をタッチパネルのパラメーター設置モジュールに手動で入力する。開始ボタンを押した後、手動制御ボタンを押すと、手動制御モジュール内で、4方向のボタンによりシード吸引トレイ5が上、下、左、右の4方向に沿って移動するように制御され、ボタンによりシード吸引トレイ5がY軸方向に沿って動作するように制御し、回転ボタンは、シード吸引トレイ5を時計回り又は反時計回りに回転させ得る。シングルステップ制御モードでは、シード吸引トレイ5は、三角形の前進ボタンが1回押されたときに動作を実行する。シングルサイクル制御モードでは、シード吸引トレイ5は、三角形の前進ボタンが1回押されたときに、サイクル動作を実行した後、一時停止する。シード吸引、シード運搬、シードフィード、原点に戻る。3つの開始停止ボタンは、それぞれ可動シード添加部材4、シード洗浄部材11、播種ライン17の起動と停止を制御し得る。動作が異常な場合、非常停止ボタンを押すことにより、すべての作業リンクを停止し得る。
図11(c)に示すように、自動制御モードでは、タッチパネルインターフェースは、パラメーター設定、シード吸引トレイ制御、及び運転パラメーター監視が含まれる。まず関連するパラメーター、すなわち、振動周波数、シード吸引トレイ初期高さ、シード吸引気圧値、及びシードフィード気圧値を手動で設定し、開始ボタンを押した後、シード吸引トレイ制御インターフェースの開始ボタンを押し、シード吸引トレイ5は、動作制御信号を待つ。ライン開始ボタンを押し、ラインを動作し始め、シード吸引トレイ5は、ラインと連携してマルチトレイの連続播種を実現する。ライン上の栽培トレイ21の位置及び速度、並びに4自由度の機械ハンドの回転角度及び各軸の移動速度は、運転パラメーター監視モジュールによりオンラインで監視することができ、シード洗浄回数、シード添加回数、播種されていた栽培トレイの数、及び毎回の播種の合格率も確認され得る。シード添加の停止ボタンが押されると、シード添加リンクは、キャンセルされる。シード洗浄の停止ボタンが押されると、シード洗浄リンクは、キャンセルされる。運転が異常な場合は、非常停止ボタンを押すと、すべての作業リンクを停止し得る。
【0053】
上記の実施例が本発明の好ましい実施形態であるが、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の実質的な内容から逸脱することなく、当業者になられ得る任意の明らかな改進、置換、又は変化は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0054】
1 底土敷き機構
2 底土掃き機構
3 穴押え機構
4 可動シード添加部材
5 シード吸引トレイ
6 回転機構
6a 凹形接続部
6b モータ軸
6c 回転モータ
6d 第1のL形接続部
6e 金属板接続部
7 Z軸伝動機構
7a Z軸モータ
7b 上部のリミットスイッチ
7c 第1の滑り子
7d 第2のL形接続部
7e シードフィード待機位置のリミットスイッチ
7f 下部のリミットスイッチ
7g 変位センサーの基台
7h 変位センサーの測棒
7i 金属板接続部の延長板
7j 第3の軸継手
7k 第3の親ねじ
8 X軸伝動機構
8a X軸モータ
8b 第1の軸継手
8c X軸センサーホルダー
8d X軸距離測定センサー
8e 右リミットスイッチ
8f 第1の親ねじ
8g 第2の滑り子
8h 左リミットスイッチ
9 Y軸伝動機構
9a Y軸センサーホルダー
9b Y軸距離測定センサー
9c 第2の親ねじ
9d 横桁
9e 第3の滑り子
9f 最小ストロークリミットスイッチ
9g Y軸モータ
9h 遊星減速機
9i フランジプレート
9j 第2の軸継手
9k 伝動軸
9l 線形モジュール
9m 最大ストロークリミットスイッチ
10 シード振動トレイ
11 シード洗浄部材
12 真空ポンプ
13 フレーム
14 表土覆い機構
15 表土掃き機構
16 散水機構
17 播種ライン
18 CCD測定素子
19 位置決め機構
19a 位置決めホルダー
19b 位置決めストッパー
19c 距離測定センサー
19d モータ軸
19e 第3の軸継手
19f 位置決めモータ
20 第1の光電子センサー
21 栽培トレイ
22 偏向角測定機構
23 第2の光電子センサー
24 シード洗浄針
25 2自由度の回転機械ハンド
26 シード添加機構
27 シード供給伝動機構
28 シード添加モータ
29 シードドロップバルブ
30 シード供給ホッパー
31 移動式シード供給モータ
32 Z形接続部
33 振動モータ
34 クランク接続棒
【手続補正書】
【提出日】2022-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
図9(a)に示すように、X軸方向でのシード吸引トレイ5のシード運搬速度とY軸方向での追従速度の制御モデルの確立において、確立されたシード吸引、シード運搬、シードフィードの円運動数学的モデル(式(1)~(3))に従って、式(4)によりシード運搬速度の標的曲線を入力信号として算出し、X軸モータ8aに配置された速度センサーに取得されたシード吸引トレイ5の実際速度をフィードバックリンクとし、第1の予測制御器を確立し、シード運搬速度を制御する。Y軸距離測定センサー9bと距離測定センサー19cにより
Y軸方向でのシード吸引トレイ5と栽培トレイ21との間の距離差を算出し、式(5)によって追従速度の標的曲線を入力信号として算出し、Y軸モータ9gに配置された速度センサーにより取得されたシード吸引トレイ5の実際速度をフィードバックリンクとし、第2の予測制御器を確立し、追従速度を制御し、タンデム動作の制御システムを形成する。改良された一般化予測制御算法によって、シード運搬速度と追従速度のタンデム動作の制御モデルを確立し、予測時間領域内の出力誤差により時間領域内の制御増加分の重みを制御して標的関数を確立し、制御量のオーバーシュートを回避するために、標的関数にα係数を増加させる。標的関数は、次の通りである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シード吸引トレイの動作制御部材と可動シード添加部材(4)が含まれ、上記の可動シード添加部材(4)とシード吸引トレイの動作制御部材が播種ライン(17)上での穴押え機構(3)と表土覆い機構(14)との間に設けられ、
上記のシード吸引トレイの動作制御部材は、シード吸引トレイ(5)、4自由度の機械ハンド、シード振動トレイ(10)、及び真空ポンプ(12)が含まれ、シード吸引トレイ(5)は、4自由度の機械ハンドに駆使され、直交座標系の任意の位置に移動し、シード吸引トレイ(5)の空気吸入孔は、エアパイプに介して真空ポンプ(12)に接続され、シード振動トレイ(10)は、クランク接続棒(34)に介して振動モータ(33)の出力軸に接続され、
上記の可動シード添加部材(4)は、シード添加機構(26)とシード供給伝動機構(27)が含まれ、シード添加機構(26)は、シード添加モータ(28)、シードドロップバルブ(29)、及びシード供給ホッパー(30)が含まれ、シード添加モータ(28)の出力軸に接続されたシードドロップバルブ(29)の上部は、シード供給ホッパー(30)の底部開口部に密着し、シード供給ホッパー(30)は、Z形接続部(32)に介してシード供給伝動機構(27)の滑り子に固定されており、シード供給伝動機構(27)は、移動式シード供給モータ(31)と線形滑り台モジュールとを4相接続で構成され、
播種ライン(17)のホルダーには、位置決めモータ(19f)に介して位置決めストッパー(19b)が接続されており、位置決めストッパー(19b)に距離測定センサー(19c)が取り付けられ、
穴押え機構(3)は、その末端に第2の光電子センサー(23)が設けられており、偏向角測定機構(22)と第1の光電子センサー(20)は、それぞれシード吸引トレイ(5)が播種ライン(17)の真上に位置する場合の2つの側面角の位置の真下に配置され、
上記の真空ポンプ(12)、振動モータ(33)、位置決めモータ(19f)、シード添加モータ(28)、移動式シード供給モータ(31)、及び4自由度の機械ハンドは、いずれも主制御部によって制御され、主制御部は、距離測定センサー(19c)、第1の光電子センサー(20)、第2の光電子センサー(23)、偏向角測定機構(22)、CCD測定素子(18)、及び4自由度の機械ハンドに設けられた変位及び距離測定センサーによって収集された信号も受信する
ことを特徴とする、空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項2】
上記の4自由度の機械ハンドは、回転機構(6)、Z軸伝動機構(7)、X軸伝動機構(8)、及びY軸伝動機構(9)が含まれ、上記の回転機構(6)は、回転モータ(6c)が含まれ、回転モータ(6c)は、第1のL形接続部(6d)に介して金属板接続部(6e)上に固定されており、回転モータ(6c)のモータ軸(6b)は、凹形接続部(6a)に介してシード吸引トレイ(5)を固定することを特徴とする、請求項1に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項3】
上記のZ軸伝動機構(7)は、Z軸モータ(7a)と第2の線形滑り台モジュールを直接接続で組み立てて構成され、第2の線形滑り台モジュールのシェルは、第2のL形接続部(7d)に介してX軸伝動機構(8)の第2の滑り子(8g)に固定され、Z軸モータ(7a)の出力軸は、第3の親ねじ(7k)に接続され、第3の親ねじ(7k)は、第1の滑り子(7c)を貫通して第1のねじ伝動機構を形成し、第1の滑り子(7c)は、さらに金属板接続部(6e)の上端に接続され、金属板接続部(6e)は、延長板に介してZ軸変位センサーの測棒(7h)が固定され、
上記の第2の線形滑り台モジュールのシェルには、上部のリミットスイッチ(7b)、シードフィード待機位置のリミットスイッチ(7e)、及び下部のリミットスイッチ(7f)が垂直方向に順次配置されており、第2の線形滑り台モジュールのシェルには、Z軸変位センサーも配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項4】
上記のX軸伝動機構(8)は、X軸モータ(8a)と第3の線形滑り台モジュールを直接接続で組み立てて構成され、第3の線形滑り台モジュールは、横桁(9d)の上部に固定され、X軸モータ(8a)は、第1の親ねじ(8f)に接続され、第1の親ねじ(8f)は、第2の滑り子(8g)の雌ねじを貫通して第2のねじ伝動機構を形成し、第3の線形滑り台モジュールのシェルには、X軸距離測定センサー(8d)が取り付けられており、第3の線形滑り台モジュールのシェルには、X軸方向に沿って右リミットスイッチ(8e)と左リミットスイッチ(8h)が配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項5】
上記のY軸伝動機構(9)は、伝動軸(9k)とY軸モータ(9g)が含まれ、伝動軸(9k)の両端は、それぞれY軸方向に沿って配置された2つの線形モジュール(9l)に軸継手(9j)で接続され、その1つの線形モジュール(9l)の軸継手(9j)には、遊星減速機(9h)が取り付けられ、遊星減速機(9h)は、Y軸モータ(9g)に取り付けられ、線形モジュール(9l)の第2の親ねじ(9c)は、第3の滑り子(9e)を貫通して第3のねじ伝動機構を形成し、2つの第3の滑り子(9e)には、横桁(9d)が固定され、線形モジュール(9l)のシェルには、Y軸距離測定センサー(9b)が取り付けられ、線形モジュール(9l)のシェルには、Y軸方向に沿って最小ストロークリミットスイッチ(9f)、最大ストロークリミットスイッチ(9m)が順次配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項6】
シード洗浄部材(11)がさらに含まれ、上記のシード洗浄部材(11)は、2自由度の回転機械ハンド(25)とシード洗浄針(24)が含まれ、2自由度の機械ハンド(25)は、フレーム(13)の中間横桁に固定され、シード洗浄針(24)は、2自由度の回転機械ハンド(25)の上端に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置。
【請求項7】
シード吸引、シード運搬、シードフィード、及びシード洗浄のシリアル制御、並びに栽培トレイ(21)の動作、シード添加、及びシード吸引トレイ(5)のY軸方向に沿った動作のパラレル制御が含まれ、具体的には、
シード吸引トレイ(5)が初期位置に配置された後、シード吸引トレイの動作制御部材と播種ライン(17)を起動し、栽培トレイ(21)が播種ライン(17)に入る時に、位置決めストッパー(19b)を下ろし、シード振動トレイ(10)を高周波数で振動させ、修正されたシード層の厚さとシード吸引高さとの関係に従って、シード層の厚さに対応するシード吸引高さを見つけ、シード吸引高さの制御信号を4自由度の機械ハンドへ出力し、シード吸引トレイ(5)がシード吸引位置に到達するまで下降するようにシード吸引トレイ(5)を制御し、真空ポンプ(12)を負圧にしてシード吸引を実行し、シード吸引が完了した後、シード振動トレイ(10)を低周波数で振動させ、シード吸引トレイ(5)が上向きに移動し、上部のリミットスイッチ(7b)がトリガーされた後、シード吸引トレイ(5)のシード運搬が右向きに移動し、右リミットスイッチ(8e)がトリガーされた後、シード吸引トレイ(5)が下向きに移動し、シードフィード待機位置のリミットスイッチ(7e)がトリガーされ、シードを添加する必要がある場合、シード供給モータ(31)とシード添加モータ(28)を起動し、シードドロップバルブ(29)が開き、シード吸引トレイ(5)と栽培トレイ(21)との間に相対的な変位がない場合、真空ポンプ(12)を負圧にし、シードフィードに追従し始め、シードフィードが完了した後、位置決めストッパー(19b)が開き、シード吸引トレイ(5)が初期位置に戻り、シード洗浄が必要な場合は、2自由度の回転機械ハンド(25)を起動してシードを洗浄し、シード洗浄が完了した後、次の栽培トレイが入るのを待ち続ける
ことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一つの項に記載の空気振動型精密播種ラインの多部材協調動作の制御装置の制御方法。
【請求項8】
シード吸引トレイ(5)と栽培トレイ(21)との協調動作のための数学的モデルは
【数8】
であり、ここで、V
2はシード運搬速度であり、V
3はシード吸引トレイ(5)がシードフィード待機位置に移動する移動速度であり、V
4はシード吸引トレイ(5)の追従移動速度であり、V
tranはコンベヤーベルトの移動速度であり、hはシード吸引高さであり、L
3はシード吸引トレイ(5)がシードフィードの待機位置まで下降する移動距離であり、L
4は栽培トレイ(21)からシードフィード位置までの距離であり、T
Sはシード吸引時間であり、ΔLはシード吸引トレイ(5)と栽培トレイ(21)との間の相対的変位であり、Δtはシード吸引トレイ(5)のY軸方向での追従速度が栽培トレイ(21)と同じ速度に調整されるのに必要な時間である
ことを特徴とする、請求項7に記載
の制御方法。
【請求項9】
修正されたシード層の厚さとシード吸引高さとの関係を取得するプロセスにおいて、まず振動周波数、振幅、及び圧力差に従って、ガス-固体結合の計算を実行し、理想的な状態でのシード層の厚さとシード吸引高さとの間の理想的な対応関係を取得し、次に、振動周波数、振幅、及び圧力差に従ってベンチテストを実行し、シード吸引率が95%を超える高さを実際のシード吸引高さとし、シード吸引高さとシード層の厚さとの間の実際の対応関係を取得し、最後に、シード吸引高さとシード層の厚さとの間の実際の対応関係を理論上の対応関係と比較することを特徴とする、請求項7に記載
の制御方法。
【請求項10】
X軸方向でのシード吸引トレイ(5)のシード運搬速度を制御するプロセスにおいて、シード運搬速度の標的曲線を入力信号とし、X軸方向でのシード吸引トレイ(5)の実際速度をフィードバックリンクとして第1の予測制御器を確立し、シード運搬速度を制御し、Y軸方向でのシード吸引トレイ(5)の追従速度を制御するプロセスにおいて、シード吸引トレイ(5)が栽培トレイ(21)に追従する速度の標的曲線を入力信号とし、Y軸方向でのシード吸引トレイ(5)の実際速度をフィードバックリンクとして、第2の予測制御器を確立し、追従速度を制御することを特徴とする、請求項7に記載
の制御方法。
【国際調査報告】