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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】知育玩具セット
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
A63H33/00 302A
A63H33/00 302C
A63H33/00 302D
A63H33/00 302E
A63H33/00 302Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519501
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(85)【翻訳文提出日】2022-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2019081345
(87)【国際公開番号】W WO2021093957
(87)【国際公開日】2021-05-20
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】522120381
【氏名又は名称】キューブス アーゲー
【氏名又は名称原語表記】QUBS AG
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブルマン, ハイリ
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA01
2C150BA13
2C150BA14
2C150BA22
2C150BA25
2C150DF01
2C150DF02
2C150DF03
(57)【要約】
本発明は、知育玩具セットおよび聴覚信号を発生させるための方法に関する。本発明による知育玩具セットは、1つまたは複数の形状品特徴に対応する少なくとも1つの形状品識別子2.1、2.2を有する形状品2、2’、3、4を備える。この玩具セットは、少なくとも1つのリーダの有効範囲内にある少なくとも1つの形状品識別子を検出するおよび/または起動するための少なくとも1つのリーダを有する識別要素と、リーダによる少なくとも1つの形状品識別子の検出および/または起動を処理するように構成された処理ユニットとをさらに備える。玩具セットはまた、1つまたは複数の形状品特徴を伴って前記検出および/または起動の処理を反映した聴覚入力を与えるように構成された出力ユニットも備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.1つまたは複数の形状品特徴に対応する少なくとも1つの形状品識別子(2.1、2.2)を有する形状品(2、2’、3、4)と、
b.少なくとも1つのリーダ(10、10’)を有して、前記少なくとも1つのリーダの有効範囲内にある少なくとも1つの形状品識別子を検出および/または起動するための形状品識別要素と、
c.前記リーダ(10、10’)による前記少なくとも1つの形状品識別子(2.1、2.2)の検出および/または起動を処理するように構成された処理ユニット(11)と、
d.前記1つまたは複数の形状品特徴を伴って前記検出および/または起動の前記処理を反映する聴覚出力を与えるように構成された出力ユニット(17)と
を備える、知育玩具セット。
【請求項2】
それぞれが前記1つまたは複数の形状品特徴に対応する前記少なくとも1つの形状品識別子(2.1、2.2)を有する複数の形状品(2、2’、3、4)を備える、請求項1に記載の知育玩具セット。
【請求項3】
それぞれが前記少なくとも1つのリーダを有し、かつそれぞれが前記少なくとも1つのリーダの有効範囲を有する複数の形状品識別要素を備える、請求項1または2に記載の知育玩具セット。
【請求項4】
前記出力が、前記少なくとも1つの形状品識別子の前記検出および/または起動を実行した前記複数の形状品識別要素の特徴を反映する、請求項3に記載の知育玩具セット。
【請求項5】
前記リーダのうちのいずれか1つによる前記少なくとも1つの形状品識別子の前記検出および/または起動のシーケンスを記憶するためのメモリユニットを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の知育玩具セット。
【請求項6】
少なくとも1つのさらなる情報処理装置と前記処理ユニットを接続するためのインターフェースを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の知育玩具セット。
【請求項7】
複数の有効範囲を含み、前記複数の有効範囲のそれぞれが特定のリーダの有効範囲であり、前記有効範囲が実質的に重複しないように調整される、請求項1~6のいずれか一項に記載の知育玩具セット。
【請求項8】
前記1つまたは複数の形状品特徴を伴う前記出力は、前記形状品の形状品形態値、数値、文字値、画像値などの特徴を反映する、請求項1~7のいずれか一項に記載の知育玩具セット。
【請求項9】
前記形状品識別要素が、形状品受入可能部に関連する有効範囲内に前記形状品を入れるなどのために、前記形状品を受け入れるように構成された少なくとも1つの形状品受入可能部を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の知育玩具セット。
【請求項10】
前記形状品が、本質的に木材で作られた形状品表面を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の知育玩具セット。
【請求項11】
前記処理ユニットが、前記出力ユニットによる聴覚出力によってユーザに入力要求するようにさらに構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の知育玩具セット。
【請求項12】
前記形状品識別要素、前記処理ユニットおよび前記出力ユニット、ならびに好ましくは形状品受入可能部もまたプレイトレイ(1)の部分であり、前記形状品が別個であり、特に前記形状品受入可能部に前記形状品に嵌合することによって、前記プレイトレイの前記少なくとも1つのリーダの有効範囲内に入るように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の知育玩具セット。
【請求項13】
複数の形状品のうちの少なくとも2つが積み重ね可能であるように設計される、請求項1~12のいずれか一項に記載の知育玩具セット。
【請求項14】
特に請求項1~13のいずれか一項に記載の知育玩具セットによって、聴覚出力を発生させるための方法であって、
a.前記少なくとも1つのリーダの有効範囲内に少なくとも1つの前記形状品を入れることにより、前記少なくとも1つの形状品識別子の前記検出および/または起動をトリガするステップと、
b.前記形状品特徴、前記形状品識別子の数、前記リーダの位置、および読み取りの時間のうちのいずれか1つまたは組み合わせに依存する少なくとも1つのパラメータに応じて前記トリガするステップを処理するステップと、
c.前記処理するステップの結果として出力ユニットによって聴覚出力を出力するステップと
を含む、聴覚出力を発生させるための方法。
【請求項15】
前記形状品特徴が、前記形状品の形状品形態値、数値、文字値、画像値のうちのいずれか1つまたは組み合わせを反映し、前記処理するステップが、前記形状品特徴のシーケンスに応じて前記値を設定して、前記シーケンスを反映した意味のある出力を聴覚出力の形態で発生させる工程を含む、請求項14に記載の聴覚出力を発生させるための方法。
【請求項16】
前記処理ユニットが、前記形状品特徴のシーケンスを、メモリに記憶された一式の所定の動作と照合する、請求項14または15に記載の聴覚出力を発生させるための方法。
【請求項17】
前記処理ユニットが、前記形状品特徴の前記シーケンスがメモリに記憶された所定の動作のセットと照合されない場合、エラー通知を出す、請求項15または16に記載の聴覚出力を発生させるための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、すべて独立請求項の前文による、知育玩具セットと、特に知育玩具セットによって聴覚出力を発生させるための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、そしてタッチスクリーンが使えるタブレットコンピュータの進歩に伴って、一般的な知育玩具および教育上有益な玩具は、学習刺激を組み込む主要なツールの1つとしてコンピューティングを適合させている。このことは、子どもたちにコンピュータの働き方を教え、経験させるため、また場合によりシンボリックシンキング(Symbolic Thinking)までも教え、経験させるための良い選択であるかもしれないが、教育学理論においては、備わっている感覚すべてを刺激するような学習手法が最良であるという事実が長年受け入れられている。タブレットコンピュータおよびコンピュータ一般は、大抵、視覚および聴覚を刺激するためにしか使用できない。同様に、子どものための教育上有益な玩具として古くから使用されてきた積木および操作物(manipulatives)は、視覚に加えて触覚を刺激するために高く評価されているが、依然として聴野での刺激がなく、インタラクティブな学習体験を提供することができない。
【0003】
したがって、触覚的および知覚的な学習を可能にし、手近な材料であり、多種多様な題材を学習するために使用することができ、例えば、数学的理解を支援するためにも使用され、言語医学においても使用可能である、知育玩具および教育上有益な玩具が必要とされている。
【0004】
国際公開第2015/073530号は、ストーリーを組み立てる玩具を開示している。ストーリーは、ある順序で並べられた一式のブロックに従って、ユーザのために再生され得る。この順序によって、題材などのテーマ、登場人物、筋(plot)、役、または他のストーリーの属性もしくは要素のうちのいずれがどの順序で再生されるかが決まる。この装置は、画面によって提供される仮想刺激に依然として大部分が依拠している。画面では、一連のブロックに従ってストーリーが展開される。一連のブロックは、ユーザによって並べられた後に、確定されたストーリーブロックから構成されたストーリーとして画面上で再生される。このことは、ブロックの特定のセットから多数の可能なストーリーの組み合わせをもたらし、試行錯誤を促すのは確実であり、また場合によりナラティブシンキング(narrative thinking)およびストーリービルディング(story building)を刺激することさえあるが、知育玩具は、それ自体では、数学および言語などの複雑かつ抽象的な題材を理解し、向き合う間に、触覚刺激の形態で「把握」することを可能にする領域にほとんど寄与しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの課題を克服する知育玩具を提供することにある。本発明の特定の目的は、1~16歳の子どもにとって使いやすく、安全であり、視野、聴野、および触覚野において学習刺激を提供する知育玩具を提供することにある。本発明の1つのさらなる特定の目的は、インタラクティブな体験を提供すると同時に子どもの画面を見ている時間を減らす知育玩具セットを提供することにある。
【0006】
本発明の1つの特定の目的は、知育玩具と、意図された学習経験および/または知育玩具セットの少なくとも部分の取り扱いを反映する聴覚出力を知育玩具セットにおいて与えるための方法とを提供することに関連する。
【0007】
これらの目的のうちの少なくとも1つが、独立請求項に記載の特徴部分の特徴によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、知育玩具セットである。玩具セットは、以下で定義する形状品(shape)を備え、この形状品は、1つまたは複数の形状品特徴(shape feature)に対応する少なくとも1つの形状品識別子(shape-identifier)を有する。
【0009】
知育玩具セットは、少なくとも1つのリーダの有効範囲内にある少なくとも1つの形状品識別子を検出および/または起動するための少なくとも1つのリーダを有する形状品識別要素をさらに備える。
【0010】
知育玩具セットは、リーダによる少なくとも1つの形状品識別子の検出および/または起動を処理するように構成された処理ユニットをさらに備える。
【0011】
知育玩具セットは、聴覚出力を与えるように構成された出力ユニットをさらに備える。出力は、1つまたは複数の形状品特徴を伴ってその検出および/または起動の処理を反映する。
【0012】
本発明に関連して、「セット(set)」は、例えば、機能的に同類である複数のアイテムとして理解することができる。これに関連して、セットは、互いに嵌合する複数のアイテムとして理解することができる。
【0013】
さらに、本発明に関連して、「形状品」は、形状品の外部境界によって特定の幾何学的形態を表すように画定されるアイテムとして理解することができる。
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、形状品は積木であり、特に好ましい積木は、6つの等しい正方形によって囲まれた実質的に対称的な三次元形状であり、すなわち形状品は立方体である。
【0015】
本発明の特定の実施形態では、形状品特徴(複数の場合あり)は、当該形状品の特定の特性に関する情報を含む。この情報は、例えば、形状品の特定の幾何学的形状に関する情報とすることができる。代替的または追加的に、形状品特徴(複数の場合あり)は、形状品の色、形状品の表面特性、形状品の表面のいずれか1つの表面に表された画像、および/または文字(複数の場合あり)、単語(複数の場合あり)、文(複数の場合あり)、数字(複数の場合あり)のうちのいずれか1つまたはこれらの組み合わせに関する情報を含むことができる。
【0016】
特に好ましい実施形態では、形状品特徴(複数の場合あり)は、形状品の少なくとも1つの表面に表された演算子に対応する。
【0017】
本発明に関連して、演算子は、数学演算を意味するため、数学的な意味で理解されるものとする。最も一般的に使用される数学演算記号は、+、-、=、:、×である。これらの演算は、それぞれ加算、減算、等号、除算、乗算を表す。
【0018】
本発明の知育玩具セットは、多種多様な題材の学習を刺激するために使用することができる玩具セットを提供する。題材は、形状品(複数の場合あり)上に対応する形状品特徴(複数の場合あり)を設けることによって実施することができる。形状品は、処理ユニットが、形状品を認識し、一連の形状品(複数の場合あり)を論理的順序に配置し、論理的順序を反映した、知覚できる出力を出力ユニットに供給することによって、互いに相互作用させることができる。知育玩具セットは、形状品特徴(複数の場合あり)を用いることにより学習刺激を高めることができる。形状品特徴は単独で、子どもが相互作用するのに魅力的であるように設計され、ユーザの聴覚、視覚、および触覚を刺激することができる。形状品(複数の場合あり)の触覚操作による体性感覚系の刺激は、知育玩具セットに関連する学習体験に特に有利である。
【0019】
本発明の特定の実施形態では、玩具セットは、それぞれが1つまたは複数の形状品特徴に対応する少なくとも1つの形状品識別子を有する複数の形状品を備える。
【0020】
本発明の特に好ましい実施形態では、複数の形状品は、1~25個の形状品、特に1~15個の形状品、さらに特に3~10個の形状品である、いくつかの形状品である。
【0021】
本発明の特定の実施形態では、玩具セットは、複数の形状品識別要素を備える。各形状品識別要素は、少なくとも1つのリーダを有し、それぞれが、前記少なくとも1つのリーダの少なくとも1つの有効範囲を有する。
【0022】
本発明に関連して、有効範囲は、リーダと特定の形状品の形状品識別子との間で非接触検出が起こり得るゾーンとして理解することができる。有効範囲は、互いに隣接して配置された複数の有効範囲が重複しないように、形状品識別要素からある角度で延びることができる。この構成では、知育玩具セットは、特定の形状品識別子を有する特定の形状品が複数の形状品識別要素のどの位置に置かれているかを識別することができる。このことにより、知育玩具セットには、例えば、数字に対応する形状品特徴(複数の場合あり)を有するいくつかの形状品に対して演算子を実行する可能性がもたらされる。効果的な使用では、このことが意味するのは、第1の形状品が数字、例えば1に対応する形状品特徴を有し、第2の形状品が演算子、例えばプラス、すなわち加算に対応する形状品特徴を有し、第3の形状品が数字、例えば2の形状品特徴を有する、3つの形状品のシーケンスが置かれる場合に、知育玩具セット上の3つの形状品識別要素の有効範囲は重複しないように配置され、その結果、形状品識別要素のそれぞれが、ある仕方で相互作用している形状品の特定の形状品特徴(複数の場合あり)を明確に識別することができ、その結果、知育玩具セットは、対応する数学演算の結果に対応する聴覚出力を提供することができる、すなわち、特定の例では、聴覚出力が、「3」と音声で読み上げることができるということである。
【0023】
本発明の特定の実施形態では、検出および/または起動は、1つの形状品識別子が少なくとも1つのリーダの有効範囲内にあるときに行われる。
【0024】
代替的または追加的に、特定の形状品識別子が、2つの有効範囲が重複する場合にのみ形状品識別子を起動および/または検出するなどのために配置され得る。この特定の実施形態によって、例えば、積み重ねられた形状品を検出することが可能になる。
【0025】
特定の実施形態では、形状品識別子は、電磁場によって起動および/または検出されるように構成される。
【0026】
特に好ましい実施形態では、形状品識別子はパッシブ無線周波数タグである。あるいは、形状品識別子はアクティブに送信するタグである。
【0027】
特に好ましい実施形態では、形状品識別子およびリーダは、通信プロトコルとして近距離無線通信を使用する。本実施形態では、有効範囲は、無線周波数場に実質的に対応し、検出および/または起動は、形状品識別子の形態のパッシブタグの電力供給を含む。
【0028】
特定の実施形態では、形状品識別子は、特定の形状品識別子が関連付けられている形状品を形状品識別要素が一義的に識別することを可能にする固有の識別コードを含む。特定の例では、固有の識別コードは通し番号である。
【0029】
本発明の特に好ましい実施形態では、知育玩具セットは、形状品識別子の明確かつ一義的な検出を可能にするなどのために、少なくとも1つのリーダの有効範囲を形作る1つまたは複数のシールドを備える。有効範囲を形作るための適切なシールドは、例えば、無線周波数の電磁波がリーダから特定の角度で延びるのを遮蔽するアルミニウム層および/または他の金属層など、典型的な無線周波遮蔽材料から作ることができる。特に好ましい実施形態では、1つまたは複数のシールドは、複数の形状品識別要素と共にプレイトレイの内側に配置され、その結果、それぞれが1つの形状品識別要素に関連付けられたリーダが互いに重複しない有効範囲を形作る、または互いに重複するものは互いに制御されたゾーンのみである。
【0030】
特に好ましい実施形態では、少なくとも1つのリーダを有する形状品識別要素は、プレイトレイに配置される。好ましくは、プレイトレイは、それぞれが形状品を受け入れることができ、対応する形状品と嵌合することができる複数の凹部を備える。凹部は、リーダ用のシールド材料が有効範囲を形作るように配置され得るように、トレイに組み込まれ得る。
【0031】
さらなる代替的または追加的な実施形態では、処理ユニットは、リーダによって特定の時間間隔で読み取りを実行するように、また最初の検出に従って後続の読み取りに作用するように構成される。例えば、リーダは、0.1~5cmの第1の有効範囲で形状品識別子を検出するのに適した第1のアンテナとすることができ、検出時に、0.1~10cmの範囲で形状品識別子を検出するように構成された第2のアンテナに関与する。このような構成により、例えば、1つの形状品識別要素上の積み重ねられた形状品を検出することが可能になる。
【0032】
本発明の特定の実施形態では、出力は、少なくとも1つの形状品識別子の検出および/または起動を実行した複数の形状品識別要素のうちの特定の1つの特徴を反映する。この実施形態では、各形状品識別要素は、特定の特徴を属性として有することができる。この特徴は、例えば、知育玩具セットの配置における形状品識別要素の位置、例えばトレイ上での位置に対応することができる。知育玩具セットが形状品識別要素が配置されたトレイを備える特定の例では、この特徴は、例えば、トレイ上の形状品識別要素の位置とすることができる。サンプル位置は、例えば、トレイの端部から最初の形状品識別要素、およびそれに応じた形状品識別要素の位置カウントを反映する対応する数字とすることができる。
【0033】
代替的および/または追加的な実施形態では、特徴はまた、形状品識別要素の特定の特性を反映することができる。この特性は、例えば特定の形状品で作るのに適している場合、例えば形状品識別要素の幾何学的形状であり得る。この例では、形状品識別要素は、例えば立方体の形態の形状品と嵌合するように、実質的に正方形のような形状品とすることができる。当然のことながら、形状品識別要素の幾何学的形状および形状品(複数の場合あり)のあらゆる組み合わせが本発明に関連して実現され得ることを当業者には完全に理解されよう。特徴はまた、特定の形状品識別要素の属性であり、この形状品識別要素の有効範囲内にある形状品識別子の起動および/または検出に基づいて出力を提供するときに処理ユニットによって考慮される、色コード、数字コード、文字コード、および/または演算子コードとすることができる。
【0034】
本発明の特定の実施形態では、出力は、少なくとも1つの形状品識別子の検出および/または起動を実行した複数の形状品識別要素の特徴を反映しており、ここでは、特徴は、起動されたリーダの数、および/または以前の起動ステップの数とすることができる。
【0035】
特定の実施形態では、知育玩具セットは、リーダ(複数の場合あり)のうちのいずれか1つによる少なくとも1つの形状品識別子(複数の場合あり)の検出および/または起動のシーケンスを記憶するためのメモリユニットを備える。メモリユニットは、例えば、ランダムアクセスメモリを備えることができ、検出イベントおよび/または起動イベントはすべて、処理ユニットによって処理されるべく少なくとも一時的に記憶される。
【0036】
さらなる特定の実施形態では、知育玩具セットは、上述のような形状品特徴(複数の場合あり)および/または形状品識別要素特徴を反映した適切な出力を決定するときに処理ユニットがアクセスすることができる聴覚出力ファイルの集合を記憶するさらなるメモリユニットを備える。これらの聴覚出力ファイルは、例えば、処理ユニットが選択することのできる特定の特徴および命令の音声記録を含むことができる。
【0037】
特定の実施形態では、本発明の知育玩具セットは、無線通信ユニットを備える。この無線通信ユニットは、例えば、知育玩具セットをインターネットに接続し、インターネット上のメモリまたはデータベースへのアクセスを提供するために使用することができ、処理ユニットは、上述したように、聴覚出力ファイルにアクセスすることができる、ならびに/または起動および/もしくは検出のシーケンスを記憶することができる。
【0038】
特に好ましい実施形態では、知育玩具セットは、機械学習プロトコルと連携して処理するようにさらに構成される。機械学習プロトコルは、知育玩具セットが使用されるときにユーザデータを処理するために使用される。起動および/または検出のイベントの特定のシーケンスを使用して、繰り返される使用パターンまたはクラスタを識別し、それにより、繰り返される特定の種類の領域に向けた教育的フィードバックを提供することができる。ユーザデータを解析することにより、カスタマイズされたチャレンジレベルをユーザに提供することが可能になる。例えば、機械学習プロトコルが、タスクが極めて短い時間間隔で解かれ、したがってユーザにとって易しすぎると見なすことができると認識した場合、聴覚信号出力を介して対応する命令を与えることによって、より困難なタスクを設定することができる。
【0039】
特定の実施形態では、知育玩具セットは、いかなる種類の電子ディスプレイも組み込まない。ディスプレイを組み込まないことにより、知育玩具セットは、視覚的刺激のバランスがとれており、形状品によって行われ、他の感覚を犠牲にして1つの感覚を優先することがない、強力な触覚および聴覚成分を有する対話型体験を提供することによって、教育的刺激および学習刺激のためのタブレットコンピュータの今日の広範な使用を理想的に補完する。よって、知育玩具セットは画面のない玩具であり、その使用において依然としてインタラクティブである。
【0040】
特定の実施形態では、機械学習プロトコルは、複数の知育玩具が使用されるときに複数の知育玩具のデータを処理するように構成される。このことは、例えば、知育玩具セットの提供者との匿名化された仕方での共有をユーザが承諾する、例えば、領域、時刻、使用の長さ、および任意の他の変数などのパラメータに基づいて、教育学的必要性が認められた特定の領域をターゲットとするために使用することができる重要なユーザデータベースの構築につながり得る。
【0041】
特定の実施形態では、知育玩具セットの無線接続ユニットは、処理ユニットの動作を制御するコンピュータプログラム製品を更新するための更新手段を提供するようにさらに構成される。
【0042】
特定の実施形態では、無線接続はインターフェースである。さらなる特定の実施形態では、本発明の知育玩具セットは、少なくとも1つのさらなる情報処理装置と処理ユニットを接続するためのインターフェースを備える。これは、例えばインターフェース用のUSB対応プロトコル、ならびに好ましくは当業者によって実用的であると考えられる最新世代の標準および/またはミニUSBおよび/またはマイクロUSB接続のいずれか1つである対応する接続の形態をとることができる。
【0043】
特定の実施形態では、知育玩具セットは、それぞれが特定のリーダのための複数の有効範囲を含み、有効範囲は、それらが実質的に重複しないように構成される。あるいは、複数の有効範囲は、選択された重複領域内で重複するように配置することができ、次いで、前記領域内の形状品識別子のより具体的な起動および/または検出を可能にする重複領域を提供することによって利用可能である。特定の形状品は、例えば複数のリーダと相互作用し、それによって1つまたは複数の形状品識別手段を橋渡しする形状品識別子を備えることができる。このことにより、処理ユニットによって処理される出力ユニットによる特定の聴覚出力をトリガすることができる。
【0044】
特定の実施形態では、形状品(複数の場合あり)は、例えばタグなどの形状品識別子にのみアクセス可能であることにより特定の角度からのみ起動および/または検出することができるように、例えば形状品の内部に配置された無線周波数電磁波遮蔽材料の形態をとることができる少なくとも1つの形状品シールドを備える。このことにより、形状品は複数の特徴を属性として有することができる。例えば、立方体の形態の形状品は、6つの異なる特徴を属性として有することができる。各特徴は、特定の立方体表面を反映し、形状品識別子に関連付けられる。形状品識別子の読み取りは、他の5つの形状品識別子からの形状品識別子が、それぞれが立方体内部のシールドによって読み取りを遮蔽されているそれらの表面を反映する状態で、形状品識別要素に正しく配置された場合にのみ可能である。
【0045】
特定の実施形態では、1つまたは複数の形状品特徴を伴って出力することは、例えば、形状品の形状品形態値、数値、文字値、画像値などの特徴を反映する。
【0046】
本発明の特定の実施形態では、形状品識別要素は、形状品受入可能部に関連する有効範囲に形状品を入れるなどのために、形状品を受け入れるように構成された少なくとも1つの形状品受入可能部を備える。
【0047】
特定の実施形態では、形状品識別要素は、複数の形状品受入可能部を備える。
【0048】
さらなる特定の実施形態では、形状品受入可能部は、当該形状品にぴったりと嵌合するなどのように形状品と合う。特に好ましくは、形状品受入可能部は、プレイトレイに凹部として設計される。
【0049】
代替的または追加的に、形状品受入可能部は、形状品を直感的に配置するなどのために、形状品に一致するようにマーキングおよび/または適切なアイコンを備えて、形状品を直感的に置くなどのために図像が形状品に対応して合うように設計することができる。このことにより、形状品識別要素の有効範囲内に形状品を確実に入れることができる。
【0050】
本発明の特定の実施形態では、知育玩具セットは、本質的に木材で作られた形状品表面を有する形状品(複数の場合あり)を有する。本質的に木材で作られた表面を有する形状品(複数の場合あり)を有することの1つの利点は、木材の触覚特性に起因する。木材は、本発明の知育玩具セットのより大きな受容が使用から期待され得るように、手触りが暖かく、見た目および感触が従来の積木玩具に近い。代替的または追加的に、知育玩具セットは、本質的にプラスチックおよび/または厚紙で作られた形状品表面を有する形状品(複数の場合あり)を有する。特定の実施形態では、形状品(複数の場合あり)は、形状品識別子(複数の場合あり)などのすべての電子ユニットを備える内部ユニットで充填可能な内部容積を有する。本実施形態では、形状品(複数の場合あり)の表面は、特定の形状に折り畳み可能であり、内部ユニットが内部に配置される厚紙で作ることができる。
【0051】
本発明の特定の実施形態では、処理ユニットは、出力ユニットによる聴覚出力によってユーザに入力要求するようにさらに構成される。この入力要求は、特定の動作を実行するための音声による案内の形態をとることができる。このことは、形状品識別要素の有効範囲内に形状品を入れるようにとの案内の形態で、空の状態で、すなわち、形状品識別要素の有効範囲内に形状品をまだ入れていないときに行うことができ、知育玩具セットに既に存在するシーケンスによって促すことができる。例えば、形状品識別要素の対応する受入可能部に嵌め込まれた形状品のシーケンスによって、数学演算が置かれた場合、プロセッサは、正解、すなわち数学演算の結果を残りの空いている受入可能部に置くようにユーザに促すことができる。さらに、これに続いて、形状品が数学演算の結果を表す正しい数値を有するか否かを示す出力を行うことができる。
【0052】
さらなる特定の実施形態では、処理ユニットは、出力ユニットが出力するための正解を反映した特定の出力信号を発生させるように構成される。このことは、正解に対する瞬時の満足感を提供し、それによって学習意欲を高めるために使用することができる。
【0053】
本発明の特定の実施形態では、形状品識別要素(複数の場合あり)、処理ユニットおよび出力ユニット、ならびに好ましくは形状品受入可能部(複数の場合あり)は、プレイトレイの部分である。そして、形状品は別個であり、プレイトレイ内の少なくとも1つのリーダの有効範囲内に入れるように構成される。このことは、好ましくは、形状品受入可能部に形状品を嵌め込むことによって行うことができる。この特定の実施形態では、本発明によるプレイトレイは、本質的に木材の外面を有するなどのように作ることもできる。
【0054】
特に好ましい実施形態では、プレイトレイは木材触覚体験を提供し、プレイトレイにおいて表面を遮断するのは、さらなるコンピューティングデバイスとトレイを接続するためのミニUSB接続など、1つの小さなインターフェースしかない。トレイは、摩耗を低減し、寿命を延ばすために塗装または被覆することができる。
【0055】
特定の実施形態では、知育玩具セットは、触覚フィードバックを提供するようにさらに構成される。このことは、スマートフォンに一般的に組み込まれているような、偏心回転質量体、圧電アクチュエータ、および/または線形共振アクチュエータなどの振動ユニットの形態でなされ得る。
【0056】
特定の好ましい実施形態では、プレイトレイは、好ましくはプレイトレイの表面まで延び、電子機器、すなわち形状品識別要素、処理ユニット、出力ユニット、ならびに好ましくはインターフェースおよび電源も内部に保持するねじを必要とせずに、互いに嵌合して締結することができる少なくとも2つの形状半体から作られる。
【0057】
本発明の特定の実施形態では、電子機器は、プレイトレイに差し込むことができる処理装置に後で接続されるアンテナの形態のリーダのみを有するプレイトレイから取り外すことができるサイドバーなどのさらなる着脱可能要素の部分である。
【0058】
特定の実施形態では、知育玩具セットは、処理ユニットに入力を提供するための入力手段をさらに備える。さらなる特定の実施形態では、入力手段は、処理ユニットが処理できる電気情報に音を変換するように構成されたマイクロフォンである。特に好ましい処理ユニットは、音声制御されるように構成される。このことにより、スイッチ、レバーなどの物理的制御ツールを必要とすることなしに知育玩具セットを制御することが可能になる。知育玩具セットは、例えば、難易度の設定、アクセス時間の定義、ならびに/またはトラック記録へのアクセスおよびスコア保持のために音声制御によってアクセスされるように構成させることができるため、画面レス玩具の価値をさらに向上させる。特定の実施形態では、知育玩具セットは、処理ユニットの音声認識ベースの制御のための音声ユーザインターフェースを備える。例えば短波長UHF電波ベースの通信プロトコルによって、すなわちBluetoothによって、スマートフォンなどの音声ユーザインターフェースを装備したさらなる装置と知育玩具セットを接続することも可能である。
【0059】
特定の実施形態では、複数の形状品のうちの少なくとも2つが積み重ね可能であるように設計される。このことは、例えば、立方体の形態で作られた形状品を有することによって達成することができる。
【0060】
本発明の実施態様は、それらが相互に矛盾しない限り、説明された特定の実施形態のいずれかの組み合わせの形態をとることができることが当業者には明らかである。さらに、本発明の実施態様は、以下の方法からのさらなる構造的または機能的特徴を含むことができる。
【0061】
本発明の一態様は、聴覚出力を発生させるための方法に関する。特に、聴覚出力は、上述のように知育玩具セットによって発生される。本方法は、少なくとも1つのリーダの有効範囲内にこの形状品識別子を保持するこの少なくとも1つの形状品を入れることによって、少なくとも1つの形状品識別子の検出および/または起動をトリガするステップを含む。本方法は、形状品特徴(複数の場合あり)の1つまたは組み合わせに依存する少なくとも1つのパラメータに応じてトリガするステップを処理するステップをさらに含む。パラメータはまた、形状品識別子の数、リーダの位置、および/または読み取りの時間に依存し得る。
【0062】
本方法は、この処理するステップの結果として出力ユニットによって聴覚出力を出力するステップをさらに含む。
【0063】
特定の実施形態では、形状品特徴(複数の場合あり)は、形状品の形状品形態値、数値、文字値、画像値のうちのいずれか1つまたは組み合わせを反映しており、処理するステップは、形状品特徴(複数の場合あり)のシーケンスに応じてその値を設定する工程と、それによってシーケンスを反映した意味のある出力を発生させる工程とを含む。この出力は、聴覚出力の形態をとる。
【0064】
本発明の特定の実施形態では、処理ユニットは、形状品特徴(複数の場合あり)のシーケンスを、メモリに記憶された一式の所定の動作と照合する。このことは、スピーカによって聴覚出力ファイルを再生することによって前記所定の動作を出力するステップをさらに含むことができる。
【0065】
本発明の特定の実施形態では、処理ユニットは、形状品特徴(複数の場合あり)のシーケンスを、メモリ内の一式の所定の動作と照合する。
【0066】
本発明のさらなる特定の実施形態では、処理ユニットは、1つまたは複数の形状品特徴のシーケンスがメモリに記憶された所定の動作のセットと照合されない場合、エラー通知を出す。
【0067】
以下のセクションでは、本発明を図面および具体的な例によってさらに説明するが、これらに限定されない。
【0068】
当業者であれば、これらの例を端緒とすることにより、利点、実施態様、および実施形態をさらに認めるはずである。図面は、例示のみを目的として示されており、概略図であり、原寸に比例するようには意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】本発明による知育玩具セットを示す概略図である。
図2】ユーザに入力要求しているプレイトレイを示す概略図である。
図3a図1の知育玩具セットの使用ステップを概略的に示す図である。
図3b図1の知育玩具セットの次の使用ステップを示す図である。
図3c図1の知育玩具セットの最後の使用ステップを示す図である。
図4】プレイトレイおよび部品を示す詳細図である。
図5図1のプレイトレイの一連の代替的な実施形態を示す図である。
図6a】プレイトレイの内部を示す図である。
図6b】本発明による知育玩具セットで使用するための形状品の内部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1は、本発明による知育玩具セットの最も基本的な実施態様を示している。ここでの知育玩具セットは、本質的に木製の表面と、両先端部にある2つのエンドピースとを有する細長いトレイであるプレイトレイ1を備える。この特定の例では、先端部にあるエンドピースは、木材とは異なる材料で作られる。このことは、知育玩具セットにスピーカを組み込むのに有利であり得る。知育玩具セットにスピーカを組み込むことは、木製のピースにスピーカ用の対応するボアスルーを設けるよりも金属製の先端エンドピースに実装する方が容易であり得る。さらに、先端エンドピースは、知育玩具セットを開いて内部の電子機器にアクセスできるようにするなどのために、取り外し可能に設計することができる。好ましくは、先端エンドピースはまた、知育玩具セットの電子的な働きに電力を供給するためのバッテリおよび/または電源(複数の場合あり)を収容する。
【0071】
特に好ましい実施態様では、先端エンドピースは、例えばシリコンおよび/またはゴム材料など、触れるのに適した、かつ/または把持を良好にする材料で作られるか被覆される。あるいは、先端エンドピースは木材製の表面で包むこともできる。
【0072】
図1の知育玩具セットでは、5つの形状品2、3、2’、4がプレイトレイ1に置かれている。本例において分かるように、形状品2、3、2’、4はそれぞれ、対応する数値または演算子値を形状品特徴として有する。3つの第1の形状品2、2’は数値を有し、2つの第2の形状品3、4は演算子値を有する。ここでは、数値を有する形状品としては、数値3を有する1つ目の形状品と、数値2を有する2つ目の形状品2’とがある。演算子値を有する1つ目の形状品には加算を意味する「+」符号があり、演算子値を有する2つ目の形状品4には「=」演算子がある。最後に、正解が、数値「5」を有する形状品の形態で図1のプレイトレイ1に置かれている。
【0073】
本発明のプレイトレイおよび知育玩具セットの使用は、知育玩具セットによって特定のタスクを実行するようにユーザに要求する形態で開始され得る。このことを図2に示す。図2では、知育玩具セットは、特定のアクションを行うようにユーザを案内する。本例では、形状品はプレイトレイにまだ配置されておらず、プレイトレイはスピーカによって聴覚案内A「トイブロックをどれか1つトレイに置いてください!」を発する。代替的または追加的に、知育玩具セットは、トレイ上に特定の形状品を置くように案内B「数字3のトイブロックをトレイに置いてください!」を発することができる。
【0074】
本発明によれば、プレイトレイは、近くの形状品の存在を検出および/または起動することができる形状品識別要素を備え、処理ユニット(本図には示さず)によって入力要求されたそれぞれの案内が満たされたか否かの検証ステップを特定のタイマに従って行うことができる。次いで、処理ユニットは、案内を繰り返すか、最初の入力要求とは異なる入力要求であり得る別の入力要求を発するように移行するかのいずれにするかを決定することができる。
【0075】
本例のために、図3aでは、ユーザが、数値3と記載されたトイブロックの形態の形状品2をプレイトレイ1上に置いている。次に、知育玩具セットは、出力C「数字の3!」を提供することができる。次いで図3bに示すように、次に、知育玩具セットは、さらなる案内D「演算子のトイブロックをトレイに置いてください!」を発することができる。このことは、完全な数学演算がプレイトレイ上に置かれるまで対話的に続けられ、その後、プレイトレイ上に次の聴覚出力のシーケンス、すなわち、A「3!」、E「足す!」、F「2!」、G「は!」、H「5!」を出力することができる。これは、プレイトレイに置かれた形状品のシーケンスに対応する。1つ目の形状品2は数値3を有し、2つ目の形状品3は演算子値+を有し、3つ目の形状品2’は数値2を有し、4つ目の形状品4は演算子値=2を有する。
【0076】
より詳細な例を図4に示す。図4は、形状品2が第1の形状品受入可能部に置かれている状態で、本発明によるプレイトレイ1の端部を表している。プレイトレイ端部は、金属製の先端エンドピース1.1を備え、聴覚出力を再生するスピーカも別に(明示せず)備える。1つ目の形状品2は、形状品2が内部にぴったりと嵌合するように作られた1つ目の形状品受入可能部に置かれている。2つ目の形状品受入可能部1.2には、形状品が入っていない。2つ目の形状品受入可能部1.2で見えているのは、本例では印刷面1.3の形態をとる形状品受入可能部特徴1.3である。この印刷面1.3は、形状品受入可能部特徴1.3と同じ色の形状品を左から2つ目の形状品受入可能部に置くなど、特定のタスクおよび特徴を提供するために使用することができる。
【0077】
この特定の例では、形状品は3つの視認可能な形状品表面を有する。第1の形状品表面2.1は、対応する形状品に関連する数値を示している。第2の形状品特徴2.3は、例えば、知育玩具によって形成され得るタスクにおいてそれぞれの対応する形状品受入可能部特徴1.3と組み合わせて使用されるように、特定の色またはデザインで印刷することができる。第3の形状品表面2.2はまた、さらなる色などの特定の特徴を用いて、または例えば画像値、文字値、もしくは演算子値を用いて実施することができる。本発明に関連して、処理ユニットは、特定の形状品がさらなる形状品と共にプレイトレイに置かれる状況に応じて出力を処理および提供することができる。このことは、加算に関連付けられた形状品識別子を、例えば「2」などの特定の数に関連付けることもできることを意味する。形状品がプレイトレイに置かれる状況に応じて、プロセッサは、それ自体で、またはデータベースに依拠することによって、どの機能がその具体的な状況に関連するかを判定する。そして、それぞれの状況に適するように出力が提供される。具体的な例では、このことは、値「2」を有する2つの形状品を続けて置くことが、単に「2」および「2」ではなく、「22」を意味すると解釈され得ることを意味し得る。形状品表面が形状品特徴に関してどのように使用され得るかについての様々な変形例が図5に示されている。図5では、形状品2、3、2’は、線の数、さいころの目、または文字として数を描写するために使用されている。これにより、図5の線の棒の例では、結果は、「この答えは不正解です、やり直してください!」の意味で出力を出すことになる。図5の例では、複雑なタスクがユーザに与えられる状況にあるトレイが示されている。図5のタスクは、例えば、りんごの画像を有する1つ目の形状品5をプレイトレイに置くことによって開始することができる。続くタスクは、文字値を有する後続の形状品6、6’を置いて、単語appleを書き出すことを含むことができる、または足りない文字を特定の順序でプレイトレイに置くタスクを含むことができる。また、プレイトレイに置かれた単語に足りないのは何文字であるかを述べるタスクも含むことができ、正解は、数値1を有する形状品2の形態で1つ目の形状品5の上に置かれている。別の異なるタスクは、1つのりんごが端部に1つの形状品を必要とし、2つのりんごが端部に2つのさらなる形状品を必要とするなど、正しい末尾を置くことによってりんごを数えることであり得る。本発明を実施する可能性がほぼ無限であることが当業者には明らかである。図4に既に概説されている本例の図示されている形状品は、6つの異なる表面を有する単純な立方体であるため、既にほぼ無限の数の動作が、プレイトレイと、一式の6~10個の立方体の形態の形状品とから構成される知育玩具セットに実装され得る。
【0078】
本発明の1つの特定の利点は、図5の例において、形状品が積み重ね可能であることである。この積み重ね可能であることには、プレイトレイが積み重ねられた2つの形状品を認識するための対応する特徴を有することを必要とし、すなわち、リーダの有効範囲内で2つの形状品識別子を区別する手段を必要とする。
【0079】
図6aは、内部を概略的に示すことができるようにカバーの部分を取り外した状態で、本発明による知育玩具セットで使用するためのプレイトレイ1を示している。左から右へ順に、先端エンドピースがあり、続いて第1の形状品受入可能部特徴1.3として印刷面を有する第1の形状品受入可能部1.2がある。第nの形状品受入可能部が、カバーを取り外した状態で示されており、形状品識別要素12内にRFIDアンテナ10を有する。形状品識別要素12は、第1のアンテナ10と第2のアンテナ10’との間に置かれた金属製のブロックであるシールドユニット18によって、後続の第n+1の形状品受入可能部から分離される。動作中、両方のアンテナ10、10’はそれぞれ、本実施態様ではリーダの代わりになるアンテナ10、10’の固有かつ特定の有効範囲を提供する。任意の数のそのような形状品識別要素の後、処理ユニット11は、アンテナによって実行される検出および/または起動を処理し、そして、起動のシーケンス、および/または形状品内に配置され、アンテナ10、10’によって誘導的に起動される個々の形状品特徴タグによって認識される形状品特徴(複数の場合あり)に基づいて出力ユニット17から聴覚信号の形態で放出される出力を発生させる。上で既に詳述したこの聴覚信号は、これらの形状品特徴ならびに/または対応する形状品識別要素における配置のシーケンスおよびタイミングを反映する。ソフトウェアを更新し、電源14に負荷をかけるために、接続部13が提供される。本例では、接続部13はUSBプロトコル接続部である。バッテリ16は、周辺機器で一般的に使用されるような任意の種類の充電式バッテリとすることができる。
【0080】
本例では、処理ユニット11はまた、メモリユニット16にアクセスすることができ、メモリユニット16は、特定の音声ファイルを記憶する、または論理的なシーケンスのデータベースを提供し、また処理ユニットは、特定の動作が意味をなすか否か、およびその場合に正しい出力がどれであるかを判定するために、メモリユニット16に対して再度確認することができる。
【0081】
図6aの本実施態様では、プレイトレイは、さらなるデバイスとのWi-Fi通信が可能なTCP/IPマイクロコントローラをさらに備える。
【0082】
本例では、アンテナ10、10’は、互いに隣接して置かれた異なる形状品間の干渉を防止するなどのために、正しく置かれた形状品のみが起動/検出され得るように、形状品識別要素の近傍に有効範囲を提供するように構成されたRFID/NFCアンテナである。
【0083】
そのような装置に使用可能な形状品を図6bに示す。本例における形状品2は、2つの形状品識別子2.1、2.2に依存する2つの形状品特徴を有する。本例では、形状品識別子2.1、2.2は、上述のようにプレイトレイにあるRFID/NFCアンテナによって起動および/または検出することができる2つのパッシブタグである。
【0084】
本発明の知育玩具では、子どもの触覚、視覚、および聴覚を刺激し、様々な学習課題および様々なトピックに対する遊び心がある手法を提起することができると同時に、通常のタブレット実装教育アプリに後れをとらない仕方でその使用において高度にカスタマイズ可能であり、かつインタラクティブである玩具が提供される。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6a
図6b
【国際調査報告】