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特表2023-512391球形粉体用の特異な供給原料及び製造方法
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  • 特表-球形粉体用の特異な供給原料及び製造方法 図1
  • 特表-球形粉体用の特異な供給原料及び製造方法 図2
  • 特表-球形粉体用の特異な供給原料及び製造方法 図3A
  • 特表-球形粉体用の特異な供給原料及び製造方法 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】球形粉体用の特異な供給原料及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01G 25/00 20060101AFI20230317BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20230317BHJP
   B22F 1/065 20220101ALI20230317BHJP
   B22F 1/14 20220101ALI20230317BHJP
   B22F 9/08 20060101ALI20230317BHJP
   B22F 1/05 20220101ALI20230317BHJP
   H05H 1/26 20060101ALI20230317BHJP
   C04B 35/486 20060101ALI20230317BHJP
   C04B 35/58 20060101ALI20230317BHJP
   C01B 21/06 20060101ALI20230317BHJP
   C22C 21/02 20060101ALN20230317BHJP
   C22C 38/00 20060101ALN20230317BHJP
   C22C 38/48 20060101ALN20230317BHJP
   C22C 19/05 20060101ALN20230317BHJP
【FI】
C01G25/00
B22F1/00 N
B22F1/065
B22F1/14
B22F9/08 A
B22F1/00 T
B22F1/00 M
B22F1/00 R
B22F1/00 P
B22F1/05
H05H1/26
C04B35/486
C04B35/58 014
C01B21/06 A
C22C21/02
C22C38/00 302Z
C22C38/48
C22C19/05 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527243
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(85)【翻訳文提出日】2022-05-11
(86)【国際出願番号】 US2020060778
(87)【国際公開番号】W WO2021118762
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】62/937,054
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515084719
【氏名又は名称】シックスケー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バドウェ,スニル バルチャンドラ
(72)【発明者】
【氏名】トゥルケッティ,スコット ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】レジダル,マッカルーフ
【テーマコード(参考)】
2G084
4G048
4K017
4K018
【Fターム(参考)】
2G084AA15
2G084GG02
2G084GG07
2G084GG29
2G084HH10
2G084HH20
2G084HH28
4G048AA03
4G048AB03
4G048AD01
4G048AD03
4G048AD04
4K017AA04
4K017BA01
4K017BA03
4K017BA04
4K017BA06
4K017CA01
4K017EB00
4K017FA17
4K018BA04
4K018BA08
4K018BA09
4K018BA17
4K018BA20
4K018BB03
4K018BB04
4K018BC06
(57)【要約】
本明細書中に開示されるのは、マイクロ波プラズマ処理を用いて供給原料を処理するための方法、装置及び組立て品の実施形態である。具体的には、本明細書中に開示される供給原料は、タンタル、イットリウム安定化ジルコニア、アルミニウム、水アトマイズ合金、レニウム、タングステン、及びモリブデンなどの特異な供給原料に関する。マイクロ波プラズマ処理は、球状化し、汚染物質を除去するために用いることができる。有利なことに、マイクロ波プラズマで処理された供給原料は、付加製造又は高い粉体流動性を必要とする粉体冶金(PM)用途などの各種用途において用いることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法であって、前記方法は、
YSZ粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及び
前記YSZ粒子を前記マイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項2】
アルミニウム(Al)又はAl合金を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法であって、前記方法は、
Al又はAl合金粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及び
前記Al又はAl合金粒子を前記マイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項3】
前記Al又はAl合金は、Al6000シリーズ又はアルミニウムシリコンマグネシウム(AlSiMg)を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記AlSiMgはAlSi10Mgを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
水アトマイズ合金を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法であって、前記方法は、
水アトマイズ合金粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及び
前記水アトマイズ合金粒子を前記マイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項6】
前記水アトマイズ合金は、金属射出成形(MIM)17-4ステンレス鋼を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記水アトマイズ合金は、インコネル合金625(IN625)を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
タンタル(Ta)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法であって、前記方法は、
Ta粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及び
前記Ta粒子を前記マイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項9】
窒化チタン(TiN)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法であって、前記方法は、
TiN粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及び
前記TiN粒子を前記マイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項10】
レニウム(Re)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法であって、前記方法は、
Re粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及び
前記Re粒子を前記マイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項11】
タングステン(W)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法であって、前記方法は、
W粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及び
前記W粒子を前記マイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項12】
モリブデン(Mo)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法であって、前記方法は、
Mo粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及び
前記Mo粒子を前記マイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程、
を含む、方法。
【請求項13】
前記供給原料を前記マイクロ波プラズマトーチに導入する工程は、前記供給原料を前記マイクロ波プラズマトーチの排気管又は前記マイクロ波プラズマトーチのプルーム中に導入する工程を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記供給原料の集団的平均又はアスペクト比の中央値は、5:1~20:1である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記供給原料を前記マイクロ波プラズマトーチに導入する前に、前記供給原料をふるい分ける工程をさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記球状化粉体は、少なくとも0.75の中位球形度を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記球状化粉体は、少なくとも0.91の中位球形度を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記球状化粉体は、15~45μmの粒度分布を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記球状化粉体は、45~105μmの粒度分布を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の方法によって形成された球状化粉体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はいくつかの実施形態において概して、特異な供給原料由来の球形又は回転楕円面状の粉体製品を製造することに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの形状の工業用粉体を調製する重要な態様は、従来の粉砕法により製造された不規則な形状の又は角ばった粉体を、球形で間隙率が低い粒子に変形させる、球状化プロセスである。球形粉体は、形状が均質で、密度が高く、多孔性が低く、高くて一定の流動性及び高いタップ密度を有する。このような粉体は、射出成形、溶射コーティング、付加製造などの用途において優れた特性を示す。
【0003】
従来の球状化法では、1978年2月28日に発行された米国特許第4,076,640号に記載された熱アークプラズマ、及び2005年7月19日に発行された米国特許第6,919,527号に記載された高周波で生成されたプラズマが使用される。しかしながら、これらの2個の方法は、高周波及び熱アークプラズマの熱的不均一性に固有の限界を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
熱アークプラズマの場合においては、2個の電極間に発生した電気アークがプラズマチャンネル内部にプラズマを生成する。プラズマガスを用いて、このプラズマをプラズマチャンネルから吹き飛ばす。粉体を側面から、垂直に又はある角度でのいずれかで、プラズマプルームへと注入し、プラズマプルームで高温のプラズマにより粉体を溶融する。溶融物の表面張力により溶融物を球形に引っ張り、冷却し、凝固し、そしてフィルターに収集する。熱アークプラズマでの問題は、プラズマを点火するのに用いられる電極が高温に曝露し、電極の分解を引き起こし、これによりプラズマプルーム及び処理材料が汚染されるということである。そのうえ、熱アークプラズマプルームは本質的に、大きな温度勾配を示す。粉体をプラズマプルームに側面から注入することにより、全ての粉体粒子が同一の処理温度に曝露されるわけではなく、空隙率が不均質な、部分的に球状化され、不均一な粉体が生じる。
【0005】
高周波誘導結合プラズマ球状化の場合においては、プラズマは、プラズマガス中に電界を誘導する変動磁場により生成され、プラズマを円筒形誘導体チューブ内に維持するようプラズマガスがイオン化、励起などのプラズマ処理を駆動する。誘導結合プラズマは、高周波エネルギーのプラズマへの結合効率が悪く、アーク及びマイクロ波で生成されたプラズマと比べてプラズマ温度が低いことが知られている。プラズマを生成する原因である磁場は、不均一な形状を示し、これによりプラズマが、プラズマの端部(誘導体チューブ壁に近い)で最高温度を示し、ドーナッツの中心で最低温度を示すドーナッツ様の形状をとる、温度勾配の大きいプラズマが生じる。さらに、コイルでのRF電圧により、プラズマと誘導体チューブ周囲に巻きついた高周波コイルとの間に容量性成分が作成される。この容量性成分はイオンをプラズマから誘導体内壁へと駆動する大きな電界を作成し、電界によりアーク発生、並びに誘導体チューブの分解及びチューブ材料による処理材料の汚染が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中に開示されるのは、マイクロ波プラズマ処理を用いる特異な供給原料を球状化する実施形態である。1つの態様において、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)
を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法が提供される。この方法は、YSZ粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及びこの粒子をこのマイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程を含む。
【0007】
別の態様において、アルミニウム(Al)又はAl合金を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法が提供される。この方法は、Al又はAl合金粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及びこの粒子をこのマイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、このAl又はAl合金は、Al6000シリーズ又はアルミニウムシリコンマグネシウム(AlSiMg)を含む。このAlSiMgは、AlSi10Mgであってよい。
【0008】
別の態様において、水アトマイズ合金を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法が提供される。この方法は、水アトマイズ合金を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及びこの粒子をこのマイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、この水アトマイズ合金は、金属射出成形(MIM)17-4ステンレス鋼を含む。いくつかの実施形態において、この水アトマイズ合金は、インコネル合金625(IN625)を含む。
【0009】
別の態様において、タンタル(Ta)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法が提供される。この方法は、Ta粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及びこの粒子をこのマイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程を含む。
【0010】
別の態様において、窒化チタン(TiN)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法が提供される。この方法は、TiN粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及びこの粒子をこのマイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程を含む。
【0011】
別の態様において、レニウム(Re)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法が提供される。この方法は、Re粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及びこの粒子をこのマイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程を含む。
【0012】
別の態様において、タングステン(W)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法が提供される。この方法は、W粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及びこの粒子をこのマイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程を含む。
【0013】
別の態様において、モリブデン(Mo)を含む供給原料から球状化粉体を作製する方法が提供される。この方法は、Mo粒子を含む供給原料をマイクロ波プラズマトーチに導入する工程、及びこの粒子をこのマイクロ波プラズマトーチによって生成されたプラズマ内で溶融及び球状化して球状化粉体を形成する工程を含む。
【0014】
各種実施形態において、前記供給原料を前記マイクロ波プラズマトーチに導入する工程は、前記供給原料を前記マイクロ波プラズマトーチの排気管又は前記マイクロ波プラズマトーチのプルーム中に導入する工程を含むことができる。
【0015】
各種実施形態において、前記供給原料の集団的平均又はアスペクト比の中央値は、5:1~20:1であってよい。各種実施形態において、前記方法は、前記供給原料を前記マイクロ波プラズマトーチに導入する前に、前記供給原料をふるい分ける工程をさらに含む。各種実施形態において、前記球状化粉体は、少なくとも0.75の中位球形度を有してよい。各種実施形態において、前記球状化粉体は、少なくとも0.91の中位球形度を有してよい。各種実施形態において、前記球状化粉体は、15~45μmの粒度分布を有してよい。各種実施形態において、前記球状化粉体は、45~105μmの粒度分布を有してよい。
【0016】
さらに開示されるのは、本明細書中に開示される球状化粉体の製造方法及び本明細書中に開示される球状化粉体である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本開示による球形粒子の製造方法の例の実施形態を示す。
【0018】
図2図2は、本開示の実施形態による、球形粉体の製造に用いることができるマイクロ波プラズマトーチの実施形態を示す。
図3A図3A~3Bは、本開示の側面供給ホッパー実施形態による、球形粉体の製造に用いることができるマイクロ波プラズマトーチの実施形態を示す。
図3B図3A~3Bは、本開示の側面供給ホッパー実施形態による、球形粉体の製造に用いることができるマイクロ波プラズマトーチの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
関連出願に対する参照
本出願は、2019年11月18日に出願された、米国仮出願第62/937054号の35U.S.C.§119(e)による優先権の利益を主張し、その開示の全体を参照により本明細書に援用される。
【0020】
付属書類
本出願には、これと共に提供される11ページの付属書類Aが含まれる。付属書類Aに記載される特徴の任意の適した組み合わせを、本明細書中に記載される対象と組み合わせて実施することができる。
【0021】
本明細書中に開示されるのは、マイクロ波プラズマ処理を用いて供給原料を球状化するための方法、装置及び組立て品の実施形態である。本明細書における供給原料の開示は、多くの金属又はセラミックであり、所望の球状化を達成するために、最初の供給原料及びマイクロ波プラズマトーチの処理についてのそれぞれの金属又はセラミックごとに重要で、専門の、そして特異な要件を有する。
【0022】
本明細書中に開示される場合、マイクロ波プラズマトーチの処理は、供給原料をマイクロ波プラズマトーチ、マイクロ波プラズマトーチのプラズマプルーム、及び/又はマイクロ波プラズマトーチの排気管に供給することを含むことができる。位置は、用いられる供給原料の種類に応じて変化してよい。さらに、供給原料は、種々の要件に基づいて選択することができる。要件の例は、アスペクト比、粒度分布(PSD)、化学的性質、密度、直径、球形度、酸素化、硬度、及び延性である。
【0023】
供給原料を、最終的な球状化粉体を形成するためのマイクロ波プラズマ処理用の供給原料として用いることができ、これをついで付加製造処理などの異なる処理に用いることができる。しかしながら、本明細書中に開示される特定の供給原料は、マイクロ波プラズマ処理に適当な供給原料へと処理するのがきわめて難しい。
【0024】
いくつかの実施形態において、この粉体をプラズマ処理に導入する前に前処理してよい。例えば、粉体をふるい分けて大きな塊を除去してよく、プラズマ中で処理すべき所望の大きさを選別してよい。いくつかの実施形態において、汚染を除去するために、粉体を水、界面活性剤、洗剤、溶媒又は酸等の任意の他の化学物質で洗浄してよい。いくつかの実施形態において、粉体が任意の磁性材料により汚染されている場合、粉体を磁気的に洗浄することができる。いくつかの実施形態において、粉体を脱酸素するためにこの粉体を前処理することができる。いくつかの実施形態において、粉体の化学的性質を補償又は修正するために、他の成分又は化合物を添加することができる。いくつかの実施形態において、微粉を除去するために、粉体を除塵することができる。いくつかの実施形態において、前処理を実行しなくてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、粒度分布(PSD)は、1マイクロメートル(μm)の最小直径及び22(又は約22)μmの最大直径、又は5(又は約5)μmの最小及び15(又は約15)μmの最大、又は15(又は約15)μmの最小及び45(又は約45)μmの最大又は22(又は約22)μmの最小及び44(又は約44)μmの最大、又は20(又は約20)μmの最小~63(又は約63)μmの最大、又は44(又は約44)μmの最小及び70(又は約70)μmの最大、又は70(又は約70)μmの最小及び106(又は約106)μmの最大、又は105(又は約105)μmの最小~150(又は約150)μmの最大、又は106(又は約106)μmの最小及び300(又は約300)μmの最大である。いくつかの実施形態において、PSDを供給原料中の粒子のD50として表すことができる。認識されるように、これらの高い値及び低い値は、例示の目的で提供されるのみであり、他の実施形態において代わりのPSD値を用いてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、粉体供給原料は、プラズマ処理前に角ばっていてもよく、又はアスペクト比が高くてもよい。いくつかの実施形態において、粉体供給原料の平均アスペクト比は、2:1(又は約2:1)、3:1(又は約3:1)、5:1(又は約5:1)、10:1(又は約10:1)、20:1(又は約20:1)、100:1(又は約100:1)、又は200:1(又は約200:1)である。いくつかの実施形態において、粉体供給原料の平均アスペクト比は、1:1(又は約1:1),超、3:1(又は約3:1),5:1(又は約5:1)、10:1(又は約10:1)超、20:1(又は約20:1)超、100:1(又は約100:1)超、又は200:1(又は約200:1)超である。いくつかの実施形態において、粉体供給原料の平均アスペクト比は、3:1(又は約3:1)未満、5:1(又は約5:1)、10:1(又は約10:1)超、20:1(又は約20:1)超、100:1(又は約100:1)超、又は200:1(又は約200:1)超である。
【0027】
タンタル(Ta)供給原料
タンタル(Ta)又はTa合金粉体を、各種用途で用いることができる。Ta又はTa合金粉体の適用は、狭い粒度分布及び高い球形度から恩恵を被ることができる。Ta又はTa合金粉体供給原料をマイクロ波プラズマ処理すると、狭い粒度分布及び高い球形度のTa又はTa合金粉体を産することができることが観察された。プラズマ処理前に、供給原料をふるい分けて大きな塊を除去でき、プラズマ中で処理すべき所望の大きさを選別できる。Ta7300は、付加製造を含む各種用途で使用するための本明細書中の実施形態にしたがって合成することができる、高純度のタンタル球形粉体である。Taは、高い電気伝導度及び熱伝導度、生体適合性並びに高い耐食性を有する。ある例として、いくつかの実施形態において、Ta又はTa合金粉体は、約9g/ccの見掛け密度、約7s/50gの流量、約15mmのD10、約30mmのD50、及び約55mmのD90から成り立ってよい。
【0028】
イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)供給原料
イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)粉体を、各種用途で用いることができる。YSZ粉体の適用は、狭い粒度分布及び高い球形度から恩恵を被ることができる。YSZ粉体供給原料をマイクロ波プラズマ処理すると、狭い粒度分布及び高い球形度を産することができることが観察された。プラズマ処理前に、供給原料をふるい分けて大きな塊を除去することができ、プラズマ中で処理すべき所望の大きさを選別することができる。いくつかの実施形態において、8%YSZを合成してよく、これは高純度のイットリア安定化ジルコニア球形粉体である。いくつかの実施形態において、マイクロ波プラズマ処理すると、サテライトを実質的に含まない高い球形度の粉体が生成する。いくつかの実施形態において、本明細書中の実施形態にしたがって合成されたYSZ粉体は、粒径が約15μm~約45μmに及ぶ、約8mol%Y及び約92mol%ZrOの組成を含んでよい。ある例として、いくつかの実施形態において、見掛け密度は、約3.12g/ccであってよく、流量は、約23s/50gであってよい。
【0029】
窒化チタン(TiN)供給原料
窒化チタン(TiN)粉体を、各種用途で用いることができる。TiN粉体の適用は、狭い粒度分布及び高い球形度から恩恵を被ることができる。TiN粉体供給原料をマイクロ波プラズマ処理すると、狭い粒度分布及び高い球形度を産することができることが観察された。プラズマ処理前に、供給原料をふるい分けて大きな塊を除去することができ、プラズマ中で処理すべき所望の大きさを選別することができる。いくつかの実施形態において、サテライトを実質的に含まず、球形度が高く、流動性が高く、かさ密度が高く、そして格子間原子が少ない、TiN粉体を合成してよい。ある例として、いくつかの実施形態において、本明細書中の実施形態にしたがって合成されたTiN粉体は、約2.7g/ccの見掛け密度、約31s/50sの流量、約18mmのD10、約35mmのD50、及び約52mmのD90から成り立ってよい。
【0030】
アルミニウム供給原料
アルミニウム(Al)又はAl合金粉体を、各種用途で用いることができる。具体的には、Al6000シリーズ又はアルミニウムシリコンマグネシウム(AlSiMg)粉体は、各種用途で有用であると示された。Al6000シリーズ又はAlSiMg粉体の適用は、狭い粒度分布及び高い球形度から恩恵を被ることができる。AlSiMg粉体供給原料をマイクロ波プラズマ処理すると、狭い粒度分布及び高い球形度を産することができることが観察された。プラズマ処理前に、供給原料をふるい分けて大きな塊を除去することができ、プラズマ中で処理すべき所望の大きさを選別することができる。AlSiMg粉体は、約9%~約11%のシリコン含有量を含むAlSi10Mg粉体であってよい。AlSi10Mgは、とりわけ付加製造での使用のために設計された軽量のアルミニウム合金である。この合金は、高い強度対重量比及び優れた耐食性を有する。いくつかの実施形態において、本明細書中の実施形態にしたがって合成されたAl又はAl合金粉体は、約9.0-11.0%Si、約0.25-0.45%Mg、約0.25%以下のFe、約0.20%以下のN、約0.20%以下のO、約0.15%以下のTi、約0.10%以下のZn、約0.10%以下のMn、及びバランスのAlの組成を含んでよい。ある例として、本明細書中の実施形態によるAl又はAl合金粉体は、約20~63μmの粒径、約1.4g/ccの見掛け密度、及び約40s/50gの流量から成り立ってよい。
【0031】
水アトマイズ合金供給原料
水アトマイズ合金粉体を、各種用途で用いることができる。具体的には、水アトマイズ金属射出成形(MIM)17-4ステンレス鋼粉体及び水アトマイズインコネル合金625(IN625)粉体は、各種用途で有用であると示された。水アトマイズ合金粉体の適用は、狭い粒度分布及び高い球形度から恩恵を被ることができる。水アトマイズMIM1
7-4ステンレス鋼粉体供給原料及び水アトマイズIN625粉体供給原料をマイクロ波プラズマ処理すると、狭い粒度分布及び高い球形度を産することができることが観察された。プラズマ処理前に、供給原料をふるい分けて大きな塊を除去することができ、プラズマ中で処理すべき所望の大きさを選別することができる。ある例として、いくつかの実施形態において、MIM17-4粉体は、約4.2g/ccの見掛け密度、約17s/50gの流量、約18mmのD10、約32mmのD50、及び約56mmのD90から成り立ってよい。いくつかの実施形態において、本明細書中の実施形態にしたがって合成されたMIM17-4粉体は、約17%Cr、約4.5%Ni、約4%Cu、約0.30%の化合したNb及びTa、約0.07%以下のC、及びバランスのFeを含んでよい。
【0032】
ある例として、いくつかの実施形態において、IN625粉体は、約0.10%以下のC、約0.015%以下のP、約0.50%以下のSi、約0.50%以下のCu、約0.40%のTi、約0.40%のAl、約0.03%以下のO、約3.15%~4.15%の化合したNi及びTa、約0.50%以下のMn、約20.0%~23.0%のCr、約8.00~10.00%のMo、約1.00%以下のCo、約0.02%以下のNi、約5.0%以下のFe、及びバランスのニッケルを含んでよい。ある例として、いくつかの実施形態において、IN625粉体は、約4.3g/ccの見掛け密度、約5g/ccのタップ密度、約15s/50gの流量、約16~26mmのD10、約26~37mmのD50、及び約37~49mmのD90から成り立ってよい。
【0033】
レニウム供給原料
レニウム(Re)又はRe合金粉体を、各種用途で用いることができる。Re又はRe合金粉体の適用は、狭い粒度分布及び高い球形度から恩恵を被ることができる。Re又はRe合金粉体供給原料をマイクロ波プラズマ処理すると、狭い粒度分布及び高い球形度のRe又はRe合金粉体を産することができることが観察された。プラズマ処理前に、供給原料をふるい分けて大きな塊を除去することができ、プラズマ中で処理すべき所望の大きさを選別することができる。いくつかの実施形態において、Re又はRe合金粉体は、Re7500を含んでよい。ある例として、いくつかの実施形態において、Re又はRe合金粉体は、99.9%超のRe、20~63μmの粒径、約11.4g/ccの見掛け密度、約4.3s/50gの流量、約29μmのD10、約39μmのD50、及び約55μmのD90から成り立ってよい。
【0034】
タングステン供給原料
タングステン(W)又はW合金粉体を各種用途で用いることができる。W又はW合金粉体の適用は、狭い粒度分布及び高い球形度から恩恵を被ることができる。W又はW合金粉体供給原料をマイクロ波プラズマ処理すると、狭い粒度分布及び高い球形度のW又はW合金粉体を産することができることが観察された。プラズマ処理前に、供給原料をふるい分けて大きな塊を除去することができ、プラズマ中で処理すべき所望の大きさを選別することができる。いくつかの実施形態において、W又はW合金粉体は、W7400を含んでよい。ある例として、いくつかの実施形態において、W又はW合金粉体は、90.9%超のWを含んでよく、好ましくは99.9%超のWを含んでよい。ある例として、いくつかの実施形態において、W又はW合金粉体は、20~63μmの粒径、約11.2g/ccの見掛け密度、約5.16s/50gの流量、約29μmのD10、約39μmのD50、及び約55μmのD90を含んでよい。
【0035】
モリブデン供給原料
モリブデン(Mo)又はMo合金粉体を、各種用途で用いることができる。Mo又はMo合金粉体の適用は、狭い粒度分布及び高い球形度から恩恵を被ることができる。Mo又はMo合金粉体供給原料をマイクロ波プラズマ処理すると、狭い粒度分布及び高い球形度のMo又はMo合金粉体を産することができることが観察された。プラズマ処理前に、供
給原料をふるい分けて大きな塊を除去することができ、プラズマ中で処理すべき所望の大きさを選別することができる。いくつかの実施形態において、Mo又はMo合金粉体は、Mo4200を含んでよい。ある例として、いくつかの実施形態において、Mo又はMo合金粉体は、99.9%超のMoを含んでよい。ある例として、いくつかの実施形態において、Mo又はMo合金粉体は、15~45μmの粒径、約5.5g/ccの見掛け密度、及び約11.7s/50gの流量を含んでよい。
【0036】
球形度
いくつかの実施形態において、プラズマ処理によって達成される最終的な粒子は、互いに交換して用いることができる用語である、球形又は回転楕円面状であってよい。有利なことには、開示される種々の供給原料の各々と関連性のある重要で特異的な開示を用いることにより、これらの供給原料の全てを球形粉体に変形することができる。
【0037】
本開示の実施形態は、実質的に球形又は回転楕円面状であるか、又はかなりの球状化を受けた粒子を生産することに関する。いくつかの実施形態において、球形、回転楕円面状、又は球状化粒子とは、特定の閾値より大きい球形度を有する粒子を指す。粒子の球形度は、以下の
【数1】

方程式を用いて粒子の体積と一致する体積である、Vにより球体As,idealの表面積を計算することにより算出することができる。
【0038】
理想的な表面積を、粒子の測定された表面積であるAs,actualと比較することができる。
【数2】
【0039】
いくつかの実施形態において、粒子は、0.5超、0.6超、0.7超、0.75超、0.8超、0.9超、0.91超、0.95超、又は0.99超(又は約0.5超、約0.6超、約0.7超、約0.75超、約0.8超、約0.8超、約0.91超、約0.95超、又は約0.99超)の球形度を有してよい。いくつかの実施形態において、粒子は、0.75以上又は0.91以上(又は約0.75以上又は約0.91以上)の球形度を有してよい。いくつかの実施形態において、粒子は、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.75未満、0.8未満、0.9未満、0.91未満、0.95未満、又は0.99未満(又は約0.5未満、約0.6未満、約0.7未満、約0.75未満、約0.8未満、約0.8未満、約0.91未満、約0.95未満、又は約0.99未満)の球形度を有してよい。いくつかの実施形態において、粒子は、前述の球形度の値のいずれか以上の球形度を有する場合、粒子は球形である、回転楕円面状である、又は球状化されているとみなされ、いくつかの好ましい実施形態において、粒子の球形度が0.75以上若しくは約0.75以上又は0.91以上若しくは約0.91以上である場合、粒子は球形であるとみなされる。
【0040】
いくつかの実施形態において、与えられた粉体内の全ての粒子の球形度の中央値は、0.5超、0.6超、0.7超、0.75超、0.8超、0.9超、0.91超、0.95超、又は0.99超(又は約0.5超、約0.6超、約0.7超、約0.75超、約0.8超、約0.8超、約0.91超、約0.95超、又は約0.99超)であってよい。いくつかの実施形態において、与えられた粉体内の全ての粒子の球形度の中央値は、0.5未満、0.6未満、0.7未満、0.75未満、0.8未満、0.9未満、0.91未満、0.95未満、又は0.99未満(又は約0.5未満、約0.6未満、約0.7未満、約0.75未満、約0.8未満、約0.8未満、約0.91未満、約0.95未満、又は約0.99)であってよい。いくつかの実施形態において、与えられた粉体について測定された粒子の全て又は閾百分率(以下の割合のいずれかによって記載される)が前述の球形度の値のいずれか以上の球形度の中央値を有する場合、粉体は球状化されているとみなされ、そしていくつかの好ましい実施形態において、この粒子の全て又は閾百分率が0.75以上若しくは約0.75以上又は0.91以上若しくは約0.91以上の球形度の中央値を有する場合、粒子は球状化されているとみなされる。
【0041】
いくつかの実施形態において、上で記載されたような、与えられた球形度閾値を超えることができる粉体内の粒子の割合は、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、又は99%超(又は約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、約95%超、又は約99%超)であってよい。いくつかの実施形態において、上で記載されたような、与えられた球形度閾値を超えることができる粉体内の粒子の割合は、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、90%未満、95%未満、又は99%未満(又は約50%未満、約60%未満、約70%未満、約80%未満、約90%未満、約95%未満、又は約99%未満)であってよい。
【0042】
粒度分布及び球形度を、SEM、光学顕微鏡法、動的光散乱法、レーザ回折法、例えば同一の材料区分又は試料の少なくとも3枚の画像にわたり画像あたり約15~30か所の測定基準から、画像分析ソフトウェアを用いて寸法を手動で測定する、及び任意の適した既知の手法によって測定してよい。
【0043】
開示されるプロセスの実施形態は、粉体を、電力密度、ガスフロー及び滞留時間を制御して粉体供給機を用いてマイクロ波で生成されたプラズマ中に供給することを含むことができる。プラズマ中の粉体の電力密度、流量及び滞留時間などのプロセスパラメータは、融点及び熱伝導度などの、粉体材料の物理的特性に依存することができる。電力密度は、20W/cm~500W/cm(又は約20W/cm~約500W/cm)に及ぶことができる。総ガスフローは、0.1cfm~50cfm(又は約0.1cfm~約50cfm)に及ぶことができ、滞留時間は、1ms~10sec(又は約1ms~約10sec)で調整することができる。このプロセスパラメータの範囲は、広範囲な融点及び熱伝導度で要求される材料のプロセスパラメータを含むだろう。
【0044】
いくつかの実施形態において、酸素を制御する能力があると、有利になってよい。材料が粉砕されたいくつかの実施形態において、この粉砕を水中で行うことができる。種々の用途について種々の環境ガスを用いることができる。例として、窒素ガスを用いることができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、供給原料は、角ばった粉体、角ばったチップ、不規則形状粉体、及び海綿状粉体などの、各種形態であってよい。供給原料を、大きさ、ガス含有量、純度汚染、及び化学的性質について、粉砕(grinding)、粉砕(milling)クリーニング、洗浄、乾燥及びふるい分けなどの、限定されない、処理によって特定の基準を満足するよう処理することができる。クリーニングには、有機汚染物質、セラミック汚染物質、又は他の汚染物質を除去することが含まれる。
【0046】
マイクロ波プラズマ処理
プロセスパラメータを、供給原料の初期条件に応じた最大球状化を得られるよう最適化することができる。各供給原料の特性について、特定の結果のためにプロセスパラメータを最適化することができる。米国特許出願公開第2018/0297122号、米国特許第8748785(B2)号、及び米国特許第9932673(B2)号では、開示されたプロセスに、具体的にはマイクロ波プラズマ処理用に用いることができる特定の処理技術が開示される。したがって、米国特許出願公開第2018/0297122号、米国特許第8748785(B2)号、及び米国特許第9932673(B2)号は、その全体を参照により本明細書に援用され、記載される技術は、本明細書中に記載される供給原料に適用可能であるとみなされるべきである。
【0047】
本開示の1つの態様は、マイクロ波で生成されたプラズマを用いる球状化の処理を含む。粉体供給原料を不活性ガス環境及び/又は還元ガス環境で飛沫同伴し、マイクロ波プラズマ環境中に注入する。ホットプラズマへの注入時(又はプラズマプルーム又は排気管)、供給原料は球状化され、不活性ガスで満たされたチャンバーへと放出され、そして供給原料が保管される密封されたドラムへと向けられる。このプロセスを、大気圧で、部分真空で、又は大気圧よりわずかに高い気圧で実行することができる。代わりの実施形態において、このプロセスを、低真空、中真空又は高真空環境で実行することができる。このプロセスを連続的に実行することができ、ドラムが球状化粒子で満たされたら、ドラムを交換する。
【0048】
冷却処理パラメータとしては、限定されないが、冷却ガス流量、高温領域における球状化粒子の滞留時間、及び冷却ガスの組成及び性質が挙げられる。例えば、粒子の冷却速度又は焼き入れ速度は、冷却ガスの流量の上昇によって上昇してよい。プラズマの高温領域内の粒子の滞留時間はまた、制御を提供するよう調整することができる。すなわち、粒子をプラズマに曝露する時間長によって粒子の溶融度が決まる(すなわち、粒子の最内部又はコアと比較して溶融した粒子の面)。その結果として、溶融度は凝固に必要となる冷却度に影響を及ぼし、したがってこれは冷却プロセスパラメータである。滞留時間を、高温領域内へのこのような粒子注入速度又は流量(及び層流又は乱流などの、条件)の操作変数を調整することにより調整することができる。滞留時間を調整するために、装置の変更も用いることができる。例えば、高温領域の断面積を変更することにより、滞留時間を変更することができる。
【0049】
変更又は制御することができる別の冷却処理パラメータは、冷却ガスの組成である。特定の冷却ガスは、他のものより熱伝導度が大きい。例えば、ヘリウムは、熱伝導度が大きい気体であるとみなされる。冷却ガスの熱伝導度が高いほど、球状化粒子を速く冷却/焼き入れすることができる。冷却ガスの組成を制御することにより(例えば、熱伝導度が低い気体に対する熱伝導度が高い気体の量又は比率を制御することにより)、冷却速度を制御することができる。
【0050】
1つの例示的な実施形態において、不活性ガスを、粉体状の供給原料を取り囲んで連続的にパージして粉体供給ホッパー内部の酸素を除去する。球状化粒子を脱水素化し、球状化粒子の組成/純度を維持するために連続する体積の粉体供給原料を不活性ガス内に飛沫同伴し、マイクロ波で生成されたプラズマ中に供給する。1つの例において、マイクロ波で生成されたプラズマを、各々の全体を参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2013/0270261号、及び/又は米国特許第8,748,785号、9,023,259号、9,259,785号、及び9,206,085号に記載されるように、マイクロ波プラズマトーチを用いて生成してよい。いくつかの実施形態において、粒子をマイクロ波で生成されたプラズマ内の4,000~8,000Kの均一な温度のプロ
ファイルに曝露する。いくつかの実施形態において、粒子をマイクロ波で生成されたプラズマ内の3,000~8,000Kの均一な温度のプロファイルに曝露する。いくつかの実施形態において、マイクロ波で生成されたプラズマを、アルゴンと水素(H)との混合物を用いることにより生成してよい。いくつかの実施形態において、マイクロ波で生成されたプラズマを、窒素(N)ガスを用いることにより精製してよい。時には、Nガスを用いるマイクロ波で生成されたプラズマは、アルゴンとHとの混合物を用いるマイクロ波で生成されたプラズマより大きく、安定で、層流であってよく、達成すべき高いプラズマ温度を可能にすることができる。特定の供給原料については、溶融温度が高いため、高温のプラズマは有益であってよい。例えば、YSZ、W、及びMoは、高い溶融温度を有するので、高温のプラズマは高温のプラズマから恩恵を被ることができる。これらの供給原料については、Nガスを用いるマイクロ波で生成されたプラズマの使用が有利なこともある。
【0051】
プラズマトーチ内部では、粉体粒子は迅速に加熱され、溶融される。プロセス内部の粒子をアルゴンなどの不活性ガス内に飛沫同伴するので、粒子間の接触は概して最小であり、粒子凝集の発生はずっと低減する。処理後のふるい分けの必要性はしたがって、大いに低減し又はなくなり、生じる粒度分布は、投入した供給原料の粒度分布と事実上同一であることもある。例示的な実施形態において、供給原料の粒度分布は、最終製品で維持される。
【0052】
プラズマ、プラズマプルーム又は排気管内部では、この材料は、液体表面張力のため本質的に球状化される。マイクロ波で生成されたプラズマは、実質的に均一な温度のプロファイルを示すので、90%を超える粒子の球状化を達成することもある(例えば、91%、93%、95%、97%、99%、100%)。プラズマから退出した後、捕集ビンに入る前に粒子を冷却する。捕集ビンが満たされると、プロセスを停止することなく捕集ビンを取り除き、必要に応じて空のビンと交換することができる。
【0053】
1つの例示的な実施形態において、不活性ガスを、供給原料を取り囲んで連続的にパージして粉体供給ホッパー内部の酸素を除去する。球状化粒子の組成/純度を維持するために連続する体積の粉体供給原料を不活性ガス内に飛沫同伴し、マイクロ波で生成されたプラズマ中に供給する。1つの例において、マイクロ波で生成されたプラズマを、各々の全体を参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2013/0270261号、及び/又は米国特許第8,748,785号に記載されるように、マイクロ波プラズマトーチを用いて生成してよい。いくつかの実施形態において、粒子をマイクロ波で生成されたプラズマ内の4,000~8,000Kの均一な温度のプロファイルに曝露する。プラズマトーチ内部では、粉体粒子は迅速に加熱され、溶融される。プロセス内部の粒子をアルゴンなどの不活性ガス内に飛沫同伴するので、粒子間の接触は概して最小であり、粒子凝集の発生はずっと低減する。処理後のふるい分けの必要性はしたがって、大いに低減し又はなくなり、生じる粒度分布は、投入した供給原料の粒度分布と事実上同一であることもある。例示的な実施形態において、供給原料の粒度分布は、最終製品で維持される。
【0054】
プラズマ内部では、この供給原料は、液体表面張力のため本質的に球状化される。マイクロ波で生成されたプラズマは、実質的に均一な温度のプロファイルを示すので、90%を超える粒子の球状化を達成することもある(例えば、91%、93%、95%、97%、99%、100%)。実施形態においては、球状化及び微構造の調整(例えば、変更、操作、制御)に対処し、又はいくつかの例においては、マイクロ波で生成されたプラズマで処理することにより部分的に制御する。プラズマから退出した後、捕集ビンに入る前に粒子を冷却する。捕集ビンが満たされると、プロセスを停止することなく捕集ビンを取り除き、必要に応じて空のビンと交換することができる。
【0055】
図1は、本開示の実施形態による、球形粉体を製造するための例示的な方法(250)を示すフローチャートである。この実施形態において、プロセス(250)は、供給原料をプラズマトーチに導入すること(255)により始まる。いくつかの実施形態において、プラズマトーチは、マイクロ波で生成されたプラズマトーチ又はRFプラズマトーチである。プラズマトーチの内部では、上述したように、供給原料を溶融させるプラズマにこの供給原料を暴露する(260)。この溶融した物質を、上述したように、表面張力により球状化する(260b)。プラズマから退出した後、生成物を冷却して凝固させ、球形に固定し、その後収集する(265)。
【0056】
上述した通り、プラズマトーチは、マイクロ波で生成されたプラズマ又はRFプラズマトーチであってよい。1つの例の実施形態において、AT-1200回転粉体供給機(Thermach Inc.から入手可能)を用いると粉体の供給速度を上手く制御できる。代わりの実施形態において、流動層供給機などの他の適した手段を用いて、粉体をプラズマへ供給することができる。供給原料を一定の速度で導入してもよく、次の処理ステップ中に粒子が凝集しないよう速度を調整してもよい。別の例示的な実施形態において、処理される供給原料を最初に、1マイクロメートル(μm)の最小直径及び22μmの最大直径、又は5μmの最小直径及び15μmの最大直径、、又は15μmの最小直径及び45μmの最大直径、又は22μmの最小直径及び44μmの最大直径、又は20μmの最小直径及び63μmの最大直径、又は44μmの最小直径及び70μmの最大直径、又は70μmの最小直径及び106μmの最大直径、又は105μmの最小直径及び150μmの最大直径、又は106μmの最小直径及び300μmの最大直径で、直径によってふるい分けし、分類する。認識されるように、これらの高い値及び低い値は、例示の目的で記載されたのみであり、他の実施形態において代わりの粒度分布値を用いてもよい。これにより、プラズマの高温領域上に軽い粒子が再循環しなくなり、またプラズマ中に存在するプロセスエネルギーが粒子を蒸発させることなく溶融するのに充分なことを保証する。プレスクリーニングを行うと、材料を蒸発させることなく粒子を溶融するのに必要なマイクロ波電力を充分に割り当てることができる。
【0057】
いくつかの実施形態において、ビンの環境及び/又は密封要件を慎重に制御する。すなわち、粉体の汚染又は酸化可能性を防ぐために、ビンの環境及び密封を用途に合わせる。1つの実施形態において、ビンは真空下にある。1つの実施形態において、ビンは、本手法にしたがって生成された粉体を満たされた後に密封される。1つの実施形態において、ビンは、例えばアルゴンなどの、不活性ガスで埋め戻される。プロセスの連続的性質のため、一旦ビンが満たされると、プラズマプロセスを停止することなく取り除き、必要に応じて空のビンと交換することができる。
【0058】
図2は、本開示の実施形態にしたがった、回転楕円面状粉体の製造に用いることができるマイクロ波プラズマトーチを示す。上述した通り、供給原料9、10をマイクロ波プラズマトーチ3に導入することができ、これはマイクロ波で生成されたプラズマ11を持続させる。1つの例の実施形態において、マイクロ波放射源1によるプラズマ11の点火前に、飛沫同伴ガスフロー及びシースフロー(下向きの矢印)を入口5から注入してプラズマトーチ内部のフロー状態を作成することができる。いくつかの実施形態において、飛沫同伴ガスフロー及びシースフローは軸対称流と層流の両方であるが、他の実施形態においては、ガスフローは旋回流である。供給原料9をマイクロ波プラズマトーチに軸に沿って導入し、そこで供給原料は、原料をプラズマに向けるガスフローによって飛沫同伴される。上述した通り、ガスフローは、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどの周期表の希ガス列からなってよい。マイクロ波で生成されたプラズマ内部では、原料を球状化するために供給原料を溶融する。プロセスガスを導入して粒子9、10を軸12に沿ってプラズマ11まで飛沫同伴し、加速するために、入口5を用いることができる。粒子9を初めに、プラズマトーチ内部の環状ギャップを通じて作成された中心となる層流ガスフロー(上の一組の
矢印)を用いて飛沫同伴により加速する。絶縁トーチ3の内壁がプラズマ11からの熱放射により溶融するのを防ぐための絶縁トーチ3の内壁用の層流被覆を提供するために、第2の層流(下の一組の矢印)を、第2の環状ギャップを通じて作成することができる。例示的な実施形態において、層流は軸12に可能な限り近い通路に沿って粒子9,10をプラズマ11に向け、粒子9,10をプラズマ内部の実質的に均一な温度に曝露する。いくつかの実施形態において、粒子10が、プラズマ付着が生じることがあるプラズマトーチ3の内壁に達するのを抑制するのに適したフロー状態が存在する。マイクロ波プラズマ11に向かうガスフローによって案内される粒子9,10は各々、均一な熱処理を受ける。所望の結果を達成するために、マイクロ波で生成されたプラズマの各種パラメータ、並びに粒子パラメータを調整してよい。これらのパラメータは、マイクロ波電力、供給原料の大きさ、供給原料の挿入速度、ガス流量、プラズマ温度、滞留時間及び冷却速度を含んでよい。いくつかの実施形態において、冷却速度又は焼き入れ速度は、プラズマ11から退出するとき10+3℃/秒以上である。上述した通り、この特定の実施形態において、ガスフローは層流であるが、代わりの実施形態において、供給原料をプラズマに向けるために旋回流又は乱流を用いてもよい。
【0059】
図3A~3Bは、図2の実施形態に示される上部供給ホッパーではなく側面供給ホッパーを含む例示的なマイクロ波プラズマトーチを示し、したがって下流供給が可能になる。したがって、これの実行においては、マイクロ波プラズマトーチの「プルーム」又は「排気管」中で処理するにはマイクロ波プラズマトーチアプリケーターの後ろから供給原料を注入する。したがって、マイクロ波プラズマトーチのプラズマは、図2に関して論じられた上部供給(又は上流供給)とは対照的に、供給原料を下流供給が可能となるようプラズマトーチの排出端で係合する。この下流供給を行うと有利なことに、高温領域が高温領域ライナーの壁上のいかなる材料堆積物からも無期限に保護されるので、トーチの寿命を延ばすことができる。そのうえ、下流供給を行うと、温度レベル及び滞留時間を正確に定めることにより粉体の最適溶融に適した温度でプラズマプルームの下流と係合することができる。例えば、マイクロ波粉体、ガスフロー、及びプラズマプルームを含む焼き入れ容器内の圧力を用いてプルームの長さを調整することができる。
【0060】
概して、下流球状化法では、米国特許出願公開第2018/0297122号に記載されるような、環状トーチ、又は米国特許第8748785(B2)号及び米国特許第9932673(B2)号に記載されるような、スワールトーチである、安定したプラズマプルームを作るための2個の主要なハードウェア構成を利用することができる。図3A図3Bはともに、環状トーチかスワールトーチかのいずれかとともに実行することができる方法の実施形態を示す。プロセスの均質性を維持するために軸に関して対称に粉体を供給するために、プラズマトーチの排出でプラズマプルームと緊密に結合した供給システムを用いる。他の供給構成は、プラズマプルームを取り囲む1つ又はいくつかの個別の供給ノズルを含んでよい。供給原料粉体は、いずれの方向からプラズマに入ってもよく、プラズマの周囲360°で供給することができる。供給原料粉体は、特定の温度が測定され、粒子を充分に溶融するための滞留時間が推定されるプラズマプルームの長さに沿った特定の位置でプラズマに入ってよい。溶融した粒子はプラズマから密封チャンバーに排出され、そこで粒子は焼き入れされ、収集される。
【0061】
供給原料314を、マイクロ波プラズマトーチ302に導入することができる。供給原料314をマイクロ波プラズマトーチ302、プルーム、又は排気管に供給する前に、供給原料314を保存するためにホッパー306を用いることができる。プラズマトーチ302の長手方向に対して任意の角度で供給原料314を注入することができ、例えば、5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,又は55°である。いくつかの実施形態において、供給原料を、5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,又は55°超の角度で注入することができる。いくつかの実施形態において
、供給原料を、5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,又は55°未満の角度で注入することができる。代わりの実施形態において、供給原料を、プラズマトーチの長手軸に沿って注入することができる。マイクロ波放射を、導波管304を介してプラズマトーチに導くことができる。供給原料314をプラズマチャンバー310に供給し、プラズマトーチ302によって生成されたプラズマと接触して配置する。プラズマ、プラズマプルーム、又はプラズマ排気管と接触するとき、供給原料は溶融する。まだプラズマチャンバー310内にある間に、供給原料314は、容器312中に収集される前に、冷却され、凝固される。あるいは、供給原料314は、まだ溶融相である間にプラズマチャンバー310から排出され、プラズマチャンバー外部で冷却され、凝固してもよい。いくつかの実施形態において、焼き入れチャンバーを用いてもよく、これは陽圧を用いても用いなくてもよい。図2と分離して記載されるが、図3A~3Bの実施形態は、図2の実施形態と類似する特徴及び状態を用いると理解される。
【0062】
いくつかの実施形態において、下流注入法の実行には、下流旋回、広範な球状化、又は焼き入れを用いてよい。下流旋回とは、粉体を管の壁から遠ざけるために、プラズマトーチの下流に導入することができる追加の旋回要素を指す。広範な球状化とは、粉体により長い滞留時間を与えるための拡張したプラズマチャンバーを指す。いくつかの実行においては、下流旋回、広範な球状化、又は焼き入れを用いなくてよい。いくつかの実施形態においては、下流旋回、広範な球状化、又は焼き入れの1つを用いてよい。いくつかの実施形態においては、下流旋回、広範な球状化、又は焼き入れの2つを用いてよい。
【0063】
下から粉体を注入すると、マイクロ波領域のプラズマ管コーティングを低減又はなくすことができる。コーティングが丈夫になりすぎると、マイクロ波エネルギーはプラズマ高温領域に入ることから守られ、プラズマ結合が低減する。時には、プラズマは、消えすらしてよく、不安定になってよい。プラズマ強度の減少は、粉体の球状化レベルの減少を意味する。したがって、供給原料をマイクロ波領域下から供給し、プラズマプルームとプラズマトーチの排出で係合することにより、この領域のコーティングをなくし、プラズマ結合に対するマイクロ波粉体をプロセスを通じて一定に維持し、充分な球状化を可能にする。
【0064】
したがって、下流手法を行うと有利なことに、コーティングの問題が減少するので、長期間の運転が可能になってよい。さらに、下流手法を行うと、コーティングを最小限にする必要がないので、より多くの粉体を注入することが可能になる。
【0065】
前述の記載から、本発明の特異な供給原料を球状化粉体に変換する処理方法が開示されると認識される。いくつかの要素、技術及び態様が特定の詳細の程度で記載されてきたが、本開示の精神及び範囲を逸脱することなく本明細書中に上述した特定の設計、構造及び方法に多くの変更をすることができることは明白である。
【0066】
別々の実行の文脈で本開示に記載される特定の特徴を、単一の実行に組み合わせて実行することもできる。逆に、単一の実行の文脈で記載される各種特徴を複数の実行で別々に又は任意の適したサブコンビネーションで実行することもできる。そのうえ、特徴を特定のコンビネーションで働くものとして上述してよいが、請求されるコンビネーションからの1つ又は複数の特徴を、いくつかの場合において、このコンビネーションから削除することができ、このコンビネーションを任意のサブコンビネーション又は任意のサブコンビネーションの変形として請求してよい。
【0067】
そのうえ、方法を図面又は明細書中に特定の順序で示してよいが、このような方法を示される特定の順序又は連続した順序で実行する必要はなく、その全ての方法を望ましい結果を達成するために実行する必要はない。示されていない又は記載されていない他の方法
を、例の方法及びプロセスに組み込むことができる。例えば、記載される複数方法のいずれかの前、後、同時又は間に1つ又は複数の追加の方法を実行することができる。さらに、方法を他の実行に再配置してもよく並べ替えてもよい。また、上述した実行の各種システム要素の分離は、全ての実行のこのような分離を必要とすると理解されるべきでなく、記載された要素及びシステムは概して、単独の製品にともに組み込まれ、又は複数の製品へと包装されると理解されるべきである。そのうえ、他の実行は、本開示の範囲内である。
【0068】
「できる(can)」「できる(could)」「してもよい(might)」「してもよい(may)」などの条件付きの語法は概して、特に別な方法で、又は使用される文脈内で理解される別な方法で、指示のない限り、特定の実施形態は、特定の特徴、要素及び/又はステップを含む又は含まないことを表すことを意図する。したがって、このような条件付きの語法は概して、特徴、要素、及び/又はステップを1つ又は複数の実施形態で必要とされる任意の方法にあることを意味すると意図されない。
【0069】
フレーズ「X、Y、及びZのうち少なくとも1つ」などの接続的な語法は、特に別な方法で指示のない限り、概して項目、用語などがX、Y、又はZのいずれかであってよいことを表すために使用される文脈で理解される。したがって、このような接続的な語法は概して、特定の実施形態はXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つの存在を必要とすることを意味すると意図されない。
【0070】
本明細書中で用いる場合、用語「約(approximately)」、「約(about)」、「概して(generally)」及び「実質的に(substantially)」は、記載された値、量又は特徴と類似し、依然として所望の機能を果たす又は所望の結果を達成する値、量又は特徴を表す。例えば、用語「約(approximately)」、「約(about)」、「概して(generally)」及び「実質的に(substantially)」は、記載された量の10%以下以内、記載された量の5%以下以内、記載された量の1%以下以内、記載された量の0.1%以下以内、記載された量の0.01%以下以内である量を指してよい。記載された量が0である場合(例えば、何もない(none)、有さない(having no))、上述した範囲は、特定の範囲であってよく、値の特定の%以内でなくてよい。例えば、記載された量の10wt./vol.%以下以内、記載された量の5wt./vol.%以下以内、記載された量の1wt./vol.%以下以内、記載された量の0.1wt./vol.%以下以内、記載された量の0.01wt./vol.%以下以内である。
【0071】
各種実施形態と関係する任意の特定の特徴(feature)、態様、方法、特性、特徴(characteristic)、品質、属性、要素又は同種のものの本明細書中の開示を、本明細書中に説明される全ての他の実施形態中で用いることができる。そのうえ、本明細書中に記載されるいずれの方法も列挙されたステップを実行するのに適した任意の装置を用いて実行してよい。
【0072】
多くの実施形態及び実施形態の変形が詳細に記載されてきたが、同じものを用いる他の改良及び方法は、当業者にとって明らかだろう。したがって、各種応用、改良、素材及び代理が、本明細書中の特異で独創的な開示又は請求項の範囲から逸脱することなく等価物をなすことができると理解すべきである。
【0073】
【表1-1】
【表1-2】

【表1-3】

【表1-4】

【表1-5】

【表1-6】

【表1-7】

【表1-8】

【表1-9】

【表1-10】

【表1-11】
図1
図2
図3A
図3B
【国際調査報告】