(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】ディスプレイバックライトのための空間変化偏光子
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1335 20060101AFI20230317BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20230317BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20230317BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20230317BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20230317BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230317BHJP
F21V 9/14 20060101ALI20230317BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20230317BHJP
【FI】
G02F1/1335
G02B27/02 Z
G02F1/13357
G02F1/13 505
G02B5/30
F21S2/00 431
F21V9/14
F21V9/40 400
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528225
(86)(22)【出願日】2021-02-01
(85)【翻訳文提出日】2022-08-02
(86)【国際出願番号】 US2021016039
(87)【国際公開番号】W WO2021158474
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517160525
【氏名又は名称】バルブ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハッドマン、ジョシュア マーク
【テーマコード(参考)】
2H088
2H149
2H199
2H291
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H088EA47
2H088HA08
2H088HA12
2H088HA15
2H088HA18
2H088HA19
2H088HA21
2H088HA28
2H149BA02
2H149DA02
2H149EA02
2H149FC01
2H199CA04
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2H291FA02Y
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2H291FA22Z
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2H391AA15
2H391AB04
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2H391EA02
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2H391EB02
2H391FA06
3K244AA02
3K244BA08
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3K244BA14
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3K244BA31
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3K244GA01
3K244GA02
3K244GA03
3K244GA05
3K244GA10
3K244GA11
(57)【要約】
液晶ディスプレイパネルアセンブリと、光源を有するバックライトアセンブリと、光源から離れる伝搬長の関数として変化する位相遅延を提供する空間変化偏光子とを備える、電子デバイス用のディスプレイを提供するシステム及び方法。ディスプレイは、直線偏光子、及びバックライトアセンブリの効率性を改善する他の光学コンポーネントを備えてもよく、それによって、電力消費、コスト、空間要件が低減され、他の利点を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非発光ディスプレイパネルアセンブリと、
光源を有するバックライトアセンブリと、
前記非発光ディスプレイパネルアセンブリと前記バックライトアセンブリとの間に位置決めされた空間変化偏光子であって、前記空間変化偏光子は、前記光源から離れる伝搬長の関数として空間的に変化する偏光を有する、空間変化偏光子と
を備える、ディスプレイ。
【請求項2】
前記空間変化偏光子は、マルチツイストリターダを含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記空間変化偏光子は、前記光源付近の近位端において遅延を提供せず、前記近位端とは反対の遠位端において4分の1波長遅延を提供する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記空間変化偏光子の遅延は、前記光源付近の近位端と前記近位端とは反対の遠位端との間で線形に又は非線形に変化する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記空間変化偏光子と前記非発光ディスプレイパネルアセンブリとの間に位置決めされた直線偏光子を更に備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記直線偏光子は、二重輝度上昇フィルム(DBEF)を含む、請求項5に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記空間変化偏光子に動作可能に結合された制御回路を更に備え、前記制御回路は、前記空間変化偏光子によって提供される遅延を選択的に調整するように動作可能である、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記バックライトアセンブリは、光散乱特徴部を含む導光プレートを有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記バックライトアセンブリは、いずれの光散乱特徴部も含まない導光プレートを有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記バックライトアセンブリは、楔形状の導光プレートを有する、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記非発光ディスプレイパネルアセンブリは、液晶ディスプレイパネルアセンブリを含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記光源は、発光ダイオードのアレイを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【請求項13】
非発光ディスプレイパネルアセンブリと、
導光プレートと、光を前記導光プレートのエッジに提供する光源とを有するバックライトアセンブリと、
前記非発光ディスプレイパネルアセンブリと前記導光プレートとの間に位置決めされた反射偏光子と、
前記反射偏光子と前記導光プレートとの間に位置決めされた空間変化偏光子であって、前記空間変化偏光子は、前記光源から離れる伝搬長の関数として空間的に変化する偏光を有する、空間変化偏光子と
を備える、ディスプレイ。
【請求項14】
前記空間変化偏光子は、マルチツイストリターダを含む、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記反射偏光子は、二重輝度上昇フィルム(DBEF)を含む、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項16】
前記空間変化偏光子は、前記光源付近の近位端において遅延を提供せず、前記近位端とは反対の遠位端において4分の1波長遅延を提供する、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項17】
前記導光プレートは、光散乱特徴部を含む、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項18】
前記導光プレートは、いずれの光散乱特徴部も含まない、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項19】
前記光源は、発光ダイオードのアレイを含む、請求項13に記載のディスプレイ。
【請求項20】
前記ディスプレイは、ヘッドマウントディスプレイデバイス、テレビ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、コンピュータモニタ、又はウェアラブル電子デバイスのディスプレイである、請求項13から19のいずれか一項に記載のディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、ディスプレイシステムのためのバックライトに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、高精細テレビ、及び他の電子デバイスの成長も相まって、性能が高められたディスプレイに対する需要が高まっている。仮想現実システム及び拡張現実システム、特に、ヘッドマウントディスプレイを使用するそれらのシステムの人気の高まりが、そのような需要を更に高めている。仮想現実システムは、典型的には、装着者の眼を完全に包囲し、装着者の正面の実際の視野(又は実際の現実)を、「仮想」現実に置き換え、その一方で、拡張現実システムは、典型的には、実際の視野が追加の情報で拡張されるように、装着者の眼の正面の1つ又は複数のスクリーンの半透明又は透明のオーバーレイを提供する。多くの仮想現実システム及び拡張現実システムにおいて、そのようなヘッドマウントディスプレイの装着者の運動は、示されている画像がユーザの運動を反映することを可能にするために、様々な方法で、例えば、ヘッドマウントディスプレイ内及び/又はその外部にあるセンサを介して、追跡され得る。
【0003】
性能が改善され、それと同時にまた、現在入手可能であるディスプレイと比較して、より小さい又はより大きいサイズであり、消費電力が少なく、発熱が抑えられたディスプレイに対する需要がますます高まっている。したがって、改善されたディスプレイパネル、及びディスプレイパネルを製造及び使用するための改善された技法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
ディスプレイは、非発光ディスプレイパネルアセンブリと、光源を有するバックライトアセンブリと、前記非発光ディスプレイパネルアセンブリと前記バックライトアセンブリとの間に位置決めされた空間変化偏光子(spatially varying polarizer)であって、前記空間変化偏光子は、前記光源から離れる伝搬長の関数として空間的に変化する偏光を有する、空間変化偏光子とを備えるものとして要約され得る。前記空間変化偏光子は、マルチツイストリターダを含んでよい。前記空間変化偏光子は、前記光源付近の近位端において遅延を提供せず、前記近位端とは反対の遠位端において4分の1波長遅延を提供してよい。前記空間変化偏光子の前記遅延は、前記光源付近の近位端と前記近位端とは反対の遠位端との間で線形に又は非線形に変化してよい。
【0005】
前記ディスプレイは、前記空間変化偏光子と前記非発光ディスプレイパネルアセンブリとの間に位置決めされた直線偏光子を更に備えてよい。前記直線偏光子は、二重輝度上昇フィルム(DBEF)を含んでよい。
【0006】
前記ディスプレイは、前記空間変化偏光子に動作可能に結合された制御回路を更に備えてよく、前記制御回路は、前記空間変化偏光子によって提供される前記遅延を選択的に調整するように動作可能である。前記バックライトアセンブリは、光散乱特徴部を含む導光プレートを有してよい。前記バックライトアセンブリは、いずれの光散乱特徴部も含まない導光プレートを有してよい。前記バックライトアセンブリは、楔形状の導光プレートを有してよい。前記非発光ディスプレイパネルアセンブリは、液晶ディスプレイパネルアセンブリを含んでよい。前記光源は、発光ダイオードのアレイを含んでよい。
【0007】
ディスプレイは、非発光ディスプレイパネルアセンブリと、導光プレートと、光を前記導光プレートのエッジに提供する光源とを有するバックライトアセンブリと、前記非発光ディスプレイパネルアセンブリと前記導光プレートとの間に位置決めされた反射偏光子と、前記反射偏光子と前記導光プレートとの間に位置決めされた空間変化偏光子であって、前記空間変化偏光子は、前記光源から離れる伝搬長の関数として空間的に変化する偏光を有する、空間変化偏光子とを備えるものとして要約され得る。前記空間変化偏光子は、マルチツイストリターダを含んでよい。前記反射偏光子は、二重輝度上昇フィルム(DBEF)を含んでよい。前記空間変化偏光子は、前記光源付近の近位端において遅延を提供せず、前記近位端とは反対の遠位端において4分の1波長遅延を提供してよい。前記導光プレートは、光散乱特徴部を含んでよい。前記導光プレートは、いずれの光散乱特徴部も含まなくてよい。前記光源は、発光ダイオードのアレイを含んでよい。前記ディスプレイは、ヘッドマウントディスプレイデバイス、テレビ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、コンピュータモニタ、又はウェアラブル電子デバイスのディスプレイであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面において、同一の参照符号は、同様の要素又は動作を識別する。図面における要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではない。例えば、様々な要素の形状及び角度は、必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではなく、これらの要素のうちの幾つかは、図面の読みやすさを改善するために、任意に拡大及び位置決めされてよい。さらに、描かれている要素の特定の形状は、当該特定の要素の実際の形状に関する何らかの情報を伝えることが必ずしも意図されるものではなく、専ら図面において認識を容易にするために選択されたものであってよい。
【0009】
【
図1】1つの例示の実装に係る、デュアルディスプレイパネルを備えるヘッドマウントディスプレイデバイスの一例の図である。
【0010】
【
図2】1つの例示の実装に係る、ディスプレイパネルを備えるラップトップの一例の図である。
【0011】
【
図3】1つの非限定的な例示の実装に係る、ディスプレイパネルを備えるスマートフォンの一例の図である。
【0012】
【
図4】1つの非限定的な例示の実装に係る、空間変化偏光子を有するバックライトアセンブリを備えるディスプレイパネルの断面図である。
【0013】
【
図5】1つの非限定的な例示の実装に係るディスプレイパネルの詳細断面図である。
【0014】
【
図6】1つの非限定的な例示の実装に係る、光源から離れる伝搬長の関数として変化する空間変化偏光子についての位相遅延の一例を示すグラフである。
【0015】
【
図7】1つの非限定的な例示の実装に係る、空間変化偏光子の平面図であり、空間変化偏光子についての位相遅延が、光源に近接したエッジにおける遅延なし(直線)から、光源から遠位のエッジにおける4分の1波遅延(円形)まで、光源から離れる伝搬長の関数として変化することを示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明において、様々な開示される実装の十分な理解を提供するために、特定の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細のうちの1つ若しくは複数を用いずに、又は、他の方法、コンポーネント、材料等を用いて、これらの実装が実施され得ることを認識するであろう。他の例では、これらの実装の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、コンピュータシステム、サーバコンピュータ、及び/又は通信ネットワークに関連付けられた周知の構造は詳細には図示も説明もされていない。
【0017】
文脈上別段の意味に解釈されるべきである場合を除き、本明細書及びそれに続く特許請求の範囲全体を通して、「備える」という用語は「含む」と同義であり、包括的又はオープンエンドである(すなわち、追加の列挙されていない要素又は方法の動作を排除しない)。
【0018】
本明細書全体を通した「1つの実装」又は「一実装」に対する言及は、その実装に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実装に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書全体を通した様々な箇所における「1つの実装では」又は「一実装では」という表現の出現は、必ずしも、全てが同じ実装を参照しているというわけではない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は複数の実装において、任意の適した方法で組み合わされてよい。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、「a」「an」、及び「the」という単数形は、そうでないことを文脈が明確に規定している場合を除き、複数の指示対象を含む。「又は/若しくは(or)」という用語は、概して、そうでないことを文脈が明確に規定している場合を除き、その意味において「及び/又は」を含むように利用されることも留意されるべきである。
【0020】
本明細書において提供される本開示の見出し及び要約書は、単に利便性のためのものであり、実装の範囲又は意味を解釈するものではない。
【0021】
本開示の1つ又は複数の実装は、ヘッドマウントディスプレイデバイス、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、テレビ、スマートフォン、ウェアラブルコンピュータ、コンピュータモニタ等のような電子デバイス用のディスプレイを対象とする。そのようなディスプレイを含み得る電子デバイスの非限定的な例が、
図1~
図3において示されている。
【0022】
液晶ディスプレイ(LCD)は、バックライトユニット又はアセンブリと称される、独立した光源を必要とする非発光ディスプレイの共通の例である。バックライトアセンブリは、そのようなディスプレイに、適切な色特性を有する均一でかつ明るい光を提供する。バックライト技術は、ディスプレイを従来のディスプレイよりもはるかに薄くすることを可能にし、それと同時に電力消費も削減するエッジ照明型発光ダイオード(LED)バックライトの登場に起因して、近年より重要になった。エネルギー規制を満たすか又は他の要件を満たすために、バックライトアセンブリを可能な限り効率的にすることが重要である。以下で更に論述するように、本開示は、バックライトアセンブリの光源から離れる伝搬長の関数として変化する位相遅延を提供する空間変化偏光子を提供することによってバックライトアセンブリの性能を改善する。
【0023】
図1は、ヘッドマウントディスプレイデバイス100の形態の電子デバイスの非限定的な例を示しており、これは、人間のユーザに仮想現実ディスプレイを提供するために有線又は無線接続を介してビデオレンダリングコンピューティングシステムに結合され得る。動作中、ユーザは、1つ又は複数のストラップ101を介して固定して、自身の頭部にHMDデバイス100を装着し、コンピューティングシステムから、HMDデバイスの支持構造104によって支持されるディスプレイ102a及び102bを介して各眼において、実際の物理的環境とは異なる模擬環境の表示された情報を受け取り、コンピューティングシステムは、コンピューティングシステム上で実行されるゲームプログラム(図示せず)及び/又は他のソフトウェアプログラム(図示せず)によって生成される画像等、ユーザへの表示のためにHMDデバイスに模擬環境の画像を供給する画像レンダリングシステムとして機能する。ユーザは、この例では実際の物理的環境を動き回ることが更に可能であり、有線又は無線接続を介してコンピューティングシステムに通信可能に結合されるハンドヘルドコントローラ等、ユーザが模擬環境と更にインタラクトすることを可能にする1つ又は複数のI/O(「入力/出力」)デバイスを更に有してよい。ユーザがロケーションを移動し及び/又はHMDデバイス100の配向を変更するに従い、HMDデバイスの位置は、例えば、模擬環境の対応する部分をHMDデバイス上でユーザに表示することを可能にするために、追跡されてよく、コントローラは、コントローラの位置を追跡する際に使用するために(及び任意選択で、その情報をHMDデバイスの位置を決定及び/又は検証する際に支援するのに使用するために)類似の技法を更に利用してよい。HMDデバイス100の追跡位置が知られた後、対応する情報は、コンピューティングシステムに送信され、コンピューティングシステムは、この追跡位置情報を使用して、ディスプレイ102a及び102bを介してユーザに表示するための模擬環境の1つ又は複数の次の画像を生成する。
【0024】
図2は、上部ハウジング202及び下部ハウジング204を有するラップトップコンピュータ200の形態の例示の電子デバイスを示しており、上部ハウジング202及び下部ハウジング204は、これらのハウジングが互いに対して回転することを可能にするヒンジ206を介してともに結合される。下部ハウジング204は、キーボード208を備え、他の構造(例えば、タッチパッド、様々なポート)を備えてよい。上部ハウジング202は、ユーザにコンテンツを表示するために使用され得るディスプレイパネル210を備える。
【0025】
図3は、スマートフォン300の形態の例示の電子デバイスを示している。スマートフォン300は、ディスプレイパネル304と複数の入力コンポーネント306(例えば、ボタン)とを備えるハウジング302を備える。少なくとも幾つかの実装では、ディスプレイパネル304は、例えば、タッチスクリーンディスプレイであってよい。
【0026】
より一般的には、本開示のディスプレイは、
図1~
図3において示されているデバイス、又はミュージックプレイヤー、ゲーミングデバイス、ナビゲーションユニット、車両ディスプレイ、ウェアラブルデバイス、キオスク、若しくは1つ又は複数のディスプレイを備える他のタイプのデバイスを含む他のデバイス等の任意のタイプの電子デバイスにおいて実装されてよい。
【0027】
図4は、本開示の1つ又は複数の実施形態に係る例示の液晶ディスプレイ(LCD)400の断面側面図を示している。ディスプレイ400は、それぞれ
図1のデバイス100、
図2のデバイス200、及び
図3のデバイス300等の任意のタイプの電子デバイスにおいて実装されてよい。
【0028】
ディスプレイ400は、それぞれ略類似した形状(例えば、矩形)であり得る複数のスタック層を含む。ディスプレイ400は、バックライトアセンブリ402のエッジに実質的に隣接して位置決めされた光源404から光403を受け取る当該バックライトアセンブリ402を備えてよい。ディスプレイ400は、LCDパネル406又は他のディスプレイ層(例えば、任意の非発光ディスプレイアセンブリ層)、光学フィルム408等の他の光処理層、及び直線又は反射偏光子410(例えば、二重輝度上昇フィルム(DBEF))を含むディスプレイモジュールも備える。
【0029】
ディスプレイ400は、(
図4において示されているように左から右への)伝搬長の関数として光の位相遅延を変化させる空間変化偏光子(SVP)412の形態の光遅延層も備える。以下で更に論述されるように、空間変化偏光子412は、LCDパネル406に(示されているように)上向きに渡される光の量を増加させることによって光源404の効率性及び均一性を高めるように機能する。
【0030】
存在する場合、光学フィルム408は、バックライトアセンブリ402の一部分として形成されてもよいし、それとは別個に形成されてもよい。空間変化偏光子412は、示されているように、光学フィルム408の上方かつ反射偏光子410の下方に位置決めされてよい。他の実装では、ディスプレイ400は、空間変化偏光子412を備えてよいが、別個の直線偏光子410を備えなくてよい。
図4において示された構成は、単なる例示であり、異なるように配置された同じ層、より少数又は多数の層、又は異なる層を含み得る他の構成も企図されることが理解されるべきである。非限定的な例として、空間変化偏光子412は、1つ又は複数の光学フィルム408間、光学フィルムとバックライトアセンブリ402との間、バックライトアセンブリ402内等に位置決めされてよい。
【0031】
図5は、本開示の特徴を実装し得る例示のディスプレイ500のより詳細な断面図を示している。ディスプレイ500は、それぞれ
図1のデバイス100、
図2のデバイス200、及び
図3のデバイス300等の任意のタイプの電子デバイスにおいて実装されてよく、
図4のディスプレイ400と類似又は同一であってよい。
【0032】
ディスプレイ500は、バックライト506を生成するために使用されてよい導光プリズム又はプレート(LGP)502及び反射板504を備えるバックライトアセンブリを備える。動作中、バックライト506は、外向きに(示されているように上向きに)進行し、ディスプレイ層507におけるディスプレイピクセル構造を通過し、これは、方向510においてユーザ508が視認するためにディスプレイピクセルによって生成される画像を照明する。ディスプレイ層507は、電子デバイスのハウジングに取り付けられるディスプレイモジュールを形成するためにプラスチック又は金属構造に位置決めされてよい。ディスプレイ層507は、液晶ディスプレイパネルを形成してもよいし、他のタイプのディスプレイを形成するために使用されてもよい。
【0033】
例示の例では、ディスプレイ層507は、ディスプレイ層514と516との間に位置決めされる液晶層512を含み、これらは、下側偏光層518と、上側偏光層520との間に位置決めされてよい。層514及び516は、プラスチック又はガラスの透明層等の透明基板層から形成されてよい。層514及び516は、例えば、カラーフィルタ層又は薄膜トランジスタ層を含んでよい。カラーフィルタ要素、トランジスタ、導電トレース、又は他の構造が層514及び516の基板上に形成されて、カラーフィルタ層及び/又は薄膜トランジスタ層が形成されてよい。少なくとも幾つかの実装では、層514若しくは516又は他の層は、ディスプレイ500にタッチスクリーン機能性を実装するために使用されるタッチセンサ電極を備えてよい。非限定的な例として、層516は、液晶層512に電界を印加するように動作可能であるトランジスタ及びディスプレイピクセル電極のアレイを備える薄膜トランジスタ層を備えてよい。この例では、層514は、ディスプレイ500にカラー画像を表示する能力を提供するように機能するカラーフィルタ要素のアレイを備えるカラーフィルタ層であってよい。他の実装では、層514は、薄膜トランジスタ層であってよく、層516は、カラーフィルタ層であってよい。
【0034】
ディスプレイ500の動作中、この例では薄膜トランジスタ層を含む層516に動作可能に結合された制御回路522は、ディスプレイ上に表示すべき情報を生成するのに使用されてよい。制御回路522は、層516のトランジスタを駆動する、ディスプレイドライバ回路、フレキシブル回路ボード、様々な導電トレース及びカップリング等のような、様々な回路及びコンポーネントを備えてよい。
【0035】
バックライトアセンブリは、導光プリズム又はプレート502を備えてよく、これは、ガラス又はプラスチック等の透明材料から形成されてよい。導光プリズム502は、矩形形状であってもよいし、光源524に向かって厚くなり、かつ光源から離れる方向に向かうにつれて幅狭となるようにテーパが付けられる楔形状を有してもよい。動作中、光源524は、導光プリズム502のエッジに向けられる光526を生成する。光源524は、光を導光プリズムに結合するように導光プリズムのエッジに沿って位置決めされた発光ダイオード(LED)のアレイ等の任意の適した光源であってよい。
【0036】
光源524から放出された光526は、導光プリズム502のエッジ表面に結合されてよく、全内部反射を介してプリズム全体にわたって分散されてよい。少なくとも幾つかの実装では、導光プリズム502は、光散乱特徴部528を含んでよく、これは、例えば、ドット、ピット又はバンプと称され得る。光散乱特徴部528は、導光プリズム502の上側表面又は下側表面に位置してよい。
【0037】
他の実装では、導光プリズム502は、いずれの光散乱特徴部528も含まなくてよく、これにより光源524のより効率的な使用が可能になり得る。なぜならば、光散乱特徴部は効率性を低下させるとともに偏光制御の損失を引き起こすためである。そのような実装では、光526は、相対的に広い角度(例えば、±40度、±20度)をなして導光プリズム502に提供されてよく、空間変化偏光子532は、以下で更に論述されるように、ディスプレイ500の長さにわたる均一なバックライトを提供するように調節されてよい。
【0038】
導光プリズム502から(示されているように)上向きに散乱する光526は、ディスプレイ500のためのバックライト506として役立ち得る。下向きに散乱する光526は、反射板504によって反射されて上向き方向に戻り得、反射板504は、白色プラスチック又は他の反射性材料等の任意の適した反射性材料から形成されてよい。
【0039】
バックライトアセンブリの性能を改善するために、本開示の実装は、光学フィルム530、空間変化偏光子532、又は反射偏光子534(例えば、DBEF)のうちの1つ又は複数を備える。
【0040】
光学フィルム層530は、ホットスポットを低減する1つ若しくは複数の拡散層(例えば、拡散フィルム)、軸外の視認を高めるための補償フィルム、又は他のタイプのフィルム(例えば、バックライト506をコリメートするためのプリズムフィルム)を含んでよい。
【0041】
空間変化偏光子532は、反射偏光子534と光学フィルム530との間に位置決めされてよい。より一般的には、空間変化偏光子532は、反射偏光子534と導光プリズム502との間の任意の場所に位置決めされてよい。
【0042】
少なくとも幾つかの実装では、ディスプレイ500は、空間変化偏光子532を備えるとともに、直線反射偏光子534を備えない。そのような実装では、空間変化偏光子532は、光が著しい損失を伴うことなく均一に透過されるように、光がそこを通って進行することを選択的に可能にするように調節されてよい。例えば、空間変化偏光子は、遠位端における円偏光(例えば、λ/4遅延)を提供するように徐々に遅延を変化させる、近位端における直線偏光を提供してよい。
【0043】
空間変化偏光子532は、複屈折材料から形成される波リターダを備えてよい。複屈折は、偏光及び光の伝搬方向に依存する屈折率を有する材料の特性である。波リターダは、波リターダを通って進行する光の偏光状態又は位相を改変する。波リターダは、遅軸(又は異常軸)及び速軸(通常軸)を有してよい。偏光した光が波リターダを通って進行する際、速軸に沿った光は、遅軸に沿った光よりも迅速に進行する。
【0044】
上記で論述されたように、空間変化偏光子532は、光源524からの伝搬長(L)、例えば、
図5において示されているように左から右への伝搬長の関数として変化する位相遅延を提供してよく、これにより、導光プリズム502からディスプレイ層507への光のより均一かつ効率的な分散が可能になる。
図6は、それぞれ
図4の空間変化偏光子412及び
図5の空間変化偏光子532等の、本開示の空間変化偏光子についての伝搬長の関数としての位相遅延の非限定的な例を示すグラフ600である。この例では、空間変化偏光子は、光源(例えば、光源524)付近の近位端において遅延を提供せず、光源から最も離れている空間変化偏光子の遠位端においてλ/4の遅延を提供するように遅延を線形に増加させる。具体的には、図示された例では、空間変化偏光子の遅延は、0Lにおいて0λ、(1/4)Lにおいて(1/16)λ、(1/2)Lにおいて(1/8)λ、(3/4)Lにおいて(3/16)λ、及びLにおいて(1/4)λである。
図7は、空間変化偏光子532の上面
図700を示しており、空間変化偏光子についての位相遅延が、光源に近接した(示されているような)左エッジにおける遅延なし(直線)から、光源から遠位の右エッジにおける4分の1波遅延(円形)まで、光源524から離れる伝搬長の関数として変化することを示している。
【0045】
例示の例は0~λ/4で変化する線形増加遅延を有する空間変化偏光子を示しているが、多数の他の構成が提供され得ることが理解されるべきである。一般的に、空間変化偏光子は、任意の方法において、光源から離れる伝搬長の関数として変化する遅延を提供してよく、遅延の量は、任意の値(例えば、λ/20、λ/10、λ/4、λ、2λ)であってよい。さらに、遅延の量は、増加のみしてもよいし、減少のみしてもよいし、増加及び減少の両方であってもよい。遅延の量は、連続的に変化してもよいし、複数の段階において変化してもよい。遅延の量は、例えば、線形関数、多項式関数、指数関数、階段関数、他のタイプの関数、又はそれらの組み合わせを含む、任意のタイプの関数に従って変化してよい。
【0046】
少なくとも幾つかの実装では、空間変化偏光子は、マルチツイストリターダ(MTR)から形成されてよく、これは、単一の薄膜において正確でかつカスタマイズされたレベルの広帯域、狭帯域又は多帯域遅延を提供する波長板状の遅延フィルムである。より具体的には、MTRは、単一基板上に、かつ単一の配向層を有する2つ又はそれより多くのねじれた液晶(LC)層を備える。後続のLC層は、前の層によって直接配向され、それにより、簡単な製造が可能になり、自動的な層の位置合わせが達成され、その結果、連続的に変化する光学軸を有するモノリシックフィルムが得られる。
【0047】
図5に戻って参照すると、少なくとも幾つかの実装では、制御回路522は、空間変化偏光子の空間依存位相遅延を任意の所望の構成に選択的に変化させるために空間変化偏光子532に動作可能に結合されてよい。そのような実装では、ディスプレイ500は、空間変化偏光子532の空間依存位相遅延を選択的に制御することを可能にする、1つ又は複数の追加の薄膜トランジスタ層等の追加の層を備えてよい。制御回路522は、任意の所望のレートで、例えば、1回のみ、周期的に、ディスプレイ500のフレームレートに等しいレート又はその分数等で、位相遅延を制御してよい。
【0048】
前述の詳細な説明は、ブロック図、概略図、及び例の使用を介して、デバイス及び/又はプロセスの様々な実装を記載した。そのようなブロック図、概略図、及び例が1つ又は複数の機能及び/又は動作を含む限りにおいて、当業者は、そのようなブロック図、フローチャート、又は例内の各機能及び/又は動作が広範なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は事実上それらの任意の組み合わせによって個別に、及び/又は集合的に実装され得ることを理解するであろう。1つの実装では、本主題は、特定用途向け集積回路(ASIC)を介して実装されてよい。しかしながら、当業者であれば、本明細書において開示された実装は、1つ若しくは複数のコンピュータ上で実行される1つ若しくは複数のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ若しくは複数のコンピュータシステム上で実行される1つ若しくは複数のプログラムとして)、1つ若しくは複数のコントローラ(例えば、マイクロコントローラ)上で実行される1つ若しくは複数のプログラムとして、1つ若しくは複数のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)上で実行される1つ若しくは複数のプログラムとして、ファームウェアとして、又は事実上それらの任意の組み合わせとして、全体的又は部分的に、標準的な集積回路において同等に実装することができること、及び、回路の設計及び/又はソフトウェア及び/又はファームウェアのコードの記述は本開示に鑑みて当業者の技能の十分な範囲内であることを認識するであろう。
【0049】
当業者であれば、本明細書において記載された方法又はアルゴリズムのうちの多くが、追加の動作を利用してよく、幾つかの動作を省略してよく、及び/又は、指定された順序と異なる順序において動作を実行してよいことを認識するであろう。
【0050】
加えて、当業者であれば、本明細書において教示される機構は、多様な形態においてプログラム製品として頒布されることが可能であること、及び、例示的な実装は、頒布を実際に実行するために使用される信号担持媒体の特定のタイプにかかわらず等しく適用されることを理解するであろう。信号担持媒体の例としては、次のもの、すなわち、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、CD-ROM、デジタルテープ、及びコンピュータメモリ等の記録可能なタイプの媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
上記で説明された様々な実装は、更なる実装を提供するために組み合わせることができる。上記の詳細な説明に鑑みて、実装に対してこれらの変更及び他の変更を行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲に開示された具体的な実装に限定するものと解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が対象とする均等物の全範囲とともに全ての可能な実装を含むものと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
【国際調査報告】