(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】カチオン性界面活性剤フォーム安定化組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 1/645 20060101AFI20230317BHJP
C09K 23/54 20220101ALI20230317BHJP
C09K 23/18 20220101ALI20230317BHJP
C07F 7/18 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
C11D1/645
C09K23/54
C09K23/18
C07F7/18 X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022538155
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 US2020066605
(87)【国際公開番号】W WO2021138147
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ナンクオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンツリック、ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】ハークネス、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ハニントン、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミラー、スコット
(72)【発明者】
【氏名】ウィトゥッキ、ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ドーヴェル、ブライアン
【テーマコード(参考)】
4H003
4H049
【Fターム(参考)】
4H003AB31
4H003AC05
4H003AD04
4H003AE04
4H003DA01
4H003EB37
4H003FA17
4H049VN01
4H049VP04
4H049VP07
4H049VQ02
4H049VQ18
4H049VQ35
4H049VQ36
4H049VQ79
4H049VR21
4H049VR22
4H049VR23
4H049VR41
4H049VR42
4H049VR43
4H049VS02
4H049VS35
4H049VS79
4H049VU28
4H049VV05
4H049VW01
(57)【要約】
フォーム安定化組成物が開示される。組成物は、(A)式Z1-D1-N(Y)a(R)2-aを有するカチオン性部分を含むシロキサンカチオン性界面活性剤を含み、式中、Z1は、シロキサン部分であり、D1は、二価連結基であり、Rは、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aは、1又は2であり、各Yは、式-D-NR1
3
+を有し、式中、Dは、二価連結基であり、各R1は、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基である。組成物はまた、(B)式Z2-D2-N(Y)b(R)2-bを有するカチオン性部分を含む有機カチオン性界面活性剤を含み、式中、Z2は、非置換ヒドロカルビル基であり、D2は、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字bは、1又は2であり、R、Y、及び下付き文字aは、上記で定義されたとおりである。この組成物を含む水性皮膜形成フォーム及びその使用方法も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーム安定化組成物であって、
(A)一般式(I)を有するシロキサンカチオン性界面活性剤であって、
[Z
1-D
1-N(Y)
a(R)
2-a]
+y[X
-x]
n (I)
式中、Z
1が、シロキサン部分であり、D
1が、二価連結基であり、Rが、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、各Yが、式-D-NR
1
3
+を有し、式中、Dが、二価連結基であり、各R
1が、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aが、1又は2であり、1≦y≦3であり、Xが、アニオンであり、下付き文字nが、1、2、又は3であり、1≦x≦3であるが、但し、(x
*n)=yである、シロキサンカチオン性界面活性剤と、
(B)一般式(II)を有する有機カチオン性界面活性剤であって、
[Z
2-D
2-N(Y)
b(R)
2-b]
+y[X
-x]
n (II)
式中、Z
2が、非置換ヒドロカルビル基であり、D
2が、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字bが、1又は2であり、各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xが、独立して選択され、かつ上記で定義されたとおりである、有機カチオン性界面活性剤と、を含む、フォーム安定化組成物。
【請求項2】
前記シロキサン部分Z
1が、以下の式を有し、
【化1】
式中、各R
3が、独立して、R
2及び-OSi(R
4)
3から選択されるが、但し、少なくとも1つのR
3が、-OSi(R
4)
3であり、式中、各R
4が、独立して、R
2、-OSi(R
5)
3、及び-[OSiR
2
2]
mOSiR
2
3から選択され、式中、各R
5が、独立して、R
2、-OSi(R
6)
3、及び-[OSiR
2
2]
mOSiR
2
3から選択され、式中、各R
6が、独立して、R
2及び-[OSiR
2
2]
mOSiR
2
3から選択され、式中、0≦m≦100であり、各R
2が、独立して、置換又は非置換のヒドロカルビル基である、請求項1に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項3】
各R
3が、-OSi(R
4)
3であり、式中、R
4が、独立して選択され、かつ上記で定義される、請求項2に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項4】
前記シロキサン部分Z
1が、以下の構造(i)~(iv):
【化2】
のうちの1つを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項5】
(i)D
1が、分岐状若しくは直鎖状アルキレン基であるか、又は(ii)D
1が、式-D
3-N(R
7)-D
3-を有し、式中、各D
3が、独立して選択される二価連結基であり、R
7が、H若しくはYであり、Yが、独立して選択され、かつ上記で定義されたとおりである、請求項1~4のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項6】
前記二価連結基のD
1が、式-D
3-N(R
7)-D
3-を有し、式中、各D
3及びR
7が、上記で定義されたとおりであり、(i)各D
3が、1~8個の炭素原子を有する、独立して選択されるアルキレン基であるか、(ii)R
7が、Hであるか、又は(iii)(i)及び(ii)の両方である、請求項5に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項7】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤(A)において、(i)下付き文字aが、1であるか、(ii)上付き文字yが、1であるか、(iii)Rが、Hであるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~6のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項8】
Z
2が、6~18個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1~7のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項9】
D
2が、前記共有結合である、請求項1~8のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項10】
D
2が、前記二価連結基であり、前記二価連結基のD
2が、分岐状又は直鎖状アルキレン基を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項11】
前記二価連結基のD
2が、式-D
4-N(R
8)-D
4-を有し、式中、各D
4が、独立して選択される二価連結基であり、R
8が、H又はYであり、Yが、独立して選択され、かつ上記で定義されたとおりである、請求項10に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項12】
(i)各D
4が、1~8個の炭素原子を有する、独立して選択されるアルキレン基であるか、(ii)R
8が、Hであるか、又は(iii)(i)及び(ii)の両方である、請求項11に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項13】
前記有機カチオン性界面活性剤(B)において、(i)下付き文字bが、1であるか、(ii)上付き文字yが、1であるか、(iii)Rが、Hであるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~12のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項14】
(i)各D
1が、-CH
2CH(OH)CH
2-及び-HC(CH
2OH)CH
2-から選択されるか、(ii)各R
1が、メチルであるか、(iii)各Xが、Clであり、上付き文字xが、1であるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~13のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項15】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤(A)の前記有機カチオン性界面活性剤(B)に対する1:10~10:1(A:B)の重量比を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項16】
(C)溶媒、(D)成分(A)及び(B)以外の界面活性剤、(E)レオロジー調整剤、(F)pH制御剤、及び(G)フォームエンハンサ、から選択される少なくとも1つの添加剤を更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物を含む、水性皮膜形成フォーム。
【請求項18】
火災を消火する方法であって、火を請求項17に記載の水性皮膜形成フォームと接触させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年12月30日に出願された米国特許仮出願第62/955,145号の優先権及び全ての利点を主張するものであり、その内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、フォーム組成物に関し、より具体的には、フォーム安定化組成物、それを含む水性皮膜形成フォーム組成物、並びにそれを調製及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
界面活性剤及び界面活性剤組成物は、当該技術分野において既知であり、無数の最終用途及び環境で利用される。特に、界面活性剤及び界面活性剤組成物は、多数の工業用、商業用、ホームケア、及びパーソナルケア配合物で利用される。ほんの一例として、界面活性剤及び界面活性剤組成物は、多種多様な表面処理及びコーティング組成物の調製において、例えば、組成物自体の特性に影響を及ぼし、かつそのような表面処理/コーティング組成物で処理された基材に表面効果を提供するために一般的に利用される。例えば、ポリフルオロアルキル系界面活性剤及びその組成物は、カーペット、張地、衣料品、布地などの物品の表面に、撥水性及び撥油性を付与するための表面処理におけるヒューム抑制剤及びエッチング添加剤としての工業用組成物において、並びに洗浄組成物、ワックス、シーラント、及びフォームなどの多くの商業用製品において、広く用いられている。加えて、ポリフルオロアルキル系界面活性剤は、多数の従来の水性皮膜形成フォーム(aqueous film-forming foam、AFFF)において利用されており、これは、火災の防止、封じ込め、及び/又は消火における広範な使用を以前から享受している。
【0004】
しかしながら、残念ながら、ポリフルオロアルキル系界面活性剤は、環境条件下で分解又はそうでなければ劣化して多数のフルオロケミカルをもたらすことが示されており、そのいくつかは、その幅広い使用をもたらしたそのような化合物の所望の特性(例えば、高耐化学性、広い化学的適合性、高い親油性など)の多くに起因して、環境残留性であることが見出されている。したがって、ポリフルオロアルキル系界面活性剤は、更に段階的に生産及び使用されなくなり、多くの広く利用されている界面活性剤及び界面活性剤組成物が継続的に使用できなくなる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、フォーム安定化組成物を提供する。フォーム安定化組成物は、(A)シロキサンカチオン性界面活性剤及び(B)有機カチオン性界面活性剤を含む。シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の一般式(I)を有し、
[Z1-D1-N(Y)a(R)2-a]+y[X-x]n (I)
式中、Z1は、シロキサン部分であり、D1は、二価連結基であり、Rは、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、各Yは、式-D-NR1
3
+を有し、式中、Dは、二価連結基であり、各R1は、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aは、1又は2であり、1≦y≦3であり、Xは、アニオンであり、下付き文字nは、1、2、又は3であり、1≦x≦3であるが、但し、(x*n)=yである。有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の一般式(II)を有し、
[Z2-D2-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n (II)
式中、Z2は、非置換ヒドロカルビル基であり、D2は、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字bは、1又は2であり、各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつ上記で定義されたとおりである。
【0006】
本開示は、フォーム安定化組成物を調製する方法も提供する。
【0007】
本開示は、フォーム安定化組成物を含む水性皮膜形成フォーム(AFFF)と、それを調製及び使用することに関連する方法と、を更に提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
フォーム安定化組成物(「組成物」)が提供される。組成物は、水性フォーミング組成物、膨張フォーム組成物、濃縮フォーム組成物、及び/又はフォーム濃縮物などを含むフォーム組成物(すなわち、フォーム)に利用され得、これらは、多様な最終用途で配合及び/又は利用され得る。例えば、本開示から理解されるように、組成物は、火災の消火、抑制、及び/又は防止での使用に好適な水性皮膜形成フォーム(AFFF)又は同様のフォーミング組成物中で利用され得る。
【0009】
組成物は、(A)シロキサンカチオン性界面活性剤及び(B)有機カチオン性界面活性剤を含む。シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、組成物中で利用され得る追加の/任意選択の成分と共に、以下に順番に説明され、本明細書において個々にそれぞれ「成分(A)」、「成分(B)」などと称され、かつ集合的に、組成物の「成分」として称され得る。
【0010】
上記で紹介されたように、組成物の成分(A)は、シロキサンカチオン性界面活性剤、すなわち、対イオンと電荷バランスのとれたカチオン性有機ケイ素化合物を含む錯体である。特に、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、シロキサン部分及び1つ以上の四級アンモニウム部分を含み、以下の一般式(I)に適合し、
[Z1-D1-N(Y)a(R)2-a]+y[X-x]n (I)
式中、Z1は、シロキサン部分であり、D1は、二価連結基であり、Rは、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、各Yは、式-D-NR1
3
+を有し、式中、Dは、二価連結基であり、各R1は、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aは、1又は2であり、1≦y≦3であり、Xは、アニオンであり、下付き文字nは、1、2、又は3であり、1≦x≦3であるが、但し、(x*n)=yである。
【0011】
式(I)に関して、上記で紹介されたように、Z1は、シロキサン部分を表す。一般に、シロキサン部分Z1は、シロキサンを含み、それ以外は特に限定されない。当該技術分野で理解されるように、シロキサンは、有機ケイ素及び/又は有機側基がケイ素原子に結合した、無機ケイ素-酸素-ケイ素基(すなわち、-Si-O-Si-)を含む。したがって、シロキサンは、一般式([Rx
iSiO(4-i)/2]h)j(Rx)3-jSi-によって表され得、式中、下付き文字iは、独立して、下付き文字hで示される各部分において1、2、及び3から選択され、下付き文字hは、少なくとも1であり、下付き文字jは、1、2、又は3であり、各Rxは、独立して、ヒドロカルビル基、アルコキシ及び/又はアリールオキシ基、並びにシロキシ基から選択される。
【0012】
Rxに好適なヒドロカルビル基としては、一価炭化水素部分、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられ、これらは、独立して、置換若しくは非置換、直鎖状、分岐状、環状、又はそれらの組み合わせ、かつ飽和又は不飽和であり得る。そのようなヒドロカルビル基に関して、「非置換」という用語は、炭素及び水素原子から構成される、すなわちヘテロ原子置換基を含まない炭化水素部分を説明する。「置換」という用語は、少なくとも1つの水素原子が水素以外の原子若しくは基(すなわちハロゲン原子、アルコキシ基、アミン基など)に(すなわち、ペンダント又は末端置換基として)置き換えられるか、炭化水素の鎖/骨格内の炭素原子が炭素以外の原子(例えば、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ原子)に(すなわち、鎖/骨格の一部として)置き換えられるか、又はその両方である、炭化水素部分を説明する。したがって、好適なヒドロカルビル基は、炭素鎖/その骨格中に、及び/若しくはその上に(すなわち、付加及び/又は一体化する)1つ以上の置換基を有する炭化水素部分を含み得るか、又はそれであり得、したがって、炭化水素部分は、エーテル、エステルなどを含み得るか、又はそれらであり得る。直鎖状及び分岐状ヒドロカルビル基は、独立して、飽和又は不飽和であり得、不飽和である場合、共役型又は非共役型であり得る。環状ヒドロカルビル基は、独立して、単環式又は多環式であり得、芳香族、飽和、及び非芳香族、並びに/又は非共役型であり得るシクロアルキル基、アリール基、及び複素環を包含する。直鎖状及び環状ヒドロカルビル基の組み合わせの例としては、アルカリル基、アラルキル基などが挙げられる。ヒドロカルビル基での使用又はヒドロカルビル基としての使用に好適な炭化水素部分の一般例としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ハロカーボン基など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソプロピル及び/又はn-プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、及び/又はsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル、及び/又はtert-ペンチル)、ヘキシルなど(すなわち、6個超の炭素原子を有する他の直鎖状又は分岐状飽和炭化水素基)が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ベンジル、ジメチルフェニルなど、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられ、これらは、アルカリル基(例えば、ベンジル)及びアラルキル基(例えば、トリル、ジメチルフェニルなど)と重複し得る。アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘプテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル基など、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられる。ハロカーボン基の一般例としては、上記の炭化水素部分のハロゲン化誘導体、例えば、ハロゲン化アルキル基(例えば、1つ以上の水素原子がF又はClなどのハロゲン原子で置き換えられている、上述のアルキル基のうちのいずれか)、アリール基(例えば、1つ以上の水素原子がF又はClなどのハロゲン原子で置き換えられている、上述のアリール基のうちのいずれか)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。ハロゲン化アルキル基の例としては、フルオロメチル、2-フルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3-ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3-ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7-ペンタフルオロオクチル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロブチル、3,4-ジフルオロシクロヘキシル、3,4-ジフルオロ-5-メチルシクロヘプチル、クロロメチル、クロロプロピル、2-ジクロロシクロプロピル、2,3-ジクロロシクロペンチルなど、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられる。ハロゲン化アリール基の例としては、クロロベンジル、ペンタフルオロフェニル、フルオロベンジル基など、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられる。
【0013】
Rxに好適なアルコキシ及びアリールオキシ基としては、一般式-ORxiを有するものが挙げられ、式中、Rxiは、Rxに関して上に記載したヒドロカルビル基のうちの1つである。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ベンジルオキシなど、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられる。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ、トリルオキシ、ペンタフルオロフェノキシなど、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられる。
【0014】
R
xに好適なシロキシ基の例としては、[M]、[D]、[T]、及び[Q]単位が挙げられ、これらは、当該技術分野で理解されるように、各々が、有機シロキサン及び有機ポリシロキサンなどのシロキサン中に存在する個々の官能性の構造単位を表す。より具体的には、[M]は、一般式R
xii
3SiO
1/2の単官能単位を表し、[D]は、一般式R
xii
2SiO
2/2の二官能性単位を表し、[T]は、一般式R
xiiSiO
3/2の三官能性単位を表し、[Q]は、以下の一般的な構造部分によって示されるように、一般式SiO
4/2の四官能性単位を表す。
【化1】
【0015】
これらの一般的な構造部分では、各Rxiiは、独立して、一価又は多価の置換基である。当該技術分野で理解されるように、各Rxiiに好適な具体的な置換基は、限定されるものではなく、単原子又は多原子、有機又は無機、直鎖状又は分岐状、置換又は非置換、芳香族、脂肪族、飽和又は不飽和、及びそれらの組み合わせであり得る。典型的には、各Rxiiは、独立して、ヒドロカルビル基、アルコキシ及び/又はアリールオキシ基、並びにシロキシ基から選択される。したがって、各Rxiiは、独立して、式-Rxiのヒドロカルビル基、又は式-ORxiのアルコキシ若しくはアリールオキシ基であり得、式中、Rxiは、上記で定義されたとおりであるか、又は上述の[M]、[D]、[T]、及び/若しくは[Q]単位のうちのいずれか1つ若しくはその組み合わせで表されるシロキシ基である。
【0016】
シロキサン部分Z1は、例えば、その中に存在する[M]、[D]、[T]、及び/又は[Q]シロキシ単位の数及び配置に基づいて、直鎖状、分岐状、又はそれらの組み合わせであり得る。分岐状である場合、シロキサン部分Z1は、最小限に分岐状又は、代替的に、超分岐状及び/若しくは樹枝状であり得る。
【0017】
ある特定の実施形態では、シロキサン部分Z1は、式-Si(R3)3を有する分岐状シロキサン部分であり、式中、少なくとも1つのR3は、-OSi(R4)3であり、各他のR3は、独立して、R2及び-OSi(R4)3から選択され、各R4は、独立して、R2、-OSi(R5)3、及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択される。R4のこれらの選択に関して、各R5は、独立して、R2、-OSi(R6)3、及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択され、各R6は、独立して、R2及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択される。各選択では、R2は、Rxに関して上述したもののうちのいずれかなどの、独立して選択される置換又は非置換ヒドロカルビル基であり、各下付き文字mは、0≦m≦100であるように個々に選択される(すなわち、適用可能な各選択において)。
【0018】
上記で紹介されたように、各R3は、R2及び-OSi(R4)3から選択されるが、但し、少なくとも1つのR3が、式-OSi(R4)3を有する。ある特定の実施形態では、R3のうちの少なくとも2つは、式-OSi(R4)3を有する。具体的な実施形態では、各R3は、式-OSi(R4)3を有する。-OSi(R4)3であるR3の数が多いほど、シロキサン部分Z1における分岐度が増加することが理解されよう。例えば、各R3が-OSi(R4)3である場合、各R3が結合しているケイ素原子は、Tシロキシ単位である。代替的に、R3のうちの2つが式OSi(R4)3を有する場合、各R3が結合しているケイ素原子は、[D]シロキシ単位である。更に、R3が式-OSi(R4)3を有する場合、及びR4が式-OSi(R5)3を有する場合、更なるシロキサン結合及び分岐が、シロキサン部分Z1に存在する。これは更に、R5が式-OSi(R6)3を有する事例である。したがって、当業者であれば、シロキサン部分Z1における各後続のR3+n部分が、その特定の選択に応じて、更なる分岐の発生を付与し得ることが理解されよう。例えば、R4は、式-OSi(R5)3を有し得、R5は、式-OSi(R6)3を有し得る。したがって、各置換基の選択に応じて、[T]及び/又は[Q]シロキシ単位に起因する更なる分岐は、シロキサン部分Z1に存在し得る(すなわち、上述の他の置換基/部分のものを超える)。
【0019】
各R4は、R2、-OSi(R5)3、及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択され、式中、0≦m≦100である。R4及びR5の選択に応じて、更なる分岐が、シロキサン部分Z1に存在し得る。例えば、各R4がR2である場合、各-OSi(R4)3部分(すなわち、式-OSi(R4)3の各R3)は、末端[M]シロキシ単位である。言い換えれば、各R3が-OSi(R4)3である場合、及び各R4がR2である場合、各R3は、-OSiR2
3(すなわち、[M]シロキシ単位)として表記され得る。そのような実施形態では、シロキサン部分Z1は、式(I)のD基に結合した[T]シロキシ単位を含み、[T]シロキシ単位は、3つの[M]シロキシ単位でキャップされる。更に、式-[OSiR2
2]mOSiR2
3を有する場合、R4は、任意選択の[D]シロキシ単位(すなわち、下付き文字mで示される各部分におけるシロキシ単位)、並びに[M]シロキシ単位(すなわち、OSiR2
3で表される)を含む。したがって、各R3が式-OSi(R4)3を有し、各R4が式-[OSiR2
2]mOSiR2
3を有する場合、各R3は、[Q]シロキシ単位を含む。より具体的には、そのような実施形態では、各R3は、式-OSi([OSiR2
2]mOSiR2
3)3を有し、したがって、各下付き文字mが0である場合、各R3は、3つの[M]シロキシ単位でエンドキャップされた[Q]シロキシ単位である。同様に、下付き文字mが0より大きい場合、各R3は、直鎖状部分(すなわち、ジオルガノシロキサン部分)を含み、重合度は下付き文字mに起因する。
【0020】
上に記載のように、各R4は、式-OSi(R5)3も有し得る。1つ以上のR4が式-OSi(R5)3を有する実施形態では、更なる分岐が、R5の選択に応じて、シロキサン部分Z1に存在し得る。より具体的には、各R5は、R2、-OSi(R6)3、及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択され、式中、各R6は、R2及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択され、式中、各下付き文字mは、上記で定義される。
【0021】
下付き文字mは、0(0を含む)~100、代替的に0~80、代替的に0~60、代替的に0~40、代替的に0~20、代替的に0~19、代替的に0~18、代替的に0~17、代替的に0~16、代替的に0~15、代替的に0~14、代替的に0~13、代替的に0~12、代替的に0~11、代替的に0~10、代替的に0~9、代替的に0~8、代替的に0~7、代替的に0~6、代替的に0~5、代替的に0~4、代替的に0~3、代替的に0~2、代替的に0~1、代替的に0である。ある特定の実施形態では、各下付き文字mは、0であり、したがって、シロキサン部分Z1は、Dシロキシ単位を含まない。
【0022】
重要なことに、R2、R3、R4、R5、及びR6の各々は、独立して選択される。したがって、これらの置換基の各々に関する上記の説明は、各置換基が同じであることを意味又は暗示するものではない。むしろ、R4に関する上記の任意の説明は、シロキサン部分Z1における1つのみのR4又は任意の数のR4に関連し得、他も同様である。加えて、R2、R3、R4、R5、及びR6の異なる選択により、同じ構造がもたらされ得る。例えば、R3が-OSi(R4)3である場合、及び各R4が-OSi(R5)3である場合、及び各R5がR2である場合、R3は、-OSi(OSiR2
3)3と表記され得る。同様に、R3が-OSi(R4)3である場合、及び各R4が-[OSiR2
2]mOSiR2
3である場合、R3は、下付き文字mが0である場合、-OSi(OSiR2
3)3と表記され得る。示されるように、これらの特定の選択により、R4についての異なる選択に基づいて、R3について同じ最終構造がもたらされる。そのために、シロキサン部分Z1の最終構造に対する限定のいかなる条件も、条件で必要とされる同じ構造をもたらす代替選択によって考慮され、満たされるべきである。
【0023】
ある特定の実施形態では、各R2は、独立して選択されるアルキル基である。いくつかのそのような実施形態では、各R2は、1~10、代替的に1~8、代替的に1~6、代替的に1~4、代替的に1~3、代替的に1~2個の炭素原子を有する、独立して選択されるアルキル基である。
【0024】
特定の実施形態では、各下付き文字mは、0であり、各R
2は、メチルであり、シロキサン部分Z
1、以下の構造(i)~(iv)のうちの1つを有する:
【化2】
【0025】
更に、カチオン性界面活性剤及び式(I)に関して、上記で紹介されたように、D1は、二価連結基である。二価連結基D1は、特に限定されない。典型的には、二価連結基D1は、二価炭化水素基から選択される。そのような炭化水素基の例としては、Rxに関して上に記載したもののうちのいずれかなどの、上述のヒドロカルビル及び炭化水素基の二価形態が挙げられる。したがって、二価連結基D1に好適な炭化水素基が、置換若しくは非置換、並びに直鎖状、分岐状、及び/又は環状であり得ることが理解されるであろう。
【0026】
いくつかの実施形態では、二価連結基D1は、直鎖状又は分岐状アルキル及び/又はアルキレン基を含むか、代替的にそれである。ある特定の実施形態では、二価連結基D1は、C1~C18炭化水素部分、例えば、式-(CH2)d-(式中、下付き文字dが1~18である)を有する直鎖状炭化水素を含むか、代替的にそれである。いくつかのそのような実施形態では、下付き文字dは、1~16、例えば、1~12、代替的に1~10、代替的に1~8、代替的に1~6、代替的に2~6、代替的に2~4である。特定の実施形態では、下付き文字dは、3であり、したがって、二価連結基D1は、プロピレン(すなわち、3個の炭素原子の鎖)を含む。当業者には理解されるように、下付き文字dで表される各単位は、メチレン単位であり、したがって、直鎖状炭化水素部分は、アルキレン基と定義されるか、又はそうでなければアルキレン基と称され得る。また、各メチレン基が、独立して、非置換及び非分岐状、若しくは置換(例えば、水素原子が非水素原子又は基で置き換えられている)であり得、並びに/又は分岐状(例えば、水素原子がアルキル基で置き換えられている)であり得ることも理解されよう。ある特定の実施形態では、二価連結基D1は、非置換アルキレン基を含むか、代替的にそれである。他の実施形態では、二価連結基D1は、置換アルキレン基などの置換炭化水素基を含むか、代替的にそれである。そのような実施形態では、例えば、二価連結基D1は、典型的には、骨格がエーテル部分、アミン部分などを含むように、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、N、Sなど)を有する炭素骨格を含む。
【0027】
特定の実施形態では、二価連結基D1は、アミノ置換炭化水素基(すなわち、窒素-置換炭素鎖/骨格を含む炭化水素)を含むか、代替的にそれである。例えば、いくつかのそのような実施形態では、二価連結基D1は、式-D3-N(R7)-D3-を有するアミノ置換炭化水素であり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式によって表され得、
[Z1-D3-N(R7)-D3-N(Y)a(R)2-a]+y[X-x]n
式中、各D3は、独立して選択される二価連結基であり、Z1は、上記で定義及び説明されたとおりであり、R7は、Y又はHであり、各Y、R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。
【0028】
上記で紹介されたように、アミノ置換炭化水素の二価連結基の各D3は、独立して選択される。典型的には、各D3は、二価連結基D1に関して上述したもののうちのいずれかなどの、独立して選択されるアルキレン基を含む。例えば、いくつかの実施形態では、各D3は、独立して、1~8個の炭素原子、例えば、2~8、代替的に2~6、代替的に2~4個の炭素原子を有するアルキレンから選択される。ある特定の実施形態では、各D3は、プロピレン(すなわち、-(CH2)3-)である。しかしながら、一方若しくは両方のD3が、別の二価連結基(すなわち、上述のアルキレン基を除く)であり得るか、又はそれを含み得ることを理解されたい。更に、各D3は、置換又は非置換、直鎖状又は分岐状、及びそれらの様々な組み合わせであり得る。
【0029】
上記でも紹介されたように、アミノ置換炭化水素のR7は、H又は四級アンモニウム部分Y(すなわち、上に記載したように、式-D-NR1
3
+を有する)である。例えば、特定の実施形態では、R7は、Hであり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式によって表され得、
[Z1-D3-NH-D3-N(Y)a(R)2-a]+y[X-x]n
式中、各D3及びZ1は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Y、R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。そのような実施形態では、以下の更なる説明から理解されるように、上付き文字yは、下付き文字aにより制御される、1又は2である。より具体的には、四級アンモニウム部分Yの数は、1又は2として下付き文字aによって制御され、それぞれ、+1又は+2の総カチオン電荷を提供する。したがって、そのような実施形態では、上付き文字xも、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)が電荷バランスをとるように、1又は2である。
【0030】
ある特定の実施形態では、アミノ置換炭化水素のR7は、四級アンモニウム部分Yであり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式によって表され得、
[Z1-D3-NY-D3-N(Y)a(R)2-a]+y[X-x]n
式中、各D3及びZ1は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Y、R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。そのような実施形態では、上付き文字yが2又は3であるように、y=a+1である。より具体的には、四級アンモニウム部分の数は、R7のY、並びに下付き文字aによって制御される1又は2の四級アンモニウム部分Yを含み、それぞれ、+2又は+3の総カチオン電荷を提供する。したがって、そのような実施形態では、上付き文字xは、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)が電荷バランスをとるように、1、2、又は3である。
【0031】
いくつかの実施形態では、R7は、Yであり、シロキサン部分Z1は、上述の分岐状シロキサン部分であり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式によって表され得、
[(R3)3Si-D3-N(-D-NR1
3
+)-D3-N(-D-NR1
3
+)a(R)2-a]+y[X-x]n
式中、各D3及びR3は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各D、R、R1、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。
【0032】
下付き文字aは、1又は2である。当業者には理解されるように、下付き文字aは、部分式-N(Y)a(R)2-aで表されるシロキサンカチオン性界面活性剤(A)の四級アンモニウム-置換アミノ部分が、四級アンモニウム基Yのうちの1つ又は2つ(すなわち、部分式(-D-NR1
3
+)の基)を有するか否かを示す。同様に、そのような四級アンモニウム基Yの各々の場合、下付き文字aは、部分aで示される四級アンモニウム基Yからカチオン電荷のバランスをとるのに必要な対アニオンの数(すなわち、以下に説明されるようなアニオンXの数)も示す。例えば、いくつかの実施形態では、下付き文字aは、1であり、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式を有し、
[Z1-D1-N(R)-D-NR1
3]+y[X-x]n
式中、Z1及びD1は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各D、R、R1、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。
【0033】
下付き文字aが、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)の各カチオン性分子において1又は2であるが、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)が、式(I)に対応するが、互いに異なる(例えば、下付き文字aに関して)カチオン性分子の混合物を含み得ることを理解されたい。したがって、下付き文字aは、1又は2であるが、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)を含む混合物は、1.5の平均値などの1~2のaの平均値を有し得る(例えば、a=1の場合のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)のカチオン性分子と、a=2の場合のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)の分子との50:50混合物から)。
【0034】
各Rは、存在する場合(例えば、下付き文字aが1である場合)、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基を独立して表す。いくつかの実施形態では、Rは、Hである。他の実施形態では、Rは、1~4個の炭素原子、例えば、1~3、代替的に1~2個の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、n-プロピル又はイソ-プロピル基)、又はブチル基(例えば、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、又はtert-ブチル基)であり得る。ある特定の実施形態では、各Rは、メチルである。
【0035】
各R1は、1~4個の炭素原子を有する、独立して選択される非置換ヒドロカルビル基を表す。例えば、ある特定の実施形態では、各R1は、独立して、1~4個の炭素原子、例えば、1~3、代替的に1~2個の炭素原子を有するアルキル基から選択される。そのような実施形態では、各R1は、典型的には、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、n-プロピル及びイソ-プロピル基)、及びブチル基(例えば、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、及びtert-ブチル基)から選択される。独立して選択されるが、ある特定の実施形態では、各R1は、カチオン性界面活性剤中の各他のR1と同じである。例えば、ある特定の実施形態では、各R1は、メチル又はエチルである。具体的な実施形態では、各R1は、メチルである。
【0036】
各Dは、独立して選択される二価連結基(「連結基D」)を表す。典型的には、連結基Dは、置換及び非置換炭化水素基から選択される。そのような炭化水素基の例としては、Rx、D1、及びD3に関して上に記載したもののうちのいずれなどの、上述のヒドロカルビル及び炭化水素基の二価形態が挙げられる。したがって、連結基Dでの使用又は連結基Dとしての使用に好適な炭化水素基が、直鎖状又は分岐状であり得、任意の他の二価連結基と同じであっても異なってもよいことが理解されよう。
【0037】
ある特定の実施形態では、連結基Dは、二価連結基D1に関して上述したもののうちの1つなどのアルキレン基を含む。例えば、ある特定の実施形態では、連結基Dは、1~8個の炭素原子、例えば、1~6、代替的に2~6、代替的に2~4個の炭素原子を有するアルキレン基を含む。いくつかのそのような実施形態では、連結基Dのアルキレン基は、非置換である。そのようなアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
【0038】
ある特定の実施形態では、連結基Dは、置換アルキレン基などの置換炭化水素基を含むか、代替的にそれである。そのような実施形態では、例えば、連結基Dは、典型的には、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O)を骨格に有するか、又はその炭素原子のうちの1つに結合している炭素骨格を含む。例えば、いくつかの実施形態では、連結基Dは、式-D’-CH(-(CH2)e-OH)-D’-を有するヒドロキシル-置換炭化水素を含み、式中、各D’は、独立して、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字eは、0又は1である。そのような実施形態では、少なくとも1つのD’は、典型的には、上述のもののうちのいずれかなどの、独立して選択されるアルキレン基を含む。例えば、いくつかの実施形態では、各D’は、独立して、1~8個の炭素原子、例えば、1~6、代替的に1~4、代替的に1~2個の炭素原子を有するアルキレン基から選択される。ある特定の実施形態では、各D’は、メチレン(すなわち、-CH2-)である。しかしながら、一方又は両方のD’が、別の二価連結基(すなわち、上述のアルキレン基を除く)であり得るか、又はそれを含み得ることを理解されたい。
【0039】
いくつかの実施形態では、各連結基Dは、独立して選択されるヒドロキシプロピレン基である(すなわち、各D
’は、独立して、共有結合及びメチレンから選択されるが、但し、下付き文字eが1である場合に少なくとも1つのD
’が共有結合であり、下付き文字eが0である場合に各D
’がメチレンである)。したがって、いくつかのそのような実施形態では、各連結基Dは、独立して、以下の式
【化3】
のうちの1つを有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、シロキサン部分Z
1は、分岐状シロキサン部分であり、二価結基Dは、各D
3がプロピレンであり、かつR
7がHである、アミノ置換炭化水素であり、下付き文字aは、1であり、Rは、Hであり、各連結基Dは、(2-ヒドロキシ)プロピレン基であり、各R
1は、メチルであり、Xは、モノアニオンであり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式を有し、
【化4】
式中、各R
3は、上記で定義及び説明されたとおりであり、Xは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。他の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、下付き文字a=2であること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式を有し、
【化5】
式中、各R
3は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Xは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。他の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、R
7が四級アンモニウム部分Yであること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式を有し、
【化6】
式中、各R
3は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Xは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。更に他の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、下付き文字a=1であり、かつRがHであること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式を有し、
【化7】
式中、各R
3は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Xは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。
【0041】
各Xは、上付き文字xで表される電荷を有するアニオンである。したがって、当業者には理解されるように、xは特に限定されず、1つ以上のカチオン性四級アンモニウム部分Yのイオン対合/電荷バランスに好適な任意のアニオンであり得る。したがって、各Xは、2つ以上のカチオン性四級アンモニウム部分Yと釣り合うのに十分であり得るように、独立して選択されるモノアニオン又はポリアニオン(例えば、ジアニオンなど)であり得る。したがって、アニオンXの数(すなわち、下付き文字n)は、カチオン性四級アンモニウム部分Yの数及び選択されるXの電荷(すなわち、上付き文字x)に基づいて容易に選択される。
【0042】
好適なアニオンの例としては、有機アニオン、無機アニオン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。典型的には、各アニオンXは、独立して、カチオン性界面活性剤の他の部分と非反応性であるモノアニオンから選択される。そのようなアニオンの例としては、媒体及び強酸の共役塩基、例えば、ハロゲン化物イオン(例えば、クロリド、ブロミド、ヨーデイド、フルオリド)、スルフェート(例えば、アルキルスルフェートなど)、スルホネート(例えばトリフラート、ベンジル、又は他のアリールスルホネートなど)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせなどが挙げられる。ホスフェート、ニトラート、カルボキシレート(例えば、アセテート)などの有機アニオンなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせなどの他のアニオンも利用され得る。そのようなアニオンの誘導体には、上記の例が命名されている2つ以上の官能基を含むポリアニオン性化合物が含まれることを理解されたい。例えば、ポリカルボキシレート(例えば、クエン酸など)のモノ及び/又はポリアニオンは、上記のアニオンによって包含される。アニオンの他の例としては、トシレートアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、テトラフルオロボレートアニオンなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0043】
ある特定の実施形態では、各アニオンXは、1~3の原子価を有する無機アニオンである。そのようなアニオンの例としては、塩素、臭素、ヨウ素、6~18個の炭素原子を有するアリールスルホネート、ニトラート、ニトライト、及びボレートアニオンなどのモノアニオン、スルフェート及びサルファイトなどのジアニオン、並びにホスフェートなどのトリアニオンが挙げられる。ある特定の実施形態では、各Xは、ハロゲン化物アニオンである。いくつかのそのような実施形態では、各Xは、クロリド(すなわち、Cl-)である。
【0044】
シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、構造、分子量、分岐度、ケイ素及び/又は炭素含有量、カチオン性四級アンモニウム基Yの数(例えば、下付き文字aが平均値を表す場合)などの少なくとも1つの特性が異なる、上記一般式(I)で表される組み合わせ又は2つ以上の異なるシロキサンカチオン性界面活性剤を含み得る。
【0045】
シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、調製された組成物の形態、その所望の使用、その中に存在する他の成分などに応じて、組成物において任意の量で利用され得る。例えば、当業者であれば、組成物が濃縮物として配合される場合、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)が、非濃縮形態(例えば、水性皮膜形成フォーム組成物)と比較してより高い相対量で存在することを理解するであろう。したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、組成物の総重量に基づいて(すなわち、重量/重量)、0.001~60重量%の量などの任意の量で組成物中に存在し得る。典型的には、組成物は、最終使用組成物(すなわち、使用可能なフォーム安定化組成物を含む任意の完全に配合された組成物)に、最終使用組成物の総重量に基づいて、0.01~1重量%のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)(すなわち、0.01~1重量%の成分(A)の活性量)を提供するのに十分な量で、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)を含む。例えば、ある特定の実施形態では、成分(A)は、組成物又はそれを含む最終使用組成物の総重量に基づいて、0.05~1重量%、例えば、0.1~0.9、代替的に0.1~0.7、代替的に0.1~0.5、代替的に0.1~0.4、代替的に0.15~0.4、代替的に0.2~0.4重量%の活性量で利用される。
【0046】
上記で紹介されたように、組成物の成分(B)は、有機カチオン性界面活性剤、すなわち、対イオンと電荷バランスのとれたカチオン性四級有機アンモニウム化合物を含む錯体である。特に、有機カチオン性界面活性剤(B)は、炭化水素部分及び1つ以上の四級アンモニウム部分を含み、以下の一般式(II)に適合し、
[Z2-D2-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n (II)
式中、Z2は、非置換ヒドロカルビル基であり、D2は、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字bは、1又は2であり、各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつ上記で定義されたとおりである。
【0047】
有機カチオン性界面活性剤(B)及び式(II)に関して、各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつシロキサンカチオン性界面活性剤(A)に関して上記で定義されるとおりである。したがって、具体的な選択は、有機カチオン性界面活性剤(B)を表す式(II)におけるこれらの変数に関して以下に例示されるが、そのような選択が限定的ではなく、むしろR、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字x、並びにそれらの変数(例えば、四級アンモニウム部分Yの二価連結基D、基D’、及び二価連結基Dの下付き文字eなど)の全ての説明であることが理解されよう。
【0048】
Z2は、非置換ヒドロカルビル基であり、そうでなければ特に限定されない。好適なそのようなヒドロカルビル部分の例としては、Rxに関して上述した非置換一価炭化水素部分が挙げられる。したがって、ヒドロカルビル部分Z2が、直鎖状、分岐状、環状、又はそれらの組み合わせを含み得るか、代替的にそれであり得ることが理解されよう。同様に、ヒドロカルビル基Z2は、エチレン性及び/又はアセチレン性不飽和(すなわち、別の言い方ではそれぞれアルケン及びアルキンとして既知であるC-C二重及び/又は三重結合)を含む、脂肪族不飽和を含み得る。ヒドロカルビル基Z2は、1つのみのそのような不飽和基を含み得るか、又は代替的に2つ以上の不飽和基を含み得、これは、非共役型若しくは共役型であり得(例えば、ヒドロカルビル部分Z2がジエン、エン-イン、ジインなどを含む場合)、及び/又は芳香族であり得る(例えば、ヒドロカルビル部分Z2がフェニル基、ベンジル基などを含む場合)。
【0049】
いくつかの実施形態では、ヒドロカルビル部分Z2は、5~20個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル部分である。ある特定のそのような実施形態では、ヒドロカルビル部分Z2は、アルキル基を含むか、代替的にアルキル基である。好適なアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状(例えば、単環式又は多環式)、又はそれらの組み合わせであり得る、飽和アルキル基が挙げられる。そのようなアルキル基の例としては、一般式CfH2f-2g+1を有するものが挙げられ、式中、下付き文字fは、5~20(すなわち、アルキル基に存在する炭素原子の数)であり、下付き文字gは、独立した環/環状ループの数であり、下付き文字fで指定される少なくとも1つの炭素原子は、上記一般式(II)において基D2に結合している。そのようなアルキル基の直鎖状及び分岐状異性体の例(すなわち、アルキル基が下付き文字f=0になるように環状基を含まない場合)としては、一般式CfH2f+1を有するものが挙げられ、式中、下付き文字fは、上記で定義されたとおりであり、下付き文字fで指定される少なくとも1つの炭素原子は、上記一般式(II)において基D2に結合している。単環式アルキル基の例としては、一般式CfH2f-1を有するものが挙げられ、式中、下付き文字fは、上記で定義されたとおりであり、下付き文字fで指定される少なくとも1つの炭素原子は、上記一般式(II)において基D2に結合している。
【0050】
そのようなアルキル基の具体例としては、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びエイコシル基が挙げられ、それらの直鎖状、分岐状、及び/又は環状異性体が挙げられる。例えば、ペンチル基は、n-ペンチル(すなわち、直鎖状異性体)及びシクロペンチル(すなわち、環状異性体)、並びに分岐状異性体、例えば、イソペンチル(すなわち、3-メチルブチル)、ネオペンチル(すなわち、2,2-ジメチルプロピル)、tert-ペンチル(すなわち、2-メチルブタン-2-イル)、sec-ペンチル(すなわち、ペンタン-2-イル)、sec-イソペンチル(すなわち、3-メチルブタン-2-イル)など)、3-ペンチル(すなわち、ペンタン-3-イル)、及び活性ペンチル(すなわち、2-メチルブチル)を包含する。
【0051】
ある特定の実施形態では、ヒドロカルビル部分Z2は、式-(CH2)f-1CH3の非置換直鎖状アルキル基を含むか、代替的にそれであり、式中、下付き文字fは、上述のように5~20である。いくつかのそのような実施形態では、ヒドロカルビル部分Z2は、そのような非置換直鎖状アルキル基であり、式中、下付き文字fは、7~19であり、したがって、ヒドロカルビル部分Z2は、6~18個の炭素原子を有する非置換直鎖状アルキル基である。ある特定のそのような実施形態では、下付き文字bは、7、9、11、又は13であり、したがって、ヒドロカルビル部分Z2は、それぞれ、6、8、10、又は12個の炭素原子を有する非置換直鎖状アルキル基である。
【0052】
下付き文字bは、1又は2である。シロキサンカチオン性界面活性剤(A)の下付き文字aに関する説明を考慮して当業者には理解されるように、下付き文字bは、部分式-N(Y)b(R)2-bで表される有機カチオン性界面活性剤(B)の四級アンモニウム-置換アミノ部分が、四級アンモニウム基Y(すなわち、部分式(-D-NR1
3
+)の基)のうちの1つ又は2つを有するか否かを示す。同様に、そのような四級アンモニウム基Yの各々のように、下付き文字bは、部分bで示される四級アンモニウム基Yからカチオン電荷のバランスをとるのに必要な対アニオンの数(すなわち、以下に説明されるようなアニオンXの数)も示す。
【0053】
下付き文字bが、有機カチオン性界面活性剤(B)の各カチオン性分子において1又は2であるが、有機カチオン性界面活性剤(B)が、式(II)に対応するが、互いに異なる(例えば、下付き文字bに関して)カチオン性分子の混合物を含み得ることを理解されたい。したがって、下付き文字bは、1又は2であるが、有機カチオン性界面活性剤(B)を含む混合物は、1.5の平均値などの1~2のbの平均値を有し得る(例えば、b=1の場合の有機カチオン性界面活性剤(B)のカチオン性分子と、b=2の場合の有機カチオン性界面活性剤(B)の分子との50:50混合物から)。
【0054】
更に有機カチオン性界面活性剤(B)及び式(II)に関して、上記で紹介されたように、D2は、共有結合又は二価連結基を表す。参照を明確かつ容易にするために、以下の具体的な実施形態に関して、D2は、より具体的には、例えば、D2が共有結合又は二価連結基である場合に、それぞれ、「共有結合D2」、又は「二価連結基D2」と称され得る。両方の選択は、以下のある特定の実施形態において説明及び例証される。
【0055】
ある特定の実施形態では、D2は、共有結合であり(すなわち、有機カチオン性界面活性剤(B)は、共有結合D2を含む)、したがって、ヒドロカルビル部分Z2は、アミノN原子に直接結合している。これらの実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式によって表され得、
[Z2-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n
式中、各Z2、Y、R、X、下付き文字b、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。いくつかのそのような実施形態では、ヒドロカルビル部分Z2は、有機カチオン性界面活性剤(B)のアミノN原子に直接結合したアルキル基であり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
[(CfH2f+1)-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n
式中、下付き文字b、下付き文字f、Y、R、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。いくつかのそのような実施形態では、下付き文字fは、6~18、例えば、6~14、代替的に6~12である。
【0056】
ある特定の実施形態では、D2は、二価連結基結合である(すなわち、有機カチオン性界面活性剤(B)は、二価連結基D2を含む)。二価連結基D1は、特に限定されず、一般に、二価連結基D1に関して上述した同じ基から選択される。したがって、二価連結基D2は、典型的には、二価炭化水素基から選択される。そのような炭化水素基の例としては、Rxに関して上に記載したもののうちのいずれかなどの、上述のヒドロカルビル及び炭化水素基の二価形態が挙げられる。したがって、二価連結基D2に好適な炭化水素基が、置換若しくは非置換、直鎖状、分岐状、及び/又は環状であり得、有機カチオン性界面活性剤(B)及び/又はシロキサンカチオン性界面活性剤(A)中の任意の他の連結基と同じであっても異なってもよいことが理解されよう。
【0057】
いくつかの実施形態では、二価連結基D2は、直鎖状又は分岐状アルキル及び/又はアルキレン基を含むか、代替的にそれである。ある特定の実施形態では、二価連結基D2は、C1~C18炭化水素部分、例えば、D1に関して上記で定義された、式-(CH2)d-(すなわち、式中、下付き文字dが1~18である)を有する直鎖状炭化水素部分を含むか、代替的にそれである。いくつかのそのような実施形態では、下付き文字dは、1~16、例えば、1~12、代替的に1~10、代替的に1~8、代替的に1~6、代替的に2~6、代替的に2~4である。特定の実施形態では、下付き文字dは、3であり、したがって、二価連結基D2は、プロピレン(すなわち、3個の炭素原子の鎖)を含む。D2に好適な各アルキル及び/又はアルキレン基が、独立して、非置換及び非分岐状、又は置換及び/若しくは分岐状であり得ることも理解されよう。ある特定の実施形態では、二価連結基D2は、非置換アルキレン基を含むか、代替的にそれである。他の実施形態では、二価連結基D2は、置換アルキレン基などの置換炭化水素基を含むか、代替的にそれである。そのような実施形態では、例えば、二価連結基D2は、典型的には、骨格がエーテル部分、アミン部分などを含むように、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、N、Sなど)を有する炭素骨格を含む。
【0058】
特定の実施形態では、二価連結基D2は、アミノ置換炭化水素基(すなわち、窒素-置換炭素鎖/骨格を含む炭化水素)を含むか、代替的にそれである。例えば、いくつかのそのような実施形態では、二価連結基D2は、式-D4-N(R8)-D4-を有するアミノ置換炭化水素であり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式によって表され得、
[Z2-D4-N(R8)-D4-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n
式中、各D4は、独立して選択される二価連結基であり、R8は、Y又はHであり、各Z2、Y、R、下付き文字b、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。
【0059】
上記で紹介されたように、アミノ置換炭化水素の二価連結基の各D4は、独立して選択される。典型的には、各D4は、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)の二価連結基D3に関して上述したもののうちのいずれかなどの、独立して選択されるアルキレン基を含む。例えば、いくつかの実施形態では、各D4は、独立して、1~8個の炭素原子、例えば、2~8、代替的に2~6、代替的に2~4個の炭素原子を有するアルキレン基から選択される。ある特定の実施形態では、各D4は、プロピレン(すなわち、-(CH2)3-)である。しかしながら、一方又は両方のD4が、別の二価連結基(すなわち、上述のアルキレン基を除く)であり得るか、又はそれを含み得ることを理解されたい。更に、各D4は、置換又は非置換、直鎖状又は分岐状、及びそれらの様々な組み合わせであり得る。
【0060】
上記でも紹介されたように、アミノ置換炭化水素のR8は、H又は四級アンモニウム部分Y(すなわち、上に記載したように、式-D-NR1
3
+を有する)である。例えば、特定の実施形態では、R8は、Hであり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式によって表され得、
[Z2-D4-NH-D4-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n
式中、各Z2、D4、Y、R、下付き文字b、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。そのような実施形態では、以下の更なる説明から理解されるように、上付き文字yは、下付き文字bにより制御される、1又は2である。より具体的には、四級アンモニウム部分Yの数は、1又は2として下付き文字bによって制御され、それぞれ、+1又は+2の総カチオン電荷を提供する。したがって、そのような実施形態では、上付き文字xも、有機カチオン性界面活性剤(B)が電荷バランスをとるように、1又は2である。
【0061】
ある特定の実施形態では、R
8は、Yであり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式によって表され得、
[Z
2-D
4-NY-D
4-N(Y)
b(R)
2-b]
+y[X
-x]
n
式中、各Z
2、D
4、Y、R、下付き文字b、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。そのような実施形態では、上付き文字yが2又は3であるように、y=b+1である。より具体的には、四級アンモニウム部分の数は、R
8のY、並びに下付き文字bによって制御される1又は2つの四級アンモニウム部分Yを含み、それぞれ、+2又は+3の総カチオン電荷を提供する。したがって、そのような実施形態では、上付き文字xも、有機カチオン性界面活性剤(B)が電荷バランスをとるように、1、2、又は3である。例えば、いくつかのそのような実施形態では、下付き文字bは、1であり、Xは、モノアニオン性であり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化8】
式中、各Z
2、D
4、R、R
1、及びXは、上記で定義及び説明されたとおりである。他のそのような実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、b=2であること以外は直前に説明したように構成され、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化9】
式中、各Z
2、D
4、R、R
1、及びXは、上記で定義及び説明されたとおりである。
【0062】
ある特定の実施形態では、D
2は、共有結合であり、Z
2は、直鎖状アルキル基であり、下付き文字bは、1であり、Rは、Hであり、各連結基Dは、(2-ヒドロキシ)プロピレン基であり、各R
1は、メチルであり、Xは、モノアニオンであり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化10】
式中、下付き文字fは、5~17(例えば、5~11、代替的に5~9)であり、Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。他の実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、下付き文字b=2であること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化11】
式中、各Xは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。
【0063】
ある特定の実施形態では、Z
2は、3~13個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基であり、D
2は、二価連結基であり、二価連結基D
2は、各D
4がプロピレンであるアミノ置換炭化水素であり、R
8は、Hであり、下付き文字bは、1であり、Rは、Hであり、各連結基Dは、(2-ヒドロキシ)プロピレン基であり、各R
1は、メチルであり、Xは、モノアニオンであり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化12】
式中、下付き文字f及びXは、上記で定義及び説明されたとおりである。他の実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、下付き文字b=2であること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化13】
式中、下付き文字f及び各Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。他の実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、R
8が四級アンモニウム部分Yであること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化14】
式中、下付き文字f及び各Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。更に他の実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、下付き文字b=1であり、かつRがHであること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化15】
式中、下付き文字f及び各Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。
【0064】
ある特定の実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)の各アニオンXは、1~3の原子価を有する無機アニオンである。そのようなアニオンの例としては、塩素、臭素、ヨウ素、6~18個の炭素原子を有するアリールスルホネート、ニトラート、ニトライト、及びボレートアニオンなどのモノアニオン、スルフェート及びサルファイトなどのジアニオン、並びにホスフェートなどのトリアニオンが挙げられる。ある特定の実施形態では、各Xは、ハロゲン化物アニオンである。いくつかのそのような実施形態では、各Xは、クロリド(すなわち、Cl-)である。
【0065】
有機カチオン性界面活性剤(B)は、構造、分子量、分岐度、ケイ素及び/又は炭素含有量、カチオン性四級アンモニウム基Yの数(例えば、下付き文字bが平均値を表す場合)などの少なくとも1つの特性が異なる、上記一般式(II)で表される組み合わせ又は2つ以上の異なるシロキサンカチオン性界面活性剤を含み得る。
【0066】
有機カチオン性界面活性剤(B)は、調製された組成物の形態、その所望の使用、その中に存在する他の成分などに応じて、組成物において任意の量で利用され得る。例えば、当業者であれば、組成物が濃縮物として配合される場合、有機カチオン性界面活性剤(B)が、非濃縮形態(例えば、水性皮膜形成フォーム組成物)と比較してより高い相対量で存在することを理解するであろう。したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、組成物の総重量に基づいて(すなわち、重量/重量)、0.001~60重量%の量などの任意の量で組成物中に存在し得る。典型的には、組成物は、最終使用組成物(すなわち、使用可能なフォーム安定化組成物を含む任意の完全に配合された組成物)に、最終使用組成物の総重量に基づいて、0.01~1重量%の有機カチオン性界面活性剤(B)(すなわち、0.01~1重量%の有機カチオン性界面活性剤(B)の活性量)を提供するのに十分な量で、有機カチオン性界面活性剤(B)を含む。例えば、ある特定の実施形態では、成分(B)は、組成物又はそれを含む最終使用組成物の総重量に基づいて、0.05~1重量%、例えば、0.1~1、代替的に0.1~0.9、代替的に0.1~0.7、代替的に0.2~0.7、代替的に0.2~0.5重量%の活性量で利用される。
【0067】
シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の各々が独立して選択され、したがって、式(I)及び(II)の各変数が、同じ基/部分を表す場合であっても、及び/又は同じ定義を有する場合であっても、独立して選択されることを理解されたい。しかしながら、ある特定の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、式(I)及び(II)の1つ以上の変数に関して同様の方式で構成される。例えば、ある特定の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の各R
1は、メチルである。これらの又は他の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の各Dは、独立して、以下の式
【化16】
のうちの1つのヒドロキシプロピレン基である。これらの又は他の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の各アニオンXは、同じである。例えば、いくつかのそのような実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の各Xは、ハロゲン化物アニオンであるか、代替的にクロリド(Cl
-)である。
【0068】
ある特定の実施形態では、組成物は、以下の式(A-i)~(A-vii):
【化17】
のうちの1つを有するシロキサンカチオン性界面活性剤(A)と、
以下の式(B-i)~(B-iii):
【化18】
のうちの1つを有する有機カチオン性界面活性剤(B)と、を含む。
【0069】
組成物中で利用されるシロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の相対量は、例えば、選択される特定のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)、選択される特定の有機カチオン性界面活性剤(B)、別の成分が組成物中で利用されるか否かなどに基づいて変動する。
【0070】
典型的には、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、10:1~1:10、例えば、8:1~1:8、代替的に6:1~1:6、代替的に4:1~1:4、代替的に2:1~1:2、代替的に1:1(A):(B)の比率で利用される。例えば、ある特定の実施形態では、組成物は、成分(A)に対して過剰の成分(B)を含み得、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、1:1(A):(B)未満から、例えば、1:1.1~1:10、代替的に1:1.5~1:10、代替的に1:2~1:10、代替的に1:3~1:10、代替的に1:4~1:10、代替的に1:5~1:10(A):(B)の重量比(すなわち、重量/重量)で利用される。他の実施形態では、組成物は、成分(B)に対して過剰の成分(A)を含み得、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、1:1(A):(B)超、例えば、1.1:1~10:1、代替的に1.5:1~10:1、代替的に2:1~10:1、代替的に2:1~8:1、代替的に2:1~6:1、代替的に2:1~5:1(A):(B)の重量比(すなわち、重量/重量)で利用される。しかしながら、上記の具体的な範囲外の比率も利用してもよいことが理解されよう。例えば、ある特定の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)のうちの一方は、他方が全体的に過剰して(例えば、他方の量より≧5、代替的に≧10、代替的に≧15、代替的に≧20倍の量で)利用される。
【0071】
組成物は、担体ビヒクル(例えば、溶媒、希釈剤、分散剤など)を含み得る。そのような実施形態では、担体ビヒクルは、選択される特定の成分(A)及び(B)に基づいて、並びに組成物中(すなわち、最終使用組成物中)に利用される、及び/又は組成物と組み合わされる任意の他の成分に基づいて選択される。担体ビヒクルは、当該技術分野で既知であり、一般に、溶媒、流体、油など、並びにそれらの組み合わせを含む。
【0072】
溶媒の例としては、水性溶媒、有機溶媒、及びそれらの組み合わせが挙げられる。水性溶媒の例としては、水並びに水と相溶性のある極性及び/又は荷電(すなわち、イオン)溶媒が挙げられる。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、及びn-プロパノールなどのアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトンなどのケトン;ベンゼン、トルエン、及びキシレンなどの芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン、及びオクタンなどの脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、及びエチレングリコールn-ブチルエーテルなどのグリコールエーテル;ジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル;テトラヒドロフラン、ホワイトスピリット;ミネラルスピリット;ナフサ;n-メチルピロリドンなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせを含むものが挙げられる。水と一般に相溶性のあるそのような極性有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、2-ブタノン、テトラヒドロフラン、アセトン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0073】
流体の例としては、有機流体、シリコーン流体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。有機流体には、典型的には、揮発性及び/若しくは半揮発性炭化水素、エステル、並びに/又はエーテルを含む有機油が含まれる。そのような有機流体の一般例としては、C6~C16アルカン、C8~C16イソアルカン(例えば、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカンなど)、C8~C16分岐状エステル(例えば、イソヘキシルネオペンタノエート、イソデシルネオペンタノエートなど)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。有機流体の追加の例としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、3個超の炭素原子を有するアルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化アルキル、芳香族ハロゲン化物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。炭化水素としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、Isopar L(C11~C13)、Isopar H(C11~C12)、水素化ポリデセンが挙げられる。エーテル及びエステルとしては、イソデシルネオペンタノエート、ネオペンチルグリコールヘプタノエート、グリコールジステアレート、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルカーボネート、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチル-3エトキシプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、トリデシルネオペンタノエート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(propylene glycol methylether acetate、PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methylether、PGME)、オクチルドデシルネオペンタノエート、ジイソブチルアジペート、ジイソプロピルアジペート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、オクチルエーテル、オクチルパルミテート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。シリコーン流体は、典型的には、低粘度及び/又は揮発性シロキサンを含む。そのようなシリコーン流体の例としては、低粘度粘度有機ポリシロキサン、揮発性メチルシロキサン、揮発性エチルシロキサン、揮発性メチルエチルシロキサンなど、又はそれらの組み合わせが挙げられる。典型的には、シリコーン流体は、25℃で1~1,000mm2/秒の範囲の粘度を有する。シリコーン流体の具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル-3-{(トリメチルシリル)オキシ)}トリシロキサン、ヘキサメチル-3,3、ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサンペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン、並びにポリジメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、カプリリルメチコン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキシルトリメチコンなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。シリコーン流体の追加の例としては、5×10-7~1.5×10-6m2/秒の蒸気圧を有するポリ有機シロキサンが挙げられる。
【0074】
他の担体ビヒクルも利用してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、担体ビヒクルは、イオン液体を含む。イオン液体の例としては、アニオン-カチオンの組み合わせが挙げられる。一般に、アニオンは、アルキルスルフェート系アニオン、トシレートアニオン、スルホネート系アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、テトラフルオロボレートアニオンなどから選択され、カチオンは、イミダゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン、リチウムカチオンなどから選択される。しかしながら、複数のカチオン及びアニオンの組み合わせも使用してもよい。イオン液体の具体例としては、典型的には、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス-(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、3-メチル-1-プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ビニルイミダゾリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アリル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0075】
ある特定の実施形態では、組成物は、(C)溶媒を更に含む。溶媒(C)は、組成物へのある特定の成分の導入、成分の混合及び/又は均質化などを容易にし得る。同様に、特定の溶媒(C)は、成分(A)及び(B)並びに/又は組成物中で利用される他の成分の溶解度、溶媒の揮発性(すなわち、蒸気圧)、組成物の最終使用などに基づいて選択される。溶解度は、成分(A)及び(B)を溶解及び/又は分散させて均質な組成物を形成するのに十分な溶媒(C)を指す。したがって、組成物で使用するための溶媒は、一般に、成分(A)及び(B)、又は組成物の別の成分の流動化及び/又は溶解に好適な上述の担体ビヒクルのうちのいずれかから選択され得る。当業者には理解されるように、有機溶媒は組成物中で利用され得るが、そのような有機溶媒は、典型的には、特に有機溶媒が可燃性である場合に、組成物又はそれを含む最終使用組成物を利用する前に除去される。
【0076】
ある特定の実施形態では、溶媒(C)は、水性溶媒であり、水を含むか、代替的に水から本質的になるか、代替的に水である。水は、特に限定されない。例えば、蒸留水及びイオン交換水などの精製水、生理食塩水、リン酸緩衝水性溶媒など、又はそれらの組み合わせ及び/若しくは改質物を使用することができる。いくつかのそのような実施形態では、溶媒(C)は、水及び水混和性溶媒などの少なくとも1つの他の溶媒(すなわち、共溶媒)を含む。そのような共溶媒の例としては、上述の水混和性担体ビヒクルのいずれかが挙げられ得る。共溶媒の特定の例としては、グリセロール、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、ジエチレン及びジプロピレングリコールのエーテル(例えば、メチル、エチル、プロピル、及びブチルエーテルなど)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0077】
利用される溶媒(C)の量は、限定されず、選択される溶媒の種類、用いられる成分(A)及び(B)の量及び種類、組成物の形態(すなわち、濃縮物、中間体組成物、又は最終使用組成物か否か)などの様々な要因に依存する。典型的には、利用される溶媒(C)の量は、組成物の総重量、又は成分(A)、(B)、及び(C)の合計重量に基づいて、0.1~99.9重量%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、溶媒(C)は、成分(A)、(B)、及び(C)の合計重量に基づいて、50~99.9重量%、例えば、60~99.9、代替的に70~99.9、代替的に80~99.9、代替的に90~99.9、代替的に95~99.9、代替的に98~99.9、代替的に98.5~99.9、代替的に98.5~99.7、代替的に98.7~99.7重量%の量で利用される。当業者は、これらの範囲の上限が一般に、利用される成分(A)及び(B)(すなわち、最終使用組成物中)の活性量を反映する。したがって、これらの範囲外の量も利用してもよい。
【0078】
組成物において、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、単独で(すなわち、ニートで、又は溶媒(C)と組み合わせて)、少なくとも1つの補助成分と共に、又は少なくとも1つの他の成分への補助として、任意選択的に1つ以上の添加剤(例えば、薬剤、アジュバント、原料、調整剤など)の存在下で使用され得る。したがって、ある特定の実施形態では、組成物は、1つ以上の添加剤などの1つ以上の追加の成分を更に含む。そのような添加剤が、当該技術分野の異なる用語に分類され得、添加剤がそのような用語に分類されるからといって、それらがその機能にそのように限定されることを意味しないことを理解されたい。更に、これらの添加剤のうちのいくつかは、組成物の特定の成分中に存在し得るか、又は代わりに、組成物を形成するときに組み込まれ得る。典型的には、組成物は、例えば、組成物中の特定の種類及び/又その機能に応じて、任意の数の添加剤を含み得る。
【0079】
例えば、ある特定の実施形態では、組成物は、(D)界面活性剤(すなわち、成分(A)及び(B)以外)、(E)レオロジー調整剤、(F)pH制御剤、及び(G)フォームエンハンサ、を含むか、代替的にそれから本質的になるか、代替的にそれらからなる、1つ以上の添加剤成分を含み得る。
【0080】
ある特定の実施形態では、組成物は、界面活性剤(D)を更に含む。界面活性剤(D)は、成分(A)及び(B)のカチオン性界面活性剤以外の界面活性剤であり、そうでなければ特に限定されない。したがって、界面活性剤(D)は、上述したもののうちのいずれか1つ以上などの、1つ以上のアニオン性、カチオン性、非イオン性、及び/又は両性界面活性剤を含み得る。一般に、界面活性剤(C)は、組成物及び/又はそれを含む最終使用組成物のある特定の特性、例えば、適合性、発泡性、フォーム安定性、フォーム拡散、及び/若しくは排水(例えば、蒸気封止/封じ込め)などを付与、変更、及び/又は容易にするように選択される。ある特定の実施形態では、界面活性剤(D)は、水溶性界面活性剤から選択される。
【0081】
いくつかの実施形態では、界面活性剤(D)は、イオン性界面活性剤を含むか、代替的にそれである。アニオン性界面活性剤の例としては、カルボキシレート(ナトリウム2-(2-ヒドロキシアルキルオキシ)アセテート))、アミノ酸誘導体(N-アシルグルタメート、N-アシルグリシネート、又はアシルサルコシネート)、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート及びそのオキシエチレン化誘導体、スルホネート、イセチオネート及びN-アシルイセチオネート、タウレート及びN-アシルN-メチルタウレート、スルホサクシネート、アルキルスルホアセテート、ホスフェート及びアルキルホスフェート、ポリペプチド、アルキルポリグルコシドのアニオン性誘導体(アシル-D-ガラクトシドウロネート)、及び脂肪酸石鹸、アルカリ金属スルホリシネート、ココナツ油酸のスルホン化モノグリセリドなどの脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル、ナトリウムオレイルイセチアネートなどのスルホン化一価アルコールエステルの塩、オレイルメチルタウリドのナトリウム塩などのアミノスルホン酸のアミド、パルミトニトリルスルホネートなどの脂肪酸ニトリルのスルホン化生成物、ナトリウムアルファ-ナフタレンモノスルホネートなどのスルホン化芳香族炭化水素、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナトリウムオクタヒドロアントラセンスルホネート、ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、及びトリエタノールアミンラウリルスルフェートなどのアルカリ金属アルキルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、アンモニウムラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムアルキルアリールエーテルスルフェート、及びアンモニウムアルキルアリールエーテルスルフェートなどの8個以上の炭素原子のアルキル基を有するエーテルスルフェート、8個以上の炭素原子の1つ以上のアルキル基を有するアルキルアリールスルホネート、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、及びミリスチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩によって例示されるアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩、CH3(CH2)6CH2O(C2H4O)2SO3H、CH3(CH2)7CH2O(C2H4O)3.5SO3H、CH3(CH2)8CH2O(C2H4O)8SO3H、CH3(CH2)19CH2O(C2H4O)4SO3H、及びCH3(CH2)10CH2O(C2H4O)6SO3Hを含む、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル、アルキルナフチルスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、及びアミン塩など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0082】
いくつかの実施形態では、界面活性剤(D)は、カチオン性界面活性剤を含むか、代替的にそれである。カチオン性界面活性剤の例としては、様々な脂肪酸アミン及びアミド並びにそれらの誘導体と、脂肪酸アミン及びアミドの塩とが挙げられる。脂肪族脂肪酸アミンの例としては、ドデシルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテート、及びタロー脂肪酸のアミンのアセテート、ドデシルアナリン(dodecylanalin)などの脂肪酸を有する芳香族アミンの同族体、ウンデシルイミダゾリンなどの脂肪族ジアミンから誘導された脂肪族アミド、ウンデシルイミダゾリンなどの脂肪族ジアミンから誘導された脂肪族アミド、オレイルアミノジエチルアミンなどの二置換アミンから誘導された脂肪族アミド、エチレンジアミンの誘導体、四級アンモニウム化合物及びタロートリメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルアンモニウムクロリドにより例示されるその塩、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシドなどのジアルキルジメチルアンモニウムヒドロキシド、タロートリメチルアンモニウムヒドロキシド、ココナツ油、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルポリオキシエチレンココアンモニウムクロリド、及びジパルミチルヒドロキシエチルアンモニウムメトスルフェート、ベータ-ヒドロキシルエチルステアリルアミドなどのアミノアルコールのアミド誘導体、長鎖脂肪酸のアミン塩など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0083】
いくつかの実施形態では、界面活性剤(D)は、非イオン性界面活性剤を含むか、代替的にそれである。非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ラウリル、セチル、ステアリル、又はオクチルなど)、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノレエート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシル化トリメチルノナノール、ポリオキシアルキレングリコール変性ポリシロキサン界面活性剤、ポリオキシアルキレン置換シリコーン(レーキ型又はABn型)、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステル、シリコーングリコシド、ジメチコンコポリオール、ポリオールの脂肪酸エステル、例えばソルビトール及びグリセリルモノ-、ジ-、トリ-及びセスキ-オレエート、及びステアレート、グリセリル及びポリエチレングリコールラウレート;ポリエチレングリコール(ポリエチレングリコールモノステアレート及びモノラウレートなど)の脂肪酸エステル、ソルビトールのポリオキシエチレン化脂肪酸エステル(ステアレート及びオレエートなど)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0084】
いくつかの実施形態では、界面活性剤(D)は、両性界面活性剤を含むか、代替的にそれである。両性界面活性剤の例としては、アミノ酸界面活性剤、ベタイン酸界面活性剤、トリメチルノニルポリエチレングリコールエーテル、及び11~15個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を含有するポリエチレングリコールエーテルアルコール、例えば、2,6,8-トリメチル-4-ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(6 EO)(OSi Specialties,A Witco Company,Endicott,NYによりTergitol(登録商標)TMN-6として販売されている)、2,6,8-トリメチル-4-ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(10 EO)(OSi Specialties,A Witco Company,Endicott,NYによりTergitol(登録商標)TMN-10として販売されている)、アルキレン-オキシポリエチレンオキシエタノール(C11~15二級アルキル、9 EO)(OSi Specialties,A Witco Company,Endicott,NYによりTergitol(登録商標)15-S-9として販売されている)、アルキレン-オキシポリエチレンオキシエタノール(C11~15二級アルキル、15 EO)(OSi Specialties,A Witco Company,Endicott,NYによってTergitol(登録商標)15-S-15として販売されている)、オクチルフェノキシポリエトキシエタノールなどの変動する量のエチレンオキシド単位を有するオクチルフェノキシポリエトキシエタノール(40 EO)(Rohm and Haas Company,Philadelphia,Pa.によってTriton(登録商標)X405として販売されている)、Trycolの一般的な商品名でEmery Industries,Mauldin,S.C.から入手可能である非イオン性エトキシ化トリデシルエーテル、Aerosolの一般的な商品名でAmerican Cyanamid Company,Wayne,N.J.から入手可能であるジアルキルスルホサクシネートのアルカリ金属塩、一級脂肪族アミンのポリエトキシ化四級アンモニウム塩及びエチレンオキシド縮合生成物(Ethoquad、Ethomeen、又はArquadの商品名でArmak Company,Chicago,llinoisから入手可能)、ポリオキシアルキレングリコール変性ポリシロキサン、N-アルキルアミドベタイン及びその誘導体、タンパク質及びその誘導体、グリシン誘導体、スルタイン、アルキルポリアミノカルボキシレート、及びアルキルアンホアセテートなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。これらの界面活性剤は、また他の供給元から異なる商品名で入手してもよい。
【0085】
界面活性剤(D)は、例えば、その特定の形態、界面活性剤(D)に選択される特定の界面活性剤、成分(A)及び/又は(B)の装填/活性量などに応じて、変動する濃度で組成物中に含まれ得る。典型的には、界面活性剤(D)は、組成物又はそれを含む最終使用組成物の総重量に基づいて、0超~10、代替的に0.01~5、代替的に0.01~3重量%の量で利用される。
【0086】
ある特定の実施形態では、組成物は、レオロジー調整剤(E)を更に含む。レオロジー調整剤(E)は、特に限定されず、一般に、組成物又はそれを含む最終使用組成物の粘度、流動特性、及び/又はフォーミング特性(すなわち、フォーム形成能力及び/又はフォーム安定性)を変更するように選択される。したがって、レオロジー調整剤(E)は、特に限定されず、増粘剤、安定剤、粘度調整剤、チキソトロープ剤など、又はそれらの組み合わせを含み得、これらは一般に、天然又は合成増粘化合物から選択される。いくつかの実施形態では、レオロジー調整剤(E)は、1つ以上の水溶性及び/又は水相溶性増粘化合物(例えば、水溶性有機ポリマーなど)を含む。
【0087】
レオロジー調整剤(E)での使用又はレオロジー調整剤(E)としての使用に好適な化合物の例としては、アクリルアミドコポリマー、アクリレートコポリマー、及びそれらの塩(例えば、ナトリウムポリアクリレートなど)、セルロース(例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、デンプン(例えば、デンプン、ヒドロキシエチルデンプンなど)、ポリオキシアルキレン(例えば、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマーなど)、カルボマー、アジネート(例えば、ナトリウムアジネート)、様々なガム(例えば、アラビアゴム、カシアガム、カロブガム、スクレログルカンガム、キサンタンガム、ゲランガム、ラムザンガム、カラヤガム、カラギーナンガム、グアーガムなど)、コカミド誘導体(例えば、コカミドプロピルベタインなど)、中鎖から長鎖のアルキル及び/又は脂肪酸アルコール(例えば、セテアリルアルコール、ステアリルアルコールなど)、ゼラチン、サッカライド(例えば、果糖、グルコース、PEG-120メチルグルコースジオレートなど)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0088】
ある特定の実施形態では、組成物は、pH制御剤(F)を含む。pH制御剤(F)は、特に限定されず、組成物のpHを修正若しくは調整するため、及び/又は組成物のpHを特定の範囲で維持(例えば調節)するために好適な任意の化合物を含み得るか、又はそれであり得る。したがって、当業者には理解されるように、pH制御剤(F)は、以下に説明するもののうちのいずれか1つ以上などの、pH調整剤(例えば、酸及び/又は塩基)、pH緩衝液、又はそれらの組み合わせを含むか、代替的にそれである。
【0089】
酸の例としては、一般に、鉱酸(例えば、塩酸、リン酸、硫酸など)、有機酸(例えば、クエン酸など)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。塩基の例としては、一般に、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、カーボネート(例えば、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩など)、ホスフェートなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0090】
ある特定の実施形態では、pH制御剤(F)は、pH緩衝液を含むか、代替的にそれである。好適なpH緩衝液は、特に限定されず、組成物のpHを調整することができ、かつ/又は組成物のpHを特定の範囲で維持(例えば調節)することができる任意の緩衝化合物を含み得るか、代替的にそれであり得る。当業者には理解されるように、好適な緩衝液及び緩衝化合物の例は、添加剤間の機能の重複に起因して、上述のものを含むある特定のpH調整剤と重複し得る。したがって、両方をpH制御剤(F)で利用又はpH制御剤(F)として利用する場合、pH緩衝液及びpH調整剤は、互いに独立して又は集合的に選択され得る。
【0091】
一般に、好適なpH緩衝液は、酸、塩基、又は塩を含む(例えば、酸/塩基の共役塩基/酸を含む)緩衝化合物から選択される。緩衝化合物の例としては、一般に、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、カーボネート(例えば、セスキカーボネート、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩など)、ボレート、シリケート、ホスフェート、イミダゾール、クエン酸、ナトリウムシトラートなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。いくつかのpH緩衝液の例としては、シトラート緩衝液、グリセロール緩衝液、ボレート緩衝液、ホスフェート緩衝液、及びそれらの組み合わせ(例えば、クエン酸-ホスフェート緩衝液など)が挙げられる。したがって、pH制御剤(F)のpH緩衝液での使用又はpH緩衝液としての使用に好適な特定の緩衝化合物のいくつかの例としては、エチレンジアミン四酢酸(例えば、ジナトリウムEDTAなど)、トリエタノールアミン(例えば、トリス(2-ヒドロキシエチル)アミンなど)、シトラート及び他のポリカルボン酸系化合物など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0092】
いくつかの実施形態では、組成物は、フォームエンハンサ(G)を含む。フォームエンハンサ(G)での使用又はフォームエンハンサとしての使用に好適な特定の化合物/組成物としては、限定されないが、一般に、組成物又はそれを含む最終使用組成物のフォーミング特性(例えば、発泡性、フォーム安定性、フォーム排水、フォーム展延性、フォーム密度など)を付与、増強、及び修正することができるものが挙げられる。したがって、当業者は、フォームエンハンサ(G)での使用又はフォームエンハンサ(G)としての使用に好適な化合物/組成物が、組成物の他の添加剤/成分に関して本明細書に説明したものと重複し得ることを容易に理解するであろう。
【0093】
例えば、ある特定の実施形態では、フォームエンハンサ(G)は、電解質(例えば、様々なアニオンのアルカリ金属及び/又はアルカリ土類塩、例えば、クロリド、ボレート、シトラート、並びに/又はナトリウム、カリウム、カルシウム、及び/若しくはマグネシウムのスルフェート塩、アルミニウムクロロ水和物など)から選択される安定剤、高分子電解質(例えば、ヒアルロン酸ナトリウムなどのヒアルロン酸塩)、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビトール)、ハイドロコロイドなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせを含む。
【0094】
ある特定の実施形態では、フォームエンハンサ(G)は、サッカライド化合物、すなわち、少なくとも1つのサッカライド部分を含む化合物を含む。「サッカライド」という用語が、一般的な状況下では「炭水化物」という用語と、より具体的な状況下では「糖質」のような用語と同義的に使用され得ることを理解されたい。したがって、任意の特定のサッカライドの命名は、フォームエンハンサ(G)での使用又はフォームエンハンサ(G)としての使用に好適なサッカライド化合物に関して排他的ではない。むしろ、当業者には理解されるように、好適なサッカライド化合物は、サッカライド、炭水化物、糖質、デンプン、セルロースなど、又はそれらの誘導体若しくは改質物、あるいはそれらの組み合わせとして説明され得る部分を含む任意の化合物を含み得るか、代替的にそれであり得る。同様に、サッカライド化合物中の2つ以上のサッカライド部分の任意の組み合わせは、より記述的な用語で説明され得る。例えば、「ポリサッカライド」という用語は、「グリコシド」という用語と同義的に使用され得、両方の用語は、一般に、2つ以上のサッカライド部分の組み合わせを指す(例えば、サッカライド部分の組み合わせは、グリコシド結合を介して共に結合し、集合的にグリコシド部分を形成する)。当業者は、「デンプン」及び「セルロース」などの用語を使用して、具体的な状況下でのサッカライド部分のそのような組み合わせを指し得ることを理解するであろう(例えば、サッカライド化合物中の2つ以上のサッカライド部分の組み合わせが、「デンプン」又は「セルロース」などとして当該技術分野で既知の構造に適合する場合)。
【0095】
したがって、フォームエンハンサ(G)での使用又はフォームエンハンサ(G)としての使用に好適なサッカライド化合物の例としては、化合物、又は、モノサッカライド及び/若しくは糖質(例えば、ペントース(すなわち、フラノース)と従来称されていた少なくとも1つの部分を含む化合物、例えば、リボース、キシロース、アラビノース、リキソース、果糖など、及びヘキソース(すなわち、ピラノース)、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、グロース、イドース、タロース、アロース、アルトロースなど)、ジサッカライド(例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロースなど)、オリゴサッカライド(例えば、マルト-オリゴサッカライド、例えば、マルトデキストリン、アラビノース、スタキオース、フルクトオリゴサッカライドなど)、ポリサッカライド(例えば、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、グリコーゲン、ハイドロコロイド、アミロースなどのデンプン、アミロペクチンなど)など、又はそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0096】
フォームエンハンサ(G)での使用又はフォームエンハンサ(G)としての使用に好適なフォームエンハンサの他の例は、当該技術分野で既知である。例えば、フォームエンハンサ(G)は、ポリマー安定剤、例えば、ポリアクリル酸塩、変性デンプン、部分加水分解タンパク質、ポリエチレンイミン、ポリビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシビニルポリマー、又はそれらの組み合わせを含むものを含み得る。これらの又は他の実施形態では、フォームエンハンサ(G)は、増粘剤、例えば、1つ以上のガム(例えば、キサンタンガム)、コラーゲン、ガラクトマンナン、デンプン、デンプン誘導体及び/若しくは加水分解物、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、コロイドケイ酸、ポリビニルアルコール、ビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど、又はそれらの誘導体、改質物、若しくは組み合わせを含むものを含み得る。
【0097】
組成物は、1つ以上の追加の成分/添加剤、すなわち、当該技術分野で既知であり、かつ組成物中で利用される特定の成分及びその所望の最終使用に基づいて選択される、上述のもの以外のものを含み得る。例えば、組成物は、充填剤、充填剤処理剤、表面改質剤、結合剤、相溶化剤、着色剤(例えば、顔料、染料など)、劣化防止添加剤、難燃剤、腐食防止剤、UV吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせを含み得る。
【0098】
組成物は、成分(A)及(B)、並びにいずれかの任意選択の成分(例えば、上述の成分(C)~(G))を任意の添加順序で、任意選択的にマスターバッチで、かつ任意選択的に混合下で組み合わせることによって調製され得る。
【0099】
ある特定の実施形態では、組成物は、成分(A)を任意選択の成分と予混合して中間体組成物を調製し、その後、それを成分(B)と組み合わせて組成物を調製することによって、調製される。同様に、これらの又は他の実施形態では、組成物は、成分(B)を任意選択の成分と予混合して中間体組成物を調製し、その後、それを成分(A)と組み合わせて組成物を調製することによって、調製される。例えば、ある特定の実施形態では、成分(A)をpH制御剤(F)と組み合わせて、シロキサンカチオン性界面活性剤組成物を調製し、その後、それを成分(B)と組み合わせて組成物を調製する。いくつかのそのような実施形態では、pH制御剤(F)は、鉱酸(例えば、HCl)であり、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)のいくつかであるが全てではないアミン基をプロトン化するのに十分な量で利用され、それによって、緩衝液としてシロキサンカチオン性界面活性剤組成物を調製する。これらの又は他の実施形態では、成分(B)をpH制御剤(F)と組み合わせて、有機カチオン性界面活性剤組成物を調製し、その後、それを成分(A)と組み合わせて(例えば、独立して、シロキサンカチオン性界面活性剤組成物の形態でなど)、組成物を調製する。いくつかのそのような実施形態では、pH制御剤(F)は、鉱酸(例えば、HCl)であり、有機カチオン性界面活性剤(B)のいくつかであるが全てではないアミン基をプロトン化するのに十分な量で利用され、それによって、緩衝液として有機カチオン性界面活性剤組成物を調製する。上記の実施形態を考慮して、当業者は、組成物の1つ以上の個々の成分のpHを調整するために、1つ以上の中間体組成物を緩衝するために、並びに/又は組成物それ自体若しくは1つ以上の他の成分と組み合わせた組成物のpHを修正、制御、及び/若しくは緩衝するためなどの、複数の機能を含み得ることを当業者は理解するであろう。
【0100】
組成物は、例えば、成分(A)及び(B)を組み合わせることによって、任意選択的に成分(D)~(G)のいずれかと共に、成分(C)の量が最小限又は全く含まない濃縮物として調製され得る。代替的に、希釈のために配合される場合、組成物は、優勢量の成分(C)(例えば、組成物の総重量に基づいて>50、代替的に>75、代替的に>90重量%)を含み得、依然として濃縮物として定義される。
【0101】
フォーム安定化組成物は、フォーム形成組成物として配合され得るか(上述のように、組成物の濃縮物の希釈を介する)、又はフォーム形成組成物を調製するための添加剤として利用され得る(例えば、フォーム安定化組成物をベース配合物、すなわち、フォーミング剤、溶媒/担体、添加剤などを含む配合物と組み合わせることを介する)。例えば、フォーミング組成物は、任意選択的に1つ以上のフォーム添加剤と組み合わされた水を(例えば、ホース、パイプなどから、又は反応容器/反応器からの活性流として)提供し、フォーム安定化組成物を水と(例えば、事前形成された混合物として、個々の成分(A)、(B)、(C)の添加を介してなど)組み合わせることによって、調製することができる。そのような事例のいずれにおいても、フォーム安定化組成物を含むフォーム形成組成物は、調製されると、通気されるか、又はそうでなければ膨張されて(例えば、フォーミング装置を介して、通気された水のストリーム/流れへの適用など)、フォーム組成物(すなわち、「フォーム」)を形成し得る。
【0102】
フォーム安定化組成物で調製されたフォームは、様々な用途での使用に好適である。例えば、上記で紹介されたように、組成物は、水性皮膜形成フォーム(AFFF)、又は同様のそのようなフォームで利用され得、これは、火災の消火、抑制、及び/又は防止に利用され得る。特に、組成物によって提供される安定性の増加に起因して、組成物で調製されたフォームは、典型的には極めて可燃性であり、かつ/又は維持/消化が困難である、低沸点、高蒸気圧、及び/又は限定された水溶性を有する化学物質(例えば、ガソリン、有機溶媒など)を伴う、火災の消火に使用され得る。例えば、そのような火災は、火をフォームと接触させること(例えば、フォームを火に噴霧し、フォーム形成組成物を火の上に噴霧して、その上にフォームを調製するなど)によって消火され得る。同様に、フォームを利用して化学物質(例えば、その流出物又は漏出からの)を固定して、フォームを流出物/漏出の上部に適用することによって、又はそうでなければフォームをその上に形成することによって、蒸気漏出及び/又は点火を制限し得る。
【0103】
本開示の実施形態を示す以下の実施例は、本発明を例証することを意図するものであり、本発明を限定するものではない。
【0104】
実施例で利用されるある特定の成分は、以下の表1に記載されており、その後に、実施例で利用される特定の成分のある特定の略語、省略表現、構造/化学的説明などに関する情報を含む簡単な要約が続く。化学構造に関して、明示的に示されていない各末端ペンダント基が、別途指示がない限り、メチル基(-CH3)であることが理解されよう。
【0105】
【0106】
【0107】
3-アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(6.34g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(4.09g;72.7%水溶液)、エタノール(5.50g)、及びHCl(0.66g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、約9分以内に透明になる。混合物を1時間40分間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(3.10g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、シロキサンカチオン性界面活性剤(Si4-QUAB;47.1%濃度)を含む組成物を得る。
【0108】
調製実施例2:Si4-(QUAB)
1.5の調製
【化20】
【0109】
3-アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(6.35g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.01g;1.5当量;72.7%水溶液)、エタノール(5.86g)、及びHCl(1.5g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、約15分以内に透明になる。混合物を1時間40分間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(3.09g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、シロキサンカチオン性界面活性剤(Si4-(QUAB)1.5;水で40%濃度に調整)を含む組成物を得る。
【0110】
調製実施例3:Si7-PDA-(QUAB)
1.5の調製
【化21】
【0111】
1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン(255g)を、熱電対、機械的撹拌機、及びN2バブラーに適合させた水冷凝縮器を備えた500mLの4つ口フラスコに装入する。次いで、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(BCF;50ppm)を、フラスコに添加する。3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン(96.3g、Gelest,Inc.)及びBCF(150ppm)を添加漏斗で混合して触媒混合物を形成し、次いで、これを30分かけてフラスコにゆっくりと添加する一方で、氷水浴を使用して熱を除去し、ポット温度を30℃未満に制御する。次いで、混合物を1時間室温で撹拌し、その時点で、1H NMRは、変換が>99%であることを示す。次いで、混合物を、ロータリーエバポレータ(110℃;約1トル;30分)で濃縮し、第1の中間体(Si7PrCl)を得る。
【0112】
2つの20mLの試料バイアルを各々、1,3-ジアミノプロパン(5.62g)及びSi7PrCl(14.59g)で装入し、次いで120℃まで加熱し、約15時間混合する。次いで、各混合物を室温まで冷却し、500mLのガラス試料瓶で組み合わせて、合計39.17gの反応溶液を得る。DI水(38.72g)及びヘプタン(37.80g)を瓶に添加し、蓋をしない状態で二相性混合物を撹拌して、圧力蓄積を回避する。次いで、二相溶液が完全に分離するまで試料を静止させる。次いで、上層をシリンジを介して除去し、シリンジフィルタ(2.0μm)を通してフラスコに濾過し、単蒸留(60℃及び約20mmHg)を介してストリッピングして、ヘプタンを除去し、第2の中間体(「Si7-PDA」)を得る。
【0113】
Si7-PDA(2.18g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(0.88g;1.5当量;72.7%水溶液)、エタノール(3.00g)、及びHCl(0.08g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、50℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、すぐに透明になる。混合物を3時間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(1.12g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、シロキサンカチオン性界面活性剤(Si7-PDA-(QUAB)1.5;39.3重量%濃度)を含む組成物を得る。
【0114】
【0115】
1-ヘキシルアミン(2.82g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.21g;72.7%水溶液)、エタノール(5.02g)、及びHCl(1.35g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、約2分以内に透明になる。混合物を2.5時間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(4.69g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、カチオン性界面活性剤(C6-QUAB;36.7%濃度)を含む組成物を得る。
【0116】
【0117】
1-オクチルアミン(3.60g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.21g;72.7%水溶液)、エタノール(5.04g)、及びHCl(1.35g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、約3分以内に透明になる。混合物を2.5時間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(4.76g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、カチオン性界面活性剤(C8-QUAB;38.6重量%濃度)を含む組成物を得る。
【0118】
【0119】
1-デシルアミン(4.38g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.19g;72.7%水溶液)、エタノール(5.00g)、及びHCl(1.35g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、約4分以内に透明になる。混合物を2.5時間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(4.72g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、カチオン性界面活性剤(C10-QUAB;40.8重量%濃度)を含む組成物を得る。
【0120】
調製手順1:フォーム安定化組成物
【0121】
フォーム安定化組成物は、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)を一緒に組み合わせることによって調製される。特に、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)、有機カチオン性界面活性剤(B)、並びに任意選択的にpH制御剤(F)、界面活性剤(D)、及び/又はフォームエンハンサ(G)を、試料バイアルで溶媒(C)と混合し、溶媒(C)中で希釈して、フォーム安定化組成物を得、これを視覚的に分析して外観を評価し得る。
【0122】
調製手順2:フォーム
【0123】
フォームは、フォーム安定化組成物を通気することによって調製される。特に、フォーム安定化組成物は、上記の調製手順1に従って試料バイアルで調製される。次いで、試料バイアルを約5秒間振とうして、フォームを調製し、これを視覚的に分析して、相対的なフォーム量及び厚さを評価し得る。
【0124】
分析手順1:35℃でのヘプタン上のフォーム安定性
【0125】
10mLの試料バイアルにヘプタン(約3g)を装入し、35℃で15分間安定した加熱ブロック上で蓋をせずに置く。次いで、上記の調製手順2に従って調製したフォームの試料(約3cm)を、ピペットを介して加熱ヘプタン上に移動させてフォーム層を得る。タイマーは、フォーム移動の完了時に開始し、フォーム層の破壊、溶解、又は破裂時に停止し、記録した時間を、サンプリングされたフォームのヘプタン上での35℃のフォーム安定性として提供する。
【0126】
分析手順2:60℃でのヘプタン上のフォーム安定性
【0127】
上記の手順のフォーム分析1は、60℃で安定した加熱ブロックを使用して実施される。所与のフォーム層が破壊、溶解、又は破裂する時間を、サンプリングされたフォームのヘプタン上での60℃のフォーム安定性として記録する。
【0128】
実施例1~12:フォーム安定化組成物及びそれで調製されたフォーム
【0129】
シロキサンカチオン性界面活性剤(A1)、有機カチオン性界面活性剤(B1)、溶媒(C1)、及び任意選択的に、様々な添加剤成分を使用して、上記の調製手順1に従って、様々なフォーム安定化組成物を調製する。実施例1~12の特定の成分及びパラメータを以下の表2~3に記載する。
【0130】
【0131】
【0132】
次いで、フォーム安定化組成物を、上記の調製手順2に従って様々なフォームの調製に利用し、得られたフォームを、上記の分析手順1に従って揮発性有機溶媒に対する安定性について分析する。分析結果を以下の表4に記載する。
【0133】
【0134】
表4に示すように、例示的な組成物は、良好なフォーム性能及び安定性を提供し(例えば、実施例1参照)、これは、別の界面活性剤(例えば、実施例5参照)、糖質又は他の炭水化物のフォームエンハンサ(例えば、実施例7~11参照)、及び緩衝液(例えば、実施例12参照)を含む様々な添加剤成分の添加によって更に増強され得る。
【0135】
実施例13~16:フォーム安定化組成物及びそれで調製されたフォーム
【0136】
シロキサンカチオン性界面活性剤(A1)、溶媒(C1)、及び様々な有機カチオン性界面活性剤(B)を使用して、上記の調製手順1に従って、様々なフォーム安定化組成物を調製する。次いで、フォーム安定化組成物を、上記の調製手順2に従って様々なフォームの調製に利用し、得られたフォームを、上記の分析手順1に従って揮発性有機溶媒に対する安定性について分析する。分析の結果を、実施例13~16の特定の成分及びパラメータと共に、以下の表5に記載する。
【0137】
【0138】
表5に示すように、例示的な組成物は、様々な有機カチオン性界面活性剤(B)を使用して良好なフォーム性能及び安定性を提供し(例えば、実施例13~16参照)、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の特定の組み合わせが、追加の安定性の利点を提供する(例えば、実施例15参照)。
【0139】
実施例17~19:フォーム安定化組成物及びそれで調製されたフォーム
【0140】
有機カチオン性界面活性剤(B1)、溶媒(C1)、及び様々なシロキサンカチオン性界面活性剤(A)を使用して、上記の調製手順1に従って、様々なフォーム安定化組成物を調製する。次いで、フォーム安定化組成物を、上記の調製手順2に従って様々なフォームの調製に利用し、得られたフォームを、上記の分析手順2に従って揮発性有機溶媒に対する安定性について分析する。分析の結果を、実施例17~19の特定の成分及びパラメータと共に、以下の表6に記載する。
【0141】
比較実施例1~3:比較フォーム組成物及びフォーム
【0142】
溶媒(C1)及び様々なシロキサンカチオン性界面活性剤(A)を使用して、有機カチオン性界面活性剤(B)を添加せずに、上記の調製手順1に従って、様々なフォーム組成物を調製する。次いで、フォーム組成物を、上記の調製手順2に従って、発泡可能であれば、様々なフォームの調製に利用し、得られたフォームを、上記の分析手順2に従って揮発性有機溶媒に対する安定性について分析する。分析の結果を、比較実施例1~3の特定の成分及びパラメータと共に、以下の表6に記載する。
【0143】
【0144】
表6に示すように、例示的な組成物は、様々なシロキサンカチオン性界面活性剤(A)を使用して、良好なフォーム性能及び安定性を提供する(例えば、実施例17~19参照)。更に、1つのみのカチオン性界面活性剤を含有するフォーム組成物(例えば、比較実施例1~3参照)と比較して、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の組み合わせを使用する例示的な組成物は、それで調製されたフォームに大幅に増強された安定性を提供する(例えば、実施例17~19参照)。
【0145】
実施例20~29:フォーム安定化組成物及びそれで調製されたフォーム
【0146】
溶媒(C1)中で変動する量のシロキサンカチオン性界面活性剤(A1)及び有機カチオン性界面活性剤(B2)を使用して、上記の調製手順1に従って、様々なフォーム安定化組成物を調製する。次いで、フォーム安定化組成物を、上記の調製手順2に従って様々なフォームの調製に利用し、得られたフォームを、上記の分析手順2に従って揮発性有機溶媒に対する安定性について分析する。分析の結果を、実施例20~29の特定のパラメータと共に、以下の表7に記載する。
【0147】
【0148】
表7に示すように、例示的な組成物は、様々な比率のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)を使用して、良好なフォーム性能及び安定性を提供する(例えば、実施例20~29参照)。安定化組成物中の少なくとも0.2重量%のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)の装填は、それで調製されたフォームに追加の安定性の利点を提供する(例えば、実施例21~29参照)。
【0149】
上記の説明は、本開示の一般的かつ具体的な実施形態に関する。しかしながら、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の趣旨及びより広範の態様から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができ、均等論を含む特許法の原理に従って解釈されるべきである。したがって、本開示は、例証目的のために提示され、本開示の全ての実施形態の網羅的な説明として、又はこれらの実施形態に関連して例証若しくは説明される具体的な要素に特許請求の範囲の範囲を限定するように解釈されるべきではない。例えば、冠詞「a」、「an」、「the」、又は「上記」を使用する単数形の要素への任意の参照は、その要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。更に、「直角」、「直交」、「垂直」、及び「平行」という用語が、一般に、本明細書において相対的な意味で用いられ、絶対的な意味で用いられないことを理解されたい。更に、「実質的に」、「約」、「本質的に」などの用語が、修飾されている特性のわずかな偏差を示すことを理解されたい。そのような偏差は、特定の特性の0~10%、代替的に0~5%、代替的に0~3%であり得る。
【0150】
同様に、添付の特許請求の範囲が、詳細な説明に記載された特定のアセンブリ、システム、又は方法を表すように限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲内にある特定の実施形態間で変動してもよいことを理解されたい。様々な実施形態の特定の特徴又は態様を説明するための本明細書に依拠する任意のマーカッシュ群に関して、全ての他のマーカッシュ要素から独立したそれぞれのマーカッシュ群の各要素から異なる、特別な、かつ/又は予期しない結果が得られる可能性がある。マーカッシュ群の各要素は、個々に、及び、又は組み合わされて依拠とされ得、添付の特許請求の範囲の範囲内で、具体的な実施形態に適切な裏付けを提供し得る。
【0151】
更に、本発明の様々な実施形態を説明する際に依拠とされる任意の範囲及び部分範囲は、独立してかつ集合的に、添付の特許請求の範囲の範囲内にあり、本明細書にその中の全部及び/又は一部の値が明記されていなくても、そのような値を含む全範囲を説明及び想到するものと理解される。当業者であれば、列挙された範囲及び部分範囲が、本発明の様々な実施形態を十分に説明し、かつ可能にし、そのような範囲及び部分範囲が、更に関連性がある2等分、3等分、4等分、5等分などに描かれ得ることを容易に認識する。単なる一例として、「0.1~0.9」の範囲は、更に、下方の3分の1、すなわち、0.1~0.3、中央の3分の1、すなわち、0.4~0.6、及び上方の3分の1、すなわち、0.7~0.9に描かれ得、これらは、個々にかつ集合的に、添付の特許請求の範囲の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲の範囲内の具体的な実施形態に、個々にかつ/又は集合的に依拠され得、適切な裏付けを提供し得る。更に、範囲を定義する、又は修飾する言葉、例えば「少なくとも」、「超」「未満」「以下」などに関して、そのような言葉は、部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも10」の範囲は、少なくとも10~35の部分範囲、少なくとも10~25の部分範囲、25~35の部分範囲などを本質的に含み、各部分範囲は、添付の特許請求の範囲の範囲内の具体的な実施形態に、個々にかつ/又は集合的に依拠され得、適切な裏付けを提供する。最終的に、開示した範囲内の個々の数は、添付の特許請求の範囲の範囲内の具体的な実施形態に、依拠され得、適切な裏付けを提供し得る。例えば、「1~9」の範囲は、様々な個々の整数、例えば3、並びに、小数点(又は分数)を含む個々の数、例えば4.1を含み、これは、添付の特許請求の範囲の範囲内の特定の実施形態に、依拠され得、適切な裏付けを提供し得る。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年12月30日に出願された米国特許仮出願第62/955,145号の優先権及び全ての利点を主張するものであり、その内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、フォーム組成物に関し、より具体的には、フォーム安定化組成物、それを含む水性皮膜形成フォーム組成物、並びにそれを調製及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
界面活性剤及び界面活性剤組成物は、当該技術分野において既知であり、無数の最終用途及び環境で利用される。特に、界面活性剤及び界面活性剤組成物は、多数の工業用、商業用、ホームケア、及びパーソナルケア配合物で利用される。ほんの一例として、界面活性剤及び界面活性剤組成物は、多種多様な表面処理及びコーティング組成物の調製において、例えば、組成物自体の特性に影響を及ぼし、かつそのような表面処理/コーティング組成物で処理された基材に表面効果を提供するために一般的に利用される。例えば、ポリフルオロアルキル系界面活性剤及びその組成物は、カーペット、張地、衣料品、布地などの物品の表面に、撥水性及び撥油性を付与するための表面処理におけるヒューム抑制剤及びエッチング添加剤としての工業用組成物において、並びに洗浄組成物、ワックス、シーラント、及びフォームなどの多くの商業用製品において、広く用いられている。加えて、ポリフルオロアルキル系界面活性剤は、多数の従来の水性皮膜形成フォーム(aqueous film-forming foam、AFFF)において利用されており、これは、火災の防止、封じ込め、及び/又は消火における広範な使用を以前から享受している。
【0004】
しかしながら、残念ながら、ポリフルオロアルキル系界面活性剤は、環境条件下で分解又はそうでなければ劣化して多数のフルオロケミカルをもたらすことが示されており、そのいくつかは、その幅広い使用をもたらしたそのような化合物の所望の特性(例えば、高耐化学性、広い化学的適合性、高い親油性など)の多くに起因して、環境残留性であることが見出されている。したがって、ポリフルオロアルキル系界面活性剤は、更に段階的に生産及び使用されなくなり、多くの広く利用されている界面活性剤及び界面活性剤組成物が継続的に使用できなくなる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、フォーム安定化組成物を提供する。フォーム安定化組成物は、(A)シロキサンカチオン性界面活性剤及び(B)有機カチオン性界面活性剤を含む。シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の一般式(I)を有し、
[Z1-D1-N(Y)a(R)2-a]+y[X-x]n (I)
式中、Z1は、シロキサン部分であり、D1は、二価連結基であり、Rは、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、各Yは、式-D-NR1
3
+を有し、式中、Dは、二価連結基であり、各R1は、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aは、1又は2であり、1≦y≦3であり、Xは、アニオンであり、下付き文字nは、1、2、又は3であり、1≦x≦3であるが、但し、(x*n)=yである。有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の一般式(II)を有し、
[Z2-D2-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n (II)
式中、Z2は、非置換ヒドロカルビル基であり、D2は、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字bは、1又は2であり、各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつ上記で定義されたとおりである。
【0006】
本開示は、フォーム安定化組成物を調製する方法も提供する。
【0007】
本開示は、フォーム安定化組成物を含む水性皮膜形成フォーム(AFFF)と、それを調製及び使用することに関連する方法と、を更に提供する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
フォーム安定化組成物(「組成物」)が提供される。組成物は、水性フォーミング組成物、膨張フォーム組成物、濃縮フォーム組成物、及び/又はフォーム濃縮物などを含むフォーム組成物(すなわち、フォーム)に利用され得、これらは、多様な最終用途で配合及び/又は利用され得る。例えば、本開示から理解されるように、組成物は、火災の消火、抑制、及び/又は防止での使用に好適な水性皮膜形成フォーム(AFFF)又は同様のフォーミング組成物中で利用され得る。
【0009】
組成物は、(A)シロキサンカチオン性界面活性剤及び(B)有機カチオン性界面活性剤を含む。シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、組成物中で利用され得る追加の/任意選択の成分と共に、以下に順番に説明され、本明細書において個々にそれぞれ「成分(A)」、「成分(B)」などと称され、かつ集合的に、組成物の「成分」として称され得る。
【0010】
上記で紹介されたように、組成物の成分(A)は、シロキサンカチオン性界面活性剤、すなわち、対イオンと電荷バランスのとれたカチオン性有機ケイ素化合物を含む錯体である。特に、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、シロキサン部分及び1つ以上の四級アンモニウム部分を含み、以下の一般式(I)に適合し、
[Z1-D1-N(Y)a(R)2-a]+y[X-x]n (I)
式中、Z1は、シロキサン部分であり、D1は、二価連結基であり、Rは、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、各Yは、式-D-NR1
3
+を有し、式中、Dは、二価連結基であり、各R1は、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aは、1又は2であり、1≦y≦3であり、Xは、アニオンであり、下付き文字nは、1、2、又は3であり、1≦x≦3であるが、但し、(x*n)=yである。
【0011】
式(I)に関して、上記で紹介されたように、Z1は、シロキサン部分を表す。一般に、シロキサン部分Z1は、シロキサンを含み、それ以外は特に限定されない。当該技術分野で理解されるように、シロキサンは、有機ケイ素及び/又は有機側基がケイ素原子に結合した、無機ケイ素-酸素-ケイ素基(すなわち、-Si-O-Si-)を含む。したがって、シロキサンは、一般式([Rx
iSiO(4-i)/2]h)j(Rx)3-jSi-によって表され得、式中、下付き文字iは、独立して、下付き文字hで示される各部分において1、2、及び3から選択され、下付き文字hは、少なくとも1であり、下付き文字jは、1、2、又は3であり、各Rxは、独立して、ヒドロカルビル基、アルコキシ及び/又はアリールオキシ基、並びにシロキシ基から選択される。
【0012】
Rxに好適なヒドロカルビル基としては、一価炭化水素部分、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられ、これらは、独立して、置換若しくは非置換、直鎖状、分岐状、環状、又はそれらの組み合わせ、かつ飽和又は不飽和であり得る。そのようなヒドロカルビル基に関して、「非置換」という用語は、炭素及び水素原子から構成される、すなわちヘテロ原子置換基を含まない炭化水素部分を説明する。「置換」という用語は、少なくとも1つの水素原子が水素以外の原子若しくは基(すなわちハロゲン原子、アルコキシ基、アミン基など)に(すなわち、ペンダント又は末端置換基として)置き換えられるか、炭化水素の鎖/骨格内の炭素原子が炭素以外の原子(例えば、酸素、硫黄、窒素などのヘテロ原子)に(すなわち、鎖/骨格の一部として)置き換えられるか、又はその両方である、炭化水素部分を説明する。したがって、好適なヒドロカルビル基は、炭素鎖/その骨格中に、及び/若しくはその上に(すなわち、付加及び/又は一体化する)1つ以上の置換基を有する炭化水素部分を含み得るか、又はそれであり得、したがって、炭化水素部分は、エーテル、エステルなどを含み得るか、又はそれらであり得る。直鎖状及び分岐状ヒドロカルビル基は、独立して、飽和又は不飽和であり得、不飽和である場合、共役型又は非共役型であり得る。環状ヒドロカルビル基は、独立して、単環式又は多環式であり得、芳香族、飽和、及び非芳香族、並びに/又は非共役型であり得るシクロアルキル基、アリール基、及び複素環を包含する。直鎖状及び環状ヒドロカルビル基の組み合わせの例としては、アルカリル基、アラルキル基などが挙げられる。ヒドロカルビル基での使用又はヒドロカルビル基としての使用に好適な炭化水素部分の一般例としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ハロカーボン基など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソプロピル及び/又はn-プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n-ブチル、tert-ブチル、及び/又はsec-ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル、及び/又はtert-ペンチル)、ヘキシルなど(すなわち、6個超の炭素原子を有する他の直鎖状又は分岐状飽和炭化水素基)が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ベンジル、ジメチルフェニルなど、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられ、これらは、アルカリル基(例えば、ベンジル)及びアラルキル基(例えば、トリル、ジメチルフェニルなど)と重複し得る。アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘプテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル基など、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられる。ハロカーボン基の一般例としては、上記の炭化水素部分のハロゲン化誘導体、例えば、ハロゲン化アルキル基(例えば、1つ以上の水素原子がF又はClなどのハロゲン原子で置き換えられている、上述のアルキル基のうちのいずれか)、アリール基(例えば、1つ以上の水素原子がF又はClなどのハロゲン原子で置き換えられている、上述のアリール基のうちのいずれか)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。ハロゲン化アルキル基の例としては、フルオロメチル、2-フルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、4,4,4-トリフルオロブチル、4,4,4,3,3-ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3-ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3-ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7-ペンタフルオロオクチル、2,2-ジフルオロシクロプロピル、2,3-ジフルオロシクロブチル、3,4-ジフルオロシクロヘキシル、3,4-ジフルオロ-5-メチルシクロヘプチル、クロロメチル、クロロプロピル、2-ジクロロシクロプロピル、2,3-ジクロロシクロペンチルなど、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられる。ハロゲン化アリール基の例としては、クロロベンジル、ペンタフルオロフェニル、フルオロベンジル基など、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられる。
【0013】
Rxに好適なアルコキシ及びアリールオキシ基としては、一般式-ORxiを有するものが挙げられ、式中、Rxiは、Rxに関して上に記載したヒドロカルビル基のうちの1つである。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ベンジルオキシなど、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられる。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ、トリルオキシ、ペンタフルオロフェノキシなど、並びにそれらの誘導体及び改質物が挙げられる。
【0014】
R
xに好適なシロキシ基の例としては、[M]、[D]、[T]、及び[Q]単位が挙げられ、これらは、当該技術分野で理解されるように、各々が、有機シロキサン及び有機ポリシロキサンなどのシロキサン中に存在する個々の官能性の構造単位を表す。より具体的には、[M]は、一般式R
xii
3SiO
1/2の単官能単位を表し、[D]は、一般式R
xii
2SiO
2/2の二官能性単位を表し、[T]は、一般式R
xiiSiO
3/2の三官能性単位を表し、[Q]は、以下の一般的な構造部分によって示されるように、一般式SiO
4/2の四官能性単位を表す。
【化1】
【0015】
これらの一般的な構造部分では、各Rxiiは、独立して、一価又は多価の置換基である。当該技術分野で理解されるように、各Rxiiに好適な具体的な置換基は、限定されるものではなく、単原子又は多原子、有機又は無機、直鎖状又は分岐状、置換又は非置換、芳香族、脂肪族、飽和又は不飽和、及びそれらの組み合わせであり得る。典型的には、各Rxiiは、独立して、ヒドロカルビル基、アルコキシ及び/又はアリールオキシ基、並びにシロキシ基から選択される。したがって、各Rxiiは、独立して、式-Rxiのヒドロカルビル基、又は式-ORxiのアルコキシ若しくはアリールオキシ基であり得、式中、Rxiは、上記で定義されたとおりであるか、又は上述の[M]、[D]、[T]、及び/若しくは[Q]単位のうちのいずれか1つ若しくはその組み合わせで表されるシロキシ基である。
【0016】
シロキサン部分Z1は、例えば、その中に存在する[M]、[D]、[T]、及び/又は[Q]シロキシ単位の数及び配置に基づいて、直鎖状、分岐状、又はそれらの組み合わせであり得る。分岐状である場合、シロキサン部分Z1は、最小限に分岐状又は、代替的に、超分岐状及び/若しくは樹枝状であり得る。
【0017】
ある特定の実施形態では、シロキサン部分Z1は、式-Si(R3)3を有する分岐状シロキサン部分であり、式中、少なくとも1つのR3は、-OSi(R4)3であり、各他のR3は、独立して、R2及び-OSi(R4)3から選択され、各R4は、独立して、R2、-OSi(R5)3、及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択される。R4のこれらの選択に関して、各R5は、独立して、R2、-OSi(R6)3、及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択され、各R6は、独立して、R2及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択される。各選択では、R2は、Rxに関して上述したもののうちのいずれかなどの、独立して選択される置換又は非置換ヒドロカルビル基であり、各下付き文字mは、0≦m≦100であるように個々に選択される(すなわち、適用可能な各選択において)。
【0018】
上記で紹介されたように、各R3は、R2及び-OSi(R4)3から選択されるが、但し、少なくとも1つのR3が、式-OSi(R4)3を有する。ある特定の実施形態では、R3のうちの少なくとも2つは、式-OSi(R4)3を有する。具体的な実施形態では、各R3は、式-OSi(R4)3を有する。-OSi(R4)3であるR3の数が多いほど、シロキサン部分Z1における分岐度が増加することが理解されよう。例えば、各R3が-OSi(R4)3である場合、各R3が結合しているケイ素原子は、Tシロキシ単位である。代替的に、R3のうちの2つが式OSi(R4)3を有する場合、各R3が結合しているケイ素原子は、[D]シロキシ単位である。更に、R3が式-OSi(R4)3を有する場合、及びR4が式-OSi(R5)3を有する場合、更なるシロキサン結合及び分岐が、シロキサン部分Z1に存在する。これは更に、R5が式-OSi(R6)3を有する事例である。したがって、当業者であれば、シロキサン部分Z1における各後続のR3+n部分が、その特定の選択に応じて、更なる分岐の発生を付与し得ることが理解されよう。例えば、R4は、式-OSi(R5)3を有し得、R5は、式-OSi(R6)3を有し得る。したがって、各置換基の選択に応じて、[T]及び/又は[Q]シロキシ単位に起因する更なる分岐は、シロキサン部分Z1に存在し得る(すなわち、上述の他の置換基/部分のものを超える)。
【0019】
各R4は、R2、-OSi(R5)3、及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択され、式中、0≦m≦100である。R4及びR5の選択に応じて、更なる分岐が、シロキサン部分Z1に存在し得る。例えば、各R4がR2である場合、各-OSi(R4)3部分(すなわち、式-OSi(R4)3の各R3)は、末端[M]シロキシ単位である。言い換えれば、各R3が-OSi(R4)3である場合、及び各R4がR2である場合、各R3は、-OSiR2
3(すなわち、[M]シロキシ単位)として表記され得る。そのような実施形態では、シロキサン部分Z1は、式(I)のD基に結合した[T]シロキシ単位を含み、[T]シロキシ単位は、3つの[M]シロキシ単位でキャップされる。更に、式-[OSiR2
2]mOSiR2
3を有する場合、R4は、任意選択の[D]シロキシ単位(すなわち、下付き文字mで示される各部分におけるシロキシ単位)、並びに[M]シロキシ単位(すなわち、OSiR2
3で表される)を含む。したがって、各R3が式-OSi(R4)3を有し、各R4が式-[OSiR2
2]mOSiR2
3を有する場合、各R3は、[Q]シロキシ単位を含む。より具体的には、そのような実施形態では、各R3は、式-OSi([OSiR2
2]mOSiR2
3)3を有し、したがって、各下付き文字mが0である場合、各R3は、3つの[M]シロキシ単位でエンドキャップされた[Q]シロキシ単位である。同様に、下付き文字mが0より大きい場合、各R3は、直鎖状部分(すなわち、ジオルガノシロキサン部分)を含み、重合度は下付き文字mに起因する。
【0020】
上に記載のように、各R4は、式-OSi(R5)3も有し得る。1つ以上のR4が式-OSi(R5)3を有する実施形態では、更なる分岐が、R5の選択に応じて、シロキサン部分Z1に存在し得る。より具体的には、各R5は、R2、-OSi(R6)3、及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択され、式中、各R6は、R2及び-[OSiR2
2]mOSiR2
3から選択され、式中、各下付き文字mは、上記で定義される。
【0021】
下付き文字mは、0(0を含む)~100、代替的に0~80、代替的に0~60、代替的に0~40、代替的に0~20、代替的に0~19、代替的に0~18、代替的に0~17、代替的に0~16、代替的に0~15、代替的に0~14、代替的に0~13、代替的に0~12、代替的に0~11、代替的に0~10、代替的に0~9、代替的に0~8、代替的に0~7、代替的に0~6、代替的に0~5、代替的に0~4、代替的に0~3、代替的に0~2、代替的に0~1、代替的に0である。ある特定の実施形態では、各下付き文字mは、0であり、したがって、シロキサン部分Z1は、Dシロキシ単位を含まない。
【0022】
重要なことに、R2、R3、R4、R5、及びR6の各々は、独立して選択される。したがって、これらの置換基の各々に関する上記の説明は、各置換基が同じであることを意味又は暗示するものではない。むしろ、R4に関する上記の任意の説明は、シロキサン部分Z1における1つのみのR4又は任意の数のR4に関連し得、他も同様である。加えて、R2、R3、R4、R5、及びR6の異なる選択により、同じ構造がもたらされ得る。例えば、R3が-OSi(R4)3である場合、及び各R4が-OSi(R5)3である場合、及び各R5がR2である場合、R3は、-OSi(OSiR2
3)3と表記され得る。同様に、R3が-OSi(R4)3である場合、及び各R4が-[OSiR2
2]mOSiR2
3である場合、R3は、下付き文字mが0である場合、-OSi(OSiR2
3)3と表記され得る。示されるように、これらの特定の選択により、R4についての異なる選択に基づいて、R3について同じ最終構造がもたらされる。そのために、シロキサン部分Z1の最終構造に対する限定のいかなる条件も、条件で必要とされる同じ構造をもたらす代替選択によって考慮され、満たされるべきである。
【0023】
ある特定の実施形態では、各R2は、独立して選択されるアルキル基である。いくつかのそのような実施形態では、各R2は、1~10、代替的に1~8、代替的に1~6、代替的に1~4、代替的に1~3、代替的に1~2個の炭素原子を有する、独立して選択されるアルキル基である。
【0024】
特定の実施形態では、各下付き文字mは、0であり、各R
2は、メチルであり、シロキサン部分Z
1、以下の構造(i)~(iv)のうちの1つを有する:
【化2】
【0025】
更に、カチオン性界面活性剤及び式(I)に関して、上記で紹介されたように、D1は、二価連結基である。二価連結基D1は、特に限定されない。典型的には、二価連結基D1は、二価炭化水素基から選択される。そのような炭化水素基の例としては、Rxに関して上に記載したもののうちのいずれかなどの、上述のヒドロカルビル及び炭化水素基の二価形態が挙げられる。したがって、二価連結基D1に好適な炭化水素基が、置換若しくは非置換、並びに直鎖状、分岐状、及び/又は環状であり得ることが理解されるであろう。
【0026】
いくつかの実施形態では、二価連結基D1は、直鎖状又は分岐状アルキル及び/又はアルキレン基を含むか、代替的にそれである。ある特定の実施形態では、二価連結基D1は、C1~C18炭化水素部分、例えば、式-(CH2)d-(式中、下付き文字dが1~18である)を有する直鎖状炭化水素を含むか、代替的にそれである。いくつかのそのような実施形態では、下付き文字dは、1~16、例えば、1~12、代替的に1~10、代替的に1~8、代替的に1~6、代替的に2~6、代替的に2~4である。特定の実施形態では、下付き文字dは、3であり、したがって、二価連結基D1は、プロピレン(すなわち、3個の炭素原子の鎖)を含む。当業者には理解されるように、下付き文字dで表される各単位は、メチレン単位であり、したがって、直鎖状炭化水素部分は、アルキレン基と定義されるか、又はそうでなければアルキレン基と称され得る。また、各メチレン基が、独立して、非置換及び非分岐状、若しくは置換(例えば、水素原子が非水素原子又は基で置き換えられている)であり得、並びに/又は分岐状(例えば、水素原子がアルキル基で置き換えられている)であり得ることも理解されよう。ある特定の実施形態では、二価連結基D1は、非置換アルキレン基を含むか、代替的にそれである。他の実施形態では、二価連結基D1は、置換アルキレン基などの置換炭化水素基を含むか、代替的にそれである。そのような実施形態では、例えば、二価連結基D1は、典型的には、骨格がエーテル部分、アミン部分などを含むように、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、N、Sなど)を有する炭素骨格を含む。
【0027】
特定の実施形態では、二価連結基D1は、アミノ置換炭化水素基(すなわち、窒素-置換炭素鎖/骨格を含む炭化水素)を含むか、代替的にそれである。例えば、いくつかのそのような実施形態では、二価連結基D1は、式-D3-N(R7)-D3-を有するアミノ置換炭化水素であり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式によって表され得、
[Z1-D3-N(R7)-D3-N(Y)a(R)2-a]+y[X-x]n
式中、各D3は、独立して選択される二価連結基であり、Z1は、上記で定義及び説明されたとおりであり、R7は、Y又はHであり、各Y、R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。
【0028】
上記で紹介されたように、アミノ置換炭化水素の二価連結基の各D3は、独立して選択される。典型的には、各D3は、二価連結基D1に関して上述したもののうちのいずれかなどの、独立して選択されるアルキレン基を含む。例えば、いくつかの実施形態では、各D3は、独立して、1~8個の炭素原子、例えば、2~8、代替的に2~6、代替的に2~4個の炭素原子を有するアルキレンから選択される。ある特定の実施形態では、各D3は、プロピレン(すなわち、-(CH2)3-)である。しかしながら、一方若しくは両方のD3が、別の二価連結基(すなわち、上述のアルキレン基を除く)であり得るか、又はそれを含み得ることを理解されたい。更に、各D3は、置換又は非置換、直鎖状又は分岐状、及びそれらの様々な組み合わせであり得る。
【0029】
上記でも紹介されたように、アミノ置換炭化水素のR7は、H又は四級アンモニウム部分Y(すなわち、上に記載したように、式-D-NR1
3
+を有する)である。例えば、特定の実施形態では、R7は、Hであり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式によって表され得、
[Z1-D3-NH-D3-N(Y)a(R)2-a]+y[X-x]n
式中、各D3及びZ1は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Y、R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。そのような実施形態では、以下の更なる説明から理解されるように、上付き文字yは、下付き文字aにより制御される、1又は2である。より具体的には、四級アンモニウム部分Yの数は、1又は2として下付き文字aによって制御され、それぞれ、+1又は+2の総カチオン電荷を提供する。したがって、そのような実施形態では、上付き文字xも、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)が電荷バランスをとるように、1又は2である。
【0030】
ある特定の実施形態では、アミノ置換炭化水素のR7は、四級アンモニウム部分Yであり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式によって表され得、
[Z1-D3-NY-D3-N(Y)a(R)2-a]+y[X-x]n
式中、各D3及びZ1は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Y、R、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。そのような実施形態では、上付き文字yが2又は3であるように、y=a+1である。より具体的には、四級アンモニウム部分の数は、R7のY、並びに下付き文字aによって制御される1又は2の四級アンモニウム部分Yを含み、それぞれ、+2又は+3の総カチオン電荷を提供する。したがって、そのような実施形態では、上付き文字xは、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)が電荷バランスをとるように、1、2、又は3である。
【0031】
いくつかの実施形態では、R7は、Yであり、シロキサン部分Z1は、上述の分岐状シロキサン部分であり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式によって表され得、
[(R3)3Si-D3-N(-D-NR1
3
+)-D3-N(-D-NR1
3
+)a(R)2-a]+y[X-x]n
式中、各D3及びR3は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各D、R、R1、下付き文字a、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。
【0032】
下付き文字aは、1又は2である。当業者には理解されるように、下付き文字aは、部分式-N(Y)a(R)2-aで表されるシロキサンカチオン性界面活性剤(A)の四級アンモニウム-置換アミノ部分が、四級アンモニウム基Yのうちの1つ又は2つ(すなわち、部分式(-D-NR1
3
+)の基)を有するか否かを示す。同様に、そのような四級アンモニウム基Yの各々の場合、下付き文字aは、部分aで示される四級アンモニウム基Yからカチオン電荷のバランスをとるのに必要な対アニオンの数(すなわち、以下に説明されるようなアニオンXの数)も示す。例えば、いくつかの実施形態では、下付き文字aは、1であり、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式を有し、
[Z1-D1-N(R)-D-NR1
3]+y[X-x]n
式中、Z1及びD1は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各D、R、R1、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。
【0033】
下付き文字aが、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)の各カチオン性分子において1又は2であるが、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)が、式(I)に対応するが、互いに異なる(例えば、下付き文字aに関して)カチオン性分子の混合物を含み得ることを理解されたい。したがって、下付き文字aは、1又は2であるが、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)を含む混合物は、1.5の平均値などの1~2のaの平均値を有し得る(例えば、a=1の場合のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)のカチオン性分子と、a=2の場合のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)の分子との50:50混合物から)。
【0034】
各Rは、存在する場合(例えば、下付き文字aが1である場合)、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基を独立して表す。いくつかの実施形態では、Rは、Hである。他の実施形態では、Rは、1~4個の炭素原子、例えば、1~3、代替的に1~2個の炭素原子を有するアルキル基である。例えば、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、n-プロピル又はイソ-プロピル基)、又はブチル基(例えば、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、又はtert-ブチル基)であり得る。ある特定の実施形態では、各Rは、メチルである。
【0035】
各R1は、1~4個の炭素原子を有する、独立して選択される非置換ヒドロカルビル基を表す。例えば、ある特定の実施形態では、各R1は、独立して、1~4個の炭素原子、例えば、1~3、代替的に1~2個の炭素原子を有するアルキル基から選択される。そのような実施形態では、各R1は、典型的には、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、n-プロピル及びイソ-プロピル基)、及びブチル基(例えば、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、及びtert-ブチル基)から選択される。独立して選択されるが、ある特定の実施形態では、各R1は、カチオン性界面活性剤中の各他のR1と同じである。例えば、ある特定の実施形態では、各R1は、メチル又はエチルである。具体的な実施形態では、各R1は、メチルである。
【0036】
各Dは、独立して選択される二価連結基(「連結基D」)を表す。典型的には、連結基Dは、置換及び非置換炭化水素基から選択される。そのような炭化水素基の例としては、Rx、D1、及びD3に関して上に記載したもののうちのいずれなどの、上述のヒドロカルビル及び炭化水素基の二価形態が挙げられる。したがって、連結基Dでの使用又は連結基Dとしての使用に好適な炭化水素基が、直鎖状又は分岐状であり得、任意の他の二価連結基と同じであっても異なってもよいことが理解されよう。
【0037】
ある特定の実施形態では、連結基Dは、二価連結基D1に関して上述したもののうちの1つなどのアルキレン基を含む。例えば、ある特定の実施形態では、連結基Dは、1~8個の炭素原子、例えば、1~6、代替的に2~6、代替的に2~4個の炭素原子を有するアルキレン基を含む。いくつかのそのような実施形態では、連結基Dのアルキレン基は、非置換である。そのようなアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。
【0038】
ある特定の実施形態では、連結基Dは、置換アルキレン基などの置換炭化水素基を含むか、代替的にそれである。そのような実施形態では、例えば、連結基Dは、典型的には、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O)を骨格に有するか、又はその炭素原子のうちの1つに結合している炭素骨格を含む。例えば、いくつかの実施形態では、連結基Dは、式-D’-CH(-(CH2)e-OH)-D’-を有するヒドロキシル-置換炭化水素を含み、式中、各D’は、独立して、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字eは、0又は1である。そのような実施形態では、少なくとも1つのD’は、典型的には、上述のもののうちのいずれかなどの、独立して選択されるアルキレン基を含む。例えば、いくつかの実施形態では、各D’は、独立して、1~8個の炭素原子、例えば、1~6、代替的に1~4、代替的に1~2個の炭素原子を有するアルキレン基から選択される。ある特定の実施形態では、各D’は、メチレン(すなわち、-CH2-)である。しかしながら、一方又は両方のD’が、別の二価連結基(すなわち、上述のアルキレン基を除く)であり得るか、又はそれを含み得ることを理解されたい。
【0039】
いくつかの実施形態では、各連結基Dは、独立して選択されるヒドロキシプロピレン基である(すなわち、各D
’は、独立して、共有結合及びメチレンから選択されるが、但し、下付き文字eが1である場合に少なくとも1つのD
’が共有結合であり、下付き文字eが0である場合に各D
’がメチレンである)。したがって、いくつかのそのような実施形態では、各連結基Dは、独立して、以下の式
【化3】
のうちの1つを有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、シロキサン部分Z
1は、分岐状シロキサン部分であり、二価結基Dは、各D
3がプロピレンであり、かつR
7がHである、アミノ置換炭化水素であり、下付き文字aは、1であり、Rは、Hであり、各連結基Dは、(2-ヒドロキシ)プロピレン基であり、各R
1は、メチルであり、Xは、モノアニオンであり、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式を有し、
【化4】
式中、各R
3は、上記で定義及び説明されたとおりであり、Xは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。他の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、下付き文字a=2であること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式を有し、
【化5】
式中、各R
3は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Xは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。他の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、R
7が四級アンモニウム部分Yであること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式を有し、
【化6】
式中、各R
3は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Xは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。更に他の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、下付き文字a=1であり、かつRがHであること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、以下の式を有し、
【化7】
式中、各R
3は、上記で定義及び説明されたとおりであり、各Xは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。
【0041】
各Xは、上付き文字xで表される電荷を有するアニオンである。したがって、当業者には理解されるように、xは特に限定されず、1つ以上のカチオン性四級アンモニウム部分Yのイオン対合/電荷バランスに好適な任意のアニオンであり得る。したがって、各Xは、2つ以上のカチオン性四級アンモニウム部分Yと釣り合うのに十分であり得るように、独立して選択されるモノアニオン又はポリアニオン(例えば、ジアニオンなど)であり得る。したがって、アニオンXの数(すなわち、下付き文字n)は、カチオン性四級アンモニウム部分Yの数及び選択されるXの電荷(すなわち、上付き文字x)に基づいて容易に選択される。
【0042】
好適なアニオンの例としては、有機アニオン、無機アニオン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。典型的には、各アニオンXは、独立して、カチオン性界面活性剤の他の部分と非反応性であるモノアニオンから選択される。そのようなアニオンの例としては、媒体及び強酸の共役塩基、例えば、ハロゲン化物イオン(例えば、クロリド、ブロミド、ヨーデイド、フルオリド)、スルフェート(例えば、アルキルスルフェートなど)、スルホネート(例えばトリフラート、ベンジル、又は他のアリールスルホネートなど)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせなどが挙げられる。ホスフェート、ニトラート、カルボキシレート(例えば、アセテート)などの有機アニオンなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせなどの他のアニオンも利用され得る。そのようなアニオンの誘導体には、上記の例が命名されている2つ以上の官能基を含むポリアニオン性化合物が含まれることを理解されたい。例えば、ポリカルボキシレート(例えば、クエン酸など)のモノ及び/又はポリアニオンは、上記のアニオンによって包含される。アニオンの他の例としては、トシレートアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、テトラフルオロボレートアニオンなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0043】
ある特定の実施形態では、各アニオンXは、1~3の原子価を有する無機アニオンである。そのようなアニオンの例としては、塩素、臭素、ヨウ素、6~18個の炭素原子を有するアリールスルホネート、ニトラート、ニトライト、及びボレートアニオンなどのモノアニオン、スルフェート及びサルファイトなどのジアニオン、並びにホスフェートなどのトリアニオンが挙げられる。ある特定の実施形態では、各Xは、ハロゲン化物アニオンである。いくつかのそのような実施形態では、各Xは、クロリド(すなわち、Cl-)である。
【0044】
シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、構造、分子量、分岐度、ケイ素及び/又は炭素含有量、カチオン性四級アンモニウム基Yの数(例えば、下付き文字aが平均値を表す場合)などの少なくとも1つの特性が異なる、上記一般式(I)で表される組み合わせ又は2つ以上の異なるシロキサンカチオン性界面活性剤を含み得る。
【0045】
シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、調製された組成物の形態、その所望の使用、その中に存在する他の成分などに応じて、組成物において任意の量で利用され得る。例えば、当業者であれば、組成物が濃縮物として配合される場合、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)が、非濃縮形態(例えば、水性皮膜形成フォーム組成物)と比較してより高い相対量で存在することを理解するであろう。したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)は、組成物の総重量に基づいて(すなわち、重量/重量)、0.001~60重量%の量などの任意の量で組成物中に存在し得る。典型的には、組成物は、最終使用組成物(すなわち、使用可能なフォーム安定化組成物を含む任意の完全に配合された組成物)に、最終使用組成物の総重量に基づいて、0.01~1重量%のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)(すなわち、0.01~1重量%の成分(A)の活性量)を提供するのに十分な量で、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)を含む。例えば、ある特定の実施形態では、成分(A)は、組成物又はそれを含む最終使用組成物の総重量に基づいて、0.05~1重量%、例えば、0.1~0.9、代替的に0.1~0.7、代替的に0.1~0.5、代替的に0.1~0.4、代替的に0.15~0.4、代替的に0.2~0.4重量%の活性量で利用される。
【0046】
上記で紹介されたように、組成物の成分(B)は、有機カチオン性界面活性剤、すなわち、対イオンと電荷バランスのとれたカチオン性四級有機アンモニウム化合物を含む錯体である。特に、有機カチオン性界面活性剤(B)は、炭化水素部分及び1つ以上の四級アンモニウム部分を含み、以下の一般式(II)に適合し、
[Z2-D2-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n (II)
式中、Z2は、非置換ヒドロカルビル基であり、D2は、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字bは、1又は2であり、各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつ上記で定義されたとおりである。
【0047】
有機カチオン性界面活性剤(B)及び式(II)に関して、各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xは、独立して選択され、かつシロキサンカチオン性界面活性剤(A)に関して上記で定義されるとおりである。したがって、具体的な選択は、有機カチオン性界面活性剤(B)を表す式(II)におけるこれらの変数に関して以下に例示されるが、そのような選択が限定的ではなく、むしろR、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字x、並びにそれらの変数(例えば、四級アンモニウム部分Yの二価連結基D、基D’、及び二価連結基Dの下付き文字eなど)の全ての説明であることが理解されよう。
【0048】
Z2は、非置換ヒドロカルビル基であり、そうでなければ特に限定されない。好適なそのようなヒドロカルビル部分の例としては、Rxに関して上述した非置換一価炭化水素部分が挙げられる。したがって、ヒドロカルビル部分Z2が、直鎖状、分岐状、環状、又はそれらの組み合わせを含み得るか、代替的にそれであり得ることが理解されよう。同様に、ヒドロカルビル基Z2は、エチレン性及び/又はアセチレン性不飽和(すなわち、別の言い方ではそれぞれアルケン及びアルキンとして既知であるC-C二重及び/又は三重結合)を含む、脂肪族不飽和を含み得る。ヒドロカルビル基Z2は、1つのみのそのような不飽和基を含み得るか、又は代替的に2つ以上の不飽和基を含み得、これは、非共役型若しくは共役型であり得(例えば、ヒドロカルビル部分Z2がジエン、エン-イン、ジインなどを含む場合)、及び/又は芳香族であり得る(例えば、ヒドロカルビル部分Z2がフェニル基、ベンジル基などを含む場合)。
【0049】
いくつかの実施形態では、ヒドロカルビル部分Z2は、5~20個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル部分である。ある特定のそのような実施形態では、ヒドロカルビル部分Z2は、アルキル基を含むか、代替的にアルキル基である。好適なアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状(例えば、単環式又は多環式)、又はそれらの組み合わせであり得る、飽和アルキル基が挙げられる。そのようなアルキル基の例としては、一般式CfH2f-2g+1を有するものが挙げられ、式中、下付き文字fは、5~20(すなわち、アルキル基に存在する炭素原子の数)であり、下付き文字gは、独立した環/環状ループの数であり、下付き文字fで指定される少なくとも1つの炭素原子は、上記一般式(II)において基D2に結合している。そのようなアルキル基の直鎖状及び分岐状異性体の例(すなわち、アルキル基が下付き文字f=0になるように環状基を含まない場合)としては、一般式CfH2f+1を有するものが挙げられ、式中、下付き文字fは、上記で定義されたとおりであり、下付き文字fで指定される少なくとも1つの炭素原子は、上記一般式(II)において基D2に結合している。単環式アルキル基の例としては、一般式CfH2f-1を有するものが挙げられ、式中、下付き文字fは、上記で定義されたとおりであり、下付き文字fで指定される少なくとも1つの炭素原子は、上記一般式(II)において基D2に結合している。
【0050】
そのようなアルキル基の具体例としては、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、及びエイコシル基が挙げられ、それらの直鎖状、分岐状、及び/又は環状異性体が挙げられる。例えば、ペンチル基は、n-ペンチル(すなわち、直鎖状異性体)及びシクロペンチル(すなわち、環状異性体)、並びに分岐状異性体、例えば、イソペンチル(すなわち、3-メチルブチル)、ネオペンチル(すなわち、2,2-ジメチルプロピル)、tert-ペンチル(すなわち、2-メチルブタン-2-イル)、sec-ペンチル(すなわち、ペンタン-2-イル)、sec-イソペンチル(すなわち、3-メチルブタン-2-イル)など)、3-ペンチル(すなわち、ペンタン-3-イル)、及び活性ペンチル(すなわち、2-メチルブチル)を包含する。
【0051】
ある特定の実施形態では、ヒドロカルビル部分Z2は、式-(CH2)f-1CH3の非置換直鎖状アルキル基を含むか、代替的にそれであり、式中、下付き文字fは、上述のように5~20である。いくつかのそのような実施形態では、ヒドロカルビル部分Z2は、そのような非置換直鎖状アルキル基であり、式中、下付き文字fは、7~19であり、したがって、ヒドロカルビル部分Z2は、6~18個の炭素原子を有する非置換直鎖状アルキル基である。ある特定のそのような実施形態では、下付き文字bは、7、9、11、又は13であり、したがって、ヒドロカルビル部分Z2は、それぞれ、6、8、10、又は12個の炭素原子を有する非置換直鎖状アルキル基である。
【0052】
下付き文字bは、1又は2である。シロキサンカチオン性界面活性剤(A)の下付き文字aに関する説明を考慮して当業者には理解されるように、下付き文字bは、部分式-N(Y)b(R)2-bで表される有機カチオン性界面活性剤(B)の四級アンモニウム-置換アミノ部分が、四級アンモニウム基Y(すなわち、部分式(-D-NR1
3
+)の基)のうちの1つ又は2つを有するか否かを示す。同様に、そのような四級アンモニウム基Yの各々のように、下付き文字bは、部分bで示される四級アンモニウム基Yからカチオン電荷のバランスをとるのに必要な対アニオンの数(すなわち、以下に説明されるようなアニオンXの数)も示す。
【0053】
下付き文字bが、有機カチオン性界面活性剤(B)の各カチオン性分子において1又は2であるが、有機カチオン性界面活性剤(B)が、式(II)に対応するが、互いに異なる(例えば、下付き文字bに関して)カチオン性分子の混合物を含み得ることを理解されたい。したがって、下付き文字bは、1又は2であるが、有機カチオン性界面活性剤(B)を含む混合物は、1.5の平均値などの1~2のbの平均値を有し得る(例えば、b=1の場合の有機カチオン性界面活性剤(B)のカチオン性分子と、b=2の場合の有機カチオン性界面活性剤(B)の分子との50:50混合物から)。
【0054】
更に有機カチオン性界面活性剤(B)及び式(II)に関して、上記で紹介されたように、D2は、共有結合又は二価連結基を表す。参照を明確かつ容易にするために、以下の具体的な実施形態に関して、D2は、より具体的には、例えば、D2が共有結合又は二価連結基である場合に、それぞれ、「共有結合D2」、又は「二価連結基D2」と称され得る。両方の選択は、以下のある特定の実施形態において説明及び例証される。
【0055】
ある特定の実施形態では、D2は、共有結合であり(すなわち、有機カチオン性界面活性剤(B)は、共有結合D2を含む)、したがって、ヒドロカルビル部分Z2は、アミノN原子に直接結合している。これらの実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式によって表され得、
[Z2-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n
式中、各Z2、Y、R、X、下付き文字b、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。いくつかのそのような実施形態では、ヒドロカルビル部分Z2は、有機カチオン性界面活性剤(B)のアミノN原子に直接結合したアルキル基であり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
[(CfH2f+1)-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n
式中、下付き文字b、下付き文字f、Y、R、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。いくつかのそのような実施形態では、下付き文字fは、6~18、例えば、6~14、代替的に6~12である。
【0056】
ある特定の実施形態では、D2は、二価連結基結合である(すなわち、有機カチオン性界面活性剤(B)は、二価連結基D2を含む)。二価連結基D1は、特に限定されず、一般に、二価連結基D1に関して上述した同じ基から選択される。したがって、二価連結基D2は、典型的には、二価炭化水素基から選択される。そのような炭化水素基の例としては、Rxに関して上に記載したもののうちのいずれかなどの、上述のヒドロカルビル及び炭化水素基の二価形態が挙げられる。したがって、二価連結基D2に好適な炭化水素基が、置換若しくは非置換、直鎖状、分岐状、及び/又は環状であり得、有機カチオン性界面活性剤(B)及び/又はシロキサンカチオン性界面活性剤(A)中の任意の他の連結基と同じであっても異なってもよいことが理解されよう。
【0057】
いくつかの実施形態では、二価連結基D2は、直鎖状又は分岐状アルキル及び/又はアルキレン基を含むか、代替的にそれである。ある特定の実施形態では、二価連結基D2は、C1~C18炭化水素部分、例えば、D1に関して上記で定義された、式-(CH2)d-(すなわち、式中、下付き文字dが1~18である)を有する直鎖状炭化水素部分を含むか、代替的にそれである。いくつかのそのような実施形態では、下付き文字dは、1~16、例えば、1~12、代替的に1~10、代替的に1~8、代替的に1~6、代替的に2~6、代替的に2~4である。特定の実施形態では、下付き文字dは、3であり、したがって、二価連結基D2は、プロピレン(すなわち、3個の炭素原子の鎖)を含む。D2に好適な各アルキル及び/又はアルキレン基が、独立して、非置換及び非分岐状、又は置換及び/若しくは分岐状であり得ることも理解されよう。ある特定の実施形態では、二価連結基D2は、非置換アルキレン基を含むか、代替的にそれである。他の実施形態では、二価連結基D2は、置換アルキレン基などの置換炭化水素基を含むか、代替的にそれである。そのような実施形態では、例えば、二価連結基D2は、典型的には、骨格がエーテル部分、アミン部分などを含むように、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、N、Sなど)を有する炭素骨格を含む。
【0058】
特定の実施形態では、二価連結基D2は、アミノ置換炭化水素基(すなわち、窒素-置換炭素鎖/骨格を含む炭化水素)を含むか、代替的にそれである。例えば、いくつかのそのような実施形態では、二価連結基D2は、式-D4-N(R8)-D4-を有するアミノ置換炭化水素であり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式によって表され得、
[Z2-D4-N(R8)-D4-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n
式中、各D4は、独立して選択される二価連結基であり、R8は、Y又はHであり、各Z2、Y、R、下付き文字b、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。
【0059】
上記で紹介されたように、アミノ置換炭化水素の二価連結基の各D4は、独立して選択される。典型的には、各D4は、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)の二価連結基D3に関して上述したもののうちのいずれかなどの、独立して選択されるアルキレン基を含む。例えば、いくつかの実施形態では、各D4は、独立して、1~8個の炭素原子、例えば、2~8、代替的に2~6、代替的に2~4個の炭素原子を有するアルキレン基から選択される。ある特定の実施形態では、各D4は、プロピレン(すなわち、-(CH2)3-)である。しかしながら、一方又は両方のD4が、別の二価連結基(すなわち、上述のアルキレン基を除く)であり得るか、又はそれを含み得ることを理解されたい。更に、各D4は、置換又は非置換、直鎖状又は分岐状、及びそれらの様々な組み合わせであり得る。
【0060】
上記でも紹介されたように、アミノ置換炭化水素のR8は、H又は四級アンモニウム部分Y(すなわち、上に記載したように、式-D-NR1
3
+を有する)である。例えば、特定の実施形態では、R8は、Hであり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式によって表され得、
[Z2-D4-NH-D4-N(Y)b(R)2-b]+y[X-x]n
式中、各Z2、D4、Y、R、下付き文字b、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。そのような実施形態では、以下の更なる説明から理解されるように、上付き文字yは、下付き文字bにより制御される、1又は2である。より具体的には、四級アンモニウム部分Yの数は、1又は2として下付き文字bによって制御され、それぞれ、+1又は+2の総カチオン電荷を提供する。したがって、そのような実施形態では、上付き文字xも、有機カチオン性界面活性剤(B)が電荷バランスをとるように、1又は2である。
【0061】
ある特定の実施形態では、R
8は、Yであり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式によって表され得、
[Z
2-D
4-NY-D
4-N(Y)
b(R)
2-b]
+y[X
-x]
n
式中、各Z
2、D
4、Y、R、下付き文字b、X、上付き文字y、上付き文字x、及び下付き文字nは、上記で定義及び説明されたとおりである。そのような実施形態では、上付き文字yが2又は3であるように、y=b+1である。より具体的には、四級アンモニウム部分の数は、R
8のY、並びに下付き文字bによって制御される1又は2つの四級アンモニウム部分Yを含み、それぞれ、+2又は+3の総カチオン電荷を提供する。したがって、そのような実施形態では、上付き文字xも、有機カチオン性界面活性剤(B)が電荷バランスをとるように、1、2、又は3である。例えば、いくつかのそのような実施形態では、下付き文字bは、1であり、Xは、モノアニオン性であり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化8】
式中、各Z
2、D
4、R、R
1、及びXは、上記で定義及び説明されたとおりである。他のそのような実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、b=2であること以外は直前に説明したように構成され、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化9】
式中、各Z
2、D
4、R、R
1、及びXは、上記で定義及び説明されたとおりである。
【0062】
ある特定の実施形態では、D
2は、共有結合であり、Z
2は、直鎖状アルキル基であり、下付き文字bは、1であり、Rは、Hであり、各連結基Dは、(2-ヒドロキシ)プロピレン基であり、各R
1は、メチルであり、Xは、モノアニオンであり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化10】
式中、下付き文字fは、5~17(例えば、5~11、代替的に5~9)であり、Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。他の実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、下付き文字b=2であること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化11】
式中、各Xは、上記で定義され、かつ以下に説明されるとおりである。
【0063】
ある特定の実施形態では、Z
2は、3~13個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基であり、D
2は、二価連結基であり、二価連結基D
2は、各D
4がプロピレンであるアミノ置換炭化水素であり、R
8は、Hであり、下付き文字bは、1であり、Rは、Hであり、各連結基Dは、(2-ヒドロキシ)プロピレン基であり、各R
1は、メチルであり、Xは、モノアニオンであり、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化12】
式中、下付き文字f及びXは、上記で定義及び説明されたとおりである。他の実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、下付き文字b=2であること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化13】
式中、下付き文字f及び各Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。他の実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、R
8が四級アンモニウム部分Yであること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化14】
式中、下付き文字f及び各Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。更に他の実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)は、下付き文字b=1であり、かつRがHであること以外は直前に説明したものと同じように構成され、したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、以下の式を有し、
【化15】
式中、下付き文字f及び各Xは、上記で定義及び説明されたとおりである。
【0064】
ある特定の実施形態では、有機カチオン性界面活性剤(B)の各アニオンXは、1~3の原子価を有する無機アニオンである。そのようなアニオンの例としては、塩素、臭素、ヨウ素、6~18個の炭素原子を有するアリールスルホネート、ニトラート、ニトライト、及びボレートアニオンなどのモノアニオン、スルフェート及びサルファイトなどのジアニオン、並びにホスフェートなどのトリアニオンが挙げられる。ある特定の実施形態では、各Xは、ハロゲン化物アニオンである。いくつかのそのような実施形態では、各Xは、クロリド(すなわち、Cl-)である。
【0065】
有機カチオン性界面活性剤(B)は、構造、分子量、分岐度、ケイ素及び/又は炭素含有量、カチオン性四級アンモニウム基Yの数(例えば、下付き文字bが平均値を表す場合)などの少なくとも1つの特性が異なる、上記一般式(II)で表される組み合わせ又は2つ以上の異なるシロキサンカチオン性界面活性剤を含み得る。
【0066】
有機カチオン性界面活性剤(B)は、調製された組成物の形態、その所望の使用、その中に存在する他の成分などに応じて、組成物において任意の量で利用され得る。例えば、当業者であれば、組成物が濃縮物として配合される場合、有機カチオン性界面活性剤(B)が、非濃縮形態(例えば、水性皮膜形成フォーム組成物)と比較してより高い相対量で存在することを理解するであろう。したがって、有機カチオン性界面活性剤(B)は、組成物の総重量に基づいて(すなわち、重量/重量)、0.001~60重量%の量などの任意の量で組成物中に存在し得る。典型的には、組成物は、最終使用組成物(すなわち、使用可能なフォーム安定化組成物を含む任意の完全に配合された組成物)に、最終使用組成物の総重量に基づいて、0.01~1重量%の有機カチオン性界面活性剤(B)(すなわち、0.01~1重量%の有機カチオン性界面活性剤(B)の活性量)を提供するのに十分な量で、有機カチオン性界面活性剤(B)を含む。例えば、ある特定の実施形態では、成分(B)は、組成物又はそれを含む最終使用組成物の総重量に基づいて、0.05~1重量%、例えば、0.1~1、代替的に0.1~0.9、代替的に0.1~0.7、代替的に0.2~0.7、代替的に0.2~0.5重量%の活性量で利用される。
【0067】
シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の各々が独立して選択され、したがって、式(I)及び(II)の各変数が、同じ基/部分を表す場合であっても、及び/又は同じ定義を有する場合であっても、独立して選択されることを理解されたい。しかしながら、ある特定の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、式(I)及び(II)の1つ以上の変数に関して同様の方式で構成される。例えば、ある特定の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の各R
1は、メチルである。これらの又は他の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の各Dは、独立して、以下の式
【化16】
のうちの1つのヒドロキシプロピレン基である。これらの又は他の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の各アニオンXは、同じである。例えば、いくつかのそのような実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の各Xは、ハロゲン化物アニオンであるか、代替的にクロリド(Cl
-)である。
【0068】
ある特定の実施形態では、組成物は、以下の式(A-i)~(A-vii):
【化17-1】
【化17-2】
のうちの1つを有するシロキサンカチオン性界面活性剤(A)と、
以下の式(B-i)~(B-iii):
【化18】
のうちの1つを有する有機カチオン性界面活性剤(B)と、を含む。
【0069】
組成物中で利用されるシロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の相対量は、例えば、選択される特定のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)、選択される特定の有機カチオン性界面活性剤(B)、別の成分が組成物中で利用されるか否かなどに基づいて変動する。
【0070】
典型的には、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、10:1~1:10、例えば、8:1~1:8、代替的に6:1~1:6、代替的に4:1~1:4、代替的に2:1~1:2、代替的に1:1(A):(B)の比率で利用される。例えば、ある特定の実施形態では、組成物は、成分(A)に対して過剰の成分(B)を含み得、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、1:1(A):(B)未満から、例えば、1:1.1~1:10、代替的に1:1.5~1:10、代替的に1:2~1:10、代替的に1:3~1:10、代替的に1:4~1:10、代替的に1:5~1:10(A):(B)の重量比(すなわち、重量/重量)で利用される。他の実施形態では、組成物は、成分(B)に対して過剰の成分(A)を含み得、したがって、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、1:1(A):(B)超、例えば、1.1:1~10:1、代替的に1.5:1~10:1、代替的に2:1~10:1、代替的に2:1~8:1、代替的に2:1~6:1、代替的に2:1~5:1(A):(B)の重量比(すなわち、重量/重量)で利用される。しかしながら、上記の具体的な範囲外の比率も利用してもよいことが理解されよう。例えば、ある特定の実施形態では、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)のうちの一方は、他方が全体的に過剰して(例えば、他方の量より≧5、代替的に≧10、代替的に≧15、代替的に≧20倍の量で)利用される。
【0071】
組成物は、担体ビヒクル(例えば、溶媒、希釈剤、分散剤など)を含み得る。そのような実施形態では、担体ビヒクルは、選択される特定の成分(A)及び(B)に基づいて、並びに組成物中(すなわち、最終使用組成物中)に利用される、及び/又は組成物と組み合わされる任意の他の成分に基づいて選択される。担体ビヒクルは、当該技術分野で既知であり、一般に、溶媒、流体、油など、並びにそれらの組み合わせを含む。
【0072】
溶媒の例としては、水性溶媒、有機溶媒、及びそれらの組み合わせが挙げられる。水性溶媒の例としては、水並びに水と相溶性のある極性及び/又は荷電(すなわち、イオン)溶媒が挙げられる。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、及びn-プロパノールなどのアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトンなどのケトン;ベンゼン、トルエン、及びキシレンなどの芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン、及びオクタンなどの脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、及びエチレングリコールn-ブチルエーテルなどのグリコールエーテル;ジクロロメタン、1,1,1-トリクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル;テトラヒドロフラン、ホワイトスピリット;ミネラルスピリット;ナフサ;n-メチルピロリドンなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせを含むものが挙げられる。水と一般に相溶性のあるそのような極性有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、2-ブタノン、テトラヒドロフラン、アセトン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0073】
流体の例としては、有機流体、シリコーン流体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。有機流体には、典型的には、揮発性及び/若しくは半揮発性炭化水素、エステル、並びに/又はエーテルを含む有機油が含まれる。そのような有機流体の一般例としては、C6~C16アルカン、C8~C16イソアルカン(例えば、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカンなど)、C8~C16分岐状エステル(例えば、イソヘキシルネオペンタノエート、イソデシルネオペンタノエートなど)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。有機流体の追加の例としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、3個超の炭素原子を有するアルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、ハロゲン化アルキル、芳香族ハロゲン化物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。炭化水素としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、Isopar L(C11~C13)、Isopar H(C11~C12)、水素化ポリデセンが挙げられる。エーテル及びエステルとしては、イソデシルネオペンタノエート、ネオペンチルグリコールヘプタノエート、グリコールジステアレート、ジカプリリルカーボネート、ジエチルヘキシルカーボネート、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、エチル-3エトキシプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、トリデシルネオペンタノエート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(propylene glycol methylether acetate、PGMEA)、プロピレングリコールメチルエーテル(propylene glycol methylether、PGME)、オクチルドデシルネオペンタノエート、ジイソブチルアジペート、ジイソプロピルアジペート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、オクチルエーテル、オクチルパルミテート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。シリコーン流体は、典型的には、低粘度及び/又は揮発性シロキサンを含む。そのようなシリコーン流体の例としては、低粘度粘度有機ポリシロキサン、揮発性メチルシロキサン、揮発性エチルシロキサン、揮発性メチルエチルシロキサンなど、又はそれらの組み合わせが挙げられる。典型的には、シリコーン流体は、25℃で1~1,000mm2/秒の範囲の粘度を有する。シリコーン流体の具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、ヘキサデカメチルヘプタシロキサン、ヘプタメチル-3-{(トリメチルシリル)オキシ)}トリシロキサン、ヘキサメチル-3,3、ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサンペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン、並びにポリジメチルシロキサン、ポリエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、カプリリルメチコン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキシルトリメチコンなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。シリコーン流体の追加の例としては、5×10-7~1.5×10-6m2/秒の蒸気圧を有するポリ有機シロキサンが挙げられる。
【0074】
他の担体ビヒクルも利用してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、担体ビヒクルは、イオン液体を含む。イオン液体の例としては、アニオン-カチオンの組み合わせが挙げられる。一般に、アニオンは、アルキルスルフェート系アニオン、トシレートアニオン、スルホネート系アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、テトラフルオロボレートアニオンなどから選択され、カチオンは、イミダゾリウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン、リチウムカチオンなどから選択される。しかしながら、複数のカチオン及びアニオンの組み合わせも使用してもよい。イオン液体の具体例としては、典型的には、1-ブチル-1-メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピロリジニウムビス-(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、3-メチル-1-プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N-ブチル-3-メチルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-メチル-1-プロピルピリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ジアリルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,2-ジメチル-3-プロピルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ビニルイミダゾリウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1-アリル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0075】
ある特定の実施形態では、組成物は、(C)溶媒を更に含む。溶媒(C)は、組成物へのある特定の成分の導入、成分の混合及び/又は均質化などを容易にし得る。同様に、特定の溶媒(C)は、成分(A)及び(B)並びに/又は組成物中で利用される他の成分の溶解度、溶媒の揮発性(すなわち、蒸気圧)、組成物の最終使用などに基づいて選択される。溶解度は、成分(A)及び(B)を溶解及び/又は分散させて均質な組成物を形成するのに十分な溶媒(C)を指す。したがって、組成物で使用するための溶媒は、一般に、成分(A)及び(B)、又は組成物の別の成分の流動化及び/又は溶解に好適な上述の担体ビヒクルのうちのいずれかから選択され得る。当業者には理解されるように、有機溶媒は組成物中で利用され得るが、そのような有機溶媒は、典型的には、特に有機溶媒が可燃性である場合に、組成物又はそれを含む最終使用組成物を利用する前に除去される。
【0076】
ある特定の実施形態では、溶媒(C)は、水性溶媒であり、水を含むか、代替的に水から本質的になるか、代替的に水である。水は、特に限定されない。例えば、蒸留水及びイオン交換水などの精製水、生理食塩水、リン酸緩衝水性溶媒など、又はそれらの組み合わせ及び/若しくは改質物を使用することができる。いくつかのそのような実施形態では、溶媒(C)は、水及び水混和性溶媒などの少なくとも1つの他の溶媒(すなわち、共溶媒)を含む。そのような共溶媒の例としては、上述の水混和性担体ビヒクルのいずれかが挙げられ得る。共溶媒の特定の例としては、グリセロール、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、ジエチレン及びジプロピレングリコールのエーテル(例えば、メチル、エチル、プロピル、及びブチルエーテルなど)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0077】
利用される溶媒(C)の量は、限定されず、選択される溶媒の種類、用いられる成分(A)及び(B)の量及び種類、組成物の形態(すなわち、濃縮物、中間体組成物、又は最終使用組成物か否か)などの様々な要因に依存する。典型的には、利用される溶媒(C)の量は、組成物の総重量、又は成分(A)、(B)、及び(C)の合計重量に基づいて、0.1~99.9重量%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、溶媒(C)は、成分(A)、(B)、及び(C)の合計重量に基づいて、50~99.9重量%、例えば、60~99.9、代替的に70~99.9、代替的に80~99.9、代替的に90~99.9、代替的に95~99.9、代替的に98~99.9、代替的に98.5~99.9、代替的に98.5~99.7、代替的に98.7~99.7重量%の量で利用される。当業者は、これらの範囲の上限が一般に、利用される成分(A)及び(B)(すなわち、最終使用組成物中)の活性量を反映する。したがって、これらの範囲外の量も利用してもよい。
【0078】
組成物において、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)は、単独で(すなわち、ニートで、又は溶媒(C)と組み合わせて)、少なくとも1つの補助成分と共に、又は少なくとも1つの他の成分への補助として、任意選択的に1つ以上の添加剤(例えば、薬剤、アジュバント、原料、調整剤など)の存在下で使用され得る。したがって、ある特定の実施形態では、組成物は、1つ以上の添加剤などの1つ以上の追加の成分を更に含む。そのような添加剤が、当該技術分野の異なる用語に分類され得、添加剤がそのような用語に分類されるからといって、それらがその機能にそのように限定されることを意味しないことを理解されたい。更に、これらの添加剤のうちのいくつかは、組成物の特定の成分中に存在し得るか、又は代わりに、組成物を形成するときに組み込まれ得る。典型的には、組成物は、例えば、組成物中の特定の種類及び/又その機能に応じて、任意の数の添加剤を含み得る。
【0079】
例えば、ある特定の実施形態では、組成物は、(D)界面活性剤(すなわち、成分(A)及び(B)以外)、(E)レオロジー調整剤、(F)pH制御剤、及び(G)フォームエンハンサ、を含むか、代替的にそれから本質的になるか、代替的にそれらからなる、1つ以上の添加剤成分を含み得る。
【0080】
ある特定の実施形態では、組成物は、界面活性剤(D)を更に含む。界面活性剤(D)は、成分(A)及び(B)のカチオン性界面活性剤以外の界面活性剤であり、そうでなければ特に限定されない。したがって、界面活性剤(D)は、上述したもののうちのいずれか1つ以上などの、1つ以上のアニオン性、カチオン性、非イオン性、及び/又は両性界面活性剤を含み得る。一般に、界面活性剤(C)は、組成物及び/又はそれを含む最終使用組成物のある特定の特性、例えば、適合性、発泡性、フォーム安定性、フォーム拡散、及び/若しくは排水(例えば、蒸気封止/封じ込め)などを付与、変更、及び/又は容易にするように選択される。ある特定の実施形態では、界面活性剤(D)は、水溶性界面活性剤から選択される。
【0081】
いくつかの実施形態では、界面活性剤(D)は、イオン性界面活性剤を含むか、代替的にそれである。アニオン性界面活性剤の例としては、カルボキシレート(ナトリウム2-(2-ヒドロキシアルキルオキシ)アセテート))、アミノ酸誘導体(N-アシルグルタメート、N-アシルグリシネート、又はアシルサルコシネート)、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート及びそのオキシエチレン化誘導体、スルホネート、イセチオネート及びN-アシルイセチオネート、タウレート及びN-アシルN-メチルタウレート、スルホサクシネート、アルキルスルホアセテート、ホスフェート及びアルキルホスフェート、ポリペプチド、アルキルポリグルコシドのアニオン性誘導体(アシル-D-ガラクトシドウロネート)、及び脂肪酸石鹸、アルカリ金属スルホリシネート、ココナツ油酸のスルホン化モノグリセリドなどの脂肪酸のスルホン化グリセリルエステル、ナトリウムオレイルイセチアネートなどのスルホン化一価アルコールエステルの塩、オレイルメチルタウリドのナトリウム塩などのアミノスルホン酸のアミド、パルミトニトリルスルホネートなどの脂肪酸ニトリルのスルホン化生成物、ナトリウムアルファ-ナフタレンモノスルホネートなどのスルホン化芳香族炭化水素、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナトリウムオクタヒドロアントラセンスルホネート、ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、及びトリエタノールアミンラウリルスルフェートなどのアルカリ金属アルキルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、アンモニウムラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムアルキルアリールエーテルスルフェート、及びアンモニウムアルキルアリールエーテルスルフェートなどの8個以上の炭素原子のアルキル基を有するエーテルスルフェート、8個以上の炭素原子の1つ以上のアルキル基を有するアルキルアリールスルホネート、ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、及びミリスチルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩によって例示されるアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩、CH3(CH2)6CH2O(C2H4O)2SO3H、CH3(CH2)7CH2O(C2H4O)3.5SO3H、CH3(CH2)8CH2O(C2H4O)8SO3H、CH3(CH2)19CH2O(C2H4O)4SO3H、及びCH3(CH2)10CH2O(C2H4O)6SO3Hを含む、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル、アルキルナフチルスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、及びアミン塩など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0082】
いくつかの実施形態では、界面活性剤(D)は、カチオン性界面活性剤を含むか、代替的にそれである。カチオン性界面活性剤の例としては、様々な脂肪酸アミン及びアミド並びにそれらの誘導体と、脂肪酸アミン及びアミドの塩とが挙げられる。脂肪族脂肪酸アミンの例としては、ドデシルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテート、及びタロー脂肪酸のアミンのアセテート、ドデシルアナリン(dodecylanalin)などの脂肪酸を有する芳香族アミンの同族体、ウンデシルイミダゾリンなどの脂肪族ジアミンから誘導された脂肪族アミド、ウンデシルイミダゾリンなどの脂肪族ジアミンから誘導された脂肪族アミド、オレイルアミノジエチルアミンなどの二置換アミンから誘導された脂肪族アミド、エチレンジアミンの誘導体、四級アンモニウム化合物及びタロートリメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルアンモニウムクロリドにより例示されるその塩、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド及びヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシドなどのジアルキルジメチルアンモニウムヒドロキシド、タロートリメチルアンモニウムヒドロキシド、ココナツ油、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルポリオキシエチレンココアンモニウムクロリド、及びジパルミチルヒドロキシエチルアンモニウムメトスルフェート、ベータ-ヒドロキシルエチルステアリルアミドなどのアミノアルコールのアミド誘導体、長鎖脂肪酸のアミン塩など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0083】
いくつかの実施形態では、界面活性剤(D)は、非イオン性界面活性剤を含むか、代替的にそれである。非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ラウリル、セチル、ステアリル、又はオクチルなど)、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノレエート、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、エトキシル化トリメチルノナノール、ポリオキシアルキレングリコール変性ポリシロキサン界面活性剤、ポリオキシアルキレン置換シリコーン(レーキ型又はABn型)、シリコーンアルカノールアミド、シリコーンエステル、シリコーングリコシド、ジメチコンコポリオール、ポリオールの脂肪酸エステル、例えばソルビトール及びグリセリルモノ-、ジ-、トリ-及びセスキ-オレエート、及びステアレート、グリセリル及びポリエチレングリコールラウレート;ポリエチレングリコール(ポリエチレングリコールモノステアレート及びモノラウレートなど)の脂肪酸エステル、ソルビトールのポリオキシエチレン化脂肪酸エステル(ステアレート及びオレエートなど)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0084】
いくつかの実施形態では、界面活性剤(D)は、両性界面活性剤を含むか、代替的にそれである。両性界面活性剤の例としては、アミノ酸界面活性剤、ベタイン酸界面活性剤、トリメチルノニルポリエチレングリコールエーテル、及び11~15個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を含有するポリエチレングリコールエーテルアルコール、例えば、2,6,8-トリメチル-4-ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(6 EO)(OSi Specialties,A Witco Company,Endicott,NYによりTergitol(登録商標)TMN-6として販売されている)、2,6,8-トリメチル-4-ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(10 EO)(OSi Specialties,A Witco Company,Endicott,NYによりTergitol(登録商標)TMN-10として販売されている)、アルキレン-オキシポリエチレンオキシエタノール(C11~15二級アルキル、9 EO)(OSi Specialties,A Witco Company,Endicott,NYによりTergitol(登録商標)15-S-9として販売されている)、アルキレン-オキシポリエチレンオキシエタノール(C11~15二級アルキル、15 EO)(OSi Specialties,A Witco Company,Endicott,NYによってTergitol(登録商標)15-S-15として販売されている)、オクチルフェノキシポリエトキシエタノールなどの変動する量のエチレンオキシド単位を有するオクチルフェノキシポリエトキシエタノール(40 EO)(Rohm and Haas Company,Philadelphia,Pa.によってTriton(登録商標)X405として販売されている)、Trycolの一般的な商品名でEmery Industries,Mauldin,S.C.から入手可能である非イオン性エトキシ化トリデシルエーテル、Aerosolの一般的な商品名でAmerican Cyanamid Company,Wayne,N.J.から入手可能であるジアルキルスルホサクシネートのアルカリ金属塩、一級脂肪族アミンのポリエトキシ化四級アンモニウム塩及びエチレンオキシド縮合生成物(Ethoquad、Ethomeen、又はArquadの商品名でArmak Company,Chicago,llinoisから入手可能)、ポリオキシアルキレングリコール変性ポリシロキサン、N-アルキルアミドベタイン及びその誘導体、タンパク質及びその誘導体、グリシン誘導体、スルタイン、アルキルポリアミノカルボキシレート、及びアルキルアンホアセテートなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。これらの界面活性剤は、また他の供給元から異なる商品名で入手してもよい。
【0085】
界面活性剤(D)は、例えば、その特定の形態、界面活性剤(D)に選択される特定の界面活性剤、成分(A)及び/又は(B)の装填/活性量などに応じて、変動する濃度で組成物中に含まれ得る。典型的には、界面活性剤(D)は、組成物又はそれを含む最終使用組成物の総重量に基づいて、0超~10、代替的に0.01~5、代替的に0.01~3重量%の量で利用される。
【0086】
ある特定の実施形態では、組成物は、レオロジー調整剤(E)を更に含む。レオロジー調整剤(E)は、特に限定されず、一般に、組成物又はそれを含む最終使用組成物の粘度、流動特性、及び/又はフォーミング特性(すなわち、フォーム形成能力及び/又はフォーム安定性)を変更するように選択される。したがって、レオロジー調整剤(E)は、特に限定されず、増粘剤、安定剤、粘度調整剤、チキソトロープ剤など、又はそれらの組み合わせを含み得、これらは一般に、天然又は合成増粘化合物から選択される。いくつかの実施形態では、レオロジー調整剤(E)は、1つ以上の水溶性及び/又は水相溶性増粘化合物(例えば、水溶性有機ポリマーなど)を含む。
【0087】
レオロジー調整剤(E)での使用又はレオロジー調整剤(E)としての使用に好適な化合物の例としては、アクリルアミドコポリマー、アクリレートコポリマー、及びそれらの塩(例えば、ナトリウムポリアクリレートなど)、セルロース(例えば、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリプロピルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、デンプン(例えば、デンプン、ヒドロキシエチルデンプンなど)、ポリオキシアルキレン(例えば、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマーなど)、カルボマー、アジネート(例えば、ナトリウムアジネート)、様々なガム(例えば、アラビアゴム、カシアガム、カロブガム、スクレログルカンガム、キサンタンガム、ゲランガム、ラムザンガム、カラヤガム、カラギーナンガム、グアーガムなど)、コカミド誘導体(例えば、コカミドプロピルベタインなど)、中鎖から長鎖のアルキル及び/又は脂肪酸アルコール(例えば、セテアリルアルコール、ステアリルアルコールなど)、ゼラチン、サッカライド(例えば、果糖、グルコース、PEG-120メチルグルコースジオレートなど)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0088】
ある特定の実施形態では、組成物は、pH制御剤(F)を含む。pH制御剤(F)は、特に限定されず、組成物のpHを修正若しくは調整するため、及び/又は組成物のpHを特定の範囲で維持(例えば調節)するために好適な任意の化合物を含み得るか、又はそれであり得る。したがって、当業者には理解されるように、pH制御剤(F)は、以下に説明するもののうちのいずれか1つ以上などの、pH調整剤(例えば、酸及び/又は塩基)、pH緩衝液、又はそれらの組み合わせを含むか、代替的にそれである。
【0089】
酸の例としては、一般に、鉱酸(例えば、塩酸、リン酸、硫酸など)、有機酸(例えば、クエン酸など)など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。塩基の例としては、一般に、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、カーボネート(例えば、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩など)、ホスフェートなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0090】
ある特定の実施形態では、pH制御剤(F)は、pH緩衝液を含むか、代替的にそれである。好適なpH緩衝液は、特に限定されず、組成物のpHを調整することができ、かつ/又は組成物のpHを特定の範囲で維持(例えば調節)することができる任意の緩衝化合物を含み得るか、代替的にそれであり得る。当業者には理解されるように、好適な緩衝液及び緩衝化合物の例は、添加剤間の機能の重複に起因して、上述のものを含むある特定のpH調整剤と重複し得る。したがって、両方をpH制御剤(F)で利用又はpH制御剤(F)として利用する場合、pH緩衝液及びpH調整剤は、互いに独立して又は集合的に選択され得る。
【0091】
一般に、好適なpH緩衝液は、酸、塩基、又は塩を含む(例えば、酸/塩基の共役塩基/酸を含む)緩衝化合物から選択される。緩衝化合物の例としては、一般に、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、カーボネート(例えば、セスキカーボネート、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩など)、ボレート、シリケート、ホスフェート、イミダゾール、クエン酸、ナトリウムシトラートなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。いくつかのpH緩衝液の例としては、シトラート緩衝液、グリセロール緩衝液、ボレート緩衝液、ホスフェート緩衝液、及びそれらの組み合わせ(例えば、クエン酸-ホスフェート緩衝液など)が挙げられる。したがって、pH制御剤(F)のpH緩衝液での使用又はpH緩衝液としての使用に好適な特定の緩衝化合物のいくつかの例としては、エチレンジアミン四酢酸(例えば、ジナトリウムEDTAなど)、トリエタノールアミン(例えば、トリス(2-ヒドロキシエチル)アミンなど)、シトラート及び他のポリカルボン酸系化合物など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせが挙げられる。
【0092】
いくつかの実施形態では、組成物は、フォームエンハンサ(G)を含む。フォームエンハンサ(G)での使用又はフォームエンハンサとしての使用に好適な特定の化合物/組成物としては、限定されないが、一般に、組成物又はそれを含む最終使用組成物のフォーミング特性(例えば、発泡性、フォーム安定性、フォーム排水、フォーム展延性、フォーム密度など)を付与、増強、及び修正することができるものが挙げられる。したがって、当業者は、フォームエンハンサ(G)での使用又はフォームエンハンサ(G)としての使用に好適な化合物/組成物が、組成物の他の添加剤/成分に関して本明細書に説明したものと重複し得ることを容易に理解するであろう。
【0093】
例えば、ある特定の実施形態では、フォームエンハンサ(G)は、電解質(例えば、様々なアニオンのアルカリ金属及び/又はアルカリ土類塩、例えば、クロリド、ボレート、シトラート、並びに/又はナトリウム、カリウム、カルシウム、及び/若しくはマグネシウムのスルフェート塩、アルミニウムクロロ水和物など)から選択される安定剤、高分子電解質(例えば、ヒアルロン酸ナトリウムなどのヒアルロン酸塩)、ポリオール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ソルビトール)、ハイドロコロイドなど、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせを含む。
【0094】
ある特定の実施形態では、フォームエンハンサ(G)は、サッカライド化合物、すなわち、少なくとも1つのサッカライド部分を含む化合物を含む。「サッカライド」という用語が、一般的な状況下では「炭水化物」という用語と、より具体的な状況下では「糖質」のような用語と同義的に使用され得ることを理解されたい。したがって、任意の特定のサッカライドの命名は、フォームエンハンサ(G)での使用又はフォームエンハンサ(G)としての使用に好適なサッカライド化合物に関して排他的ではない。むしろ、当業者には理解されるように、好適なサッカライド化合物は、サッカライド、炭水化物、糖質、デンプン、セルロースなど、又はそれらの誘導体若しくは改質物、あるいはそれらの組み合わせとして説明され得る部分を含む任意の化合物を含み得るか、代替的にそれであり得る。同様に、サッカライド化合物中の2つ以上のサッカライド部分の任意の組み合わせは、より記述的な用語で説明され得る。例えば、「ポリサッカライド」という用語は、「グリコシド」という用語と同義的に使用され得、両方の用語は、一般に、2つ以上のサッカライド部分の組み合わせを指す(例えば、サッカライド部分の組み合わせは、グリコシド結合を介して共に結合し、集合的にグリコシド部分を形成する)。当業者は、「デンプン」及び「セルロース」などの用語を使用して、具体的な状況下でのサッカライド部分のそのような組み合わせを指し得ることを理解するであろう(例えば、サッカライド化合物中の2つ以上のサッカライド部分の組み合わせが、「デンプン」又は「セルロース」などとして当該技術分野で既知の構造に適合する場合)。
【0095】
したがって、フォームエンハンサ(G)での使用又はフォームエンハンサ(G)としての使用に好適なサッカライド化合物の例としては、化合物、又は、モノサッカライド及び/若しくは糖質(例えば、ペントース(すなわち、フラノース)と従来称されていた少なくとも1つの部分を含む化合物、例えば、リボース、キシロース、アラビノース、リキソース、果糖など、及びヘキソース(すなわち、ピラノース)、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、グロース、イドース、タロース、アロース、アルトロースなど)、ジサッカライド(例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロースなど)、オリゴサッカライド(例えば、マルト-オリゴサッカライド、例えば、マルトデキストリン、アラビノース、スタキオース、フルクトオリゴサッカライドなど)、ポリサッカライド(例えば、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、グリコーゲン、ハイドロコロイド、アミロースなどのデンプン、アミロペクチンなど)など、又はそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0096】
フォームエンハンサ(G)での使用又はフォームエンハンサ(G)としての使用に好適なフォームエンハンサの他の例は、当該技術分野で既知である。例えば、フォームエンハンサ(G)は、ポリマー安定剤、例えば、ポリアクリル酸塩、変性デンプン、部分加水分解タンパク質、ポリエチレンイミン、ポリビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシビニルポリマー、又はそれらの組み合わせを含むものを含み得る。これらの又は他の実施形態では、フォームエンハンサ(G)は、増粘剤、例えば、1つ以上のガム(例えば、キサンタンガム)、コラーゲン、ガラクトマンナン、デンプン、デンプン誘導体及び/若しくは加水分解物、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、コロイドケイ酸、ポリビニルアルコール、ビニルピロリドン-ビニルアセテートコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど、又はそれらの誘導体、改質物、若しくは組み合わせを含むものを含み得る。
【0097】
組成物は、1つ以上の追加の成分/添加剤、すなわち、当該技術分野で既知であり、かつ組成物中で利用される特定の成分及びその所望の最終使用に基づいて選択される、上述のもの以外のものを含み得る。例えば、組成物は、充填剤、充填剤処理剤、表面改質剤、結合剤、相溶化剤、着色剤(例えば、顔料、染料など)、劣化防止添加剤、難燃剤、腐食防止剤、UV吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤など、並びにそれらの誘導体、改質物、及び組み合わせを含み得る。
【0098】
組成物は、成分(A)及(B)、並びにいずれかの任意選択の成分(例えば、上述の成分(C)~(G))を任意の添加順序で、任意選択的にマスターバッチで、かつ任意選択的に混合下で組み合わせることによって調製され得る。
【0099】
ある特定の実施形態では、組成物は、成分(A)を任意選択の成分と予混合して中間体組成物を調製し、その後、それを成分(B)と組み合わせて組成物を調製することによって、調製される。同様に、これらの又は他の実施形態では、組成物は、成分(B)を任意選択の成分と予混合して中間体組成物を調製し、その後、それを成分(A)と組み合わせて組成物を調製することによって、調製される。例えば、ある特定の実施形態では、成分(A)をpH制御剤(F)と組み合わせて、シロキサンカチオン性界面活性剤組成物を調製し、その後、それを成分(B)と組み合わせて組成物を調製する。いくつかのそのような実施形態では、pH制御剤(F)は、鉱酸(例えば、HCl)であり、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)のいくつかであるが全てではないアミン基をプロトン化するのに十分な量で利用され、それによって、緩衝液としてシロキサンカチオン性界面活性剤組成物を調製する。これらの又は他の実施形態では、成分(B)をpH制御剤(F)と組み合わせて、有機カチオン性界面活性剤組成物を調製し、その後、それを成分(A)と組み合わせて(例えば、独立して、シロキサンカチオン性界面活性剤組成物の形態でなど)、組成物を調製する。いくつかのそのような実施形態では、pH制御剤(F)は、鉱酸(例えば、HCl)であり、有機カチオン性界面活性剤(B)のいくつかであるが全てではないアミン基をプロトン化するのに十分な量で利用され、それによって、緩衝液として有機カチオン性界面活性剤組成物を調製する。上記の実施形態を考慮して、当業者は、組成物の1つ以上の個々の成分のpHを調整するために、1つ以上の中間体組成物を緩衝するために、並びに/又は組成物それ自体若しくは1つ以上の他の成分と組み合わせた組成物のpHを修正、制御、及び/若しくは緩衝するためなどの、複数の機能を含み得ることを当業者は理解するであろう。
【0100】
組成物は、例えば、成分(A)及び(B)を組み合わせることによって、任意選択的に成分(D)~(G)のいずれかと共に、成分(C)の量が最小限又は全く含まない濃縮物として調製され得る。代替的に、希釈のために配合される場合、組成物は、優勢量の成分(C)(例えば、組成物の総重量に基づいて>50、代替的に>75、代替的に>90重量%)を含み得、依然として濃縮物として定義される。
【0101】
フォーム安定化組成物は、フォーム形成組成物として配合され得るか(上述のように、組成物の濃縮物の希釈を介する)、又はフォーム形成組成物を調製するための添加剤として利用され得る(例えば、フォーム安定化組成物をベース配合物、すなわち、フォーミング剤、溶媒/担体、添加剤などを含む配合物と組み合わせることを介する)。例えば、フォーミング組成物は、任意選択的に1つ以上のフォーム添加剤と組み合わされた水を(例えば、ホース、パイプなどから、又は反応容器/反応器からの活性流として)提供し、フォーム安定化組成物を水と(例えば、事前形成された混合物として、個々の成分(A)、(B)、(C)の添加を介してなど)組み合わせることによって、調製することができる。そのような事例のいずれにおいても、フォーム安定化組成物を含むフォーム形成組成物は、調製されると、通気されるか、又はそうでなければ膨張されて(例えば、フォーミング装置を介して、通気された水のストリーム/流れへの適用など)、フォーム組成物(すなわち、「フォーム」)を形成し得る。
【0102】
フォーム安定化組成物で調製されたフォームは、様々な用途での使用に好適である。例えば、上記で紹介されたように、組成物は、水性皮膜形成フォーム(AFFF)、又は同様のそのようなフォームで利用され得、これは、火災の消火、抑制、及び/又は防止に利用され得る。特に、組成物によって提供される安定性の増加に起因して、組成物で調製されたフォームは、典型的には極めて可燃性であり、かつ/又は維持/消化が困難である、低沸点、高蒸気圧、及び/又は限定された水溶性を有する化学物質(例えば、ガソリン、有機溶媒など)を伴う、火災の消火に使用され得る。例えば、そのような火災は、火をフォームと接触させること(例えば、フォームを火に噴霧し、フォーム形成組成物を火の上に噴霧して、その上にフォームを調製するなど)によって消火され得る。同様に、フォームを利用して化学物質(例えば、その流出物又は漏出からの)を固定して、フォームを流出物/漏出の上部に適用することによって、又はそうでなければフォームをその上に形成することによって、蒸気漏出及び/又は点火を制限し得る。
【0103】
本開示の実施形態を示す以下の実施例は、本発明を例証することを意図するものであり、本発明を限定するものではない。
【0104】
実施例で利用されるある特定の成分は、以下の表1に記載されており、その後に、実施例で利用される特定の成分のある特定の略語、省略表現、構造/化学的説明などに関する情報を含む簡単な要約が続く。化学構造に関して、明示的に示されていない各末端ペンダント基は、別途指示がない限り、メチル基(-CH3)であることが理解されよう。
【0105】
【0106】
【0107】
3-アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(6.34g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(4.09g;72.7%水溶液)、エタノール(5.50g)、及びHCl(0.66g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、約9分以内に透明になる。混合物を1時間40分間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(3.10g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、シロキサンカチオン性界面活性剤(Si4-QUAB;47.1%濃度)を含む組成物を得る。
【0108】
調製実施例2:Si4-(QUAB)
1.5の調製
【化20】
【0109】
3-アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(6.35g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.01g;1.5当量;72.7%水溶液)、エタノール(5.86g)、及びHCl(1.5g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、約15分以内に透明になる。混合物を1時間40分間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(3.09g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、シロキサンカチオン性界面活性剤(Si4-(QUAB)1.5;水で40%濃度に調整)を含む組成物を得る。
【0110】
調製実施例3:Si7-PDA-(QUAB)
1.5の調製
【化21】
【0111】
1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン(255g)を、熱電対、機械的撹拌機、及びN2バブラーに適合させた水冷凝縮器を備えた500mLの4つ口フラスコに装入する。次いで、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(BCF;50ppm)を、フラスコに添加する。3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン(96.3g、Gelest,Inc.)及びBCF(150ppm)を添加漏斗で混合して触媒混合物を形成し、次いで、これを30分かけてフラスコにゆっくりと添加する一方で、氷水浴を使用して熱を除去し、ポット温度を30℃未満に制御する。次いで、混合物を1時間室温で撹拌し、その時点で、1H NMRは、変換が>99%であることを示す。次いで、混合物を、ロータリーエバポレータ(110℃;約1トル;30分)で濃縮し、第1の中間体(Si7PrCl)を得る。
【0112】
2つの20mLの試料バイアルを各々、1,3-ジアミノプロパン(5.62g)及びSi7PrCl(14.59g)で装入し、次いで120℃まで加熱し、約15時間混合する。次いで、各混合物を室温まで冷却し、500mLのガラス試料瓶で組み合わせて、合計39.17gの反応溶液を得る。DI水(38.72g)及びヘプタン(37.80g)を瓶に添加し、蓋をしない状態で二相性混合物を撹拌して、圧力蓄積を回避する。次いで、二相溶液が完全に分離するまで試料を静止させる。次いで、上層をシリンジを介して除去し、シリンジフィルタ(2.0μm)を通してフラスコに濾過し、単蒸留(60℃及び約20mmHg)を介してストリッピングして、ヘプタンを除去し、第2の中間体(「Si7-PDA」)を得る。
【0113】
Si7-PDA(2.18g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(0.88g;1.5当量;72.7%水溶液)、エタノール(3.00g)、及びHCl(0.08g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、50℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、すぐに透明になる。混合物を3時間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(1.12g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、シロキサンカチオン性界面活性剤(Si7-PDA-(QUAB)1.5;39.3重量%濃度)を含む組成物を得る。
【0114】
【0115】
1-ヘキシルアミン(2.82g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.21g;72.7%水溶液)、エタノール(5.02g)、及びHCl(1.35g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、約2分以内に透明になる。混合物を2.5時間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(4.69g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、カチオン性界面活性剤(C6-QUAB;36.7%濃度)を含む組成物を得る。
【0116】
【0117】
1-オクチルアミン(3.60g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.21g;72.7%水溶液)、エタノール(5.04g)、及びHCl(1.35g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、約3分以内に透明になる。混合物を2.5時間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(4.76g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、カチオン性界面活性剤(C8-QUAB;38.6重量%濃度)を含む組成物を得る。
【0118】
【0119】
1-デシルアミン(4.38g)、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド(6.19g;72.7%水溶液)、エタノール(5.00g)、及びHCl(1.35g;0.1N)を1オンスのバイアルで混合し、60℃の加熱ブロック上で撹拌して混合物を得、これは、約4分以内に透明になる。混合物を2.5時間撹拌し、次いでpH制御剤(F1)(4.72g)を添加し、溶液をRTで1時間撹拌して、カチオン性界面活性剤(C10-QUAB;40.8重量%濃度)を含む組成物を得る。
【0120】
調製手順1:フォーム安定化組成物
【0121】
フォーム安定化組成物は、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)を一緒に組み合わせることによって調製される。特に、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)、有機カチオン性界面活性剤(B)、並びに任意選択的にpH制御剤(F)、界面活性剤(D)、及び/又はフォームエンハンサ(G)を、試料バイアルで溶媒(C)と混合し、溶媒(C)中で希釈して、フォーム安定化組成物を得、これを視覚的に分析して外観を評価し得る。
【0122】
調製手順2:フォーム
【0123】
フォームは、フォーム安定化組成物を通気することによって調製される。特に、フォーム安定化組成物は、上記の調製手順1に従って試料バイアルで調製される。次いで、試料バイアルを約5秒間振とうして、フォームを調製し、これを視覚的に分析して、相対的なフォーム量及び厚さを評価し得る。
【0124】
分析手順1:35℃でのヘプタン上のフォーム安定性
【0125】
10mLの試料バイアルにヘプタン(約3g)を装入し、35℃で15分間安定した加熱ブロック上で蓋をせずに置く。次いで、上記の調製手順2に従って調製したフォームの試料(約3cm)を、ピペットを介して加熱ヘプタン上に移動させてフォーム層を得る。タイマーは、フォーム移動の完了時に開始し、フォーム層の破壊、溶解、又は破裂時に停止し、記録した時間を、サンプリングされたフォームのヘプタン上での35℃のフォーム安定性として提供する。
【0126】
分析手順2:60℃でのヘプタン上のフォーム安定性
【0127】
上記の手順のフォーム分析1は、60℃で安定した加熱ブロックを使用して実施される。所与のフォーム層が破壊、溶解、又は破裂する時間を、サンプリングされたフォームのヘプタン上での60℃のフォーム安定性として記録する。
【0128】
実施例1~12:フォーム安定化組成物及びそれで調製されたフォーム
【0129】
シロキサンカチオン性界面活性剤(A1)、有機カチオン性界面活性剤(B1)、溶媒(C1)、及び任意選択的に、様々な添加剤成分を使用して、上記の調製手順1に従って、様々なフォーム安定化組成物を調製する。実施例1~12の特定の成分及びパラメータを以下の表2~3に記載する。
【0130】
【0131】
【0132】
次いで、フォーム安定化組成物を、上記の調製手順2に従って様々なフォームの調製に利用し、得られたフォームを、上記の分析手順1に従って揮発性有機溶媒に対する安定性について分析する。分析結果を以下の表4に記載する。
【0133】
【0134】
表4に示すように、例示的な組成物は、良好なフォーム性能及び安定性を提供し(例えば、実施例1参照)、これは、別の界面活性剤(例えば、実施例5参照)、糖質又は他の炭水化物のフォームエンハンサ(例えば、実施例7~11参照)、及び緩衝液(例えば、実施例12参照)を含む様々な添加剤成分の添加によって更に増強され得る。
【0135】
実施例13~16:フォーム安定化組成物及びそれで調製されたフォーム
【0136】
シロキサンカチオン性界面活性剤(A1)、溶媒(C1)、及び様々な有機カチオン性界面活性剤(B)を使用して、上記の調製手順1に従って、様々なフォーム安定化組成物を調製する。次いで、フォーム安定化組成物を、上記の調製手順2に従って様々なフォームの調製に利用し、得られたフォームを、上記の分析手順1に従って揮発性有機溶媒に対する安定性について分析する。分析の結果を、実施例13~16の特定の成分及びパラメータと共に、以下の表5に記載する。
【0137】
【0138】
表5に示すように、例示的な組成物は、様々な有機カチオン性界面活性剤(B)を使用して良好なフォーム性能及び安定性を提供し(例えば、実施例13~16参照)、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の特定の組み合わせが、追加の安定性の利点を提供する(例えば、実施例15参照)。
【0139】
実施例17~19:フォーム安定化組成物及びそれで調製されたフォーム
【0140】
有機カチオン性界面活性剤(B1)、溶媒(C1)、及び様々なシロキサンカチオン性界面活性剤(A)を使用して、上記の調製手順1に従って、様々なフォーム安定化組成物を調製する。次いで、フォーム安定化組成物を、上記の調製手順2に従って様々なフォームの調製に利用し、得られたフォームを、上記の分析手順2に従って揮発性有機溶媒に対する安定性について分析する。分析の結果を、実施例17~19の特定の成分及びパラメータと共に、以下の表6に記載する。
【0141】
比較実施例1~3:比較フォーム組成物及びフォーム
【0142】
溶媒(C1)及び様々なシロキサンカチオン性界面活性剤(A)を使用して、有機カチオン性界面活性剤(B)を添加せずに、上記の調製手順1に従って、様々なフォーム組成物を調製する。次いで、フォーム組成物を、上記の調製手順2に従って、発泡可能であれば、様々なフォームの調製に利用し、得られたフォームを、上記の分析手順2に従って揮発性有機溶媒に対する安定性について分析する。分析の結果を、比較実施例1~3の特定の成分及びパラメータと共に、以下の表6に記載する。
【0143】
【0144】
表6に示すように、例示的な組成物は、様々なシロキサンカチオン性界面活性剤(A)を使用して、良好なフォーム性能及び安定性を提供する(例えば、実施例17~19参照)。更に、1つのみのカチオン性界面活性剤を含有するフォーム組成物(例えば、比較実施例1~3参照)と比較して、シロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)の組み合わせを使用する例示的な組成物は、それで調製されたフォームに大幅に増強された安定性を提供する(例えば、実施例17~19参照)。
【0145】
実施例20~29:フォーム安定化組成物及びそれで調製されたフォーム
【0146】
溶媒(C1)中で変動する量のシロキサンカチオン性界面活性剤(A1)及び有機カチオン性界面活性剤(B2)を使用して、上記の調製手順1に従って、様々なフォーム安定化組成物を調製する。次いで、フォーム安定化組成物を、上記の調製手順2に従って様々なフォームの調製に利用し、得られたフォームを、上記の分析手順2に従って揮発性有機溶媒に対する安定性について分析する。分析の結果を、実施例20~29の特定のパラメータと共に、以下の表7に記載する。
【0147】
【0148】
表7に示すように、例示的な組成物は、様々な比率のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)及び有機カチオン性界面活性剤(B)を使用して、良好なフォーム性能及び安定性を提供する(例えば、実施例20~29参照)。安定化組成物中の少なくとも0.2重量%のシロキサンカチオン性界面活性剤(A)の装填は、それで調製されたフォームに追加の安定性の利点を提供する(例えば、実施例21~29参照)。
【0149】
上記の説明は、本開示の一般的かつ具体的な実施形態に関する。しかしながら、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の趣旨及びより広範の態様から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができ、均等論を含む特許法の原理に従って解釈されるべきである。したがって、本開示は、例証目的のために提示され、本開示の全ての実施形態の網羅的な説明として、又はこれらの実施形態に関連して例証若しくは説明される具体的な要素に特許請求の範囲の範囲を限定するように解釈されるべきではない。例えば、冠詞「a」、「an」、「the」、又は「上記」を使用する単数形の要素への任意の参照は、その要素を単数形に限定するものとして解釈されるべきではない。更に、「直角」、「直交」、「垂直」、及び「平行」という用語が、一般に、本明細書において相対的な意味で用いられ、絶対的な意味で用いられないことを理解されたい。更に、「実質的に」、「約」、「本質的に」などの用語が、修飾されている特性のわずかな偏差を示すことを理解されたい。そのような偏差は、特定の特性の0~10%、代替的に0~5%、代替的に0~3%であり得る。
【0150】
同様に、添付の特許請求の範囲が、詳細な説明に記載された特定のアセンブリ、システム、又は方法を表すように限定されず、添付の特許請求の範囲の範囲内にある特定の実施形態間で変動してもよいことを理解されたい。様々な実施形態の特定の特徴又は態様を説明するための本明細書に依拠する任意のマーカッシュ群に関して、全ての他のマーカッシュ要素から独立したそれぞれのマーカッシュ群の各要素から異なる、特別な、かつ/又は予期しない結果が得られる可能性がある。マーカッシュ群の各要素は、個々に、及び、又は組み合わされて依拠とされ得、添付の特許請求の範囲の範囲内で、具体的な実施形態に適切な裏付けを提供し得る。
【0151】
更に、本発明の様々な実施形態を説明する際に依拠とされる任意の範囲及び部分範囲は、独立してかつ集合的に、添付の特許請求の範囲の範囲内にあり、本明細書にその中の全部及び/又は一部の値が明記されていなくても、そのような値を含む全範囲を説明及び想到するものと理解される。当業者であれば、列挙された範囲及び部分範囲が、本発明の様々な実施形態を十分に説明し、かつ可能にし、そのような範囲及び部分範囲が、更に関連性がある2等分、3等分、4等分、5等分などに描かれ得ることを容易に認識する。単なる一例として、「0.1~0.9」の範囲は、更に、下方の3分の1、すなわち、0.1~0.3、中央の3分の1、すなわち、0.4~0.6、及び上方の3分の1、すなわち、0.7~0.9に描かれ得、これらは、個々にかつ集合的に、添付の特許請求の範囲の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲の範囲内の具体的な実施形態に、個々にかつ/又は集合的に依拠され得、適切な裏付けを提供し得る。更に、範囲を定義する、又は修飾する言葉、例えば「少なくとも」、「超」「未満」「以下」などに関して、そのような言葉は、部分範囲及び/又は上限若しくは下限を含むことを理解されたい。別の例として、「少なくとも10」の範囲は、少なくとも10~35の部分範囲、少なくとも10~25の部分範囲、25~35の部分範囲などを本質的に含み、各部分範囲は、添付の特許請求の範囲の範囲内の具体的な実施形態に、個々にかつ/又は集合的に依拠され得、適切な裏付けを提供する。最終的に、開示した範囲内の個々の数は、添付の特許請求の範囲の範囲内の具体的な実施形態に、依拠され得、適切な裏付けを提供し得る。例えば、「1~9」の範囲は、様々な個々の整数、例えば3、並びに、小数点(又は分数)を含む個々の数、例えば4.1を含み、これは、添付の特許請求の範囲の範囲内の特定の実施形態に、依拠され得、適切な裏付けを提供し得る。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォーム安定化組成物であって、
(A)一般式(I)を有するシロキサンカチオン性界面活性剤であって、
[Z
1-D
1-N(Y)
a(R)
2-a]
+y[X
-x]
n (I)
式中、Z
1が、シロキサン部分であり、D
1が、二価連結基であり、Rが、H又は1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、各Yが、式-D-NR
1
3
+を有し、式中、Dが、二価連結基であり、各R
1が、独立して、1~4個の炭素原子を有する非置換ヒドロカルビル基であり、下付き文字aが、1又は2であり、1≦y≦3であり、Xが、アニオンであり、下付き文字nが、1、2、又は3であり、1≦x≦3であるが、但し、(x
*n)=yである、シロキサンカチオン性界面活性剤と、
(B)一般式(II)を有する有機カチオン性界面活性剤であって、
[Z
2-D
2-N(Y)
b(R)
2-b]
+y[X
-x]
n (II)
式中、Z
2が、非置換ヒドロカルビル基であり、D
2が、共有結合又は二価連結基であり、下付き文字bが、1又は2であり、各R、Y、上付き文字y、X、下付き文字n、及び上付き文字xが、独立して選択され、かつ上記で定義されたとおりである、有機カチオン性界面活性剤と、を含む、フォーム安定化組成物。
【請求項2】
前記シロキサン部分Z
1が、以下の式を有し、
【化1】
式中、各R
3が、独立して、R
2及び-OSi(R
4)
3から選択されるが、但し、少なくとも1つのR
3が、-OSi(R
4)
3であり、式中、各R
4が、独立して、R
2、-OSi(R
5)
3、及び-[OSiR
2
2]
mOSiR
2
3から選択され、式中、各R
5が、独立して、R
2、-OSi(R
6)
3、及び-[OSiR
2
2]
mOSiR
2
3から選択され、式中、各R
6が、独立して、R
2及び-[OSiR
2
2]
mOSiR
2
3から選択され、式中、0≦m≦100であり、各R
2が、独立して、置換又は非置換のヒドロカルビル基である、請求項1に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項3】
前記シロキサン部分Z
1が、以下の構造(i)~(iv):
【化2】
のうちの1つを有する、請求項1又は2に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項4】
(i)D
1が、分岐状若しくは直鎖状アルキレン基であるか、又は(ii)D
1が、式-D
3-N(R
7)-D
3-を有し、式中、各D
3が、独立して選択される二価連結基であり、R
7が、H若しくはYであり、Yが、独立して選択され、かつ上記で定義されたとおりである、請求項1~3のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項5】
前記シロキサンカチオン性界面活性剤(A)において、(i)下付き文字aが、1であるか、(ii)上付き文字yが、1であるか、(iii)Rが、Hであるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせであり、前記有機カチオン性界面活性剤(B)において、(i)下付き文字bが、1であるか、(ii)上付き文字yが、1であるか、(iii)Rが、Hであるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~4のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項6】
Z
2が、6~18個の炭素原子を有するアルキル基であり、D
2が、前記共有結合である、請求項1~5のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項7】
D
2が、前記二価連結基であり、前記二価連結基のD
2が、分岐状又は直鎖状アルキレン基を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項8】
(i)各D
1が、-CH
2CH(OH)CH
2-及び-HC(CH
2OH)CH
2-から選択されるか、(ii)各R
1が、メチルであるか、(iii)各Xが、Clであり、上付き文字xが、1であるか、又は(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせである、請求項1~3及び5~7のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のフォーム安定化組成物を含む、水性皮膜形成フォーム。
【請求項10】
火災を消火する方法であって、火を請求項9に記載の水性皮膜形成フォームと接触させることを含む、方法。
【国際調査報告】