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特表2023-512411無端ベルトコンベヤのための内部クリーニングシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】無端ベルトコンベヤのための内部クリーニングシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/20 20060101AFI20230317BHJP
   B65G 45/12 20060101ALI20230317BHJP
   B65G 15/42 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
B65G21/20 A
B65G45/12 B
B65G15/42 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538399
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(85)【翻訳文提出日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 US2020061147
(87)【国際公開番号】W WO2021150298
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】16/718,617
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508267853
【氏名又は名称】メイフラン インターナショナル インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】000215523
【氏名又は名称】椿本メイフラン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522246599
【氏名又は名称】メイフラン リンブルフ ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】マンジュキッチ,マーク アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】堀 ▲隆▼一
(72)【発明者】
【氏名】ペトロヴィッチ,ネヴォイシャ
(72)【発明者】
【氏名】ジーベン,ルネ マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ゾルカック,ジョン ジョセフ
【テーマコード(参考)】
3F024
3F025
【Fターム(参考)】
3F024DA06
3F024DA12
3F025BA05
3F025BB01
(57)【要約】
コンベヤは、無端ベルトとベルトリターン装置とを備える。無端ベルトは上側走行部分と下側走行部分とを備え、搬送方向に搬送物を搬送するように構成されている。上側走行部分と下側走行部分との間には中間スペースが規定されている。ベルトリターン装置は、上側走行部分と下側走行部分の間における転換を促進する。無端ベルトは、中間スペースに到達した搬送物の一部によって形成される中間スペース物の少なくとも一部の排出を可能にする、少なくとも1つの排出開口部を規定する。無端ベルトの少なくとも一部は、コンベヤトラックと通過トラックとを備える。通過トラックは少なくとも1つの排出開口部を規定する。コンベヤトラックと通過トラックとは、搬送方向に並んで配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入可能な搬入物のためのコンベヤであって、
上側走行部分と下側走行部分とを備え、搬送物を搬送方向に搬送するように構成され、前記上側走行部分と前記下側走行部分との間には中間スペースが規定されている、無端ベルトと、
前記無端ベルトの前記上側走行部分と前記下側走行部分との間における転換を促進するベルトリターン装置と、を備え、
前記無端ベルトは、前記中間スペースに到達した前記搬送物の一部によって形成される中間スペース物の少なくとも一部の排出を可能にする、少なくとも1つの排出開口部を規定し、
前記無端ベルトの少なくとも一部は、コンベヤトラックと通過トラックとを備え、
前記通過トラックは前記少なくとも1つの排出開口部を規定し、
前記コンベヤトラックと前記通過トラックとは、前記搬送方向に並んで配置されている、コンベヤ。
【請求項2】
少なくとも1つの偏向手段をさらに備え、前記少なくとも1つの偏向手段は、前記中間スペース物の少なくとも一部を、前記通過トラックに向かう方向に案内するように配置されている、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの偏向手段は、前記上側走行部分と前記下側走行部分との間に配置され、搬送方向に向かって斜めに伸長する少なくとも1つの偏向ストリップを備える、請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの偏向ストリップは、前記下側走行部分と協働するように前記下側走行部分と整列している、請求項3に記載のコンベヤ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの偏向ストリップは、前記上側走行部分と協働するように前記上側走行部分と整列している、請求項3に記載のコンベヤ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの偏向ストリップは、一対の偏向ストリップを備え、前記一対の偏向ストリップの一方は前記下側走行部分と協働し、前記一対の偏向ストリップの他方は前記上側走行部分と協働する、請求項3に記載のコンベヤ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの偏向手段は、ベースプレートに少なくとも1つの落下開口部を規定する、請求項3に記載のコンベヤ。
【請求項8】
重力方向に向かって斜めに配向され、前記少なくとも1つの落下開口部の下に伸長するスライド部材をさらに備える、請求項7に記載のコンベヤ。
【請求項9】
前記ベルトリターン装置はベルトリターンガイドおよび周壁を備え、
前記周壁は前記ベルトリターンガイドの間の前記ベルトリターン装置の軸方向に伸長し、
前記周壁は前記無端ベルトと協働して、前記ベルトリターン装置周辺の前記中間スペース物の搬送を促進する、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項10】
前記無端ベルトはその内側に、前記中間スペースおよび前記ベルトリターン装置の前記周壁の1つ以上に面する隆起構造を備える、請求項9に記載のコンベヤ。
【請求項11】
前記無端ベルトの各前記隆起構造は、前記コンベヤトラックの幅の少なくとも一部にわたって伸長する、少なくとも1つの押し込み要素を備える、請求項10に記載のコンベヤ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの押し込み要素は、それぞれがフレキシブルライニング、またはブラシ様アタッチメントのうちの1つを備える、請求項11に記載のコンベヤ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの押し込み要素は、それぞれがフレキシブルな材料から形成されている、請求項11に記載のコンベヤ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの偏向手段は、前記ベルトリターン装置に配置されたオーガを備える、請求項2に記載のコンベヤ。
【請求項15】
前記オーガは固定されている、請求項14に記載のコンベヤ。
【請求項16】
前記オーガは駆動される、請求項14に記載のコンベヤ。
【請求項17】
前記オーガはハウジングによって囲まれている、請求項16に記載のコンベヤ。
【請求項18】
前記ハウジングは、前記オーガの長軸の上方に伸長する少なくとも1つの注入開口部を規定し、前記中間スペース物の通過を可能にするように構成されている、請求項17に記載のコンベヤ。
【請求項19】
前記ハウジングは、前記通過トラックの上方に配置された少なくとも1つの排出開口部を規定し、前記中間スペース物の通過を可能にする、請求項18に記載のコンベヤ。
【請求項20】
前記ハウジングは、前記ベルトリターン装置の一部である、請求項17に記載のコンベヤ。
【請求項21】
前記少なくとも1つの偏向手段は、前記ベルトリターン装置内に配置された1つのオーガを備え、
前記オーガは駆動され、ハウジングによって囲まれ、
前記ベルトリターン装置の前記周壁は、前記ハウジングの少なくとも一部である、請求項9に記載のコンベヤ。
【請求項22】
前記通過トラックを覆い、前記上側走行部分の上方に配置されるカバーをさらに備える、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項23】
前記カバーの少なくとも一部は、供給開口部のフレームの一部によって設けられる、請求項22に記載のコンベヤ。
【請求項24】
流入可能な搬送物のためのコンベヤであって、
上側走行部分と下側走行部分とを備え、前記搬送物を搬送方向に搬送するように構成され、前記上側走行部分と前記下側走行部分との間には中間スペースが規定されている、無端ベルトと、
前記無端ベルトの前記上側走行部分と前記下側走行部分との間における転換を促進するベルトリターン装置と、を備え、
前記無端ベルトは第1通過開口部と第2通過開口部とを規定し、前記第1通過開口部と前記第2通過開口部とは、それぞれが、前記中間スペースに到達した前記搬送物の一部によって形成される中間スペース物の、少なくとも一部の排出を可能にし、
前記無端ベルトの少なくとも一部は第1コンベヤトラック、第1通過トラック、第2コンベヤトラック、および第2通過トラックを備え、
前記第1通過トラックは、前記第1通過開口部を規定し、
前記第2通過トラックは、前記第2通過開口部を規定し、
前記第1コンベヤトラックと前記第1通過トラックとは前記搬送方向に並んで配置されており、
前記第2コンベヤトラックと前記第2通過トラックとは前記搬送方向に並んで配置されている、コンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
以下に記載される項目は一般に、流入可能な搬送物のためのコンベヤ装置に関する。
【0002】
[背景]
コンベヤは、金属材料(例えば鋼鉄、アルミニウム、真ちゅう)などの材料を切削加工するときに蓄積する流入可能な搬送物(例えば、まとまった材料)、とりわけ切粉の除去を可能にし得る。この場合、加工の結果物は、しばしば液体冷却剤および/または潤滑剤と共に、廃棄またはリサイクルのためにコンベヤから供給される。コンベヤは同時に、フィルタ機能を有する場合もあり、当該フィルタ機能によって液体冷却剤および/または潤滑剤は固形材料から分離され、さらに利用するため、または集めて供給するために送り込まれる。無端ベルトは異なった構成を有する場合があり、例えば、ストラップ形状、バンド形状またはベルト形状に設計されている場合もあれば、またはヒンジとして設計されている場合もある。
【0003】
無端ベルトを有するコンベヤにおいては、無端ベルトは少なくとも2つの偏向装置の間に案内され、以下では上側走行部分と呼ぶ上側経路と、以下では下側走行部分と呼ぶ下側経路とを通過する。一般に、上側走行部分は搬送物を投入領域から排出領域に搬送する役割を果たし、下側走行部分は戻り行路に相当する。
【0004】
以下では中間スペースと呼ぶ上側走行部分と下側走行部分との間の領域に、搬送物の一部が到達し、重力に従って、下側走行部分における無端ベルトの中間スペース側(当該中間スペース側は、上側走行部分に面している)に落下することは起こり得る。流入可能な搬送物が、材料加工によって生じる切粉からなる場合、これらは一般に、約1mm未満~約10mm以上の長さを有する。下側走行部分における無端ベルトの中間スペース側に達した物を、以下では中間スペース物と呼ぶ。駆動された無端ベルト上に置かれると、中間スペース物はベルトリターンの領域に入り込み、そこでギアやプーリなどのベルトリターン装置の部品に混入するか、または堆積し得る。ベルトリターン装置に付着しない中間スペース物は、下側走行部分における無端ベルトの中間スペース側に落下し、その結果、ベルトリターン装置に再び達し得る。上側走行部分を通過するか、それを通過して中間スペースに入る追加の物により、中間スペース物は、ベルトリターン装置の領域に、連続的に蓄積する。特に、切粉は引っかかり合い、より大きな毛玉状構造を形成する傾向がある。これは、ベルトリターン装置の領域に誤動作または損傷を引き起こす可能性があり、高価なクリーニング、修理または保守を必要とする場合がある。
【0005】
日本特許第3466983号より、金属加工によって生じる切粉用コンベヤが知られており、当該発明はバンドリターン装置にギアの代わりに固定プーリを使用することを提案しており、当該固定プーリ上に、無端ベルトのプーリガイドチェーンが走行できる。歯車の歯がないことには、バンドリターン装置において中間スペース物が沈降することを防止するか、または少なくとも沈降しにくくするという意図がある。同様の解決策としては、米国特許No.10,427,261B2に関するものが知られており、当該開示においては、環状偏向要素は、無端ベルトのバンドリターン装置として機能する。無端ベルトの側方ガイドチェーン間の中間スペースに到着した材料は、偏向要素との接触により外側領域へと押圧され、そこでクロスストラットにより取り出されて排出領域に送り出される。この解決策は、ガイドチェーン内に蓄積する材料にのみ作用する。ガイドチェーン間の領域に蓄積する中間スペース物に対する解決策は提供されていない。
【0006】
米国特許出願公開第2016/0263500号は、上側走行部分と下側走行部分との間にフィルタボックスが配置された、背景技術に関するタイプのコンベヤを開示している。濾過された液体が排出口を介して濾液用タンクに供給される一方で、上側走行部分と下側走行部分との間の中間スペースに入った切粉は、フィルタボックスの内部に入らない。フィルタボックスの内側には少なくとも1つのブラシが配置されており、これはフィルタボックスのフィルタ表面上を掃き、フィルタ表面に堆積した切粉を取り除く。したがって、切粉は中間スペースに残り、上述の欠点をもたらす可能性がある。
【0007】
欧州特許 1 256 417より、金属加工によって発生した切粉用のコンベヤが知られており、当該コンベヤにおいて無端ベルトはヒンジであり、下側バンドリターン装置と上側バンドリターン装置との間を走行する。上側バンドリターン装置は、同時に切粉除去端部であり、搬送された切粉はそこでコンベヤから回収タンクへと落下する。中間スペース物に関する問題を回避するため、コンベヤの中間スペースに分離プレートが設けられる。当該分離プレートは、下側ベルトリターン装置から、切粉除去端部の近傍に延びている。中間スペースおよび下側走行部分に達する物の一部は、無端ベルトの中間スペース側に配置されたクロスバーによって導かれ、ベルトリターン装置を介して分離プレート上に、さらに分離プレートに沿って排出機構へと導かれる。当該排出機構は、分離プレートの開口部と、当該開口部を通って落下する材料を横方向に除去するシュートまたはオーガとを含む。この発明の欠点は、コンベヤのほぼ全長にわたって伸長する分離プレートと同時に、対応する材料のコストと、分離プレートの全範囲にわたって、この分離プレートに沿った搬送の確実性とを確保する必要があることである。最後に、中間スペース物のための、別個の排出機構を設けなければならない。
【0008】
米国特許出願公開第2016/0016271号には、金属加工中に生じる切粉を除去するためのコンベヤが開示されている。本開示において、ヒンジとして設計された無端ベルトは、位置に応じて開閉可能な部材を有している。堆積点の方向における切粉の搬送を意図したコンベヤの上側走行部分において、当該部材は閉鎖され、したがって、切粉の搬送に寄与する。しかしながら、下側走行部分においては、当該部材は重力に従って自動的に開き、その結果、下側走行部分と上側走行部分との間の中間スペースに達した切粉は、開いた部材を通って、中間スペースからコンベヤのハウジング底部に落下し得る。そこから、無端ベルトの外側に配置された外部ストリップによって、切粉は上側走行部分に搬送され、廃棄のために供給され得る。自動的に開く部材は、上側走行部分において、搬送に用いられる無端ベルトの表面の全幅にわたって延在する。開く部材は、無端ベルトの製造のための付加的な費用と、システムの機械的故障のさらなるリスクをもたらす。
【0009】
(発明の概要)
本開示は一般に、中間スペース物を中間スペースから確実に除去し、従来技術と比較して費用を低減することを可能にするコンベヤに関する。一実施形態によると、前記コンベヤは、無端ベルトと、ベルトリターン装置と、を備える。前記無端ベルトは、上側走行部分と下側走行部分とを備え、搬送物を搬送方向に搬送するように構成されている。前記上側走行部分と前記下側走行部分との間には中間スペースが規定されている。前記ベルトリターン装置は、前記無端ベルトの前記上側走行部分と前記下側走行部分との間の転換を促進する。前記無端ベルトは、前記中間スペースに到達した前記搬送物の一部によって形成される中間スペース物の少なくとも一部の排出を可能にする、少なくとも1つの排出開口部を規定する。前記無端ベルトの少なくとも一部は、コンベヤトラックと通過トラックとを備える。前記通過トラックは前記少なくとも1つの排出開口部を規定する。前記コンベヤトラックと前記通過トラックとは、前記搬送方向に並んで配置されている。
【0010】
以下、本開示の実施形態の表現において、より単純な言語表現のために1つのコンベヤトラック(a conveyor track)、または1つの通過トラック(a passage track)に言及する場合、これは、それぞれの実施形態を、厳密に1つのコンベヤトラック、または厳密に1つの通過トラックの、特殊なケースに限定するものではない。特に明記しない限り、本開示の解決策は、例えば2つの通過トラックの間に1つのコンベヤトラックがある場合、または2つのコンベヤトラックの間に1つの通過トラックがある場合など、コンベヤトラックおよび/または通過トラックが複数あるケースに、必ず適用される。
【0011】
従って従来の技術とは異なり、本開示の無端ベルトは、全体、または少なくとも1つの区画が2つの隣接したトラックに分割され、そのうちの1つ、すなわちコンベヤトラックは、主に搬送物を搬送する役割を果たし、少なくとも1つの通過トラックは、下側走行部分に位置するときに無端ベルトを介して中間スペース物を通過させる役割を、可能な限り果たす。
【0012】
複数の通過トラックを、搬送方向に互いに離して配置すると有利である。その結果、無端ベルトの安定性が向上する。さらに、通過トラックが存在しないバンド区画において、より広い幅が搬送のために利用可能になるので、上側走行部分の無端ベルトの外側において、より多くの材料を搬送可能になる。
【0013】
本開示に係るコンベヤは、少なくとも1つの偏向手段を備えてよく、当該少なくとも1つの偏向手段は、上側走行部分と下側走行部分との間の中間スペースに到達した前記搬送物の一部によって形成される中間スペース物の少なくとも一部を、前記通過トラックに向かう方向に誘導するように配置されている。その結果、中間スペース物の除去効率が向上する。
【0014】
特に、本開示に係るコンベヤは、前記少なくとも1つの偏向手段が、上側走行部分と下側走行部分との間に配置され、搬送方向に向かって斜めに伸長する少なくとも1つの偏向ストリップを備えるように設計されていれば、有利であり得る。前記無端ベルトが走行しているとき、前記中間スペース物は、前記少なくとも1つの偏向ストリップと接触することができ、当該少なくとも1つの偏向ストリップによって通過トラックに向かう方向に偏向される。前記少なくとも1つの偏向ストリップは、下側走行部分に載置された中間スペース物に作用し、これを通過トラックに直接導くことができる。しかしながら、中間スペース物が即座に偏向を介して通過トラックへと通過せず、初期段階において、少なくとももう1度、前記ベルトリターン装置を通過することも考えられる。次いで、前記中間スペース物は、別個の手段によって、または後の通過中に、通過開口部または通過開口部のうちの1つに到達することができる。
【0015】
しかしながら、本開示に係るコンベヤは、前記中間スペース物を前記通過トラックに向かう方向に偏向させるために、前記少なくとも1つの偏向ストリップが上側走行部分と協働するように設計されてもよい。この目的のために、前記少なくとも1つの偏向ストリップは、偏向手段のベースプレートから上側走行部分の方向に伸長してよい。前記上側走行部分に依然として残っている中間スペース物は、前記駆動された無端ベルトにおいて除去され、および/または前記通過トラックに向かう方向に偏向される。前記偏向手段の前記ベースプレートに到達する中間スペース物も、前記少なくとも1つの偏向ストリップとの相互作用において、前記無端ベルトの搬送運動によって、前記通過トラックに向かう方向に、さらに偏向させることができる。
【0016】
少なくとも2つの偏向ストリップを提供し、そのうちの少なくとも1つを上側走行部分と協働させ、少なくとも1つを下側走行部分と協働させることも可能である。この場合、全ての偏向ストリップは、例えば同一のベースプレートに固定されるなど、同一の偏向手段に属していてもよい。前記上側走行部分と、より多くの偏向ストリップが相互作用してもよく、および/または前記下側走行部分と、より多くの偏向ストリップが相互作用してもよい。この場合、同一の走行部分と協働する前記偏向ストリップは、お互いに平行に整列されてよい。この場合、前記偏向手段を、例えば前記無端ベルトの幅を超えない長さなど、比較的短く保つことができ、前記中間スペース物は遅くとも複数回の通過後に、前記通過トラックに到達する。しかし、同一の走行部分でありながら無端ベルトの幅の異なる部分と協働する偏向ストリップは、無端ベルトと平行でないように方向づけられていてもよく、その場合、前記中間スペース物を異なる方向に偏向する。これは特に、互いに間をおいた少なくとも2つの隣接する通過トラックが存在する場合に、有用であり得る。
【0017】
また、本開示に係るコンベヤは、前記少なくとも1つの偏向手段がベースプレートに少なくとも1つの落下開口部を有するように設計されてもよい。従って、上側走行部分と下側走行部分との間に配置された前記偏向手段の前記ベースプレートに到達した前記中間スペース物を、前記少なくとも1つの落下開口部を通って前記下側走行部分に落下させることができ、または前記下側走行部分の前記通過開口部の1つを通過して落下させることができる。
【0018】
この場合、本開示に係るコンベヤは、前記落下開口部より下方、または前記落下開口部の少なくとも1つの下に、重力方向に向かって斜めに配向されたスライド部材が伸長するように設計されてもよい。前記スライド部材はシュートとして作用し、関連した前記落下開口部を介した前記中間スペース物の通過を、所望の方向、すなわち前記下側走行部分の前記少なくとも1つの通過トラックの領域に向かう方向に、方向づける。各落下開口部は、自身の下部に、スライド部材をそれぞれ有してもよい。しかし、少なくとも2つの隣接する落下開口部に対して共通のスライド部材を設けることも考えられる。ここでいう「隣接」とは、搬送方向に隣接していること、または搬送方向に対して横向きに隣接していることを意味する。
【0019】
さらに、本開示に係るコンベヤは、前記ベルトリターン装置が偏向ガイドと、前記偏向ガイドの間で前記ベルトリターン装置の軸方向に伸長する周壁とを有するように設計されてよい。
【0020】
前記偏向手段の構造によっては、前記中間スペース物の一部は、前記ベルトリターン装置の周辺において少なくとも1回転した後に、前記通過トラックまたは前記通過トラックの1つに到達するのみである。前記ベルトリターン装置周辺の前記スペース物の循環を容易にするために、前記周壁は前記無端ベルトと協働して、回転中の前記中間スペース物の脱落を防止できる。理想的には、前記周壁はまた、循環中に前記中間スペース物を搬送する前記無端ベルトの領域に対して、前記中間スペース物へのスペースの提供、および前記中間スペース物の落下の防止を同時に実現するような、半径方向距離を有する。
【0021】
また本開示に係るコンベヤはまた、前記中間スペースおよび/または前記偏向装置の前記周壁に面する前記無端ベルトの内側に隆起構造を有し、当該隆起構造は、前記偏向装置と協働して前記中間スペース物を搬送するように設計されてもよい。当該隆起構造は、前記無端ベルト上で同時に他の目的を果たすことができ、そのような目的の例としては、前記無端ベルトがヒンジである場合、リンクプレートなどの前記無端ベルトの結合要素がある。それゆえジョイントロッドを囲むリンクプレートのジョイントスリーブを、前記中間スペースに面する側のリンクプレートと比較して隆起させることができ、それにより、前記中間スペース物の搬送を援助できる。前記ベルトリターン装置および無端ベルトは、前記隆起構造が前記ベルトリターン装置周辺の前記中間スペース物の、前記下側走行部分から前記上側走行部分への搬送を促進するように設置される。
【0022】
さらに、本開示に係るコンベヤは、前記無端ベルトの前記隆起構造が、前記搬送トラックの幅の少なくとも一部にわたって伸長する、少なくとも1つの押し込み要素を備えるように設計されてよい。前記押し込み要素は、中間スペースの方向に前記無端ベルトから伸長し、前記中間スペース物が前記少なくとも1つの偏向ストリップと接触する場合に、前記中間スペース物がさらに搬送されることを確実にする。押し込み要素は、固体材料のストリップであってよい。前記少なくとも1つのストリップに加えて、少なくとも1つのさらなる隆起構造が提供されてよい。特に、前記押し込み要素または前記押し込み要素の少なくとも1つがフレキシブルであるか、または(例えばゴムなどのフレキシブルな材料を使用する、またはブラシもしくはブラシ様の取付け具を使用することによって)フレキシブルなライニングを有し、前記のフレキシブルな要素またはブラシの毛を用いて、とくに少なくとも1つの偏向ストリップの領域の偏向手段上の、実質上すべての中間スペース物、または偏向ストリップが複数ある場合は偏向ストリップの間にある前記中間スペース物に到達する。
【0023】
前記無端ベルトの側面領域を保護するために、特にこれらの側面領域がコンベヤチェーンを有する場合、前記偏向手段および/または前記ベルトリターン装置は、前記中間スペース物、特に偏向された中間スペース物の、例えばコンベヤチェーンなどの側面領域への通過を防止する、少なくとも1つの横向きの保護壁を有してよい。
【0024】
本開示に係るコンベヤはまた、前記少なくとも1つの偏向手段がオーガを備えるように設計されてもよい。前記オーガは一つの選択肢として、または前記少なくとも1つの偏向ストリップに加えて、用いられてよい。
【0025】
本開示によれば、前記オーガは固定されていてよい。「固定される」とは、前記オーガが前記コンベヤの前記ハウジングに対して回転しないことを意味する。前記固定されたオーガは、ベルトリターン装置上、または内部に配置されてよい。前記無端ベルトが駆動されると、前記固定されたオーガの少なくとも1本のねじ山は無端ベルトに非常に接近し、前記無端ベルトの前記中間スペース側に配置された前記搬送物は、前記ねじ山によって所望の方向に横に向かって偏向される。
【0026】
あるいはまた、前記オーガに入った前記中間スペース物が前記オーガによって能動的に移動(すなわち本開示の意味における偏向)されるように、前記オーガは駆動されてもよい。前記オーガの駆動は、前記駆動された無端ベルトを介して、または別個のモータによって行われ得る。
【0027】
前記固定されたオーガおよび前記被駆動オーガにおいて、前記ねじ山の方位が異なる少なくとも2つの領域が設けられ得る。その場合、前記オーガは中間スペース物を反対方向に偏向させることができる。前記無端ベルトに1つより多くの通過トラックが存在する場合、後者は特に有用である。
【0028】
前記被駆動オーガの場合には、前記被駆動オーガがハウジングによって囲まれるように、前記コンベヤは形成されてよい。前記ハウジング、またはその一部は同時に、ベルトリターン装置周辺の中間スペース物の循環を援助する、ベルトリターン装置の周壁であってよい。
【0029】
また、前記オーガの長軸方向の上方に伸長する、前記中間スペース物のための少なくとも1つの注入口を、前記被駆動スクリューコンベヤを囲む前記ハウジングが有するように、本開示に係るコンベヤを設計してもよい。前記無端ベルトは、その中間スペース側が前記ハウジングの前記注入口を覆いながら走行するので、前記中間スペース物の少なくとも一部は前記ハウジングに入り、したがって前記オーガへと通過する。
【0030】
前記被駆動オーガを囲む前記ハウジングは、前記中間スペース物のための排出口を有してよく、当該排出口は無端ベルトの、前記通過トラック用に割り当てられた領域の上方にある。
【0031】
また、前記オーガ、特に前記被駆動オーガは、前記ベルトリターン装置から離れた位置に配置されてもよい。
【0032】
また、本開示に係るコンベヤは、前記通過トラックを覆うカバーを前記上側走行部分の上方に備えるように設計されてもよい。当該カバーは、前記搬送物が前記通過トラックの前記通過開口部に入ることを防止する。前記通過トラックが複数の場合には、前記通過トラックの全てを覆うように、一致した数のカバーが提供されてよい。前記カバーは、前記上側走行部分の一部にわたって、またはその完全な長さにわたって伸長してよい。前記カバーの少なくとも一部は、前記供給開口部のフレームの一部によって提供されてよい。この場合、前記供給開口部から離れた前記通過トラックを、追加のカバー手段によって覆ってもよい。
【0033】
本開示に係るコンベヤの例示的な実施形態を、図面を参照して以下に説明する。
【0034】
[図面の簡単な説明]
特定の実施形態は、添付の図面と併せて以下の説明からより良く理解されると考えられる。
【0035】
図1は、内部フィルタボックスを有する、切粉を除去するための第1コンベヤを示す。
【0036】
図2は、切粉を除去するための第2コンベヤの前部を示す。
【0037】
図3は、下側のフィルタシステムを用いて切粉を除去するための第3コンベヤの前部を示す。
【0038】
図4は、フィルタドラムを用いて切粉を除去するための第4コンベヤ装置を示す。
【0039】
図5は、前記コンベヤのいずれか1つの前端部を拡大し、詳細を示す。
【0040】
図6は、第1ベルトリターン装置の領域内の第1偏向手段を、第1無端ベルトの下側走行部分(の一部)と共に示す。
【0041】
図7は、上側走行部分の領域における、第1無端ベルトの詳細図である。
【0042】
図8は、上側走行部分の領域における、別の第2無端ベルトの詳細図である。
【0043】
図9は、第1偏向装置の領域の第2偏向手段の斜め上面図を、第1無端ベルトの下側走行部分(の一部)と共に示す。
【0044】
図10は、図9に係る第2偏向手段の斜め下面図であり、無端ベルトがない状態において、前記第1ベルトリターン装置の領域を示す。
【0045】
図11は、横方向の保護壁を有する、図9に係る視点における、第2偏向手段を示す。
【0046】
図12(a)は、横方向の通過トラックを有する第3無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
【0047】
図12(b)は、横方向の通過トラックを有する第3無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
【0048】
図13(a)は、2つの横方向の通過トラックを有する第4無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
【0049】
図13(b)は、2つの横方向の通過トラックを有する第4無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
【0050】
図14(a)は、中央通過トラックを有する第5無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
【0051】
図14(b)は、中央通過トラックを有する第5無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
【0052】
図15(a)は、横方向の通過トラックを有する第6無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
【0053】
図15(b)は、横方向の通過トラックを有する第6無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
【0054】
図16は、第1ベルトリターン装置の領域の第3偏向手段の、斜め上面図を示す。
【0055】
図17は、図16に係る第3偏向手段の、斜め下面図を示す。
【0056】
図18は、第1ベルトリターン装置の領域の第4偏向手段の、斜め上面図を示す。
【0057】
図19は、図18に係る第4偏向手段の、斜め下面図を示す。
【0058】
図20は、落下開口部および押し込み要素を有する第5偏向手段の、斜め上面図を示す。
【0059】
図21は、第2ベルトリターン装置上の固定されたオーガの形態の第6偏向手段を、下側走行部分における第1無端ベルト(の一部)とともに示す。
【0060】
図22は、第3ベルトリターン装置上の被駆動オーガの形態の第7偏向手段を、下側走行部分における第1無端ベルト(の一部)とともに示す。
【0061】
[詳細な説明]
図1は、第1コンベヤ1(以下、コンベヤと呼ぶ)の断面を概略的に示しており、図5においては、その前端(図1においては左端)が拡大されている。前記コンベヤ1は、金属加工中に発生し、コンベヤ1のタンク3に供給開口部2を介して液体冷却剤と共に満たされる切粉を除去するために使用される。無端ベルト4はコンベヤ1内に配置され、ここでは図示しないモータによって駆動される。供給開口部2を介して無端ベルト4に到達した切粉は、駆動された無端ベルト4によってコンベヤ1の上昇片5を介して放出端6に搬送され、排出シュート7を介して無端ベルトから、ここでは図示しない回収容器内へと落下する。
【0062】
コンベヤ1のタンク3内にはフィルタボックス8があり、当該フィルタボックス8はフィルタ材によって囲まれ、液体冷却剤に対して透過性であるが、固形物、特に切粉の侵入を阻止する。濾液は、フィルタボックス8の内部からここには示されていない清浄タンクに供給され、冷却剤として再び使用され得る。例えば、無端ベルト4によって運ばれるストリップまたはブラシを用いて、フィルタボックスの外周に付着した切粉を取り除くために、ここでは図示されない手段が設けられてもよい。
【0063】
無端ベルト4が好ましく側壁9を有する場合であっても、切粉が上側走行部分11と下側走行部分12との間の中間スペース10に落ち込み、下側走行部分12の、中間スペース10に対向する無端ベルト4の中間スペース側13に付着することを排除できない。
【0064】
無端ベルト4は、第1ベルトリターン装置14において下側走行部分12から上側走行部分11へと導かれる。この目的のために、(図には示されていない)滑らかな表面を有するギアまたはプーリを使用してよい。例えば、ここには示されていない駆動ギア、または代替の駆動に適した物を介して、無端ベルト4の駆動は排出端部6の領域において行われる。
【0065】
中間スペース10内、特に下側走行部分12内の無端ベルト4の中間スペース側13上に堆積した切粉(図示せず)は、第1ベルトリターン装置14にとって問題となる。特別な手段がなければ、切粉はベルトリターン装置14またはその領域に蓄積し、コンベヤ装置1の動作を妨げ得る。この場合、入念な洗浄手段が必要となる。
【0066】
図2図4は、図1に係る第1コンベヤ1と比較して切粉および液体冷却剤を分離する方法を変更した、更なる例示的なコンベヤ100、200、および300を、例として詳細図において示す。第1コンベヤ1と同様に、コンベヤ100および200(図2および3)は、上昇片5、排出端6、および排出シュート7を有し得る。切粉の放出をもたらすコンベヤ100および200の領域は、本明細書に関連する発明の表現にとって重要度がより低く、従って、図2および3においては再現されない。しかし図4においては、液体冷却剤と切粉とを分離する装置がこの領域に配置されているので、そこを示している。
【0067】
以下においては繰り返しを回避するために、第2コンベヤ装置100(図2)、第3コンベヤ装置200、および第4コンベヤ装置300における同様の特徴が、共に示される。括弧内の参照番号は、それぞれ他のコンベヤ200(図3)および300(図4)内の、対応する特徴を指す。
【0068】
コンベヤ100(200、300)が有する無端ベルト104(204、304)は、例えば第1コンベヤ装置1のための第1無端ベルト4に一致するように、または同様に構成されてよく、または異なる様式で構成されてもよい。無端ベルト104(204、304)は、コンベヤ装置100(200、300)の前方領域において上側走行部分111(211、311)および下側走行部分112(212、312)を形成する。下側走行部分112(212、312)から上側走行部分111(211、312)への転換は、ベルトリターン装置114(214、314)を介して行われる。冷却剤および切粉は、供給開口部102(202、302)を介してタンク103(203、303)へと通過する。
【0069】
第2コンベヤ100(図2)は、フィルタボックスまたは他の別個のフィルタ装置を有さず、むしろ、排出口120を介してタンク103から冷却剤を導出する。切粉/冷却剤混合物を充填するとき、切粉の十分に大きな部分が上側走行部分111上に残り、搬送されると仮定する。第2コンベヤ100から排出口120を通って出てくる切粉は、放置されるか、または別個のフィルタ手段によって捕捉される。
【0070】
第3コンベヤ200はタンク底部219の面の下部にフィルタチャンバ208を有し、当該フィルタチャンバ208は、ここでは図示されないフィルタストラップによってタンク203から区切られている。冷却剤の濾液は排出口(図示せず)を介して清浄タンク(図示せず)に入る。
【0071】
第4コンベヤ300(図4)はフィルタ手段として、上昇片305内に回転可能フィルタドラム308を有し、当該回転可能フィルタドラム308は、フィルタ材で覆われ、回転軸の領域に濾液の排出口を有する。第4コンベヤ300については、フィルタ材料、回転軸および出口開口は図示されていない。
【0072】
第2~第4コンベヤ100、200、および300については、第1コンベヤ1の場合と同様に、切粉は上側走行部分11(111、211、311)と下側走行部分12(112、212、312)との間の中間スペース110(210、310)内へと移動され、下側走行部分112(212、312)において中間スペース10(110、210、310)に対向する無端ベルト104(204、304)の中間スペース側113(213、313)に付着する可能性がある。
【0073】
すべてのコンベヤ1(100、200、300)について、中間スペース側113(213、313)上に蓄積する切粉は、無端ベルト4(104、204、304)によってベルトリターン装置14(114、214、314)へと導かれ、そこに蓄積し、互いに重なり合い、高価な手段によってのみ除去可能な、破壊的な構造物を形成し得るという問題が生じる。このような構造物の形成を回避するために、無端ベルト4(104、204、304)は切粉のための通過開口部を有し、それらは図1図4においては不可視だが、以下の図においては詳細に図示されている。さらに、偏向手段15(115、215、315)は偏向装置14(114、214、314)上またはその近傍に設けられ、当該偏向手段は図1図4において記号的にのみ示され、その例示的な変形例は、以下の図においてより詳細に説明される。
【0074】
以下に示される無端ベルトおよび偏向手段のすべての例示的な構造、およびそれらの変更は、例として示されるすべてのコンベヤ1、100、200もしくは300、またはそれらの変更に使用可能である。
【0075】
図6は、第1偏向装置14の詳細な斜め上図を、第1偏向手段15および第1実施形態の無端ベルト4(以下、第1無端ベルト4という)の下側走行部分12の一部と共に示す。偏向手段15が見えるように、図6には上側走行部分11は示されていない。駆動された第1無端ベルト4は、下側走行部分12において第1ベルトリターン装置14へと移動し、その結果、第1偏向手段15へと移動する。第1無端ベルト4の中間スペース側13にある切粉(図示せず)は、搬送方向に斜めに伸長する偏向エッジ16によって、左に偏向される。前記偏向エッジ16は、特許請求の範囲に記載されている偏向ストリップの、一つの例示的な実施形態である。第1無端ベルト4は横向きの通過トラック17を有し、当該横向きの通過トラック17は複数の通過開口部18を有し、そのうちの2つのみに符号が付されているのが図6である。通過開口部18は、切粉の無端ベルトを介した通過を可能にし、その結果、切粉は中間スペース10(図2参照)を離れて、タンク3のタンク底部19(図1および図5参照)に落下できるようになる。第3コンベヤ200(図3)の場合、切粉は、フィルタチャンバ208のうちの1つに落下し得る。
【0076】
図7は、中間スペース10とは反対を向いた無端ベルト4の外側26の、斜め上面図において、第1無端ベルト4を詳細に示している。この図においては、第1無端ベルト4の側壁9が見える。横方向において、ガイドチェーン28は第1無端ベルト4の限界域を形成している。第1無端ベルト4はガイドチェーン28を介して駆動され、例えばガイドレール29(図6参照)によってコンベヤ1内に誘導される。
【0077】
通過開口部18を有する通過トラック17は、中間壁21によってコンベヤトラック20から分離されている。コンベヤトラック20には、通過開口部18は存在しない。無端ベルト4は、この例においてはジョイントロッド23を囲むジョイントスリーブ24を介して回動可能に固定されたリンクプレート22を有するヒンジである。無端ベルト4は、搬送方向に向かって横方向に延びる外部ストリップ25によって、複数の区域に分割されている。外部ストリップ25は、特にコンベヤ装置1の上昇片5を介して、第1無端ベルト4に載置された切粉を、排出端部6に向かってさらに搬送する確実性を高める。
【0078】
無端ベルト4の外側26に配置された外部ストリップ25はまた、タンク底部19(119、219)に到達する切粉、または第3コンベヤ200の場合には、フィルタチャンバ208のうちの1つに到達する切粉が、ベルトリターン装置14を介して上側走行部分11にさらに搬送され、その結果、排出端部6の外側26に供給され得ることを確実にする。
【0079】
無端ベルト4の通過トラック17とコンベヤトラック20とへの分割は本例においては連続しておらず、無端ベルト4の複数の区域に限定され、図6および図7に示す例においては、4つの通過開口部18を特徴とする通過トラック17が、2つの外部ストリップ25の間の区域の一部にわたってのみ延在している。無端ベルト4の外側26に通過トラックがない領域において、無端ベルト4が、切粉の排出端部6への搬送のために全幅にわたって利用可能であるように、通過トラック17の長さを限定することは有用である。さらに、長さの通過が限定された通過トラックを有する無端ベルト4は、より高い安定性を有する。
【0080】
中間壁21は、2つの外部ストリップ25の間において連続している。これにより、中間壁21の周辺において液体冷却剤によって切粉が通過開口部18へと流され、中間スペース10に到達することが防止される(図1および図5参照)。
【0081】
図6は、無端ベルトの中間スペース側13上の中間スペースストリップ27を示す。中間スペースストリップ27は、特許請求の範囲の意味における押し込み要素であり、例えば、ショベルのようなものであってよい。中間スペースストリップ27は、ジョイントスリーブ24に対してより高く、その結果、中間スペース側13に載置されている切粉の搬送を確実に改善することができる。さらに、中間スペースストリップ27は、ベルトリターン装置14内の切粉の、上側走行部分11へと向かう搬送を改善する。この目的のために、中間スペースストリップ27は、ベルトリターン装置14の周壁82と協働する。無端ベルト4のための、2つのベルトリターンガイド83の間に伸長する周壁82は、固定されていてもよいし、回転するものであってもよい。周壁82は、周壁82から適当な距離をおいた位置で案内された無端ベルト4と、場合によっては無端ベルト4上に取り付けられた中間スペースストリップ27または他の隆起構造と協働して、無端ベルト4の中間スペース側13によって運搬された中間スペース物が、ベルトリターン装置14の周辺を循環するときに、重力に従ってベルトリターン装置14の下、または前の領域に滑り戻らないこと、または流れ落ちないことを防止する。
【0082】
さらに、中間スペースストリップ27は、ベルトリターン装置14の周辺を循環した後、第1偏向手段15上に載置された切粉が一掃され、下側走行部分12の無端ベルト4の中間スペース側13に落下することを確実にする。第1コンベヤ1(図1)の場合、中間スペースストリップ27は、フィルタボックス8の上側および/または下側から、切粉を分離することもできる。ここでは図示されていないが、中間スペースストリップ27の役割は、中間スペースストリップ27の代わりに、またはそれに加えて、ブラシの形態において、またはブラシアタッチメントを備えて提供される、異なる押し込み要素によっても果たされる。
【0083】
図6および図7に示す第1偏向手段15と、第1無端ベルト4とは、コンベヤ1、100、200、または300(図1~4)のみでなく、更なるコンベヤシステムに用いられてもよい。同じことが、以下に示すベルトリターン装置の更なる変形例に当てはまる。
【0084】
図8は、第2無端ベルト70の詳細を示す。第2無端ベルト70は、無端ベルト4(図7)に概ね対応するが、後者とは異なり、単一の連続した通過開口部72を有する、通過トラック71を有する。ジョイントロッド23が搬送チェーン73へと連続的に届かないので、この変形例は製造の観点において幾分か、より複雑である。しかしながら、通過開口部72がより大きくなることにより、より大きな切粉の通過を確実にする。
【0085】
さらに図7とは異なり、左側壁74は連続的に作られ、通過トラック71の高さにおいて、ギャップを有していない。側壁9の個々の相互に可動する要素は、側壁9において溶接などによりリンクプレート22に固定されるので、図7に示す第1無端ベルト4の側壁9におけるギャップは、本質的に製造の簡略化の結果、生じるものである。しかしながら図8に係る変形例においては、例えばガイドチェーン73上など、少なくとも通過開口部72の高さにおいて、側壁74の代替の固定が必要となる。連続した通過開口部72を有する変形例が、分断された側壁9に提供されてもよい。
【0086】
無端ベルト4および70の2つの変形例は、原理的には以下に示す代替の偏向手段に加えて、第1偏向手段15と共に使用されてよい。このことは、以下に示す無端ベルトの他の変形例にも、同様に当てはまる。
【0087】
図9は、ベルトリターン装置14の領域における、代替の第2偏向手段30を示す。第2偏向手段30は、第1無端ベルト4と相互作用する。図10は、第2偏向手段30を、斜め下面図において示す。第2偏向手段30はその下側に、無端ベルト4が駆動された状態の第1偏向手段15における偏向エッジ16と同様に、切粉を通過トラック17に向かう方向に偏向させるための下側偏向ストリップ31を備える(図9参照)。
【0088】
さらに、第2偏向手段30の上側には上側偏向ストリップ32がある。当該上側偏向ストリップ32は、通過トラック17または通過トラック17のために設けられた領域に到達することなく、さらに通過トラック17の方向に下側偏向ストリップ31を通過した切粉を偏向する役割を果たす。第2偏向手段30はさらに落下開口部33を有し、当該落下開口部を介して、切粉は第1無端ベルト4の下側の通過トラック17上、または第1無端ベルト4の中間スペース側13上に落下し得る。第2偏向手段30は材料を節約するために短く保たれ、その結果、落下開口部33からさらに離れている上側偏向ストリップ32は、切粉を通過トラック17へと完全に偏向させることができない。したがって、切粉が通過トラック17に到達するために、ベルトリターン装置14上を複数回通過しなければならない可能性がある。
【0089】
図11は第3偏向手段80を示し、当該偏向手段80は、第2偏向手段30(図9)との唯一の相違点として、横向きの保護壁81を有する。当該保護壁81は、偏向手段80上、または偏向手段80の下部に位置する切粉が、無端ベルト4のガイドチェーン28の領域に横向きに到達することを防ぐ。また、保護壁81を一つだけ、すなわち通過トラックが配置されている側に設けてもよい。
【0090】
図12(a)~15(b)は、コンベヤおよび関連する無端ベルトのための、様々な例示的な設計オプションを示す。それぞれの場合において、コンベヤは、冷却剤および切粉のための供給開口部の領域において、下側走行部分の無端ベルト上の断面図(a)、および下面図(b)において、示されている。
【0091】
図12(a)および図12(b)は第1無端ベルト4を示し、当該第1無端ベルト4の区域34の1つは可視であり、当該区域34において無端ベルト4は中間壁21によって隔てられ、搬送トラック20および通過トラック17に分割されている。区画34は、外部ストリップ25によって区切られている。供給開口部35は、そこを通過する切粉が上側走行部分11にあるときに、可能な範囲で通過トラック17に到達することを避けるように中心からずれて配置されている。供給開口部35を設けるフレーム90のカバー部分91は、通過トラック17に対応すると予測される無端ベルト4の領域をカバーする。これにより、不必要に高い割合の切粉が、上側走行部分11と下側走行部分12との間に入ることが防止される。
【0092】
図13(a)および図13(b)は、同一の区域39内の両側に、2つの横向きの通過トラック37および38が配置される、第3無端ベルト36を示す。再び、供給開口部40のためのフレーム92はカバー部分93を有し(図8(a)参照)、そのため通過トラック37および38が上側走行部分にあるとき、それらが直接、通過する切粉によって満たされることはない。
【0093】
図14(a)および図14(b)は、第4無端ベルト41を有する変形例を示す。当該第4無端ベルト41は、複数の中央通過トラック42を有し、それらのそれぞれが2つの搬送トラック45および46の間に伸長する。当該コンベヤにおいて、上側走行部分11の無端ベルト41の上部の中央領域に分離カバー44が設けられ、中央通過トラック42を保護する。カバー44によって、通過トラック42は上側走行部分11において切粉の通過に対して保護され、連続した供給開口部43を設けることができるようになる。カバーは、切粉が恒常的に付着し続けることを防止するルーフピッチを有してよい。しかし、ここに図示しない、カバー44上を移動するスクレーパ要素が、切粉を除去するために、無端ベルト41の搬送方向に対して平行に設けられていてもよい。
【0094】
最後に、図15(a)および図15(b)は、図12(a)および図12(b)のものと均等な変形例を示す。第5無端ベルト56の横向きの通過トラック84、および供給開口部96のためのフレーム95のカバー部分94が、図面の右側に配置されている点においてのみ、それは図12(a)および12(b)に係る変形例と異なる。なお、図12(a)および図12(b)の説明を参照されたい。
【0095】
図16は、ベースプレート85に2つの横向きの落下開口部48および49を有する第4偏向手段47を、斜め平面図において示し、図17は斜め下面図において示す。これは、例えば図13(a)および図13(b)の第3無端ベルト36の変形例として機能し得る。上側偏向ストリップ50および下側偏向ストリップ51は、下側走行部分12および上側走行部分11上の切粉を、通過トラック(図13(a)および13(b)の37)の方向に偏向する。
【0096】
図18は、第5偏向手段52を斜め平面図において示し、図19は下面図において示す。当該第5偏向手段52は、中央落下開口部53を有する。上側偏向手段54と下側偏向手段55とは、図14(a)および図14(b)の例に示すように、切粉を中央通過トラックに向かわせる。
【0097】
図20は無端ベルト4と共に、第6偏向手段86を示す。第6偏向手段86はベースプレート87上に複数の落下開口部88を有し、それらのそれぞれについて、プレート状のスライド部材89が下側走行部分11の方向に下向きに伸長している。プレート状のスライド部材89は、落下開口部88を通って落下する切粉およびスライド部材89上をスライドする切粉が、通過トラック17に向かう方向に偏向されるように配列される。
【0098】
図21は下側走行部分11のみの第6無端ベルト57を示しており、当該第6無端ベルト57は、第1無端ベルト4と同様に片側のみに通過トラック59を有している。しかしながら、第1無端ベルト4とは異なり、中間スペースストリップ27(図6参照)は設けられていない。プレート状の偏向手段は、不要になっている。代わりに、第7偏向手段として、第2ベルトリターン装置60に固定された、すなわち非回転のオーガ58が配置される。ねじ山61は、載置された切粉の搬送の間、無端ベルト57の中間スペース側と協働して、稼働している無端ベルト57と共に通過の都度、通過トラック59の方向に少しだけ、中間スペース側に位置する切粉を偏向させる。ここに図示されていない変形例においては、オーガはまた、異なる区画上に異なるねじ方向を有する少なくとも2つのねじ山を有していてもよく、このねじ山は切粉を異なる通過トラックに偏向させる。
【0099】
図22は、第8偏向手段として被駆動オーガ62と協働する第6無端ベルト57を示す。オーガ62は、注入口64を有するスクリューハウジング65内にねじ山63を備える第3ベルトリターン装置66内に配置されている。スクリューハウジング65は、その下側にここでは図示されない排出口を有し、これは通過トラック59のために意図された無端ベルト57の領域と反対である。無端ベルト57がベルトリターン装置66を通過すると、無端ベルト57の中間スペース側に載置された切粉は注入口64を介してハウジング65へと落下し、被駆動オーガによって、通過トラック59の領域の方向に誘導される。オーガの駆動は、無端ベルト57のガイドチェーンにかみ合う第3ベルトリターン装置66のギア67を介してなされる。
【0100】
ベルトリターン装置66には防壁69が固定されており、これにより、下側走行部分の無端ベルト57の中間スペース側に起こり得る切粉の蓄積が、平準化される。
【0101】
また、例えば一方においては固定されたオーガ58または被駆動オーガ62、他方においては第1~第6偏向手段15、30、80、47、52または86など、異なる偏向手段をお互いに組み合わせることも考えられる。本開示の実施形態および実施例の前述の説明は、例示および説明の目的において提示されており、網羅的であること、または本開示を記載された形態に限定することを意図していない。上記の教示に照らして、多くの変更が可能である。これらの変更の一部が議論されており、他の変更は当業者によって理解されるのであろう。実施形態は、本開示の原理、および想定される特定の使用に適した様々な実施形態を、最も良く例示するように選択され、記載された。本開示の範囲は、もちろん本明細書に記載された実施例または実施形態に限定されるものではなく、当業者によって任意の数の用途および同等の装置において、採用され得る。むしろ本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義されることが、本明細書によって意図される。また、特許請求および/または説明される任意の方法について、方法がフロー図に関連して説明されるかどうかにかかわらず、文脈によって特に指定または要求されない限り、方法を実行するときに実行される工程の任意の明示的、または暗示的な順序付けは、それらの工程が提示された順序で実行されなければならないことを意味せず、異なる順序で、または並列に実行され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
図1】内部フィルタボックスを有する、切粉を除去するための第1コンベヤを示す。
図2】切粉を除去するための第2コンベヤの前部を示す。
図3】下側のフィルタシステムを用いて切粉を除去するための第3コンベヤの前部を示す。
図4】フィルタドラムを用いて切粉を除去するための第4コンベヤ装置を示す。
図5】前記コンベヤのいずれか1つの前端部を拡大し、詳細を示す。
図6】第1ベルトリターン装置の領域内の第1偏向手段を、第1無端ベルトの下側走行部分(の一部)と共に示す。
図7】上側走行部分の領域における、第1無端ベルトの詳細図である。
図8】上側走行部分の領域における、別の第2無端ベルトの詳細図である。
図9】第1偏向装置の領域の第2偏向手段の斜め上面図を、第1無端ベルトの下側走行部分(の一部)と共に示す。
図10図9に係る第2偏向手段の斜め下面図であり、無端ベルトがない状態において、前記第1ベルトリターン装置の領域を示す。
図11】横方向の保護壁を有する、図9に係る視点における、第2偏向手段を示す。
図12(a)】横方向の通過トラックを有する第3無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
図12(b)】横方向の通過トラックを有する第3無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
図13(a)】2つの横方向の通過トラックを有する第4無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
図13(b)】2つの横方向の通過トラックを有する第4無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
図14(a)】中央通過トラックを有する第5無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
図14(b)】中央通過トラックを有する第5無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
図15(a)】横方向の通過トラックを有する第6無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
図15(b)】横方向の通過トラックを有する第6無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
図16】第1ベルトリターン装置の領域の第3偏向手段の、斜め上面図を示す。
図17図16に係る第3偏向手段の、斜め下面図を示す。
図18】第1ベルトリターン装置の領域の第4偏向手段の、斜め上面図を示す。
図19図18に係る第4偏向手段の、斜め下面図を示す。
図20】落下開口部および押し込み要素を有する第5偏向手段の、斜め上面図を示す。
図21】第2ベルトリターン装置上の固定されたオーガの形態の第6偏向手段を、下側走行部分における第1無端ベルト(の一部)とともに示す。
図22】第3ベルトリターン装置上の被駆動オーガの形態の第7偏向手段を、下側走行部分における第1無端ベルト(の一部)とともに示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12-15】
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2022-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
以下に記載される項目は一般に、流入可能な搬送物のためのコンベヤ装置に関する。
【0002】
[背景]
コンベヤは、金属材料(例えば鋼鉄、アルミニウム、真ちゅう)などの材料を切削加工するときに蓄積する流入可能な搬送物(例えば、まとまった材料)、とりわけ切粉の除去を可能にし得る。この場合、加工の結果物は、しばしば液体冷却剤および/または潤滑剤と共に、廃棄またはリサイクルのためにコンベヤから供給される。コンベヤは同時に、フィルタ機能を有する場合もあり、当該フィルタ機能によって液体冷却剤および/または潤滑剤は固形材料から分離され、さらに利用するため、または集めて供給するために送り込まれる。無端ベルトは異なった構成を有する場合があり、例えば、ストラップ形状、バンド形状またはベルト形状に設計されている場合もあれば、またはヒンジとして設計されている場合もある。
【0003】
無端ベルトを有するコンベヤにおいては、無端ベルトは少なくとも2つの偏向装置の間に案内され、以下では上側走行部分と呼ぶ上側経路と、以下では下側走行部分と呼ぶ下側経路とを通過する。一般に、上側走行部分は搬送物を投入領域から排出領域に搬送する役割を果たし、下側走行部分は戻り行路に相当する。
【0004】
以下では中間スペースと呼ぶ上側走行部分と下側走行部分との間の領域に、搬送物の一部が到達し、重力に従って、下側走行部分における無端ベルトの中間スペース側(当該中間スペース側は、上側走行部分に面している)に落下することは起こり得る。流入可能な搬送物が、材料加工によって生じる切粉からなる場合、これらは一般に、約1mm未満~約10mm以上の長さを有する。下側走行部分における無端ベルトの中間スペース側に達した物を、以下では中間スペース物と呼ぶ。駆動された無端ベルト上に置かれると、中間スペース物はベルトリターンの領域に入り込み、そこでギアやプーリなどのベルトリターン装置の部品に混入するか、または堆積し得る。ベルトリターン装置に付着しない中間スペース物は、下側走行部分における無端ベルトの中間スペース側に落下し、その結果、ベルトリターン装置に再び達し得る。上側走行部分を通過するか、それを通過して中間スペースに入る追加の物により、中間スペース物は、ベルトリターン装置の領域に、連続的に蓄積する。特に、切粉は引っかかり合い、より大きな毛玉状構造を形成する傾向がある。これは、ベルトリターン装置の領域に誤動作または損傷を引き起こす可能性があり、高価なクリーニング、修理または保守を必要とする場合がある。
【0005】
日本特許第3466983号より、金属加工によって生じる切粉用コンベヤが知られており、当該発明はバンドリターン装置にギアの代わりに固定プーリを使用することを提案しており、当該固定プーリ上に、無端ベルトのプーリガイドチェーンが走行できる。歯車の歯がないことには、バンドリターン装置において中間スペース物が沈降することを防止するか、または少なくとも沈降しにくくするという意図がある。同様の解決策としては、米国特許No.10,427,261B2に関するものが知られており、当該開示においては、環状偏向要素は、無端ベルトのバンドリターン装置として機能する。無端ベルトの側方ガイドチェーン間の中間スペースに到着した材料は、偏向要素との接触により外側領域へと押圧され、そこでクロスストラットにより取り出されて排出領域に送り出される。この解決策は、ガイドチェーン内に蓄積する材料にのみ作用する。ガイドチェーン間の領域に蓄積する中間スペース物に対する解決策は提供されていない。
【0006】
米国特許出願公開第2016/0263500号は、上側走行部分と下側走行部分との間にフィルタボックスが配置された、背景技術に関するタイプのコンベヤを開示している。濾過された液体が排出口を介して濾液用タンクに供給される一方で、上側走行部分と下側走行部分との間の中間スペースに入った切粉は、フィルタボックスの内部に入らない。フィルタボックスの内側には少なくとも1つのブラシが配置されており、これはフィルタボックスのフィルタ表面上を掃き、フィルタ表面に堆積した切粉を取り除く。したがって、切粉は中間スペースに残り、上述の欠点をもたらす可能性がある。
【0007】
欧州特許 1 256 417より、金属加工によって発生した切粉用のコンベヤが知られており、当該コンベヤにおいて無端ベルトはヒンジであり、下側バンドリターン装置と上側バンドリターン装置との間を走行する。上側バンドリターン装置は、同時に切粉除去端部であり、搬送された切粉はそこでコンベヤから回収タンクへと落下する。中間スペース物に関する問題を回避するため、コンベヤの中間スペースに分離プレートが設けられる。当該分離プレートは、下側ベルトリターン装置から、切粉除去端部の近傍に延びている。中間スペースおよび下側走行部分に達する物の一部は、無端ベルトの中間スペース側に配置されたクロスバーによって導かれ、ベルトリターン装置を介して分離プレート上に、さらに分離プレートに沿って排出機構へと導かれる。当該排出機構は、分離プレートの開口部と、当該開口部を通って落下する材料を横方向に除去するシュートまたはオーガとを含む。この発明の欠点は、コンベヤのほぼ全長にわたって伸長する分離プレートと同時に、対応する材料のコストと、分離プレートの全範囲にわたって、この分離プレートに沿った搬送の確実性とを確保する必要があることである。最後に、中間スペース物のための、別個の排出機構を設けなければならない。
【0008】
米国特許出願公開第2016/0016271号には、金属加工中に生じる切粉を除去するためのコンベヤが開示されている。本開示において、ヒンジとして設計された無端ベルトは、位置に応じて開閉可能な部材を有している。堆積点の方向における切粉の搬送を意図したコンベヤの上側走行部分において、当該部材は閉鎖され、したがって、切粉の搬送に寄与する。しかしながら、下側走行部分においては、当該部材は重力に従って自動的に開き、その結果、下側走行部分と上側走行部分との間の中間スペースに達した切粉は、開いた部材を通って、中間スペースからコンベヤのハウジング底部に落下し得る。そこから、無端ベルトの外側に配置された外部ストリップによって、切粉は上側走行部分に搬送され、廃棄のために供給され得る。自動的に開く部材は、上側走行部分において、搬送に用いられる無端ベルトの表面の全幅にわたって延在する。開く部材は、無端ベルトの製造のための付加的な費用と、システムの機械的故障のさらなるリスクをもたらす。
【0009】
(発明の概要)
本開示は一般に、中間スペース物を中間スペースから確実に除去し、従来技術と比較して費用を低減することを可能にするコンベヤに関する。一実施形態によると、前記コンベヤは、無端ベルトと、ベルトリターン装置と、を備える。前記無端ベルトは、上側走行部分と下側走行部分とを備え、搬送物を搬送方向に搬送するように構成されている。前記上側走行部分と前記下側走行部分との間には中間スペースが規定されている。前記ベルトリターン装置は、前記無端ベルトの前記上側走行部分と前記下側走行部分との間の転換を促進する。前記無端ベルトは、前記中間スペースに到達した前記搬送物の一部によって形成される中間スペース物の少なくとも一部の排出を可能にする、少なくとも1つの排出開口部を規定する。前記無端ベルトの少なくとも一部は、コンベヤトラックと通過トラックとを備える。前記通過トラックは前記少なくとも1つの排出開口部を規定する。前記コンベヤトラックと前記通過トラックとは、前記搬送方向に並んで配置されている。
【0010】
以下、本開示の実施形態の表現において、より単純な言語表現のために1つのコンベヤトラック(a conveyor track)、または1つの通過トラック(a passage track)に言及する場合、これは、それぞれの実施形態を、厳密に1つのコンベヤトラック、または厳密に1つの通過トラックの、特殊なケースに限定するものではない。特に明記しない限り、本開示の解決策は、例えば2つの通過トラックの間に1つのコンベヤトラックがある場合、または2つのコンベヤトラックの間に1つの通過トラックがある場合など、コンベヤトラックおよび/または通過トラックが複数あるケースに、必ず適用される。
【0011】
従って従来の技術とは異なり、本開示の無端ベルトは、全体、または少なくとも1つの区画が2つの隣接したトラックに分割され、そのうちの1つ、すなわちコンベヤトラックは、主に搬送物を搬送する役割を果たし、少なくとも1つの通過トラックは、下側走行部分に位置するときに無端ベルトを介して中間スペース物を通過させる役割を、可能な限り果たす。
【0012】
複数の通過トラックを、搬送方向に互いに離して配置すると有利である。その結果、無端ベルトの安定性が向上する。さらに、通過トラックが存在しないバンド区画において、より広い幅が搬送のために利用可能になるので、上側走行部分の無端ベルトの外側において、より多くの材料を搬送可能になる。
【0013】
本開示に係るコンベヤは、少なくとも1つの偏向手段を備えてよく、当該少なくとも1つの偏向手段は、上側走行部分と下側走行部分との間の中間スペースに到達した前記搬送物の一部によって形成される中間スペース物の少なくとも一部を、前記通過トラックに向かう方向に誘導するように配置されている。その結果、中間スペース物の除去効率が向上する。
【0014】
特に、本開示に係るコンベヤは、前記少なくとも1つの偏向手段が、上側走行部分と下側走行部分との間に配置され、搬送方向に向かって斜めに伸長する少なくとも1つの偏向ストリップを備えるように設計されていれば、有利であり得る。前記無端ベルトが走行しているとき、前記中間スペース物は、前記少なくとも1つの偏向ストリップと接触することができ、当該少なくとも1つの偏向ストリップによって通過トラックに向かう方向に偏向される。前記少なくとも1つの偏向ストリップは、下側走行部分に載置された中間スペース物に作用し、これを通過トラックに直接導くことができる。しかしながら、中間スペース物が即座に偏向を介して通過トラックへと通過せず、初期段階において、少なくとももう1度、前記ベルトリターン装置を通過することも考えられる。次いで、前記中間スペース物は、別個の手段によって、または後の通過中に、通過開口部または通過開口部のうちの1つに到達することができる。
【0015】
しかしながら、本開示に係るコンベヤは、前記中間スペース物を前記通過トラックに向かう方向に偏向させるために、前記少なくとも1つの偏向ストリップが上側走行部分と協働するように設計されてもよい。この目的のために、前記少なくとも1つの偏向ストリップは、偏向手段のベースプレートから上側走行部分の方向に伸長してよい。前記上側走行部分に依然として残っている中間スペース物は、前記駆動された無端ベルトにおいて除去され、および/または前記通過トラックに向かう方向に偏向される。前記偏向手段の前記ベースプレートに到達する中間スペース物も、前記少なくとも1つの偏向ストリップとの相互作用において、前記無端ベルトの搬送運動によって、前記通過トラックに向かう方向に、さらに偏向させることができる。
【0016】
少なくとも2つの偏向ストリップを提供し、そのうちの少なくとも1つを上側走行部分と協働させ、少なくとも1つを下側走行部分と協働させることも可能である。この場合、全ての偏向ストリップは、例えば同一のベースプレートに固定されるなど、同一の偏向手段に属していてもよい。前記上側走行部分と、より多くの偏向ストリップが相互作用してもよく、および/または前記下側走行部分と、より多くの偏向ストリップが相互作用してもよい。この場合、同一の走行部分と協働する前記偏向ストリップは、お互いに平行に整列されてよい。この場合、前記偏向手段を、例えば前記無端ベルトの幅を超えない長さなど、比較的短く保つことができ、前記中間スペース物は遅くとも複数回の通過後に、前記通過トラックに到達する。しかし、同一の走行部分でありながら無端ベルトの幅の異なる部分と協働する偏向ストリップは、無端ベルトと平行でないように方向づけられていてもよく、その場合、前記中間スペース物を異なる方向に偏向する。これは特に、互いに間をおいた少なくとも2つの隣接する通過トラックが存在する場合に、有用であり得る。
【0017】
また、本開示に係るコンベヤは、前記少なくとも1つの偏向手段がベースプレートに少なくとも1つの落下開口部を有するように設計されてもよい。従って、上側走行部分と下側走行部分との間に配置された前記偏向手段の前記ベースプレートに到達した前記中間スペース物を、前記少なくとも1つの落下開口部を通って前記下側走行部分に落下させることができ、または前記下側走行部分の前記通過開口部の1つを通過して落下させることができる。
【0018】
この場合、本開示に係るコンベヤは、前記落下開口部より下方、または前記落下開口部の少なくとも1つの下に、重力方向に向かって斜めに配向されたスライド部材が伸長するように設計されてもよい。前記スライド部材はシュートとして作用し、関連した前記落下開口部を介した前記中間スペース物の通過を、所望の方向、すなわち前記下側走行部分の前記少なくとも1つの通過トラックの領域に向かう方向に、方向づける。各落下開口部は、自身の下部に、スライド部材をそれぞれ有してもよい。しかし、少なくとも2つの隣接する落下開口部に対して共通のスライド部材を設けることも考えられる。ここでいう「隣接」とは、搬送方向に隣接していること、または搬送方向に対して横向きに隣接していることを意味する。
【0019】
さらに、本開示に係るコンベヤは、前記ベルトリターン装置が偏向ガイドと、前記偏向ガイドの間で前記ベルトリターン装置の軸方向に伸長する周壁とを有するように設計されてよい。
【0020】
前記偏向手段の構造によっては、前記中間スペース物の一部は、前記ベルトリターン装置の周辺において少なくとも1回転した後に、前記通過トラックまたは前記通過トラックの1つに到達するのみである。前記ベルトリターン装置周辺の前記スペース物の循環を容易にするために、前記周壁は前記無端ベルトと協働して、回転中の前記中間スペース物の脱落を防止できる。理想的には、前記周壁はまた、循環中に前記中間スペース物を搬送する前記無端ベルトの領域に対して、前記中間スペース物へのスペースの提供、および前記中間スペース物の落下の防止を同時に実現するような、半径方向距離を有する。
【0021】
また本開示に係るコンベヤはまた、前記中間スペースおよび/または前記偏向装置の前記周壁に面する前記無端ベルトの内側に隆起構造を有し、当該隆起構造は、前記偏向装置と協働して前記中間スペース物を搬送するように設計されてもよい。当該隆起構造は、前記無端ベルト上で同時に他の目的を果たすことができ、そのような目的の例としては、前記無端ベルトがヒンジである場合、リンクプレートなどの前記無端ベルトの結合要素がある。それゆえジョイントロッドを囲むリンクプレートのジョイントスリーブを、前記中間スペースに面する側のリンクプレートと比較して隆起させることができ、それにより、前記中間スペース物の搬送を援助できる。前記ベルトリターン装置および無端ベルトは、前記隆起構造が前記ベルトリターン装置周辺の前記中間スペース物の、前記下側走行部分から前記上側走行部分への搬送を促進するように設置される。
【0022】
さらに、本開示に係るコンベヤは、前記無端ベルトの前記隆起構造が、前記搬送トラックの幅の少なくとも一部にわたって伸長する、少なくとも1つの押し込み要素を備えるように設計されてよい。前記押し込み要素は、中間スペースの方向に前記無端ベルトから伸長し、前記中間スペース物が前記少なくとも1つの偏向ストリップと接触する場合に、前記中間スペース物がさらに搬送されることを確実にする。押し込み要素は、固体材料のストリップであってよい。前記少なくとも1つのストリップに加えて、少なくとも1つのさらなる隆起構造が提供されてよい。特に、前記押し込み要素または前記押し込み要素の少なくとも1つがフレキシブルであるか、または(例えばゴムなどのフレキシブルな材料を使用する、またはブラシもしくはブラシ様の取付け具を使用することによって)フレキシブルなライニングを有し、前記のフレキシブルな要素またはブラシの毛を用いて、とくに少なくとも1つの偏向ストリップの領域の偏向手段上の、実質上すべての中間スペース物、または偏向ストリップが複数ある場合は偏向ストリップの間にある前記中間スペース物に到達する。
【0023】
前記無端ベルトの側面領域を保護するために、特にこれらの側面領域がコンベヤチェーンを有する場合、前記偏向手段および/または前記ベルトリターン装置は、前記中間スペース物、特に偏向された中間スペース物の、例えばコンベヤチェーンなどの側面領域への通過を防止する、少なくとも1つの横向きの保護壁を有してよい。
【0024】
本開示に係るコンベヤはまた、前記少なくとも1つの偏向手段がオーガを備えるように設計されてもよい。前記オーガは一つの選択肢として、または前記少なくとも1つの偏向ストリップに加えて、用いられてよい。
【0025】
本開示によれば、前記オーガは固定されていてよい。「固定される」とは、前記オーガが前記コンベヤの前記ハウジングに対して回転しないことを意味する。前記固定されたオーガは、ベルトリターン装置上、または内部に配置されてよい。前記無端ベルトが駆動されると、前記固定されたオーガの少なくとも1本のねじ山は無端ベルトに非常に接近し、前記無端ベルトの前記中間スペース側に配置された前記搬送物は、前記ねじ山によって所望の方向に横に向かって偏向される。
【0026】
あるいはまた、前記オーガに入った前記中間スペース物が前記オーガによって能動的に移動(すなわち本開示の意味における偏向)されるように、前記オーガは駆動されてもよい。前記オーガの駆動は、前記駆動された無端ベルトを介して、または別個のモータによって行われ得る。
【0027】
前記固定されたオーガおよび前記被駆動オーガにおいて、前記ねじ山の方位が異なる少なくとも2つの領域が設けられ得る。その場合、前記オーガは中間スペース物を反対方向に偏向させることができる。前記無端ベルトに1つより多くの通過トラックが存在する場合、後者は特に有用である。
【0028】
前記被駆動オーガの場合には、前記被駆動オーガがハウジングによって囲まれるように、前記コンベヤは形成されてよい。前記ハウジング、またはその一部は同時に、ベルトリターン装置周辺の中間スペース物の循環を援助する、ベルトリターン装置の周壁であってよい。
【0029】
また、前記オーガの長軸方向の上方に伸長する、前記中間スペース物のための少なくとも1つの注入口を、前記被駆動スクリューコンベヤを囲む前記ハウジングが有するように、本開示に係るコンベヤを設計してもよい。前記無端ベルトは、その中間スペース側が前記ハウジングの前記注入口を覆いながら走行するので、前記中間スペース物の少なくとも一部は前記ハウジングに入り、したがって前記オーガへと通過する。
【0030】
前記被駆動オーガを囲む前記ハウジングは、前記中間スペース物のための排出口を有してよく、当該排出口は無端ベルトの、前記通過トラック用に割り当てられた領域の上方にある。
【0031】
また、前記オーガ、特に前記被駆動オーガは、前記ベルトリターン装置から離れた位置に配置されてもよい。
【0032】
また、本開示に係るコンベヤは、前記通過トラックを覆うカバーを前記上側走行部分の上方に備えるように設計されてもよい。当該カバーは、前記搬送物が前記通過トラックの前記通過開口部に入ることを防止する。前記通過トラックが複数の場合には、前記通過トラックの全てを覆うように、一致した数のカバーが提供されてよい。前記カバーは、前記上側走行部分の一部にわたって、またはその完全な長さにわたって伸長してよい。前記カバーの少なくとも一部は、前記供給開口部のフレームの一部によって提供されてよい。この場合、前記供給開口部から離れた前記通過トラックを、追加のカバー手段によって覆ってもよい。
【0033】
本開示に係るコンベヤの例示的な実施形態を、図面を参照して以下に説明する。
【0034】
[図面の簡単な説明]
特定の実施形態は、添付の図面と併せて以下の説明からより良く理解されると考えられる。
【0035】
図1は、内部フィルタボックスを有する、切粉を除去するための第1コンベヤを示す。
【0036】
図2は、切粉を除去するための第2コンベヤの前部を示す。
【0037】
図3は、下側のフィルタシステムを用いて切粉を除去するための第3コンベヤの前部を示す。
【0038】
図4は、フィルタドラムを用いて切粉を除去するための第4コンベヤ装置を示す。
【0039】
図5は、前記コンベヤのいずれか1つの前端部を拡大し、詳細を示す。
【0040】
図6は、第1ベルトリターン装置の領域内の第1偏向手段を、第1無端ベルトの下側走行部分(の一部)と共に示す。
【0041】
図7は、上側走行部分の領域における、第1無端ベルトの詳細図である。
【0042】
図8は、上側走行部分の領域における、別の第2無端ベルトの詳細図である。
【0043】
図9は、第1偏向装置の領域の第2偏向手段の斜め上面図を、第1無端ベルトの下側走行部分(の一部)と共に示す。
【0044】
図10は、図9に係る第2偏向手段の斜め下面図であり、無端ベルトがない状態において、前記第1ベルトリターン装置の領域を示す。
【0045】
図11は、横方向の保護壁を有する、図9に係る視点における、第2偏向手段を示す。
【0046】
図12(a)は、横方向の通過トラックを有する第3無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
【0047】
図12(b)は、横方向の通過トラックを有する第3無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
【0048】
図13(a)は、2つの横方向の通過トラックを有する第4無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
【0049】
図13(b)は、2つの横方向の通過トラックを有する第4無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
【0050】
図14(a)は、中央通過トラックを有する第5無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
【0051】
図14(b)は、中央通過トラックを有する第5無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
【0052】
図15(a)は、横方向の通過トラックを有する第6無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
【0053】
図15(b)は、横方向の通過トラックを有する第6無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
【0054】
図16は、第1ベルトリターン装置の領域の第3偏向手段の、斜め上面図を示す。
【0055】
図17は、図16に係る第3偏向手段の、斜め下面図を示す。
【0056】
図18は、第1ベルトリターン装置の領域の第4偏向手段の、斜め上面図を示す。
【0057】
図19は、図18に係る第4偏向手段の、斜め下面図を示す。
【0058】
図20は、落下開口部および押し込み要素を有する第5偏向手段の、斜め上面図を示す。
【0059】
図21は、第2ベルトリターン装置上の固定されたオーガの形態の第6偏向手段を、下側走行部分における第1無端ベルト(の一部)とともに示す。
【0060】
図22は、第3ベルトリターン装置上の被駆動オーガの形態の第7偏向手段を、下側走行部分における第1無端ベルト(の一部)とともに示す。
【0061】
[詳細な説明]
図1は、第1コンベヤ1(以下、コンベヤと呼ぶ)の断面を概略的に示しており、図5においては、その前端(図1においては左端)が拡大されている。前記コンベヤ1は、金属加工中に発生し、コンベヤ1のタンク3に供給開口部2を介して液体冷却剤と共に満たされる切粉を除去するために使用される。無端ベルト4はコンベヤ1内に配置され、ここでは図示しないモータによって駆動される。供給開口部2を介して無端ベルト4に到達した切粉は、駆動された無端ベルト4によってコンベヤ1の上昇片5を介して放出端6に搬送され、排出シュート7を介して無端ベルトから、ここでは図示しない回収容器内へと落下する。
【0062】
コンベヤ1のタンク3内にはフィルタボックス8があり、当該フィルタボックス8はフィルタ材によって囲まれ、液体冷却剤に対して透過性であるが、固形物、特に切粉の侵入を阻止する。濾液は、フィルタボックス8の内部からここには示されていない清浄タンクに供給され、冷却剤として再び使用され得る。例えば、無端ベルト4によって運ばれるストリップまたはブラシを用いて、フィルタボックスの外周に付着した切粉を取り除くために、ここでは図示されない手段が設けられてもよい。
【0063】
無端ベルト4が好ましく側壁9を有する場合であっても、切粉が上側走行部分11と下側走行部分12との間の中間スペース10に落ち込み、下側走行部分12の、中間スペース10に対向する無端ベルト4の中間スペース側13に付着することを排除できない。
【0064】
無端ベルト4は、第1ベルトリターン装置14において下側走行部分12から上側走行部分11へと導かれる。この目的のために、(図には示されていない)滑らかな表面を有するギアまたはプーリを使用してよい。例えば、ここには示されていない駆動ギア、または代替の駆動に適した物を介して、無端ベルト4の駆動は排出端部6の領域において行われる。
【0065】
中間スペース10内、特に下側走行部分12内の無端ベルト4の中間スペース側13上に堆積した切粉(図示せず)は、第1ベルトリターン装置14にとって問題となる。特別な手段がなければ、切粉はベルトリターン装置14またはその領域に蓄積し、コンベヤ装置1の動作を妨げ得る。この場合、入念な洗浄手段が必要となる。
【0066】
図2図4は、図1に係る第1コンベヤ1と比較して切粉および液体冷却剤を分離する方法を変更した、更なる例示的なコンベヤ100、200、および300を、例として詳細図において示す。第1コンベヤ1と同様に、コンベヤ100および200(図2および3)は、上昇片5、排出端6、および排出シュート7を有し得る。切粉の放出をもたらすコンベヤ100および200の領域は、本明細書に関連する発明の表現にとって重要度がより低く、従って、図2および3においては再現されない。しかし図4においては、液体冷却剤と切粉とを分離する装置がこの領域に配置されているので、そこを示している。
【0067】
以下においては繰り返しを回避するために、第2コンベヤ装置100(図2)、第3コンベヤ装置200、および第4コンベヤ装置300における同様の特徴が、共に示される。括弧内の参照番号は、それぞれ他のコンベヤ200(図3)および300(図4)内の、対応する特徴を指す。
【0068】
コンベヤ100(200、300)が有する無端ベルト104(204、304)は、例えば第1コンベヤ装置1のための第1無端ベルト4に一致するように、または同様に構成されてよく、または異なる様式で構成されてもよい。無端ベルト104(204、304)は、コンベヤ装置100(200、300)の前方領域において上側走行部分111(211、311)および下側走行部分112(212、312)を形成する。下側走行部分112(212、312)から上側走行部分111(211、31)への転換は、ベルトリターン装置114(214、314)を介して行われる。冷却剤および切粉は、供給開口部102(202、302)を介してタンク103(203、303)へと通過する。
【0069】
第2コンベヤ100(図2)は、フィルタボックスまたは他の別個のフィルタ装置を有さず、むしろ、排出口120を介してタンク103から冷却剤を導出する。切粉/冷却剤混合物を充填するとき、切粉の十分に大きな部分が上側走行部分111上に残り、搬送されると仮定する。第2コンベヤ100から排出口120を通って出てくる切粉は、放置されるか、または別個のフィルタ手段によって捕捉される。
【0070】
第3コンベヤ200はタンク底部219の面の下部にフィルタチャンバ208を有し、当該フィルタチャンバ208は、ここでは図示されないフィルタストラップによってタンク203から区切られている。冷却剤の濾液は排出口(図示せず)を介して清浄タンク(図示せず)に入る。
【0071】
第4コンベヤ300(図4)はフィルタ手段として、上昇片305内に回転可能フィルタドラム308を有し、当該回転可能フィルタドラム308は、フィルタ材で覆われ、回転軸の領域に濾液の排出口を有する。第4コンベヤ300については、フィルタ材料、回転軸および出口開口は図示されていない。
【0072】
第2~第4コンベヤ100、200、および300については、第1コンベヤ1の場合と同様に、切粉は上側走行部分11(111、211、311)と下側走行部分12(112、212、312)との間の中間スペース110(210、310)内へと移動され、下側走行部分112(212、312)において中間スペース10(110、210、310)に対向する無端ベルト104(204、304)の中間スペース側113(213、313)に付着する可能性がある。
【0073】
すべてのコンベヤ1(100、200、300)について、中間スペース側113(213、313)上に蓄積する切粉は、無端ベルト4(104、204、304)によってベルトリターン装置14(114、214、314)へと導かれ、そこに蓄積し、互いに重なり合い、高価な手段によってのみ除去可能な、破壊的な構造物を形成し得るという問題が生じる。このような構造物の形成を回避するために、無端ベルト4(104、204、304)は切粉のための通過開口部を有し、それらは図1図4においては不可視だが、以下の図においては詳細に図示されている。さらに、偏向手段15(115、215、315)はベルトリターン装置14(114、214、314)上またはその近傍に設けられ、当該偏向手段は図1図4において記号的にのみ示され、その例示的な変形例は、以下の図においてより詳細に説明される。
【0074】
以下に示される無端ベルトおよび偏向手段のすべての例示的な構造、およびそれらの変更は、例として示されるすべてのコンベヤ1、100、200もしくは300、またはそれらの変更に使用可能である。
【0075】
図6は、第1ベルトリターン装置14の詳細な斜め上図を、第1偏向手段15および第1実施形態の無端ベルト4(以下、第1無端ベルト4という)の下側走行部分12の一部と共に示す。偏向手段15が見えるように、図6には上側走行部分11は示されていない。駆動された第1無端ベルト4は、下側走行部分12において第1ベルトリターン装置14へと移動し、その結果、第1偏向手段15へと移動する。第1無端ベルト4の中間スペース側13にある切粉(図示せず)は、搬送方向に斜めに伸長する偏向エッジ16によって、左に偏向される。前記偏向エッジ16は、特許請求の範囲に記載されている偏向ストリップの、一つの例示的な実施形態である。第1無端ベルト4は横向きの通過トラック17を有し、当該横向きの通過トラック17は複数の通過開口部18を有し、そのうちの2つのみに符号が付されているのが図6である。通過開口部18は、切粉の無端ベルトを介した通過を可能にし、その結果、切粉は中間スペース10(図2参照)を離れて、タンク3のタンク底部19(図1および図5参照)に落下できるようになる。第3コンベヤ200(図3)の場合、切粉は、フィルタチャンバ208のうちの1つに落下し得る。
【0076】
図7は、中間スペース10とは反対を向いた無端ベルト4の外側26の、斜め上面図において、第1無端ベルト4を詳細に示している。この図においては、第1無端ベルト4の側壁9が見える。横方向において、ガイドチェーン28は第1無端ベルト4の限界域を形成している。第1無端ベルト4はガイドチェーン28を介して駆動され、例えばガイドレール29(図6参照)によってコンベヤ1内に誘導される。
【0077】
通過開口部18を有する通過トラック17は、中間壁21によってコンベヤトラック20から分離されている。コンベヤトラック20には、通過開口部18は存在しない。無端ベルト4は、この例においてはジョイントロッド23を囲むジョイントスリーブ24を介して回動可能に固定されたリンクプレート22を有するヒンジである。無端ベルト4は、搬送方向に向かって横方向に延びる外部ストリップ25によって、複数の区域に分割されている。外部ストリップ25は、特にコンベヤ装置1の上昇片5を介して、第1無端ベルト4に載置された切粉を、排出端部6に向かってさらに搬送する確実性を高める。
【0078】
無端ベルト4の外側26に配置された外部ストリップ25はまた、タンク底部19(119、219)に到達する切粉、または第3コンベヤ200の場合には、フィルタチャンバ208のうちの1つに到達する切粉が、ベルトリターン装置14を介して上側走行部分11にさらに搬送され、その結果、排出端部6の外側26に供給され得ることを確実にする。
【0079】
無端ベルト4の通過トラック17とコンベヤトラック20とへの分割は本例においては連続しておらず、無端ベルト4の複数の区域に限定され、図6および図7に示す例においては、4つの通過開口部18を特徴とする通過トラック17が、2つの外部ストリップ25の間の区域の一部にわたってのみ延在している。無端ベルト4の外側26に通過トラックがない領域において、無端ベルト4が、切粉の排出端部6への搬送のために全幅にわたって利用可能であるように、通過トラック17の長さを限定することは有用である。さらに、通過長さが限定された通過トラックを有する無端ベルト4は、より高い安定性を有する。
【0080】
中間壁21は、2つの外部ストリップ25の間において連続している。これにより、中間壁21の周辺において液体冷却剤によって切粉が通過開口部18へと流され、中間スペース10に到達することが防止される(図1および図5参照)。
【0081】
図6は、無端ベルトの中間スペース側13上の中間スペースストリップ27を示す。中間スペースストリップ27は、特許請求の範囲の意味における押し込み要素であり、例えば、ショベルのようなものであってよい。中間スペースストリップ27は、ジョイントスリーブ24に対してより高く、その結果、中間スペース側13に載置されている切粉の搬送を確実に改善することができる。さらに、中間スペースストリップ27は、ベルトリターン装置14内の切粉の、上側走行部分11へと向かう搬送を改善する。この目的のために、中間スペースストリップ27は、ベルトリターン装置14の周壁82と協働する。無端ベルト4のための、2つのベルトリターンガイド83の間に伸長する周壁82は、固定されていてもよいし、回転するものであってもよい。周壁82は、周壁82から適当な距離をおいた位置で案内された無端ベルト4と、場合によっては無端ベルト4上に取り付けられた中間スペースストリップ27または他の隆起構造と協働して、無端ベルト4の中間スペース側13によって運搬された中間スペース物が、ベルトリターン装置14の周辺を循環するときに、重力に従ってベルトリターン装置14の下、または前の領域に滑り戻らないこと、または流れ落ちないことを防止する。
【0082】
さらに、中間スペースストリップ27は、ベルトリターン装置14の周辺を循環した後、第1偏向手段15上に載置された切粉が一掃され、下側走行部分12の無端ベルト4の中間スペース側13に落下することを確実にする。第1コンベヤ1(図1)の場合、中間スペースストリップ27は、フィルタボックス8の上側および/または下側から、切粉を分離することもできる。ここでは図示されていないが、中間スペースストリップ27の役割は、中間スペースストリップ27の代わりに、またはそれに加えて、ブラシの形態において、またはブラシアタッチメントを備えて提供される、異なる押し込み要素によっても果たされる。
【0083】
図6および図7に示す第1偏向手段15と、第1無端ベルト4とは、コンベヤ1、100、200、または300(図1~4)のみでなく、更なるコンベヤシステムに用いられてもよい。同じことが、以下に示すベルトリターン装置の更なる変形例に当てはまる。
【0084】
図8は、第2無端ベルト70の詳細を示す。第2無端ベルト70は、無端ベルト4(図7)に概ね対応するが、後者とは異なり、単一の連続した通過開口部72を有する、通過トラック71を有する。ジョイントロッド23が搬送チェーン73へと連続的に届かないので、この変形例は製造の観点において幾分か、より複雑である。しかしながら、通過開口部72がより大きくなることにより、より大きな切粉の通過を確実にする。
【0085】
さらに図7とは異なり、左側壁74は連続的に作られ、通過トラック71の高さにおいて、ギャップを有していない。側壁9の個々の相互に可動する要素は、側壁9において溶接などによりリンクプレート22に固定されるので、図7に示す第1無端ベルト4の側壁9におけるギャップは、本質的に製造の簡略化の結果、生じるものである。しかしながら図8に係る変形例においては、例えばガイドチェーン73上など、少なくとも通過開口部72の高さにおいて、側壁74の代替の固定が必要となる。連続した通過開口部72を有する変形例が、分断された側壁9に提供されてもよい。
【0086】
無端ベルト4および70の2つの変形例は、原理的には以下に示す代替の偏向手段に加えて、第1偏向手段15と共に使用されてよい。このことは、以下に示す無端ベルトの他の変形例にも、同様に当てはまる。
【0087】
図9は、ベルトリターン装置14の領域における、代替の第2偏向手段30を示す。第2偏向手段30は、第1無端ベルト4と相互作用する。図10は、第2偏向手段30を、斜め下面図において示す。第2偏向手段30はその下側に、無端ベルト4が駆動された状態の第1偏向手段15における偏向エッジ16と同様に、切粉を通過トラック17に向かう方向に偏向させるための下側偏向ストリップ31を備える(図9参照)。
【0088】
さらに、第2偏向手段30の上側には上側偏向ストリップ32がある。当該上側偏向ストリップ32は、通過トラック17または通過トラック17のために設けられた領域に到達することなく、さらに通過トラック17の方向に下側偏向ストリップ31を通過した切粉を偏向する役割を果たす。第2偏向手段30はさらに落下開口部33を有し、当該落下開口部を介して、切粉は第1無端ベルト4の下側の通過トラック17上、または第1無端ベルト4の中間スペース側13上に落下し得る。第2偏向手段30は材料を節約するために短く保たれ、その結果、落下開口部33からさらに離れている上側偏向ストリップ32は、切粉を通過トラック17へと完全に偏向させることができない。したがって、切粉が通過トラック17に到達するために、ベルトリターン装置14上を複数回通過しなければならない可能性がある。
【0089】
図11は第3偏向手段80を示し、当該偏向手段80は、第2偏向手段30(図9)との唯一の相違点として、横向きの保護壁81を有する。当該保護壁81は、偏向手段80上、または偏向手段80の下部に位置する切粉が、無端ベルト4のガイドチェーン28の領域に横向きに到達することを防ぐ。また、保護壁81を一つだけ、すなわち通過トラックが配置されている側に設けてもよい。
【0090】
図12(a)~15(b)は、コンベヤおよび関連する無端ベルトのための、様々な例示的な設計オプションを示す。それぞれの場合において、コンベヤは、冷却剤および切粉のための供給開口部の領域において、下側走行部分の無端ベルト上の断面図(a)、および下面図(b)において、示されている。
【0091】
図12(a)および図12(b)は第1無端ベルト4を示し、当該第1無端ベルト4の区域34の1つは可視であり、当該区域34において無端ベルト4は中間壁21によって隔てられ、搬送トラック20および通過トラック17に分割されている。区画34は、外部ストリップ25によって区切られている。供給開口部35は、そこを通過する切粉が上側走行部分11にあるときに、可能な範囲で通過トラック17に到達することを避けるように中心からずれて配置されている。供給開口部35を設けるフレーム90のカバー部分91は、通過トラック17に対応すると予測される無端ベルト4の領域をカバーする。これにより、不必要に高い割合の切粉が、上側走行部分11と下側走行部分12との間に入ることが防止される。
【0092】
図13(a)および図13(b)は、同一の区域39内の両側に、2つの横向きの通過トラック37および38が配置される、第3無端ベルト36を示す。再び、供給開口部40のためのフレーム92はカバー部分93を有し(図8(a)参照)、そのため通過トラック37および38が上側走行部分にあるとき、それらが直接、通過する切粉によって満たされることはない。
【0093】
図14(a)および図14(b)は、第4無端ベルト41を有する変形例を示す。当該第4無端ベルト41は、複数の中央通過トラック42を有し、それらのそれぞれが2つの搬送トラック45および46の間に伸長する。当該コンベヤにおいて、上側走行部分11の無端ベルト41の上部の中央領域に分離カバー44が設けられ、中央通過トラック42を保護する。カバー44によって、通過トラック42は上側走行部分11において切粉の通過に対して保護され、連続した供給開口部43を設けることができるようになる。カバーは、切粉が恒常的に付着し続けることを防止するルーフピッチを有してよい。しかし、ここに図示しない、カバー44上を移動するスクレーパ要素が、切粉を除去するために、無端ベルト41の搬送方向に対して平行に設けられていてもよい。
【0094】
最後に、図15(a)および図15(b)は、図12(a)および図12(b)のものと均等な変形例を示す。第5無端ベルト56の横向きの通過トラック84、および供給開口部96のためのフレーム95のカバー部分94が、図面の右側に配置されている点においてのみ、それは図12(a)および12(b)に係る変形例と異なる。なお、図12(a)および図12(b)の説明を参照されたい。
【0095】
図16は、ベースプレート85に2つの横向きの落下開口部48および49を有する第4偏向手段47を、斜め平面図において示し、図17は斜め下面図において示す。これは、例えば図13(a)および図13(b)の第3無端ベルト36の変形例として機能し得る。上側偏向ストリップ50および下側偏向ストリップ51は、下側走行部分12および上側走行部分11上の切粉を、通過トラック(図13(a)および13(b)の37)の方向に偏向する。
【0096】
図18は、第5偏向手段52を斜め平面図において示し、図19は下面図において示す。当該第5偏向手段52は、中央落下開口部53を有する。上側偏向手段54と下側偏向手段55とは、図14(a)および図14(b)の例に示すように、切粉を中央通過トラックに向かわせる。
【0097】
図20は無端ベルト4と共に、第6偏向手段86を示す。第6偏向手段86はベースプレート87上に複数の落下開口部88を有し、それらのそれぞれについて、プレート状のスライド部材89が下側走行部分11の方向に下向きに伸長している。プレート状のスライド部材89は、落下開口部88を通って落下する切粉およびスライド部材89上をスライドする切粉が、通過トラック17に向かう方向に偏向されるように配列される。
【0098】
図21は下側走行部分11のみの第6無端ベルト57を示しており、当該第6無端ベルト57は、第1無端ベルト4と同様に片側のみに通過トラック59を有している。しかしながら、第1無端ベルト4とは異なり、中間スペースストリップ27(図6参照)は設けられていない。プレート状の偏向手段は、不要になっている。代わりに、第7偏向手段として、第2ベルトリターン装置60に固定された、すなわち非回転のオーガ58が配置される。ねじ山61は、載置された切粉の搬送の間、無端ベルト57の中間スペース側と協働して、稼働している無端ベルト57と共に通過の都度、通過トラック59の方向に少しだけ、中間スペース側に位置する切粉を偏向させる。ここに図示されていない変形例においては、オーガはまた、異なる区画上に異なるねじ方向を有する少なくとも2つのねじ山を有していてもよく、このねじ山は切粉を異なる通過トラックに偏向させる。
【0099】
図22は、第8偏向手段として被駆動オーガ62と協働する第6無端ベルト57を示す。オーガ62は、注入口64を有するスクリューハウジング65内にねじ山63を備える第3ベルトリターン装置66内に配置されている。スクリューハウジング65は、その下側にここでは図示されない排出口を有し、これは通過トラック59のために意図された無端ベルト57の領域と反対である。無端ベルト57がベルトリターン装置66を通過すると、無端ベルト57の中間スペース側に載置された切粉は注入口64を介してハウジング65へと落下し、被駆動オーガによって、通過トラック59の領域の方向に誘導される。オーガの駆動は、無端ベルト57のガイドチェーンにかみ合う第3ベルトリターン装置66のギア67を介してなされる。
【0100】
ベルトリターン装置66には防壁69が固定されており、これにより、下側走行部分の無端ベルト57の中間スペース側に起こり得る切粉の蓄積が、平準化される。
【0101】
また、例えば一方においては固定されたオーガ58または被駆動オーガ62、他方においては第1~第6偏向手段15、30、80、47、52または86など、異なる偏向手段をお互いに組み合わせることも考えられる。本開示の実施形態および実施例の前述の説明は、例示および説明の目的において提示されており、網羅的であること、または本開示を記載された形態に限定することを意図していない。上記の教示に照らして、多くの変更が可能である。これらの変更の一部が議論されており、他の変更は当業者によって理解されるのであろう。実施形態は、本開示の原理、および想定される特定の使用に適した様々な実施形態を、最も良く例示するように選択され、記載された。本開示の範囲は、もちろん本明細書に記載された実施例または実施形態に限定されるものではなく、当業者によって任意の数の用途および同等の装置において、採用され得る。むしろ本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義されることが、本明細書によって意図される。また、特許請求および/または説明される任意の方法について、方法がフロー図に関連して説明されるかどうかにかかわらず、文脈によって特に指定または要求されない限り、方法を実行するときに実行される工程の任意の明示的、または暗示的な順序付けは、それらの工程が提示された順序で実行されなければならないことを意味せず、異なる順序で、または並列に実行され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0102】
図1】内部フィルタボックスを有する、切粉を除去するための第1コンベヤを示す。
図2】切粉を除去するための第2コンベヤの前部を示す。
図3】下側のフィルタシステムを用いて切粉を除去するための第3コンベヤの前部を示す。
図4】フィルタドラムを用いて切粉を除去するための第4コンベヤ装置を示す。
図5】前記コンベヤのいずれか1つの前端部を拡大し、詳細を示す。
図6】第1ベルトリターン装置の領域内の第1偏向手段を、第1無端ベルトの下側走行部分(の一部)と共に示す。
図7】上側走行部分の領域における、第1無端ベルトの詳細図である。
図8】上側走行部分の領域における、別の第2無端ベルトの詳細図である。
図9】第1偏向装置の領域の第2偏向手段の斜め上面図を、第1無端ベルトの下側走行部分(の一部)と共に示す。
図10図9に係る第2偏向手段の斜め下面図であり、無端ベルトがない状態において、前記第1ベルトリターン装置の領域を示す。
図11】横方向の保護壁を有する、図9に係る視点における、第2偏向手段を示す。
図12(a)】横方向の通過トラックを有する第3無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
図12(b)】横方向の通過トラックを有する第3無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
図13(a)】2つの横方向の通過トラックを有する第4無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
図13(b)】2つの横方向の通過トラックを有する第4無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
図14(a)】中央通過トラックを有する第5無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
図14(b)】中央通過トラックを有する第5無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
図15(a)】横方向の通過トラックを有する第6無端ベルトを有するコンベヤの、前端の断面図である。
図15(b)】横方向の通過トラックを有する第6無端ベルトを有するコンベヤの、前端の上面図である。
図16】第1ベルトリターン装置の領域の第3偏向手段の、斜め上面図を示す。
図17図16に係る第3偏向手段の、斜め下面図を示す。
図18】第1ベルトリターン装置の領域の第4偏向手段の、斜め上面図を示す。
図19図18に係る第4偏向手段の、斜め下面図を示す。
図20】落下開口部および押し込み要素を有する第5偏向手段の、斜め上面図を示す。
図21】第2ベルトリターン装置上の固定されたオーガの形態の第6偏向手段を、下側走行部分における第1無端ベルト(の一部)とともに示す。
図22】第3ベルトリターン装置上の被駆動オーガの形態の第7偏向手段を、下側走行部分における第1無端ベルト(の一部)とともに示す。
【国際調査報告】