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特表2023-512429種子ポッドアセンブリおよび回転式空中栽培装置と方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】種子ポッドアセンブリおよび回転式空中栽培装置と方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20230317BHJP
【FI】
A01G9/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540850
(86)(22)【出願日】2021-01-06
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 US2021012281
(87)【国際公開番号】W WO2021141968
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/957,353
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521029368
【氏名又は名称】ヘリポニックス、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッセイ、スコット
(72)【発明者】
【氏名】ボール、アイバン
【テーマコード(参考)】
2B327
【Fターム(参考)】
2B327ND02
2B327NE01
2B327QA02
2B327QB11
2B327QB24
2B327TA04
2B327TA27
2B327TC04
2B327TC21
2B327UA08
2B327UA09
2B327UA21
2B327UB03
2B327UB08
2B327UB21
2B327UB24
(57)【要約】
内部領域を画定し、内部で内容物を支持するように構成されたポッドと、内部領域内に少なくとも部分的に配置された成長培地と、内部領域内に少なくとも部分的に配置された植物種子と、内部領域内に植物種子を収容するためにポッドに結合された蓋とを有する、種子ポッド・アセンブリ。ポッドは、水および栄養素が植物種子に到達するか、またはポッド内から放出されることを可能にするために、植物成長装置の開口部内に配置されるようなサイズになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部領域を画定し、内部で内容物を支持するように構成されたポッドと、
前記内部領域内に少なくとも部分的に配置された成長培地と、
前記内部領域内に少なくとも部分的に配置された植物種子と、
前記内部領域内に前記植物種子を収容するために前記ポッドに結合された蓋と、
前記内部領域の添加剤層であって、前記添加材層は、2つの成長培地層の間に配置された、前記添加剤層とを含み、
前記ポッドは、水および栄養素が前記植物種子に到達するか、または前記ポッド内から放出されることを可能にするために、植物成長装置の開口部内に配置されるようなサイズになっている、種子ポッド・アセンブリ。
【請求項2】
前記ポッドは、少なくとも1つの開口部によって分離された支持セグメントを有し、前記開口部は、水、植物の根、および栄養素が前記内部領域に出入りすることを可能にする、請求項1に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項3】
前記内部領域と周囲環境との間にフィルタバリアを提供するために、前記内部領域の壁の少なくとも一部に沿って配置されたフィルタをさらに備える、請求項1に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項4】
前記成長培地および植物種子は、前記内部領域のフィルタ内に少なくとも部分的に配置される、請求項3に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項5】
前記内部領域内に添加剤を含み、前記添加剤は、肥料、pH緩衝剤、微生物、農薬、アジュバント、動物忌避剤、土壌増強剤、土壌濃縮剤、骨粉、植物成長ホルモン、シナモン、砂、吸湿剤、リボース、微生物接種剤、保温材、洗剤、洗浄液、酢、過酸化水素、石鹸、および殺虫剤のうちの1つまたは複数である、請求項1に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項6】
前記植物種子の周りに配置され、前記植物種子を前記内部領域の特定の位置に保持するように構成された種子位置決め部材をさらに備える、請求項1に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項7】
前記種子位置決め部材は、前記成長培地とは異なる材料で形成されている、請求項6に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項8】
前記種子位置決め部材は、発泡体で形成されている、請求項6に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項9】
前記種子ポッド・アセンブリの周りのラップをさらに含み、前記ラップは、前記種子ポッド・アセンブリを完全に取り囲み、前記種子ポッド・アセンブリが前記植物成長装置の前記開口部内に配置される前に前記ラップが取り外されるまで前記種子ポッド・アセンブリの前記内容物を周囲環境から保護するように構成される、請求項1に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項10】
前記添加剤層は、前記植物種子と接触している、請求項1に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項11】
前記フィルタの一部が、前記蓋と前記ポッドとの間に少なくとも部分的に配置され、前記蓋は、前記ポッドに結合されて、前記フィルタを内部に少なくとも部分的に保持するようになっている、請求項3に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項12】
前記ポッドに結合された、または前記ポッドから形成され、内部に配置されたときに前記開口部を画定する壁と少なくとも部分的に重なるように構成された、保持タブを備える、請求項1に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項13】
前記保持タブは、内部に配置されたときに前記開口部の前記壁に摩擦的に係合するように構成された内向きのテーパを有する、請求項12に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項14】
ポッド軸から半径方向に離れて延在する半径方向タブをさらに備え、前記保持タブは、前記半径方向タブに少なくとも部分的に隣接して配置される、請求項12に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項15】
前記保持タブは、前記半径方向タブの表面から延在する、請求項14に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項16】
前記種子ポッドが植物成長装置の前記開口部に配置されたときに、前記種子ポッド内の植物種子のタイプを識別するように構成された識別子をさらに含む、請求項1に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項17】
前記識別子は、前記蓋の上にある、請求項16に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項18】
前記識別子は、RFIDタグである、請求項16に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項19】
前記RFIDタグは、ポッド軸から半径方向に離れて延在する半径方向タブ上に配置される、請求項18に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項20】
前記ポッドおよび前記蓋のうちの1つまたは複数は、前記植物成長装置の対応する開口部に関連するように構成された色を有する、請求項1に記載の種子ポッド・アセンブリ。
【請求項21】
種子ポッド・アセンブリを形成する方法であって、
ポッドの内部領域にフィルタを配置するステップと、
前記ポッドの前記内部領域内の前記フィルタの空洞内に第1の成長培地層を挿入するステップと、
前記第1の成長培地層の前記フィルタの前記空洞内に植物種子を配置するステップと、
前記植物種子に隣接する前記フィルタの前記空洞内に第2の成長培地層を挿入するステップと、
蓋が前記ポッドの上部に結合されているときに、前記内部領域内の前記内容物を前記フィルタ空洞に圧縮するステップとを含む、方法。
【請求項22】
添加剤混合物および第3の成長培地層を添加するステップをさらに含み、前記添加剤混合物は、前記第1の成長培地層と前記第3の成長培地層との間に配置される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記添加剤混合物は、肥料、pH緩衝剤、微生物、農薬、アジュバント、動物忌避剤、土壌増強剤、土壌濃縮剤、骨粉、植物成長ホルモン、シナモン、砂、吸湿剤、保温材、リボース、微生物接種剤、洗剤、洗浄液、酢、過酸化水素、石鹸、および殺菌剤のうちの1つまたは複数である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記植物種子を配置するステップは、前記植物種子を種子位置決め部材内に配置して、前記植物種子を前記内部領域内に所望の方向で保持するステップをさらに含み、前記種子位置決め部材は、前記第1の成長培地層および前記第2の成長培地層とは異なる材料である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記種子ポッド・アセンブリの前記内部領域を周囲環境から完全に密閉するために、前記種子ポッド・アセンブリを材料ラップで包むステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記蓋を前記ポッドの前記上部への結合は、前記蓋と前記ポッドとの間の前記フィルタの少なくとも一部分をサンドイッチ型構成で溶融することを含み、前記フィルタの材料が前記ポッド内に融解する、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記蓋にオリフィスを形成し、前記オリフィスの上にカバーを配置するステップをさらに含み、前記カバーは、前記オリフィスを露出させるために前記蓋から少なくとも部分的に取り外し可能である、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記カバーは溶解可能である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
種子ポッド・アセンブリを形成する方法であって、
ポッドの内部領域にフィルタを配置するステップと、
前記ポッドの前記内部領域内の前記フィルタの空洞内に第1の成長培地層を挿入するステップと、
前記第1の成長培地層の前記フィルタの前記空洞内に植物種子を配置するステップと、
前記植物種子に隣接する前記フィルタの前記空洞内に第2の成長培地層を挿入するステップと、
添加剤混合物および第3の成長培地層を添加するステップであって、前記添加剤混合物は、前記第1の成長培地層と前記第3の成長培地層との間に配置される、ステップと、
蓋を前記ポッドの上部に結合するステップとを含む、方法。
【請求項30】
種子ポッド・アセンブリを形成する方法であって、
ポッドの内部領域にフィルタを配置するステップと、
前記ポッドの前記内部領域内の前記フィルタの空洞内に第1の成長培地層を挿入するステップと、
前記植物種子を種子位置決め部材内に配置して、前記植物種子を前記内部領域内に所望の方向で保持することによって、前記第1の成長培地層の前記フィルタの前記空洞内に植物種子を配置するステップであって、前記種子位置決め部材は、前記第1の成長培地層および前記第2の成長培地層とは異なる材料である、ステップと、
前記植物種子に隣接する前記フィルタの前記空洞内に第2の成長培地層を挿入するステップと、
蓋を前記ポッドの上部に結合するステップとを含む、方法。
【請求項31】
種子ポッド・アセンブリを形成する方法であって、
ポッドの内部領域にフィルタを配置するステップと、
前記ポッドの前記内部領域内の前記フィルタの空洞内に第1の成長培地層を挿入するステップと、
前記第1の成長培地層の前記フィルタの前記空洞内に植物種子を配置するステップと、
前記植物種子に隣接する前記フィルタの前記空洞内に第2の成長培地層を挿入するステップと、
前記蓋と前記ポッドとの間の前記フィルタの少なくとも一部分をサンドイッチ型構成で溶融することによって蓋を前記ポッドの上部に結合するステップであって、前記フィルタの材料が前記ポッド内に融解する、ステップとを含む、方法。
【請求項32】
種子ポッド・アセンブリを形成する方法であって、
ポッドの内部領域にフィルタを配置するステップと、
前記ポッドの前記内部領域内の前記フィルタの空洞内に第1の成長培地層を挿入するステップと、
前記第1の成長培地層の前記フィルタの前記空洞内に植物種子を配置するステップと、
前記植物種子に隣接する前記フィルタの前記空洞内に第2の成長培地層を挿入するステップと、
蓋を前記ポッドの上部に結合するステップと、
前記蓋にオリフィスを形成し、前記オリフィスの上にカバーを配置するステップであって、前記カバーは、前記オリフィスを露出させるために前記蓋から少なくとも部分的に取り外し可能である、ステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く言えば空中栽培システムに関するものであり、より具体的には自動回転式空中栽培システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガーデニングと食用農産物の農業は、人口が増え続け、従来の農業に利用できる資源が減少するにつれて、ますます重要になっている。より具体的には、従来の農業は、作物の種子を栄養豊富な土壌に堆積させることを可能にする、大きくて開けた畑を必要とする。種子は、太陽、水、および土壌で十分に入手できない他の栄養素への適切なアクセスを必要とする。
【0003】
従来の農業は二次元であり、畑は実質的に平面であり、作物の1つの層だけが通常畑に植えられる。したがって、典型的な農場は、太陽への十分なアクセスを備えた広い土地を必要とする。
【0004】
さらに、世界の特定の地域だけが、特定の作物を栽培するための適切な気候を提供している。例えば、米国中西部は、トウモロコシおよび大豆のような作物に理想的な気候を提供することができる。しかしながら、ブラジルの気候は、コーヒーおよび柑橘系の果物の生産により適している可能性がある。したがって、従来の農業は、少なくとも土地の利用可能性と耕作される地域の気候によって制限される。
【0005】
平坦な成長操作は、下葉が十分な光接触を受けるのを妨げるキャノピー形成に悩まされる。キャノピーの形成は、光源への露出が減少するため、植物の成長を実質的に制限することがよくある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、植物の成長につながる環境を容易かつ効率的に作り出すシステムが必要である。さらに、適切な土地や気候条件が自然に利用できない場合に、新鮮な作物へのアクセスを提供するために、都市環境に実装できるシステムが必要である。本開示は、上記の懸案事項に対処するいくつかの教示を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態は、内部領域を画定し、内部で内容物を支持するように構成されたポッドと、内部領域内に少なくとも部分的に配置された成長培地と、内部領域内に少なくとも部分的に配置された植物種子と、内部領域内に植物種子を収容するためにポッドに結合された蓋とを有する、種子ポッド・アセンブリである。ポッドは、水および栄養素が植物種子に到達するか、またはポッド内から放出されることを可能にするために、植物成長装置の開口部内に配置されるようなサイズになっている。
【0008】
この実施形態の一例では、ポッドは、少なくとも1つの開口部によって分離された支持セグメントを有し、開口部は、水、植物の根、および栄養素が内部領域に出入りすることを可能にする。
【0009】
この実施形態の別の一例は、内部領域と周囲環境との間にフィルタバリアを提供するために、内部領域の壁の少なくとも一部に沿って配置されたフィルタを含む。この例の一部として、成長培地および植物種子は、内部領域のフィルタ内に少なくとも部分的に配置される。
【0010】
この実施形態の別の一例は、内部領域内に添加剤を有し、添加剤は、肥料、pH緩衝剤、微生物、農薬、アジュバント、動物忌避剤、土壌増強剤、土壌濃縮剤、骨粉、植物成長ホルモン、シナモン、砂、吸湿剤、リボース、微生物接種剤、保温材、洗剤、洗浄液、酢、過酸化水素、石鹸、および殺虫剤のうちの1つまたは複数である。
【0011】
さらに別の一例は、植物種子の周りに配置され、植物種子を内部領域の特定の位置に保持するように構成された種子位置決め部材を有する。この例の一部では、種子位置決め部材は、成長培地とは異なる材料で形成されている。この例の別の考えられる一部では、種子位置決め部材は、発泡体で形成されている。
【0012】
本開示の別の一例は、種子ポッド・アセンブリの周りのラップを有し、ラップは、種子ポッド・アセンブリを完全に取り囲み、種子ポッド・アセンブリが植物成長装置の開口部内に配置される前にラップが取り外されるまで種子ポッド・アセンブリの内容物を周囲環境から保護するように構成される。
【0013】
別の一例では、内部領域は、添加剤層を有する。この例の一部では、添加剤層は、2つの成長培地層の間に配置される。この例の別の一部では、添加剤層は、植物種子と接触している。
【0014】
フィルタを有する例の別の一部では、フィルタの一部が、蓋とポッドとの間に少なくとも部分的に配置され、蓋は、ポッドに結合されて、フィルタを内部に少なくとも部分的に保持する。
【0015】
この実施形態の別の一例は、ポッドに結合された、またはポッドから形成され、内部に配置されたときに開口部を画定する壁と少なくとも部分的に重なるように構成された、保持タブを含む。この例の一部では、保持タブは、内部に配置されたときに開口部の壁に摩擦的に係合するように構成された内向きのテーパを有する。この例の別の一部は、ポッド軸から半径方向に離れて延在する半径方向タブを含み、保持タブは、半径方向タブに少なくとも部分的に隣接して配置される。この一部では、保持タブは、半径方向タブの表面から延在する。
【0016】
この実施形態の別の一例は、種子ポッドが植物成長装置の開口部に配置されたときに、種子ポッド内の植物種子のタイプを識別するように構成された識別子を含む。この例の一部では、識別子は、蓋の上にある。この例の別の一部では、識別子は、RFIDタグである。この一部では、RFIDタグは、ポッド軸から半径方向に離れて延在する半径方向タブ上に配置される。
【0017】
この実施形態の別の一例では、ポッドおよび蓋のうちの1つまたは複数は、植物成長装置の対応する開口部に関連するように構成された色を有する。
【0018】
本開示の別の一実施形態は、種子ポッド・アセンブリを形成する方法である。この方法は、ポッドの内部領域にフィルタを配置するステップと、ポッドの内部領域内のフィルタの空洞内に第1の成長培地層を挿入するステップと、第1の成長培地層のフィルタの空洞内に植物種子を配置するステップと、植物種子に隣接するフィルタの空洞内に第2の成長培地層を挿入するステップと、蓋をポッドの上部に結合するステップとを含む。
【0019】
この実施形態の一例は、添加剤混合物および第3の成長培地層を添加するステップを含み、添加剤混合物は、第1の成長培地層と第3の成長培地層との間に配置される。この例の一部では、添加剤混合物は、肥料、pH緩衝剤、微生物、農薬、アジュバント、動物忌避剤、土壌増強剤、土壌濃縮剤、骨粉、植物成長ホルモン、シナモン、砂、吸湿剤、保温材、リボース、微生物接種剤、洗剤、洗浄液、酢、過酸化水素、石鹸、および殺菌剤のうちの1つまたは複数である。
【0020】
この実施形態の別の一例では、植物種子を配置するステップは、植物種子を種子位置決め部材内に配置して、植物種子を内部領域内に所望の方向で保持するステップを含み、種子位置決め部材は、第1の成長培地層および第2の成長培地層とは異なる材料である。
【0021】
さらに別の一例は、蓋がポッドの上部に結合されているときに、内部領域の内容物をフィルタ空洞内に圧縮するステップを含む。この実施形態の別の一例は、種子ポッド・アセンブリの内部領域を周囲環境から完全に密閉するために、種子ポッド・アセンブリを材料ラップで包むステップを含む。さらに別の一例では、蓋をポッドの上部に結合するステップは、蓋とポッドとの間のフィルタの少なくとも一部分をサンドイッチ型構成で溶融するステップを含み、フィルタの材料がポッド内に融解する。
【0022】
本開示の上記の態様およびそれらを取得する方法は、添付の図面と併せて、本開示の実施形態の以下の説明を参照することにより、より明らかになり、開示自体がよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】植物成長装置の斜視図である。
図2】ドアが取り外された図1の植物成長装置の斜視図である。
図3】引き出し面が取り外された、図2の植物成長装置の斜視図である。
図4】引き出しが部分的に開いた位置にある図2の植物成長装置の斜視図である。
図5】いくつかの構成要素が取り外された、図1の植物成長装置の底面斜視図である。
図6図1の植物成長装置の正面断面図である。
図7図1の植物成長装置の底面断面図である。
図8】背面パネルが取り外された、図8の植物成長装置の背面立面斜視図である。
図9図1の植物成長装置の部分側面断面図である。
図10図1の植物成長装置の別の部分側面断面図である。
図11図1の植物成長装置の別の部分側面断面図である。
図11b図1の植物成長装置の別の一実施形態の部分側面断面図である。
図12】本開示の駆動システムの分離した底面斜視図である。
図13図1の植物成長装置からの成長リングの分解斜視図である。
図14図1の植物成長装置からの成長リングの側面図である。
図15図14の成長リングの断面図である。
図16】種子ポッド・アセンブリの分解図である。
図17a】種子ポッド・アセンブリの別の一実施形態である。
図17b】種子ポッド・アセンブリの別の一実施形態である。
【0024】
対応する符号は、いくつかの図を通して対応する部分を示すために使用される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に記載される本開示の実施形態は、網羅的であること、または本開示を以下の詳細な説明における正確な形態に限定することを意図するものではない。むしろ、実施形態は、当技術分野の他の当業者が本開示の原理および実践を認識および理解できるように選択および説明される。
【0026】
植物成長装置および方法は、概して、国際公開第2018/006842号に説明されており、その公開物の詳細な説明および図は、参照により本明細書に組み込まれる。同様に、米国特許仮出願第62/701,908号は、自動化された植物成長システムを記載しており、その出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
ここで図1を参照すると、植物成長装置100が示されている。植物成長装置100は、少なくとも1つの植物ハウジング・アセンブリ204を収容する、温度・湿度制御された内部202または栽培チャンバを提供するエンクロージャとすることができる。成長装置100は、内部202を取り囲む1つまたは複数のパネル102を有し得る。図1の非排他的な実施形態では、植物成長装置100は、実質的に長方形の形状とすることができ、第1および第2の側面パネル104、106、背面パネル110、前面パネル112、上面パネル108、および底面パネル114を有し得る。さらに、一実施形態では、植物成長装置100は、輸送を容易にするために、フォークリフトまたは同様の輸送車両用の受け入れポートを有し得る。
【0028】
長方形の植物成長装置100が示されているが、本開示はそのような構成に限定されない。むしろ、任意の三次元幾何学的形状を使用して、内部202を周囲の環境116から分離することができる。より具体的には、植物成長装置100は、円筒形、六角形、八角形、三角形などの断面を有することができ、本開示は、任意の形状の成長装置100を考慮している。したがって、「パネル」という用語は、平面部材に限定されない場合があり、湾曲した、らせん状の、または円筒形の要素も含むことができる。
【0029】
成長装置100は、標準的な住宅用厨房などの領域に適合するようなサイズおよび形状にすることができる。さらに、成長装置100は、とりわけ、倉庫およびレストランなどの産業商業用途に適合するようなサイズおよび形状とすることができる。例えば、1つの非排他的な一実施形態では、植物成長装置100は、植物成長装置100をカウンタートップの下に配置することができる標準的なベースキャビネット開口部に適合するようなサイズになっている。本明細書で考慮されるさらに他の構成は、標準的な冷蔵庫などのようなサイズおよび形状とすることができ、植物成長装置100は、標準的なサイズの冷蔵庫と同様の空間を占めることができる。さらに、この開示の教示は、ビルのようなより大きな構造物に実装することができる。この実施形態では、植物成長装置100は、ビル全体、ビルの壁(複数可)とすることができるか、または内部202は、ビルの内部とすることができる。さらに別の一例では、輸送コンテナは、内部に配置された植物ハウジングと共に再使用され、容易に輸送できるモジュール式水耕栽培農場を作ることができる。したがって、本開示は、植物成長装置100に多くの異なる寸法で実施することを考慮する。
【0030】
本開示の一態様では、前面パネル112は、ドア118および引き出し120を含むことができる。ドア118は、ドア軸122の周りで植物成長装置100の残りの構成要素に回転的に結合することができる。したがって、ドア118は、図1に示されるような閉位置と開位置との間でドア軸122の周りを回転することができる。閉位置では、ドア118および残りのパネル102は、内部202を周囲環境116から実質的に隔離することができる。あるいはまた、開位置では、ドア118は、ユーザが周囲環境から内部領域202にアクセスすることを可能にし得る。
【0031】
非排他的な一例では、パネル102、104、106、108、202または任意の他のパネルのうちの1つまたは複数は、内部202に面する表面を有する。パネルは、内面に沿って少なくとも部分的に反射材料を有し得る。さらに、1つまたは複数のLEDが、補足的なキャノピー内照明を選択的に提供できる1つまたは複数のパネルの中または上に埋め込まれ得る。この実施形態では、1つまたは複数のパネルは、半反射または高反射鏡面を使用して、光を内部202に戻して再循環させて、植物の成長を促進することができる。さらに、LEDは、植物ハウジング・アセンブリ204の回転位置に基づいて、照明の角度、強度、向き、位置、温度、および/またはスペクトルを選択的に調整することができる。この実施形態では、LEDはまた、使用中にLEDを冷却することを容易にするために受動ヒートシンクとして機能するように等間隔に配置することができる。
【0032】
LEDはまた、内部202のコーナー(複数可)に配置することができ、本明細書で論じられるLEDのうちの1つまたは複数は、LEDの振動する輝度を通して植物ハウジング・アセンブリ204の回転をシミュレートするように選択的に制御することができる。LEDを振動させると、とりわけ成長速度の加速が促進される可能性がある。別の一実施形態では、LEDは、すべての面からの均一な照明のために、壁、天井、および/または床に取り付けられたフラットパネルとすることができる。
【0033】
本開示のさらに別の一態様では、内部領域202に向けられたパネルの任意の部分は、ハウジング・アセンブリ204内に配置された任意の植物が放出された光の光子の大部分を確実に取り込むように反射材料を有し得る。この構成は、成長ライトによって提供されるエネルギーの光合成の可能性を最大化する可能性がある。より具体的には、内部領域に面するパネルの表面は、その上に高光沢の白色または反射性材料を有し得る。白色または反射性材料は、ハウジング・アセンブリ204内の植物の葉に当たらない光を反射して植物に戻し、光エネルギーの浪費を防ぐことができる。
【0034】
本開示のさらに別の一態様では、内部202は、周囲環境から実質的に密閉されて、内部202の湿度および圧力が選択的に制御されることを可能にし得る。低湿度環境は、光合成に必要なガス交換のために開いている必要がある気孔を乾燥させることにより、植物の成長を妨げる可能性がある。したがって、本開示の一態様は、密閉された正に加圧された内部202を利用して、内部202への害虫の侵入を防止し、光合成に最適な湿度を維持するという二重の利点を提供する。言い換えれば、内部202の湿度および/または圧力は、その中の最適な植物成長条件を確実にするために選択的に制御することができる。さらに、内部のCOレベルを監視および変更して、改善した成長条件を提供することができる。
【0035】
本開示の一態様では、ドア118は、ドア118が閉位置にないときを識別するように配置されたドアスイッチ302を有することができる。ドアスイッチ302は、リードスイッチまたはドア118の位置を識別することができる任意の他のタイプのセンサとすることができる。本開示の非排他的な一例では、ドアスイッチ302は、コントローラ726と通信して、ドアが閉位置にないときを識別することができる。さらに、コントローラ726は、ドア118がもはや閉位置にないときに、光源304を調光する、ポンプ、弁、モータ、または他の任意の構成要素を遮断するなどの応答を実施することができる。さらに、システムは、光の明るさを増減して、装置の所有者または操作者の概日リズムに干渉しないように、空を通る太陽の回転の自然光強度曲線により近く似せることができる。光害を最小限に抑えるために、自動着色ガラス、ブラインド、またはドアを通過する光透過性を部分的または全体的に制限するその他の手段も存在し得る。
【0036】
同様に、引き出し120は、図1の閉位置と開位置との間で移動可能とすることができる。より具体的には、引き出し120は、閉位置と開位置との間で引き出し軸124に沿って軸方向に移動することができる。引き出しスイッチ306はまた、植物成長装置100に結合され、引き出し120が閉位置にないときを識別するためにコントローラ726と通信することができる。さらに、コントローラ726は、引き出し120がもはや閉位置にないときに、ポンプ流量を制限するなどの応答、または他の機能を実施することができる。
【0037】
引き出し120はさらに、ソレノイドロックピン、電磁スイッチ、または引き出し120が閉位置から開位置に移動することを選択的に制限するように配置された他の機械装置などのロック機構308を有し得る。コントローラ726は、流体が植物成長装置100に流されているとコントローラ726が判断したときに、引き出し120が開位置に移動するのを制限するために、ロック機構308と通信することができる。本明細書でより詳細に説明するように、引き出し120は、その中に配置されたリザーバ310へのアクセスを提供することができる。リザーバ310は、植物成長装置100を通して分配された流体を捕捉して収容するようなサイズにすることができる。引き出し120が開位置にあるとき、リザーバ310は、植物ハウジング・アセンブリ204から排液される流体を適切に捕捉するようにもはや配置され得ない。したがって、本開示の非排他的な一例では、コントローラ726は、植物ハウジング・アセンブリ204がそこから流体をリザーバ310に排液するのに十分な時間が得られるまで、ロック機構308をロック位置に維持することができる。
【0038】
引き出し120は、内部202の下方の第2の領域の一部とすることができる。第2の領域は、ファン210を介して空気を内部に戻す前に、加熱された空気を冷却するためにリザーバ310の上で空気を再循環させることができる。この構成では、内部202から吹き出る空気は、第2の領域の構成要素のための乾燥機として機能する。言い換えれば、第2の領域内の空気流パターンは、概して、後部ファンから前部ファンへ向かうものであり、底部領域を乾燥状態に保つ、および/または空気がリザーバ310を通過するときに空気を冷却することができる。これらのファンは、成長チャンバへのファンの入口および/または出口にフィルタを有することができる。ファンフィルタは交換可能で、活性炭、乾燥剤、または空気流から湿度、臭気、微生物を取り除き、環境を衛生的に保つためのその他の反応性投入物を有することができる。また、出口ファンフィルタは、出ていく空気から湿気を取り除き、より乾燥させ、リザーバ上で水をより速く蒸発させ、蒸発によってシステムをより低温にすることができる。本開示の一実施形態は、水を凝縮してリザーバに戻し、この湿気を再収集し、システムを低温に保つ、出口ファン内の冷却コイルを適用する。より低い温度を維持することは、植物成長装置100における藻類または他の病原体の発生を防ぐことができる。
【0039】
引き出し120の隣には、入力128があり得る。入力128は、ボタン、タッチスクリーン、またはユーザがコントローラ726に命令を提供することを可能にする他の任意のユーザ選択可能な機器とすることができる。非排他的な一例では、入力128はボタンとすることができ、ユーザは、植物成長装置100をリセットするか、さもなければ電源を切るために、事前設定された制限時間の間ボタンを押す、および/または長押しすることができる。入力128は、引き出し120の隣に示されているが、入力128のための他の位置もまた、本明細書で考慮される。例えば、入力128は、植物成長装置100の任意のパネルに結合することができる。さらに、入力128は、入力128にアクセスするために引き出し120が開かれなければならない内部に配置してもよい。さらに、入力128は、任意の所望のユーザの好みをコントローラ726に伝達することができ、提供される例は、網羅的であることを意味するものではない。
【0040】
リザーバ310は、開位置と閉位置との間で移動するために、引き出しパン602上に着座することができる。本開示の一態様では、引き出しパン602は、それ自体が実質的に流体密封リザーバとすることができる。より具体的には、引き出しパン602は、リザーバ310を配置することができる流体密封サブリザーバを作り出すベース部分および周囲の側面部分を有し得る。この構成では、引き出しパン602は、リザーバ310が内部に配置されていないが、流体が滴り落ちるか、さもなければ植物ハウジング・アセンブリ204から流れるときに、ある量の流体を捕捉して収容できる可能性がある。
【0041】
引き出しパン602は、1つまたは複数のスライダー604を介して、引き出し軸124に沿って植物成長装置100にスライド可能に結合することができる。スライダー604は、引き出しパン602が引き出し軸124に沿って開位置と閉位置との間で軸方向に移動することを可能にするように配置することができる。さらに、本開示の一態様では、スライダー604は、押して開く機能を有し得る。押して開く機能は、引き出し120を開方向126に押すことによって、ユーザが引き出しパン602を、そして次にリザーバ310が上に配置された場合にリザーバ310を、閉位置から開位置に移行することを可能にし得る。引き出し120が開方向126に動かされると、スライダー604は、さらなるユーザ接触なしに、引き出し120を部分的または完全に開いた位置に自動的に移行させることができる。
【0042】
リザーバ310はまた、リザーバ310の側壁上への流体の飛散を最小限に抑えるように構成されたテーパの付いた上部リップを有し得る。テーパの付いた上部リップは、側壁を上って移動する流体を、側壁上ではなく、リザーバ310の中心に向けて導くプロファイルを有し得る。テーパの付いた上部リップは、リザーバ310の上縁部に結合されるか、またはそれから形成されることができ、側壁に対して跳ねたときにリザーバから逃げる流体の量を実質的に最小化する。さらに、ガスケットは、リザーバ310の上縁部とテーパの付いた上部リップとの間に配置することができる。ガスケットは、シリコーン、ゴム、これら2つの構成要素間に水密シールを作り出すことできるその他の材料で作製され得る。とりわけ、ナットとボルト、スナップフィットクランプ、または伸縮性バンドの形態の機械式締結具を使用して、2つの構成要素をリザーバガスケットに対して圧縮した状態に保つことで、飛沫を防ぐことができる。
【0043】
リザーバの飛沫をさらに低減するために、リザーバ310は、1つまたは複数のバッフルを有することができる。バッフルは、リザーバ310の反対側の端部に到達する前に水流が遭遇しなければならない表面の面数を増やすために、リザーバの1つまたは複数の表面上にあり、それによって飛沫を低減することができる。バッフルは、反対方向に曲げられた単一の金属片、バッフルボール、または当技術分野で知られている他の任意の方法とすることができる。ここで図3を参照すると、植物成長装置100は、内部202の構成要素をさらに説明するためにドア118が取り外された状態で示されている。より具体的には、内部202は、ドア118の内面(ドアが閉じられているとき)、第1の側面パネル104の内面の一部、第2の側面パネル106の内面の一部、上面パネル108の内面、およびベースプレート206の内面によって画定することができる。本開示の一態様では、ベースプレート206は、植物ハウジング・アセンブリ204の底部支持体を形成することができる。ベースプレート206は、内部202をリザーバ310から少なくとも部分的に分離するバリアとして機能することができる。したがって、ベースプレート206は、破片などが植物収穫アセンブリ204から落下し、リザーバ310の流体内に配置されることを実質的に制限することができる。
【0044】
本開示の一態様では、ベースプレート206は、流体がベースプレート206上にあるかどうかを判断するために、上に配置された流体センサ208を有し得る。植物ハウジング・アセンブリ204は、内部通路1202を通して流体をリザーバ310に向けるように構成することができる。しかしながら、内部通路1202が詰まるか、さもなければ塞がった場合、流体は、内部通路1202から流出し、ベースプレート206上に配置されるようになる可能性がある。したがって、流体センサ208は、流体がいつベースプレート206上に配置されたかを識別するために、コントローラ726と通信することができる。さらに、この実施形態の非排他的な一例では、流体センサ208がベースプレート206上の流体を識別して流体の流出を防止するときなど、コントローラ726は、植物ハウジング・アセンブリ204の内部通路1202を通る流体の流れを停止することができる。別の一実施形態では、ベースプレートは、こぼれた水を捕らえて前方に向けることができるので、問題にユーザの注意を引くことができる。
【0045】
本開示の一態様では、ベースプレート206は、ベースプレート206が中央部分に向かってテーパになることを可能にするために、内部に画定された1つまたは複数の屈曲部212または浅い円錐を有し得る。屈曲部212を介してベースプレート206にテーパを付けることにより、その上に配置されるようになる流体は、中央部分に向かって流れることができる。さらに、中間部分は、流体がベースプレート206を通って内部202からリザーバ310に移行することを可能にする少なくとも1つのオリフィスなどを有し得る。この向きにより、流体が意図せずに内部通路1202から逃げてその上に配置されたときに、ベースプレート206は流体を中央部分に向けることができる。
【0046】
ベースプレート206はさらに、その上に配置された少なくとも1つのブロワーまたはファンアセンブリ210を有し得る。ファンアセンブリ210は、コントローラ726によって選択的に連動されて、内部202と周囲環境116との間に空気流を提供することができる。より具体的には、1つまたは複数のファンアセンブリ210は、内部202に空気流を提供することができ、一方、1つまたは複数のファンアセンブリ210は、内部202から空気流を排出することができる。
【0047】
本開示の一態様では、各々のファンアセンブリ210は、ファンアセンブリ210と内部との間に配置された耐虫性スクリーンなどを有することができる。耐虫性スクリーンは、昆虫がファンアセンブリ210を通って内部に侵入し、内部に位置する植物を危険にさらすことを実質的に制限することができる。非排他的な一例では、耐虫性スクリーンは、耐虫性スクリーンに遭遇するあらゆる昆虫を殺すために電化することができる。ファンアセンブリ210のいくつかの用途を挙げると、ファンアセンブリ210は、より生き生きとした植物のための膨圧を構築するために植物を攪拌する、受精を必要とする植物に受粉する、または内部から熱を除去することができる。さらに別の一実施形態では、フィルタをファンアセンブリ210に沿って配置して、そこを通過する空気を濾過することができる。フィルタは、湿気、望ましくない臭気を除去する、および/または病原体または害虫がとりわけ培養チャンバに入るのを防ぐように設計することができる。さらに、ファンフィルタは取り外し可能であり、カートリッジとして交換することができる。この構成では、フィルタは、サブスクリプションベースで提供され得る。フィルタは、他の適応技術の中でも、ネジ、磁気面、ねじ込みインサート、または摩擦ばめプロファイルなどの機械式締結具を介して取り付けることができる。フィルタは、廃棄されると急速に崩壊することが可能な生分解性または堆肥化可能なポリマーで構成することができる。さらに別の一実施形態では、フィルタは、フィルタをファンの上に固定するためにフィルタフレームに挿入されるスクリーンを含むことができる。本開示の別の一態様では、ファンアセンブリ210のファンは、光源304に空気を吹き付けるように配置することができる。より具体的には、光源304は、内部210内の任意の植物に必要な光を提供することができる。光源304は、ヒートシンクなどを有し、冷却を必要とするLEDライトアセンブリとすることができる。LEDのヒートシンクは、結露を防ぐために冷蔵庫のような電化製品のドアの結露防止システムとしてループに熱的に接続することができる。この構成では、ファンアセンブリ210からのファンは、光源304のLEDライトアセンブリの上に空気流を向けることができ、それにより、LEDライトを冷却することができる。本開示の非排他的な一例では、ドア118の開口部の両側に配置された光源304があり、それにより、光を植物ハウジング・アセンブリ204に向かって、ドア118から離れるように向ける。この構成では、光源304は、ドア開口部から周囲領域に光を実質的に照射しないことが可能である。
【0048】
本明細書で論じられるように、ファン・アセンブリ210はまた、内部210から排気する1つまたは複数のファンを有することができる。内部210から排出される空気は、望ましくない植物の受精および成長に関連する様々な臭気を運ぶことができる。したがって、本開示の一態様では、ファン・アセンブリ210の排気ファンは、その上に臭気中和フィルタを有することができる。臭気中和フィルタは、臭気を低減するために当技術分野で知られている任意のフィルタとすることができ、非排他的な一例では、カーボンフィルタである。
【0049】
ここで図5を参照すると、植物成長装置100の構成要素を示すために多くの構成要素が取り外された底面斜視図700が示されている。非排他的な一実施形態では、植物成長装置100の流体を監視することができる。より具体的には、リザーバ310内および内部通路1202内に分散された流体の量および質の両方を監視して、流体条件が植物の成長に最適であることを確認することができる。
【0050】
より具体的には、植物成長装置100は、リザーバ310内に配置された流体入口704から、内部通路1202内に少なくとも部分的に配置されたノズル1302に流体を向ける流体経路702を有することができる。本開示の一実施形態では、流体システムは、いくつかの非排他的な例を挙げると、復水器706、ネブライザ708、流体レベルセンサ710、紫外線(UV)光フィルタ712、アノードプローブ714、ポンプ716、流量計718、または脱イオン装置720を含むことができる。流体システムは、適切な量および質の流体を、植物ハウジング・アセンブリ204内に配置された任意の植物の根に送出するように構成することができる。
【0051】
ポンプ716は、流体経路702に沿って配置された高圧ダイアフラムポンプとすることができる。ポンプ716は、ノズル1302に対応する流体の流量および圧力を提供して、流体を内部通路1202に送出できる可能性がある。さらに、ノズル1302およびポンプ716は、内部に配置された植物の根を実質的に害することなく、内部で形成される任意のバイオフィルムを分解するのに十分な速度で流体のミストを内部通路1202に送出するように構成することができる。非排他的な一例では、ノズル1302は、液体を約360度に分散させることができ、それによって、バイオフィルムが内部通路1202のすべての表面から確実に除去されるようにすることができる。しかしながら、とりわけ遠心インペラ駆動ポンプを使用することもできる。
【0052】
さらに、ノズル1302は、それにねじ等の係合を介して流体経路702に取り外し可能に結合することができる。この構成では、ノズル1302が詰まっている、さもなければ残留物で塞がれている場合、ユーザは、ノズル1302を流体経路702から取り外し、ノズル1302を清掃することができる。さらに、ノズル(複数可)は、例えばステンレス鋼などの実質的な残留物の蓄積を制限する材料で形成することができる。
【0053】
本開示の一態様では、ノズル1302は、異なる高さのハウジング・アセンブリ204に対応するために、植物軸1204に沿って軸方向に再配置可能とすることができる。例えば、ノズル1302の位置決めは、任意の数の成長リング1206に対応するために選択的に再配置可能とすることができる。しかしながら、セグメント化されたリングに分割されていない一貫した導管カラムが存在することもできるか、またはこれは、別の非排他的な一実施形態では鉛直方向に固定されたカラム部分とすることができる。より具体的には、ノズル1302は、互いに対応する直径で同心に固定された一連のチューブを有する導管アセンブリに結合されて、伸縮式の再配置を提供することができる。導管アセンブリは、最適な長さが設定されると、導管アセンブリを静止位置に選択的に固定するために、端部にねじ山付きカラーを有することができる。したがって、ノズル1302は、異なる長さに対応するために、選択的に再配置または角度付けすることができる。伸縮式導管アセンブリが本明細書で説明されているが、別の一実施形態では、導管アセンブリは、中実の固定具の周りに巻かれた可撓性水導管を備えた頑丈な延長パイプとすることができる。したがって、ノズル1302が植物軸1204に沿って再配置可能であることを可能にするために、任意の再配置可能アセンブリが本明細書で考慮される。
【0054】
高圧ダイアフラムポンプが本明細書に記載されているが、本開示は、任意のタイプの流体ポンプを利用することを考えている。しかしながら、非排他的な一例では、ポンプ716は、ポンプ716によって流体に加えられる熱の量を制限するように選択される。したがって、本明細書では、かなりの熱量を加えることなく、流体システムに適切な流体圧力および流れを提供することができる任意の流体ポンプが考慮される。
【0055】
流量計718またはスイッチはまた、流体経路702に流体結合され、流体経路702を通ってコントローラ726に流体の流量を伝達するように構成することができる。流量計718は、当技術分野で知られている任意のタイプの流量計とすることができ、コントローラ726は、流量計718を監視して、ポンプ716がどれだけ効率的に実行されているかを識別することができる。より具体的には、一実施形態では、コントローラ726は、ポンプ716がノズル1302に流体を提供するように指示されたときに、流量計718を監視することができる。コントローラ726が、ノズル1302に流体を供給するようにポンプ716に指示する場合、コントローラ726は、流体経路702を通る流体の流量を流量計718で監視して、流体システムが適切に機能していることを確認することができる。例えば、コントローラ726が、ノズル1302に流体を供給するようにポンプ716に指示するが、その後、流量閾値未満である流量を流量計718で識別する場合、コントローラ726は、ユーザに警告を示すか、または流体システムを停止させることができる。流量の減少は、とりわけ、ポンプ716の詰まりまたは誤動作を示している可能性がある。
【0056】
本開示の一態様では、流体経路702は、背面パネル・アセンブリで画定されたチャネル804を通って移動することができる。より具体的には、背面パネル110は、内部パネルと、間に断熱材を有する外部パネルとから形成することができる。流体経路702は、電気システムのための電気配線と共に、背面パネル110で画定されたチャネル804に沿って移動することができる。チャネル804は、内部パネルと外部パネルとの間に断熱材が追加される前に、チャネル804に沿ってプレースホルダーを配置することによって形成することができる。次に、2つのパネルの間に断熱材が追加された後、プレースホルダーが取り外され、チャネル804が露出される。次に、流体経路702および電気配線を、内部パネルと外部パネルとの間の背面パネル110に沿って配置することができる。
【0057】
リザーバ310の流体レベルはまた、流体レベルセンサ710によって監視されて、リザーバ310が適切な量の流体を含むことを確実にすることができる。非排他的な一例では、流体レベルセンサ710は、リザーバの上方に配置されて、内部の流体のレベルを識別する超音波センサとすることができる。しかしながら、とりわけ、アナログフロートスイッチ、カメラ、またはデジタルセンサを含む、任意のタイプの流体レベルセンサ710も考慮される。流体レベルセンサ710は、コントローラ726と通信して、リザーバ310がより多くの流体を必要とする時期を識別することができる。リザーバ310が低位であることをコントローラ726が識別するとき、コントローラ726は、それに流体を提供するために供給源と連動することができる。
【0058】
リザーバ310に流体を追加するための流体の供給源は、任意の流体源とすることができる。非排他的な一例では、流体の供給源は、局所的な水システムに結合された流体ラインとすることができる。非排他的な一例では、電磁弁732は、低位の流体レベルが識別されたときに、局所水システムからリザーバ310に流体を選択的に提供することができる。あるいはまた、本明細書で考えられる一実施形態は、復水器706を利用して、周囲の大気から水を凝縮し、コントローラ726がそうするように指示したときに、それをリザーバ310に向ける。この構成では、コントローラ726が流体レベルセンサ710を介してリザーバ310が低位であることを識別すると、コントローラ726は、復水器706と連動して周囲の大気から水を凝縮し、それによってリザーバ310を適切なレベルまで満たすことができる。
【0059】
別の一実施形態では、機器は、1つまたは複数の物質をリザーバ310に分配することができる。物質(複数可)は、粉末;圧縮ディスク;肥料、水耕微生物接種剤、pH触媒、または衛生触媒などの他のペレット化されたアイテム;または他の物質または物質の混合物とすることができる。分配機器は、オーガー、ソレノイドコインスロット、回転部分仕切りなどの作動機構、または一定期間にわたって適用量を調節することができる別の機器とすることができる。別の一実施形態では、この分配機器は、溶液を混合するために水が投与される混合リザーバとすることができ、そして、機器は、混合された溶液をリザーバ310に分配する。別の一実施形態では、この分配機器は、成長環境またはタワーポート内に配置された小さな溶解可能な容器とすることができる。
【0060】
本開示の一態様では、流体システムは、その中に1つまたは複数の流体フィルタを有し得る。より具体的には、植物成長装置100は、消費されることを意図された食用植物を成長させるために特に使用することができる。したがって、流体の清浄度および衛生状態は、流体システムによって監視することができる。ネブライザ708は、流体内の細菌を分解するように特別にサイズ設定された音波などを実装することができる。ネブライザ708は、その中の流体をネブライザ708のそばを通過させ、それによって任意の細菌をネブライザ708によって生成された音波にさらす流体システム内の位置に配置することができる。一実施形態では、流体フィルタは、引き出し120を開くことなく、空中栽培培養チャンバの正面から交換することができる。
【0061】
UVライト712は、流体システム内に配置された別の流体フィルタとすることができる。UVライト712は、リザーバ310の流体内容物をUV光に曝すために、リザーバ310の上方に配置することができる。UVライト712は、リザーバの流体に光を放出して、それによって、その中に位置する望ましくない微生物または細菌を破壊することができる。非排他的な一例では、UVライト712は、大腸菌、藻類などを殺すのに十分なスペクトルのものとすることができる。本開示の一態様では、UVライト712は、いくつかの非排他的な例を与えるために、UV-c、UV-A、および/またはUV-BなどのUV LEDとすることができる。UV LEDを利用すると、UVt5電球で使用される場合の水銀ガス封入管に関連するリスクなしにUV光フィルタリングの利点が得ることができる。UVライト712は、リザーバ310の上方に、またはその中に直接配置することができる。さらに、UVライト712は、日中の水の蒸発を最小限にするために、デューティサイクルで実行することができる。
【0062】
同様に、アノードプローブ714は、リザーバ310の流体内に、またはさもなければ流体経路702に沿って配置されて、その中の流体をさらに精製することができる。アノードプローブ714は、電流が供給されたときに水を滅菌するように配置された銀および銅のアノードプローブを含むことができる。銀および銅のアノードプローブ714にさらに電流を供給することにより、植物成長装置100の流体中に、例えばレジオネラ菌などの細菌が発生するのを防ぐことができる。
【0063】
いくつかの流体洗浄装置が本明細書に記載されているが、本開示は、流体システムにおいてより無菌で衛生的な流体を提供し得る任意のタイプの流体洗浄システムを利用することを考えている。上記のように、植物成長装置100は、消費用の食用植物を成長させるために頻繁に使用することができる。したがって、流体および内部202は、本明細書に記載されるように、衛生的で食品安全な環境を維持するように特別に設計することができる。
【0064】
電源724などは、植物成長装置100の電気システムに電力を供給することができる。より具体的には、電源724は、電力供給源、ソーラーパネル、または電気システムに電力を供給するための他の任意の既知の電力供給源に電気的に結合されるように構成することができる。非排他的な一例では、電源724は、電池722または他のエネルギー貯蔵装置に電気的に結合することができ、それにより、電源724が電力供給源に結合されていない場合でも、電力が電気システムに提供されることを可能にする。電池722は、電源724が電力供給源に結合されたときに充電することができ、電池722の蓄積された電力は、電源724がもはや電力供給源に結合されなくなったときに利用することができる。
【0065】
電気システムは、電気システムのいくつかの非排他的な構成要素を挙げると、復水器706、ネブライザ708、流体レベルセンサ710、UVライト712、アノードプローブ714、ポンプ716、流量計718、脱イオン装置720、光源304、モータ駆動装置、およびカメラ210に電力を供給することができる。さらに、コントローラ726は、電気システムの構成要素に選択的に電力を供給して、効率的かつ十分な植物成長を助長する内部202を作り出すことができる。
【0066】
コントローラ726はまた、植物ハウジング・アセンブリ204に結合された植物モータ728と通信することができる。コントローラ726は、植物モータ728に選択的に電力を供給して、植物ハウジング・アセンブリ204を植物軸1204の周りで回転させて、光源304に曝されている植物を移行させることができる。別の一実施形態では、植物ハウジング・アセンブリ204は、例えば風力タービンまたは別の装置を用いて、電気なしで直接回転させることができる。さらに、本開示の一態様では、植物センサ730を配置して、植物ハウジング・アセンブリ204の回転を識別することができる。より具体的には、植物センサ730は、カム回転ディスクに隣接して配置されたリードスイッチとすることができる。カム回転ディスクは、植物センサ・アセンブリ204が所定の量回転したことをコントローラ726に通信するために、植物センサ730と相互作用する凹部を有し得る。非排他的な一実施形態では、コントローラ726は、植物センサ730によって識別されたときに、植物吊り下げアセンブリ204の回転位置に応答する植物ハウジング・アセンブリ204の写真またはビデオを撮影および保存するか、さもなければ送信するために、カメラ210を利用することができる。
【0067】
さらに別の一実施形態では、植物ハウジング・アセンブリ204内の磁石は、ベースプレート206に結合されたセンサ付近を通過して、アセンブリ204の回転方向を識別することができる。別の一実施形態では、植物センサ730は、回転を識別するために、対応する表面上の凹んだ空洞と接触したときに押し上げる機械式スイッチとすることができる。さらに別の一実施形態は、アセンブリ204上の特定の色または反射材料を見る光センサを利用することができる。この実施形態の一態様では、カメラ210は、回転を決定するために、アセンブリ204上の特定の色または特徴を識別し得る。さらに別の一実施形態では、センサ730は、他の光学センサの中でもとりわけ、回転を識別するために対応する表面上の凹んだ空洞内の距離変化を測定することができるレーザーとすることができる。同様に、センサ730は、回転を識別するために、対応する表面上の凹んだ空洞内の距離を測定することができるソナーセンサとすることができる。センサ730はまた、それが回転するときに機械式スイッチを切り替える物理的突起を識別し得る。さらに、センサ730は、ロータリーエンコーダとすることができる。さらに別の一実施形態では、アセンブリの回転は、ステッピングモータからのステップをカウントし、ソフトウェアアルゴリズムを使用して、既知のギア比または他の考慮事項の中でもとりわけベルト駆動またはダイレクトドライブモータを含むがこれに限定されないシャフトを回転させる他の手段に基づいて回転を決定することによって決定することができる。
【0068】
本開示の一態様では、加重チップ1102が流体入口704に接触して示されている。加重チップ1102は、その下に配置されたときに、加重チップ1102がリザーバ310の底部に沿って配置されるようにするのに十分に重い材料で形成することができる。この構成では、加重チップ1102は、流体入口704がリザーバ310内の任意の流体に沈められたままであることを保証し、それによって、空気が流体経路702に導入されるのを実質的に制限し得る。さらに、流体入口704および加重チップ1102は、引き出し120が開閉されるときに、リザーバ310に容易に出入りするように配置することができる。あるいはまた、バルクヘッドフィッティングを逆止弁に結合して、リザーバ310の底部から流体を絶えず引くことができる。逆止弁は、リザーバ310が引き出し120から取り外されたときに、リザーバ310がバルクヘッドフィッティングから漏れるのを防ぐことができる。
【0069】
ここで図9を参照すると、植物ハウジング・アセンブリ204の一部の半断面図が示されている。植物ハウジング・アセンブリ204は、内部通路1202を画定するために互いに結合された複数の成長リング1206を含むことができる。さらに、成長リング1206は、植物軸1204の周りで植物成長装置100に回転結合され得る。この構成では、グロメット1208などを、トップカバー1210の上部貫通穴の周りに配置することができる。グロメット1208は、上部カバー1210が植物軸1204の周りを回転することを可能にしながら、流体などが上部貫通穴から出るのを実質的に制限することができる。
【0070】
底部1212は、最下部の成長リング1206に結合され、植物モータ728によって操作されて、植物ハウジング・アセンブリ204を回転させるように構成することができる。より具体的には、底部は、植物軸204に沿って延在する排出部材1802(図9)を有して、流体が内部通路1202からリザーバ310に排液される場所を提供することができる。本開示の一態様では、カバー1812を排液部材1802の上に配置して、リザーバ310に導入された流体の流れを操作することができる。カバー1812は、漏斗のように機能して、出口サイズを縮小し、それによって、底部1212を通る流体の流体流れパターンを変更することができる。カバー1812は、底部1212からリザーバに入る流体によって引き起こされる飛沫を低減するように構成することができる。
【0071】
ここで図11bを参照すると、排液部材1802の別の一実施形態が示されている。図11bの実施形態では、スカートシールが、内部通路1202とリザーバ310との間の流路に配置され得る。より具体的には、スカートシールは、リザーバ310からの水の逆飛沫を防止するように配置された可撓性材料とすることができる。スカートシールは、リザーバ310からの逆飛沫を依然として防止しながら、固形物がスカートシールを越えて自由に滑ることができるように十分に変形可能とすることができる。さらに、スカートシールは、害虫などが排液部材1802を通って内部通路1202に入るのを実質的に防止することができる。スカートシールはまた、十分な水圧が加えられると弾性変形し、水が通過した後に元の形状に戻ることができる。スカートシールは、高剛性アームによって植物軸1204と同心に保持されている中央支持体の周りに結合することができる。この構成では、スカートシールは中央支持体に結合可能であり、植物軸1204と整列した状態に維持される。したがって、スカートシールは、流体および破片が内部通路1202から出ることを可能にするが、さもなければ流体または破片が排液部材1802を通って流体通路1202に入るのを防ぐ、一方向弁として実質的に機能する。これはまた、光を通さないシールを維持して、リザーバ310への光の曝露を最小限に抑え、望ましくない藻がその中で成長する可能性を低減する。スカートは、リザーバの容器の壁の上部の下方に延在しながら、水をその中心垂直軸に向けるための円錐螺旋でさえあり得る。この可撓性のある引き抜き成形品は、引き出しが開閉されるときにリザーバ容器の上に単に折りたたまれて、リザーバへの一貫した流体の戻りを確実にすることができる。
【0072】
底部1212はまた、排液部材1802の上に配置されたろ過器902などを有し得る。ろ過器902は、排液部材を実質的に覆い、流体が内部通路1202からそれを通って排液部材1802に通過することを可能にするようなサイズにすることができる。しかしながら、ろ過器902は、植物材料がそこを通過するのを実質的に制限するようなサイズにすることができる。この構成では、ろ過器902は、流体がそこを通って継続的に流れることを可能にしながら、根などの植物材料の蓄積が排液部材1802を塞ぐのを防ぐことができる。非限定的な一例では、ろ過器902は、排液部材1802から離れて延在するドーム状、ピラミッド状、または円錐状の形状を有し得る。さらに、ろ過器902は、流体を通過させるが実質的な植物物質を通過させないサイズの複数の開口部を有し得る。
【0073】
本開示の一態様では、摩擦低減機構1214は、底部1212とベースプレート206との間の底部1212に結合することができる。摩擦低減機構1214は、摩擦を低減して、植物ハウジング・アセンブリ204が植物軸1204の周りで容易に回転することを可能にする任意の機構とすることができる。より具体的には、摩擦低減機構1214は、非排他的な一例では、ナイロンブッシングなどとすることができる。さらに、別の非排他的な一例では、摩擦低減機構1214は、旋回軸受などとすることができる。さらに別の一実施形態では、底部1212は、流体中に浮いていて、その中で回転することができる。さらに別の一実施形態では、摩擦低減機構1214は、磁気軸受とすることができる。したがって、本明細書では、底部1212とベースプレート206との間で利用される任意の既知のタイプの摩擦低減機構が考えられる。
【0074】
ここで図12を参照すると、底部1212が底面の斜視図で示されている。底面は、流体をリザーバ310に向け、植物軸1204の周りで植物ハウジング・アセンブリ204を回転させることを提供するサイズの排液部材1802を有することができる。図12の実施形態では、底部1212は、ギア1804がその中に埋め込まれているか、さもなければ、植物軸1204の周りに固定されていてもよい。ギア1804は、植物モータ728に結合された植物モータギア1104と係合するようなサイズとすることができ、それにより、ギア1804と相互作用することによって、植物モータ728が植物ハウジング・アセンブリ204を回転させることができる。
【0075】
図12に示される底部1212の別の一態様では、リング1806は、植物軸1204の周りに画定することができる。リング1806は、底部1212の底面1808からの実質的に円形の延長部とすることができる。さらに、リング1806は、埋め込まれたギア1804から半径方向に離間されてもよく、リング距離1810は、植物モータギアの直径よりわずかに大きい。この構成では、植物モータギアは、ギア1804とリング1806との間に画定された底部1212の環状チャネル内に配置することができる。リング1806は、植物モータ728が植物ハウジング・アセンブリ204を回転させるときに、破片などがギア1804と植物モータギアとの間に配置されるのを実質的に防止することができる。
【0076】
別の非排他的な一例では、底部1212は、底面から延在するらせん状の押し出し部を有し得る。らせん状の押し出し部は、その上に画定され、ソレノイドと相互作用するように構成された接触点を有し得る。ソレノイドは、植物モータ728を置き換え、らせん状押し出し部の接触点を押すことによって底部1212を回転させることができる。言い換えれば、ソレノイドは、周期的パターンで伸長および収縮して、らせん状の押し出し部に接触し、各々のサイクルで植物ハウジング・アセンブリ204を回転させることができる。
【0077】
さらに、さらなる別の一実施形態では、植物ハウジング・アセンブリ204は、風力タービンに機械的に結合することができる。この構成では、風力タービンは、風がそれに作用するときに回転することができる。さらに、風力タービンの回転は、1つまたは複数のリンケージおよびギア・アセンブリを介して植物ハウジング・アセンブリ204を回転させるように変換することができる。
【0078】
最下部の成長リング2102は、底部1212の外壁の半径方向内側にあるオーバーラップ部分(オーバーラップ部分2104と同様)を有することによって、底部1212に結合することができる。さらに、各々の成長リング1206は、同様のサイズのオーバーラップ部分2104を有することができ、それにより、任意の成長リング1206を底部1212に結合することを可能にする。さらに、底部1212は、成長リング1206のタブに対応するようにその中に画定されたノッチを有し、それにより、その中に適切に配置されたときに、隣接する成長リング1206を底部1212に回転結合することができる。
【0079】
図13に示されているのは、植物軸1204に沿って隣接する成長リング2106から軸方向に離間している成長リング2106である。各々の成長リング1206は、隣接する成長リング2106の上部のノッチ2110に対応するサイズの下部に沿って画定されたタブ2108を少なくとも1つを有することができる。タブ2108は、オーバーラップ部分が隣接する成長リング2106内に配置されるとき、隣接する成長リングのノッチ2110内に少なくとも部分的に延在することができる。オーバーラップ部分2104は、隣接する成長リング2106が植物軸1204と同軸のままであることを確実にするために、その中に配置されたときに隣接する成長リング2106の位置合わせ面2112に接触することができる。これは、ピンと穴の接続、ねじの接続、またはこれらのリングを共に固定する他の方法とすることもできる。
【0080】
さらに、隣接する成長リング2106が互いに適切に結合される場合、タブ2108は、隣接する成長リング2106を互いに実質的に回転結合するために、対応するノッチ2110内に少なくとも部分的に配置することができる。言い換えれば、隣接する成長リング2106が互いに適切に結合されている場合、オーバーラップ部分2104と位置合わせ面2112との間の接触は、タブ2108とノッチ2110との間の接触が成長リングを互いに回転結合させながら、成長リング2106の同軸位置合わせを維持し得る。
【0081】
同様に、オーバーラップ部分2104は、流体が底部1212の排液部材1802に到達するまで、ノズル1302によって分散された流体が内部通路1202内に維持されることを確実にすることができる。本開示の一態様では、オーバーラップ部分は、そこから半径方向内側に延在する底部リップ1506を有することができる。底部リップ1506は、流体を植物軸1204に向けることによって、流体が内部通路1202から逃げるのをさらに防止することができる。言い換えれば、成長リング1206は互いに入れ子になるため、内部通路1202に分散された流体は、自然に底部に流れ、次にリザーバ310に流れ込む。
【0082】
本開示の別の一態様では、ガスケット1304などをオーバーラップ部分2104の周りに配置して、隣接する成長リング2106が互いに適切に結合されることをさらに確実にすることができる。ガスケット1304は、実質的に円筒形とすることができ、オーバーラップ部分2104と位置合わせ面2112との間に配置することができる。ガスケット1304は、シリコンまたは同様の材料で形成することができる。さらに、ガスケット1304は、ガスケット1304が内部通路に沿って無菌環境を維持することを確実にするために抗菌性とすることができる。
【0083】
ここで、図21図25を参照すると、成長リング1206の形態がより詳細に説明されている。より具体的には、各々の成長リング1206の最上部は、位置合わせ面2112によって画定される第1の内径2502を有することができる。第1の内径2502は、オーバーラップ部分2104の第2の外径2504とほぼ同じとすることができる。この向きでは、隣接する成長リング1206は、本明細書に記載されるように互いに結合することができる。さらに、位置合わせ面2112は、オーバーラップ部分2104との接触に応答して、植物軸1204から半径方向に離れて弾性変形するように構成することができる。したがって、オーバーラップ部分2104を位置合わせ面2112に押し込むことができ、それにより、位置合わせ面2112を植物軸1204から半径方向に拡張させ、それにより、成長リング1206を互いに摩擦結合させることができる。
【0084】
位置合わせ面2112とオーバーラップ部分2104との間にガスケットを利用する実施形態では、第1の内径2502および第2の外径2504は、対応するサイズにすることができる。より具体的には、ガスケットが8分の1インチの厚さを有する場合、2つの直径2502、2504は、約8分の1インチのガスケットがそれらの間に係合できるようなサイズにすることができる。
【0085】
さらに、各々の成長リング1206は、その中に画定された単一または複数の植物開口部2202を有し得る。各々の植物開口部2202は、植物ポッドの少なくとも一部を内部通路1202内に少なくとも部分的に配置するように、その中に植物ポッドを収容するように構成することができる。植物開口部2202は、植物軸1204から半径方向に拡張された成長リング壁2204の部分から成形され得る。より具体的には、各々の植物開口部は、植物軸1204に対して植物開口角2206で角度が付けられた軸2208を画定する外側プロファイルを有する半径方向の拡張部とすることができる。しかしながら、本明細書では、とりわけ成長光および灌漑溶液への曝露に影響を与える可能性のあるポッドの向きの角度に影響を与える多くの異なる角度が考慮されている。したがって、植物開口部2202が成長リング1206のその最上部に近づくと、植物開口部2202は、植物軸1204から半径方向にさらに遠くに離れて延在することができる。この向きでは、植物ポッドは、植物開口部2202内に容易に配置および維持され得る。
【0086】
言い換えれば、植物開口部2202は、周囲に沿った成長リング壁2204によって画定される円形の波状パターンから形成することができる。この構成では、成長リング1206は、射出成形から形成するか、またはダイに打ち抜くことができる。しかしながら、他の既知の製造プロセスも本明細書で考慮され、本開示は、成長リング1206を製造する任意の既知の方法を考慮している。
【0087】
各々の植物開口部2202内にフィルタがあり得る。これらのフィルタは、種子ポッドの内側、周囲、または中に埋め込まれていることが可能である。一実施形態では、フィルタは、水分が種子ポッドの外側の水の化学組成に影響を与えることなく種子ポッドの根のチャンバに入ることを可能にする半透膜である。これらのフィルタは、紙、PLAまたはその他の織布または不織布のポリマーメッシュ、PVA(ポリビニルアルコール)ヒドロゲルベースの膜などから構成され、藻類、病原体、またはその他の望ましくないものなどのより大きなものを排除しながら栄養溶液の透過性を可能にすることができる。また、フィルタは個々の作物に特定の根域を作り出すことができる。この根域は、様々な作物タイプの多栽培構成を実現するために、個々の植物種に最適化された農学者の特性を作り出すことができる。フィルタは、ろ紙で構成することも、植物ベースのポリマーおよび繊維と組み合わせることもできる。植物がフィルタを消費し、根が拡大するにつれて、フィルタは植物のライフサイクルを通して生分解することができる。
【0088】
種子、成長培地、肥料、農薬、またはこれらの材料および/または他の投入物または促進剤の任意の組み合わせなどの成長投入物は、これらのフィルタ内に配置することができる。さらに、これらの投入物は、持続放出型とすることができる。一例では、pH緩衝剤は、特定の環境パラメーターとの接触で、または特定の環境パラメーターの間に溶解する応答性ポリマーでコーティングすることができる。より具体的には、酸性溶液はカプセルを溶解させて塩基を放出し、種子ポッドの根域のpH値を上昇させるか、または放出により水耕チャンバ全体を植物栽培に最適なレベルに戻すことができる。別の一例では、種子ポッドの根域または水耕システム全体のpH値が酸性になりすぎると、アルカリ性カプセルを放出することができる。これらにはまた、成長培地、動物忌避剤、土壌増強剤、土壌濃縮剤、肥料、骨粉、植物成長ホルモン、シナモン、砂、アジュバント、吸湿剤、リボース、または農薬が、種子ポッド内の他の可能な添加物の中でもとりわけ含まれ得る。
【0089】
ここで図16を参照すると、種子ポッド・アセンブリ1600の非排他的な一例が、層状種子ポッドの概略図とともに示されている。種子ポッド・アセンブリ1600は、アセンブリの構造的基礎を提供する種子ポッド1606を有し得る。ポッド1606は、水、栄養素などが内部領域1602にアクセスすることを可能にしながら、内部領域1620内の内容物を支持することができる構造部材とすることができる。より具体的には、支持セグメント1622は、開口端部からベース端部まで延在し、それらの間に間隔を提供することができる。支持セグメント1622は、水、栄養素などが少なくとも1つの開口部1624を通って内部領域1602に入ることを依然として可能にしながら、内部領域1620の内容物を適切に支持できるように、少なくとも1つの開口部1624を提供するように間隔を空けられる。すなわち、支持セグメント1622は、内部領域1620を完全に取り囲んではいない。
【0090】
水、栄養素などが内部領域1620(すなわち、間隔を置いた支持セグメント)に入ることを可能にするための特定の構造が示されているが、他の構造もまた本明細書で考慮される。例えば、支持セグメント1622の代わりに、内部領域1620の頑丈な壁は、水および栄養素が内部領域1620に入ることを可能にするためにそこを貫通する穴を有することができる。あるいはまた、内部領域の壁は、透過性メッシュ材料などで作ることができる。したがって、本開示は、内部領域1620の内容物を支持し、水、栄養素などが内部領域1620に入ることを可能にする、内部領域1620の壁のために任意の構造を使用することが考えられる。
【0091】
種子ポッド・アセンブリ1600の1つの非排他的な製造方法では、フィルタ1604を配置して、ポッド1606の内部領域1620に押し込むことができる。本開示の一態様では、フィルタ1604は、紙ベースの布、織布メッシュ、PLA不織布メッシュ、または他の任意の同様の材料とすることができる。他の実施形態は、フィルタ1604材料として水不透過性である選択的水蒸気透過性フィルム(浸透気化タイプの水蒸気透過性フィルム)を実装することができる。また、本明細書でフィルタについて考慮されるのは、非多孔性の親水性ポリビニルアルコール(PVA)膜である。
【0092】
フィルタ1604が配置された後、第1の特定の量およびタイプの成長培地1608、または他の添加剤を、ポッド1606内のフィルタ1604の空洞に挿入することができる。次に、別の成長培地1608、または他の潜在的な添加剤の中でもとりわけ、肥料、pH緩衝剤、微生物、農薬、アジュバント、動物忌避剤、土壌増強剤、土壌濃縮剤、骨粉、植物成長ホルモン、シナモン、砂、吸湿剤、リボース、微生物接種剤、保温材、洗剤、洗浄液、酢、過酸化水素、石鹸、および殺虫剤のうちの任意の1つまたは複数とすることができる添加剤混合物1610を、成長培地1608に隣接するポッド1606内のフィルタの空洞に挿入することができる。次の層では、第2の特定の量およびタイプの成長培地1612をポッドに挿入することができる。次に、植物種子1614を、成長培地1612の最後の層上のポッドのフィルタ空洞内に配置することができる。円盤状とすることができる単一の位置に種子を固定する発泡体または他の材料の層である種子位置決め部材1626があり得る。このフォーム、または層の位置を固定する他の材料は、種子(複数可)の周りの層の下、周囲、上、または任意の組み合わせで配置できる。本開示の一態様では、種子位置決め部材1626は、予想される種子寸法に対応するサイズの中央切り抜き部を備えたディスク形状とすることができる。本開示のさらに別の一態様では、種子位置決め部材1626は、ヒドロゲルなどを含むことができる。
【0093】
植物種子1614は、種子位置決め部材内に配置することができ、種子位置決め部材は、本明細書で論じられる層構成のうちの1つで内部領域1620内に配置することができる。種子位置決め部材は、発芽が始まるまで、種子を内部領域内の所望の位置に実質的に保持することができる。
【0094】
次に、第3の特定の量およびタイプの成長培地1616をポッドのフィルタ空洞に挿入することができる。本明細書で考えられる他の実施形態では、種子ポッドは、成長培地、種子、および/または添加物の様々な組み合わせのうちの1つまたは複数の層とすることができる。次に、すべての種子ポッドの内容物を種子ポッドのフィルタ空洞内に軽く圧縮することができ、蓋1602を密閉するか、さもなければ種子ポッド1606の上部に結合することができる。最後に、種子ポッド1606は、熱収縮またはさもなければカプセル化材料ラップ1618で包まれて、ポッドを周囲湿度条件から完全に密閉することができる。ラップ1618は、他の潜在的な特性の中でもとりわけ、堆肥化可能、および/または水溶性とすることができる。種子ポッド・アセンブリ1600は、予想される植物サイズに基づいて種子ポッドの適切な位置を識別するのを助けるために色分けすることができる。
【0095】
考えられる一実施形態では、ある量の材料がポッド1606内に追加されて、ポッド1606を植える前に冷却することができる保温質量を提供する。これにより、とりわけ向上した発芽率を提供することができる。保温質量は、他の材料の中でもとりわけ最大の熱容量のために急速に膨張して飽和するヒドロゲルベースの材料とすることができる。
【0096】
「層」という用語は、本明細書では、成長ポッド1606の内容物に関して使用される。しかしながら、成長培地1610、添加剤1610、および/または植物種子1614は、平面層内にない場合がある。むしろ、「層」の内容物は、ポッド1606の底部などの下にある表面の輪郭によって部分的に影響を受ける可能性がある。さらに、成長培地1608および添加剤1610などの層は、種子ポッド・アセンブリ1600内に配置されているときに、少なくともわずかに混ざり合う可能性がある。したがって、「層」という用語は、下にある材料に対する対応する材料の配置を指し、多くの異なる物理的形態をとることができる。
【0097】
本開示の別の一態様では、種子ポッド・アセンブリ1600のフィルタ1604は、接着剤で塗布されるか、またはサンドイッチ型構成でアルミニウム蓋1602とプラスチックポッド1606との間で溶融することができ、フィルタ1604のプラスチック繊維を有する材料は、アルミニウム蓋1602で密閉されたポッド1606に融解する。このろ紙はまた、真菌または藻類の成長を防ぐために処理することもできる。しかしながら、この蓋の材料はまた、音波溶接、高圧、または他の方法によってカップに密閉された、紙、ポリマー、または他の材料とすることができる。
【0098】
蓋1602は、接着剤、ポリマーおよびカップに溶融するために金属蓋に加えられる熱、部品を融合するための音波溶接、またはポッド1606にバリアを接着するための他の任意の方法で、種子ポッド1606に取り付けることができる。蓋1602は、種子ポッド・アセンブリ1600の内容物を遮光することによって成長培地上の藻類の成長を低減するのを助けることができ、蓋1602は、種子ポッド・アセンブリ1600がより高い湿度レベルを維持するのを助けることができ、蓋1602は、植物種名を識別するのを助けることができる。ユーザは、蓋1602に穴を開けるように、または取り外し可能なタブを通して蓋1602を引っ張って開くように指示され得る。
【0099】
本開示の一態様では、蓋1602は、実質的に中央のオリフィス1630の上のプルタブなどのカバー1632を含むことができる。ユーザは、種子ポッド・アセンブリ1600の配置プロセスの一部として、カバー1632のタブを種子ポッド1606から引き離すように指示することができる。そうすることで、プルタブが取り外されたときに、蓋1602は種子ポッド1606から離れて外向きに変形することができる。これは、発芽中の植物がオリフィス1630を通って部分的に成長することを促進する、オリフィス1630の周りの蓋の外向きのテーパを作り出すことができる。あるいはまた、蓋1602は、使用中に、発芽中の植物を蓋1602のオリフィス1630を通して向けるために、ドーム形状を有するか、またはさもなければ種子ポッド1606から離れた凸形状とすることができる。さらに、本明細書で考慮される一実施形態では、カバー1632は溶解可能な材料から作られ、蓋1602が水にさらされると、オリフィス1630が露出するようになることが可能である。
【0100】
他の接着方法の中でもとりわけ、ホットプレートプレスプロセス、熱および圧力プレス、または誘導電流を使用して、蓋1602をポッド1606内に永久的に溶融することができる。蓋1602は、識別子1628で植物種を識別することができる。識別子1628は、種子ポッド・アセンブリ1600内の植物種子1614に関連する植物のタイプを識別するように構成することができる。識別子1628は、任意の既知の方法を利用して、種子ポッド・アセンブリ1600内の植物種子1614のタイプを識別することができる。いくつかの考えられる例として、識別子1628は、蓋1602の上に印刷される、ステッカーを介して蓋1602またはポッド・アセンブリ1600の他の部分に貼り付けられる、および/または蓋1602またはポッド・アセンブリ1600の他の部分上のQRコード(登録商標)またはバーコードとすることができる。さらに別の一実施形態では、識別子は、蛍光材料、透過波長反射材料、または蓋1602または種子ポッド・アセンブリ1600の他の任意の部分上のパッシブ/アクティブチップとすることができる。さらに、識別子1628は、蓋1602または種子ポッド・アセンブリ1600の他の部分に結合されたRFIDタグとすることができる。
【0101】
識別子1628は、人、カメラ214、専用のRFID受信機、ライダー、または他の任意の同様のセンサによって検出可能とすることができる。各々の種子ポッドは、1つまたは複数のハンドルまたは半径方向タブ1708を有することができる。半径方向タブ1708は、ユーザが種子ポッド・アセンブリ1600をより容易に持ち上げて配置することを可能にすることができ、種子ポッド・アセンブリ1600がタワーに落下するのを防ぐことができる。蓋1602は、堆肥化可能材料または生分解性材料から構成することができる。
【0102】
蓋1602はまた、植物ハウジング・アセンブリ204の対応する色に関連付けられることを意図した別個の色をその上に有することができる。より具体的には、各々の成長リング1206は、それが植物ハウジング・アセンブリ204上に配置される順序に関連する特定の色を有することができる。成長リング1206の色は、その特定の成長リング1206に理想的に配置することができる植物のサイズを識別することができる。例えば、最下部の成長リング1206は、成長のための空間を可能にするために、より大きな植物に関連する色を有することができ、一方、最上部の成長リング1206は、より小さな植物に関連する色を有することができる。蓋1602は、成長ポッド・アセンブリ1600の適切な配置位置をユーザに識別させるために、成長リング1602の色に対応するように同様に色分けすることができる。
【0103】
ここで、図17aおよび図17bを参照すると、種子ポッド構造1700の別の一実施形態が示されている。ポッド1700は、ポッド"1606と実質的に同様とすることができるが、その中に画定された保持タブ1702を有する。したがって、ポッド1700は、本明細書で論じられるポッド1606の代替物とすることができ、図16を参照して本明細書で論じられるように充填および包装することができる。ポッド1700は、植物開口部2202のうちの1つに配置されるように構成される。植物開口部2202は、部分的に、上部成長リング1206によって形成することができる。この構成では、種子ポッド・アセンブリ1600は、上部成長リング1206が植物ハウジング・アセンブリ204から離れる、または植物ハウジング・アセンブリ204から取り外されるときに、植物開口部2202の半径方向内側部分がもはや上部成長リング1206によって支えられていないので、植物開口部2202から落下する傾向を有し得る。したがって、ポッド1700は、植物開口部2202に適切に配置されたときに、保持タブ1702を、下にある成長物1206の一部と少なくとも部分的に重なるように配置する。
【0104】
より具体的には、保持タブ1702は、ポッド1700の底部1706に向かってポッド軸1704に対して軸方向に延在することができる。保持タブ1702は、軸1704から半径方向に離れて延在する半径方向タブ1708の下に少なくとも部分的に配置することができる。この構成では、半径方向タブ1708は、蓋1606の取り外しを容易にするためにユーザが把持することができる場所とすることができる。さらに、半径方向タブ1708は、ユーザが種子ポッド・アセンブリ1600を保持して、対応する開口部2202内にそれを配置することができる場所を提供することができる。したがって、半径方向タブ1708は、ユーザが種子ポッド・アセンブリ1600を対応する開口部2202に配置するときに、通常、植物軸1204から離れる方向に向けられるであろう。したがって、保持タブ1702を少なくとも部分的に半径方向タブ1708の下に配置することにより、保持タブ1702は、典型的には、保持タブ1702が下にある成長リング1206の一部に隣接する、植物軸1204に対して開口部2202の半径方向外側部分に沿って配置される。この構成では、保持タブ1702はまた、種子ポッド1700が対応する開口部2202内で実質的に回転することを実質的に防止することができる。あるいはまた、本明細書で考慮される他の構成では、種子ポッドは、開口部2202の断面と一致するキー付き断面を有することができ、キー付き断面は、種子ポッドが開口部内で回転するのを実質的に防止することができる。
【0105】
保持タブ1702は、保持タブ1702の終端でポッド1700の隣接する部材1712から第1の距離1710の間隔を空けることができる。第1の距離1710は、ポッド1700が開口部2202内に適切に配置されたときに、成長リング1206の少なくとも一部がその中に配置されることを可能にするために十分に広くすることができる。さらに、保持タブ1702は、半径方向タブ1708に近づくにつれて、内側に向かってテーパを付けることができる。すなわち、保持タブ1702は、保持タブ1702が半径方向タブ1708と出会う隣接する部材1712から第2の距離1714の間隔で配置されている。この内側へのテーパは、ポッド1700が開口部2202に適切に配置されたときに、保持タブ1702が保持タブ1702と隣接する部材1712との間に配置された成長リング1206の部分と摩擦接触することを可能にし得る。この摩擦接触は、上部の隣接する成長リング1206が取り外されたとしても、ポッド1700を開口部2202内に実質的に保持することができる。
【0106】
保持タブ1702と隣接する部材1712との間のテーパの付いた開口部が本明細書で論じられているが、他の実施形態はテーパの付いた開口部を有していなくてもよい。一例では、保持タブ1702は、隣接する部材1712と実質的に平行に延在することができる。したがって、本開示は、保持タブ1702と隣接する部材1712との間のテーパの付いた開口部およびテーパの付いていない開口部の両方が考えられる。
【0107】
本明細書で論じられる構成要素のいずれも、射出成形プロセス中に、または他の方法で接触時に病原体を殺すための抗菌添加剤を実装する成形プロセスから形成することができる。これらの添加剤を実装することは、植物成長装置100内のどこでも、損傷を与える微生物の成長を阻害し得る。より具体的には、微生物がこの技術で作られた区画の表面に接触すると、添加剤は微生物の細胞壁に浸透し、細胞機能を破壊し、微生物を機能、成長、および繁殖できなくする。
【0108】
1つまたは複数のインジケータを、植物成長装置100の可視表面に沿って配置することもできる。インジケータは、1つまたは複数のボタン、ライトインジケータ、タッチスクリーン、LCD画面、その他の視覚的ディスプレイ、ブザー、スピーカー、マイク、およびユーザが機器と対話できるようにするその他の構成要素のうちの1つまたは複数とすることができる。インジケータライトは、装置100の動作状態に関する情報を識別することができる。例えば、「緑色のライト」は、装置が期待どおりに動作していることを示すことができる。さらに、異なる色または点滅パターンは、スプレーサイクルが進行中であることを示すことができる。インジケータライトは、何かを維持する必要があることをユーザに通知する場合もある。また、インジケータライトは、とりわけスプレーノズルがスプレーしている成長サイクルを妨害することからユーザを保護するための信号を提供することができる。
【0109】
成長リング1206によって画定される植物開口部2202の数は、その中に配置される植物のタイプに応じて変化し得る。したがって、大きな植物の成長リングは、より小さな植物の成長リングよりも少ない植物開口部を有することができる。同様に、任意の数の成長リング1206を互いに結合して、植物成長装置100の高さに対応するための植物ハウジング・アセンブリ204を形成することができる。例えば、より高い植物成長装置100は、比較的短い成長装置100よりも多数の成長リング1206を必要とし得る。成長リング1206の数は、内部通路1202が上部カバー1201から底部1212まで延在することを可能にするのに十分な任意の数とすることができる。さらに、円筒形のスペーサーを内部で利用して、植物開口部が植物ハウジング・アセンブリの高さ全体を必要としない場合に、上部カバー1201と底部1212との間に適切な軸方向距離を提供することもできる。本開示の一態様では、ストッパーは、ポッドで満たされていない植物開口部2202のいずれかに配置することができる。これらのポッドは、不活性であるか、植物に害を与えることなく望ましくない微生物の増殖を根絶することができる洗浄溶剤で溶解することができる。
【0110】
本開示の適用の非排他的な一例では、ユーザは、植物成長装置100を購入し、それを小型の冷蔵庫などと同様のベースキャビネット空間に設置することができる。電源724は、局所電力グリッドに電気的に結合することができ、水源は、コントローラを介してリザーバ310に選択的に結合することができる。次に、ユーザは、上部カバー1201と底部1212との間に適切な数およびタイプの成長リングを積み重ねることができる。次に、ユーザは、成長リングの植物開口部に、ユーザが成長させようとしている植物ポッドのタイプを投入することができる。コントローラ726は、無線通信を介して植物ポッドと通信することにより、その中に配置された植物ポッドを自動的に識別することができる。次に、コントローラ726は、本明細書に記載の流体および電気システムを利用して、植物ポッド内で識別される植物を成長させるのに理想的な内部202を生成することができる。
【0111】
本開示の別の一実施形態では、排液部材1802は、標準的な導管継手に係合するようなサイズにすることができる。非排他的な一例として、排液部材1802は、T型ポリ塩化ビニル(「PVC」)コネクタに係合することができる。この構成では、PVC排液導管は、排液部材1802をそれに結合することを可能にする1つまたは複数のT型継手で形成することができる。したがって、いくつかの植物ハウジング・アセンブリ204は、単一の排液導管に流体結合することができる。さらに、各々の植物ハウジング・アセンブリ204は、各々の植物ハウジング・アセンブリ204の、植物に個別に、または成長カラム全体に、流体を提供するノズル1302を有することができる。植物ハウジング・アセンブリ204は、排液導管に固定的に結合することができ、さらに、支持ラインは、植物ハウジング・アセンブリ204およびノズル1302用の流体ラインに追加の支持を提供することができる。この実施形態では、任意の数の植物ハウジング・アセンブリ204を、排液導管および流体ラインに流体結合することができる。
【0112】
本開示は、少なくとも1つの実施形態に関して説明されてきたが、本開示は、本開示の趣旨および範囲内でさらに修正することができる。したがって、本出願は、その一般原則を使用して、本開示の変形、使用、または適合を網羅することを意図している。さらに、本出願は、これが関係し、添付の特許請求の範囲の範囲内にある、当技術分野における既知のまたは慣習的な慣行の範囲内にある、本開示からの逸脱を網羅することを意図している。
【0113】
本開示は、図面および前述の説明において詳細に図示および説明されているが、そのような図示および説明は、例示的であり、性質を限定するものではないと見なされるべきであり、例示的な実施形態が示され、説明されており、本開示の趣旨の範囲内にある変更および修正は保護されることが望まれることが理解される。本開示の代替の実施形態は、記載された構成のすべてを含むとは限らないが、そのような構成の少なくともいくつかの利点から依然として利益を得ることに留意されたい。当業者は、本開示の構成のうちの1つまたは複数を組み込み、添付の特許請求の範囲によって定義されるように本発明の趣旨および範囲内に入る独自の実装形態を容易に考案することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図11b
図12
図13
図14
図15
図16
図17a
図17b
【国際調査報告】