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特表2023-512470自動車両とユーザーとの間のインタラクションの方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】自動車両とユーザーとの間のインタラクションの方法
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20230317BHJP
   B60N 2/58 20060101ALI20230317BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/58
A47C7/62 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543112
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(85)【翻訳文提出日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2020050870
(87)【国際公開番号】W WO2021144013
(87)【国際公開日】2021-07-22
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511312997
【氏名又は名称】トヨタ モーター ヨーロッパ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】オーレリアン バドイル
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084JC01
3B084JD00
3B084JD07
3B087DE03
3B087DE08
3B087DE10
(57)【要約】
自動車両100又は自動車両シミュレータとユーザーとの間のインタラクションの方法であって、座席の2つの伸縮ファブリック層の間に含まれる1つ又は複数のストレッチセンサによって、自動車両又は自動車両シミュレータの座席(10)上の少なくとも1人のユーザーの存在を持続的に検出することと、接触ゾーンを持続的にマッピングすることによってストレッチセンサによってユーザーと座席との間の接触ゾーンを決定することと、接触ゾーンに基づいて刺激ゾーンを決定することと、運転状態に応じてユーザーへ送られる刺激を決定することと、電気活性ポリマーを含む1つ又は複数のアクチュエータによって刺激ゾーンを介してユーザーへ刺激を送ることと、を含み、アクチュエータは、座席の2つの伸縮ファブリック層の間に含まれる。組立体は、本方法を実現するための座席及び制御ユニットを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車両(100)又は自動車両シミュレータとユーザー(38)との間のインタラクションの方法であって、
座席(10、24、26)の2つの伸縮ファブリック層(32、34)の間に含まれる1つ又は複数のストレッチセンサ(30)によって前記自動車両(100)又は前記自動車両シミュレータの座席(10、24、26)上の少なくとも1人のユーザー(38)の存在を持続的に検出することと、
接触ゾーンを持続的にマッピングすることによって、前記ストレッチセンサ(30)によって前記ユーザー(38)と前記座席(10、24、26)との間の接触ゾーンを決定することと、
前記接触ゾーンに基づいて刺激ゾーンを決定することと、
運転状態に応じて前記ユーザー(38)へ送られる刺激を決定することと、
電気活性ポリマーを含む1つ又は複数のアクチュエータ(28)によって前記刺激ゾーンを介して前記ユーザー(38)へ刺激を送ることであって、前記アクチュエータ(28)が前記座席(10、24、26)の2つの伸縮ファブリック層(32、34)である、ことと、
を含む、方法。
【請求項2】
刺激は、触覚フィードバックを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
触覚フィードバックは、振動を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記振動は、活動的振動を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記振動の強度、周波数及び/又はパターンは、前記自動車両(100)又は前記自動車両シミュレータのモーション感知に基づく、請求項3又は請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記振動のパターンは、予期目的のために前記ユーザーの身体の筋肉刺激を誘発する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記モーション感知が閾値を上回るとき刺激が送られる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1人のユーザーの存在の持続的検出は、前記座席と接触している前記ユーザーの身体部分を識別することを含む、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
刺激が前記1つ又は複数のアクチュエータによって前記座席の1つ又は複数の部分を変形することを含む、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
変形される前記座席の部分は、前記自動車両又は前記自動車両シミュレータのモーション感知及び/又は事前衝突感知に基づく、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
刺激が、前記自動車両又は前記自動車両シミュレータのモーションに対する前記座席の向きに依存する、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
自動車両又は自動車両シミュレータ用の座席と制御ユニットとを備える組立体であって、前記座席が、前記座席の2つの伸縮ファブリック層の間に含まれる1つ又は複数のストレッチセンサと、電気活性ポリマーを含む1つ又は複数のアクチュエータとを備え、前記アクチュエータは、前記座席の2つの伸縮ファブリック層に含まれ、前記制御ユニットは、前記1つ又は複数のストレッチセンサによって前記自動車両又は前記自動車両シミュレータの前記座席上の少なくとも1人のユーザーの存在を持続的に検出し、接触ゾーンを持続的にマッピングすることによって前記ストレッチセンサによって前記ユーザーと前記座席との間の前記接触ゾーンを決定し、前記接触ゾーンに基づいて刺激ゾーンを決定し、運転状態に応じて前記ユーザーへ送られる刺激を決定し、前記1つ又は複数のアクチュエータによって前記刺激ゾーンを介して前記ユーザーへ刺激を送るように構成される、組立体。
【請求項13】
前記座席は、バックレストとシートクッションとを持つ座席である、請求項12に記載の組立体。
【請求項14】
前記座席は、リーニングバーである、請求項12に記載の組立体。
【請求項15】
請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の組立体を備える、自動車両。
【請求項16】
請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の組立体を備える、自動車両シミュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車両又は自動車両シミュレータとユーザーとの間のインタラクション(interaction)の方法、特に自動車両又は自動車両シミュレータの座席とユーザーとの間のインタラクションの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ストレッチセンサ(stretch sensors)は、ユーザーが座席に座ったとき座席の形状を変更できるようにするアクチュエータと組み合わせで知られている。
【発明の概要】
【0003】
本開示の実施形態において、自動車両又は自動車両シミュレータとユーザーとの間のインタラクションの方法を提供する。該方法は、
-座席の2つの伸縮ファブリック層(stretch fabric layers)の間に含まれた1つ又は複数のストレッチセンサによって、自動車両又は自動車両シミュレータの座席上の少なくとも1人のユーザーの存在を持続的に検出することと、
-接触ゾーンを持続的にマッピングすることによって、ストレッチセンサによってユーザーとシートとの間の接触ゾーンを決定することと、
-接触ゾーンに基づいて刺激ゾーンを決定することと、
-運転状態に応じてユーザーへ送られる刺激を決定することと、
-電気活性ポリマーを含む1つ又は複数のアクチュエータによって刺激ゾーンを介してユーザーへ刺激を送ることであって、アクチュエータが座席の2つの伸縮ファブリック層の間に含まれる、ことと、
を含む。
【0004】
持続的にユーザーの存在を検出し、接触ゾーンを決定するので、運転状態に応じて座席を介してユーザーへ情報を送ることができる。
【0005】
運転状態は、座席が自動車両シミュレータの座席であるときシミュレートされた運転状態を含む。
【0006】
シミュレーションの非限定的例は、乗り物酔いを回避すること及び/又は運転状態に応じて座席のユーザーの支持を改良することを含むことができる。
【0007】
シミュレーションの非限定的例は、座席の接触ゾーンとユーザーとの間の直接通信を介してユーザーへ警告を送ることを含むことができる。
【0008】
電気活性ポリマーの非限定的例は、誘電性エラストマ例えばシリコン系誘電性エラストマ、イオン電気活性ポリマー(金属複合体)、ツイストポリマーコイル例えばポリアミド又はポリエチレン繊維、強磁性流体、圧電性ポリマー例えばPVDF、形状記憶ポリマー例えばポリウレタン及びポリエーテルエステルを含む形状記憶ポリマーを含むことができる。
【0009】
ストレッチセンサの非限定的例は、電気活性ポリマー又は電導性ファブリック例えばシルバーメッキナイロンを含むことができる。
【0010】
ユーザーと座席との間の接触ゾーンを決定することによって、方法は、座席を介した自動車両又は自動車両シミュレータとユーザーとの間のより良いインタラクションを可能にする。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、シミュレーションは、触覚フィードバックを含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、触覚フィードバックは、振動を含むことができる。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、振動は、活動的(animated)振動を含むことができる。
【0014】
座席の所与の位置において強度、周波数及び/又はパターンを変化できる活動的振動によって、振動が座席の1つの場所から別の場所へ移動していると言う印象をユーザーへ与えることを意図する。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、振動の強度、周波数及び/又はパターンは、自動車両又は自動車両シミュレータのモーション感知に基づくことができる。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、振動パターンは、予期目的のためにユーザーの身体の筋肉刺激を誘発できる。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、刺激は、モーション感知が閾値を上回ったとき送ることができる。
【0018】
閾値は、自動車両又は自動車両シミュレータの移動中の望ましくない刺激を回避するように定めることができる。閾値は、運転に応じて異なることができる。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1人のユーザーの存在の持続的検出は、座席と接触しているユーザーの身体部分を識別することを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、刺激は、1つ又は複数のアクチュエータによって座席の1つ又は複数の部分を変形することを含むことができる。
【0021】
座席の一部の変形は、座席の振動の発生とは異なる。実際、座席の一部の変形中、座席のこの部分は、少なくとも1秒を超えて一定の変形を持つことができる。
【0022】
非限定的例として、座席の前部は、自動車両が強くブレーキを掛けるとき隆起するように変形でき、それによってアンチサブマリン効果(anti-submarining effect)を強化できる。
【0023】
非限定的例として、座席の側面部は、コーナリングが検出されたときユーザーを保護するようにユーザーへ向かって変形できる。
【0024】
非限定的例として、座席の保護ヘッド及びショルダー部は、側方衝撃が検出されたとき頸部の損傷を防止しかつ/又はユーザーを破片の突起から保護するようにユーザーの頭部及び肩部を包むことによって変形できる。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、変形する座席の部分は、自動車両又は自動車両シミュレータのモーション感知及び/又は事前衝突感知に基づくことができる。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、刺激は、自動車両又は自動車両シミュレータのモーションに対する座席の向きに依存することができる。
【0027】
本開示の別の実施形態において、組立体を提供する。組立体は、自動車両又は自動車両シミュレータ用の座席と、制御ユニットとを含むことができ、座席は、座席の2つの伸縮ファブリック層の間に含まれる1つ又は複数のストレッチセンサと、電気活性ポリマーを含む1つ又は複数のアクチュエータと、含み、アクチュエータは座席の2つの伸縮ファブリック層に含まれ、制御ユニットは、1つ又は複数のストレッチセンサによって自動車両又は自動車両シミュレータの座席上の少なくとも1人のユーザーの存在を持続的に検出し、接触ゾーンを持続的にマッピングすることによってストレッチセンサによってユーザーと座席との間の接触ゾーンを決定し、接触ゾーンに基づいて刺激ゾーンを決定し、運転状態に応じてユーザーへ送られる刺激を決定し、1つ又は複数のアクチュエータによって刺激ゾーンを介してユーザーへ刺激を送る、ように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、座席は、バックレスト及びシートクッションを持つ座席とすることができる。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、座席はリーニングバー(leaning bar)とすることができる。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、制御ユニットは、モーション感知システムを含むことができる。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、制御ユニットは、事前衝突システムを含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、制御ユニットは、セイフティセンサシステムを含むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、セイフティセンサシステムは、モーション感知システム、事前衝突システム及び/又はブレーキアシストシステムを含むことができる。
【0034】
本開示の別の実施形態において、自動車両を提供する。自動車両は上記の組立体を含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、自動車両は、乗用車とすることができる。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、自動車両は、バスとすることができる。
【0037】
いくつかの実施形態よれば、自動車両は、トラム(tram)とすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、自動車両は、列車とすることができる。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、自動車両は航空機とすることができる。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、自動車両はボートとすることができる。
【0041】
本開示の別の実施形態において、自動車両シミュレータを提供する。シミュレータは、上記の組立体を含むことができる。
【0042】
特に矛盾がない限り、上記の要素と明細書内の要素を組み合わせられることを意図する。
【0043】
以上の概略的説明及び以下の詳細な説明は両方とも、好ましいものであり単に説明のためのものであって、本開示を限定するものではないことが分かるはずである。
【0044】
本明細書に援用されその一部を形成する添付図面は、本開示の実施形態を図解し、説明と一緒に、その原則を説明するために役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本開示の実施形態に従った好ましい自動車両の部分図である。
図2】自動車両の好ましい座席を示す図である。
図3】自動車両の別の好ましい座席を示す図である。
図4】自動車両の別の好ましい座席を示す図である。
図5】本開示の実施形態に従ったxxxを形成する好ましい層の分解図である。
図6】本開示の別の実施形態に従って形成する好ましい層の分解図である。
図7】本開示の実施形態に従った自動車の好ましい座席制御システムを示す図である。
図8】本開示の実施形態に従った自動車の好ましい座席制御システムを示す図である。
図9】本開示の実施形態に従った自動車の好ましい座席制御システムを示す図である。
図10】本開示の実施形態に従った自動車の好ましい座席制御システムを示す図である。
図11】モーション感知に基づきユーザーへ刺激が送られるエリアを表す図である。
図12】モーション感知に基づきユーザーへ刺激が送られるエリアを表す図である。
図13】本開示の実施形態に従った好ましい刺激を示す図である。
図14】本開示の実施形態に従った好ましい刺激を示す図である。
図15】本開示の実施形態に従った好ましい刺激を示す図である。
図16】本開示の実施形態に従った好ましい刺激を示す図である。
図17】本開示の実施形態に従った好ましい刺激を示す図である。
図18】本開示の実施形態に従った好ましい刺激を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
次に、本開示の好ましい実施形態を詳細に論じる。その例を添付図面において図解する。可能な限り、図面全体を通じて同じ又は同様の部品には同じ参照番号を使用する。
【0047】
図1は、本開示の実施形態に従った好ましい自動車両100の部分図である。
【0048】
自動車両100は、インテリア102を含むことができる。インテリア102は、座席10を含むことができる。座席10は、座席10を被覆する伸縮可能ファブリック(stretchable fabric)12を含むことができる。座席10は、シートクッション14と、バックレスト16と、ヘッドレスト18と、側面支持部20と、を含むことができる。
【0049】
座席10は、自動車両シミュレータの座席とすることができる。
【0050】
図2~4は、別の好ましい座席を示す。図2の好ましい座席10は、シートクッション14と、バックレスト16と、ヘッドレスト18と、側面支持部20と、ショルダー及びヘッド保護部22と、を含むことができる。
【0051】
図3及び4に示すように、自動車両100は、複数人のユーザーを収容するための座席24並びにリーニングバー26として知られる座席を含むことができる。
【0052】
座席10、24、26のいくつかの部分は、伸縮可能ファブリック12で被覆できる。
【0053】
図5に示すように、伸縮可能ファブリック12は、電気活性ポリマーを含むアクチュエータ28とストレッチセンサ30とを含むことができる。アクチュエータ28及びストレッチセンサ30は、2つの伸縮ファブリック層32、34の間に挟むことができる。伸縮ファブリック層の数は2層に限定されないものとする。2つの伸縮ファブリック層32、34は、同一である必要がないものとする。アクチュエータ28は、ストレッチセンサ30を挟む2つの伸縮ファブリック層とは異なる2つの伸縮ファブリック層の間に挟むことができる。アクチュエータ28を、2つの伸縮ファブリック層の間に挟み、ストレッチセンサ30を2つの伸縮ファブリック層の間に挟み、1つの伸縮ファブリック層がアクチュエータ28とセンサ30の両方に共通とすることができる。即ち、1つの伸縮ファブリック層は、アクチュエータ28とセンサ30との間に挟まれる。
【0054】
ストレッチセンサ30は、電気活性ポリマーを含むことができる。
【0055】
図6に示すように、伸縮可能ファブリック12は、アクチュエータ28と、電気活性ポリマーを含むストレッチセンサ30と、を含むことができ、アクチュエータ28とストレッチセンサ30は、別個のものではない。アクチュエータ28/ストレッチセンサ30は、2つの伸縮ファブリック層32、34の間に挟むことができる。
【0056】
図6に示すように、アクチュエータ28及びストレッチセンサ30は、制御ユニット36に接続できる。制御ユニット36は、接続体30Aを介してストレッチセンサ30から情報を受け取り、接続体28Aを介してアクチュエータ28へ情報を送ることができる。図8~10は、このようなアクチュエータ28に想定できる様々な変形を示す。
【0057】
図5~10に示すアクチュエータ28及びストレッチセンサ30は、様々な形状を取ることができ、複数のアクチュエータ28及び複数のストレッチセンサ30とすることができる。
【0058】
実際、座席10、24、26は、複数のアクチュエータ28及び複数のストレッチセンサ30を含むことができる。
【0059】
非限定的例として、図1~3に示すように、伸縮可能ファブリック12で被覆される座席10、24、26の全てのエリアが、アクチュエータ28及びストレッチセンサ30を含むことができる。
【0060】
非限定的例として、図4に示すように、伸縮可能ファブリック12で被覆される座席のいくつかのエリア40が、アクチュエータ28及びストレッチセンサ30を含むことができる。
【0061】
自動車両100とユーザーとの間のインタラクションの方法は、様々なステップを含むことができる。
【0062】
ストレッチセンサ30から受け取った情報は、制御ユニット36が、ストレッチセンサ30によって自動車両100の座席10、24、26上の少なくとも1人のユーザー38の存在を持続的に検出し、接触ゾーンを持続的にマッピングすることによってユーザーと座席との間の接触ゾーンを決定できるようにする。制御ユニット36は、ユーザーの姿勢を決定できるように構成できる。
【0063】
制御ユニット36は、その後、接触ゾーンに基づいて刺激ゾーンを決定し、運転状態に応じてユーザーへ送られる刺激を決定する。刺激ゾーン及びユーザーへ送られる刺激のタイプの決定は、ユーザーの形態及び身体のいくつかの部分はより多くの神経末端を含むので刺激に対してより敏感である場合があることを考慮に入れて、座席と接触しているユーザーの身体部分に依存することができる。
【0064】
アクチュエータ28へ送られた情報は、制御ユニット36が刺激ゾーンを介してユーザーへ刺激を送れるようにする。
【0065】
非限定的例として、図4に示すように、ユーザーがアクチュエータ28及びストレッチセンサ30を含むエリア40の一部と接触していないと制御ユニット36が決定したとき、制御ユニット36は、ユーザーと接触しているエリア40のみを考慮に入れて刺激ゾーンを決定できる。
【0066】
非限定的例として、図13に示すように、決定された刺激ゾーンから、制御ユニット36は、座席10の頸部/ショルダーエリア56においてユーザー刺激を送るべきと決定できる。
【0067】
非限定的例として、図14に示すように、制御ユニット36は、頸部/ショルダーエリア56においてユーザー触覚フィードバック(振動など)を送るべきと決定できる。
【0068】
非限定的例として、図15に示すように、ユーザーが座席10に座っており、シートベルト62を着用していない(運転状態の非限定的例)と制御ユニット36が決定したとき、制御ユニット36は、腰部エリア58において活動的振動64を送るべきと決定できる。振動64は、腰部エリア58の片側から他方の側へ移動する。
【0069】
非限定的例として、図16に示すように、制御ユニット36は、クッションの1つのエリア60が刺激ゾーンであり、刺激がクッション14のエリア60の矢印66によって例示される変形であると決定できる。
【0070】
非限定的例として、振動の強度、周波数及びパターンは、自動車両100のモーション感知に基づくことができる。非限定的例として、制御ユニット36は、図11においてトラクションサークル(traction circle)42によって例示する慣性を計測するモーション感知機器を備えることができる。
【0071】
図11において、文字Aが付いた矢印は加速を表し、Dが付いた矢印は減速を表し、Lが付いた矢印は左回りを表し、Rが付いた矢印は右回りを表す。
【0072】
トラクションサークル42は、刺激がユーザーへ送られないエリア44を持ち、閾値を上回ると、例えばエリア46のとき、制御ユニット36は、刺激が予期目的のため及び/又は乗り物酔いを回避するためにユーザーへ送られると決定できる。
【0073】
非限定的例として、図17及び18に示すように、制御ユニット36は、刺激ゾーンが座席10のバックレスト16の右側68、座席10のバックレスト16の左側70、座席10のクッション14の右側72及び、座席10のクッション14の左側74であると、決定できる。
【0074】
非限定的例として、これらの刺激ゾーンは、予期目的のため及び/又は乗り物酔いを回避するために選択できる。
【0075】
運転状態に応じて、即ちトラクションサークル42及び接触ゾーンに応じて、制御ユニット36は、座席10のバックレスト16の右側68、座席10のバックレスト16の左側70、座席10のクッション14の右側72及び座席10のクッション14の左側74の1つを刺激すべきであると決定できる。
【0076】
非限定的例として、図18に示すように、制御ユニット36は、振動が矢印76及び78で示す活動的振動であると決定できる。活動的振動は、予期目的のためにユーザーの身体の筋肉刺激を誘発できる。
【0077】
非限定的例として、コーナリング予期が要請されると制御ユニット36が決定する場合、制御ユニット36は、振動が矢印78によって示すように座席10のバックレスト16の右側68から座席10のバックレスト16の左側70へ及び/又は座席10のクッション14の右側72から座席10のクッション14の左側74への活動的振動であると決定できる。
【0078】
非限定的例として、コーナリング予期が要請されると制御ユニット36が決定する場合、制御ユニット36は、刺激が、矢印78に示すように座席10のバックレスト16の左側70から座席10のバックレスト16の右側68へ及び/又は座席10のクッション14の左側74から座席10のクッション14の右側72への活動的振動であると決定できる。
【0079】
非限定的例として、速度変更予期が要請されると制御ユニット36が決定する場合、制御ユニット36は、刺激が、矢印76によって示すように座席10のバックレスト16の右側68から座席10のクッション14の右側72へ及び座席10のバックレスト16の左側70から座席10のクッション14の左側74への活動的振動であると決定できる。
【0080】
非限定的例として、速度変更予期が要請されると制御ユニット36が決定する場合、制御ユニット36は、刺激が、矢印76によって示すように座席10のクッション14の右側72から座席10のバックレスト16の右側68へ及び座席10のクッション14の左側74から座席10のバックレスト16の左側70への活動的振動であると決定できる。
【0081】
刺激は、自動車両100のモーションに対する座席10、24、26の向きに応じて変化できる。非限定的例として、座席が後向きのとき即ちユーザーが自動車両の後部を見ているとき、コーナリング予期、加速予期及び減速予期は、前向き座席即ちユーザーが自動車両の前部を見ているときのコーナリング予期、加速予期及び減速予期と逆である。非限定的例として、座席が横向きのとき即ちユーザーが自動車両の側面を見ているとき、コーナリング予期は、矢印76に従った刺激であり、加速又は減速予期は、図18の矢印78に従った刺激とすることができる。
【0082】
制御ユニット36は、事前衝突システム、モーション感知システム及び/又はブレーキアシストシステムを含むことができるセイフティセンサシステムを含むことができる。
【0083】
非限定的例として、刺激は、自動車両100のセイフティ感知に基づく座席の一部の変形とすることができる。非限定的例として、制御ユニット36は、図12に示すトラクションサークル48で例示する慣性を計測するセイフティセンサシステムを備えることができる。
【0084】
図12において、文字Aが付いた矢印は加速を表し、Dが付いた矢印は減速を表し、Lが付いた矢印は左回りを表し、Rが付いた矢印は右回りを表す。
【0085】
トラクションサークル48は、刺激がユーザーへ送られないエリア50を持つことができ、閾値を上回ると、例えばエリア52又は54のとき、制御ユニット36は、安全のため及びユーザーを保護するために刺激がユーザーへ送られると決定できる。運転状態に応じて、即ちトラクションサークル42及び接触ゾーンに応じて、制御ユニット36は、所与の刺激ゾーンを刺激すべきと決定できる。
【0086】
非限定的例として、制御ユニット36は、運転状態に基づいて即ち極端な減速が知覚されたとき、刺激ゾーンはクッション14の前部であり、刺激が、対潜効果即ちユーザーのシートベルト下でのずり落ち回避を強化するようにクッション14の前部の上向きの変形であると決定できる。この特徴がもう必要ないと見なされると、制御ユニット36は、刺激を停止し、座席10は、クッション14の初期形状へ戻ることができる。
【0087】
非限定的例として、制御ユニット36は、運転状態に基づいて即ち極端なコーナリングが知覚されたとき、刺激ゾーンが側面支持部20であり、刺激が側面支持部20のユーザーへ向かう変形であると、決定できる。側面支持部は、座席10へ加えられたユーザーの身体の慣性を吸収して身体の姿勢を維持するのを助けることができる。この特徴がもう必要ないと見なされる場合、制御ユニット36は、刺激を停止し、座席10は、側面支持部20の初期形状へ戻ることができる。
【0088】
非限定的例として、制御ユニット36は、運転状態に応じて即ち側方衝撃が予想される場合、刺激ゾーンがショルダー及びヘッド保護部22であり、刺激がショルダー及びヘッド保護部22のユーザーへ向かう変形であると決定できる。ショルダー及びヘッド保護部22は、側方衝撃が検出されたとき頸部損傷を防止しかつ/又はユーザーを破片の突起から保護するように、ユーザーの頭部及び肩を包むように変形できる。
【0089】
請求項を含めて説明全体を通じて、「備える、含む(comprising)」は、特に明示しない限り「少なくとも1つを備える(含む)」の同義語であることが分かるはずである。更に、請求項を含めて説明において示す範囲は、特に明示しない限りその末端値を含むことが分かるはずである。説明する要素の具体的値は、当業者には既知の許容される製造及び産業上の公差の範囲内にあることが分かるはずであり、「実質的」及び/又は「約」及び/又は「概ね」が使用される場合、前記の許容公差の範囲内にあることを意味することが分かるはずである。
【0090】
国内、国際又はその他の規格団体の規格(例えば、ISOなど)を参照する場合、このような参照は、本明細書の優先日時点における国内又は国際規格団体によって定められた規格を意味することを意図する。その後のこれらの規格に対する本質的変更は、本開示及び/又は請求項の範囲及び/又は定義を修正することを意図しない。
【0091】
本開示について、特定の実施形態を参照して説明するが、これらの実施形態は単に本開示の原則及び応用の例である。実際、自動車両とユーザーとの間のインタラクションは、上に説明する全てのインタラクション及び/又はその一部を含むことができる。自動車両と言うとき、実施形態は、自動車両シミュレータにも含まれることが分かるはずである。
【0092】
明細書及び実施例は、単なる例であり、本開示の真の範囲は、下記の請求項によって指示される。
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【国際調査報告】