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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】オーディオ送信機/受信機アレイ
(51)【国際特許分類】
   H04B 11/00 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
H04B11/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543640
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(85)【翻訳文提出日】2022-08-23
(86)【国際出願番号】 US2021013679
(87)【国際公開番号】W WO2021146586
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】16/746,187
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522284948
【氏名又は名称】リスナー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【弁理士】
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ファラー レベッカ
(72)【発明者】
【氏名】メンデル オズ
(72)【発明者】
【氏名】クナウアー ウィリアム
(57)【要約】
本開示は、データを含むオーディオ伝送を受信および送信するための新規で革新的なオーディオ送信機/受信機アレイを提供する。送信機/受信機アレイは、オーディオ伝送を送信するための、スピーカなどの複数の送信機と、オーディオ伝送を受信するための、マイクロフォンなどの複数の受信機とを含み得る。送信機および受信機は、支持体に取り付けられ、送信機/受信機アレイを取り囲む最大360度までのサービスエリアからオーディオ伝送をそれぞれ送信および受信するように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
サービスエリア内のコンピューティングデバイスからオーディオ伝送を受信するように配置された、前記支持体に取り付けられた複数の受信機と、
前記サービスエリア内のコンピューティングデバイスにオーディオ伝送を送信するように配置された、前記支持体に取り付けられた複数の送信機と
を含む、オーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項2】
前記複数の送信機の各送信機が、前記複数の受信機のうちの少なくとも1つの受信機に対応する、請求項1記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項3】
前記複数の受信機の各受信機が、それぞれの構造部材によって前記複数の送信機のそれぞれの送信機から分離されている、請求項1記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項4】
前記それぞれの構造部材が、前記それぞれの送信機の高さよりも長い長さを有する、請求項3記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項5】
前記複数の受信機が第1の数の受信機を含み、前記複数の送信機が第2の数の送信機を含み、前記第1の数が前記第2の数と等しい、請求項1記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項6】
前記第1の数および前記第2の数が8に等しい、請求項5記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項7】
前記複数の受信機が第1の数の受信機を含み、前記複数の送信機が第2の数の送信機を含み、前記第1の数が前記第2の数とは異なる、請求項1記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項8】
前記第1の数が8に等しく、前記第2の数が4に等しい、請求項7記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項9】
前記複数の受信機の各受信機が、前記複数の送信機のそれぞれの送信機のハウジングと一体である、請求項1記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項10】
前記サービスエリアが、前記オーディオ送信機/受信機アレイを取り囲む360度のエリアを含む、請求項1記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項11】
前記サービスエリアが、前記オーディオ送信機/受信機アレイを取り囲む最大180度までのエリアを含む、請求項1記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項12】
前記サービスエリアが、前記オーディオ送信機/受信機アレイを取り囲む最大90度までのエリアを含む、請求項1記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項13】
前記複数の受信機が、前記支持体上に互いに等間隔に配置されており、前記複数の送信機が、前記支持体上に互いに等間隔に配置されている、請求項1記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項14】
前記複数の受信機が8つの受信機を含み、各受信機が、前記支持体の中心に対して次の隣接する受信機から45度離して方向付けられている、請求項13記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項15】
前記複数の送信機が8つの送信機を含み、各送信機が、前記支持体の中心に対して次の隣接する送信機から45度離して方向付けられている、請求項13記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項16】
前記複数の受信機および前記複数の送信機を取り囲むハウジングをさらに含む、請求項1記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項17】
前記ハウジングが、前記複数の受信機に近い前記ハウジングの部分と、前記複数の送信機に近い前記ハウジングの部分とに、透音性材料を含む、請求項16記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項18】
前記ハウジングが、前記複数の受信機に近い前記ハウジングの部分と、前記複数の送信機に近い前記ハウジングの部分とに、格子または開口部を含む、請求項16記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項19】
前記ハウジングが、
オーディオ伝送を受信したことに応答して、前記オーディオ伝送が受信された方向を識別するように構成された、少なくとも1つのインジケータ
を含む、請求項16記載のオーディオ送信機/受信機アレイ。
【請求項20】
支持体と、
サービスエリア内のコンピューティングデバイスからオーディオ伝送を受信するように配置された、前記支持体に取り付けられた複数の受信機と、
前記サービスエリア内のコンピューティングデバイスにオーディオ伝送を送信するように配置された、前記支持体に取り付けられた複数の送信機と
を含み、
前記複数の受信機が第1の数の受信機を含み、前記複数の送信機が第2の数の送信機を含み、前記第1の数が前記第2の数と等しく、
前記複数の送信機の各送信機が、前記複数の受信機のうちの少なくとも1つの受信機に対応し、前記複数の受信機の各受信機が、それぞれの構造部材によって対応する送信機から分離されている、
オーディオ送信機/受信機アレイ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
データは、両方のデバイスを同じコンピューティングネットワークに接続することなく、コンピューティングデバイス間で伝送される必要があることが多い。例えば、特定の用途では、コンピューティングネットワークがコンピューティングデバイスの近くに存在しない場合があり、またはコンピューティングデバイスの一方もしくは両方を近くのコンピューティングネットワークに接続するのが煩雑すぎる場合がある(例えば、時間がかかりすぎる場合がある)。したがって、データは、1台のコンピューティングデバイスから別のコンピューティングデバイスに直接伝送され得る。
【発明の概要】
【0002】
概要
本開示は、サービスエリア内のユーザにオーディオ伝送に関するデータを送信し、ユーザからオーディオ伝送に関するデータを受信するための新規で革新的なオーディオ送信機/受信機アレイを提供する。第1の局面では、支持体と、支持体に取り付けられた複数の受信機とを含むオーディオ送信機/受信機アレイが提供される。複数の受信機は、サービスエリア内のコンピューティングデバイスからオーディオ伝送を受信するように配置され得る。オーディオ送信機/受信機アレイはまた、支持体に取り付けられた複数の送信機も含んでいてよく、複数の送信機は、サービスエリア内のコンピューティングデバイスにオーディオ伝送を送信するように配置され得る。
【0003】
第1の局面による第2の局面では、複数の送信機の各送信機は、複数の受信機のうちの少なくとも1つの受信機に対応する。
【0004】
第1の局面および第2の局面のいずれかによる第3の局面では、複数の受信機の各受信機は、それぞれの構造部材によって複数の送信機のそれぞれの送信機から分離されている。
【0005】
第3の局面による第4の局面では、それぞれの構造部材は、それぞれの送信機の高さよりも長い長さを有する。
【0006】
第1の局面から第4の局面のいずれかによる第5の局面では、複数の受信機は第1の数の受信機を含み、複数の送信機は第2の数の送信機を含み、第1の数は第2の数と等しい。
【0007】
第5の局面による第6の局面では、第1の数および第2の数は8に等しい。
【0008】
第1の局面から第6の局面のいずれかによる第7の局面では、複数の受信機は第1の数の受信機を含み、複数の送信機は第2の数の送信機を含み、第1の数は第2の数とは異なる。
【0009】
第7の局面による第8の局面では、第1の数は8に等しく、第2の数は4に等しい。
【0010】
第1の局面から第8の局面のいずれかによる第9の局面では、複数の受信機の各受信機は、複数の送信機のそれぞれの送信機のハウジングと一体である。
【0011】
第1の局面から第9の局面のいずれかによる第10の局面では、サービスエリアは、オーディオ送信機/受信機アレイを取り囲む360度のエリアを含む。
【0012】
第1の局面から第10の局面のいずれかによる第11の局面では、サービスエリアは、オーディオ送信機/受信機アレイを取り囲む最大180度までのエリアを含む。
【0013】
第1の局面から第11の局面のいずれかによる第12の局面では、サービスエリアは、オーディオ送信機/受信機アレイを取り囲む最大90度までのエリアを含む。
【0014】
第1の局面から第12の局面のいずれかの局面による第13の局面では、複数の受信機は、支持体上に互いに等間隔に配置されており、複数の送信機は、支持体上に互いに等間隔に配置されている。
【0015】
第13の局面による第14の局面では、複数の受信機は8つの受信機を含み、各受信機は、支持体の中心に対して次の隣接する受信機から45度離して方向付けられている。
【0016】
第13の局面または第14の局面による第15の局面では、複数の送信機は8つの送信機を含み、各送信機は、支持体の中心に対して次の隣接する送信機から45度離して方向付けられている。
【0017】
第1の局面から第15の局面のいずれかによる第16の局面では、オーディオ送信機/受信機アレイはまた、複数の受信機および複数の送信機を取り囲むハウジングも含む。
【0018】
第16の局面による第17の局面では、ハウジングは、複数の受信機に近いハウジングの部分と、複数の送信機に近いハウジングの部分とに透音性材料を含む。
【0019】
第16の局面または第17の局面による第18の局面では、ハウジングは、複数の受信機に近いハウジングの部分と、複数の送信機に近いハウジングの部分とに格子または開口部を含む。
【0020】
第16の局面から第18の局面のいずれかによる第19の局面では、ハウジングは、オーディオ伝送を受信したことに応答して、オーディオ伝送が受信された方向を識別するように構成された少なくとも1つのインジケータを含む。
【0021】
第20の局面では、支持体と、支持体に取り付けられた複数の受信機とを含むオーディオ送信機/受信機アレイが提供される。複数の受信機は、サービスエリア内のコンピューティングデバイスからオーディオ伝送を受信するように配置され得る。オーディオ送信機/受信機アレイはまた、支持体に取り付けられた複数の送信機も含んでいてよく、複数の送信機は、サービスエリア内のコンピューティングデバイスにオーディオ伝送を送信するように配置され得る。複数の受信機は第1の数の受信機を含んでいてもよく、複数の送信機は第2の数の送信機を含んでいてもよい。第1の数は第2の数と等しくてもよい。複数の送信機の各送信機はまた、複数の受信機のうちの少なくとも1つの受信機に対応していてもよく、複数の受信機の各受信機は、それぞれの構造部材によって対応する送信機から分離されていてもよい。
【0022】
本明細書に記載される特徴および利点は、すべてを含むものではなく、特に、図および説明を考慮すれば当業者には多くの追加の特徴および利点が明らかになるであろう。さらに、本明細書で使用される文言は、主として、読みやすさおよび説明を目的として選択されており、開示の主題の範囲を限定するためのものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本開示の一局面による、本開示の一局面による、オーディオ伝送を送信および受信するためのシステムを示す。
図2図2は、本開示の一局面による、オーディオ送信機/受信機アレイを有するオーディオ伝送を送信および受信するためのシステムを示す。
図3A図3A~3Bは、それぞれ、本開示の一局面による、送信機/受信機アレイの上面図および斜視図を示す。
図3B図3A~3Bは、それぞれ、本開示の一局面による、送信機/受信機アレイの上面図および斜視図を示す。
図4図4は、本開示の一局面による、例示的な送信機の斜視図示す。
図5図5は、本開示の一局面による、例示的な送信機/受信機アレイの上面図を示す。
図6図6は、本開示の一局面による、受信機よりも多い数の送信機を含む例示的な送信機/受信機アレイの上面図を示す。
図7図7は、本開示の一局面による、例示的な送信機/受信機構成の斜視図を示す。
図8図8は、本開示の一局面による、構造部材を有する例示的な送信機/受信機アレイの斜視図を示す。
図9図9は、本開示の一局面による、送信機に直接接続された受信機を有する例示的な送信機/受信機アレイの斜視図を示す。
図10図10は、本開示の一局面による、マイクロフォンが送信機ハウジングと一体化されている例示的な送信機/受信機アレイの斜視図を示す。
図11図11は、本開示の一局面による、180度のサービスエリアのために構成された送信機/受信機アレイを示す。
図12図12は、本開示の一局面による、90度のサービスエリアのために構成された例示的な送信機/受信機アレイを示す。
図13図13は、本開示の一局面による、送信機/受信機アレイを取り囲むハウジングを含む例示的なシステムを示す。
図14図14は、本開示の一局面による、2つの例示的な送信機/受信機アレイを含むサービスエリアを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本開示の局面は、サービスエリア内のコンピューティングデバイス間でデータを含むオーディオ伝送を受信および送信することに関する。本開示で論じられるものに関連する技術は、2020年1月17日に出願された「MULTI-SIGNAL DETECTION AND COMBINATION OF AUDIO-BASED DATA TRANSMISSIONS」と題する米国特許出願第16/746,134号、および2020年1月17日に出願された「DIRECTIONAL DETECTION AND ACKNOWLEDGMENT OF AUDIO-BASED DATA TRANSMISSIONS」と題する米国特許出願第16/746,211号でも論じられており、これらの開示は参照により本明細書に組み入れられる。
【0025】
同じ通信ネットワークに接続することなくコンピューティングデバイス間でデータを交換するための様々な技術およびシステムが存在する。例えば、コンピューティングデバイスは、デバイス間の直接通信リンクを介してデータを伝送し得る。特に、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線周波数識別(RFID)、近距離無線通信(NFC)、およびWi-Fi(登録商標)(例えば、コンピューティングデバイス間の直接Wi-Fi(登録商標)リンク)などの1つまたは複数の直接無線通信プロトコルに従ってデータが伝送され得る。しかしながら、これらのプロトコルの各々は、様々な周波数の電磁波を使用するデータ伝送に依拠している。したがって、特定の事例(例えば、ZigBee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、RFID、およびNFC)では、コンピューティングデバイスは、通常、これらの無線通信プロトコルに従ってデータを伝送するために専用ハードウェアを必要とする場合がある。さらなる事例(例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、およびWi-Fi(登録商標))では、コンピューティングデバイスは、通常、これらの無線通信プロトコルに従ってデータを伝送するために通信可能にペアリングされなければならない場合がある。そのような通信ペアリングは煩雑で低速であることがあり、コンピューティングデバイスの一方または両方と関連付けられたユーザがそれらのプロトコルを利用してデータを伝送する可能性を低下させる。
【0026】
したがって、(i)専用ハードウェアを必要とせず、(ii)データ伝送前の通信ペアリングを必要としない方法でデータを無線伝送する必要性が存在する。この問題に対する1つの解決策は、オーディオ伝送を使用してデータを伝送することである。例えば、図1に、本開示の一局面によるシステム100を示す。システム100は、オーディオ伝送114、116を使用してデータ122、124を伝送するように構成された2台のコンピューティングデバイス102、104を含む。特に、各コンピューティングデバイス102、104は、送信機106、108と受信機110、112とを含む。送信機106、108は、スピーカなどの、オーディオ信号を生成することができる任意のタイプのデバイスを含み得る。特定の実装形態では、送信機106、108は、コンピューティングデバイス102、104に組み込まれたスピーカとして実装され得る。例えば、コンピューティングデバイス102、104の一方または両方が、スマートフォン、タブレットコンピュータ、および/または送信機106、108の機能を実行する内蔵スピーカを備えたラップトップであってもよい。他の実装形態では、送信機106、108は、コンピューティングデバイス102、104の外部のスピーカとして実装され得る。例えば、送信機106、108は、コンピューティングデバイス102、104に外部接続された1つまたは複数のスピーカとして実装されてもよい。
【0027】
受信機110、112は、マイクロフォンなど、オーディオ伝送を受信し、オーディオ伝送をコンピューティングデバイスのプロセッサによって処理されることが可能な信号(例えば、デジタル信号)に変換することが可能な任意のタイプのデバイスを含み得る。いくつかの実装形態では、受信機110、112は、コンピューティングデバイス102、104に組み込まれたマイクロフォンとして実装され得る。例えば、コンピューティングデバイスの一方または両方が、スマートフォン、タブレットコンピュータ、および/または受信機110、112の機能を実行する内蔵マイクロフォンを備えたラップトップであってもよい。他の実装形態では、受信機110、112は、コンピューティングデバイス102、104の外部のマイクロフォンとして実装され得る。例えば、受信機110、112は、コンピューティングデバイス102、104に通信可能に結合されたコンピューティングデバイス102、104の外部の1つまたは複数のマイクロフォンとして実装されてもよい。特定の実装形態では、送信機106、108および受信機110、112は、コンピューティングデバイスに接続された単一のデバイスとして実装され得る。例えば、送信機106、108および受信機110、112は、コンピューティングデバイス102、104に通信可能に結合された少なくとも1つのスピーカと少なくとも1つのマイクロフォンとを含む単一のデバイスとして実装されてもよい。
【0028】
特定の実装形態では、コンピューティングデバイス102、104の一方または両方が、複数の送信機106、108および/または複数の受信機110、112を含み得る。例えば、コンピューティングデバイス104は、コンピューティングデバイス104が(例えば、コンピューティングデバイス102が複数の送信機108および複数の受信機112のうちの少なくとも1つの近くに位置するときに、複数の位置でコンピューティングデバイス102と通信できるように、複数の位置に配置された複数の送信機108および複数の受信機112を含んでいてもよい。追加または代替の実装形態では、コンピューティングデバイス102、104の一方または両方が、単一の位置に複数の送信機106、108および/または複数の受信機110、112を含んでいてもよい。例えば、コンピューティングデバイス104は、単一の位置に配置された複数の送信機108および複数の受信機112を含んでいてもよい。複数の送信機108および複数の受信機112は、その単一の位置の近くのエリアにおけるカバレッジおよび/または信号品質を改善するように配置され得る。例えば、複数の送信機108および複数の受信機112は、他のコンピューティングデバイス102が、送信機108および受信機112に対するそれらの位置にかかわらず(例えば、送信機108および受信機112のサービスエリア内のコンピューティングデバイス102の位置にかかわらず)同様の品質のオーディオ伝送114、116を受信するように、アレイまたは他の構成で配置されてもよい。
【0029】
コンピューティングデバイス102、104は、データ122、124を互いに送信するためにオーディオ伝送114、116を生成し得る。例えば、コンピューティングデバイス102は、コンピューティングデバイス102からコンピューティングデバイス104にデータ122を送信するために、1つまたは複数のオーディオ伝送114を生成し得る。別の例として、コンピューティングデバイス104は、コンピューティングデバイス104からコンピューティングデバイス102にデータ124を送信するために、1つまたは複数のオーディオ伝送116を生成し得る。特に、コンピューティングデバイス102、104は、オーディオ伝送114、116を使用した伝送のために、(例えば、データ122、124の一部分を含む)データ122、124に基づく1つまたは複数のパケット118、120を作成し得る。オーディオ伝送114、116を生成するために、コンピューティングデバイス102、104は、パケット118、120をオーディオキャリア信号に変調し得る。次いで、コンピューティングデバイス102、104は、送信機106、108を介してオーディオ伝送114、116を送信し、次いで、オーディオ伝送114、116は、他方のコンピューティングデバイス102、104の受信機110、112によって受信され得る(例えば、データ122、124がパケット118、120のサイズの所定の閾値を超える場合)特定の事例では、データ122、124は、別々のオーディオ伝送114、116を使用して伝送するために複数のパケット118、120に分割され得る。
【0030】
そのため、オーディオ伝送114、116をこのようにして生成および送信することによって、コンピューティングデバイス102、104は、コンピューティングデバイス102、104を通信可能にペアリングする必要なしにデータ122、124を互いに送信することができる。むしろ、コンピューティングデバイス102、104は、別のコンピューティングデバイス102、104と通信可能にペアリングする必要なしに、受信機110、112を介して別のコンピューティングデバイス102、104から受信されたオーディオ伝送114、116をリッスンすることができる。加えて、これらの技術は、スピーカおよびマイクロフォンのような従来のコンピュータハードウェアを利用することができるので、コンピューティングデバイス102、104は、データ122、124を送信するための専用ハードウェアも必要としない。
【0031】
しかしながら、オーディオ伝送によってデータを伝送することは、他の制限を含む。特に、オーディオ伝送は、電磁信号によるデータ伝送には存在しないか、またはあまり一般的ではないタイプの干渉および/または歪みを受けやすい。例えば、オーディオ伝送によって利用される異なる周波数は異なって減衰する可能性があり、別のコンピューティングデバイスによって受信されたときに特定の周波数の振幅をより大きく見せる。さらに、より長い距離では、受信されるときのオーディオ伝送の振幅が減少し、受信されるオーディオ伝送の信号対雑音比が低下する可能性がある。加えて、オーディオを使用してデータを正確に伝送することは、オーディオ伝送が受信側コンピューティングデバイスに向けて送信されることを必要とし得る。例えば、オーディオ伝送がコンピューティングデバイスに向けて送信されない場合、そのコンピューティングデバイスはより低い振幅のオーディオ信号を受信し、オーディオ伝送の信号対雑音比が低下する可能性がある。コンピューティングデバイスはまた、オーディオ伝送自体の代わりにオーディオ伝送の反射も受信する可能性があり、これにより干渉の量が増加し、受信されるオーディオ伝送の振幅が低下し得る。
【0032】
したがって、オーディオ伝送を送信するコンピューティングデバイスおよび/またはオーディオ伝送を受信するように意図されたコンピューティングデバイスに面した方向でオーディオ伝送を受信および送信する必要がある。この問題に対する1つの解決策は、複数の方向からオーディオ信号を受信するように構成された受信機および複数の方向にオーディオ信号を送信するように構成された送信機のアレイを提供することである。例えば、受信機および送信機は、アレイを取り囲むサービスエリア(例えば、360度のサービスエリア)内の複数の方向からのオーディオ伝送を受信および/または送信することができてもよい。特定の実装形態では、アレイは、受信機と同数の送信機、受信機よりも多くの送信機、および/または受信機よりも少ない送信機を含み得る。
【0033】
図2に、本開示の一局面による、オーディオ伝送を送信および受信するためのシステム200を示す。システム200は、コンピューティングデバイス210(例えば、スマートフォン)からオーディオ伝送を送信および/または受信するために使用され得る例示的な送信機/受信機アレイ202を含み得る。例えば、送信機/受信機アレイ202および/またはコンピューティングデバイス210は、コンピューティングデバイス102、104の少なくとも一方の例示的な実装形態であり得る。一例では、送信機/受信機アレイ202は、送信機204(例えば、スピーカ)からコンピューティングデバイス210にオーディオ伝送を送信し得る。コンピューティングデバイス210は、例えば、内蔵マイクロフォンを用いてオーディオ伝送を受信および処理し得る。別の例では、送信機/受信機アレイ202は、受信機206(例えば、マイクロフォン)においてコンピューティングデバイス210からオーディオ伝送を受信し得る。コンピューティングデバイス210は、例えば、内蔵スピーカを用いてオーディオ伝送を送信し得る。
【0034】
図3A図3Bに、それぞれ、本開示の一局面による、送信機/受信機アレイ300の上面図および斜視図を示す。送信機/受信機アレイ300は、オーディオ伝送を送信および/または受信するために使用され得る。例えば、送信機/受信機アレイ300は、コンピューティングデバイス102、104の少なくとも一方の例示的な実装形態であり得る。例示的な送信機/受信機アレイ300は、8つの受信機302A~302Hおよび8つの送信機304A~304Hを含む。8つの受信機302A~302Hの各々は、受信機110、112の例示的な実装形態であり得る。例えば、8つの受信機302A~302Hは、マイクロフォンとして実装されてもよい。8つの送信機304A~304Hの各々は、送信機106、108の例示的な実装形態であり得る。例えば、8つの送信機304A~304Hは、スピーカとして実装されてもよい。
【0035】
図示のように、受信機302A~302Hおよび送信機304A~304Hは、送信機/受信機アレイ300を取り囲む360度のエリアを均等にカバーするように配置される。例えば、受信機302A~302Hおよび送信機304A~304Hは、隣接する受信機302A~302H間および隣接する送信機304A~304H間がおおよそ45度になるように配置される。そのような構成により、送信機/受信機アレイ300が、送信機/受信機アレイ300のカバレッジエリアまたはサービスエリア内の複数の方向からオーディオ伝送を受信し、複数の方向にオーディオ伝送を送信することが可能になり得る。例えば、送信機/受信機アレイ300は、サービスエリアの異なる部分にある複数のコンピューティングデバイスからオーディオ伝送を受信するように構成され得る。
【0036】
受信機302A~302Hおよび送信機304A~304Hは、支持体306に取り付けられ得る。支持体306は、受信機302A~302Hおよび送信機304A~304Hの相対的な向きを変更することなく、送信機/受信機アレイ300が配置および構成されることを可能にし得る。特定の実装形態では、受信機302A~302Hは、受信機302A~302Hが送信機304A~304Hから分離されるように(例えば、受信機302A~302Hが送信機304A~304Hからの干渉を回避することができるように)取り付けられ得る。例えば、受信機302A~302Hは、受信機302A~302Hを送信機304A~304Hから分離する構造部材308A~308D(図3Bにその一部のみが示されている)に取り付けられてもよい。特定の実装形態では、送信機/受信機アレイ300は、支持要素310などの支持要素に取り付けられ得る。支持要素310は、送信機/受信機アレイ300がオーディオ伝送を受信および送信するのにより適した高さに(例えば、典型的な個人の胸と腰の高さまたはそれらの間に)あるように、送信機/受信機アレイ300を地面から持ち上げてもよい。
【0037】
送信機/受信機アレイ300の追加または代替の実装形態が可能であることを理解されたい。そのような追加または代替の実装形態の例を、以下で詳細に説明する。
【0038】
図4に、本開示の一局面による、例示的な送信機400の斜視図を示す。例示的な送信機400は、オーディオ伝送を送信することができるスピーカ408を含み得る。例えば、特定の実装形態では、スピーカ408は、Fountek(登録商標)NeoCD 1.0 Tweeterスピーカなどのツイータスピーカとして実装され得るが、他の実装形態も可能である。スピーカ408は、例示的なハウジング402内に配置され得る。例えば、ハウジング402は、スピーカ408を環境要素による損傷から保護するのに役立ち、スピーカ408の配備寿命を延ばすのに役立ち得る。ハウジング402は、フェースプレート406を含み得る。ある場合には、フェースプレート406は、ハウジング402と一体的に形成され得る。別の場合には、フェースプレート406は、ハウジング402に(例えば、ねじや他の締結具で)固定された別個の構成要素であり得る。フェースプレート406は、スピーカ408から外側に延在する凹部410を設けるように適合され得る。凹部410は、例えば、スピーカ408からのオーディオ伝送を特定の方向に、例えばその方向にオーディオ伝送を反射することによって向けるのに役立ち得る。加えて、凹部410は、スピーカ408に接触し、場合によってはスピーカ408を損傷する外部の物体からスピーカを保護するのにも役立ち得る。
【0039】
ハウジング402はまた、支持部材404A、404Bも含み得る。支持部材404Aおよび/または支持部材404Bは、ハウジング402と一体的に形成されてもよく、またはハウジング402に取り付けられた別個の構成要素であってもよい。支持部材404Aは、環境要素および外部の物体からの保護を提供するためにスピーカ408の回路および/または他の構成要素を収容する空洞部を含み得る。支持部材404Bは、送信機400が支持体306などの別の構成要素に固定されることを可能にするように適合され得る。例えば、支持部材404Bは、締結具(例えば、ねじ)で支持体に固定できるように適合され得る。別の例では、ハウジング402は、スピーカ408の配備寿命を延ばすのに役立ち、スピーカ408からのオーディオ伝送を特定の方向に向けるのに役立ち、かつ/またはスピーカ408が本開示に従って方向付けられることを可能にする他の適切な形態を取り得ることを理解されたい。
【0040】
図3Aおよび図3Bに関して上述したように、例示的な送信機/受信機アレイ300は、支持体306上に均等に配置された8つの受信機302A~302Hおよび8つの送信機304A~304Hを含む。本開示の他の局面では、送信機/受信機アレイ300は、より多いかもしくはより少ない受信機(例えば、2、3、4、5、6、7、9、10など)および/またはより多いかもしくはより少ない送信機(例えば、2、3、4、5、6、7、9、10など)を含み得る。例えば、図5に、4つの受信機502A~502Dおよび4つの送信機504A~504Dを含む送信機/受信機500を示す。ある場合には、図示のもののように、4つの受信機502A~502Dおよび4つの送信機504A~504Dは、隣接する受信機502A~502D間がおおよそ90度、隣接する送信機504A~504D間が90度で支持体506上に均等に配置され得る。別の場合には、4つの受信機502A~502Dおよび4つの送信機504A~504Dは、支持体506上に不均等に配置され得る。
【0041】
360度を均等に分割し得る他の数の受信機502A~502Dおよび送信機504A~504D(例えば、各々の間がおおよそ60度の6つの受信機)を有する例では、隣接する受信機502A~502Dおよび隣接する送信機504A~504Dは、均等に配置され得るか、または不均等に配置され得る。360度を均等に分割することができない他の数の受信機502A~502Dおよび送信機504A~504D(例えば、7つの受信機)を有する例では、隣接する受信機502A~502Dおよび隣接する送信機504A~504Dは、ほぼ均等に配置され得るか、または不均等に配置され得る。
【0042】
本開示のいくつかの局面では、送信機/受信機アレイの各送信機は1つの受信機に対応する。例えば、送信機/受信機アレイ500の各送信機504A~504Dは、1つの受信機502A~502Dに対応する。より具体的には、送信機504Aは受信機502Aに対応し、送信機504Bは受信機502Bに対応し、送信機504Cは受信機502Cに対応し、送信機504Dは受信機502Dに対応する。この送信機/受信機アレイ構成は、ある場合には、オーディオ伝送の送信と受信の両方についてサービスエリアの最大かつ均等に分散されたカバレッジを可能にし得る。他の局面では、送信機/受信機アレイの送信機の数は受信機の数と異なり得る。例えば、送信機の数は受信機の数より多くてもよい。そのような事例では、例えば、送信機/受信機アレイは、オーディオ伝送を受信することよりもオーディオ伝送を送信することがより重要であり、かつ/またはより困難であるサービスエリアに配置され得る。別の例では、送信機/受信機アレイ上のスピーカおよび/または受信機は、各送信機がオーディオ伝送を送信することができるよりも広いカバレッジエリアからオーディオ伝送を受信または送信することができ、よって追加の受信機の必要性がなくなり得る。追加的または代替的に、スピーカおよび/または受信機は、異なる垂直カバレッジエリア(例えば、送信機/受信機アレイの上方および/または下方に配置された場所)に受信または送信することができてもよい。
【0043】
図6に、8つの送信機604A~604Hおよび4つの受信機602B、602D、602F、602Hを含む例示的な送信機/受信機アレイ600を示す。そのような例では、送信機604A~604Hの一部のみが受信機602B、602D、602F、602Hに直接対応し得る。例えば、送信機604Bは受信機602Bに対応し、送信機604Dは受信機602Dに対応し、送信機604Fは受信機602Fに対応し、送信機604Hは受信機602Hに対応する。しかしながら、送信機604A、604C、604E、および604Gは、送信機に対応しない。
【0044】
別の場合には、受信機の数は送信機の数より多くてもよい。そのような事例では、例えば、送信機/受信機アレイは、(例えば、サービスエリア内に、オーディオ伝送を送信機/受信機アレイに送信する多くのコンピューティングデバイスがあるために)オーディオ伝送を送信することよりもオーディオ伝送を受信することがより重要であり、かつ/またはより困難であるサービスエリアに配置され得る。別の例では、送信機/受信機アレイ上の各送信機は、各受信機がオーディオ伝送を受信することができるよりも広いカバレッジエリアにオーディオ伝送を送信することができ、したがって追加の送信機の必要性がなくなり得る。
【0045】
図7に、本開示の一局面による、受信機702Aおよび受信機702Bに対応する送信機704を含む例示的な送信機/受信機構成700を示す。ある場合には、それぞれの構造部材708Aおよび708Bが、それぞれの受信機702Aおよび702Bの各々を送信機704から分離し得る。例示的な送信機/受信機構成700は、本明細書に記載される送信機/受信機アレイのいずれかを用いて実装され得る。例えば、送信機/受信機アレイ500は、2つの受信機に対応する各送信機504A~504Dを含み得る。そのため、送信機/受信機構成700が送信機/受信機アレイを用いて実装される場合、受信機の数は、ある場合には、送信機の数よりも多くなり得る。
【0046】
説明したように、構造部材は、送信機/受信機アレイ内の各受信機を送信機から分離し得る。例えば、構造部材は、受信機が送信機からの干渉を回避するのに役立ち得る。各構造部材の長さまたは高さは、本開示の特定の局面において様々であり得る。いくつかの例では、各構造部材の長さまたは高さは、それぞれの構造部材が対応するそれぞれの送信機の高さよりも大きくてもよい。例えば、図3の送信機/受信機アレイ300の構造部材308A~308Dの各々は、それぞれの送信機304A~304Dよりも大きい長さまたは高さを有する。そのような事例では、受信機と送信機との間の干渉のリスクが比較的高くなる可能性があり、そのため、受信機302A~302Dは、他の場合よりも大きく送信機304A~304Dから分離される。
【0047】
別の例では、各構造部材の長さまたは高さは、それぞれの構造部材が対応するそれぞれの送信機の高さ以下であってもよい。図8に、本開示の一局面による、それぞれの送信機804A~804Dの高さ以下の長さまたは高さの構造部材808A~808Dを有する例示的な送信機/受信機アレイ800を示す。例えば、構造部材808Cは、構造部材308Cの長さまたは高さよりも小さい長さまたは高さを有する。そのような事例では、受信機802A~802Dと送信機804A~804Dとの間の干渉のリスクが、送信機/受信機アレイ300の場合よりも小さくなる可能性があり、そのため、受信機802A~802Dは、送信機804A~804Dからより小さく分離される。加えて、例示的な送信機/受信機アレイ800の構成は、例示的な送信機/受信機アレイ300の構成よりもコンパクトであり、よってサービスエリア内のスペースを節約し得る。送信機804A~804Dは、支持体806に固定され得る。いくつかの例では、送信機/受信機アレイ800は、支持要素810を含み得る。
【0048】
本開示のいくつかの局面では、送信機/受信機アレイは、構造部材なしで構成され得る。例えば、送信機/受信機アレイの各受信機は、送信機のハウジングに直接接続されてもよい。図9に、本開示の一局面による、受信機が送信機に直接接続された例示的な送信機/受信機アレイ900を示す。例えば、受信機902Aは送信機904Aに直接接続され、受信機902Bは送信機904Bに直接接続され、受信機902Cは送信機904Cに直接接続され、受信機902Dは送信機904Dに直接接続される。そのような事例では、受信機902A~902Dと送信機904A~904Dとの間の干渉のリスクが、送信機/受信機アレイ300および送信機/受信機アレイ800の場合よりも小さい可能性があり(例えば、送信機904A~904Dは、受信機902A~902Dがオーディオ伝送を受信している間に送信しない可能性があるため)、そのため、受信機902A~902Dは、送信機904A~904Dからより小さく分離される。加えて、例示的な送信機/受信機アレイ900の構成は、前述の例よりもコンパクトであり、よってサービスエリア内のスペースを節約し得る。送信機904A~904Dは、支持体906に固定され得る。いくつかの例では、送信機/受信機アレイ900は、支持要素910を含み得る。
【0049】
別の局面では、送信機/受信機アレイは、送信機および受信機が単一の構成要素として一体化されるように構成され得る。そのような局面は、送信機と受信機との間の干渉のリスクが最小限である場合である。例えば、図10に、本開示の一局面による、マイクロフォンが送信機ハウジングと一体化された送信機/受信機アレイ1000を示す。より具体的には、マイクロフォン1012Bは送信機1004Bのハウジングと一体化されており、マイクロフォン1012Cは送信機1004Cのハウジングと一体化されており、マイクロフォン1012Dは送信機1004Dのハウジングと一体化されている。マイクロフォン1012B~1012Dは、例えば、各送信機1004B~1004Dのハウジングに組み込まれ得る。例示的な送信機/受信機アレイ1000の構成は、前述の例よりもコンパクトであり、よってサービスエリア内のスペースを節約し得る。ある場合には、マイクロフォン1012B~1012Dは、ハウジングのフェースプレートから外側に延在し得る。別の場合には、フェースプレートは、スピーカについて上述した凹部と同様のマイクロフォン1012B~1012Dのための凹部を含み得る。送信機1004A~1004Dは、支持体1006に固定され得る。いくつかの例では、送信機/受信機アレイ1000は、支持要素1010を含み得る。送信機および受信機は、追加的または代替的に、他の適切な構成における単一の構成要素として一体化されてもよい。例えば、送信機のスピーカが、受信機のハウジングと一体化されてもよい。
【0050】
前の図に示されるように、送信機および受信機は、送信機/受信機アレイの周囲の最大360度までに及ぶサービスエリア内でオーディオ伝送をそれぞれ送信および受信し得るように、支持体上に配置され得る。支持体は、送信機および受信機が最大360度までのサービスエリアをカバーするように配置されることを可能にする任意の適切な形状(例えば、円形、楕円形、正方形、十角形、八角形、六角形など)であり得る。
【0051】
本開示の他の局面では、送信機および受信機は、送信機/受信機アレイを取り囲む最大180度までに及ぶサービスエリア内でオーディオ伝送をそれぞれ送信および受信し得るように、支持体上に配置され得る。そのような局面では、支持体は、それに対応して適切な形状(例えば、半円、三角形、台形、正方形など)を取り得る。図11に、本開示の一局面による、180度のサービスエリアのために構成された例示的な送信機/受信機アレイ1100を示す。支持体1106は、直線部分と湾曲部分とを有する半円形状に構成されている。少なくとも1つの例では、送信機/受信機アレイ1100は、4つの送信機1104A~1104Dおよび4つの受信機1102A~1102Dを含み得る。送信機1104A~1104Dおよび受信機1102A~1102Dは、支持体1106の湾曲部分に沿って(例えば、均等に)配置され得る。支持体1106の直線部分は、送信機/受信機アレイ1100が、例えば部屋の壁に付けて配置されることを可能にする。送信機/受信機アレイ1100を壁に付けて配置することは、送信機/受信機が混雑したサービスエリア(例えば、スーパーマーケットや小売店)に配置されるときに、送信機/受信機1100を邪魔にならないようにするのに役立ち得る。加えて、壁に効率的に取り付けることができる送信機/受信機アレイは、到達しにくいサービスエリア(例えば、オーディオ伝送が受信され得る部屋または店舗の中央部分から離れたサービスエリア)においてカバレッジを提供するのに役立ち得る。
【0052】
送信機および受信機は、他の局面では、送信機/受信機アレイを取り囲む最大90度までに及ぶサービスエリアからオーディオ伝送をそれぞれ送信および受信し得るように、支持体上に配置され得る。そのような他の局面では、支持体は、それに対応して適切な形状(例えば、1/4円、三角形など)を取り得る。図12に、本開示の一局面による、90度のサービスエリアのために構成された例示的な送信機/受信機アレイ1200を示す。支持体1206は、直角を形成する2つの直線部分と湾曲部分とを含む1/4円形状で構成されている。少なくとも1つの例では、送信機/受信機アレイ1200は、2つの送信機1204A~1204Bおよび2つの受信機1202A~1202Bを含み得る。送信機1204A~1204Bおよび受信機1202A~1202Bは、支持体1106の湾曲部分に沿って(例えば、均等に)配置され得る。支持体1206の直角部分は、送信機/受信機アレイ1200が、例えば部屋の隅に配置されることを可能にする。送信機/受信機アレイ1100を隅に配置することは、送信機/受信機が混雑したサービスエリア(例えば、スーパーマーケットや小売店)に配置されるときに、送信機/受信機1100を邪魔にならないようにするのに役立ち得る。
【0053】
ある場合には、支持体1206は、その直線部分において90度より大きい(例えば、120度)か、または小さい(例えば、75度)角度を有し得る。例えば、部屋の隅が、90度より大きいかまたは小さい角度の場合がある。そのような別の場合には、送信機1204A~1204Bおよび受信機1202A~1202Bは、送信機/受信機アレイを取り囲む90度より大きい(例えば、120度)か、または小さい(例えば、75度)角度に及ぶサービスエリアからオーディオ伝送をそれぞれ送信および受信し得る。
【0054】
本開示のいくつかの局面では、送信機/受信機アレイは、送信機および受信機を取り囲むハウジングを有し得る。例えば、ハウジングは、支持体に接続してもよく、送信機および受信機の周りに延在し得る。図13に、本開示の一局面による、送信機/受信機アレイ1302を取り囲むハウジング1304を含む例示的なシステム1300を示す。ハウジング1304は、送信機/受信機アレイ1302を環境要素から保護するのに役立ち得る。ハウジング1304は、1つまたは複数の適切な材料、例えば、布、金属、木材、および/またはプラスチックで構成され得る。
【0055】
いくつかの例では、ハウジング1304は、ハウジング1304のそれぞれの受信機の近くの部分に開口部1306Aを含み得る。ハウジング1304は、追加的または代替的に、ハウジング1304のそれぞれの送信機の近くの部分に開口部1306Bを含んでいてもよい。開口部1306Aおよび開口部1306Bは、ハウジング1304の材料を通した送信および受信と比較して、送信機および受信機がオーディオ伝送をそれぞれ送信および受信する能力を高める可能性がある。簡略化のためにただ1つの開口部1306Aおよびただ1つの開口部1306Bが示されているが、ハウジング1304は、それぞれの受信機および送信機ごとにそれぞれの開口部1306A、1306Bを含み得ることを理解されたい。ある場合には、開口部1306Aおよび/または開口部1306Bには、材料が完全になくてもよい。別の場合には、図示のもののように、開口部1306Aおよび/または開口部1306Bは、材料のより線が重なり合って材料が部分的に欠如しているような格子として構成されてもよい。
【0056】
ハウジング1304の別の例は、送信機/受信機アレイ1302を完全に取り囲んでいてもよい。別の言い方をすれば、ハウジング1304は、そのような別の例では開口部1306Aおよび開口部1306Bを含まない場合もある。例えば、そのような別の例では、ハウジング1304は、ハウジング1304のそれぞれの送信機および受信機の近くの部分に、布やプラスチックなどの透音性材料を含み得る。透音性材料は、受信機がオーディオ伝送を適切に受信して処理するのに問題がない程度まで、オーディオ伝送と干渉し得る。透音性材料はまた、外部コンピューティングデバイスがオーディオ伝送を適切に受信および処理することができるように、送信機がオーディオ伝送を適切に送信するのに問題がない程度まで、オーディオ伝送と干渉し得る。特定の実装形態では、開口部1306A~1306Bは、透音性材料を含み得る。
【0057】
本開示のいくつかの局面では、ハウジング1304は、オーディオ伝送を受信したことに応答して、オーディオ伝送が受信された方向を識別するように構成された少なくとも1つのインジケータを含み得る。例えば、ハウジング1304は、それぞれの受信機(例えば、8つ)ごとにインジケータ(例えば、8つ)を含んでいてもよい。ハウジング1304は、ハウジング1304の各受信機の近くの部分に単一のそれぞれのインジケータを含み得る。それぞれの受信機がオーディオ伝送を受信すると、受信機は、ある場合には、そのそれぞれのインジケータに信号を送信し得る。別の場合には、受信機は、送信機/受信機アレイの制御ユニットに信号を送信してもよく、制御ユニットは、信号を送信した受信機に対応するインジケータに信号を送信し得る。信号を受信したことに応答して、インジケータを作動し得る。例えば、インジケータは、それが作動されると点灯するライトであってもよい。ライトは、任意の適切な色(例えば、赤色、青色、緑色など)であってもよい。そのため、ハウジング1304は、オーディオ伝送が受信された方向を示し得る。
【0058】
図14に、本開示の一局面による、2つの例示的な送信機/受信機アレイを含むサービスエリア1400を示す。ある場合には、送信機/受信機アレイ1420は、カウンタまたはテーブル1404の上に配置され得る。別の場合には、送信機/受信機1410は、その支持体が天井1402に固定され得るように構成され得る。送信機/受信機アレイ1410を天井1402に固定することは、送信機/受信機1410が混雑したサービスエリア(例えば、スーパーマーケットや小売店)に配置されるときに、送信機/受信機1410を邪魔にならないようにするのに役立ち得る。
【0059】
本明細書で使用される場合、「約(about)」、「おおよそ(approximately)」および「実質的に(substantially)」は、参照された数の-10%~+10%、好ましくは参照された数の-5%~+5%、より好ましくは参照された数の-1%~+1%、最も好ましくは参照された数の-0.1%~+0.1%の数値の範囲内の数を指すと理解される。
【0060】
さらに詳述しなくても、当業者は、前述の説明を使用して、特許請求される発明を最大限に利用することができると考えられる。本明細書に開示された例および態様は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなる点でも本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。記載の基本原理から逸脱することなく上述の態様の詳細に変更が加えられ得ることは、当業者には明らかであろう。言い換えれば、上記の説明において具体的に開示された態様の様々な修正および改良は、添付の特許請求の範囲内にある。例えば、記載の様々な態様の特徴の任意の適切な組み合わせが企図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】