(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】ラミネータ
(51)【国際特許分類】
H05K 3/28 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
H05K3/28 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543742
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 KR2020018276
(87)【国際公開番号】W WO2021149917
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0008443
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504408236
【氏名又は名称】ドゥーサン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソンムン
(72)【発明者】
【氏名】ノ、ヒョンレ
(72)【発明者】
【氏名】パク、グァンソク
(72)【発明者】
【氏名】キム、サンファ
【テーマコード(参考)】
5E314
【Fターム(参考)】
5E314AA24
5E314AA36
5E314BB02
5E314CC15
5E314DD04
5E314FF06
5E314FF19
5E314GG24
5E314GG26
(57)【要約】
本発明の実施例に係るラミネータは、金属パターンが形成された基板を供給する基板供給部と、複数のカバーレイが貼着されたフィルムを供給するカバーレイ供給部と、前記金属パターンを前記複数のカバーレイがそれぞれ保護するように前記基板と前記フィルムとを貼り合わせる熱ローラ部と、前記熱ローラ部に移送される前記基板及び前記フィルムの張力を調節する基板張力調節部及びフィルム張力調節部と、前記基板と前記フィルムとを前記熱ローラ部で貼り合わせた後、前記複数のカバーレイ同士の間隔を測定する接合状態映像撮影部と、前記接合状態映像撮影部で測定した前記複数のカバーレイ同士の間隔が、予め設定された許容間隔を維持するように、前記基板張力調節部又は前記フィルム張力調節部を調整する調整部とを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の単位領域毎に金属パターンが形成された基板を供給する基板供給部;
一定の大きさに打ち抜かれた複数のカバーレイが貼着されたフィルムを供給するカバーレイ供給部;
前記金属パターンを前記複数のカバーレイがそれぞれ保護するように前記基板と前記フィルムとを貼り合わせる熱ローラ部;
前記熱ローラ部に移送される前記基板の張力を調節する基板張力調節部;
前記熱ローラ部に移送される前記フィルムの張力を調節するフィルム張力調節部;
前記基板と前記フィルムとを前記熱ローラ部で貼り合わせた後、前記複数のカバーレイ同士の間隔を測定する接合状態映像撮影部;及び、
前記接合状態映像撮影部で測定した前記複数のカバーレイ同士の間隔が、予め設定された許容間隔を維持するように、前記基板張力調節部が調節する前記基板の張力及び前記フィルム張力調節部が調節する前記フィルムの張力のうちの一つ以上の張力を調整する調整部;
を含む、ラミネータ。
【請求項2】
前記基板張力調節部及び前記フィルム張力調節部は、それぞれ、
一対の張力調節用固定ローラ;
一対の張力調節用可変ローラ;及び、
前記一対の張力調節用可変ローラの位置を移動させて前記一対の張力調節用固定ローラと前記一対の張力調節用可変ローラとの間の距離を調節する張力調節用シリンダ;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のラミネータ。
【請求項3】
前記張力調節用シリンダは、空圧又は油圧で動作し、
前記調整部は、前記張力調節用シリンダに供給される空圧又は油圧を調整することを特徴とする、請求項2に記載のラミネータ。
【請求項4】
前記金属パターンは、前記基板の両面にそれぞれ形成され、
前記カバーレイ供給部は、
前記基板の一面に貼り合わせるフィルムを供給する第1のカバーレイ供給部;及び、
前記基板の他面に貼り合わせるフィルムを供給する第2のカバーレイ供給部;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のラミネータ。
【請求項5】
前記フィルム張力調節部は、
前記第1のカバーレイ供給部が供給するフィルムの張力を調節する第1のフィルム張力調節部;及び、
前記第2のカバーレイ供給部が供給するフィルムの張力を調節する第2のフィルム張力調節部;
を含むことを特徴とする、請求項4に記載のラミネータ。
【請求項6】
前記基板供給部は、
前記基板が巻き取られた基板巻き取り機;及び、
前記基板巻き取り機に巻き取られた前記基板を前記熱ローラ部に移送させる基板供給機;
を含み、
前記カバーレイ供給部は、
前記フィルムが巻き取られたフィルム巻き取り機;及び、
前記フィルム巻き取り機に巻き取られた前記フィルムを前記熱ローラ部に移送させるフィルム供給機;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のラミネータ。
【請求項7】
前記熱ローラ部は、
前記基板の両面にそれぞれ対向する一対の第1の熱ローラ;及び、
前記基板の両面にそれぞれ対向しかつ前記一対の第1の熱ローラより後方に位置し、前記一対の第1の熱ローラが一次加熱した前記基板及び前記フィルムを二次加熱する一対の第2の熱ローラ;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のラミネータ。
【請求項8】
前記接合状態映像撮影部は、
前記一対の第1の熱ローラで貼り合わせた前記基板と前記フィルムとにおいて、前記複数のカバーレイ同士の間隔を測定する第1の接合状態映像撮影部;及び、
前記一対の第2の熱ローラで貼り合わせた前記基板と前記フィルムとにおいて、前記複数のカバーレイ同士の間隔を測定する第2の接合状態映像撮影部;
を含むことを特徴とする、請求項7に記載のラミネータ。
【請求項9】
前記熱ローラ部は、
前記基板の両面にそれぞれ対向する一対の熱ローラ;及び、
前記一対の熱ローラのうちのいずれか1つの位置を移動させて前記一対の熱ローラ同士の間隔を調節する位置可変支持装置;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のラミネータ。
【請求項10】
前記位置可変支持装置は、
ボールねじ軸;
前記ボールねじ軸に螺合されて前記一対の熱ローラのうちのいずれか1つを支持する支持ボディ;及び、
前記ボールねじ軸を回転させて前記支持ボディの位置を移動させるサーボモータ;
を含むことを特徴とする、請求項9に記載のラミネータ。
【請求項11】
前記位置可変支持装置は、前記支持ボディに加えられる荷重を測定するロードセルをさらに含み、
前記サーボモータは、前記ロードセルで測定される荷重が、予め設定された荷重の範囲内に維持されるように、前記支持ボディの位置を移動させることを特徴とする、請求項10に記載のラミネータ。
【請求項12】
前記位置可変支持装置は、前記支持ボディの水平を維持するエアーバランサをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のラミネータ。
【請求項13】
前記基板張力調節部と前記熱ローラ部との間に設けられ、前記熱ローラ部に移送される前記基板の端縁の位置を調節する基板エッジポジションコントローラ;及び、
前記フィルム張力調節部と前記熱ローラ部との間に設けられ、前記熱ローラ部に移送される前記フィルムの端縁の位置を調節するフィルムエッジポジションコントローラ;
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のラミネータ。
【請求項14】
前記基板エッジポジションコントローラを通過した前記基板の端縁と、前記フィルムエッジポジションコントローラを通過した前記フィルムの端縁とを、それぞれ撮影するエッジ映像撮影部をさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載のラミネータ。
【請求項15】
前記エッジ映像撮影部が撮影した前記基板の端縁の位置又は前記フィルムの端縁の位置が、予め設定された許容位置から外れると、前記基板エッジポジションコントローラ又は前記フィルムエッジポジションコントローラが、前記基板の端縁の位置又は前記フィルムの端縁の位置を調節することを特徴とする、請求項14に記載のラミネータ。
【請求項16】
前記熱ローラ部が、前記基板に形成された前記金属パターンを前記複数のカバーレイがそれぞれ保護するように前記基板と前記フィルムとを貼り合わせた後、前記複数のカバーレイがそれぞれ前記基板に貼り合わせられた状態で前記フィルムを前記基板から除去するフィルム除去部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のラミネータ。
【請求項17】
前記フィルム除去部が、前記基板に貼り合わせられた前記フィルムを除去した後、前記基板に形成された前記金属パターン及びこれを保護するカバーレイが不良であるか否かを判断するためのフィルム除去映像撮影部をさらに含むことを特徴とする、請求項16記載のラミネータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネータに関し、より詳しくは、フレキシブルプリント回路基板(Flexible printed Circuit Board、FPCB)の製造に使用されるラミネータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、フレキシブルプリント回路基板(Flexible Printed Circuit Board、FPCB)は、フレキシブル性を持つ絶縁基板、及び、絶縁基板の片面又は両面に銅箔(Cu Foil)のような金属膜をパターニングして形成される金属回路パターンを含む。このようなフレキシブルプリント回路基板は、折り曲げ可能であると共に3次元的な配線の形成が可能であるため、空間を効率的に活用でき、小型化及び軽量化が可能となる。それで、フレキシブルプリント回路基板は、薄肉の電子部品が使用される種々の製品に広く使用されている。
【0003】
なお、フレキシブルプリント回路基板は、絶縁基板に印刷された金属回路のパターンを保護するために金属回路パターンをカバーするようにラミネータを使用して絶縁基板に貼り付けられたポリイミド(polyimide)のような素材で製造されたカバーレイ(coverlay)をさらに含んでいる。
【0004】
このように、金属回路パターンが形成された絶縁基板にカバーレイを貼り合わせるためのラミネータは、大別して熱ロール(heating roll)を用いる方式と、ホットプレス(hot press)を用いる方式とに区分され得る。
【0005】
熱ロールを用いる方式は、ホットプレスを用いる方式に比べて貼り合わせ工程にかかる時間が相対的に短いという利点を有する。ホットプレスを用いる方式では、基板とカバーレイフィルムを一定の大きさに切断した後、これらの位置合わせを行った後、加熱圧着させる必要があるため、相対的に貼り合わせ工程にかかる時間が長くなり、これを具現するための装置が全体的に複雑な構成となってしまうという問題点がある。これに対し、熱ロールを用いる方式では、基板とカバーレイフィルムを連続的に移動させながら熱ロールが基板とカバーレイとの貼り合わせを行っているため、相対的に貼り合わせ工程にかかる時間を短縮することができる。
【0006】
なお、熱ロール(heating roll)を用いる方式は、基板とフィルムとの間の精密な位置合わせが要求されないフレキシブルフラットケーブル(Flexible Flat Cable、FFC)の製造には容易に適用できるが、基板とフィルムとの貼り合わせ時に精密な位置合わせが要求されるフレキシブルプリント回路基板の製造に適用することは容易でない。これは、基板に印刷された金属回路パターンを選択的にカバーレーが保護する必要があり、熱ロールに向かって連続的に移動する基板とカバーレイフィルムとの精密な位置合わせが要求されているためである。しかし、ロールツーロール工程(Roll-to-Roll processing、R2R)で互いに貼り合わせる2種類の基材の位置合わせ状態を精度よく維持することが容易でないという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施例は、ロールツーロール方式(Roll-to-Roll processing、R2R)で貼り合わせて生産性を向上させると共に、張力を制御して精度を向上させたラミネータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例によれば、ラミネータは、一定の単位領域毎に金属パターンが形成された基板を供給する基板供給部;一定の大きさに打ち抜かれた複数のカバーレイが貼着されたフィルムを供給するカバーレイ供給部;前記金属パターンを前記複数のカバーレイがそれぞれ保護するように前記基板と前記フィルムとを貼り合わせる熱ローラ部;前記熱ローラ部に移送される前記基板の張力を調節する基板張力調節部;前記熱ローラ部に移送される前記フィルムの張力を調節するフィルム張力調節部;前記基板と前記フィルムとを前記熱ローラ部で貼り合わせた後、前記複数のカバーレイ同士の間隔を測定する接合状態映像撮影部;及び、前記接合状態映像撮影部で測定した前記複数のカバーレイ同士の間隔が、予め設定された許容間隔を維持するように、前記基板張力調節部が調節する前記基板の張力及び前記フィルム張力調節部が調節する前記フィルムの張力のうちの一つ以上の張力を調整する調整部;を含む。
【0009】
前記基板張力調節部及び前記フィルム張力調節部は、それぞれ、一対の張力調節用固定ローラ;一対の張力調節用可変ローラ;及び、前記一対の張力調節用可変ローラの位置を移動させて前記一対の張力調節用固定ローラと前記一対の張力調節用可変ローラとの間の距離を調節する張力調節用シリンダ;を含むことができる。なお、前記張力調節用シリンダは、空圧又は油圧で動作することができる。
【0010】
前記調整部は、前記張力調節用シリンダに供給される空圧又は油圧を調整することができる。
【0011】
また、前記金属パターンは、前記基板の両面にそれぞれ形成され得る。また、前記カバーレイ供給部は、前記基板の一面に貼り合わせるフィルムを供給する第1のカバーレイ供給部;及び、前記基板の他面に貼り合わせるフィルムを供給する第2のカバーレイ供給部;を含むことができる。
【0012】
前記フィルム張力調節部は、前記第1のカバーレイ供給部が供給するフィルムの張力を調節する第1のフィルム張力調節部;及び、前記第2のカバーレイ供給部が供給するフィルムの張力を調節する第2のフィルム張力調節部;を含むことができる。
【0013】
前記基板供給部は、前記基板が巻き取られた基板巻き取り機;及び、前記基板巻き取り機に巻き取られた前記基板を前記熱ローラ部に移送させる基板供給機;を含むことができる。また、前記カバーレイ供給部は、前記フィルムが巻き取られたフィルム巻き取り機;及び、前記フィルム巻き取り機に巻き取られた前記フィルムを前記熱ローラ部に移送させるフィルム供給機;を含むことができる。
【0014】
前記熱ローラ部は、前記基板の両面にそれぞれ対向する一対の第1の熱ローラ;及び、前記基板の両面にそれぞれ対向しかつ前記一対の第1の熱ローラより後方に位置し、前記一対の第1の熱ローラが一次加熱した前記基板及び前記フィルムを二次加熱する一対の第2の熱ローラ;を含むことができる。
【0015】
また、前記接合状態映像撮影部は、前記一対の第1の熱ローラで貼り合わせた前記基板と前記フィルムとにおいて、前記複数のカバーレイ同士の間隔を測定する第1の接合状態映像撮影部;及び、前記一対の第2の熱ローラで貼り合わせた前記基板と前記フィルムとにおいて、前記複数のカバーレイ同士の間隔を測定する第2の接合状態映像撮影部;を含むことができる。
【0016】
また、前記熱ローラ部は、前記基板の両面にそれぞれ対向する一対の熱ローラ;及び、前記一対の熱ローラのうちのいずれか1つの位置を移動させて前記一対の熱ローラ同士の間隔を調節する位置可変支持装置;を含むことができる。
【0017】
前記位置可変支持装置は、ボールねじ軸;前記ボールねじ軸に螺合されて前記一対の熱ローラのうちのいずれか1つを支持する支持ボディ;及び、前記ボールねじ軸を回転させて前記支持ボディの位置を移動させるサーボモータ;を含むことができる。
【0018】
また、前記位置可変支持装置は、前記支持ボディに加えられる荷重を測定するロードセルをさらに含むことができる。また、前記サーボモータは、前記ロードセルで測定される荷重が、予め設定された荷重の範囲内に維持されるように、前記支持ボディの位置を移動させることができる。
【0019】
また、前記位置可変支持装置は、前記支持ボディの水平を維持するエアーバランサをさらに含むことができる。
【0020】
上述のラミネータは、前記基板張力調節部と前記熱ローラ部との間に設けられ、前記熱ローラ部に移送される前記基板の端縁の位置を調節する基板エッジポジションコントローラ;及び、前記フィルム張力調節部と前記熱ローラ部との間に設けられ、前記熱ローラ部に移送される前記フィルムの端縁の位置を調節するフィルムエッジポジションコントローラ;をさらに含むことができる。
【0021】
また、上述のラミネータは、前記基板エッジポジションコントローラを通過した前記基板の端縁と、前記フィルムエッジポジションコントローラを通過した前記フィルムの端縁とをそれぞれ撮影するエッジ映像撮影部をさらに含むことができる。
【0022】
また、前記エッジ映像撮影部が撮影した前記基板の端縁の位置又は前記フィルムの端縁の位置が、予め設定された許容位置から外れると、前記基板エッジポジションコントローラ又は前記フィルムエッジポジションコントローラが、前記基板の端縁の位置又は前記フィルムの端縁の位置を調節することができる。
【0023】
上述のラミネータは、前記熱ローラ部が、前記基板に形成された前記金属パターンを前記複数のカバーレイがそれぞれ保護するように前記基板と前記フィルムとを貼り合わせた後、前記複数のカバーレイがそれぞれ前記基板に貼り合わせられた状態で前記フィルムを前記基板から除去するフィルム除去部をさらに含むことができる。
また、上述のラミネータは、前記フィルム除去部が前記基板に貼り合わせられた前記フィルムを除去した後、前記基板に形成された前記金属パターン及びこれを保護するカバーレイが不良であるか否かを判断するためのフィルム除去映像撮影部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例によれば、ラミネータは、ロールツーロール方式(Roll-to-Roll processing、R2R)で貼り合わせて生産性を向上させると共に、張力を制御して精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例に係るラミネータが行う貼り合わせ工程を順に示す概念図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るラミネータの正面図である。
【
図3】
図2に示されたラミネータに使用される一対の熱ローラ同士の間隔を調節するための位置可変支持装置を示す断面図である。
【
図4】
図2に示されたラミネータに使用されるフィルム張力調節部を示す正面図である。
【
図5】
図2に示されたラミネータにより基板に貼り合わせられたカバーレイを示す平面図である。
【
図6】
図2に示されたラミネータに使用される基板エッジポジションコントローラ及びエッジ映像撮影部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の実施例について、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳述する。本発明は、種々に変更して実施することができ、後述の実施例に限定されない。
【0027】
図面は、概略的で縮尺に合わせて図示されていないことを明らかにする。図面にある部分の相対的な寸法及び比率は、図面における明確性及び便宜のためにその大きさが誇張されたり縮小されたりして示されており、任意の寸法は、単に例示的なものであって限定的なものではない。また、2以上の図面に示される同一の構造物、要素又は部品には、類似した特徴を有することを示すため、同一の参照符号を付してある。
【0028】
本発明の実施例は、本発明の好適な実施例を具体的に示している。その結果、図解の多様な変形が予想される。従って、実施例は、図示した領域の特定の形態に限定されず、例えば、製造による形態の変形をも含む。
【0029】
以下、
図1~
図6を参照して本発明の一実施例に係るラミネータ101について説明する。本発明の一実施例に係るラミネータ101は、フレキシブルプリント回路基板(Flexible printed Circuit Board、FPCB)の製造に使用され得る。この時、フレキシブルプリント回路基板は、フレキシブル性を持つ絶縁素材で製造された基板10、基板10の片面又は両面に金属膜をパターニングして形成された金属パターン11、及び、基板10に貼り合わせられて金属パターン11を保護するカバーレイ(coverlay)21を含むことができる。例えば、基板10とカバーレイ21は、ポリイミド(polyimide)から製造することができ、金属膜は、銅箔(Cu Foil)であることができる。すなわち、金属パターン11は、銅(Cu)で形成され得る。
【0030】
図1及び
図2に示されるように、本発明の一実施例に係るラミネータ101は、基板供給部210、カバーレイ供給部220、230、熱ローラ部500、基板張力調節部310、フィルム張力調節部320、330、接合状態映像撮影部700、及び調整部770を含む。
【0031】
また、本発明の一実施例に係るラミネータ101は、基板エッジポジションコントローラ410、フィルムエッジポジションコントローラ420、430、エッジ映像撮影部740、フィルム除去部800、及びフィルム除去映像撮影部780をさらに含むことができる。
【0032】
基板供給部210は、一定の単位領域毎に金属パターン11が形成された基板10を供給する。具体的には、基板供給部210は、金属パターン11が形成された基板10が巻き取られた基板巻き取り機(winder)215と、基板巻き取り機215に巻き取られた基板10を後述の熱ローラ部500に移送させる基板供給機(feeder)211とを含むことができる。
【0033】
なお、金属パターン11は、基板10の片面に形成、又は基板10の両面に形成することができる。以下、本明細書において、
図1に示されるように、基板10の両面に金属パターン11が形成された場合を挙げて説明する。
【0034】
カバーレイ供給部220、230は、一定の大きさに打ち抜かれた複数のカバーレイ21が貼着されたフィルム20を供給する。具体的には、カバーレイ供給部220、230は、複数のカバーレイ21が貼着されたフィルム20が巻き取られたフィルム巻き取り機225、235と、フィルム巻き取り機225、235に巻き取られたフィルムを後述の熱ローラ部500に移送させるフィルム供給機221、231とを含むことができる。
【0035】
また、カバーレイ供給部220、230は、基板10の一面に貼り合わせるフィルムを供給する第1のカバーレイ供給部220と、基板10の他面に貼り合わせるフィルムを供給する第2のカバーレイ供給部230とを含むことができる。
【0036】
熱ローラ部500は、基板10に形成された金属パターン11を、フィルム20に貼着された複数のカバーレイ21がそれぞれ保護するように、基板10とフィルム20との貼り合わせを行う。
【0037】
具体的には、熱ローラ部500は、基板10の両面にそれぞれ対向する一対の熱ローラ511、512、521、522と、一対の熱ローラ511、512、521、522のうちのいずれか1つの位置を移動させて一対の熱ローラ511、512、521、522同士の間隔を調節する位置可変支持装置550とを含むことができる。
【0038】
一対の熱ローラ511、512、521、522の内部には、誘導コイルが設けられ、誘導コイルに交流電流を流すと発生する磁力線により誘導された渦電流がローラ表面を流れながらローラ自体が発熱することになる。また、ローラ表面には、高性能の熱伝達特性を有するヒートパイプが設けられ、ローラ表面の温度偏差を0.5度以内に保つことができる。上述のような熱ローラ511、512、521、522は、熱効率に優れているため、寿命が半永久的であり、温度分布が均一であるため、基板10とフィルム20とを均一に貼り合わせることができる。
【0039】
位置可変支持装置550は、
図3に示されるように、ボールねじ軸551と、ボールねじ軸551に螺合されて一対の熱ローラ511、512、521、522のいずれか1つを支持する支持ボディ555と、ボールねじ軸551を回転させて支持ボディ555の位置を移動させるサーボモータ553とを含むことができる。
【0040】
また、位置可変支持装置550は、熱ローラ511、512、521、522を支持する支持ボディ555に加えられる荷重を測定するロードセル557をさらに含むことができる。なお、サーボモータ553は、ロードセル557で測定される荷重が、予め設定された荷重の範囲内に維持されるように、支持ボディ555の位置を移動させることができる。
また、位置可変支持装置550は、支持ボディ555の水平を維持するエアーバランサ558をさらに含むことができる。
【0041】
このように、本発明の一実施例では、ロードセル557とエアーバランサ558によって、一対の熱ローラ511、512、521、522が基板10とフィルム20を圧着させる力を均一に維持することができる。
【0042】
また、熱ローラ部50は、基板10の両面にそれぞれ対向する一対の第1の熱ローラ510と、基板10の両面にそれぞれ対向しかつ一対の第1の熱ローラ510より後方に位置し、一対の第1の熱ローラ510が一次加熱した基板10及びフィルム20を最終的に加熱する一対の第2の熱ローラ520とを含むことができる。
【0043】
基板10とフィルム20との貼り合わせを行うためには、熱ローラ511、512、521、522が高温を維持する必要があるが、基板10とフィルム20とを一度に高温の熱ローラ511、512、521、522に通過させると、熱が基板10とフィルム20の内部に十分に伝わらず、貼り合わせ不良が発生することがあり得る。
【0044】
それで、熱ローラ部500は、一対の第1の熱ローラ510及び一対の第2の熱ローラ520を使用し、第1の熱ローラ510で貼り合わせに必要な温度より相対的に低い温度で基板10とフィルム20とを一次加熱した後、第2の熱ローラ520で貼り合わせに必要な温度で基板10とフィルム20とを最終的に加熱することにより、基板10とフィルム20の内部に熱が徐々に伝わり、これによって、基板10とフィルム20とをしっかりと貼り合わせることが可能となる。
【0045】
基板張力調節部310は、基板供給部210が熱ローラ部500に供給する基板10の張力を調節し、フィルム張力調節部320、330は、カバーレイ供給部220、230が熱ローラ部500に供給するフィルム20の張力を調節する。また、フィルム張力調節部320、330は、第1のカバーレイ供給部220が供給するフィルム20の張力を調節する第1のフィルム張力調節部320と、第2のカバーレイ供給部230が供給するフィルム20の張力を調節する第2のフィルム張力調節部330とを含むことができる。
【0046】
また、基板張力調節部310、第1のフィルム張力調節部320及び第2のフィルム張力調節部320は、張力を調節する対象が異なること以外は、基本的な構造が同様である。以下、本明細書において、
図4を参照しながら第1のフィルム張力調節部320を代表的な例として詳述する。すなわち、基板張力調節部310及び第2のフィルム張力調節部320の細部構成は、第1のフィルム張力調節部320と同様である。
【0047】
第1のフィルム張力調節部320は、一対の張力調節用固定ローラ325、一対の張力調節用可変ローラ323、及び、一対の張力調節用可変ローラ323の位置を移動させて一対の張力調節用固定ローラ325と一対の張力調節用可変ローラ323との間の距離を調節する張力調節用シリンダ321を含む。なお、張力調節用シリンダ321は、空圧又は油圧で動作する。
【0048】
張力調節用シリンダ321が伸縮しながら一対の張力調節用固定ローラ325と一対の張力調節用可変ローラ323との間の距離を調節することで、一対の張力調節用固定ローラ325と一対の張力調節用可変ローラ323を通過するフィルム20に加えられる張力が調節される。例えば、一対の張力調節用固定ローラ325と一対の張力調節用可変ローラ323との間の距離が長くなると、フィルム20に加えられる張力が増加し、一対の張力調節用固定ローラ325と一対の張力調節用可変ローラ323との間の距離が短くなると、フィルム20に加えられる張力が減少する。
【0049】
接合状態映像撮影部700は、基板10とフィルム20とを熱ローラ部500で貼り合わせた後、複数のカバーレイ21同士の間隔を測定する。
図5には、基板10に貼り合わせられたカバーレイ21が示されている。この時、2つの接合状態映像撮影部711、712によって、それぞれ、基板10の一面に貼り合わせられたカバーレイ21及び基板10の他面に貼り合わせられたカバーレイ21を撮影することができる。
【0050】
また、接合状態映像撮影部700は、一対の第1の熱ローラ510で貼り合わせた基板10とフィルム20とにおいて複数のカバーレイ21同士の間隔を測定する第1の接合状態映像撮影部710、及び、一対の第2の熱ローラ520で貼り合わせた基板10とフィルム20とにおいて複数のカバーレイ21同士の間隔を測定する第2の接合状態映像撮影部720を含むことができる。
【0051】
一例として、上述したように、接合状態映像撮影部700は、合計4つ(711、712、721、722)設けることができる。しかし、本発明の一実施例がこれに限定されるわけではなく、金属パターン11が基板10の両面に形成されているか、基板10の一面に形成されているか否か、また、熱ローラ部500に使用された熱ローラ511、512、521、522の数によって、接合状態映像撮影部700の数を調節することができる。
【0052】
調整部770は、接合状態映像撮影部700で測定した複数のカバーレイ21同士の間隔が、予め設定された許容間隔を維持するように、基板張力調節部310が調節する基板10の張力及びフィルム張力調節部320、330が調節するフィルム20の張力のうちの一つ以上の張力を調整する。この時、調整部770は、基板張力調節部310又はフィルム張力調節部320、330の張力調節用シリンダ321に供給される空圧又は油圧を調整して基板10又はフィルム20に加えられる張力を調節することができる。一例として、調整部770は、張力調節用シリンダ321に供給される空圧を調節するレギュレータ(regulator)であることができる。
【0053】
具体的に、調整部770は、接合状態映像撮影部700で測定した複数のカバーレイ21同士の間隔が、予め設定された許容間隔より狭い場合は、フィルム20に加えられる張力を増加させて複数のカバーレイ21同士の間隔を広くすることができる。逆に、接合状態映像撮影部700で測定した複数のカバーレイ21同士の間隔が、予め設定された許容間隔より広い場合は、フィルム20に加えられる張力を減少させて複数のカバーレイ21同士の間隔を狭くすることができる。
【0054】
なお、接合状態映像撮影部700で測定した複数のカバーレイ21同士の間隔が幅方向の両端部においてばらつきが発生し、精度よく測定されない場合は、設備に異常が生じたと判断することもできる。
【0055】
基板エッジポジションコントローラ(Edge Position Controller、EPC)410は、基板張力調節部310と熱ローラ部500との間に設けられ、熱ローラ部500に移送される基板10の端縁の位置を調節する。
【0056】
フィルムエッジポジションコントローラ420、430は、フィルム張力調節部320、330と熱ローラ部500との間に設けられ、熱ローラ部500に移送されるフィルム20の端縁の位置を調節する。また、フィルムエッジポジションコントローラ420、430は、第1のフィルム張力調節部320と熱ローラ部500との間に設けられた第1のフィルムエッジポジションコントローラ420、及び、第2のフィルム張力調節部330と熱ローラ部500との間に設けられた第2のフィルムエッジポジションコントローラ430を含むことができる。
【0057】
エッジ映像撮影部740は、基板エッジポジションコントローラ410を通過した基板10の端縁と、フィルムエッジポジションコントローラ420、430を通過したフィルム20の端縁とを、それぞれ撮影する。また、エッジ映像撮影部740は、撮影する対象によって、基板エッジ映像撮影部741、第1のフィルムエッジ映像撮影部742、第2のフィルムエッジ映像撮影部742に区分され得る。
【0058】
図6は、基板エッジポジションコントローラ410及び基板エッジ映像撮影部741を拡大して示す斜視図である。なお、フィルムエッジポジションコントローラ420、430及びフィルムエッジ映像撮影部742、743は、
図6におけるものと同様に設けることができる。基板エッジポジションコントローラ410は、一般の巻き取り機から発展した形態のものであって、巻き取られるべき基板の端縁(Edge Position)の位置合わせを正確に行って巻き取ることで、後続工程の精度を高めることが可能となる。
【0059】
エッジ映像撮影部740が撮影した基板10の端縁の位置又はフィルム20の端縁の位置が、予め設定された許容位置から外れると、基板エッジポジションコントローラ410又はフィルムエッジポジションコントローラ420、430が、基板10の端縁の位置又はフィルム20の端縁の位置を調整することになる。
【0060】
フィルム除去部800は、熱ローラ部500が、基板10に形成された金属パターン11を複数のカバーレイ21がそれぞれ保護するように基板10とフィルム20とを貼り合わせた後、複数のカバーレイ21がそれぞれ基板10に貼り合わせられた状態で、フィルム20を基板10から除去する。
【0061】
フィルム除去映像撮影部780は、フィルム除去部800が基板10に貼り合わせられたフィルム20を除去した後、基板10に形成された金属パターン11及びこれを保護するカバーレイ21が不良であるか否かを最終的に判断することができる。
【0062】
このような構成によって、本発明の一実施例に係るラミネータ101は、ロールツーロール方式(Roll-to-Roll processing、R2R)で貼り合わせて生産性を向上させると共に、張力を制御して精度を向上させることができる。
【0063】
また、熱ローラ部500が一対の第1の熱ローラ510及び一対の第2の熱ローラ520を含むことにより、基板10とフィルム20との貼り合わせが効果的に行われ、貼り合わせ不良の発生を抑制することができる。
【0064】
また、熱ローラ部500を支持する位置可変支持装置550が、一対の熱ローラ511、512同士の間隔を調節して、基板10とフィルム20とを均一に圧着させることができる。
【0065】
また、接合状態映像撮影部700の他に、さらに、エッジ映像撮影部740及びフィルム除去映像撮影部780が、貼り合わせ工程における不良発生を感知することができる。
【0066】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施例を説明してきたが、本発明が属する技術分野における当業者であれば、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく種々に変更して実施できることが理解できるだろう。
【0067】
従って、以上で記述した実施例は、あくまでも例示に過ぎず、限定的なものではないと理解されるべきであり、本発明の範囲は、後述の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその等価概念から導出される全ての変更又は変形された形態は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の実施例に係るラミネータは、ロールツーロール方式(Roll-to-Roll processing、R2R)で貼り合わせて生産性を向上させると共に、張力を制御して精度を向上させるために使用され得る。
【符号の説明】
【0069】
10:基板、11:金属パターン、20:フィルム、21:カバーレイ、101:ラミネータ、210:基板供給部、211:基板供給機、215:基板巻き取り機、220、230:カバーレイ供給部、221、231:フィルム供給機、225、235:フィルム巻き取り機、310:基板張力調節部、320、330:フィルム張力調節部、321:張力調節用シリンダ、323:張力調節用可変ローラ、325:張力調節用固定ローラ、410:基板エッジポジションコントローラ、420、430:フィルムエッチポジションコントローラ、500:熱ローラ部、510:第1の熱ローラ、520:第2の熱ローラ、550:位置可変支持装置、551:ボールねじ軸、553:サーボモータ、555:支持ボディ、557:ロードセル、558:エアーバランサ、700:接合状態映像撮影部、710:第1の接合状態映像撮影部、720:第2の接合状態映像撮影部、740:エッジ映像撮影部、770:調整部、780:フィルム除去映像撮影部、800:フィルム除去部。
【国際調査報告】