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特表2023-512522標的化された核酸捕捉のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】標的化された核酸捕捉のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6813 20180101AFI20230317BHJP
   C12Q 1/6806 20180101ALI20230317BHJP
   C12Q 1/6851 20180101ALI20230317BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20230317BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20230317BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20230317BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
C12Q1/6813 Z
C12Q1/6806 Z ZNA
C12Q1/6851 Z
C12Q1/686 Z
C12Q1/6869 Z
C12M1/00 A
C12M1/34 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022546396
(86)(22)【出願日】2021-02-01
(85)【翻訳文提出日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 US2021016089
(87)【国際公開番号】W WO2021155374
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】62/968,847
(32)【優先日】2020-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/987,232
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/988,859
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521221113
【氏名又は名称】アヴィダ バイオメッド, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リン, シェンロン
(72)【発明者】
【氏名】バオ, ユン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ヘン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ, グレイス
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029BB20
4B029CC03
4B029FA12
4B029FA15
4B063QA01
4B063QA05
4B063QA13
4B063QA18
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR06
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR42
4B063QR56
4B063QR62
4B063QS25
4B063QS34
4B063QS39
4B063QX02
4B063QX10
(57)【要約】
本開示は、標的配列の増幅および分析のための鋳型の標的化された間接的な相乗的ハイブリダイゼーション捕捉のためのシステムおよび方法を提供する。捕捉された鋳型は、鋳型の核酸分子のメチル化パターン研究するために、バイサルファイトまたは他のメチル化試薬でさらに処理することができる。本明細書に開示される方法は、非常に低いDNAインプット試料に対する増幅前かつバイサルファイト変換前のハイブリダイゼーションに基づく捕捉のために使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳型核酸分子の5’末端または3’末端にアダプターを含む鋳型核酸分子を得るステップと、
第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域を、前記鋳型核酸分子の第1の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、前記第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合する、ステップと、
第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域を、前記鋳型核酸分子の第2の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、前記第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合する、ステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記アダプターを試料核酸分子の5’末端または3’末端に結合させ、それにより、前記アダプターを含む鋳型核酸分子を生成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アダプターを試料核酸分子の5’末端または3’末端に結合させ、アダプターを前記アダプターを含む前記鋳型核酸分子の3’末端または5’末端にそれぞれ結合させ、それにより、各末端においてアダプターを含む鋳型核酸分子を生成するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
アダプタープライマーを、前記第1の架橋プローブおよび前記第2の架橋プローブにハイブリダイズさせた前記鋳型核酸分子の前記3’末端に結合した前記アダプターにハイブリダイズさせるステップと、前記アダプタープライマーの3’末端を伸長させ、それにより、伸長産物を生成するステップとをさらに含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記伸長産物の配列決定を行うステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の標的特異的領域に前記ハイブリダイズさせるステップの前に、前記第1の架橋プローブの前記第1のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの前記第1の架橋結合配列に結合する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の標的特異的領域に前記ハイブリダイズさせるステップの後に、前記第1の架橋プローブの前記第1のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの前記第1の架橋結合配列に結合する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の標的特異的領域に前記ハイブリダイズさせるステップの前に、前記第2の架橋プローブの前記第2のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの前記第2の架橋結合配列に結合する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の標的特異的領域に前記ハイブリダイズさせるステップの後に、前記第2の架橋プローブの前記第2のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの前記第2の架橋結合配列に結合する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の架橋プローブの前記第1のランディング配列を前記アダプターアンカープローブの前記第1の架橋結合配列にハイブリダイズさせるステップをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の架橋プローブの前記第2のランディング配列を前記アダプターアンカープローブの前記第2の架橋結合配列にハイブリダイズさせるステップをさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記アダプターアンカープローブが、前記第1の架橋結合配列と前記第2の架橋結合配列との間に位置するスペーサーをさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記アダプターが、分子バーコードを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記アダプターアンカープローブが、結合部分を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記結合部分が、支持体に結合する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記支持体がビーズである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ビーズがストレプトアビジンビーズである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記結合部分がビオチンである、請求項14~17の請求項いずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の架橋プローブが、結合部分を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記結合部分が、支持体に結合する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記支持体がビーズである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ビーズがストレプトアビジンビーズである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記結合部分がビオチンである、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記鋳型核酸分子が一本鎖DNAを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記鋳型核酸分子が、生体試料由来の無細胞核酸を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記無細胞核酸が無細胞DNAを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記無細胞DNAが循環腫瘍DNAを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記鋳型核酸分子が損傷DNAを含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域を、鋳型核酸分子の第1の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、前記第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合する、ステップと、
第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域を、前記鋳型核酸分子の第2の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、前記第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合し、それにより、前記第1の架橋プローブおよび前記第2の架橋プローブにハイブリダイズさせた鋳型核酸分子を生成するステップと、
前記第1の標的特異的領域の前記ハイブリダイズさせるステップおよび前記第2の標的特異的領域の前記ハイブリダイズさせるステップの後に、前記鋳型核酸分子をメチル化アッセイ試薬で処理するステップと
を含む方法。
【請求項30】
前記メチル化アッセイ試薬が、二硫化物、またはメチル化シトシンを修飾する酵素である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
第3の架橋プローブの第3の標的特異的領域を、鋳型核酸分子の第3の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、前記第3の架橋プローブの第3のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第3の架橋結合配列に結合する、ステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
第4の架橋プローブの第4の標的特異的領域を、鋳型核酸分子の第4の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、前記第4の架橋プローブの第4のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第4の架橋結合配列に結合する、ステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の架橋プローブを前記ハイブリダイズさせるステップの前および前記第2の架橋プローブを前記ハイブリダイズさせるステップの前に、アダプターを前記鋳型核酸分子の5’末端または3’末端に結合させるステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
アダプタープライマーを、前記第1の架橋プローブおよび前記第2の架橋プローブにハイブリダイズさせた前記鋳型核酸分子の前記3’末端に結合した前記アダプターにハイブリダイズさせるステップと、前記アダプタープライマーの3’末端を伸長させ、それにより、伸長産物を生成するステップとをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記伸長産物の配列決定を行うステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記アダプタープライマーの前記ハイブリダイズさせるステップが、バイサルファイトでの処理前に実施される、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記アダプタープライマーの前記ハイブリダイズさせるステップが、バイサルファイトでの処理後に実施される、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記アダプタープライマーが、バイサルファイトでの処理後に前記アダプターに基づいて設計され、前記アダプター内の非メチル化シトシンが、前記処理の間にウラシルに変換される、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の標的特異的領域に前記ハイブリダイズさせるステップの前に、前記第1の架橋プローブの前記第1のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの前記第1の架橋結合配列に結合する、請求項29~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の標的特異的領域に前記ハイブリダイズさせるステップの後に、前記第1の架橋プローブの前記第1のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの前記第1の架橋結合配列に結合する、請求項29~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記第2の標的特異的領域に前記ハイブリダイズさせるステップの前に、前記第2の架橋プローブの前記第2のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの前記第2の架橋結合配列に結合する、請求項29~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記第2の標的特異的領域に前記ハイブリダイズさせるステップの後に、前記第2の架橋プローブの前記第2のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの前記第2の架橋結合配列に結合する、請求項29~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の架橋プローブの前記第1のランディング配列を前記アダプターアンカープローブの前記第1の架橋結合配列にハイブリダイズさせるステップをさらに含む、請求項29~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の架橋プローブの前記第2のランディング配列を前記アダプターアンカープローブの前記第2の架橋結合配列にハイブリダイズさせるステップをさらに含む、請求項29~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記アダプターアンカープローブが、前記第1の架橋結合配列と前記第2の架橋結合配列との間に位置するスペーサーをさらに含む、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記アダプターが、分子バーコードを含む、請求項30~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記アダプターアンカープローブが、結合部分を含む、請求項29~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記結合部分が、支持体に結合する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記支持体がビーズである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記ビーズがストレプトアビジンビーズである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記結合部分がビオチンである、請求項47~50の請求項いずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記第1の架橋プローブが、結合部分を含む、請求項29~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記結合部分が、支持体に結合する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記支持体がビーズである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ビーズがストレプトアビジンビーズである、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記結合部分がビオチンである、請求項52~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記鋳型核酸分子が一本鎖DNAを含む、請求項29~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記鋳型核酸分子が、生体試料由来の無細胞核酸を含む、請求項29~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記無細胞核酸が無細胞DNAを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記無細胞DNAが循環腫瘍DNAを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記鋳型核酸分子が損傷DNAを含む、請求項29~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
鋳型核酸分子の標的配列にハイブリダイズするように構成された標的特異的領域を含む架橋プローブと、
前記架橋プローブのアダプターランディング配列にハイブリダイズするように構成された架橋結合配列を含むアダプターアンカープローブと、
前記鋳型核酸分子の5’末端または3’末端に結合するように構成されたアダプターと
を含むキット。
【請求項63】
鋳型核酸分子であって、前記鋳型核酸分子の5’末端または3’末端がアダプターに結合する、鋳型核酸分子と、
第1の架橋プローブであって、第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域が前記鋳型核酸分子の第1の標的配列にハイブリダイズされる、第1の架橋プローブと、
第2の架橋プローブであって、第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域が前記鋳型核酸分子の第2の標的配列にハイブリダイズされる、第2の架橋プローブと、
アダプターアンカープローブであって、前記アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列が前記第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列に結合し、前記アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列が前記第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列に結合する、アダプターアンカープローブと
を含む組成物。
【請求項64】
鋳型核酸分子であって、前記鋳型核酸分子の5’末端または3’末端がアダプターに結合し、前記鋳型核酸分子の第1の標的配列が第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域にハイブリダイズされ、前記鋳型核酸分子の第2の標的配列が第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域にハイブリダイズされ、前記第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合し、前記第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合する、鋳型核酸分子
を含む核酸複合体。
【請求項65】
請求項64の請求項に記載の核酸複合体を含む組成物。
【請求項66】
逐次的富化の方法であって、
複数の核酸分子を含む試料を得るステップと、
第1の標的富化を実施して、1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化させ、それにより、1つまたは複数のゲノム領域の前記第1のパネルに対応する配列について富化された核酸を含む第1の富化された試料、および1つまたは複数のゲノム領域の前記第1のパネルに対応する配列について枯渇した核酸を含む残留試料を生成するステップと、
前記残留試料において第2の標的富化を実施して、1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化させ、それにより、1つまたは複数のゲノム領域の前記第2のパネルに対応する配列について富化された核酸を含む第2の富化された試料を生成するステップであって、1つまたは複数のゲノム領域の前記第1のパネルおよび1つまたは複数のゲノム領域の前記第2のパネルが異なる、ステップと
を含む方法。
【請求項67】
前記第1の富化された試料の第1の分析および前記第2の富化された試料の第2の分析を実施するステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記第1の分析が配列分析であり、前記第2の分析がメチル化分析である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記第1の分析が第1の配列分析であり、前記第2の分析が第2の配列分析であり、前記第1の配列分析が、前記第2の配列分析と異なる配列決定の深さで実施される、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記試料がcfDNA試料である、請求項66~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
1つまたは複数のゲノム領域の前記パネルのゲノム領域についての標的富化が、ハイブリダイゼーションによる標的富化を含む、請求項66~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
1つまたは複数のゲノム領域の前記パネルのゲノム領域についての標的富化が、
第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域を、前記ゲノム領域に対応する配列を有する分子の第1の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、前記第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合する、ステップと、
第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域を、前記ゲノム領域に対応する配列を有する前記分子の第2の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、前記第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合する、ステップ、請求項66~69のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記アダプターアンカープローブが、結合部分を含む、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記結合部分を支持体に結合させるステップと、結合した結合部分を有する前記支持体を未結合の核酸から分離するステップとをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
ゲノム領域の前記第1または第2のパネルがプロモーター領域を含む、請求項66に記載の方法。
【請求項76】
ゲノム領域の前記第1または第2のパネルがイントロン領域を含む、請求項66または75に記載の方法。
【請求項77】
ゲノム領域の前記第1または第2のパネルがエクソン領域を含む、請求項66、75または76に記載の方法。
【請求項78】
アダプターを前記複数の核酸分子の核酸分子の5’末端または3’末端に結合させ、それにより、アダプターを含む核酸分子のライブラリーを生成するステップをさらに含む、請求項66~77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
前記第2の富化された試料が、バイサルファイト処理され、配列決定反応に供される、請求項66~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記配列決定反応の情報提供リードの数が、1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化するために単一標的富化に供された場合に前記試料から得られ得る情報提供リードの数の少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%である、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
1つまたは複数のゲノム領域の前記第1のパネルおよび第2のパネルに対応する配列について枯渇した核酸を含む第2の残留試料において第3の標的富化を実施して、1つまたは複数のゲノム領域の第3のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化させ、それにより、1つまたは複数のゲノム領域の前記第3のパネルに対応する配列について富化された核酸を含む第3の富化された試料を生成するステップであって、1つまたは複数のゲノム領域の前記第1のパネル、1つまたは複数のゲノム領域の前記第2のパネルおよび1つまたは複数のゲノム領域の前記第3のパネルが異なる、ステップをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項82】
第3の架橋プローブの第3の標的特異的領域を、前記ゲノム領域に対応する配列を有する前記分子の第3の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、前記第3の架橋プローブの第3のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの第3の架橋結合配列に結合する、ステップをさらに含む、請求項72に記載の方法。
【請求項83】
第4の架橋プローブの第4の標的特異的領域を、前記ゲノム領域に対応する配列を有する前記分子の第4の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、前記第4の架橋プローブの第4のアダプターランディング配列が、前記アダプターアンカープローブの第4の架橋結合配列に結合する、ステップをさらに含む、請求項72に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年1月31日出願の米国仮出願第62/968,847号、2020年3月9日出願の米国仮出願第62/987,232号および2020年3月12日出願の米国仮出願第62/988,859号の利益を主張し、これらの出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2019年11月20日出願の以下の同時係属中の特許出願:国際出願第PCT/US2019/062508号に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
核酸標的捕捉法により、目的の特定の遺伝子、エクソン、および他のゲノム領域を、例えば標的化配列決定のために富化させることを可能にすることができる。しかし、標的捕捉に基づく配列決定方法には、煩わしい非常に長いプロトコールおよびコストがかかるプロセスが伴い得るだけでなく、小さな捕捉パネル(例えば、500未満のプローブ)に対するオンターゲット率が低い。さらに、現行の核酸標的捕捉法は、低インプットおよび損傷DNAに対しては、回収率が低いことが原因で不適当であり得る。
バイサルファイト変換は、核酸分子のメチル化パターンを研究するための有用な技法であり得る。しかし、バイサルファイト変換は、例えば短縮を作り出すことによって核酸に損傷を与える恐れがある。次世代シーケンシング(NGS)DNAライブラリーをバイサルファイトで処理すると、実質的な量の核酸が損傷を受け、その後の増幅ステップにおいて回収できなくなり、それにより、回収率が低くなる恐れがある。さらに、バイサルファイト変換により一本鎖または断片化DNAおよび配列の複雑さの低減が生じ得るので、変換されたDNAは、従来のアダプター-ライゲーションに基づくライブラリー構築にインプットすることが難しいものになり得る。バイサルファイト処理された無細胞DNA(cfDNA)または循環腫瘍細胞DNA(ctDNA)は一般には最初のインプットが小さく、回収率が低いこと(例えば、バイサルファイト処理されたcfDNAの5%またはそれ未満)を考慮すると、より大きな課題を提示し得る。メチル化感受性酵素処理を、メチル化シトシンに変換するために実施することもできる。しかし、酵素に基づく手法は、長い多重ステップのプロセス中のメチル化状態の喪失になお悩まされ、低い回収率をもたらし得る。
【0003】
無細胞DNAにおけるメチル化分析は、早期がん検出のための大きな潜在性を持つ。早期がん患者の血漿中では、腫瘍内容物は、0.1%未満であり、多くの場合0.01%またはそれよりも低くにまで低下していると推定され、したがって、感度の高いアッセイを必要とする。現在、がんのスクリーニングのために使用される2つの主な手法:全ゲノムバイサルファイトシーケンシング(WGBS)、縮小表示バイサルファイトシーケンシング(RRBS)または親和性に基づく富化を含む包括的手法、および10,000またはそれよりも多くの潜在的なメチル化マーカーを含有する大きな標的化パネルがある。標的メチル化シーケンシング(TMS)は、メチル化マーカーの最も感度が高く特異的な分析を提供する。しかし、従来のTMSの感度および特異度は、標的富化の低効率および低回収によって損なわれ、大きなパネルに関連するバックグラウンドノイズによってさらに妨害される。小さく集中したがん特異的メチル化バイオマーカーパネルを使用する徹底分析のための方法が必要とされている。
【0004】
したがって、より効率的であり、使用しやすく、高速であり、柔軟であり、実用的な標的核酸捕捉法、および、特にcfDNAなどの低インプット試料に対する、バイサルファイト処理された核酸を解析するための改善された方法が必要とされている。本明細書に開示される方法は、非常に低いDNAインプット試料に対する増幅前かつバイサルファイト変換前のハイブリダイゼーションに基づく捕捉のために使用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本明細書に開示されるのは、鋳型核酸分子の5’末端または3’末端にアダプターを含む鋳型核酸分子を得るステップと、第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域を、鋳型核酸分子の第1の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合する、ステップと、第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域を、鋳型核酸分子の第2の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合する、ステップとを含む方法である。この方法は、アダプターを試料核酸分子の5’末端または3’末端に結合させ、それにより、アダプターを含む鋳型核酸分子を生成するステップをさらに含み得る。この方法は、アダプターを試料核酸分子の5’末端または3’末端に結合させ、アダプターをアダプターを含む鋳型核酸分子の3’末端または5’末端にそれぞれ結合させ、それにより、各末端においてアダプターを含む鋳型核酸分子を生成するステップをさらに含み得る。この方法は、アダプタープライマーを、第1の架橋プローブおよび第2の架橋プローブにハイブリダイズさせた鋳型核酸分子の3’末端に結合したアダプターにハイブリダイズさせるステップと、アダプタープライマーの3’末端を伸長させ、それにより、伸長産物を生成するステップとをさらに含み得る。この方法は、伸長産物の配列決定を行うステップをさらに含み得る。
【0006】
第1の標的特異的領域にハイブリダイズさせるステップの前に、第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列は、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合され得る。第1の標的特異的領域にハイブリダイズさせるステップの後に、第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列は、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合され得る。第2の標的特異的領域にハイブリダイズさせるステップの前に、第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列は、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合され得る。第2の標的特異的領域にハイブリダイズさせるステップの後に、第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列は、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合され得る。
【0007】
この方法は、第1の架橋プローブの第1のランディング配列をアダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列にハイブリダイズさせるステップをさらに含み得る。この方法は、第2の架橋プローブの第2のランディング配列をアダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列にハイブリダイズさせるステップをさらに含み得る。アダプターアンカープローブは、第1の架橋結合配列と第2の架橋結合配列との間に位置するスペーサーをさらに含み得る。アダプターは、分子バーコードを含み得る。
【0008】
アダプターアンカープローブは、結合部分を含み得る。結合部分は、支持体に結合され得る。支持体はビーズであり得る。ビーズはストレプトアビジンビーズであり得る。結合部分はビオチンであり得る。
【0009】
第1の架橋プローブは、結合部分を含み得る。結合部分は、支持体に結合され得る。支持体はビーズであり得る。ビーズはストレプトアビジンビーズであり得る。結合部分はビオチンであり得る。
【0010】
鋳型核酸分子は一本鎖DNAを含み得る。鋳型核酸分子は、生体試料由来の無細胞核酸を含み得る。無細胞核酸は無細胞DNAを含み得る。無細胞DNAは循環腫瘍DNAを含み得る。鋳型核酸分子は損傷DNAを含み得る。
【0011】
本明細書に開示されるのは、第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域を、鋳型核酸分子の第1の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合する、ステップと、第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域を、鋳型核酸分子の第2の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合し、それにより、第1の架橋プローブおよび第2の架橋プローブにハイブリダイズさせた鋳型核酸分子を生成するステップと、第1の標的特異的領域のハイブリダイズさせるステップおよび第2の標的特異的領域のハイブリダイズさせるステップの後に、鋳型核酸分子をメチル化アッセイ試薬で処理するステップとを含む方法である。メチル化アッセイ試薬は、二硫化物、またはメチル化シトシンを修飾する酵素であり得る。この方法は、第3の架橋プローブの第3の標的特異的領域を、鋳型核酸分子の第3の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第3の架橋プローブの第3のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第3の架橋結合配列に結合する、ステップをさらに含み得る。この方法は、第4の架橋プローブの第4の標的特異的領域を、鋳型核酸分子の第4の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第4の架橋プローブの第4のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第4の架橋結合配列に結合する、ステップをさらに含み得る。
【0012】
この方法は、第1の架橋プローブをハイブリダイズさせるステップの前および第2の架橋プローブをハイブリダイズさせるステップの前に、アダプターを鋳型核酸分子の5’末端または3’末端に結合させるステップをさらに含み得る。この方法は、アダプタープライマーを、第1の架橋プローブおよび第2の架橋プローブにハイブリダイズさせた鋳型核酸分子の3’末端に結合したアダプターにハイブリダイズさせるステップと、アダプタープライマーの3’末端を伸長させ、それにより、伸長産物を生成するステップとをさらに含み得る。この方法は、伸長産物の配列決定を行うステップをさらに含み得る。
【0013】
アダプタープライマーのハイブリダイズさせるステップは、バイサルファイトでの処理前に実施され得る。アダプタープライマーのハイブリダイズさせるステップは、バイサルファイトでの処理後に実施され得る。アダプタープライマーは、バイサルファイトでの処理後にアダプターに基づいて設計され、アダプター内の非メチル化シトシンが、処理の間にウラシルに変換され得る。第1の標的特異的領域にハイブリダイズさせるステップの前に、第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列は、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合され得る。第1の標的特異的領域にハイブリダイズさせるステップの後に、第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列は、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合され得る。第2の標的特異的領域にハイブリダイズさせるステップの前に、第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列は、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合され得る。第2の標的特異的領域にハイブリダイズさせるステップの後に、第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列は、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合され得る。
【0014】
この方法は、第1の架橋プローブの第1のランディング配列をアダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列にハイブリダイズさせるステップをさらに含み得る。この方法は、第2の架橋プローブの第2のランディング配列をアダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列にハイブリダイズさせるステップをさらに含み得る。アダプターアンカープローブは、第1の架橋結合配列と第2の架橋結合配列との間に位置するスペーサーをさらに含み得る。アダプターは、分子バーコードを含み得る。
【0015】
アダプターアンカープローブは、結合部分を含み得る。結合部分は、支持体に結合され得る。支持体はビーズであり得る。ビーズはストレプトアビジンビーズであり得る。結合部分はビオチンであり得る。第1の架橋プローブは、結合部分を含み得る。結合部分は、支持体に結合され得る。支持体はビーズであり得る。ビーズはストレプトアビジンビーズであり得る。結合部分はビオチンであり得る。鋳型核酸分子は一本鎖DNAを含み得る。鋳型核酸分子は、生体試料由来の無細胞核酸を含み得る。無細胞核酸は無細胞DNAを含み得る。無細胞DNAは循環腫瘍DNAを含み得る。鋳型核酸分子は損傷DNAを含み得る。
【0016】
本明細書に開示されるのは、鋳型核酸分子の標的配列にハイブリダイズするように構成された標的特異的領域を含む架橋プローブと、架橋プローブのアダプターランディング配列にハイブリダイズするように構成された架橋結合配列を含むアダプターアンカープローブと、鋳型核酸分子の5’末端または3’末端に結合するように構成されたアダプターとを含むキットである。
【0017】
本明細書に開示されるのは、鋳型核酸分子であって、鋳型核酸分子の5’末端または3’末端がアダプターに結合する、鋳型核酸分子と、第1の架橋プローブであって、第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域が鋳型核酸分子の第1の標的配列にハイブリダイズされる、第1の架橋プローブと、第2の架橋プローブであって、第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域が鋳型核酸分子の第2の標的配列にハイブリダイズされる、第2の架橋プローブと、アダプターアンカープローブであって、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列が第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列に結合し、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列が第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列に結合する、アダプターアンカープローブとを含む組成物である。
【0018】
本明細書に開示されるのは、鋳型核酸分子であって、鋳型核酸分子の5’末端または3’末端がアダプターに結合し、鋳型核酸分子の第1の標的配列が第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域にハイブリダイズされ、鋳型核酸分子の第2の標的配列が第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域にハイブリダイズされ、第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合し、第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合する、鋳型核酸分子を含む核酸複合体である。本明細書に開示されるのは、核酸複合体を含む組成物である。
【0019】
本明細書に開示されるのは、逐次的富化の方法であって、複数の核酸分子を含む試料を得るステップと、第1の標的富化を実施して、1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化させ、それにより、1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネルに対応する配列について富化された核酸を含む第1の富化された試料、および1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネルに対応する配列について枯渇した核酸を含む残留試料を生成するステップと、残留試料において第2の標的富化を実施して、1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化させ、それにより、1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルに対応する配列について富化された核酸を含む第2の富化された試料を生成するステップであって、1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネルおよび1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルが異なる、ステップとを含む方法である。
【0020】
この方法は、第1の富化された試料の第1の分析および第2の富化された試料の第2の分析を実施するステップをさらに含み得る。
【0021】
第1の分析は配列分析であり得、第2の分析はメチル化分析であり得る。
【0022】
一部の場合では、第1の分析は第1の配列分析であり、第2の分析は第2の配列分析であり、第1の配列分析は、第2の配列分析と異なる配列決定の深さで実施される。
【0023】
一部の場合では、試料はcfDNA試料である。
【0024】
一部の場合では、1つまたは複数のゲノム領域のパネルのゲノム領域についての標的富化は、ハイブリダイゼーションによる標的富化を含む。
【0025】
一部の場合では、1つまたは複数のゲノム領域のパネルのゲノム領域についての標的富化は、第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域を、ゲノム領域に対応する配列を有する分子の第1の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合する、ステップと、第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域を、ゲノム領域に対応する配列を有する分子の第2の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合する、ステップ。
【0026】
一部の場合では、アダプターアンカープローブは、結合部分を含む。
【0027】
結合部分を支持体に結合させるステップと、結合した結合部分を有する支持体を未結合の核酸から分離するステップとをさらに含む、請求項73に記載の方法。
【0028】
一部の場合では、ゲノム領域の または第2のパネルはプロモーター領域を含む。
【0029】
一部の場合では、ゲノム領域の第1または第2のパネルはイントロン領域を含む。
【0030】
ゲノム領域の第1または第2のパネルがエクソン領域を含む、請求項66、75または76に記載の方法。
【0031】
一部の場合では、この方法は、アダプターを複数の核酸分子の核酸分子の5’末端または3’末端に結合させ、それにより、アダプターを含む核酸分子のライブラリーを生成するステップをさらに含む。
【0032】
一部の場合では、第2の富化された試料は、バイサルファイト処理され、配列決定反応に供される。
【0033】
一部の場合では、配列決定反応の情報提供リードの数は、1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化するために単一標的富化に供された場合に試料から得られ得る情報提供リードの数の少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%である。
【0034】
一部の場合では、この方法は、1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネルおよび第2のパネルに対応する配列について枯渇した核酸を含む第2の残留試料において第3の標的富化を実施して、1つまたは複数のゲノム領域の第3のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化させ、それにより、1つまたは複数のゲノム領域の第3のパネルに対応する配列について富化された核酸を含む第3の富化された試料を生成するステップであって、1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネル、1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルおよび1つまたは複数のゲノム領域の第3のパネルが異なる、ステップをさらに含む。
【0035】
一部の場合では、この方法は、第3の架橋プローブの第3の標的特異的領域を、ゲノム領域に対応する配列を有する分子の第3の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第3の架橋プローブの第3のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第3の架橋結合配列に結合する、ステップをさらに含む。
【0036】
一部の場合では、この方法は、第4の架橋プローブの第4の標的特異的領域を、ゲノム領域に対応する配列を有する分子の第4の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第4の架橋プローブの第4のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第4の架橋結合配列に結合する、ステップをさらに含む。
【0037】
参照による組込み
本明細書において言及されている全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的にかつ個別に参照により組み込まれることが示されたものと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
【0038】
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲において詳細に記載されている。本発明の原理が利用されている例示的な実施形態が記載されている以下の詳細な説明および以下の付属図を参照することにより、本発明の特徴および利点のよりよい理解が得られよう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は、鋳型核酸分子の相乗的な間接的ハイブリダイゼーション捕捉の一実施形態を例示する。この実施形態では、鋳型核酸分子のライブラリーは、間接的ハイブリダイゼーションの前に構築される。
【0040】
図2図2A~2Bは、メチル化シーケンシングのための鋳型核酸分子の相乗的な間接的ハイブリダイゼーション捕捉の一実施形態を例示する。図2Aは鋳型核酸分子の相乗的な間接的ハイブリダイゼーション捕捉を示し、図2Bは捕捉された鋳型にされた核酸分子のその後のバイサルファイト変換を示す。
【0041】
図3図3は、鋳型核酸分子の相乗的な間接的ハイブリダイゼーション捕捉および標的メチル化シーケンシング(SICON-TMS)のためのワークフローを示す。
【0042】
図4図4は、相乗的な間接的ハイブリダイゼーションの概略図を示す。
【0043】
図5図5A~5Dは、異なるハイブリダイゼーションシステムの概略図を示す。図5Aは、非相乗的な直接的ハイブリダイゼーションを例示する。図5Bは、相乗的な直接的ハイブリダイゼーションを例示する。図5Cは、相乗的な間接的ハイブリダイゼーションを例示する。図5Dは、非相乗的な間接的ハイブリダイゼーションを例示する。
【0044】
図6図6A~6Bは、アダプターアンカープローブの架橋結合配列の中間にスペーサーありまたはなしのアダプターアンカープローブを使用した相乗的な間接的ハイブリダイゼーションの概略図を例示する。図6Aは、スペーサーを含むアダプターアンカープローブを用いる相乗的な間接的ハイブリダイゼーションの概略図を示す。図6Bは、スペーサーを欠いたアダプターアンカープローブを用いる相乗的な間接的ハイブリダイゼーションを示す。
【0045】
図7図7は、相乗的な間接的捕捉法を使用する15標的パネルの配列決定カバレッジを示す。
【0046】
図8図8A~8Bは、2つの異なるハイブリダイゼーション法を使用する76のヒト遺伝子標的(ヒトID)のパネルの配列決定カバレッジを示す。図8Aは、相乗的な間接的ハイブリダイゼーションによる増幅前捕捉によるカバレッジを示す。図8Bは、直接的ハイブリダイゼーションによる増幅後捕捉によるカバレッジを示す。
【0047】
図9図9は、非がん性個体から抽出されたcfDNAの相乗的な間接的捕捉後の標的メチル化シーケンシングアッセイの結果を示す。
【0048】
図10図10は、スパイクインメチル化DNAの予測される量と測定値との間の直線関係を示す標的メチル化シーケンシングアッセイの結果を例示する。
【0049】
図11図11Aおよび11Bは、正常な結腸組織および結腸がん組織のゲノムDNA内のDMR1の分子メチル化分散パターンをそれぞれ示す。
【0050】
図12図12Aおよび12Bは、正常な結腸組織および結腸がん組織のゲノムDNA内のDMR2の分子メチル化分散パターンをそれぞれ示す。
【0051】
図13図13Aおよび13Bは、健康な個体の血漿cfDNAおよび結腸がん患者の血漿cfDNA内のDMR1およびDMR2の分子メチル化分散パターンをそれぞれ示す。
【0052】
図14図14は、試料からの逐次的標的富化のための概略図を例示する。
【0053】
図15図15は、実施例11におけるCRC cfDNA試料において同定された変異を例示する。
【0054】
図16図16は、スタンドアロンおよび二重分析TMSからのメチル化スコアを例示する。
【0055】
図17図17は、スタンドアロンおよび二重分析TMSからの情報提供分子カウントを例示する。
【0056】
図18図18は、個別化パネル分析におけるバリアント対立遺伝子検出の感度を例示する。
【0057】
図19図19は、Point-n-Seq(商標)技術のインプリメンテーションを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0058】
詳細な説明
メチル化を使用したCfDNAに基づくリキッドバイオプシーおよび変異分析を、がんの早期検出および管理のために使用することができる。限定的な量の核酸試料からの複合分析のためのシステムおよび方法が本明細書に提示される。例えば、限定的なDNA試料からの組み合わせた標的メチル化シーケンシング(TMS)および変異分析のためのシステムおよび方法が本明細書に提示される。これらのシステムおよび方法は、量が少ない可能性のあるcfDNA試料について特に有用であり得る。
【0059】
がんゲノムにおける広範であるが組織特異的なメチル化変化は、早期のまたは再発したがん患者由来の血漿中の循環腫瘍(ctDNA)の高感度検出のために使用することができる。しかし、メチル化分析の感度は、プロセスにおけるメチル化マーカーの回収の低効率によって損なわれ得、特異性は、低検出感度を補うノイズの多い非特異的マーカーを含む手法によってさらに妨害される場合がある。さらに、メチル化分析は、早期がん検出のための利点を持ち得、アクショナブル変異は、処置の選択をガイドし、アッセイの特異性をさらに増加させるための情報を直接的に提供することができる。限られた臨床血液試料由来のcfDNAの収量は、少量である可能性があり、これは、一試料から複数の分析を実施するための主な問題であり得、したがって、メチル化および変異の両方を検出することができるアッセイは、臨床研究および診断アッセイのために改善を提供することができる。
【0060】
本開示は、cfDNAにおける標的メチル化と変異の複合分析のために設計された改善された技術:Point-n-Seqを提供し、これは、シトシン変換および増幅前のcfDNAからの直接的な標的分子の富化を特徴とする。この技術は、少なくとも10、100、1000、または1000よりも多くのマーカーのメチル化または変異の状態を調べる小さく集中したパネルを可能にすることができる。100のメチル化マーカーおよび22の遺伝子からの350より多くのホットスポット変異をカバーするように設計された結腸直腸がん(CRC)パネルが本明細書に提示される。Point-n-Seq TMSは、cfDNAを使用した小さく集中したメチル化および変異の複合パネル配列決定のために使用することができる。Point-n-Seq TMSは、研究および臨床使用のための実用的でコスト効率が良いメチル化アッセイの開発において使用することができる。
【0061】
超効率の変換前/増幅前捕捉Point-n-Seqの利用を、疾患に集中したメチル化および変異パネル富化のために使用することができる。Point-n-Seq TMSは、cfDNAを使用した小さな集中的なメチル化および変異パネルの分析を可能にする。Point-n-Seq TMSは、研究および臨床使用のための実用的でコスト効率が良いメチル化アッセイにおいて使用することができる。
【0062】
配列決定のための核酸の相乗的な間接的捕捉(SICON-SEQ、Point-n-SEQとも称される)のためのシステムおよび方法も本明細書に提示される。本明細書に開示されるシステムおよび方法は、核酸材料の効率的な捕捉および富化を可能にする。SICON-SEQ/Point-n-SEQは、アダプターの鋳型核酸材料への結合によるライブラリー構築後に捕捉富化のために実施することができる。一部の実施形態では、SICON-SEQは、ライブラリー構築前に実施することができる。SICON-SEQは、アダプター結合によるライブラリー構築なしで実施することができる。本明細書に開示されるSICON-SEQ法は、短いターンアラウンドタイムおよびシンプルなワークフローを可能にすることができる。SICON-SEQは、無細胞DNA(cfDNA)などの低インプット試料を取り扱うために使用することができ、したがって、メチル化シーケンシング分析のために好適であり得る。
【0063】
1つまたは複数の架橋プローブの鋳型核酸へのハイブリダイゼーションを通した鋳型核酸分子とアダプターアンカープローブとの間接的ハイブリダイゼーションを含む方法が本明細書に開示される。1つまたは複数の架橋プローブは、鋳型核酸分子内の特定の標的配列にハイブリダイズし、それにより、標的鋳型にハイブリダイズすることができるように設計することができる。次に、アダプターアンカープローブを1つまたは複数の架橋プローブにハイブリダイズすることができるように設計することができ、それにより、3つまたはそれよりも多くのハイブリダイズした核酸分子のアセンブリを作り出すことができる。多重構造ハイブリダイゼーションアセンブリは、アセンブリにより大きな安定性をもたらすように相乗的に作用することができる。その後、ハイブリダイズした鋳型核酸分子を、メチル化シーケンシングのためにバイサルファイトで処理することができる。
【0064】
鋳型核酸分子の標的配列にハイブリダイズする標的特異的領域を含む架橋プローブと、架橋プローブのアダプターランディング配列にハイブリダイズする架橋結合配列を含むアダプターアンカープローブと、鋳型核酸分子の5’末端または3’末端に結合するように構成されたアダプターとを含むキットが本明細書に開示される。
【0065】
I.ハイブリダイゼーションによる間接的捕捉
ハイブリダイゼーションアセンブリを形成する鋳型核酸と2つまたはそれよりも多くのプローブとの相乗的な相互作用により、標的プローブハイブリダイゼーションを容易にすることができる。多重複合アセンブリにより、鋳型と架橋プローブなどの標的プローブとの間のハイブリダイゼーション相互作用を安定化することができる。架橋プローブは、鋳型の標的領域とハイブリダイズする標的特異的領域およびアダプターアンカープローブの架橋結合配列(BBS)にハイブリダイズするアダプターランディング配列(ALS)を含み得る。鋳型と架橋プローブとの間のハイブリダイゼーションおよび架橋プローブとアダプターアンカープローブとの間のハイブリダイゼーションにより、多重複合アセンブリを形成することができる。
【0066】
本明細書に開示される方法では2種よりも多くの架橋プローブのプレ標的領域を使用することができる。例えば、鋳型とアダプターアンカープローブとを架橋するために、少なくとも2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、25種、50種、75種、100種、またはそれよりも多くの架橋プローブを使用することができる。配列決定のための核酸の相乗的な間接的捕捉(SICON-SEQ)法は、第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域を、鋳型核酸分子の第2の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合し得る、ステップをさらに含み得る(図1)。一部の場合では、SICON-SEQは、ライブラリーを生成するためのアダプターの鋳型核酸分子への結合後に実行することができる(図1)。ライブラリーは、次世代シーケンシング(NGS)ライブラリーであり得る。
【0067】
架橋プローブは、標的特異的領域とアダプターランディング配列とを接続するリンカーをさらに含み得る。アダプターアンカーは、架橋結合配列の中間に1つまたは複数のスペーサーを含み得る。1つまたは複数のスペーサーの存在は、ハイブリダイゼーション捕捉の効率を改善し、捕捉の特異性を増加させることができる。
【0068】
無細胞DNA(cfDNA)および循環腫瘍DNA(ctDNA)などの低インプット試料から鋳型核酸を捕捉し、富化することができる。捕捉および富化は、架橋プローブへのハイブリダイゼーションを通じたアダプターアンカープローブとの間接的会合によって行うことができる。架橋プローブおよび/またはアダプターアンカープローブは、1つまたは複数の結合性部分を含み得る。結合性部分はビオチンであり得る。結合性部分は、支持体に結合され得る。支持体はビーズであり得る。ビーズはストレプトアビジンビーズであり得る。
【0069】
鋳型核酸分子の標的配列にハイブリダイズする標的特異的領域を含む架橋プローブと、架橋プローブのアダプターランディング配列にハイブリダイズする架橋結合配列を含むアダプターアンカープローブと、鋳型核酸分子の5’末端または3’末端に結合するように構成されたアダプターとを含むキットが本明細書に開示される。
【0070】
II.メチル化分析のためのワークフロー
核酸のメチル化分析のための方法が本明細書に提示される。メチル化分析は、バイサルファイト処理によって行うことができる。バイサルファイト処理された核酸を使用して、核酸のメチル化を研究することができる。バイサルファイト処理により、メチル化されていないシトシンをウラシルに変換することができる。シトシンのメチル化(例えば、5’-メチルシトシン(5’-methylctyosine))により、バイサルファイトによりメチル化されたシトシンがウラシルに変換されるのを防止することができる。
【0071】
捕捉プローブまたは架橋プローブ/アダプターアンカープローブを使用して、ハイブリダイゼーション捕捉の前または後のいずれかで、鋳型核酸分子をバイサルファイトで処理することができる。一部の場合では、ハイブリダイズさせた鋳型核酸分子をバイサルファイトで処理することができる。二本鎖配列の形成(例えば、鋳型のTSと捕捉プローブのTSRとの間での)により、バイサルファイト処理中、ハイブリダイズした領域内のシトシンをウラシルへの変換から保護することができる。捕捉プローブを鋳型にまたは架橋プローブを鋳型に、アダプターアンカープローブにハイブリダイズさせることによって形成された二本鎖配列により、ハイブリダイズした領域内のシトシンをウラシルへのバイサルファイトによる変換から保護することができる。さらに、バイサルファイト処理によりメチル化されていないシトシンをウラシルに変換することができるので、TS領域におけるシトシンのウラシルへの変換から保護することにより、バイサルファイト変換されていないDNAにアニーリングするように設計された増幅プライマーの使用が可能になり得る。バイサルファイト変換前捕捉のために、変換されていない配列に対してプローブを設計することもできる。変換されていないシトシンにアニーリングするプローブおよびプライマーは、設計がより簡単であり得、また、より良好なハイブリダイゼーションをもたらす。
一部の場合では、メチル化分析のために、酵素処理を実施することができる。酵素は、メチル化感受性酵素またはメチル化依存性酵素であり得る。酵素は制限酵素であり得る。酵素はメチル化感受性制限エンドヌクレアーゼであり得る。他の場合では、メチル化核酸を富化するために、メチル化部位に特異的に結合する特異的抗体またはタンパク質を使用することによって、メチル化分析を行うことができる。
【0072】
a.鋳型核酸のハイブリダイゼーション捕捉後のメチル化処理または富化
本明細書に記載の通り、鋳型核酸(例えば、DNA)を、相乗的な間接的ハイブリダイゼーションおよびその後の配列決定(SICON-SEQ)のために使用することができる(例えば、図3を参照されたい)。鋳型核酸(例えば、DNA)は、例えば、ゲノムDNA、またはcfDNAであり得る。例えば、本明細書に記載の通り、例えば、図1および2Aに例示されている通り、鋳型核酸(例えば、DNA)を、捕捉プローブに直接的にハイブリダイズさせることができ、または架橋プローブハイブリダイゼーションによってアダプターアンカープローブ(または汎用アンカープローブ)に間接的に結合させることができる。ハイブリダイゼーション捕捉された鋳型核酸(例えば、DNA)をバイサルファイトで処理し、伸長させ、その後、例えば、標的メチル化シーケンシング(SICON-TMS)のために増幅することができる(図2B)。一部の場合では、捕捉された鋳型核酸をメチル化感受性酵素で処理することができる。別の場合では、捕捉された鋳型核酸分子のメチル化核酸を、鋳型核酸分子内のメチル化CpG部位を標的にする抗体またはタンパク質への特異的な結合によって富化することができる。SICON-TMSは、広範囲におよぶ核酸材料の量(nucleic material amount)を有する臨床試料と適合し得る。一部の場合では、SICON-TMSは、5ng未満、4ng未満、3ng未満、2ng未満、または1ng未満の核酸分子を有する配列試料を使用することができる。
【0073】
捕捉プローブまたは架橋プローブの標的特異的配列もしくは標的特異的領域(TSR)は、鋳型核酸分子の標的配列に基づいて設計することができ、鋳型核酸分子の標的配列は、バイサルファイト処理後にメチル化されていないシトシンを保持し得る。
【0074】
一部の場合では、架橋プローブの標的特異的配列を脱離させる前にバイサルファイト処理を行うことができる。TSおよびTSR部位内のメチル化されていないシトシンを、鋳型への捕捉プローブまたは架橋プローブのTSおよびTSRのハイブリダイゼーション後に行われるバイサルファイト処理中のウラシルへの変換から保護することができる。その後、ハイブリダイズさせた鋳型をバイサルファイトで処理することができ、その間、ハイブリダイズしたTSR-TS領域内のメチル化されていないシトシンはウラシルに変換されないが、一方、一本鎖領域内のメチル化されていないシトシンはウラシルに変換される。TS領域においてシトシンのウラシルへの変換から保護されることにより、バイサルファイト変換されていないDNAにアニーリングするように設計されたプローブの使用が可能になり得る。
【0075】
一部の場合では、捕捉プローブまたは架橋プローブを鋳型核酸配列から脱離させた後にバイサルファイト処理を実施することができる。プライマー結合性部位(例えば、アダプターおよび/または鋳型内)の1つまたは複数のシトシン残基はバイサルファイト変換から保護され得ない。バイサルファイト変換後、アダプター内のプライマー結合性部位は、1つまたは複数のウラシルを含み得る。プライマーは、1つまたは複数のウラシルを含むアダプター配列と相補的になるように設計することができる。プライマーは、1つもしくは複数のウラシルを含むアダプター配列に対して100%相補的、または1つもしくは複数のウラシルを含むアダプター配列に対して100%未満相補的であり得る。
【0076】
鋳型は、バイサルファイト処理後に1つまたは複数のウラシルを含み得る。アダプターにアニーリングしたプライマーは、鎖の伸長のために1つまたは複数のウラシルを含む鋳型を使用することができる。伸長した鎖は、1つまたは複数のウラシルに対合する塩基である1つまたは複数のアデニンを含み得る。伸長産物を鋳型から変性させることができる。プライマーを伸長産物に、1つまたは複数のアデニンを含む領域内でアニーリングさせ、伸長させることができる。プライマーを、例えば、アダプタープライマーを用いた鋳型の増幅に使用することができる。
【0077】
アダプターの結合前に、メチル化処理または富化を鋳型核酸分子に適用することができる。アダプターの結合後に、メチル化処理または富化を鋳型核酸分子に適用することができる。第1のアダプターの鋳型への結合後に、メチル化処理または富化を鋳型核酸分子に適用することができる。第2のアダプターの鋳型への結合後に、メチル化処理または富化を鋳型核酸分子に適用することができる。
【0078】
b.鋳型核酸のハイブリダイゼーション捕捉前のメチル化処理または富化
鋳型核酸分子を、捕捉プローブまたは架橋プローブへのハイブリダイゼーションの前に、バイサルファイト処理することができる。DNAをバイサルファイトで処理して、メチル化されていないシトシンをウラシルに変換することができる。バイサルファイト処理されたDNAを、相乗的な間接的ハイブリダイゼーションおよびその後の配列決定(SICON-SEQ)のためのインプットとして使用することができる。プローブのTSRは、既存のメチル化されていないシトシンがウラシルに変換されている鋳型にアニーリングするように設計することができる。ハイブリダイゼーション捕捉後、伸長を実施し、その後、標的増幅を行うことができる。一部の場合では、捕捉された鋳型核酸をメチル化感受性酵素で処理することができる。別の場合では、捕捉された鋳型核酸分子のメチル化核酸を、鋳型核酸分子内のメチル化CpG部位を標的にする抗体またはタンパク質への特異的な結合によって富化することができる。
【0079】
アダプターの結合前に、メチル化処理または富化を鋳型核酸分子に実施することができる。アダプターの結合後に、メチル化処理または富化を鋳型核酸分子に適用することができる。第1のアダプターの鋳型への結合後に、メチル化処理または富化を鋳型核酸分子に適用することができる。第2のアダプターの鋳型への結合後に、メチル化処理または富化を鋳型核酸分子に適用することができる。
【0080】
III.固相抽出
例えば、アダプターアンカープローブを鋳型にライゲーションする前に、架橋プローブにハイブリダイズした鋳型(またはアダプターアンカープローブが架橋プローブを介して会合した鋳型)を選択するための方法が本明細書に提示される。本方法では、固相抽出を用いることができる。架橋プローブまたはアダプターアンカープローブを固体支持体に結合させるための方法が本明細書に提示される。アダプターアンカープローブが架橋プローブと無関係に鋳型に結合する(例えば、ライゲーションする)可能性があることにより、最適以下の特異性が導入され得る。そのような非特異的ライゲーション産物ならびに結合していないプローブを低減するために、標識(例えば、ビオチン)および捕捉部分(例えば、ストレプトアビジンビーズ)を利用することができる。
【0081】
架橋プローブまたはアダプターアンカープローブは、標識を含み得る。開示されている方法は、架橋プローブ、アダプターアンカープローブ、または鋳型核酸分子を含むハイブリダイゼーション複合体、架橋プローブ、およびアダプターアンカープローブを標識によって捕捉するステップをさらに含み得る。標識は、ビオチンであり得る。標識は、ポリAもしくはポリT、または特定の配列などの核酸配列であり得る。核酸配列は、約5~30塩基の長さであり得る。核酸配列は、DNAおよび/またはRNAを含み得る。標識は、捕捉プローブ、架橋プローブ、またはアダプターアンカープローブの3’末端に存在し得る。標識は、5-ブロモウリジン、およびビオチンなどの、抗体が認識することができるペプチド、または修飾された核酸であり得る。標識と捕捉プローブ、架橋プローブ、またはアダプターアンカープローブのコンジュゲートは「クリック」化学などの反応によって行うことができる。「クリック」化学により、蛍光色素のようなレポーター分子をDNAのような生体分子にコンジュゲートすることが可能になり得る。クリックケミストリーは、共有結合産物(例えば、1,5-二置換1,2,3-トリアゾール)をもたらすことができる、アジドとアルキンとの間の反応であり得る。銅が触媒としての機能を果し得る。
【0082】
標識は、固体支持体上に捕捉され得る。固体支持体は磁気であり得る。固体支持体は、ビーズ、フローセル、ガラス、プレート、1つもしくは複数のマイクロ流体チャネルを含むデバイス、またはカラムを含み得る。固体支持体は磁気ビーズであり得る。
【0083】
固体支持体(例えば、ビーズ)は、標識に結合することができる1つまたは複数の捕捉部分を含み得る(例えば、それでコーティングすることにより)。捕捉用部分はストレプトアビジンであり得、ストレプトアビジンはビオチンに結合することができる。捕捉用部分は抗体であり得る。抗体は標識に結合することができる。捕捉用部分は、核酸、例えば、DNAおよび/またはRNAを含む核酸であり得る。核酸である捕捉用部分は、例えば、アダプターアンカープローブまたは架橋プローブ上の配列に結合することができる。一部の場合では、固体表面に結合させた抗RNA/DNAハイブリッド抗体を捕捉用部分として使用することができる。
【0084】
標識と捕捉用部分とは、1つもしくは複数の共有結合または非共有結合を通じて結合させることができる。架橋プローブ、アダプターアンカープローブ、またはハイブリダイゼーション複合体を固体支持体上に捕捉した後、例えば、結合していない鋳型を試料から除去するために、固体支持体を洗浄することができる。一部の場合では、洗浄ステップは行わない。洗浄はストリンジェントまたは穏やかであり得る。鋳型核酸分子にハイブリダイズされる捕捉された架橋プローブまたはアダプターアンカープローブを、例えば標識がビオチンであり、捕捉用部分がストレプトアビジンである場合には、遊離のビオチンを試料に添加することによって溶出することができる。
【0085】
伸長ステップ(例えば、アダプターにアニーリングするアダプタープライマーの伸長)は、架橋プローブまたはアダプターアンカープローブが固体支持体上に捕捉されている間、または固体支持体からの架橋プローブ(およびハイブリダイズさせた鋳型)の溶出後もしくはアダプターアンカープローブ(および間接的にハイブリダイズさせた鋳型)の固体支持体からの溶出後に実施することができる。
【0086】
鋳型、架橋プローブ、およびアダプターアンカープローブのハイブリダイゼーション後のストレプトアビジンビーズを使用してクリーンアップを実施することができ、アダプターアンカープローブの3’末端はビオチン化されている。ハイブリダイゼーション複合体および遊離のアダプターアンカーアダプター(free adaptor anchor adaptor)の両方がビーズに結合し得る。結合していない鋳型および架橋プローブを洗い流すことができる。第1の架橋プローブおよび/または第2の架橋プローブの5’末端または3’末端は、ビオチン化され得る。ハイブリダイズしていないアダプターアンカーアダプターおよび鋳型を除去するために、ストレプトアビジンビーズを使用することができ、それにより、アダプターアンカープローブと鋳型とのランダムなライゲーションを防止することができる。
【0087】
IV.鋳型核酸分子
鋳型核酸はDNAまたはRNAであり得る。DNAは、ゲノムDNA(gDNA)、ミトコンドリアDNA、ウイルスDNA、cDNA、cfDNA、または合成DNAであり得る。DNAは、二本鎖DNA、一本鎖DNA、断片化DNA、または損傷DNAであり得る。RNAは、mRNA、tRNA、rRNA、マイクロRNA、snRNA、piRNA、低分子非コードRNA、ポリソームRNA、イントロンRNA、プレmRNA、ウイルスRNA、または無細胞RNAであり得る。
【0088】
鋳型核酸は、天然に存在する核酸または合成核酸であり得る。鋳型核酸は、修飾された複素環式塩基を有し得る。修飾は、メチル化プリンまたはピリミジン、アシル化プリンまたはピリミジン、アルキル化リボース、または他の複素環であり得る。鋳型核酸は、修飾された糖部分を有し得る。修飾された糖部分は、ペプチド核酸を含み得る。鋳型核酸は、ペプチド核酸を含み得る。鋳型核酸は、トレオース核酸を含み得る。鋳型核酸は、ロックド核酸を含み得る。鋳型核酸は、ヘキシトール核酸を含み得る。鋳型核酸は、フレキシブルな核酸であり得る。鋳型核酸は、グリセロール核酸を含み得る。
【0089】
鋳型核酸分子を無細胞DNA(cfDNA)および循環腫瘍DNA(ctDNA)などの低インプット(例えば、核酸材料1ng)試料から捕捉し、富化することができる。低インプット試料は、1ng、2ng、3ng、4ng、5ng、6ng、7ng、8ng、9ng、10ng、またはそれよりも多くの核酸材料を有し得る。低インプット試料は、10ng未満、9ng未満、8ng未満、7ng未満、6ng未満、5ng未満、4ng未満、3ng未満、2ng未満、1ng未満、またはそれ未満の核酸材料を有し得る。低インプット試料は、200pgから10ngまでの核酸材料を有し得る。低インプット試料は、10ng未満の核酸材料を有し得る。低インプット試料は、10ng未満、5ng未満、1ng未満、100pg未満、50pg未満、25pg未満、またはそれ未満の核酸材料であり得る。一部の場合では、インプット試料は、1ng、10ng、20ng、30ng、40ng、50ng、またはそれよりも多くの核酸分子を有し得る。インプット試料は、50ng未満、40ng未満、30ng未満、20ng未満、10ng未満、1ng未満、またはそれ未満の核酸材料を有し得る。捕捉および富化は、標的プローブハイブリダイゼーションによって行うことができる。標的プローブは、捕捉プローブ、架橋プローブ、および/またはアダプターアンカープローブであり得る。標的プローブは、1つまたは複数の結合性部分を含み得る。結合性部分はビオチンであり得る。結合性部分は、支持体に結合され得る。支持体はビーズであり得る。ビーズはストレプトアビジンビーズであり得る。
【0090】
鋳型核酸は損傷を受け得る。損傷核酸は、塩基の変更もしくは欠損、および/または骨格の修飾を含み得る。鋳型核酸は、酸化、放射線、またはランダム変異によって損傷を受け得る。鋳型核酸は、バイサルファイト処理によって損傷を受け得る。
【0091】
損傷DNAに関しては、本開示では、二本鎖DNA修復ステップを排除することができ、プロセスのステップが少ないことからDNA喪失が少なくなることに起因して、より高い変換率および改善された感度がもたらされる。
【0092】
損傷dsDNA(ニックを有する)またはssDNAは、ライブラリー構築のための鋳型として使用され得る。損傷dsDNAに関しては、dsDNAを変性させることができ、したがって、少なくとも1つの損傷を受けていない鎖を鋳型として使用することができる。次いで、鋳型を捕捉プローブにハイブリダイズおよび結合させ、種々のプライマーを使用して増幅することができる。
【0093】
鋳型は、無細胞DNA(cfDNA)または循環腫瘍DNA(ctDNA)に由来し得る。cfDNAは、供給源が胎児または腫瘍であり得る。鋳型は、対象のリキッドバイオプシー、固体生検、または固定組織に由来し得る。鋳型は、cDNAであり得、逆転写によって生成することができる。鋳型核酸は、これだけに限定されないが、血漿、血清、喀痰、唾液、尿、または汗を含めた体液試料に由来し得る。鋳型核酸のメチル化パターンを調査するため、および/または鋳型核酸の組織起源を決定するために、体液試料をバイサルファイト処理することができる。鋳型核酸は、肝臓、食道、腎臓、心臓、肺、脾臓、膀胱、結腸、または脳に由来し得る。鋳型核酸が由来する器官におけるメチル化パターンを分析するために、鋳型核酸をバイサルファイトで処理することができる。対象は、自己免疫疾患、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、神経障害、およびがんなどのメチル化関連疾患に罹患し得る。
【0094】
鋳型核酸は、男性対象または女性対象に由来し得る。対象は乳児であり得る。対象はティーンエイジャーであり得る。対象は若年成人であり得る。対象は高齢者であり得る。
【0095】
鋳型核酸は、ヒト、ラット、マウス、他の動物、または特定の植物、細菌、藻類、ウイルスなどを起源とし得る。鋳型核酸は、霊長類を起源とし得る。霊長類は、チンパンジーまたはゴリラであり得る。他の動物はアカゲザルであり得る。鋳型はまた、宿主-病原体、細菌集団などを含めた異なる種のゲノムの混合物に由来し得る。鋳型は、2つまたはそれよりも多くの種のゲノムから発現されたRNAから作製されたcDNAであり得る。
【0096】
鋳型核酸は、標的配列を含み得る。標的配列はエクソンである。標的配列はイントロンであり得る。標的配列は、プロモーターを含み得る。標的配列は、以前に知られているものであり得る。標的配列は、以前に部分的に知られているものであり得る。標的配列は、以前に知られていないものであり得る。標的配列は、染色体、染色体の腕、または遺伝子を含み得る。遺伝子は、状態、例えば、がんに関連付けられる遺伝子であり得る。例えば自己ライゲーションの率を低下させるために、ハイブリダイゼーション前に鋳型核酸分子を脱リン酸化することができる。
【0097】
V.架橋プローブ
標的配列を有する鋳型核酸分子とアダプターアンカープローブをハイブリダイズさせるために、架橋プローブを使用することができる。架橋プローブにより、さらに、アダプターアンカープローブと鋳型の間接的会合が可能になり、それにより、それらの結合が容易になる。遊離のアダプターアンカープローブと鋳型のライゲーション率は、相互作用のランダム性に起因して非常に低い可能性がある。しかし、ハイブリダイズした架橋プローブにより、鋳型とアダプターアンカープローブのライゲーションの確率が、遊離のアダプターアンカープローブとのライゲーションの確率と比較して増加し得る。架橋プローブは、DNAを含み得る。架橋プローブは、RNAを含み得る。架橋プローブは、ウラシルおよびメチル化シトシンを含み得る。架橋プローブは、ウラシルを含み得ない。
【0098】
架橋プローブは、標的配列にハイブリダイズする標的特異的領域(TSR)を含み得る。架橋プローブは、アダプターアンカープローブの架橋結合配列にハイブリダイズするアダプターランディング配列(ALS)を含み得る。架橋プローブは、TSRとALSを接続するリンカーを含み得る。TSRは、架橋プローブの3’部位に位置し得る。TSRは、架橋プローブの5’部位に位置し得る。
【0099】
架橋プローブは、1つまたは複数の分子バーコードを含み得る。架橋プローブは、1つまたは複数の結合性部分を含み得る。結合性部分はビオチンであり得る。結合性部分は、支持体に結合され得る。支持体はビーズであり得る。ビーズはストレプトアビジンビーズであり得る。
【0100】
架橋プローブは、約400ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約120ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約90ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、または約10ヌクレオチドを含み得る。
【0101】
試料中の多数の標的配列にアニーリングさせるために多数の架橋プローブを使用することができる。架橋プローブは、同様の融解温度を有するように設計することができる。架橋プローブのセットの融解温度は、約15℃以内、約10℃以内、約5℃以内、または約2℃以内であり得る。1つまたは複数の架橋プローブの融解温度は、約75℃、約70℃、約65℃、約60℃、約55℃、約50℃、約45℃、または約40℃であり得る。架橋プローブの融解温度は、約40℃~約75℃、約45℃~約70℃、45℃~約60℃、または約52℃~約58℃であり得る。
【0102】
アダプターアンカープローブを特定の架橋プローブの周囲の1つまたは複数の架橋プローブと一緒に使用することが、相乗効果を通じて、特定の架橋プローブのその標的配列へのハイブリダイゼーションの安定化に役立ち得る。多数の架橋プローブアセンブリを形成するためのハイブリダイゼーション温度は、単一の架橋プローブの融解温度よりも高くなり得る。温度が高いことにより、低い温度で起こる可能性がある非特異的ハイブリダイゼーションが低減することにより、より良好な捕捉の特異性がもたらされ得る。ハイブリダイゼーション温度は、個々の架橋プローブの融解温度よりも約5℃、約10℃、約15℃、または約20℃高い温度であり得る。ハイブリダイゼーション温度は、架橋プローブの融解温度よりも約5℃~約20℃高い温度、または複数の架橋プローブの平均融解温度よりも約5℃~約20℃高い温度であり得る。
【0103】
多数の架橋プローブのハイブリダイゼーション温度は、約75℃、約70℃、約65℃、約60℃、約55℃、または約50℃であり得る。多数の架橋プローブのハイブリダイゼーション温度は、約50℃~約75℃、55℃~約75℃、60℃~約75℃、または65℃~約75℃であり得る。
【0104】
架橋プローブは、標識をさらに含み得る。標識は、蛍光であり得る。蛍光標識は、有機蛍光色素、金属キレート、カーボンナノチューブ、量子ドット、金粒子、または蛍光無機物であり得る。標識は、放射性であり得る。標識は、ビオチンであり得る。架橋プローブは、標識された核酸結合分子に結合し得る。核酸結合分子は、抗体、抗生物質、ヒストン、抗体、またはヌクレアーゼであり得る。
【0105】
架橋プローブは、リンカーを含み得る。リンカーは、約30ヌクレオチド、約25ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約15ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、または約5ヌクレオチドを含み得る。リンカーは、約5~約20ヌクレオチドを含み得る。
【0106】
リンカーは、非核酸ポリマー(例えば、炭素の一続き)を含み得る。リンカー非ヌクレオチドポリマーは、約30単位、約25単位、約20単位、約15単位、約10単位、または約5単位を含み得る。
【0107】
架橋プローブを3’末端および/または5’末端において遮断することができる。架橋プローブは、5’リン酸を欠き得る。架橋プローブは、3’OHを欠き得る。架橋プローブは、3’ddC、3’逆dT、3’C3スペーサー、3’アミノ、または3’リン酸化を含み得る。
【0108】
VI.アダプターアンカープローブ
アダプターアンカープローブまたは汎用アンカープローブは、1つまたは複数の架橋プローブのアダプターランディング配列にハイブリダイズする1つまたは複数の架橋結合配列を含み得る。
【0109】
アダプターアンカープローブはBBSの中間にスペーサーを含み得る。1つまたは複数のスペーサーの存在は、ハイブリダイゼーション捕捉の効率を改善し、捕捉の特異性を増加させることができる。
【0110】
アダプターアンカープローブは、分子バーコード(MB)を含み得る。アダプターアンカープローブは、1つまたは複数の架橋プローブがハイブリダイズされ得る架橋結合配列(BBS)を含み得る。アダプターアンカープローブは、1から100までのBBSを含み得る。アダプターアンカープローブは、試料を識別するためのインデックスを含み得る。分子バーコードまたはインデックスは、アダプター配列の5’およびBBSの5’に存在し得る。
【0111】
アダプターアンカープローブは、約400ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約120ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約90ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約70ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、または約10ヌクレオチドを含み得る。アダプターアンカープローブは、約20~約70ヌクレオチドであり得る。
【0112】
架橋プローブに対するアダプターアンカープローブの融解温度は、約65℃、約60℃、約55℃、約50℃、約45℃、または約45℃~約70℃であり得る。
【0113】
アダプターアンカープローブは、標識を含み得る。標識は、蛍光であり得る。蛍光標識は、有機蛍光色素、金属キレート、カーボンナノチューブ、量子ドット、金粒子、または蛍光無機物であり得る。標識は、放射性であり得る。標識は、ビオチンであり得る。アダプターアンカープローブは、標識された核酸結合分子に結合し得る。核酸結合分子は、抗体、抗生物質、ヒストン、抗体、またはヌクレアーゼであり得る。
【0114】
VII.アダプター/アダプタープライマー
ライブラリーの構築のために、1つまたは複数のアダプターを複数の鋳型核酸に結合させることができる。ライブラリーは、新世代シーケンシング(NGS)ライブラリーであり得る。1つのアダプターを鋳型核酸分子の5’末端または3’末端に結合させることができる。2つのアダプターを鋳型核酸分子の5’末端および3’末端に結合させることができる。1つまたは複数のアダプターをライゲーションによって鋳型核酸に結合させることができる。鋳型核酸および標的プローブのハイブリダイゼーションの前に、1つまたは複数のアダプターの結合を実施することができる。一部の場合では、ハイブリダイゼーション後に、アダプターを捕捉された鋳型核酸に付加することができる。1つまたは複数のアダプターは、分子バーコード(MB)を含み得る。
【0115】
1つまたは複数のアダプタープライマーを、鋳型核酸分子に結合した1つまたは複数のアダプターにハイブリダイズすることができる。一部の場合では、アダプターは、アダプターアンカープローブまたは捕捉プローブに組み入れられる。ある特定の場合では、結合した、付加された、または組み入れられたアダプターにより、増幅のためのプライマーハイブリダイゼーションの部位をもたらすことができる。第1のアダプター(AD1)を鋳型に捕捉プローブまたはアダプターアンカープローブを介して結合させることができる。AD1に対するプライマーを利用して、鋳型と相補的な鎖を合成することができる。鋳型のさらなる増幅のために第2のアダプター(AD2)を鋳型の5’末端および/または相補鎖の3’末端に結合させることができる。AD1プライマーおよびAD2プライマーを使用してライブラリーを構築することができる。AD1プライマーおよびTSRまたはそれに隣接する領域に対するプライマーを使用して選択的な増幅を実施することができる。
【0116】
アダプターは、一本鎖核酸であり得る。アダプターは、二本鎖核酸であり得る。アダプターは、部分的な2重鎖であり得、短鎖とそれよりも長い長鎖を有する、または長さが等しい2本の鎖を有する。
【0117】
VIII.酵素
本明細書に記載の方法およびキットに使用することができるDNAポリメラーゼの例としては、クレノウポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、Bcaポリメラーゼ、phi29 DNAポリメラーゼ、Ventポリメラーゼ、Deep Ventポリメラーゼ、Taqポリメラーゼ、T4ポリメラーゼ、T7ポリメラーゼ、またはE.coli DNAポリメラーゼ1が挙げられる。
【0118】
本明細書に記載の方法およびキットに使用することができるリガーゼの例としては、CircLigase、CircLigase II、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、DNAリガーゼI、DNAリガーゼII、DNAリガーゼIII、DNAリガーゼIV、Taq DNAリガーゼ、またはTth DNAリガーゼが挙げられる。
【0119】
本明細書に記載の方法およびキットに使用することができるメチル化感受性制限酵素またはメチル化依存性制限酵素の例としては、Aat II、Acc II、Aor13H I、Aor51H I、BspT104 I、BssH II、Cfr10 I、Cla I、Cpo I、Eco52 I、Hae II、Hap II、Hha I、Mlu I、Nae I、Not I、Nru I、Nsb I、PmaC I、Psp1406 I、Pvu I、Sac II、Sal I、Sma I、およびSnaB Iが挙げられる。
【0120】
IX.増幅産物の下流の分析
本明細書に記載の方法を使用して生成された増幅産物を、サザンブロット法、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば、リアルタイムPCR(RT-PCR)、デジタルPCR(dPCR)、ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)、定量的PCR(Q-PCR)、nCounter分析(Nanostring technology)、ゲル電気泳動、DNAマイクロアレイ、質量分析(例えば、タンデム質量分析、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MS)、連鎖停止反応シーケンシング(サンガーシーケンシング)、または次世代シーケンシングを含めた様々な方法を使用してさらに分析することができる。
【0121】
次世代シーケンシングは、454シーケンシング(ROCHE)(パイロシーケンシングを使用する)、可逆的ターミネーター色素を使用したシーケンシング(ILLUMINAシーケンシング)、半導体シーケンシング(THERMOFISHER ION TORRENT)、単一分子リアルタイム(SMRT)シーケンシング(PACIFIC BIOSCIENCES)、ナノポアシーケンシング(例えば、OXFORD NANOPOREまたはGENIAの技術を使用する)、ピロリン酸溶解を使用した微小滴単一分子シーケンシング(BASE4)、単一分子電子検出シーケンシング、例えば、核酸(DNA/RNA)がナノギャップを通過する際のナノ電極を通るトンネル電流を測定し、電流の差異を算出すること(QUANTUM BIOSYSTEMSのQUANTUM SEQUENCING)、GenapSys Gene Electornic Nano-Integrated Ultra-Sensitive(GENIUS)技術(GENAPYS)、QIAGENのGENEREADER、特定のフルオロフォアによって同定された部分的にランダムなオリゴヌクレオチドと中央決定塩基(central determined base)(または塩基の対)との逐次的ハイブリダイゼーションおよびライゲーションを用いるシーケンシング(SOLiDシーケンシング)を含み得る。シーケンシングは、ペアエンドシーケンシングであり得る。
【0122】
本明細書に記載の方法を使用して配列決定することができる、試料由来の標的配列の数は、約5、10、15、25、50、100、1000、10,000、100,000、もしくは1,000,000、または約5~約100、約100~約1000、約1000~約10,000、約10,000~約100,000、もしくは約100,000~約1,000,000であり得る。
【0123】
本明細書に記載の方法を使用して生成された核酸ライブラリーは、1つよりも多くの試料から生成されたものであり得る。各ライブラリーは、試料に関連付けられる異なるインデックスを有し得る。例えば、捕捉プローブまたはアダプターアンカープローブは、核酸を同じ試料に由来するものであると同定するために使用することができるインデックスを含み得る(例えば、同じ第1のインデックスを含む捕捉プローブまたはアダプターアンカープローブの第1のセットを使用して、第1の対象由来の第1の試料に由来する第1のライブラリーを生成することができ、同じ第2のインデックスを含む捕捉プローブまたはアダプターアンカープローブの第2のセットを使用して、第2の対象由来の第2の試料に由来する第2のライブラリーを生成することができ、第1のライブラリーおよび第2のライブラリーをプールし、配列決定を行うことができ、インデックスを使用して、配列決定された核酸が由来する試料を見分けることができる)。本明細書に記載の方法を使用して生成された増幅産物を使用して、少なくとも2、5、10、25、50、100、1000、または10,000試料から、それぞれが異なるインデックスを有するライブラリーを生成することができ、ライブラリーをプールし、例えば次世代シーケンシング技術を使用して配列決定を行うことができる。
【0124】
配列決定により、少なくとも100、1000、5000、10,000、100,000、1,000,000、または10,000,000配列リードを生成することができる。配列決定により、約100配列リードから約1000配列リードの間、約1000配列リードから約10,000配列リードの間、約10,000配列リードから約100,000配列リードの間、約100,000配列リードから約1,000,000配列リードの間、または約1,000,000配列リードから約10,000,000配列リードの間を生成することができる。
【0125】
配列決定の深さは、約1×、5×、10×、50×、100×、1000×、または10,000×であり得る。配列決定の深さは、約1×から約10×の間、約10×から約100×の間、約100×から約1000×の間、または約1000×から約10000×の間であり得る。
X.バイオインフォマティクス分析
配列決定データのバイオインフォマティク分析のための方法が本明細書に提示される。例えば、不完全にバイサルファイト変換された分子を排除する方法、および非常に低い疾患分子含有量を有する試料におけるメチル化パターンを分析する方法。
【0126】
a.不完全にバイサルファイト変換された分子の排除
不完全にC>T変換された分子を排除するためのフィルタリング技法を使用して、分子カウントおよびメチル化割合のデータの頑強性を増強する。
【0127】
ゲノム内のリードの開始および終了のヌクレオチド位置および固有分子識別子情報を使用して、各差次的にメチル化された領域(DMR)にマッピングされた配列決定リードを重複排除することができる。重複排除は、より低い精度で、開始および終了位置の情報だけを用いて行うこともできる。
【0128】
重複排除されたリードは、CH環境内の変換されていないCの数に従ってフィルターをかけ、ここで、Cはシトシンを表し、Hは3つのヌクレオチド:C(シトシン)、A(アデニン)またはT(チミン)のいずれかを表す。Tに変換されていないCH環境内のCの存在は、分子の不完全なバイサルファイト処理または酵素処理の高い尤度を示す。CH環境内の変換されていないCの数がプリセットした閾値よりも大きい場合、リードは廃棄される。一部の場合では、CH環境内の変換されていないCの閾値数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。一部の場合では、リードは、CH環境内の変換されていないCのパーセンテージ(CH環境内のCの総数のパーセントとして)が1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、25%、30%、35%、40%、または50%よりも大きい場合、廃棄され得る。
b.SICON TMS分析
【0129】
メチル化シーケンシングデータの分析のための現在の方法は、下流の分析のための2つの測定基準:(1)個々のCpG部位のメチル化割合、(2)目的のゲノム領域のメチル化密度のいずれかまたは両方を算出することを含み得る。(1)のために、CpG部位においてメチル化されたCの数は、CpG部位をカバーする分子の総数で割られ得る。(2)のために、定義されたゲノム領域内のCpG部位の全メチル化割合の平均が算出され得る。上記の概念に対するわずかな改変として、領域の分子におけるメチル化パターンの相違を考慮に入れるために、メチル化ハプロタイプロード(MHL)が導入され得る。本質的には、MHLは、分子の混合物にわたる平均尺度を表し、ブロックの長さを考慮して重みが加えられる。これらの方法は、疾患由来材料および健康な正常由来材料の両方を含む配列決定される分子の全てにおけるDNA分子にわたる平均尺度を取る。
【0130】
組織の配列決定データでは、全ての分子にわたる平均を取ることは、通常、適正かつ必要な手法である。例えば、腫瘍生検組織のケースでは、腫瘍内容物は、中程度に高い場合がある(例えば、20%またはそれよりも高い)。腫瘍と正常組織との間のメチル化レベルの有意な差は、腫瘍-正常混合組織の平均および純粋な正常組織の平均を反映し得る。ほとんどのバイサルファイトシーケンシングデータが各ゲノム領域で低い複雑さを有するので、平均は、多くの場合、必要に迫られて実施される。例えば、30×は、全ゲノムバイサルファイトシーケンシングにおけるディープカバレッジを考慮し得、多くの研究ははるかに低いカバレッジを有する。領域内の多くのCpG部位にわたる平均は、低カバレッジに起因するばらつきをならし、測定の頑強性を増強し得る。腫瘍患者由来の血漿cfDNAを使用するリキッドバイオプシーなどの非常に低い疾患分子含有量の試料の状況では、腫瘍内容物は、多くの場合、0.1%を下回り、健康な正常分子および疾患由来分子の混合物にわたる平均は、正常分子が優勢であり得る。言い換えれば、腫瘍由来メチル化情報は、平均を取る行為において、正常由来分子に圧倒される。
【0131】
メチル化シーケンシングデータを分析するための方法は、本明細書で「SICON TMS分析」と記載する。簡潔には、配列決定される各分子上のCpG部位の数をカウントし、これらの部位のメチル化割合を算出する。CpGカウントおよびメチル化割合からなるデータ対は、下流の分類モデルにおける1つのデータポイントを表す。平均に基づく方法と比較して、疾患由来分子および正常由来分子からのメチル化情報の平均は実施されない。したがって、疾患由来分子および正常細胞由来分子のメチル化プロファイルは別々に保たれ得る。得られるリードのそれぞれは、アッセイによって捕捉された固有のDNA分子からのCpGメチル化情報を含有し得る。2つの測定基準が各リードから収集される:
1)N:リード内のCpGの総数;
2)M:リード内のメチル化CpGの数。
1)および2)から、第3の測定基準が、
3)f=M/N、現在のリード内でメチル化されるCpGの割合
として算出される。
【0132】
データ対(N、f)は、アッセイにおいて全てのDMRにおける分子のそれぞれについて収集される。f(y軸)対N(x軸)を示す散布図を、DMRについて生成することができ、DMRの全てのリードはプロット内のドットとして示される。例えば、図11は、正常な結腸組織(図11A)および結腸がん組織のゲノムDNA(図11B)内のDMR1の分子メチル化分散パターンを示す。これは、正常結腸組織中に過剰メチル化DNA分子が存在せず、結腸がん組織中に多量の過剰メチル化分子が存在するDMRを実証する。図12Aおよび12Bは、正常な結腸組織および結腸がん組織のゲノムDNA内のDMR2の分子メチル化分散パターンをそれぞれ示す。これは、正常結腸組織中に一部の過剰メチル化DNA分子が存在し(図12A)、結腸がん組織中に多量の過剰メチル化分子が存在する(図12B)DMRを実証する。図13は、健康な個体(図13A)および結腸がん患者(図13B)由来の血漿cfDNA内のDMR1およびDMR2の分子メチル化分散パターンを示す。各DMRからの図13Bの上部分に例示される過剰メチル化分子のカウントは、リキッドバイオプシーからの疾患検出のための基準である。
【0133】
いくつかのさらなる分析を実行することができる。例えば、フィルターを適用して、過剰メチル化分子をカウントすることができる。過剰メチル化分子のためのフィルター:閾値f0を選択して、f>f0の全ての分子をカウントし得る(すなわち、散布図の上部分)。これらのリードは、疾患組織(結腸がんなど)の徴候である過剰メチル化リードである。過剰メチル化フィルター閾値(f0)は、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、または0.9に設定され得る。一部の場合では、過剰メチル化フィルター閾値(f0)は、正常組織または健康な対象由来の試料におけるメチル化の分析に基づいて設定され得る。例えば、過剰メチル化フィルター閾値(f0)は、正常組織試料または健康な対象由来の試料における平均メチル化割合からの0.5、1、1.5、2、2.5、または3標準偏差として設定され得る。
【0134】
分子はまた、頑強なシグナルについてフィルターをかけることもできる。頑強なシグナルを有する分子のためのフィルター:追加閾値N0を選択して、N>N0のリードのみを保持して、分子カウントの頑強性を増強することができる。閾値N0は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または30に設定され得る。
【0135】
過剰メチル化分子および頑強なシグナルのためのフィルタリングは、頑強な過剰メチル化分子のみを各DMRについてカウントすることを確実にし得る。これにより、分析の品質および/または感度を改善し得る。
【0136】
一部の場合では、閾値f0およびN0は、全てのDMRを通して同じである。一部の場合では、閾値f0およびN0は、個々のDMRそれぞれについてカスタマイズされ得る。一部の場合では、閾値f0は、全てのDMRを通して同じであり得、閾値N0は、個々のDMRそれぞれについてカスタマイズされ得る。一部の場合では、閾値N0は、全てのDMRを通して同じであり得、閾値f0は、個々のDMRそれぞれについてカスタマイズされ得る。一部の場合では、閾値f0およびN0はどちらも、個々のDMRそれぞれについてカスタマイズされ得る。
【0137】
アッセイにおける全てのDMRにわたる頑強な過剰メチル化分子カウントは、機械学習分類法を使用して試料の疾患状態を決定するためのモデルに送り込まれ得る。
XI.逐次的標的富化
本開示は、分割しない同じDNAインプットからの配列の2つまたはそれよりも多くのパネルについて富化するために使用され得る逐次的ハイブリダイゼーションに基づく富化の方法を提供する。図14は、逐次的富化を実施する方法を例示する。一部の場合では、逐次的富化の方法は、複数の核酸分子を含む試料を得るステップと、第1の標的富化を実施して、1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化させ、それにより、1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネルに対応する配列について富化された核酸を含む第1の富化された試料を生成するステップとを含み得る。第1の標的富化は、1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネルに対応する配列について枯渇した核酸を含む残留試料(または第1の残留試料)も生成し得る。この残留試料は、残留試料において第2の標的富化を実施して、1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化させ、それにより、1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルに対応する配列について富化された核酸を含む第2の富化された試料を生成するために使用され得る。1つまたは複数のゲノム領域の第1のパネルおよび1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルは、通常、異なる。一部の場合では、標的富化の第3、第4の、またはさらなるラウンドを、ゲノム領域の第3、第4の、またはさらなるパネルを用いて実施し得る。
【0138】
例えば、1つまたは複数のゲノム領域のパネルは、変異ホットスポット、がん遺伝子、腫瘍抑制因子の遺伝子、がん遺伝子のエクソン、腫瘍抑制因子のエクソン、または調節領域に関連する、1~50,000、5~10000、または5~5000のゲノム領域のパネルを含み得る。別の例では、1つまたは複数のゲノム領域のパネルは、差次的にメチル化された領域に、エピジェネティック修飾に、イントロンに、プロモーターに、または他の調節配列に関連する5~5000のゲノム領域のパネルを含み得る。一部の例では、パネルは、がんにおける過剰メチル化に関連する50~500のゲノム領域を含む。
【0139】
Point-n-Seqは、事前増幅および事前変換富化技術であるので、富化された試料が配列決定によって分析され得るか、またはメチル化を評価するために配列決定する前に二硫化物(bisulfide)処理(または酵素処理)され得る。一部の場合では、第1の富化された試料は、配列決定によって分析されて、変異が評価され得る一方、第2の富化された試料は、配列決定の前に二硫化物(または酵素)処理されて、メチル化が評価される。一部の場合では、第1の富化された試料および第2の富化された試料はどちらも、簡単な配列決定によって評価されて、ゲノム変更が評価されるが、しかし試料は、異なる深さで配列決定され得る。一部の場合では、第1の富化された試料の分析は、第2の標的富化ステップを実施する前に実施され得る。第1の富化された試料の分析の結果は、第2の富化ステップについての第2のパネルを選択するために使用され得る。
【0140】
標的富化は、本明細書に開示されるか、または当技術分野において公知の任意の方法を含み得る。一部の場合では、標的富化は、第1の架橋プローブの第1の標的特異的領域を、ゲノム領域に対応する配列を有する分子の第1の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第1の架橋プローブの第1のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第1の架橋結合配列に結合する、ステップと、第2の架橋プローブの第2の標的特異的領域を、ゲノム領域に対応する配列を有する分子の第2の標的配列にハイブリダイズさせるステップであって、第2の架橋プローブの第2のアダプターランディング配列が、アダプターアンカープローブの第2の架橋結合配列に結合する、ステップとを含む。本明細書に記載の通り、アンカープローブは結合部分を含み得る。方法は、通常、アダプターを複数の核酸分子の核酸分子の5’末端または3’末端に結合させ、それにより、アダプターを含む核酸分子のライブラリーを生成するステップを含む。
【0141】
本明細書に記載の逐次的標的富化は、非常に効率的であり得る。例えば、第2の富化された試料がバイサルファイト処理され、配列決定反応に供される場合、配列決定反応の情報提供リードの数は、1つまたは複数のゲノム領域の第2のパネルに対応する配列を含む核酸分子について富化するために単一標的富化に供された場合に試料から得られ得る情報提供リードの数の少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、または85%であり得る。
【0142】
本明細書に記載の逐次的標的富化方法は、任意の核酸試料(nucleic sample)に一般化され得る。方法は、限られた核酸試料の分析のために特に有用であり得る。
【0143】
XII.適用
a.核酸の特徴の検出
本明細書に記載の方法およびキットを使用して生成された増幅核酸産物を、1つまたは複数の核酸の特徴について分析することができる。1つまたは複数の核酸の特徴は、1つまたは複数のメチル化事象であり得る。メチル化は、CpGジヌクレオチド内のシトシンのメチル化であり得る。メチル化塩基は、5-メチルシトシンであり得る。CpGの状態にないシトシンもメチル化され得る。メチル化されたまたはメチル化されていないシトシンは、CpGアイランド内のものであり得る。CpGアイランドは、ゲノムの、CpG部位の頻度が高い領域であり得る。CpGアイランドは、少なくとも200bp、または約
300~約3000bpであり得る。CpGアイランドのCpGジヌクレオチド含有量は少なくとも60%であり得る。CpGアイランドは、遺伝子のプロモーター領域内に存在し得る。メチル化は、5-hmC(5-ヒドロキシメチルシトシン)、5-fC(5-ホルミルシトシン)、または5-caC(5-カルボキシルシトシン)であり得る。本明細書に記載の方法およびキットを使用して、例えば、固形組織由来のDNAまたは、例えば、無細胞DNAを含む生体液、例えば、血漿、血清、尿、もしくは唾液由来のDNAのメチル化パターンを検出することができる。
【0144】
1つまたは複数の核酸の特徴は、新規の変異、ナンセンス変異、ミスセンス変異、サイレント変異、フレームシフト変異、挿入、置換、点変異、一塩基多型(SNP)、一塩基バリアント(SNV)、新規の一塩基バリアント、欠失、再構成、増幅、染色体転座、中間部欠失、染色体逆位、ヘテロ接合性の喪失、機能喪失、機能獲得、ドミナントネガティブ、または致死的な変異であり得る。増幅核酸産物を分析して、生殖細胞系列変異または体細胞変異を検出することができる。1つまたは複数の核酸の特徴を状態、例えば、がん、自己免疫疾患、神経疾患、感染(例えば、ウイルス感染)、または代謝性疾患に関連付けることができる。
【0145】
b.診断/検出/モニタリング
開示されている方法およびキットを使用して、疾患または状態を診断または検出することもできる。疾患または状態は、メチル化異常と関係があり得る。状態は、心理学的障害であり得る。状態は、老化であり得る。状態は、疾患であり得る。状態(例えば、疾患)は、がん、神経疾患(例えば、アルツハイマー病、自閉症スペクトラム障害、レット症候群、統合失調症)、免疫不全、皮膚疾患、自己免疫疾患(例えば、眼のベーチェット病、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、多発性硬化症、感染(例えば、ウイルス感染)、または代謝性疾患(例えば、高血糖症、高脂血症、2型糖尿病)であり得る。がんは、例えば、結腸がん、乳がん、肝がん、膀胱がん、ウィルムスがん、卵巣がん、食道がん、前立腺がん、骨がん、または肝細胞癌、神経膠芽腫、乳がん、肺扁平上皮がん、甲状腺癌、または白血病であり得る(例えば、Jin and Liu (2018) DNA methylation in human disease. Genes & Diseases, 5:1-8を参照されたい)。状態は、ベックウィズ・ヴィーデマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、またはアンジェルマン症候群であり得る。
【0146】
本明細書に提示される方法およびキットを使用して生成された無細胞DNAのメチル化パターンを、がんのマーカーとして使用することができる(例えば、Hao et al., DNA methylation markers for diagnosis and prognosis of common cancers. Proc. Natl. Acad. Sci. 2017;国際PCT出願公開WO2015116837号を参照されたい)。無細胞DNAのメチル化パターンを、DNAの起源組織を決定するために使用ことができる(例えば、国際PCT出願公開WO2005019477号を参照されたい)。本明細書に記載の方法およびキットを、メチル化ハプロタイプ情報を決定するために使用することができ、無細胞DNAの組織または細胞の起源を決定するために使用することができる(例えば、Seioighe et al, (2018) DNA methylation haplotypes as cancer markers. Nature Genetics 50, 1062-1063;国際PCT出願公開WO2015116837号;米国特許出願公開第20170121767号を参照されたい)。本明細書に記載の方法およびキットを、がんを有する対象およびがんを有さない対象における、例えば無細胞DNAのメチル化レベルを検出するために使用することができる(例えば、Vidal et al. A DNA methylation map of human cancer at single base-pair resolution. Oncogenomics 36, 5648-5657;国際PCT出願公開WO2014043763号を参照されたい)。本明細書に記載の方法およびキットを、メチル化レベルを決定するため、または無細胞DNA混合物への異なる組織のわずかな寄与を決定するために使用することができる(例えば、国際PCT出願公開WO2016008451号を参照されたい)。本明細書に記載の方法およびキットを、例えば血漿中の無細胞DNAの起源組織に関して、例えば、メチル化ハプロタイプのパターンおよび存在量を比較することに基づいて使用することができる(例えば、Tang et al., (2018) Tumor origin detection with tissue-specific miRNA and DNA methylation markers. Bioinformatics 34, 398-406;国際PCT出願公開WO2018119216号を参照されたい)。本明細書に記載の方法およびキットを、がん細胞を正常な細胞と区別するため、および異なるがんの型をそれらの起源組織に従って分類するために使用することができる(例えば、米国特許出願公開第20170175205号A1を参照されたい)。本明細書に提示される方法およびキットを、母体試料を使用して胎児のDNAまたは胎児の異常を検出するために使用することができる(例えば、Poon et al. (2002) Differential DNA Methylation between Fetus and Mother as a Strategy for Detecting Fetal DNA in Maternal Plasma. Clinical Chemistry, 48: 35-41を参照されたい)。
【0147】
開示されている方法を、状態をモニタリングするために使用することができる。状態は、疾患であり得る。疾患は、がん、神経疾患(例えば、アルツハイマー病)、免疫不全、皮膚疾患、自己免疫疾患(例えば、眼のベーチェット病)、感染(例えば、ウイルス感染)、または代謝性疾患であり得る。がんは、寛解したものであり得る。開示されている方法では、cfDNAおよびctDNAを使用して低レベルの異常を検出することができるので、本開示により、疾患をモニタリングする比較的非侵襲的な方法を提供することができる。開示されている方法を、処置または治療をモニタリングために使用することができる。処置または治療は、状態、例えば疾患、例えばがんに対して、または本明細書に開示される任意の状態に対して使用することができる。
本明細書に記載の方法は、バイサルファイト変換および増幅の前に、cfDNAからの直接的な標的分子の富化を可能にし得る。方法は、所与の疾患に対する1~約1000のマーカーのメチル化状態を調べる小さな集中的なパネルの開発も可能にし得る。一部の場合では、キットは、所与の疾患のための1~約10000の差次的にメチル化された領域のメチル化状態を調べるパネルのために作製され得る。
【実施例
【0148】
(実施例1)
相乗的な間接的ハイブリダイゼーションによる捕捉
配列決定のための核酸の相乗的な間接的捕捉(SICON-SEQ)実験を、異なる配列を有する2つの架橋プローブおよびアダプターアンカープローブ/汎用アンカープローブ(UP、配列番号1)を用いて行った。2つの架橋プローブ(EGFR-BP2、配列番号2、およびEGFR-BP3、配列番号3)を、EGFRゲノム配列を標的にするように設計した。各架橋プローブは、約25bpの標的化配列(TS1またはTS2)領域、少なくとも15個のチミンを含むリンカー、およびアダプターアンカープローブ上の架橋結合配列に相補的になるように設計した20bpを有するランディング配列(LS1またはLS1、イタリック体)を含んだ。アダプターアンカープローブは、架橋プローブのランディング配列のいずれかにハイブリダイズするように設計した2つの架橋結合配列(BBS1またはBBS2)を含んだ。アダプターアンカープローブは、核酸配列の5’でさらにビオチン化された。図4は、相乗的な間接的ハイブリダイゼーションの概略図を提示する。
【表1】
【0149】
ハイブリダイゼーション捕捉のために、20ngの断片化(ピークサイズ160bp)gDNAを、EGFRに対する2つの架橋プローブ(それぞれ1fmole)ならびに1つの汎用アンカープローブ(200fmole)を20μlの最終溶液体積で混合した。DNAインプットおよびハイブリダイゼーションプローブをハイブリダイゼーションバッファー中、95℃で30分間変性させ、65℃まで徐々に冷やした。ハイブリダイゼーション複合体をサーモサイクラーにおいて65℃で1時間インキュベートした。最終のハイブリダイゼーションバッファーは、100ng/μlのブロッキングDNA、1μg/μlのウシ血清アルブミン(BSA)、1μg/μlのフィコール、1μg/μlのポリビニルピロリドン(PVP)、0.075Mのクエン酸ナトリウム、0.75MのNaCl、5×SSC、および1×デンハート液を含んだ。
【0150】
捕捉/クリーンアップのために、ハイブリダイゼーションアセンブリを、ストレプトアビジンビーズ(Thermo Fisher Dynabeads M270 Streptavidin)と一緒に室温で10分間インキュベートした。3回の洗浄(洗浄1:5×SSPE、1%SDS;洗浄2:2×SSPE、0.1%SDS;洗浄3:0.1×SSPE、0.01%トリトン)を用いてクリーンアップを実行した。
【0151】
富化されたDNAを、EGFR標的化配列に対するプライマー(配列番号4および5)を使用するqPCRによって評価した。捕捉されたEGFR DNAに対するqPCRの結果を、捕捉富化なしのgDNAの同じ部分と比較した。65%~90%超のEGFRを回収した。
【0152】
(実施例2)
異なるハイブリダイゼーションスキームによる捕捉
種々のハイブリダイゼーションシステムの捕捉性能を決定するために、4種類のハイブリダイゼーションスキームを試験した:非相乗的なハイブリダイゼーション、直接的(図5A)、相乗的な直接的ハイブリダイゼーション(図5B)、相乗的な間接的ハイブリダイゼーション(図5C)、および非相乗的な間接的ハイブリダイゼーション(図5D)。
【0153】
非相乗的な直接的方法は、標的特異的配列を含むビオチン化捕捉プローブ(120bp、配列番号6)のハイブリダイゼーションを含んだ(斜線、図5A)。相乗的な直接的方法は、4つの短いビオチン化捕捉プローブ(配列番号7~10)のハイブリダイゼーションを含み、25bpの標的特異的配列をそれぞれ含有した(斜線、図5B)。相乗的な間接的方法は、ビオチンなしの4つの短い架橋プローブ(配列番号12~15)を利用し(図5C)、相乗的な直接的方法に使用した捕捉プローブの1つと同じ標的特異的配列をそれぞれ含んだ。架橋プローブ(BP)のそれぞれは、汎用アンカープローブ(配列番号11)における架橋結合配列の1つに相補的になるように設計した2つの異なるランディング配列(点線および縦斜線)の1つを含んだ。非相乗的であるが間接的な方法(図5D)を、相乗的な直接的ハイブリダイゼーションに使用したものと同じ汎用アンカープローブと対をなす短い架橋プローブ(配列番号16)を使用することによって試験した。実験に使用した捕捉プローブまたは汎用アンカープローブ(UP)は5’末端でビオチン化された。
【表2-1】
【表2-2】
【0154】
ハイブリダイゼーション反応の前に、10ngのcfDNAを使用して、添付されたプロトコール中のステップに従うことによりNEBNext Ultra II DNAライブラリー調製キットを使用して、NGSライブラリーを構築した。ライブラリー構築後、ハイブリダイゼーションに基づく捕捉を、ビーズ精製なしでライゲーションミックスを用いて直接的に実行して、ライブラリーを富化させた。次いで、富化されたライブラリーをqPCR分析に供した。
【0155】
捕捉効率を、捕捉前および後のEGFRの存在のパーセンテージを比較することによって評価した。捕捉後のctを、2.5ngのヒトgDNAライブラリー(捕捉インプットの適切な画分)と比較した。捕捉有効性PCRを、EGFRに対して設計したプライマー(配列番号17)およびNGSアダプターP7配列(配列番号18)を使用することによって実行した。バックグラウンド(総DNA存在)を、全てのDNAライブラリーを増幅することができるプライマー(配列番号18、19)を使用したqPCRによって評価した。全てのバックグラウンドデルタctを、「C」プローブ設計から得られた平均CTに対して正規化した。
【0156】
間接的な相乗的ハイブリダイゼーション捕捉は、非相乗的方法および直接的方法のいずれかよりも優れたハイブリダイゼーションの感度および特異度を実証した(表3)。相乗的な間接的プローブ設計は、最高の捕捉効率(平均で約91%)および最低のバックグラウンドノイズを実証した。非相乗的な直接的ハイブリダイゼーションは、はるかに高い(300×)架橋プローブ濃度で、なし~14.87%の回収を示したが、バックグラウンドの200倍より高い増加を示した。ハイブリダイゼーション温度を下げることは、捕捉効率に役立たなかったが、代わりにバックグラウンドノイズが劇的な増加した。相乗的であるが間接的でない設計について、架橋プローブ濃度の増加とハイブリダイゼーションの低下はどちらも捕捉効率に役立たなかった。間接的な非相乗的方法について、捕捉富化は検出されなかった。
【表3】
【0157】
(実施例3)
スペーサーありまたはなしの汎用アンカープローブによる間接的捕捉
汎用アンカープローブ(UP)上の2つまたはそれよりも多くの架橋結合配列の中間のスペーサーの存在が間接的な相乗的ハイブリダイゼーション捕捉の捕捉性能に影響を及ぼすかを確かめるために研究を実行した。同じ架橋プローブを両方の場合に使用した。
【0158】
表4は、使用した架橋プローブおよびUPの配列を列挙する。図6Aは、スペーサーありのUPを使用した相乗的な間接的ハイブリダイゼーションの概略図を示す。図6Bは、スペーサーなしのUPを使用した相乗的な間接的ハイブリダイゼーションを示す。
【表4-1】
【表4-2】
【0159】
捕捉効率およびバックグラウンドノイズを、いずれかのハイブリダイゼーション捕捉について決定した。バックグラウンドノイズを、qPCRの結果を平均バックグラウンドシグナルに対して正規化することによって算出した。捕捉効率は、スペーサーの存在によって大きく影響を受けなかったが、スペーサーなしの捕捉ハイブリダイゼーションのバックグラウンドノイズは、スペーサーありの捕捉よりも約100倍高かった(表5)。したがって、汎用アンカープローブ内のスペーサーは、高い特異的(低バックグラウンド)捕捉を可能にするのに重要な役割を果たしたことを示唆する。
【表5】
【0160】
(実施例4)
相乗的な間接的捕捉法を使用したNGS測定基準の決定
3、15および76標的パネルを使用した次世代シーケンシング(NGS)の測定基準を決定した。マップ化率を、ヒトゲノムに整列された配列決定リードのパーセンテージとして算出した。3、15および76標的パネルについてのマップ化率は、それぞれ、97%、94%、95%であった(表6)。オンターゲット率を、捕捉プローブおよび100bpの隣接によってカバーされた領域にわたって重複除外されたマップ化リードを使用して算出した。3、15および76標的などの小さなパネルのために、従来のハイブリダイゼーションに基づくDNA富化は実行可能ではなかった。しかし、研究は、50kb超を有する標準的な標的パネルと比較して、15および76標的パネルについて同等の高さの83.6%および85.3%のオンターゲット率を示した。
【0161】
さらに、パネルについての均一性は高かった(位置の>99%が平均カバレッジの0.2×よりも高いリードを有し、95%超が0.5×カバレッジを有していた)。0.2または0.5×カバレッジは、3つの標的を有するマイクロパネルに対して好適ではなかった。15標的パネルの高い均一性も、GC含有量が高い領域の均一なカバレッジを反映した(図7)。80%のGC含有量の領域のカバレッジは、平均カバレッジの0.5×よりも高かった。
【表6】
【0162】
(実施例5)
相乗的な間接的捕捉法を使用したヒトSNPのNGS測定基準の決定
相乗的な間接的ハイブリダイゼーションアッセイを、76のヒトID一塩基多型(SNP)をカバーするように実行した。増殖前ハイブリダイゼーションを、20ngのヒト無細胞DNA(cfDNA)において実行した。結果を、市販のIDT xGenハイブリダイゼーションおよび洗浄キットを使用した増幅後ハイブリダイゼーションの結果と比較した。同じ76IDのSNPをカバーするxGenヒトIDリサーチパネルV1.0を捕捉のために使用した。xGenヒトIDパネルを使用して、商業的プロトコールに従って20ngのcfDNAをオリジナルインプットとして使用することによって構築されたNGSライブラリーにおいてハイブリダイゼーションに基づく捕捉を実行した。
【0163】
76標的パネルを使用した次世代シーケンシング(NGS)の測定基準を決定した(表7)。増幅後捕捉の標的率は、30.7%のオンターゲット率と低かった。対照的に、同じゲノム領域をカバーするSICON-MASパネルのオンターゲット率は88%であった。
【表7】
【0164】
(実施例6)
SICON-SEQと増幅後法との比較
配列決定のための核酸の相乗的な間接的捕捉(SICON-SEQ)を、1時間のみの増幅前捕捉で、cfDNAインプット10ngからの1M リードに対して>80%のオンターゲット率を提供する76のヒト遺伝子標的のパネルについて実行した。company「I」キットを用いる増幅後捕捉を同じパネルに対して使用して、16時間の増幅後捕捉で、二倍の量のインプット(cfDNA 20ng)からの1Mのリードに対するわずか6~30%のオンターゲット率を得た。company Iキットを使用した増幅前捕捉を実行したが、結果は少しも得られなかった。
【0165】
図8A~8Bは、異なるパーセンテージのGC含有量の領域に対する、SICON-SEQおよびIDT xGENハイブリダイゼーションおよび洗浄キットによるカバレッジを示す。低GC含有量(<30%)~高GC含有量(>50%)の領域からのカバレッジは、SICON-SEQアッセイについて非常に均一であった(図8A)。ライブラリー富化を生じなかったIDT xGENキットを使用した捕捉プロトコールについて(図8B)、CG含有量が異なる領域のカバレッジは体系的に偏りがあった。
【0166】
(実施例7)
SICON-TMSによるメチル化アッセイ
図2Aおよび2Bに例示される通りに、SICON標的メチル化シーケンシング(SICON-TMS)アッセイを実行した。試料cfDNAを、異なる非がん性個体由来の3~5mlの血漿から抽出し、120の異なる差次的メチル化領域(DMR)について調べた。リードアウトは、1ngという低いcfDNAインプットでさえ、インプットとのほぼ直線(R=0.9474)関係を示した(図9)。
【0167】
(実施例8)
SICON-TMSによるcfDNA中のメチル化DNAの検出
SICON-TMSアッセイを実施して、60の異なる差次的メチル化領域(DMR)を調べた。
【0168】
NEBNext Ultra IIキットのマニュアルに従うことによって、cfDNAを使用して、新世代シーケンシング(NGS)ライブラリーを最初に構築した。ライブラリーDNA(0.01%、0.1%、1%、10%または100%の比でスパイクインメチル化DNAを有するcfDNA)をハイブリダイゼーション捕捉のためにインプットした。増幅なしの20ngのDNAをプローブと混合し、ライブラリー/プローブ混合物をハイブリダイゼーションバッファー中、95℃で30分間変性させた。混合物を60℃まで徐々に冷やした。ハイブリダイゼーション混合物をサーモサイクラーにおいて60℃で1時間インキュベートした。最終のハイブリダイゼーションバッファーは、100ng/μlのサケ精子DNA、1μg/μlのウシ血清アルブミン(BSA)、1μg/μlのフィコール、1μg/μlのポリビニルピロリドン(PVP)、0.075Mのクエン酸ナトリウム、0.75MのNaCl、5×SSC、および1×デンハート液を含有した。
【0169】
クリーンアップのために、捕捉されたアセンブリを、ストレプトアビジンビーズ(Thermo Fisher Dynabeads M270 Streptavidin)と一緒に室温で10分間インキュベートし、続いて3回洗浄した(洗浄1:5×SSPE、1%SDS;洗浄2:2×SSPE、0.1%;洗浄3:0.1×SSPE、0.01%トリトン)。クリーンアップアセンブリをメチル化分析のためにバイサルファイトで処理した。
【0170】
図10は、予測されるスパイクインと測定値との間の関係を示す。SICON-TMSアッセイは、分析感度および0.01%のメチル化まで直線性を実証した。メチル化パーセンテージは、Rが0.99で予測値と高度に相関し、アッセイの高い精度を示した。
【0171】
(実施例9)
SICON-TMSによるcfDNAにおけるがんメチル化パターンの検出
正常な結腸組織および結腸がん組織由来の試料、ならびに健康な個体および結腸がん患者由来の血漿cfDNAの試料をバイサルファイト処理し、配列決定した。配列決定リードを、重複排除されるそれぞれの差次的にメチル化された領域(DMR)にマッピングした。得られるリードのそれぞれは、アッセイによって捕捉された固有のDNA分子からのCpGメチル化情報を含有した。次いで、2つの測定基準を各リードについて算出した:
1)N:リード内のCpGの総数;
2)M:リード内のメチル化CpGの数。
1)および2)から、第3の測定基準を、
3)f=M/N、現在のリード内でメチル化されるCpGの割合
として算出した。
【0172】
結果を各DMRについてf(y軸)対N(x軸)を示す散布図として示し、DMRの全てのリードをプロット内のドットとして示す。図11は、正常な結腸組織(図11A)および結腸がん組織のゲノムDNA(図11B)内のDMR1の分子メチル化分散パターンを示す。これは、正常結腸組織中に過剰メチル化DNA分子が存在せず、結腸がん組織中に多量の過剰メチル化分子が存在するDMRを実証する。
【0173】
図12Aおよび12Bは、正常な結腸組織および結腸がん組織のゲノムDNA内のDMR2の分子メチル化分散パターンをそれぞれ示す。これらの図は、正常結腸組織中に一部の過剰メチル化DNA分子が存在し、結腸がん組織中に多量の過剰メチル化分子が存在するDMRを実証する。
【0174】
図13Aおよび13Bは、健康な個体の血漿cfDNAおよび結腸がん患者の血漿cfDNA内のDMR1およびDMR2の分子メチル化分散パターンをそれぞれ示す。各DMRからの図13Bの上部分に例示される過剰メチル化分子のカウントは、リキッドバイオプシーからの疾患検出のための基準として使用され得る。
【0175】
(実施例10)
SICON-TMSによるcfDNA中のがんメチル化パターンの検出
100のメチル化マーカーをカバーするPoint-n-Seq結腸直腸がん(CRC)パネルを3ステップで設計した。最初に、およそ1000のCRC特異的マーカーを公開データベースから同定した。2番目に、健康な集団のベースラインcfDNA内で高いバックグラウンドシグナルを有するマーカーを除外した。最後に、リストを、患者と健康なcfDNAとの間で最も識別されるマーカーを含有するように完結させた。SICON CRCパネルの捕捉は、非常に効率的で、高い均一性(94%>0.5×、100%>0.2×)およびオンターゲット率(>80%)をもたらした。20ngのcfDNAインプットについて、高いGC含有量(>80%)にもかかわらず、1000超の重複排除された情報提供リードが平均で各マーカーに対して得られた。情報提供リードのアウトプットは、1ng~40ngの範囲でcfDNAインプットに対して線形であった。用量設定研究では、cfDNA 20ng中の0.6pg(0.2×ゲノム当量)のメチル化DNA(0.003%)は、cfDNAバックグラウンドを超えて確実に検出された。結腸直腸腺癌-早期(I、n=7;II、n=7)、末期(III、n=11;IV、n=3)を有する患者、および対照個体(n=105)由来の血漿試料を使用したパイロット臨床研究では、メチル化シグナルの平均割合は、その結果、対照、ステージI、II、III、IVについて、0.0034%、0.013%、0.09%、0.17%、0.29%であった。ステージI試料のメチル化割合は、対照群と有意差があった(P<0.001)。メチル化割合を使用する単純なカットオフにより、Point-n-Seq CRCパネルは、AUC=0.96で、91%の特異性で、ステージIについて86%、ステージII~IVについて100%の感度を達成した。
【0176】
(実施例11)
CRC血漿試料におけるPoint-n-Seq SNV+メチル二重捕捉分析
遺伝子変化およびエピジェネティック変化を、末期CRC患者由来の血漿試料(1ml)における統合Point-n-Seqアッセイによって検出した。メチル化マーカーおよび22の遺伝子からの350より多くのホットスポット変異をカバーするPoint-n-Seq結腸直腸がん(CRC)パネルを設計した。
【0177】
標的富化の2回の逐次的ラウンドを、メチル化マーカーパネルおよび変異ホットスポットパネルを使用して、本明細書に記載される通り、相乗的な間接的ハイブリダイゼーション捕捉によって実施した。簡潔には、20μLの各cfDNA試料をPCR管に添加した。20μL未満のDNA体積については、IDTEまたはバッファーEBを20μLの最終体積まで添加した。各試料について、2.8μLの最終調製バッファーおよび1.2μLの最終調製酵素を添加した。管を、穏やかにボルテックスして十分に混合し、次いで簡潔に遠心分離した。管を、20℃の温度で30分間、続いて65℃で30分間、加熱蓋を有するサーマルサイクラーにおいて処理した。この2.5μLのアダプター溶液を添加し、13μLのライゲーションミックスを添加した後、混合物を20℃で30分間インキュベートした。
【0178】
試料結合ビーズを室温で少なくとも15分間平衡化し、ボルテックスして再懸濁させた。48μL(約1.2×体積)のライブラリー結合ビーズを、39.5μLのライゲーション反応物に添加した。これらを、少なくとも10回のピペッティングによって完全に混合し、簡潔に遠心分離した。混合物を室温で10分間インキュベートし、少なくとも2分間、または溶液が澄明になるまで、磁石上に置いた。上清を除去し、廃棄した。磁石上で、150μLの試料洗浄バッファーを、ビーズを妨げることなくビーズに添加し、2分間インキュベートし、上清を廃棄した。
【0179】
標的捕捉のために、変異捕捉パネルおよびプローブ結合混合物を含有するハイブリダイゼーション混合物を、添加し、穏やかにボルテックスすることまたは軽くはじくことによって十分に混合した。混合物を98℃に2分間加熱し、次いで、2.5℃/秒の速度で60℃に低下させ、60℃で60分間インキュベートした。60分のハイブリダイゼーション後、試料を磁石上に30秒間置き、上清を注意深くラベル付けした管に移し、第2のハイブリダイゼーションステップのために保存した。ビーズを3回洗浄し、再懸濁させ、DNAをビーズ上で増幅させた。
【0180】
上記から保存した上清を、TMS捕捉パネルを含有するハイブリダイゼーション混合物と混合し、捕捉ハイブリダイゼーションを、変異捕捉パネルに関して実施した。捕捉されたTMS DNAを二硫化物処理し、修復し、ビーズから溶出させ、続いてインデックスPCRを行った。両方の増幅されたDNA試料を配列決定のために調製し、Illuminaプラットフォームにおいて配列決定した。
【0181】
図14は逐次的標的富化を例示する。表8は、DNAインプット量、およびメチル化シグナルの割合、および各患者試料についての変異体シグナルの割合を列挙する。検出された変異の詳細を図15に示す。表8によって示される通り、Point-n-Seq CRC変異の捕捉およびメチル化パネルは、幅広い範囲のDNAの出発量からの過剰メチル化および変異の検出を高効率でもたらした。さらに、CRC患者由来の血漿cfDNAを使用したメチル化および変異の複合分析は、メチル化状態からの一致した腫瘍内容物の推定、およびドライバー変異対立遺伝子の頻度を示した。
【0182】
【表8】
【0183】
(実施例12)
二重分析からのメチル化シグナルはスタンドアロンメチル化(TMS)分析と同等である
逐次的標的富化方法に由来するメチル化シグナルを評価するために、用量設定実験を、対照cfDNAにスパイクした細胞系HCT116からのgDNAを用いて実施した。HCT116 gDNAを、0.001%~10%の範囲の濃度でスパイクした。図14に概説される通り、同じDNAインプットを、TMS分析単独、または逐次的SICONによる変異-TMS二重分析に供し、ここで、変異分析のための富化ステップを最初に実行し、TMS分析のための富化ステップを2番目に実施した。図16に示されている通り、スタンドアロンおよび二重分析からのメチル化スコアは同等であり、メチル化アッセイの感度が逐次的捕捉二重分析における第2の捕捉につれて損なわれなかったことを示した。図17は、第2の捕捉TMS回収(差次的にメチル化された領域(DMR)あたりの配列決定からの情報提供分子カウント)が第1の捕捉TMSの約85%であることを示す。
【0184】
(実施例13)
腫瘍の情報に基づく個別化パネル分析
CRC腫瘍gDNAを全エクソン配列決定に供し、114の一塩基バリアントを選択して、個別化パネルを作製した。CRC腫瘍gRNAを、0.001%、0.003%、0.01%、0.03%、および0.1%の濃度で用量設定実験において対照cfDNAに添加した。図18に示されている通り、0.003%で添加された試料は、0%から区別することができ、特定の個別化ハイブリダイゼーションに基づくアッセイについて、0.003%の検出限界を示唆した。より大きなパネルがより低い検出限界をもたらすであろうことが予測される。
【0185】
本発明の好ましい実施形態が本明細書において示され、記載されているが、そのような実施形態は単に例として提供されていることは当業者には明白である。当業者には、本発明から逸脱することなく多数の変形、変化および置換をすぐに想起される。本明細書に記載の発明の実施形態に対する種々の代替を本発明の実施に用いることができることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲により本発明の範囲が定義されること、ならびに、それにより、これらの特許請求の範囲内に入る方法および構造ならびにそれらの等価物が網羅されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【配列表】
2023512522000001.app
【国際調査報告】