(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】イオンインターフェース並びにそれらを使用するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01J 49/06 20060101AFI20230317BHJP
H01J 49/02 20060101ALI20230317BHJP
H01J 49/40 20060101ALI20230317BHJP
H01J 49/42 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
H01J49/06 700
H01J49/02 200
H01J49/06 800
H01J49/06 200
H01J49/40
H01J49/42 150
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547300
(86)(22)【出願日】2021-02-03
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 IB2021050868
(87)【国際公開番号】W WO2021156762
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518410032
【氏名又は名称】パーキンエルマー・ヘルス・サイエンシーズ・カナダ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PERKINELMER HEALTH SCIENCES CANADA, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バディエイ,ハミド
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】サウチェンコ,セルゲイ
(72)【発明者】
【氏名】イカシアノ,アンドリュー
(57)【要約】
より高い感度の改善されたイオン透過及び複数の動作モードを提供することができるイオンインターフェースの特定の実施形態について説明する。いくつかの構成では、イオンインターフェースは、各々が非ゼロ電圧を受け取ることができる第1の要素及び第2の要素を備えることができる。1つの構成では、第1の要素は、ハイパースキマコーンとすることができ、第2の要素は、シリンドリカルレンズとすることができる。インターフェースを使用するシステム及び方法も記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオンインターフェースであって、
第1のオリフィスを備える第1の要素であり、イオン化源からイオンを受け取り、受け取った前記イオンを前記第1のオリフィスの下流の第1の領域に提供するように構成されている、第1の要素と、
第2のオリフィスを備える第2の要素であり、前記第1の領域内の前記イオンを受け取り、受け取った前記イオンを前記第2のオリフィスの下流の第2の領域に提供するように構成されている、第2の要素と、
第3のオリフィスを備える第3の要素であり、前記第2の領域内の前記イオンを受け取り、受け取った前記イオンを前記第3のオリフィスの下流の第3の領域に提供するように構成されており、前記第3の要素は、第1の非ゼロ電圧を受け取るように構成されている、第3の要素と、
第1の開口を備える第4の要素であり、前記第3の領域内のイオンを受け取り、受け取った前記イオンを、下流構成要素に提供する前に集束させるように構成されており、前記第4の要素は、第2の非ゼロ電圧を受け取るように構成されている、第4の要素と
を備える、イオンインターフェース。
【請求項2】
前記第1の要素、前記第2の要素、及び前記第3の要素の各々は、円錐形本体を備える、請求項1に記載のイオンインターフェース。
【請求項3】
前記第4の要素がレンズとして構成されている、請求項1に記載のイオンインターフェース。
【請求項4】
前記レンズは、前記第3の要素のすぐ下流に位置付けられたリングレンズであり、前記リングレンズの前記第1の開口の内径は、前記第3の要素の外径以上である、請求項3に記載のイオンインターフェース。
【請求項5】
前記リングレンズ及び前記第3の要素を保持するように構成されている非導電性ホルダを備える、請求項4に記載のイオンインターフェース。
【請求項6】
前記第1の非ゼロ電圧は正電圧であり、前記第2の非ゼロ電圧は負電圧である、請求項1に記載のイオンインターフェース。
【請求項7】
前記正電圧は0より大きく約+30ボルト未満であり、前記負電圧は0より小さく約-300ボルトより大きい、請求項6に記載のイオンインターフェース。
【請求項8】
前記第1の非ゼロ電圧は0未満であり、
前記第2の非ゼロ電圧は0未満であり、
前記第2の非ゼロ電圧は前記第1の非ゼロ電圧未満である、請求項1に記載のイオンインターフェース。
【請求項9】
前記第1の非ゼロ電圧は0より大きく、
前記第2の非ゼロ電圧は0より大きく、
前記第1の非ゼロ電圧は前記第2の非ゼロ電圧未満である、請求項1に記載のイオンインターフェース。
【請求項10】
前記第3の要素及び前記第4の要素は、前記イオンインターフェースを備えるシステムの動作中に前記第1の非ゼロ電圧及び前記第2の非ゼロ電圧を変更するように、各々独立して制御可能である、請求項1に記載のイオンインターフェース。
【請求項11】
前記第1の要素は、前記第1のオリフィスを備える第1のコーンを含み、前記第2の要素は、前記第2のオリフィスを備える第2のコーンを含み、前記第3の要素は、前記第3のオリフィスを備える第3のコーンを含み、前記第3のコーンのコーン開口角は、前記第2のコーンのコーン開口角より小さく、前記第4の要素はリングレンズを含み、前記リングレンズの内径は、前記第3のコーンの外径以上である、請求項1に記載のイオンインターフェース。
【請求項12】
前記第1の要素及び前記第2の要素の少なくとも一方は、グランドに電気的に結合するように構成されている、請求項1に記載のイオンインターフェース。
【請求項13】
質量分析計であって、
イオン化源と、
前記イオン化源に流体的に結合されている、請求項1に記載のイオンインターフェースと、
前記イオンインターフェースに流体的に結合されている質量分析器と
を備える、質量分析計。
【請求項14】
前記質量分析器と前記イオンインターフェースとの間のイオンガイドをさらに備える、請求項13に記載の質量分析計。
【請求項15】
前記イオンガイドは、前記イオンインターフェースの前記第4の要素のすぐ下流に位置付けられている、請求項14に記載の質量分析計。
【請求項16】
質量分析計インターフェースを通じてイオン化源から質量分析計構成要素にイオンを提供する方法であって、
前記質量分析計インターフェースのグランドに電気的に結合されている第1の要素の第1のオリフィスを通じて、イオン化源から第1の真空領域にイオンを提供することと、
前記質量分析計インターフェースのグランドに電気的に結合されている第2の要素の第2のオリフィスを通じて前記第1の真空領域内のイオンを第2の真空領域に提供することであり、前記第2の真空領域の圧力は前記第1の真空領域の圧力より低い、前記第1の真空領域内のイオンを提供することと、
前記質量分析計インターフェースの第3の要素の第3のオリフィスを通じて前記第2の真空領域内のイオンを第3の真空領域に提供することであり、前記第3の真空領域の圧力は前記第2の真空領域の圧力より低く、前記第3の要素は第1の非ゼロ電圧を含む、前記第2の真空領域内のイオンを提供することと、
第4の要素を通じて前記第3の真空領域内のイオンを前記質量分析計構成要素に提供することであり、前記第4の要素は第2の非ゼロ電圧を含み、提供された前記イオンを、前記質量分析計構成要素に提供する前に集束させるように構成されている、前記第3の真空領域内のイオンを提供することと
を含む、方法。
【請求項17】
前記第4の要素は、前記第3の要素の外径以上の内径を有するサイズ及び配置構成にされている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第3の要素に正電圧を印加することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第4の要素に負電圧を印加することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の非非ゼロ電圧を前記第4の要素に印加して、変曲点を有する電場を提供することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2020年2月4日に出願された米国仮特許出願第62/969,924号及び2020年3月31日に出願された米国特許出願第16/836,708号に関連し、それらに対する優先権及びそれらの利益を主張し、それらの各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本明細書に記載の特定の態様及び実施形態は、イオンインターフェースに関する。いくつかの構成では、イオンインターフェースは、被分析イオンを含むイオンビームをサンプリングし、イオンを、下流構成要素に提供する前に集束させることができる2つ以上の要素を備える質量分析計インターフェースとして構成されてもよい。
【背景技術】
【0003】
背景
イオン及びイオンビームは、分析試料の元素分析中に生成されることが多い。イオン及びイオンビームは、材料の製造並びに材料の処理及び加工にも使用することができる。
【0004】
概要
一態様では、イオンインターフェースが提供される。いくつかの構成では、イオンインターフェースは質量分析計に存在することができ、質量分析計インターフェースとして参照される場合がある。特定の実施形態では、イオンインターフェースは、イオン化源からイオンを受け取り、受け取ったイオンを第1のオリフィスの下流の第1の領域に提供するように構成されている第1のオリフィスを備える第1の要素を備える。イオンインターフェースはまた、第1の領域内のイオンを受け取り、受け取ったイオンを第2のオリフィスの下流の第2の領域に提供するように構成されている第2のオリフィスを備える第2の要素も備えることができる。イオンインターフェースは、第2の領域内のイオンを受け取り、受け取ったイオンを第3のオリフィスの下流の第3の領域に提供するように構成されている第3のオリフィスを備える第3の要素をさらに備えることができ、第3の要素は、第1の非ゼロ電圧を受け取るように構成されている。イオンインターフェースは、第3の領域内のイオンを受け取り、受け取ったイオンを、下流構成要素に提供する前に集束させるように構成されている第1の開口を備える第4の要素をさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、第4の要素は、第2の非ゼロ電圧を受け取るように構成されている。
【0005】
特定の実施形態では、第1の要素、第2の要素、及び第3の要素の各々は、円錐形本体を備える。他の実施形態では、第4の要素は、例えばシリンドリカルレンズ、例えばリングレンズなどのレンズとして構成されている。いくつかの例では、リングレンズは、第3の要素のすぐ下流に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、レンズの第1の開口の内径は、第3の要素の外径以上である。特定の例では、イオンインターフェースは、第4の要素、例えばリングレンズなどのレンズ、及び第3の要素を保持するように構成されている非導電性ホルダを備えてもよい。他の実施形態では、第1の非ゼロ電圧は正電圧であり、第2の非ゼロ電圧は負電圧である。いくつかの例では、正電圧は0より大きく約+30ボルト未満であり、負電圧は0より小さく約-300ボルトより大きい。他の構成では、第1の非ゼロ電圧は0未満であり、第2の非ゼロ電圧は0未満であり、第2の非ゼロ電圧は第1の非ゼロ電圧未満である。追加の構成では、第1の非ゼロ電圧は0より大きく、第2の非ゼロ電圧は0より大きく、第1の非ゼロ電圧は第2の非ゼロ電圧より小さい。
【0006】
いくつかの実施形態では、第3の要素及び第4の要素は、イオンインターフェースを備えるシステムの動作中に第1の非ゼロ電圧及び第2の非ゼロ電圧を変更するように、各々独立して制御可能である。
【0007】
特定の実施形態では、第1の要素は、第1のオリフィスを備える第1のコーンを含み、第2の要素は、第2のオリフィスを備える第2のコーンを含み、第3の要素は、第3のオリフィスを備える第3のコーンを含む。いくつかの例では、第3のコーンのコーン開口角は、第2のコーンのコーン開口角より小さい。他の構成では、第4の要素はリングレンズを含み、リングレンズの内径は、第3のコーンの外径以上とすることができる。
【0008】
いくつかの構成では、第1の要素及び第2の要素の少なくとも一方は、グランドに電気的に結合するように構成されている。所望に応じて、第1の要素及び第2の要素の各々は、グランドに電気的に結合するように構成されている。
【0009】
他の構成では、第1の領域は、大気圧より低い第1の圧力を含むように構成されている。追加の構成では、第2の領域は、第1の圧力より低い第2の圧力を含むように構成されている。いくつかの実施形態では、第3の領域は、第2の圧力より低い第3の圧力を含むように構成されている。
【0010】
特定の構成では、第2の非ゼロ電圧は、下流構成要素の上流の領域に変曲点を含む電場を提供する。
【0011】
いくつかの実施形態では、イオンインターフェースは、第3の要素及び第4の要素を受け入れるように構成されている非導電性ホルダを備える。
【0012】
特定の実施形態では、第1の要素、第2の要素及び第3の要素の各々はニッケルを含む。
【0013】
他の実施形態では、第4の要素は、2.5未満の開口対長さ比を含む。
追加の実施形態では、第3の要素及び第4の要素は、単一の電圧源に電気的に結合するように構成されている。
【0014】
別の態様では、イオンインターフェースは、第1の要素、第2の要素、第3の要素、及び第4の要素を備え、第1の要素、第2の要素、第3の要素、及びレンズは、変曲点を含む電場を提供するように構成されている。
【0015】
いくつかの構成では、第1の要素は、イオン化源からイオンを受け取り、受け取ったイオンを第1のオリフィスの下流の第1の領域に提供するように構成されている第1のオリフィスを備える。
【0016】
特定の構成では、第2の要素は、第1の領域内のイオンを受け取り、受け取ったイオンを第2のオリフィスの下流の第2の領域に提供するように構成されている第2のオリフィスを備える。
【0017】
他の構成では、第3の要素は、第2の領域内のイオンを受け取り、受け取ったイオンを第3のオリフィスの下流の第3の領域に提供するように構成されている第3のオリフィスを備える。
【0018】
特定の実施形態では、第4の要素は、第3の領域内のイオンを受け取り、受け取ったイオンを下流構成要素に提供するように構成されている第1の開口を備える。
【0019】
いくつかの構成では、第1の要素、第2の要素、及び第3の要素の各々は、円錐形本体を備える。
【0020】
特定の構成では、第4の要素は、例えばシリンドリカルレンズ、例えばリングレンズなどのレンズとして構成されている。いくつかの例では、リングレンズは、第3の要素のすぐ下流に位置付けられる。他の例は、リングレンズの第1の開口の内径は、第3の要素の外径以上である。
【0021】
特定の実施形態では、イオンインターフェースは、リングレンズ及び第3の要素を保持するように構成されている非導電性ホルダを備える。
【0022】
いくつかの例では、第3の要素は、第1の非ゼロ電圧を受け取るように構成されている。他の例では、第4の要素は、第2の非ゼロ電圧を受け取るように構成されている。いくつかの構成では、第1の非ゼロ電圧は、0ボルトより大きく約+30ボルトまでの正電圧であり、第2の電圧は、0ボルトより小さく約-300ボルトまでの負電圧である。他の例では、第1の非ゼロ電圧は0未満であり、第2の非ゼロ電圧は0未満であり、第2の非ゼロ電圧は第1の非ゼロ電圧未満である。いくつかの実施形態では、第1の非ゼロ電圧は0より大きく、第2の非ゼロ電圧は0より大きく、第1の非ゼロ電圧は第2の非ゼロ電圧より小さい。特定の例では、第3の要素及び第4の要素は、イオンインターフェースを備えるシステムの動作中に第1の非ゼロ電圧及び第2の非ゼロ電圧を変更するように、例えば、プロセッサを使用して、各々独立して制御可能である。
【0023】
特定の実施形態では、第1の要素は、第1のオリフィスを備える第1のコーンを含む。他の実施形態では、第2の要素は、第2のオリフィスを備える第2のコーンを含む。追加の実施形態では、第3の要素は、第3のオリフィスを備える第3のコーンを含む。場合によっては、第3のコーンのコーン開口角は、第2のコーンのコーン開口角より小さい。3つのコーンが存在するいくつかの例では、第4の要素はリングレンズを含み、リングレンズの内径は第3のコーンの外径以上である。
【0024】
特定の構成では、第1の要素及び第2の要素の少なくとも一方は、グランドに電気的に結合するように構成されている。所望に応じて、第1の要素及び第2の要素の各々は、グランドに電気的に結合するように構成されている。
【0025】
いくつかの構成では、第1の領域は、大気圧より低い第1の圧力を含むように構成されている。他の構成では、第2の領域は、第1の圧力より低い第2の圧力を含むように構成されている。追加の構成では、第3の領域は、第2の圧力より低い第3の圧力を含むように構成されている。他の構成では、変曲点は下流構成要素の上流の領域にある。
【0026】
いくつかの実施形態では、イオンインターフェースは、第3の要素及び第4の要素を受け入れるように構成されている非導電性ホルダを備える。
【0027】
特定の構成では、第1の要素、第2の要素及び第3の要素の各々はニッケルを含む。他の構成では、第4の要素は、2.5未満の開口対長さ比を含む。いくつかの例では、第3の要素及び第4の要素は、単一の電圧源に電気的に結合するように構成されている。
【0028】
さらなる態様では、質量分析計は、イオン化源と、イオン化源に流体的に結合されている本明細書に記載のイオンインターフェースと、質量分析計インターフェースに流体的に結合されている質量分析器とを備える。
【0029】
特定の構成では、質量分析計は、質量分析器とインターフェースとの間にイオンガイドを備える。いくつかの構成では、イオンガイドは、インターフェースの第4の要素のすぐ下流に位置付けられる。他の構成では、質量分析計は、質量分析器に流体的に結合されている検出器を備える。特定の構成では、質量分析計は、イオン化源に流体的に結合されている試料導入装置を備える。
【0030】
いくつかの実施形態では、イオン化源は、誘導結合プラズマ、放電プラズマ、容量結合プラズマ、マイクロ波誘導プラズマ、グロー放電イオン化源、脱離イオン化源、電気スプレーイオン化源、大気圧イオン化源、大気圧化学イオン化源、光イオン化源、電子イオン化源、及び化学イオン化源のうちの1つ以上を含む。
【0031】
いくつかの構成では、質量分析器は、少なくとも1つの四重極又は飛行時間型装置を含む。
【0032】
他の構成では、質量分析計は、イオンインターフェースと質量分析器との間の衝突セル、反応セル、又は反応/衝突セルのうちの少なくとも1つを含む。
【0033】
特定の実施形態では、質量分析計は、第3の要素及び第4の要素に電気的に結合されているプロセッサを備え、プロセッサは、第3の要素及び第4の要素の各々に提供される電圧を独立して変更するように構成されている。
【0034】
別の態様では、質量分析計インターフェースを通じてイオン化源から質量分析計構成要素にイオンを提供する方法が開示される。特定の構成では、方法は、質量分析計インターフェースのグランドに電気的に結合されている第1の要素の第1のオリフィスを通じて、イオン化源から第1の真空領域にイオンを提供することを含む。他の実施形態では、方法は、質量分析計インターフェースのグランドに電気的に結合されている第2の要素の第2のオリフィスを通じて第1の真空領域内のイオンを第2の真空領域に提供することを含み、第2の真空領域の圧力は第1の真空領域の圧力より低い。いくつかの構成では、方法は、質量分析計インターフェースの第3の要素の第3のオリフィスを通じて第2の真空領域内のイオンを第3の真空領域に提供することを含み、第3の真空領域の圧力は第2の真空領域の圧力より低く、第3の要素は第1の非ゼロ電圧を含む。いくつかの実施形態では、方法は、第4の要素を通じて第3の真空領域内のイオンを質量分析計構成要素に提供することを含み、第4の要素は第2の非ゼロ電圧を含み、提供されたイオンを、質量分析計構成要素に提供する前に集束させるように構成されている。
【0035】
特定の実施形態では、第4の要素は、第3の要素の外径以上の内径を有するサイズ及び配置構成にすることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、方法は、第3の要素に正電圧を印加することを含む。他の実施形態では、方法は、第4の要素に負電圧を印加することを含む。いくつかの例では、方法は、第4の要素に正電圧を印加することを含み、第4の要素に印加される正電圧は、第3の要素に印加される正電圧より正である。他の例では、方法は、第4の要素からのイオンを直接イオンガイドに提供することを含む。特定の実施形態では、方法は、第1の非ゼロ電圧及び第2の非ゼロ電圧を独立して変更することを含む。他の例では、第1の要素、第2の要素、及び第3の要素の各々は、コーンを含む。いくつかの実施形態では、第4の要素はリングレンズを含み、第3の要素のコーンのコーン開口角は、第2の要素のコーンのコーン開口角より小さい。追加の実施形態では、本方法は、第2の非非ゼロ電圧をレンズに印加して、変曲点を有する電場を提供することを含む。
【0037】
別の態様では、イオンインターフェースは、末端コーン及びシリンドリカルレンズを含む。いくつかの実施形態では、末端コーンは、イオン化源からイオンを受け取り、下流領域にイオンを提供するように構成されているオリフィスを含む。特定の構成では、末端コーンは、第1の非ゼロ電圧を受け取るように構成されている。いくつかの実施形態では、シリンドリカルレンズは、下流領域内のイオンを受け取り、受け取ったイオンを、下流構成要素に提供する前に集束させるように構成されている第1の開口を含み、シリンドリカルレンズは、第2の非ゼロ電圧を受け取るように構成されている。
【0038】
特定の実施形態では、イオンインターフェースは、イオン化源から直接イオンを受け取るように構成されている入口コーンを含み、入口コーンは、イオン化源から直接イオンを受け取るように構成されているオリフィスを含む。他の例では、イオンインターフェースは、入口コーンと末端コーンとの間に中間コーンを備え、中間コーンは、末端コーンにイオンを提供することができるオリフィスを備える。いくつかの実施形態では、入口コーン及び中間コーンは各々、グランドに電気的に結合するように構成されている。
【0039】
追加の態様、実施形態、構成及び例は、下記により詳細に記載される。
図面のいくつかのビューの簡単な説明
イオンインターフェース並びにそれらを使用するシステム及び方法の特定の具体的な構成が、添付の図面を参照して下記に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1A】いくつかの例による、入来イオンビーム、イオンインターフェース及びイオン出力を示すブロック図である。
【
図1B】いくつかの例による、入来イオンビーム、イオンインターフェース、イオン出力、及び基板を示すブロック図である。
【
図1C】特定の実施形態による、入来イオンビーム、イオンインターフェース、及び質量分析計の下流構成要素へのイオン出力を示すブロック図である。
【
図1D】特定の実施形態による、入来イオンビーム、イオンインターフェース、及びイオンガイド/偏向器へのイオン出力を示すブロック図である。
【
図2A】いくつかの例による、2つの要素を含むイオンインターフェースを示す図である。
【
図2B】特定の構成による、
図2Aの2つの要素に電気的に結合されている電源を示す図である。
【
図3A】いくつかの構成による、2つの要素を含むインターフェースのいくつかの構成を示すブロック図である。
【
図3B】いくつかの構成による、2つの要素を含むインターフェースのいくつかの構成を示すブロック図である。
【
図3C】いくつかの構成による、2つの要素を含むインターフェースのいくつかの構成を示すブロック図である。
【
図4A】いくつかの実施形態によるコーンの図である。
【
図4B】いくつかの実施形態によるコーンの図である。
【
図5A】特定の実施形態による、シリンドリカルレンズの断面図である。
【
図5B】特定の実施形態による、シリンドリカルレンズの断面図である。
【
図6A】いくつかの例による、シリンドリカルレンズ内の力線を示す図である。
【
図6B】いくつかの例による、シリンドリカルレンズ内の力線を示す図である。
【
図7A】いくつかの実施形態による、コーン要素とレンズ要素とを備えるイオンインターフェースの図である。
【
図7B】いくつかの実施形態による、コーン要素とレンズ要素とを備えるイオンインターフェースの図である。
【
図7C】いくつかの実施形態による、コーン要素とレンズ要素とを備えるイオンインターフェースの図である。
【
図8A】特定の実施形態による、2つのコーン要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図8B】特定の実施形態による、2つのコーン要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図9A】特定の実施形態による、2つのコーン要素とレンズ要素とを備えるイオンインターフェースの図である。
【
図9B】特定の実施形態による、2つのコーン要素とレンズ要素とを備えるイオンインターフェースの図である。
【
図9C】特定の実施形態による、2つのコーン要素とレンズ要素とを備えるイオンインターフェースの図である。
【
図10A】いくつかの実施形態による、コーン要素とレンズ要素とを備えるイオンインターフェースの図である。
【
図10B】いくつかの実施形態による、コーン要素とレンズ要素とを備えるイオンインターフェースの図である。
【
図11A】特定の例による、3つのコーン要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図11B】特定の例による、3つのコーン要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図11C】特定の例による、3つのコーン要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図11D】特定の例による、3つのコーン要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図11E】特定の例による、3つのコーン要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図12A】特定の例による、3つのコーン要素及びレンズ要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図12B】特定の例による、3つのコーン要素及びレンズ要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図12C】特定の例による、3つのコーン要素及びレンズ要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図12D】特定の例による、3つのコーン要素及びレンズ要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図12E】特定の例による、3つのコーン要素及びレンズ要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図12F】特定の例による、3つのコーン要素及びレンズ要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図12G】特定の例による、3つのコーン要素及びレンズ要素を備えるイオンインターフェースの図である。
【
図13A】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる2つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図13B】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる2つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図13C】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる2つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図13D】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる2つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図14A】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる3つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図14B】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる3つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図14C】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる3つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図14D】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる3つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図15A】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる4つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図15B】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる4つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図15C】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる4つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図15D】特定の実施形態による、下流表面又は構成要素にイオンを提供するためにイオンインターフェース内で使用することができる4つの要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図16A】特定の実施形態による、試料導入装置、イオンインターフェース及び他の構成要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図16B】特定の実施形態による、試料導入装置、イオンインターフェース及び他の構成要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図16C】特定の実施形態による、試料導入装置、イオンインターフェース及び他の構成要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図16D】特定の実施形態による、試料導入装置、イオンインターフェース及び他の構成要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図16E】特定の実施形態による、試料導入装置、イオンインターフェース及び他の構成要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図16F】特定の実施形態による、試料導入装置、イオンインターフェース及び他の構成要素を備えるシステムのブロック図である。
【
図18】特定の実施形態による、スプレーチャンバの図である。
【
図19A】いくつかの実施形態による、イオンをイオンインターフェースに提供することができる誘導装置及びトーチを備えるシステムの図である。
【
図19B】いくつかの実施形態による、イオンをイオンインターフェースに提供することができる誘導コイル及びトーチの図である。
【
図20】いくつかの実施形態による、イオンをイオンインターフェースに提供することができる、放射状フィンを備える誘導コイル及びトーチの図である。
【
図21】いくつかの実施形態による、イオンをイオンインターフェースに提供することができるプレート電極及びトーチの図である。
【
図22】特定の実施形態による、チャンバを備えるイオン化源の図である。
【
図23】特定の例による、トーチ、誘導コイル、イオンインターフェース及び他の構成要素を含むシステムの図である。
【
図24】いくつかの実施形態による、レンズがイオンガイドに隣接して位置付けられているイオンインターフェースを示す図である。
【
図25A】いくつかの実施形態による、非導電性ホルダ内に配置されたハイパースキマコーン及びリングレンズを示す図である。
【
図25B】いくつかの実施形態による、非導電性ホルダ内に配置されたハイパースキマコーン及びリングレンズを示す。
【
図26A】特定の例による、異なるシステムのイオンシミュレーションを示す図である。
【
図26B】特定の例による、異なるシステムのイオンシミュレーションを示す図である。
【
図27A】いくつかの構成による、異なるシステムの等電位曲線を示す図である。
【
図27B】いくつかの構成による、異なるシステムの等電位曲線を示す図である。
【
図28】特定の実施形態による、異なるシステムを使用した信号強度の比較を示す図である。
【
図29】特定の実施形態による、ハイパースキマ及びリングレンズを含むシステムを示す図である。
【
図30】特定の構成による、イオンインターフェースの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示の利点を考慮すると、図面の構成要素のサイズ、寸法、及び位置付けは、例示のみを目的として、本技術のよりユーザフレンドリな説明を提供するために提供されていることが当業者によって認識されるであろう。特定の実施形態に関連して明確に指定されない限り、特定の長さ、幅、高さ又は厚さは必要とされないことが意図されている。下記に提供される寸法は、例示的な寸法として提供され、他の適切な寸法、形状及び特徴が、様々な要素上及びイオンインターフェースに対して存在することができる。
【0042】
詳細な説明
入来イオンビームをサンプリングし、イオンビーム内のイオンを集束させ、集束イオンを別の構成要素に提供するために使用することができるイオンインターフェースの特定の例示的な構成が記載されている。イオンインターフェースの実施形態は、イオンの透過効率の向上、空間電荷効果の低減、より高い感度、及び、イオンインターフェースの異なる要素に印加される電圧を変更することによってリアルタイムで異なるイオンの透過を最適化する能力を含むがこれらに限定されない、望ましい属性を含むことができる。イオンインターフェースが質量分析計内に存在する場合、それは、特定の場合に、質量分析計インターフェースと考えることができ、そのように参照される。イオンインターフェースの特定の実施形態が質量分析計内に存在する場合、質量分析計の質量範囲にわたるイオンに対する感度の増加が観察され得る。付加的又は代替的に、質量分析計の質量範囲にわたる信号対雑音比を増加させることができる。
【0043】
場合によっては、本明細書の図の一部を説明する際に、便宜上「下流」及び「上流」という用語を使用する場合がある。別の構成要素に対する1つの構成要素の位置は、入来イオンビームの方向によって参照され得る。例えば、イオン化源からのイオンビームが最初にサンプラコーンを通ってイオンインターフェースに入り、次いでスキマコーンに行き当たる場合、スキマコーンはサンプラコーンの下流にあり、サンプラコーンはスキマコーンの上流にある。
【0044】
特定の構成では、本明細書に記載のイオンインターフェースは、分析機器、イオンスイッチ、イオン注入装置、イオンビーム支援分子線エピタキシ装置において、物理及び化学気相成長で使用されるスパッタリング装置から、及び、イオン又は粒子のビームを使用する他の装置においてイオン又は粒子を選択又は集束するために使用することができる。入来イオンビーム105がイオンインターフェース110に衝突又は行き当たる一般化ブロック図が
図1Aに示されている。イオンインターフェース110は、例えば、入来イオンビーム中のすべてではないが一部のイオンを抽出し、イオンを集束させ、次いでイオン出力115を下流構成要素(図示せず)に提供するために、入来イオンビーム105の一部を受け取るか又はサンプリングするように構成することができる。イオンがサンプリング及び/又は集束される正確な程度は、例えば、入来イオンビーム105内のイオンの性質、イオンインターフェース110内の構成要素の正確なタイプ及び数、並びに所望のイオン出力115に応じて変化し得る。例えば、
図1Bを参照すると、イオンインターフェース130は、入来イオンビーム125から基板140の表面にイオン出力135を提供するように構成することができる。基板140に提供されたイオンは、基板140から電子又は他の材料を放出するために使用することができ、又は基板140の表面上又は表面内にイオンを注入することができる。別の構成では、
図1Cを参照すると、イオンインターフェース160を質量分析計内で使用して、入来イオンビーム155から下流の質量分析計(MS)構成要素170にイオン出力165を提供することができる。例えば、イオンインターフェース160は、質量分析計内に存在する下流構成要素にイオン出力165を提供するために入来ビーム155内のイオンをサンプリング及び/又は集束するために使用することができる2つ以上の要素を備えることができる。別の構成では、
図1Dを参照すると、イオンインターフェース180を質量分析計内で使用して、入来イオンビーム175からのイオン出力185をイオンガイド/偏向器190に直接提供することができる。例えば、インターフェース180とイオンガイド/偏向器との間に介在する任意の構成要素、例えば衝突セルを使用せずに、イオン出力185をイオンガイド/偏向器190に直接提供することが望ましい場合がある。いくつかの例では、イオンインターフェース110,130,160、及び180は、本明細書でより詳細に述べるように、1つ以上のコーン及び1つ以上のシリンドリカルレンズを備えることができる。しかしながら、いくつかの実施形態のイオンインターフェースの構成要素は、これらの特定の構成要素に限定されない。
【0045】
特定の実施形態では、イオンインターフェースは、
図2Aに示すように2つ以上の要素を含んでもよい。部材又は要素200は、本体210及びオリフィス220を備える。別の部材又は要素250は、本体260及びオリフィス270を備える。
図2Aでは二次元として示されているが、要素200及び要素250は、典型的には三次元であり、後述するように様々な形状及び幾何学的形状を採用することができる。
図2Aのイオンインターフェースの使用において、入来イオンビーム(図示せず)は、本体210の表面212に入射することができる。入来イオンビームの一部はオリフィス220に入り、オリフィス220を通って本体210の側面又は端部214において下流要素250に提供される。下記により詳細に述べるように、要素250は、受け取ったイオンを下流構成要素に提供する前に、受け取ったイオンを集束させるために非ゼロ電圧を受け取ることができる。特定の実施形態では、要素200は、末端要素又は末端コーン、例えばハイパースキマコーンであってもよい。末端コーンへの言及は、インターフェース内に存在する最後のコーン、例えば、インターフェースに含まれ得る他のコーンに対してイオンインターフェース入口から最も下流にあるコーンを参照する(ただし、必ずしもインターフェースの最も下流の構成要素ではない)。要素200の正確な構成は変化してもよく、場合によっては、要素200は、例えばディスク形状、細長いディスク、非対称ディスク、球形、長球形状及び他の形状を含む、円錐形状以外の形状を含んでもよい。要素250は、下流構成要素に提供する前に要素200から受け取ったイオンを集束させるために使用することができるシリンドリカルレンズ、例えばリングレンズなどのレンズであってもよい。要素200及び要素250に使用される材料はまた、入来イオンビームの性質に応じて変化してもよい。例えば誘導結合プラズマからのイオンビームなどの高温イオンビームが存在する場合、要素200及び/又は要素250は、例えばニッケル、銅、チタン、白金、パラジウム、銀、金又は他の金属などの金属を含んでもよい。場合によっては、要素200は、望ましくは導電性であってもよい。他の例では、要素200は熱伝導性であってもよい。追加の構成では、要素200は導電性かつ熱伝導性であってもよい。要素200,250の様々な特定の構成及び材料については、下記により詳細に説明する。
【0046】
特定の実施形態では、要素250のオリフィス270の内径275は、オリフィス220の外径以上であってもよい。例えば、所望に応じて、内径275は、外径225より大きくてもよく、又は外径225と同じであってもよい。正確な寸法は変化し得るが、要素200の外径は、約0.5cmから約3cmまで、又は約1cmから約2.5cmまで変化し得る。要素200の内径は、約0.75cmから約2.75cmまで、又は約1cmから約2.6cmまで変化し得るが、他の寸法も可能である。いくつかの例では、要素250は、介在する物理的構成要素又は構造がそれらの間に存在しないように、要素200に直接隣接して位置付けられる。要素200と要素250との間の正確な長手方向の間隔は変化してもよいが、例示的な間隔は、約0.5mm~約10mm又は約1mm~約5mmである。この間隔は固定することができ、又は所望に応じて調整されてもよい。
【0047】
特定の実施形態では、要素200は、
図2Bに示すように、電圧源から非ゼロ電圧を受け取るように構成することができる。例えば、電圧源290から要素200に印加される電圧は正又は負であってもよいが、一般にゼロではなく、例えば、要素200はグランドに電気的に結合されない。要素200への電圧の印加は、イオンをサンプリング及び/又は集束するために使用することができる電荷を要素200に提供する。同様に、要素250は、電圧源290から非ゼロ電圧、例えば正又は負の電圧を受け取るように構成することができ、したがって要素250上に電荷が存在する。いくつかの例では、要素250に印加される電圧は、異なる電圧源(図示せず)からのものであってもよい。電圧源290は、DC電圧源、AC電圧源、RF電圧源、又は他の源であってもよい。いくつかの構成では、DC電圧が第1の要素200及び第2の要素250の各々に提供される。所望に応じて、異なる波形を提供する異なる電圧源を使用して、要素200及び要素250の各々に電圧を提供することができる。異なる構成要素に提供される正確な電圧は変化し得る。例えば、0ボルト未満~約-50ボルトの負電圧を要素200に印加することができる。あるいは、0より大きく最大約+30ボルトの正電圧を要素200に印加することができる。0ボルト未満~約-300ボルトの負電圧を要素250に印加することができる。あるいは、0より大きく最大約+50ボルトの正電圧を要素250に印加することができる。イオンインターフェースの使用中、要素200及び250に提供される電圧は、所望に応じて独立して変更することができる。
【0048】
特定の例では、要素200及び要素250の各々に印加される電圧は変化してもよい。いくつかの可能な構成が
図3A~
図3Cに示されている。要素A310は、要素200と同様に構成されてもよい。要素B320は、要素250と同様に構成され得る。
図3Aにおいて、要素310には正電圧が印加され、要素320には負電圧が印加される。例えば、要素310に印加される正電圧は、入来イオンを要素310に向かって集束させることができる。イオンが要素310のオリフィスを通過すると、それらは要素310を出て加速され得る(これはまた、より多くのイオンの喪失及びより低いスループットをもたらし得るイオン膨張を防止する)。要素320に印加される負電圧は、空間電荷効果による膨張が起こり得る前に要素310からイオンを引き出すように作用することができる。各要素310,320に印加される電圧の正確な大きさは変化し得る。例えば、要素310に印加される正電圧は、0より大きい正電圧から約+30ボルトの正電圧まで変化してもよい。要素320に印加される負電圧は、0未満の負電圧から約-300ボルトの負電圧まで変化してもよい。
【0049】
ここで
図3Bを参照すると、要素310及び要素320は各々、正に帯電している。特定の実施形態では、要素320に印加される電圧は、要素310に印加される電圧よりわずかに正であってもよく、例えば、+V
2>+V
1であってもよい。試料、例えばカリウム、ナトリウムなどをイオン化しやすくするために、要素310,320への正電圧の印加は、全体的なバックグラウンドノイズを低減するように作用することができる。例えば、関心対象の被分析イオンが少量、例えば1兆分の1単位のわずかな量で存在する場合、
図3Bに示す構成を、これらの低イオンレベルを検出するために実施することが望ましい場合がある。
図3Bの各要素310,320に印加される正電圧の正確な大きさは変化し得る。例えば、要素310に印加される正電圧は、0より大きい正電圧から約+30ボルトの正電圧まで変化してもよい。要素320に印加される正電圧は、0より大きい正電圧から約+50ボルトの正電圧まで変化してもよい。本明細書で述べるように、要素320は、要素310に印加される電圧よりわずかに正の電圧、例えば+2、+3、+4、+5、+6、+7又は+8ボルトだけ正に保持されてもよい。
【0050】
特定の例では、要素310及び要素320に印加される電圧は、
図3Cに示すようにプロセッサ350を使用してリアルタイムで変更することができる。本明細書で述べるように、プロセッサ350は、スタンドアロンプロセッサ、又は他の構成要素を制御するために使用されるコントローラ若しくはより大きなシステムの一部とすることができる。プロセッサ350は、例えば、要素310,320を備える装置又はシステムの動作モードを変更するために、要素310,320の各々に印加される電圧を制御することができる。例えば、プロセッサ350を使用して、第1のモードで要素310に正電圧を印加し、要素320に負電圧を印加し、次いで第2のモードで要素320に印加される電圧を正電圧に切り替えることができる。このモード切り替えは、リアルタイムでモードを切り替えるために、所望に応じてシステムの他の動作パラメータを変更することなく、プロセッサ350によって実行することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、要素200は、スキマコーンとして構成することができる。
図4Aを参照すると、本体410及びオリフィス420を備えるスキマコーン400の側面図が示されている。スキマコーンのコーン開口角Θは変化し得る。例えば、スキマコーンが正電圧を受け取ることができるハイパースキマコーンとして構成されている場合、ハイパースキマコーンの開口角θは、上流コーン、例えば上流サンプラコーン又は上流スキマコーンの開口角より小さくてもよい。いくつかの例では、コーン開口角は、約35度から約45度まで変化してもよい。コーン400の正確な寸法は変化してもよく、例示的な寸法は、約10mm~約15mmのコーン高さ及び約6mm~約9mmのコーン半径を含む。例示的なコーン表面積は、約350mm
2~約750mm
2であり、例示的なコーン体積は、約350mm
3から約1200mm
3まで変化してもよい。コーン400のオリフィス420の直径は、約0.5mmから約1.5mmまで変化してもよい。オリフィス420の形状は変化してもよく、円形であってもよく、楕円形であってもよく、又は他の幾何学的形状を有してもよい。所望に応じて、複数の開口又はオリフィスがコーン400の本体410内に存在してもよい。コーン400は、様々な材料から製造することができる。いくつかの例では、コーン400を製造するために使用される材料は導電性である。他の例では、コーン400を製造するために使用される材料は熱伝導性である。追加の例では、コーン400を製造するために使用される材料は、導電性かつ熱伝導性である。特定の構成では、コーン400は、ニッケル、銅、チタン、白金、パラジウム、銀、金、又は他の金属のうちの1つ以上を含んでもよい。特定の実施形態では、コーン400は、より小さな刻み幅で全体的な圧力を低減し、イオンビームの分散をより少なくすることができるシステムの一部として使用することができるハイパースキマであってもよい。ハイパースキマは、典型的には、ハイパースキマよりイオン化源の近くに位置付けられた1つ以上の上流コーンと共に使用される。2つ以上のコーンを使用する様々な構成については、下記にさらに説明する。
【0052】
特定の例では、
図4Bを参照すると、コーン400は電圧源450に電気的に結合することができる。例えば、電圧源450を使用して、コーン400に非ゼロ電圧を提供することができる。いくつかの例では、コーン400に印加される非ゼロ電圧は正であってもよい。正電圧が使用される場合、コーン400は、オリフィス420を通ってコーンに入るイオンビームを集束させるように作用することができる。次いで、集束イオンビームを下流構成要素に提供することができる。いくつかの実施形態では、コーン400に印加される電圧は、0より大きい正電圧から約+30ボルトまで変化してもよい。他の実施形態では、コーンに印加される電圧は、負、例えば、0未満~約-50ボルトの負電圧であってもよい。電圧は、DC電圧源又は他の電圧源を使用して印加することができる。複数のコーンが存在する場合、異なるコーンのオリフィス形状は同じであってもよく、又は異なっていてもよい。
【0053】
特定の構成では、要素250は、例えばリングレンズなどのシリンドリカルレンズとして構成することができる。シリンドリカルレンズ500の側面図を
図5Aに示す。シリンドリカルレンズ500は、本体510及び開口520を備える。本体510の正確な長さ及び幅並びに開口520の直径は、変化してもよい。いくつかの実施形態では、開口520の直径は、本体510の長さより大きくてもよい。開口520の直径は、典型的には固定されているが、所望に応じて調整可能な直径のレンズが使用されてもよい。いくつかの例では、シリンドリカルレンズは、約5mm~約7mmの長さ、及び約16mm~約19mmの外径を含む。特定の構成では、開口520は、約14mm~約16mmの直径を含んでもよい。いくつかの実施形態では、シリンドリカルレンズの開口対長さ比は、2.5以下であってもよい。例えば、長さ又は高さが小さい平面レンズと比較して、円筒レンズの長さ又は高さは大きい。いくつかの例では、シリンドリカルレンズの開口対長さ比は、2.2未満、2.0未満、又は1.5未満であってもよい。シリンダレンズの長さが一定の開口直径で増加するにつれて、直径対長さ比は減少する。
【0054】
特定の構成では、シリンドリカルレンズ500は、
図5Bに示すように電圧源550に電気的に結合されてもよい。例えば、電圧源550を使用して、レンズ500に非ゼロ電圧を提供することができる。いくつかの例では、レンズ500に印加される非ゼロ電圧は、負又は正であってもよい。負電圧がレンズ500に印加される場合、レンズ500は、イオンを開口520に引き込み、それらを、下流構成要素に提供する前に集束させるように作用することができる。使用される正確な負電圧は、0未満の負電圧から約-300ボルトの負電圧まで変化してもよく、例えば、約-100ボルト~-250ボルトの負電圧を使用することができる。正電圧がレンズ500に印加される場合、レンズを使用して、同時にバックグラウンドノイズを低減しながらイオンを集束させることができる。レンズ500に印加される正確な正電圧は、0より大きい正電圧から約+50ボルトの正電圧まで変化してもよい。所望に応じて、レンズ500に提供される電圧は、レンズ500を備えるシステムの動作中に変更されてもよい。例えば、プロセッサ(図示せず)を使用して、レンズ500に提供される電圧を、システムの動作中にリアルタイムで正から負又は負から正に変更することができる。
【0055】
特定の実施形態では、レンズを製造するために使用される正確な材料は変化してもよく、レンズは、典型的には、レンズへの非ゼロ電圧の印加がレンズの開口520内に電場を提供することができるように、1つ以上の導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、レンズは、イオンインターフェースの他の要素を生成するために使用されるのと同じ又は類似の材料から生成されてもよく、例えば、レンズ材料は、ニッケル、銅、チタン、白金、パラジウム、銀、金又は他の金属若しくは導電性材料を含んでもよい。所望に応じて、レンズは、一方の側でレンズを受け入れ、もう一方の側で上流要素を受け入れるように構成されているホルダ内に配置されてもよい。ホルダは、典型的には、レンズに印加されるいかなる電圧もホルダを通じて上流要素に提供されないように、非導電性材料を含む。非導電性材料は、例えば、ガラス、プラスチック、非金属、ポリマー、又は非導電性である他の材料であってもよい。ホルダは、摩擦嵌合、ねじ山、ばね荷重固定具、1つ以上の外部締結具又は他の装置若しくは構造を使用してイオンインターフェースの要素を保持することができる。
【0056】
特定の構成では、レンズによって受け取られる電圧は、変曲点を有する電場を提供するように構成することができる。
図6Aには1つの図解が示されており、リングレンズ610が示されている。電圧V
1~V
4を有する等電位線が示されている。負の電位がリングレンズ610に印加される典型的な構成では、電位は、リングレンズ610の前面612に向かって、例えばV
1付近でより正であり、次いでレンズ610内の最小値に向かって減少し、例えばV
2はV
1より負である。次いで、電圧は、レンズ610の背面614に向かって移動するより小さい負の電位を増加させるか又は有することができ、例えば、V
4はV
3より負でない。第1の要素がレンズ610と共に使用される場合、電位は第1の要素上で正であり、次いでレンズ610内又はその近くで負の最小値まで減少し、イオンがレンズ610を出て背面614に向かうにつれて、より正でなくなる。レンズ610の前面612から最小電圧又は変曲点までの絶対電圧差は、例えば、約50ボルトから約150ボルトまで変化してもよい。さらに、最小点又は変曲点は、レンズ610の開口内に集中させる必要はなく、代わりに前面612、背面614の近くに、又はさらにはレンズ面612の前若しくはレンズ面614の後ろに位置付けられてもよい。例えば、
図6Bは、レンズ630の前面632に近いV
6において最小値が発生する別の構成を示し、例えば、V
6はV
5より負であり、イオンがV
7からV
8及びV
9へとレンズ630の背面634に向かって移動するにつれて電圧が増加する(より負でなくなる)ことができる。正確な場の形状及びパターンは、所望に応じて変えることができる。本明細書で述べるように、場を使用して、上流要素からレンズに向かってイオンを加速するために使用することができ、そこでレンズを出る前にイオンを集束又は絞ることができる。レンズ610,630に印加される電圧は、DC電圧とすることができ、又は所望に応じて他の電圧源を使用することができる。さらに、レンズ610,630に印加される電圧は、レンズ610,630の使用中に変更され得る。
【0057】
特定の実施形態では、例えば、イオン透過効率を高め、バックグラウンドノイズを低減し、空間電荷効果を低減するなどのために、コーンなどの要素をレンズなどの別の要素と共に使用することができる。イオンインターフェース700が、入口オリフィス720及び出口オリフィス725を備えるコーン710を備える図解が、
図7Aに示されている。インターフェース700はまた、開口745を備えるシリンドリカルレンズ740をも備える。場合によっては、レンズ740の開口745の直径は、出口オリフィス725の直径以上であってもよい。イオンビーム中のイオンは最初にコーン710に入射し、特定のイオンが入口オリフィス720を通過する。コーン710は、イオンをコーン710内に引き込むように作用することができ、イオンを集束させ、それらをレンズ740に提供することができる。レンズ740もまた、イオンを、下流構成要素に提供する前に集束させることができる。例えば、
図7Bを参照すると、電圧源750を使用して、コーン710及びレンズ740の各々に非ゼロ電圧を印加することができる。例えば、0より大きい正電圧から約+30ボルトの正電圧までを、電圧源750からコーン710に提供することができる。しかしながら、所望に応じて、-50ボルト~0ボルトの負電圧をコーン710に印加することができる。電圧源750からレンズ740に負又は正の電圧を提供することができる。負電圧がレンズ740に印加される場合、負電圧は、0未満の負電圧から約-300ボルトの負電圧まで変化することができる。正電圧がレンズ740に印加される場合、正電圧は、0より大きい正電圧から約+50ボルトの正電圧までとすることができる。電圧は、典型的には、DC電圧源を使用して提供されるが、他のソースが使用されてもよい。別の構成では、コーン710及びレンズ740に電圧を提供するために、2つの別個の電圧源を使用することができる。
図7Cを参照すると、第1の電圧源760が、コーン710に第1の非ゼロ電圧を提供することができ、第2の電圧源770が、レンズ740に第2の非ゼロ電圧を提供することができる。電圧源760は、コーン710に正電圧を印加することができ、例えば、0より大きく最大約+30ボルトの正電圧を提供することができ、又はコーン710に負電圧を印加することができる。電圧源770は、正電圧又は負電圧、例えば、約-300ボルトから最大約+50ボルトの電圧をレンズ740に印加することができる。コーン710の材料は、例えば、
図4A及び
図4Bを参照して説明した材料のいずれかであってもよい。
【0058】
特定の例では、コーンなどの要素を追加の要素又は追加のコーンと共に使用して、イオンをサンプリング及び/又は集束させることができる。
図8Aには1つの図解が示されており、イオンインターフェース800が第1のコーン810及び第2のコーン830を備える。この図解では、第2のコーン830は末端コーンと考えられる。第1のコーン810は、イオンを受け入れることができる第1のオリフィス820を備える。第2のコーン830は、イオンを受け入れることができる第2のオリフィス840を備える。
図8Bに示すように、第1のコーン810はグランドに電気的に結合するように構成でき、第2のコーン830は電圧源850から非ゼロ電圧を受け取るように構成することができる。例えば、第2のコーン830は、電源850から正電圧、例えば、0ボルトより大きく最大約+30ボルトの電圧を受け取るように構成することができ、又は負電圧を受け取ることができる。コーン830のコーン開口角は、典型的には、コーン810のコーン開口角より小さい。第1のオリフィス820の直径は、約0.9mmから約1.3mmまで変化してもよく、第2のオリフィス840の直径は、約0.5mmから約1.1mmまで変化してもよい。コーン810,830のオリフィス形状は、同じであってもよく、又は異なっていてもよく、例えば、円形、楕円形などであってもよい。いくつかの例では、コーン810の前面は、コーン830の前面から約2mm~約5mmの距離だけ離間することができる。
【0059】
コーン810,830の使用において、イオン源からのイオンは、典型的には、コーン810に最初に入射する。イオンの一部は、オリフィス820を通してサンプリングされ、下流コーン830に提供され得る。コーン830上の電荷は、オリフィス840を通してイオンを引き出すように作用することができる。これらのイオンの一部は、コーン830のオリフィス840を通過することができ、コーン830に提供される適切な電圧を使用してコーン830を出るように集束又は加速することができる。コーン810,830は、同じ又は異なる材料を含んでもよく、例えば、コーン810,830の各々は、独立して、ニッケル、銅、チタン、白金、パラジウム、銀、金又は他の金属を含んでもよい。いくつかの例では、コーン810,830の各々はニッケルを含む。所望に応じて、コーン810は非導電性材料から製造することができ、したがって、コーン810は電気的に接地される必要はない。
【0060】
いくつかの構成では、
図9Aに示すように、2つ以上の要素、例えば2つ以上のコーンをシリンドリカルレンズと組み合わせて使用することができる。イオンインターフェース900は、イオンを受け取ることができる第1のオリフィス920を有する第1のコーン910と、イオンを受け取ることができる第2のオリフィス940を有する第2のコーン930と、イオンを受け取ることができる開口970を有するシリンドリカルレンズ960とを備える。この図では、コーン930は末端コーンと考えることができる。
図9Bに示すように、第1のコーン910はグランドに電気的に結合するように構成でき、第2のコーン930は電圧源980から非ゼロ電圧を受け取るように構成することができる。例えば、第2のコーン930は、電源980から正電圧、例えば、0ボルトより大きく最大約+30ボルトの電圧を受け取るように構成することができ、又は負電圧を受け取ることができる。レンズ960は、電圧源980から正又は負の電圧、例えば、約-250ボルト~約+50ボルトの電圧を受け取るように構成することができる。レンズ960が正電圧を受け取る場合、正電圧は、典型的には、コーン930に印加される正電圧より正であり、例えば、約+1、+2、+3、+4、+5、+6、+7又は+8ボルトだけ正である。所望に応じて、コーン930及びレンズ960に電圧を提供するために、2つの異なる電圧源を使用することができる。例えば、
図9Cを参照すると、第1の電圧源985がコーン930に電気的に結合されており、第2の電圧源990がレンズ960に電気的に結合されている。コーン930のコーン開口角は、典型的には、コーン910のコーン開口角より小さい。第1のオリフィス920の直径は、約0.6mmから約1.2mmまで変化してもよく、第2のオリフィス940の直径は、約0.8mmから約1.2mmまで変化してもよい。開口970の直径は、典型的には、レンズ960に隣接するコーン930の端部にあるコーン開口の外径以上である。コーン910,930のオリフィス形状は、同じであってもよく、又は異なっていてもよく、例えば、円形、楕円形などであってもよい。所望に応じて、レンズ960は、それらの間に介在するいかなる構成要素又は構造もなしにコーン930に直接隣接して配置することができる。さらに、レンズ960及びコーン930は、所望に応じてカプラ又はコネクタを使用してともに保持することができる。いくつかの例では、コーン910の前面は、コーン930の前面から約2mm~約5mmの距離だけ離間することができる。コーン930の前面は、レンズ960の前面から約15mm~約25mm離間させることができる。
【0061】
コーン910,930及びレンズ960の使用において、イオン源からのイオンは、典型的には、コーン910に最初に入射する。イオンの一部は、オリフィス920を通してサンプリングされ、下流コーン930に提供され得る。これらのイオンの一部は、コーン930の第2のオリフィス940を通過することができ、コーン930に提供される適切な電圧を使用してコーン930を出るように集束又は加速することができる。コーン930からのイオンの加速を増加させるために、レンズ960に適切な電圧を提供することができる。レンズ960は、イオンがレンズ960の開口970を通過するときにイオンを集束又は絞ることができる。次いで、イオンは、集束ビームとしてレンズ960から出ることができ、下流構成要素に提供することができる。コーン910,930は、同じ又は異なる材料を含んでもよく、例えば、コーン910,930の各々は、独立して、ニッケル、銅、チタン、白金、パラジウム、銀、金又は他の金属を含んでもよい。いくつかの例では、コーン910,930の各々はニッケルを含む。所望に応じて、コーン910は非導電性材料から製造することができ、したがって、コーン910は電気的に接地される必要はない。本明細書で述べるように、レンズ960は、開口970内、開口970の前方又は開口970の後方に、最小点又は変曲点を有する電場を含むことができる。レンズ960は、例えば、
図5A及び
図5Bに示すレンズに関連して説明した材料から製造することができる。
【0062】
特定の実施形態では、シリンドリカルレンズを備えるイオンインターフェースは、1つ以上の非荷電要素又はコーンと共に使用することができる。
図10Aを参照すると、イオンインターフェース1000は、本体1015及びオリフィス1020を備えるコーン1010を備える。イオンインターフェース1000はまた、開口1040を備えるシリンドリカルレンズ1030をも備える。開口1040の直径は、コーン1010の外径以上であり得る。
図10Bに示すように、コーン1010はグランドに電気的に結合することができ、レンズ1030は、レンズ1030に非ゼロ電圧を提供することができる電圧源1050に電気的に結合することができる。例えば、レンズ1030は、電圧源1050から正又は負の電圧、例えば、約-250ボルト~約+50ボルトの電圧を受け取るように構成することができる。コーン1010の前面は、レンズ1030の前面から約15mm~約25mm離間させることができる。
【0063】
コーン1010及びレンズ1030の使用において、イオン源からのイオンは、典型的には、コーン1010に最初に入射する。イオンの一部は、オリフィス1020を通してサンプリングされ、下流レンズ1030に提供され得る。適切な電圧をレンズ1030に提供して、電気的に接地されたコーン1010を出るイオンの加速を増加させることができ、イオンがレンズ1030の開口1040を通過するときにイオンを集束又は絞ることができる。次いで、イオンは、集束ビームとしてレンズ1030から出ることができ、下流構成要素に提供することができる。コーン1010は、ニッケル、銅、チタン、白金、パラジウム、銀、金、又は他の金属を含んでもよい。所望に応じて、コーン1010は非導電性材料から製造することができ、したがって、コーン1010は電気的に接地される必要はない。本明細書で述べるように、レンズ1030は、開口1040内、開口1040の前方又は開口1040の後方に、最小点又は変曲点を有する電場を含むことができる。レンズ1030は、
図5A及び
図5Bに示すレンズに関連して説明した材料から製造することができる。コーン1010のオリフィス形状は、例えば、円形、楕円形、又は他の形状とすることができる。
【0064】
特定の構成では、イオンインターフェースは、3つ以上の要素、例えば3つ以上のコーンを備えてもよい。例えば、
図11Aを参照すると、第1のオリフィス1115を有する第1の要素又はコーン1110と、第2のオリフィス1125を有する第2の要素又はコーン1120と、第3のオリフィス1135を有する第3の要素又はコーン1130とを備えるイオンインターフェースが示されている。参照のために入来イオンビーム1105が示されている。入来イオンビーム1105は、最初に第1のコーン1110に行き当たる。入来イオンビーム1105の一部は、第1のオリフィス1115を通過し、下流の第2の要素1120に提供される。第2の要素又はコーン1120は、第1の要素又はコーン1110から受け取ったイオンをサンプリングし、第2のオリフィス1125を通じて下流の第3の要素1130に一定量のイオンを提供する。第3の要素又はコーン1130は、第3のオリフィス1135を通じてイオンを受け取り、イオンを、下流構成要素に提供する前に集束させるために使用することができる。
図11Bに示すいくつかの例では、第3の要素又はコーン1130は、第3の要素又はコーン1130に正電圧(又は負電圧)を提供することができる電圧源1150に電気的に結合することができる。例えば、電圧源1150を使用して、第3の要素又はコーン1130に正電圧、例えば、0ボルトを超えて最大約+30ボルトの正電圧を提供することができる。
図11Cに示すようないくつかの構成では、第1の要素又はコーン1110は、グランドに電気的に結合するように構成することができる。
図11Dに示す他の構成では、第2の要素又はコーン1120は、グランドに電気的に結合するように構成することができる。
図11Eに示すような追加の構成では、第2の要素又はコーン1120及び第3の要素又はコーン1130の両方を、グランドに電気的に結合するように構成することができる。所望に応じて、共通のグランドを使用して、第2の要素1120及び第3の要素1130をグランドに電気的に結合することができる。コーン1110の前面は、コーン1120の前面から約5mm~約12mm離間することができる。コーン1120の前面は、コーン1130の前面から約2mm~約5mm離間することができる。
【0065】
特定の実施形態では、コーン1110,1120、1130は、同じ又は異なる材料を含んでもよく、例えば、コーン1110,1120、1130の各々は、独立して、ニッケル、銅、チタン、白金、パラジウム、銀、金又は他の金属を含んでもよい。いくつかの例では、コーン1110、1120,1130の各々はニッケルを含む。所望に応じて、コーン1110及び1120は各々、非導電性材料から製造することができ、したがって、コーン1110及び1120は電気的に接地される必要はない。
【0066】
他の構成では、イオンインターフェースは、例えばシリンドリカルレンズなどの第4の要素と組み合わせて3つ以上の要素又はコーンを備えることができる。
図12Aを参照すると、第1のオリフィス1215を有する第1の要素又はコーン1210と、第2のオリフィス1225を有する第2の要素又はコーン1220と、第3のオリフィス1235を有する第3の要素又はコーン1230と、開口1245を有する第4の要素1240とを備えるイオンインターフェースが示されている。参照のために入来イオンビーム1205が示されている。入来イオンビーム1205は、最初に第1のコーン1210に行き当たる。入来イオンビーム1205の一部は、第1のオリフィス1215を通過し、下流の第2の要素1220に提供される。第2の要素又はコーン1220は、第1の要素又はコーン1210から受け取ったイオンをサンプリングし、第2のオリフィス1225を通じて下流の第3の要素1230に一定量のイオンを提供する。第3の要素又はコーン1230は、第3のオリフィス1235を通じてイオンを受け取り、イオンを、下流の第4の要素1240に提供する前に集束させるために使用することができる。第4の要素1240は、例えば、開口1245を備えるシリンドリカルレンズとして構成することができる。
図12Bに示すいくつかの例では、第3の要素又はコーン1230は、第3の要素又はコーン1230に正電圧(又は負電圧)を提供することができる電圧源1250に電気的に結合することができる。例えば、電圧源1250を使用して、第3の要素又はコーン1230に正電圧、例えば、0ボルトを超えて最大約+30ボルトの正電圧を提供することができる。他の構成では、
図12Cに示すように、電圧源1255を第4の要素1240に電気的に結合することができる。例えば、電圧源1255は、非ゼロ電圧を第4の要素1240に提供することができ、例えば、約-250ボルト~約+50ボルトに及び得る負又は正の電圧を提供することができる。
図12Dに示すような特定の構成では、電圧源1265は、第3の要素1230及び第4の要素1240の各々に非ゼロ電圧を提供することができる。図示されていないが、代わりに2つの別個の電圧源が使用されてもよい。いくつかの例では、電圧源1265は、非ゼロ電圧、例えば、0より大きく最大約+30ボルトの正電圧又は負電圧を第3の要素1230に提供することができ、非ゼロ電圧、例えば、約-250ボルトから最大約+50ボルトに及び得る負電圧又は正電圧を第4の要素1240に提供することができる。正電圧が電圧源1265から第4の要素1240に提供されるいくつかの例では、第4の要素1240に提供される正電圧は、第3の要素1230に提供される正電圧より正であってもよい。
【0067】
いくつかの構成では、第2の要素1220は、
図12Eに示すようにグランドに電気的に結合するように構成されてもよい。他の構成では、第1の要素は、
図12Fに示すようにグランドに電気的に結合するように構成されてもよい。他の実施形態では、第1の要素1210及び第2の要素1220の各々は、
図12Gに示されるようにグランドに電気的に結合するように構成されてもよい。コーン1210、1220、1230は、同じ又は異なる材料を含んでもよく、例えば、コーン1210、1220、1230の各々は、独立して、ニッケル、銅、チタン、白金、パラジウム、銀、金又は他の金属を含んでもよい。いくつかの例では、コーン1210、1220、1230の各々はニッケルを含む。所望に応じて、コーン1210及び1220は各々、非導電性材料から製造することができ、したがって、コーン1210及び1220は電気的に接地される必要はない。レンズ1240は、
図5A及び
図5Bに示すレンズを参照して説明した材料のいずれかから製造することができる。コーン1210の前面は、コーン1220の前面から約5mm~約12mm離間することができる。コーン1220の前面は、コーン1230の前面から約2mm~約5mm離間することができる。コーン1230の前面は、レンズ1240の前面から約15mm~約25mm離間させることができる。コーン1230の基部は、約12mm~約18mmの直径を含むことができ、レンズ1240の開口1245の直径は、コーン1230の基部の直径以上であってもよい。レンズ1240は、約4mm~約10mmの長さを含むことができる。
【0068】
特定の構成では、
図13A~
図13Dのブロック図に示すように、2つ以上の個々の要素を含むイオンインターフェースを使用して、イオンを表面又は他の構成要素に提供することができる。
図13Aを参照すると、イオンインターフェースは、入来イオンビーム1301をサンプリングし、集束イオン1304を表面1305に提供することができる第1の要素1302及び第2の要素1303を含むことができる。いくつかの例では、第1の要素1302はグランドに電気的に結合するように構成されてもよい。他の例では、第1の要素1302は、非ゼロ電圧、例えば、-50ボルト~最大約+30ボルトの電圧を受け取るように構成されてもよい。第2の要素1303は、非ゼロ電圧、例えば、-300ボルトから最大+50ボルトまで変化し得る電圧を受け取るように構成され得る。いくつかの構成では、第2の要素1303に提供される正電圧は、第1の要素1302に提供される正電圧より正であってもよい。特定の例では、第1の要素1302は、介在する一切の構成要素なしに第2の要素1303に直接結合される。所望に応じて、コネクタ、ホルダ、又はカプラ(図示せず)を使用して、第1の要素1302及び第2の要素1303を定位置に保持することができる。場合によっては、第1の要素1302はスキマコーン又はハイパースキマコーンとして構成することができ、第2の要素1303はシリンドリカルレンズ、例えばリングレンズとして構成することができる。第1の要素1302及び第2の要素1303は、表面1305にイオンビーム1304を提供して、表面1305にイオンを注入し、表面1305からイオンを放出し、表面1305をエッチングし、又は他の用途に使用することができる。
【0069】
図13Bを参照すると、イオンインターフェースは、入来イオンビーム1306をサンプリングし、集束イオン1309を下流構成要素1310に提供することができる第1の要素1307及び第2の要素1308を備えることができる。特定の実施形態では、第1の要素1307は、グランドに電気的に結合するように構成され得る。他の例では、第1の要素1307は、非ゼロ電圧、例えば、-50ボルト~最大約+30ボルトの電圧を受け取るように構成されてもよい。いくつかの構成では、第2の要素1308は、非ゼロ電圧、例えば、-300ボルトから最大+50ボルトまで変化し得る電圧を受け取るように構成され得る。いくつかの構成では、第2の要素1308に提供される正電圧は、第1の要素1307に提供される正電圧より正であってもよい。特定の例では、第1の要素1307は、介在する一切の構成要素なしに第2の要素1308に直接結合される。所望に応じて、コネクタ、ホルダ、又はカプラ(図示せず)を使用して、第1の要素1307及び第2の要素1308を定位置に保持することができる。いくつかの例では、第1の要素1307はスキマコーン又はハイパースキマコーンとして構成することができ、第2の要素1308はシリンドリカルレンズ、例えばリングレンズとして構成することができる。本明細書で述べるように、レンズは、所望に応じて等電位変曲点を提供するように構成することができる。
【0070】
いくつかの例では、第1の要素1307及び第2の要素1308は、
図13Bに示すようにイオンビーム1309を下流構成要素1310に提供することができる。例えば、下流構成要素1310は、イオン銃、イオントラップ、又は他の装置とすることができる。いくつかの構成では、下流構成要素1310は、
図13Cに示され、下記により詳細に説明するような、質量分析計構成要素1315とすることができる。他の構成では、下流構成要素1310は、
図13Dに示すようなイオンガイド1320とすることができる。所望に応じて、下流構成要素1310、例えばイオンガイド1320は、第2の要素1308と下流構成要素1310との間にいかなる構成要素も位置付けられないように、第2の要素1308に直接結合することができる。あるいは、ビーム1309をさらに集束させるために、第2の要素1308とイオンガイド1320との間にイオン光学系が存在してもよい。
【0071】
特定の構成では、
図14A~
図14Dのブロック図に示すように、3つ以上の個々の要素を含むイオンインターフェースを使用して、イオンを表面又は他の構成要素に提供することができる。
図14Aを参照すると、イオンインターフェースは、入来イオンビーム1401をサンプリングし、集束イオン1405を表面1406に提供することができる第1の要素1402、第2の要素1403、及び第3の要素1404を備えることができる。いくつかの例では、第1の要素1402は、グランドに電気的に結合するように構成され得る。特定の実施形態では、第2の要素1403は、非ゼロ電圧、例えば、-50ボルト~最大約+30ボルトの電圧を受け取るように構成されてもよい。第3の要素1404は、非ゼロ電圧、例えば、-300ボルトから最大+50ボルトまで変化し得る電圧を受け取るように構成され得る。いくつかの構成では、第3の要素1404に提供される正電圧は、第2の要素1403に提供される正電圧より正であってもよい。特定の例では、第2の要素1403は、介在する一切の構成要素なしに第3の要素1404に直接結合される。所望に応じて、コネクタ、ホルダ、又はカプラ(図示せず)を使用して、第2の要素1403及び第3の要素1404を定位置に保持することができる。場合によっては、第1の要素1402はサンプラコーン又はスキマコーンとして構成することができ、第2の要素1403はスキマコーン又はハイパースキマコーンとして構成することができ、第3の要素1404はシリンドリカルレンズ、例えばリングレンズとして構成することができる。第1の要素1402、第2の要素1403、及び第3の要素1404は、集束イオンビーム1405を表面1406に提供して、表面1406にイオンを注入し、表面1406からイオンを放出し、表面1406をエッチングし、又は他の用途に使用することができる。
【0072】
図14Bを参照すると、イオンインターフェースは、入来イオンビーム1411をサンプリングし、集束イオン1415を下流構成要素1420に提供することができる第1の要素1412、第2の要素1413、及び第3の要素1414を備えることができる。いくつかの例では、第1の要素1412は、グランドに電気的に結合するように構成され得る。他の例では、第2の要素1413は、非ゼロ電圧、例えば、-50ボルト~最大約+30ボルトの電圧を受け取るように構成することができる。他の実施形態では、第3の要素1414は、非ゼロ電圧、例えば、-300ボルトから最大+50ボルトまで変化し得る電圧を受け取るように構成され得る。いくつかの構成では、第3の要素1414に提供される正電圧は、第2の要素1413に提供される正電圧より正であってもよい。特定の例では、第2の要素1413は、介在する一切の構成要素なしに第3の要素1414に直接結合される。所望に応じて、コネクタ、ホルダ、又はカプラ(図示せず)を使用して、第2の要素1413及び第3の要素1414を定位置に保持することができる。場合によっては、第1の要素1412はサンプラコーン又はスキマコーンとして構成することができ、第2の要素1413はスキマコーン又はハイパースキマコーンとして構成することができ、第3の要素1414はシリンドリカルレンズ、例えばリングレンズとして構成することができる。本明細書で述べるように、レンズは、所望に応じて等電位変曲点を提供するように構成することができる。
【0073】
いくつかの構成では、
図14Bに示すように、第1の要素1412、第2の要素1413、及び第3の要素1414はイオンビーム1415を下流構成要素1420に提供することができる。例えば、下流構成要素1420は、イオン銃、イオントラップ、又は他の装置とすることができる。いくつかの構成では、下流構成要素1420は、
図14Cに示され、下記により詳細に説明するような、質量分析計構成要素1430である。他の構成では、下流構成要素は、
図14Dに示すようなイオンガイド1440とすることができる。所望に応じて、下流構成要素1420、例えばイオンガイド1440は、第3の要素1414と下流構成要素1420との間にいかなる構成要素も位置付けられないように、第3の要素1414に直接結合することができる。あるいは、イオンビーム1415をさらに集束させるために、第3の要素1414とイオンガイド1440との間にイオン光学系が存在することができる。
【0074】
特定の構成では、
図15A~
図15Dのブロック図に示すように、4つ以上の個々の要素を含むイオンインターフェースを使用して、イオンを表面又は他の構成要素に提供することができる。
図15Aを参照すると、イオンインターフェースは、入来イオンビーム1501をサンプリングし、集束イオン1509を表面1510に提供することができる第1の要素1502、第2の要素1504、第3の要素1506、及び第4の要素1508を備えることができる。いくつかの例では、第1の要素1502は、グランドに電気的に結合するように構成され得る。他の例では、第2の要素1504は、グランドに電気的に結合するように構成され得る。特定の実施形態では、第3の要素1506は、非ゼロ電圧、例えば、-50ボルト~最大約+30ボルトの電圧を受け取るように構成されてもよい。特定の例では、第4の要素1508は、非ゼロ電圧、例えば、-300ボルトから最大+50ボルトまで変化し得る電圧を受け取るように構成され得る。いくつかの構成では、第4の要素1508に提供される正電圧は、第3の要素1506に提供される正電圧より正であってもよい。特定の例では、第3の要素1506は、介在する一切の構成要素なしに第4の要素1508に直接結合される。所望に応じて、コネクタ、ホルダ、又はカプラ(図示せず)を使用して、第3の要素1506及び第4の要素1508を定位置に保持することができる。場合によっては、第1の要素1502及び第2の要素1504は各々、サンプラコーン又はスキマコーンとして構成することができ、第3の要素1506はスキマコーン又はハイパースキマコーンとして構成することができ、第4の要素1508はシリンドリカルレンズ、例えばリングレンズとして構成することができる。第1の要素1502、第2の要素1504、第3の要素1506及び第4の要素1508は、イオンビーム1509を表面1510に提供して、表面1510にイオンを注入し、表面1510からイオンを放出し、表面1510をエッチングし、又は他の用途に使用することができる。
【0075】
図15Bを参照すると、イオンインターフェースは、入来イオンビーム1511をサンプリングし、集束イオン1519を下流構成要素1520に提供することができる第1の要素1512、第2の要素1514、第3の要素1516及び第4の要素1518を備えることができる。いくつかの例では、第1の要素1512は、グランドに電気的に結合するように構成され得る。他の例では、第2の要素1514は、グランドに電気的に結合するように構成され得る。追加の例では、第3の要素1516は、非ゼロ電圧、例えば、-50ボルト~最大約+30ボルトの電圧を受け取るように構成することができる。他の実施形態では、第4の要素1518は、非ゼロ電圧、例えば、-300ボルトから最大+50ボルトまで変化し得る電圧を受け取るように構成され得る。いくつかの構成では、第4の要素1518に提供される正電圧は、第3の要素1516に提供される正電圧より正であってもよい。特定の例では、第3の要素1516は、介在する一切の構成要素なしに第4の要素1518に直接結合される。所望に応じて、コネクタ、ホルダ、又はカプラ(図示せず)を使用して、第3の要素1516及び第4の要素1518を定位置に保持することができる。場合によっては、第1の要素1512及び第2の要素1514の各々は、サンプラコーン又はスキマコーンとして構成することができ、第3の要素1516はスキマコーン又はハイパースキマコーンとして構成することができ、第4の要素1518はシリンドリカルレンズ、例えばリングレンズとして構成することができる。本明細書で述べるように、レンズは、所望に応じて等電位変曲点を提供するように構成することができる。
【0076】
いくつかの構成では、
図15Bに示すように、第1の要素1512、第2の要素1514、第3の要素1516及び第4の要素1518はイオンビーム1519を下流構成要素1520に提供することができる。例えば、下流構成要素1520は、イオン銃、イオントラップ、又は他の装置とすることができる。いくつかの構成では、下流構成要素1520は、
図15Cに示され、下記により詳細に説明するような、質量分析計構成要素1530である。他の構成では、下流構成要素1520は、
図15Dに示すようなイオンガイド1540とすることができる。所望に応じて、下流構成要素1520、例えばイオンガイド1540は、第4の要素1518と下流構成要素1520との間にいかなる構成要素も位置付けられないように、第4の要素1518に直接結合することができる。あるいは、ビーム1519をさらに集束させるために、第4の要素1518とイオンガイド1540との間にイオン光学系が存在してもよい。
【0077】
2つ、3つ、又は4つの要素を備えるイオンインターフェースが
図13A~
図15Dに示されているが、本開示の利点を考慮すると、所望に応じて4つを超える個々の要素もイオンインターフェース内に存在してもよいことが当業者によって認識されるであろう。さらに、要素並びにオリフィス及び開口の正確なコーン開口角、材料、サイズ及び寸法は、所望に応じて変化してもよい。
【0078】
特定の実施形態では、本明細書に記載のイオンインターフェースは、
図16Aに示すような試料導入装置と共に使用することができる。例えば、試料導入装置1610は、イオンインターフェース1620に流体的に結合することができ、したがって、試料導入装置1610からイオンインターフェース1620に材料を提供することができる。いくつかの例では、試料導入装置1610は、サンプリング及び/又は集束のためにイオンをイオンインターフェース1620(
図16B)に提供することができる。他の例では、試料導入装置1610は、液体試料又は気体試料を提供するように構成されてもよい。イオンインターフェース1620は、
図16Cに示すように、下流構成要素1625にイオンを提供することができる。場合によっては、下流構成要素は、介在するいかなる構成要素又は構造もなしにイオンインターフェース1620に隣接して直接位置付けることができるイオンガイド1630(
図16D)とすることができる。他の構成では、イオンインターフェース1620は、
図16Eに示すように、イオンを質量分析器1640に提供することができる。これらの構成要素はまた、システムを制御するために使用することができる検出器1645及びプロセッサ1650(
図16F)を備えるシステム内に存在することができる。例えば、プロセッサ1650を使用して、イオンインターフェースの要素に電圧を提供し、及び/又は印加電圧をリアルタイムで変更することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、試料導入装置1610は、
図16Bに示すようにイオン化源1615に流体的に結合することができる。試料導入装置1610は、流体試料、例えば気体、液体などをイオン化源1615に提供することができ、イオン化源は流体試料をイオン化及び/又は原子化し、イオン/原子を下流イオンインターフェース1620に提供することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、試料導入装置は、
図17に示すように噴霧器として構成することができる。噴霧器1700は、誘導噴霧器、非誘導噴霧器、又はこれら2つのハイブリッドとして構成することができる。例えば、同心、クロスフロー、同伴、V溝、平行経路、増強平行経路、フローブラーリング、及び圧電噴霧器を使用することができる。単純化された形態では、噴霧器1700は、試料が入口1706又は別の管1704を通して導入される管又はチャンバ1702を備える。導入された試料をガス流に取り込むためにガスをチャンバ1702に導入することができ、その結果、ガスと試料との組み合わせを管1702の出口1703を通してイオン化源(又はイオンインターフェース)に提供することができる。ポンプ1710が存在し、噴霧器1700に流体的に結合されて、入口1706を通じてチャンバ1702内に試料を提供することができる。ガスは、典型的には、異なるポートにおいて噴霧器1700に導入され、チャンバ1702への液体試料の導入の前又は後(又はその両方)に液体試料と混合することができる。
【0081】
特定の実施形態では、試料導入装置1610は、
図18に示すようなスプレーチャンバとして構成することができる。スプレーチャンバ1800は、一般に、外側チャンバ又は管1810と、内管1820とを備える。外側チャンバ1810は、二重補給ガス入口1812、1814及び排出管1818を備える。補給ガス入口1812、1814は、典型的には、共通のガス源に流体的に結合されるが、所望に応じて異なるガスが使用されてもよい。必須ではないが、補給ガス入口1812、1814は、入口端部1811に隣接して位置付けられているように示されており、ただし、代わりに、それらは中央に又は出口端部1813に向かって位置付けられてもよい。内管1820は、噴霧器先端部1805に隣接して位置付けられ、内管1820上に液滴が逆流及び/又は付着するのを低減又は防止するための補給ガス流を提供するように構成されている2つ以上のマイクロチャネル1822、1824を備える。内管1820の構成及び位置付けは、外側チャンバ1810の内面を任意の液滴付着から遮蔽するように作用する領域1840、1842に層流を提供する。入口1812、1814を通じたスプレーチャンバ1800へのガス導入によって提供される接線方向ガス流は、特定のサイズ範囲の粒子(又は被分析分子)を選択するように作用する。内管1820内のマイクロチャネル1822、1824もまた、補給ガス入口1812、1814からのガス流が、内管1820の表面を液滴付着から遮蔽することを可能にするように設計されている。特定の例では、マイクロチャネル1822、1824は同様の方法で構成することができ、例えば、同じサイズ及び/又は直径を有することができ、一方、他の構成では、マイクロチャネル1822、1824は異なるサイズ又は配置構成とされてもよい。場合によっては、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の別個のマイクロチャネルが内管1820内に存在することができる。マイクロチャネルの正確なサイズ、形態及び形状は変化してもよく、各マイクロチャネルは同じサイズ、形態又は形状を有する必要はない。いくつかの例では、所望の遮蔽効果を提供するために、内管の長手方向軸L1に沿って異なる半径方向平面に異なる直径のマイクロチャネルが存在してもよい。特定の例では、内管1820は、外側チャンバ1810の長手方向軸に沿って概して増加する内径を有するものとして示されているが、本明細書で述べるように、この寸法変化は必須ではない。内管1820のいくつかの部分は、層流を促進するために「平坦」であるか、若しくは長手方向軸L1とほぼ平行であってもよく、又は、代替構成では、内管1820のいくつかの部分は、層流を促進するために、少なくともある程度の長さにわたって外管1810の表面とほぼ平行であってもよい。外側チャンバの内径は、入口端部1811から出口端部1813に向かって一点まで増加し、次いで出口端部1813に向かって減少し、結果、外側チャンバ1810の内径は、出口端部1813において入口端部1811より小さい。所望に応じて、外側チャンバ1810の内径は、入口端部1811から出口端部1813に向かって一定のままであってもよく、又は入口端部1811から出口端部1813に向かって増加してもよい。
【0082】
いくつかの例では、イオン化源1615は、誘導結合プラズマ、放電プラズマ、容量結合プラズマ、マイクロ波誘導プラズマ、脱離イオン化源、グロー放電イオン化源、電気スプレーイオン化源、大気圧イオン化源、大気圧化学イオン化源、光イオン化源、電子イオン化源、及び化学イオン化源のうちの1つ以上のうちの1つ以上を含んでもよい。ICPイオン源構成要素の様々な例示を下記に説明する。ICPイオン源の一般化された概略図を
図19Aに示す。ICPイオン源1900は、誘導装置1902(及び任意選択的に容量性装置(図示せず))と、誘導装置1902に電気的に結合することができる発生器1904とを備える。発生器1904は、無線周波数及び/又は無線周波数電圧を誘導装置1902に提供して、無線周波数エネルギーをトーチ1906に提供することができる。プラズマガスをトーチ1906内に提供し、誘導装置1902から提供された無線周波数エネルギーの存在下で点火して、トーチ1906内のプラズマを維持することができる。プラズマは、被分析試料をイオン化し、イオン流又はイオンビーム1909中の被分析イオンをイオンインターフェース1908に提供することができる。様々なタイプのイオン化装置及びイオン化源並びに関連する構成要素は、例えば、同一出願人による米国特許第10,096,457号、同第9,942,974号、同第9,848,486号、同第9,810,636号、同第9,686,849号、及びPerkinElmer Health Sciences,Inc.(マサチューセッツ州ウォルサム)又はPerkinElmer Health Sciences Canada,Inc.(ウッドブリッジ、カナダ)が現在所有する他の特許に見出すことができる。
【0083】
図19Bを参照すると、ICP源1910の一構成において、誘導装置1912は誘導コイルとして構成することができる。ICP源1910は、誘導コイル1912と組み合わせてトーチ1914を備える。誘導コイル1912は、典型的には、トーチ1914内に無線周波数エネルギーを提供し、誘導結合プラズマ1920を維持するために無線周波数発生器(図示せず)に電気的に結合される。本明細書に記載の試料導入装置を使用して、試料をプラズマ1920に噴霧して、試料中の種をイオン化及び/又は原子化することができる。試料中の金属種(又は有機種)をイオン化又は原子化し、光学技法若しくは質量分析技法又は他の適切な技術を使用して検出することができる。
【0084】
特定の実施形態では、ICPを維持するために使用される誘導コイルは、放射状フィンを含むことができる。
図20を参照すると、複数の放射状フィンを備え、トーチ2020に隣接して位置付けられた誘導コイル2010が示されている。ICPトーチ2020からのイオンは、下流構成要素に提供される前にサンプリング及び集束するために、本明細書に記載のイオンインターフェースに提供することができる。さらに、イオンインターフェースを使用して、システム内の全体的な圧力をトーチ2020内のICPの大気圧に近い圧力から、所望に応じて大気圧より低い圧力に低下させることができる。
【0085】
ここで
図21を参照すると、プレート電極2120、2121を備えるICP源2100の1つの図解が示されている。第1のプレート電極2120及び第2のプレート電極2121は、トーチ2110を受け入れることができる開口を備えるものとして示されている。例えば、トーチ2110は、プレート電極2120、2121を備える誘導装置のいくつかの領域内に配置することができる。プラズマ又は例えば誘導結合プラズマなどの他のイオン化/原子化源2150は、トーチ2110及びプレート2120、2121からの誘導エネルギーを使用して維持することができる。無線周波数発生器2130は、プレート2120、2121の各々に電気的に結合されて示されている。所望に応じて、代わりに単一のプレート電極のみを使用することができる。試料導入装置を使用して、試料をプラズマ2150に噴霧して、試料中の種をイオン化及び/又は原子化することができる。イオン化試料中のイオン及び原子は、下流構成要素に提供される前にサンプリング及び集束するために、本明細書に記載のイオンインターフェースに提供することができる。さらに、イオンインターフェースを使用して、システム内の全体的な圧力をICP2150の大気圧から、所望に応じて大気圧より低い圧力に低下させることができる。
【0086】
いくつかの例では、ICP以外のイオン化源を本明細書に記載のイオンインターフェースと共に使用することができる。イオン化源は、典型的には、チャンバに導入された被分析試料をイオン化するために使用することができる1つ以上の構成要素を含むチャンバを含む。
図22を参照すると、ソースブロック2205、イオン反発電極2210、フィラメント2212、電子トラップ2214、及び出口2216を備える電子イオン化(EI)源2200が示されている。ソースブロック2205とフィラメント2212との間に電位を印加して、フィラメント2212からソースブロック2205に電子を提供することができ、例えば、電子は電子トラップ2214に向かって移動することができる。試料がソースブロック2205に導入されると、試料は電子と衝突してイオン化することができる。所望に応じて、ソースブロック2205に化学ガスを導入して、化学ガスから形成されたイオンを用いて試料をイオン化することができる。
【0087】
いくつかの例では、本明細書に記載のイオンインターフェースと共に使用される質量分析器1640は、一般に試料の性質、所望の分解能などに応じて多数の形態をとることができ、例示的な質量分析器は、例えば四重極又は他のロッドアセンブリなどの1つ以上のロッドアセンブリを含むことができる。いくつかの例では、イオンインターフェースは、質量分析器が1つ以上のコーン、例えばスキマコーン、サンプリングコーン、ハイパースキマコーン、レンズなどを含むように、質量分析器1640と一体であってもよい。質量分析器は、イオン化源及び/又はイオンインターフェースから受け取られた入射ビームをサンプリング及び/又はフィルタリングするために使用することができる1つ以上のイオンガイド、衝突セル、イオン光学系及び他の構成要素をさらに備えることができる。様々な構成要素は、干渉種を除去し、光子を除去し、他の様態で入射イオンから所望のイオンを選択するのを助けるように選択することができる。いくつかの例では、質量分析器1640は飛行時間型装置であってもよく、又は飛行時間型装置を含んでもよい。場合によっては、質量分析器1640は、それ自体の無線周波数発生器を備えてもよい。特定の例では、質量分析器1640は、走査質量分析器、磁気セクタ分析器(例えば、単焦点及び二重焦点MS装置で使用するためのもの)、四重極質量分析器、イオントラップ分析器(例えば、サイクロトロン、四重極イオントラップ)、飛行時間分析器(例えば、マトリックス支援レーザ脱離イオン化飛行時間分析器)、及び異なる質量電荷比を有する種を分離することができる他の適切な質量分析器とすることができる。所望に応じて、質量分析器1640は、イオンインターフェースから受け取ったイオンを選択及び/又は識別するために、直列に配置された2つ以上の異なる装置、例えばタンデムMS/MS装置又はトリプル四重極装置を含むことができる。本明細書で述べるように、質量分析器は、質量分析器の様々な段階でイオンを選択するために使用される真空を提供するために真空ポンプに流体的に結合することができる。真空ポンプは、典型的には、粗面化ポンプ若しくはフォアラインポンプ、ターボ分子ポンプ、又はその両方である。質量分析器内に存在し得る様々な構成要素は、例えば、共同所有されている米国特許第10,032,617号、同第9,916,969号、同第9,613,788号、同第9,589,780号、同第9,368,334号、同第9,190,253号、及びPerkinElmer Health Sciences,Inc.(マサチューセッツ州ウォルサム)又はPerkinElmer Health Sciences Canada,Inc.(ウッドブリッジ、カナダ)が現在所有する他の特許に見出すことができる。
【0088】
いくつかの例では、検出器1645を使用して、質量分析器によってフィルタリング又は選択されたイオンを検出することができる。検出器は、例えば、既存の質量分析計、例えば、電子増倍管、ファラデーカップ、コーティング感光板、シンチレーション検出器、マルチチャネルプレートなどと共に使用することができる任意の適切な検出装置、及び本開示の利益を考慮して、当業者によって選択される他の適切な装置であってもよい。質量分析計内で使用することができる例示的な検出器は、例えば、共同所有されている米国特許第9,899,202号、第9,384,954号、第9,355,832号、第9,269,552号、及びPerkinElmer Health Sciences,Inc.(マサチューセッツ州ウォルサム)又はPerkinElmer Health Sciences Canada,Inc.(ウッドブリッジ、カナダ)が現在所有する他の特許に見出すことができる。
【0089】
特定の場合には、システムはまた、典型的にはマイクロプロセッサ及び/又はコンピュータ並びに質量分析計に導入された試料の分析に適したソフトウェアの形態をとるプロセッサ1650(
図16Fに示すように、)を備えてもよい。プロセッサ1650は、イオンインターフェース1620、質量分析器1640及び検出器1645に電気的に結合されているように示されているが、概してシステムの異なる構成要素を制御又は動作させるために、他の構成要素、例えば試料導入装置1610及び/又はイオン化源1615に電気的に結合することもできる。いくつかの実施形態では、プロセッサ1650は、システムを使用する様々な動作モードのためにシステムの動作を制御及び調整するために、例えばコントローラ内に又はスタンドアロンプロセッサとして存在することができる。この目的のために、プロセッサは、例えばイオンインターフェース内の異なる要素に印加される電圧を制御するために、システムの構成要素、例えば、1つ以上のポンプ、1つ以上の電圧源、ロッドなどの各々、及びイオンインターフェース1620に存在する要素のうちの1つ以上に電気的に結合することができる。
【0090】
特定の構成では、プロセッサ1650は、例えば、イオン源、ポンプ、イオンインターフェースの要素、質量分析器、検出器などの電圧を制御するために、例えば、マイクロプロセッサ及び/又はシステムを動作させるための適切なソフトウェアを含む、1つ以上のコンピュータシステム及び/又は共通のハードウェア回路内に存在してもよい。いくつかの例では、システムの任意の1つ以上の構成要素は、その構成要素の動作を可能にするために、それ自体のそれぞれのプロセッサ、オペレーティングシステム、及び他の機能を含むことができる。プロセッサは、システムと一体とすることができ、又は、システムの構成要素に電気的に結合されている1つ以上のアクセサリ基板、プリント回路基板、又はコンピュータ上に存在してもよい。プロセッサは、典型的には、システムの他の構成要素からデータを受信し、必要又は所望に応じて様々なシステムパラメータの調整を可能にするために、1つ以上のメモリユニットに電気的に結合される。プロセッサは、Unix(登録商標)、Intel PENTIUM(登録商標)型プロセッサ、Motorola PowerPC、Sun UltraSPARC、Hewlett-Packard PA-RISCプロセッサ、又は任意の他のタイプのプロセッサに基づくものなどの汎用コンピュータの一部であってもよい。本技術の様々な実施形態に従って、任意のタイプのコンピュータシステムのうちの1つ以上を使用することができる。さらに、システムは、単一のコンピュータに接続されてもよいし、又は、通信ネットワークによって接続された複数のコンピュータの間に分散されてもよい。ネットワーク通信を含む他の機能を実行することができ、本技術は任意の特定の機能又は機能のセットを有することに限定されないことを理解されたい。様々な態様は、汎用コンピュータシステムで実行される専用ソフトウェアとして実装されてもよい。コンピュータシステムは、ディスクドライブ、メモリ、又はデータを記憶するための他の装置などの1つ以上のメモリ装置に接続されたプロセッサを含むことができる。メモリは、典型的には、様々なモードでのシステムの動作中にプログラム、較正及びデータを記憶するために使用される。コンピュータシステムの構成要素は、1つ以上のバス(例えば、同じ機械内に統合された構成要素間)及び/又はネットワーク(例えば、別個の離散的な機械に存在する構成要素間)を含むことができる相互接続装置によって結合することができる。相互接続装置は、通信(例えば、信号、データ、命令)が、システムの構成要素間で交換されることを可能にする。コンピュータシステムは、典型的には、イオンインターフェースの迅速な制御を可能にするために、例えば数ミリ秒、数マイクロ秒以下の処理時間内にコマンドを受信及び/又は発行することができる。例えば、真空圧力を制御し、イオンインターフェースの要素に電圧を提供するなどのために、コンピュータ制御を実施することができる。プロセッサは、典型的には、例えば、直流源、交流源、バッテリ、燃料電池、若しくは他の電源、又は電源の組み合わせとすることができる電源に電気的に結合される。電源は、システムの他の構成要素によって共有され得る。システムはまた、1つ以上の入力装置、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、マイクロフォン、タッチスクリーン、手動スイッチ(例えば、オーバーライドスイッチ)、及び1つ以上の出力装置、例えば、印刷装置、ディスプレイスクリーン、スピーカを含むことができる。さらに、システムは、(相互接続装置に加えて、又は相互接続装置の代替として)コンピュータシステムを通信ネットワークに接続する1つ以上の通信インターフェースを含むことができる。システムはまた、システム内に存在する様々な電気装置から受信した信号を変換するための適切な回路を含むことができる。そのような回路は、プリント回路基板上に存在することができ、又は適切なインターフェース、例えばシリアルATAインターフェース、ISAインターフェース、PCIインターフェースなどを通じて、又は1つ以上の無線インターフェース、例えばBluetooth(登録商標)、Wi-Fi、近距離無線通信若しくは他の無線プロトコル及び/若しくはインターフェースを通じてプリント回路基板に電気的に結合されている別個の基板若しくは装置上に存在してもよい。
【0091】
特定の実施形態では、本明細書に記載のシステムで使用される記憶システムは、典型的には、プロセッサによって実行されるプログラムによって使用され得るコード又はプログラムによって処理される媒体上若しくは媒体内に記憶された情報を記憶することができるコンピュータ可読かつ書き込み可能不揮発性記録媒体を含む。媒体は、例えば、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、又はフラッシュメモリであってもよい。典型的には、動作中、プロセッサは、データが不揮発性記録媒体から別のメモリに読み取られるようにし、これによって、プロセッサによる情報へのアクセスを、媒体よりも高速にすることが可能である。したがって、メモリは、典型的には、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)又はスタティックメモリ(「SRAM」)などの揮発性ランダムアクセスメモリである。これは、記憶システム又はメモリシステム内に配置されてもよい。プロセッサは、一般に、集積回路メモリ内のデータを操作し、次いで、処理が完了した後にデータを媒体にコピーする。媒体と集積回路メモリ要素との間のデータ移動を管理するための様々な機構が知られており、技術はそれに限定されない。技術はまた、例は特定のメモリシステム又は記憶システムにも限定されない。特定の実施形態では、システムはまた、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの、特別にプログラムされた専用ハードウェアを含むことができる。本技術の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実施されてもよい。さらに、そのような方法、動作、システム、システム要素、及びそれらの構成要素は、上述のシステムの一部として、又は独立した構成要素として実装されてもよい。特定のシステムは、例として、本技術の様々な態様を実施することができる1つのタイプのシステムとして記載されているが、態様は記載されたシステム上で実施されることに限定されないことを理解されたい。様々な態様は、異なるアーキテクチャ又は構成要素を有する1つ以上のシステム上で実施することができる。システムは、高レベルコンピュータプログラミング言語を使用してプログラム可能な汎用コンピュータシステムを含むことができる。システムはまた、特別にプログラムされた専用ハードウェアを使用して実装されてもよい。システムにおいて、プロセッサは、典型的には、Intel Corporationから入手可能な周知のPentiumクラスプロセッサなどの市販のプロセッサである。他の多くのプロセッサも市販されている。そのようなプロセッサは、通常、例えば、Microsoft Corporationから入手可能なWindows(登録商標) 95、Windows 98、Windows NT、Windows 2000(Windows ME)、Windows XP、Windows Vista、Windows 7、Windows 8、若しくはWindows 10オペレーティングシステム、MAC OS X、例えば、Snow Leopard、Lion、Mountain Lion、若しくはAppleから入手可能な他のバージョン、Sun Microsystemsから入手可能なSolarisオペレーティングシステム、又は様々なソースから入手可能なUNIX若しくはLinux(登録商標)オペレーティングシステムであり得るオペレーティングシステムを実行する。多くの他のオペレーティングシステムが使用されてもよく、特定の実施形態では、コマンド又は命令の単純なセットがオペレーティングシステムとして機能してもよい。
【0092】
特定の例では、プロセッサ及びオペレーティングシステムは共に、高レベルプログラミング言語のアプリケーションプログラムが書かれ得るプラットフォームを規定する。本技術は、特定のシステムプラットフォーム、プロセッサ、オペレーティングシステム、又はネットワークに限定されないことを理解されたい。また、本開示の利点を考慮すると、本技術が特定のプログラミング言語又はコンピュータシステムに限定されないことは当業者には明らかである。さらに、他の適切なプログラミング言語及び他の適切なシステムも使用されてもよいことを理解されたい。特定の例では、ハードウェア又はソフトウェアは、認知アーキテクチャ、ニューラルネットワーク、又は他の適切な実施態様を実装するように構成することができる。所望に応じて、コンピュータシステムの1つ以上の部分は、通信ネットワークに結合されている1つ以上のコンピュータシステムにわたって分散されてもよい。これらのコンピュータシステムはまた、汎用コンピュータシステムであってもよい。例えば、様々な態様を、1つ又は複数のクライアントコンピュータにサービス(例えば、サーバ)を提供するように、又は分散システムの一部としてタスク全体を実行するように構成された、1つ又は複数のコンピュータシステムの間で分散させることができる。例えば、様々な実施形態による様々な機能を実行する1つ又は複数のサーバシステムに分散された構成要素を含む、クライアントサーバシステム又は多層システム上で様々な態様を実行することができる。これらの構成要素は、通信プロトコル(例えばTCP/IP)を使用して、通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介して通信する実行可能コード、中間コード(例えば、IL)、又はインタープリタコード(例えば、Java(登録商標))であってもよい。本技術は、任意の特定のシステム又はシステムのグループ上で実行することに限定されないことも理解されたい。また、本技術は、いかなる特定の分散アーキテクチャ、ネットワーク、又は通信プロトコルにも限定されないことを理解されたい。
【0093】
場合によっては、例えば、SQL、SmallTalk、Basic、Java、Javascript、PHP、C++、Ada、Python、iOS/Swift、Ruby on Rails又はC#(Cシャープ)などのオブジェクト指向プログラミング言語を使用して、様々な実施形態をプログラムすることができる。他のオブジェクト指向プログラミング言語も使用することができる。代替的に、関数型、スクリプト型、及び/又は論理型のプログラミング言語を使用することもできる。様々な構成を、プログラムされていない環境(例えば、ブラウザプログラムのウィンドウに表示されたときに、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の諸態様をレンダリングし、又は他の機能を実行するHTML、XML、又は他のフォーマットで作成された文書)で実施することができる。特定の構成は、プログラム要素若しくは非プログラム要素、又はそれらの任意の組み合わせとして実施されてもよい。場合によっては、システムは、有線又は無線インターフェースを通じて通信することができ、所望に応じてシステムの遠隔操作を可能にするモバイル装置、タブレット、ラップトップコンピュータ、又は他のポータブル装置上に存在するものなどの遠隔インターフェースを備えることができる。
【0094】
特定の実施形態では、本明細書に記載のイオンインターフェースは、誘導結合プラズマ及び任意選択的に他の構成要素を含む質量分析計システム内で使用することができる。
図23を参照すると、システム2300は、トーチ2310と、誘導結合プラズマ2320を維持するために使用することができる誘導コイル2315とを備える。プラズマ2320から出るイオンビームは、典型的には、被分析イオン、電子、光子及びアルゴンイオンの混合物である。誘導結合プラズマ中のイオンは、グランドに電気的に結合することができるサンプラコーン2325に入射する。サンプラコーン2325の前面の圧力は、大気圧に近いか又は大気圧より大きい。サンプラコーン2325の後方の圧力は、典型的には大気圧より低く、例えば1~3Torrである。圧力は、この領域を例えば機械式ポンプなどの真空ポンプに流体的に結合することによって低減することができる。スキマコーン2330は、サンプラコーン2325の下流に存在し、サンプラコーン2325内の第1のオリフィスを通過するイオンを受け取ることができる。例えば、サンプラコーン2325の第1のオリフィスを通って入るイオンは、スキマコーン2330に向かって超音波的に膨張することができる。スキマコーン2330は、
図23に示すように電気的に接地することもできる。スキマコーン2330の背面の圧力は、典型的には、スキマコーン2330の前面の圧力より低く、例えば、スキマコーンの背面の圧力は、約0.01~0.1Torrであり得る。スキマコーン2330内の第2のオリフィスを通過するイオンは、その後、第3のオリフィスを備える下流のハイパースキマコーン2335に提供される。イオンビームがコーン2335の第3のオリフィスを通って入ると、イオンビームは大きく正に帯電する。第1の非ゼロ電圧をハイパースキマ2335に提供することができ、例えば、正電圧を電圧源2337からハイパースキマ2335に印加することができる。しかしながら、イオンに応じて、代わりに負電圧をハイパースキマ2335に印加することができる。ハイパースキマ2335に提供される正電圧は、ハイパースキマ2335を通って進むビームを絞ることができ、イオンを集束させることができる。イオンビームのこの絞りは、ビームを外側に拡散又は拡大させる傾向がある空間電荷効果を低減することができる。集束イオンは、それ自体が電圧源2342から第2の非ゼロ電圧を受け取ることができる下流リングレンズ2340に提供することができる。所望に応じて、単一の電圧源のみが存在し、第1の非ゼロ電圧及び第2の非ゼロ電圧を提供するために使用されてもよい。一態様では、リングレンズ2340は負電圧を受け取って、ハイパースキマ2335からイオンを抽出し、イオンビームをリングレンズ2340に向かって加速することができる。別の態様では、正電圧をリングレンズ2340に提供することができる。いくつかの例では、リングレンズ2340に提供される正電圧は、ハイパースキマ2335に提供される正電圧よりわずかに正であり得る。システムはまた、質量分析器などの下流構成要素にイオンを提供するために使用することができるゲートバルブ2345及びイオン光学系2350を備えることができる。下流の質量分析器内の圧力は、様々な質量分析器段階で使用される高真空に起因して、例えばターボ分子ポンプによって提供される真空に起因して、典型的にははるかに低く、例えば10
-4Torr以下である。コーン2325、2330及び2335は、同じ又は異なる材料、例えばニッケル又は他の材料から製造することができる。レンズ2340は、
図5A及び
図5Bを参照して説明したこれらの材料のいずれかから製造することができる。
【0095】
特定の実施形態では、システムは、イオンガイド/偏向器に流体的に結合されているイオンインターフェースを備えることができる。
図24に示すように、システムは、第1のコーン2425と、第2のコーン2430と、第3のコーン2435と、シリンドリカルレンズ2440と、イオンガイド/偏向器2450とを備える。所望に応じて、イオン光学系(図示せず)がレンズ2440と偏向器2450との間に存在することができる。システム2400は、
図23のシステムと同様に動作することができ、レンズ2440を出るイオンは、イオンガイド/偏向器2450に直接提供される。イオンガイド/偏向器2450の下流には他の構成要素が存在してもよい。
【0096】
本明細書に記載の技術の新規かつ発明的な態様のさらにいくつかを説明するために、特定の具体例を記載する。
【0097】
実施例1
図25A及び
図25Bを参照すると、コーン2520及びシリンドリカルレンズ2530を保持するように構成されているホルダ2510が示されている。ホルダ2510は、摩擦嵌合、ねじ山、ばね荷重固定具、1つ以上の外部締結具又は他の装置若しくは構造によってコーン2520及びシリンドリカルレンズ2530を受け入れることができる。ホルダ2510は、所望に応じて、レンズ2530がホルダ2510の背面と同一平面になるようなサイズ及び配置構成にすることができる。ホルダ2510は、コーン2520とレンズ2530との間に介在する構造又は構成要素が存在しないように、コーン2520をレンズ2530に直接隣接して位置付けるために使用することができる。
【0098】
実施例2
図26Aを参照すると、従来の設定を使用して、アルゴンイオン、電子及びリチウムイオンの軌道を示すためにシミュレーションが実行された。シミュレートされた1つのシステムは、グランドに電気的に結合されているハイパースキマコーン2610、イオン光学系2620、及びイオンガイド/偏向器2630を含んでいた。イオンがハイパースキマコーン2610に入ると、それらは空間電荷効果のために直ちに膨張し、外側に拡散し始める。この膨張は、イオン光学系2620及びガイド2630に入る広いイオンビームをもたらす。広いイオンビームは、イオン感度を低下させる可能性があり、イオンガイド/偏向器2630を使用して任意の電子及び/又は中性種を除去することを困難にする可能性がある。
【0099】
図26Bを参照すると、別のシミュレーションが実行されており、第2のシミュレーションシステムは、わずかに正の印加電位(+15ボルト)を有するハイパースキマコーン2650と、負の印加電位(-200ボルト)を有するリングレンズ2660と、イオン光学系2670と、イオンガイド/偏向器2680とを含んでいた。コーン2650に入るイオンビームは、コーン2610に入るビームより集束されたままである。さらに、ハイパースキマコーン2650に入るイオンビームは、一般に、正に帯電したビームとして挙動し、負の電位を有するリングレンズ2660に向かってコーン2650を出るときに集束される。リングレンズ2660は、集束ビームがイオン光学系2670及びイオンガイド/偏向器2680に提供される前に、ビームをさらに絞って集束させる。
【0100】
図26A及び
図26Bのシミュレーションを比較すると、リングレンズ2660の存在、並びにコーン2650及びリングレンズ2660に印加される電圧は、バックグラウンドノイズを大幅に増加させることなくイオンスループットを改善することができる。
【0101】
【0102】
図27Aを参照すると、等電位曲線は、コーン2610において0ボルトから始まりイオン光学系2620に向かって減少する単調減少電位を示す。
図27Bを参照すると、等電位曲線は、電位がコーン2650において正であり、リングレンズ2660内の最小負電位まで減少し、次いでイオン光学系2670に向かってより低い大きさの負電位まで増加することを示す。レンズ2660内のこの最小負電位の存在は、イオンビームを下流構成要素に提供する前にビームを絞って集束させるために使用することができる。
【0103】
実施例4
ベリリウム9、インジウム115、セリウム140、及びウラン238を含む種々のイオンについて、既存のシステム(
図26Aに示すような)並びにコーン及びリングレンズを含むシステム(
図26Bに示すような)を使用して比較を行った。結果は、各グループの左側に示されている既存のシステムを使用した感度、並びに、各グループの右側に示されているハイパースキマコーン及びリングレンズシステムを使用した感度によって、
図28に示されている。信号強度は、ハイパースキマ及びリングレンズ系を使用したすべてのイオンでより高かった。場合によっては、ハイパースキマコーンとリングレンズとの組み合わせを使用して、2~3倍高い感度を得ることができる。
【0104】
実施例5
図29を参照すると、リングレンズ2920は、非ゼロ電圧を受け取るように構成されているハイパースキマコーン2910の直後に配置することができる。リングレンズ2920及びハイパースキマコーン2910は、約1~5mm分離することができる。リングレンズ2920の内径は、コーン2910の基部以上になるように選択することができる。この構成は、スパッタによる汚染をより少なくし、より高いスループットをもたらすことができる。
【0105】
リングレンズ2920の全体サイズを選択する際に、リングレンズは、レンズ長に対する開口の比によって定義することができる。リングレンズ2920は、一般に、より低い開口対長さ比を有し、一方、平面レンズは、平面レンズの長さが短いために、より高い開口対長さ比を有する。表1は、例示的なリングレンズの入口レンズ2930及びイオンガイド/偏向器2940の開口に対するリングレンズ2920の直径(D)対長さL)比を比較する。
【0106】
【0107】
比較すると、平面レンズのD/L比は、典型的には6超又は2.5超である。
実施例6
イオンインターフェースの特定の構成要素の断面を
図30に示す。インターフェースは、サンプラコーン3010と、スキマコーン3020と、ハイパースキマコーン3030と、ハイパースキマコーン3030及びリングレンズ3050をともに保持するホルダ3040と、イオン光学系3055と、イオンガイドの入口レンズ3050とを備える。サンプラコーン3010のオリフィスの前縁からスキマコーン3020のオリフィスの前縁までの距離は、約7.5mmである。スキマコーン3020のオリフィスの前縁からハイパースキマコーン3030のオリフィスの前縁までの距離は、約3.5mmである。ハイパースキマコーン3030の前縁からハイパースキマコーン3030の基部までの距離は、約20mmである。リングレンズ3050は、ハイパースキマコーン3030の基部から約1.05mm離間させることができる。リングレンズ3050は、約7.05mmの長さを有することができる。リングレンズ3050の後縁は、入口レンズ3060の前縁から約9.1mm離れた位置にある。入口レンズ3060の厚さは、約1.52mmとすることができる。サンプラコーン3010内のオリフィスの直径は、約1.12mmとすることができる。スキマコーン3020内のオリフィスの直径は、約0.88mmとすることができる。ハイパースキマコーン3030内のオリフィスの直径(入口側)は、約1.00mmとすることができる。ハイパースキマコーン3030の基部は、約15.55mm幅とすることができる。リングレンズ3050は、ハイパースキマコーンの基部幅以上の内径を含むことができ、例えば、リングレンズの開口は、15.55mm以上の直径を含むことができる。入口レンズ3060の開口は、約12.00mmとすることができる。オリフィス及び開口は、典型的には円形であるが、代わりに他の形状を使用することもできる。
【0108】
本明細書に開示される例の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、及び「上記(said)」は、1つ以上の要素があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、オープンエンドであることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。本開示の利点を考慮すると、実施例の様々な構成要素は、他の実施例の様々な構成要素と交換又は置換することができることが当業者によって認識されるであろう。
【0109】
特定の態様、実施例、及び実施形態を上述したが、本開示の利益を考慮すると、開示された例示的な態様、実施例、及び実施形態の追加、置換、修正、及び変更が可能であることが当業者によって認識されるであろう。
【国際調査報告】