(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】駐車場の駐車場駐車システムの操作方法および駐車場駐車システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20230317BHJP
E04H 6/00 20060101ALI20230317BHJP
E04H 6/10 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
G08G1/14 A
E04H6/00 A
E04H6/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547811
(86)(22)【出願日】2021-01-27
(85)【翻訳文提出日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2021051792
(87)【国際公開番号】W WO2021164998
(87)【国際公開日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】102020001085.7
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】トビーアス・フグ
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB15
5H181KK01
5H181KK06
5H181KK08
(57)【要約】
本発明は、駐車場(10)の駐車場駐車システム(12)の操作方法に関し、駐車場(10)の現在の占有状態が、駐車場駐車システム(12)の電子計算装置(24)によって決定され、クイックアクセス駐車スペース(26)が、決定された占有状態に応じて、駐車される自動車(22)に割り当てられ、駐車される自動車(22)がクイックアクセス駐車スペース(26)に無人で移動されるものであり、情報メッセージ(28)が、決定基準に応じて、駐車される自動車(22)のユーザ(18)に電子計算装置(24)によって伝達され、情報メッセージ(28)は、電子計算装置(24)によって決定された受け取り時間(30)をユーザ(18)に提案するものであり、提案された受け取り時間(30)のユーザ(18)による受諾の後に、駐車される自動車(22)が、クイックアクセス駐車スペース(24)から長期駐車スペース(32)に無人で移動される。本発明はまた、駐車場駐車システム(12)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の自動車(14、22)のための駐車場(10)の駐車場駐車システム(12)の操作方法であって、前記駐車場(10)の現在の占有状態が、前記駐車場駐車システム(12)の電子計算装置(24)によって決定され、クイックアクセス駐車スペース(26)が、前記決定された占有状態に応じて、前記駐車場(10)の複数の駐車スペースから、駐車される自動車(22)に割り当てられ、前記駐車される自動車(22)が前記クイックアクセス駐車スペース(26)に無人で移動される方法において、
情報メッセージ(28)が、決定基準に応じて、前記駐車される自動車(22)のユーザ(18)に電子計算装置(24)によって伝達され、前記情報メッセージ(28)は、前記電子計算装置(24)によって決定された受け取り時間(30)を前記ユーザ(18)に提案するものであり、前記提案された受け取り時間(30)の前記ユーザ(18)による受諾の後に、前記駐車される自動車(22)が、前記クイックアクセス駐車スペース(24)から長期駐車スペース(32)に無人で移動されることを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記駐車される自動車(22)が前記長期駐車スペース(32)に移動された場合、前記駐車される自動車(22)は、指定された駐車時間閾値を超える最小駐車時間の間駐車されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クイックアクセス駐車スペース(26)の面積と同じ大きさの前記長期駐車スペース(32)の面積で、より多くの自動車(14、22)および/またはより大きな自動車(14、22)が駐車されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記駐車場(10)に駐車される自動車(14、22)の数が数量閾値(44)を超える場合のみ、前記受け取り時間(30)が前記ユーザ(18)に提案されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記受け取り時間(30)は、時間(t)に応じて、利用可能な駐車スペースに関する統計データに基づいて提案されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記統計データは、前記駐車場(10)における過去の占有状態に基づいて、前記電子計算装置(24)によって決定および評価されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記駐車される自動車(22)は、前記受け取り時間(30)に、前記クイックアクセス駐車スペース(26)に移動されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ユーザ(18)が追加的に最小駐車時間を指定し、前記指定された最小駐車時間に応じて、前記電子計算装置(24)によって、前記駐車される自動車(22)が、前記クイックアクセス駐車スペース(26)または前記長期駐車スペース(32)に移動されるかどうかが決定されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記駐車場(10)内の長期駐車スペース(32)および/または前記駐車場(10)外の長期駐車スペース(32)が、前記長期駐車スペース(32)として使用されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
複数の自動車(14、22)のための駐車場(10)の駐車場駐車システム(12)であって、少なくとも1つの電子計算装置(24)を備え、前記駐車場駐車システム(12)が、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される、前記駐車場駐車システム(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の複数の自動車のための駐車場の駐車場駐車システムの操作方法に関する。本発明はまた、駐車場駐車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場は、いわゆる自動バレーパーキングを可能にする先行技術から知られており、これは、駐車スペースへの/からの自動車の自律的な駐車および退出を記述する。ここで、自動車は、例えば受け渡しゾーンで下車され、次いで、駐車場駐車システムによって自律的に駐車することができる。受け取りは、ユーザによって、例えばリモートコントロール装置、例えばスマートフォンを介して開始される。自動車は、その後、駐車場内の駐車スペースから受け渡しゾーンまで自律的に運転され、ドライバーにより受け取られ得る。駐車場の駐車システムは、上位の車両管理システムなしで、常に短時間で自動車を受け渡しゾーンに戻すことができる必要がある。このようなシステムによって都市環境において利用可能な駐車エリアの容量の最大利用を達成するために、様々な自動車の受け取り時間の考えられる最も正確な推定を可能にする知的管理システムを使用することが好都合であり得る。
【0003】
特許文献1は、駐車エリアの利用を最適化するための方法を提案しており、駐車エリアに駐車される車両は、それぞれ駐車スペースが割り当てられ、それらの車両は、それらに割り当てられた駐車スペースに、特に自律的に移動する。さらに、車両は、利用可能な駐車エリアの利用率の向上または車両のより迅速な利用可能性を可能にするために駐車スペースを変更することができ、それによって駐車場の最適化された利用が全体的に達成される。ここでは、該当車両の利用可能な範囲が最初に決定され、特定の駐車スペースの割り当ておよび/または駐車エリアの可能な変更が、個々の車両の利用可能な範囲に応じて行われる。車両の利用可能な範囲は、特に車両の残存燃料量または充電状態によって記述される。
【0004】
特許文献2は、駐車スペースから車両を退出する自動プロセスの開始時間が最適化されたバレーパーキング機能のための駐車スペース管理システムを提案している。この目的のため、駐車スペース管理システムが駐車スペースからの退出プロセスを開始しなければならないとき、時間通りに受け取り位置にいるために、この発明による駐車スペース管理システムが受け取られる車両と通信できるように、駐車車両の運転者が指定された受け取り位置にいるであろう時が推定または明示的に指定される。駐車スペース管理システムは、この目的のために計算装置を有し、これは指定された受け取り時間に応じて駐車スペースから車両を退出するプロセスの開始のための最適化された開始時間を計算する。この場合、駐車スペースから車両を退出するための軌跡は、割り当てられた駐車スペースの位置と受け取り位置の関数として考慮することができる。したがって、割り当てられた駐車スペースから受け取り位置への車両の退出のための軌道に沿って車両が移動するために必要な時間を計算することができる。
【0005】
特許文献3は、計算装置を備える駐車スペース管理システムを提案している。この駐車スペース管理システムは、指定された駐車エリアの占有状態を監視し、通信リンクにより車両のユーザによる駐車要求の受信時に、ユーザの車両に駐車スペースを割り当て、通信リンクにより割り当てられた駐車スペースの位置データを車両に通信するように構成される。この発明によれば、駐車スペース管理システムは、開始時間に車両を駐車スペースから退出する処理を開始するように構成され、車両は、特に自律的に、または遠隔制御の様式で、指定された受け取り位置まで移動されるものであり、その開始時間は、ユーザの1日のプロファイルに基づいて決定された受け取り時間に応じて計算装置によって算出される。
【0006】
特許文献4は、自動駐車システムのためのシステムを開示している。このシステムは、車両駐車スペースの占有状態を検出する検出サブシステムを含み、この検出サブシステムは、車両駐車スペースに対するリアルタイムの占有状態信号を提供し、この占有状態信号は、占有モードと非占有モードを含む。このシステムはまた、検出サブシステムに接続された、占有状態信号を送信するための通信サブシステムを備える。このシステムはまた、占有状態信号を受信するための管理サブシステムを備え、この管理サブシステムは、占有状態信号のモード変更時に車両駐車スペースに対する駐車処理を自動的に処理する。方法は、駐車スペースまたはエリアの占有の検出時に駐車処理を自動的に開始すること、および、駐車スペースまたはエリアの空きの検出時に駐車処理を自動的に停止することを含む。追加の要素は、認可システムおよび通知システムを含み得る。この方法は、1つ以上の駐車スペースまたはエリアの占有状態の変化を自動的に識別し、適切な場合、1つ以上の駐車スペースの各々に関連する占有状態信号の対応する識別された変化に応答する駐車処理を自動的に開始/停止するための識別された駐車方法、ならびに開示されたシステムを生成および使用するための方法を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】DE 10 2015 201 205
【特許文献2】DE 10 2013 222 071 A1
【特許文献3】DE 10 2016 219 698
【特許文献4】US 2006/0212344 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、駐車場の容量の改善された利用が実現され得る方法および駐車場駐車システムを創造することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、独立請求項に記載の方法および駐車場駐車システムによって達成される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0010】
本発明の一態様は、複数の自動車のための駐車場の駐車場駐車システムの操作方法に関し、駐車場の現在の占有状態が、駐車場駐車システムの電子計算装置によって決定され、クイックアクセス駐車スペースが、決定された占有状態に応じて、駐車場の複数の駐車スペースから、駐車される自動車に割り当てられ、駐車される自動車がクイックアクセス駐車スペースに無人で移動される。
【0011】
情報メッセージが、決定基準に応じて、駐車される自動車のユーザに電子計算装置によって伝達され、情報メッセージは、電子計算装置によって決定された受け取り時間をユーザに提案するものであり、提案された受け取り時間のユーザによる受諾の後に、自動車が、クイックアクセス駐車スペースから長期駐車スペースに無人で移動されることが提供される。
【0012】
これにより、駐車場の容量利用率を向上させることができる。したがって、駐車場駐車システムに対応する自動バレーパーキングシステムのための効率的な車両管理が提案され、これにより、操作員にとっては、個々の自動車が顧客によって再び要求され、さらなる駐車スペースが空いたときに計画操作を実行することが可能になり、それによって特に追加の駐車スペースが空く駐車場の操作員は、需要のピーク時に利用できるようにすることができる。同時に、顧客が一定時間自動車を必要としないことに同意した場合、または一定時間駐車場に自動車を放置することに同意した場合、顧客にボーナスシステムを提供することが可能になる。このアプローチの結果として、追加の駐車スペースまたはボーナスによって車両ユーザにとって最適なものを作成し、駐車場操作員のために駐車場の容量の改善された利用を達成することが可能である。
【0013】
換言すれば、自動バレーパーキングシステムを備えた駐車場は、現在利用可能な駐車スペースの数を恒久的に通知することが特に提案されている。したがって、容量利用率が継続的に監視される。例えば、ピーク時、例えば土曜日に、町の中心部の無料駐車スペースの数が特定の数を下回った場合、自動バレーパーキングシステムによって駐車場に車両を駐車させようとしているユーザは、このシステムによって連絡を受けることができる。利用可能な駐車スペースに関する、自動バレーパーキングシステムによって検出された統計データに基づいて、時間の経過とともに、特定の提案を顧客に提示することができる。例えば月曜日の午前10時まで、駐車場に車両を置いておくことを希望する顧客には、特定の時間を提案する。例えば、顧客は、駐車時間または駐車料金の割引の形でこれに対するボーナスを受け取る。連絡する顧客の数は、顧客によるオファーの受諾のレベルに応じて増減する。このようなオファーを受諾したり、特定の駐車時間を確認したりする顧客の自動車は、このシステムによってアクセスしにくいエリアに駐車されることができる。
【0014】
したがって、駐車場駐車システムによって、特にピーク時に、駐車スペースまたは駐車エリアをより密に詰め込み、インセンティブによってこのオファーを検討するように顧客を誘うことによって、さらなる顧客に追加の駐車スペースを提供することができる。駐車場駐車システムは、駐車場の容量の利用状態を監視し続けるか、または顧客と合意した期限の満了後、標準的な駐車スペースへの車両の自律的な移動を手配し、自動車を顧客によって数分以内に呼び戻し得るようにする。
【0015】
特に、例えば、駐車場がすでに「満車」とされている場合、自動車を長期駐車スペースに移動されることをユーザに提供し、所定の受け取り時間がユーザに提案されることを提供することができる。換言すれば、自動車は割り当てられたクイックアクセス駐車スペースに直接移動されるのではなく、長期駐車スペースに直接移動される。
【0016】
特に、自動車は、少なくとも部分的に自律的に、特に完全に自律的に、対応する駐車スペースに移動される。この目的のために、自動車は自律的な構成とすることができるが、コンベヤベルトおよびリフトを駐車場内に設置して、駐車場によって自動車の自律的な移動を開始することもできる。
【0017】
本文脈における用語「駐車される自動車」は、ユーザが下車した自動車を意味するものと理解される。このように駐車される自動車は、例えばクイックアクセス駐車スペースまたは長期駐車スペースに既に駐車されていてもよく、またはこれらの駐車スペースの1つに無人で移動される過程にあるものであってもよい。したがって、「駐車される自動車」という用語は、無人で移動される自動車に限定されず、代わりに、駐車場内でユーザが下車した自動車を単に記述する。
【0018】
有利な実施形態によれば、駐車される自動車が長期駐車スペースに移動された場合、自動車は、指定された駐車時間閾値を超える最小駐車時間の間駐車される。換言すれば、最小駐車時間が指定され、対応する受け取り時間がユーザに確実に提案されるようにする。これにより、長期駐車スペースとクイックアクセス駐車スペースとを確実に区別することができる。例えば、最小駐車時間未満で駐車する自動車をクイックアクセス駐車スペースに移動し、最小駐車時間を超えて駐車する自動車を長期駐車スペースに移動する。したがって、駐車場の容量利用率を向上させることができる。
【0019】
さらに、クイックアクセス駐車スペースの面積と同じ大きさの長期駐車スペースの面積で、より多くの自動車および/またはより大きな自動車が駐車される場合は有利である。特に、入れ子式の駐車が実行されること、つまり、自動車が駐車場駐車システムによって互いに密接に駐車され、駐車スペースからの手動の退出がもはや不可能になるが、これは自動車が互いに密接に配置され、例えばユーザが車両に入るのに十分な距離まで車両ドアを開けることができなくなるためである。特に、駐車場駐車システムによって、駐車スペースでの無人の駐車および退出のみが、このように実行され得る。特に、入れ子式の駐車場のために、より大きな駐車エリアを提供することができ、その結果、駐車場の容量利用率を改善することができる。
【0020】
駐車場に駐車される自動車の数が数量閾値を超える場合のみ、受け取り時間がユーザに提案される場合はさらに有利である。特に、駐車場は、対応する検出装置を備えてもよく、例えば、それによって、駐車される自動車の数を監視することができる。駐車場の容量利用率が、例えば75%を超えるなど、数量閾値を超えた場合にのみ、受け取り時間がユーザに提案される。換言すれば、駐車場の容量利用率が低い場合、自動車はクイックアクセス駐車スペースに移動され、ユーザはいつでも自動車を受け取ることができる。数量閾値を超えた場合にのみ、本発明による方法が実行され、駐車場の容量がより良好に利用され得る。
【0021】
あるいは、空きスペースの数が閾値を下回った場合、この方法を実行することもできる。換言すれば、空き駐車スペースが検出され、その数が指定された空きスペースの閾値を下回った場合に、この方法を実行することができる。
【0022】
さらに有利な実施形態によれば、受け取り時間は、時間に応じて、利用可能な駐車スペースに関する統計データに基づいて提案される。特に、例えば、自動車の平均駐車時間を決定し、決定された平均駐車時間に応じて受け取り時間をユーザに提案することを提供することができる。特に、例えば、駐車場でのピーク時間をこの目的のために考慮することができる。したがって、特にピーク時に、駐車場の容量利用率の改善が可能になる。
【0023】
統計データが、駐車場における過去の占有状態に基づいて、電子計算装置によって決定および評価される場合も同様に有利である。特に、占有の過去の状態または占有の複数の過去の状態は、したがって電子計算装置のメモリ装置に格納することができ、したがって評価することができる。これらの格納された占有状態に基づいて、次に、受け取り時間がユーザに提案される時刻を確実に決定することができる。さらに、受け取り時間を確実に決定することができる。例えば、電子計算装置は、この目的のためにニューラルネットワークを有することができ、このネットワークは、過去の占有状態に基づいて、顧客数の増加が予想される日、および、例えば、顧客の駐車時間が時間の経過とともに増加するかどうか、を学習する。これにより、統計データを現状に即した方法で決定することができるため、受け取り時間をユーザに確実に提案することができる。
【0024】
さらに有利な実施形態では、自動車は、受け取り時間に、クイックアクセス駐車スペースに移動される。特に、自動車は、受け取り時間に、クイックアクセス駐車スペースに駐車されることが提供される。換言すれば、自動車は、受け取り時間の前に既に移動されることができ、その結果、自動車は、少なくとも受け取り時間に、クイックアクセス駐車スペースにおいて顧客のために利用可能となる。代替的にまたは付加的に、自動車は、受け取り時間に、駐車場の受け渡しエリアに移動されることができる。
【0025】
さらに、ユーザが追加的に最小駐車時間を指定し、指定された最小駐車時間に応じて、電子計算装置によって、自動車がクイックアクセス駐車スペースまたは長期駐車スペースに移動されるかどうかが決定される場合は有利である。例えば、自動車が受け渡しゾーンに駐車される場合、顧客は、モバイル端末、例えばスマートフォンを介して、最小駐車時間を指定することができる。これに応じて、例えば、最小駐車時間が指定された閾値を下回っている場合、自動車がクイックアクセス駐車スペースに駐車されることを決定することができる。例えば、駐車時間が指定された閾値を超える場合、自動車が長期駐車スペースに移動されることを電子計算装置によって決定することができる。特に、駐車場の現在の占有状態をここで考慮することができる。駐車場の容量利用率はこのように改善される。
【0026】
さらに、駐車場内の長期駐車スペースおよび/または駐車場外の長期駐車スペースが、長期駐車スペースとして使用される場合は有利である。換言すれば、例えば、元の駐車場の外部に設けられたさらなる駐車場内の長期駐車スペースを使用することができ、自動車は、例えば自動バレーパーキングシステムを介してのみ、さらなる駐車場に駐車され、入れ子式でそこに駐車され、その結果、自動車は密接に一緒に配置される。あるいは、駐車場がクイックアクセス駐車スペースおよび長期駐車スペースの両方を有し、自動車はこの駐車場内でのみ移動されるようにすることもできる。
【0027】
本発明のさらなる態様は、複数の自動車のための駐車場の駐車場駐車システムに関し、少なくとも1つの電子計算装置を備え、駐車場駐車システムが、上記の態様による方法を実行するように構成されている。特に、この方法は、駐車場駐車システムによって実行される。本方法を実行するための駐車場駐車システムの電子計算装置は、特に、対応するコンピュータプログラムを有し、それによって、本方法のステップを実行することができる。
【0028】
この方法の有利な実施形態は、駐車場駐車システムの有利な実施形態であるとして考えるべきである。この目的のための駐車場駐車システムは、実行される方法またはその有利な実施形態を可能にする駐車場の特徴を有する。
【0029】
本発明のさらなる利点、特徴および詳細は、好ましい例示的実施形態の以下の説明から、および図面を参照することによって明らかになるであろう。なお、本説明において上述した特徴およびその特徴の組み合わせ、並びに図の説明において以下に記載するもの、および/または図中に単独で示した特徴およびその特徴の組み合わせは、いずれの場合も、記載された組み合わせにおいてのみならず、他の組み合わせにおいてまたは単独で、本発明の範囲を逸脱することなく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】駐車場駐車システムの一実施形態による駐車場の概略平面図を示す。
【
図2】本発明による方法の一実施形態の概略フロー図を示す。
【
図3】本方法の一実施形態を説明する3つの時間依存グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
類似した、または機能的に類似した要素は、図中において同じ参照記号が付与されている。
【0032】
図1は、概略平面図において、駐車場駐車システム12の一実施形態を伴う駐車場10の一実施形態を示している。駐車場10は、複数の駐車スペースを備え、ここで、複数の駐車スペースは、複数の自動車14、22のために設けられている。駐車場10は、いわゆる自動バレーパーキング駐車場として構成されている。つまり、自動車14、22は、駐車場10内に無人で駐車される。特に、この目的のために駐車場10は、受け渡し領域16を有してもよく、そこで、ユーザ18は、自動車14、22から下車することができ、ここで、自動車14、22は、次いで、駐車スペースの1つに移動される。駐車場10はまた、受け取り領域20を有してもよく、そこで、自動車14、22は、ユーザ18によって受け取られ得る。
【0033】
本実施形態では、駐車される自動車22はユーザ18に割り当てられている。つまり、ユーザ18は、例えば駐車される自動車22の持ち主または所有者である。自動車22は、したがって駐車される自動車22である。自動車14は、既に駐車されている自動車14であり、ユーザ18とは独立して駐車されたものである。
【0034】
多数の自動車14のための駐車場10の駐車場駐車システム12の操作方法において、駐車場10の現在の占有状態が、駐車場駐車システム12の電子計算装置24によって決定され、決定された占有状態に応じて、クイックアクセス駐車スペース26が、駐車場10の複数の駐車スペースから駐車される自動車22に割り当てられ、駐車される自動車22は、割り当てられたクイックアクセス駐車スペース26に無人で移動される。
【0035】
情報メッセージ28が、決定基準に応じて、駐車される自動車22のユーザ18に電子計算装置24によって伝達されることが提供され、ここで、情報メッセージ28は、電子計算装置24によって決定された受け取り時間30をユーザ18に提案し、そして、一旦、ユーザ18によって受け取り時間30が受諾されると、駐車される自動車22は、クイックアクセス駐車スペース26から長期駐車スペース32に無人で移動される。
【0036】
本文脈における用語「駐車される自動車22」は、ユーザ18が下車した自動車22を意味するものと理解される。このように駐車される自動車22は、例えばクイックアクセス駐車スペース26または長期駐車スペース32に既に駐車されていてもよく、またはこれらの駐車スペースの1つに無人で移動される過程にあるものであってもよい。したがって「駐車される自動車22」という用語は、無人で移動される自動車22に限定されず、代わりに、駐車場内でユーザ18が下車した自動車22を単に記述する。この場合、駐車される自動車22は、駐車されておらず、無人で駐車される過程にある。
【0037】
特に、
図1は、クイックアクセス駐車スペース26の面積と同じ大きさの長期駐車スペース32の面積で、より多くの自動車14、22および/またはより大きな自動車14、22が駐車されることを示している。つまり、長期駐車スペース32内に、自動車14、22が密に一緒に駐車されることが提供される。さらに、駐車場10の長期駐車スペース32および/または駐車場10の外側の長期駐車スペース32が、長期駐車スペース32として使用されることを提供することができる。
【0038】
図1はまた、自動車22が長期駐車スペース32に移動された場合、駐車される自動車22は、指定された駐車時間閾値を超える最小駐車時間の間駐車されることを示している。さらに、受け取り時間30が、数量閾値44を超える駐車場10内の特定の駐車台数の自動車14、22からのみユーザ18に提案されることを提供することができる(
図3)。受け取り時間30は、例えば、時間tに応じて利用可能な駐車スペースに関する統計データに基づいて提案することができる(
図3)。特に、統計データは、駐車場10における過去の占有状態に基づいて、電子計算装置24によって決定および評価することができる。さらに、駐車される自動車22は、受け取り時間30にクイックアクセス駐車スペース26に移動されることを特に提供することができる。特に駐車される自動車22は、受け取り時間30においてクイックアクセス駐車スペース26内でユーザ18に対して利用可能とされる。本実施形態では、自動車22が受け取り時間30において受け取り領域20に用意されることが、特に提供されることができる。
【0039】
さらに、最小駐車時間がユーザ18によって追加的に指定され、かつ、指定された最小駐車時間に応じて、駐車される自動車22がクイックアクセス駐車スペース26または長期駐車スペース32に移動されるかどうかが電子計算装置24によって決定されることが特に提供されることができる。
【0040】
特に、
図1は、このように、例えば都市環境において、利用可能な駐車エリアの容量の最大利用を達成する駐車場駐車システム12を示しており、ここでは知的管理システムが使用され、これは様々な自動車14、22の受け取り時間30の最も正確な推定を可能にする。
【0041】
駐車場10は、特に自動バレーパーキング駐車場として構成されており、現在まだ利用可能な駐車スペースの数、すなわち占有状態を恒久的に知らされる。このように、収容能力の状態が継続的に監視される。例えば、ピーク時に、例えば土曜日に、町の中心部における無料駐車スペースの数が特定の数を下回った場合、自動バレーパーキングシステムを介して駐車される駐車場10に、現在、自動車22を駐車させることを求めるユーザ18は、そのシステムと連絡をとることができる。自動バレーパーキングシステムによって検出された統計データに基づいて、時間tにわたって利用可能な駐車スペースに関連して、特定の受け取り時間30がユーザ18に提示され得る。特定の時間tがユーザ18に提案され、それまで、例えば月曜日の午前10時まで、駐車場10に駐車される自分の自動車22を離れることができる。ユーザ18は、例えば、駐車時間の形態でこのボーナスをまたは駐車料金の割引を受け取る。連絡されるユーザ18の数は、ユーザ18によるオファーの受諾に応じて増減される。このようなオファーを受諾するか、または特定の駐車時間を確認する自動車14、22は、駐車場駐車システム12によって、アクセスしにくいエリア、特に長期駐車スペース32にいま駐車することができる。例えば、これは、隣接したさらなる駐車場とすることができ、そこでは自動バレーパーキングシステムによって駐車される自動車14、22のみが、さらに入れ子式で駐車され、これは、自動車14、22が駐車場駐車システム12によって密接に一緒に駐車されることを意味し、その結果、駐車スペースからの手動の退出はもはや不可能であり、なぜなら、自動車14、22は互いに密に配置されているため、ユーザ18は、もはや車両に入るのに十分な距離まで車両ドアを開けることができないからである。
【0042】
あるいは、自動車14、22は、別の、さらに離れた駐車場に再配置することもできる。この手順は、自動車14、22を受け取り領域20に対応する受け渡しゾーンに戻すために、駐車場駐車システム12によって必要とされる時間を大幅に増加させる。しかしながら、この場合、これは許容され、なぜならユーザ18は、駐車場10に駐車される自動車22の特定の受け取り時間30に関する拘束力のある合意を締結しているからである。したがって、自動バレーパーキングシステムは、駐車スペースまたは駐車エリアをより密にすることによって、ピーク時にさらなる顧客に追加の駐車スペースをオファーし、ユーザ18にインセンティブによってこのオファーを検討するよう誘うことができる。駐車場駐車システム12は、駐車場の容量利用率を監視し続け、ユーザ18と合意した期限の満了後に、クイックアクセス駐車スペース26への自律的な再駐車を手配し、自動車22が数分以内にユーザ18によって呼び戻されることを可能にする。
【0043】
加えて、自動車14、22が自動バレーパーキングシステムに引き渡されるとき、自動車22が駐車場10に留まり得る制限時間は、駐車場駐車システム12によって記憶され得る。
【0044】
特に、ユーザ18に対する動的システムおよび動的提供コンセプトにより、このアプローチの助けを借りて、自動バレーパーキングによって柔軟な駐車システムを提供することができ、そこでは自動車14、22の受け渡し時に駐車場駐車システム12に対して固定長の滞在を強制的に指定する必要はない。同時に、すべての関係者にとって有益な方法でピーク需要時間に対応することが可能である。
【0045】
図2は、本方法に従った一実施形態の概略フロー図を示す。第1のステップS1において、本方法は開始する。第2のステップS2では、自律的な駐車場駐車システム12の起動が開始される。第3のステップS3では、数量閾値44を超えたか否かをチェックする。そうでない場合、本方法は、第3のステップS3にとどまる。数量閾値44を超えた場合、ユーザ18は、第4のステップS4で連絡を受ける。第5のステップS5では、ユーザ18によりオファーが受諾されたか否かがチェックされる。この場合、駐車される自動車22は、第6のステップS6で再駐車される。第7のステップS7では、期限、換言すれば受け取り時間30が満了したか否かがチェックされる。そうでない場合、本方法は、第7のステップS7にとどまる。そうである場合、第8のステップS8において、駐車される自動車22は、クイックアクセス駐車スペース26に移動される。第9のステップS9において、本方法は終了する。第5のステップS5から進み、ユーザ18によってオファーが受諾されなかった場合、さらにユーザによって受諾されるオファーの数が十分であるか否かが、第10のステップS10においてチェックされる。そうである場合、本方法は、第9のステップS9に移る。そうでない場合、さらにユーザは、第11のステップS11において連絡を受け、その後、本方法は、第11のステップS11から第5のステップS5に戻る。
【0046】
図3は、時間曲線tに関する3つの異なるグラフの模式図を示す。時間tは、3つのグラフの各々のx軸34上にプロットされている。駐車スペースの可用性は、第1のy軸36に沿ってプロットされている。平均車両返却時間が第2のy軸38上にプロットされている。駐車エリア内の車両の密度は、第3のy軸40上に示されている。
【0047】
したがって、第1のグラフ42は、指定された時間t1において、利用可能な駐車スペースの数が指定された閾値を下回っていることを示す。つまり、駐車場10内の駐車台数14、22の特定台数は、時間t1における数量閾値44を超えている。この情報メッセージ28は、特に時間t1においてユーザ18に伝達される。
【0048】
第2のグラフ46は、特に、時間t1において、換言すれば情報メッセージ28が発せられた後に、受け取り車両の数が増加することを記載している。特に、時間t1において平均自動車返却時間が長くなる。特に、最小駐車時間がユーザ18にオファーされるため平均返却時間が増加し、したがって平均駐車時間が増加する。
【0049】
第3のグラフ48では、情報メッセージ28の後、特に自動車14、22が長期駐車スペース32に移動されるため、駐車エリア内の車両の密度が増加することが同様に示されている。
【0050】
全体として、
図1から
図3は、容量利用率と駐車エリアを最適化するための自動バレーパーキングシステムの自立型車両管理の可能性を示している。
【国際調査報告】