(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】航空機用ロータシステム
(51)【国際特許分類】
B64C 27/82 20060101AFI20230317BHJP
G10K 11/172 20060101ALI20230317BHJP
B64C 27/20 20230101ALI20230317BHJP
【FI】
B64C27/82
G10K11/172
B64C27/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547989
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 EP2021051486
(87)【国際公開番号】W WO2021156077
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】102020201417.5
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522312333
【氏名又は名称】コプター・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】KOPTER GERMANY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レッドマン,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シュタードルマイア,ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】ドメル,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
5D061
【Fターム(参考)】
5D061CC04
(57)【要約】
本発明は航空機(1)用ロータシステム(10)に関し、ロータシステム(10)は、駆動されるように構成されたロータ(20)であって、ロータ(20)の回転軸(R)の周りに実質的に半径方向に配置された複数のロータブレード(21)を備え、回転軸(R)に垂直でありロータブレード(21)を半径方向に貫通する平面がロータ平面(RA)を形成する、ロータ(20)と、回転軸(R)に対して周方向にロータ(20)を囲み、回転軸(R)の軸方向に延在するロータ(20)の空気ダクト(40)を閉じ込めるロータシュラウド(30)とを備え、ロータシュラウド(30)は、回転軸(R)に対して周方向に延在する中空構造(31)を形成し、中空構造(31)は、半径方向においてロータ(20)に面するその周面(32)上に、少なくともその一部においてガス透過性領域(32a)を有し、ロータ平面(RA)は、ガス透過性領域(32a)と交差し、中空構造(31)は、ガス透過性領域(32a)を通って中空構造(31)内に侵入する少なくとも1つの周波数の音波が、中空構造(31)によって少なくとも部分的に吸収されるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動されるように構成されたロータ(20)であって、前記ロータ(20)の回転軸(R)の周りに実質的に半径方向に配置された複数のロータブレード(21)を有し、前記回転軸(R)に垂直であり前記ロータブレード(21)を半径方向に貫通する平面がロータ平面(RA)を形成する、ロータ(20)と、
前記回転軸(R)に対して周方向に前記ロータ(20)を囲み、前記回転軸(R)の軸方向に延在する前記ロータ(20)の空気ダクト(40)を閉じ込めるロータシュラウド(30)と
を備える、航空機(1)用ロータシステム(10)であって、
前記ロータシュラウド(30)は、前記回転軸(R)に対して周方向に延在する中空構造(31)を形成し、前記中空構造(31)は、前記半径方向において前記ロータ(20)に面するその周面(32)上に、少なくともその一部においてガス透過性領域(32a)を有し、前記ロータ平面(RA)は、前記ガス透過性領域(32a)と交差し、
前記中空構造(31)は、前記ガス透過性領域(32a)を通って前記中空構造(31)内に侵入する少なくとも1つの周波数の音波が、前記中空構造(31)によって少なくとも部分的に吸収されるように構成される、
航空機(1)用ロータシステム(10)。
【請求項2】
前記ロータブレード(21)から離れた側の前記ガス透過性領域(32a)に対向する前記中空構造(31)の周面(33)は、前記ガス透過性領域(32a)が、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの周波数に対して前記対向する周面(33)とラムダ4分の1共鳴器を形成するように離間される、請求項1に記載のロータシステム(10)。
【請求項3】
前記中空構造(31)は、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの周波数に対するヘルムホルツ共鳴器を形成する、請求項1又は2に記載のロータシステム(10)。
【請求項4】
前記周方向中空構造(31)は、少なくとも前記周方向の重力に平行に整列した部分において、前記周方向に流体透過性であるように設計される、先行する請求項のいずれか1項に記載のロータシステム(10)。
【請求項5】
前記中空構造(31)は、少なくとも1つの排出開口部(36)を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のロータシステム(10)。
【請求項6】
前記ロータブレード(21)は、前記回転軸(R)に対して半径方向の軸(X)の周りで可変に調整可能な迎え角を有し、前記ガス透過性領域(32a)は、少なくとも前記迎え角によって達成することができる前記ロータブレードの位置を覆う領域にわたって前記回転軸(R)に対して軸方向に延在する、先行する請求項のいずれか1項に記載のロータシステム(10)。
【請求項7】
前記ガス透過性領域(32a)の多孔度は、5%~90%の範囲である、先行する請求項のいずれか1項に記載のロータシステム(10)。
【請求項8】
前記多孔度は、前記回転軸(R)に対して前記軸方向に前記ロータ平面(RA)から変化し、特に、前記ロータ平面(RA)から外側方向の少なくとも1つの側に向かって増大する、請求項7に記載のロータシステム(10)。
【請求項9】
前記多孔度は、前記ガス透過性領域(32a)の周方向に変化する、請求項7又は8に記載のロータシステム(10)。
【請求項10】
前記ガス透過性領域(32a)は、微小穿孔、有孔金属板及び/又はワイヤメッシュによって形成される、先行する請求項のいずれか1項に記載のロータシステム(10)。
【請求項11】
前記中空構造(31)は、それらの位置及び/又は設計において、吸音効果を有するか、又は吸音を促進する補強要素(34)及び/又は中空構造要素(35)を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載のロータシステム(10)。
【請求項12】
前記中空構造(31)は、広帯域周波数範囲の実質的に貫通する音波を吸収する、先行する請求項のいずれか1項に記載のロータシステム(10)。
【請求項13】
前記中空構造(31)は、30Hz~1500Hzの周波数範囲の実質的に貫通する音波を少なくとも部分的に吸収する、先行する請求項のいずれか1項に記載のロータシステム(10)。
【請求項14】
前記ロータシステム(10)は、前記ロータシステム(10)の吸気側(41)に配置された少なくとも1つの支持ストラット(22)を備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のロータシステム(10)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの支持ストラット(22)は、前記回転軸(R)に対して偏心して配置される、請求項14に記載のロータシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用のロータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロータシステムの動作は、音量及び周波数の両方に関して妨害として知覚され得る音響放射を引き起こす。居住地域の近くで動作する航空機用ロータシステムの用途では、それに応じて、それ自体又は少なくとも特定の周波数で環境に放出される音レベルを低減するための対策がとられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ロータシステムの音響放射を低減するために、例えば、空力音響ライナ及び空力ライナを設けることが知られている。空力音響ライナは、一般にロータによって発生する音を低減するが、空力ライナは、ロータブレード先端の渦によって誘発される音響放射を低減することを目的としている。
【0004】
この目的のために、欧州特許出願公開第2913269号明細書は、ヘリコプタのテールロータに関して、ロータ平面の領域に別個のチャネルの形態の空力ライナを配置することを提案している。空力音響ライナもまた、ロータの排気側に配置され、連結された又は入れ子状の中空構造によって形成される。しかしながら、この従来技術にはいくつかの欠点がある。例えば、空力ライナに隣接する空力音響ライナの配置は、ロータの回転軸に対して軸方向に対応する設置スペースを必要とする。加えて、空力音響ライナの効果は、排気側の領域に限定され、その結果、ロータの吸気側の音響放射は低減されないか、又は限定された程度までしか低減されない。特に、ロータのステータ又は支持ストラットが空力音響ライナの領域に配置されているため、空力音響ライナを連続的に実装することはできない。しかしながら、最終的には、空力ライナ用及び空力音響ライナの相互連結された又は個々の入れ子状中空構造用の別個のチャネルを形成するために導入される追加の構造のために、テールロータシステムの重量も増加する。
【0005】
従来技術に関連する欠点を考慮して、本発明の目的は、航空機用のロータシステムを提供することであり、このロータシステムは、空力ライナと、音響放射を低減するためのコンパクトな設計の空力音響ライナとを含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の根底にある目的は、請求項1に記載の航空機用ロータシステムによって解決される。本発明のさらなる有利な態様は、従属請求項から明らかになる。
【0007】
その中で、本発明は、一般に、航空機用ロータシステムに適用可能である。特に、本発明は、ヘリコプタのテールロータに適用することができる。
【0008】
本発明によれば、航空機用ロータシステムは、駆動されるように構成されたロータであって、ロータの回転軸の周りに実質的に半径方向に配置された複数のロータブレードを有し、回転軸に垂直でありロータブレードを半径方向に貫通する平面がロータ平面を形成する、ロータと、回転軸に対して周方向にロータを囲み、回転軸の軸方向に延在するロータの空気チャネルを閉じ込めるロータシュラウドとを備え、ロータシュラウドは、回転軸に対して周方向に延在する中空構造を形成し、中空構造は、半径方向においてロータに面するその周面上に、少なくともその一部においてガス透過性領域を有し、ロータ平面は、ガス透過性領域と交差し、中空構造は、ガス透過性領域を通って中空構造内に侵入する少なくとも1つの周波数の音波が、中空構造によって少なくとも部分的に吸収されるように構成される。
【0009】
ロータブレードの配置に関する「実質的に半径方向」という句は、ロータブレードのベース方向を指す。しかしながら、これらが厳密に半径方向に形成されることは必須ではない。例えば、ロータブレードは、幾何学的半径に対する迎え角を有することができ、ベース方向は、回転軸の周りのロータブレードの放射状配置の意味で依然として半径方向である。さらに、ロータブレードは、等しい距離に配置される必要はないが、例えば音響エネルギーを複数の周波数に伝達するために、相互に異なる距離を有することができる。
【0010】
ロータシュラウドは、少なくともその一部に形成されたガス透過性領域と協働して中空構造を介して空力ライナ及び空力音響ライナを形成する。言い換えれば、空力ライナ及び空力音響ライナは、シュラウドのさらなる別個の要素を必要とせずに、ロータシュラウドの一次構造によって形成される。一次構造という用語は、本明細書では、中空構造を形成するために使用されるロータシュラウドが、ロータシュラウド自体に属さない他の追加の構造要素を指すのではなく、実際にシュラウドを形成することを意図した外殻の要素を指すことを明確にするために使用される。したがって、中空構造は、シュラウドの対応する外側面に対向して配置された内側面によって形成される。言い換えれば、中空構造は、ロータシュラウドの外殻を構成するシュラウドの要素によって形成される。これにより、ガス透過性領域を貫通する音波は、それぞれロータシュラウド又は一次構造の反対側の内側まで回転軸に対して半径方向に延在する空間に導かれる。回転軸に対して周方向に延在するロータシュラウドを考慮すると、中空構造も同様に周方向に延在することが分かる。この配置は、以下に説明するさらなる補強要素及び/又は中空空間要素を追加することなく連続的である。その結果、ロータシュラウドによって形成された中空構造自体が、全体的に作用する中空構造をもたらす。換言すれば、中空構造によって形成される中空空間は、周方向に連続的に延在する。これは、例えば前述及び後述の補強要素及び/又は中空空間要素を参照することによって、局所的に作用する中空構造に適合させることができる。しかしながら、これは本発明の特定の実施形態に関する。ロータシュラウドに加えて配置されたさらなる構造要素を考慮しても、ガス透過性領域を透過する音波に関する吸収特性は、ロータシュラウド自体によって決定される。
【0011】
ガス透過性領域は、周方向の一部に限られないことが好ましい。むしろ、それは、周方向の全周にわたって中空構造と協働して作用するように、周方向全体にわたって形成される。これは、ロータブレードの動きに応じて局所的な音の放出及び/又はロータブレード先端の渦の最大値を最初に示さないロータブレードのみの回転から既に生じている。しかしながら、ロータシステムの他の構造的構成要素との相互作用において、及び/又はロータブレードの配置及び/又は迎え角に関連して、これらの最大値は、実際には局所的に発生する可能性があり、その結果、セクション内にガス透過性の1つ又は複数の領域を設けることが十分であり得る。
【0012】
ロータシュラウドの空力ライナの作用モードに関して、ロータブレード先端渦は、ロータが動作しているときにロータブレードに面する周面上のロータ平面内に位置するガス透過性領域に衝突する。ロータブレード先端渦は、ガス透過性領域を貫通してもよく、その中に少なくとも部分的に吸収され、特に散逸される。中空構造内に侵入しないロータブレード先端渦は、少なくとも散乱される。音響効果に加えて、例えば散逸によって引き起こされるロータブレード先端角の少なくとも部分的な減少は、空気力学的抵抗にも影響を及ぼし、したがって全体的な推力発生を増加させることができる。
【0013】
しかしながら、音波も同様に、ガス透過性領域を通って中空構造内に侵入し、中空構造は、少なくとも部分的に少なくとも1つの周波数の音波を吸収し、したがって音響ライナとして作用する。基本的に、この文脈では、音波の吸収及び減衰という用語は同義語として使用され得る。それにより、散逸は、例えば、エネルギーの変換による吸収又は減衰の具体的な形態を表す。ロータの所定の回転速度で発生する周波数は一定である。しかしながら、それぞれの周波数の振幅は、ロータシステムの現在の設定に応じて、例えばロータブレードの迎え角に応じて可変であり得る。したがって、中空構造は、例えば、これらが必ずしも最大の音レベルを引き起こさない場合でも、特に煩雑であると考えられる1つ又は複数の周波数の少なくとも部分的な吸収に適合させることができる。中空構造の少なくとも部分的な吸収特性の提供は、幾何学的に、又は代替的に若しくはさらに補足的に材料の適切な選択によって、実現することができる。
【0014】
空気力学的及び空力音響的な組み合わされたライナをロータ平面内に配置することによって、中断なしにロータシュラウドの全周にわたって実施することが可能になる。
【0015】
したがって、上述のロータシステムは、ガス透過性領域と中空構造との組合せによる、ガス透過性領域にわたるロータブレード先端渦の空気力学的効果の低減、貫通音波の少なくとも部分的な吸収、したがって減衰、並びに推力発生の効率へのプラスの影響を必要とする。ロータシュラウドの外郭を変更する必要がないので、推力発生のためのロータシュラウドの空気力学的効果さえ維持される。しかしながら、減衰される周波数に応じて、ロータシュラウドは、空気力学的効果を考慮して調整することもできる。
【0016】
しかしながら、追加の要素及び/又は材料構造に関して以下に説明するように、中空構造内の空間に関する代替的又は相補的な手段をとることができる。
【0017】
一実施形態では、ロータブレードから離れた側のガス透過性領域に対向する中空構造の周面は、ガス透過性領域が、少なくとも部分的に、少なくとも1つの周波数に対して対向する周面とラムダ4分の1共鳴器を形成するように離間される。
【0018】
ロータブレードから離れた側のガス透過性領域に面する中空構造の周面は、外周内面とも呼ばれ得る。これに対して、外周内面に面し、ガス透過性領域を有する周面の内側は内周内面となる。ラムダ4分の1共鳴器に従って外周内面と内周内面とを離間させることによって、対応する波長又は周波数又はモードの組合せの定在波又は4分の1波長の倍数(高調波)を中空構造内に形成することができる。この場合には音響抵抗を表すガス透過性領域と組み合わせて、音響エネルギーは、吸収を表す対応する周波数の熱エネルギーに少なくとも部分的に変換される。距離は、周方向に一定であってもよく、又は異なる周波数に局所的に調整されるために、周方向の少なくとも一部において変化してもよい。そのような調整は、代替的又は追加的に、回転方向に対して垂直に、すなわち軸方向の回転軸に対しても提供することができる。これは、以下で説明するように、ロータブレードの異なる迎え角から生じる可能性があるように、特定の周波数の異なる最大値が軸方向に発生する可能性がある場合に特に有利であることが判明している。外周面と内周面の間隔は、ロータシュラウド材料の適切な配置によって、又は適切な材料成形によって形成することができる。材料輪郭は、例えば、材料が互いに平行に離間されているにもかかわらず、外周内面及び内周内面が局所的に異なる距離を有することができるように、材料断面の変化であり得る。
【0019】
代替的又は追加的に、中空構造は、少なくとも部分的に、少なくとも1つの周波数に対するヘルムホルツ共鳴器を形成する。
【0020】
ヘルムホルツ共鳴器は、より低い周波数を吸収又は減衰するのに特に適している。中周波及び高周波は限られた範囲でしか減衰されないので、中空構造は、ラムダ4分の1共鳴器の少なくとも部分的な配置などのさらなる共鳴器概念の配置を含むことができる。
【0021】
ラムダ4分の1共鳴器、ヘルムホルツ共鳴器、又はそれらの組合せ、又は他の共鳴器概念としての幾何学的設計に加えて、音響減衰特性は、材料及び/又は表面構造の特定の選択によっても支持され得る。例えば、ヘルムホルツ共鳴器の構造的特徴は、より低い周波数を減衰させるために使用することができ、ラムダ4分の1共鳴器の構造的特徴は、中程度及び/又はより高い周波数を減衰させるために使用することができる。
【0022】
一実施形態によれば、周方向中空構造は、少なくとも周方向の重力に平行に整列した部分において、周方向に流体透過性であるように設計することができる。
【0023】
降水又は洗浄水などの液体は、ガス透過性領域を通って、又はロータシュラウドの他の開口部を通って中空構造を貫通することができる。これらはまた、それぞれの開口部の位置に応じて再び流出し得る。例えば、洗浄中、水は、水がガス透過性領域を横切って重力の方向に流出するように空間的に配向されたガス透過性領域を有する中空構造の部分を通って入ることができる。しかしながら、周方向中空構造のすべての部分がそのような排水の可能性を提供するわけではない。この点で、周方向に重力に平行に配向された部分であって、したがってこの部分のガス透過性領域を介しても排水を有さない部分は、特に、流体透過性であるように設計されるべきである。この場合の流体透過性は、外側に向けられた排水を目的とするものではなく、中空構造内の流体伝導に関するものであり、それにより、貫通流体を、少なくとも排水を可能にする部分まで中空構造内に導くことができる。本発明によるロータシステムは、一次構造によって直接形成することができるため、中空構造を介した内部流体伝導を簡単な方法で実現することができる。
【0024】
しかしながら、少なくとも部分的に流体透過性である中空構造の設計はまた、有効に使用され得る共鳴器空間を周方向に延長することを可能にする。この目的のために、この場合の流体透過性もガス透過性を引き起こすと仮定することができる。定在波の形成という意味で共鳴器キャビティが形成されない場合でも、少なくとも個々の周波数は、例えば散逸によって減衰させることができる。
【0025】
中空構造は、少なくとも1つの排出開口部を備えることが好ましい。
中空構造を貫通した液体は、排出開口部を介して選択的に排出又は流出することができる。したがって、排出開口部を選択的に開閉することができる場合、排出の位置を適切な位置に選択することができ、及び/又は排出のタイミングを事前に設定することができる。排出開口部は、ガス透過性領域によって形成することができる。しかしながら、これは、例えば、ヘリコプタのテールロータのガス透過性領域が、それが静止状態にあるときに中空構造の最下点を形成しない可能性があるため、場合によっては不十分であり得る。したがって、この場合のガス透過性領域は、単に排水路又は余水路として作用する可能性があるが、ガス透過性領域の下に位置する中空構造から流体を独立して排出することはできない。したがって、別個の排出開口部が有利であり得る。
【0026】
特に、ロータブレードは、回転軸に対して半径方向の軸の周りで可変に調整可能な迎え角を有し、ガス透過性領域は、少なくとも迎え角によって達成することができるロータブレードの位置を覆う領域にわたって回転軸に対して軸方向に延在する。
【0027】
実行される飛行操縦に応じて、ロータブレードの迎え角が変更される。これはまた、ロータブレード先端渦が生成される領域の位置を変化させる。迎え角に関連するロータブレード先端渦のすべての領域位置を包含するために、ガス透過性領域は、少なくとも部分的に、特に周方向に延在する表面全体にわたって周方向に延在し、少なくともロータブレードの迎え角に従ってすべてのロータブレード位置を覆うことができる領域にわたって軸方向に延在する。そうでなければ、すなわち、すべての調整可能なロータブレードの位置を覆わないガス透過性領域の軸方向の延長により、ガス透過性領域の空気力学的効果は、すべてのロータブレードの位置又はロータブレードの迎え角に存在しないか、少なくとも実質的に制限される。
【0028】
ロータの回転軸に対する半径方向のロータブレード先端の渦の伝播は、ロータブレード先端によって境界付けられた領域に限定されないため、すなわち、ロータブレード先端渦は、純粋に半径方向ではなく軸方向にも散乱して伝播することができるため、軸方向のガス透過性領域は、特に、ロータブレード位置の重複領域よりも大きくなるように設計することができる。好ましくは、ガス透過性領域は、ロータ平面から軸方向外向きに開始して、ロータブレードの迎え角に応じて、この部分に関連するロータブレード位置の重複領域よりも、少なくとも片側、より具体的には両側で大きい。
【0029】
一実施形態では、ガス透過性領域の多孔度は、5%~90%の範囲である。
ガス透過性領域は、基本的に、ロータシュラウドの他の領域と比較して優勢なガス透過性を有する領域として定義される。「主に」という用語は、必ずしも50%を超えるガス透過性を指すのではなく、ガス透過性であると識別することができる材料特性を指す。これにより、ロータシュラウドがガス不透過性材料領域に移行する細孔などの最も外側のガス透過性開口部を介して領域が制限される。
【0030】
したがって、ガス透過性領域が細孔によって形成される場合、この領域の総体積に対する空隙体積、すなわちこの領域内のすべての細孔の体積の割合は、5%~90%である。空隙体積の割合が低いと、ロータブレード先端渦は主に反射され、もはや中空構造に導入されない。したがって、空力ライナはもはや効果的に動作しない。同様に、ラムダ4分の1共鳴器の音響帯域幅が損なわれ、同時に、可聴域にもはや関連しない非常に低い周波数では、ラムダ4分の1共鳴器からのライナの作用モードがヘルムホルツ共鳴器の方向にシフトする。空洞容積の90%を超える割合では、ロータブレード先端渦及び/又は細孔を貫通する音波が、著しい減衰なしに再び逃げることができる場合、吸収又は減衰能力を著しく減少させることができる。
【0031】
一実施形態によれば、多孔度は、回転軸に対して軸方向にロータ平面から変化する。特に、多孔度は、ロータ平面から外側方向の少なくとも1つの側に向かって増大する。
【0032】
軸方向の多孔度を変化させることによって、音響インピーダンス、したがって空気力学的及び空力音響的ライナの音響挙動を局所的に調整することができる。これは、周波数振幅が迎え角の変化と共に変化するため、調整可能な迎え角を有するロータブレードにとって特に有利であり得る。好ましくは、ロータブレードのより大きな迎え角での効果に関連する、ガス透過性領域の外側領域により大きな多孔度、すなわちより大きな空隙体積が設けられるべきである。多孔度の変化は、単位面積当たりの多孔度として表すことができる。
【0033】
代替的又は相補的に、多孔度は、ガス透過性領域の循環の周方向に変化する。
周方向に変化する多孔度は、インピーダンス、したがって周囲に沿った音響挙動を調整することを可能にする。したがって、ロータブレードの調整可能な迎え角を考慮しても、周囲に沿った様々な構造要素との放音の相互作用を考慮に入れることができる。
【0034】
軸方向並びに周方向に変化する多孔度の組合せによって、音響特性を構造的及び動作的に最適化することができる。
【0035】
一実施形態では、ガス透過性領域は、微小穿孔、有孔金属板及び/又はワイヤメッシュによって形成される。
【0036】
ロータシュラウドプロファイル又はその部分の微小穿孔は、構造的破壊を必要とせずにガス透過性領域にガス透過性を導入することができる。さらに、微小穿孔の分配は、必要に応じて正確に実施することができる。有孔プレート及び/又はワイヤメッシュの別個の挿入は、それぞれのインサートを交換することによって音響挙動の柔軟な調整を可能にする。さらに、そのような場合、実際のロータシュラウドの材料とは独立して異なる材料特性を利用することが可能である。
【0037】
さらなる実施形態によれば、中空構造は、それらの位置及び/又は設計において、吸音効果を有するか、又は吸音を促進する補強要素及び/又は中空構造要素を有する。
【0038】
したがって、特に安定化のために使用される補強要素、又は例えばライン又はパイプガイドとして機能する他の中空構造要素も、ロータシステムの吸音特性又は/及び吸音特性を改善するために使用することができる。これはまた、吸音のみを目的とした追加の構成要素及び構造を省くことを可能にする。
【0039】
位置決めは、例えば、全体構造の内部又は音響的に分離された部分空間の内部に封入されたガスボリュームの固有周波数に起因して、少なくとも部分的に吸収される周波数の関数として周方向に実行されてもよい。代替的又は相補的に、周方向の位置決めはまた、音響放射とそれぞれの構造的構成要素との局所的相互作用の関数として実行されてもよい。したがって、位置決めによって、中空構造の深さ及び/又は体積は、少なくとも1つの周波数の少なくとも部分的な吸収を特に増加させるために、補強要素及び/又は中空構造要素を介して影響を受ける可能性がある。したがって、これはまた、補強要素及び/又は中空構造要素なしに周方向に連続する構造によって形成され得るような全体的に音響的に有効な中空構造を、局所的に音響的に有効な中空構造に転換することを可能にする。
【0040】
対照的に、補強要素及び/又は中空構造要素の設計は、輪郭又は材料の厚さ、使用される材料、及び/又はコーティング又は表面テクスチャ加工によって実施することができるような様々な表面特性などの具体的な幾何学的設計を指す。
【0041】
特に、中空構造は、広帯域周波数範囲の実質的に貫通する音波を吸収することができる。
【0042】
広帯域設計は、中空構造の可変深さ、すなわち回転軸に対する半径方向の間隔によってさらに支持される空力音響ライナとしての構造の効果に大きく関連する。さらに、ガス透過性領域の穿孔の適切な選択は、ライナの絶対吸収を犠牲にして帯域幅を増加させることができる。
【0043】
一実施形態では、中空構造は、30Hz~1500Hzの周波数範囲の実質的に貫通する音波を少なくとも部分的に吸収する。
【0044】
この周波数範囲では、正確には、特に妨害となるとも知覚される周波数が発生する。しかしながら、特に、この周波数範囲は、通常は明確に知覚可能な振幅最大値を有する周波数も含む。したがって、適切な選択が行われれば、全体の音量レベルを下げることができる。
【0045】
一実施形態によれば、ロータシステムは、ロータシステムの吸気側に配置された少なくとも1つの支持ストラットを備える。
【0046】
ステータと呼ばれることもある支持ストラットは、ロータハブを懸架する役割を果たす。これらは通常、ロータシステムの排気側に配置され、それにより、回転軸に対して軸方向に広く、ロータシュラウドによって形成された空気ダクトは、この配置に関連する音放出を補償する。しかしながら、ロータハブを懸架するための少なくとも1つの支持ストラットがここで吸気側に配置される場合、さもなければロータによって加速された空気が支持ストラットに衝突することによって引き起こされる音の放出が低減される。換言すれば、排気側のさらなる音源が回避されるので、空気ダクトの軸方向幅を小さくすることができる。吸気側は、大部分の飛行操縦のために空気が引き込まれる側であると理解される。同様に、排気側は、飛行操縦の大部分において空気が排出される側である。
【0047】
好ましくは、少なくとも1つの支持ストラットは、回転軸に対して偏心して、又は中心を外して配置される。
【0048】
偏心配置は、通常の動作、すなわち主ロータのトルク補償のために、支持ストラットのシャドーイング効果によって引き起こされる入射流の速度プロファイルにおける後流と回転ロータブレードの前縁との間の時間シフトされた相互作用に起因する音放出の減少を支持する。飛行機械の操作に起因するロータブレードの負の迎え角の場合、同時の相互作用もない。しかしながら、これに関して、音の発生を担う回転ロータブレード及び支持ストラットによって誘発される渦間の相互作用が意味される。
【0049】
本発明の特徴、有用性及び利点はまた、実施形態によって図面を参照して以下に記載される。
【0050】
図面において、
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による、ロータシステムを有する航空機の概略図を示す。
【
図3】回転軸に平行な断面における
図1及び
図2のロータシステムの斜視断面図を示す。
【
図4】
図3によるロータシステムの概略断面図を、断面上への視線方向及びロータブレードの位置範囲の表現と共に示す。
【
図5】回転軸に垂直な断面における、
図1及び
図2によるロータシステムの斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、図示の実施形態ではヘリコプタのテールロータシステムとして使用されるロータシステム10を有する航空機1、この場合はヘリコプタを示す。ロータシステム10は、好ましくは複数の支持ストラット22によって支持されたロータハブ23の周りに配置されたロータブレード21を有するロータ20と、ロータシュラウド30とを備える。支持ストラット22は、排気側42(
図2)の別の音源を避けるために、吸気側41(
図2)に配置されている。さらに、回転軸Rに対する支持ストラット22の偏心配置が提供され、これもまた正の音響効果を有する。吸気側41及び排気側42はそれぞれ、飛行操縦の大部分の場合に空気が引き込まれ、排出される側である。換言すれば、ロータブレード21の迎え角が対応して負である場合、吸気側41で空気を排出することもできるが、これは飛行動作中の少数の場合にのみ想定されるべきであり、そのような場合は吸気側41の定義にとって無視できる。これは、逆コンスタレーションにおける排気側にも同様に当てはまる。
【0053】
図2によれば、ロータシュラウド30は、ロータ20を回転軸Rに対して周方向に囲むとともに、回転軸Rの軸方向に延在するロータ20の空気ダクト40を内包する。回転軸Rを中心とするロータブレード21の回転の結果として、空気は吸気側41から排気側42に搬送され、これは推力側とも呼ばれる。空気の流れ方向は、
図2に挿入された矢印によっても再び示されているが、これはロータブレードの設定に応じて逆にすることもできる。
図4からさらに分かるように、回転軸Rに垂直なロータブレード21によって形成されるロータ平面RAにおいて、ロータ20に面するロータシュラウド30の周面32は、ロータ平面RAと交差し、回転軸Rに対してロータ平面RAの両側に軸方向に延在するガス透過性領域32aを有する。ガス透過性領域32aは、ロータブレード21によって形成される。
【0054】
図3は、回転軸Rに平行な断面において、
図1及び
図2によるロータシステム10の斜視断面図をより詳細に示す。この例示的な実施形態では、ガス透過性領域32aは、ロータシュラウド30に挿入されて固定される微小穿孔を有する有孔金属板によって形成される。微小穿孔によって導入される多孔度は、例えば50%に達し、回転軸Rに対して周方向及び軸方向に一定である。しかしながら、多孔度はまた、回転軸Rに対して周方向及び軸方向に変化してもよく、及び/又は50%より小さく若しくは大きくてもよい。多孔度又はその分布の選択は、それぞれの構造設計と相互作用する空力音響又は空気力学的効果に関するそれぞれの最適化目標から生じることができる。
【0055】
ガス透過性領域32aは、ロータブレード21のロータブレード先端の半径方向突出部を覆い、その結果、ロータブレード先端とガス透過性領域32aとの間の隙間に生成されたロータブレード先端渦は、ガス透過性領域32aを通って、ロータシュラウド30によって形成された中空構造31内に導入されて散逸又は他の様態で減衰され、空気力学的効果が達成される。これに関して、空気力学的効果は、一方では、ロータブレード先端渦に関連する音響源を排除又は変位させて中空構造31にすることによる音響効果を指す。一方、ロータシステム10の効率は、ロータブレード先端渦の減衰及び/又は変位によって引き起こされる抗力の減少によって増加する。加えて、中空構造31によって形成された容積と組み合わせたガス透過性領域32aは、純粋な音響効果が、ガス透過性領域32aを介して中空構造31に結合された音波に対しても達成される空力音響機能を実施し、これはまた、例えば、ロータ20の動作中にロータブレード先端以外の構成要素によって、少なくとも1つの周波数の少なくとも部分的な吸収によって生成される。
【0056】
この目的のために、図示の実施形態では、ロータ20から外方に面する周面33のロータ20に面する内面、すなわち外周内面33aは、少なくとも1つの周波数に対してラムダ4分の1共鳴器が形成されるように、ロータ20から外方に面するロータ20に面する周面32の内面、すなわち内周内面32bから離間している。
【0057】
したがって、空気力学的及び空力音響的に組み合わされたライナが、中空構造31の容積と協働してガス透過性領域32aの位置決め及び寸法決めによって形成される。
【0058】
図4は、
図3によるロータシステム10の概略断面図を再び示しており、ロータブレード21の迎え角の調整可能な位置範囲、及びガス透過性領域32aによるピッチ角位置のその範囲にわたるロータブレード先端の重なりを示すために、断面平面に向かう視線方向を有する。この目的のために、
図4は、ロータブレードピッチ角に対して回転軸Rに対して半径方向軸Xを中心に回転するときのロータブレード21の最大到達角度位置を示す。ガス透過性領域32aは、半径方向軸Xに一致するロータ平面RAを起点として、回転軸Rに対して軸方向両側に延在し、ガス透過性領域32aはロータブレード先端部の最大ピッチ角位置を覆う。図示の例示的な実施形態では、ガス透過性領域32aはまた、ロータブレード先端の最大位置に対して拡大され、散乱したロータブレード先端渦を中空構造に導入することもできる。
【0059】
図5によれば、
図1及び
図2によるロータシステム10の斜視断面図が、回転軸Rに垂直な断面に例示的に示されている。ここで、ロータシュラウド30は、周方向の外周面と内周面との距離が異なる中空構造31を形成する。したがって、局所的に異なるラムダ4分の1共鳴器が、局所的に異なる周波数が少なくとも部分的に吸収され得るように形成され、これにより、全体的な音量が低減され、ライナに広帯域音響効果が与えられる。特に、ロータの回転周波数及び/又は特に煩わしいと知覚される周波数に対応する音調成分を優先的に減衰させるように、異なる間隔を設けることができる。
【0060】
さらに、中空構造31は、様々な補強要素34及び中空構造要素35を有する。補強要素34は、ここでは、例えば、ストッパとして機能し、それらの寸法及び位置決めに関して、それぞれ中空構造内に導入される、及び/又は中空構造内を伝搬する音波の減衰にも影響を及ぼす。同様に、追加的に導入された中空構造要素35は、例えば、それぞれの場合に局所的に異なる共鳴器体積を形成し、それによって周波数の減衰に影響を及ぼすために、中空構造31内にチャンバを形成することができる。それにもかかわらず、ここでの減衰能力は、ロータシュラウド30の一次構造によって大きく決定される。
【0061】
図5を参照すると、ロータシュラウド30は、中空構造31に入った液体を排出することができる排出開口部36をさらに有する。排出開口部36は、ロータシュラウド30の重力方向の下側の領域に位置し、重力によって液体が集まる領域である。この目的のために、中空構造31は、好ましくは、流体に対して周方向に部分的に透過性であり、すなわち、連続した周方向流体チャネルとして形成される。たとえ補強要素34及び/又は中空構造要素35が中空構造31内に配置されたとしても、これらは少なくとも部分的に流体透過性であるか、又は何らかの他の方法で流体が放出又は排出されることを可能にする位置に配置されるべきである。後者は、
図5に示す中空構造要素35によって例示することができる。これらの中空構造要素は、流体透過性であるように設計されていなければ、少なくとも、中空構造要素35によって形成された上側チャンバ内に存在する液体が、ここには示されていないガス透過性領域32aを介して排出され得る位置に配置される。したがって、この場合、ガス透過性領域32aも流体透過性である。
【0062】
本発明は、記載された実施形態に限定されない。特に、可能な変形形態又はさらなる実施形態の特定の特徴は、原則として、他の実施形態にも適用可能であるが、ただし、これは合理的に除外されない。例えば、ロータハブ23が2つの支持ストラット22によって支持されている場合であっても、1つの支持ストラットのみが設けられていてもよい。同様に、3つ以上の支持ストラットを使用することが可能である。しかしながら、特に、ロータシステム10の使用はまた、ヘリコプタのテールロータシステムに限定されず、ドローン又はエアキャブなどの他の航空機にも使用することができる。
【0063】
参照符号のリスト
1 航空機
10 ロータシステム
20 ロータ
21 ロータブレード
22 ストラット
23 ロータハブ
30 ロータシュラウド
31 中空構造
32 周面(ロータ側)
32a ガス透過性領域
32b 内周面
33 周面(ロータから離れた側)
33a 外周面
34 補強要素
35 中空構造要素
36 排出開口部
40 空気ダクト
41 吸気側
42 排気側
R 回転軸
RA ロータ平面
X 半径方向軸(ロータブレードピッチ角位置)
【国際調査報告】