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特表2023-512571ブイヨンタブレットを製造するための方法
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  • 特表-ブイヨンタブレットを製造するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】ブイヨンタブレットを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 23/10 20160101AFI20230317BHJP
【FI】
A23L23/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548022
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(85)【翻訳文提出日】2022-08-05
(86)【国際出願番号】 EP2021051726
(87)【国際公開番号】W WO2021160421
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】20156510.8
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ベッツ, ラインホルト ウィリー
(72)【発明者】
【氏名】ペルダナ, ジミー
(72)【発明者】
【氏名】クルツ, ケビン
(72)【発明者】
【氏名】トラッポ, グレゴリー
【テーマコード(参考)】
4B036
【Fターム(参考)】
4B036LC03
4B036LE03
4B036LF01
4B036LH01
4B036LH10
4B036LH11
4B036LH16
4B036LH21
4B036LH38
4B036LH45
4B036LK01
4B036LP01
4B036LP09
4B036LP14
4B036LP17
(57)【要約】
本発明は、ブイヨンタブレットを製造するための方法であって、炭水化物溶液を、結晶成分、植物性素材片、及び任意選択で非晶質成分を含む乾燥組成物に添加する工程を含み、炭水化物溶液が、72~87度のブリックス値を有する、ブイヨンタブレットを製造するための方法に関する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブイヨンタブレットを製造するための方法であって、
a)結晶成分、植物性素材片、及び任意選択で非晶質成分を混合して、乾燥組成物を得る工程、
b)炭水化物溶液を工程a)の前記乾燥組成物に添加し、更に混合してブイヨン塊を得る工程、
c)前記ブイヨン塊からブイヨンタブレットを形成する工程、
d)前記ブイヨンタブレットを乾燥させる工程、を含み、
前記炭水化物溶液が、72~87度のブリックス値を有し、結晶成分が、0.6~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶塩、0.3~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶糖、若しくは0.3~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶MSG、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、前記植物性素材片が、0.7~9.0mmの範囲のメジアン径Dv50を有する、ブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項2】
前記炭水化物溶液が、90℃で50s-1の剪断速度にて30~1000mPa・sの範囲の粘度を有する、請求項1に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項3】
前記ブイヨン塊が、10~30重量%の前記炭水化物溶液及び70~90重量%の前記乾燥組成物を含む、請求項1又は2に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項4】
前記非晶質成分が、酵母抽出物、野菜粉末、動物抽出物、細菌抽出物、野菜抽出物、動物粉末、反応フレーバー、加水分解された植物性タンパク質、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項5】
全ての原材料の少なくとも45重量%(組成物の重量基準)が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項6】
前記植物性素材片が、パセリ、セロリ、フェヌグリーク、ラベージ、ローズマリー、マジョラム、ディル、タラゴン、コリアンダー、リーキ、ショウガ、レモングラス、クルクマ、トウガラシ、ショウガ、パプリカ、カラシ、ニンニク、タマネギ、エシャロット、ターメリック、トマト、ココナッツ、オレガノ、タイム、バジル、トウガラシ、パプリカ、マッシュルーム、ピーマン、ハラペーニョ、白コショウ、黒コショウ、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項7】
前記炭水化物溶液が、スクロース、イヌリン、マルトデキストリン、デキストリン、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、マルチトール、イソマルト、ラフィノース、スタキオース、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、難消化性デキストリン、イソマルツロース、グルコースシロップ、米シロップ、アガベシロップ、コーンシロップ、オリゴ糖、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項8】
前記炭水化物溶液が、70℃~110℃の温度で添加される、請求項1~7のいずれか一項に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項9】
前記ブイヨンタブレットを形成することが、
i)前記ブイヨン塊の板を形成すること、
ii)前記ブイヨン板を冷却すること、
iii)前記冷却されたブイヨン板を切断すること、
を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項10】
前記切断が、ギロチン切断、ローラ切断及び/又はこれらの組み合わせによって行われる、請求項9に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項11】
前記乾燥が、50℃~150℃の温度で行われる、請求項1~10のいずれか一項に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項12】
前記ブイヨンタブレットが、1.15g/cm3未満、好ましくは0.6g/cm3~1.15g/cm3の密度を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のブイヨンタブレットを製造するための方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法により得ることができるブイヨンタブレット。
【請求項14】
食品製品を調製するための、請求13に記載のブイヨンタブレットの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブイヨンタブレットを製造するための方法に関する。特に、本発明は、ブイヨンタブレットを製造するための方法であって、炭水化物溶液を、結晶成分、植物性素材片、及び任意選択で非晶質成分、を含む組成物に添加する工程を含み、炭水化物溶液が、72~87度のブリックス値を有する、ブイヨンタブレットを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブイヨンタブレットの従来の製造方法は、粉末状のブイヨン成分を混合し、この混合物をタブレット状にプレス成形することを含む。粉末を規則的な形状に圧縮するのは、製品を流通させるにあたりいくつかの利点(例えば、体積の低減、包装材使用の最適化、賞味期限、及び利便性)があるためである。ブイヨンタブレットの包装には最小限の硬度が必要とされる。最大の硬度は、通常の使用者が、他にツール又は器具を使用せずとも、指によりブイヨンタブレットを崩すことができることが確保されるものである。このような種類のブイヨンタブレットの場合、2種類の結着方法、すなわち脂肪結着系又は非晶質成分結着系が存在する。ブイヨンタブレットの従来の製造方法は、粉末状のブイヨン成分を脂肪と混合することと、この混合物をタブレットにプレス成形することと、を含む。このタイプのブイヨンタブレットでは、構造物を一体に保持する主な原材料は脂肪である。
【0003】
現在の栄養分野では、飽和脂肪酸に富む脂肪の摂取を回避又は少なくとも低減しようとし、好ましくは一価不飽和脂肪酸及び/又は多価不飽和脂肪酸に富む油を摂取しようとする傾向がある。国際公開第2004/049831号は、硬質ブイヨンタブレットに結晶、充填剤、及び粘着剤を含ませることで、当該タブレットに固体脂肪をほとんど取り込ませない方法について記載している。粘着剤は、添加(水分活性の適切な増加と組み合わされる)すると、タブレットの製造中に比較的容易に超過し得るガラス転移温度を最終混合物に付与する、原材料を含み得る。そのような原材料としては、肉抽出物、加工香味料及び/又は野菜抽出物が挙げられる。
【0004】
欧州特許第3123875号は、22~85重量%の無機塩と、0.8~8重量%のキサンタンガムと、0~20重量%の、単糖類、二糖類、及びそれらの組み合わせから選択される糖と、0~25重量%の、天然デンプン、α化デンプン、マルトデキストリン、加工デンプン、及びそれらの組み合わせから選択されるデンプン成分と、0~45重量%の、野菜、ハーブ、スパイス、及びそれらの組み合わせから選択される植物性物質と、を含む、ブイヨンキューブを開示している。指定された濃度でのキサンタンガムの使用により、上記混合物が比較的高い含水量を有する場合であっても、セイボリー濃縮物混合物が粘着性の塊を形成しないという利点が得られる。したがって、セイボリー混合物は、成形物品又は顆粒へと容易に加工され変換され得る。原材料としてのキサンタンは、E番号(E415)を有しており、したがって、多くの消費者は天然なものと認識しない。加えて、実施例に示されているように、より多量の植物性物質はブイヨン粉末の場合にのみ適用され、プレス成形されたキューブには適用されない。
【0005】
国際公開第2004017762号は、食品製品の調製に使用するためのブイヨンキューブを開示しており、そのブイヨンキューブは、0.1~80重量%の塩及び/又はMSGと、20~99重量%の砂糖と、0.05~50重量%の新鮮なハーブ又はスパイスと、を含む。崩壊には時間がかかることが報告されており、したがって、この製品では、食品製品の調製中の香り付け成分の放出が遅くなり及び/又は長く続く。
【0006】
国際公開第2012/080063号は、2重量%~15重量%の水、含水量に基づいて少なくとも飽和溶液を提供する量のNaCl、含水量に基づいて少なくとも飽和溶液を提供する量のグルタミン酸一ナトリウム、及び総含水量の重量に基づいて少なくとも25重量%の量の単糖を含む、ストックキューブ又は調味キューブを開示している。ブイヨンタブレットは、50N未満の硬度及び1.2~1.6g/cmの密度を備えたソフトなテクスチャを有する。
【0007】
脂肪含有量が低いブイヨンキューブを一体に結合させるために使用される粘着剤は、典型的には吸湿性の非晶質成分である。これらの成分は、水の添加によってブイヨン混合物中で活性化される。この水添加プロセスは問題となることがあり、例えば、水を確実に均質に分布させることが難しく、また水分活性を平衡にするために最大で24時間の保管時間を必要とする。掃除のためにミキサーを停止する必要があるクラストの形成が生じることもある。混合物中にダマが形成されることもあり、これにより、出来上がったプレス成形後のタブレットの品質に欠陥を生じさせる場合もある。加えて、ブイヨンタブレットの後硬化(post hardening)が起こり得る。
【0008】
粉末からプレス成形されたブイヨンタブレットには、その外観が多くの消費者にとって不自然に見えるという欠点がある。市販のブイヨンタブレットに添加することができるハーブ及びスパイスの量はごく限られており、及び/又は粒子サイズが小さいために視認することができない。これらのブイヨンタブレットは、多くの消費者にとって、作りたて(fresh)のものではなく、ひいては健康によくないものであるように見られる。消費者が目で識別できる原材料を使用した、より自然な見た目のブイヨンタブレット、特に、目で識別できるハーブ及びスパイスをより多量に含むブイヨンタブレットを製造する場合、標準的なブイヨンタブレットのプレス成形は適さない。
【0009】
したがって、当該技術分野では、ブイヨンタブレットを形成するための、特に、消費者が目で識別することのできる原材料を使用しており、より自然なものに見える、及び/又は水溶液中で素早く崩壊する、ブイヨンタブレットを形成するための改善された方法を見出すことが尚も必要とされている。
【0010】
[発明の概要]
本発明は、ブイヨンタブレットを製造するための方法のため、最先端の技術を改良すること、又は少なくとも代替策を提供することを目的とする。本発明は以下を含む:
i)本発明のブイヨンタブレットは、より自然なものに見える。
ii)使用されている原材料が目に見える。
iii)使用されている原材料、特に塩及び植物性素材片が目に見え、消費者が認識することができる。
iv)植物性素材片の量がより多い。
v)脂肪、特にヤシ脂肪の使用を回避する。
vi)水素添加又はエステル交換された油及び脂肪の使用を回避する。
vii)低脂肪のブイヨンタブレット、好ましくは、脂肪を含まないブイヨンタブレットである。
x)同じ官能特性で賞味期限が12ヶ月に達する。
ix)熱水中で崩壊特性が良好なブイヨンタブレットである。
xiii)ナトリウム塩が低減されている。
xi)プロセスが、良好な機械加工性を提供する。
xii)良好な混合特性を提供する。
xiii)良好な形成(切断)特性を提供する。
xiv)形成された(切断された)ブイヨンタブレットの重量のばらつきを最小限に抑える。
xv)加工中の保管時間を回避する。
xvi)混合した原材料がプロセス中に分離しない。
【0011】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって達成される。従属請求項は、本発明の着想を更に展開させるものである。
【0012】
したがって、本発明は、第1の態様では、ブイヨンタブレットを製造するための方法を提供し、方法は、
a)結晶成分、植物性素材片、及び任意選択で非晶質成分を混合して、乾燥組成物を得る工程、
b)炭水化物溶液を工程a)の乾燥組成物に添加し、更に混合してブイヨン塊を得る工程、
c)ブイヨン塊からブイヨンタブレットを形成する工程、
d)ブイヨンタブレットを乾燥させる工程、を含み、
炭水化物溶液は、72~87度のブリックス値を有し、結晶成分は、0.6~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶塩、0.3~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶糖、若しくは0.3~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶MSG、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、植物性素材片は、0.7~9.0mmの範囲のメジアン径Dv50を有する。
【0013】
第2の態様では、本発明は、本発明の方法によって得ることができるブイヨンタブレットに関する。
【0014】
本発明の第3の態様は、本発明のブイヨンタブレットを使用することによって調製された、食品製品に関する。
【0015】
驚くべきことに、72~87度のブリックス値を有する炭水化物溶液を含むブイヨンタブレットを製造するための方法は、必要な属性を有することが見出され、そのブイヨンタブレットは以下の要素を備える:
使用されている粗塩及び粗糖又は植物性素材片が見えるため、ブイヨンタブレットはより自然に見える。
使用されている原材料を消費者が認識することができる。
原材料、特に植物材料の粒径は、プロセスによって破壊されない。
植物性素材片をより多く存在させることができる。
本発明のブイヨンタブレットは、特に標準的なブイヨンタブレットと比較したときに、水溶液中での崩壊時間がより短い。
ヤシ脂肪又は水素添加脂肪の使用を回避することができる。
本発明のブイヨンタブレットは低脂肪であり、好ましくは脂肪が使用されていない。
本発明のブイヨンタブレットは、同じ官能特性で賞味期限が12ヶ月に達する。
本発明のブイヨンタブレットは使用者が砕くことができる。
本発明のブイヨンタブレットは、少なくとも80Nの硬度を有する。
本発明のブイヨンタブレットは、市販のブイヨンタブレットと比較してより低い密度を有する。
混合した原材料がプロセス中に分離しない。
板形成性が良好である。
ブイヨンタブレットを得るための切断性能が良好である。
形成された(切断された)ブイヨンタブレットの重量のばらつきを最小限に抑える。
ブイヨンタブレットを乾燥させた後でも、植物性素材片が新鮮なものに見える。
【0016】
例示的な節に示され得るように、炭水化物溶液そのもののブリックス値は、本発明の方法における本質的な特徴である。ブリックス値が72度未満である場合、製品を得ることはできるものの、ブイヨン塊の粘着性が高すぎるために、混合中、形成されるブイヨン板は不均一になり、これによりブイヨン板の形成が困難になり、更にはこのブイヨン塊は切断中にも尚も粘着質のままであるため、プロセスのパフォーマンスは良好でなくなる。ブイヨン板が均一に形成されていないと、最終的なブイヨンタブレットの重量にばらつきが生じる。ブリックス値が87度超の場合も、製品を得ることはできるものの、ブイヨン塊が過度に乾燥しているために、炭水化物溶液を均一に分布させることが難しくなり、またこの製品は切断するには過度に脆く、より小さな粒子に割れてしまうため、この場合にもプロセスのパフォーマンスは良好ではない。これにより、ブイヨンタブレットには例外なく重量のばらつきが生じ、また材料のロスが多くなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】市販のブイヨンタブレットと、目に見える原材料を含み本発明の方法によって得られるブイヨンタブレットとを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、ブイヨンタブレットを製造するための方法に関し、その方法は、
a)結晶成分、植物性素材片、及び任意選択で非晶質成分を混合して、乾燥組成物を得る工程、
b)炭水化物溶液を工程a)の乾燥組成物に添加し、更に混合してブイヨン塊を得る工程、
c)ブイヨン塊からブイヨンタブレットを形成する工程、
d)ブイヨンタブレットを乾燥させる工程と、を含み、
炭水化物溶液は、72~87度のブリックス値を有し、結晶成分は、0.6~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶塩、0.3~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶糖、若しくは0.3~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶MSG、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、植物性素材片は、0.7~9.0mmの範囲のメジアン径Dv50を有する。
【0019】
第2の態様では、本発明は、本発明の方法によって得ることができるブイヨンタブレットに関する。
【0020】
本発明の第3の態様は、本発明のブイヨンタブレットを使用することによって調製された、食品製品に関する。
【0021】
更なる実施形態では、本発明は、ブイヨンタブレットを製造するための方法に関し、その方法は、
a)結晶成分、植物性素材片、及び非晶質成分を混合して、乾燥組成物を得る工程、
b)炭水化物溶液を工程a)の乾燥組成物に添加し、更に混合してブイヨン塊を得る工程、
c)ブイヨン塊からブイヨンタブレットを形成する工程、
d)ブイヨンタブレットを乾燥させる工程、を含み、
炭水化物溶液は、72~87度のブリックス値を有し、結晶成分は、0.6~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶塩、0.3~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶糖、若しくは0.3~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有する結晶MSG、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、植物性素材片は、0.7~9.0mmの範囲のメジアン径Dv50を有する。
【0022】
好ましい実施形態では、本発明は、ブイヨンタブレットを製造するための方法に関し、その方法は、
a)結晶塩、植物性素材片、及び非晶質成分を混合して、乾燥組成物を得る工程、
b)炭水化物溶液を工程a)の乾燥組成物に添加し、更に混合してブイヨン塊を得る工程、
c)ブイヨン塊からブイヨンタブレットを形成する工程、
d)ブイヨンタブレットを乾燥させる工程、を含み、
炭水化物溶液は、72~87度のブリックス値を有し、塩結晶は、0.6mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50を有し、植物性素材片は、0.7mm~9.0mmの範囲のメジアン径Dv50を有する。
【0023】
「ブイヨンタブレット」とは、固められていない原材料混合物(loose ingredient mix)を、タブレット状、バー状、キューブ状、又は、球状、楕円状、直方体状、矩形状、円筒状、円錐状、若しくは角錐状のような他の幾何学的形状、好ましくはタブレット状若しくはバー状若しくはキューブ状に形成又は成形することによって得られる、タブレット若しくはキューブ、又は他の幾何学的形状を意味する。得られたタブレットは、2g~40gの重量を有する。本発明に含まれるバーとは、シリアルバーと同様の形状及び/又は形態を意味する。
【0024】
更なる実施形態では、「結晶成分」という用語は、結晶塩、結晶糖、結晶MSG、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。ブイヨンタブレットは、20~70重量%(組成物の重量基準)、好ましくは20~65重量%、好ましくは20~60重量%、好ましくは20~55重量%、好ましくは20~50重量%、好ましくは25~65重量%、好ましくは25~60重量%、好ましくは25~55重量%、好ましくは25~50重量%、好ましくは30~65重量%、好ましくは、30~60重量%、好ましくは30~55重量%、好ましくは30~50重量%(組成物の重量基準)の結晶成分を含む。
【0025】
本発明による「結晶塩」は、塩化ナトリウムを意味するが、塩化カリウム若しくは塩化アンモニウム又はその任意の組み合わせなどの、塩味の味覚を付与又は強化することが可能な他の食用塩も含み得る。ブイヨンタブレットは、20重量%~65重量%(組成物の重量基準)、好ましくは20重量%~60重量%、好ましくは20重量%~55重量%、好ましくは20重量%~50重量%、好ましくは20重量%~45重量%、好ましくは20重量%~40重量%、好ましくは25重量%~65重量%、好ましくは25重量%~60重量%、好ましくは25重量%~55重量%、好ましくは25重量%~50重量%、好ましくは25重量%~45重量%、好ましくは30重量%~65重量%、好ましくは、30重量%~60重量%、好ましくは30重量%~55重量%、好ましくは30重量%~50重量%、好ましくは30重量%~45重量%(組成物の重量基準)の結晶塩を含む。更なる実施形態では、結晶塩は、0.6mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.95mm~2.50mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.00mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.05mm~2.50mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.10mm~2.50mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.6mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.80mm~1.20mmの範囲のメジアン径Dv50を有する。市販のブイヨンタブレットに使用されている標準的な塩は、0.15mm~0.55mm、好ましくは0.30mm~0.50mmの範囲のメジアン径Dv50を有する。
【0026】
更なる実施形態では、組成物は、最大10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは最大8重量%、好ましくは0重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~10重量%、好ましくは1重量%~8重量%、好ましくは2重量%~8重量%、好ましくは3重量%~6重量%(組成物の重量基準)の結晶糖を含む。更なる実施形態では、結晶糖は、0.3mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、0.4mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.5~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.6~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.1~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.3~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.4~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.5~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.6~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.00~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.5~1.2mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7~1.2mmの範囲のメジアン径Dv50を有する。
【0027】
更なる実施形態では、組成物は、最大10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは最大8重量%、好ましくは0重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~10重量%、好ましくは1重量%~8重量%、好ましくは2重量%~8重量%(組成物の重量基準)の結晶MSGを含む。更なる実施形態では、結晶MSGは、0.3mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.4mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.5mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.6mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.1mm~2.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.3mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.4mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.5mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.6mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.00mm~1.5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.5mm~1.2mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~1.2mmの範囲のメジアン径Dv50を有する。
【0028】
更なる実施形態では、植物性素材片は、パセリ片、セロリ片、フェヌグリーク片、ラベージ片、ローズマリー片、マジョラム片、ディル片、タラゴン片、コリアンダー片、リーキ片、ショウガ片、レモングラス片、クルクマ片、トウガラシ片、ショウガ片、パプリカ片、カラシ片、ニンニク片、タマネギ片、エシャロット片、ターメリック片、トマト片、オレガノ片、タイム片、バジル片、トウガラシ片、パプリカ片、マッシュルーム片、ピーマン片、ハラペーニョ片、白コショウ片、黒コショウ片、又はこれらの片の組み合わせからなる群から選択される。好ましい実施形態では、植物性素材片は、ニンニク、タマネギ、トマト、コショウ、パセリ、リーキ、コリアンダー、エシャロット、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、植物性素材片を、10重量%~70重量%(組成物の重量基準)、好ましくは15重量%~65重量%、好ましくは20重量%~60重量%、好ましくは25重量%~60重量%、好ましくは25重量%~55重量%、好ましくは25重量%~50重量%、好ましくは30重量%~60重量%、好ましくは30重量%~55重量%、好ましくは30重量%~50重量%、好ましくは35重量%~60重量%、好ましくは35重量%~55重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、植物性素材片は、0.7mm~9mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~8mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~7mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~6mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~4mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~3mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~2mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~8mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~4mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~3mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~2mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~8.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~6.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~5.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~4.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~3mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~2mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~8.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~6.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~5.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~4.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~3.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~2mmの範囲のメジアン径Dv50を有する。
【0029】
更なる実施形態では、動物性素材片は、鶏肉、牛肉、豚肉、魚肉、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、動物性素材片を、0重量%~25重量%(組成物の重量基準)、好ましくは1重量%~25重量%、好ましくは5重量%~25重量%、好ましくは5重量%~20重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、動物性素材片は、0.7mm~9mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~8mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~7mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~6mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは、0.7mm~4mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.7mm~3mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~8mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~5mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.8mm~4mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは、0.8mm~3mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~8.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~6.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~5.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~4.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは0.9mm~3mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~8.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~6.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~5.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~4.0mmの範囲のメジアン径Dv50、好ましくは1.0mm~3.0mmの範囲のメジアン径Dv50を有する。
【0030】
メジアン径Dv50は、粒径分布の中央値としての従来の意味で使用される。中央値は、粒子集団の半分がこの値より上にあり、半分はこの値より下にある値として定義される。Dv50は、粒径分布を、この径以上とこの径以下とで半分ずつに分割する径である。粒径分布Dv50は、本発明に関しては選択された篩によって測定されている。一実施形態では、粒径Dv50は、Retsch AS200に準じて選択された篩によって測定されている。あるいはこの値は、レーザー光散乱法、顕微鏡法、又は画像解析と組み合わせた顕微鏡法によって測定することができる。例えば、粒径分布は、レーザー光散乱法によって測定することができる。レーザー回折により直接得られる結果が体積分布であるため、記述されるDv50は体積中央値である。
【0031】
本発明による用語「非晶質成分」とは、酵母抽出物、野菜粉末、動物抽出物、細菌抽出物、野菜抽出物、動物粉末、反応フレーバー(reaction flavour)、加水分解された植物タンパク質、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される原材料を意味する。本発明によるブイヨンタブレットは、0重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~9重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%、好ましくは1重量%~10重量%、好ましくは2重量%~10重量%、好ましくは2重量%~9重量%、好ましくは2重量%~5重量%、好ましくは3重量%~9重量%、好ましくは3重量%~8重量%(組成物の重量基準)の非晶質成分を含む。一実施形態では、非晶質成分は、酵母抽出物、鶏抽出物、タマネギ粉末、ニンニク粉末、セロリ根粉末、トマト粉末、細菌抽出物、反応フレーバー、又はこれらの組み合わせを含む群から選択される。細菌抽出物は、国際公開第2009040150号又は同第2010105842号に記載されている。野菜抽出物は、国際公開第2013092296号に記載されている。野菜粉末とは、タマネギ粉末、ニンニク粉末、トマト粉末、セロリ根粉末、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種である原材料を意味する。動物粉末とは、肉粉末、魚粉末、甲殻類粉末、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種である原材料を意味する。肉粉末とは、鶏肉粉末又は牛肉粉末を意味する。動物抽出物とは、肉抽出物、魚抽出物、甲殻類抽出物、又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種である原材料を意味する。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、酵母抽出物を、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、好ましくは1重量%~7重量%、好ましくは2重量%~6重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、野菜粉末を、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~7重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、動物抽出物を、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~8重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、好ましくは1重量%~10重量%、好ましくは2重量%~8重量%の範囲の量の細菌抽出物を含む。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、野菜抽出物を、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、肉粉末、魚粉末、又は甲殻類粉末を、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、反応フレーバーを、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。反応フレーバーは、好ましくはアミノ酸及び還元糖であってもよく、これらは熱を適用するとメイラード反応によって一緒に反応する。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、加水分解された植物性タンパク質を、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、鶏肉抽出物、牛肉抽出物、魚抽出物、又は甲殻類抽出物を、0重量%~5重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.5重量%~5重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、タマネギ粉末を、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、セロリ根粉末を、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、トマト粉末を、組成物の)0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%の範囲の量で含む。
【0032】
一実施形態では、ブイヨンタブレットの組成物は、更に以下を含む:全ての原材料の少なくとも45重量%(組成物の重量基準)が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも50重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも55重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも60重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも65重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも70重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも75重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも80重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の45~90重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の50~90重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.6mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.6~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の45~90重量%が、0.6~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、0.6~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、0.6~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.6~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.6~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも55重量%が、0.7mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも60重量%が、0.7mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも65重量%が、0.7mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも70重量%が、0.7mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも75重量%が、0.7mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも80重量%が、0.7mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.7mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、0.7mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.7mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.7~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.7~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、0.7~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、0.7~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.7~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の70~90重量%が、0.7~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の70~90重量%が、0.7~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも55重量%が、0.8mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも60重量%が、0.8mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも65重量%が、0.8mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも70重量%が、0.8mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも75重量%が、0.8mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも80重量%が、0.8mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.8mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、0.8mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.8mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.8~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.8~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、0.8~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.8~9.0mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.8~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の70~90重量%が、0.8~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の70~90重量%が、0.8~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも55重量%が、0.9mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも60重量%が、0.9mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも65重量%が、0.9mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも70重量%が、0.9mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも75重量%が、0.9mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.9mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、0.9mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.9mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.9~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、0.9~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、0.9~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.9~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、0.9~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の70~90重量%が、0.9~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の70~90重量%が、0.9~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも55重量%が、1.0mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも60重量%が、1.0mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも65重量%が、1.0mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の少なくとも70重量%が、1.0mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、1.0mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、1.0mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の55~90重量%が、1.0~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の60~90重量%が、1.0~4.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、1.0mm超のメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%が、1.0~9.0mmのメジアン径Dv50を有する、好ましくは全ての原材料の65~90重量%(組成物の重量基準)が、1.0~4.0mmのメジアン径Dv50を有する。
【0033】
本発明による「炭水化物溶液」という用語は、糖類ベースの溶液を意味する。炭水化物溶液の原材料は、20kDa未満、好ましくは10kDa未満、好ましくは6kDa未満、好ましくは0.3~20kDa、好ましくは0.5~10kDa、好ましくは0.5~6kDa、好ましくは0.7~20kDa、好ましくは0.7~10kDa、好ましくは0.7~6kDaの平均分子量を有する。本発明による一実施形態では、本発明による「炭水化物溶液」という用語は、スクロース、イヌリン、マルトデキストリン、デキストリン、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、マルチトール、イソマルト、ラフィノース、スタキオース、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、難消化性デキストリン、イソマルツロース、グルコースシロップ、米シロップ、アガベシロップ、コーンシロップ、オリゴ糖、又はそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される成分を意味する。
【0034】
更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、炭水化物溶液が72~87度、好ましくは73~86度、好ましくは74~86度、好ましくは74~85度、好ましくは75~86度、好ましくは75~85度、好ましくは75~84度、好ましくは75~83度、好ましくは76~86度、好ましくは76~85度、好ましくは75~84度、好ましくは75~83度、好ましくは75~82度、好ましくは76~86度、好ましくは76~85度、好ましくは76~84度、好ましくは76~83度、好ましくは77~86度、好ましくは77~85度、好ましくは77~84度、好ましくは77~83度、好ましくは77~82度、好ましくは78~86度、好ましくは78~85度、好ましくは78~84度、好ましくは78~83度、好ましくは78~82度のブリックス値を有することを構成要素とする。
【0035】
本発明による「ブリックス値」という用語は、水溶液の糖含有量を意味する。ブリックス値が1度であると、100グラムの溶液中に1グラムのスクロースが含まれることを意味し、この溶液強度は質量百分率として表される。溶液が、純粋なスクロース以外に溶解した固形分を含有する場合、ブリックス度は、溶解している固形分含有量を概算するのみである。ブリックス値は、20℃での屈折率測定をもとにしたブリックス度測定方法により測定されている:ISO2173:2003-果実産物及び野菜産物-可溶性固形分の測定-屈折率測定法。特に出発材料のブリックス値が低すぎる場合には、炭水化物溶液を100℃~130℃、好ましくは100℃~125℃、105℃~125℃の温度で調理することによって調整することができる。ブリックス値は、水を添加することで下げることができる。
【0036】
炭水化物溶液は、流動性のある状態まで、好ましくは70℃~110℃、好ましくは75℃~100℃、好ましくは75~95℃、好ましくは80~90℃の温度まで加熱された後、乾燥組成物に添加される。最適温度は、当業者によって決定することができる。炭水化物溶液は、結晶成分、植物性素材片、及び任意選択で非晶質成分を含む混合物と均質に穏やかにブレンドされる。通常、炭水化物溶液は、乾燥混合物に添加される。単軸ミキサー若しくは二軸ミキサー又はバッチ調理器を使用して、炭水化物溶液を加熱し、混合物とブレンドすることができる。炭水化物溶液は、食品片を均一にコーティングするのに十分な流体である必要がある。より低い温度では、炭水化物溶液は過度な粘性を維持し、乾燥食品片が摩擦で破壊されてしまう危険性、及び/又は、糖類溶液が均一に分布しないという危険性がある。より高い温度では、ブレンドは改善されず、糖類溶液中の望まれない反応を引き起こし得、エネルギー使用の増加に結び付く。一実施形態では、糖類溶液は、90℃で50s-1の剪断速度にて30~1000mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて30~900mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて30~800mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて30~700mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて30~600mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて40~1000mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて40~900mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて40~800mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて40~700mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて40~600mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて50~1000mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて50~900mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて50~800mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて50~700mPa・sの範囲の粘度、好ましくは90℃で50s-1の剪断速度にて50~600mPa・sの範囲の粘度を有する。本発明による炭水化物溶液の全てのブリックス値と本発明による炭水化物溶液の全ての粘度範囲とを組み合わせることができる。
【0037】
更なる実施形態では、ブイヨンタブレットを製造するための方法は、10~30重量%の炭水化物溶液が70~90重量%の乾燥組成物に添加される、好ましくは12~28重量%の炭水化物溶液が72~88重量%の乾燥組成物に添加される、好ましくは15~25重量%の炭水化物溶液が75~85重量%の乾燥組成物に添加される、好ましくは17~23重量%の炭水化物溶液が77~83重量%の乾燥組成物に添加されることを構成要素とする。
【0038】
本発明の文脈において、用語「脂肪」は、25℃の温度で固形のトリグリセリドを指す。用語「25℃の温度で固形」とは、この温度で保存された脂肪がその形状を維持することを意味する。脂肪及び油は、動物脂肪組織及び多くの植物種子の主たる成分である。本発明による脂肪は、30℃で2%超の固形脂肪含有量を有し、好ましくは30℃の温度で5%超の固形脂肪含有量を有し、好ましくは30℃の温度で10%超の固形脂肪含有量を有する。脂肪のうちの固形脂肪含有量は、例えば、パルスNMRによって測定される。本発明による脂肪とは、植物性脂肪及び/又は動物性脂肪を意味する。更なる実施形態では、本発明による脂肪とは、トロピカルファット(tropical fat)、分画されたトロピカルファット、分画された牛脂、牛脂、分画された鶏脂、鶏脂、藻類脂肪、又はシアバター、エステル交換されたシアバターのうちの少なくとも1種である原材料を意味する。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、脂肪を、最大7重量%(組成物の重量基準)、好ましくは最大5重量%、好ましくは最大3重量%、好ましくは0重量%~7重量%、好ましくは0.5重量%~7重量%、好ましくは0.5重量%~5重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%の範囲で含む。最近の栄養分野では、トランス脂肪酸及び飽和脂肪酸を多量に含む脂肪の摂取を回避、又は少なくとも低減し、好ましくは多価不飽和脂肪酸に富む健康によい油を摂取しようとする傾向が存在する。地域の条件下、周囲温度にて液体である油のみを含有し、又は主にこれを含有し、固形脂肪を全く又はほとんど含まない、硬質ブイヨンタブレットを提供することは有利である。一実施形態では、ブイヨンタブレットは、5重量%未満の飽和脂肪、好ましくは3重量%未満の飽和脂肪、好ましくは1重量%未満の飽和脂肪を含有し、より好ましくは、ブイヨンタブレットは脂肪を全く含有しない(脂肪0重量%)。
【0039】
一実施形態では、ブイヨンタブレットは、油、例えば最大10重量%(組成物の重量基準)の油、好ましくは最大7重量%の油、好ましくは最大5重量%の油、好ましくは最大2重量%の油を更に含み、好ましくは、組成物は、油を、0重量%~10重量%(組成物の重量基準)、好ましくは0重量%~5重量%、好ましくは0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~7重量%、好ましくは0.1重量%~5重量%、好ましくは0.1~2重量%(組成物の重量基準)の範囲の量で含む。好適な実施形態では、油は、植物油である。好ましくは、油は、ヒマワリ油、菜種油、綿実油、ピーナッツ油、大豆油、オリーブ油、ココナッツ油、藻類油、ベニバナ油、コーン油、米糠油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アボカド油、アーモンド油、クルミ油、又はこれらの組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは、ヒマワリ油である。用語「ヒマワリ油」にはまた、高オレイン酸ヒマワリ油も含まれる。本発明の文脈において、用語「油」は、20℃の室温で液体である又は注ぎだすことができる(pourable)トリグリセリド、例えば25℃の室温で液体である又は注ぎだすことができるトリグリセリドを指す。油は、20℃で10%未満、好ましくは20℃で5%未満、好ましくは20℃で2%未満、好ましくは20℃で0%の固形脂肪含有量を有する。油は、一価不飽和脂肪酸及び多価不飽和脂肪酸に富むものであってもよい。一実施形態では、ブイヨンタブレットは3重量%未満の油、好ましくは2重量%未満の油を含有し、より好ましくは油を全く含有しない(0重量%の油)。
【0040】
一実施形態では、ブイヨンタブレットを形成する前の混合物の含水量は、4.0重量%~13.0重量%(組成物の重量基準)、好ましくは4.0重量%~11.0重量%、好ましくは4.0重量%~10.0重量%、好ましくは4.5重量%~10.0重量%、好ましくは5.0重量%~9.5重量%、好ましくは5.0重量%~9.0重量%、好ましくは5.5重量%~8.5重量%である。含水量は、ほとんどの場合に、ブイヨンタブレットを形成する前に混合組成物に炭水化物溶液を添加することによって調整される。プレス成形したタブレットは乾燥されることから、上述の含水量はタブレットを乾燥させる前のものである。
【0041】
一実施形態では、「形成すること」とは、ブイヨンタブレットを得るための加工プロセスを意味し、そのプロセスは以下を含む:
i)ブイヨン塊の板を形成すること、
ii)ブイヨン板を冷却すること、
iii)冷却されたブイヨン板を切断すること。
一実施形態では、「形成すること」とは、ブイヨンタブレットを得るための加工方法を意味し、その方法は以下を含む:
i)ブイヨン塊の板を形成すること、
ii)ブイヨン板を冷却すること、
iii)冷却されたブイヨン板を長手方向に切断して、ストランドを得ること、
iv)ストランドを幅方向に切断すること。
【0042】
硬質ブイヨンの場合の標準的なブイヨン加工を使用することはできない。プレスダイは使用されない。ブイヨン板は、少なくとも1本のローラー、好ましくは1本~3本のローラー、好ましくは1本のローラー、好ましくは2本のローラーで形成される。ローラーは、ブイヨン板を、目的とする特定の高さにするために使用される。好ましい実施形態では、ローラーは、40℃~90℃の温度に加熱される。
【0043】
一実施形態では、切断は、任意の好適な切断装置、好ましくはギロチン切断、ローラー切断、ウォータージェット切断、レーザー切断、又はそれらの組み合わせ、好ましくはローラー切断及び/又はギロチン切断によって行うことができる。
【0044】
一実施形態では、長手方向の切断は、任意の好適な切断装置、好ましくはギロチン切断、ローラー切断、ウォータージェット切断、又はそれらの組み合わせ、好ましくはローラー切断によって行うことができる。
【0045】
一実施形態では、幅方向の切断は、任意の好適な切断装置、好ましくはギロチン切断、ローラー切断、ウォータージェット切断、又はそれらの組み合わせ、好ましくはギロチン切断によって行うことができる。
【0046】
ブイヨン板を冷却することとは、10~60℃の温度にまで、好ましくは15~50℃の温度にまで、好ましくは20~50℃の温度にまで、好ましくは20~40℃の温度にまで、好ましくは15~30℃の温度にまで冷ますことを意味する。
【0047】
乾燥工程は、風乾、オーブン乾燥、真空乾燥、床乾燥、マイクロ波真空乾燥、赤外線乾燥、又はこれらの組み合わせなどの任意の一般的に知られた乾燥技術によって実施することができる。乾燥工程は、噴霧乾燥を含まない。本発明の一実施形態では、乾燥は、50℃~150℃、好ましくは50℃~130℃、好ましくは60℃~130℃、好ましくは70℃~130℃、好ましくは80℃~120℃、好ましくは100℃~120℃の温度で行われる。乾燥時間は、1分~5時間、好ましくは5分~3時間である。
【0048】
一実施形態では、ブイヨンタブレットの組成物は、1.15g/cm3未満、好ましくは1.1g/cm3未満、好ましくは1.0g/cm3未満、好ましくは0.6~1.15g/cm3、好ましくは0.6~1.1g/cm3、好ましくは0.7~1.1g/cm3、好ましくは0.7~1.0g/cm3、好ましくは0.75~0.95g/cm3の密度を有する。
【0049】
一実施形態では、ブイヨンタブレットは、12か月間常温保存可能であり、したがって、0.6未満、好ましくは0.5未満、好ましくは0.4未満、好ましくは0.06~0.6、好ましくは0.1~0.5、好ましくは0.15~0.4の水分活性を有する。
【0050】
一実施形態では、ブイヨンタブレットは、少なくとも80N、好ましくは少なくとも90N、好ましくは少なくとも100N、好ましくは少なくとも110N、好ましくは少なくとも120N、好ましくは80N~800N、好ましくは80N~600N、好ましくは80N~500N、好ましくは80N~400N、好ましくは90N~800N、好ましくは90N~600N、好ましくは90N~500N、好ましくは90N~400N、好ましくは100N~800N、好ましくは100N~600N、好ましくは100N~500N、好ましくは100N~400Nのタブレット硬度を有する。
【0051】
一実施形態では、ブイヨンタブレットは、キサンタンを含有しない。更なる実施形態では、ブイヨンタブレットは、食用色素で青色に着色した原材料を含有しない。
【実施例
【0052】
以下の実施例を参照し、本発明を更に説明する。実施例は、本発明を決して限定するものではないことを理解されたい。
【0053】
実施例1:方法
本発明のブイヨンタブレットを調製するための全般的な手順は、以下のとおりである:
結晶成分、植物性素材片、及び任意選択で非晶質成分を含む成分を混合して、乾燥組成物を得る。
炭水化物溶液を工程a)の乾燥組成物に添加し、更に混合してブイヨン塊を得ること、
ブイヨン塊の板を形成する。
ブイヨン板を冷却する。
冷却されたブイヨン板を長手方向に切断して、ストランドを得る。
ストランドを幅方向に切断する。
ブイヨンタブレットを乾燥させる。
【0054】
全ての乾燥原材料(結晶塩、糖結晶、植物性素材片、及び任意選択で非晶質成分)を秤量し、次いで手作業で混合した。必要なブリックス値を調整するために、炭水化物溶液(Beneo Orafti L85;Beneo Remylose 58 80;Norevoi EU Bio Agave Syrup Salmiana)を、100~120℃の温度で調理(Thermosyphon Cooker)した。炭水化物溶液を、80~95℃の温度で添加した(Buehler Continuous Mixer Contimix 700 Easy CleanTM;基本的に、二軸ミキサーにより加熱又は冷却することができる)。次いで、得られた混合物をすぐに使用して、ブイヨン板を形成した(Buehler Smooth Roller Former GP M 200-400 HD)。ブイヨン板を20℃まで冷却し(Buehler Cooling Tunnel HKK420)、長手方向に切断してストランドにした(Buehler Strand Slitter SG420 HD)。このストランドを幅方向に切断して(Buehler MS 620 EIV/TB HD)、得られたブイヨンタブレットを乾燥させた(標準的な乾燥機)。
【0055】
粘度測定:
モジュール式小型レオメータ(Anton Paar Physica MCR 300;測定システムCC17)を使用して、90℃、50s-1の剪断速度にて、炭水化物溶液の粘度を測定した。
【0056】
密度測定:
ブイヨンタブレットの寸法を、TESA Dial Calliper 0.02mmANTICHOC 05.10008を用いて3次元で測定する。各寸法を3回測定し、体積算出のため平均を取る。生成物を、PG5002-S Delta Range天秤(Mettler-ToledoGmbH,Switzerland)を使用して秤量する。密度を、密度=重量(g)/体積(cm3)で計算する。5つの積を使用し、平均密度を記録する。
【0057】
粒径分布:
粒径分布は、ISO2395:1990に従って、Retsch AS200によって測定される。以下の範囲から選択されたふるいを用いる:4000μm、3150μm、2500μm、2000μm、1600μm、1250μm、1000μm、710μm、500μm、400μm、250μm、125μm、及び63μm。ふるい分け時間は10分とし、振幅1mmとする。結果の解釈は、Rosin、Rammler、及びSperling(RRS)の対数形の方程式を適用することによる。結果に基づいてDv50を記録する。
【0058】
粒径分布:
粒径分布は、Retsteck AS200によって測定する。以下の範囲:4000μm、3150μm、2500μm、2000μm、1600μm、1000μm、800μm、及び710μmから選択された篩を使用する。ふるい分け時間は10分とし、振幅1mmとする。結果に基づいてDv50を記録する。
【0059】
含水量:
含水量の測定は、公式の測定法であるISO1666:1996の「デンプン、含水量測定、オーブン乾燥(Starch--Determination of moisture content--Oven-drying)」に基づくものとした。この方法をわずかに修正して、異なるマトリックスに適用する。約100gの試料を、Grindomix GM200(Retsch GmbH、Germany)で8000RPMにて8秒間粉砕した。ニッケル製蒸発皿及びその蓋(VWRパーツ番号253-029)を、XP204天秤(Mettler-Toledo GmbH、Switzerland)を用いて秤量し、質量を0.1mgの精度で記録した。続いて、試験用に約3グラムの試料をニッケル皿に入れた。皿とその蓋、及び試料の重量をすぐに測定した。皿と、皿の脇に置いた蓋とを、102±1℃に設定したオーブンに240分間(4時間)入れた。オーブン内で乾燥させた後、皿をその蓋で閉じ、すぐにデシケータに移して60分間置いた。デシケータから取り出した直後に、皿とその蓋、及び乾燥させた試料を秤量した。水分の質量分率(M)はg/試料100gで記録した。また、以下のように求めた。
【0060】
【数1】
【0061】
[式中、mは、皿とその蓋の質量であり、mは、乾燥前の皿とその蓋、及び試料の質量であり、mは、オーブン内で乾燥させた後の皿とその蓋、及び試料の質量である]。
【0062】
実施例2~13:
実施例2及び実施例13を、実施例1に従って調製した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
実施例2~実施例13を、実施例1に従って調製した。比較として、別の市販のブイヨンタブレット(Maggi Chicken Bouillon Volaille、Maggi Doble Gusto Costilla、及びMaggi KUP OR)の密度を測定したところ、その密度は1.38g/cm3~1.61g/cm3であった。実施例2~7によって示され得るように、炭水化物溶液のブリックス値は本質的な特徴である。比較例2は、本発明によるとブリックス値がより低いものであり、製品を得ることが可能であるとはいえ、ブイヨン塊の粘着性が高すぎるためプロセスパフォーマンスは良好でなく、この粘着性により、混合中に形成されるブイヨン板は均一ではなく、またこのブイヨン塊は切断中にも粘着質であることから、ブイヨン板の形成は困難なものとなる。ブイヨン板が均一に形成されていないと、最終的なブイヨンタブレットの重量にばらつきが生じる。比較例7は、本発明によるとブリックス値がより高いものであり、製品を得ることが可能であるとはいえ、ブイヨン塊が過度に乾燥しているのでやはりプロセスパフォーマンスは良好ではなく、この場合には、炭水化物溶液を均質に分散させることが難しくなり、製品は切断するには過度に脆く、より小さな粒子に割れてしまう。これにより、ブイヨンタブレットには例外なく重量のばらつきが生じ、また材料のロスが多くなる。実施例8~13は、異なる炭水化物溶液又は炭水化物溶液の組み合わせについての結果を示す。
【0067】
実施例14:崩壊時間
本発明のブイヨンタブレットの崩壊時間を、市販の標準的なブイヨンタブレット(Maggi bio vegetable bouillon tablet)のものと比較した。水を95℃~100℃(沸騰水)の温度に加熱した。ブイヨンタブレットを、撹拌せずに500mLの沸騰水に添加し、ブイヨンタブレットが崩壊するまでの時間を測定した。実施例3~実施例6及び実施例8~実施例11の崩壊時間は40秒~50秒であるのに対し、標準的なブイヨンタブレットは、完全に崩壊するまでに3分55秒~4分30秒を要する。
【0068】
実施例15:自然な外観
訓練を受けた社内のパネリスト20名により、本発明のブイヨンタブレットの目に見える様子を採点した。これらタブレットは全て、原材料、及び特に植物性素材片をもとに、外観が自然なものである(飾り用の素材、ハーブ、及びスパイスを視認可能である)と認識された。更に、本発明のブイヨンタブレットは、市販の標準的なブイヨンタブレットと比較して、作りたてで健康によいものであるように見える。図1は、市販のブイヨンタブレットと、視認可能な原材料を含む本発明のブイヨンタブレットとを示す。
【0069】
比較例16:
3種類の異なる顆粒を、標準的な調製方法を用いて以下の組成で調製した。
【0070】
【表4】
【0071】
顆粒は、プレス成形前に6重量%の含水量を有しており、粒子のサイズは、長さ1.2mm~1.5mm及び幅0.8mmである。異なる顆粒を使用して、国際公開第2004112513号によるブイヨンタブレットをプレス成形した。得られたブイヨンタブレットは乾燥しており、プレス成形後には顆粒の構造が破壊されていることから、表面が平滑でマーブル様の色味を有する。ブイヨンタブレットの密度[g/cm3]は1.46g/cm3であり、したがって標準的なブイヨンタブレットと同様である。実施例14に従って、顆粒から得られたブイヨンタブレットの崩壊時間を測定した。崩壊時間は3分45秒である。
【0072】
実施例15に従って、目に見えるブイヨンタブレットの様子について評価した。訓練を受けた社内のパネリストの20名全員が、本発明の方法により得られたブイヨンタブレットの自然な外観は、原材料、特に植物性素材片(飾り用の素材、ハーブ、及びスパイス)が視認可能であるためであると認識した。更に、本発明のブイヨンタブレットは、顆粒から得られるブイヨンタブレットと比較して、より作りたてで健康によいものであるように見える。顆粒から得られたブイヨンタブレットは、マーブル様にされている視覚効果があるにもかかわらず、粉末からプレス成形された標準的なブイヨンタブレットと非常に似通っている。
【0073】
実施例17~20:
実施例18~実施例20を、実施例1に従って調製した。比較例17を、水に対応する量の糖類溶液のみを使用したことを除き、実施例1と同様に調製した。
【0074】
【表5】
【0075】
比較例17、比較例18、及び実施例19、実施例20は、ブイヨンタブレットに1.15未満の密度をもたせ、かつ崩壊時間を2分未満にするためには、全ての原材料の少なくとも45重量%が0.6mm超のメジアン径Dv50を有する必要があることを示している。崩壊時間は、実施例14に従って測定されている。更に、実施例15によると、外観の自然さは実施例20が最も高く評価され、実施例19がこれに次いだ。比較例17は外観が最も自然なものではないと評価された。比較例18は、実施例19と比較して低く評価された。

図1
【国際調査報告】