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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】装軌車両用傾斜制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/02 20120101AFI20230317BHJP
   B62D 55/075 20060101ALI20230317BHJP
   B62B 5/02 20060101ALI20230317BHJP
   B60W 30/18 20120101ALI20230317BHJP
【FI】
B60W30/02
B62D55/075 A
B62B5/02 C
B60W30/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548038
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(85)【翻訳文提出日】2022-09-28
(86)【国際出願番号】 CA2021050120
(87)【国際公開番号】W WO2021155465
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】62/969,833
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522312540
【氏名又は名称】モヴェックス イノヴェーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(72)【発明者】
【氏名】ラフォンテーヌ、イヴァン
【テーマコード(参考)】
3D050
3D241
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050DD06
3D050KK04
3D241BA18
3D241BB21
3D241BB25
3D241BC06
3D241CA14
3D241CC03
3D241CD12
3D241CD15
3D241CE02
3D241DB01Z
3D241DB05Z
3D241DB12Z
3D241DB15Z
3D241DB16Z
(57)【要約】
無限軌道車両のピッチ角度を制御するためのシステムであって、無限軌道車両を所定方向に駆動させ;所定方向に沿って移動している間の無限軌道車両のピッチ角度をモニタリングし;かつ、ピッチ角度が変動していると判定した際に、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両のピッチ角度の変動率を制御するための前記システム。無限軌道車両は、積荷支え面を定める本体を含んでいてもよい。軌道は、本体に回転可能に設置されて、本体を移動させる。動力化ユニットは、軌道を作動させる。駆動システムは、動力化ユニットを操作する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無限軌道車両のピッチを制御するためのシステムであって、当該システムは:
一つ以上のプロセッサーを有し;
非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリーを有し、該非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリーは、駆動システムのプロセッサーに通信的に連結され、かつ、前記プロセッサーによって遂行可能であるコンピューターで読み取り可能なプログラム指令を有し、該コンピューターで読み取り可能なプログラム指令は:
前記無限軌道車両を所定方向に駆動させるためのものであり;
前記所定方向に移動している間の前記無限軌道車両のピッチ角度をモニタリングするためのものであり;かつ、
前記ピッチ角度が変動していると判定した際に、前記無限軌道車両の駆動を制御して前記無限軌道車両の前記ピッチ角度の変動率を制御するためのものである、
前記システム。
【請求項2】
前記無限軌道車両の駆動を制御することが、前記所定方向における前記無限軌道車両の速度を落とすことを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記無限軌道車両の駆動を制御することが、前記無限軌道車両を前記所定方向とは反対方向に駆動させることを含む、請求項1および2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記無限軌道車両を所定方向に駆動させることが、前記無限軌道車両を階段または階段の踊り場に沿って駆動させることを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記階段と前記踊り場との間の移行に関する前記無限軌道車両の位置をモニタリングすることをさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記無限軌道車両の駆動を制御して、前記移行からの距離が到達したときに前記無限軌道車両を減速させることをさらに含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記無限軌道車両の前記位置をモニタリングすることが、超音波感知によって実行される、請求項5および6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記階段に沿い前記所定方向に沿って移動している間の前記無限軌道車両のヨーをモニタリングすることを含む、請求項4~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記ヨーが変動していると判定した際に、前記無限軌道車両の駆動を制御して前記無限軌道車両の前記ヨーを調整する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記無限軌道車両の駆動を制御して前記無限軌道車両の前記ヨーを調整することが、前記無限軌道車両の二つの軌道の間の速度差を誘導することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記無限軌道車両の駆動を制御して前記無限軌道車両の前記ヨーを調整することが、前記無限軌道車両の二つの軌道の間の回転方向の相違を誘導することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記所定方向に移動している間の前記無限軌道車両のロールをモニタリングすることを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記無限軌道車両の前記ロールが閾値にあると判定した際に、前記無限軌道車両の駆動を制御して前記無限軌道車両を減速させる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記無限軌道車両の前記ロールが閾値にあると判定した際に、前記無限軌道車両の駆動を制御して前記無限軌道車両の最高速度を制限する、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
駆動、モニタリングおよび駆動の制御が、前記無限軌道車両の自律的な自己駆動モードで実行される、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
駆動、モニタリングおよび駆動の制御が、オペレーターの命令を上書きするための前記無限軌道車両の上書きモードで実行される、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
駆動、モニタリングおよび駆動の制御が、自動的に実行される、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
少なくとも一つの配向センサーをさらに含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記の少なくとも一つの配向センサーが少なくとも一つの慣性センサーを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記の少なくとも一つの慣性センサーが、少なくとも一つの加速度計および/または少なくとも一つのジャイロスコープを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
少なくとも一つの位置センサーをさらに含む、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記の少なくとも一つの位置センサーが、少なくとも一つの超音波センサーデバイスおよび/または少なくとも一つの光学センサーである、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
無限軌道車両であって、当該無限軌道車両は:
積荷支え面を定める本体を有し;
前記本体に回転可能に設置されて前記本体を移動させる、少なくとも一つの軌道を有し;
前記の少なくとも一つの軌道を作動させるための動力化ユニットを有し;
前記動力化ユニットを操作するための駆動システムを有し;かつ、
請求項1~22のいずれか一項に記載のシステムを有し、該システムは前記駆動システムと協働する、
前記無限軌道車両。
【請求項24】
前記少なくとも一つの軌道のうちの二つを有する、請求項23に記載の無限軌道車両。
【請求項25】
前記動力化ユニットが、前記の少なくとも一つの軌道それぞれについて双方向性モーターを含む、請求項23および24のいずれか一項に記載の無限軌道車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2020年2月4日付けで出願の米国特許出願第62/969,833号(その内容は、参照によって本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本願は、斜面で積荷を運び上げるのに用いられる無人無限軌道車両のような無限軌道車両に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
無限軌道車両は、種々のタイプの地形上で積荷を運搬するために便宜に用いられる。無限軌道車両はしばしば、無人であってもよく、遠隔オペレーターによって制御されていてもよい。かかる無限軌道車両は、バギー、運搬装置、ロボット車両などとして知られているであろう。かかる無限軌道車両に関わる一つの懸念は、それらの比較的平坦な底面であり、該比較的平坦な底面は、斜面と平面との間の移行を危険なものにする。例えば、無人無限軌道車両が階段で積荷を運び上げるときには、無限軌道車両の不適切な制御が、ピッチ軸についての急激過ぎる変動をもたらすであろう(特に、大きい積荷を伴う場合)。大きい積荷が関連するとき、このことは重要な影響をもたらし、該重要な影響は、積荷に損傷を与え、車両のヨー軸についての急変を引き起こし、かつ/または、車両の転倒を引き起こすであろう。さらに、その他の状況では、かかる無限軌道車両は、転倒のリスクが存在する状態で、平らでない地形上で積荷を運搬するであろう(特に、積荷が車両および積荷アセンブリーの重心を上げるシナリオでは)。
【発明の概要】
【0004】
概要
一つの態様では、無限軌道車両のピッチを制御するためのシステムが提供され、当該システムは:一つ以上のプロセッサーを有し;非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリーを有し、該非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリーは、駆動システムのプロセッサーに通信的に連結され、かつ、プロセッサーによって遂行可能であるコンピューターで読み取り可能なプログラム指令を有し、該コンピューターで読み取り可能なプログラム指令は:所定の方向に無限軌道車両を駆動させるためのものであり;所定の方向に沿って移動している間に無限軌道車両のピッチ角をモニタリングするためのものであり;かつ、ピッチ角が変動していると判定した際に、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両のピッチ角の変動率を制御するためのものである。
【0005】
該態様によればさらに、例えば、無限軌道車両の駆動を制御することは、所定の方向における無限軌道車両の速度を下げることを含む。
【0006】
該態様によればまださらに、例えば、無限軌道車両の駆動を制御することは、所定の方向とは反対方向に無限軌道車両を駆動させることを含む。
【0007】
該態様によればまださらに、例えば、所定の方向に無限軌道車両を駆動させることは、階段または階段の踊り場に沿って無限軌道車両を駆動させることを含む。
【0008】
該態様によればまださらに、例えば、階段と踊り場との間で移行に関する無限軌道車両の位置がモニタリングされる。
【0009】
該態様によればまださらに、例えば、無限軌道車両の駆動は、移行からの距離に到達したときには無限軌道車両を減速させるために制御される。
【0010】
該態様によればまださらに、例えば、無限軌道車両の位置をモニタリングすることは、超音波感知によって実行される。
【0011】
該態様によればまださらに、例えば、階段に沿い所定の方向に沿って移動している間に無限軌道車両のヨーがモニタリングされる。
【0012】
該態様によればまださらに、例えば、ヨーが変動していると判定した際に、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両のヨーを調整すること。
【0013】
該態様によればまださらに、例えば、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両のヨーを調整することは、無限軌道車両の二つの軌道の間の速度差を誘導することを含む。
【0014】
該態様によればまださらに、例えば、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両のヨーを調整することは、無限軌道車両の二つの軌道の間の回転方向の相違を誘導することを含む。
【0015】
該態様によればまださらに、例えば、所定の方向に沿って移動している間に無限軌道車両のロールがモニタリングされる。
【0016】
該態様によればまださらに、例えば、無限軌道車両のロールが閾値にあると判定した際に、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両を減速させること。
【0017】
該態様によればまださらに、例えば、無限軌道車両のロールが閾値にあると判定した際に、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両の最高速度を制限すること。
【0018】
該態様によればまださらに、例えば、駆動、モニタリングおよび駆動の制御は、無限軌道車両の自律的な自己駆動モードで実行される。
【0019】
該態様によればまださらに、例えば、駆動、モニタリングおよび駆動の制御は、オペレーターの命令を上書きするための無限軌道車両の上書きモードで実行される。
【0020】
該態様によればまださらに、例えば、駆動、モニタリングおよび駆動の制御は、自動的に実行される。
【0021】
該態様によればまださらに、例えば、少なくとも一つの配向センサーが提供される。
【0022】
該態様によればまださらに、例えば、少なくとも一つの配向センサーは少なくとも一つの慣性センサーを含む。
【0023】
該態様によればまださらに、例えば、少なくとも一つの慣性センサーは、少なくとも一つの加速度計および/または少なくとも一つのジャイロスコープを含む。
【0024】
該態様によればまださらに、例えば、少なくとも一つの位置センサーが提供される。
【0025】
該態様によればまださらに、例えば、少なくとも一つの位置センサーは、少なくとも一つの超音波センサーデバイスおよび/または少なくとも一つの光学センサーである。
【0026】
さらなる態様によれば、無限軌道車両が提供され、当該無限軌道車両は:積荷支え面を定める本体を有し;本体を移動させるために本体に回転可能に設置された少なくとも一つの軌道を有し;少なくとも一つの軌道を作動させるための動力化ユニットを有し;動力化ユニットを操作するための駆動システムを有し;かつ、上記システムを有し、前記システムは駆動システムと協働する。
【0027】
該さらなる態様によればまだ、例えば、少なくとも一つの軌道のうちの二つが存在する。
【0028】
該さらなる態様によればまだ、例えば、動力化ユニットは、少なくとも一つの軌道のそれぞれについて双方向モーターを含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図面の説明
ここで、添付の図面を参照する。
【0030】
図1A図1Aは、無人無限軌道車両の第一の斜視図である。
図1B図1Bは、無人無限軌道車両の第二の斜視図である。
図2図2は、図1Aおよび1Bの無限軌道車両とともに用いられる駆動システムおよび傾斜制御システムを示すブロック図である。
図3A図3Aは、階段を上って移動する図1Aまたは図1Bの無限軌道車両の概略図である。
図3B図3Bは、本開示の傾斜制御システムを伴う、階段の頂部における図3Aの無限軌道車両の概略図である。
図4図4は、本開示の変形による無限軌道車両のピッチを制御するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
詳細な説明
図1Aおよび1Bを参照すると、本開示の傾斜制御システムを備えた無人無限軌道車両が10に示されている。車両10は一対の軌道14によって動力化された本体12を有して示されているが、車両10は単一の軌道14を有していてもよい。本体12は車両のフレームとして見られてもよく、かつ、車両10の操作コンポーネントを包囲していてもよい。本体12は、軌道14に動力を与えるために、無限軌道車両10の動力化設備を包囲する。動力化設備は動力化ユニットであってもよく、該動力化ユニットは、電気モーター、バッテリー、伝動装置、ギアボックス、ならびに、車両10を操作するための駆動システム、および、遠隔制御と関連付けられる通信ユニット(例えば、無線)を含む。車両10は、例えば頂面16に設置されているような積荷を運搬するために用いられる。頂面16は、本体12の一部であってもよい。頂面16は、取り付け穴、取り付けフープ、取り付けブラケット、ロープリング、ストラップリングなどのような取り付け造作部を含んでいてもよい。ハンドル18が存在してもよく、ハンドル18は、例えばピッチ回転の最中の車両10の操作を容易にするために、頂面16に関して非直角に延びる。角度は、変形において調整されてもよい。車両10は、米国特許出願公開第2005129493号公報(単一の軌道について)または米国特許第10,494,171号明細書に記載のものと同様であってもよく、両文献は参照によって本明細書に組み込まれるが、積荷を運搬するための無限軌道車両の例として与えられたに過ぎない。図1Aおよび1Bの無限軌道車両10は、二つの異なる無限軌道14を特徴とし、該無限軌道は、無限軌道車両10が回転および方向転換することを可能にするように、異なる方向に選択的に作動可能である。参照のために、図1Aおよび1Bには、ピッチ、ロールおよびヨー軸が示されている。無限軌道車両はまた、ロール軸に平行な方向に移動するために単一の軌道14を有していてもよく、かつ、ヨー軸の周りを回転するためにキャスターを有していてもよい。無限軌道車両10は、異なる実施形態により、一つのモーター102を有していてもよく、それより多いモーターを有していてもよい。単一の軌道の実施形態では、単一軌道の無限軌道車両10は単一のモーター102を有していてもよく、かつ、モーター102は一方向性であっても双方向性であってもよい。「一方向性」という表現はモーター102が単一の方向に回転することを意味する一方で、双方向性モーターはロール軸に平行な方向における前進または後退について二つの方向に回転する。単一軌道の無限軌道車両は、二つの一方向性モーター102を有していてもよい(一方は前進用であり、かつ、別のものは後退用である)。別の実施形態では、無限軌道車両10がヨー軸の周りを回転するために、二つの軌道14を有する無限軌道車両10について教示された様式で、二つの双方向性モーター102が存在する。ある実施形態では、無限軌道車両10は各軌道14の独立的な作動を有し、ヨー軸の周りの車両10の回転を引き起こすために軌道14間に速度差および/または回転方向が達成されてもよいようになっている。独立的な作動は、各軌道14がそれ自体のモーター102(軌道14毎に一つの双方向性モーター102、軌道14毎に一対の一方向性モーター102などのような)によって動力を与えられることによって達成されてもよい。独立的な作動を達成するために、クラッチまたは同様の伝動装置が代替的または補完的に用いられてもよい。無限軌道車両10は、無限軌道車両10が操作されるときに無限軌道車両10上に人間の運転手を有さないように設計されているので、無人であると言われる。本開示の傾斜制御システムはまた、有人無限軌道車両にも用いられ得る。
【0032】
図2を参照すると、無限軌道車両10の駆動システムが100に概して示されている。駆動システム100は無限軌道車両10に存在して、可能であればモーター102の作動を介して、それを前および/または後ろに推進させる。駆動システム100は、駆動モジュール101を備える処理ユニットを有する。駆動モジュール101は、非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリーの形態であってもよく、該非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリーは、駆動システム100のプロセッサーに通信的に連結され、かつ、無限軌道車両10のモーター102を駆動させるためにプロセッサーによって遂行可能であるコンピューターで読み取り可能なプログラム指令を有する。上記のように、無限軌道車両10は、異なる実施形態により、一つのモーター102を有していてもよく、それより多いモーターを有していてもよい。駆動システム100は、上記の図1Aおよび1Bの無限軌道車両について教示された様式で一つまたは二つのモーターを操作する。
【0033】
無人無限軌道車両は、例えば遠隔制御103によって操作される。遠隔制御103は、駆動システム100の一部であってもよく、かつ、駆動モジュール101に指令を与えるために専用の遠隔設備、または、任意の手持ち設備(例えば、スマートフォン、タブレット)、もしくは、コンピューター化された設備を含んでいてもよい。このことは、遠隔制御103を介して、駆動システム100にそうするように指示するオペレーターによって命じられたように自律モードで駆動させる可能性を含むであろう。遠隔制御103は、駆動システム100に有線で接続されていてもよく、無線通信で作動してもよい。別の実施形態では、駆動システム100は遠隔制御103を伴わなくてもよく、かつ/または、車両10を制御するために車両10上(例えば、ハンドル18Aまたは18B上)にインターフェースを有していてもよい。別の実施形態では、無限軌道車両10は、平らでない地形および/または斜面に沿って積荷を移動させることを課された自己駆動車両であってもよい。
【0034】
まだ図2を参照すると、傾斜制御システム200は駆動システム100に連結されている。ある実施形態では、駆動システム100および傾斜制御システム200はプロセッサーを共有する。まだ別の実施形態では、傾斜制御システム200は、既存の無限軌道車両10を傾斜制御で改良するのに役立つ付加装置である。傾斜制御システム200は、プロセッサーが駆動システム100の一部であり、かつ、傾斜制御システム200と共有されているか、傾斜制御システム200専用のものであるかに関わらず、プロセッサーに通信的に連結された非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリーを含んでいてもよい。同様に、非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリーは、傾斜制御システム200専用であってもよく、共有されるか、または、駆動システム100の一部であってもよい。傾斜制御システム200はさらに、プロセッサーによって遂行可能であるコンピューターで読み取り可能なメモリープログラム指令を、例えば傾斜制御モジュール201の形態で含んでいてもよい。傾斜制御システム200は、ピッチ、ロールおよびヨー軸のうちの一つ以上に関する車両10の挙動をモニタリングし、かつ、車両10の駆動を能動的に制御してその挙動を調整または訂正するために用いられてもよい。能動的制御は、リアルタイムまたは準リアルタイムで有効とされてもよい。傾斜制御システム200は、車両10のタイプ(例えば、軌道14の数、モーター102の数およびタイプ)に基づいて、与えられたタスクを実行するにあたりドライバーモジュール101に命令することによって、車両10の駆動を能動的に制御してもよい。ある実施形態では、傾斜制御システム200は、能動的制御モードで車両10の駆動を能動的に制御し、該能動的制御モードは、ユーザーの命令を上書きしてもよく(すなわち、上書きモード)、車両10の自律的自己駆動モードであってもよい。傾斜制御システム200は、オペレーターからの一般的な命令(例えば、前に移動する)を維持しながら自動的な矯正的調整または同様の自動制御手順を実行することによるような、オペレーターとの協働モードで車両10の駆動を能動的に制御してもよい。
【0035】
傾斜制御モジュール201は、異なるセンサーからの信号を用いて作動するであろう。ある実施形態では、傾斜制御システム200は、配向センサーとしても知られているであろう傾斜センサー202またはセンサー202のセットを有し、センサー202は、角度変動または角度変化率を検出する。傾斜センサー202は、ピッチ軸の周りの回転を少なくとも含む、無限軌道車両10の異なる角度について角度変動をモニタリングすることを課せられるが、傾斜センサー202は、代替的または補完的にはロール軸および/またはヨー軸についての角度変動をモニタリングしてもよい。図3Aおよび3Bを参照すると、ピッチ軸は、図3Aおよび3Bの紙面に垂直である軸Zについてのものであってもよい。無限軌道車両10の傾斜(ピッチとしても知られる)は、ピッチ軸についてのものである。ロール軸(無限軌道車両10が水平であるときには軸X)およびヨー軸(無限軌道車両10が水平であるときには軸Y)の周りの回転もまた、傾斜センサー202によってモニタリングされてもよいが、任意選択的である。ある実施形態では、傾斜センサー202は、一つ以上の慣性センサーを含む。なぜなら、それらのソースのない性質が傾斜制御システム200における使用によく適合するからである。例えば、傾斜センサー202は、加速度計、ジャイロスコープおよび/もしくは傾斜計のうちの一つ以上、もしくは、それらの組み合わせ、または、同様の微小電気機械システム(MEMS)を含んでいてもよい。センサー202のうちの一つ以上は、内臓時計または同様の時間計測造作部、リミットスイッチなどと併せて用いられてもよい。したがって、経時的な角度変動は、角度変化率、すすなわち、角速度および/または角加速度(減速を含む)を示し得る。傾斜制御システム200に冗長性を提供するために、一つ以上のタイプの多数のセンサー202を有することが考えられる。ある実施形態では、無限軌道車両10の前端または後端は無限軌道車両10の中央部より大きい加速に曝されるであろうから、センサー202は車両10の前端および/または後端付近に配置されてもよく、したがって、いっそう感度の高い位置にあってもよい。しかしながら、無限軌道車両10の中央のいっそう近くにかかるセンサー202を位置決めすることは可能である。ある実施形態では、センサー202は、ピッチ、ロールおよびヨーにおいて車両10をモニタリングし、かつ、これらの軸に沿う車両10の角度変動を示すデータを提供するために、一つ以上の三軸加速度計を含む。ある実施形態では、センサー202は、ピッチ、ロールおよびヨーにおいて車両10をモニタリングし、かつ、これらの軸に沿う車両10の角度変動を示すデータを提供するために、一つ以上の三軸ジャイロスコープを含む。傾斜制御モジュール201は、必要であれば、車両10の瞬間的な配向に関してセンサー202を較正するために、較正手順プログラムを含んでいてもよく、較正手順を実行してもよい(オペレーターによる車両10の操作を通してであるか、自己操作の移動のルーチンを通してであるかに関わらず)。
【0036】
傾斜制御システム200はまた、位置センサー203を含んでいてもよい。それらの例として、地面(例えば、階段、階段台、踊り場、床など)から無限軌道車両10の前端または後端からの距離を判定するであろう、超音波センサーおよび/または光学センサーが挙げられてもよい。例えば、超音波センサーは、車両10が常に支持面の近傍にあり、したがって超音波センサーによって発せられた音波を反響し得ることを考慮して、位置感知を実行するのによく適合する。超音波センサーは、エミッターおよびレシーバーならびに反響信号を解釈するための処理回路を含む総合的解決策であると見做される。処理の一部が、傾斜制御システム200のプロセスを通して行われてもよい。別のタイプの位置センサー203として、種々の箇所に(注目すべきは、無限軌道車両10の部品が未だに表面と接触しているか否か、または、図3Bにあるようにそれらが表面を突破したか否かを判定するために車輪軸上に)ロードセルが配置されてもよい。かかる機能を実行するために、その他のセンサーもまた、用いられてもよい。存在する場合、センサー202および203は傾斜制御モジュール201に通信的に連結され、傾斜制御モジュール201がセンサー202および/または203から信号を受信し、かつ、それらを解釈して無限軌道車両10、物体の近傍および/または支持面の挙動を判定するようになっている。
【0037】
今や傾斜制御システム200の種々のコンポーネントが説明されてきたため、図3Aおよび3Bを参照してその作動が示されるであろう。図3Aでは、無限軌道車両10は、階段Aを上って移動しているところが示されている。階段Aが示されているが、無限軌道車両10はまた、例えば傾斜路のような階段によって具現化されていない傾斜を上ることもあり得る。平面であって、無限軌道車両10がその上を移動している前記平面は、水平線から角度θをなすものとして特定され得る。平面は、階段Aの先端を含むものとして定められてもよく、かつ、本明細書では階段Aの平面と呼ばれるであろう。水平線は、踊り場B(すなわち、平坦な水平面)によって示されてもよい。こうは言っても、階段Aの平面と踊り場B(または傾斜B)との間には角度変動(すなわち、角度θ)が存在するが、Bは水平線に関して任意のその他の角度をなし得る。無限軌道車両10は、その上に積荷Cを運搬していてもよい。
【0038】
無限軌道車両10が階段Aの頂部に到達すると、それは実質的にピッチ軸の周りを回転して水平位置に到達し、かつ、踊り場B上に横たわりそうになる。傾斜制御システム200の目的は、積荷Cを有する無限軌道車両10の駆動を制御して、ピッチ軸についての無限軌道車両10の角速度を制限して、踊り場Bに衝突する無限軌道車両10の前端の強い衝撃を回避することである。これは、傾斜制御システム200がモーター102の駆動を制御する、傾斜制御モードまたはピッチ制御モードと呼ばれてもよい。ある実施形態では、駆動システム100が傾斜制御モードに入らなければならないことをそれに示すのは、駆動システム100のオペレーターであってもよい。別の実施形態では、傾斜制御モードへの切り替えは、例えば無限軌道車両10が図3Bの位置に到達したことに例えば位置センサー203を介して気付いた後に、傾斜制御システム200によって自動的に作動してもよい。例えば、無限軌道車両10の前端における超音波センサー203は、無限軌道車両10の前端が平面(または表面)AとBとの間の移行点を越えたと傾斜制御モジュール201が判定するのに適した信号を提供してもよい。傾斜制御システム200はまた、例えば所定の閾値を超えた角速度または角加速度に注目することによって、傾斜センサー202からの信号を得ることから、無限軌道車両10が図3Bの位置に到達したと判定してもよい。これらの状況では、傾斜制御システム200は、無限軌道車両10が転換点(変曲点として知られる)に到達し、かつ、傾斜制御モードが作動しなければならないと判定する。
【0039】
傾斜制御モードでは、傾斜センサー202は、傾斜制御モジュール201に信号を提供し、該信号は、傾斜制御モジュール201がピッチ軸についての車両の角速度および/または角加速度を計算するためのものである。傾斜制御モジュール201は、超えられてはならない速度または加速度の閾値を有してプログラミングされていてもよい。代替的または追加的な可能性として、位置センサー203は傾斜制御モジュール201に信号を提供し、該信号は、傾斜制御モジュール201が表面Bからの、または、AとBとの間の移行点からの車両10の距離を判定するためのものである。傾斜制御モジュール201は、超えられてはならない距離の閾値を有してプログラミングされていてもよい。傾斜制御モジュール201は、ピッチ軸についての角速度/加速度をモニタリングしながら、適切な方式でモーター102を制御するために駆動モジュール101と通信していてもよい。無限軌道車両10が単一の一方向性モーター102を有する場合、傾斜制御モジュール201は、駆動モジュール101を操作して無限軌道車両10の前進速度を落とさせてもよい。無限軌道車両10が双方向性モーター102を備え、かつ/または、前後に移動する能力を有するときには、傾斜制御モジュール201は、例えば閾値に到達したときには、駆動モジュール101が前進速度を落とし、かつ、モーター102を介して無限軌道車両10の後方移動を引き起こすように、駆動モジュール101と通信してもよい。したがって、この移動の微調整ならびに遅い速度および/または反転は、転換点(それによって、無限軌道車両10がピッチ軸の周りを回転するであろう)へのいっそう遅い接近を可能にするであろう。したがって、このことは、ピッチ軸の周りの回転の角速度の制御(とりわけ、ピッチ回転を低い回転の角速度に制限する)および/または加速度の制御を可能にする。したがって、無限軌道車両10は、いっそう高速で階段Aに沿って移動し、その後で図3Bに示された位置にて、または、図3Bに示された位置付近でいっそう低速に到達し、かつ/または、後退/前進移動を繰り返す。いっそうの低速は、位置センサー203の信号からの位置の検出の際であってもよく、傾斜センサー202の信号からの角度変動率(例えば、加速度の任意の成分)の検出によるものであってもよい。
【0040】
無限軌道車両10が踊り場B上にあり、かつ、階段Aの段へと向かおうとしているときには、同様のアプローチが採用されてもよい。再び、傾斜制御モジュール201は、傾斜制御モードを作動させて、転換点を通る移行の際に無限軌道車両10の移動を制御し、かつ、角速度の減速または制御を引き起こして、積荷Cを有する無限軌道車両10が階段Aと接触するように回転するにつれてその強い衝撃を回避させる。
【0041】
階段のシナリオでは、傾斜制御システム200はまた、ヨー軸についての角度変動をモニタリングすることによって、階段を昇降する直線移動からの無限軌道車両10の任意の偏向を検出するように、積荷Cを有する車両10の駆動を制御してもよい。ヨー軸についての無限軌道車両10の角度変動は、無限軌道車両10がその直線径路を逸脱したことを示してもよい。例えば、二つの軌道14を有するタイプの無限軌道車両10は、例えば二つの軌道14のうちの一方が軌道10と階段の突出部との間の限定された接触に起因して静止摩擦を失えば、ヨー変動を経験するであろう。無限軌道車両10が一方向性モーター102を有する場合、傾斜制御モジュール201は、駆動モジュール101を操作して軌道14のうちの一方の他方に関する前進速度を落とさせ、または、止めさせて、車両10を所望のヨー配向に戻してもよい。無限軌道車両10が各軌道14について双方向性モーター102を備え、かつ/または、前後に移動する能力を有しているときには、傾斜制御モジュール201は駆動モジュール101と通信してもよく、該通信は、駆動モジュール101が前進速度を落とし、かつ、任意選択的には二つの軌道14のうちの一方の後方移動を引き起こしてヨー軸の周りの回転を引き起こし、かつ、無限軌道車両10を元の移動経路に戻すためのものである。一旦成し遂げられれば、例えば制御ループにおける傾斜制御モジュール201は、駆動モジュール101が軌道14の等しい駆動を再開するように駆動モジュール101を制御してもよい。
【0042】
平らでない地形のシナリオまたは坂になっている地形のシナリオでは、ロール軸についての車両10の配向の変動が可能性であってもよい。傾斜制御システム200はまた、ロール軸についての角度変動をモニタリングすることによって、直線移動で、または、弓状の経路に沿って前方に移動している無限軌道車両10の転倒のあらゆるリスクを検出するように、積荷Cを有する車両10の駆動を制御してもよい。積荷Cがアセンブリーの重心を上げたことを考慮すれば、ロール軸についての無限軌道車両10の角度変動は、無限軌道車両10の転倒のリスクを増大させるであろう。ロール軸についての無限軌道車両10の配向が所定の閾値より上であれば、傾斜制御モジュール201は、駆動モジュール101を操作して車両10を減速させ、かつ、軌道14の前進速度(すなわち、ロール軸に平行な方向における)を下げさせてもよい。代替的には、傾斜制御モジュール201は、車両10の速度を制限してもよい。傾斜制御モジュール201は、車両10のロールを継続的にモニタリングしてもよく、かつ、結果的に、転倒リスクが低減したときには速度制限なしで駆動モジュール101が車両10の操作を再開するように駆動モジュール101を制御してもよい。
【0043】
システム100および/または200は、無限軌道車両のピッチを制御するためのシステムを定めてもよく、該システムは、一つ以上のプロセッサーと非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリーを含み、該非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリーは、駆動システムのプロセッサーに通信的に連結され、かつ、プロセッサーによって遂行可能であるコンピューターで読み取り可能なプログラム指令を有し、該プロセッサーによって遂行可能であるコンピューターで読み取り可能なプログラム指令は:無限軌道車両を所定の方向に駆動させ;所定の方向に沿って移動している間の無限軌道車両のピッチ角度をモニタリングし;ピッチ角度が変動していると判定した際には、無限軌道車両の駆動を制御してピッチ角度変動率を制御するためのものである。システムは、所定の方向における車両の速度を落としてもよく;車両を後方に駆動させてもよい。
【0044】
図4を参照すると、無限軌道車両10のような無限軌道車両のピッチを制御するための例示的な方法が、400に概して示されている。方法400は、無限軌道車両10によって、または、傾斜制御システム200によって部分的に、または、共同して具現化された、例えば非一時的であるコンピューターで読み取り可能なメモリー(駆動システムのプロセッサーに通信的に連結され、かつ、コンピューターで読み取り可能なプログラム指令を有する)の形態のプロセッサーによって実行される。方法400は、無限軌道車両を所定の方向に駆動させるステップ401;所定の方向に沿って移動している間の無限軌道車両のピッチ角度をモニタリングするステップ402;ピッチ角度が変動していると判定した際に、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両のピッチ角度の変動率を制御するステップ403を含んでいてもよい。ステップ401および402は、同時に起こってもよい。ステップ402および403は、同時に起こってもよく、重複してもよい。ステップ401および/または402は、ステップ403の後に再開してもよい。いくつかの例では、その他のステップまたはサブステップとして以下の項目が挙げられてもよく、該項目は:無限軌道車両の駆動の制御が、所定の方向における無限軌道車両の速度を落とすことを含むこと;無限軌道車両の駆動の制御が、所定の方向とは反対方向に無限軌道車両を駆動させることを含むこと;無限軌道車両を所定の方向に駆動させることが、無限軌道車両を階段または階段の踊り場に沿って駆動させることを含むこと;階段と踊り場との間の移行に関する無限軌道車両の位置をモニタリングすること;移行からの距離が到達したときに無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両を減速させること;無限軌道車両の位置をモニタリングすることが、超音波感知によって実行されること;階段に沿い所定の方向に沿って移動している間の無限軌道車両のヨーをモニタリングすること;ヨーが変動していると判定した際に、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両のヨーを調整すること;無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両のヨーを調整することが、無限軌道車両の二つの軌道の間の速度差を誘導することを含むこと;無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両のヨーを調整することが、無限軌道車両の二つの軌道の間の回転方向の相違を誘導することを含むこと;所定方向に沿って移動している間の無限軌道車両のロールをモニタリングすること;無限軌道車両のロールが閾値にあると判定した際に、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両を減速させること;ここで、無限軌道車両のロールが閾値にあると判定した際に、無限軌道車両の駆動を制御して無限軌道車両の最高速度を制限すること;または、かかるステップの任意の適切な組み合わせである。いくつかの場合には、駆動、モニタリングおよび駆動の制御は、無限軌道車両の自律的な自己駆動モードで実行され;駆動、モニタリングおよび駆動の制御は、オペレーターの命令を上書きするために無限軌道車両の上書きモードで実行され;駆動、モニタリングおよび駆動の制御は、自動的に実行される。
【0045】
上記の説明は例示的であることのみを意味し、かつ、当業者であれば、開示された発明の範囲から逸脱することなく、説明された実施形態に変更がなされてもよいことを理解するであろう。本開示の検討を考慮すれば、当業者には本発明の範囲内に属するまだ他の修正が明らかであろうし、かつ、かかる修正は添付の請求の範囲内に属することが意図される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
【国際調査報告】