(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】セクショナルドアオペレータシステム
(51)【国際特許分類】
E06B 9/02 20060101AFI20230317BHJP
E05F 15/668 20150101ALI20230317BHJP
【FI】
E06B9/02 Z
E06B9/02 A
E05F15/668
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548124
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2021052607
(87)【国際公開番号】W WO2021156338
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516216070
【氏名又は名称】アッサ・アブロイ・エントランス・システムズ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】エリアソン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】アブラハムソン マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】キェスラー ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン アントン
(72)【発明者】
【氏名】メリン デニス
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052CA06
2E052GB15
(57)【要約】
本明細書では、開口2を開閉するためのセクショナルドアオペレータシステム1が提供される。セクショナルドアオペレータシステム1は、開位置(O)と閉位置(C)との間で移動するように配置され、複数の水平相互接続セクション9a~eを含むドア8を含む。セクショナルドアオペレータシステム1は、複数の水平相互接続セクション9a~eのうちのセクション9eに取り付けられた少なくとも1つのセンサデバイス40a、40bと、駆動ユニットシステム100と動作可能に通信し、少なくとも1つのセンサデバイス40a、40bからのセンサデータ42に少なくとも基づいて、駆動ユニットシステム100の動作を制御するように構成される少なくとも1つの制御ユニット20a、20bと、を含み、センサデータ42は、セクショナルドアオペレータシステム1の真の水平面に対するドア8の角度(φ)に関する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口(2)を開閉するためのセクショナルドアオペレータシステム(1)であって、
開位置(O)と閉位置(C)との間で移動するように配置され、複数の水平相互接続セクション(9a~e)を含むドア(8)と、
前記開口(2)の第1の側(7)に第1のフレームセクション(4)、及び前記開口(2)の第2の側(5)に第2のフレームセクション(6)を含むドアフレーム(3)であって、前記複数の水平相互接続セクション(9a~e)が前記ドアフレーム(3)に接続される、ドアフレーム(3)と、
前記複数の水平相互接続セクション(9a~e)のうちのセクション(9e)に取り付けられる駆動ユニットシステム(100)であって、前記駆動ユニットシステム(100)は、セクショナルドア(8)を前記閉位置(C)から前記開位置(O)へ移動させるように配置され、前記駆動ユニットシステム(100)は、第1のモータ(11a)を含む少なくとも第1の駆動ユニット(10a)、及び第2のモータ(11b)を含む少なくとも第2の駆動ユニット(10b)を含み、前記第1の駆動ユニット(10a)及び前記第2の駆動ユニット(10b)は、前記水平相互接続セクション(9e)の異なる垂直側に取り付けられる、駆動ユニットシステム(100)と、
前記複数の水平相互接続セクション(9a~e)のうちのセクション(9e)に取り付けられる少なくとも1つのセンサデバイス(40a、40b)と、
前記駆動ユニットシステム(100)と動作可能に通信し、前記少なくとも1つのセンサデバイス(40a、40b)からのセンサデータ(42)に少なくとも基づいて、前記駆動ユニットシステム(100)の動作を制御するように構成される少なくとも1つの制御ユニット(20a、20b)と、を含み、
前記センサデータ(42)は、前記セクショナルドアオペレータシステム(1)の真の水平面に対する前記ドア(8)の角度(φ)に関する、セクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項2】
前記セクショナルドアオペレータシステム(1)は、少なくとも第1のセンサデバイス(40a)及び第2のセンサデバイス(40b)を更に含み、前記セクショナルドアオペレータシステム(1)は、第1の制御ユニット(20a)及び第2の制御ユニット(20b)を更に含み、前記第1のセンサデバイス(40a)は、前記ドア(8)のセンサデータ(42)を前記第1の制御ユニット(20a)に提供するように構成され、前記第2のセンサデバイス(40b)は、前記ドア(8)のセンサデータ(42)を前記第2の制御ユニット(20b)に提供するように構成される、請求項1に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項3】
前記第1の制御ユニット(20a)は、前記駆動ユニットシステム(100)の前記第1の駆動ユニット(10a)と動作可能に通信し、前記第2の制御ユニット(20b)は、前記駆動ユニットシステム(100)の前記第2の駆動ユニット(10b)と動作可能に通信する、請求項2に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサデバイス(40)は、少なくとも1つの加速度計を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセンサデバイス(40)は、前記複数の水平相互接続セクション(9a~e)のうちの1つに配置される、請求項1~4のいずれか1項に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサデバイス(40)は、前記複数の水平相互接続セクション(9a~e)のうちの底部セクション(9e)に配置される、請求項5に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの制御ユニット(20)は、
前記受信したセンサデータ(42)を評価し、前記センサデータ評価に基づいて、前記少なくとも第1の駆動ユニット(10a)及び/又は前記少なくとも第2の駆動ユニット(10b)の動作を制御することにより、
前記駆動ユニットシステム(100)の動作を制御するように構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項8】
前記少なくとも第1の駆動ユニット(10a)及び/又は前記少なくとも第2の駆動ユニット(10b)の動作を制御するステップは、前記第1のモータ(11a)及び/又は前記第2のモータ(11b)の速度を変更することを含む、請求項7に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項9】
前記受信したセンサデータ(42)を評価するステップは、前記ドア(8)の前記センサデータ(42)と最大センサ閾値との間に偏差があるかどうかを決定することを含む、請求項7又は8に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項10】
偏差がある場合に、前記第1のモータ(11a)又は前記第2のモータ(11b)の速度を変更し、それ以外の場合に、前記第1のモータ(11a)及び前記第2のモータ(11b)の速度を維持する、請求項9に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項11】
前記第1及び第2のモータ(11a、11b)の動作データ(32)を前記少なくとも1つの制御ユニット(20)に提供するように構成される少なくとも1つの第1及び第2の感知要素(30a、30b)を更に含み、前記動作データ(32)は、前記第1及び/又は第2のモータ(11a、11b)の位置に関する情報を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項12】
前記第1及び第2の感知要素(30a、30b)は、位置センサ及び/又はエンコーダである、請求項11に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項13】
前記第1の感知要素(30a)は、前記第1の駆動ユニット(10a)と連結して配置され、前記第1の駆動ユニット(10a)の動作データ(32)を前記少なくとも1つの制御ユニット(20a、20b)に提供するように構成され、前記第2の感知要素(30b)は、前記第2の駆動ユニット(10b)と連結して配置され、前記第2の駆動ユニット(10b)の動作データ(32)を前記少なくとも1つの制御ユニット(20a、20b)に提供するように構成される、請求項11又は12に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの制御ユニット(20a、20b)は、
前記第1の駆動ユニット(10a)又は前記第2の駆動ユニット(10b)に関する動作データ(32)を受信し、
前記受信した動作データ(32)を評価し、
前記動作データ評価を前記センサデータ評価と組み合わせ、前記組み合わせた評価に基づいて、前記第1の駆動ユニット(10a)及び/又は前記第2の駆動ユニット(10b)の動作を制御することにより、
前記駆動ユニットシステム(100)の動作を制御するように更に構成される、請求項7に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項15】
前記第1のモータ(11a)と前記第2のモータ(11b)との間に位置の偏差があると決定された場合、前記少なくとも1つの制御ユニット(20a、20b)は、前記モータ(11a、11b)のどれが目標位置から最も遠いかを決定し、前記第2のモータ(11b)が前記第1のモータ(11a)よりも前記目標位置から更に遠いと決定された場合、前記第1のモータ(11a)の速度を低下させ、また、前記第1のモータ(11b)が前記第2のモータ(11a)よりも前記目標位置から更に遠いと決定された場合、前記第2のモータ(11a)の速度を低下させるように更に構成される、請求項9又は10に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの制御ユニット(20a、20b)は、それぞれの前記モータ(11a、11b)の位置が目標位置に等しいかどうかを決定するように更に構成され、等しければ、前記第1及び第2のモータ(11a、11b)の両方の動作を停止するように構成される、請求項1~15のいずれか1項に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項17】
前記駆動ユニットシステム(100)は、前記複数のセクション(9a~e)のうちの、前記第1及び第2の駆動ユニット(10a、10b)があるセクションとは別のセクション(9c)に取り付けられた第3及び第4の駆動ユニット(10c、10d)を更に含み、前記第3及び第4の駆動ユニット(10c、10d)は、前記ドア(8)を前記閉位置(C)から前記開位置(O)へ移動させるときに前記第1及び第2の駆動ユニット(10a、10b)を補助するように配置され、前記第3及び第4の駆動ユニット(10c、10d)は、前記少なくとも1つの制御ユニット(20a、20b)に接続され、前記セクショナルドアオペレータシステム(1)は、前記第3及び第4の駆動ユニット(10c、10d)と同じセクション(9c)に配置された少なくとも第3のセンサデバイス(40c)を更に含み、前記少なくとも1つの制御ユニット(20a、20b)は、前記少なくとも第3のセンサデバイス(40c)からセンサデータ(42)を受信するように更に構成される、請求項1~16のいずれか1項に記載のセクショナルドアオペレータシステム(1)。
【請求項18】
第1のモータ(11a)を含む少なくとも第1の駆動ユニット(10a)と、第2のモータ(11b)を含む少なくとも第2の駆動ユニット(10b)とを含む駆動ユニットシステム(100)と動作可能に通信する、及び少なくとも1つのセンサデバイス(40a、40b)からのセンサデータ(42)に少なくとも基づいて、前記駆動ユニットシステム(100)の動作を制御するように構成される、セクショナルドアオペレータシステム(1)における制御ユニット(20a、20b)であって、前記センサデータは、前記セクショナルドアオペレータシステム(1)の真の水平面に対するドア(8)の角度(φ)に関する、制御ユニット(20a、20b)。
【請求項19】
セクショナルドアオペレータシステム(1)における駆動ユニットシステム(100)の少なくとも第1の駆動ユニット(10a)及び少なくとも第2の駆動ユニット(10b)の動作を制御する方法であって、前記方法は、少なくとも1つのセンサデバイス(40a、40b)及び、前記駆動ユニットシステム(100)と動作可能に通信し、前記少なくとも1つのセンサデバイス(40a、40b)からのセンサデータ(42)に少なくとも基づいて、前記駆動ユニットシステム(100)の動作を制御するように構成される少なくとも1つの制御ユニット(20a、20b)を提供することを含み、前記センサデータ(42)は、前記セクショナルドアオペレータシステム(1)の真の水平面に対するドア(8)の角度(φ)に関する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口を開閉するためのセクショナルドアオペレータシステムに関する。より具体的には、本発明は、セクショナルドアオペレータシステムの動作を制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
セクショナルドアオペレータシステムは、ドアの自動開閉を提供して、建物、部屋及び他のエリアへの出入りを容易にするために頻繁に使用される。ドアオペレータシステムは、通常、セクショナルドアを閉位置と開位置との間で駆動するための複数の駆動ユニットを含む。
【0003】
セクショナルドアオペレータシステムは、通常、プライベートエリアとパブリックエリアの両方で、1日の時間、1週の時間、1年の時間、通過頻度などの様々な条件下で長期間使用される。したがって、システムは、ドアを通過する人又は物体による通行量が多い場合でも、誤動作することなく長期間動作し続ける必要がある。
【0004】
動作中に、ロール、軌道、モータなどのドアオペレータシステムの機械的部品は、例えば、摩耗、損傷又は気象条件から悪い影響を受ける。それにより、セクショナルドアの位置ずれ、歪み、操作不可能を引き起こす誤動作が発生する可能性がある。従来、これは、摩耗した機械的部品を交換し、更なる動作のためにセクショナルドアを手動で位置合わせすることにより解決された。本発明者らは、この点に関して問題及び欠点を特定した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、これらの問題の1つ以上を解消するか又は少なくとも緩和することである。
【0006】
本開示の目的は、当技術分野における以上の特定された欠陥及び不利点の1つ以上を単独で又は任意の組み合わせで緩和、軽減又は排除しようとするドアオペレータシステムを提供することである。
【0007】
この開示において、以上の概説された問題に対する解決策が提案される。提案された解決策において、開口を開閉するためのセクショナルドアオペレータシステムが説明される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、開口を開閉するためのセクショナルドアオペレータシステムを提供する。セクショナルドアオペレータシステムは、開位置と閉位置との間で移動するように配置され、複数の水平相互接続セクションを含むドアと、開口の第1の側に第1のフレームセクション、及び開口の第2の側に第2のフレームセクションを含むドアフレームとを含み、複数の水平相互接続セクションがドアフレームに接続される。セクショナルドアオペレータシステムは、複数の水平相互接続セクションのうちの1つのセクションに取り付けられる駆動ユニットシステムであって、駆動ユニットシステムは、セクショナルドアを閉位置から開位置へ移動させるように配置され、駆動ユニットシステムは、第1のモータを含む少なくとも第1の駆動ユニット、及び第2のモータを含む少なくとも第2の駆動ユニットを含み、第1の駆動ユニット及び第2の駆動ユニットは、水平相互接続セクションの異なる垂直側に取り付けられる、駆動ユニットシステムと、複数の水平相互接続セクションのうちの1つのセクションに取り付けられる少なくとも1つのセンサデバイスと、駆動ユニットシステムと動作可能に通信し、少なくとも1つのセンサデバイスからのセンサデータに少なくとも基づいて、駆動ユニットシステムの動作を制御するように構成される少なくとも1つの制御ユニットと、を更に含み、センサデータは、セクショナルドアオペレータシステムの真の水平面に対するドアの角度に関する。
【0009】
本発明の利点は、ドアオペレータシステムのドアパネルの開閉プロセスを改善して、開閉動作の異常を減少させるか又は排除することである。提供されるセクショナルドアオペレータシステムは、設置スタッフからの手動作業を必要とせずに、位置合わせと水平レベリングに関して適切な設置を保証してよい。加えて、本発明の技術的提供は、機械的部品の振動検出を含む。本発明の第1の態様は、セクショナルドアオペレータシステムにおける様々な部品の機械的問題を防止、軽減又は排除することができる。更に、ドア又は個々のドアのセクションが位置ずれして歪む可能性が低くなり、システムの品質が向上するため、システムの総寿命が延びる。
【0010】
本発明の実施形態によれば、セクショナルドアオペレータシステムは、少なくとも第1のセンサデバイス及び第2のセンサデバイスを更に含み、セクショナルドアオペレータシステムは、第1の制御ユニット及び第2の制御ユニットを更に含み、第1のセンサデバイスは、ドアのセンサデータを第1の制御ユニットに提供するように構成され、第2のセンサデバイスは、ドアのセンサデータを第2の制御ユニットに提供するように構成される。第1の制御ユニットは、駆動ユニットシステムの第1の駆動ユニットと動作可能に通信してもよく、第2の制御ユニットは、駆動ユニットシステムの第2の駆動ユニットと動作可能に通信してもよい。
【0011】
一実施形態によれば、少なくとも1つのセンサデバイスは、少なくとも1つの加速度計を含んでもよい。少なくとも1つのセンサデバイスは、複数の水平相互接続セクションのうちの1つ、又は複数の水平相互接続セクションの底部セクションに配置されてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの制御ユニットは、上記受信したセンサデータを評価し、上記センサデータ評価に基づいて、少なくとも第1の駆動ユニット及び/又は少なくとも第2の駆動ユニットの動作を制御することにより、駆動ユニットシステムの動作を制御するように構成される。少なくとも第1の駆動ユニット及び/又は少なくとも第2の駆動ユニットの動作を制御するステップは、第1のモータ及び/又は第2のモータの速度を変更することを含んでもよい。
【0013】
一実施形態によれば、上記受信したセンサデータを評価するステップは、ドアのセンサデータと最大センサ閾値との間に偏差があるかどうかを決定することを含む。偏差がある場合に、第1のモータ又は第2のモータの速度を変更し、それ以外の場合に、第1のモータ及び第2のモータの速度を維持する。
【0014】
一実施形態によれば、セクショナルドアオペレータシステムは、第1及び第2のモータの動作データを少なくとも1つの制御ユニットに提供するように構成される少なくとも1つの第1及び第2の感知要素を更に含み、動作データは、第1及び/又は第2のモータの位置に関する情報を含む。第1及び第2の感知要素は、位置センサ及び/又はエンコーダであってもよく、第1の感知要素は、第1の駆動ユニットと連結して(in conjunction with)配置され、第1の駆動ユニットの動作データを少なくとも1つの制御ユニットに提供するように構成されてもよく、第2の感知要素は、第2の駆動ユニットと連結して(in conjunction with)配置され、第2の駆動ユニットの動作データを少なくとも1つの制御ユニットに提供するように構成されてもよい。
【0015】
一実施形態によれば、少なくとも1つの制御ユニットは、第1の駆動ユニット又は第2の駆動ユニットに関する動作データを受信し、上記受信したデータを評価し、上記動作データ評価を上記センサデータ評価と組み合わせ、上記組み合わせた評価に基づいて、第1の駆動ユニット及び/又は第2の駆動ユニットの動作を制御することにより、駆動ユニットシステムの動作を制御するように更に構成される。
【0016】
一実施形態によれば、第1のモータと第2のモータの間に位置の偏差があると決定された場合、少なくとも1つの制御ユニットは、モータのどれが目標位置から最も遠いかを決定し、第2のモータが第1のモータよりも目標位置から更に遠いと決定された場合、第1のモータの速度を低下させ、また、第1のモータが第2のモータよりも目標位置から更に遠いと決定された場合、第2のモータの速度を低下させるように更に構成される。
【0017】
一実施形態によれば、少なくとも1つの制御ユニットは、それぞれのモータの位置が目標位置に等しいかどうかを決定し、そうであれば、第1及び第2のモータの両方の動作を停止するように更に構成される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、駆動ユニットシステムは、複数のセクションのうちの、第1及び第2の駆動ユニットがあるセクションとは別のセクションに取り付けられた第3及び第4の駆動ユニットを更に含み、第3及び第4の駆動ユニットは、ドアを閉位置から開位置へ移動させるときに第1及び第2の駆動ユニットを補助するように配置され、第3及び第4の駆動ユニットは、少なくとも1つの制御ユニットに接続され、セクショナルドアオペレータシステムは、第3及び第4の駆動ユニットと同じセクションに配置された少なくとも第3のセンサデバイスを更に含み、少なくとも1つの制御ユニットは、少なくとも第3のセンサデバイスからセンサデータを受信するように更に構成される。
【0019】
本発明の第2の態様は、第1のモータを含む少なくとも第1の駆動ユニットと、第2のモータを含む少なくとも第2の駆動ユニットとを含む駆動ユニットシステムと動作可能に通信する、セクショナルドアオペレータシステムにおける制御ユニットを提供する。制御ユニットは、少なくとも1つのセンサデバイスからのセンサデータに少なくとも基づいて、駆動ユニットシステムの動作を制御するように構成され、センサデータは、セクショナルドアオペレータシステムの真の水平面に対するドアの角度に関する。
【0020】
本発明の第3の態様は、セクショナルドアオペレータシステムにおける駆動ユニットシステムの少なくとも第1の駆動ユニット及び少なくとも第2の駆動ユニットの動作を制御する方法を提供する。この方法は、少なくとも1つのセンサデバイスと、駆動ユニットシステムと動作可能に通信し、少なくとも1つのセンサデバイスからのセンサデータに少なくとも基づいて、駆動ユニットシステムの動作を制御するように構成される少なくとも1つの制御ユニットとを提供することを含み、センサデータは、セクショナルドアオペレータシステムの真の水平面に対するドアの角度に関する。
【0021】
本明細書で使用される「含む(comprises)/含む(comprising)」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ又は部品の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、部品又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことが強調されるべきである。特許請求の範囲で使用される全ての用語は、本明細書で明示的に規定されない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「a/an/the」が付された「要素、デバイス、部品、手段、ステップなど」への言及の全ては、別に明示的に述べられない限り、要素、デバイス、部品、手段、ステップ等の少なくとも1つの事例を指すものとして広く解釈されるべきである。本明細書に開示された任意の方法のステップは、明示的に述べられない限り、開示された正確な順序で実行される必要がない。
【0022】
本文書で何かを行う「ために設計される」エンティティへの言及は、これを行う「ために構成される」又は「ために意図的に適合される」エンティティと同じであることを意味することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
前述のことは、添付図面に示されるように、例示的な実施形態の以下のより具体的な説明から明らかであり、添付図面において、異なる図面全体にわたって同じ部分には同じ参照文字が付される。各図面は、必ずしもスケールに比例せず、代わりに、例示的な実施形態を説明することに重点が置かれる。
【0024】
【
図1】
図1は、閉位置にあるセクショナルドアを含むドアオペレータシステムの概略斜視図である。
【
図2】
図2は、閉位置にあるセクショナルドアを含むドアオペレータシステムの概略斜視図である。
【
図3a】
図3aは、閉位置にあるセクショナルドアを含む異なるドアオペレータシステムの概略斜視図である。
【
図3b】
図3bは、閉位置にあるセクショナルドアを含む異なるドアオペレータシステムの概略斜視図である。
【
図3c】
図3cは、閉位置にあるセクショナルドアを含む異なるドアオペレータシステムの概略斜視図である。
【
図3d】
図3dは、閉位置にあるセクショナルドアを含む異なるドアオペレータシステムの概略斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明によるドアオペレータシステムの部分を表す概略ブロック図である。
【
図5】
図5は、本発明によるドアオペレータシステムの部分を表す概略ブロック図である。
【
図6a】
図6aは、ドアオペレータシステムにおける部品セット(component set)の異なる実施形態の概略斜視図である。
【
図6b】
図6bは、ドアオペレータシステムにおける部品セットの異なる実施形態の概略斜視図である。
【
図6c】
図6cは、ドアオペレータシステムにおける部品セットの異なる実施形態の概略斜視図である。
【
図6d】
図6dは、ドアオペレータシステムにおける部品セットの異なる実施形態の概略斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明による駆動ユニットシステムを制御する方法を表す概略フローチャート図である。
【
図8】
図8は、本発明による駆動ユニットシステムを制御する方法を表す概略フローチャート図である。
【
図9】
図9は、本発明による駆動ユニットシステムを制御する方法を表す概略フローチャート図である。
【
図10】
図10は、本発明による駆動ユニットシステムを制御する方法を表す概略フローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。添付図面に示される特定の実施形態の詳細な説明に使用される用語は、本発明を限定することを意図するものではない。図面では、同一の要素には同一の符号が付される。
【0026】
図1~
図3は、セクショナルドアオペレータシステム1の異なる実施形態を示す。しかしながら、当業者により理解されるべきであるように、本発明の発明態様は、シングルブレードドアオペレータシステムであるドアオペレータシステムにも適用可能である。
【0027】
図1~
図3は、本発明の発明態様が適用されてもよいドアオペレータシステム1の異なる実施形態の概略図である。ドアオペレータシステム1は、ドアフレーム3、ドア8及び駆動ユニットシステム100を含む。
図1~2に示される本発明の好ましい実施形態において、駆動ユニットシステム100は、第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bを含む。
図3aに示される代替実施形態において、駆動ユニットシステム100は、第3の駆動ユニット10c及び第4の駆動ユニット10dを含む。第3の駆動ユニット10cは、第3のモータ11cを含み、第4の駆動ユニットは、第4のモータ11dを含む。更に、
図3aに見られるように、第3の駆動ユニット10cは、第3の感知要素30cを更に含み、第4の駆動ユニット10dは、第4の感知要素30dを更に含む。
図3bに示される更なる代替実施形態において、駆動ユニットシステム100は、任意の数の駆動ユニット10a~fを含んでもよく、駆動ユニット10a~fは、それぞれモータ11a~f及び感知要素30a~fを含む。全ての実施形態において、駆動ユニット10a~fは、好ましくは、互いに独立して動作する別個のユニットである。
【0028】
ドアオペレータシステム1は、壁50及び床23により画定される開口2に設置されるように配置される。
図1に開示されるように、ドアオペレータシステム1は、ドア8を開位置Oと閉位置Cとの間で移動させることにより、開口2を開閉するように配置される。
【0029】
この実施形態において、ドア8は、ドアフレーム3に接続された複数の水平相互接続セクション9a~eを含むセクショナルドア8である。一実施形態において、ドアは、ガレージドアである。代替実施形態において、ドアは、工業用ドアである。ドア8は、ドアフレーム3に沿って、閉位置Cと開位置Oとの間で移動するように配置される。
【0030】
一実施形態において、ドアオペレータシステム1は、アップアンドオーバードアオペレータシステムである。アップアンドオーバードアオペレータシステムは、ドアが閉位置Cで実質的に垂直に配置され、開位置Oで実質的に水平に、開口の内側に配置されるシステムである。
【0031】
代替実施形態において、ドアオペレータシステム1は、アップアンドアップドアオペレータシステムである。アップアンドアップドアオペレータシステムは、ドアが閉位置Cで実質的に垂直に配置され、開位置Oに開口の上に実質的に垂直に配置されるシステムである。
【0032】
ドアフレーム3は、開口2の第1の側7に第1のフレームセクション4、開口2の第2の側5に第2のフレームセクション6を含む。ドアフレーム3は、壁50及び床23に接続される。第1のフレームセクション4は、実質的に垂直な部分4a及び実質的に水平な部分4bを含む。第2のフレームセクション6は、実質的に垂直な部分6a及び実質的に水平な部分6bを含む。垂直な部分4a、6aと水平な部分4b、6bは、接続されて、ドア8が滑走するための経路と駆動ユニット10a~bが相互作用するための軌道を作成する。
【0033】
ドア8は、ドアフレーム3に直接的又は間接的に接続される。ドア8は、第1の側で第1のフレームセクション4に移動可能に接続され、第2の側で第2のフレームセクション6に移動可能に接続される。一実施形態において、複数のセクション9a~eのうちの1つ以上は、上記第1の側7で第1のフレームセクション4に接続され、上記第2の側5で第2のフレームセクション6に接続される。
【0034】
第1の駆動ユニット10aは、第1のモータ11aを含み、第2の駆動ユニット10bは、第2のモータ11bを含む。駆動ユニット10a~bは、少なくとも1つのバッテリを更に含んでもよい。少なくとも1つのバッテリは、駆動ユニット10a~bのそれぞれのモータ11a~bに電力を供給するように配置される。一実施形態において、少なくとも2つのモータ11a~bは、1つのバッテリに接続される。代替実施形態において、1つ以上のバッテリは、各モータ11a~bに接続される。更に、一実施形態において、第1のモータ11aは、第1のバッテリに接続され、第2のモータ11bは、第2のバッテリに接続される。
【0035】
駆動ユニット10a~bは、ドア8に接続され、及び/又は取り付けられる。一実施形態において、
図2に関して更に説明されるように、駆動ユニット10a~bは、ドア8のセクション9e、即ち、上記複数の水平相互接続セクションのうちの1つに取り付けられる。第1のモータ11a及び第2のモータ11bは、同じセクション9eに配置される。好ましくは、第1のモータ11a及び第2のモータ11bは、セクション9eの異なる垂直側面に配置される。したがって、各モータ11a~bは、それぞれ第1のフレームセクション4及び第2のフレームセクション6と連結して(in conjunction to)配置される。
【0036】
駆動ユニット10a~bは、更にドアフレーム3に接続される。駆動ユニット10a~bは、第1の側で第1のフレームセクション4に移動可能に接続され、第2の側で第2のフレームセクション6に移動可能に接続される。したがって、第1のモータ11aは、第1のフレームセクション4に移動可能に接続され、第2のモータ11bは、第2のフレームセクション6に移動可能に接続される。駆動ユニット10a~bは、ドアフレーム3と相互作用して、セクショナルドア8を閉位置Cから開位置Oへ、開位置Oから閉位置Cへ移動させるように配置される。
【0037】
一実施形態において、第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bのモータ11a~bの少なくとも1つは、セクショナルドア8が開位置Oから閉位置Cに移動するときにセクショナルドア8の移動を制動(brake)するように構成される。一実施形態において、第1のモータ11a及び第2のモータ11bの両方は、セクショナルドア8が開位置Oから閉位置Cに移動するときにセクショナルドア8の移動を制動するように構成される。
【0038】
一実施形態において、ドアオペレータシステム1は、任意選択の特徴として、充電ユニット13、14の少なくとも1つを更に含む。一実施形態において、
図1に開示されるように、ドアオペレータシステム1は、第1の充電ユニット13及び第2の充電ユニット14を含む。充電ユニット13、14は、好ましくは、ドアフレーム3に接続される。第1の充電ユニット13は、セクショナルドア8が閉位置Cにあるとき、それぞれの駆動ユニット10a~bのバッテリの位置と関連する位置に取り付けられる。第1の充電ユニット13は、閉位置で少なくとも1つのバッテリに接続され、それを充電するように配置される。第2の充電ユニット14は、セクショナルドア8が開位置Cにあるときに駆動ユニットシステム100のバッテリの位置と関連する位置に取り付けられる。第1の充電ユニット14は、開位置で少なくとも1つのバッテリに接続され、それを充電するように配置される。一実施形態において、バッテリは、バッテリを電源に接続する電気ケーブルにより連続的に充電されてもよい。
【0039】
一実施形態において、それぞれの駆動ユニット10a~bのモータ11a~bの少なくとも1つは、発電機として機能して、セクショナルドア8が開位置Oから閉位置Cへ移動するときに少なくとも1つのバッテリを充電するように構成される。一実施形態において、駆動ユニット10a~bの第1のモータ11a及び第2のモータ11bの両方は、発電機として機能して、セクショナルドア8が開位置Oから閉位置Cへ移動するときに少なくとも1つのバッテリを充電するように構成される。
【0040】
一実施形態において、駆動ユニット10a~bの少なくとも第1のモータ11a及び第2のモータ11bは、直流DCモータである。好ましい実施形態において、少なくとも第1のモータ11a及び第2のモータ11bは、ブラシレス直流(BLDC)モータである。
【0041】
一実施形態において、駆動ユニット10a~bのモータ11a~bの少なくとも1つは、ブレーキ(図示せず)を更に含む。一実施形態において、第1及び第2のモータの両方は、ブレーキを含む。一実施形態において、ブレーキは、電磁ブレーキである。ブレーキは、ドア8が開位置Oから閉位置Cへ移動するときにドア8の速度を制御する/低下させるように配置されてもよい。一実施形態において、第1及び第2のモータは、ドア8が開位置Oから閉位置Cへ移動するときにドア8の速度を制御する/低下させるように配置され、これは、ブレーキの有無にかかわらず実行されてもよい。
【0042】
駆動ユニットとドアフレーム3との間の異なる接続は、従来技術では既知であり、本明細書では更に説明されない。例えば、駆動ユニットは、ドア8の重量によりドア8が移動するときにモータを回転させる1つ以上のピニオン(図示せず)を含んでもよい。追加的又は代替的に、駆動ユニットは、モータにより回転するように配置された複数のホイール(図示せず)を更に含んでもよい。
【0043】
図4~
図5は、解決策のいくつかの発明態様による異なる実施形態を示す。セクショナルドアオペレータシステム1は、
図4~5に提供される実施形態のいずれかに従って、その通常の動作を実行してもよい。
【0044】
図4~
図5に示されるこれらの実施形態において、セクショナルドアオペレータシステムは、第1の制御ユニット20a及び第2の制御ユニット20bを含む。制御ユニット20は、マイクロコントローラ、プロセッサ(例えば、PLC、CPU、DSP)、FPGA、ASIC又は意図された機能を実行できる任意の他の適切なデジタル及び/又はアナログ回路を含むが、これらに限定されない任意の既知のコントローラ技術で実装されてもよい。
【0045】
制御ユニット20は、ハードウェア機能を可能にする命令を使用し、例えば、汎用又は特殊目的のプロセッサで実行可能であり、かつそのようなプロセッサにより実行されるコンピュータ可読記憶媒体(ディスク、メモリなど)に記憶されてもよいコンピュータプログラム命令を使用することにより、更に実装されてもよい。制御ユニット20は、メモリから命令を読み取り、これらの命令を実行して、駆動ユニットシステム100の動作を制御するように構成される。制御ユニットのメモリは、ROM、RAM、SRAM、DRAM、CMOS、FLASH(登録商標)、DDR、SDRAM又は他のメモリ技術を含むが、これらに限定されない任意の既知のメモリ技術で実装されもよい。いくつかの実施形態において、メモリは、制御ユニット20と統合されるか又は制御ユニット20の内部に組み込まれてもよい。メモリは、制御ユニット20により実行されるプログラム命令、ならびに制御ユニット20により使用される一時的及び永久的なデータを記憶してもよい。
【0046】
図4~
図5に示されるように、ドアオペレータシステム1は、第1のセンサデバイス40a及び第2のセンサデバイス40bを更に含む。センサデバイス40a~bは、示されないが、
図1~2に示される実施形態にも存在することに留意されたい。
図6a~dを参照しながらより詳細に説明されるように、異なる数のセンサデバイスを使用することができる。
【0047】
図4~
図5に示される実施形態の詳細を提示する前に、解決策のいくつかの発明態様によれば、センサデバイス40がどのタイプの欠陥を緩和、軽減又は排除することができるかに関する説明が提供される。
【0048】
本発明の背景技術のセクションで簡単に触れたように、ドアオペレータシステム1のドア8は、通常の動作中に様々なタイプの障害を受けやすい。障害は、車両又は物体のドア8に対する力による影響、ドア8が位置間で移動するときに発生する振動、機械的部品の摩耗、又は風荷重、温度変化などの環境パラメータを含むが、これらに限定されない。これらの障害は、ドアオペレータシステム1の部品の誤動作につながる可能性がある。具体的には、セクショナルドア8又はセクショナルドア8の相互接続セクション9a~eの任意の1つは、ドアオペレータシステム1の真の水平面に対して歪んでいるか又は位置ずれする可能性がある。ドアオペレータシステム1の理想的な動作では、ドア8及びその全ての相互接続セクション9a~eは、ドアオペレータシステム1の床レベルに対して完全に水平である。
【0049】
ドアオペレータシステム1の真の水平面に対するドア8又は相互接続セクション9a~eの任意の1つの角度φの偏差は、理想的には可能な限り早く発見される。したがって、センサデバイス40は、ドア8の少なくとも1つのセクション9又は個々のセクション9a~eを連続的に監視し、情報を少なくとも1つの制御ユニット20に送信するように構成されてもよい。更に、センサデバイス40は、ドア8の移動により発生する振動を観察するための信号分析を適用することにより、ドアオペレータシステム1の重要な部品の摩耗を検出するように構成されてもよい。次に、制御ユニット20は、これらの振動をドア8の通常の振動パターンと比較することにより、機械的部品を修理するか又はメンテナンスする必要があるかどうかを決定することができる。振動分析では、不均衡(imbalance)、軸受破損(bearing failures)、機械的緩み(mechanical looseness)、位置ずれ(misalignment)、共振及び固有振動(resonance and natural frequencies)、電気モータの故障又は湾曲したシャフトなどの問題を検出することができる。振動測定の例は、振動の全体的なレベル、振動のスペクトル分析(spectral analysis of vibration)、離散周波数監視(discrete frequency monitoring)、衝撃パルス監視(shock pulse monitoring)、尖度測定(kurtosis measurement)、信号加算平均(signal averaging)、ケプストラム分析(cepstrum analysis)又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0050】
ドアオペレータシステム1は、この点に関して、例えば、軸受故障診断(bearing fault diagnostics)と機械健全属性(machine health attributes)をインテリジェントに生成するために自己学習することもできる。センサデバイス40が制御ユニット20にセンサデータ42を提供するときに、制御ユニット20はそれ自体でパターンを認識しようとする。したがって、ドアオペレータシステム1の制御ユニット20は、自律的意思決定を生成する。例えば、回帰アルゴリズム(regression algorithms)、意思決定木(decision trees)、K平均法(K-means)、K最近傍法(K-nearest neighbours)、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、主成分分析(principal component analysis)などの教師あり学習アルゴリズム及び教師なし学習アルゴリズムの両方を実装及び/又は適用してもよい。説明されるようなインテリジェントシステムは、センサデバイス40から正確なセンサ読み取り値を連続的に受信することから学習することができる。自律的に生成された軸受故障診断及び/又は機械健康属性は、駆動ユニットシステム100を制御する場合に使用されるために、制御ユニット20のメモリに記憶されてもよい。これについては、
図7~8を参照しながら詳細に説明する。
【0051】
図4に戻り、センサデバイス40a~bの少なくとも1つは、ドア8のセンサデータ42a~bを制御ユニット20a~bの少なくとも1つに提供するように構成される。
図4では、各々が1つの制御ユニット20a、20bに接続される2つのセンサデバイス40a~bが存在する。次のセクションでは、そのような構成について説明する。しかしながら、以下の説明は、センサデバイスが1つしかなく、及び/又は制御ユニットが1つしかない状況に適用できることに留意されたい。
【0052】
センサデバイス40a~bは、センサデータ42a~bを制御ユニット20a~bに連続的に送信することにより、位置合わせ及び水平レベリングの連続的な監視及び調整を可能にするように構成される。センサデータ42a~bは、ドアオペレータシステム1の真の水平面に対するドア8の角度φに関する。重力と比較してドア8の水平方向を正確に決定することができるために、センサデバイス40a~bは、少なくとも1つの加速度計を含んでもよい。代替的又は追加的に、センサデバイス40a~bは、少なくとも1つのセンサ、又は真の水平面に対する物体の角度を正確に決定できる任意の他の電気部品を含んでもよい。更に他の実施形態において、センサデバイス40a~bは、管状水平器又はホルダつき丸形水平器などの水平器を含んでもよい。
【0053】
センサデバイス40a~bは、
図7a~dに示されるように、セクショナルドアオペレータシステムの異なる位置に配置されてもよい。
図6aでは、2つのセンサデバイス40a~bが、底部セクション9eにそれぞれの駆動ユニット10a~bに近く配置される。センサデバイス40a~bは、センサデータを1つの制御ユニット20aに通信させるように構成される。
【0054】
図6bでは、2つのセンサデバイス40a~bが、底部セクション9eにそれぞれの駆動ユニット10a~bに近く配置される。第1のセンサデバイス40aは、センサデータを第1の制御ユニット20aに通信させるように構成され、第2のセンサデバイス40bは、センサデータを第2の制御ユニット20bに通信させるように構成される。更に、第1の制御ユニット20a及び第2の制御ユニット20bは、互いに通信するように構成されてもよい。一実施形態において、第1の制御ユニット20aは、センサデータを第2の制御ユニット20bに通信させるように構成される。一実施形態において、第2の制御ユニット20bは、センサデータを第1の制御ユニット20aに通信させるように構成される。
【0055】
図6cでは、1つのセンサデバイス40aが、底部セクション9eに2つの駆動ユニット10a~bの間の位置に配置される。異なる実施形態において、センサデバイス40aは、底部セクション9eの異なる位置に配置される。センサデバイス40aは、センサデータを1つの制御ユニット20aに通信させるように構成される。
【0056】
図6dでは、1つのセンサデバイス40aは、底部セクション9eに2つの駆動ユニット10a~bの間の位置に配置される。異なる実施形態において、センサデバイス40aは、底部セクション9eの異なる位置に配置される。センサデバイス40aは、センサデータを第1の制御ユニット20a及び第2の制御ユニット20bに通信させるように構成される。更に、第1の制御ユニット20a及び第2の制御ユニット20bは、互いに通信するように構成されてもよい。一実施形態において、第1の制御ユニット20aは、センサデータを第2の制御ユニット20bに通信させるように構成される。一実施形態において、第2の制御ユニット20bは、センサデータを第1の制御ユニット20aに通信させるように構成される。
【0057】
図6a~cには示されないが、センサデバイス40a~bは、正確なセンサデータ42a~bを取得して制御ユニット20a~bに送信できる状況で、底部セクション9eだけでなく、相互接続セクション9a~eの任意の1つに配置されてもよい。更に、図示されないが、
図6a~dの制御ユニット20a~bは、セクション9a~eの任意の1つに配置されてもよい。
【0058】
図6a~dに示される実施形態において、センサデバイス40a~bは、別個のデバイスとして配置される。この場合、センサデータ42a~bをセンサデバイスから制御ユニット20a~bの少なくとも1つに通信させるための手段が提供される。例えば、トランシーバとして構成される通信インタフェースが提供されてもよい。通信インタフェースは、例えば、GBIC、SFP、SFP+、QSFP、XFP、XAUI、CXP又はCFPなどの既知のトランシーバ規格に基づいてもよい。
【0059】
代替実施形態において、センサデバイス40a~bは、制御ユニット20a~bのPCBに直接的に配置されてもよい。これは、制御ユニット20a~b内の通信のための内部手段が適用されてもよいため、センサデータ42a~bを制御ユニット20a~bに通信させるプロセスを簡略化することができる。
【0060】
図4~5では、セクショナルドアオペレータシステム1は、オペレータ制御ユニット60(任意選択の特徴)を更に含んでもよい。オペレータ制御ユニット60は、制御ユニット20a~bの少なくとも1つから制御データを受信するように構成される。制御データは、例えば、セクショナルドアオペレータシステム1の動作状態、個々の機械的部品の健全及び/又はモータの電流を含んでもよい。制御ユニット20a~bの少なくとも1つは、センサデバイス40a~bの少なくとも1つにより検出されたバグ又はエラーの報告を生成し、次に、結果をオペレータ制御ユニット60に報告するように構成されてもよい。例えば、モータの電流が所定のエラー閾値を超えた場合に、これが報告されてもよい。モータの電流に関する情報は、モータが通常よりも高い負荷にさらされるかどうかを識別するために役立つ。これは、例えば、ドアオペレータシステム1に何かが詰まっている場合に当てはまってもよい。
【0061】
報告は、制御ユニット20a~bの少なくとも1つとオペレータ制御ユニット60との間で動作する通信インタフェースを介して送信されてもよい。また、報告は、IoTサービス(モノのインターネット)により転送されてもよい。本発明の異なる実施形態において、異なるIoTプロトコルを利用してもよい。例えば、プロトコルは、Bluetooth、WiFi、ZigBee、MQTT IoT、CoAP、DDS、NFC、AMQP、LoRaWAN、RFID、Z-Wave、Sigfox、Thread、EnOcean、セルラーベースの通信プロトコル又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない。エラー報告は、例えば、ドアの位置ずれ及び/又は操作上の不整合の報告を含んでもよい。
【0062】
エラー報告が生成された場合、オペレータ制御ユニット60は、1つ以上の制限が所定のエラー閾値を超えた場合に、アラームを生成するように更に構成されてもよい。このアラームは、可聴信号、視覚信号により、又は情報を外部デバイスに送信することにより視覚化されてもよい。更に、安全上の危険が発見された場合、オペレータ制御ユニット60は、システム1の動作を終了することにより応答してもよい。
【0063】
オペレータ制御ユニット60は、システム1のオペレータにより制御可能であるように更に構成されてもよい。オペレータ制御ユニット60は、システム1の情報を視覚化するための1つ以上のディスプレイを含んでもよい。更に、1つ以上のディスプレイは、システム1の手動動作のためのタッチスクリーン機能及び/又は1つ以上のボタンを含んでもよい。したがって、オペレータ制御ユニット60は、システム1の自動化エラーの場合にバックアップコントローラとして機能することができる。
【0064】
一実施形態において、駆動ユニットシステム100は、ドア8の経路における人又は物体を識別し、かつ人又は物体を識別するときにドア8の移動を中断するか又は逆転させるように配置された1つ以上のセンサ(図示せず)を含む。1つ以上のセンサは、圧力センサ、IRセンサ、カメラ、レーダー又はプレゼンスセンサのうちの1つ以上であってもよい。1つ以上のセンサがドア8の経路における人又は物体を識別した場合、センサは、ドア8を制御し、かつドア8の移動を停止できる制御ユニット20に信号を送信してもよい。その後、制御ユニット20は、ドア8を開位置Oに戻るように制御するか又は人若しくは物体が通過するまで保持し、ドアを継続的に閉位置へ移動するように制御する。ドア8は、床23に向かって移動するにつれて、閉位置Cに到達する。閉位置Cでは、駆動ユニットのバッテリは、第1の充電ユニット13に接続され、充電される。
【0065】
制御ユニット20a~bは、駆動ユニットシステム100と動作可能に通信する。制御ユニット20a~bは、2つの駆動ユニット10a~bと有線通信してもよく、無線通信してもよい。更に、制御ユニット20a~bは、センサデバイス40a~bと通信するように構成される。
図7~8を参照しながら更に説明するように、制御ユニット20a~bは、少なくとも第1のモータ11a及び第2のモータ11bの動作を制御するように構成される。好ましい実施形態において、制御ユニット20a~bは、制御ユニット20a~bから受信された制御信号34a~bに応答して、それぞれの関連する駆動ユニット10a~bのモータ11a~bの動作速度を制御し調整するように構成される。
【0066】
センサデバイス40a~bは、それぞれドア8のセンサデータ42a~bを提供し、上記データを制御ユニット20a~bに送信するように構成される。
図4に示されるように、第1のセンサデバイス40aは、ドア8のセンサデータ42aを第1の制御ユニット20aに送信する。第2のセンサデバイス40bは、ドア8のセンサデータ42bを第2の制御ユニット20bに送信する。制御ユニット20a~bは、ドアからのセンサデータ42a~bを評価し、評価に応じて、制御信号34a~bを第1の駆動ユニット10a及び/又は第2の駆動ユニット10bに送信するように構成される。代替実施形態において、単一のセンサデバイス40は、センサデータ42を単一の制御ユニット20に送信するように構成されてもよい。代替実施形態において、単一のセンサデバイス40は、センサデータ42を2つ以上の制御ユニット20に送信するように構成されてもよい。更に別の実施形態において、2つ以上のセンサデバイス40は、センサデータ42を単一の制御ユニット20に送信するように構成されてもよい。
【0067】
制御ユニット20a~bは、ドア8を開閉すべきかどうかに関する入力を受信するように配置される。一実施形態において、制御ユニット20a~bは、ユーザインタフェース、機械的ボタン又はオペレータ制御ユニット60のリモコン装置のうちの1つ以上から入力を受信するように配置される。
【0068】
好ましい実施形態において、制御ユニット20a~bは、センサデバイス40a~bにより収集されたセンサデータ42a~bに応答して、1つ又は全てのモータ11a~bの動作速度を制御し調整するように構成される。センサデータ42a~bは、両方のセンサデバイス40a~bから集められ、次に、モータは、上記センサデータ42a~bに基づいて、制御ユニット20a~bにより個々に制御される。したがって、各モータ11a~bを個々に制御できるため、モータ間にマスター/スレーブの関係を必要としない。例えば、第2のモータの速度を維持する間に第1のモータの速度を低下させてもよく、その逆であってもよい。したがって、1つのモータの位置/速度を変更して、モータが同じ位置に配置され、すなわち互いに同期するという好ましい状況を達成することができる。したがって、
図4~5の実施形態に示されるように、第1の制御ユニット20aは、駆動ユニットシステム100の第1の駆動ユニット10aと動作可能に通信する。更に、第2の制御ユニット20bは、駆動ユニットシステム100の第2の駆動ユニット10bと動作可能に通信する。
【0069】
必要ないが、特に、上記実施形態は、モータ間にマスター/スレーブ関係があっても、機能できる。
【0070】
図5を参照しながら示され、より詳細に説明されるように、ドアオペレータシステム1は、少なくとも2つの感知要素(sensing element)30a~bを更に含む。
図1~3に示される実施形態においても、示されないが、感知要素30a~bが存在することに留意されたい。ドアオペレータシステム1が第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bを含む一実施形態において、システム1は、第1の感知要素30a及び第2の感知要素30bを更に含む。各感知要素30a~bは、各駆動ユニット10a~bのそれぞれのモータ11a~bと連結して(in conjunction to)配置される。感知要素30a~bから収集されたデータは、モータ11a~bの動作を決定するために使用される。感知要素は、更に、制御ユニット20a~bのいずれかの一部であってもよい。制御ユニット20a~bは、更に、感知要素30a~bと動作可能に通信してもよく、通信は、有線又は無線のいずれかであってもよい。好ましい実施形態において、制御ユニット20a~bは、感知要素30a~bにより収集された動作データ32a~bに応答して、1つ又は全てのモータ11~bの動作速度を制御し調整するように構成される。
【0071】
一実施形態において、感知要素30a~bは、センサの形態である。センサは、モータ11a~bの位置を決定するように構成され、及び/又は地面に相対する位置を決定するように構成される位置センサであってもよい。追加的又は代替的に、センサは、モータ11a~bの位置を決定するように構成されるエンコーダである。好ましくは、エンコーダは、モータ内のシャフト又は軸の角度位置又は運動をデジタル出力信号に変換するロータリーエンコーダである。感知要素30a~bは、また、モータ11a~bの一部であってもよい。これは、モータ11a~bがブラシレスDC電気モータである場合に特に当てはまる。一実施形態において、感知要素30a~bは、固定スケールに相対して測定するエンコーダであるため、モータの出力シャフトの回転ではなく、絶対的な移動を測定する。
【0072】
各モータ11a~bは、モータ11a~bの動作データ32を感知し、上記データを制御ユニット20a~bに送信するように構成される感知要素30a~bの1つに関連付けられる。
図5に示されるように、第1の感知要素30aは、第1のモータ11aの動作データ32aを第1の制御ユニット20aに送信する。第2の感知要素30bは、第2のモータ11bの動作データ32bを第2の制御ユニット20bに送信する。制御ユニット20a~bは、第1のモータ11a及び第2のモータ11bからの動作データ32a~bを評価し、評価に応じて、制御信号34a~bを第1のモータ11a及び/又は第2のモータ11bに送信するように構成される。
【0073】
図5に示されるように、ドアオペレータシステム1は、ドア8と、それぞれ関連するモータ11a~bを備えた2つの駆動ユニット10a~bを含む駆動ユニットシステム100とを更に含む。更に、2つの制御ユニット20a~bは、個々に動作し、信号を個々に送受信する。したがって、制御ユニット20a~bから駆動ユニットシステム100の駆動ユニット10a~bに送信される制御信号34a~bは、互いに独立して生成される。したがって、各モータ11a~bを個々に制御できるため、モータ間にマスター/スレーブの関係がない。例えば、第2のモータの速度を維持する間に第1のモータの速度を低下させてもよく、その逆であってもよい。したがって、1つのモータの位置/速度を変更して、モータが同じ位置に配置され、すなわち互いに同期するという好ましい状況を達成することができる。
【0074】
代替実施形態において、2つ以上の制御ユニット20間で通信するための手段は、通信インタフェースの形態で提供されてもよい。
【0075】
図5に示されるドアオペレータシステム1は、データ32a、42aを第1の制御ユニット20aに提供するように構成される第1の感知要素30a及び第1のセンサデバイス40aを更に含む。更に、システム1は、データ32b、42bを第2の制御ユニット20bに提供するように構成される第2の感知要素30b及び第2のセンサデバイス40bを含む。
【0076】
図4及び5に示される実施形態において、各制御ユニット20は、駆動ユニットシステム100の駆動ユニット10a~bの動作を制御するための方法を実装(implement)する。
【0077】
図7では、制御ユニット20は、
図4に示される実施形態の方法を実装(implement)する。この方法は、センサデバイス40から、セクショナルドアオペレータシステム1の真の水平面に対するドア8の角度φに関するセンサデータ42を受信するステップ810を含む。制御ユニット20は、センサデータ42を受信する、例えば、通信インタフェースの形態である手段を含む。例えば、センサデータ42を、センサデバイス40から通信インタフェースを介して制御ユニット20にルーティングする。センサデバイス40は、ドア8を連続的に監視するように構成されるため、ドア8が誤動作し始めるずっと前に、非常に小さな偏差でさえ観察することができる。
【0078】
更に、この方法は、上記受信したセンサデータ42を評価するステップ820と、ドア8のセンサデータと最大センサ閾値との間に偏差があるかどうかを決定するステップ830とを含む。評価ステップは、複数の異なる評価方法を含んでもよい。例えば、前に説明したような自己学習アルゴリズムにより生成され、制御ユニット20のメモリに記憶された振動パターンを、制御ユニット20内の通常の振動パターンと内部で比較してもよい。その結果、インテリジェントシステムは、推奨される出力を生成してもよい。推奨される出力は、一般的な機械学習アルゴリズムから得られたパラメータ及び/又は最近受信されたセンサデータ42の組み合わせに基づいて制御信号34を決定してもよい。新しく生成された出力は、学習アルゴリズムのパラメータを追加的に調整し、その結果、任意の将来生成される制御信号34の精度を追加的に改善してもよい。代替的又は追加的に、評価は、また、環境パラメータ又はドア8への損傷、又はそれらの任意の組み合わせに基づいてもよい。
【0079】
上記受信したセンサデータ42を評価するステップ820は、また、ドア8の位置ずれを検出し、ドア8の動作を完全に停止する可能性があることを含んでもよい。制御ユニット20は、センサデバイス40により検出されたバグ又はエラーの報告を生成し、次に、
図4~5を参照しながら前に説明した技術を使用して、結果をオペレータ制御ユニット60に報告してもよい。
【0080】
最大偏差閾値(maximum deviation threshold)は、ドアオペレータシステム1の特性に依存してもよい。偏差閾値は、ユーザにより事前に決定されてもよく、学習アルゴリズムにより自律的に調整されてもよい。一般的に、ドア8又はドア8の任意のセクション9は、理想的には、ドアオペレータシステム1の水平面に平行であるが、他の構成が適用されてもよい。
【0081】
評価されたセンサデータ42から決定された意思決定に基づいて、この方法は、駆動ユニットシステム100の少なくとも1つの駆動ユニット10の動作を制御するステップ840を更に含む。動作を制御するステップ840は、少なくとも1つの駆動ユニット10のモータの速度を変更するステップ842、又は少なくとも1つの駆動ユニット10のモータの速度を維持するステップ844を含む。偏差閾値を超える偏差が検出された場合、制御ユニット20は、少なくとも1つの駆動ユニット10のモータ11の速度を変更842するように構成される。それ以外の場合、制御ユニット20は、少なくとも1つの駆動ユニット10のモータ11の速度を維持844するように構成される。制御ユニット20は、少なくとも1つの駆動ユニット10のモータの電流が所定のエラー閾値を超えるかどうかを決定するように更に構成されてもよい。この場合、制御ユニット20は、IoTサービスにより、又は通信インタフェースを介してオペレータ制御ユニット60にエラー信号を送信し、少なくとも1つの駆動ユニット10を停止するように構成される。制御ユニット20は、少なくとも1つの駆動ユニット10のモータのブレーキを開始するように更に構成されてもよい。モータの電流に関する情報は、モータが通常よりも高い負荷にさらされるかどうかを識別するために役立つ。これは、例えば、ドアオペレータシステム1に何かが詰まっている場合に当てはまってもよい。
【0082】
図8では、制御ユニット20は、
図5に示される好ましい実施形態の方法を実装(implement)する。ここで、方法のステップは、
図7のステップと同様であるが、いくつかの修正がある。この実施形態のセクショナルドアオペレータシステム1は、感知要素30を含むため、追加の機能が考慮に入れられる。
【0083】
センサデータを受信するステップ910、及び上記受信したセンサデータを評価するステップ920は、
図7の対応するステップと同様である。
図8に示される実施形態は、感知要素30から、少なくとも第1の駆動ユニット10a又は少なくとも第2の駆動ユニット10bに関する動作データ32を受信するステップ915を更に含む。更に、上記受信した動作データ32を評価するステップ925を実行する。
【0084】
このステップ925において、制御ユニット20は、同じセクション9に位置した2つのモータ11a~bの間に、偏差が所定の最大偏差閾値を超えるかどうかを評価する。一実施形態において、第2のモータ11bが第1のモータ11aよりも目標位置から更に遠い場合、評価により、第1のモータ11aの速度を低下させるかどうかを決定する。これにより、第2のモータ11bは、第1のモータ11aに追い付いて、同じ位置にあるため、目標位置に同時に到達することができる。同様に、第1のモータ11aが第2のモータ11bよりも目標位置から更に遠い場合、評価により、第2のモータ11bの速度を低下させるかどうかを決定する。これにより、第1のモータ11aは、第2のモータ11bに追い付くことができる。
【0085】
代替実施形態において、第2のモータ11bが第1のモータ11aよりも目標位置から更に遠い場合、評価により、第2のモータ11bの速度を向上させるかどうかを決定する。これにより、第2のモータ11bは、第1のモータ11aに追い付いて、同じ位置にあるため、目標位置に同時に到達することができる。同様に、第1のモータ11aが第2のモータ11bよりも目標位置から更に遠い場合、評価により、第1のモータ11aの速度を向上させるかどうかを決定する。これにより、第1のモータ11aは、第2のモータ11bに追い付くことができる。
【0086】
一方、偏差が最大偏差閾値よりも低いと決定された場合、評価により、2つのモータ11a~bの現在の速度を維持すると決定する。
【0087】
動作データは、モータ11a~bの電流に関する情報を更に含んでもよい。
【0088】
制御ユニット20は、実際の位置が目標位置に等しいかどうかを決定するように更に構成される。実際の位置が目標位置に等しいと決定された場合、制御ユニット20は、モータ11a~bの両方を停止し、また場合によってはブレーキを開始する。
【0089】
感知要素30a~bは、モータ11の位置を決定するように構成される位置センサであってもよい。追加的又は代替的に、感知要素30a~bは、モータ11の位置を決定するように構成されるエンコーダである。好ましくは、エンコーダは、モータ内のシャフト又は軸の角度位置又は運動をデジタル出力信号に変換するロータリーエンコーダである。感知要素30a~bは、また、モータ11の一部であってもよい。これは、モータ11がブラシレスDC電気モータである場合に特に当てはまる。したがって、動作データの評価は、2つの駆動ユニット10a~b、10c~d又は10e~fの互いの垂直位置を同期させることに関する。
【0090】
次のステップにおいて、上記動作データの評価を、
図7を参照して評価ステップ820から取得された上記センサデータの評価と組み合わせる930。この組み合わせにより、2つの駆動ユニット10a~b、10c~d又は10e~fの同期した垂直位置と、ドアオペレータシステム1の真の水平面に対するドア8の正確な位置合わせとが提供されることを保証する意思決定につながる。最後に、少なくとも1つの駆動ユニット10の動作を制御するステップ950は、
図7を参照して、制御ステップ840と同様である。
【0091】
制御ユニット20の実施形態は、
図9を参照しながらより詳細に説明される。本明細書では、2つのモータ11a~bが互いにどのように同期できるかについて詳細に説明する。
【0092】
第1のステップ1002において、制御ユニット20は、2つのモータ11a~bの目標位置を決定する。制御ユニット20は、目標位置を連続的に設定し、モータ11a~bは、個々に駆動されて目標位置を連続的に達成する。
【0093】
次のステップ1004において、2つのモータ11a~bの実際の現在位置を読み取る。実際の位置をドアの移動距離に関して読み取る。好ましくは、モータ11a~bの位置情報を受信する感知要素30a~bにより、このステップを実行する。位置データが受信されると、データを使用して、ドア8の実際の位置を計算1006する。好ましくは、2つのモータ11a~bの読み取られた位置の平均値を計算することにより、このステップを実行する。
【0094】
次のステップ1008において、第1のモータ11aと第2のモータ11bとの間の偏差を計算する。偏差が、最大正常偏差を表す所定の閾値を超える1010場合、1つのモータの速度を変更1014する必要がある。偏差は、好ましくは、2つのモータ11a~bの現在の位置の偏差及び/又は2つのモータ11a~bの計算された実際の位置の偏差に関する。速度の変更の実施形態は、
図7及び8を参照しながら既に説明された。偏差が所定の閾値よりも低い1010場合、モータの速度を変更しない1012。したがって、両方のモータは同じ速度で駆動される。
【0095】
制御ユニット20がモータ11a~bの速度を変更すべきかどうかを決定したら、次のステップは、第1のモータ11a、第2のモータ11b、及び/又は第1のモータ11a及び第2のモータ11bの両方の電流が所定のエラー閾値を超えるかどうかを決定1016することである。モータの電流が所定のエラー閾値を超えると決定された場合、制御ユニット20は、エラー信号をオペレータ制御ユニット60に送信するか、又は他の方式でシステム1にエラーが発生したことを通知1018するように構成される。システムがエラーを識別すると、両方のモータを停止1022する。速度をゼロに低下させること、及び/又はモータ11a~bのブレーキを開始することにより、モータを停止してもよい。
【0096】
モータの電流が所定のエラー閾値よりも低いと決定された場合、制御ユニット20は、実際の位置が目標位置に等しいかどうかを決定1020するように構成される。実際の位置が目標位置に等しいと決定された場合、制御ユニット20は、モータ11a~bの両方を停止1022し、また場合によってはブレーキを開始する。実際の位置が目標位置に等しくないと決定された場合、制御ユニット20は、ステップ1004に戻って、モータの実際の位置を読み取る。
【0097】
前に説明したように、駆動ユニットシステム100は、第1のモータ10aを含む第1の駆動ユニット10aと、第2のモータ11bを含む第2の駆動ユニット10bを少なくとも含んでもよく、第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bは、ドア8の第1のセクション9eに取り付けられる。第1の駆動ユニット10aは、第1のフレームセクション4に移動可能に接続され、第2の駆動ユニット10bは、第2のフレームセクション6に移動可能に接続される。前述に従って、駆動ユニットシステム100は、追加の駆動ユニット10c~fを更に含んでもよい。
【0098】
制御ユニット20の実施形態は、
図10を参照しながらより詳細に説明される。本明細書では、ドア8又はセクション9a~eの任意の1つを、セクショナルドアオペレータシステム1の真の水平面に対してどのように水平に維持するかについて詳細に説明する。
【0099】
第1のステップ1102において、制御ユニット20は、セクショナルドアオペレータシステム1の真の水平面に対応する目標位置を決定する。制御ユニット20は、目標位置を連続的に設定し、駆動ユニットは、個々に駆動されて連続的に目標位置を達成する。
【0100】
次のステップ1104において、目標位置に対するドア8又はセクション9a~eの任意の1つの現在の角度に関するセンサデータ42を読み取る。好ましくは、ドア8の傾斜角度の情報を受信する少なくとも1つのセンサデバイス40により、このステップを実行する。
【0101】
次のステップ1106において、目標位置とドア8又はセクション9a~eの任意の1つの現在の角度との間の偏差を計算する。偏差が、最大正常偏差を表す所定のセンサ閾値を超える1108場合、1つのモータ11の速度を変更1112する必要がある。例えば、マスターシステムオペレータ又はインテリジェントソフトウェアシステムは、所定のセンサ閾値を決定1108してもよい。偏差は、好ましくは、セクショナルドアオペレータシステム1の真の水平面に対するドア8又はセクション9a~eの任意の1つの偏差に関する。偏差が所定のセンサ閾値よりも低い1110場合、モータ11の速度を変更しない。したがって、モータ11は、同じ速度で駆動される。
【0102】
制御ユニット20がモータ11の速度を変更すべきかどうかを決定したら、次のステップにおいて、偏差が、ドア8の動作を停止する必要がある程度に非常に大きいかどうかを決定1114する。偏差が最大位置ずれ閾値を超える1116場合、ドアの動作を完全に停止1118し、制御ユニット20は、任意のセンサデバイス40により検出されたバグ又はエラーの報告を生成1120してもよい。結果を、制御ユニット20の内部又は外部の通信インタフェースを介して、又はIoTサービスを介して送信することにより、マスターシステムに報告してもよい。偏差が最大位置ずれ閾値よりも低い場合、制御ユニット20は、ドアの現在の角度に関するセンサデータ42を読み取る1104ように構成される。
【0103】
図3a~bに示される一実施形態において、駆動ユニットシステム100は、水平セクションの第2の水平セクション9に取り付けられ、かつセクショナルドア8を閉位置Cから開位置Oへ移動させるときに第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bを補助するように配置される第3の駆動ユニット10c及び第4の駆動ユニット10dを含む。第3の駆動ユニット10c及び第4の駆動ユニット10dは、それぞれ第3の制御ユニット20c及び第4の制御ユニット20dに接続され、かつ第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bに関して上記と同じ方法で制御ユニット20c~dにより制御されるように配置される。この実施形態において、ドアオペレータシステム1は、4つの駆動ユニット10a~d、4つの感知要素30a~d、少なくとも1つのセンサデバイス40及び4つの制御ユニット20a~dを含む。第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bは、1つのセクション9eに配置され、第3の駆動ユニット10c及び第4の駆動ユニット10dは、別のセクション9cに配置される。各感知要素30a~dは、それぞれの駆動ユニット10a~dと連結して配置される。したがって、第1の感知要素30a及び第2の感知要素30bは、第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bと連結して配置され、第3の感知要素30c及び第4の感知要素30dは、第3の駆動ユニット10c及び第4の駆動ユニット10dと連結して配置される。一実施形態において、少なくとも1つのセンサデバイス40は、複数の水平相互接続セクション9a~eの任意の1つに配置されてもよい。別の実施形態において、少なくとも1つのセンサデバイスは、制御ユニット20a~dの任意の1つのPCBに直接的に取り付けられてもよい。
【0104】
一実施形態において、第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bならびに第1の感知要素30a及び第2の感知要素30bは、閉位置Cで床23に最も近い、ドアのセクション9に位置するセクション9eに配置される。しかしながら、セクション9eは、例えば、閉位置Cで床23に最も近いセクションの隣に配置されるセクションであるセクション9dであってもよいことに留意されたい。
【0105】
一実施形態において、駆動ユニットシステム100は、水平セクション9の第3の水平セクション9に取り付けられ、かつセクショナルドア8を閉位置Cから開位置Oへ移動させるときに他の駆動ユニット10e~fを補助するように配置される第5の駆動ユニット10e及び第6の駆動ユニット10fを含む。第5の駆動ユニット10e及び第6の駆動ユニット10fは、第5の制御ユニット20e及び第6の制御ユニット20fに接続され、第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bに関して上記と同じ方法で制御ユニット20e~fにより制御されるように配置される。一実施形態において、ドアオペレータシステム1は、6つの駆動ユニット10a~f、6つの感知要素30a~f、少なくとも1つのセンサデバイス40及び6つの制御ユニット20a~fを含む。第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bは、1つのセクション9eに配置され、第3の駆動ユニット10c及び第4の駆動ユニット10dは、別のセクション9cに配置され、第5の駆動ユニット10e及び第6の駆動ユニット10fは、別のセクション9dに配置される。各感知要素30a~fは、それぞれの駆動ユニット11a~fと連結して配置される。したがって、第1の感知要素30a及び第2の感知要素30bは、第1の駆動ユニット10a及び第2の駆動ユニット10bと連結して配置され、第3の感知要素30c及び第4の感知要素30dは、第3の駆動ユニット10c及び第4の駆動ユニット10dと連結して配置され、第5の感知要素30e及び第6の感知要素30fは、第5の駆動ユニット10e及び第6の駆動ユニット10fと連結して配置される。一実施形態において、少なくとも1つのセンサデバイス40は、複数の水平相互接続セクション9a~eの任意の1つに配置されてもよい。別の実施形態において、少なくとも1つのセンサデバイスは、制御ユニット20a~fの任意の1つのPCBに直接的に取り付けられてもよい。
【0106】
追加のセクション9a~eに感知要素30、センサデバイス40及び駆動ユニット10が配置される実施形態において、これらは、1つおきのセクション、全てのセクションに配置されてもよく、セクション9eの上の1つのセクションに配置されてもよい。
【0107】
本発明は、その実施形態を参照しながら以上のように詳細に説明される。しかしながら、当業者にとって容易に理解されるように、他の実施形態は、添付の特許請求の範囲により規定されるように、本発明の範囲内で同様に可能である。本発明は、一般的に、特定のタイプに限定されない1つ以上の可動ドア部材を有する入口システム内又は入口システムに適用されてもよいことが思い出される。該ドア部材又はそのような各ドア部材は、例えば、スイングドア部材、回転ドア部材、引き戸部材、オーバーヘッドセクショナルドア部材、水平折れドア部材又はプルアップ(垂直昇降)ドア部材であってもよい。
【国際調査報告】