(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】衛生紙
(51)【国際特許分類】
A47K 10/16 20060101AFI20230317BHJP
D21H 27/00 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
A47K10/16 B
D21H27/00 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567700
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2021050443
(87)【国際公開番号】W WO2021144242
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】102020100733.7
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522280892
【氏名又は名称】カウフマン,ヴェルナー
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】カウフマン,ヴェルナー
【テーマコード(参考)】
2D135
4L055
【Fターム(参考)】
2D135AA03
2D135AA15
2D135AA16
2D135AB02
2D135AB03
2D135AB06
2D135AB13
2D135AB14
2D135AC03
2D135AC09
2D135AC11
2D135AD16
2D135AD27
2D135BA01
2D135BA02
2D135BA05
2D135BA07
2D135DA03
2D135DA13
2D135DA19
2D135DA27
4L055AF09
4L055EA07
4L055GA29
(57)【要約】
本発明は、引き離しミシン目によって互いに接続された相互に連続したシートから構成されることが好ましい、湿気のある用途のためのウェブの形態の衛生紙であって、衛生紙は、埋め込まれた強化繊維を有したセルロース質量から構成され、強化繊維は、最初の湿潤における増加された引裂強さを有し、拡張された湿潤の後に、強化繊維の引裂強さを少なくとも部分的に失い、シートは、下水道システムにおいて遅くとも、湿潤の後に時間の経過にわたって、より小さい片へと分解する。
さらに、本発明は、個々のシートを有した衛生紙に関し、シートは、少なくとも1つの分解ミシン目をそれぞれ有し、該分解ミシン目は、前記シートが、下水道システムにおいて遅くとも、湿潤の後に時間の経過にわたってより小さい片へと分解することを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き離しミシン目(16)によって互いに接続された相互に連続したシート(18)から構成されることが好ましい、湿気のある用途のための衛生紙であって、前記衛生紙(10)は、埋め込まれた強化繊維を有したセルロース質量から構成され、前記強化繊維は、最初の湿潤における増加された引裂強さを有し、拡張された湿潤の後に、前記強化繊維の引裂強さを少なくとも部分的に失い、前記シートは、下水道システムにおいて遅くとも、前記湿潤の後に時間の経過にわたって、より小さい片へと分解することを特徴とする湿気のある用途のための衛生紙。
【請求項2】
引き離しミシン目(16)によって互いに接続された相互に連続したシート(18)から構成されることが好ましい、湿気のある用途のためのウェブ(12)の形態の衛生紙であって、前記衛生紙(10)は、セルロース質量を有し、
前記衛生紙は少なくとも2つの層に存在し、前記層の1つにおけるリグニン部分は、他の層またはリグニン部分が取り除かれる他の層のリグニン部分よりも高いことを特徴とする湿気のある用途のためのウェブ(12)の形態の衛生紙。
【請求項3】
引き離しミシン目(16)によって互いに接続された相互に連続したシート(18)から構成されることが好ましい、湿気のある用途のためのウェブ(12)の形態の衛生紙であって、前記衛生紙(10)は、セルロース質量を有し、
前記衛生紙は、ペーパータオル材料から製造されることを特徴とする湿気のある用途のためのウェブ(12)の形態の衛生紙。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに任意選択的に従う、引き離しミシン目(16)によって互いに接続された相互に連続したシート(18)から構成されることが好ましい衛生紙であって、
前記シート(18)は、少なくとも1つの分解ミシン目(20)をそれぞれ有し、該分解ミシン目(20)は、前記シート(18)が、下水道システムにおいて遅くとも、湿潤の後に時間の経過にわたってより小さい片へと分解することを提供することを特徴とする衛生紙。
【請求項5】
前記強化繊維は、廃水中で溶融されることができることを特徴とする請求項1または5に記載の衛生紙。
【請求項6】
前記強化繊維は疎水性コーティングを有し、該疎水性コーティングは、その効果を廃水中で失うことを特徴とする請求項1,5または6の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項7】
前記引き離しミシン目(16)および分解ミシン目(20)は、スリットミシン目および/または穴ミシン目であることを特徴とする少なくとも請求項3に記載の衛生紙。
【請求項8】
前記引き離しミシン目(16)は、前記衛生紙(10)の幅全体に沿って直線上に延びることを特徴とする請求項1~7の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項9】
前記引き離しミシン目(16)は、互いに平行にそれぞれ延びることを特徴とする請求項1~8の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項10】
分解ミシン目(20)が、前記衛生紙(10)の全長に沿っておよび幅に沿って波形状に延びることを特徴とする請求項1~9の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項11】
分解ミシン目(20)が、前記衛生紙(10)の全長に沿っておよび幅に沿ってジグザグ形状に延びることを特徴とする請求項1~9の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項12】
複数の分解ミシン目(20)、可能ならば異なる分解ミシン目(20)が設けられることを特徴とする請求項1~11の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項13】
前記分解ミシン目(20)は、少なくともいくつかの分解ミシン目(20)が少なくとも1回交差するように前記衛生紙(10)にわたって延びることを特徴とする請求項12に記載の衛生紙。
【請求項14】
前記引き離しミシン目(16)の個々のミシン目の間の間隔は、分解ミシン目(20)の個々のミシン目の間の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項1~13の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項15】
前記衛生紙(10)は、複数の層、特に2~5つの層から構成されることを特徴とする請求項1~14の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項16】
前記衛生紙(10)は、7cmと14cmとの間、好ましくは8cmと12cmとの間、特に好ましくは9cmと11cmとの間の幅を有することを特徴とする請求項1~15の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項17】
前記衛生紙(10)は、ロールを形成するように、チューブ(14)、特にボール紙チューブに巻かれることを特徴とする請求項1~16の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項18】
前記衛生紙(10)は、ティッシュペーパーとして製造されることを特徴とする請求項1~17の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【請求項19】
前記個々のシート(18)は、10cmと18cmとの間、好ましくは12cmと16cmとの間、特に好ましくは13cmと15cmとの間の長さ(L)を有することを特徴とする請求項1~18の少なくとも1つに記載の衛生紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引き離しミシン目によって接続された相互に連続したシートから構成されることが好ましい、湿気のある用途のための衛生紙に関する。
【背景技術】
【0002】
湿ったワイプの形態の衛生ワイプが、皮膚の簡単でかつ優しい洗浄のために用いられることが多い。従来の湿ったワイプは、ローションで吸収される異なる不織布から構成されることが多い。これにより、このワイプは、特に高い湿った引裂強さを有し、やはり皮膚に快適さを感じさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この高い湿った引裂強さは、使用中に特に有利であるが、時間のより遅い点、つまり、消費者がゴミ箱に湿ったワイプを適切に処分するのではなく、トイレに処分する場合の使用されたワイプの処理時に、大きな問題を引き起こす。湿気のあるトイレットペーパーも知られており、このペーパーは、大規模で用いられ、大抵は、トイレの洗い流しによって下水道システムへ常に流入する。
【0004】
特に、高い湿った引裂強さのために、この湿ったワイプまたは湿気のあるトイレットペーパーは、下水道システムにおいて不十分に分解するかまたは全く分解せず、従って、ドレインパイプの大きな閉塞を経時的に生じさせ得る。廃水システムのこのような閉塞は、大きなコストを生じさせるだけでなく、廃水パイプを損傷させ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これらの点に鑑みて、本発明の目的は、十分な湿潤強さを有し、容易かつ迅速に分解可能な衛生紙を提供することである。
【0006】
本発明によれば、請求項1~4のいずれか1つに従う衛生紙によって、4つの異なる、しかし結合可能な解決手法により満足される。
【0007】
本発明の側面によれば、衛生紙が、埋め込まれた強化繊維を有したセルロース質量から特に構成される。強化繊維は、最初の湿潤における増加された引裂強さを有し、拡張された湿潤の後に繊維の引裂強さを少なくとも部分的に失い、シートは、下水道システムにおいて遅くとも、湿潤の後に時間の経過にわたって、より小さい片へと分解する。
【0008】
強化繊維は、疎水性処理繊維、例えばセルロースから構成されることができ、疎水性は、廃水中で十分な時間の後に減少し、強化繊維は、その強さを失う。残りのセルロース質量に対する強化繊維の割合は、衛生紙が下水道システムにおいて遅くとも多くの湿気をやはり吸収し、繊維が互いから分離し、衛生紙のシートがより小さい片へと分解し、従って、下水道システムにおいて閉塞を生じさせることができないように選択される。
【0009】
本発明の第2の側面によれば、湿気のある用途のためのウェブの形態の衛生紙が、引き離しミシン目によって互いに接続された相互に連続したシートから構成されることが好ましいように設けられており、衛生紙はセルロース質量から構成され、衛生紙は少なくとも2つの層に存在することを特徴とし、1つの層のリグニン部分は、他の層またはリグニン部分が取り除かれる他の層のリグニン部分よりも高いことを特徴としている。
【0010】
リグニンが撥水性なので、高いリグニン部分を有した層は、例えばリグニン部分が紙の吸収性を増加させるために慎重に洗い流される従来のトイレットペーパーよりも高い引裂強さを有した衛生紙に役立つことができる。本発明によれば、リグニンが強さにもはや貢献せず、トイレットペーパーが分解するように、高いリグニン部分を有した層が滞在時間の後に廃水中に洗い流されることがさらに理解されてきた。
【0011】
本発明の第3の側面によれば、湿気のある用途のためのウェブの形態の衛生紙が、引き離しミシン目によって互いに接続された相互に連続したシートから構成されることが好ましいように設けられており、衛生紙はセルロース質量から構成され、衛生紙は、ペーパータオル材料から製造されることを特徴としている。
【0012】
この提案は、ペーパータオルが湿気のある状態でその強さを実際に失うが、強さの損失は、湿気のあるトイレットペーパーとして使用されるときではなく、衛生紙が下水道システムにおいて分解するように全体的な吸収の後にのみ宣言されるという認識に基づいている。
【0013】
本発明の第1、第2および第3の側面と組み合わされて用いられることもできる、本発明の他の側面は、シートが少なくとも1つの分解ミシン目を備えており、この分解ミシン目は、下水道システムにおいて遅くとも、湿潤の後に時間の経過にわたってシートがより小さい片へと分解することを提供する。この点では、それは、特に、上述の特性を有した衛生紙の場合とすることができる。分解ミシン目は、引き離しミシン目に対する付加的なミシン目を示し、分解ミシン目が最初の湿潤つまり衛生紙の使用時に湿気に屈服しないが、下水道システムにおいてシートがより小さい片へと分解することを提供するのみであるように設計されている。さらに、分解ミシン目は、該分解ミシン目がウェブからのシートの引き離し時に屈服せず、シートが、引き離しの目的のために提供された引き離しミシン目において引き離されるのみであるように形成される。これは、例えば、異なる大きさを有し、異なるように離間したミシン目穴によって実現される。
【0014】
本発明の実施例によれば、強化繊維が廃水中で溶解されることができる。強化繊維の溶解のために、衛生紙は、湿気に屈服し、より小さい片へと分解することができる。トイレに直接隣接したドレインパイプの閉塞を防止するために、衛生紙は、例えば洗い流しプロセス中に、トイレ内にあるままで、比較的短い時間の後により小さい片へと既に分解するということが、特に提供されることができる。生態学的な観点から、強化繊維を含む衛生紙全体が水中で溶解されることができる場合にさらに特に有利である。これにより、詰まりの問題が解決されることができるだけでなく、湿ったワイプが廃水処理工場のタンクから出される必要がないということもある。つまり、従来の湿ったワイプが水中で溶解しないので、この湿ったパイプは沈殿槽で遅くとも除去され、捨てられなければならない。
【0015】
他の実施例によれば、強化繊維は、疎水性コーティングを有し、このコーティングは、廃水中でその効果を失う。この例は、撥水性である上述のリグニンである。しかし、同じ効果を達成する他の疎水性コーティングも可能である。
【0016】
本発明の実施の別形では、引き離しミシン目および分解ミシン目が、スリットミシン目および/または穴ミシン目である。引き離しミシン目および分解ミシン目は、各ミシン目の異なる引裂強さを達成するように異なって形成されることが好ましい。ウェブからの1つまたは複数のシート引き離し時には、それぞれの引き離しミシン目のみが引き裂かれて開くべきである。下水道システムでは、分解ミシン目が、引き続き、より小さい片へのシートの分解を提供する。分解ミシン目および引き離しミシン目のスリットまたは穴は、異なる長さまたは大きさで特に形成されることができ、必要であれば、均等にまたは異なって互いから離間されることができる。
【0017】
分解ミシン目のスリットミシン目は、6mmと8mmとの間の長さを有することが好ましく、一方、引き離しミシン目のスリットミシン目は、3mmと5mmとの間の長さを有することが好ましい。ミシン目の間の間隔は、好ましくは、それぞれ、0.5mmおよび1.5mmの範囲とすることができる。
【0018】
実施例は、引き離しミシン目が衛生紙の幅全体に沿って直線上に延びることを提供し、これにより、1つまたは複数のシートの簡潔な引き離しが達成されることができる。
【0019】
引き離しミシン目が互いに平行にそれぞれ延びることがさらに考えられる。従って、ウェブは、簡潔な方法で、多くの同様の形状をなすシートへ分割されることができる。従って、シートは、長方形、正方形または台形とすることができるか、または、平行四辺形の形状を有することができる。
【0020】
原則として、例えば、三角形状を有する単一のシートを提供する引き離しミシン目も可能である。この実施例では、2つの連続した引き離しミシン目がある角度で離れて移動し、ウェブの1つのエッジを有した三角形状を形成するように、引き離しミシン目は、ウェブの全長に沿って実質的にジグザグ形状にそれ相応に延びる。
【0021】
実施例によれば、分解ミシン目が衛生紙の全長に沿っておよび/または幅に沿って波形状に延びることも考えられる。従って、シートは、均一な形状をなす、または不均一な形状をなす片またはストリップへと分解することができる。
【0022】
他の実施例によれば、分解ミシン目は、衛生紙の全長に沿っておよび/または幅に沿ってジグザグ形状に延びる。また、この分解ミシン目は、均一な形状をなす、または不均一な形状をなすストリップまたは片への衛生紙のシートの分解を提供する。
【0023】
他の実施例では、複数の分解ミシン目、可能ならば異なる分解ミシン目が設けられる。複数の、および可能な異なる分解ミシン目の組合せは、一定の状況下において、より一層良好に、衛生紙のシートの分解を開始することができる。分解ミシン目が多いほど、衛生紙が下水道システムへと分解することができる片が小さくなる。衛生紙における分解ミシン目の数および互いに対する分解ミシン目の相対位置は、結果的に、各シートが下水道システムへと分解する片の数および大きさを決定することができる。
【0024】
また、実施例では、分解ミシンは、少なくともいくつかの分解ミシン目が少なくとも1回交差するように衛生紙にわたって延びる。これにより、衛生紙の分解をさらに容易にすることができ、これは、ミシン目が交差する点が、下水道システムの水中において、より一層簡単に引き裂かれて開くことになるからである。
【0025】
本発明の別形によれば、引き離しミシン目の個々のミシン目の間の間隔は、分解ミシン目の個々のミシン目の間の間隔よりも小さく、これにより、ミシン目は、異なる引裂強さを有している。従って、分解ミシン目がシートの引き離し時に既に屈服することは避けられるべきである。
【0026】
実施例によれば、衛生紙が、複数の層、特に2~5つの層から構成される。利便性の理由のために、複層の衛生紙が消費者によって好まれることが示されてきた。一方で、複数の層を互いに接続するために、他方で、構造面を通して衛生紙の望ましい柔らかさを達成するために、複層の衛生紙が特にエンボス加工されることができる。
【0027】
また、1つまたは複数の層が強化繊維を有するが、残りの層が強化繊維を有さないことが特に可能である。従って、いくつかの層、例えば中間の層が望ましい湿った引裂強さを提供することができ、外側の層が望ましい柔らかさおよび吸収性のために役立つ。さらに、複層の衛生紙が、分解をさらに補助するために、分解ミシン目を有することもできる。
【0028】
別形によれば、衛生紙は、7cmと14cmとの間、好ましくは8cmと12cmとの間、特に好ましくは9cmと11cmとの間の幅を有する。これらの寸法は、過去において特に有利であることが証明されていない。
【0029】
更なる別形によれば、衛生紙は、ロールを形成するように、チューブ、特にボール紙チューブに巻かれる。従って、大量の衛生紙が、大量の(個々の)梱包を必要とすることなく、容易に分配および消費されることができる。また、このことは 生態系の観点から特に有利であることが証明されており、これは、不要な量の、例えばプラスチックの梱包が省略されることができるからである。
【0030】
また、実施例は、衛生紙がティッシュペーパーとして製造されることを提供する。ティッシュペーパーは、湿気のある用途において特に有利であることが証明されてきており、これは、ティッシュペーパーが特に吸収剤であり、従って、多くの湿気を吸収することができるからである。同時に、ティッシュペーパーはまた、高い柔らかさを有しており、これにより、エンドユーザーの高い快適性の要件が同時に満足されることができる。
【0031】
別形によれば、個々のシートは、10cmと20cmとの間、好ましくは13cmと17cmとの間、特に好ましくは14cmと16cmとの間の長さを有している。この長さは、実際に特に有利で快適であることが証明されてきた。
【0032】
本発明は、有利な実施例および図面を参照して、例によって、より詳細に、以下に純粋に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】分解ミシン目を有する衛生紙の巻かれたウェブを概略的に示す図である。
【
図2】分解ミシン目の異なる実施の別形を示す図である。
【
図3】分解ミシン目の異なる実施の別形を示す図である。
【
図4】分解ミシン目の異なる実施の別形を示す図である。
【
図5】分解ミシン目を有する衛生紙の特定の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1には、本発明に従う衛生紙10が、ロールを形成するようにチューブ14に巻かれたウェブ12の形態で概略的に示されている。ウェブは、引き離しミシン目16によって個々のシート18へと分解されている。従って、個々のシート18の全ては、同じ長さLを有している。
【0035】
さらに、衛生紙10およびそのシート18は、分解ミシン目20をそれぞれ有しており、この分解ミシン目20は、ウェブ12の全長に沿ってジグザグ形状にそれぞれ延びている。簡潔の理由のためだけに、ミシン目16,18は、ウェブ12の巻かれていない部分に示されているだけである。実際には、ミシン目16,18は、衛生紙の全長に沿って広がっている。この点では、2つの分解ミシン目20は、該ミシン目20が互いに何度も交差するように精密に延びている。交差点22が、特に敏感な破壊点を示しており、この点では、シート18が下水道システムの水中で個々の片へとより良く分解することの助けとなる。
【0036】
本実施例では、シート18の分解において、三角形Dの形態および菱形Rの形態の分解片が生成され、これらの分解片の領域は、ドレインパイプの詰まりが防止されることができるほど十分に小さくなっている。
【0037】
図2~
図4において、分解ミシン目20の他の実施例を見ることができる。簡潔の理由のために、引き離しミシン目16がより長いスリット24として形成されているが、分解ミシン目20が実質的により短いスリット24であり、従って、ウェブ12の幅にわたって分配されており、また、実質的により多くのスリット24が分配されている。しかし、引き離しミシン目16および分解ミシン目20の他の形状および変更も、例えば
図3~
図5で見ることができるように可能である。
【0038】
従って、衛生紙10のウェブ12の一部が
図2に示されており、この一部は、平行な複数の引き離しミシン目16を有しており、この引き離しミシン目16は、ウェブ12の幅全体に沿って描かれ、全てが、シート18の長さに等しい間隔Lで互いに離間している。
【0039】
この例では、分解ミシン目20も、互いに平行に配置されるとともにウェブ12の幅全体に沿って延びる直線である。しかし、分解ミシン目20の間の間隔は、シート18がより小さいストリップへと分解することが確実となるように、引き離しミシン目16の間の間隔Lよりも小さくなっている。従って、
図2の実施例では、各シート18は、2つの分解ミシン目20を有している。
【0040】
対照的に、
図3は、2つの分解ミシン目20が、ウェブ12の全長に沿って波形状に広がっている。個々のシート18の分解において、従って、異なる形状とされた3つの片が各シート18から生成されている。実際には、分解片がドレインパイプを詰まらせないほど十分に小さい限りは、分解片が正確に有することが多いどんな形状も実質的な役割を果たさない。
【0041】
図3および
図4の分解ミシン目20は、実線としてそれぞれ示されており、これは、 個々のミシン目が裸眼にとってかろうじて視認可能となるほど小さくかつ接近した間隔を、ミシン目の個々のミシン目が有することができるということを概略的に示している。
【0042】
図4は、3つの分解ミシン目20が設けられたウェブ12の他の実施例を示している。ジグザグ形状に延びる
図1の2つの分解ミシン目20に類似して、更なる分解ミシン目20が設けられており、
図2に類似して、引き離しミシン目16と平行に延びている。これにより、使用中に、シート18が例えば(仮想上の)折り曲げ縁Fで折り曲げられるべきである場合には、シートの長さLは、より大きく選択されることができる。この点において、
図4および
図5で描かれた折り曲げ線Fが、より容易な理解のために純粋に示された純粋な仮想線を表しているが、所望であれば、紙上に印刷され得る。しかし、付加的な分解ミシン目20のために、多くのより小さい片への分解は、上述の詰まりの問題が防止されることができるように、やはり与えられる。
【0043】
図示した分解ミシン目20に加えて、
図1~
図4の異なる実施例では、衛生紙の形式が選択されることができ、この形式は、本発明に従う強化繊維を有し、従って、まさに最初は特定の湿った引裂強さを有しているが下水道システムの水中において時間の経過にわたって分解する衛生紙10にさらに役立つ。
【0044】
さらに、ウェブの全ては、消費者が衛生ワイプに寄せる高い快適要求を満たすために、複数の層で設計され、および/またはエンボス加工されることができる。
【0045】
特定の実施例では、
図5に示されるように、個々のシート18がより小さい片へと分解することができる付加的な分解ミシン目20を備える、Suominen companyのHydraspun paperが、衛生紙10として用いられることが提供されている。この点では、分解ミシン目20は、6.8mmの長さを有し、かつ1mmで互いにそれぞれ離間されたスリットによって形成される。引き離しミシン目は、互いから1mmの間隔をそれぞれ有したスリットによって同様に形成される。しかし、引き離しミシン目が分解ミシン目よりも早く屈服するように、引き離しミシン目のスリットの長さが、各場合において4mmのみとなっている(
図5参照)。上記の規定された寸法は、好ましい値を表しているが、限定的なものとみなすべきではない。値にとって好ましい範囲は、説明の導入で規定されている。
【0046】
衛生紙ロールが、欧州特許第2 367 467 B1号明細書の例に従う湿ったトイレットペーパー用のディスペンサーに挿入されることをさらに提供することができる。従って、湿ったトイレットペーパーが消費者に提供されることができ、ドレインパイプで生じる閉塞なしで、トイレに安全に洗い流されることができる。
【符号の説明】
【0047】
10・・・衛生紙
12・・・ウェブ
14・・・チューブ
16・・・引き離しミシン目
18・・・シート
20・・・分解ミシン目
22・・・交差点
24・・・スリット
D・・・三角形
F・・・折り曲げ線
L・・・長さ
R・・・菱形
【国際調査報告】