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特表2023-512597組織内方成長カフを備える外部終端デバイス
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  • 特表-組織内方成長カフを備える外部終端デバイス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】組織内方成長カフを備える外部終端デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/02 20060101AFI20230317BHJP
【FI】
A61M25/02 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567706
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(85)【翻訳文提出日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 IB2021050231
(87)【国際公開番号】W WO2021144715
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】102020000000577
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511285288
【氏名又は名称】ニコラ・グランドルフォ
(71)【出願人】
【識別番号】522281394
【氏名又は名称】エミリオ・マガルディ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・グランドルフォ
(72)【発明者】
【氏名】エミリオ・マガルディ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA10
4C267BB04
4C267BB11
4C267CC01
4C267CC08
(57)【要約】
外部終端デバイスが、ベース(5)を含むケーシング(4)を有し、チューブ主要部(140)を有する漏斗状セプタム(14)を受容する遠位開口部(12)が、ケーシング(4)に形成されている。チューブ主要部(140)の内側では、カテーテル(3)が、フィッティング(15)の遠位セクション(16)に接続されている。チューブ状コーティング(2)が、チューブ主要部(140)上で接合されるように構成された近位端と、カテーテル(3)に同軸的に取り付ける遠位端と、を有する。組織内方成長材料の一組のバンド(90,91)が、チューブ状コーティング(2)上に固定され、アンカー固定手段を備えるアンカーリング(92)が、バンド(90,91)の間に挟まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織内方成長カフを備える外部終端デバイスであって、前記外部終端デバイスが、一側ではカテーテル(3)に、かつ他側では蓋(10)に、あるいは処理装置の流れラインに接続されるように構成され、前記外部終端デバイスが、
- ベース(5)と、前記流れラインに関して遠位開口部(12)及び一組の近位開口部(13,13)が設けられた複数の側壁(50)と、前記側壁(50)上の取り外し可能なカバー(6)と、を含むケーシング(4)と、
- 前記ケーシング(4)内に収納されたフィッティング(15)であって、前記カテーテル(3)と係合する遠位管(16)と、2つの近位管(17,17)と、を有する、フィッティング(15)と、
- 前記フィッティング(15)のそれぞれの前記近位管(17)上に挿入された遠位端(180)と、近位端(181)と、をそれぞれ有する一組の湾曲パイプ(18,18)と、
- 前記湾曲チューブ(18,18)の前記近位端(181,181)内に挿入された一組のノズル(190,190)と、
を備え、
前記ケーシング(4)の前記遠位開口部(12)が、チューブ主要部(140)を備える漏斗セプタム(14)を受容し、前記カテーテル(3)が、前記チューブ主要部(140)の内側で、前記フィッティング(15)の前記遠位管(16)に接続され、チューブ状コーティング(2)が、前記チューブ主要部(140)上に挿入されることに適した近位端と、前記カテーテル(3)に同軸的に取り付ける遠位端と、を有し、
- 組織内方成長材料の一組のバンド(90,91)が、前記チューブ状コーティング(2)に取り付けられ、
- アンカー固定手段を備えるアンカーリング(92)が、前記一組のバンド(90,91)の間に挟まれることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記アンカー固定手段が、前記アンカーリング(92)から外側に面する2つのフックの鋭い突起(93,93)からなることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記2つのフックの鋭い突起(93,93)が、45度だけ互いから角度をつけられていることを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記一組のバンド(90,91)が、ダクロンから作られることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記一組のバンド(90,91)の各バンドが、1cmよりも大きい幅を有することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記アンカーリング(92)が、ポリスルホンから作られることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば血液透析、腹膜透析及び化学療法において使用可能な外部終端デバイスに関する。外部終端デバイスは、組織内方成長カフを備えている。
【背景技術】
【0002】
恒久的中心静脈カテーテル上に位置決めされる現在のカフは、カテーテル自体に接着されたダクロンバンドからなり、機械的機能及び生物学的機能を有する。
【0003】
機械的な視点からは、通常リング状パッドであるこれらのカフは、体に対してなじまない材料から作られる。皮下組織内に位置決めされると、カフは、周囲の組織からカフを分離する傾向を有する反応が生じさせられるとしても、体内に組み込まれる。結果は、瘢痕組織の形成であり、瘢痕組織は、ダクロン自体の繊維内に侵入して、この位置においてダクロンを効果的にブロックし、最終的な結果として、カフを所定位置に保持する付着を得、カフが外側にスライドすることを防止し、従って、カテーテル自体の偶発的な排出を回避する。
【0004】
生物学的な視点からは、この瘢痕組織は、同時に、内部にカテーテルがある皮下トンネルに沿う細菌コロニーの進行であって、細菌コロニーが、必然的に、血中に入れられたカテーテルの部分に到達し、まずは局所的な、後に全体的な感染を引き起こす、進行に対するある種のバリアを形成する。
【0005】
しかしながら、これは、全て、カフの小さいサイズによって非常に制限され、カフは、公知の技術では、通常、幅があまり広くない。また、それら小さい幅は、時間が経つにつれて、これらカテーテルを使用する患者への看護師のケアに起因して、瘢痕組織の形成が、その機械的機能を失い、結果としてカテーテルの解放及びカテーテルの排出を徐々にもたらすことを引き起こす。
【0006】
特許文献1は、挿入されたカテーテルを移動に対抗して安定させるための組織内方成長カフを開示している。カフは、カテーテルを把持するために、その所望の場所まで移動させられると執刀医によって作動させられる。カフは、2つの本体部分を備え、これら2つの本体部分は、結合前にカテーテルに沿って別個にスライド可能であるが、相補的な把持セクションによりカテーテルの周りで互いに取り付けられ得る。組織内方成長材料は、カテーテルの挿入後に、皮下トンネル内で、カフの外側に向く表面に取り付けられ、従って、カテーテルを移動に対抗してアンカー固定する。
【0007】
特許文献1で説明されたカフは、執刀医によって所望の場所に位置決めされ得るという利点を有する。しかしながら、カフのアンカー固定は、カフの周りの組織内方成長にのみゆだねられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0209206号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、外部終端デバイスに接続されたカテーテルが、執刀医によって据え付けられた皮下トンネル内の位置から変位することを回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
目的は、添付の特許請求の範囲において規定された組織内方成長カフを備える外部終端デバイスによって達成される。
【0011】
有利には、本発明によるカフは、1つだけではなく2つの別個のダクロンバンドを備える。
【0012】
ダクロンバンドの幅は、今日の市場のカテーテルのものと比較して大きい。これは、容易に理解されるように、カフ自体の機械的把持をすでに大きく増大させる。
【0013】
生物学的な視点からは、この大きな幅は、細菌の進行に対する増大されたバリアを生じさせ、従って、細菌は、バリアを越えて血中に入れられたカテーテルの部分に到達することができる長い道を進まなければならないことは明らかである。
【0014】
2つのバンドの間には、剛性を有するポリスルホンリングがあり、ポリスルホンリングは、底部に、45°に向けられた、フックの形状の2つの小さい突起を備えている。2つの小さい突起は、挿入の瞬間には、突起に外側からかけられるシンプルかつ軽い圧力により、下にある筋肉帯にアンカー固定され、これは、カフ自体の機械的把持を強化し、安定させる。
【0015】
さらなる特徴及び利点は、添付の図面を用いて非限定的な例として示された、外部終端デバイスの好ましいが非排他的な実施形態の本説明でより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】閉鎖位置にある、本発明によるデバイスの実施形態の全体的な斜視図を示す。
図2図1のデバイスの平面図を示す。
図3図1のデバイスの側面図を示す。
図4】カバー要素及び閉鎖蓋のない、図1のデバイスの平面図を示す。
図5図1のデバイスの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照し、図1は、閉鎖位置にある、すなわち血液処理機の流れラインに接続されていない、本発明による外部終端デバイスの実施形態の全体的な不等角投影図である。全体として符号1として示された外部終端デバイスは、患者に挿入された2ルーメンカテーテルに接合される。以下で詳細に説明されるように、符号3として示されるカテーテルは、外部終端デバイスを患者にアンカー固定するように構成されたチューブ状コーティング2を通過することができる。
【0018】
それぞれ図1の外部終端デバイス1の平面図、側面図及び遠位端図を示す図2から図4も参照し、外部終端デバイス1は、ケーシング4を備え、ケーシング4は、ベース5と、全体として符号7として示されたネジによりベース5に固定された取り外し可能なカバー6と、を備えている。外部終端デバイス1を患者の皮膚に縫い付けるのに役立つ2つのリング8が、ベース5に統合されている。ケーシング4は、蓋10によって閉鎖される。
【0019】
外部終端デバイス1の分解斜視図である図5も参照すると、ケーシング4は、殺菌スポンジ21が介在して蓋10によって閉鎖されるように示されている。蓋10は、遠位突起22,22を有し、遠位突起22,22の端部は、取り外し可能なカバー6内で符号23として示された対応する凹部と、ケーシング4のベース5の底壁において外部に作り出された同様の凹部(図示せず)と、と係合する。
【0020】
ベース5は、側壁50を有し、取り外し可能なカバー6は、ネジ7により、ガスケット11が介在して側壁50上に固定される。ベース5は、血液透析のための処理設備(図示せず)の流れラインに関して遠位開口部12と、一組の近位開口部13,13と、を有する。
【0021】
遠位開口部12及び近位開口部13,13は、セプタムの挿入のためのガイドを形成するように構成された溝によって、3つの側で画定される。特に、図5に示されるように、遠位開口部12は、以下で分かるように、セプタム14の挿入を提供する。
【0022】
ケーシング4内に収納されたフィッティング15は、カテーテル3と係合する遠位管16と、2つの近位管17,17と、を有する。一組の湾曲チューブ18,18の各チューブは、フィッティング15のそれぞれの近位管17上で挿入される遠位端180と、近位端181と、を有する。一組のノズル190,190が、湾曲チューブ18,18の近位端181,181内に挿入される。遠位開口部12は、チューブ主要部140を備える漏斗状セプタム14を受容し、カテーテル3は、チューブ主要部140の内側で、フィッティング15の遠位管16に接続される。チューブ状コーティング2は、チューブ主要部140上に接合され得る近位端と、カテーテル3に同軸的に取り付ける遠位端と、を有する。組織内方成長材料の一組のバンド90,91が、チューブ状コーティング2上に固定され、アンカー固定手段を備えるアンカーリング92が、バンド90,91の間に挟まれる。
【0023】
アンカー固定手段は、リング92から外向きに面する、好ましくはフックのような2つの鋭い突起93,93からなる。鋭い突起93,93は、有利には、45°だけ互いに対して角度をつけられ、患者の皮膚に対して反対側に面する。好ましくは、1cmよりも大きい幅のバンド90,91は、ダクロンから作られる一方で、アンカーリング92は、ポリスルホンから作られる。
【0024】
ベース5の内側に配置されたフィッティング15にフック結合されるカテーテル3は、セプタム14のチューブ主要部140を通過する。フィッティング15の遠位管16は、通常、カテーテル3内に挿入される2ルーメンカテーテル部分である。フィッティング15の2つの近位管17,17は、湾曲チューブ18,18の遠位端180内に挿入される。ケーシング4の壁50の近位開口部13,13内に保持されるよう意図されたセプタム19,19を通して受容されたノズル190,190が、湾曲チューブ18,18の近位端181内に挿入される。
【符号の説明】
【0025】
2 チューブ状コーティング、3 カテーテル、4 ケーシング、5 ベース、6 カバー、10 蓋、12 遠位開口部、13 近位開口部、14 漏斗状セプタム、15 フィッティング、16 遠位管、17 近位管、18 湾曲チューブ、50 側壁、90,91 バンド、92 アンカーリング、93 突起、140 チューブ主要部、180 遠位端、181 近位端、190 ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】