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特表2023-512602固定スペーサー付き円形プライヤピン留めクリップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(54)【発明の名称】固定スペーサー付き円形プライヤピン留めクリップ
(51)【国際特許分類】
   B25B 31/00 20060101AFI20230317BHJP
   F16B 19/10 20060101ALI20230317BHJP
【FI】
B25B31/00
F16B19/10 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022572808
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(85)【翻訳文提出日】2022-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2021052658
(87)【国際公開番号】W WO2021156362
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】2001167
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522308602
【氏名又は名称】リージ・エアロスペース
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・ブラッシェ
【テーマコード(参考)】
3J036
【Fターム(参考)】
3J036AA01
3J036CA03
3J036CA04
3J036FA01
(57)【要約】
固定スペーサー付き円形プライヤピン留めクリップ。少なくとも二つの穿孔された構造部分(200a、200b)を一時的に組み立てるためのピン留めクリップ(100)であって、長手方向軸線Xに沿って延び、構造部分の第1の面(201a)に接触するための軸受面(151)を有する円筒状の本体(10)を備え、前記部分に形成された対向する孔を通過可能なプライヤ(20)を備え、前記プライヤは、前記プライヤのネジ付き端部(21)と協働するネジ付き孔(41)を備えたタイロッド(40)の前記軸線を中心とする回転により駆動されて長手方向軸線に沿って並進移動可能であり、前記プライヤ(20)は、構造部分の後面部(202b)に接触するように設けられた係止突起(23)で終わる分岐(22)を備え、前記分岐は、前記分岐の間に配置されて本体(10)に対して固定されたスペーサー(30)に沿って放射状かつ漸進的に移動可能であり、前記プライヤの反動の影響下で、前記プライヤの縦方向溝(24)に導入され、前記本体に対して固定された要素内に設けられた溝(111、131)内で回転係止される横断部(32)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つの穿孔された構造の部分(200a、200b)を一時的に組み立てるためのピン留めクリップ(100、100')であって、前記クリップは、長手方向軸線Xに沿って延び、構造部分の第1の面(201a)と接触するように設計された軸受面(151)を有する円筒状の本体(10)と、前記部分に形成された対向する孔を通過するのに適したプライヤ(20)とを含み、前記プライヤ(20)は、長手方向軸線に沿って並進移動可能であり、前記プライヤのネジ付き端部(21)と協働するネジ付き孔(41)を備えたタイロッド(40)の前記軸線周りの回転によって駆動され、前記プライヤのネジ端部(21)と協働するネジ付き孔(41)を備え、前記プライヤ(20)は、各々が、構造部分の後面部(202b)と接触するように意図された係止突起(23)内で終端する可撓性の分岐(22)を含み、該分岐は、該分岐の間に配置され、スペーサー(30)に沿って半径方向に漸進的に移動可能であり、前記分岐は、前記分岐の間に配置され、プライヤの反動の作用下で本体(10)に対して固定され、
本体に対して固定された部材に形成された係止溝(111、131)に回転係止する横方向部分(32)を有し、前記プライヤ(20)が、本体に対する前記プライヤの変位中に前記横方向部分上を摺動し、前記横方向部分に対する前記プライヤの回転を係止することができる少なくとも1つの縦方向溝(241)を有するスペーサー(30)、
隣り合う二つの分岐(22)を分離する少なくとも一つの溝孔(221)が、クリップの少なくとも縦方向溝(241)に連通していることを特徴とするクリップ。
【請求項2】
前記係止溝(111)は、前記本体の端部(11)に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記係止溝(131)は、前記本体の端部(11)に収容される内側部分(13)に形成され、前記内側部分は前記本体に対して固定されていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
【請求項4】
前記内側部分(13)は、多平面の外面を有し、前記端部(11)部分は、前記内側部分の縁部を受けることができる少なくとも一つの切欠部(112)を含む、請求項3に記載のクリップ。
【請求項5】
前記内側部分(13)は、多断面の外面を有し、前記端部(11)は、多断面の内面を有することを特徴とする、請求項3に記載のクリップ。
【請求項6】
前記軸受面(151)は、前記本体(10)の端部(11)に嵌合するエンドキャップ(15)の略平面環状面に対応することを特徴とする請求項2に記載のクリップ。
【請求項7】
前記端部(11)は、非円形の外面を有する、請求項6に記載のクリップ。
【請求項8】
前記スペーサー(30)は、円筒形断面の長手方向部分(31)を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のクリップ。
【請求項9】
タイロッド(40)は、本体(10)内で、長手方向軸線Xを中心とした回転および前記軸線に沿った並進運動が可能である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のクリップ。
【請求項10】
前記本体(10)内の前記プライヤ(20)の周囲の空間に配置され、前記本体(10)の軸受面(12)と前記プライヤのネジ付き端部(21)の円形の端部との間に長手方向の力を及ぼすスプリング(50)をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的固定具、特にピン留めクリップとして知られる一時的固定具の技術分野に属し、より詳細には、「複数の突起」と呼ばれる複数の突起を有する円形プライヤを備えた固定スペーサーを有するピン留めクリップに関するものである。
【0002】
本発明は、例えば航空産業におけるプレートなどの構造物の組み立てに直接適用できる。
【背景技術】
【0003】
(先行技術)
プレートまたはシートをリベット留めによってプレート又はシートを確実に固定する前に、プレートを定位置に保持するために、前記プレートの対向する孔に交差するピンを固定することによって、プレートの仮組立を行うことが慣習的であるこの組立工程は、特に航空機の翼と胴体との接合作業時に、航空機の製造に用いられる。
【0004】
出願人の名称で特許文献1および特許文献2に記載されているような固定スペーサーを有する組立用クリップは、特に、組み立てられる二つの部品のうちの一つの外側面と接触するように意図された軸受面を備えた本体と、本体に対して固定され、軸受面から露出するスペーサーと、係止突起を備えた二つの分岐を備えた弾性プライヤのような細長い要素とを備えている。
【0005】
特許文献3は、スプリングプライヤの分岐が圧縮片を介してネジ付きボルトに連結され、細長い要素は、その回転を阻止しながら本体内で摺動することができる六角形ナットと、前記細長い要素と本体との間に相対運動を発生させるための制御機構とを備えている固定スペーサー組立体用クリップを記載している。
【0006】
従って、制御機構の作用の下で、細長い要素は、本体に対して固定されたスペーサーの作用の下で、突起係合部の平坦な裏面が第2の部分の対応する孔の端で第2の要素の外側面に当接するまで、徐々に後退する。次に、各部品は、本体の軸受面とプライヤの分岐の突起の裏面との間で互いにしっかりと押圧される。
【0007】
このピン留めクリップは広く使用され、可動式スペーサークリップに比べて部品点数も少ないが、いくつかの欠点がある。
【0008】
実際、既存の固定スペーサークリップは、クリップの回転を妨げる六角ナットの存在のために、かなり長い外径を有する本体を有し、これは、複数のピンを近接した孔に挿入しなければならない場合に、その使用を困難にする。また、前記ピンは、その本体の長さが長いため、例えば、取り付けられたピンの近くに固定具をドリル加工または取り付けなければならないロボットの走行を妨げるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】仏国特許出願公開第3080155号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第3014969号明細書
【特許文献3】英国特許出願公開第959936号明細書
【発明の概要】
【0010】
(発明の概念)
本発明は、従来技術の欠点、特に、円形(いわゆる円筒形)プライヤ構成において所定の位置に分散機で固定する問題を克服することを目的とする。
【0011】
この目的のために、本発明は、少なくとも二つのドリル加工された構造部品の仮組立用のピン留めクリップであって、長手方向軸線Xに沿って延び、構造部品の第1の面と接触するように意図された軸受面を有する円筒形の本体を備え、前記部品に形成された対向するドリルを通過することができるプライヤであって、前記プライヤは、長手方向軸線に沿って移動可能であり、前記プライヤのネジ付き端部と協働するネジ付き孔を備えたタイロッドの前記軸線を中心に回転することによって駆動され、前記プライヤは、それぞれ、構造部品の最後の面と接触するように意図された係合突起で終わる柔軟な分岐を備え、前記分岐は、スペーサーに沿って半径方向に且つ徐々に後退することができ、前記分岐の間に配置され、かつ本体に対して固定され、プライヤの反動の作用の下で、前記分岐は、半径方向に且つ徐々に後退しながら移動することができるプライヤに関連する。このクリップは、前記スペーサーが、前記本体に対して固定された要素に設けられた係止溝に回転が係止された横方向端部を有し、前記プライヤが前記本体に対するプライヤの変位中に前記横方向端部上を摺動可能でありかつ前記横方向端部に対する前記プライヤの回転を係止可能な少なくとも一つの縦方向溝を有することが特徴である。二つの隣接する分岐を分離する少なくとも一つの溝は、プライヤの少なくとも縦方向溝に連通している。
【0012】
前記係止溝は、前記本体の端部に形成されている。
【0013】
前記係止溝は、前記本体の端部に収容された内部に形成され、前記内部が前記本体に対して固定されていることを特徴とする。
【0014】
さらに具体的には、内側部分は、多平面の外側表面を含み、端部は、内側部分の縁部を受け入れるように適合された少なくとも一つの切欠部を備える。
【0015】
或いは、前記内側部分は多重溝外面を有し、前記端部部分は多重溝内面を有する。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、軸受面は、本体の端部の周りに嵌合するエンドキャップの実質的に平坦な環状面に対応する。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、端部は非円形の外面を有する。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、スペーサーは、円筒形断面の長手方向部分を有する。
【0019】
タイロッドは、長手方向軸線Xを中心に回転し、本体内部の前記軸線に沿って並進運動するのが有利である。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、クリップは、本体の軸受面とプライヤのネジ付き端部の環状縁との間に長手方向の力を及ぼすように、プライヤの周囲の本体内の空間に配置されたスプリングをさらに含む。
【0021】
最も基本的な形態で上述した本発明の基本概念、他の詳細および特徴は、以下の説明を読み、添付図面を参照することにより、より明確になるであろう。添付図面は、非限定的な例として、本発明の原理によるピン留めクリップの実施形態を示す。
【0022】
(図面の提示)
同じ図および図の要素は、必ずしも同じ寸法で表されるとは限らない。全ての図において、同一又は同等の要素は、同一の数値参照を有するものとする。以下にその例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態によるピン留めクリップの斜視図。
図2】本発明の別の実施形態によるピン留めクリップの側面図。
図3】部品の組立品における初期位置における図2のクリップの断面。
図4図2のクリップの分解斜視図。
図5図1のクリップのプライヤの側面図。
図6図1のクリップのプライヤを除いた部分透視図であり、ロックされたスペーサーを示す。
図7A】最小把持位置における本発明によるピン留めクリップ。
図7B】中間把持位置における本発明によるピン留めクリップ。
図7C】最大把持位置における本発明によるピン留めクリップ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施方法の詳細な説明)
後述する実施方法では、主に、航空宇宙産業における少なくとも二つのプレート型貫通部品の仮組立を主な目的とするピン留めクリップを参照する。この非限定的な例は、本発明のより良い理解のために与えられており、自動車産業のような関連産業における他のタイプの構造に対するその使用を排除するものではない。
【0025】
説明の後半では、用語「クリップ」とは、貫通部品の仮組立用のピン留めクリップを指すために使用される。
【0026】
図1図5および図6は、本発明の第1の実施例に関するものであり、図2図3図4および図7A図7Cは、本発明の第2の実施例に関するものである。
【0027】
図は、円筒状の本体10と、本体内に保持され、前記本体から前記軸線方向外側に延びるプライヤ20と、本体に対して固定され、半径方向にプライヤを開くことができるスペーサー30と、本体10内でプライヤ20にネジ止めすることによってクリップを作動させ、それによって固定されたスペーサー30に後退することによって前記プライヤを開くことができるタイロッド40とを有するクリップ100または100'について示している。「円筒状」とは、中空の細長い形状であって、その断面は必ずしも円形でなく、多角形であってもよく、又は様々な形状及び/又は直径の部分を有していてもよいものをいう。
【0028】
図3を参照すると、クリップ100は、本体10とプライヤ20との間で少なくとも二つの貫通した部分200a、200bを互いにしっかりと押圧することによって、前記プライヤは、前記部品に設けられた対向する孔を通過してこれらの部分を一時的に係合することを可能にする。結果として生じる押圧力は、クリップを把持することによって制御される。
【0029】
図示の実施例によれば、本体10は、円形断面を有する略円筒形状を有し、その一方の端部に、組立部品に接触するように意図された先端部15によって閉塞された端部11を備える。端部11は、先端部15が当接する肩部を画定するように、本体の直径よりも小さい直径を有する。端部11は、ネジ付き端部を受けるためのネジ付き円形外形、または正方形または六角形のような非円筒形外形を有することができる。図1図5、および図6の例では、端部11は、全体に貫通した略正方形の外形を有する本体10から離れた内側部分13の隅部を受け入れるための切欠部112を含む。これにより、本体10において内側部分13の回転が遮断される。もちろん、内側部分13と本体10との他の形状の組み合わせ、例えば、メス型マルチフラップ形状におけるオス型マルチフラップ形状と、内側部分が回転することなく本体内に嵌合することを可能にする多数の同一または複数のキャップとの組み合わせが可能である。
【0030】
エンドキャップ15は、例えば、本体10の端部11の周りにネジを通すことによって固定されたり、クリップ止めまたはスナップ止めによって嵌合されたりすることができ、組み立てられる部品との接触を改善するために、環状の、好ましくは平坦な軸受面151を画定する。付属品として、前記先端部15は、前記軸受面151と接触する部品の損傷を制限するために、その軸受面の周囲に丸みを有する。
【0031】
端部11の形状が非円形の場合、先端部15は、その回転を阻止しながら先端部を端子部に取り付けることができる相補形状を有する。
【0032】
あるいは、図示しないが、軸受面151は、図5および図6の例によるエンドキャップの環状面、および本体10の端部11または内側部分13の環状面によって形成される。
【0033】
図示されていない別の実施例では、クリップは先端部を有しておらず、軸受面151は、例えば、その端部を半径方向内向き又は外向きに変形させることによって、本体10の一端部によって直接形成される。
【0034】
プライヤ20は、図3および図4を参照すると、環状であり、ネジ状の端部21と、屈曲可能な分岐22を備えた第2の端部とを有し、これらの脚部22の各々は突出した係止突起23で終わる。
【0035】
静止位置(図1および図2)では、分岐22が先端を切った円錐形の曲率を形成するように、突起部は互いに向かって収束する。
【0036】
前記プライヤ20はまた、前記ネジ付き端部21と前記分岐22との間に長手方向軸線Xに沿って延びる筒形部分24を含む。
【0037】
分岐22は等間隔に配置され、各々が二つの隣接する分岐の間に複数の溝孔221を形成する。図示の例によれば、二つの直径方向に対向する溝孔221が前記プライヤ20の前記筒形部24内に延在して前記ネジ付き端部21の近傍に回転防止溝241を形成している。
【0038】
あるいは、図示しないが、溝孔221のみが前記プライヤの筒形部分24内に延びて、回転防止溝241を形成する。
【0039】
図3の断面に示されるネジ付き端部21は、中空円筒形状であり、その外側表面にネジを有する。
【0040】
図4を参照すると、スペーサー30は、好ましくは円形断面の長手方向部分31と、スペーサーの頭部を形成する横断部32とを有するT字形棒状の棒である。長手方向部分31の円形部分は、把持部の前記筒形部24と前記分岐22とが前記長手方向部分上を移動できるような寸法に形成されている。また、前記長手方向部分31は、前記分岐22の前記係止突起23が収束し、かつ前記プライヤの前記筒形部24の外径に最大で等しい外径を有するように、前記プライヤ20よりも短い。
【0041】
あるいは、前記長手方向部分は、長方形、十字形または楕円形の断面を有することができる。
【0042】
図示の実施例では、スペーサー30のヘッド32は、二つの平坦部から形成され、本体10の端部11の直径方向の溝111(図4の実施例)または内側部分13の溝部131(図6の実施例)に配置され、スペーサー30は、図6に示すように、機能的な間隔内で、本体に対して回転可能な状態で係止される。
【0043】
図4の組立分解図を参照すると、スペーサー30は、プライヤ20の二つの回転防止溝241に連通する二つの溝221内に長手方向に挿入され、該回転防止溝は、スペーサーのヘッド32の平坦部の通過を可能にし、次いで、該ヘッドは、本体10の溝111に係止される。これにより前記スペーサー30は、前記本体に対して前記回転が係止されるとともに、前記プライヤ20の回転が、前記プライヤの移動時に前記スペーサーの前記ヘッド32の平面に滑走する溝241によって阻止される。
【0044】
単一の回転防止溝241を有する実施形態では、明らかに、スペーサーのヘッドは、溝に関連する溝221内を滑るように設計された単一の平坦部のみを含む。
【0045】
前記スペーサー30は、前記本体10に対して固定されており、前記プライヤの前記本体に対する変位、より正確には後退の影響を受けて、前記分岐22を互いに離間させることにより、前記プライヤ20を開放することができる。この動きは、クリップ100、100'の制御要素を構成するタイロッド40の作動によって生じる。
【0046】
図3を参照するとタイロッド40は、工具の使用前に必要な把持力又は少なくとも予備把持力を低減するために、タイロッドの自由端部では、使用者が手動で把持する領域に対応する直径が大きい可変直径の円形断面を有する略円筒形形状を有する。この可変部は、タイロッドの開放端と本体10内に収容されたその反対端との間に、本体10の上流側に谷部42を形成する。実際には、タイロッド40は、軸Xの摺動枢軸接続で本体10に取り付けられる。
【0047】
タイロッド40は、別のプライヤのクリップを受け入れるように構成された、閉じた端部に凹部43を有する。実際には、複数のクリップが、ロボットフィードおよび送達システムにおいて管を介して順次供給される場合、凹部43は、クリップが管の中央に配置されることを可能にする。
【0048】
図示の実施例において、凹部は、角度α、例えば120°の円錐であり、クリップの縦軸Xと実質的に一致する軸である。型の形状は、他のプライヤ形状に合わせて変化させることができる。この成形は任意であり、タイロッドは、クリップの動作に影響を与えることなく、側壁によって閉じることも、開くこともできる。
【0049】
図3に示すように、本体10の軸受面12とネジ付き端部21の環状縁との間に長手方向の力を及ぼすように、プライヤ20の筒形部分24の周りの本体内の空間に弾性要素50が配置されることが望ましいが、必ずしもそうではない。図3に示す実施例では、弾性要素は皿ばね座金で構成されているが、押圧バネを使用することも可能である。弾性要素の機能は、部分200aと200bとの間に介在するセメントのクリーピングにもかかわらず、二つの貫通された部分200aと200bに一定の押圧力を維持し、クリップによって挟持された部分の厚さを減少させることである。弾性要素50もまた、例えば航空機の外板の穿孔中に構造内に配置されたクリップによって検知される潜在的な振動を吸収する。
【0050】
弾性要素50は、縦軸Xに沿って、プライヤ20を引き込む方向、すなわちタイロッド40の孔41に向かって押圧するような力を恒久的に働かせる。
【0051】
前述のように、前記クリップ100または100'は、異なる厚さであってもよい二つの部分200aおよび200bを、例えばリベット止めによってそれらを最終的に固定することを視野に入れて、一時的に組み立てることを可能にする。前記クリップは、複数の部品を接合する場合にも用いることができる。
【0052】
これを行うために、まず、前記部品の孔にプライヤ20を挿入し、次に、前記部品の孔を対向させ、プライヤを最小把持位置にする。最小把持位置のまま、クリップは、本体10の先端部15の軸受面151が前記部分200bの前面201aに接触するまで、前記プライヤ20を介して前記部分に挿入される。
【0053】
続いて、本体10に対して回転移動可能なタイロッド40を回転させてクリップを徐々に締め付け、分岐22の係止突起23を前記部分200bの後面部202bに接触させる。実際、前述したように、タイロッド40の回転は、ネジの孔41と、この孔に最初に係合したネジ付き端部21との間の協働により、長手方向Xに沿ったプライヤ20の並進を生じる。従って、プライヤ20の変位は、タイロッド40内の部分的な引き出しに対応する。続いて、クリップの把持は、本体10と係止突起23との間の部分200aおよび200bの確実な押圧に対応する最大把持位置に達するまで継続される。この位置では、係止突起23は、係止面231を介して第2の部分200bの後面部202bに接触している。
【0054】
第二の部分200bの後面部202b、より正確には前記面の孔の壁面の係合が可能となり、前記孔は、前記プライヤの把持に伴う前記プライヤの開口部によって分岐22の間隔を生じ、係止面231によって形成される環状面の係止突起23の外径は、クリップが挿入される第二の部分200bの孔の径よりも大きくなる。
【0055】
実際には、プライヤ20およびその結果としての分岐22の本体10からタイロッド40に向かう方向への変位は、スペーサー30の分岐22の広がりを引き起こし、後者は本体10に対して固定された状態にとどまる。
【0056】
分岐22の輪郭、特にスペーサー30と接触している内側の輪郭は、クリップが把持されるとすぐに、前記分岐が互いに離れ始めるように成形される。
【0057】
プライヤ20の分岐22の広がりは、図7Cに示すように、スペーサー30が係止突起23を通過するまで継続することができる。
【0058】
このように、係合口が組立体の後部の孔の壁に接触したときに作用する力が、外側前部が本体の軸受面に当接している他の部品に対して、後者を駆動する。したがって、部品をしっかりと圧着する。
【0059】
図7A図7Cは、連続的な把持位置におけるクリップを示しており、クリップ100を使用することができる組立体の最小の総厚に対応する最小ストロークxminに把持が進むにつれてプライヤ20のストロークxが漸次減少する。
【0060】
好ましくは、クリップは、例えば、その本体10において、より大きな直径Dを有する。
【0061】
従来技術の固定スペーサー付きクリップは、クリップの回転防止機能がスペーサーのヘッドに移動して六角ナットが不要になったため、従来技術の固定スペーサー付きクリップに比べて、本体の直径D及び長さLを小さくすることができる。また、プライヤとネジ付きロッドを一つの部材から作ることができ、圧着部や六角ナットを必要としないので、本体の長さも短くなる。六角形ナットを省くことによって、本体及びタイロッド組立体の全長を短くしながら、より有用な長さのプライヤをタイロッドに係合させることができる。
【0062】
したがって、既存のクリップの12.7mmの本体直径と比較して、10.6mmの本体直径に対して3.2mmから6.35mmまでの範囲で異なる孔を貫通することができる固定スペーサー付きクリップを設計することが本発明によって可能である。
【0063】
本説明を考慮すると、本発明の特定の要素は、説明および図示された実施例に限定されない本発明の範囲を超えることなく、異なる方法で実現され、または他の同等の要素によって置き換えられ得る。例えば、円筒形プライヤの支柱の数が変化してもよく、分散器の横方向要素の形状も変化してもよく、その結果、それをブロックするために使用される直径溝の数もそれに応じて変化してもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 本体
20 プライヤ
30 スペーサー
40 タイロッド
100 クリップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
【国際調査報告】