IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メドテンティア・インターナショナル・リミテッド・オサケユキチュアの特許一覧

特表2023-512615対象物を解剖学的標的位置に導入するための医療装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-28
(54)【発明の名称】対象物を解剖学的標的位置に導入するための医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20230320BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543596
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 FI2021050016
(87)【国際公開番号】W WO2021144501
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】16/742,974
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513277083
【氏名又は名称】メドテンティア・インターナショナル・リミテッド・オサケユキチュア
【氏名又は名称原語表記】MEDTENTIA INTERNATIONAL LTD OY
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケラネン、オッリ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC06
4C097DD09
4C097DD12
(57)【要約】
医療装置(100)は、遠位端から解剖学的標的位置(20)にインプラント(110)などの対象物を導入するように構成されている。医療装置は、遠位端および近位端を有する第1の導入器(101)と、遠位端および近位端を有する第2の導入器(102)と、を備える。第1の導入器(101)は、外側導入器であり、該第2の導入器(102)は、内側で操作され、かつ該第1の導入器(101)によって誘導されるように構成されている。第1の導入器(101)の少なくとも一部分は、第1の湾曲形状(101C)をとるように構成されており、該第2の導入器(102)の少なくとも一部分は、第2の湾曲形状(102C)をとるように構成されている。第2の導入器(102)の少なくとも一部分は、解剖学的標的位置(20)に向かってまたはその中に送達される前または後に、管状部材(120)および該第2の導入器(102)を通して対象物またはインプラント(110)を導入することを可能にするために、該第2の導入器(102)の内側に管状部材(120)を受容するように構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置(100)であって、前記医療装置の遠位端から解剖学的標的位置(20)にインプラント(110)などの対象物を導入するように構成されており、前記医療装置が、
-遠位端および近位端(101A、101B)を有する第1の導入器(101)と、
-遠位端および近位端(102A、102B)を有する第2の導入器(102)と、を備え、
-前記第1の導入器(101)が、外側導入器であり、前記第2の導入器(102)が、内側で操作され、かつ前記第1の導入器によって誘導されるように構成されており、
-前記第1の導入器(101)の少なくとも一部分が、第1の湾曲形状(101C)をとるように構成されており、前記第2の導入器(102)の少なくとも一部分が、第2の湾曲形状(102C)をとるように構成されており、
-前記第2の導入器の少なくとも一部分が、管状部材(120)および前記第2の導入器(102)を通して前記対象物またはインプラントを導入することを可能にするために、前記第2の導入器(102)の内側に前記管状部材(120)を受容するように構成されている、医療装置(100)。
【請求項2】
前記管状部材(120)が、前記第2の導入器(102)の内面よりも硬い内面を備える、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記管状部材(120)の内面が、金属または炭素繊維を含む、請求項1または2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記管状部材(120)が、丸いチューブまたはC字型プロファイルであり、前記C字型プロファイルが、前記第2の導入器の前記第2の湾曲形状の外側、上側、または下側部分を覆うように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項5】
前記管状部材(120)が、前記管状部材(120)の前記湾曲の外側に配置された切削部(123)を有し、かつ前記管状部材(120)が前記第2の導入器(102)と同じ中心方向に曲がることを可能にする、切削セクション(121)を備える、先行請求項のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項6】
前記切削部(123)が、レーザー切削である、請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
前記管状部材(120)の第1の側にある2つの隣接する切削部(123)の端部が、前記管状部材(120)の軸方向平面(126)に対して異なるレベル(127)にあるように非整列されており、前記軸方向平面(126)が、前記管状部材(120)および前記第2の導入器(102)の長手方向軸(124)と平行な平面であり、前記管状部材(120)の反対側の第2の側において、前記切削部(123)の前記端部が、前記管状部材(120)が第1の方向に曲がることを可能にするが、反対方向に曲がることには抵抗する長手方向非切削部分(128)を形成するように整列されている、請求項5または6に記載の医療装置。
【請求項8】
前記切削部(123)が、前記管状部材(120)の長手方向軸(124)に垂直である半径方向平面(126)から約10度傾斜している、請求項5~7のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項9】
前記切削セクション(121)が、非伸縮性である、請求項5~8のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
前記管状部材(120)が、前記切削セクション(121)の隣で、かつ前記第2の導入器(102)の前記近位端(102B)に向かう、遷移セクション(122)を備え、前記遷移セクション(122)が、前記切削セクション(121)よりも、同じ領域においてより少ない数の切削部(123)を備える、請求項5~9のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記管状部材(120)が、少なくともその前記遠位端に形状記憶材料を備える、先行請求項のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項12】
前記管状部材(120)が、前記第2の導入器(102)に導入される別個の管状部材である、先行請求項のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項13】
前記管状部材(120)が、前記インプラントを導入する前に前記第2の導入器(102)に導入されるように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項14】
前記管状部材(120)が、前記インプラントが前記管状部材(120)に導入された後に前記第2の導入器(102)に導入されるように構成されており、好ましくは、前記第2の導入器(102)が、前記第2の導入器(102)が前記解剖学的標的位置(20)に向けてまたはその中に送達された後に前記管状部材(120)およびインプラントを受容するように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項15】
少なくとも前記管状部材(120)が、少なくとも前記第2の導入器(102)に導入される前、前記第2の導入器(102)に導入している間、および/または前記解剖学的標的位置(20)に送達されるときに、冷却装置(129)によって冷却されるように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項16】
前記管状部材(120)が、前記第2の導入器(102)の内壁、特に前記第2の導入器(102)の前記第2の湾曲形状(102C)の領域に統合、コーティング、接着、積層または溶接されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項17】
前記管状部材(120)が、前記第2の導入器(102)に導入され、かつ前記第2の導入器(102)の前記近位端(102B)から前記第1の湾曲形状(101C)の前または前記第2の湾曲形状(102C)の前に存在する終点まで前記第2の導入器(102)に沿って延在するように構成されている、請求項1~15のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項18】
前記湾曲形状をとる前記導入器の前記部分が、前記導入器の遠位部分であり、前記遠位部分が、前記導入器の前記遠位端と近位端との間に位置している、先行請求項のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項19】
前記湾曲形状をとる前記第1または第2の導入器の前記部分がまた、前記第1および第2の湾曲形状の方向、または僧帽弁平面に本質的に垂直な角度を形成するように構成されている、先行請求項のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項20】
前記第1の導入器(101)が、カテーテル、特に外側操縦可能なカテーテルであり、前記第2の導入器(102)が、カテーテル、特に操縦可能なカテーテルである、先行請求項のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項21】
前記解剖学的標的位置(20)が、左心房または左心室または僧帽弁の弁輪の領域であり、その上で、前記第1の導入器が、僧帽弁平面に対して45°未満の角度で、本質的に前記僧帽弁平面内に、前記僧帽弁の前記弁輪の第1の側に送達されるように構成されており、その上で、前記第2の導入器が、弁膜の間の前記僧帽弁の前記弁輪の第2の側に送達されるように構成されており、前記弁輪の前記第2の側が、前記第1の側の反対側にある、先行請求項のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項22】
解剖学的標的位置(20)に対象物またはインプラント(110)を導入するための方法であって、前記方法において、
-第1の導入器(101)は、第1の導入器(101)の少なくとも一部分が第1の湾曲形状(101C)をとる、前記解剖学的標的位置(20)に向かってまたはその中に送達されており、
-第2の導入器(102)は、前記第2の導入器が前記第1の導入器(101)の遠位端(101A)から導入されたときに、前記第2の導入器(102)の少なくとも一部分が第2の湾曲形状(102C)をとる、前記第1の導入器(101)の内側の前記解剖学的標的位置(20)に向かって、またはその中に送達されており、
-前記第2の導入器(102)の少なくとも一部分が、前記解剖学的標的位置(20)に向かってまたはその中に送達される前または後に、前記第2の導入器(102)の内側に管状部材(120)を備え、前記管状部材(120)が、前記管状部材(120)および前記第2の導入器(102)を通して前記対象物またはインプラント(110)を誘導する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解剖学的標的位置に、スパイクまたは他の鋭い突起を伴うインプラントなどの対象物を導入するための医療装置に関する。インプラントは、例えば、心臓インプラント(弁輪形成医療デバイスのようなもの)であり得、解剖学的標的位置は、僧帽弁または三尖弁などの心臓弁の弁輪であり得る。
【背景技術】
【0002】
図1Aは、解剖学的標的位置の例として、心臓12の一部分、僧帽弁18、および左心室14を例証する。僧帽弁は、その境界で、弁輪20によって周回されている。本弁は、2つの弁尖または弁膜22、24を有する。これらの弁尖または弁膜22、24の各々は、それぞれ接続している腱26、28を介して、それぞれの乳頭筋27、29に接続されている。正常な健康な個体では、対向する弁膜の自由縁は、接合によって弁を閉じる。しかしながら、一部の個体にとっては、閉鎖が完了していないため、弁閉鎖不全とも呼ばれる逆流が生じ、すなわち、左心房への血液の逆流が、心臓の効果を低下させ、患者に深刻な結果をもたらす。図1Bは、弁膜22、24が適切に閉じない僧帽弁18を例証する。これは、一般に、弁輪20が拡張するときに起こる。これを修正するための1つの外科処置は、弁膜24の一部分を除去し、切断された縁を互いに縫い合わせることである。この処置は、弁輪20をより正常な位置に引き戻す。しかしながら、弁膜24の強度は、変更される。弁膜が適切に閉じているにも関わらず、一方または両方の弁膜が左心房に向かって血液が流れている程度に穿孔されている場合、心機能があまり効果的でない同様の問題が起こる。
【0003】
変性した心機能のいくつかの状態では、弁膜は、変性弁疾患のように、固体表面を提示しない。弁膜は、最も一般的に、弁膜の縁で破裂し、不完全な接合をもたらし得る。したがって、心臓デバイスおよび方法は、心臓弁の1つ以上の弁膜、または弁膜の心室側に取り付けられた腱などの他の関連する解剖学的構造体を修復するために開発されている。
【0004】
図2Aおよび図2Bは、解剖学的標的位置に送達および導入される例示的なインプラント、特に、心臓インプラント110を例証する。本インプラントは、1つ以上のループ形状構造体111、112を備え得る。有利には、1つの第1のループ形状構造体は、心臓弁の第1の側20Aに当接するように構成されており、1つの第2のループ形状構造体は、弁の反対側の第2の側20Bに当接し、それによって、第2の支持構造体111と第1の支持構造体112との間の弁組織20の一部分を捕捉するように構成されている。インプラント110は、解剖学的標的位置への導入後にその位置にインプラントを維持するために、歯113を有し得る。
【0005】
インプラントは、典型的には、1つ以上の導入器を介して送達され、したがって、通常、インプラントが細長い形態を有する、送達状態を有している。第1の導入器は、第1の延在部に送達されており、第2の導入器は、解剖学的標的位置に近いかまたは隣にある第2の延長部に送達されている。第1の導入器は、その遠位端部分に有利に第1の湾曲を提供し、第2の導入器は、その遠位端部分に第2の湾曲を提供する。また、3つ以上の導入器を、使用することができる。
【0006】
インプラントは、典型的には、第1の温度での送達状態の細長い形態などの第1の形状を有し、第2の温度でのループ形状形態などの第2の形状を有する形状記憶材料を含む。第2の温度は、本質的に体温に有利に対応し、その上で、インプラントは、例えば、心房内の血流とともに導入されるときに、ループ形状形態に対応する第2の形状をとる。
【0007】
しかしながら、特に、歯を伴うインプラントなどの鋭い突起を伴う対象物が、解剖学的標的位置に導入器を介して導入されるときに、いくつかの問題が生じる、すなわち、鋭い突起が、第2のまたはさらに(最も内側の)導入器の内面を容易に引っ掻くことになる。これは、対象物が第2の導入器に簡単に詰まり、加えて、対象物がまた第2の導入器に移動する傾向があることを引き起こす。さらに、対象物は、第2の導入器の柔らかい内壁面を容易にすり減らし、それによって、微細な粒子が患者の解剖学的標的位置に運ばれ得るため、非常に望ましくない現象である内壁材料の微細な粒子を放出する。特に、これは、最も内側の導入器に湾曲があり、導入器が曲がっている一部分で起こる傾向がある。
【発明の概要】
【0008】
公知の従来技術に関する問題を緩和し、解消することが、本発明の目的である。特に、本発明の目的は、容易、高速、安全かつ正確な方法で、解剖学的標的位置に、対象物、特に、歯などの鋭い突起を伴うインプラントを導入するための医療装置を提供することである。
【0009】
いくつかの実施形態では、対象物がカテーテルの湾曲部分に詰まることなく、カテーテルを通して容易にスライドし得る医療装置が提供される。加えて、本発明の目的は、対象物の鋭い突起が、導入器/カテーテルから解剖学的標的位置に任意の内壁材料を抽出または放出しないように、導入器を通して対象物を導入することであり得る。
【0010】
本発明は、請求項1に記載の心臓弁の弁輪に心臓用インプラントなど、解剖学的標的位置に歯またはスパイクを伴うインプラントなどの対象物を導入するための医療装置に関する。
【0011】
本発明による医療装置は、解剖学的標的位置に歯を伴うインプラントなどの鋭い突起を伴う対象物を導入するように構成されている。特に、本発明は、装置の遠位端から心臓弁の弁輪などの解剖学的標的位置に、心臓インプラント、または歯を伴う弁輪形成医療デバイスを導入するように構成されている。心臓弁は、例えば、僧帽弁または三尖弁であり得、それらのみに限定されない、
【0012】
実施例によれば、対象物は、使用において、1つの第1のループ形状構造体が、心臓弁の第1の側に当接し、1つの第2のループ形状構造体が、弁の反対側の第2の側に当接し、それによって、第2の支持構造体と第1の支持構造体との間の弁組織の一部を閉じ込めるように構成することができるように、1つ以上のループまたはコイルのいずれかを有するループ形状の支持部分を備える、インプラントである。また、心臓弁の第1の側に当接するように構成された、第1のループ形状構造体が1つのみ存在し、第2の支持構造体ではない、またはその逆ではない可能性がある。インプラントは、完全に送達されると、僧帽弁のための支持を提供するように有利に適合される。有利には、インプラントは、解剖学的標的位置の組織に貫通し、それによってインプラントを使用中にその位置に維持するように構成される、(図2Bに示されるような)鋭い歯を備える。これは、例えば、歯が傾斜している(インプラントの長手方向軸に対して垂直ではない)場合、脈動運動が、その位置から外れるインプラントの回転を引き起こす可能性があるので、例えば、心臓などの脈動環境では困難であり得る。
【0013】
一実施形態によれば、医療装置は、遠位端および近位端を有する第1の導入器を備える。本導入器は、特に僧帽弁平面内または近傍の僧帽弁領域などの解剖学的標的に送達されるように有利に構成されている。加えて、本装置はまた、遠位端および近位端を有する第2の導入器を備える。第1の導入器は、外側導入器であり、第2の導入器は、内側で操作され、かつ該第1の導入器によって誘導されるように構成されている。第1の導入器が僧帽弁平面内または近傍に送達されるとき、導入器、したがってインプラントの角度はまた、導入器、したがってインプラントがまた、弁輪および心臓の湾曲および解剖学的形状に従うように、非常に最適である。したがって、導入器またはインプラントの急湾曲は、必要なく、その上で、追加の導入器およびインプラントは、より容易に送達される。これは、急湾曲が、今では回避されることができる、導入器とインプラントとの間の摩擦を増大させるからである。
【0014】
本発明によれば、有利には、遠位部分では、第1の導入器の少なくとも一部分は、第1の湾曲形状をとるように構成されている。加えて、有利には、遠位部分では、第2の導入器の少なくとも一部分は、第2の湾曲形状をとるように構成されている。有利には、該第1および第2の湾曲形状は、すべての湾曲が同じ手方向に湾曲され、したがって螺旋ループ構造体を形成するように、同心円状の湾曲形状である。
【0015】
第1の導入器は、該第1の導入器が該解剖学的標的位置に向かってまたはその中に送達されるときに、該第1の湾曲形状をとるように有利に構成されている。第2の導入器は、該第2の導入器が該第1の導入器の該遠位端部分から導入されるときに、該第2の湾曲形状を該第1の導入器の該第1の湾曲形状と同じ手方向にとるように構成されている。また、第3の導入器は、以前の第1および第2のものと同じ手方向に第3の湾曲形状をとるように、同じ(同心)湾曲方向で使用することができる。湾曲形状は、例えば、導入器の近位端と遠位端との間、および該湾曲形状が提供される側に沿って細長く配置された動作ワイヤ(または同様のもの)が存在するようにとることができ、その上で、操作ワイヤが導入器の近位端から有利に締め付けられると、問題の導入器がその方向に曲がることになる。有利には、操作ワイヤが締め付けられると、導入器が可撓性部分の点で該湾曲形状をとり、該可撓性部分が該方向に位置するように、該導入器のケーシングの内側および/または外側に配置された該可撓性部分が存在する。可撓性部分は、例えば、レーザー切削などの切削であることができるが、湾曲の内側および/または外側の導入器の壁を薄くするなどの材料弱化などの他の技術も使用することができる。典型的には、導入器(カテーテル)は、例えば、いくつかのポリカーボネート層を含み、その上で、弱化は、層の材料技術を介して使用されることができる。加えて、動作ワイヤは、典型的には、層間に統合される。実施形態によれば、また、導入器の遠位端の曲げを引き起こすメモリ材料が使用され得る。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、第2の導入器の少なくとも湾曲部分(またはさらに有利には、使用中の解剖学的標的位置に最も内側かつ最も近い導入器)は、導入器の内側に管状部材を備える。管状部材は、C字型プロファイルまたはO字型プロファイルなどの円形プロファイルを有利に備え得る。管状部材は、インプラントを導入する前に、つまり使用前に第2の導入器に導入される、別個の管状チューブまたはトラフ(C字型プロファイル)であり得る。代替的に、管状部材は、第2の導入器の内壁、特に第2の導入器の第2の湾曲形状の領域に、コーティング、積層、接着または溶接されるように、統合され得る。管状部材は、例えば、その内壁面への導入器の製造プロセス中に積層層として統合され得る。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、第2の導入器は、第2の導入器がそれぞれの解剖学的標的位置に送達される前または後に、管状部材が第2の導入器に導入され得るように、管状部材を受容するように構成され得る。それぞれの解剖学的標的位置は、例えば、僧帽弁弁輪領域のような、対象物を独自の解剖学的標的位置に供給するために、医療装置の各部分が送達されるように構成された位置を指し得る。
【0018】
管状部材が、第2の導入器がそれぞれの解剖学的標的位置に送達された後に第2の導入器に導入され、第2の導入器への導入前に対象物が管状部材に導入されることが有利である場合、対象物は、より制御された方法で、より効率的に解剖学的標的位置に送達され得る。
【0019】
一実施形態では、管状部材は、管状部材が第2の導入器に導入される前に、対象物が受容されるように構成されている。様々な実施形態では、管状部材は、第2の導入器に沿って異なる長さまで延在するように構成され得る。
【0020】
一実施形態では、管状部材は、管状部材の遠位端が第1の湾曲部分を超えて延在しないように、第2の導入器に延在するように構成され得る。
【0021】
一実施形態では、管状部材は、管状部材の遠位端が第2の湾曲部分を超えて延在しないように、第2の導入器に延在するように構成され得る。
【0022】
管状部材が第1または第2の湾曲部分に延在しない、または到達しない場合、管状部材は、滑らかな内面(切削セクションなし)を有し得、したがって、製造するのに単純かつ容易である。
【0023】
本発明の一実施形態による医療装置は、追加的に冷却機器を備え得、またはそれとともに使用され得、ここで、冷却装置は、少なくとも管状部材および/または対象物を冷却するように構成されている。冷却装置は、追加的にまたは代替的に、第1の導入器および/または第2の導入器を冷却し得、または第1の導入器および第2の導入器、ならびに管状部材のための別個の冷却装置があり得る。第1および/または第2の導入器がまた冷却されるときに、それらは、環境と対象物との間の熱伝達を最小限に抑える管状部材の周りに絶縁装置として形成され、その上で、対象物が、冷却された管状部材によって安定した冷却状態に維持されやすくなる。
【0024】
管状部材は、冷却され、好ましくは冷却された対象物を受容するように構成され得る。第2の導入器は、冷却された管状部材をその中に冷却された対象物とともに受容するように構成され得る。管状部材は、チューヒーボルスト(tuohy borst)コネクタなどの好適なコネクタによって冷却に接続され得、その上で、管状部材の冷却は、第2の導入器への管状部材の導入中にも、有利に、制御された方法で実行することができる。管状部材および対象物が所望の位置に導入されるときに、管状部材の冷却は、減少させることができ、その上で、対象物の温度は、対象物が、インプラントなどのそのメモリ形状をとり、その形状を、解剖学的標的位置の解剖学的形状に対応する形状をとることができるように、増加される。
【0025】
医療装置は、追加的に、対象物を管状部材または第2の導入器内のその解剖学的標的位置に押し込む/送達するためのプッシャーを備え得、またはそれとともに使用され得る。
【0026】
管状部材は、有利には、管状部材が送達されるように構成されている第2の導入器の少なくとも一部分、例えば、第2の湾曲形状で、ならびに該第2の導入器の第2の湾曲形状に沿って湾曲されるときに、少なくとも管状部材の外側、上側、および/または下側の湾曲部分に、金属または炭素繊維の内面を含む。実施例によれば、管状部材は、金属チューブまたは金属トラフ(C字型プロファイル)である。また、他の適切な硬質材料は、対象物の鋭い突起が導入器の内面層を貫通することができず、それによって固着することができず、加えて、導入器の内壁材料を放出することができないように、炭素繊維などが使用されることができる。
【0027】
管状部材は、いくつかの実施形態では、有利には、少なくともその遠位端に形状記憶材料を含み得る。これは、特に、対象物が形状記憶材料も含むときに、対象物を解剖学的標的位置に送達することを容易にし得る。
【0028】
また、C字型プロファイル管状部材が、第2の導入器の外壁、上壁および下壁を、例えば、湾曲部分において、覆うように使用されることができることに留意されたい。C字型プロファイルの開口部は、内側湾曲に向かって指されることができ、すなわち、インプラントの鋭い遠位端が外側湾曲に当たり、インプラントの鋭い歯(例えば、図2Bに記載されるように)は、湾曲部分の上壁および下壁に接触する(図2Bに記載されるインプラントの歯は、インプラントの上側部分および下側部分の両方に配置されている)。
【0029】
管状部材は、歯を備えたインプラントなどの対象物を、管状部材を通して導入することを可能にし、それによって、第2の導入器の少なくとも一部分、すなわち、対象物の鋭い突起は、管状部材の内壁に貫通することができず、これは、典型的には柔らかくて緩やかな導入器よりもはるかに硬いコーティングである。
【0030】
第2の導入器が管状部材を受容するように本明細書に記載されている場合でも、適用される導入器の数に応じて、第3または第4の導入器などの別の導入器である場合があることに留意されたい。実際には、管状部材を受容するための問題の導入器は、使用中に遠位端が解剖学的末端標的部分に最も近く、インプラントを最大の解剖学的末端標的部分に誘導する最も内側のものである。
【0031】
一実施形態によれば、管状部材は、レーザー切削などの切削部を有する切削セクションを備え、管状部材が第2の導入器と同じ中心方向、すなわち、最も内側の導入器の遠位端部分に曲がることを可能にする。切削部は、有利には、管状部材の湾曲の少なくとも外側に、使用中に第2の導入器の第2の湾曲形状に沿って湾曲する領域に配置されている。しかしながら、形状記憶材料が管状部材のために使用される実施形態では、切削セクションは、必要とされない場合がある。しかしながら、議論された切削部は、管状部材が湾曲部分にわたって第2の導入器内に延在するように構成されている実施形態において特に有利である。いくつかの実施形態では、管状部材は、形状記憶材料ならびに切削セクションの両方を備え得る。
【0032】
一実施形態によれば、管状部材の第1の側の2つの隣接する切削部の端部は、それらが管状部材の軸方向平面内の同じレベルにないように非整列であり、軸方向平面は、管状部材および第2の導入器の長手方向軸と平行な平面である。加えて、一実施形態によれば、管状部材の第2または第3の切削部ごとの端部は、整列されている。
【0033】
しかしながら、管状部材の第2の反対側では、切削部の端部は、長手方向の非切削部分を形成するように整列されている。長手方向の非切削部分は、管状部材の長手方向軸と平行である。長手方向非切削部分は、有利には、管状部材が第1の方向(第2の導入器の湾曲形状と同じ手方向)に曲がることを可能にするが、反対方向に曲がることには抵抗する脊柱を形成する。
【0034】
切削セクションは、管状部材全体として、有利には非伸縮性であることに留意されたい。加えて、管状部材は、遷移セクションとして、切削セクションの隣、および第2の導入器の近位端に向かって滑らかな切削セクションを備え得る。これは、本質的に非可撓性の管状部材部分から切削によって提供されるより可撓性の部分へのより滑らかな遷移を提供し、その上で、例えば、湾曲部分の管状部材に誘導される応力を最小限に抑えることができ、それによって管状部材の耐久性を向上させ、非可撓性部分と可撓性部分との間の鋭い縁を回避する。加えて、対象物は、湾曲領域内の管状部材の柔軟性がより小さなステップで変化するときに、さらに滑らかにスライドする。
【0035】
一実施形態によれば、切削部は、管状部材の長手方向軸に垂直である管状部材の半径方向平面から傾斜している。傾斜は、有利には5°~20°であり、有利には約10°である。傾斜は、僧帽弁操作で使用されるとき、僧帽弁平面からの下向きまたは上向きなど、管状部材の遷移セクションの軸方向平面からの下向きまたは上向きに、管状部材の遠位端を回転させることを可能にするか、または強制する。
【0036】
実施例として、解剖学的標的位置は、左心房もしくは左心室、または僧帽弁の弁輪領域である。この場合では、第1の導入器は、有利には、僧帽弁の弁輪の第1の側に送達され、本質的に僧帽弁平面内に、または僧帽弁平面に対してより小さい角度で送達される。次いで、第2の(またはさらなる)導入器は、弁膜の間の僧帽弁の弁輪の第2の側に送達されており、弁輪の第2の側は、該第1の側の反対側にある。
【0037】
本発明は、心臓弁の弁輪のように、解剖学的標的位置に歯を伴うインプラントなどの鋭い突起を伴う対象物を信頼性の高い方法で送達するための、容易、安全、正確かつ時間の節約などの既知の先行技術よりも利点を提供する。管状部材により、対象物は、それぞれの解剖学的標的位置に正確かつ滑らかに送達されることができる。
【0038】
一実施形態では、管状部材は、対象物のいかなる鋭い突起も、特に任意の湾曲部分において、最も内側のカテーテルの壁構造体につかまらないように、対象物をカテーテルの湾曲にわたって送達する方法を提供する。
【0039】
このテキストに提示される例示的な実施形態は、出願中の特許請求の範囲の適用可能性に制限を与えると解釈されるべきではない。「備える」という動詞は、このテキストでは、未列挙の特徴の存在を排除しない公開制限として使用される。特許請求の範囲に応じて列挙される特徴は、特に明示的に記載されない限り、相互に自由に組み合わせ可能である。
【0040】
本発明の特徴と見なされる新規の特徴は、特に添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、本発明自体は、その構造およびその動作方法の両方に関して、その追加の目的および利点とともに、添付の図面と関連して読まれるときに、特定の例示的な実施形態の以下の記載から最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
次に、本発明を、添付の図面による例示的な実施形態を参照してより詳細に説明する。
【0042】
図1A】心臓の一部分および僧帽弁を概略的に例証する。
図1B】心臓の一部分および僧帽弁を概略的に例証する。
図2A】例示的なインプラントを例証する。
図2B】例示的なインプラントを例証する。
図3】本発明の有利な実施形態による、解剖学的標的位置にインプラントを導入するための医療装置を例証する。
図4】本発明の有利な実施形態による、解剖学的標的位置にインプラントを導入するための医療装置を例証する。
図5A】本発明の有利な実施形態による、解剖学的標的位置にインプラントを導入するための医療装置を例証する。
図5B】本発明の有利な実施形態による、解剖学的標的位置にインプラントを導入するための医療装置を例証する。
図5C】本発明の有利な実施形態による、解剖学的標的位置にインプラントを導入するための医療装置を例証する。
図5D】本発明の有利な実施形態による、解剖学的標的位置にインプラントを導入するための医療装置を例証する。
図5E】本発明の有利な実施形態による、解剖学的標的位置にインプラントを導入するための医療装置を例証する。
図5F】本発明の有利な実施形態による、解剖学的標的位置にインプラントを導入するための医療装置を例証する。
図6】本発明の有利な実施形態による、解剖学的標的位置にインプラントを導入するための医療装置を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1A図1Bおよび図2A図2Bは、上記の発明部分の背景に関連して既により詳細に議論されている。
【0044】
図3図6は、本発明の有利な実施形態による、解剖学的標的位置にインプラント110を導入するための医療装置100を例証し、医療装置100が、遠位端101Aおよび近位端101Bを有する第1の導入器101を備える。導入器は、僧帽弁平面105に対して有利には45°未満、より有利には30°未満で、僧帽弁平面105に、または角度101Eで、僧帽弁領域に送達されるように有利には構成されている。加えて、本装置はまた、遠位端102Aおよび近位端102Bを有する第2の導入器102を備える。
【0045】
第1の導入器101は、まず、第1の導入器101の遠位端101Aが解剖学的標的位置に向かってその範囲に達するまで、直線化された構成101Fで送達され、その上で、遠位部分は、解剖学的標的位置の解剖学的形状に有利に従う第1の湾曲形状101Cをとるように構成される。第1の導入器101は、典型的にはさらに進まないが、この後、第2の導入器102は、直線化された構成102Fで第1の導入器101の内側に送達されることに留意されたい。第2の導入器102は、第1の導入器101の遠位端101Aから出るまで第1の導入器101の形状に追従し、その後、図3に見られることができるように、第2の導入器102の遠位部分が第2の湾曲形状102Cをとるように構成されるまで、第2の導入器102は、さらに送達される。
【0046】
実施例によれば、図4に見られることができるように、第2の導入器102の遠位部分が追加の湾曲形状102Gをとるように構成されるまで、第2の導入器102は、さらに送達されることができる。追加の湾曲形状102Gは、第2の湾曲形状102Cから近位端102Bの方向に位置する。しかしながら、追加の湾曲形状102Gは、例えば、第3のまたはそれ以上の導入器が使用される場合(本文書には示されていない)、任意選択であることに留意されたい。
【0047】
有利には、該導入器101、102が該可撓性部分106の点で該湾曲形状101C、102Cをとり、可撓性部分106が位置する方向に向かうように、第2の導入器102(場合によっては第1の導入器101も)は、可撓性部分106を備える。可撓性部分106は、例えば、特にレーザー切削において、または薄型化のような材料弱化によって達成される切削部(cutting)であり得る。可撓性部分106は、導入器101、102のケーシングに配置され、導入器が該湾曲形状をとるときに、湾曲内に残されるように配置されている。
【0048】
第1および第2の湾曲形状が、第1および第2の導入器101、102を本質的に僧帽弁平面105内で同心円状に回転させることに留意されたい。しかしながら、図3図4および図6に見ることができるように、例えば、第1の導入器101および第2の導入器102はまた、下向き108に傾き、またはバンクし、それによって角度109A、109Bも下向き108に形成するように構成されている。したがって、例えば、導入器が左心室に送達されるときに、導入器は、該第1および第2ならびに追加の湾曲形状101C、102C、102Gに起因して、螺旋状のループ形態をとるが、これに加えて、第1の導入器101の遠位端部分、および有利には、第2の導入器102は、角度を下向き108にとることができ、その上で、少なくとも第2の(または、使用される場合、第3の)導入器102は、弁輪の反対側に送達され、その結果、導入器が依然として解剖学的標的位置の形状を滑らかに追従することができる。
【0049】
図4および図6において見られることができるように、第2の導入器102は、管状部材120を受容するように構成されているか、または導入器の内側に管状部材120(他の図には示されていない)を備えるように構成されている。
【0050】
管状部材は、第2の導入器が解剖学的標的位置に送達される前またはその後に、第2の導入器に導入され得る。
【0051】
したがって、第1および第2の導入器は、第2の導入器の遠位端が制御された方法で解剖学的標的位置に提供されるように、まず、解剖学的標的位置に送達され得る。次いで、対象物は、第2の導入器への導入の前に、管状部材に導入され得る。
【0052】
管状部材および有利には対象物はまた、対象物が管状部材に導入される前に冷却されている。次いで、管状部材(および対象物)は、第2の導入器に沿って選択された長さまで延在するように、第2の導入器に導入され得る。管状部材は、第2の導入器の近位端から、例えば、第1の湾曲形状の前、第2の湾曲形状の前、または第2の導入器の近位端と本質的に一致するような、第2の湾曲部分の後であるように存在する終点まで第2の導入器に沿って延在するように構成され得る。
【0053】
冷却装置129は、管状部材、対象物、第1の導入器、および/または第2の導入器を冷却するために使用され得る。管状部材および/または対象物は、第2の導入器への導入前に冷却され得、それらは、対象物が標的の解剖学的位置に完全に送達される前に、第2の導入器の内側に配置されている間に冷却され得る。
【0054】
図5Aおよび図5Bは、切削部123を有する任意選択の切削セクション121を伴う例示的な管状部材120を例証する。切削部123は、図5Aの場合のように、管状部材120の長手方向軸124に垂直に配置され得、または切削部123は、管状部材の半径方向平面125から傾斜し、または傾き得、半径方向平面125は、管状部材120の長手方向軸124に垂直である。傾斜は、有利には5°~20°であり、有利には約10°である。
【0055】
管状部材はまた、有利には、遷移セクション122として、切削セクション121の隣で、かつ使用中に第2の導入器の近位端に向かって滑らかな切削セクションを備える。
【0056】
図5Cは、2つの隣接する切削部123の端部が、それらが管状部材の軸方向平面126内で同じレベル127にないように非整列であり、軸方向平面126は、管状部材120および第2の導入器の長手方向軸124と平行な平面である、管状部材120の第1の側を例証する。図5Cおよび図5Dの実施例では、管状部材120のすべての第2の切削部123の端部123A、123Bは、整列されている。
【0057】
図5Dは、切削部123C、123Dの端部が、管状部材120の長手方向軸124と平行な長手方向非切削部分128を形成するように整列されている、管状部材120の反対側の第2の側を例証する。長手方向非切削部分128は、管状部材が第1の方向(第2の導入器の湾曲形状と同じ手方向)に曲がることを可能にするが、反対方向に曲がることには抵抗する脊柱(spinal column)を形成する。
【0058】
加えて、管状部材は、例えば、C字型プロファイル(図5Fに示されるように)またはO字型プロファイル(図5Eに示されように)を備え得る。
【0059】
本発明は、前述の実施形態を参照して上で説明されており、本発明のいくつかの利点が実証されている。本発明は、これらの実施形態に限定されるだけでなく、本発明の思考および以下の特許請求の範囲の趣旨および範囲内のすべての可能な実施形態を含むことが明らかである。
【0060】
加えて、インプラントが本文書に送達される実施例として記載されていても、本発明に従って鋭い突起を伴う他の種類の対象物を送達することができることに留意されたい。さらに、多くの実施形態において心臓が記載されている場合でも、心臓は解剖学的標的の実施例に過ぎず、本発明は、臓器または標的位置でも適用されることができることを理解されたい。
【0061】
さらに、切削部が少なくとも2つの異なる長さを含み得るか、または切削が同じ長さであり得ることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-09-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置(100)であって、前記医療装置の遠位端から解剖学的標的位置(20)にインプラント(110)などの対象物を導入するように構成されており、前記医療装置が、
-遠位端および近位端(101A、101B)を有する第1の導入器(101)と、
-遠位端および近位端(102A、102B)を有する第2の導入器(102)と、を備え、
-前記第1の導入器(101)が、外側導入器であり、前記第2の導入器(102)が、内側で操作され、かつ前記第1の導入器によって誘導されるように構成されており、
-前記第1の導入器(101)の少なくとも一部分が、第1の湾曲形状(101C)をとるように構成されており、前記第2の導入器(102)の少なくとも一部分が、第2の湾曲形状(102C)をとるように構成されており、
-前記第2の導入器の少なくとも一部分が、管状部材(120)および前記第2の導入器(102)を通して前記対象物またはインプラントを導入することを可能にするために、前記第2の導入器(102)の内側に前記管状部材(120)を受容するように構成されている、医療装置(100)。
【請求項2】
前記管状部材(120)が、前記第2の導入器(102)の内面よりも硬い内面を備える、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記管状部材(120)の内面が、金属または炭素繊維を含む、請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記管状部材(120)が、丸いチューブまたはC字型プロファイルであり、前記C字型プロファイルが、前記第2の導入器の前記第2の湾曲形状の外側、上側、または下側部分を覆うように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項5】
前記管状部材(120)が、前記管状部材(120)の前記湾曲の外側に配置された切削部(123)を有し、かつ前記管状部材(120)が、前記第2の導入器(102)と同じ中心方向に曲がることを可能にする、切削セクション(121)を備える、請求項1に記載の医療装置。
【請求項6】
前記切削部(123)が、レーザー切削である、請求項5に記載の医療装置。
【請求項7】
前記管状部材(120)の第1の側にある2つの隣接する切削部(123)の端部が、前記管状部材(120)の軸方向平面(126)に対して異なるレベル(127)にあるように非整列されており、前記軸方向平面(126)が、前記管状部材(120)および前記第2の導入器(102)の長手方向軸(124)と平行な平面であり、前記管状部材(120)の反対側の第2の側において、前記切削部(123)の前記端部が、前記管状部材(120)が第1の方向に曲がることを可能にするが、反対方向に曲がることには抵抗する長手方向非切削部分(128)を形成するように整列されている、請求項5に記載の医療装置。
【請求項8】
前記切削部(123)が、前記管状部材(120)の長手方向軸(124)に垂直である半径方向平面(126)から約10度傾斜している、請求項5に記載の医療装置。
【請求項9】
前記切削セクション(121)が、非伸縮性である、請求項5に記載の医療装置。
【請求項10】
前記管状部材(120)が、前記切削セクション(121)の隣で、かつ前記第2の導入器(102)の前記近位端(102B)に向かう、遷移セクション(122)を備え、前記遷移セクション(122)が、前記切削セクション(121)よりも、同じ領域においてより少ない数の切削部(123)を備える、請求項5に記載の医療装置。
【請求項11】
前記管状部材(120)が、少なくともその前記遠位端に形状記憶材料を備える、請求項1に記載の医療装置。
【請求項12】
前記管状部材(120)が、前記第2の導入器(102)に導入される別個の管状部材である、請求項1に記載の医療装置。
【請求項13】
前記管状部材(120)が、前記インプラントを導入する前に前記第2の導入器(102)に導入されるように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項14】
前記管状部材(120)が、前記インプラントが前記管状部材(120)に導入された後に前記第2の導入器(102)に導入されるように構成されており、好ましくは、前記第2の導入器(102)が、前記第2の導入器(102)が前記解剖学的標的位置(20)に向けてまたはその中に送達された後に前記管状部材(120)およびインプラントを受容するように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項15】
少なくとも前記管状部材(120)が、少なくとも前記第2の導入器(102)に導入される前、前記第2の導入器(102)に導入している間、および/または前記解剖学的標的位置(20)に送達されるときに、冷却装置(129)によって冷却されるように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項16】
前記管状部材(120)が、前記第2の導入器(102)の内壁、特に前記第2の導入器(102)の前記第2の湾曲形状(102C)の領域に統合、コーティング、接着、積層または溶接されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項17】
前記管状部材(120)が、前記第2の導入器(102)に導入され、かつ前記第2の導入器(102)の前記近位端(102B)から前記第1の湾曲形状(101C)の前または前記第2の湾曲形状(102C)の前に存在する終点まで前記第2の導入器(102)に沿って延在するように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項18】
前記湾曲形状をとる前記導入器の前記部分が前記導入器の遠位部分であり、前記遠位部分が、前記導入器の前記遠位端と近位端との間に位置している、請求項1に記載の医療装置。
【請求項19】
前記湾曲形状をとる前記第1または第2の導入器の前記部分がまた、前記第1および第2の湾曲形状の方向、または前記僧帽弁平面に本質的に垂直な角度を形成するように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項20】
前記第1の導入器(101)が、カテーテル、特に外側操縦可能なカテーテルであり、前記第2の導入器(102)が、カテーテル、特に操縦可能なカテーテルである、請求項1に記載の医療装置。
【請求項21】
前記解剖学的標的位置(20)が、左心房または左心室または僧帽弁の弁輪の領域であり、その上で、前記第1の導入器が、僧帽弁平面に対して45°未満の角度で、本質的に前記僧帽弁平面内に、前記僧帽弁の前記弁輪の第1の側に送達されるように構成されており、その上で、前記第2の導入器が、弁膜の間の前記僧帽弁の前記弁輪の第2の側に送達されるように構成されており、前記弁輪の前記第2の側が、前記第1の側の反対側にある、請求項1に記載の医療装置。
【請求項22】
解剖学的標的位置(20)に対象物またはインプラント(110)を導入するための方法であって、前記方法において、
-第1の導入器(101)は、第1の導入器(101)の少なくとも一部分が第1の湾曲形状(101C)をとる、前記解剖学的標的位置(20)に向かってまたはその中に送達されており、
-第2の導入器(102)は、前記第2の導入器が前記第1の導入器(101)の遠位端(101A)から導入されたときに、前記第2の導入器(102)の少なくとも一部分が第2の湾曲形状(102C)をとる、前記第1の導入器(101)の内側の前記解剖学的標的位置(20)に向かって、またはその中に送達されており、
-前記第2の導入器(102)の少なくとも一部分が、前記解剖学的標的位置(20)に向かってまたはその中に送達される前または後に、前記第2の導入器(102)の内側に管状部材(120)を備え、前記管状部材(120)が、前記管状部材(120)および前記第2の導入器(102)を通して前記対象物またはインプラント(110)を誘導する、方法。
【国際調査報告】