(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-28
(54)【発明の名称】改善された無線通信カバレージエリア用のリフレクトアレイアンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 15/22 20060101AFI20230320BHJP
H01Q 3/46 20060101ALI20230320BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20230320BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20230320BHJP
【FI】
H01Q15/22
H01Q3/46
H01Q21/24
H01Q9/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547781
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(85)【翻訳文提出日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2021051689
(87)【国際公開番号】W WO2021156099
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520145207
【氏名又は名称】メタウェーブ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シャハヴィルディ ディザジ イェカン,タハ
(72)【発明者】
【氏名】エンシナール ガルシヌーニョ,ホセ アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】アレボラ バエナ,マニュエル
(72)【発明者】
【氏名】カラスコ イェペス,フランシスコ エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス デ リオハ デル ニド,エドゥアルド マリア
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA06
5J020DA03
5J021AA06
5J021AA09
5J021AB03
5J021BA01
5J021DB03
5J021GA02
5J021HA05
(57)【要約】
本明細書において開示されている例は、改善された無線通信カバレージエリア用のリフレクトアレイアンテナに関する。改善された無線通信用途用のリフレクトアレイアンテナは、第1直線偏波において第1位相シフトを有する反射高周波(RF)ビームを放射するように構成された第1の複数の導電性要素と、第1の複数の導電性要素に対して直交するように構成された、及び第1直線偏波に直交する第2直線偏波において第1位相シフトのものに実質的に等価である第2位相シフトを有する反射RFビームを放射するように構成された第2の複数の導電性要素と、を含むリフレクトアレイセルのアレイを含む。本明細書において開示されているその他の例は、リフレクトアレイアンテナを設計する方法と、リフレクトアレイアンテナのパターン合成を実行する方法と、に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改善された無線通信用途用のリフレクトアレイアンテナであって、
単一の基材層と、
リフレクトアレイセルのアレイと、
を有し、
前記リフレクトアレイセルのアレイは、前記単一の基材層上に位置し、
第1直線偏波において第1位相シフトを有する反射高周波(RF)ビームを放射するように構成された第1の複数の導電性要素と、
前記第1の複数の導電性要素に対して直交するように構成された、及び前記第1直線偏波に直交する第2直線偏波において前記第1位相シフトのものに実質的に等価である第2位相シフトを有する反射RFビームを放射するように構成された、第2の複数の導電性要素と、
を有する、リフレクトアレイアンテナ。
【請求項2】
前記第1の複数の導電性要素は、第1軸に沿って横方向において延在する少なくとも1つのダイポールを有し、前記第2の複数の導電性要素は、前記第1軸に直交する第2軸に沿って横方向において延在する少なくとも1つのダイポールを有する、請求項1に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項3】
前記リフレクトアレイセルのアレイは、前記第1軸及び前記第2軸において3.0ミリメートル(mm)~5.0mmの範囲のセルの周期を有する、請求項1又は2に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項4】
前記リフレクトアレイセルのアレイのそれぞれのリフレクトアレイセルは、前記第1の複数の導電性要素を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項5】
前記第2の複数の導電性要素のそれぞれの導電性要素は、前記第1の複数の導電性要素の間においてセンタリングされた場所において配置されている、請求項2に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項6】
前記第1の複数の導電性要素及び前記第2の複数の導電性要素のそれぞれは、変化する長さを有する複数のダイポールを有し、前記第1の複数の導電性要素及び第2の複数の導電性要素のそれぞれのものの前記複数のダイポールは、互いに平行に構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項7】
前記第1の複数の導電性要素及び前記第2の複数の導電性要素のそれぞれは、第1長さを有する第1ダイポール、第2長さを有する第2ダイポール、及び第3長さを有する第3ダイポールを有し、前記第2ダイポールは、前記第1ダイポールと前記第3ダイポールの間において介在している、請求項6に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項8】
前記第2長さは、前記第1長さ及び前記第3長さ超であり、前記第1長さは、前記第3長さに実質的に等価である、請求項7に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項9】
前記第1長さ及び第3長さのそれぞれは、前記第2長さの既定の割合である、請求項8に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項10】
前記リフレクトアレイセルのアレイのそれぞれのリフレクトアレイセルは、基材、前記第1の複数の導電性要素及び前記第2の複数の導電性要素を有するパターン化された層、接地プレーン層、接合層、及び上層を有し、前記上層は、前記接合層の上部表面上において配設されており、前記接合層は、前記パターン化された層の上部表面上において配設されており、前記パターン化された層は、前記基材の上部表面上において配設されており、前記基材は、前記接地プレーン層の上部表面上において配設されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項11】
前記上層及び前記基材は、同一の複合材料を有する、請求項10に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項12】
前記第1の複数の導電性要素及び前記第2の複数の導電性要素は、異なる形状の導電性印刷パッチである、請求項1~11のいずれか1項に記載のリフレクトアレイアンテナ。
【請求項13】
製造のためにリフレクトアレイアンテナのパターン合成を実行する方法であって、
フィードの場所及びリフレクトアレイ表面の初期幾何学的パラメータに少なくとも基づいて前記リフレクトアレイ表面上の正接反射フィールドを算出することと、
カバレージエリアの中心に向かってポイントされたペンシルビームを有する放射パターン仕様を判定することと、
既定の方位角において及び既定の仰角において前記カバレージエリアに向かってポイントされた非合焦ビームに基づいて前記リフレクトアレイ表面上のセルのアレイの初期位相分布を判定することと、
反復パターン合成アルゴリズムの複数のステップを前記初期位相分布に対して実行することと、
前記反復パターン合成アルゴリズムの前記複数のステップのそれぞれの後続のステップのために前記リフレクトアレイ表面のエッジにおける照明のレベルを増大させることと、
前記反復パターン合成アルゴリズムの結果から前記リフレクトアレイ表面上の合成された位相分布を判定することと、
前記合成された位相分布を使用してリフレクトアレイセルの1つ又は複数の幾何学的パラメータを変更することと、
前記リフレクトアレイアンテナを製造するために前記リフレクトアレイセルの前記変更された1つ又は複数の幾何学的パラメータを処理することと、
を有する方法。
【請求項14】
前記リフレクトアレイアンテナのアパーチャサイズに少なくとも基づいて利得を判定することを更に有し、
前記利得の増大は、前記カバレージエリア内の前記リフレクトアレイアンテナの中心の周りの固定された数のリフレクトアレイ要素上の既定の照明レベルに対応している、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記非合焦ビームは、前記中心の周りのセルのリングを最適化するために照明の最小及び最大閾値レベルを設定することにより、前記反復パターン合成アルゴリズムのそれぞれの後続のステップにおいて前記リフレクトアレイアンテナの前記中心の周りの更なるリフレクトアレイ要素をカバーするように増大されている、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
[0001] 本開示は、無線通信システムに関し、更に詳しくは、本開示は、改善された無線通信カバレージエリア用の反射フェーズドアレイアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 新世代無線ネットワークが、益々、ユーザー需要に応えるための必需品となりつつある。モバイルデータトラフィックは、年毎に成長を継続しており、その結果、更なる高速の提供、更に多くの装置の接続、レイテンシーの更なる低減、及び一回当たりの益々大量のデータの送信という課題を無線ネットワークに突き付けている。ユーザーは、いまや、環境及び状況とは無関係に、オフィスビル内であるのか、パブリックスペースであるのか、オープンプリザーブであるのか、又は車両内であるのか、を問わず、即時の無線接続を期待している。これらの需要に応答して、近い将来において配備されるべく、新しい無線規格が設計されている。無線技術における大きな進歩は、第5世代(「5G」)のセルラー通信であり、これは、現時点の第4世代(「4G」)のロングタームイボリューション(「LTE」)の能力を超えるものを包含しており、モバイルによる高速インターネット、固定無線、などの供給を約束している。5G規格は、ミリメートル波帯域に動作を拡張しており、これは、全世界において、6GHz超の周波数をカバーしており、計画されている24GHz、26GHz、28GHz、及び39GHz、並びに、最大で300GHzまでをカバーし、高速データ通信に必要とされている広帯域を可能にしている。
【0003】
[0003] ミリメートル波(「mm波」)スペクトルは、高大気減衰の影響を受けやすく(1キロメートルをわずかに上回る)近距離において動作しなければならない約1~10ミリメートルの範囲の狭い波長を提供している。例えば、ストリートキャニオンを有する高密度散乱エリア内において及びショッピングモール内においては、マルチパス、シャドーイング、地理的障害物に起因してブラインドスポットが存在し得る。距離が相対的に大きく、しばしば大量の降雨を有する極端な天候状態が発生する辺鄙な地域においては、強力な風及び嵐に起因して、事業者が大きなアレイアンテナを使用することを環境条件が妨げている場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 具体的には、ユーザー無線通信用の5G技術の将来の開発及び統合は、大きな課題を表している。具体的には、5G無線通信用の基地局は、特定の角度範囲にわたって一定のパワーを提供する必要がある。この観点において、アンテナは、無線通信用の重要なサブシステムであり、その理由は、アンテナは、自由空間において導波された波を伝播する波に変換する且つ逆も又真である装置であるからである。用途に応じて、サイズ、放射パターン、マッチング、などのアンテナの様々なパラメータを最適化することができる。多くのケースにおいて、望ましいエリアに対してパワーを十分にリダイレクトするために、成形されたビームパターンが必要とされている。5Gネットワーク用のミリメートル波無線通信の提供におけるこれらの及びその他の課題は、多くの信号及び周囲環境の構造物の間における干渉を回避しつつ、制御された方向において望ましいビーム形状を生成するための能力を含む野心的な目標をシステム設計に課している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
[0005] 本開示は、改善された無線通信カバレージエリア用のリフレクトアレイアンテナを提供している。具体的には、本開示は、大きな入射角度用の改善された性能を有する単一層リフレクトアレイセルに関する。大きな入射の角度の場合には、性能は、それぞれの直線偏波(例えば、X偏波(又は水平方向偏波)及びY偏波(又は垂直方向偏波))ごとに異なっている。5G無線ネットワークにおける偏波ダイバーシティの場合には、アンテナ性能は、両方の偏波(垂直及び水平)について同一であることを要する。主題技術のリフレクトアレイセルは、リフレクトアレイアンテナが任意のタイプの偏波について実質的に同一の放射パターンを放射することを許容している。いくつかの実装形態において、リフレクトアレイセルは、大きな位相範囲、広帯域、及び製造誤差に対する低感度を提供するために直交ダイポールの組を組み合わせている。リフレクトアレイセルは、それぞれの直線偏波ごとに独立した位相を提供している。この観点において、リフレクトアレイセルは、大きな入射角度の場合に(例えば、電界の偏波とは独立的に)両方の偏波について同一の位相シフトを提供するように最適化することができる。
【0006】
[0006] また、本開示は、リフレクトアレイパネルを設計する高速且つ正確なプロセスをも提供している。リフレクトアレイパネルは、数千個のセルから構成することが可能であり、すべてのリフレクトアレイセルを最適化する従来技術は、コンピュータ処理時間の観点において相当に負担となり得る。主題技術のプロセスは、基地局などのフィードがリフレクトアレイパネルから遠く離れた状態において配置されており、入射の角度が実際的に一定であるという前提に基づいている。いくつかの実装形態において、主題技術のプロセスは、1)リフレクトアレイ表面上のターゲット位相分布を判定するためにパターン合成を実行し、2)リフレクトアレイセルの幾何学的パラメータを判定し、3)それぞれのリフレクトアレイセル上のダイポール長を調節し、4)放射パターンを演算する、という4つの主要ステップを含む。いくつかの態様において、リフレクトアレイセルの幾何学的パラメータは、両方の直線偏波において滑らかな位相変動を取得するように判定されている。いくつかの態様において、リフレクトアレイセルの位相及び振幅曲線は、それぞれの偏波ごとにリフレクトアレイセルをコンピュータモデル化することによって取得されている。位相及び振幅曲線は、望ましい周波数帯域内の中心及び閾値周波数について取得されている。それぞれのセル上のダイポール長は、中心周波数において予め算出された位相曲線を使用してターゲット位相シフトを補間によって適切なダイポール長との間においてマッチングすることにより、調節されている。調節済みのリフレクトアレイセルダイポールを有するリフレクトアレイパネルの最終的な結果は、両方の直線偏波について同一の位相分布を保証している。また、それぞれの周波数及び直線偏波における位相及び振幅の予め演算された値を使用することにより、放射パターンが、中心及び閾値周波数においてコンピュータモデル化によって演算されている。
【0007】
[0007] また、本開示は、改善された位相のみのパターン合成をリフレクトアレイパネルを設計するプロセスの一部として提供している。ミリメートル波帯域において5G無線ネットワークによって提供されているカバレージエリアは、非常に大きな放射角度において見出されるシャドーエリアを含み得る。カバレージエリアシナリオ、周波数、及びリフレクトアレイパネルのサイズを考慮した場合に、パターン合成における従来の方式は、不安定になり、カバレージエリア内において見出されるヌルを依然として結果的にもたらし、これにより、5G無線ネットワークの性能を低減するフェージングエリアを生成している。従って、主題技術のパターン合成は、カバレージエリア内においてヌルを回避するためにリフレクトアレイセルを最適化するようにコンピュータモデル化によって実行されている。いくつかの実装形態において、主題技術のパターン合成プロセスは、1)幅広の非合焦ビームを開始点として提供すること、2)リフレクトアレイパネルのサイズに従って絶対利得において合成を実行すること、及び3)パターン用のターゲット低利得から始まって且つそれぞれのステップにおいて増分的に利得を増大させることにより、プロセスをいくつかのステップにパーティション化すること、を含む。
【0008】
図面の簡単な説明
[0008] 本出願は、添付図面との関連において提供される以下の詳細な説明との関連において更に十分に理解することができるが、添付図面は、正確な縮尺で描画されてはおらず、これらにおいて、同一の参照符号は、その全体を通じて同一の部分を参照しており、添付図面は、以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009]リフレクトアレイアンテナが主題技術の様々な実装形態に従って無線通信を改善するように配備される環境を示す。
【
図2】[0010]主題技術の様々な実装形態による様々なセル構成を有するリフレクトアレイアンテナの概略図を示す。
【
図3】[0011]主題技術の様々な実装形態による改善された無線通信カバレージエリア用のリフレクトアレイアンテナを設計するための例示用のプロセスのフローチャートを示す。
【
図4】[0012]主題技術の様々な実装形態によるプレーナーリフレクトアレイアンテナ及び対象のユニットの一例の概略図を示す。
【
図5A】[0013]主題技術の様々な実装形態によるリフレクトアレイアンテナの積層構成の断面図を有する概略図を示す。
【
図5B】[0013]主題技術の様々な実装形態によるリフレクトアレイアンテナの積層構成の断面図を有する概略図を示す。
【
図6A】[0014]主題技術の様々な実装形態によるX偏波用のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示す。
【
図6B】[0014]主題技術の様々な実装形態によるX偏波用のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示す。
【
図7】[0015]主題技術の様々な実装形態によるリフレクトアレイアンテナ設計を最適化するために
図3のパターン合成を実行するための例示用のプロセスのフローチャートを示す。
【
図8】[0016]主題技術の様々な実装形態によるリフレクトアレイアンテナとの関係における基地局の幾何学的セットアップの概略図を示す。
【
図9A】[0017]主題技術の様々な実装形態による所与のリフレクトアレイセルにおけるX及びY偏波のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示す。
【
図9B】[0017]主題技術の様々な実装形態による所与のリフレクトアレイセルにおけるX及びY偏波のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示す。
【
図9C】[0017]主題技術の様々な実装形態による所与のリフレクトアレイセルにおけるX及びY偏波のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示す。
【
図9D】[0017]主題技術の様々な実装形態による所与のリフレクトアレイセルにおけるX及びY偏波のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示す。
【
図10】[0018]主題技術の様々な実装形態による
図9のリフレクトアレイセルと共に使用されるX及びY偏波のターゲット位相シフト分布のプロット図を示す。
【
図11A】[0019]主題技術の様々な実装形態による
図10の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描いたプロット図を示す。
【
図11B】[0019]主題技術の様々な実装形態による
図10の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描いたプロット図を示す。
【
図11C】[0019]主題技術の様々な実装形態による
図10の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描いたプロット図を示す。
【
図11D】[0019]主題技術の様々な実装形態による
図10の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描いたプロット図を示す。
【
図11E】[0019]主題技術の様々な実装形態による
図10の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描いたプロット図を示す。
【
図11F】[0019]主題技術の様々な実装形態による
図10の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描いたプロット図を示す。
【
図12A】[0020]主題技術の様々な実装形態による所与のリフレクトアレイセルにおけるX及びY偏波のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示す。
【
図12B】[0020]主題技術の様々な実装形態による所与のリフレクトアレイセルにおけるX及びY偏波のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示す。
【
図12C】[0020]主題技術の様々な実装形態による所与のリフレクトアレイセルにおけるX及びY偏波のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示す。
【
図12D】[0020]主題技術の様々な実装形態による所与のリフレクトアレイセルにおけるX及びY偏波のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示す。
【
図13】[0021]主題技術の様々な実装形態による
図12のリフレクトアレイセルと共に使用されるX及びY偏波のターゲット位相シフト分布のプロット図を示す。
【
図14A】[0022]主題技術の様々な実装形態による
図13の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描くプロット図を示す。
【
図14B】[0022]主題技術の様々な実装形態による
図13の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描くプロット図を示す。
【
図14C】[0022]主題技術の様々な実装形態による
図13の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描くプロット図を示す。
【
図15A】[0023]主題技術の様々な実装形態による異なる放射パターンの中心周波数における方位角及び仰角におけるメインカットのプロット図を示す。
【
図15B】[0023]主題技術の様々な実装形態による異なる放射パターンの中心周波数における方位角及び仰角におけるメインカットのプロット図を示す。
【
図15C】[0023]主題技術の様々な実装形態による異なる放射パターンの中心周波数における方位角及び仰角におけるメインカットのプロット図を示す。
【
図15D】[0023]主題技術の様々な実装形態による異なる放射パターンの中心周波数における方位角及び仰角におけるメインカットのプロット図を示す。
【
図16】[0024]主題技術の様々な実装形態による
図15A及び
図15Bの放射パターンと関連するX及びY偏波の中心周波数における位相誤差のプロット図を示す。
【
図17A】[0025]主題技術の様々な実装形態による異なる動作周波数及び基材における方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図17B】[0025]主題技術の様々な実装形態による異なる動作周波数及び基材における方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図17C】[0025]主題技術の様々な実装形態による異なる動作周波数及び基材における方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図17D】[0025]主題技術の様々な実装形態による異なる動作周波数及び基材における方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図18A】[0026]主題技術の様々な実装形態による異なる値の基材誘電率における方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図18B】[0026]主題技術の様々な実装形態による異なる値の基材誘電率における方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図18C】[0026]主題技術の様々な実装形態による異なる値の基材誘電率における方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図18D】[0026]主題技術の様々な実装形態による異なる値の基材誘電率における方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図19A】[0027]主題技術の様々な実装形態による異なる値の誘電体厚さにおける方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図19B】[0027]主題技術の様々な実装形態による異なる値の誘電体厚さにおける方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図19C】[0027]主題技術の様々な実装形態による異なる値の誘電体厚さにおける方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図19D】[0027]主題技術の様々な実装形態による異なる値の誘電体厚さにおける方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示す。
【
図20】[0028]主題技術の様々な実装形態による屋外環境におけるリフレクトアレイアンテナの一例を概念的に示す。
【
図21】[0029]リフレクトアレイアンテナが主題技術の様々な実装形態に従って5G無線カバレージ及び性能を大幅に改善するために配備され得る環境を示す。
【
図22】[0030]主題技術の様々な実装形態による屋内環境におけるリフレクトアレイの配置を示す。
【
図23】[0031]主題技術の様々な実装形態による屋内環境におけるリフレクトアレイアンテナの一例を概念的に示す。
【
図24】[0032]主題技術の1つ又は複数の実装形態が実装され得る電子システムを概念的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
[0033] リフレクトアレイアンテナは、多くの異なる5G及びその他の無線用途に適しており、様々な環境及び構成において配備することができる。様々な例において、リフレクトアレイアンテナは、フィードからの入射高周波(「RF」)信号を単一の方向において合焦指向性ビームとして反射する導電性印刷要素を有するセルのアレイである。リフレクトアレイアンテナは、5G無線ネットワーク用の相対的に高い周波数において及び相対的に短い距離において動作することができる。一般的には本明細書において定義されているように設計され得るリフレクトアレイセルは、特定の周波数依存性の位相分布を導入するように空間的に分散された非周期的又は半周期的構造を有する。これらの設計及び構成は、屋内であるのか屋外であるのかを問わず、所与の用途又は配備についての幾何学的及びカバレージエリア検討事項によって決定されている。
【0011】
[0034] 後述されている詳細な説明は、主題技術の様々な構成の説明として意図されており、主題技術が実施され得る唯一の構成を表すことを意図したものではない。添付の図面は、本明細書に内蔵されると共に詳細な説明の一部を構成している。詳細な説明は、主題技術の十分な理解の提供を目的として具体的な詳細事項を含む。但し、主題技術は、本明細書において記述されている特定の詳細に限定されるものではなく、1つ又は複数の実装形態を使用して実施することができる。1つ又は複数の例において、構造及びコンポーネントは、主題技術の概念を曖昧にすることを回避するためにブロック図の形態において示されている。その他の例においては、周知の方法及び構造は、例の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために詳述されていない場合がある。また、例は、相互の組合せにおいて使用することができる。
【0012】
[0035]
図1は、リフレクトアレイアンテナが主題技術の様々な実装形態に従って無線通信を改善するために配備される環境を示している。無線ネットワーク100は、BS102などの少なくとも1つの無線基地局(「BS」)の送信及び受信範囲内のユーザー機器(「UE」)に対してサービスしている。BS102は、UE104A~Hなどのそのカバレージエリア内のUEとの間において無線信号を送信及び受信している。カバレージエリアは、環境内の建物又はその他の構造物によって妨害される場合があり、この結果、無線信号の品質が影響され得る。更に詳細に後述するように、UE104A~Hの無線カバレージは、その近傍におけるリフレクトアレイアンテナ106の設置によって格段に改善することができる。例示を目的として単一のリフレクトアレイアンテナ106が示されているが、必要に応じて、複数のこのようなリフレクトアレイアンテナを無線ネットワーク100内において配置することができる。
【0013】
[0036] 様々な例において、リフレクトアレイアンテナ106は、BS102とUE104A~Hの間において受動型リレー又は能動型リレーとして機能することができる。リフレクトアレイアンテナ106は、所定の入射角度(又は方向)においてBS102から信号を受け取り、この信号をUE104A~Hについて狙いが定められた1つ又は複数の指向性ビームとして反射している。カットアウト108は、仰角θIN及び方位角φINを有する入射角度から到来する入射ビームを描いており、仰角θOUT及び方位角φOUTを有する反射角度において放射する反射ビームを描いている。リフレクトアレイアンテナ106の指向性は、更に詳しく後述するように、無線ネットワーク100の幾何学的構成(例えば、BS102の配置、リフレクトアレイアンテナ106との関係における距離、など)のみならず、ネットワーク100内のリフレクトアレイアンテナ106のアンテナ仕様を検討することにより、実現されている。特定の設計を実装するために及び特定のカバレージエリア制約を充足するために、様々な構成、形状、及び寸法を使用することができる。リフレクトアレイアンテナ106は、郊外の静かなエリアであろうと、高密度の都市ブロックなどの交通量の多いエリアであろうと、任意の無線ネットワーク環境内において配置することができる。リフレクトアレイアンテナ106などの及び本明細書において開示されているように設計されたリフレクトアレイの使用は、場合によっては現時点の5Gデータレートの10倍の大きな性能改善を結果的にもたらし得る。リフレクトアレイアンテナ106は、低費用の、製造及びセットアップが容易なリフレクトアレイであり、その動作に対する手動調節を必要とすることなしに自己較正することができる。
【0014】
[0037] 次に、
図2を参照すれば、これは、主題技術の様々な実装形態による様々なセル構成を有するリフレクトアレイアンテナ200の概略図を示している。リフレクトアレイアンテナ200は、行及び列において編成されたセルのアレイを含む。リフレクトアレイアンテナ200は、受動型又は能動型であってよい。受動型リフレクトアレイは、一旦定位置において配置されたら入射ビームを特定の合焦方向に受動的にリダイレクトすることから、なんらの能動型回路又はその他の制御装置を含んでいなくてもよい。リフレクトアレイアンテナ200は、その個々のセル及びそのセル内の個々の導電性印刷要素のサイズ及び構成に起因して、指向性及び大きな帯域幅及び利得を提供している。
【0015】
[0038] 様々な例において、リフレクトアレイアンテナ200内のセルは、様々な形状の導電性印刷パッチを含む。その他の例において、リフレクトアレイセルは、マイクロストリップ、ギャップ、パッチ、ダイポール、などから構成することができる。特定の設計を実装するために及び特定の制約を充足するために、様々な構成、形状、及び寸法を使用することができる。図示のように、リフレクトアレイアンテナ200は、長さl及び幅wを有する矩形のリフレクトアレイである。その他の例においては、リフレクトアレイアンテナ200は、半径rを有する円形であってよい。リフレクトアレイアンテナ200内のそれぞれのセルは、導電性印刷要素を有する。また、導電性印刷要素は、正方形パッチ、矩形パッチ、ダイポール、複数のダイポール、などのような異なる構成を有することもできる。また、BSとの関係におけるリフレクトアレイアンテナ200の場所、望ましい利得及び指向性性能、などのような所与の5G又はその他の無線用途用の設計基準を充足するために、その他の形状(例えば、平行四辺形、六角形、など)を設計することもできる。
【0016】
[0039] 例えば、リフレクトアレイアンテナ200は、それぞれ、その幅及び長さについて寸法w
c及びl
cを有する矩形セルであるセル202を含む。セル202は、寸法w
re及びl
reを有する導電性印刷要素204を含む。導電性印刷要素の寸法は、サブ波長範囲
【数1】
であり、この場合に、λは、その入射又は反射RF信号の波長を示している。その他の例においては、リフレクトアレイアンテナ200は、クロスダイポール要素208を有するセル206を含む。更に詳しく後述するように、リフレクトアレイアンテナ200の設計は、屋内であるのか屋外であるのかを問わず、所与の用途又は配備についての幾何学的検討事項によって決定されている。従って、リフレクトアレイアンテナ200の寸法、形状、及びセル構成は、特定の用途に依存することになる。
【0017】
[0040] 次に、
図3を参照すれば、これは、主題技術の様々な実装形態による改善された無線通信カバレージエリア用のリフレクトアレイアンテナを設計する例示用のプロセス300のフローチャートを示している。説明を目的として、例示用のプロセス300は、主には、
図4、
図5A~B、
図6A~B、
図7A~B、及び
図24の電子システム2400を参照して記述されているが、例示用のプロセス300は、
図24の電子システム2400に限定されるものではなく、例示用のプロセス300は、
図24の電子システム2400の1つ又は複数のその他のコンポーネントによって実行することもできる。更には、説明を目的として、例示用のプロセス300のブロックは、連続的に又は線形で発生するものとして本明細書においては記述されている。但し、例示用のプロセス300の複数のブロックは、並行して発生し得る。これに加えて、例示用のプロセス300のブロックは、図示の順序とは異なる順序において実行することが可能であり、及び/又は、例示用のプロセス300のブロックの1つ又は複数は実行されてない。
【0018】
[0041] 例示用のプロセス300は、ステップ302において開始しており、ここで、アンテナ仕様が判定されている。いくつかの実装形態において、アンテナ仕様は、リフレクトアレイの形状、リフレクトアレイ内の要素の数、要素の周期、材料の電気プロパティ、リフレクトアレイのアパーチャサイズ、方位角及び仰角における放射ビームの形状、放射ビームの方向、リフレクトアレイとBSの間の距離、デカルト座標内の基地局の配置、リフレクトアレイのビーム半値幅(HPBW)、動作周波数、などに関する情報を含むことができる。
【0019】
[0042] 説明を目的として、アンテナ仕様を判定するステップについては、
図4に示されているリフレクトアレイ構成400の一例を参照して説明することとする。次に
図4を参照すれば、これは、主題技術の様々な実装形態によるプレーナーリフレクトアレイアンテナ及び対象のユニットの一例の概略図を示している。リフレクトアレイ構成400は、その表面上において入射電界を生成するフィード402によって照明されたリフレクトアレイアンテナ404を含む。フィード402は、いくつかの実装形態においては、無線送受信機を有するBSであってもよく、又はその他の実装形態においては、ホーンアンテナであってもよい。いくつかの例においては、リフレクトアレイアンテナ404は、矩形であり、88×88の矩形グリッドにおいて約7744個の要素から構成されている。その他の例においては、リフレクトアレイアンテナ404は、66×66の矩形グリッドにおいて約4356個の要素から構成されている。リフレクトアレイアンテナ400は、本開示の範囲を逸脱することなしに、
図4に示されているものとは異なる数の要素を有するグリッドを有する異なる形状を含み得る。フィード402は、リフレクトアレイアンテナ404の中心との関係における既定の距離において配置することができる。いくつかの態様においては、フィード402は、cos
qθ関数としてモデル化することができる。
【0020】
[0043]
図4に示されているカットアウト410は、セルのサブアレイ、即ち、セル412、414、416、及び418を含む。それぞれのセルは、それぞれの直線偏波ごとに複数の平行ダイポールの組を含むパターン化された層から構成されている。それぞれのセルの(x軸に沿った)長さ及び(y軸に沿った)幅は、それぞれ、P
X及びP
Yとして描かれている。長さは、3.0mm~5.0mmの範囲であってよく、幅は、3.0mm~5.0mmの範囲であってよい。カットアウト410内のセルの周期は、両方の軸(例えば、x、y)において、3.0mm~5.0mmの範囲であり、これは、グレーティングローブを回避するために、約28GHzの動作周波数における波長の半分未満である。動作周波数は、27.5GHz~28.5GHzの範囲であり、更に詳しくは、約28GHzの中心周波数を有する。
【0021】
[0044] ダイポールの間の分離は、y軸に沿った分離の場合にはS
Aに設定され、x軸に沿った分離の場合にはS
Bに設定されている。いくつかの態様においては、分離(S
A、S
B)は、ダイポールの寸法に応じて0.4mm~1.1mmの範囲において設定することができる。カットアウト410は、x軸に沿って横方向において延在するダイポールを有する第1要素タイプ(例えば、420)と、y軸に沿って横方向において延在するダイポールを有する第2要素タイプ(例えば、422)と、を含む。いくつかの実装形態において、それぞれの要素タイプは、第1長さ(l
A1、l
B1として表記されている)を有する2つの平行ダイポールと、平行構成において2つの第1長さダイポールの間において介在する第2長さ(l
A2、l
B2と表記されている)を有する1つのダイポールと、を含む。いくつかの態様において、第2長さは、第1長さが第2長さの規定の割合となるように第1長さ超である。例えば、既定の割合は、0.5~0.8の範囲である割合値に設定されている。ダイポールのそれぞれのものの幅は、0.2mm~0.4mmの範囲であってよい。カットアウト410は、セル412、414、416、及び418のそれぞれにおける第1要素タイプと、セル412、414、416、及び418の間においてセンタリングされたカットアウト410の中心において配置された第2要素タイプと、を含む。いくつかの実装形態において、第1要素タイプ(例えば、420)の構成は、第2要素タイプ(例えば、422)のものに直交しており、この場合に、第1要素タイプは、x軸に平行に延在しており、第2要素タイプは、y軸に平行に延在している。
図4に描かれているように、カットアウト410は、動作周波数において、3.64~3.72の範囲である相対誘電率εrと、0.0072~0.0095の範囲である損失正接δと、を有する単一の基材層を含む。いくつかの例において、基材層は、0.254mm(又は10ミル)~1.524mm(又は60ミル)の範囲の厚さ(又は高さh)を有する。
【0022】
[0045] 次に
図5A及び
図5Bを参照すれば、これは、主題技術の様々な実装形態による様々なリフレクトアレイアンテナの積層構成の断面図を有する概略図を示している。いくつかの実装形態において、
図4に描かれている基材層は、
図5A及び
図5Bに描かれている積層構成の1つに又はその少なくとも一部分に対応し得る。
図5Aは、第1積層構成500の断面図を示し、
図5Bは、第2積層構成550の断面図を示している。但し、描かれているコンポーネントのすべてが使用されなくてもよく、1つ又は複数の実装形態は、図に示されてはいない更なるコンポーネントを含むことができる。本明細書において記述されている請求項の範囲を逸脱することなしに、コンポーネントの構成及びタイプの変形を実施することができる。更なるコンポーネント、異なるコンポーネント、又は更に少ない数のコンポーネントを提供することができる。
【0023】
[0046]
図5Aにおいて、第1積層構成500は、上層502と、接合層504と、基材508と、導電層506及び510と、を含む。いくつかの実装形態において、上層502は、10GHzにおいて誘電定数=1.1及び損失正接=0.003を有しており、これは、市販のROHACELL HF71に対応し、0.508mm(又は20ミル)~1.524mm(又は60ミル)の厚さを有する。接合層504は、10GHzにおいて誘電定数=2.32及び損失正接=0.0013を有するエチレンアクリル酸熱可塑性コポリマーを含む予め含浸された複合材料であり、これは、市販のCuClad6250に対応し、約0.064mm(又は約2.5ミル)の厚さを有する。いくつかの実装形態において、基材508は、10GHzにおいて誘電定数=3.65及び損失正接=0.0125を有し、これは、市販のISOLA FR408に対応し、約1.5mm(又は59ミル)の厚さを有する。いくつかの実装形態において、導電層506及び510は、1.0未満の銅密度を含む。いくつかの態様において、導電層506は、信号プレーンとして機能するパターン化された層であり、導電層510は、接地プレーンとして機能している。
【0024】
[0047]
図5Bにおいては、第2積層構成550は、上層552と、接合層554と、基材558と、導電層556及び560と、を含む。いくつかの実装形態において、上層552及び基材558は、同一の材料を含み、この場合に、それぞれの層は、10GHzにおいて誘電定数=3.65及び損失正接=0.0125を有し、これは、市販のISOLA FR408に対応し、約0.711mm(又は28ミル)の厚さを有する。接合層554は、10GHzにおいて誘電定数=3.6及び損失正接=0.001を有する予め含浸された複合材料であり、約0.1mm(又は4ミル)の厚さを有する。いくつかの実装形態において、導電層556及び560は、1.0未満の銅密度を含む。いくつかの態様において、導電層556は、信号プレーンとして機能するパターン化された層であり、導電層560は、接地プレーンとして機能している。
【0025】
[0048] 再度
図3を参照すれば、ステップ304において、リフレクトアレイセルの位相及び振幅曲線が、対象の帯域内の1つ又は複数の周波数における第1及び第2直線偏波用のアンテナ仕様からリフレクトアレイセル内のダイポール長の関数として算出されている。例えば、第1及び第2直線偏波は、それぞれ、X偏波及びY偏波に対応している。対象の帯域は、いくつかの態様においては、約27.7GHzにおいて中心周波数を有する27.2GHz~28.2GHzの範囲又は約28.0GHzにおいて中心周波数を有する27.5GHz~28.5GHzの範囲などのミリメートル帯域内の5G無線通信に適用可能な周波数に対応し得る。位相及び振幅曲線は、閾値周波数を含む中心周波数において取得することができる。位相及び振幅曲線は、リフレクトアレイ要素によって生成される位相シフトのみならず信号損失をもダイポール長の関数として示し得る。
【0026】
[0049] 次に
図6A及び
図6Bを参照すれば、これらは、X偏波のダイポール長の関数として位相及び振幅曲線のプロット図を示している。
図6A及び
図6Bのプロットは、セルの幾何学的パラメータ及び基材のプロパティに基づいて生成されている。
図6Aにおいて、例えば、セルの周期は、ダイポール長l
A1=0.6×l
A2でありダイポール幅=0.4mmである状態において、5.0mmに設定され、ダイポールの分離は、1.1mmに設定されている。基材層は、誘電定数=3.65及び損失正接=0.0095を有する。リフレクトアレイセルの位相及び振幅応答は、28GHzの動作周波数において直角の入射角度において入射する直線偏波された平面波用の無限周期アレイ環境において分析されている。プロット610は、それぞれ、27.5GHz、28GHz、28.5GHzという3つの周波数についてl
A2ダイポール長の関数として3つの位相曲線を描いている。プロット612は、それぞれ、27.5GHz、28GHz、28.5GHzという同一の3つの周波数についてl
A2ダイポール長の関数として3つの振幅曲線を描いている。観察され得るように、プロット610の位相曲線は、2.0mm~4.5mmのダイポール長の範囲にわたって約400度の位相範囲を示している。同様に、プロット612内の振幅曲線も、2.0mm~4.5mmのダイポール長の範囲に対応する振幅損失を示している。この情報により、望ましい位相シフトを実現する対応するダイポール長を判定することができる。
【0027】
[0050] いくつかの実装形態において、位相及び振幅は、基材厚さの影響を受けている。プロット620は、異なる基材厚さ、即ち、20ミル、30ミル、50ミル、及び60ミル、についてlA2ダイポール長の関数として4つの位相曲線を描いている。例えば、位相は、基材厚さ20ミル、30ミルとの比較において、基材厚さ50ミル、60ミルについて相対的に滑らかに遷移している。この観点において、プロット622は、対応する基材厚さについて4つの振幅曲線を描いており、この場合に、振幅損失は、その他の基材厚さ50ミル、60ミルとの比較において、基材厚さが約20ミル、30ミルに設定されている際には、約3.0mmのダイポール長において相対的に大きくなっている。
【0028】
[0051]
図6Bにおいては、セル周期が、5.0mmの代わりに4.5mmに設定されており、リフレクトアレイセルは、28GHzの動作周波数において直角の入射角度において入射する直線偏波された平面波について無限周期アレイ環境内において分析されている。プロット630は、異なる基材厚さ、即ち、20ミル、30ミル、50ミル、及び60ミルについてl
A2ダイポール長の関数として4つの位相を描いている。この例において、位相は、基材厚さ20ミル、30ミルとの比較において、基材厚さ50ミル、60ミルについて相対的に滑らかに遷移している。位相シフトは、30ミル未満の基材厚さの場合に、約3.0mmにおいて相対的に大きく変化している。プロット632は、対応する基材厚さについて4つの振幅曲線を描いており、この場合に、振幅損失は、その他の基材厚さ50ミル、60ミルとの比較において、基材厚さが約20ミル、30ミルに設定されている際には、約3.0mmのダイポール長において相対的に大きくなっている。プロット642との比較において、プロット632内の振幅損失は、20ミルの基材厚さの場合に相対的に小さく出現している。プロット640及び642は、それぞれ、入射プレーン波が0度の方位角及び50度の仰角に設定された際の位相及び振幅曲線を描いている。プロット630及び632との比較において、プロット640の位相曲線は、基材厚さ50ミル、60ミルの場合には、相対的に高速で変化する位相を示すように出現しており、振幅損失は、対応するダイポール長において基材厚さ50ミルの場合にプロット642内において相対的に優勢である。
【0029】
[0052] 再度
図3を参照すれば、ステップ306において、リフレクトアレイ表面上のターゲット位相分布が、位相のみパターン合成により、アンテナ仕様から判定されている。特定方向において高利得のペンシルビームパターン用のリフレクトアレイアンテナの設計は、解析方程式によって判定することができるが、標準的ではないビームのパターン合成は、困難であり、5G無線用途におけるものなどの厳格な仕様を有する用途においては、最適化アルゴリズムの使用を必要としている。ステップ306における位相のみパターン合成は、コポーラー及びクロスポーラー仕様を含む5G無線通信用のリフレクトアレイアンテナのパターン最適化を提供している。いくつかの実装形態において、パターン合成は、リフレクトアレイセルの最適化用の一般化された交差方式(IA)アルゴリズムの使用に基づいている。いくつかの実装形態においては、主題技術のパターン合成は、2つのステージにパーティション化されている。第1に、位相のみ合成方式が、望ましい成形された放射パターンを生成する位相シフト分布を得るためにIAアルゴリズムによって実行されている。第2に、それぞれのセルの寸法を調節する(例えば、それぞれのセル内のダイポール長を変更する)ことにより、リフレクトアレイアンテナのレイアウトが取得されている。
【0030】
[0053] 主題技術においては、リフレクトアレイセルは、大きな入射角度について両方の直線偏波について同一の位相シフトを提供するように最適化されている。この観点において、パターン合成は、それぞれの直線偏波ごとに1つずつ、2つの位相シフト分布を取得するように実行されている。いくつかの態様においては、同一の位相シフト分布を両方の直線偏波について使用することができる。
【0031】
[0054] 次に
図7を参照すれば、これは、主題技術の様々な実装形態によるリフレクトアレイアンテナ設計を最適化するために
図3のステップ306において記述されている位相のみパターン合成を実行するための例示用のプロセス700のフローチャートを示している。説明を目的として、例示用のプロセス700は、本明細書においては、主に
図24の電子システム2400を参照して説明されているが、例示用のプロセス700は、
図24の電子システム2400に限定されるものはなく、例示用のプロセス700は、
図24の電子システム2400の1つ又は複数のその他のコンポーネントによって実行することができる。更には、説明を目的として、例示用のプロセス700のブロックは、本明細書においては、順番に又は線形で発生するものとして記述されている。但し、例示用のプロセス700の複数のブロックは、並行して発生し得る。これに加えて、例示用のプロセス700のブロックは、図示の順序とは異なる順序において実行することが可能であり、及び/又は、例示用のプロセス700のブロックの1つ又は複数は、実行されていない。
【0032】
[0055] 例示用のプロセス700は、ステップ702において始まっており、ここでは、カバレージエリアが、フィードの場所に少なくとも基づいて判定されている。このステップは、UEとの関係においてBSの幾何学的セットアップを判定することを伴っている。幾何学的セットアップは、無線ネットワーク内のBSの位置を含み、これには、リフレクトアレイアンテナからのその距離及びリフレクトアレイアンテナ自体の向き及び位置が含まれている。次に、
図8を参照すれば、これは、リフレクトアレイアンテナ800の中心において位置決めされたデカルト(x,y,z)座標系からD
0において配置されたBS802の幾何学的セットアップを示している。リフレクトアレイアンテナ800は、y軸がそのボアサイトを示している状態で、x軸に沿って位置決めされている。BS802は、仰角θ
0及び方位角φ
0を有する。幾何学的セットアップの判定は、例えば、レーザー距離測定器及び角度測定器などの単純な幾何学的ツールを伴う単純な手順であることに留意されたい。これは、リフレクトアレイアンテナ800のセットアップの容易性を強調しており、その大きな無線カバレージ及び性能の改善が、屋内であるのか屋外であるのかを問わず、任意の5G無線環境において容易に配備され得る高度な製造性を有するリフレクトアレイによって低費用で実現された際にその使用を更に動機付けしている。リフレクトアレイアンテナ800は、例えば、仰角θ
1及び方位角φ
1により、リフレクトアレイアンテナ800から距離D
1において配置されたUE804などのBS802によってサービスされている5Gネットワーク内のUEから入射RF波を反射するために使用することができる。
【0033】
[0056] 再度
図7を参照すれば、ステップ704において、リフレクトアレイ表面上の正接反射フィールドが、フィードの場所及びリフレクトアレイ表面の初期幾何学的パラメータに少なくとも基づいて算出されている。主題技術のパターン合成は、アルゴリズムの動作原理が次式として記述され得るように、正接反射フィールドに対してそれぞれの反復iにおいて2つの動作を実行する反復的アルゴリズムであり、
【数2】
ここで、
【数3】
は、(アンテナによる放射フィールドをアンテナ仕様に準拠したフィールドの組上に投射する)前方プロジェクタであり、
【数4】
は、(アンテナ仕様に準拠したフィールドをアンテナによって放射され得るフィールドの組上に投射する)後方プロジェクタであり、
【数5】
は、リフレクトアレイ表面上の正接反射フィールドである。
図4を再度参照すれば、リフレクトアレイアンテナ404は、フィード402によって照明され、これにより、その表面上において入射電界が生成されている。それぞれのリフレクトアレイ要素におけるリフレクトアレイ表面上の正接反射フィールドは、次式として表現することが可能であり、
【数6】
ここで、R
lは、反射係数行列であり、(x
l、y
l)は、リフレクトアレイ要素lの中心の座標であり、
【数7】
は、フィードから入射する固定入射フィールドである。行列R
lの構成要素は、リフレクトアレイセルの電磁的振る舞いを十分に特徴付ける複素数である。反射係数行列は、次式の形態を有しており、
【数8】
ここで、
【数9】
及び
【数10】
は、直接係数と呼称される一方で、
【数11】
及び
【数12】
は、交差係数と呼称されている。コポーラーパターンは、直接係数に依存してもよく、クロスポーラーパターンは、すべての係数に依存している。いくつかの態様において、係数は、局所的周期を仮定することにより、全波解析ツールによって演算されている。
【0034】
[0057] その後に、ステップ706において、アルゴリズムが焦点がリフレクトアレイアンテナの中心に位置した状態において始まっており、この場合に、要素の約20%は、中心において合焦されている。この理由は、リフレクトアレイアンテナの中心がフィードによって最も照明されているからである。
【0035】
[0058] 放射パターンの最適化の一部として、放射パターン仕様が、コポーラー及びクロスポーラーコンポーネント内において課されている。主題技術のパターン合成を実行する際には、リフレクトアレイセルの分析の単純化に起因して、コポーラー要件のみが考慮されている。IAアルゴリズムにおいては、コポーラー仕様は、2つのマスクテンプレート、即ち、最小(Tmin)及び最大(Tmax)値、によって表されており、これらは、コポーラー放射パターンがその間において位置するものと予想される最小及び最大閾値である。この観点において、マスク閾値との関係におけるコポーラー利得Gcpは、次式として表現することが可能であり、
Tmin(u,v)≦Gcp(u,v)≦Tmax(u,v) 式(4)
ここで、u=sinθcosφ及びv=sinθsinφは、ファーフィールドが演算される角度座標である。
【0036】
[0059] 次いで、ステップ708において、リフレクトアレイ表面上のコポーラー反射係数の初期位相分布が、既定の仰角プレーン及び既定の方位角プレーンにおいてカバレージエリアに向かってポイントされている非合焦放射ビームに少なくとも基づいて判定されている。上述のように、パターン合成の目的は、望ましい成形された放射パターンを生成する位相シフト分布を取得するというものである。この観点において、パターン合成用の初期位相分布は、解析によって取得されてもよく、これは、次式として表現することが可能であり、
∠ρ(x
l,y
l)=k
0(d
l-d
0-(x
lcosφ
0+ y
lsinφ
0)sinθ
0) 式(5)
ここで、∠ρ(x
l,y
l)は、直接反射係数(それぞれ、直線偏波X及びYの場合には、ρ
xx又はρ
yy)であり、d
lは、フィードからl番目の要素までの距離であり(
図4の410を参照されたい)、d
0は、非合焦ビームに対応するフィードの変位であり(非合焦距離)、(φ
0,θ
0)は、合焦ビームのポイントする方向である。いくつかの態様において、角度(φ
0,θ
0)は、望ましい成形されたビームが相対的に大きな利得を有する方向において選択されている。この観点において、非合焦ビームは、ペンシルビームが最大利得を有する方向に対応する方向に向かってポイントされている。
【0037】
[0060] その後に、ステップ710において、反復パターン合成アルゴリズムの第1ステップが、第1ターゲット利得により、初期位相分布に対して実行されている。いくつかの実装形態においては、反復パターン合成アルゴリズムのそれぞれのステップは、前方投射動作及び後方投射動作を実行することを含む。いくつかの態様においては、前方投射動作は、両方の直線偏波についてファーフィールドの放射パターンを演算することと、アンテナによって放射された現時点の利得のファーフィールド利得をトリミングすることと、を含む。いくつかの実装形態において、それぞれのステップは、同一のパラメータにより、固定された数の動作の反復を実行することができる。いくつかの態様においては、実行される反復の数は、実装形態に応じてステップの間において変化し得る。
【0038】
[0061] いくつかの実装形態において、リフレクトアレイセルは、理想的な位相シフタとしてモデル化されており、この場合には、損失も存在しておらず(例えば、
【数13】
であり)、要素の交差偏波も存在していない(例えば、
【数14】
である)。従って、反射係数行列は、次式として単純化され、
【数15】
ここで、φ
lは、対応する反射係数の位相である。この観点において、それぞれの偏波の正接反射フィールドは、両方の直接係数の位相、即ち、
【数16】
及び
【数17】
に基づいている。リフレクトアレイアンテナは、プレーナーアパーチャとして分類することが可能であり、ファーフィールドは、高速フーリエ変換(FFT)アルゴリズムを使用することにより、判定することができる。例えば、FFTは、リフレクトアレイアンテナによって放射された現時点のファーフィールドを演算している。
【0039】
[0062] X偏波用のファーフィールド放射パターンは、次式として表現することが可能である。
【数18】
【0040】
[0063] その一方で、Y偏波については、ファーフィールド放射パターンは、次式として表現することが可能であり、
【数19】
この場合には、次式のとおりである。
【数20】
【0041】
[0064] いくつかの実装形態において、両方の直線偏波のコポーラー成分は、球面座標内のファーフィールドから取得されている。コポーラーファーフィールド放射パターンが取得されたら、フィールド振幅又は利得の二乗が演算されている。例えば、利得は、フィードによって放射された合計パワーを演算することにより、推定することができる。また、前方投射動作は、ファーフィールド利得をマスク閾値に従ってトリミングすることを含む(例えば、Tmin(u,v)≦Gcp(u,v)≦Tmax(u,v))。例えば、リフレクトアレイアンテナの現時点の利得がTmax超である場合には、Gcpは、Tmaxに低減され、逆にGcpがTmin未満である場合には、GcpがTminに増大される。前方投射動作によるトリミング動作の結果は、アンテナ仕様に準拠する変更済みのファーフィールドである。
【0042】
[0065] 後方投射動作は、トリミングされた利得とアンテナによって放射された現時点の利得との間の距離を極小化し、これにより、アンテナ仕様を充足するために相対的に近接した放射パターンを生成する正接反射フィールドが得られる。従って、後方投射動作は、次式として表現することができる。
【数21】
【0043】
[0066] いくつかの実装形態において、この動作は、Levenberg-Marquardt Algorithm(LMA)などの最小化アルゴリズムによって実行されている。最適化変数は、反射係数の位相であってよく、X偏波の場合には、φxxであり、Y偏波の場合には、φyyである。その他の実装形態においては、直接最適化レイアウトをIAアルゴリズムによって実行することが可能であり、この場合に、最適化変数は、反射係数の位相の代わりにダイポール長を表している。いくつかの態様においては、2つの偏波を独立的に合成することができる。いくつかの実装形態においては、LMAによる後方投射動作は、その他のものに加えて、ヤコビ行列(J)による勾配演算を実行することと、行列乗算(JTJ)を実行することと、を含み得る。
【0044】
[0067] 次いで、ステップ712において、反復パターン合成アルゴリズムの次のステップが利用可能であるかどうかについての判定が実施されている。アルゴリズムの次のステップが利用可能である場合には、プロセス700は、ステップ714に進む。さもなければ、プロセス700は、ステップ718に進む。いくつかの実装形態において、パターン合成アルゴリズムは、アルゴリズムの別のステップが利用可能であるかどうかについてアルゴリズムの収束を判定することを含む。この観点において、アルゴリズムが収束しない場合には、プロセス700は、ステップ714に進む。
【0045】
[0068] 上述のように、アルゴリズムは、リフレクトアレイアンテナの中心において焦点を有する状態において始まっており、この場合に、要素の約20%は、中心において合焦されている。いくつかの態様においては、中心の周りのセルのリングのみを最適化するように照明の最小及び最大閾値レベルを設定することにより、焦点が、それぞれの後続のステップにおいて中心の周りの更なる要素に対して増大されている。最適化(及び/又は改善)を必要としているセルは、照明レベルに従って選択することができる。いくつかの実装形態においては、次のステップのために反復の数を調節する方式を判定するために、それぞれのステップの後の誤差が演算されている。
【0046】
[0069] ステップ714において、利得が、第1ターゲット利得超である第2ターゲット利得に増大されている。いくつかの実装形態においては、利得は、増分的に(例えば、0.5dBの増大により)、増大されている。その他の態様においては、利得の増大は、カバレージエリア内のリフレクトアレイアンテナの中心の周りの固定された数のリフレクトアレイ要素上の規定の照明レベルに対応している。この観点において、利得の増分的増大は、調節済みの合焦ビームに対応し得る。パターン合成は、アルゴリズムの収束を更に改善するために利得を徐々に増大させることにより、複数のステップにおいて実行されている。
【0047】
[0070] ステップ716において、反復パターン合成アルゴリズムの次のステップが、第2ターゲット利得により、初期位相分布に対して実行されている。ステップ716の終了の際に、プロセス700は、次のステップが利用可能であるかどうかを判定するために、ステップ712に戻っている。
【0048】
[0071] ステップ718において、リフレクトアレイ表面上のターゲット位相分布がパターン合成の結果から判定されている。本明細書において使用されている「ターゲット位相分布」という用語は、パターン合成に対するその関係を表記するために「合成された位相分布」という用語を意味し得ると共に、用語は、本開示の範囲を逸脱することなしに相互交換可能に使用され得る。
【0049】
[0072] 再度
図3を参照すれば、ステップ308において、位相曲線からの位相が、特定の直線偏波におけるリフレクトアレイセル用のターゲット位相分布の位相と比較されている。その後に、ステップ310において、比較された位相がマッチングしているかどうかについての判定が実施されている。位相がマッチングしている場合には、プロセス300は、ステップ314に進む。さもなければ、プロセス300は、ステップ312に進む。
【0050】
[0073] ステップ312において、ターゲット位相分布の位相にマッチングした位相に対応するリフレクトアレイセル上の1つ又は複数のダイポール長が、算出された位相曲線を使用して、そのリフレクトアレイセルについて調節されている。
図7を再度参照すれば、ステップ720において、リフレクトアレイセルの幾何学的パラメータが、合成された位相分布から改良されている。例えば、その要素によって提供される位相シフトが合成された位相分布において表されている対応する位相シフトとマッチングするように、それぞれのリフレクトアレイセルのダイポール長が調節されている。いくつかの態様においては、必要とされる位相シフトを提供するダイポールサイズの値を近似するために、一次方程式が使用されている。
【0051】
[0074] 次いで、ステップ314において、次の直線偏波が存在しているどうかについての判定が実施されている。次の直線偏波が存在している場合には、プロセス300は、ステップ308に戻る。さもなければ、プロセス300は、ステップ316に進む。いくつかの実装形態においては、ダイポール長の調節は、2つの直線偏波について独立的に実行されている。例えば、ステップ312において実施されている初期ダイポール長の調節は、X偏波を対象にしたものであってもよく、ステップ314は、Y偏波におけるダイポール長の調節が必要とされていると判定しており、逆も又真である。
【0052】
[0075] ステップ316において、次のリフレクトアレイセルが存在しているかどうかについての判定が実施されている。次のリフレクトアレイセルが存在している場合には、プロセス300は、ステップ308に戻る。さもなければ、プロセス300は、ステップ318に進む。ここで、すべてのリフレクトアレイセルが処理済みである場合には、プロセス300は、望ましい成形された放射パターンを生成する最終的なリフレクトアレイアンテナレイアウトを判定するために、ステップ318に進む。
【0053】
[0076] その後に、ステップ318において、既定の反射係数を使用して、それぞれの直線偏波ごとに、リフレクトアレイアンテナの第1放射パターンが算出されている。例えば、第1放射パターンは、式7~式10における放射ファーフィールドの解析的表現を使用して生成することができる。次いで、ステップ320において、調節済みの1つ又は複数のダイポール長を有するリフレクトアレイアンテナの第2放射パターンが、それぞれの直線偏波ごとに算出されている。合成された位相分布に対してFFT演算を実行することにより、第2放射パターンを生成することができる。いくつかの態様において、第2放射パターンは、全体可視領域のu-vプレーン内においてファーフィールドのコポーラー成分及びファーフィールドのクロスポーラー成分を含み得る。
【0054】
[0077] その後に、ステップ322において、第1放射パターンを第2放射パターンと比較することにより、リフレクトアレイアンテナの幾何学的パラメータが検証されている。いくつかの態様においては、利得及び/又は損失の任意の差を判定するために2つの放射パターンを比較することができる。いくつかの実装形態においては、仕様が充足される方式を相対的に良好に判定するために、マスク閾値と共に、両方の直線偏波の仰角及び方位角におけるメインカットが取得されている。いくつかの態様においては、サイドローブレベル(SLL)を最小及び最大閾値レベルとの関係において観察することができる。
【0055】
[0078] 次いで、ステップ324において、リフレクトアレイアンテナを製造するために、検証済みの幾何学的パラメータが提供されており、この場合に、それぞれのセルは、両方の直線偏波のターゲット位相分布をもたらす最適化されたダイポール長及びセルの幾何学的パラメータによって製造されている。いくつかの態様においては、検証済みの幾何学的パラメータを有するリフレクトアレイアンテナ設計は、電子装置(
図24を参照されたい)により、ネットワーク上において、電子装置のネットワークインターフェイスを通じて、1つ又は複数の製造プロセスを実行する別の電子装置に提供されている。
【0056】
[0079] リフレクトアレイは、製造されたら、屋内であるのか屋外であるのかを問わず、任意の5G又はその他の無線用途の無線カバレージ及び性能を格段にブーストするために、配置及び動作のための準備完了状態にある。設計が完了し、リフレクトアレイが製造され、高性能無線用途を可能にするために環境内において配置された後にも、リフレクトアレイは、依然として、リフレクトアレイに装着されたいわゆる回転メカニズムの使用により、調節され得ることに留意されたい。多くの構成に加えて、本明細書において開示されているリフレクトアレイは、無線ネットワーク内におけるUEとUEにサービスしているBSの間の無線通信を改善するために、合焦された指向性を有する狭いビームを生成することができる。リフレクトアレイは、低費用であり、製造及びセットアップが容易であり、5G又は無線ネットワーク事業者がその動作を調節することを必要とすることなしに自己較正され得る。これらは、受動型であってもよく(又は統合されたトランスミッタによって能動型であってもよく)、MIMO様の利得を実現し得ると共に、マルチパス環境の質を向上させることができる。これらのリフレクトアレイは、5Gの望ましい性能及び高速データ通信の実現を事実上可能にしていることを理解されたい。
【0057】
[0080]
図9A及び
図9Dは、主題技術の様々な実装形態による所与のリフレクトアレイセル(例えば、
図4のリフレクトアレイ構成400)のX及びY偏波のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示している。この例においては、対象のリフレクトアレイアンテナは矩形であり、31684個のセル(主軸において178個の要素)から構成されている。周期は、両方の軸において4.5mmであり、これは、グレーティングローブを極小化(又は回避)するために、27.7GHzの動作周波数における波長の半分未満である。フィード(又は基地局)は、フィードとリフレクトアレイアンテナの間の43mの距離を伴って、リフレクトアレイの中心との関係において(-33.5、-10.3、24.9)mにおいて配置することができる。リフレクトアレイ構成400は、ダイポールの間において約0.7mmの分離を有する一方で、すべてのダイポールの幅は、約0.25mmである。ダイポール長は、L
A1(L
B1)=0.65*L
A2(L
B2)に設定されている。ファーフィールド仕様との関連において、5G基地局用の選択されたパターンは、方位角スパンにおいて一定のパワーフラックスを提供するために、方位角における二乗コセカントビームと、仰角における扇形のビームと、を有する。ビームは、16°の仰角及び0°の方位角においてポイントされている。この方向は、高利得によってマスキングする仕様の領域に対応し得る。
図9A及び
図9Bにおいて、プロット910及び912は、それぞれ、無限周期アレイモデル及びリフレクトアレイアンテナの中心上におけるフィード(又は基地局)からの入射角度に対応する角度(θ=54.5°、φ=17°)において入射する線形偏波平面波の傾斜入射を仮定することにより、X偏波におけるリフレクトアレイセルの位相及び振幅曲線を示している。
図9C及び
図9Dにおいて、プロット920及び922は、それぞれ、
図9A及び
図9Bのプロットにおいて示されているものと同一の条件下において得られたY偏波におけるリフレクトアレイセルの位相及び振幅曲線を示している。
【0058】
[0081]
図10は、主題技術の様々な実装形態による
図9のリフレクトアレイセルと共に使用されるX及びY偏波のターゲット位相シフト分布のプロット図を示している。プロット1010は、
図7において記述されているパターン合成動作から出力された合成された位相分布を表している。いくつかの態様において、プロット1010は、主軸用の要素のアレイを示しており、この場合に、アレイ内の特定のi番目の要素の場所は、両方の直線偏波の必要とされている位相シフトに対応している。プロット1020においては、合成された位相分布は、所与のダイポール長のX偏波を対象としている。同様に、Y偏波におけるダイポール長を対象とした合成された位相分布も、プロット1030において示されている。いくつかの実装形態においては、同一の位相分布が両方の直線偏波において実装されている。いくつかの態様においては、リフレクトアレイアンテナは、入射フィールドの偏波に応じて、デュアルLP(直線偏波)又はデュアルCP(円偏波)を放射することができる。
【0059】
[0082]
図11A~
図11Fは、主題技術の様々な実装形態による
図10の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描くプロット図を示している。
図11Aにおいて、プロット1110は、(それぞれ、マスク1及びマスク2として描かれた)マスク閾値1112及び1114と共に、X偏波におけるコポーラーパターンの仰角におけるメインカットを表している。マスク閾値1112は、最大利得閾値に対応し、マスク閾値1114は、最小利得閾値に対応している。放射パターン信号1116は、-25°~+25°の方位角範囲において最小及び最大閾値の間において演算される現時点の利得を有する。
図11Bは、望ましい放射パターンのコポーラー成分の3次元表現であるファーフィールド放射パターン1120を示している。
図11C及び
図11Dにおいて、プロット1130及び1132は、それぞれ、中心周波数におけるコポーラー及びクロスポーラー反射係数の既定の振幅及び位相(又は事前合成演算)を使用して偏波Xの初期放射パターンを描いており、この場合に、ファーフィールドのコポーラー及びクロスポーラー成分は、それぞれ、全体可視領域用のu-vプレーン内において示されている。例えば、プロット1130及び1132は、27.7GHzの動作周波数におけるリフレクトアレイアンテナの放射パターンを描いており、これらは、必要とされている位相シフトを提供する及びゼロ誘電体損失を有する理想的なリフレクトアレイセル(又は理想的な位相シフタ)を考慮することによって生成されている。
図11及び
図11Fにおいて、プロット1140及び1142は、それぞれ、合成された位相分布を使用して偏波Xの望ましい放射パターンの、それぞれ、コポーラー及びクロスポーラー成分を描いている。いくつかの例においては、プロット1130(
図11C)のカバレージエリア内のコポーラー最大値は、約3.21dBiである一方で、プロット1140(
図11E)のカバレージエリア内のコポーラー最大値は、約2.16dBiであり、これは、プロット1130との関係において約1dBの損失である。
【0060】
[0083]
図12A~
図12Dは、主題技術の様々な実装形態による所与のリフレクトアレイセル(例えば、
図4のリフレクトアレイ構成400)のX及びY偏波のダイポール長の関数としての位相及び振幅曲線のプロット図を示している。この例においては、対象のリフレクトアレイアンテナは、矩形であり、4356個のセル(主軸における66個の要素)から構成されている。周期は、両方の軸において4.5mmであり、これは、グレーティングローブを極小化(又は回避)するために、27.7GHzの動作周波数における波長の半分未満である。フィード(又は基地局)は、フィードとリフレクトアレイアンテナの間の15mの距離を伴って、リフレクトアレイ中心の中心との関係において(-11.7、-1.3、9.3)mにおいて配置することができる。リフレクトアレイ構成400は、ダイポールの間において約0.7mmの分離を有する一方で、すべてのダイポールの幅は、約0.25mmである。ダイポール長は、L
A1(L
B1)=0.65*L
A2(L
B2)に設定されている。ファーフィールド仕様との関連において、5G基地局用の選択されたパターンは、方位角スパンにおいて一定のパワーフラックスを提供するために、方位角における二乗コセカントビーム及び仰角における扇形のビームを有する。ビームは、16°の仰角及び0°の方位角においてポイントされている。この方向は、高利得によってマスキングする仕様の領域に対応し得る。
図12A及び
図12Bにおいて、プロット1210及び1212は、それぞれ、無限周期アレイモデル及び角度(θ=51.7°,φ=6.35°)において入射する直線偏波平面波の傾斜入射を仮定することにより、X偏波のリフレクトアレイセルの位相及び振幅曲線を示しており、これは、リフレクトアレイアンテナの中心上のフィード(又は基地局)からの入射角度に対応している。
図12C及び
図12Dにおいて、プロット1220及び1222は、それぞれ、
図12A及び
図12Bのプロットにおいて示されているものと同一の条件下において得られたY偏波のリフレクトアレイセルの位相及び振幅曲線を示している。
【0061】
[0084]
図13は、主題技術の様々な実装形態による
図12のリフレクトアレイセルと共に使用されるX及びY偏波のターゲット位相シフト分布のプロット図を示している。プロット1310は、
図7において描かれているパターン合成動作から出力された合成された位相分布を表している。いくつかの態様においては、プロット1310は、主軸用の要素のアレイを示しており、この場合に、アレイ内の特定のi番目の要素の場所は、両方の直線偏波の必要とされている位相シフトに対応している。プロット1320において、合成された位相分布は、所与のダイポール長におけるX偏波を対象としている。同様に、Y偏波におけるダイポール長を対象とした合成された位相分布も、プロット1330において示されている。いくつかの実装形態においては、同一の位相分布が両方の直線偏波において実装されている。いくつかの態様において、リフレクトアレイアンテナは、入射フィールドの偏波に応じて、デュアルLP(直線偏波)又はデュアルCP(円偏波)において放射することができる。
【0062】
[0085]
図14A~
図14Cは、主題技術の様々な実施形態による
図13の合成された位相分布からの望ましい放射パターンを描くプロット図を示している。
図14Aにおいて、プロット1410は、(それぞれ、マスク1及びマスク2として描かれている)マスク閾値1412及び1414と共に、X偏波におけるコポーラーパターンの仰角におけるメインカットを表している。マスク閾値1412は、最大利得閾値に対応し、マスク閾値1414は、最小利得閾値に対応している。放射パターン信号1416は、-25°~+25°の方位角範囲内の最小及び最大閾値の間において演算された現時点の利得を有する。
図14Bにおいて、プロット1420は、中心周波数におけるコポーラー及びクロスポーラー反射係数の既定の振幅及び位相(又は事前合成演算)を使用して偏波Xの初期放射パターンを描いており、この場合に、ファーフィールドのコポーラー成分は、全体可視領域のu-vプレーン内において示されている。例えば、プロット1420は、27.7GHzの動作周波数におけるリフレクトアレイアンテナの放射パターンを描いており、これらは、必要とされている位相シフトを提供する及びゼロの誘電体損失を有する理想的なリフレクトアレイセル(又は理想的な位相シフタ)を考慮することにより、生成されている。
図14Cは、望ましい放射パターンのコポーラー成分の3次元表現であるファーフィールド放射パターンを示している。
【0063】
[0086]
図15A~
図15Dは、主題技術の様々な実装形態による異なる放射パターンの中心周波数における方位角及び仰角におけるメインカットのプロット図を示している。
図15A及び
図15Bにおいて、プロット1510及び1512は、それぞれ、(CP|理想として描かれている)理想的なリフレクトアレイセル、(CP/XP|係数として描かれている)設計されたリフレクトアレイセルの事前に演算された反射係数、及び(CP/XP|ダイポールとして描かれている)最適化されたダイポールを有する設計されたリフレクトアレイアンテナの全波シミュレーションを使用して得られた放射パターンのメインカットを描いている。観察され得るように、事前演算された反射係数を使用した放射パターンは、利得が方位角において相対的に小さく観察され得る状態において、理想的なリフレクトアレイセルを使用して得られた放射パターンにかなり対応している一方で、最適化されたダイポールによって設計されたリフレクトアレイの全波シミュレーションを使用して得られた放射パターンは、方位角及び仰角における事前に演算された反射係数を使用した放射パターンに緊密に対応している。
図15C及び
図15Dにおいて、プロット1520及び1522は、それぞれ、(CP/XP|ΔLとして描かれている)変化する程度のダイポール長によって得られた放射パターンのメインカットを描いている。放射パターンは、ダイポール長の変化とは無関係に、仰角及び方位角の両方において互いに対応していることが観察される。
【0064】
[0087]
図16は、主題技術の様々な実装形態による
図14の望ましい放射パターンと共に使用されるX及びY偏波の中心周波数における度を単位とした位相誤差のプロット図を示している。プロット1610は、
図7において描かれているパターン合成動作から出力された合成された位相分布を表している。いくつかの態様において、プロット1610は、主軸用の要素のアレイを示しており、この場合に、アレイ内の特定のi番目の要素の場所は、両方の直線偏波の必要とされている位相シフトに対応している。プロット1620において、合成された位相分布との関係における位相誤差は、X偏波を対象としている。同様に、Y偏波を対象とした合成された位相分布との関係における位相誤差も、プロット1630に示されている。
【0065】
[0088]
図17A~
図17Dは、主題技術の様々な実施形態による異なる動作周波数及び基材における方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示している。
図17A及び
図17Bにおいて、プロット1710及び1712は、それぞれ、(CP/XP|27.2GHzとして描かれている)第1閾値周波数において、(CP/XO|27.7GHzとして描かれている)中央周波数において、及び、(CP/XP|28.2GHzとして描かれている)第2閾値周波数において、得られた放射パターンのメインカットを示している。観察され得るように、放射パターンは、互いにかなり対応するように出現しているが、第1及び第2閾値周波数において得られた放射パターンは、中心周波数において得られた放射パターンのものよりも小さな利得を有しており、この場合に、第2閾値周波数において得られた放射パターンは、第1閾値周波数において得られた放射パターンのものよりも小さな利得を有する。
図17C及び
図17Dにおいて、プロット1720及び1722は、それぞれ、(CP/XP|tanδ=0.0125として描かれている)第1損失正接を有する、(CP/XP|tanδ=0.025)として描かれている)第2損失正接を有する、及び、(CP/XP|tanδ=0.05)として描かれている)第3損失正接を有する、基材によって得られた放射パターンのメインカットを描いている。放射パターンは、仰角及び方位角の両方において互いにかなり対応していることが観察されるが、第1損失正接を有する基材は、最大利得を有する放射パターンをもたらし、第3損失正接を有する基材は、最小利得を有する放射パターンをもたらしている。
【0066】
[0089]
図18A及び
図18Dは、主題技術の様々な実装形態による異なる基材誘電率における方位角及び仰角における放射パターンのメインカットのプロット図を示している。
図18A及び
図18Bにおいて、プロット1810及び1812は、それぞれ、(CP/XP|ε
r=3.65として描かれている)第1基材誘電率において、(CP/XP|ε
r=3.45として描かれている)第2基材誘電率において、及び、(CP/XP|ε
r=3.85として描かれている)第3基材誘電率において、得られた放射パターンのメインカットを描いている。観察され得るように、放射パターンは、基材誘電率の変化とは無関係に、互いにかなり対応するように出現している。
図18C及び
図18Dにおいて、プロット1820及び1822は、それぞれ、異なる基材誘電率に対応する偏波Xの放射パターンを描いており、この場合に、ファーフィールドのコポーラー成分は、全体可視領域のu-vプレーン内において示されている。例えば、プロット1820は、基材誘電率ε
r=3.65を有するリフレクトアレイアンテナの放射パターンを描いている一方で、プロット1822は、基材誘電率ε
r=3.85を有するリフレクトアレイアンテナの放射パターンを描いている。プロット1820との関係におけるいくつかの変動をプロット1822において観察することができる。
【0067】
[0090]
図19A~
図19Dは、主題技術の様々な実装形態による異なる値の誘電体厚さにおける方位角及び仰角における放射パターンメインカットのプロット図を示している。
図19A及び
図19Bにおいて、プロット1910及び1912は、それぞれ、(CP/XP|h=1.5mmとして描かれている)第1誘電体厚さにおいて、(CP/XP|h=1.37mmとして描かれている)第2誘電体厚さにおいて、及び、(CP/XP|h=1.63mmとして描かれている)第3誘電体厚さにおいて、得られた放射パターンのメインカットを描いている。観察され得るように、放射パターンは、誘電体厚さの変化とは無関係に互いにかなり対応するように出現している。
図19C及び
図19Dにおいて、プロット1920及び1922は、それぞれ、異なる誘電体厚さに対応する偏波Xの放射パターンを描いており、この場合に、ファーフィールドのコポーラー成分は、全体可視領域のu-vプレーン内において示されている。例えば、プロット1920は、誘電体厚さh=1.5mmを有するリフレクトアレイアンテナの放射パターンを描いている一方で、プロット1922は、誘電体厚さh=1.37mmを有するリフレクトアレイアンテナの放射パターンを描いている。プロット1920との関係におけるいくつかの変動をプロット1922において観察することができる。
【0068】
[0091]
図20は、主題技術の様々な実装形態による屋外環境2000内のリフレクトアレイアンテナの一例を概念的に示している。無線基地局(BS)2002は、スタジアム2030の屋根上において設置された無線送受信機2006から無線信号2004を送信及び受信している。無線送受信機2006は、そのカバレージエリア内のモバイル装置との間において無線信号を送信及び受信することができる。カバレージエリアは、屋外環境においては、建物又はその他の構造物によって妨害される場合があり、これは、無線信号の品質に影響を及ぼし得る。
図20において描かれているように、スタジアム2030及びその構造的特徴は、視準線(LOS)ゾーンを有するように、BS2002及び/又は無線送受信機2006のカバレージエリアに影響を及ぼし得る。LOSゾーンの外側に位置するUEは、無線アクセスを有することができない場合があり、大幅に低減されたカバレージを有している場合があり、又は劣化されたカバレージを有している場合がある。5Gネットワークトラフィックに利用されている非常に高い周波数帯域(例えば、ミリメートル波周波数)が付与された場合に、無線送受信機2006のLOSゾーンの外側においてカバレージエリアを拡張することは困難であり得る。
【0069】
[0092] 無線カバレージは、構造物(例えば、屋根、壁、柱、窓、など)の表面上においてリフレクトアレイアンテナを設置することにより、LOSゾーンの外側のユーザーについて大幅に改善することができる。
図20に描かれているように、リフレクトアレイアンテナ2010及び2012は、スタジアム2030の個別の場所において配置されている。例えば、それぞれのリフレクトアレイアンテナは、ルーフラインのエッジ上において配置することができる。
【0070】
[0093] リフレクトアレイアンテナ2010及び2012のそれぞれは、ネットワークカバレージを大幅に改善するために、改善された場所において位置決めされた安定した且つ低費用の受動型リレーアンテナである。図示のように、リフレクトアレイアンテナ2010及び2012のそれぞれは、スタジアム2030の一部として形成されているか、配置されているか、構成されているか、埋め込まれているか、又はその他の方法で接続されている。複数のリフレクトアレイが例示を目的として示されているが、実装形態に応じて、単一のリフレクトアレイをスタジアム2030の外部及び/又は内部表面内において配置することができる。
【0071】
[0094] いくつかの実装形態において、リフレクトアレイアンテナ2010及び2012のそれぞれは、LOSゾーンの内部又は外部において無線送受信機2006とエンドユーザーの間における受動型リレーとして機能することができる。その他の実装形態においては、リフレクトアレイアンテナ2010及び2012は、反射された無線信号に送信パワーの増大を提供することにより、能動型のリレーとして機能することができる。非視準線(「NLOS」)ゾーン内のエンドユーザーは、リフレクトアレイアンテナ2010及び2012から反射された無線送受信機2006から無線信号を受け取ることができる。いくつかの態様においては、リフレクトアレイアンテナ2010は、無線送受信機2006から単一RF信号を受け取ることができると共に、その信号をターゲットである場所又は方向への合焦ビーム2020としてリダイレクトすることができる。その他の態様においては、リフレクトアレイアンテナ2012は、無線送受信機2006から単一のRF信号を受け取ることができると共に、その信号を異なる場所に対する異なる位相の複数の反射信号2022としてリダイレクトすることができる。特定の設計を実装するために及び特定の制約を充足するために、様々な構成、形状、及び寸法を使用することができる。リフレクトアレイアンテナ2010及び2012は、図示の環境において任意の望ましい場所から特定の方向において無線送受信機2006からの無線信号を直接的に反射するように設計することができる。
【0072】
[0095] 屋外環境2000内のUE及びその他のものの場合には、リフレクトアレイアンテナ2010及び2012は、BS2002及び/又は無線送受信機2006から戦略的な方向にRF信号を反射することにより、大きな性能及びカバレージのブーストを実現することができる。それぞれの個々のリフレクトアレイが無線カバレージ及び性能の改善のために到達することを必要とするリフレクトアレイアンテナ2010及び2012の設計及び方向の決定は、屋外環境2000の幾何学的構成(例えば、無線送受信機2006の配置、リフレクトアレイアンテナ2010及び2012との関係における距離、など)のみならず、屋外環境2000内における無線送受信機2006からリフレクトアレイアンテナ2010までのリンクバジェット計算を考慮している。例えば、本明細書において記述されている大きな入射角度における単一層デュアル直線偏波リフレクトアレイアンテナを定義する新規のパターン合成動作を実行することによるリフレクトアレイアンテナ2010及び2012の設計及び最適化は、LOS及びNLOSゾーン内におけるカバレージの望ましいエリアの実現を支援することができる。
【0073】
[0096]
図21は、リフレクトアレイが無線カバレージ及び性能を格段に改善するために配備され得る別の環境を示している。環境2100内において、BS2102は、橋2104の下のNLOSエリア内において配置され得るUEを含むそのリーチ内のUEに良好な無線カバレージ及び性能を提供することを困難にしている建物の上部において配置されている。環境2100内のこれらのUE及びその他のものの場合には、リフレクトアレイ2106は、RF信号をUEからBS2102に至る合焦された方向に反射することにより、大きな性能及びカバレージのブーストを実現している。リフレクトアレイ2106の設計は、更に詳細に上述されているように、環境2100の幾何学的構成(例えば、BS2102の配置、リフレクトアレイ2106との関係における距離、など)のみならず、環境2100内のBS2102からリフレクトアレイ2106までのリンクバジェット計算を考慮している。
【0074】
[0097] リフレクトアレイは、屋外及び屋内環境の両方において配置され得ることに留意されたい。
図22は、様々な例による屋内環境におけるリフレクトアレイの配置を示している。部屋2200は、そのコーナーの1つにおいて配置された無線送受信機2202を有する。送受信機2202は、固定された無線ネットワーク内などのように、部屋2200内のUEに対する無線カバレージを提供している。任意の所与の時点において、部屋2200内には、高速データ通信に対する大きな需要を有する任意の数のUEが存在し得る。既定の場所におけるリフレクトアレイ2204~2206の配置は、部屋2200内のUEからのRF波が無線送受信機2202に到達し性能のブーストを提供することを可能にしている。リフレクトアレイ2204~2206によって実現される性能のブーストは、すべてのそのセル及びその導電性印刷要素から反射された指向性を有するビームの肯定的な効果に起因している。肯定的な効果は、5G無線通信及びその他のデータ集約的無線用途を可能にするために重要である受動型(又は能動型)の低費用の且つ製造が容易なリフレクトアレイによって実現されていることに留意されたい。多くの構成に加えて、本明細書において開示されているリフレクトアレイは、例えば、異なる材料による、異なる周波数(例えば、単一、デュアル、マルチ帯域、又は広帯域)を有する、例えば、方位角において狭く且つ仰角において広いなどのように、必要に応じて狭い又は広いビームを生成することができる。リフレクトアレイは、任意の無線環境において、様々な方向及び場所に到達し得る。これらのリフレクトアレイは、低費用であり、製造及びセットアップが容易であり、その動作に対する手動調節を必要とすることなしに自己較正され得る。
【0075】
[0098]
図23は、主題技術の様々な実装形態による屋内環境2300における配置を有するリフレクトアレイアンテナ2304の一例を概念的に示している。屋内環境2300は、無線通信信号をUE(例えば、セルラー電話機)に送信するための既定の場所(図示されてはいない)において配置された無線送受信機を有することができる。例えば、無線送受信機は、固定された無線ネットワーク内などのような、屋内環境2300内において配置された1つ又は複数のUEに無線ネットワークカバレージを提供することができる。任意の所与の時点において、屋内環境2300内には、高速データ通信に対する大きな需要を有する任意の数のUEが存在し得る。場所2302におけるリフレクトアレイアンテナ2304の配置は、リフレクトアレイアンテナ2304が、無線送受信機からのRF波(例えば、2306)が中継されたRF波2308によって任意の方向に到達すること及び性能のブーストをオリジナルのRF信号に提供することを可能にし得るように、スキャニングシステム(図示されてはいない)からのスキャニング結果を通じて判定することができる。リフレクトアレイアンテナ2304によって実現されている性能のブーストは、リフレクトアレイアンテナ2304内のセルのすべて及びこのようなセル内の導電性印刷要素から反射された指向性を有するビームの肯定的な効果に起因し得る。肯定的な効果は、5G用途を可能にするために重要である受動型の(又は能動型の)低費用の且つ製造が容易であるリフレクトアレイによって実現することができる。多くの構成に加えて、本明細書において開示されているリフレクトアレイは、必要に応じて、例えば、異なる材料により、異なる周波数(例えば、シングル、デュアル、マルチ帯域、又は広帯域)において、例えば、方位角において狭く又は仰角において広いなどのような、狭い又は広いビームを生成することができる。リフレクトアレイは、任意の無線ネットワーク環境内において様々な方向及び場所に到達し得る。リフレクトアレイは、低費用であることが可能であり、製造及びセットアップが容易であることが可能であり、その動作に対する手動的調節を必要とすることなしに自己較正され得る。いくつかの実装形態においては、リフレクトアレイアンテナ2304は、メタ構造を含むことができる。
【0076】
[0099]
図24は、主題技術の1つ又は複数の実装形態が実装され得る電子システム2400を概念的に示している。例えば、電子システム2400は、コンピュータであってもよく、サーバーであってよく、又は一般的には、コンピュータモデル化によるリフレクトアレイの設計を設計及び最適化するためにプログラムを実行する任意の電子装置であってよい。このような電子システムは、様々なタイプのコンピュータ可読媒体及び様々なその他のタイプのコンピュータ可読媒体用のインターフェイスを含む。電子システム2400は、バス2408、1つ又は複数の処理ユニット2412、システムメモリ2404(及び/又は、バッファ)、読み出し専用メモリ(ROM)2410、永久ストレージ装置2402、入力装置インターフェイス2414、出力装置インターフェイス2406、及び1つ又は複数のネットワークインターフェイス2416、又はこれらのサブセット又は変形を含む。
【0077】
[0100] バス2408は、電子システム2400の多数の内部装置を通信自在に接続しているすべてのシステム、周辺装置、及びチップセットバスを集合的に表している。1つ又は複数の実装形態において、バス2408は、1つ又は複数の処理ユニット2412をROM2410、システムメモリ2404、及び永久ストレージ装置2402と通信自在に接続している。これらの様々なメモリユニットから、1つ又は複数の処理ユニット2412は、主題開示のプロセスを実行するために、実行するべき命令と、処理するべきデータと、を取得している。例えば、1つ又は複数の処理ユニット2412は、プロセス300及び700などの1つ又は複数のプロセスを実行する命令を実行することができる。1つ又は複数の処理ユニット2412は、異なる実装形態においては、シングルプロセッサ又はマルチコアプロセッサであってよい。
【0078】
[0101] ROM2410は、電子システム2400の1つ又は複数の処理ユニット2412及びその他のモジュールによって必要とされている静的なデータ及び命令を保存している。その一方で、永久ストレージ装置2402は、読み出し及び書込みメモリ装置であってよい。永久ストレージ装置2402は、電子システム2400がオフ状態である際にも命令及びデータを保存する不揮発性メモリユニットであってよい。1つ又は複数の実装形態において、(磁気又は光ディスク及びその対応するディスクドライブなどの)マスストレージ装置を永久ストレージ装置2402として使用することができる。
【0079】
[0102] 1つ又は複数の実装形態において、(フロッピーディスク、フラッシュドライブ、及びその対応するディスクドライブなどの)着脱自在のストレージ装置を永久ストレージ装置2402として使用することができる。永久ストレージ装置2402と同様に、システムメモリ2404も、読み出し及び書込みメモリ装置であってよい。但し、永久ストレージ装置2402とは異なり、システムメモリ2404は、ランダムアクセスメモリなどの揮発性の読み出し及び書込みメモリであってよい。システムメモリ2404は、1つ又は複数の処理ユニット2412がランタイムにおいて必要とし得る命令及びデータの任意のものを保存することができる。1つ又は複数の実装形態において、主題開示のプロセスは、システムメモリ2404、永久ストレージ装置2402、及び/又はROM2410内において保存されている。これらの様々なメモリユニットから、1つ又は複数の処理ユニット2412は、1つ又は複数の実装形態のプロセスを実行するために、実行するべき命令と、処理するべきデータと、を取得している。
【0080】
[0103] また、バス2408は、入力及び出力装置インターフェイス2414及び2406にも接続している。入力装置インターフェイス2414は、ユーザーが電子システム2400に情報を伝達しコマンドを選択することを可能にしている。入力装置インターフェイス2414と共に使用され得る入力装置は、例えば、英数キーボード及び(「カーソル制御装置」とも呼称される)ポインティング装置を含むことができる。出力装置インターフェイス2406は、例えば、電子システム2400によって生成された画像の表示を可能することができる。出力装置インターフェイス2406と共に使用され得る出力装置は、例えば、プリンタと、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、フレキシブルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、半導体ディスプレイ、プロジェクタ、又は情報を出力する任意のその他の装置などの表示装置と、を含むことができる。1つ又は複数の実装形態は、タッチスクリーンなどの入力及び出力装置の両方として機能する装置を含むことができる。これらの実装形態においては、ユーザーに提供されるフィードバックは、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバックなどの感覚フィードバックの任意の形態であることが可能であり、ユーザーからの入力は、音響、発話、又は触覚入力を含む任意の形態において受け取ることができる。
【0081】
[0104] また、最後に、
図24に示されているように、バス2408は、1つ又は複数の無線ネットワークインターフェイスなどの1つ又は複数のネットワークインターフェイス2416を通じて電子システム2400をネットワーク(図示されてはいない)に及び/又は1つ又は複数の装置に結合している。この結果、電子システム2400は、(ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、又はイントラネットワークなどのコンピュータのネットワーク又はインターネットなどのネットワークのネットワークの一部であってよい。電子システム2400の任意の又はすべてのコンポーネントを主題開示との関連において使用することができる。
【0082】
[0105] 開示された例に関する以上の説明は、当業者が本開示を実施又は使用することを可能にするために提供されていることを理解されたい。これらの例に対する様々な変更が当業者には容易に明らかとなり、本明細書において定義されている一般的な原理は、本開示の精神及び範囲を逸脱することなしに、その他の例に適用することができる。従って、本開示は、本明細書において示されている例に限定されることを意図したものではなく、これには、本明細書において開示されている原理及び新規の特徴と一貫性を有する最も広い範囲を付与することを要する。
【0083】
[0106] 次に、以下の条項を参照し、主題技術の第1の態様について説明することとする。
【0084】
[0107] 条項1.改善された無線通信用途用のリフレクトアレイアンテナであって、単一の基材層と、リフレクトアレイセルのアレイと、を有し、リフレクトアレイセルのアレイは、単一の基材層上に位置し、第1直線偏波において第1位相シフトを有する反射高周波(RF)ビームを放射するように構成された第1の複数の導電性要素と、第1の複数の導電性要素に直交するように構成された、及び第1直線偏波に直交する第2直線偏波において第1位相シフトのものに実質的に等価である第2位相シフトを有する反射RFビームを放射するように構成された第2複数の導電性要素と、を有する。
【0085】
[0108] 条項2.請求項1に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第1の複数の導電性要素は、第1軸に沿って横方向において延在する少なくとも1つのダイポールを有し、第2の複数の導電性要素は、第1軸に直交する第2軸に沿って横方向において延在する少なくとも1つのダイポールを有する。
【0086】
[0109] 条項3.請求項2に記載のリフレクトアレイアンテナであって、リフレクトアレイセルのアレイは、第1軸及び第2軸において3.0ミリメートル(mm)~5.0mmの範囲のセルの周期を有する。
【0087】
[0110] 条項4.請求項1に記載のリフレクトアレイアンテナであって、リフレクトアレイセルのアレイのそれぞれのリフレクトアレイセルは、第1の複数の導電性要素を有する。
【0088】
[0111] 条項5.請求項2に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第2の複数の導電性要素のそれぞれの導電性要素は、第1の複数の導電性要素の間においてセンタリングされた場所において配置されている。
【0089】
[0112] 条項6.請求項1に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第1の複数の導電性要素及び第2の複数の導電性要素のそれぞれは、変化する長さを有する複数のダイポールを有し、第1の複数の導電性要素及び第2の複数の導電性要素のそれぞれのものの複数のダイポールは、互いに平行に構成されている。
【0090】
[0113] 条項7.請求項6に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第1の複数の導電性要素及び第2の複数の導電性要素のそれぞれは、第1長さを有する第1ダイポール、第2長さを有する第2ダイポール、及び第3長さを有する第3ダイポールを有し、第2ダイポールは、第1ダイポールと第3ダイポールの間において介在している。
【0091】
[0114] 条項8.請求項7に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第2長さは、第1長さ及び第3長さ超であり、第1長さは、第3長さに実質的に等価である。
【0092】
[0115] 条項9.請求項8に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第1長さ及び第3長さのそれぞれは、第2長さの既定の割合である。
【0093】
[0116] 条項10.請求項1に記載のリフレクトアレイアンテナであって、リフレクトアレイセルのアレイのそれぞれのリフレクトアレイセルは、基材、第1の複数の導電性要素及び第2の複数の導電性要素を有するパターン化された層、接地プレーン層、接合層、及び上層を有し、上層は、接合層の上部表面上において配設されており、接合層は、パターン化された層の上部表面上において配設されており、パターン化された層は、基材の上部表面上において配設されており、基材は、接地プレーン層の上部表面上において配設されている。
【0094】
[0117] 条項11.請求項10に記載のリフレクトアレイアンテナであって、上層及び基材は、同一の複合材料を有する。
【0095】
[0118] 条項12.請求項1に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第1の複数の導電性要素及び第2の複数の導電性要素は、異なる形状の導電性印刷パッチである。
【0096】
[0119] 条項13.条項1又は条項2のいずれか1つに記載のリフレクトアレイアンテナであって、リフレクトアレイセルのアレイは、第1軸及び第2軸において3.0ミリメートル(mm)~5.0mmの範囲のセルの周期を有する。
【0097】
[0120] 条項14.条項1~3のいずれか1つに記載のリフレクトアレイアンテナであって、リフレクトアレイセルのアレイのそれぞれのリフレクトアレイセルは、第1の複数の導電性要素を有する。
【0098】
[0121] 条項15.条項2に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第2の複数の導電性要素のそれぞれの導電性要素は、第1の複数の導電性要素の間においてセンタリングされた場所において配置されている。
【0099】
[0122] 条項16.条項1~5のいずれか1つに記載のリフレクトアレイアンテナであって、第1の複数の導電性要素及び第2の複数の導電性要素のそれぞれは、変化する長さを有する複数のダイポールを有し、第1の複数の導電性要素及び第2の複数の導電性要素のそれぞれのものの複数のダイポールは、互いに平行に構成されている。
【0100】
[0123] 条項17.条項6に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第1の複数の導電性要素及び第2複数の導電性要素のそれぞれは、第1長さを有する第1ダイポール、第2長さを有する第2ダイポール、及び第3長さを有する第3ダイポールを有し、第2ダイポールは、第1ダイポールと第3ダイポールの間において介在している。
【0101】
[0124] 条項18.条項7に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第2長さは、第1長さ及び第3長さ超であり、第1長さは、第3長さに実質的に等価である。
【0102】
[0125] 条項19.条項8に記載のリフレクトアレイアンテナであって、第1長さ及び第3長さのそれぞれは、第2長さの既定の割合である。
【0103】
[0126] 条項20.条項1~9のいずれか1つに記載のリフレクトアレイアンテナであって、リフレクトアレイセルのアレイのそれぞれのリフレクトアレイセルは、基材、第1の複数の導電性要素及び第2の複数の導電性要素を有するパターン化された層、接地プレーン層、接合層、及び上層を有し、上層は、接合層の上部表面上において配設されており、接合層は、パターン化された層の上部表面上において配設されており、パターン化された層は、基材の上部表面上において配設されており、基材は、接地プレーン層の上部表面上において配設されている。
【0104】
[0127] 条項21.条項10に記載のリフレクトアレイアンテナであって、上層及び基材は、同一の複合材料を有する。
【0105】
[0128] 条項22.条項1~11のいずれか1つに記載のリフレクトアレイアンテナであって、第1の複数の導電性要素及び第2の複数の導電性要素は、異なる形状の導電性印刷パッチである。
【0106】
[0129] 次に、以下の条項を参照し、主題技術の第2の態様について説明することとする。
【0107】
[0130] 条項23.リフレクトアレイアンテナを設計する方法であって、方法は、パターン合成アルゴリズムによってリフレクトアレイセルのアレイを有するリフレクトアレイパネル用のターゲット位相分布を判定することと、リフレクトアレイセルの表面上において予め演算された反射係数を使用してリフレクトアレイセルのアレイにおいてそれぞれのセルの幾何学的パラメータを判定することと、ターゲット位相分布との比較に少なくとも基づいてリフレクトアレイセルのアレイ内のそれぞれのセル内の1つ又は複数のダイポール長を変更することと、少なくとも1つの直線偏波について、リフレクトアレイセルのアレイ内の変更された1つ又は複数のダイポール長に少なくとも基づいて第1放射パターンを演算し及び予め演算された反射係数から第2放射パターンを演算することと、第1放射パターンと第2放射パターンの間の比較に少なくとも基づいてリフレクトアレイセルのアレイ内のそれぞれのセルの幾何学的パラメータを検証することと、リフレクトアレイアンテナの製造のために検証済みの幾何学的パラメータを提供することと、を有する。
【0108】
[0131] 条項24.請求項23に記載の方法であって、リフレクトアレイアンテナと基地局の間の幾何学的セットアップを含むアンテナ仕様を判定することと、対象の帯域内の1つ又は複数の周波数において第1及び第2直線偏波用のアンテナ仕様からリフレクトアレイセルの位相及び振幅曲線を算出することと、位相曲線からの第1位相を第1及び第2直線偏波の少なくとも1つにおけるリフレクトアレイセル用のターゲット位相分布の第2位相と比較することと、を更に有し、リフレクトアレイセルの1つ又は複数のダイポール長は、位相曲線からの第1位相がターゲット位相分布の第2位相とマッチングしていない際に第1位相及び第2位相が実質的に収束するようにするべく変更されている。
【0109】
[0132] 条項25.請求項23に記載の方法であって、ターゲット位相分布を判定することは、フィードの場所及びリフレクトアレイセルのアレイ内のそれぞれのセルの初期幾何学的パラメータに少なくとも基づいてリフレクトアレイパネルの表面上の正接反射フィールドを算出することと、カバレージエリアの中心に向かってポイントされたペンシルビームを有する放射パターン仕様を判定することと、既定の方位角において及び既定の仰角においてカバレージエリアに向かってポイントされた非合焦ビームに基づいてリフレクトアレイパネルの表面上においてリフレクトアレイセルのアレイ用の初期位相分布を判定することと、初期位相分布に対して反復パターン合成アルゴリズムの複数のステップを実行することと、反復パターン合成アルゴリズムの複数のステップのそれぞれの後続のステップのために非合焦ビームの利得を増大させることと、を有する。
【0110】
[0133] 条項26.請求項25に記載の方法であって、リフレクトアレイアンテナのアパーチャサイズに少なくとも基づいて利得を判定することを更に有し、利得の増大は、カバレージエリア内のリフレクトアレイアンテナの中心の周りの固定された数のリフレクトアレイ要素上の既定の照明レベルに対応している。
【0111】
[0134] 条項27.請求項25に記載の方法であって、リフレクトアレイアンテナの中心の周りのセルのリングを最適化するために照明の最小及び最大閾値レベルを設定することを更に有し、利得を増大させることは、反復パターン合成アルゴリズムの後続のステップに対応する照明の最小及び最大閾値レベル内のレベルにリフレクトアレイパネルのエッジにおける照明レベルを増大させることを有する。
【0112】
[0135] 次に、以下の条項を参照し、主題技術の第3の態様について説明することとする。
【0113】
[0136] 条項28.製造のためにリフレクトアレイアンテナのパターン合成を実行する方法であって、方法は、フィードの場所及びリフレクトアレイ表面の初期幾何学的パラメータに少なくとも基づいてリフレクトアレイ表面上の正接反射フィールドを算出することと、カバレージエリアの中心に向かってポイントされたペンシルビームを有する放射パターン仕様を判定することと、既定の方位角において及び既定の仰角においてカバレージエリアに向かってポイントされた非合焦ビームに基づいてリフレクトアレイ表面上のセルのアレイの初期位相分布を判定することと、初期位相分布に対して反復パターン合成アルゴリズムの複数のステップを実行することと、反復パターン合成アルゴリズムの複数のステップのそれぞれの後続のステップのためにリフレクトアレイ表面のエッジにおける照明のレベルを増大させることと、反復パターン合成アルゴリズムの結果からリフレクトアレイ表面上の合成された位相分布を判定することと、合成された位相分布を使用してリフレクトアレイセルの1つ又は複数の幾何学的パラメータを変更することと、リフレクトアレイアンテナを製造するためにリフレクトアレイセルの変更された1つ又は複数の幾何学的パラメータを処理することと、を有する。
【0114】
[0137] 条項29.請求項28に記載の方法であって、リフレクトアレイアンテナのアパーチャサイズに少なくとも基づいて利得を判定することを更に有し、利得の増大は、カバレージエリア内のリフレクトアレイアンテナの中心の周りの固定された数のリフレクトアレイ要素上の既定の照明レベルに対応している。
【0115】
[0138] 条項30.請求項29に記載の方法であって、非合焦ビームは、中心の周りのセルのリングを最適化するために照明の最小及び最大閾値レベルを設定することにより、反復パターン合成アルゴリズムのそれぞれの後続のステップにおいてリフレクトアレイアンテナの中心の周りの更なるリフレクトアレイ要素をカバーするように増大されている。
【0116】
[0139] 項目の任意のものを分離するために「及び」又は「又は」という用語を伴って本明細書において使用されている一連の項目に先行する「~の少なくとも1つ」というフレーズは、リストのそれぞれの構成要素(即ち、それぞれの項目)ではなく、リストを全体として修飾している。「~の少なくとも1つ」というフレーズは、少なくとも1つの項目の選択を必要としてはおらず、フレーズは、項目の任意のものの少なくとも1つ及び/又は項目の任意の組合せの少なくとも1つ及び/又は項目のそれぞれのものの少なくとも1つを含む意味を許容している。例として、「A、B、及びCの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCの少なくとも1つ」というフレーズは、それぞれ、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、A、B、及びCの任意の組合せ、及び/又は、A、B、及びCのそれぞれのものの少なくとも1つを意味している。
【0117】
[0140] 更には、「含む(include)」、「有する(have)」という用語、又はこれらに類似したものが説明及び請求項において使用されている限りにおいては、このような用語は、請求項において移行語として利用された際に「有する(comprise)」が解釈されるように、「有する(comprise)」という用語に類似した方式で包含的となるように意図されている。
【0118】
[0141] 単数形における要素に対する参照は、具体的に記述されていない限り、「1つの及び唯一の」を意味することが意図されてはおらず、むしろ、「1つ又は複数の」を意味するように意図されている。「いくつかの」という用語は、1つ又は複数を意味している。下線の及び/又はイタリック体のヘッディング及びサブヘッディングは、利便のみを目的として使用されており、主題技術を限定してはおらず、主題技術の説明の解釈との関連において参照されるものではない。当業者には既知の又は当業者に後から既知となる本開示の全体を通じて記述されている様々な構成の要素のすべての構造的且つ機能的均等物は、引用により、本明細書において明示的に内蔵されており、主題技術によって包含されるように意図されている。更には、本明細書において開示されているものは、いずれも、そのような開示が以上の説明において明示的に記述されているかどうかとは無関係に、公衆への提供を意図したものではない。
【0119】
[0142] 本明細書は、多くの具体的事項を含んでいるが、これらは、特許請求され得る範囲に対する限定として解釈されてはならず、むしろ、主題の特定の実装形態の説明として解釈することを要する。また、別個の実施形態の文脈において本明細書において記述されている特定の特徴は、単一の実施形態において組合せにおいて実装することもできる。また、逆に、単一の実施形態の文脈において記述されている様々な特徴は、複数の実施形態において別個に又は任意の適切なサブ組合せにおいて実装することもできる。更には、特徴は、特定の組合せにおいて機能するものとして上述されている場合があり、場合によってはそのように当初特許請求されている場合があるが、特許請求されている組合せからの1つ又は複数の特徴は、いくつかのケースにおいては、組合せから除去することが可能であり、特許請求されている組合せは、サブ組合せ又はサブ組合せの変形を対象とすることができる。
【0120】
[0143] 以上、本明細書の主題は、特定の態様の観点において記述されているが、その他の態様を実装することも可能であり、これらも添付の請求項の範囲に含まれている。例えば、動作は、特定の順序において図面において描かれているが、これは、望ましい結果を実現するために、このような動作が図示の特定の順序において又は順番に実行される又はすべての図示されている動作が実行されることを必要としているものと理解してはならない。請求項において記述されているアクションは、異なる順序において実行することが可能であり、望ましい結果を依然として実現することができる。一例として、添付の図において描かれているプロセスは、望ましい結果を実現するために、必ずしも図示の特定の順序又はシーケンシャルな順序を必要としてはいない。更には、上述の態様における様々なコンポーネントの分離は、このような分離をすべての態様において必要とするものとして理解されてはならず、記述されているプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のハードウェア製品内において1つに統合することが可能であり、又は複数のハードウェア製品として統合することができることを理解されたい。その他の変形も添付の請求項の範囲に含まれている。
【国際調査報告】