(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-29
(54)【発明の名称】調節式眼内レンズおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/16 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
A61F2/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547694
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 US2021016760
(87)【国際公開番号】W WO2021158882
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512052029
【氏名又は名称】シファメド・ホールディングス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ショール, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ペレア, ジュアン ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】クロウリー, コーネリアス マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ソール, トム
(72)【発明者】
【氏名】ザヘル, アミール オマール
(72)【発明者】
【氏名】レイボールド, オーウェン
(72)【発明者】
【氏名】ローガン, ベンジャミン アーサー ザ セカンド
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA25
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC18
4C097DD01
4C097SA03
(57)【要約】
調節式眼内レンズ(AIOL)は、前方ベースレンズ構成要素と、光軸と、後方ベースレンズ構成要素と、を有するベースレンズを含み得る。ベースレンズは、前方ベースレンズ構成要素および/または後方ベースレンズ構成要素に形成された複数の保持構造体を含み得る。ベースレンズは、光学チャンバと、第1の触覚部分と第2の触覚部分との間の触覚貯留部と、を含み得、触覚貯留部は、光学チャンバと流体連通している。AIOLは、ベースレンズと取り外し可能に結合されるように構成された固定レンズを含み得、固定レンズは、レンズ部分と、レンズ部分から半径方向外向きに延在する複数のタブと、を有し、固定レンズがベースレンズに結合されたときに、各タブは、複数の保持構造体のうちの1つに入るように構成されている。
【選択図】
図13A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
ベースレンズであって、
第1の光学部分と、前記第1の光学部分を少なくとも部分的に取り囲む第1の触覚部分と、を有する前方ベースレンズ構成要素と、
光軸と、
前記前方ベースレンズ構成要素に結合され、前記光軸に沿って前記第1の光学部分と位置合わせされた第2の光学部分と、前記第2の光学部分を少なくとも部分的に取り囲み、前記光軸に平行な方向で前記第1の触覚部分と位置合わせされた第2の触覚部分と、を有する後方ベースレンズ構成要素と、
前記前方ベースレンズ構成要素および前記後方ベースレンズ構成要素のうちの一方または両方に形成された複数の保持構造体であって、前記光軸に向かって開いている、複数の保持構造体と、
前記第1の光学部分と前記第2の光学部分との間の光学チャンバと、
前記第1の触覚部分と前記第2の触覚部分との間の触覚貯留部であって、前記光学チャンバと流体連通する触覚貯留部と、を有するベースレンズと、
前記ベースレンズと取り外し可能に結合されるように構成された固定レンズであって、前記固定レンズが、
前面および後面を有するレンズ部分であって、前記固定レンズが前記ベースレンズに結合されたときに、前記レンズ部分が、第1および第2の光学部分と位置合わせされる、レンズ部分と、
前記レンズ部分から半径方向外向きに延在する複数のタブであって、前記固定レンズが前記ベースレンズに結合されたときに、各タブが、前記複数の保持構造体のうちの1つに入るように構成されている、複数のタブと、を有する固定レンズと、を備える、AIOL。
【請求項2】
前記固定レンズが前記ベースレンズに結合されたときに、前記固定レンズの前記前面が、前記前方ベースレンズ構成要素の最前縁の後方に位置付けられる、請求項1に記載のAIOL。
【請求項3】
前記タブのうちの1つを通る孔であって、前記ベースレンズに対して前記固定レンズを操作するためのツールの一部分を受容するように構成されている、孔をさらに備える、請求項1に記載のAIOL。
【請求項4】
前記前方ベースレンズ構成要素が、前記第1の光学部分を取り囲む第1の環状嵌合部分を含み、
前記後方ベースレンズ構成要素が、前記第2の光学部分を取り囲む第2の環状嵌合部分を含み、
前記第1の環状嵌合部分が、前記第2の環状嵌合部分と嵌合するように構成された複数の突出部を含み、
前記複数の突出部間の円周方向間隙が、前記触覚貯留部と前記光学チャンバとの間の流体流路を少なくとも部分的に画定する、請求項1に記載のAIOL。
【請求項5】
前記前方ベースレンズ構成要素が、前記第1の光学部分を取り囲む第1の環状嵌合部分を含み、
前記後方ベースレンズ構成要素が、前記第2の光学部分を取り囲む第2の環状嵌合部分を含み、
前記第2の環状嵌合部分が、前記第1の環状嵌合部分と嵌合するように構成された複数の突出部を含み、
前記複数の突出部間の円周方向間隙が、前記触覚貯留部と前記光学チャンバとの間の流体流路を少なくとも部分的に画定する、請求項1に記載のAIOL。
【請求項6】
前記前方ベースレンズ構成要素の最前面に1つ以上のくぼみをさらに備える、請求項1に記載のAIOL。
【請求項7】
前記前方ベースレンズ構成要素および前記後方ベースレンズ構成要素のうちの一方または両方の半径方向最外面に半径方向くぼみをさらに備え、前記半径方向くぼみが、前記前方ベースレンズ構成要素の前記最前面にある前記1つ以上のくぼみの各々と円周方向に位置合わせされている、請求項6に記載のAIOL。
【請求項8】
前記固定レンズが前記ベースレンズと結合されるときに、前記固定レンズと前記前方ベースレンズ構成要素の前記第1の光学部分との間に流体チャンバをさらに備え、前記固定レンズの前記タブ間の円周方向間隙が、流体が固定レンズの周りを通過して前記液体チャンバの中に入り、かつそこから外に出ることを可能にする、請求項1に記載のAIOL。
【請求項9】
前記ベースレンズの外壁にチャネルをさらに備え、前記チャネルが、前記ベースレンズの全外周に沿って延在する、請求項1に記載のAIOL。
【請求項10】
前記チャネルが、前記前方ベースレンズ構成要素と前記後方ベースレンズ構成要素との間の継ぎ目に位置付けられる、請求項9に記載のAIOL。
【請求項11】
調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
ベースレンズあって、
第1の光学部分と、前記第1の光学部分を少なくとも部分的に取り囲む第1の触覚部分と、を有する前方ベースレンズ構成要素であって、前記第1の光学部分が、前記第1の光学部分の後面の外周に沿って延在する環状チャネルを有する、前方ベースレンズ構成要素と、
光軸と、
前記前方ベースレンズ構成要素に結合され、前記光軸に沿って前記第1の光学部分と位置合わせされた第2の光学部分と、前記第2の光学部分を少なくとも部分的に取り囲み、前記光軸に平行な方向で前記第1の触覚部分と位置合わせされた第2の触覚部分と、を有する後方ベースレンズ構成要素と、
前記第1の光学部分と前記第2の光学部分との間の光学チャンバと、
前記第1の触覚部分と前記第2の触覚部分との間の触覚貯留部であって、前記光学チャンバと流体連通する触覚貯留部と、
固定レンズまたは他の光学構造体の部分を解放可能に受容するように構成された1つ以上のくぼみと、を有するベースレンズ、を備える、AIOL。
【請求項12】
前記1つ以上のくぼみが前記光軸に向かって開いている、請求項11に記載のAIOL。
【請求項13】
調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
中心軸の周りに円周方向配列に分散された複数のばね要素を含む触覚構造体であって、前記ばね要素の各々が、後方部分と、前記後方部分にヒンジで接続された前方部分と、を有し、前記後方部分および前記前方部分の各々が、前記ヒンジから前記中心軸に向かって延在する、触覚構造体と、
前記複数のばね要素の前記前方部分に接続された前方リングと、
前記複数のばね要素の前記後方部分に接続された後方リングと、
前記前方リングと前記後方リングとの間に位置付けられ、前記複数のばね要素に取り囲まれた調節式レンズと、を備え、前記調節式レンズが、
前方レンズ部分と、
後方レンズ部分と、
前記前方レンズ部分と前記後方レンズ部分との間の流体チャンバと、を有し、
前記ばね要素に対する半径方向内向きの力の印加が、
前記前方リングと前記後方リングとの間の距離を、前記中心軸に平行な方向に増加させ、
前記AIOLの屈折力を増加させ、
前記前方リングおよび前記後方リングのうちの一方または両方が、固定レンズと解放可能に結合するように構成された嵌合構造体を備える、AIOL。
【請求項14】
前記前方レンズ部分が、前記ばね要素の前記前方部分に固定され、前記後方レンズ部分が前記ばね要素の前記後方部分に固定される、請求項13に記載のAIOL。
【請求項15】
前記ヒンジが、前記前方レンズ部分と前記後方レンズ部分との間の継ぎ目に形成される、請求項13に記載のAIOL。
【請求項16】
前記嵌合構造体に取り外し可能に結合された前記固定レンズをさらに備える、請求項13に記載のAIOL。
【請求項17】
前記嵌合構造体が、前記前方リングおよび前記後方リングのうちの一方または両方の半径方向内向きの表面上の環状チャネルである、請求項16に記載のAIOL。
【請求項18】
調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
中心軸の周りに円周方向配列に分散された複数のばね要素を含む触覚構造体であって、前記ばね要素の各々が、後方部分と、前記後方部分にヒンジで接続された前方部分と、を有し、前記後方部分および前記前方部分の各々が、前記ヒンジから前記中心軸に向かって延在する、触覚構造体と、
前記複数のばね要素の前記前方部分に接続された前方リングと、
前記複数のばね要素の前記後方部分に接続された後方リングと、
前記後方リングまたは前記前方リングの一方に結合された調節式レンズと、を備え、前記調節式レンズが、
前方レンズ部分と、
後方レンズ部分と、
前記前方レンズ部分と前記後方レンズ部分との間の流体チャンバと、を有し、
前記ばね要素に対する半径方向内向きの力の印加が、
前記調節式レンズの外周を前記中心軸に平行な方向に圧縮させ、かつ
前記AIOLの屈折力を増加させ、
前記後方リングまたは前記前方リングの一方が、固定レンズと解放可能に結合するように構成された嵌合構造体であって、
前記調節式レンズが前記前方リングに結合されている場合、前記嵌合構造体が前記後方リング上にあるようにし、
前記調節式レンズが前記後方リングに結合されている場合、前記嵌合構造体が前記前方リング上にあるようにする、嵌合構造体を備える、AIOL。
【請求項19】
前記ばね要素に対する半径方向内向きの力の印加が、前記調節式レンズの前記外周を前記ヒンジから離れるように傾斜させる、請求項18に記載のAIOL。
【請求項20】
前記固定レンズをさらに備え、前記固定レンズが、前記固定レンズの半径方向外向き部分に環状チャネルを含み、前記環状チャネルが、
前記固定レンズが前記前方リングに結合されたときに前記前方リングの一部分を受容するか、または
前記固定レンズが前記後方リングに結合されたときに前記後方リングの一部分を受容するように構成されている、請求項18に記載のAIOL。
【請求項21】
調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
第1の光学部分と、前記第1の光学部分を少なくとも部分的に取り囲む第1の触覚部分と、を有する前方レンズ構成要素と、
光軸と、
前記前方レンズ構成要素に結合され、前記光軸に沿って前記第1の光学部分と位置合わせされた第2の光学部分と、前記第2の光学部分を少なくとも部分的に取り囲み、前記光軸に平行な方向で前記第1の触覚部分と位置合わせされた第2の触覚部分と、を有する後方レンズ構成要素と、
前記第1の光学部分と前記第2の光学部分との間の光学チャンバと、
前記第1の触覚部分と前記第2の触覚部分との間の触覚貯留部であって、前記光学チャンバと流体連通する触覚貯留部と、
前記光軸に対して前記前方レンズ構成要素の半径方向外向きの表面にある第1の側方チャネルであって、前記前方レンズ構成要素の外周の周りに延在する第1の側方チャネルと、
前記前方レンズ構成要素および/または前記後方レンズ構成要素の半径方向外向きの表面にある第2の後のチャネルであって、前記第2の側方チャネルが、前記前方レンズ構成要素および/または前記後方レンズ構成要素の外周の周りに延在し、前記第2の側方チャネルが、前記光軸に平行な方向に前記第1の側方チャネルとは離間されている、第2の後のチャネルと、
前記前方レンズ構成要素および/または前記後方レンズ構成要素の半径方向外向きの表面にある複数のチャネルであって、前記第1および第2の側方チャネルと交差し、前記第1および第2の側方チャネルに対して斜めの方向に延在する、複数のチャネルと、
固定レンズまたは他の光学構造体の部分を解放可能に受容するように構成された、1つ以上の嵌合構造体と、を備える、AIOL。
【請求項22】
前記前方レンズ構成要素の最前面に複数のくぼみをさらに備え、前記くぼみの各々が、前記複数のチャネルのうちの1つと円周方向に位置合わせされる、請求項21に記載のAIOL。
【請求項23】
少なくとも15個のチャネルを備える、請求項21に記載のAIOL。
【請求項24】
調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
ベースレンズであって、
第1の光学部分と、前記第1の光学部分を少なくとも部分的に取り囲む第1の触覚部分と、を有する前方ベースレンズ構成要素と、
光軸と、
前記前方ベースレンズ構成要素に結合され、前記光軸に沿って前記第1の光学部分と位置合わせされた第2の光学部分と、前記第2の光学部分を少なくとも部分的に取り囲み、前記光軸に平行な方向で前記第1の触覚部分と位置合わせされた第2の触覚部分と、を有する後方ベースレンズ構成要素と、
前記前方ベースレンズ構成要素および前記後方ベースレンズ構成要素のうちの一方または両方に形成された複数のキャビティであって、前記光軸に向かって開いている、複数のキャビティと、
前記第1の光学部分と前記第2の光学部分との間の光学チャンバと、
前記第1の触覚部分と前記第2の触覚部分との間の触覚貯留部であって、前記光学チャンバと流体連通する触覚貯留部と、を有するベースレンズと、
前記ベースレンズと取り外し可能に結合されるように構成された固定レンズと、
前記固定レンズおよび前記ベースレンズのうちの一方または両方にある視覚的マーカーであって、前記固定レンズと前記ベースレンズとの間の適切な位置合わせ、および/または前記固定レンズと前記ベースレンズとの完全な結合を確認するように構成されている、視覚的マーカーと、を備える、AIOL。
【請求項25】
前記視覚的マーカーが、前記第1の光学部分上に1つ以上のマーキングを含み、前記固定レンズが前記ベースレンズに結合されたときに、各マーキングが、前記固定レンズを通して視認可能である、請求項24に記載のAIOL。
【請求項26】
各マーキングが、前記ベースレンズの半径方向外向きの部分にあるくぼみと円周方向に位置合わせされる、請求項25に記載のAIOL。
【請求項27】
前記固定レンズが、レンズ部分と、前記レンズ部分から後方向に延在するスカートと、を含み、
前記視覚的マーカーが、第1の色を有する前記スカートの着色部分であり、
前記固定レンズが前記ベースレンズに結合されたときに、前記ベースレンズの少なくとも一部分が、前記光軸に垂直な方向で前記スカートの前記着色部分の少なくとも一部分と重なり、
前記着色部分に重なる前記ベースレンズの前記部分を通して見たときに、前記着色部分が、第2の色として出現する、請求項24に記載のAIOL。
【請求項28】
前記第1の色が、黄色であり、前記第2の色が、緑色である、請求項27に記載のAIOL。
【請求項29】
前記着色部分に重なる前記ベースレンズの前記部分が、第3の色を有する、請求項27に記載のAIOL。
【請求項30】
第3の色が、青色である、請求項29に記載のAIOL。
【請求項31】
調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
ベースレンズであって、
第1の光学部分と、前記第1の光学部分を少なくとも部分的に取り囲む第1の触覚部分と、を有する前方ベースレンズ構成要素と、
光軸と、
前記前方ベースレンズ構成要素に結合され、前記光軸に沿って前記第1の光学部分と位置合わせされた第2の光学部分と、前記第2の光学部分を少なくとも部分的に取り囲み、前記光軸に平行な方向で前記第1の触覚部分と位置合わせされた第2の触覚部分と、を有する後方ベースレンズ構成要素と、
前記前方ベースレンズ構成要素および前記後方ベースレンズ構成要素のうちの一方または両方に形成された複数のキャビティであって、前記光軸に向かって開いている、複数のキャビティと、
複数のスロットであって、各スロットが、前記複数のキャビティのうちの1つに隣接する、複数のスロットと、
前記第1の光学部分と前記第2の光学部分との間の光学チャンバと、
前記第1の触覚部分と前記第2の触覚部分との間の触覚貯留部であって、前記光学チャンバと流体連通する触覚貯留部と、を有するベースレンズと、
前記ベースレンズと取り外し可能に結合するように構成された固定レンズであって、前記固定レンズが、
前面および後面を有するレンズ部分であって、前記固定レンズが前記ベースレンズに結合されたときに、前記レンズ部分が、第1および第2の光学部分と位置合わせされる、レンズ部分と、
前記レンズ部分から半径方向外向きに延在する複数のタブと、を有する、固定レンズと、を備え、
前記固定レンズが、前記固定レンズが前記触覚貯留部によって少なくとも部分的に取り囲まれる位置に最初に並進されるときに、各タブが、前記スロットのうちの1つに嵌まるように構成されており、
前記タブが前記スロット内に位置付けられた後、前記固定レンズが前記光軸の周りを回転したときに、各タブが、前記複数のキャビティのうちの1つに入るように構成されている、AIOL。
【請求項32】
前記スロットと前記キャビティとの間の接触面に複数の半径方向内向きの突出部をさらに備え、前記突出部は、前記タブが前記スロット内に位置付けられた後、前記固定レンズが前記光軸の周りを回転するときに、半径方向外向きに屈曲するように構成されており、前記突出部は、前記タブが、患者の眼の力の下で前記キャビティから前記スロットに移動するのを阻止する、請求項31に記載のAIOL。
【請求項33】
前記スロットと前記キャビティとの間の接触面に複数の段差をさらに備え、前記段差が、患者の眼の力の下で前記キャビティから前記スロットへの前記タブの移動を阻止する、請求項31に記載のAIOL。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月5日に出願された「ACCOMMODATING INTRAOCULAR LENSES AND ASSOCIATED METHODS」と題する米国仮特許出願第62/970,612号、および2020年6月12日に出願された「ACCOMMODATING INTRAOCULAR LENSES AND ASSOCIATED METHODS」と題する米国仮特許出願第63/038,624号の優先権を主張し、これらの開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、調節式眼内レンズ(AIOL)、ならびにそれを移植するおよび組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
白内障は、本来の水晶体が混濁し、視力の喪失をもたらす影響を世界成人人口の大部分に与え得る。白内障に罹患する患者は、本来の水晶体を除去し、人工眼内レンズ(IOL)を外科移植することにより治療され得る。
【0004】
世界的に、年に数百万のIOL移植手技が実施される。米国では、350万の白内障手技が実施されるが、世界的には、年に2000万を超える手技が実施される。
【0005】
IOL移植手技は視力の回復に効果的であるものの、従来のIOLにはいくつかの欠点がある。例えば、多くのこれまでのIOLは、本来の水晶体のように焦点を変更する(調節として知られる)ことができない。従来のIOLのその他の欠点としては、移植後に屈折誤差が発生し、遠視力を矯正するために眼鏡が必要になることがあり、または他のケースでは、IOLは良好な遠方視力を提供するのに効果的であり得るが、患者は中間および近視力のために眼鏡を必要とする。
【0006】
これらの欠点に対処するためにいくつかの多焦点IOLが開発されているが、それらにも欠点があり得る。例えば、多焦点IOLは、一般に、読書および遠見には良好に機能するが、そのような多焦点IOLは、少なくともいくつかの場合において、顕著なまぶしさ、暈、コントラスト感度の減少、および他の視覚的乱れを生じる場合がある。
【0007】
AIOLは、患者が物体を見る距離に応じて調節可能な屈折力を提供するために提案されている。しかしながら、このようなAIOLは一般にまだ開発中であり、様々な欠点を有する。例えば、従来のAIOLは、移植後、十分な調節を提供しない可能性があり、または最適な眼の屈折矯正をもたらさない可能性がある。また、これまでのAIOLの調節量は、少なくともいくつかの場合において、移植後に減少し得る。また、従来のAIOLは、眼の小切開を通して挿入するには大きすぎる可能性があり、理想よりも幾分大きい切開を必要とする場合がある。また、これまでのAIOLのうちの少なくともいくつかは、眼内に配置したときに不安定になる可能性があり、不適切な調節およびその他の誤差につながり得る。
【0008】
上記の欠点のうちの少なくともいくつかを克服する、眼の焦点合わせを制御する本来のメカニズムに対応する改良された移植可能な眼内レンズが望ましい。理想的には、このような改良されたAIOLは、移植されたとき、増加した調節量を提供し、屈折の安定性を提供し、知覚可能な視覚的乱れを、あったとしてもごくわずかしか導入せず、患者が見る物体の距離に応じて、眼の屈折力を遠見から近見に変化させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術は、AIOL、ならびにそのようなデバイスを作製および使用するための方法を対象とする。本明細書に開示される実施形態の多くにおいて、AIOLは、調節式レンズ部分と、調節式レンズ部分に取り外し可能に接続するように構成された固定レンズ部分と、を含む。AIOLは、AIOLのベローズの前縁にくぼみ(例えば、狭間、チャネル、谷、へこみ、トレンチなど)および突出部(例えば、凸壁、隆起、こぶなど)を含むことができ、AIOLが患者の水晶体嚢に移植されたときに、液体がAIOLを通過することを容易にする。いくつかの実施形態では、AIOLは、1つ以上のフレーム構成要素によって互いに接続された複数のばね要素を備える触覚部分を含む。いくつかの実施形態では、AIOLは、取り外し可能な固定レンズと、取り外し可能な調節式レンズと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本技術の多くの態様は、以下の図面を参照して、よりよく理解することができる。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。代わりに、本技術の原理を明確に例示することに、重点が置かれている。さらに、構成要素は、説明を明確にするだけのために特定の図において透明として示される場合があり、図示された構成要素が必ずしも透明であることを示すものではない。また、構成要素が概略的に示されている場合もある。
【0011】
【
図1A】AIOLの一実施形態の前後立面図を示す。
【
図2A】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの斜視図を示す。
【
図2B】
図2AのAIOLの中心光軸に平行であり、それを通過する切断面に沿った、
図2AのAIOLの断面図を示す。
【
図2C】
図2AのAIOLの中心光軸に平行であり、それを通過する切断面に沿った、
図2AのAIOLの調節構造体の第1の構成要素の斜視断面図を示す。
【
図2E】
図2AのAIOLの中心光軸に平行であり、それを通過する切断面に沿った、
図2AのAIOLの調節構造体の一部分の断面図を示す。
【
図2F】
図2AのAIOLの調節構造体の第1の部分の後面に溝を追加した、
図2AのAIOLの中心光軸に平行であり、それを通過する切断面に沿った、
図2AのAIOLの調節構造体の一部分の断面図を示す。
【
図2G】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの第1の構成要素の、リング部分が第1の構成要素の中心光軸に平行な方向に延在するスタンドオフを含む、下方斜視図を示す。
【
図2H】
図2Gの第1の構成要素の中心光軸に平行であり、それを通過する切断面に沿ってとられた、
図2Gの第1の構成要素を有するAIOLの調節構造体の一部分の断面図を示す。
【
図3A】本技術の別の実施形態に従って構成されたAIOLの斜視図を示す。
【
図3B】
図3AのAIOLの中心光軸に平行であり、それを通過する切断面に沿った、
図3AのAIOLの断面図を示す。
【
図3C】
図3AのAIOLの中心光軸に平行であり、それを通過する切断面に沿った、
図3AのAIOLの調節構造体の一部分の断面図を示す。
【
図3D】
図3AのAIOLの中心光軸に平行であり、それを通過する切断面に沿った、
図3AのAIOLの一部分の断面図を示し、ここでは、外側ベローズが短くされている。
【
図4】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの斜視図を示す。
【
図5A】本技術の一実施形態に従って構成された固定レンズの斜視図を示す。
【
図5B】
図5Aの固定レンズを有する、本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの斜視図を示す。
【
図6A】本技術の一実施形態に従って構成された固定レンズの斜視図を示す。
【
図6B】
図6Aの固定レンズを有する、本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの斜視図を示す。
【
図7A】本技術の一実施形態に従って構成された固定レンズの斜視図を示す。
【
図7B】
図7Aの固定レンズを有する、本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの斜視図を示す。
【
図8】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの前面の平面図を示す。
【
図9A】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの斜視図を示す。
【
図10A】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの分解斜視図を示す。
【
図11A】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの分解斜視図を示す。
【
図11B】固定レンズが調節構造体の受容構造体に受容されたときの
図11AのAIOLの斜視図を示す。
【
図11C】固定レンズが調節構造体の受容構造体に受容されたときの
図11AのAIOLの斜視図を示す。
【
図11E】調節部分の内面にこぶを有し、固定レンズが第1の位置にある、
図11AのAIOLの上面断面図を示す。
【
図11G】調節部分の内面に段差を有し、固定レンズが第1の位置にある、
図11AのAIOLの上面断面図を示す。
【
図12A】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの分解斜視図を示す。
【
図13A】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの分解図を示す。
【
図13B】AIOLの固定レンズがAIOLのベースレンズに結合されている
図13AのAIOLを示す。
【
図14A】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの分解斜視図を示す。
【
図15A】本技術の一実施形態に従って構成されたAIOLの調節構造体の第2の構成要素の前面の平面図を示す。
【
図15C】針が中を通った状態である
図15Aの第2の構成要素の充填部分の拡大断面図を示す。
【
図15D】
図15Aの第2の構成要素の光軸に対してゼロでない角度で針が中を通った状態である、
図15Aの第2の構成要素の充填部分の拡大断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本技術の様々な実施形態の具体的な詳細は、
図1A~10Hを参照して以下に説明する。AIOLおよび関連方法に関して多くの実施形態を以下に説明するが、他の実施形態は本技術の範囲内である。さらに、本技術の他の実施形態は、本明細書に記載されているものとは異なる構成、構成要素、および/または手順を有することができる。例えば、本技術に従って構成されたAIOLは、本明細書に記載されるものを超える追加の要素および特徴を含む場合があり、または他の実施形態が、本明細書に示され、記載される要素および特徴のいくつかを含まない場合がある。
【0013】
参照を容易にするために、この開示を通して、同様または類似の構成要素または特徴を識別するために同一の参照番号が使用されるが、同じ参照番号の使用は、部品が同一であると解釈されるべきであることを意味するものではない。実際、本明細書に記載される多くの例において、同一の番号の部品は、構造および/または機能において別個のものである。
【0014】
図1~1Dは、流体が外側流体貯留部から内側流体チャンバに流れるためのチャネルを含むAIOL100の一実施形態を示す。
図1Aおよび1Bを併せて参照すると、AIOL100は、第1の構成要素140a(例えば、前方レンズ構成要素)と第2の構成要素140b(例えば、後方レンズ構成要素)とを有する調節構造体140(例えば、ベースレンズ)を含む。いくつかの実施形態では、第1および第2の構成要素140aおよび140bは、外側流体貯留部103(例えば、触覚貯留部)(
図1A)、中間ベローズチャネル173(
図1D)、および内側流体チャンバ105(例えば、光学チャンバ)(
図1C~1D)を形成するように組み立てられる。調節構造体140の第1の構成要素140aは、第1の光学構成要素110と、スタンドオフ155と、スタンドオフ155間の凹部157と、を有する内側部分を有することができる。スタンドオフ155は、凹部157から半径方向外向きに突出する。調節構造体140の第2の構成要素140bは、第2の光学構成要素150と壁158とを有する内側部分を有することができる。
図1Cおよび1Dを参照すると、これらは、それぞれ、
図1Aの線A-AおよびB-Bに沿ってとられた断面図であり、スタンドオフ155は、壁158に接触し(
図1D)、これにより、凹部157(
図1B)が、流体が中間ベローズチャネル173から流体チャンバ105に流れるためのチャネルを画定する。
【0015】
図1Dに示されるように、スタンドオフ155は、半径方向外向きに突出し、壁158と係合する。したがって、AIOL100のスタンドオフ155は、AIOL100の視野を増加させるAIOLの光学領域内に延在しない。
【0016】
図1Bおよび1Cを再び参照すると、調節構造体140の第1および第2の構成要素140a、140bのうちの一方または両方は、軸方向の突起、スタンドオフ、スペーサ、突出部、または第1の構成要素140aの一部分を、AIOL100の光軸に平行な方向に第2の構成要素140bから離間させるように構成された他の特徴を含むことができる。例えば、第2の構成要素140bは、壁158の前縁から第1の構成要素140aに向かって延在する1つ以上の突起171を含むことができる。突起171間の空間は、後述される中間ベローズチャネル173を形成することができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の構成要素140a、140bのうちの一方または両方は、中間ベローズチャネル173を少なくとも部分的に画定するくぼみを含む。そのようなくぼみは、突起171に加えて、またはその代わりに含めることができる。例えば、壁158の前縁は、1つ以上のくぼみおよび/またはチャネルを含むことができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、AIOL100は、AIOLの移植中に使用される眼科用粘性外科デバイス(OVD)を本来の水晶体嚢から取り外すことができる速度および容易さを向上させる貫流特徴部181を含む。
図1A~1Dに示されるAIOL100の実施形態は、3つの外側貫流特徴部181を備える。外側貫流特徴部181は、外側流体貯留部103の外周に沿って円周方向に分散された凹部などの戻り止めであり得る。貫流特徴部181は、AIOL100の外周と、AIOL100が移植された眼嚢の内面との間に通路を作成して、AIOL100の外周の周りの流体の流れを可能にし得る。図示される実施形態では、貫流特徴部181は、第1および第2の構成要素140aおよび140bの領域に形成される。3つの外側貫流特徴部181が示されているが、他の実施形態は、図示よりも少ないまたは多いものを含んでもよい。外側貫流特徴部181は、移植時に患者の眼嚢に対する調節構造体140の回転の向きを維持するために、回転拘束をさらに提供することができる。
【0018】
AIOL100の実施形態は、固定レンズアセンブリ130をさらに備える。
図1C~Dに示される固定レンズアセンブリ130は、は、光学部分136と、光学部分136から延在するスカート132と、通路120と、を含む。光学部分136は、非対称度数レンズ(例えば、トーリックレンズ)または他のレンズを備え得る固定度数を有することができ、通路120は、スカート132を通過して外周領域に延在するが光学部分136には及ばない、孔、スロット、オリフィスなどである。
【0019】
図1Cを参照すると、固定レンズアセンブリ130は、スカート132の周りに延在する環状溝などの係合特徴部131を有することができ、調節構造体140の第1の構成要素140aは、半径方向内向きに延在する環状突出部(例えば、レッジ)などの増厚領域168を有することができる。固定レンズアセンブリ130は、第1の構成要素140aの連続的な増厚領域168を固定レンズ130の係合特徴部131と係合させることによって、調節構造体140に解放可能に取り付けることができる。他の実施形態(図示せず)では、増厚領域168および係合特徴部131は、不連続な特徴部(例えば、固定レンズアセンブリ130および調節構造体140の全円周よりも少ない周囲に延在するセグメント化されたまたは他の凹部もしくは突出部)であってもよい。このような不連続な増厚領域168および係合特徴部131は、固定レンズ130がトーリックレンズまたは他の非対称レンズを含む場合などに、固定レンズアセンブリ130と調節構造体140との間の特定の半径方向の位置合わせの維持を容易にすることができる。あるいは、溝が固定レンズ130にあり、突出部が調節構造体140にあってもよい。
【0020】
AIOL100は、第1の光学構成要素110と第2の光学構成要素150の間で境界付けられた流体チャンバ105(
図1Cおよび1D)によって画定された流体調節式レンズ112を有することができる。流体チャンバ105は、第1および第2の構成要素140aおよび140bが組み立てられたときに、スタンドオフ155間の別個の流体チャネル149を介して外側貯留部103と流体連通する。第1および第2の光学構成要素110および150は、それぞれ、第1および第2の構成要素140aおよび140bの平面部材(例えば、光学膜)であってもよい。第1および第2の光学構成要素110および150は、例えば、第1および第2の構成要素140aおよび140bの他の部分とともに光学膜として一体的に形成することができる。代替の実施形態では、第1および第2の光学構成要素110および150の膜のうちのいずれかまたは両方がレンズであってもよい(すなわち、屈折力を有する)。
【0021】
AIOL100は、患者の嚢の周囲からAIOL100の光学部分(レンズの最後方領域で
図1C~Dで示される)への細胞の移動を阻止する正方形の形状(例えば、階段状)の環状領域151をさらに含むことができる。患者の嚢の周囲からAIOL100の光学部分への細胞移動を阻止することにより、手術後の光学システムの不透明化のリスクを低減することができる。
【0022】
第1の構成要素140aおよび第2の構成要素140bの周囲部分は、外側流体貯留部103を画定し、第1および第2の構成要素140aおよび140bの内側部分は、調節構造体要素140を画定する。第1および第2の構成要素140aおよび140bは、継ぎ目101で一緒に接合することができる。接合手段は、本開示の末尾に添付されたPCT公開第WO2018/119408に詳細に記載されている。第1および第2の構成要素140aおよび140bは、スタンドオフ155などの他の区域で接合することもできる。スタンドオフ155は、外側流体貯留部103と内側流体チャンバ105との間の流体チャネルを画定する空間によって分離される。外側流体貯留部103は、外側ベローズ領域103aおよび内側ベローズ領域103bを有するベローズ108であり得、内側ベローズ領域103bは、スタンドオフ155間のチャネルによって画定され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、内側ベローズ領域103bの容積は、外側ベローズ領域103aよりも小さい。内側ベローズ領域103bの容積を減少させることによって、AIOLの光学領域を取り囲む追加の空間により、固定レンズ130の光学開口を、より大きな内側ベローズ領域を有する実施形態と比較して大きくすることができる。さらに、房水がチャンバ141に自由に出入りすることを可能にする、固定レンズ130の通路120は、外側スカート132を通過し、いくつかの実施形態では、頂部光学部分136を通過しないように構成される。これにより、光学系を通過して網膜に到達し得る、内部反射による不要な散乱光が減少することが期待される。
【0024】
第1の構成要素140aはまた、例えば、AIOLを光学流体で充填する際に使用するための1つ以上の増厚領域160も含み得る。増厚領域160は、調節構造体を光学流体で充填するために使用される針のより長い経路を可能にし、一方、異なる領域の第2の針は、流体が置換しているガスを除去するために使用される。図示されるように、流体充填増厚領域160は、外側流体貫流部181のうちの1つ以上に隣接して位置する。いくつかの実施形態では、光学流体は、高屈折率ポリビニルアルコールから構成され得る。
【0025】
図1Dを参照すると、AIOL100の外側流体貯留部103は、(a)前方部分104aおよび後方部分104bを有する第1のベローズ構造体103a、(b)第1のベローズ構造体103aの半径方向内向きの第2のベローズ構造体103b、ならびに/または(c)第1および第2のベローズ構造体103aおよび103bの間の水平通路を画定する中間ベローズチャネル173を備えることができる。嚢が収縮する動作中、第1のベローズ構造体103aの前方部分104aおよび後方部分104bが中間ベローズチャネル173に対して半径方向内向きに移動する間、第1のベローズ構造体103aの中間部分は、中間ベローズチャネル173によって拘束され得る。したがって、第1のベローズ構造体103aの前方部分104aおよび後方部分104bは、本来の嚢の同量の移動に応じて、半径方向内向きに屈曲することができる。これにより、より多くの流体が外側流体貯留部103から内側流体チャンバ105に流れるようになり、それによって、より多くの調節が提供され得、これは、外側流体貯留部103の前後のつぶれは、外側流体貯留部103の半径方向の圧縮よりも効率が悪いからである。限定ではないが、本明細書に示されるような実施形態は、光路外の部分に入る迷光が光路内に散乱する能力を制限するために、光路内ではない部分の一部または全部が全体に光を減少させるように染色または処理された部品から構築されてもよい。
【0026】
本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載される固定レンズは、球面、非球面、トーリック、または任意の他の既知のレンズ構成を有してもよい。代わりに、または組み合わせて、固定固体レンズは、平凸、凸凹、または凸凸であってもよい。固定レンズは、正の固定度数または負の固定度数を有するように構成されてもよい。
【0027】
本明細書に記載される流体レンズは、1つ以上の調節面(例えば、2つの調節面)を有するように構成されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、度数を伴わない膜の代わりに、調節構造体は、内部流体チャンバ内の流体圧力に基づいて撓む1つ以上の変形可能なレンズを含むことができる。変形可能レンズの各々または両方は、正または負であり得る固定度数を有することができる。
【0029】
図2A~2Eは、
図1A~1Dに関して上述されたAIOL100の同じ特徴部の多くまたはすべてを有するAIOL200を示す。例えば、
図2A~2Eと
図1A~1Dとの間の同様の参照番号は、同一または類似の特徴(例えば、固定レンズ230対固定レンズ130)を示す。図示されるように、AIOL200は、1つ以上のくぼみ282を含むことができる。くぼみ282は、調節構造体240の第1の構成要素240aの前縁上にあり得る。くぼみ282間に突出部283を形成することができる。くぼみ282、突出部283、および/または貫流特徴部281を含めることにより、AIOL200が患者の嚢内に移植されたときに、調節構造体240の前縁を通過する水晶体嚢内の流体の流れおよび房水循環が改善されることが期待される。例えば、突出部283は、くぼみ282が突出部283を通過する流体経路を形成する間、嚢の前方部分および/または後方部分に接触することができる。いくつかの実施形態では、突出部283は、各突出部283と嚢との間の接触区域が最小化されるようにサイズ設定される。例えば、突出部283のうちの1つ以上は、接触区域の重心と接触区域の縁部との間の最大距離が嚢膜の厚さの300%未満、嚢膜の厚さの250%未満、嚢膜の厚さの200%未満、嚢膜の厚さの150%未満、および/または嚢膜の厚さの110%未満となるようにサイズ設定することができる。いくつかの実施形態では、接触区域の重心と接触区域の縁部との間の最大距離は、嚢膜の厚さのおよそ100%である。突出部283と嚢との間の接触区域のサイズを小さくすることにより、接触区域およびその近くで嚢の膜を通る流体の均一な拡散を促進/改善することができる。
【0030】
くぼみ282は、5°~30°、10°~15°、20°~25°、15°~20°、および/または10°~20°の弧状幅を有することができる。いくつかの実施形態では、くぼみ282の弧状幅は、30°未満、25°未満、20°未満、15°未満、および10°、および/または5°未満である。いくつかの実施形態では、くぼみ282の各々は、ほぼ等しい弧状幅を有する。1つ以上のくぼみ282は、1つ以上の他のくぼみ282よりも大きな弧状幅を有し得る。同様に、突出部283は、5°~30°、10°~15°、20°~25°、15°~20°、および/または10°~20°の弧状幅を有することができる。いくつかの実施形態では、突出部283の弧状幅は、30°未満、25°未満、20°未満、15°未満、および10°、および/または5°未満である。いくつかの実施形態では、突出部283の各々は、ほぼ等しい弧状幅を有する。1つ以上の突出部283は、1つ以上の他の突出部283よりも大きな弧状幅を有してもよい。これらの弧状幅は、調節構造体240の中心光軸に対して測定される。いくつかの実施形態では、1つ以上の突出部283は、くぼみ282のうちの1つ以上の弧状幅よりも小さい、または大きい弧状幅を有する。さらに、1つ以上の突出部283は、くぼみ282のうちの1つ以上の弧状幅に等しい弧状幅を有してもよい。
【0031】
図2B~2Eに示されるように、調節構造体240の第1の構成要素240aは、リング部分および/または補強部分284を含むことができる。補強部分284は、第1の構成要素240aの第1の光学構成要素210の外周に延在することができる。補強部分284は、例えば、第1の光学構成要素210の増厚部分であり得る。いくつかの実施形態では、補強部分284は、圧縮力がベローズ208(
図2B)に印加されたときに、第1の光学構成要素の座屈および/または他の望ましくない変形(AIOLを通過する光波面に収差を誘発し得る)の可能性を低減するように構成される。例えば、補強部分284は、第1の光学構成要素210が第1の光学構成要素210の外周の周りで不均一に偏向または変形する可能性を低減することができる。いくつかの実施形態では、補強部分284は、第1の光学部品210の厚さ(調節構造体240の中心光軸に平行に、それに沿って測定される)の110%~150%、115%~200%、120%~140%、125%~145%の厚さ(調節構造体240の中心光軸に平行に、それに沿って測定される)を有する。いくつかの実施形態では、補強部分284は、第1の光学構成要素210の厚さのおよそ125%の厚さを有する。いくつかの実施形態では、補強部分284は、第1の光学構成要素210の半径(調節構造体240の中心光軸に対して垂直に測定される)の5%~40%、10%~35%、10%~20%、および/または15%~30%の半径方向の厚さ(調節構造体240の中心光軸に対して垂直に測定されるとき)を有する。いくつかの実施形態では、補強部分284は、第1の光学構成要素210の半径のおよそ15%の半径方向の厚さ(例えば、幅)を有する。補強部分284は、第1の光学構成要素210とのモノリシック部品として、または後で第1の光学構成要素210と結合される別個の部品として形成することができる。
【0032】
図2Bに示されるように、第2の光学構成要素250は、調節構造体240の中心光軸に平行に測定した場合、第1の光学構成要素210よりも厚くすることができる。第2の光学構成要素250を厚くすることは、ベローズ208に半径方向の圧縮力が印加されたときに、第2の光学構成要素250の望ましくない/不均一な変形を低減することが期待される。いくつかの実施形態では、例えば、第2の光学構成要素250は、第1の光学構成要素210よりも最大5%厚く、最大10%厚く、最大15%厚く、最大20%厚く、最大30%厚く、および/または最大50%厚い。
【0033】
いくつかの実施形態では、調節構造体240の第1の構成要素240aは、AIOL100に関して上述されたスタンドオフ155と同様のまたは同じ複数のスタンドオフ255を含む。スタンドオフ255は、調節構造体240の中心光軸に対してほぼ半径方向外向きの方向に延在することができる。いくつかの実施形態では、スタンドオフ255の半径方向外向きの表面は、製造中に、中心光軸と、スタンドオフ255が接続される第2の構成要素240bの表面との間の距離の95%~98%の中心光軸からの任意の距離に位置付けることができる。いくつかの実施形態では、スタンドオフ255の半径方向外向きの表面は、製造中に、スタンドオフ255が接続される第2の構成要素240bの表面とほぼ同じ中心光軸からの半径距離に位置付けられる。スタンドオフ255を第2の構成要素240bの接続面までの半径距離のおよそ100%にサイズ設定することにより、調節構造体240の第2の構成要素240bから第1の光学構成要素210に印加される機械的応力を低減または排除することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、
図2Dに示されるように、第1の構成要素240aは、軸方向のスタンドオフ256を含む。軸方向のスタンドオフ256は、スタンドオフ255に接続されるか、またはスタンドオフ255から分離され得る。図示される実施形態では、例えば、軸方向のスタンドオフ256は、スタンドオフ255に接続され、調節構造体240の中心光軸に平行な方向に突出する。いくつかの実施形態では、軸方向のスタンドオフ256は、スタンドオフ255の弧状幅よりも大きいまたは小さい弧状幅を有する。いくつかの実施形態では、軸方向のスタンドオフ256は、スタンドオフ255の弧状幅にほぼ等しい弧状幅を有する。スタンドオフ255に加えて軸方向のスタンドオフ256を含むことは、調節構造体240の第1の構成要素240aと調節構造体240の第2の構成要素240bとの間の接合の堅さおよび剛性を高めることができる。第1の構成要素240aと第2の構成要素240bとの間の接合の剛性を高めることは、ベローズ208の半径方向の圧縮に応じて、第1の光学構成要素210および第2の光学構成要素250のうちの一方または両方の望ましくない変形の可能性を低減することが期待される。
【0035】
図2Fは、
図2A~2Eに関して上述された第1の構成要素240aとほぼ同様または同一の第1の構成要素240a’の実施形態を示す。第1の部分240a’は、第1の部分240a’が第1の光学構成要素210’に形成された(例えば、切断、成形、または他の方法で作成された)1つ以上のチャネルまたは溝を含むという点で、上述された第1の構成要素240aとは異なる。例えば、溝287を第1の光学構成要素210’の後面に形成することができる。溝287は、環状であり得る。いくつかの実施形態では、第1の光学構成要素210’の後面に2つ以上の溝が形成される。溝287は、補強部分284’と接触して、またはその近くに位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、溝287は、第1の光学構成要素210’の半径方向外向きの縁部(調節構造体240の中心光軸に垂直に測定されるとき)またはその近くに位置付けられる。いくつかの実施形態では、溝287は、第1の光学構成要素210’の前面に形成される。溝287は、第1の光学構成要素210’の脆弱部分を作成し得る。この脆弱部分は、調節構成と非調節構成との間で移行するときに第1の光学構成要素210’が撓むことができるヒンジ点を作成することができる。第1の光学構成要素210’の外側縁から半径方向内向きに離間した脆弱部分(調節構造体240の中心光軸に対して垂直に測定される)を作成することにより、外側流体貯留部203から内側流体チャンバ205への流体の進入に応じて屈曲する第1の光学構成要素210’の部分の直径を減少させることができる。第1の光学構成要素210’の屈曲部分の直径を減少させることにより、第1の光学構成要素210’の所与の光学変化を実現するために必要とされる流体進入の量を減少させることができる(例えば、調節構造体240の中心光軸に平行な方向に所与の距離だけ第1の光学部品210’の半径方向中心を移動するために必要な流体はより少ない)。いくつかの実施形態では、第1の光学構成要素210’に脆弱部分を作成することにより、第1の光学構成要素210’の撓みまたは変形の円周方向の均一性を高めることができる。
【0036】
図2Gおよび2Hは、本技術の一実施形態に従って構成されたAIOL240’を示す。
図2A~2Fに関して上述されたものと同様の構造的および/または機能的特徴を有する要素は、アポストロフィ(’)を使用して指定されている。例えば、AIOL240’の第1の部分240a’は、上述のAIOL240の第1の部分240aと同様である。
図2Gを参照すると、第1の部分240a’は、第1の部分240a’の中心光軸に平行な方向に補強部分284’から延在する1つ以上のスタンドオフ290を含むことができる。
図2Hに最もよく見られるように、AIOL240’が組み立てられたときに、これらのスタンドオフ290は、AIOL240’の第2の構成要素240b’の第2の光学構成要素250’に向かって延在する。スタンドオフ290は、第2の光学構成要素250’(例えば、その外周部分)に接触することができる。
図2Gおよび2Hを併せて参照し直すと、スタンドオフ290間の間隙292は、AIOL240’の内側流体チャンバ205’とAIOL240’の外側流体貯留部203’との間から流体を通過させることができる。AIOL240’の第1および第2の構成要素240a’、240b’間の接続点としてスタンドオフ290を使用すると、2つの構成要素240a’、240b’間の接合を強化し、保管、埋め込み、および/または操作中に、2つの構成要素240a’、240b’間の意図しない分離のリスクを低減することができる。スタンドオフは、第1の光学構成要素210’および第2の光学構成要素250’のうちの一方または両方の収差(例えば、調節中の非円形屈曲)のリスクを低減することができる。
【0037】
図3A~3Cは、
図1A~2Eに関して上述されたAIOL100、200の同じ特徴部の多くまたはすべてを有するAIOL300を示す。例えば、
図3A~3Cと
図1A~2Eとの間の同様の参照番号は、同一または類似の特徴(例えば、第2の光学構成要素150対第2の光学構成要素250対第2の光学構成要素350)を示す。AIOL300は、デバイスの周囲の周りに配置されたくぼみ382および/または突出部383を含む。AIOL300のくぼみ382および/または突出部383は、上述されたAIOL200のくぼみ282および/または突出部283よりも短い弧状幅を有する。いくつかの実施形態では、AIOL300の固定レンズ330は、調節構造体240に関して、固定レンズ230よりも(調節構造体340の中心光軸に平行に測定されるとき)調節構造体340の最大高さの比率としてより大きな最大高さを有する。例えば、
図2Bに示されるように、固定レンズ230は、調節構造体340の高さH2の30%~60%、20%~70%、50%~60%、および/または40%~55%の高さH1を有することができる。いくつかの実施形態では、固定レンズ230は、調節構造体240の高さH2のおよそ55%の高さH1を有することができる。
図3Bに示されるように、固定レンズ330は、調節構造体340の高さH4の35%~70%、45%~75%、40%~60%、および/または60%~65%の高さH3を有することができる。いくつかの実施形態では、固定レンズ330の高さH3は、調節構造体340の高さH4のおよそ62.5%である。いくつかの実施形態では、固定レンズ330の高さを減少させることにより、AIOL300の移植中に使用される材料(例えば、OVDまたは他の材料)のより容易な洗浄を可能にし得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、
図3Cに最もよく見られるように、第2の光学構成要素350は、第2の光学構成要素350の前面に1つ以上の隆起、起伏、または他の表面特徴部を含むことができる。例えば、1つ以上の環状隆起388は、第2の光学構成要素350の前面から突出することができる。隆起部388は、第2の光学構成要素350の前面に適用された表面処理が隆起部388を越えて通過するのを阻止または防止することができる。表面処理が隆起部388を越えることを阻止または防止することにより、表面処理材料が調節構造体340の第1および第2の構成要素340a、340bの間の接合を妨げる可能性を低減することができる。いくつかの実施形態では、疎水性コーティングは、親水性接着剤が使用される場合に接合される構成要素340a、340bに適用される。
【0039】
いくつかの実施形態では、調節構造体340の第2の構成要素340bは、第2の光学構成要素350の後側の外周の全部または一部分に沿って、切り欠き389または他の切り取り部分を含む。いくつかの実施形態では、切り欠き389はフィレット状であるか、または別様に湾曲している。
【0040】
図3Cを再び参照すると、いくつかの実施形態では、調節構造体340は、1つ以上の鋭利な内部縁部または角部を含むことができる。例えば、外側ベローズ303と第2の光学構成要素350との間の第2の構成要素340bの折り畳み部分は、1つ以上の鋭い内部角部393を含むことができる。いくつかの実施形態では、鋭い内部角部393は、ゼロインチに近いかまたは等しい内半径を有する。いくつかの実施形態では、外側ベローズ303の後方は、1つ以上の内部鋭角部394を含む。1つ以上の内部鋭角部394は、ゼロインチに近いかまたは等しい曲率半径を有することができる。角部393、394は、嚢から外側ベローズ303に半径方向内向きの力が印加されたときに、外側ベローズ303および/またはAIOL300のベローズの他の部分の効率的なつぶれを容易にすることができる、機械的脆弱点を提供することができる。外側ベローズ303の効率的なつぶれは、外側ベローズと内側流体チャンバ305との間の流体の流れを増加させることによって、調節構造体340の性能を改善することが期待される。
【0041】
いくつかの実施形態では、
図3Dに示されるように、本開示の他の実施形態と比較して、外側ベローズ303’の高さ(例えば、前後方向で測定されるとき)を短くすることができる。例えば、外側ベローズ303’の高さH5は、調節構造体340’の高さH6の75%未満、70%未満、65%未満、および/または60%未満であり得る。いくつかの実施形態では、外側ベローズ303’の高さH5は、調節構造体340’の高さH6のおよそ70%である。比較例として、
図3Cの調節構造体340の外側ベローズ303の高さH7は、調節構造体340の高さH8のおよそ75%~85%であり得る。いくつかの実施形態では、外側ベローズ303’の高さH5を短くすることは、嚢の半径方向外側部分における外側ベローズ303’の嵌まりを改善することが期待される。外側ベローズ303’の高さH5と調節構造体340の高さH6との正確な比率は、所与の患者の嚢に適合するように、および嚢内のAIOL300の嵌まりを改善するように調整することができる。
【0042】
図4は、
図1A~3Dに関して上述されたAIOL100、200、300と同じ特徴部の多くまたはすべてを有するAIOLの調節構造体の第1の部分440aを示す。例えば、
図3A~3Cと
図1A~2Eとの間の同様の参照番号は、同一または同様の特徴部(例えば、くぼみ282対くぼみ382対くぼみ482)を示す。いくつかの実施形態では、第1の部分440a(例えば、前方レンズ構成要素)は、前後方向に延在する半径方向外向きの表面に1つ以上のチャネル490を含む。いくつかの実施形態では、第1の部分440aは、チャネル490に対して斜めの角度で延在する1つ以上の側方チャネル491を含む。例えば、側方チャネル491は、チャネル490に対して垂直に延在し、チャネル490と交差することができる。いくつかの実施形態では、側方チャネル491は、第1の部分440aの半径方向外向きの表面に接し、第1の部分440aの中心光軸に垂直な方向に、第1の部分440aの外周の全部または一部の周りに延在する。第1の部分440aはまた、第1の部分440aの外面に1つ以上の二次側方チャネル492を含むことができる。例えば、1つ以上の二次側方チャネル492は、第1の側方チャネル491と平行におよび/またはその前方に延在することができ、第1の部分440aの中心光軸に平行な方向に第1の側方チャネル491から離間することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の二次側方チャネル492は、側方チャネル491の後方に延在する。いくつかの実施形態では、二次側方チャネル492は、第1の側方チャネル491の方向および/またはチャネル490の方向に対して斜めの方向に延在する。チャネル490、第1の側方チャネル491、および/または第2の側方チャネル492の使用は、AIOLを通過するおよび/またはその周りの眼嚢内の流体の流れおよび/または房水循環を改善することができる。改善された流体の流れは、水分補給を改善し、嚢の線維化を阻止し、調節中の本来の眼嚢の性能を維持することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、ベローズおよび/またはAIOLの他の部分は、へこみ、細流、チャネル、および/または患者の本来の眼嚢内のAIOL間の流体の通過を促進するように構成された他の表面変形を含むことができる。表面変形部は、テンプル、くぼみ、刻み目、および/またはその他の特徴部を含むことができる。好ましくは、表面変形部は、眼嚢が表面変形部を充填する、または実質的に充填するリスクを低減または排除するために、眼嚢の厚さ程度の深さを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のAIOLの表面変形部は、流体を切り欠き(例えば、切り欠き181、281、381、481)に向けて、AIOLを通過する流体の流れを増加させるように配置および構成することができる。このような表面変形部の使用は、眼嚢の内面のすべてまたは大部分にわたる流体の分散を促進および/または容易にすることが期待される。
【0044】
図5A~7Cは、固定レンズとAIOLの調節式レンズとの間の空間からのOVDまたは他の流体の通過を容易にするように構成された洗浄特徴部を有する固定レンズ530、630、730を示す。例えば、
図5A~5Cに示されるように、固定レンズ530は、レンズ構成要素を通って延在する1つ以上の開口595を含むことができる。開口595は、固定レンズ530を通るOVDおよび本来の眼液のうちの一方または両方の通過を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、
図6A~6Cに示されるように、固定レンズ630は、レンズ構成要素を通る1つ以上のスロット695を含むことができる。スロット695は、固定レンズ630を通るOVDおよび本来の眼液の一方または両方の通過を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、スロット695は、20°~60°、25°~70°、30°~55°、および/または40°~50°の弧状長さを有し、固定レンズ630の中心光軸に対して測定される。いくつかの実施形態では、スロット695は、およそ45°の弧状長さを有する。
【0045】
図7A~7Cに示される実施形態のように、固定レンズ730は、固定レンズ730の外側外周から1つ以上の切り取り部795を含むことができる。切り取り部795は、例えば、固定レンズ730の外周に切り込まれた、または他の方法で形成された切り欠きであり得る。いくつかの実施形態では、固定レンズ730は、1つの切り取り部795を含む。固定レンズ730は、2つ以上の切り取り部795(例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の切り取り部795)を含むことができる。切り取り部795のうちの1つ以上は、固定レンズ730の中心光軸に垂直な方向に、固定レンズ730の半径のおよそ20%の深さまで、固定レンズ730内に延在することができる。いくつかの実施形態では、切り取り部795の上記の深さは、固定レンズ730の半径の5%~40%、10%~30%、および/または20%~50%にある。切り取り部795は、20°~60°、25°~70°、30°~55°、および/または40°~50°の弧状長さを有し得、固定レンズ730の中心光軸に対して測定される。切り取り部795は、固定レンズ730全体および前後方向に延在することができる。いくつかの実施形態では、切り取り部795は、固定レンズ730のスカートの後方フランジ733を通って延在しない。固定レンズのスカートに環状後方フランジ733を維持することは、調節構造体740の構造的完全性を改善することが期待される。いくつかの実施形態では、固定レンズは、上記の洗浄特徴部595、695、795のうちの1つ、または洗浄特徴部595、695、795のうちの2つ以上の組み合わせを含むことができる。
【0046】
図8は、本技術の別の実施形態に従って構成されたAIOL800を示す。AIOL800は、上記のAIOL100と同じ特徴部の多くまたはすべてを有する。いくつかの実施形態では、例えば、AIOL800の調節構造体840は、AIOL100の調節構造体140と同一または同様である。AIOL800の調節構造体840は、調節構造体840の第1および第2の光学構成要素のうちの一方または両方に位置付けられたマーキング896を有することができる。マーキング896は、患者の眼の外側から、および/またはAIOL800の固定レンズ830を通して視認可能である。マーキング896は、外科医または他の医療関係者が貫流特徴部881(例えば、くぼみ)またはAIOL800の他の特定の特徴部を見つけることを可能にする。例えば、AIOL800は、貫流特徴部881の各々と位置合わせされたマーキング896を含むことができる。好ましくは、マーキング896は、AIOLの光学部分の外周またはその近くに位置付けられて、患者に対する光学的歪みを回避する。貫流特徴部881を正確かつ確実に配置することにより、医療従事者は、AIOL800の後方の眼嚢からOVDまたは他の材料を効率的に洗浄するための向きにカニューレまたは他の洗浄デバイスを位置付けることができる。例えば、貫流特徴部881の位置を知ることにより、医療関係者は、AIOL800の後方の水晶体嚢の部分を洗浄するときに、洗浄流体を貫流特徴部881に向けることができる。
【0047】
図9A~9Dは、本技術の別の実施形態に従って構成されたAIOL900の一実施形態を示す。AIOL900は、触覚構造体902と、触覚構造体902内に少なくとも部分的に位置付けられた調節式レンズ904と、を含む。いくつかの実施形態では、AIOL900は、固定レンズ906を含む。固定レンズ906は、触覚構造体902の前側に接続され得る。いくつかの実施形態では、AIOL900は、固定レンズ906が触覚構造体902の後側に接続されるように方向付けられる。以下でより詳細に説明されるように、触覚構造体902は、眼の水晶体嚢から調節式レンズ904および/または固定レンズ906に力を移すように構成され得る。
【0048】
図9Bに示されるように、いくつかの実施形態では、触覚構造体902は、個々のばね要素908を含むことができる。個々のばね要素908は、触覚構造体902の外周(例えば、触覚構造体902の中心または光軸の周り)の周りに、略円形の楕円形または他の形状の配列で分散され得る。ばね要素908は、触覚構造体902が患者の眼に移植されたときに、流体が触覚構造体902の周りを通過して、触覚構造体902を越える(例えば、ばね要素908間)ことを可能にするように構成され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、ばね要素908は、第1のフレームまたはリング912(例えば、前方リング)に接続された第1の端部と、第2のフレームまたはリング914(例えば、後方リング)に接続された第2の端部と、を有する。第1のフレーム912は、触覚構造体902の前端に位置付けられ得、第2のフレーム914は、触覚構造体902の後端に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、第1および第2のフレーム912、914のうちの一方または両方がリング形状を有し、環状であり、ドーナツ形であり、および/または中心開口部を画定する。
【0050】
いくつかの実施形態では、ばね要素908は湾曲形状を有する。あるいは、ばね要素908は、屈曲形状および/またはシェブロン形状を有してもよい。例えば、ばね要素908は、第1のフレーム912に接続された前方部分918と、第2のフレーム914に接続された後方部分922と、を含むことができる。前方部分918および後方部分922は、ばね要素908の各々の角部で互いに接続され得る。いくつかの実施形態では、ばね要素908の角部は、AIOL900の光軸に垂直な平面上で互いに同一平面上にある。ばね要素908の角部は、AIOL900の光軸に対して触覚構造体902の半径方向外向きの外周を画定することができる。角部は、例えば、前方部分918および後方部分922が(例えば、AIOL900が移植された本来の眼嚢からばね要素908にかかる力に応じて)互いに対して回転できるヒンジであり得る。
【0051】
図9Dに示されるように、固定レンズ906は触覚構造体902と結合され得る。固定レンズ906は、例えば、第1のフレーム912に接続され得る。しかしながら、他の実施形態では、固定レンズ906は、第2のフレーム914に接続される。固定レンズ906は、好ましくは、フレーム912、914のうちの1つに取り外し可能に結合可能である。いくつかの実施形態では、固定レンズ906は、触覚構造体902が患者の眼の水晶体に移植された後、フレーム912、914のうちの1つに結合され、かつ/または取り外され得る。いくつかの実施形態では、第1のフレーム912(および/または第2のフレーム914)は、固定レンズ906を受容するように構成された凹部、チャネル、戻り止め、または他の構造体を含む。例えば、第1のフレーム912は、第1のフレーム912の半径方向内向きの表面にチャネル932(例えば、環状チャネル)を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1のフレーム912は、第1のフレーム912の半径方向内向きの表面に2つ以上の別個の分離したチャネルを含む。固定レンズ906の外周936は、第1のフレーム912の半径方向内向きの表面内の1つ以上のチャネル(例えば、チャネル932)と解放可能に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、固定レンズの外周936は、第2のフレーム914のための第1のフレーム912の内周の隆起、突出部、および/または他の特徴部を受容するように構成された1つ以上のチャネルを含む。
【0052】
調節式レンズ904は、前方レンズ部分926と、後方レンズ部分928と、を含むことができる。調節式レンズ904(例えば、流体チャンバ)は、前方レンズ部分926と後方レンズ部分928との間の流体で充填され得る。流体は、溶液、油、シリコーン油、デキストランの溶液、高分子量デキストランの溶液、および/または別の高分子量化合物の溶液を含み得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、前方および後方レンズ部分926、928は、各レンズ部分の外周930で互いに接合される。そのような実施形態では、調節式レンズ904は、触覚構造体902と取り外し可能に結合され得る。例えば、調節式レンズ904は、前方フレーム912の開口部を通して、または後方フレーム914の開口部を通して触覚構造体902に挿入され得る。調節式レンズ904は、調節式レンズ904とばね要素908の半径方向内向きの側面との間の接触面を介して触覚構造体902で所定の位置に保持され得る。例えば、調節式レンズ904の外周は、ばね要素908の内側の角部と接触することができる。
【0054】
ばね要素908は、半径方向内向きの力がばね要素908に印加されたときに、調節式レンズ904に半径方向内向きの力を加えるように構成され得る。ばね要素908による調節式レンズ904の半径方向圧縮は、前方および後方レンズ部分926、928を互いに離すように押すことができる。ばね要素908による調節式レンズ904の半径方向圧縮の緩和は、前方および後方レンズ部分926、928が互いに向かって戻ることを可能にし得る。AIOL900の光軸に平行な方向に互いに向かっていくおよび離れていく前方および後方レンズ部分926、928の移動は、調節式レンズ904の屈折力の変化を可能にし得る。第1および第2のフレーム912、914は、ばね要素908に対する半径方向の圧縮力に応じて、互いから離れるように移動するように構成され得る(例えば、第1および第2のフレーム912、914の間の距離を増加させることができる)。
【0055】
いくつかの実施形態では、前方レンズ部分926は、ばね要素908の前方部分918と一体であるか、ともに形成されているか、または他の方法で接続されている。調節式レンズ904の後方レンズ部分928は、ばね要素908の後方部分922と一体であるか、ともに形成されているか、または別様に接続され得る。そのような実施形態では、前方および後方部分918、922が互いに接合されるように、前方および後方レンズ部分926、928を互いに接合することができる。これらのそれぞれの部分を互いに接合することは、接合、接着、溶接、摩擦嵌め、および/または何らかの他の接合方法を含むことができる。
【0056】
図10A~10Hは、本技術の別の実施形態に従って構成されたAIOL1000を示す。AIOL1000は、上述のAIOL900の特徴部と同様のまたは同じいくつかの特徴部を含むことができる。例えば、同様の番号が付けられた構成要素は、互いに同様または同じであり得る(例えば、固定レンズ906対固定レンズ1006)。AIOL1000は、固定レンズ1006および調節式レンズ1004のうちの一方または両方に取り外し可能に結合されるように構成された触覚構造1002を含む。調節式レンズ1004は、
図9Dに関して上述された前方および後方レンズ部分926、928と同様のまたは同じ前方および後方レンズ部分、ならびに前方レンズ部分と後方レンズ部分の間の流体チャンバを含むことができる。触覚構造体1002は、水晶体嚢に移植されたときに、患者の水晶体嚢に接触するように構成され得る。AIOL1000の触覚構造体1002は、水晶体嚢から調節式レンズ1004および固定レンズ1006のうちの一方または両方に機械力を移すように構成される。
【0057】
触覚構造体1002は、
図10Aに示されるように、触覚構造体1002の外周で、またはその近くで互いに接続された前方部分1018および後方部分1022を含むことができる。いくつかの実施形態では、触覚構造体1002の前方部分1018は、後方部分1022と同様のまたは同じサイズである。いくつかの実施形態では、触覚構造体1002の前方部分1018および後方部分1022は、触覚構造体1002の外側リング1003に接続される。外側リング1003は、触覚構造体1002の外周全体の周りの連続した環状リング、または触覚構造体1002の外周に沿ってセグメントに分離された破断リングであり得る。触覚構造体1002の円周の周りの前方部分1018の間の空間、および触覚構造体1002の円周の周りの後方部分1022の間の空間は、触覚構造体1002を通る窓1038を画定することができる。これらの窓1038は、触覚構造体1002が患者の眼に移植されたときに、流体が触覚構造体1002を通過できるようにし得る。
【0058】
図10Gに最もよく見られるように、固定レンズ1006の外周は、前方部分1018の前方リング1012および触覚構造体1002を解放可能に受容するように構成された凹部1036を含む。凹部1036は、AIOL1000の光軸に平行で、それを通過する切断面で観察されるように、湾曲した、楕円形、および/または半円形の形状を有することができる。触覚構造体1002の前方部分1018と固定レンズ1006の外周との間の接触面は、固定レンズ1006および
図10E~10Hに示される切断面に対して前方部分1018を相対的に傾斜させることを可能にし得る。例えば、前方部分1018の凹部1036および前方リング1012のそれぞれの丸みを帯びた表面は、そのような傾斜を可能にし得る。次に、前方部分1018の傾斜は、調節式レンズ1004の外周の傾斜を引き起こし得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、触覚構造体1002の後方部分1022は、調節式レンズ1004の一部分(例えば、外周1042)を受容するように構成された凹部1040(例えば、後方リング1014内)を含む。調節式レンズ1004の外周1042は、可撓性または半可撓性であり得る。いくつかの実施形態では、触覚構造体1002の後方部分1022と調節式レンズ1004との間の接触面は、
図10E~10Hに示される切断面(例えば、AIOL1000の中心光軸を通り、それに平行な切断面)において調節式レンズ1004および/または触覚構造体1002の後方部分1022が互いに対して回転(例えば、傾斜する)するヒンジを形成し得る。調節式レンズ1004が回転すると(例えば、後方向に、および/または外側リング/ヒンジ1003から離れるように)、レンズ1004の半径方向外向きの部分(例えば、レンズ1004の周囲またはその付近)は軸方向に圧縮し、調節式レンズ1004内で流体を半径方向内向きに押し込むことができる。この半径方向内向きの流体の流れは、調節式レンズ1004の半径方向内向きの部分を伸長し、それによって、調節式レンズ1004の屈折力を変化させることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、触覚構造体1002は、前方部分1018に対する触覚構造体1002の後方部分1022の屈曲および/または回転、およびその逆を容易にするように構成された脆弱部分1050を含むことができる。脆弱部分1050は、例えば、外側リング1003、後方部分1022、および/または前方部分1018の半径方向内向きの部分における1つ以上の切り込み、凹部、チャネル、または他の特徴部であり得る。いくつかの実施形態では、触覚構造体1002の半径方向外向き部分(例えば、周囲)は、触覚構造体1002の半径方向外向き部分の周りで、これを越える流体の流れを促進するように構成された1つ以上のくぼみ、切り込み、凹部、チャネル、および/または他の特徴部を含む。後方リング1014に接続された調節式レンズ1004を有するAIOL1000の様々な特徴が上述されているが、AIOL1000は、後方1014リングがAIOL1000の前側にあり前方リング1018が後側にあるように、反転させることができる。
【0061】
図10C、10E、および10Gは、非調節構成にあるAIOL1000を示し、
図10D、10F、および10Hは、調節構成にあるAIOL1000を示す。別の言い方をすれば、
図10D、10F、および10Hは、半径方向内向きの力が触覚構造体1002に(例えば、患者の水晶体嚢によって)印加される構成のAIOL1000を示す。調節構成では、触覚構造体1002は、半径方向に圧縮され、軸方向に(例えば、AIOL1000の光軸に平行に)伸張される。触覚構造体1002の軸方向の伸長は、触覚構造体1002の軸方向高さを非調節高さH9(
図10C)から調節高さH10(
図10D)へと増加させる。いくつかの実施形態では、触覚構造体1002の調節高さH10は、触覚構造体1002の非調節高さH9よりも10%~50%、20%~40%、30%~35%大きい。調節構成と非調節構成との間の移行中、触覚構造体1002および/または調節式レンズ1004は、上述のように、互いに対して枢動および/または回転することができる。
【0062】
図11A~11Dは、本技術の別の実施形態に従って構成されたAIOL1100を示す。AIOL1100は、上述のAIOL1000の特徴部と同様のまたは同じいくつかの特徴部を含むことができる。したがって、同様の番号が付けられた構成要素は、互いに同様または同じであり得る(例えば、固定レンズ1006対固定レンズ1106)。AIOL1100は、固定レンズ1106の光学部分から延在する1つ以上の嵌合構造体1170を有する固定レンズ1106を含むことができる。嵌合構造体1170は、例えば、フィン、突出部、フランジ、伸長部、または固定レンズ1106の光軸に垂直または略垂直な方向に固定レンズ1106の光学部分から延在する他の構造であり得る。図示された実施形態では、固定レンズ1106は、固定レンズ1106の光学部分の外周に円周方向のパターンで均等に分散された3つの嵌合構造体1170を含む。いくつかの実施形態では、より多くのまたはより少ない嵌合構造体が使用され、円周方向の分散以外のパターンが使用されてもよい。AIOL1100の調節構造体(例えば、ベースレンズ)の第1の構成要素1140a(例えば、前方構成要素)は、固定レンズ1106の嵌合構造体1170を受容し、解放可能に嵌合するように構成された1つ以上の受容構造体1174を含むことができる。調節構造体の第2の構成要素は、図示されていないが、上述の第2の構成要素140b、240b、340bのうちの1つ以上と同一または同様であり得る。受容構造体1174のうちの1つ以上は、例えば、
図11Bに示されるように、対応する嵌合構造体1170を(例えば、AIOL1100の光軸に平行な方向で)受容するように構成されたスロットまたは他のくぼみであり得る。第1の構成要素1140aは、固定レンズ1106が第1の構成要素1140aと完全に結合されたときに、固定レンズ1106を第1の構成要素1140aに固定するように構成された保持構造体1178(例えば、各受容構造体1174に対して1つの保持構造体1178)を含むことができる。保持構造体1178は、例えば、固定レンズ1106の嵌合構造体1170の少なくとも一部分を保持するように構成された、ポケット、凹部、くぼみ、キャビティ、または他の構造体であり得る。これらの固定レンズと嵌合する構造体は、単数の構造体であっても複数の構造体であってもよい。図示される実施形態では、保持構造体1178は、受容構造体1174から延在する円周方向に延在するキャビティである。嵌合構造体1170が受容構造体1174(例えば、スロット)の中に/を通して受容された後、固定レンズ1106は、嵌合構造体1170が保持構造体1178内に少なくとも部分的に受容および保持されるように、(例えば、反時計回りの方向に)回転され得る(
図11C~11D)。
【0063】
保持構造体1178は、第1の構成要素1140aからの固定レンズ1106の不注意による切り離しを阻止または防止するように構成され得る。例えば、保持構造体1178は、嵌合構造体1170が保持構造体1178内に少なくとも部分的に位置付けられたときに嵌合構造体1170の移動を阻止するかまたは他の方法で妨げるように位置付けられた前壁1179(
図11D)を含むことができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、嵌合構造体1170は、嵌合構造体が少なくとも部分的に保持構造体1178内に位置付けられたときに、保持構造体1178の一部分を撓ませる、および/または嵌合構造体と保持構造体1178との間の摩擦を増加させるようにサイズ/形状設定される。例えば、嵌合構造体1170の一部分は、嵌合構造体1170がそこに受容されたときに、保持構造体1178のうちの1以上が撓む、かつ/または変形するように、保持構造体1178よりも1つ以上の寸法(例えば、AIOL1100の光軸に対して平行および/または垂直)で大きくすることができる。
【0065】
図11E~11Hは、上述のAIOL1100と組み合わせて使用され得る追加の特徴部を示す。例えば、
図11E~11Fを参照すると、第1の構成要素1140aは、嵌合構造体1170が保持構造体1178内に少なくとも部分的に位置付けられたときに、固定レンズ1106の回転を妨げるように構成されたこぶ1180、突出部、または他の構造体を含むことができる。こぶ1180は、受容構造体1174と保持構造体1178との間の第1の構成要素1140aの半径方向内向きの壁に位置付けられ得る。こぶ1180は、嵌合構造体1170が受容構造体1174から保持構造体1178に移動するとき(例えば、固定レンズ1106が第1の構成要素1140aに対して回転するとき、
図11Eの弧状矢印によって示されるように)、外向きに撓むように構成され得る。嵌合構造体1170がこぶ1180を通過すると、こぶ1180は半径方向内向きに撓み、嵌合構造体1170が受容構造体1174に戻る回転を妨げることができる。
【0066】
図11Gおよび11Hは、上述のこぶ1180の代わりに、またはそれに加えて使用できる特徴部を示す。具体的には、受容構造体1174は、保持構造体1178の半径よりも小さい半径(例えば、AIOL1100の光軸に垂直に測定されるとき)を有することができる。受容構造体1174の半径は、固定レンズ1106の嵌合構造体1170の半径よりも小さくすることができる。いくつかの実施形態では、固定レンズ1106またはその嵌合構造体1170が受容構造体1174に受容されたときに、嵌合構造体1170は、受容構造体1174を半径方向外向きに撓ませることができる。嵌合構造体1170が保持構造体1178内に移動されるとき(例えば、
図11G中の弧状矢印を参照)、受容構造体1174は、それらの撓んでいない位置に戻ることができる。受容構造体1174の半径と保持構造体1178の半径との間の段差1181は、保持構造体1178から受容構造体1174への嵌合構造体1170の不注意な移動を阻止または防止するように位置付けられる。
【0067】
図12A~12Bは、本技術の別の実施形態に従って構成されたAIOL1200を示す。AIOL1200は、上述のAIOL(例えば、AIOL1000および1100)の特徴部と同様のまたは同じいくつかの特徴部を含むことができる。したがって、同様の番号が付けられた構成要素は、互いに同様または同じであり得る(例えば、固定レンズ1106対固定レンズ1206)。AIOL1200の調節構造体1240は、固定レンズ1206の嵌合構造体1270(例えば、フィン、突出部、フランジ、または他の嵌合構造体)を解放可能に受容するように構成された複数のキャビティ1282または他のキャビティを含むことができる。キャビティ1282は、前壁1283を含むことができる。前壁1283は、固定レンズ1206の嵌合構造体1270がキャビティ1282に少なくとも部分的に出入りできるように、屈曲する、撓む、および/または他の方法で変形するように構成することができる。調節構造体1240は、キャビティ1282を分離する内壁1284を含むことができる。内壁1284は、固定レンズ1206が調節構造体1240と嵌合するときに(
図12Bに示されるように)、固定レンズ1206の自由な回転を阻止または防止することができる。
【0068】
図13A~13Dは、本技術の別の実施形態に従って構成されたAIOL1300を示す。AIOL1300は、上述のAIOL100、200、300、1100、および1200の特徴部と同様のまたは同じいくつかの特徴部を含むことができる。したがって、同様の番号が付けられた構成要素は、互いに類似または同一であり得る(例えば、キャビティ1282対キャビティ1382、固定レンズ1206対固定レンズ1306など)。
図13Aおよび
図13Bを参照すると、固定レンズアセンブリ1330は、レンズ部分1306(例えば、固定レンズ)と、レンズ部分1306から半径方向外向きに延在する1つ以上のタブ1370と、を含むことができる。1つ以上の孔1371は、1つ以上のタブ1370を少なくとも部分的に通って延在することができる。孔1371(例えば、またはくぼみ)は、固定レンズアセンブリ1330の移植および/または除去中に、固定レンズアセンブリ1330を操作するために外科用器具によって係合され得る。いくつかの実施形態では、孔1371は対で配置される。いくつかの実施形態では、孔1371は、円周方向のパターンで分散される。いくつかの実施形態では、孔1371のうちの1つ以上は、他の孔1371とは異なるサイズ(例えば、幅または直径)および/または形状を有する。例えば、孔1371の各々は、他の孔1371の各々とは異なるサイズを有してもよい。様々なサイズの孔を使用することで、固定レンズアセンブリ1330の回転位置合わせ(例えば、AIOL1300の光軸の周り)をさらに視覚的に確認することができる。固定レンズアセンブリ1330の位置合わせ/向きを確認することで、トーリックレンズまたは他の非環状対称固定レンズ1306が、ベースレンズ1340および/またはAIOL1300が移植される本来の眼嚢に対して不適切に方向付けられるリスクを低減することができる。いくつかの実施形態では、固定レンズアセンブリ1330は、ベースレンズ1340および/または本来の眼嚢に対する固定レンズアセンブリ1330の向きを示すための追加の視覚的マーカー(例えば、
図8に関して上述されたマーキング896と同様または同じ)を含むことができる。
【0069】
AIOL1300は、ベースレンズ1340(例えば、調節構造体)をさらに備える。
図13Aに最もよく見られるように、ベースレンズ1340は、固定レンズアセンブリ1330の1つ以上のタブ1370と解放可能に結合するように構成された1つ以上のキャビティ1382または他の嵌合構造体を含むことができる。キャビティ1382は、ベースレンズ1340の光軸に向かって開くことができる。いくつかの実施形態では、固定レンズアセンブリ1330の3つのタブ1370を受容する3つのキャビティ1382がある。キャビティ1382は、ベースレンズ1340の部分に位置付けられ、貫流特徴部1381および/またはベースレンズ1340のくぼみ1383に隣接する壁によって互いに分離され得る。くぼみ1383は、上述の貫流特徴部181と同様または同一の特徴を有するベースレンズ1340の貫流特徴部1381と位置合わせすることができる。くぼみ1383および/または貫流特徴部1381は、ベースレンズ1340が患者の眼嚢内に移植されるとき、ベースレンズ1340の外周の周りの流体の流れを容易にすることができる。AIOLが組み立てられると、タブ1370、固定レンズ1306、および/またはキャビティ1382は、互いに同一平面上にあることができる。
【0070】
ベースレンズ1340は、ベースレンズ1340の半径方向外向きの表面上(例えば、
図13Dに示されるように、前方ベースレンズ構成要素1340aおよび/または後方ベースレンズ構成要素1340b上)に、外側チャネル1391を含むことができる。外側チャネル1391は、ベースレンズ1340の外周全体の周りに延在することができる。いくつかの実施形態では、外側チャネル1391は、前方および後方ベースレンズ構成要素1340a、1340bの間の継ぎ目1395(
図13D)に沿って延在している。外側チャネル1391は、ベースレンズが患者の眼嚢に移植されたときに、ベースレンズ1340の外側の周りの流体の流れおよび/またはOVDの流れの増加を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、外側チャネル1391は、移植時にベースレンズ1340が眼嚢の内壁に付着する可能性を低減することができる。
【0071】
図13Cは、AIOL1300の前面の平面図であり、
図13Dは、
図13Cの切断面13D-13Dに沿ってとられたAIOL1300の側方断面図を示す。
図13Dに最もよく見られるように、キャビティ1382は、前方フランジ1385によって少なくとも部分的に画定され得る。フランジ1385は、タブ1370がキャビティ1382内に位置付けられたときに、ベースレンズ1340の光軸に平行な方向にタブ1370と重なることができる。フランジ1385は、ベースレンズ1340からの固定レンズアセンブリ1330の不注意による(例えば、本来の眼嚢の力の下で)分離を阻止または防止することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、タブ1370間の円周方向の空間は、固定レンズアセンブリ1330がベースレンズ1340に結合されたときに、固定レンズ1306とベースレンズ1340との間の通路1373を少なくとも部分的に画定することができる。通路1373は、固定レンズ1306と前方ベースレンズ構成要素1340aの光学部分1310との間のチャンバ1341に流体(例えば、房水)を出入りさせることができる。
【0073】
図13Dに示されるように、ベースレンズ1340の触覚貯留部1303は、前方および後方ベースレンズ構成要素1340a、1340bの触覚部分1341a、1341bによって、それぞれ少なくとも部分的に画定され得る。触覚貯留部1303は、前方ベースレンズ構成要素1340aの光学部分1310と後方ベースレンズ構成要素1340bの光学部分1350との間の流体チャンバ1305と流体連通することができる。この流体連通は、1つ以上の流体流路1349によって促進することができる。これらの流体流路1349は、前方ベースレンズ構成要素1340aの光学部分1310の外周に沿った突出部1397(例えば、スタンドオフ)間の間隙によって画定され得る。これらの突出部1397は、
図2Gおよび2Hに関して上述されたスタンドオフ290と同様または同じであり得る。いくつかの実施形態では、後方ベースレンズ構成要素1340bは、流体流路1249を形成するために突出部またはスタンドオフを含む。これらの突出部は、後方ベースレンズ構成要素1340bの光学部分1350の外周から延在することができ、上述の突出部1397に加えて、またはその代わりに使用することができる。
【0074】
図14A~14Bは、本技術の別の実施形態に従って構成されたAIOL1400を示す。AIOL1400は、上述のAIOL100および200の特徴部と同様のまたは同じいくつかの特徴部を含むことができる。したがって、同様の番号が付けられた構成要素は、互いに同様または同じであり得る(例えば、固定レンズ206対固定レンズ1406)。AIOL1400の固定レンズ1406は、
図1C~1Dの係合特徴部131およびスカート132に関して上述されたものと同様のまたは同じ方法で調節構造体1440(例えば、ベースレンズ)の係合特徴部1431と係合するようにサイズおよび形状設定されたスカート1432を含むことができる。
図14Aおよび14Bに示される実施形態では、スカート1432の全部または一部分(例えば、視覚的マーカー)を第1の色で着色され得る。係合特徴部1431(例えば、視覚的マーカー)のすべてまたは一部分は、固定レンズ1406が調節構造体1440と嵌合されるときに、AIOL1400(
図14B)の前方の位置から(例えば、係合特徴部1431を通して)第3の色が観察されるように、第2の色に着色され得る。第3の色は、スカート1432および係合特徴部1431の前後方向の重なりから作成される。例えば、第3の色が緑となるように、第1の色を青とすることができ、第2の色を黄色とすることができる。他の第1および第2の色の組み合わせ(例えば、赤黄、赤青など)も使用することができる。いくつかの実施形態では、固定レンズ1406と調節構造体1440との間の完全な環状係合を視覚的に確認できるように、スカート1432の円周全体が第1の色で着色される。
【0075】
図15A~15Dは、本技術の別の実施形態に従って構成されたAIOLの調節構造体の第2の構成要素1540bを示す。第2の構成要素1540bは、上述のAIOLの調節構造体の第1の構成要素と組み合わせて使用することができる。
図15Aおよび15Bを参照すると、第2の構成要素1540bは、AIOL100に関して
図1A~1Dで上述された増厚部分160および貫流特徴部181と同様に、貫流特徴部1581に隣接する増厚部分1560を含むことができる。第2の構成要素1540bはまた、増厚部分1560の間に(例えば、円周方向に)、第2の構成要素1540bの光学部分1536を少なくとも部分的に取り囲む外側ベローズ領域1503aを含むことができる。外側ベローズ領域1503aは、外側ベローズ領域1503aの長さの全部または一部分に沿って円周方向に延在する後壁1585を含むことができる。
【0076】
後壁1585のうちの1つ以上は、充填部分1586またはより厚い構築物の他の部分を含むことができる。充填部分1586は、残りの後壁1585よりも厚く(例えば、光学部分1536の光軸に平行な方向に)、および/または増厚部分1560よりも薄くすることができる。充填部分1586は、例えば、後壁1585の端部(例えば、円周方向の端部)のうちの1つ以上に、および/または増厚部分1560に隣接して位置付けられ得る。
【0077】
図15Cおよび15Dは、針Nがその内部を通って延在する、
図15Aの第2の構成要素1540bの個々の充填部分1586の拡大断面図を示す。
図15Cおよび15Dを併せて参照すると、充填部分1586は、針Nが内部を通過して調節構造体を光学流体(図示せず)で充填できるように構成され得る。充填部分1586の厚さT1は、針Nが調節構造体から取り外されたときに、充填部分1586の材料が針Nの周りのシールを保持し、針Nが調節構造体を出るときに流体の漏れを阻止または防止するのに十分であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、充填部分1586の厚さT1は、後壁1585の厚さT2の150%~200%、200%~300%、125%~400%、250%~500%、および/または110%~2500%である。いくつかの実施形態では、充填部分1586の厚さT1は、増厚部分1560の厚さT3の25%~75%、10%~80%、40%~60%、50%~90%、および/または40%~70%である。いくつかの実施形態では、充填部分1586は、厚さおよそ2ミリメートル(mm)、厚さ1.5~2.1mm、厚さ1.9~2mm、および/または厚さ1.75~2.2mmである。
【0078】
上述のように充填部分1586の厚さを設定することにより、増厚部分1560によって提供される針クリアランスよりも大きい針クリアランスNC1(例えば、
図15Cに示されるように、充填部分1586の前面およびAIOLの第1の構成要素1540aの前壁の間の空間の量)を許容することができる。針のクリアランスを大きくすると、より短いクリアランスで使用できる場合よりも急勾配の傾斜端を有する針を使用できるようになる。いくつかの実施形態では、充填部分1586の前方の針クリアランスNC1は、約1.25mm、1.1~1.5mm、1.2~1.3mm、および/または1~1.6mmである。充填部分1586によって提供される角度付き針クリアランスNC2(
図15D)は、およそ1.33mm、1.1~1.4mm、1.15~1.45mm、および/または1.3~1.35mmであり得る。いくつかの実施形態では、充填部分1586を含めることにより、調節中の光学部分1536の収差(例えば、非円形の屈曲または他の変形)のリスクを低減することができる。
【0079】
本明細書に記載の多部分AIOLデバイスは、眼を準備し、任意の適切な方法で嚢から本来の水晶体を除去することによって移植することができる。次いで、流体充填構造を眼嚢内に配置することができる。次いで、患者は、基本屈折力および/または乱視矯正について評価され得、固定レンズが選択されて、眼の嚢内に移植された状態の流体充填構造体に所望の基本屈折力または乱視矯正が提供される。次に、移植後の基本度数または乱視矯正を提供する特定の固定レンズが、以前に移植されたAIOLの流体充填構造体に挿入される。次いで、選択された固定レンズは、眼嚢内の流体充填構造体に結合され得る。これは、固定レンズがAIOLの前方の第1の構成要素に取り付けられているため、現在の技術のAIOLにおいて可能である。上述のように、流体充填調節構造体または固定レンズのうちの1つ以上は、水晶体嚢内への送達のために縮小プロファイル送達構成に再構成(例えば、折り畳み)され得るように、各々可撓性であり得る。場合によっては、手術後に固定部分をさらに矯正することが必要となり得る。このような事例は、手術後数日から数年の間にいつでも発生し得る。そのようなとき、患者は医師のところに戻り、固定レンズを異なる屈折力または他の処方を有する新しい固定レンズと交換してもよい。そのような場合、新しい処方は、元の固定レンズの除去前または除去後に特徴付けられてもよい。場合によっては、検査時に新しい固定レンズを製造して、移植してもよく、他の場合には、患者は検査後しばらくして固定レンズの移植のために戻ってきてもよい。
【0080】
本技術のいくつかの実施形態は、調節構造体と、光学的基本度数を有さない第1の固定レンズと、を有するキットを対象とする。キットは、様々な基本度数または他の光学特性を有する1つ以上の第2の固定レンズをさらに含むことができる。実際には、調節構造体を本来の眼嚢に移植することができ、次いで第1の固定レンズを調節構造体に結合することができる。次いで、移植された調節構造体の光学特性を、固定レンズの所望の光学特性を決定するために、適所に第1の固定レンズを用いてその場で評価することができる。組み立てられた調節構造体および基本度数を有さない第1の固定レンズの光学特性が適切である場合、システムは追加の変更を伴わずに移植されたままにすることができる。しかし、異なる基本度数またはその他の光学特性(例えば、トーリックまたはその他の非対称光学系)が所望される場合、基本度数を有さない第1の固定レンズを、固定レンズが取り付けられた移植された調節部分の光学特性に基づいて、所望の光学特性を有する第2の固定レンズと交換することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、AIOLの固定部分は、調節部分とは異なる材料から製造され得る。このような材料には、親水性または疎水性のメタクリレートまたはシリコーン、および非調節性IOLで従来から使用されている他の材料が含まれる。固定レンズは、調節部分に使用される材料よりも硬い材料から製造され得る。調節部分/レンズおよび固定部分/レンズのうちの一方または両方は、機械加工、鋳造成形(例えば、反応鋳造成形)、射出成形、および/もしくは他のプロセス、またはプロセスの組み合わせによって形成され得る。本明細書に記載の構造のいずれかまたはすべては、透明または半透明の材料から構築され得る。例えば、上述の調節構造および固定レンズは、たとえそれらが関連図において不透明として示されていても、透明な材料から構築され得る。
【0082】
本明細書に記載された眼内レンズシステムの特徴のいずれかを、本明細書に記載された他の眼内レンズの特徴のいずれかと組み合わせることができ、逆もまた同様である。さらに、本技術による実施形態のいくつかの特定の例を、以下の実施例において以下に記載する。
【0083】
実施例
本技術のいくつかの態様は、以下の実施例に記載されている。
1.調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
ベースレンズであって、
第1の光学部分と、前記第1の光学部分を少なくとも部分的に取り囲む第1の触覚部分と、を有する前方ベースレンズ構成要素と、
光軸と、
前記前方ベースレンズ構成要素に結合され、前記光軸に沿って前記第1の光学部分と位置合わせされた第2の光学部分と、前記第2の光学部分を少なくとも部分的に取り囲み、光軸に平行な方向で第1の触覚部分と位置合わせされた第2の触覚部分と、を有する後方ベースレンズ構成要素と、
前方ベースレンズ構成要素および後方ベースレンズ構成要素のうちの一方または両方に形成された複数の保持構造体であって、光軸に向かって開いている、複数の保持構造体と、
第1の光学部分と第2の光学部分との間の光学チャンバと、
第1の触覚部分と第2の触覚部分との間の触覚貯留部であって、光学チャンバと流体連通する触覚貯留部と、を有するベースレンズと、
ベースレンズと取り外し可能に結合されるように構成された固定レンズであって、固定レンズが、
前面および後面を有するレンズ部分であって、固定レンズがベースレンズに結合されたときに、レンズ部分が、第1および第2の光学部分と位置合わせされる、レンズ部分と、
レンズ部分から半径方向外向きに延在する複数のタブであって、固定レンズがベースレンズに結合されたときに、各タブが、複数の保持構造体のうちの1つに入るように構成されている、複数のタブと、を有する固定レンズと、を備える、AIOL。
2.固定レンズがベースレンズに結合されたときに、固定レンズの前面が、前方ベースレンズ構成要素の最前縁の後方に位置付けられる、実施例1に記載のAIOL。
3.タブのうちの1つを通る孔であって、ベースレンズに対して固定レンズを操作するためのツールの一部分を受容するように構成されている、孔をさらに備える、実施例1に記載のAIOL。
4.
前方ベースレンズ構成要素が、第1の光学部分を取り囲む第1の環状嵌合部分を含み、
後方ベースレンズ構成要素が、第2の光学部分を取り囲む第2の環状嵌合部分を含み、
第1の環状嵌合部分が、第2の環状嵌合部分と嵌合するように構成された複数の突出部を含み、
複数の突出部間の円周方向間隙が、触覚貯留部と光学チャンバとの間の流体流路を少なくとも部分的に画定する、実施例1に記載のAIOL。
5.
前方ベースレンズ構成要素が、第1の光学部分を取り囲む第1の環状嵌合部分を含み、
後方ベースレンズ構成要素が、第2の光学部分を取り囲む第2の環状嵌合部分を含み、
第2の環状嵌合部分が、第1の環状嵌合部分と嵌合するように構成された複数の突出部を含み、
複数の突出部間の円周方向間隙が、触覚貯留部と光学チャンバとの間の流体流路を少なくとも部分的に画定する、実施例1に記載のAIOL。
6.前方ベースレンズ構成要素の最前面に1つ以上のくぼみをさらに備える、実施例1に記載のAIOL。
7.前方ベースレンズ構成要素および後方ベースレンズ構成要素のうちの一方または両方の半径方向最外面に半径方向くぼみをさらに備え、半径方向くぼみが、前方ベースレンズ構成要素の最前面にある1つ以上のくぼみの各々と円周方向に位置合わせされている、実施例6に記載のAIOL。
8.固定レンズがベースレンズと結合されるときに、固定レンズと前方ベースレンズ構成要素の第1の光学部分との間に流体チャンバをさらに備え、固定レンズのタブ間の円周方向間隙が、流体が固定レンズの周りを通過して液体チャンバの中に入り、かつそこから外に出ることを可能にする、実施例1に記載のAIOL。
9.ベースレンズの外壁にチャネルをさらに備え、チャネルが、ベースレンズの全外周に沿って延在する、実施例1に記載のAIOL。
10.チャネルが、前方ベースレンズ構成要素と後方ベースレンズ構成要素との間の継ぎ目に位置付けられる、実施例9に記載のAIOL。
11.調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
ベースレンズであって、
第1の光学部分と、第1の光学部分を少なくとも部分的に取り囲む第1の触覚部分と、を有する前方ベースレンズ構成要素であって、第1の光学部分が、第1の光学部分の後面の外周に沿って延在する環状チャネルを有する、前方ベースレンズ構成要素と、
光軸と、
前方ベースレンズ構成要素に結合され、光軸に沿って第1の光学部分と位置合わせされた第2の光学部分と、第2の光学部分を少なくとも部分的に取り囲み、光軸に平行な方向で第1の触覚部分と位置合わせされた第2の触覚部分と、を有する後方ベースレンズ構成要素と、
第1の光学部分と第2の光学部分との間の光学チャンバと、
第1の触覚部分と第2の触覚部分との間の触覚貯留部であって、光学チャンバと流体連通する触覚貯留部と、
固定レンズまたは他の光学構造体の部分を解放可能に受容するように構成された1つ以上のくぼみと、を有するベースレンズを備える、AIOL。
12.1つ以上のくぼみが光軸に向かって開いている、実施例11に記載のAIOL。
13.調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
中心軸の周りに円周方向配列に分散された複数のばね要素を含む触覚構造体であって、ばね要素の各々が、後方部分と、後方部分にヒンジで接続された前方部分と、を有し、後方部分および前方部分の各々が、ヒンジから中心軸に向かって延在する、触覚構造体と、
複数のばね要素の前方部分に接続された前方リングと、
複数のばね要素の後方部分に接続された後方リングと、
前方リングと後方リングとの間に位置付けられ、複数のばね要素に取り囲まれた調節式レンズと、を備え、調節式レンズが、
前方レンズ部分と、
後方レンズ部分と、
前方レンズ部分と後方レンズ部分との間の流体チャンバと、を有し、
ばね要素に対する半径方向内向きの力の印加が、
前方リングと後方リングとの間の距離を、中心軸に平行な方向に増加させ、
AIOLの屈折力を増加させ、
前方リングおよび後方リングのうちの一方または両方が、固定レンズと解放可能に結合するように構成された嵌合構造体を備える、AIOL。
14.前方レンズ部分が、ばね要素の前方部分に固定され、後方レンズ部分がばね要素の後方部分に固定される、実施例13に記載のAIOL。
15.ヒンジが、前方レンズ部分と後方レンズ部分との間の継ぎ目に形成される、実施例13に記載のAIOL。
16.嵌合構造体に取り外し可能に結合された固定レンズをさらに備える、実施例13に記載のAIOL。
17.嵌合構造体が、前方リングおよび後方リングのうちの一方または両方の半径方向内向きの表面上の環状チャネルである、実施例16に記載のAIOL。
18.調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
中心軸の周りに円周方向配列に分散された複数のばね要素を含む触覚構造体であって、ばね要素の各々が、後方部分と、後方部分にヒンジで接続された前方部分と、を有し、後方部分および前方部分の各々が、ヒンジから中心軸に向かって延在する、触覚構造体と、
複数のばね要素の前方部分に接続された前方リングと、
複数のばね要素の後方部分に接続された後方リングと、
後方リングまたは前方リングの一方に結合された調節式レンズと、を備え、調節式レンズが、
前方レンズ部分と、
後方レンズ部分と、
前方レンズ部分と後方レンズ部分との間の流体チャンバと、を有し、
ばね要素に対する半径方向内向きの力の印加が、
調節式レンズの外周を中心軸に平行な方向に圧縮させ、かつ
AIOLの屈折力を増加させ、
後方リングまたは前方リングの一方が、固定レンズと解放可能に結合するように構成された嵌合構造体であって、
調節式レンズが前方リングに結合されている場合、嵌合構造体が後方リング上にあるようにし、かつ
調節式レンズが後方リングに結合されている場合、嵌合構造体が前方リング上にあるようにする、嵌合構造体を備える、AIOL。
19.ばね要素に対する半径方向内向きの力の印加が、調節式レンズの外周をヒンジから離れるように傾斜させる、実施例18に記載のAIOL。
20.固定レンズをさらに備え、固定レンズが、固定レンズの半径方向外向きの部分に環状チャネルを含み、環状チャネルが、
固定レンズが前方リングに結合されたときの前方リングの一部分、または
固定レンズが後方リングに結合されたときの後方リングの一部分を受容するように構成されている、実施例18に記載のAIOL。
21.調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
第1の光学部分と、第1の光学部分を少なくとも部分的に取り囲む第1の触覚部分と、を有する前方レンズ構成要素と、
光軸と、
前方レンズ構成要素に結合され、光軸に沿って第1の光学部分と位置合わせされた第2の光学部分と、第2の光学部分を少なくとも部分的に取り囲み、光軸に平行な方向で第1の触覚部分と位置合わせされた第2の触覚部分と、を有する後方レンズ構成要素と、
第1の光学部分と第2の光学部分との間の光学チャンバと、
第1の触覚部分と第2の触覚部分との間の触覚貯留部であって、光学チャンバと流体連通する触覚貯留部と、
光軸に対して前方レンズ構成要素の半径方向外向きの表面にある第1の側方チャネルであって、前方レンズ構成要素の外周の周りに延在する第1の側方チャネルと、
前方レンズ構成要素および/または後方レンズ構成要素の半径方向外向きの表面にある第2の後のチャネルであって、第2の側方チャネルが、前方レンズ構成要素および/または後方レンズ構成要素の外周の周りに延在し、第2の側方チャネルが、光軸に平行な方向に第1の側方チャネルとは離間されている、第2の後のチャネルと、
前方レンズ構成要素および/または後方レンズ構成要素の半径方向外向きの表面にある複数のチャネルであって、第1および第2の側方チャネルと交差し、第1および第2の側方チャネルに対して斜めの方向に延在する、複数のチャネルと、
固定レンズまたは他の光学構造体の部分を解放可能に受容するように構成された、1つ以上の嵌合構造体と、を備える、AIOL。
22.前方レンズ構成要素の最前面に複数のくぼみをさらに備え、くぼみの各々が、複数のチャネルのうちの1つと円周方向に位置合わせされる、実施例21に記載のAIOL。
23.少なくとも15のチャネルを備える、実施例21に記載のAIOL。
24.調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
ベースレンズであって、
第1の光学部分と、第1の光学部分を少なくとも部分的に取り囲む第1の触覚部分と、を有する前方ベースレンズ構成要素と、
光軸と、
前方ベースレンズ構成要素に結合され、光軸に沿って第1の光学部分と位置合わせされた第2の光学部分と、第2の光学部分を少なくとも部分的に取り囲み、光軸に平行な方向で第1の触覚部分と位置合わせされた第2の触覚部分と、を有する後方ベースレンズ構成要素と、
前方ベースレンズ構成要素および後方ベースレンズ構成要素のうちの一方または両方に形成された複数のキャビティであって、光軸に向かって開いている、複数のキャビティと、
第1の光学部分と第2の光学部分との間の光学チャンバと、
第1の触覚部分と第2の触覚部分との間の触覚貯留部であって、光学チャンバと流体連通する触覚貯留部と、を有するベースレンズと、
ベースレンズと取り外し可能に結合されるように構成された固定レンズと、
固定レンズおよびベースレンズのうちの一方または両方にある視覚的マーカーであって、固定レンズとベースレンズとの間の適切な位置合わせ、および/または固定レンズとベースレンズとの完全な結合を確認するように構成されている、視覚的マーカーと、を備える、AIOL。
25.視覚的マーカーが、第1の光学部分上に1つ以上のマーキングを含み、固定レンズがベースレンズに結合されたときに、各マーキングが、固定レンズを通して視認可能である、実施例24に記載のAIOL。
26.各マーキングが、ベースレンズの半径方向外向きの部分にあるくぼみと円周方向に位置合わせされる、実施例25に記載のAIOL。
27.
固定レンズが、レンズ部分と、レンズ部分から後方向に延在するスカートと、を含み、
視覚的マーカーが、第1の色を有するスカートの着色部分であり、
固定レンズがベースレンズに結合されたときに、ベースレンズの少なくとも一部分が、光軸に垂直な方向でスカートの着色部分の少なくとも一部分と重なり、
着色部分に重なるベースレンズの部分を通して見たときに、着色部分が、第2の色として出現する、実施例24に記載のAIOL。
28.第1の色が、黄色であり、第2の色が、緑色である、実施例27に記載のAIOL。
29.着色部分に重なるベースレンズの部分が、第3の色を有する、実施例27に記載のAIOL。
30.第3の色が、青色である、実施例29に記載のAIOL。
31.調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
ベースレンズであって、
第1の光学部分と、第1の光学部分を少なくとも部分的に取り囲む第1の触覚部分と、を有する前方ベースレンズ構成要素と、
光軸と、
前方ベースレンズ構成要素に結合され、光軸に沿って第1の光学部分と位置合わせされた第2の光学部分と、第2の光学部分を少なくとも部分的に取り囲み、光軸に平行な方向で第1の触覚部分と位置合わせされた第2の触覚部分と、を有する後方ベースレンズ構成要素と、
前方ベースレンズ構成要素および後方ベースレンズ構成要素のうちの一方または両方に形成された複数のキャビティであって、光軸に向かって開いている、複数のキャビティと、
複数のスロットであって、各スロットが、複数のキャビティのうちの1つに隣接する、複数のスロットと、
第1の光学部分と第2の光学部分との間の光学チャンバと、
第1の触覚部分と第2の触覚部分との間の触覚貯留部であって、光学チャンバと流体連通する触覚貯留部と、を有するベースレンズと、
ベースレンズと取り外し可能に結合するように構成された固定レンズであって、固定レンズが、
前面および後面を有するレンズ部分であって、固定レンズがベースレンズに結合されたときに、レンズ部分が、第1および第2の光学部分と位置合わせされる、レンズ部分と、
レンズ部分から半径方向外向きに延在する複数のタブと、を有する、固定レンズと、を備え、
固定レンズが、固定レンズが触覚貯留部によって少なくとも部分的に取り囲まれる位置に最初に並進されるときに、各タブが、スロットのうちの1つに嵌まるように構成されており、
タブがスロット内に位置付けられた後、固定レンズが光軸の周りを回転したときに、各タブが、複数のキャビティのうちの1つに入るように構成されている、AIOL。
32.スロットとキャビティとの間の接触面に複数の半径方向内向きの突出部をさらに備え、突出部は、タブがスロット内に位置付けられた後、固定レンズが光軸の周りを回転するときに、半径方向外向きに屈曲するように構成されており、突出部は、タブが、患者の眼の力の下でキャビティからスロットに移動するのを阻止する、実施例31に記載のAIOL。
33.スロットとキャビティとの間の接触面に複数の段差をさらに備え、段差が、患者の眼の力の下でキャビティからスロットへのタブの移動を阻止する、実施例31に記載のAIOL。
34.調節式眼内レンズ(AIOL)であって、
前方レンズと、後方レンズと、前方レンズと後方レンズとの間の流体チャンバと、を備える調節式レンズであって、流体チャンバが、調節式レンズ内の封入容積である、調節式レンズと、
調節式レンズの中心光軸に対して、調節式レンズから半径方向外向きに位置付けられたベローズ部分と、
ベローズ部分に取り外し可能に接続されるように構成された非調節式レンズと、を備える、AIOL。
35.非調節式レンズが、調節式レンズの前側のベローズ部分に取り外し可能に接続されるように構成されている、実施例34に記載のAIOL。
36.ベローズ部分が、ベローズ部分の前面に形成されたくぼみおよび突出部を含む、実施例34または35に記載のAIOL。
37.ベローズ部分が、ベローズ部分の外面に1つ以上のへこみ、チャネル、くぼみ、および/または他の凹部を含む、実施例34~36のいずれか1つに記載のAIOL。
38.非調節式レンズがベローズに接続されたときに、非調節式レンズの最前部分がベローズの最前部分の後方に位置付けられる、実施例34~37のいずれか1つに記載のAIOL。
39.調節式レンズの前方レンズの後面に補強リングをさらに備える、実施例34~38のいずれか1つに記載のAIOL。
40.補強リングが調節式レンズの前方レンズと一体的に形成される、実施例39に記載のAIOL。
41.非調節式レンズが、固定レンズの前面を通って延在する1つ以上の洗浄特徴部を含む、実施例34~40のいずれか1つに記載のAIOL。
42.洗浄特徴部が、固定レンズを通って前後方向に延在する開口、スロット、および/または切り欠きのうちの1つ以上を備える、実施例41に記載のAIOL。
43.患者の眼嚢の外側から非調節式レンズを通して視認可能である1つ以上のマーカーをさらに含む、実施例34~42のいずれか1つに記載のAIOL。
44.1つ以上のマーカーが、ベローズ部分の半径方向外側のくぼみと位置合わせされる、実施例43のAIOL。
45.AIOLであって、
患者の眼に移植されたときに患者の水晶体嚢に接触するように構成されたばね要素と、ばね要素に接続された前方フレームと、ばね要素に接続された後方フレームと、を備える触覚構造体と、
少なくとも部分的に触覚構造体内に位置付けられ、ばね要素と接触する調節式レンズであって、前膜および後膜を備える調節式レンズと、
触覚構造体の前方フレームに取り外し可能に結合された非調節式レンズと、を備える、AIOL。
46.触覚構造体の前方フレームが、非調節式レンズの外周と係合するように構成された半径方向内向きの溝を含む、実施例45に記載のAIOL。
47.ばね要素の各々が、前方部分と、前方部分に接続された後方部分と、を備える、実施例45または46のAIOL。
48.ばね要素が各々シェブロン形状を有する、実施例45~47のいずれか1つに記載のAIOL。
49.調節式レンズが触覚構造体の後方フレームに取り外し可能に結合される、実施例45~48のいずれか1つに記載のAIOL。
50.触覚構造体が、ばね要素の前方および後方部分が接続されるリングをさらに備える、実施例47~49のいずれか1つに記載のAIOL。
51.リングの半径方向内きの表面に形成されたチャネルをさらに備える、実施例50のAIOL。
【0084】
結論
本技術の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であること、または本技術を上記で開示された詳細な形態に限定することを意図していない。技術の特定の実施形態および技術の例を例示の目的で上に説明したが、当業者が認識するように、技術の範囲内で様々な同等の変更が可能である。例えば、本明細書に記載のAIOLの特徴のいずれかを、本明細書に記載の他のAIOLの特徴のいずれかと組み合わせることができ、またその逆も可能である。例えば、所与の順序でステップが提示されているが、代替の実施形態では異なる順序でステップが実行されてもよい。本明細書で説明される様々な実施形態はまた、さらなる実施形態を提供するために組み合わされてもよい。
【0085】
上記のことから、本技術の特定の実施形態が例示の目的で本明細書で説明されてきたが、AIOLに関連する周知の構造および機能は、本技術の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細に示されていないか、または説明されていない。文脈が許す場合、単数または複数の用語は、それぞれ複数または単数の用語も含み得る。
【0086】
さらに、「または(or)」という用語は、2つ以上の項目のリストに関して他の項目から除外される単一の項目のみを意味するように明確に限定されていない限り、そのようなリストでの「または」の使用は、(a)リスト内の単一の項目、(b)リスト内のすべての項目、または(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈される。さらに、「備える(comprising)」という用語は、同じ機能および/または他の機能の追加のタイプの任意のより多くの数が排除されないように、少なくとも列挙された機能を含むことを意味するために全体を通して使用される。特定の実施形態が例示を目的として本明細書で説明されたが、本技術から逸脱することなく様々な修正が行われ得ることも理解されよう。さらに、本技術のいくつかの実施形態に関連する利点がそれらの実施形態の文脈において説明されているが、他の実施形態は、このような利点を示すこともでき、すべての実施形態が、本技術の範囲内に収まるために必ずしもこのような利点を示す必要がある訳ではない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書において明示的に示されていないか、または説明されていない他の実施形態を包含することができる。
【国際調査報告】