(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-29
(54)【発明の名称】水性試料の無機炭素(IC)除外導電率測定
(51)【国際特許分類】
G01N 27/06 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
G01N27/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547726
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 US2020016707
(87)【国際公開番号】W WO2021158213
(87)【国際公開日】2021-08-12
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517430716
【氏名又は名称】ビーエル テクノロジーズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225060
【氏名又は名称】屋代 直樹
(72)【発明者】
【氏名】オリバー チョウ
【テーマコード(参考)】
2G060
【Fターム(参考)】
2G060AA06
2G060AC03
2G060AE17
2G060AF08
2G060FA17
2G060HC02
2G060KA06
(57)【要約】
水性プロセス流において無機炭素の寄与が除かれた導電率を求めるためのデバイス及び方法が開示される。特に、溶存CO
2を含む水性プロセス流のイオン導電率を求めるためのデバイス及び方法が開示される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の導電率を推定する方法であって、前記方法は、
電極システム及び流体試料を含む流体試料処理装置を提供することと、
前記流体試料の無機炭素濃度値を測定することと、
前記流体試料の温度値を測定することと、
前記電極システムを使用して、前記流体試料の全電気伝導率値を測定することと、
前記流体試料の前記無機炭素濃度値及び前記温度値を使用して、前記流体試料の無機炭素導電率値を求めることと、
前記流体試料の前記全電気伝導率値から前記無機炭素導電率値を差し引くことにより、前記流体試料の正味導電率値を計算することと、
のステップを含む、前記方法。
【請求項2】
前記方法は、前記流体試料の前記正味導電率値及び前記流体試料の前記温度値から、少なくとも部分的に、前記流体試料の温度補償された導電率値を計算することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無機炭素が、少なくとも部分的にCO
2を含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体試料が水を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
流体の正味導電率を推定する装置であって、前記装置は、
流体を含むように構成された流体導管であって、前記流体導管が、
前記流体の全電気伝導率値を測定するのに効果的な電極システム、
前記流体の温度値を測定するのに効果的な温度センサ、及び
前記流体の無機炭素濃度値を測定するのに効果的な無機炭素センサ、
と連通している、前記流体導管と、
流体制御及び測定システムであって、
前記流体を前記流体導管に導くことと、
前記電極システムから、前記流体の前記全電気伝導率値を受け取ることと、
前記温度センサから、前記流体の前記温度値を受け取ることと、
前記無機炭素センサから、前記流体の前記無機炭素濃度値を受け取ることと、
少なくとも前記流体の前記無機炭素濃度値と前記流体の前記温度値とに基づいて、前記流体の無機炭素導電率値を計算することと、
前記流体の前記全電気伝導率値から前記流体の前記無機炭素導電率値を差し引いて、前記流体の正味導電率値を求めることと、
を行うように構成されている、前記流体制御及び測定システムと、
を含む、前記装置。
【請求項6】
前記流体制御及び測定システムが、前記流体の前記正味導電率値及び前記流体の前記温度値から前記流体の温度補償された導電率値を計算するようにさらに構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記無機炭素センサは、酸性化した流体の流れを生成するように構成された酸性化モジュールを含む、請求項5または請求項6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記流体が、複数の炭酸イオン及び/または複数の重炭酸イオンを含み、前記酸性化モジュールが、前記流体中の前記複数の炭酸イオン及び/または前記複数の重炭酸イオンの少なくとも一部をCO
2に変換するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記無機炭素センサが、
CO
2選択的透過性移動膜と、
第1のチャンバ及び第2のチャンバであって、前記第1のチャンバが前記酸性化した流体の流れの出口と流体連通しており、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとが前記CO
2選択的透過性移動膜によって分離されている、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバと、
を含み、
前記無機炭素センサが、前記CO
2を脱イオン水流に抽出するように構成されている、
請求項7~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記無機炭素センサは、
前記脱イオン水流中のイオン種の全濃度値と前記脱イオン水流の温度値とを測定するように構成された、前記第2のチャンバと流体連通している導電率及び温度測定セル
を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記無機炭素がCO
2を含む、請求項5~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記流体制御及び測定システムは、コンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサであって、前記コンピュータ実行可能命令が前記プロセッサに、
前記流体を前記流体導管に導くことと、
前記電極システムから、前記流体の前記全電気伝導率値を受け取ることと、
前記温度センサから、前記流体の前記温度値を受け取ることと、
前記無機炭素センサから、前記流体の前記無機炭素濃度値を受け取ることと、
少なくとも前記流体の前記無機炭素濃度値と前記流体の前記温度値とに基づいて、前記流体の前記無機炭素導電率値を計算することと、
前記流体の前記全電気伝導率値から前記流体の前記無機炭素導電率値を差し引いて、前記流体の前記正味導電率値を求めることと、
を行わせる、前記プロセッサを含む、請求項5~11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記流体制御及び測定システムは、
セル内の試料流体に適切な量の酸を加えることと、
前記セルから導電率及び温度の測定値を受け取ることと、
前記セルの前記温度及び前記導電率の前記測定値から、前記流体の前記無機炭素濃度値を計算することと、
を行うコンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサを含む、請求項5~11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記流体が水溶液である、請求項5~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
コンピュータ可読命令を格納するように構成された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読命令が実行されると、前記コンピュータ可読命令がプロセッサに、
流体試料の無機炭素濃度値を測定することと、
前記流体試料の温度値を測定することと、
前記流体試料の全電気伝導率値を測定することと、
前記流体試料の前記無機炭素濃度値及び前記温度値を使用して、無機炭素導電率値を求めることと、
前記流体試料の前記全電気伝導率値から前記無機炭素導電率値を差し引くことにより、前記流体試料の正味導電率値を計算することと、
を行わせる、前記非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
命令が実行されると、前記命令がプロセッサに、前記流体試料の前記正味導電率値及び前記流体試料の前記温度値から、少なくとも部分的に、前記流体試料の温度補償された導電率値を計算すること、を行わせる、前記命令をさらに含む、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記無機炭素が、少なくとも部分的にCO
2を含む、請求項15または請求項16のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記流体試料が水を含む、請求項15~17のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
命令が実行されると、前記命令がプロセッサに、リザーバから前記流体試料に酸を加えさせる、前記命令をさらに含む、請求項15~18のいずれか1項に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載された実施形態は、一般に、水性試料の導電率の非常に正確で、信頼性が高く、再現性のある測定を行うための方法及び装置に関する。特に、無機炭素の寄与が除かれた水性試料の導電率を測定するための方法及び装置に関する。そのような方法及び装置は、例えば、飲料水、原水、廃水、工業プロセス流などのイオンの比導電率値を求めるために使用することができる。そのような測定は、様々な重要な商業目的、例えば、浄水プロセスの最適化、流出の検出、及び環境規制の遵守の監視に利用することができる。本明細書に記載された方法及び装置は、製薬及びヘルスケア産業でよく見られる清浄な水性試料の導電率値の正確で、信頼性が高く、再現性のある測定を行うために特に有用である。本明細書に記載された方法及び装置は、一般に、実験室環境で遭遇する試料などの個別の水性試料を測定することと、流動流を監視してリアルタイムで導電率データを提供することとの両方に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
水中の電気伝導率は、水の全体的なイオン純度を定量化する十分に確立した水質パラメータである。水中の電気伝導率は、溶液中の全てのイオンが電気伝導率の測定に寄与することを意味する非特異的な測定値である。
【0003】
水試料中のイオンの発生源は、大きく3つに分けられる。第1の発生源は、温度及びpHに応じてイオンに解離する水分子である。この発生源は極めて予測可能に振る舞い、一般に、次の2つの発生源に比べて無視できるほどである。
【0004】
第2のイオン発生源は、水に溶解し、相互作用して(例えば、炭酸イオン及び重炭酸イオンの形で)イオンを形成する二酸化炭素(CO2)である。溶存CO2及びその解離イオンを、合わせて、本明細書では無機炭素またはICと呼ぶ。
【0005】
最後のイオン発生源は、外来イオンである。塩素及びアンモニウムなどの外来イオンは、水の化学的純度と製薬用途での使用に対する適合性とに大きな影響を与える可能性がある。環境用途では、外来イオンは、塩素アニオン、硝酸アニオン、硫酸アニオン、及びリン酸アニオン、またはナトリウムカチオン、マグネシウムカチオン、カルシウムカチオン、鉄カチオン、及びアルミニウムカチオンなどの無機溶解固形物の存在によって影響を受けるため、水質の一般的な評価基準としても有用である。したがって、試料中の外来イオンは、環境モニタリング用途では汚染を、製薬用途では清浄不足を示す可能性があるため、試料中の外来イオンを検出することは特に重要である。二酸化炭素及び解離した水分子は、汚染または清浄不足を示すものではないので、産業界では汚染源としての関心は持たれていない。
【0006】
解離した水分子は、試料全体の導電率にほとんど寄与しない。例えば、25℃では、純水の導電率はわずか0.055μS/cmである。しかし、CO2は、導電率にかなり大きく寄与し得る。CO2は、最大1.2μS/cmまで試料に寄与し得、「安定」していると考えられるときでも、最大0.2μS/cmまで変動する可能性がある。CO2による導電率の変動は、季節、緯度、高度、気圧、換気などの環境要因によるものである。したがって、導電率に対するCO2の寄与は、大幅に変動する可能性があるため、特に、超純水の0.055μS/cmから製薬工業でよく使われる低レベル導電率標準の10μS/cmまでの範囲となり得る試料及び標準試料を測定する場合、導電率測定の信頼性及び一貫性が失われる原因となる。
【0007】
現在の導電率測定は、CO2が任意の標準試料または試料に付加的な導電率を与えるため、その精度及び一貫性に制限がある。したがって、ICの寄与が除かれた水性試料の導電率を求めることが望ましい。そのために、ICの寄与が除かれた試料の導電率を求めることができる分析器が必要である。
【発明の概要】
【0008】
いくつかの態様において、本開示は、流体の導電率を推定するための装置及び方法に関する。
【0009】
一態様において、本開示は、流体の導電率を推定する方法に関する。一般に、流体は水を含む。一実施形態では、本方法は、電極システム及び流体試料を含む流体試料処理装置を提供することと、流体試料の無機炭素濃度値を測定することと、流体試料の温度値を測定することと、電極システムを使用して、流体試料の全電気伝導率値を測定することと、流体試料の無機炭素濃度値及び温度値を使用して、流体試料の無機炭素導電率値を求めることと、流体試料の全電気伝導率値から無機炭素導電率値を差し引くことにより、流体試料の正味導電率値を計算することと、のステップを含む。
【0010】
一実施形態では、本方法は、流体試料の正味導電率値及び流体試料の温度値から、少なくとも部分的に、流体試料の温度補償された導電率値を計算することをさらに含む。
【0011】
一態様において、本開示は、一般に水性試料である流体の正味導電率を推定する装置に関し、本装置は、一実施形態では、流体を含むように構成された流体導管であって、流体導管が、流体の全電気伝導率値を測定するのに効果的な電極システム、流体の温度値を測定するのに効果的な温度センサ、及び無機炭素(流体のCO2の少なくとも一部を含む)濃度値を測定するのに効果的な無機炭素センサ、と連通している、流体導管と、流体制御及び測定システムであって、流体を流体導管に導くことと、電極システムから、流体の全電気伝導率値を受け取ることと、温度センサから、流体の温度値を受け取ることと、無機炭素センサから、流体の無機炭素濃度値を受け取ることと、少なくとも流体の無機炭素濃度値と流体の温度値とに基づいて、流体の無機炭素導電率値を計算することと、流体の全電気伝導率値から流体の無機炭素導電率値を差し引いて、流体の正味導電率値を求めることと、を行うように構成されている、流体制御及び測定システムと、を含む。
【0012】
一実施形態では、流体制御及び測定システムが、流体の正味導電率値及び流体の温度値から流体の温度補償された導電率値を計算するようにさらに構成されている。
【0013】
一実施形態では、無機炭素センサは、酸性化した流体の流れを生成して、流体中の複数の炭酸イオン及び/または複数の重炭酸イオンの少なくとも一部をCO2に変換するように構成された酸性化モジュールと、CO2選択的透過性移動膜であって、試料中の無機炭素が脱イオン水流に抽出される、CO2選択的透過性移動膜と、脱イオン水流中のイオン種の全濃度値と脱イオン水流の温度値とを測定するように構成された、第2のチャンバと流体連通している導電率及び温度測定セルとを含む。
【0014】
一実施形態では、流体制御及び測定システムは、コンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサであって、コンピュータ実行可能命令がプロセッサに、流体を流体導管に導くことと、電極システムから、流体の全電気伝導率値を受け取ることと、温度センサから、流体の温度値を受け取ることと、無機炭素センサから、流体の無機炭素濃度値を受け取ることと、少なくとも流体の無機炭素濃度値と流体の温度値とに基づいて、流体の無機炭素導電率値を計算することと、流体の全電気伝導率値から流体の無機炭素導電率値を差し引いて、流体の正味導電率値を求めることと、を行わせる、プロセッサを含む。
【0015】
一実施形態では、流体制御及び測定システムは、セル内の試料流体に適切な量の酸を加えることと、セルから導電率及び温度の測定値を受け取ることと、セルの温度及び導電率の測定値から、流体の無機炭素濃度値を計算することと、を行うコンピュータ実行可能命令を実行するプロセッサを含む。
【0016】
別の態様では、本開示は、非一時的コンピュータ可読媒体に関する。一実施形態では、本非一時的コンピュータ可読媒体は、命令を格納するように構成された非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令が実行されると、命令がプロセッサに、無機炭素(流体試料のCO2の少なくとも一部を含む)濃度値を測定することと、流体試料の温度値を測定することと、流体試料の全電気伝導率値を測定することと、流体試料の無機炭素濃度値及び温度値を使用して、無機炭素導電率値を求めることと、流体試料の全電気伝導率値から無機炭素導電率値を差し引くことにより、流体試料の正味導電率値を計算することと、を行わせる。
【0017】
一実施形態では、本非一時的コンピュータ可読媒体は、命令が実行されると、命令がプロセッサに、リザーバから水性試料流に酸を加えさせる、命令を格納するように構成されている。
【0018】
一実施形態では、本非一時的コンピュータ可読媒体は、命令が実行されると、命令がプロセッサに、水溶液である流体試料の正味導電率値及び流体試料の温度値から、少なくとも部分的に、流体試料の温度補償された導電率値を計算すること、を行わせる、命令を格納するように構成されている。
【0019】
その他の有利な点は、以下の説明で部分的に述べられ、または実践によって学ぶことができる。この有利な点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘された要素及び組み合わせによって実現され達成されることになる。上記の一般的な説明と以下の詳細な説明との両方は、例示的及び説明的なものに過ぎず、特許請求されているように限定的ではないことを理解されたい。
【0020】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであり、実施形態を示しており、本明細書の説明と併せて、本方法及び本システムの原理を明らかにする目的を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】プロセスフロー構成を示し、ハイレベルの機械的構成要素及び電子機器を示す(ブロック図)。
【
図2】試料の温度補償された導電率を求めるために本開示のいくつかの実施形態によって使用されるプロセスを示す。
【
図4】本開示の実施形態において使用され得る内部導電率センサを有する二酸化炭素センサ構成要素の概略図である。
【
図5】流体流動制御及び測定システムの全部または一部、及び/または別個の制御システムを含むことができる例示的なコンピュータを示す。そして、逆に、
図5に示されるコンピュータの任意の1つまたは複数の部分は、流体流動制御及び測定システムの全部または一部、及び/または別個の制御システムを含むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本方法及び本システムを開示し説明する前に、本方法及び本システムは、特定の合成方法、特定の成分、または特定の組成物に限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、限定することを意図したものではないことも理解されたい。
【0023】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈に明らかに別途の指示がない限り、複数の指示対象を含む。範囲は、「約」ある特定の値から、及び/または「約」別の特定の値までとして本明細書では表現される場合がある。そのような範囲が表現される場合、別の実施形態は、ある特定の値から、及び/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表される場合、先行詞「約」を使用することにより、特定値が別の実施形態を形成することが理解されるであろう。さらに、各範囲の終点は、他の終点との関係でも、他の終点とは無関係でも、有意であることが理解されるであろう。
【0024】
「任意選択の」または「任意選択で」とは、その後に記載される事象または状況が生じても生じなくてもよいこと、及びその記載が、上記の事象または状況が生じる場合と生じない場合とを含むことを意味する。
【0025】
この明細書の記載及び特許請求の範囲全体にわたって、文言「含む(comprise)」及びその文言の変形、例えば「含んでいる(comprising)」及び「含む(comprises)」は、「限定されるものではないが、~を含んでいる」を意味しており、例えば、他の付加物、構成要素、要素またはステップを除外することを意図していない。「例示的な」は、「~の例」を意味しており、好適なまたは理想的な実施形態の指示を伝えることを意図していない。「~など(such as)」は、限定的な意味ではなく、説明のために使用される。
【0026】
開示された方法及びシステムを実行するために使用され得る構成要素が開示されている。これら及び他の構成要素が本明細書に開示されており、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示されている場合、これらの各様々な個別の及び集合的な組み合わせ及び順列の特定指示が明示的に開示されていないことがあるが、それぞれが、全ての方法及びシステムについて、本明細書に具体的に企図され記載されていることが理解される。このことは、限定されるものではないが、開示された方法のステップを含んでいる、本出願の全ての態様に適用される。したがって、実行可能な様々な追加ステップがある場合、これらの追加ステップのそれぞれは、開示された方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせで実行可能であることが理解される。
【0027】
本発明の方法及びシステムは、好ましい実施形態の以下の詳細な説明及びそこに含まれる実施例、ならびに図及びそれらの前後の説明を参照することによって、より容易に理解することができる。
【0028】
当業者によって理解されるように、本方法及び本システムは、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、またはソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態を取り得る。さらに、本方法及び本システムは、記憶媒体に具現化されたコンピュータ可読プログラム命令(例えば、コンピュータソフトウェア)を有するコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態を取り得る。より具体的には、本方法及び本システムは、ウェブ実装コンピュータソフトウェアの形態を取り得る。ハードディスク、CD-ROM、光学ストレージデバイス、または磁気ストレージデバイスを含む、適切な任意のコンピュータ可読記憶媒体を利用することができる。
【0029】
以下、本方法及び本システムの実施形態について、方法、システム、装置及びコンピュータプログラム製品のブロック図及びフローチャート図を参照しながら説明する。ブロック図及びフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図及びフローチャート図のブロックの組み合わせは、それぞれコンピュータプログラム命令によって実施できることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて機械を生成することができ、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置で実行される命令が、1つまたは複数のフローチャートブロックに指定された機能を実装するための手段を作成する。
【0030】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読メモリに格納されてもよく、コンピュータ可読メモリに格納された命令が、1つまたは複数のフローチャートブロックに指定された機能を実装するためのコンピュータ可読命令を含む製品を生成する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行されることになる動作ステップに、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、1つまたは複数のフローチャートブロックに指定された機能を実装するためのステップを提供するように、コンピュータ実装プロセスを生成させることができる。
【0031】
したがって、ブロック図及びフローチャート図のブロックは、指定された機能を実行するための手段の組み合わせ、指定された機能を実行するためのステップの組み合わせ、及び指定された機能を実行するためのプログラム命令手段をサポートする。また、ブロック図及びフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図及びフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能またはステップを実行する専用ハードウェアベースコンピュータシステム、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装できることも理解されよう。
【0032】
本開示の実施形態は、
図1に示す機械的構成要素に加えて、(1)導電率及び温度の測定、(2)IC濃度の測定、(3)イオン導電率の計算に必要な電子機器を含む。
図1に示すハードウェアは、液体(例えば、水)源(図示せず)102に接続された入口101、電気伝導率及び/または電気抵抗率を測定するためのセル103(好ましくは温度センサ104を有する)、IC濃度を測定するための電子機器、及び分析された水が排出される出口105を含む。例えば、
図1の構成要素は、参照により完全に組み込まれて本明細書の一部となる、1992年7月21日に発行された米国特許第5,132,094号に記載のものなどの全有機化合物(TOC)分析器を含み得る。
【0033】
図2は、無機炭素の寄与が除かれた流体試料の導電率を求めるための方法の一構成を非限定的に示すブロック図である。いくつかの具体例では、開示された方法の全部または一部は、
図1に示され説明された装置によって実行され得る。
図2に示すように、試料の無機炭素濃度、及び試料温度を測定する(202)。これらのパラメータを用いて、試料中の無機炭素の導電率を計算することができる(204)。試料の全導電率も測定する(206)。試料の全導電率及び温度の測定と、無機炭素濃度及び試料温度の測定とは、2つの測定が互いに悪影響を及ぼさない限り、並行して、または順次に行うことが可能である。試料中の無機炭素の導電率は、試料中の無機炭素の濃度と試料温度との関数である。試料の全導電率は、試料中の無機炭素による導電率と、試料中の溶存外来イオンによる導電率との和である。したがって、208に示すように、試料の全導電率から試料中の無機炭素による導電率を差し引くと、試料中の溶存外来イオンによる導電率が得られる。次に、試料の温度を用いて、試料中の溶存イオンによる温度補償された導電率を求めることができる。測定した試料温度206と、計算した導電率208とを用いて、試料の温度補償された導電率値210を計算することができる。いくつかの具体例では、試料の無機炭素濃度及び/または温度及び/または全導電率が同じチャンバ内で測定される。いくつかの実施形態では、試料の導電率を測定するために電極システムが使用され得る。例えば、電極システムは、試料の全導電率を測定するために使用され得る。
【0034】
図3に、ICの寄与が除かれた試料の導電率を求めるための装置の一実施形態のブロック図を示す。水性試料入口開口部301は、水性試料の全導電率及び温度を測定するための導電率/温度センサ401と連通している。導電率センサの出力は、水性試料がセルに流れ込むにつれて急速に増加する。短期間の後に、導電率は最大値に達する。この時点で、導電率が記録され、後の試料のイオン導電率の計算に使用される。
【0035】
いくつかの具体例では、導電率/温度センサ401は、プラスチックなどの不導体に取り付けられた2つの電極を含む。温度センサは、試料を保持するセルの外側であるが、導電率測定用の電極の1つの近くに設置され得る。金属電極に近接しているため、水から温度センサへの熱輸送が効果的に行われて、正確な温度測定が可能になる。
【0036】
いくつかの具体例では、導電率及び温度の測定システムの電極は、ニッケルなどの耐食金属だけでなく、他の耐食金属であり得る。
【0037】
いくつかの具体例では、試料に過酸化水素などの酸化剤が微量に残存している場合がある。電極材料は、そのような酸化剤に対しては、酸化剤を吸収しないこと、及び電極表面に活性酸化種を形成しないことを含めて、実質的に不活性であることが好ましい。そのような吸収された酸化剤及び/または活性酸化種は、導電率測定で破壊されない場合、その後の導電率測定で有機物の微量酸化を生じさせる可能性がある。
【0038】
図3には示していないが、温度及び伝導度及び/または抵抗の測定システムは、広く測定回路及び電子機器を含んでいる。後者は、例えば、一定の音声周波数(例えば1KHz)の電流を流し、そうした電流を得るために必要な電圧を測定することができ、または一定の音声周波数の電圧を印加し、それによって得られる電流を測定することができ、いずれにしても測定回路の静電容量またはリアクタンスを補正することが好ましい。
【0039】
温度及び伝導度及び/または抵抗の測定システムを、電極の観点から説明してきたが、そのようなシステムはまた、いくつかの実施形態において特に有利な無電極システムを構成することができる。そのような無電極システムには、システム内の無効損失、またはシステムの周囲に巻かれたコイル間の結合における無効損失を測定するものがある。
【0040】
水性試料は、導電率及び温度の測定セルを通過する。水性試料中のイオン種の存在によって引き起こされる導電率は、導電率/温度センサ401ならびに関連する制御及び信号電子機器413によって測定される。導電率/温度センサ401は適切な電源(図示せず)に接続されており、マイクロ導電率センサからの電気出力が制御及び信号電子機器413に接続されている。
【0041】
導電率/温度センサ401の出口302は、導管302を介して酸性化モジュール501の混合弁402の入口と連通している。本発明の本実施形態では、酸性化モジュール501は、酸リザーバ403、混合弁402及び混合コイル404を含む。酸リザーバ403からの水性酸、例えば3M社製リン酸または3M社製硫酸は、導管303を介して混合弁402の入口と連通している。混合弁402への2つの入口(試料及び酸403)は混合され、その結果、水性試料のpHが低下する。混合弁402の出口は、導管304を介して混合コイル404の入口と連通している。酸及び水性試料は、酸性化モジュール501から流出する水性試料流の所望のpHが約4未満のpHとなるように、混合コイル404内で十分に混合される。無機炭素種(主に炭酸イオン及び重炭酸イオン)が酸と反応して、二酸化炭素を生成する。酸性化モジュール501から流出する酸性化された水性試料は、導管305を介して二酸化炭素センサモジュール504と連通している。
【0042】
ガス透過膜を含む二酸化炭素センサ405の水性試料入口は、流れている水性試料流がガス透過膜の片側を通過するように配置される。脱イオン水モジュール503が、脱イオン水モジュール出口導管306を介して、二酸化炭素センサ405の脱イオン水入口と連通している。この入口は、ガス透過膜の水性試料流の側とは反対側に脱イオン水を通過させるように配置されている。二酸化炭素選択膜は、2枚のステンレス鋼メッシュの間に配置されている。これらのメッシュ要素は、二酸化炭素選択膜を支持し、乱流を発生させることによって2つの水溶液の混合を促進する。ガス透過膜の脱イオン水側には、分析時間の短縮を促進するために、比較的薄い脱イオン水の層が維持されている。酸性化した水性試料が二酸化炭素センサモジュールを通過するとき、二酸化炭素はガス透過膜を横断して急速に拡散する。ガス透過膜は、二酸化炭素などの無機ガスの拡散を可能にするが、有機酸などの揮発性有機化合物の拡散を許容しない材料で構成されている。
【0043】
二酸化炭素センサ405の測定サイクルでは、電磁弁409がON位置に切り替えられて、脱イオン水の試料が導管306を介して二酸化炭素センサ405の脱イオン水入口に導入される。ある期間の経過後に、電磁弁409はOFF位置に戻される。試料流が二酸化炭素センサ405のガス透過膜の片側を通過するとき、二酸化炭素はガス透過膜を横断して膜の反対側で脱イオン水試料中に拡散し、そこで二酸化炭素はイオン種に変換される。短期間の後に、流れている水性試料流とガス透過膜を横断する脱イオン水試料とにおける二酸化炭素濃度の間に平衡が確立される。
【0044】
センサ405の動作は、水性試料流と脱イオン水試料との間に存在する二酸化炭素選択ガス透過膜を横断する平衡の確立に基づいている。この平衡が確立された後、電磁弁409はON位置に切り替えられ、炭酸塩水及び重炭酸塩水の形態で二酸化炭素を含む脱イオン水試料は、導管307を介して循環ポンプ408によって導電率/温度センサ406に通される。この一実施形態では、導電率/温度センサ406は、導電率測定での温度補償に用いられる導電率電極及び温度センサを含む導電率セルである。導電率センサ406の出力は、脱イオン水がセルに流れ込むにつれて急速に増加する。短期間の後に、導電率は最大値に達する。この時点で、導電率が記録され、後の無機炭素濃度の計算に使用される。
【0045】
二酸化炭素から形成されるイオン種の存在によって引き起こされる導電率の増加は、導電率セル406ならびに関連する制御及び信号モジュール413によって測定される。脱イオン水試料の導電率の増加は、水性試料流に存在する二酸化炭素の濃度に直接関連することができる。二酸化炭素センサは、0.05~125mg/Lの炭素を含む水性試料の分析のために、水性試料流中の二酸化炭素の濃度に対して線形応答を有する。
【0046】
マイクロ導電率センサ406の出口は、導管308を介して第2のT字管411の他方の入口に連通している。マイクロ導電率センサ406は適切な電源(図示せず)に接続されており、マイクロ導電率センサからの電気出力が制御及び信号電子機器モジュール413に接続されている。
【0047】
脱イオン水モジュール503は、導管310を介して循環ポンプ408と連通する、アニオン及びカチオンのイオン交換樹脂407の混床を含み、循環ポンプ408は、導管311を介してT字管410に連通する。T字管410の一方の出口は、導管314を介して電磁遮断弁409と連通しており、このT字管の他方の出口は、導管312を介して流量制限器412に連通している。電磁遮断弁409の出口は、脱イオン水出口導管306を介して、二酸化炭素センサモジュール504の脱イオン水入口と連通している。流量制限器412の出口は、導管313を介して第2のT字管411の一方の入口に連通しており、このT字管の出口は、導管309を介してイオン交換樹脂床407の入口に連通している。
【0048】
脱イオン水モジュール503では、電磁弁409が閉位置にある状態で、循環ポンプ408によって混床式イオン交換樹脂407に水流を通すことにより、脱イオン水の連続供給がもたらされる。
【0049】
制御及び電子モジュール413は、本発明の全ての電気的構成要素への電圧及び電流の制御、予め決められた時限シーケンスでの弁及びスイッチの作動、マイクロ導電率センサからの電気信号の処理、及び導電率センサの出力からの全無機炭素濃度の計算ができるコンピュータまたは同等の電子デバイスで構成されている。
【0050】
二酸化炭素センサ314の水性試料出口は、蠕動サンプリングポンプ414の入口と連通しており、このサンプリングポンプの出口は、導管315を介して適切な廃棄物容器315に接続されている。
【0051】
上記のように、蠕動サンプリングポンプ414は、試料入口301から、酸性化モジュール501、及び二酸化炭素センサモジュール504を経由して、水性試料を吸引するために使用される。蠕動サンプリングポンプ414は、試料入口開口部301を介して、毎分約50~100マイクロリットルの所望の流速で水性試料を引き込む。
【0052】
装置及び/またはプロセスのさらなる実施形態及び/または態様は、(a)温度測定を省略することを含み、その場合、伝導度及び/または抵抗の測定は、温度に対して補償されない。(b)本開示の装置及びプロセスのいくつかの使用法では、装置及びプロセスによって推定された導電率が、そのような推定値の予め決定可能な値よりも大きいか、または小さい場合に、信号を生成することが望ましい。例えば、装置及びプロセスが、推定された導電率が予め決定可能な値より小さい場合、緑色の発光ダイオードに通電し、及び/または推定された含有量が、そのような予め決定可能な値より大きい場合、赤色の光(及び/または可聴アラーム)に通電するならば、十分であり得る。そのような用途では、導電率の推定値を表示する必要がない場合がある。(c)いくつかの実施形態の装置及びプロセスは、無電極方式で電気伝導度及び/または電気抵抗を求め得ることが説明され及び/または例示されている。
【0053】
図4に、二酸化炭素センサの第2の実施形態を示す。この設計では、導管307は除去されており、導電率電極及び温度センサは、二酸化炭素センサ405の一体部分である。
【0054】
図5は、流体流動制御及び測定システムの全部または一部を含むことができる例示的なコンピュータを示す。逆に、
図5に示されるコンピュータの任意の1つまたは複数の部分は、流体流動制御及び測定システムの全部または一部を含むことができる。例えば、
図5に示す構成要素の全部または一部が、本明細書で説明した制御及び信号電子機器413を構成することができる。本書で使用するとき、「コンピュータ」は、複数のコンピュータを含む場合がある。本コンピュータは、例えば、プロセッサ1021、ランダムアクセスメモリ(RAM)モジュール1022、リードオンリーメモリ(ROM)モジュール1023、ストレージ1024、データベース1025、1つ以上の入力/出力(I/O)デバイス1026、及びインターフェース1027などの1つ以上のハードウェア構成要素を含むことができる。代替として、及び/または追加として、本コンピュータは、例えば、試料中の溶存イオンの導電率を求めるアルゴリズムなどの例示的な実施形態に関連する方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読媒体などの1つ以上のソフトウェア構成要素を含んでもよい。上記に掲載されたハードウェア構成要素の1つ以上が、ソフトウェアを使用して実装され得ることが企図される。例えば、ストレージ1024は、1つ以上の他のハードウェア構成要素に関連付けられたソフトウェアパーティションを含んでもよい。上記に掲載された構成要素は、例示的なものに過ぎず、限定することを意図するものではないことが理解される。
【0055】
プロセッサ1021は、1つ以上のプロセッサを含むことができ、それぞれが、命令を実行し、データを処理して、システム(例えば、TOC分析器)の制御、及び/またはリモートセンシングデータを生成するために用いられる測定デバイスのネットワークに関連するデータの受信及び/または処理及び/または送信を行うためのコンピュータに関連する1つ以上の機能を実行するように構成されている。プロセッサ1021は、RAM1022、ROM1023、ストレージ1024、データベース1025、I/Oデバイス1026、及びインターフェース1027と通信可能に結合され得る。プロセッサ1021は、様々な処理を実行するために、コンピュータプログラム命令のシーケンスを実行するように構成され得る。コンピュータプログラム命令は、プロセッサ1021による実行のためにRAM1022にロードされ得る。
【0056】
RAM1022及びROM1023は、それぞれ、プロセッサ1021の動作に関連付けられた情報を記憶するための1つ以上のデバイスを含み得る。例えば、ROM1023は、1つ以上の構成要素及びサブシステムの動作の識別、初期化、及び監視を行うための情報を含む、コンピュータに関連する情報にアクセスしてそれを記憶するように構成されたメモリデバイスを含み得る。RAM1022は、プロセッサ1021の1つ以上の動作に関連付けられたデータを記憶するためのメモリデバイスを含み得る。例えば、ROM1023は、プロセッサ1021による実行のために命令をRAM1022にロードすることができる。
【0057】
ストレージ1024は、プロセッサ1021が開示された実施形態と一致するプロセスを実行するために必要となり得る情報を記憶するように構成された任意のタイプの大容量ストレージデバイスを含み得る。例えば、ストレージ1024は、ハードドライブ、CD-ROM、DVD-ROM、または他の任意のタイプの大容量メディアデバイスなど、1つ以上の磁気及び/または光ディスクデバイスを含んでもよい。
【0058】
データベース1025は、コンピュータ及び/またはプロセッサ1021によって使用されるデータの記憶、整理、ソート、フィルタリング、及び/または配列で協働する1つ以上のソフトウェア及び/またはハードウェア構成要素を含むことができる。例えば、データベース1025は、信号減衰と相関関係があるリモートセンシングデータに関するデータを格納してもよい。データベースは、システム(例えば、試料の導電率を分析するシステム)の制御、及び/または試料の導電率を測定するために用いられるセンサノードのネットワークに関連するデータの受信及び/または処理及び/または送信を行うためのコンピュータ実行可能命令に関連するデータ及び命令を含むこともできる。データベース1025は、上記に掲載された情報とは違った追加の情報及び/または異なる情報を格納し得ることが企図される。
【0059】
I/Oデバイス1026は、コンピュータに関連付けられたユーザと情報を交換するように構成された1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、I/Oデバイスは、デジタル画像、デジタル画像の解析結果、メトリクスなどのデータベースをユーザが維持するのを可能にするために、キーボード及びマウスが統合されたコンソールを含むことができる。I/Oデバイス1026は、モニタに情報を出力するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を含むディスプレイを含むこともできる。I/Oデバイス1026は、例えば、プリンタ、ユーザが携帯型メディアデバイスに格納されたデータを入力できるようにするためのユーザアクセス可能なディスクドライブ(例えば、USBポート、フロッピー、CD-ROM、またはDVD-ROMドライブなど)、マイク、スピーカシステム、または他の適切な任意のタイプのインターフェースデバイスなどの周辺デバイスを含むこともできる。
【0060】
インターフェース1027は、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワークステーションピアツーピアネットワーク、ダイレクトリンクネットワーク、無線ネットワーク、または他の適切な任意の通信プラットフォームなどの通信ネットワークを介してデータの送信及び受信を行うように構成された1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、インターフェース1027は、1つ以上の変調器、復調器、マルチプレクサ、デマルチプレクサ、ネットワーク通信デバイス、無線デバイス、アンテナ、モデム、無線機、受信機、送信機、送受信機、及び有線または無線の通信ネットワークを介してデータ通信を可能にするように構成された他の任意のタイプのデバイスを含むことができる。
【0061】
図は、本開示の様々な実施態様によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この関連で、フローチャート図またはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能(複数可)を実施するための1つ以上の実行可能な命令を含む、コードのモジュール、セグメント、または部分を表し得る。いくつかの代替の実施態様では、ブロックに記された機能は、図に記された順序とは無関係に生じる可能性があることにも留意すべきである。例えば、連続して提示されている2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行されてもよく、または関係している機能に応じて、ブロックが逆の順序で実行されることがあってもよい。ブロック図及び/またはフローチャート図の各ブロック、及びブロック図及び/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能またはステップを実行する専用ハードウェアベースコンピュータシステム、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実装できることにも留意されたい。
【0062】
以下の特許請求の範囲における全てのミーンズまたはステッププラスファンクションの要素の対応する構造、材料、動作、及び均等物は、具体的に請求される他の特許請求された要素と組み合わせてファンクションを実施する任意の構造、材料、または動作を含むことを意図する。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正及び変形が当業者には明らかとなるであろう。
【0063】
上記に記載されたシステム及び方法を実施するために、1つ以上のコンピュータ可読媒体(複数可)の任意の組み合わせを用いることができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であり得る。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、あるいは上記の適切な任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な実施例(非網羅的なリスト)としては、次の、1本以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、または上記の適切な任意の組み合わせがあるだろう。本文書の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用する、またはこれらに関連して使用するためのプログラムを含む、または格納することができる任意の有形媒体とすることができる。
【0064】
コンピュータ可読媒体に具現化されたプログラムコードは、無線、ワイヤライン、光ファイバケーブル、RFなど、または上記の適切な任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、適切な任意の媒体を用いて伝送することができる。
【0065】
本開示の態様のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述され得る。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータで、部分的にユーザのコンピュータで、スタンドアローンのソフトウェアパッケージとして実行すること、部分的にユーザのコンピュータで実行し、部分的にリモートコンピュータで実行すること、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバで実行することが可能である。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む、任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または外部のコンピュータに(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いるインターネット経由で)接続することができる。
【0066】
方法及びシステムを、好ましい実施形態及び特定の実施例に関連して説明してきたが、本明細書の実施形態は、あらゆる点で制限的ではなく、例示的であることが意図されているため、記載した特定の実施形態に範囲を限定することは意図されていない。
【0067】
別段に明示的な定めのない限り、本明細書に示されているいずれの方法も、そのステップを特定の順序で行う必要があるものとして解釈するようには全く意図されていない。したがって、方法の請求項がそのステップが従うべき順序を実際に記載していない場合、またはそのステップが特定の順序に限定されるべきであることが請求項もしくは説明において別段に具体的に述べられていない場合、いかなる点でも順序が推測されることは決して意図されていない。これは、解釈のためのあらゆる可能性のある不明確な基準(ステップまたは動作フローのアレンジに関する論理の問題、文法構成または句読点に由来する平明な意味、明細書中に記載される実施形態の数または型が挙げられる)についても当てはまる。
【0068】
本出願全体を通して、様々な刊行物が参照され得る。これらの刊行物の開示は、その全体が、本方法及び本システムが属する技術の状態をより完全に説明するために、本明細書により、本出願に参照により組み込まれる。
【0069】
範囲または趣旨から逸脱することなく、様々な修正及び変形を行い得ることは、当業者にとって明らかであろう。他の実施形態は、本明細書の考察及び本明細書に開示された実践から、当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は、例示的なものとしてのみ考慮されることが意図されており、真の範囲及び趣旨は、次の特許請求の範囲によって示される。
【国際調査報告】