(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-29
(54)【発明の名称】モジュール式フリーポジションワイヤレス充電デバイス
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230322BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20230322BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20230322BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20230322BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/40
H02J50/80
H02J50/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547920
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(85)【翻訳文提出日】2022-10-03
(86)【国際出願番号】 US2021016938
(87)【国際公開番号】W WO2021159007
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520310643
【氏名又は名称】アイラ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRA,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】スラトニック,ジェイク
(72)【発明者】
【氏名】グッドチャイルド,エリック,ハインデル
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503DA04
5G503GB08
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
ワイヤレス充電のためのシステム、方法および装置が開示される。充電デバイスを構成する方法は、第1のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第1の複数の伝送コイルであって、第1の充電面を規定する第1の複数の伝送コイルを識別するステップと、第2のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第2の複数の伝送コイルであって、第2の充電面を規定する第2の複数の伝送コイルを識別するステップと、第1のプリント回路基板と第2のプリント回路基板との位置合わせを決定するステップと、第1の充電面および第2の充電面に充電電流を提供するステップと、充電電流を受信する1または複数の伝送コイルを選択するステップとを含む。1または複数の伝送コイルの各々は、第1の複数の伝送コイルまたは第2の複数の伝送コイルに設けられている。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電デバイスであって、
第1のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第1の複数の伝送コイルであって、第1の充電面を規定する第1の複数の伝送コイルと、
第2のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第2の複数の伝送コイルであって、第2の充電面を規定する第2の複数の伝送コイルと、
前記モジュールパターンが前記第1の充電面から前記第2の充電面に続くように、前記第1のプリント回路基板を前記第2のプリント回路基板と位置合わせして固定するように構成された留め具と、
前記第1の充電面から前記第2の充電面に充電電流を伝導するように構成された電気的相互接続部と、
充電電流を受信する1または複数の伝送コイルを選択するように構成されたプロセッサとを備え、前記1または複数の伝送コイルの各々が、前記第1の複数の伝送コイルまたは前記第2の複数の伝送コイルに設けられていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の充電デバイスであって、
前記第1のプリント回路基板上のモジュールパターンのエッジが、前記第2のプリント回路基板上のモジュールパターンのエッジと平面的に整列しているときに、前記第1のプリント回路基板が前記第2のプリント回路基板と位置合わせされることを特徴とする充電デバイス。
【請求項3】
請求項1または2に記載の充電デバイスであって、
前記第1の複数の伝送コイルが前記第1のプリント回路基板の上面に設けられ、前記第2の複数の伝送コイルが前記第2のプリント回路基板の下面に設けられるように、前記第1のプリント回路基板および前記第2のプリント回路基板が向けられていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の充電デバイスであって、
前記第1のプリント回路基板が、コントローラを備え、このコントローラが、
前記プロセッサからコマンドを受信し、
前記コマンドに応答して、前記プロセッサにより充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルに充電電流を導くように構成されていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載の充電デバイスであって、
前記コントローラが、前記プロセッサに構成情報を報告するようにさらに構成されていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項6】
請求項4または5に記載の充電デバイスであって、
前記コントローラが、前記プロセッサにステータスを送信するようにさらに構成されていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項7】
請求項4~6の何れか一項に記載の充電デバイスであって、
前記コントローラが、前記第2のプリント回路基板に設けられた対応するコントローラとの通信を確立するようにさらに構成されていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の充電デバイスであって、
前記プロセッサが、
受信デバイスのための充電構成を設定し、
前記充電構成に基づいて、前記充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルを識別するようにさらに構成されていることを特徴とする充電デバイス。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の充電デバイスであって、
前記留め具が、ネジを含むことを特徴とする充電デバイス。
【請求項10】
請求項1~8の何れか一項に記載の充電デバイスであって、
前記留め具が、接着剤を含むことを特徴とする充電デバイス。
【請求項11】
充電デバイスを構成するための方法であって、
第1のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第1の複数の伝送コイルを識別するステップであって、前記第1の複数の伝送コイルが第1の充電面を規定する、ステップと、
第2のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第2の複数の伝送コイルを識別するステップであって、前記第2の複数の伝送コイルが第2の充電面を規定する、ステップと、
前記第1のプリント回路基板と前記第2のプリント回路基板との位置合わせを決定するステップと、
前記第1の充電面および前記第2の充電面に充電電流を提供するステップと、
前記充電電流を受信する1または複数の伝送コイルを選択するステップであって、前記1または複数の伝送コイルの各々が前記第1の複数の伝送コイルまたは前記第2の複数の伝送コイルに設けられている、ステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記第1のプリント回路基板上のモジュールパターンのエッジが、前記第2のプリント回路基板上のモジュールパターンのエッジと平面的に整列していることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の方法であって、
前記第1の複数の伝送コイルが前記第1のプリント回路基板の上面に設けられ、前記第2の複数の伝送コイルが前記第2のプリント回路基板の下面に設けられるように、前記第1のプリント回路基板および前記第2のプリント回路基板が向けられていることを特徴とすることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項11~13の何れか一項に記載の方法であって、
前記第1のプリント回路基板に設けられたコントローラにコマンドを送信するステップをさらに含み、
前記コマンドが、前記コントローラに、充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルに充電電流を導かせるように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記コントローラから構成情報を受信するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の方法であって、
前記コントローラからステータスを受信するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項11~16の何れか一項に記載の方法であって、
前記第1のプリント回路基板および前記第2のプリント回路基板に設けられたコントローラとの通信を確立するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項11~17の何れか一項に記載の方法であって、
受信デバイスのための充電構成を設定するステップと、
前記充電構成に基づいて、前記充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルを識別するステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
命令が格納されたプロセッサ可読記憶媒体であって、
前記命令は、少なくとも1のプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1のプロセッサに、
第1のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第1の複数の伝送コイルを識別するステップであって、前記第1の複数の伝送コイルが第1の充電面を規定する、ステップと、
第2のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第2の複数の伝送コイルを識別するステップであって、前記第2の複数の伝送コイルが第2の充電面を規定する、ステップと、
前記第1のプリント回路基板と前記第2のプリント回路基板との位置合わせを決定するステップと、
前記第1の充電面および前記第2の充電面に充電電流を提供するステップと、
前記充電電流を受信する1または複数の伝送コイルを選択するステップであって、前記1または複数の伝送コイルの各々が前記第1の複数の伝送コイルまたは前記第2の複数の伝送コイルに設けられている、ステップとを実行させることを特徴とするプロセッサ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、モバイルコンピューティングデバイスのバッテリを含むバッテリのワイヤレス充電のための充電面に関し、より詳細には、モジュール要素を含む分散型充電面の提供に関する。
【0002】
優先権の主張
本出願は、2021年2月4日に米国特許庁に出願された特許出願第17/168,161号、2020年2月6日に米国特許庁に出願された仮特許出願第62/971,211号、並びに、2020年8月15日に米国特許庁に出願された仮特許出願第63/066,223号の優先権および利益を主張するものであり、それら出願の内容全体は、すべての適用可能な目的のために、その全体が以下に完全に記載されているかのように、引用により本明細書に援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
物理的な充電接続を使用せずに、特定のタイプのデバイスが内部バッテリを充電できるようにするために、ワイヤレス充電システムが開発されている。ワイヤレス充電を利用できるデバイスには、モバイル処理デバイスおよび/またはモバイル通信デバイスが含まれる。Wireless Power Consortiumにより規定されたQi規格などの標準規格は、第1のサプライヤによって製造されたデバイスを、第2のサプライヤによって製造された充電器を使って、ワイヤレスで充電することを可能にする。ワイヤレス充電の規格は、デバイスの比較的単純な構成向けに最適化されており、基本的な充電機能を提供する傾向にある。
【0004】
ワイヤレス充電機能の改善は、充電構成の柔軟性を提供し、絶えず複雑化するモバイルデバイスと変化するフォームファクタをサポートするために必要である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本明細書に開示の特定の態様に従って充電面を提供するために採用され得る充電セルの一例を示している。
【
図2】
図2は、本明細書に開示の特定の態様に従って適合され得る充電面のセグメントの単一の層上に提供される充電セルの配置構成の一例を示している。
【
図3】
図3は、本明細書に開示の特定の態様に従って適合され得る充電面のセグメント内に複数の層が重ねられている場合の充電セルの配置構成の一例を示している。
【
図4】
図4は、本明細書に開示の特定の態様に従って構成された充電セルの複数の層を用いた充電面によって提供される電力伝送領域の配置構成を示している。
【
図5】
図5は、本明細書に開示の特定の態様に係る、充電器基地局に提供され得るワイヤレス送信機を示している。
【
図6】
図6は、本明細書に開示の特定の態様に従って適合されるワイヤレス充電デバイスにおいて使用するためのマトリクス多重化スイッチングをサポートする第1のトポロジーを示している。
【
図7】
図7は、本明細書に開示の特定の態様に従って適合されるワイヤレス充電デバイスにおける直流駆動をサポートする第2のトポロジーを示している。
【
図8】
図8は、本明細書に開示の特定の態様に従って製造されるPCBの一例を示している。
【
図9】
図9は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるモジュール式充電面の第1の例を示している。
【
図10】
図10は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるモジュール式充電面の第2の例を示している。
【
図11】
図11は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるモジュール式充電面の第3の例を示している。
【
図12】
図12は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるモジュール式充電面で使用することができるPCBの具体的な構成を示している。
【
図13】
図13は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるフィールド拡張可能なモジュール式充電面の第1の例を示している。
【
図14】
図14は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるフィールド拡張可能なモジュール式充電面の第2の例を示している。
【
図15】
図15は、本明細書に開示の特定の態様に従って構成されるモジュール式充電デバイスに関する制御回路の構成の例を示している。
【
図16】
図16は、本明細書に開示の特定の態様に係る、異なるサイズの充電セルを有するモジュール式充電面または物理的に分散された充電面の一例を示している。
【
図17】
図17は、本開示の特定の態様に従って提供される複数の充電デバイスを含む充電システムの一例を示している。
【
図18】
図18は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるモジュール式充電面の複合制御回路の第1の例を示している。
【
図19】
図19は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるモジュール式充電面に提供され得る複合制御回路の第2の例を示している。
【
図20】
図20は、本開示の特定の態様に従って家具に1または複数の充電面を提供するためのモジュール式充電デバイスの使用を示している。
【
図21】
図21は、本明細書に開示の特定の態様に係る充電システムを動作させる方法の一例を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、本明細書に開示の特定の態様に従って適合され得る処理回路を採用した装置の一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成を説明することを意図しており、本明細書に記載の概念が実施され得る唯一の構成を示すことを意図したものではない。詳細な説明には、様々な概念の完全な理解を提供するための具体的な詳細が含まれている。しかしながら、それらの概念が具体的な詳細なしで実施できることは当業者には明らかであろう。時には、そのような概念を不明瞭にしないために、周知の構造および構成要素をブロック図の形式で示している。
【0007】
次に、ワイヤレス充電システムのいくつかの態様を、様々な装置および方法を参照して提示する。それらの装置および方法は、以下の詳細な説明に記載されるとともに、添付の図面において、様々なブロック、モジュール、コンポーネント、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(総称して「要素」と呼ぶ)によって示される。それら要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェアまたはそれらの任意の組合せを使用して実現することができる。そのような要素がハードウェアとして実現されるか、またはソフトウェアとして実現されるかは、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課される設計上の制約に依存する。
【0008】
例えば、要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、1または複数のプロセッサを含む「処理システム」で実現され得る。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。処理システムの1または複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、プロセッサ可読記憶媒体に常駐するようにしてもよい。本明細書でコンピュータ可読媒体とも呼ばれるプロセッサ可読記憶媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、近距離無線通信(NFC)トークン、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、搬送波、伝送路、ソフトウェアを格納または伝送するのに適した他の任意の媒体を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、処理システムに存在していても、処理システムの外部にあっても、処理システムを含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実現するための最良の方法を認識するであろう。
【0009】
概要
本開示の特定の態様は、複数の伝送コイルを使用するフリーポジションの充電面、または複数の受信デバイスを同時に充電することができるフリーポジションの充電面を提供するワイヤレス充電デバイスに関連するシステム、装置および方法に関する。一態様では、ワイヤレス充電デバイスのコントローラが、充電されるデバイスを見つけ出すことができ、受信デバイスに電力を供給するために最適な位置にある1または複数の伝送コイルを構成することができる。充電セルは、1または複数の誘導伝送コイルを備えるかまたは構成することができ、複数の充電セルを、充電面を提供するために配置または構成することができる。充電されるデバイスの位置は、デバイスの位置を充電面の既知の位置を中心とする物理的特性の変化に関連付ける検知技術によって検出することができる。いくつかの例では、位置の検知が、容量性、抵抗性、誘導性、タッチ、圧力、荷重、歪みおよび/または別の適切なタイプの検知を用いて実行することができる。
【0010】
本明細書に開示の特定の態様は、ワイヤレス充電技術の改善に関する。モジュール式表面要素から構築される充電システムによって提供される1または複数の表面に充電式デバイスを自由に配置することに対応するシステム、装置および方法が開示されている。一例では、充電システムによって提供される単一の表面が、複数のモジュール式マルチコイルワイヤレス充電要素の構成から形成される。別の例では、複数の相互接続されたマルチコイルワイヤレス充電要素を使用する充電システムによって分散型充電面を提供することができる。
【0011】
特定の態様は、受信デバイスへのワイヤレス電力伝送の効率および容量を改善することができる。一例では、ワイヤレス充電デバイスが、バッテリ充電電源と、マトリックスに構成された複数の充電セルと、第1の複数のスイッチであって、各スイッチがマトリックス内のコイルの横列をバッテリ充電電源の第1の端子に結合するように構成された第1の複数のスイッチと、第2の複数のスイッチであって、各スイッチがマトリックス内のコイルの縦列をバッテリ充電電源の第2の端子に結合するように構成された第2の複数のスイッチとを備える。複数の充電セル内の各充電セルは、電力伝送領域を取り囲む1または複数のコイルを含むことができる。複数の充電セルは、複数の充電セル内の充電セルの電力伝送領域が重なることなく、充電面に隣接して配置することができる。
【0012】
本開示の特定の態様は、モジュール式または分散型表面の要素に複数の電力伝送コイルを提供するワイヤレス充電システムのためのシステム、装置および方法に関する。コイルは積み重ねることができ、充電デバイスの充電面内の特定の形状または位置を一致させる必要なしに、ワイヤレス充電システムに提示された標的デバイスを充電するために使用することができる。各コイルは、実質的に多角形である形状を有することができる。一例では、各コイルが六角形の形状を有することができる。各コイルは、螺旋状に提供されるワイヤ、プリント回路基板トレースおよび/または他のコネクタを使用して実現することができる。各コイルは、異なる層のコイルが共通の軸を中心に配置されるように、絶縁体または基板によって分離された2以上の層に跨るようにしてもよい。
【0013】
本明細書に開示の特定の態様によれば、ワイヤレス充電システムによって提供される充電面上に置かれたデバイスは、充電面に関連付けられた充電セルの1または複数を介してワイヤレスで伝達される電力を受け取ることができる。電力は、充電面上の任意の位置に配置された受信デバイスにワイヤレスで伝送することができる。受信デバイスは、任意に規定されたサイズおよび/または形状を有することができ、充電可能とされる個別の配置位置に関係なく、配置され得る。複数のデバイスを単一の表面上で同時にまたは並行して充電することができる。装置は、表面を横切る1または複数のデバイスの動きを追跡することができる。充電システムは、互いに物理的に分離されているが、複数のデバイスの同時充電を管理および制御できる単一のモジュール式充電面として管理される複数の充電面部分を提供することができる。充電システムは、プリント回路基板技術を使用して、低コストで、かつ/またはコンパクトな設計で製造することができる。
【0014】
本開示の別の態様は、充電デバイスに関連するシステム、装置および方法に関し、充電デバイスが、第1のプリント回路基板上にパターンで配置された第1の複数の伝送コイルであって、第1の充電面を規定する第1の複数の伝送コイルと、第2のプリント回路基板上にパターンで配置された第2の複数の伝送コイルであって、第2の充電面を規定する第2の複数の伝送コイルと、上記パターンが第1の充電面から第2の充電面に続くように、第1のプリント回路基板を第2のプリント回路基板と位置合わせして固定するように構成された留め具と、第1の充電面から第2の充電面に充電電流を伝導するように構成された電気的相互接続部と、充電電流を受信する1または複数の伝送コイルを選択するように構成されたプロセッサとを備える。1または複数の伝送コイルの各々は、第1の複数の伝送コイルまたは第2の複数の伝送コイルに提供されている。
【0015】
充電セル
本開示の特定の態様は、複数の伝送コイルを有するフリーポジションの充電面、または複数の受信デバイスを同時に充電することができるフリーポジションの充電面を提供するワイヤレス充電デバイスに適用可能なシステム、装置および方法に関する。一態様では、フリーポジションの充電面に結合された処理回路が、充電されるデバイスの位置を特定するように構成することができ、受信デバイスに電力を供給するために最適な位置にある1または複数の電力伝送コイルを選択および構成することが可能である。充電セルは、1または複数の誘導伝送コイルを備えるように構成することができ、複数の充電セルを、充電面を提供するように配置または構成することができる。充電されるデバイスの位置は、デバイスの位置を充電面の既知の位置を中心とする物理的特性の変化に関連付ける検知技術によって検出することができる。いくつかの例では、位置の検知が、容量性、抵抗性、誘導性、タッチ、圧力、荷重、歪みおよび/または別の適切なタイプの検知を用いて実行することができる。
【0016】
本明細書に開示の特定の態様によれば、ワイヤレス充電デバイスの充電面を、充電デバイスの表面に隣接して配置された充電セルを使用して提供することができる。一例では、充電セルが、ハニカムパッケージング構成に従って配置される。充電セルは、充電面に実質的に直交する軸に沿って磁場をそれぞれ誘導することができる1または複数のコイルを使用して実現することができる。本開示において、充電セルは、1または複数のコイルを有する要素であって、各コイルが、充電セル内の他のコイルによって生成される磁場に対して加算的であり、共通の軸に沿ってまたは近接して向けられる電磁場を生成するように構成される、要素を指すことができる。本明細書では、充電セル内のコイルを、充電コイルまたは伝送コイルと呼ぶこともある。
【0017】
いくつかの例では、充電セルが、共通の軸に沿って積み重ねられたコイルを含む。1または複数のコイルは、充電面に実質的に直交する誘導磁場に寄与するように重なり合うものであってもよい。いくつかの例では、充電セルが複数のコイルを含み、それらコイルが、充電面の規定された部分内に配置されるとともに、充電面の規定された部分内の誘導磁場に寄与し、その磁場が、充電面に実質的に直交するように延びる磁束に寄与する。いくつかの態様では、充電セルが、動的に規定された充電セルに含まれるコイルに励磁電流を提供することによって構成可能であってもよい。例えば、ワイヤレス充電デバイスは、充電面全体に配置された複数のコイルのスタックを含むことができ、ワイヤレス充電デバイスは、充電されるデバイスの位置を検出し、コイルのスタックのいくつかの組合せを選択して、充電されるデバイスに隣接する充電セルを提供することができる。いくつかの例では、充電セルが、単一のコイルを含むか、または単一のコイルとして特徴付けられるものであってもよい。しかしながら、充電セルは、複数の積層されたコイルおよび/または複数の隣接するコイル若しくはコイルのスタックを含むことができることを理解されたい。
【0018】
図1は、ワイヤレス充電デバイスの充電面を提供するように展開および/または構成され得る充電セル100の一例を示している。一例では、充電セル100が、電力伝送領域104に電磁場を生成するのに十分な電流を受け取ることができる、導体、ワイヤまたは回路基板トレースを用いて構築された1または複数のコイル102を含む、実質的に六角形の形状を有している。様々な態様では、いくつかのコイル102が、
図1に示す六角形の充電セル100を含む、実質的に多角形である形状を有することができる。他の実施態様では、他の形状を有するコイル102を含み、または使用することができる。コイル102の形状は、製造技術の能力または制限によって、またはプリント回路基板などの基板106上の充電セルのレイアウトを最適化するように、少なくとも部分的に決定され得る。各コイル102は、スパイラル構成のワイヤ、プリント回路基板のトレースおよび/または他のコネクタを使用して実現することができる。各充電セル100は、異なる層のコイル102が共通の軸108を中心に配置されるように、絶縁体または基板106によって分離された2以上の層に跨るようにしてもよい。
【0019】
図2は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応され得る充電面のセグメントまたは一部分の単一層上に設けられた充電セル202の配置200の一例を示している。充電セル202は、ハニカムパッケージ構成に従って配置されている。この例では、充電セル202が、重なり合うことなく、端と端とを接して配置されている。この配置は、スルーホールまたはワイヤ相互接続なしで提供することができる。充電セル202の一部分が重なる配置を含む、他の配置も可能である。例えば、2以上のコイルのワイヤが、ある程度、交互に配置されるようにしてもよい。
【0020】
図3は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応され得る充電面のセグメントまたは一部分内に複数の層が重ねられている場合の、2つの視点300、310からの充電セルの配置の一例を示している。充電セルの層302、304、306、308は、充電面内に設けられている。充電セルの各層302、304、306、308内の充電セルは、ハニカムパッケージ構成に従って配置されている。一例では、充電セルの層302、304、306、308が、4以上の層を有するプリント回路基板上に形成されるようにしてもよい。充電セル100の配置は、図示のセグメントに隣接する指定された充電領域を完全にカバーするように選択することができる。
【0021】
図4は、本明細書に開示の特定の態様に従って構成された充電セルの複数の層を採用する充電デバイスの充電面400にわたって提供される電力伝送領域の配置を示している。充電デバイスは、充電セルの4つの層402、404、406、408から構成することができる。
図4では、充電セルの第1の層402内の充電セルによって提供される各電力伝送領域が「L1」と記され、充電セルの第2の層404内の充電セルによって提供される各電力伝送領域が「L2」と記され、充電セルの第3の層406内の充電セルによって提供される各電力伝送領域が「L3」と記され、充電セルの第4の層408内の充電セルによって提供される各電力伝送領域が「L4」と記されている。
【0022】
本明細書に開示の特定の態様によれば、位置の検知は、充電セル内のコイルを形成する導電体のある特性の変化に依存することができる。導電体の特性における測定可能な差異には、静電容量、抵抗、インダクタンスおよび/または温度が含まれる。いくつかの例では、充電面の荷重が、荷重点の近くに位置するコイルの測定可能な抵抗に影響を与えることができる。いくつかの実施態様では、タッチ、圧力、荷重および/または歪みの変化の検出を通じて位置検知を可能にするために、センサを提供することができる。本明細書に開示の特定の態様は、低電力差分容量検知技術を使用して、充電面に自由に置かれたデバイスの位置を検知することができる装置および方法を提供する。
【0023】
ワイヤレス送信機
図5は、ワイヤレス充電デバイスの基地局に設けることができるワイヤレス送信機500の一例を示している。ワイヤレス充電デバイスの基地局は、ワイヤレス充電デバイスの動作を制御するために使用される1または複数の処理回路を含むことができる。コントローラ502は、フィルタ回路508によってフィルタリングまたは他の方法で処理されたフィードバック信号を受信することができる。コントローラは、共振回路506に交流電流を供給するドライバ回路504の動作を制御することができる。いくつかの例では、コントローラ502が、ドライバ回路504によって出力される交流電流の周波数を制御するために使用されるデジタル周波数基準信号を生成することができる。場合によっては、デジタル周波数基準信号は、プログラマブルカウンタなどを使用して生成することができる。いくつかの例では、ドライバ回路504が電力インバータ回路および1または複数の電力増幅器を含み、それらが協働して、直流源または入力から交流電流を生成することができる。いくつかの例では、デジタル周波数基準信号が、ドライバ回路504または別の回路によって生成されるようにしてもよい。共振回路506は、コンデンサ512およびインダクタ514を含む。インダクタ514は、交流電流に応答して磁束を生成する充電セル内の1または複数の伝送コイルを示すか、またはそれを含むことができる。共振回路506は、本明細書では、タンク回路、LCタンク回路またはLCタンクとも呼ばれ、共振回路506のLCノード510で測定された電圧516は、タンク電圧とも呼ばれる。
【0024】
パッシブping技術は、本明細書に開示の特定の態様に従って適応されたデバイスの充電パッドに近接する受信コイルの存在を識別するために、LCノード510で測定または観察された電圧および/または電流を使用することができる。一部の従来のワイヤレス充電デバイスは、共振回路506のLCノード510における電圧または共振回路506における電流を測定する回路を含む。これらの電圧および電流は、電力調整の目的で、かつ/またはデバイス間の通信をサポートするために監視することができる。本開示の特定の態様によれば、
図5に示すワイヤレス送信機500のLCノード510における電圧は、共振回路506を介して送信されるエネルギーの短いバースト(ping)に対する共振回路506の応答に基づいて、充電式デバイスまたは他の物体の存在を検出することができるパッシブping技術をサポートするために監視され得る。
【0025】
パッシブping検出技術は、高速で低電力の検出を提供するために使用することができる。パッシブpingは、共振回路506を含むネットワークを、少量のエネルギーを含む高速パルスで駆動することによって生成され得る。高速パルスは、共振回路506を励起し、注入されたエネルギーが減衰して消散するまで、ネットワークをその固有共振周波数で発振させる。高速パルスに対する共振回路506の応答は、共振LC回路の共振周波数によって部分的に求められる。初期電圧=V
0であるパッシブpingに対する共振回路506の応答は、以下のように、LCノード510で観測される電圧V
LCによって示すことができる。
【0026】
コントローラ502または別のプロセッサがデジタルpingを使用して物体の存在を検出するときに、共振回路506を監視することができる。デジタルpingは、一定時間、共振回路506を駆動することによって生成される。共振回路506は、ワイヤレス充電デバイスの伝送コイルを含む同調ネットワークである。受信デバイスは、変調信号の信号状態に応じてその電力受信回路により提示されるインピーダンスを変更することによって、共振回路506において観測される電圧または電流を変調することができる。その後、コントローラ502または他のプロセッサは、受信デバイスが近くにあることを示すデータ変調された応答を待つ。
【0027】
選択的に作動させるコイル
本明細書に開示の特定の態様によれば、適合するデバイスを充電するために最適な電磁場を提供するように、1または複数の充電セル内の電力伝送コイルを選択的に作動させることができる。場合によっては、複数の電力伝送コイルが充電セルに割り当てられ、いくつかの充電セルが他の充電セルに重なり合うようにしてもよい。最適な充電構成は、充電セルレベルで選択することができる。いくつかの例では、充電構成が、充電されるデバイスと整列しているかまたはその近くに位置していると判定される充電面内の充電セルを含むことができる。コントローラは、充電構成に基づいて、単一の電力伝送コイルまたは電力伝送コイルの組合せを作動させることができ、その充電構成は、充電されるデバイスの位置の検出に基づくものとなる。いくつかの態様では、ワイヤレス充電デバイスが、充電イベント中に1または複数の電力伝送コイルまたは1または複数の予め設定された充電セルを選択的に作動させることができるドライバ回路を備えることができる。
【0028】
図6は、本明細書に開示の特定の態様に従って適合されたワイヤレス充電デバイスで使用するためのマトリクス多重化スイッチングをサポートする第1のトポロジー600を示している。ワイヤレス充電デバイスは、受信デバイスを充電するために1または複数の充電セル100を選択することができる。使用されていない充電セル100は、電流の流れから切り離すことができる。比較的多数の充電セル100を、対応する数のスイッチを必要とする
図2および
図3に示すハニカムパッケージ構成で使用することができる。本明細書に開示の特定の態様によれば、充電セル100を、特定のセルが電力供給されることを可能にする2以上のスイッチに接続された複数のセルを有するマトリックス608に論理的に配置することができる。図示のトポロジー600では、2次元マトリックス608が提供され、次元がXおよびY座標によって表される。第1のセットのスイッチ606の各々は、セルの縦列における各セルの第1の端子を、ワイヤレス充電中に1または複数の充電セルのコイルを作動させるために電流を供給する電圧源または電流源602の第1の端子に選択的に結合するように構成されている。第2のセットのスイッチ604の各々は、セルの横列における各セルの第2の端子を、電圧源または電流源602の第2の端子に選択的に結合するように構成されている。充電セルは、その両方の端子が電圧源または電流源602に結合されると、アクティブになる。
【0029】
マトリックス608の使用により、同調LC回路のネットワークを動作させるために必要なスイッチングコンポーネントの数を大幅に削減することができる。例えば、N個の個別に接続されたセルは少なくともN個のスイッチを必要とするが、N個のセルを有する2次元マトリックス608は√N個のスイッチで動作させることができる。マトリックス608の使用により、大幅にコストを削減することができ、回路および/またはレイアウトの複雑さを低減することができる。一例では、9セルの態様は、6個のスイッチを使用して3×3マトリックス608で実現することができ、3個のスイッチを節約することができる。別の例では、16セルの態様は、8個のスイッチを使用して4×4マトリックス608で実現することができ、8個のスイッチを節約することができる。
【0030】
動作中、少なくとも2のスイッチが、1つのコイルまたは充電セルを電圧源または電流源602に能動的に結合するために閉じられる。複数のコイルまたは充電セルを電圧源または電流源602に容易に接続するために、複数のスイッチを一度に閉じることができる。例えば、受信デバイスに電力を伝送する際に複数の伝送コイルを駆動する動作モードを可能にするために、複数のスイッチを閉じることができる。
【0031】
図7は、本明細書に開示の特定の態様に従って、個々の各コイルまたは充電セルがドライバ回路702によって直接駆動される第2のトポロジー700を示している。ドライバ回路702は、受信デバイスを充電するためにコイルのグループ704のなかから1または複数のコイルまたは充電セル100を選択するように構成することができる。充電セル100に関連して本明細書に開示した概念は、個々のコイルまたはコイルのスタックの選択的な作動に適用され得ることが理解されよう。使用されていない充電セル100は、電流を受け取らない。比較的多数の充電セル100が使用中であってもよく、個々のコイルまたはコイルのグループを駆動するためにスイッチングマトリックスを採用することができる。一例では、第1のスイッチングマトリックスが、充電イベント中に使用される充電セルまたはコイルのグループを規定する接続を構成することができ、第2のスイッチングマトリックスが、充電セルおよび/または選択されたコイルのグループを作動させるために使用され得る。
【0032】
モジュール式ワイヤレス充電面
本開示の特定の態様によれば、ワイヤレス充電システムに提供される充電面は、各モジュールPCBが充電面と実質的に平行に整列した1または複数の充電コイルを保持する、モジュールPCBシステムを使用して実現することができる。一態様によれば、充電システムが複数のモジュールPCBを含むことができ、それらモジュールPCBが、充電のために充電式デバイスを置くことができる大きな表面領域であって、単一の制御システムによって制御、管理または駆動される大きな表面領域を提供するように構成されている。一例では、モジュールPCBが、並んだ構成または端部どうしを重ねた構成で、物理的に結合、接合または他の方法で提供され、それにより所望の長さ、幅または表面積を有する結合された充電面を提供することができる。別の例では、モジュールPCBの2以上が、物理的に分離されて、車両の部屋またはキャビン内、または机などの家具の異なる位置に複数の充電面を提供することができる。充電システムは、充電コイルの同じサイズおよびレイアウトを含む、同じ充電コイル構成を有するモジュールPCBを含むことができる。いくつかの例では、充電システムが、異なるレイアウト、異なるサイズの充電コイルおよび/または異なるPCBサイズを有するモジュールPCBを含む、異なるタイプのモジュールPCBを含む。いくつかの例では、モジュールPCBが、異なるサイズの充電コイルを含むことができる。いくつかの例では、モジュールPCBが、異なる形状の充電コイルを含むことができる。いくつかの例では、いくつかのモジュールPCBを、柔軟性のあるPCBから作ることができ、他のモジュールPCBを、柔軟性のない材料から作ることができる。
【0033】
いくつかの例では、モジュールPCBを、4以上の層を有するプリント回路基板上で製造することができ、充電コイルが、各層の1または複数の表面上にコイル部分を含むことができる。従来のシステムでは、3層以上を使用するプリント回路基板設計において、基板のすべての層ではなく、一部の層を通過する相互接続を有することが有利となり得る。ブラインドビアは、PCBの片側の表面のみを貫通し、ベリードビアは、PCBのどちらの表面も貫通せずに内層を接続する。ブラインドビアおよびベリードビアを使用することで、PCBに回路をより高密度に充填することができる。しかしながら、ブラインドビアおよびベリードビアの使用により、PCB製造において追加のプロセスステップが必要となり、それにより、製造のコストおよび時間が大幅に増加する。本明細書に開示の特定の態様によれば、PCB製造および組立に関連する時間および/またはコストを増加させずに、スルーホール/ビアを使用する標準的な低コストのPCB製造技術を使用して、ブラインドビアおよびベリードビアを実装することができる。いくつかの例では、複数の標準技術の低コストのPCBを結合して、接着剤または他の機械的手段の使用により基板を互いに結合して積層体を形成し、単一の大きな多層基板を形成することができる。相互接続は、ピンを押し込むか、または基板間のバス接続をはんだ付けすることによって行うことができる。
【0034】
図8は、本明細書に開示の特定の態様に従って充電面を提供するワイヤレス充電デバイス800の第1の例を示している。ワイヤレス充電デバイス800の側面図が820で示されている。いくつかの例では、同じプリント回路基板802、804の複数のコピーを積層して最終的なモジュールを得ることができる。場合によっては、1または複数のプリント回路基板802、804を鏡像化し、鏡像化バージョンとして積層して、鏡像化していない1または複数のプリント回路基板802、804とともに単一のアセンブリを形成することができる。図示のワイヤレス充電デバイス800では、同じ設計の2つの2層プリント回路基板802、804が接着されるか、または他の方法で互いに接合されている。他の例では、3以上のプリント回路基板802、804を積層してワイヤレス充電デバイス800を形成することができる。プリント回路基板802、804は、異なる層、デザイン、厚さなどを有することができる。いくつかの例では、オンボードインダクタの動作を容易にするために、EMIから回路を遮蔽するために、かつ/または他の目的のために、プリント回路基板802、804間に設けられた接着剤層806内に、または接着剤層とともに磁性材料または遮蔽材料を提供することができる。プリント回路基板802、804が従来の製造技術を使用して得られる場合、ワイヤレス充電デバイス800の層を形成するプリント回路基板802、804の間に磁気材料または遮蔽材料を容易に挿入することはできない。
【0035】
いくつかの例では、2以上のプリント回路基板802、804を使用して充電面を提供することができる。第1のプリント回路基板802は、上層810および下層812を有する。上層810および下層812は、金属および/または絶縁金属であってもよい。充電面は、上層814および下層816を有する第2のプリント回路基板804を含む。上層814および下層816は、金属および/または絶縁金属であってもよい。充電面は、第1のプリント回路基板802の下層812が第2のプリント回路基板804の上層814に隣接するように、第1のプリント回路基板802と第2のプリント回路基板804を接合する接着剤層806を含む。充電面は、第1のプリント回路基板802の下層812と第2のプリント回路基板804の上層814との間に設けられた1または複数の相互接続部を含むこともできる。一例では、少なくとも1の相互接続部が、第1のプリント回路基板802の上層810を貫通しない。1または複数の相互接続部は、第2のプリント回路基板804の下層816を貫通しないこともある。接着剤層806は、第1のプリント回路基板802と第2のプリント回路基板804の間で少なくとも1の相互接続部が通過する開口部を含むことができる。
【0036】
本明細書に開示の特定の態様によれば、モジュール式充電面は、複数のPCBモジュールを物理的に接合、結合または他の方法で物理的に相互接続することによって組み立てることができる。いくつかの例では、同じ形状およびサイズを有し、同じ数および構成の充電コイルを提供する複数のPCBからモジュール式充電面が組み立てられている。いくつかの例では、異なる形状またはサイズを有することができ、かつ/または異なる数または構成の充電コイルを提供する複数のPCBからからモジュール式充電面が組み立てられている。
【0037】
図9は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるワイヤレス充電システムによって操作されるモジュール式充電面の第1の例を示している。モジュール式充電面は、2つの相互接続されたPCB902、904から構築されている。組立前の図面900に示すように、PCB902、904は、共通のサイズおよび形状を有し、各PCB902、904によって提供される充電面にわたって配置された伝送コイルのグループを有する。この例では、PCB902、904が、本明細書で東西方向とも呼ばれる一方向に重ね合わせられるように構成されている。PCB902、904は、伝送コイルの外形を規定するPCB902、904の領域914、916の幅の整数N倍である充電面を作成するために重ね合わることができる。図示の組立後の図面920は、N=2であり、東側PCB902が西側PCB904に重なる一例を示している。PCB902、904の伝送コイル(例えば、伝送コイル922、924、926)は、PCB902、904が重ね合わされたときに途切れることなく続くパターンで配置されている。
【0038】
図示の例では、各PCB902、904が、下面コネクタ領域906a、906b、910a、910bおよび上面コネクタ領域908a、908b、912a、912bを有し、PCB902、904が重ね合わされたときに、それらが930a、930bに重なるように配置されている。機械的ファスナは、下面コネクタ領域906a、906b、910a、910bおよび上面コネクタ領域908a、908b、912a、912bに配置することができる。機械的ファスナは、PCB902、904を重ね合わせたときに定位置に固定および/または保持することができる、結合点、ネジまたは他の手段を含むことができる。電気コネクタは、下面コネクタ領域906a、906b、910a、910bおよび上面コネクタ領域908a、908b、912a、912bに配置することができる。電気コネクタは、PCB902、904の間でデータ通信リンクおよび/または充電電流を伝導し、充電面上またはその近くに置かれた受信デバイスを充電する際にコントローラが伝送コイルのグループを構成して動作させることを可能にすることができる。
【0039】
図10は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるワイヤレス充電システムによって動作するモジュール式充電面の第2の例を示している。モジュール式充電面は、2つの相互接続されたPCB1002、1004から構築されている。組立前の図面1000に示すように、PCB1002、1004は、共通のサイズおよび形状を有し、各PCB1002、1004によって提供される充電面全体にわたって配置された伝送コイルのグループを有する。この例では、PCB1002、1004が、いずれの方向にも重ねられるように構成されており、図示の構成では、南北方向に重ねられている。PCB1002、1004は、伝送コイルの外形を規定するPCB1002、1004の領域1014、1016の幅の整数N倍である充電面を形成するように重ね合わせることができる。図示の組立後の図面1020は、N=2であり、北側PCB1002が南側PCB1004に重なる一例を示している。PCB1002、1004の伝送コイルは、PCB1002、1004が重ね合わされたときに途切れることなく続くパターンで配置されている。
【0040】
図示の例では、各PCB1002、1004が、下面コネクタ領域1006a、1006b、1010a、1010bおよび上面コネクタ領域1008a、1008b、1012a、1012bを有し、PCB1002、1004が重ね合わされたときに、それらが重なり合うように配置されている。機械的ファスナは、下面コネクタ領域1006a、1006b、1010a、1010b、および上面コネクタ領域1008a、1008b、1012a、1012bに配置することができる。機械的ファスナは、PCB1002、1004を重ね合わせたときに定位置に固定および/または保持することができる、結合点、ネジまたは他の手段を含むことができる。電気コネクタは、下面コネクタ領域1006a、1006b、1010a、1010bおよび上面コネクタ領域1008a、1008b、1012a、1012bに配置することができる。電気コネクタは、PCB1002、1004の間でデータ通信リンクおよび/または充電電流を伝導し、充電面上またはその近くに置かれた受信デバイスを充電する際にコントローラが伝送コイルのグループを構成して操作することを可能にすることができる。
【0041】
図11は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるワイヤレス充電システムによって操作されるモジュール式充電面1100の第3の例を示している。モジュール式充電面1100は、4つの相互接続されたPCB1102、1104、1106、1108から構築されている。PCB1102、1104、1106、1108は、共通のサイズおよび形状を有し、各PCB1102、1104、1106、1108によって提供される充電面全体にわたって配置された伝送コイルのグループを有する。この例では、PCB1102、1104、1106、1108が、いずれの方向にも重ね合わせることができるように構成されている。PCB1102、1104、1106、1108は、伝送コイルの外形を規定するPCB1102、1104、1106、1108の領域の幅の整数M×N倍である充電面を作成するように重ね合わせることができる。図示のモジュール式充電面1100では、M=2、N=2である。PCB1102、1104、1106、1108の伝送コイルは、PCB1102、1104、1106、1108が重ね合わされたときに途切れることなく続くパターンで配置されている。いくつかの例では、十字形、「T」字形、または不規則な形状を有するモジュール式充電面を形成するために、PCB1102、1104、1106、1108を相互接続することが可能である。
【0042】
図12は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供されるワイヤレス充電システムによって操作されるモジュール式充電面を提供するように構成することができるPCBの構成の例1200、1220を示している。PCBは、
図10に示すPCB1002、1004に対応することができる。第1の例1200では、各PCB1202、1204、1206が、PCB1202、1204、1206の第1の表面層上の金属層に形成された伝送コイルセクション1208、1210、1212を備える。いくつかの態様では、PCB1202、1204、1206が、3以上の層を有することができる。いくつかの態様では、PCB1202、1204、1206が、両方の表面層上に伝送コイルを有することができる。図示の例1200では、処理回路1214、1216、1218が第2の表面層上に設けられている。処理回路1214、1216、1218は、充電電流を受信し、かつ/または充電電流を1または複数の伝送コイルに導くコントローラとして構成することができる。処理回路1214、1216、1218は、第2の表面層上の所望の位置または適切な位置に設けることができる。伝送コイルセクション1208、1210、1212の利用可能な位置は、電磁束の流れの位置または予測位置に基づいて制限することができる。
【0043】
第1の例1200では、PCB1202、1204、1206が、組立中に重ね合わされたときに共通の向きを有する。一例では、伝送コイルセクション1208、1210、1212を保持する第1の表面層が最上層として提供されるように各PCB1202、1204、1206が向けられるときに、共通の向きが提供される。別の例では、伝送コイルセクション1228、1210、1212を保持する第1の表面層が最下層として提供されるように各PCB1202、1204、1206が向けられるときに、共通の向きが提供される。PCB1202、1204、1206は、伝送コイルセクション1208、1210、1212が整列するように重ね合わされて固定される。一例では、伝送コイルセクション1208、1210、1212が、1240で示すように整列される。
【0044】
第2の例1220では、各PCB1222、1224、1226が、PCB1222、1224、1226の一表面層上の金属層に形成された伝送コイルセクション1228、1230、1232を有する。いくつかの態様では、PCB1222、1224、1226が、3以上の層を有することができる。いくつかの態様では、PCB1222、1224、1226が、両方の表面層上に伝送コイルを有することができる。図示の例1220では、処理回路1234、1236、1238が第2の表面層上に設けられている。処理回路1234、1236、1238は、充電電流を受信し、かつ/または充電電流を1または複数の伝送コイルに導くコントローラとして構成することができる。処理回路1234、1236、1238は、第2の表面層上の所望の位置または適切な位置に設けることができる。伝送コイルセクション1228、1230、1232の利用可能な位置は、電磁束の流れの位置または予測位置に基づいて制限することができる。図示の例では、処理回路1234、1236、1238が、第2の表面層のエッジまたはコーナに配置されている。
【0045】
第2の例1220では、PCB1222、1224、1226の方向が、組立中に重ね合わされたときに、交互になっている。伝送コイルセクション1230を保持する第1の表面層が最上層として提供されるように、いくつかのPCB1226が向けられ、伝送コイルセクション1228、1232を保持する第1の表面層が最下層となるように、他のPCB1222、1224が向けられる場合に、交互の向きが与えられる。場合によっては、交互に向きを変えたPCB1222、1224、1226を重ね合わせたときに位置合わせを可能にするために、一部のPCB1226に伝送コイルを配置するパターンを、他のPCB1222、1224に伝送コイルを配置するパターンに対して反転または鏡面化することができる。PCB1222、1224、1226は、伝送コイルセクション1228、1230、1232が整列するように、重ね合わされて固定される。一例では、伝送コイルセクション1228、1230、1232が、1240で示すように整列される。
【0046】
第2の例1220で示す構成は、伝送コイルセクション1228、1230、1232をほぼ平面的に整列させて提供することができ、これによりモジュール式充電面全体にわたる電磁束の一貫性および/または均一性を改善することができる。
【0047】
図13は、本明細書に開示の特定の態様に従って、複数のワイヤレス充電デバイスとして、または単一のワイヤレス充電システムとして動作することができるフィールド拡張可能なモジュール式充電面の第1の例を示している。初期構成1300では、2つのモジュール式充電面をスタンドアロンユニットとして動作させることができる。各モジュール式充電面は、例えば
図10に示すPCB1002、1004に対応し得るPCB1304、1314を有する。各PCB1304、1314は、PCB1304、1314の第1の表面層上の金属層1306、1316に形成された伝送コイルセクションを有する。いくつかの態様では、PCB1304、1314が、3以上の層を有することができる。いくつかの態様では、PCB1304、1314が、両方の表面層上に伝送コイルを有することができる。伝送コイルセクションの利用可能な位置は、電磁束の流れの位置または予測位置に限定することができる。この例では、図面1320に概ね示すように、1または複数の着脱可能なエンドキャップ1308、1318を有するハウジング1302、1312内に、モジュール式充電面を設けることができる。
【0048】
いくつかの例では、2つのモジュール式充電面が、同じコントローラに電気的にまたは通信可能に結合され、2つのモジュール式充電面が分散型充電面として動作することを可能にすることができる。いくつかの例では、2つのモジュール式充電面が、個々のコントローラに電気的にまたは通信可能に結合され、2つの別個の充電デバイスとして動作する。
【0049】
全体として1330で示すように、ハウジング1302、1312が単一の大きなハウジング1332を形成するようにモジュール面を相互接続することを可能にするために、充電面のうちの1つを裏返すことができる。処理回路およびコネクタは図示されていないが、複数のPCB1304、1314を互いに接続することを可能にする位置でPCB1304、1314上に配置することができる。相互接続の際、PCB1304、1314を重ね合わせるときに、その向きが交互に変わる。伝送コイルセクションを保持する表面層が最上層として提供されるように第1のPCB1304が向けられ、伝送コイルセクションを保持する表面層が最下層となるように別のPCB1314が向けられる場合に、交互の向きが提供される。場合によっては、伝送コイルがPCB1304、1314上に配置されるパターンは、PCB1304、1314が重なったときに位置合わせを可能にするように構成される。一例では、PCB1304、1314が、機械的剛性を得るために互いに重ね合わされてスナップ留めされる。
【0050】
図14は、本明細書に開示の特定の態様に従って、複数のワイヤレス充電デバイスとして、または単一のワイヤレス充電システムとして動作することができるフィールド拡張可能なモジュール式充電面の第2の例を示している。初期構成では、2つのモジュール式充電デバイス1400、1410を、スタンドアロンユニットとして動作させることができる。各モジュール式充電デバイス1400、1410は、例えば
図10に示すPCB1002、1004に対応し得るPCB1402、1412を有する。各PCB1402、1412は、PCB1402、1412の第1の表面層上の金属層1404、1414に実装された伝送コイルセクションを有する。いくつかの態様では、PCB1402、1412が、3以上の層を有することができる。いくつかの態様では、PCB1402、1412が、両方の表面層上に伝送コイルを有することができる。金属層1404、1414において伝送コイルのために利用可能な位置は、電磁束の流れの位置または予測位置に限定することができる。モジュール式充電面は、モジュール式充電デバイス1400、1410の外形寸法を最小化するように構成または適用され得るハウジングおよび/またはコンフォーマルコーティング1422、1424内に提供することができる。モジュール式充電デバイス1400、1410は、単一のモジュール式充電システム1420を得るために物理的に相互接続することができる。
【0051】
モジュール式充電デバイス1400、1410は、モジュール式充電デバイス1400、1410の各々が1または複数の他のモジュール式充電デバイス1400、1410と相互接続することを可能にするコネクタ、磁石、ラッチおよび/または他の保持デバイスまたは機構1406、1408、1416、1418を有することができる。いくつかの態様では、モジュール式充電デバイス1400、1410が、端と端を重ねて相互接続することができ、かつ/または横に並べて相互接続することができる。いくつかの実施態様では、モジュール式充電デバイス1400、1410のうちの一方の端部を介して、かつモジュール式充電デバイス1400、1410のうちの他方の側部を介して、モジュール式充電デバイス1400、1410を相互接続することができる。全体として1430で示すように、モジュール式充電デバイス1400、1410は、各端部に設けられた相互接続器、保持デバイスまたは機構1432、1442と、側部に設けられた1または複数の相互接続器、保持デバイスまたは機構1434、1436、1438、1440とを含むことができ、ここで側部は、端部よりも長い。相互接続器、保持デバイスまたは機構1432、1434、1436、1438、1440、1442は、2つのモジュール式充電デバイス1400、1410が互いに係合して、機械的および電気的結合で保持されることを可能にするコネクタ、磁石、ラッチを含むことができる。相互接続器、保持デバイスまたは機構1432、1434、1436、1438、1440、1442は、留め具および/または電気的相互接続部を含むことができる。
【0052】
図15は、本明細書に開示の特定の態様に係るモジュール式充電デバイス1500、1520、1540および対応する制御回路の構成の例を示している。第1の構成では、モジュール式充電デバイス1500が、2つのPCB1502a、1502bを含み、それらが物理的に接続されて、複数のワイヤレス充電式デバイスを受け入れて保持および充電することができる充電面1510を提供する。モジュール式充電デバイス1500は、分散型表面の一部であってもよく、あるいはより大きなモジュール式充電システム内の他のPCBに物理的に接続されるものであってもよい。PCB1502a、1502bの各々は、複数の集積回路(IC)デバイスまたは他のディスクリート電子コンポーネントを含むことができるコントローラ1504a、1504bを含み、それらコントローラ1504a、1504bが、物理的に高い処理回路に実装されるものであってもよい。一例では、コントローラ1504a、1504bの各々を、複数のPCB1502a、1502bに対する充電およびデバイス検出手順を制御するように構成することができる。いくつかの例では、コントローラ1504a、1504bの各々が、一次コントローラによって伝達されるコマンドに応答することができ、それらが取り付けられている対応するPCB1502a、1502bの充電およびデバイス検出手順を制御するように構成され得る。
【0053】
第2の構成では、モジュール式充電デバイス1520が2つのPCB1522a、1522bを含み、それらが物理的に接続されて、複数のワイヤレス充電式デバイスを受け入れて充電することができる充電面1530を提供する。モジュール式充電デバイス1520は、分散型表面の一部であってもよく、あるいはより大きなモジュール式充電システム内の他のPCBに物理的に接続されるものであってもよい。PCB1522a、1522bの各々は、低いプロファイルのチップまたはチップキャリア上に搭載されたスイッチなどのディスクリートコンポーネント、集積回路を含むことができる制御回路1524a、1524bを含む。制御回路1524a、1524bの各々は、一次コントローラ1526によって伝達されるコマンドに応答することができ、それらが取り付けられている対応するPCB1522aまたは1522bの充電およびデバイス検出手順を制御するように構成され得る。この例では、一次コントローラ1526が、充電面1530のエッジの少なくとも一部分を提供するPCB1522bに物理的に取り付けられている。その結果、デバイスは、充電面に対応する薄くて低いプロファイルの部分と、一次コントローラ1526および/または他の制御回路を収容する隆起部分とを有することができる。
【0054】
第3の構成では、モジュール式充電デバイス1540が2つのPCB1542a、1542bを含み、それらが、複数のワイヤレス充電式デバイスを受け入れて充電することができる充電面1550を提供するために物理的に接続されている。モジュール式充電デバイス1540は、分散型表面の一部であってもよく、あるいはより大きなモジュール式充電システム内の他のPCBに物理的に接続されるものであってもよい。PCB1542a、1542bの各々は、低いプロファイルのチップまたはチップキャリア上に搭載されたスイッチなどのディスクリートコンポーネント、集積回路を含むことができる制御回路1544a、1544bを含む。制御回路1544a、1544bの各々は、一次コントローラ1546によって伝達されるコマンドに応答することができ、それらが取り付けられている対応するPCB1542a、1542bの充電およびデバイス検出手順を制御するように構成され得る。この例では、一次コントローラ1546が、相互接続器1548を介してモジュール式充電デバイス1540に電気的に結合され、その結果、モジュール式充電デバイス1540は、家具の表面または車両内の表面に組み込むのに適した低いプロファイルを呈するように十分に薄くすることができる。相互接続器1548は、点検、修理または保守のために必要に応じてモジュール式充電デバイス1540を切り離すことを可能にするコネクタ1552を含むことができる。
【0055】
本開示の特定の態様は、単一のモジュール式充電面として動作させることができる物理的に分散した充電面部分を提供するために2以上のモジュール式充電デバイスを使用して実現し得る分散型充電面を提供するシステムに適用される。電気回路の観点から、分散型充電面のコンポーネントは、複数のモジュール式充電デバイスを使用して実現される単一の充電面のコンポーネントと同じ方法で電気的に結合または相互接続され得る。データ通信の観点から、分散型充電面のコンポーネントは、複数のモジュール式充電デバイスを使用して実現される単一の充電面のコンポーネントと同じ方法で論理的に結合または相互接続され得る。相互接続の物理的特性および電気的特性は、相互接続の長さおよびインピーダンス、並びに、相互接続の他の物理的特性に基づいて、分散型充電面と複数のモジュール式充電デバイスを使用して実現される単一の充電面との間で異なるものであってもよい。この説明の目的のために、通信および電力分配アーキテクチャは、分散型充電面と、複数のモジュール式充電デバイスを使用して実現される単一の充電面とで同一であると考えることができる。
【0056】
一例では、複数のモジュール式充電デバイスを含むワイヤレス充電システムにおいて、充電および/またはデバイス発見手順を管理および制御するために、一次コントローラまたは主コントローラを提供することができる。いくつかの例では、モジュール式充電デバイスのうちの1つに設けられたコントローラを、主コントローラとして機能するように構成することができる。いくつかの例では、主コントローラを、充電面のエッジに取り付けることができ、あるいはモジュール式充電デバイスとは別に提供することができる。後者の例では、分離された主コントローラにより、薄い充電面を家具の物体または車両内の表面に取り付けるか、または埋め込むことが可能になる。
【0057】
モジュール式充電デバイスは、モジュール式充電デバイスによって提供されるそれぞれの充電面を介して充電動作を監視、構成および管理するために使用することができる制御回路を含むことができる。場合によっては、制御回路が処理デバイスまたはスイッチを含むことができ、それにより、第1のモジュール式充電デバイスにおける制御回路が、第2のモジュール式充電デバイスにおける充電および/またはデバイス発見を管理および制御することが可能になる。これには、第2のモジュール式充電デバイスが第1のモジュール式充電デバイスから離間しているかまたは他の方法で物理的に分離されている場合も含まれる。制御回路は、電源へのアクセスを通じて、または相互接続された充電デバイス内の複数のPCBに設けられたコイルの独立したグループへ充電電流を導くことによって、充電電流の流れを制御することができる。制御回路は、単一のシステムとして管理および操作することができる物理的に独立した充電ゾーンを規定するように構成され得る。一例では、独立した充電ゾーンを、卓上、棚、電化製品または他の適切なキャリア上に設けることができる。別の例では、独立した充電ゾーンを、自動車または他の車両または輸送形態のキャビン内など、限られた空間内の複数の場所に展開することができる。
【0058】
モジュール式充電面または物理的に分散された充電面は、様々なサイズおよび形状を有するデバイス、または異なるサイズの受信コイルを有するデバイスの同時ワイヤレス充電を最適化するように構成することができる。デバイスの同時ワイヤレス充電は、高電力消費に関連するデバイスの充電速度を損なうことなく、最大数のデバイスを同時に充電することができる場合に最適化することができる。一例では、ワイヤレス充電システムが、タブレットコンピュータと、スマートウォッチまたは携帯電話などの複数の小型デバイスとを充電することが期待され得る。タブレットコンピュータの最適な充電は、大きな伝送コイルの使用を必要とする場合があり、一方、小さな伝送コイルは、充電面の領域内により多くの充電セルを提供することによって、物理的に小さなデバイスまたは低電力消費に関連するデバイスの積み重ねを容易にする場合がある。
【0059】
本開示の一態様では、モジュール式充電面または物理的に分散された充電面の混合物を、異なる充電セルサイズを有する異なる充電ゾーンを提供するために接続または結合することができる。本開示の別の態様では、特定のモジュール式充電面または物理的に分散された充電面が、異なる充電セルサイズを有する異なる充電ゾーンを含むことができる。本開示の別の態様では、スタンドアロンの充電面が、異なる充電セルサイズを有する異なる充電ゾーンを含むことができる。
【0060】
図16は、異なるサイズの充電セルを有する2つの充電ゾーン1602、1604を含むモジュール式充電面または物理的に分散された充電面1600の一例を示している。第1の充電ゾーン1602は、高電力ワイヤレス伝送に適したより大きな充電セルを含む。一例では、第1の充電ゾーン1602のマルチコイル伝送セルが、最大30Wの電力を伝送するように構成されている。第2の充電ゾーン1604は、低電力ワイヤレス伝送に適したより小さい充電セルを含む。一例では、第2の充電ゾーン1604の伝送セルが、5~10Wで電力をワイヤレス伝送するように構成されている。
【0061】
図17は、本開示の特定の態様に従って提供される複数の充電デバイス1702、1704、1706を含む充電システム1700の一例を示している。一例では、充電デバイス1702、1704、1706が、物理的に接合または相互接続されて、
図9~
図11に示すモジュール式充電面などの単一のスケーラブルなモジュール式充電面を提供することができる。いくつかの例では、分散型充電面を提供するために、充電デバイス1702、1704、1706のうちの1または複数を、少なくとも1の他の充電デバイス1702、1704、1706から離れた位置に配置することができる。充電システム1700は、充電デバイス1702、1704、1706と通信することができる1または複数のコントローラを含むことができる。一例では、一次コントローラが、データ通信リンクを介して二次コントローラに制御メッセージを伝達することができる。いくつかの例では、一次コントローラが、充電デバイス1702、1704、1706における充電または検出動作を制御するために使用される制御信号を提供することができる。いくつかの例では、一次コントローラが、充電デバイス1702、1704、1706における電力フローを制御することができる。いくつかの例では、一次コントローラが、充電デバイス1702、1704、1706上の充電コイルの1または複数のグループに充電電流を供給することができる。
【0062】
各充電デバイス1702、1704、1706は、1または複数の電力伝送領域を包含する1または複数の充電セルを含むことができる。各電力伝送領域は、実質的に平面であり、その関連する充電デバイス1702、1704、1706のその充電面に実質的に垂直な軸を中心とする。いくつかの例では、充電デバイス1702、1704、1706の各々が、コントローラおよび電力管理回路を含むスタンドアロンのワイヤレス充電器として動作することができる。スタンドアロンのワイヤレス充電器は、充電式デバイスを検出し、充電構成を生成し、充電構成によって特定される1または複数の充電セルに充電電流を提供するように構成され得る。
【0063】
いくつかの例では、特定の充電デバイス1704、1706が、機能の制限された二次デバイスとして動作する。一例では、機能の制限された充電デバイス1704、1706は、専用コネクタを介して充電電流を受け取り、充電電流は、固定された電気経路を介して、または一次充電デバイス1704若しくは他の集中または分散コントローラによって制御され得るスイッチを介して、1または複数の充電セルに導かれる。別の例では、機能の制限された充電デバイス1704、1706が、充電電流を受け取る充電セルを選択して、選択した充電セルに充電電流を提供することができるコントローラを備えることができる。後者の例では、いくつかの機能の制限された充電デバイス1704、1706が、システム内の1または複数の他の充電デバイス1702、1704、1706とメッセージを交換するか、または充電式デバイスとメッセージを交換するように構成され得る。場合によっては、機能の制限された充電デバイス1704、1706が、充電式デバイスの探索を行うことができ、あるいは一次充電デバイス1704または他の集中または分散コントローラによって制御される充電式デバイスの探索に参加するように構成され得る。
【0064】
充電システム1700は、相互接続された充電デバイス1702、1704、1706から構築されている。充電デバイス1702、1704、1706は、同じまたは異なるサイズまたは形状を有することができる。充電デバイス1702、1704、1706は、電力伝送コイルの数または構成が同じであっても異なっていてもよい。図示の例では、充電デバイス1702、1704、1706が、同様のサイズ、形状および伝送コイル構成を有するが、他の実施態様では、充電デバイス1702、1704、1706が、同じまたは異なる構成を有する。充電デバイス1702、1704、1706は、
図8~
図15に示す充電デバイスに対応することができ、または
図8~
図15の充電デバイスで例示された充電面と同様の構成を提供することができる。
【0065】
特定の例では、充電デバイス1702、1704、1706の各々が、1または複数のコネクタ1712a、1712b、1712c、1714a、1714b、1714c、1716a 1716b、1716cを含み、それらが、充電デバイス1702、1704、1706をマルチドロップシリアルバス1710に結合するか、またはデイジーチェーン接続1708、1718をサポートすることができる。一例では、マルチドロップシリアルバス1710が、充電デバイス1702、1704、1706がコマンドおよび制御メッセージを交換することを可能にするシリアルバスとして構成されている。一例では、シリアルバスが、改良された集積回路間(I3C)プロトコル、コントローラエリアネットワーク(CAN)バスプロトコル、ローカル相互接続ネットワーク(LIN)バスプロトコルなどに従って動作する。場合によっては、充電デバイス1702、1704、1706が、ワイヤレスで通信することができる。いくつかの態様では、充電デバイス1702、1704、1706の間で充電電流を分配するために、デイジーチェーン接続1708、1718が使用される。また、デイジーチェーン接続1708、1718は、コマンドおよび制御メッセージを交換するために使用することもできる。
【0066】
一例では、充電デバイス1702、1704、1706のうちの1または複数が一次デバイスとして機能することができ、二次デバイスとして動作する1または複数の充電デバイス1702、1704、1706の動作を管理するように構成された処理回路を含むことができる。図示の例では、2つの充電デバイス1704、1706が二次デバイスとして動作することができ、一次充電デバイス1702からコマンドを受信して、一次充電デバイス1702にフィードバック情報を報告するために、マルチドロップシリアルバス1710を介して通信するよう構成された処理回路を含むことができる。二次充電デバイス1702、1704、1706は、一次充電デバイス1702の動作によって充電電流が電流源によって提供される場合、デイジーチェーン接続1708、1718を介して提供される充電電流の流れを提供するドライバ回路を含むか、または制御することができる。
【0067】
二次充電デバイス1704、1706は、一次充電デバイス1702と協働して、充電システム1700に提供される充電デバイス1702、1704、1706の組合せを発見、列挙および構成することができる。一例では、二次充電デバイス1704、1706が、一次充電デバイス1702に対して自身を識別するために、かつ/または固有のアドレスを取得するために、シリアルバスアービトレーションプロセスに参加する。別の例では、二次充電デバイス1704、1706には、一次充電デバイス1702がマルチドロップシリアルバス1710を介して各二次充電デバイス1704、1706をアドレス指定するために使用することができる少なくとも二次アドレスが予め設定されている。一次充電デバイス1702は、マルチドロップシリアルバス1710を使用して、二次充電デバイス1704、1706を構成し、二次充電デバイス1704、1706に能力、充電セルサイズ、数、構成およびステータス情報について問い合わせることができる。一次充電デバイス1702は、マルチドロップシリアルバス1710を使用して、1または複数の充電動作のために二次充電デバイス1704、1706を構成することができる。
【0068】
いくつかの態様では、充電デバイス1702、1704、1706の各々が、充電電流を提供および構成するために使用できる電源に独立して接続することができる。一例では、充電デバイス1702、1704、1706が、ワイヤレス充電に適した周波数を有する交流(AC)を生成するように構成可能なインバータまたはスイッチング電源を含むことができる。いくつかの態様では、充電デバイス1702、1704、1706の各々が、他のデバイスまたはシステムによって使用される(例えば、自動車内の)多目的通信バスに結合することができる。後者の態様では、一次充電デバイス1702が、バス上の制御エンティティであってもよい。
【0069】
図18は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供される充電システムにおける複合制御回路1800の第1の例を示している。各PCB1810
1~1812
Nは、それぞれのPCB1810
1~1812
Nの動作を管理するために主コントローラ1802によって構成および制御される処理回路1812
1~1812
Nを含む。一例では、各処理回路1812
1~1812
Nが、コマンドを受信して、フィードバック情報を主コントローラ1802に報告するために、シリアルバス1806を介して通信するように構成された二次回路1814
1~1814
Nを含む。二次回路1814
1-1814
Nは、電流源によってインターリンク1808を介して提供される充電電流の流れを制御するドライバ回路1816
1-1816
Nを制御することができる。
【0070】
二次回路18141~1814Nは、主コントローラ1802と協働して、モジュール式充電面に設けられたPCB18101~1812Nの組合せを発見、列挙および構成することができる。一例では、二次回路18141~1814Nが、主コントローラ1802に対して自身を識別するため、かつ/または一意のアドレスを取得するために、アービトレーションプロセスに参加する。別の例では、二次回路18141~1814Nには、主コントローラ1802がシリアルバス1806を介して各二次回路18141~1814Nをアドレス指定するために使用することができる少なくとも二次アドレスが予め設定されている。主コントローラ1802は、シリアルバス1806を使用して、二次回路18141~1814Nを構成し、二次回路18141~1814Nに能力およびステータス情報を問い合わせ、一または複数の充電動作のために二次回路18141~1814Nを構成することができる。
【0071】
図19は、本明細書に開示の特定の態様に従って提供される充電システムにおいて提供され得る複合制御回路1900の第2の例を示している。各PCB1910
1~1912
Nは、それぞれのPCB1910
1~1912
Nの動作を管理するために主コントローラ1902によって構成および制御される処理回路1912
1~1912
Nを含む。一例では、各処理回路1912
1~1912
Nが、コマンドを受信して、フィードバック情報を主コントローラ1902に報告するために、シリアルバス1906を介して通信するように構成された二次回路1914
1~1914
Nを含む。二次回路1914
1~1914
Nは、電流源によってインターリンク1908を介して提供される充電電流の流れを制御するドライバ回路1916
1~1916
Nを制御することができる。
【0072】
二次回路19141~1914Nは、主コントローラ1902と協働して、モジュール式充電面に設けられたPCB19101~1912Nの組合せを発見、列挙および設定することができる。図示の例では、二次回路19141~1914Nがデイジーチェーン方式で接続され、それにより主コントローラ1902が第1の二次回路19141と接続してこの第1の二次回路を構成し、この第1の二次回路が、シリアルバス1906を介して第2の二次回路19142を主コントローラ1902に結合させる。主コントローラ1902は、第2の二次回路19142を構成し、このプロセスが、最後の二次回路1914Nが構成されるまで続けられる。別の実施例では、二次回路19141~1914Nには、主コントローラ1902がシリアルバス1906を介して各二次回路19141~1914Nをアドレス指定するために使用できる少なくとも二次アドレスが予め設定されている。
【0073】
図20は、本開示の特定の態様に係る、家具に1または複数の充電面を提供するためのモジュール式充電デバイスの使用を示している。家具は、説明を明確かつ容易にするために選択されている。モジュール式充電デバイスは、アームチェアの肘掛け、自動車の肘掛け、部屋の窓台、自動車のコンソール、飛行機のトレイテーブルなどを含む他のアイテムに提供され得る。第1のテーブル2000は、大きな充電面2002を提供するために配置および構成された多数の充電モジュールから組み立てられた大きな充電面2002を備える。第2のテーブル2020は、異なるサイズまたは形状を有することができる複数の充電面2022a~2022eを備える。充電面2022a~2022eの各々は、
図8~
図17に示す例に従って構築された1または複数の充電モジュールを使用して実現され得る。いくつかの例では、充電モジュールのうちの少なくとも1つが、全体のサイズまたは形状によって、または含まれる充電コイルの数、サイズまたは構成によって、他の充電モジュールと異なるものであってもよい。
【0074】
図21は、充電システムを動作させるための方法の一例を示すフローチャート2100である。本方法は、主または一次コントローラ1504a、1504b、1526、1546、1802または1902内のプロセッサによって実行され得る。ブロック2102では、プロセッサが、第1の充電デバイスの表面上にパターンで配置された第1の複数の伝送コイルを識別し、それにより第1の充電面を規定することができる。ブロック2104では、プロセッサが、第2の充電デバイスの表面上にパターンで配置された第2の複数の伝送コイルを識別し、第2の複数の伝送コイルが第2の充電面を規定することができる。ブロック2106では、プロセッサが、通信バスを介して第1の充電デバイスと第2の充電デバイスとの間の通信を確立することができる。ブロック2108では、プロセッサが、第1の充電面および第2の充電面に充電電流を供給することができる。ブロック2110では、プロセッサが、充電電流を受信する1または複数の伝送コイルを選択することができる。1または複数の伝送コイルの各々は、第1の複数の伝送コイルまたは第2の複数の伝送コイルに提供され得る。いくつかの例では、第1の充電デバイスおよび第2の充電デバイスが物理的に分離されている。
【0075】
特定の態様では、プロセッサが、第1の充電デバイスから第2の充電デバイスへコマンドを送信するように構成されている。コマンドは、コントローラに、充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルに充電電流を流させるように構成されるものであってもよい。プロセッサは、第1の充電デバイスで第2の充電デバイスから構成情報を受信することができる。プロセッサは、第2の充電デバイスからステータスを受信するようにしてもよい。
【0076】
いくつかの例では、プロセッサが、通信バスを介して、第3の充電デバイスに設けられたコントローラとの通信を確立することができる。プロセッサは、受信デバイスのための充電構成を構成することができ、その充電構成に基づいて充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルを識別することができる。いくつかの例では、プロセッサが、第1の充電デバイスから第2の充電デバイスにコマンドを送信することができる。コマンドは、第2の充電デバイスに、充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルに充電電流を流させるように構成されるものであってもよい。
【0077】
処理回路の例
図22は、バッテリをワイヤレスで充電することを可能にする充電デバイスまたは受信デバイスに組み込むことができる装置2200のハードウェア実装の一例を示す図である。いくつかの例では、装置2200が、本明細書に開示の1または複数の機能を実行することができる。本開示の様々な態様によれば、本明細書に開示の要素、要素の任意の部分、または要素の任意の組合せは、処理回路2202を用いて実現することができる。処理回路2202は、ハードウェアモジュールおよびソフトウェアモジュールのある組合せによって制御される1または複数のプロセッサ2204を含むことができる。プロセッサ2204の例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、SoC、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、シーケンサ、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。1または複数のプロセッサ2204は、特定の機能を実行する専用のプロセッサを含むことができ、ソフトウェアモジュール2216の1つによって構成、増強または制御することができる。1または複数のプロセッサ2204は、初期化中にロードされたソフトウェアモジュール2216の組合せを通じて構成されるものであってもよく、動作中に1または複数のソフトウェアモジュール2216をロードまたはアンロードすることによってさらに構成されるものであってもよい。
【0078】
図示の例では、処理回路2202が、全体としてバス2210で示されるバスアーキテクチャで実現することができる。バス2210は、処理回路2202の具体的なアプリケーションおよび全体的な設計上の制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含むことができる。バス2210は、1または複数のプロセッサ2204およびストレージ2206を含む様々な回路をリンクする。ストレージ2206は、メモリデバイスおよび大容量ストレージデバイスを含むことができ、本明細書では、コンピュータ可読媒体および/またはプロセッサ可読媒体とも呼ばれる。ストレージ2206は、一時的な記憶媒体および/または非一時的な記憶媒体を含むことができる。
【0079】
バス2210は、タイミングソース、タイマ、周辺機器、電圧レギュレータおよび電源管理回路などの様々な他の回路もリンクすることができる。バスインターフェース2208は、バス2210と1または複数のトランシーバ2212との間のインターフェースを提供することができる。一例では、標準規定プロトコルに従って、装置2200が充電デバイスまたは受信デバイスと通信できるようにするために、トランシーバ2212を設けることができる。また、装置2200の性質に応じて、ユーザインタフェース2218(例えば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、ジョイスティック)も提供することができ、バス2210に直接またはバスインタフェース2208を介して通信可能に結合することができる。
【0080】
プロセッサ2204は、バス2210の管理と、ストレージ2206を含むコンピュータ可読媒体に格納されたソフトウェアの実行を含む全体的な処理とを担うことができる。この点において、プロセッサ2204を含む処理回路2202は、本明細書に開示の方法、機能および技術のいずれかを実現するために使用することができる。ストレージ2206は、ソフトウェアの実行時にプロセッサ2204によって操作されるデータを格納するために使用することができ、ソフトウェアは、本明細書に開示の方法のいずれか一つを実行するように構成することができる。
【0081】
処理回路2202の1または複数のプロセッサ2204は、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数、アルゴリズムなどを意味するものとして、広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、コンピュータ可読形式でストレージ2206に存在するようにしても、外部のコンピュータ可読媒体に存在するようにしてもよい。外部のコンピュータ可読媒体および/またはストレージ2206は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含むことができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、例えば、磁気ストレージデバイス(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、「フラッシュドライブ」、カード、スティック、キードライブ)、RAM、ROM、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、EEPROMを含む消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を格納するための他の任意の適切な媒体を含むことができる。また、コンピュータ可読媒体および/またはストレージ2206は、例えば、搬送波、伝送ライン、およびコンピュータがアクセスして読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を送信するための他の任意の適切な媒体も含むことができる。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ2206は、処理回路2202に存在していても、プロセッサ2204に存在していても、処理回路2202の外部にあっても、処理回路2202を含む複数のエンティティに分散していてもよい。コンピュータ可読媒体および/またはストレージ2206は、コンピュータプログラム製品に具現化されるものであってもよい。一例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージ材料内のコンピュータ可読媒体を含むことができる。当業者は、具体的なアプリケーションおよびシステム全体に課せられた全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体にわたって提示された記載の機能を実現するための最良の方法を認識するであろう。
【0082】
ストレージ2206は、ロード可能なコードセグメント、モジュール、アプリケーション、プログラムなどに維持および/または編成されたソフトウェアを維持することができ、それらは、本明細書においてソフトウェアモジュール2216と呼ばれることがある。ソフトウェアモジュール2216の各々は、処理回路2202にインストールまたはロードされて、1または複数のプロセッサ2204によって実行されると、1または複数のプロセッサ2204の動作を制御するランタイムイメージ2214に寄与する命令およびデータを含むことができる。特定の命令は、実行されると、処理回路2202に、本明細書に記載の特定の方法、アルゴリズムおよびプロセスに従って機能を実行させることができる。
【0083】
ソフトウェアモジュール2216のいくつかは、処理回路2202の初期化中にロードされるものであってもよく、それらのソフトウェアモジュール2216は、本明細書に開示の様々な機能の実行を可能にするように処理回路2202を構成することができる。例えば、いくつかのソフトウェアモジュール2216は、プロセッサ2204の内部デバイスおよび/または論理回路2222を構成することができ、トランシーバ2212、バスインターフェース2208、ユーザインターフェース2218、タイマ、数値演算コプロセッサなどの外部デバイスへのアクセスを管理することができる。ソフトウェアモジュール2216は、割り込みハンドラおよびデバイスドライバと相互作用し、処理回路2202が提供する様々なリソースへのアクセスを制御する制御プログラムおよび/またはオペレーティングシステムを含むことができる。リソースは、メモリ、処理時間、トランシーバ2212へのアクセス、ユーザインタフェース2218などを含むことができる。
【0084】
処理回路2202の1または複数のプロセッサ2204は、多機能であり、それにより、ソフトウェアモジュール2216のいくつかがロードされ、異なる機能または同じ機能の異なるインスタンスを実行するように構成される。さらに、1または複数のプロセッサ2204は、例えば、ユーザインタフェース2218、トランシーバ2212およびデバイスドライバからの入力に応答して開始されるバックグラウンドタスクを管理するように適合されるようにしてもよい。複数の機能の実行をサポートするために、1または複数のプロセッサ2204は、マルチタスク環境を提供するように構成されるようにしてもよく、それにより、複数の機能の各々が、必要に応じて1または複数のプロセッサ2204によって提供されるタスクのセットとして実現される。一例では、マルチタスク環境は、異なるタスク間でプロセッサ2204の制御を引き渡すタイムシェアリングプログラム2220を使用して実現されるものであってもよく、それにより、各タスクは、未処理の動作の完了時にかつ/または割り込みなどの入力に応答して、1または複数のプロセッサ2204の制御をタイムシェアリングプログラム2220に戻す。タスクが1または複数のプロセッサ2204の制御を有する場合、処理回路は、制御タスクに関連する機能によって対処される目的のために効果的に特化される。タイムシェアリングプログラム2220は、オペレーティングシステム、ラウンドロビンベースで制御を転送するメインループ、機能の優先順位に従って1または複数のプロセッサ2204の制御を割り当てる機能、および/または、1または複数のプロセッサ2204の制御を処理機能に提供することによって外部イベントに応答する割込み作動メインループを含むことができる。
【0085】
いくつかの例では、装置2200が、充電回路に結合されたバッテリ充電電源と、複数の充電セルと、1または複数のプロセッサ2204とを有するワイヤレス充電システムを含むか、またはワイヤレス充電システムとして動作する。複数の充電セルは、モジュール式充電面を提供するように構成することができる。少なくとも1のコイルは、各充電セルの電荷伝送領域を通して電磁場を向けるように構成することができる。モジュール式充電面は、第1のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第1の複数の伝送コイルであって、第1の充電面を規定する第1の複数の伝送コイルと、第2のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第2の複数の伝送コイルであって、第2の充電面を規定する第2の複数の伝送コイルとを使用して構成することができる。留め具は、モジュールパターンが第1の充電面から第2の充電面へと続くように、第1のプリント回路基板を第2のプリント回路基板と位置合わせして固定するように構成することができる。電気的相互接続部は、第1の充電面から第2の充電面に充電電流を伝導するように構成することができる。1または複数のプロセッサ2204は、充電電流を受信する1または複数の伝送コイルを選択するように構成することができる。1または複数の伝送コイルの各々は、第1の複数の伝送コイルまたは第2の複数の伝送コイルに提供され得る。
【0086】
一例では、第1のプリント回路基板上のモジュールパターンのエッジが第2のプリント回路基板上のモジュールパターンのエッジと平面的に整列している場合、第1のプリント回路基板は第2のプリント回路基板と位置合わせされる。第1の複数の伝送コイルが第1のプリント回路基板の上面に設けられ、第2の複数の伝送コイルが第2のプリント回路基板の下面に設けられるように、第1のプリント回路基板および第2のプリント回路基板を向けることができる。
【0087】
特定の態様では、第1のプリント回路基板がコントローラを備え、このコントローラが、プロセッサからコマンドを受信し、このコマンドに応答して、プロセッサによって充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルに充電電流を導くように構成されている。コントローラは、1または複数のプロセッサ2204にステータスまたは構成情報を報告するように構成することができる。コントローラは、第2のプリント回路基板上に設けられた対応するコントローラとの通信を確立するように構成することができる。1または複数のプロセッサ2204は、受信デバイスのための充電構成を構成し、その充電構成に基づいて充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルを識別するように適合され得る。留め具は、ネジであってもよいし、接着を伴うものであってもよい。
【0088】
いくつかの態様では、ストレージ2206が命令および情報を保持し、命令が、1または複数のプロセッサ2204に、第1のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第1の複数の伝送コイルであって、第1の充電面を規定する第1の複数の伝送コイルを識別するステップと、第2のプリント回路基板上にモジュールパターンで配置された第2の複数の伝送コイルであって、第2の充電面を規定する第2の複数の伝送コイルを識別するステップと、第1のプリント回路基板と第2のプリント回路基板との位置合わせを決定するステップと、第1の充電面および第2の充電面に充電電流を提供するステップと、充電電流を受信する1または複数の伝送コイルを選択するステップとを実行させるように構成されている。1または複数の伝送コイルの各々は、第1の複数の伝送コイルまたは第2の複数の伝送コイルに設けられるものであってもよい。
【0089】
一例では、第1のプリント回路基板上のモジュールパターンのエッジが、第2のプリント回路基板上のモジュールパターンのエッジと平面的に整列している。第1の複数の伝送コイルが第1のプリント回路基板の上面に設けられ、第2の複数の伝送コイルが第2のプリント回路基板の下面に設けられるように、第1のプリント回路基板および第2のプリント回路基板を向けることができる。
【0090】
特定の態様では、命令が、1または複数のプロセッサ2204に、第1のプリント回路基板に設けられたコントローラにコマンドを送信させるように構成されている。コマンドは、コントローラに、プロセッサによって充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルに充電電流を流させるように構成されるものであってもよい。命令は、1または複数のプロセッサ2204に、コントローラからステータス情報または構成情報を受信させるように構成されるものであってもよい。命令は、1または複数のプロセッサ2204に、コントローラからステータスを受信させるように構成されるものであってもよい。命令は、1または複数のプロセッサ2204に、第1のプリント回路基板および第2のプリント回路基板に設けられたコントローラとの通信を確立させるように構成されるものであってもよい。命令は、1または複数のプロセッサ2204に、受信デバイスのための充電構成を構成させ、その充電構成に基づいて充電電流を受信するように選択された1または複数の伝送コイルを識別させるように構成されるものであってもよい。
【0091】
上述した説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施できるようにするために提供されたものである。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には明らかであり、本明細書で規定される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。このため、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲が認められるものであり、単数形の要素への言及は、特に明記がなければ、「唯一の」を意味するものではなく、「1または複数」を意味するものとする。特に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1または複数を指している。当業者に知られている、または後に当業者に知られるようになる、本開示を通して説明される様々な態様の要素に対するすべての構造的および機能的均等物は、引用により本明細書に明示的に援用されるとともに、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。請求項の要素が「のための手段(means for)」という文言を使用して明示的に記載されていない限り、また、方法の請求項の場合には、「のためのステップ(step for)」という文言を使用して記載されていない限りは、何れの請求項の要素も、米国特許法第1の12条第6項の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【国際調査報告】