(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-29
(54)【発明の名称】衝撃吸収要素、システム、および使用方法
(51)【国際特許分類】
F16F 9/10 20060101AFI20230322BHJP
A41D 13/018 20060101ALI20230322BHJP
A42B 3/12 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
F16F9/10
A41D13/018
A42B3/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548146
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(85)【翻訳文提出日】2022-10-04
(86)【国際出願番号】 US2021017151
(87)【国際公開番号】W WO2021159119
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522314005
【氏名又は名称】ウィークス,ブルース,ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ウィークス,ブルース,ブイ.
【テーマコード(参考)】
3B011
3B107
3J069
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC04
3B107DA01
3J069AA38
3J069EE80
(57)【要約】
衝撃吸収体が提供され、使用中、被保護物と衝撃を受ける物体との間に配置されるように構成されて、外力の衝撃による、衝撃を受ける物体の実質的な損傷を防ぐ。衝撃吸収体は、外部吸収要素、および外部吸収要素内に配置された内部吸収要素を含む。外部吸収要素は、一次チャンバを囲む外壁を含み、一次チャンバは、第1の圧力下で第1の流体を密封して含有するように構成され、外壁は、衝撃を受ける側面および被保護側面を含み、被保護側面は、使用中、被保護物に向けられるように構成され、衝撃を受ける側面は、使用中、衝撃を受ける物体に向けられるように構成される。第1の内部吸収要素は、第1のチャンバを囲む第1の壁を含み、第1の内部吸収要素は、第1のチャンバが第1の流体によって取り囲まれている状態で一次チャンバ内に配置され、第1のチャンバは、第2の圧力下で第2の流体を密封して含有するように構成され、第2の圧力は、第1の圧力と等しいかまたは異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用中、被保護物と衝撃を受ける物体との間に配置されるように構成された衝撃吸収体であって、前記衝撃を受ける物体は、外部の物体による衝撃を受けるように構成され、前記衝撃吸収体は、
一次チャンバを囲む外壁を備える外部吸収要素であって、前記一次チャンバは、第1の圧力下で第1の流体を密封して含有するように構成され、前記外壁は、衝撃を受ける側面および被保護側面を備え、前記被保護側面は、使用中、前記被保護物に向けられるように構成され、前記衝撃を受ける側面は、使用中、前記衝撃を受ける物体に向けられるように構成される、外部吸収要素と、
第1のチャンバを囲む第1の壁を備える第1の内部吸収要素であって、前記第1の内部吸収要素は、前記第1のチャンバが前記第1の流体によって取り囲まれている状態で前記一次チャンバ内に配置され、前記第1のチャンバは、第2の圧力下で第2の流体を密封して含有するように構成される、第1の内部吸収要素と
を備える、衝撃吸収体。
【請求項2】
前記外部吸収要素は、前記外部吸収要素と流体源との間の流体連通を選択的に調節するように構成された第1の制御弁をさらに備える、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項3】
前記第1の制御弁は、第1の逆止弁と直列な第1の開閉弁を備え、前記第1の開閉弁は、前記外部吸収要素と前記第1の逆止弁との間に配置され、前記外部吸収要素と前記第1の逆止弁との間の流体の流れを選択的に可能とするように構成される、
請求項2に記載の衝撃吸収体。
【請求項4】
膨張手順中、
前記第1の開閉弁は、前記第1の逆止弁を前記外部吸収要素と流体連通させるように開いており、前記第1の逆止弁は、前記第1の流体が前記第1の圧力に加圧されるまで、前記外部吸収要素内への流体の流れを可能とするように較正され、その後、前記第1の逆止弁は閉じ、
前記第2の開閉弁は、前記第2の逆止弁を前記第1の内部吸収要素と流体連通させるように開いており、前記第2の逆止弁は、前記第2の流体が前記第2の圧力に加圧されるまで、前記第1の内部吸収要素内への流体の流れを可能とするように較正され、その後、前記第2の逆止弁は閉じる、
請求項3に記載の衝撃吸収体。
【請求項5】
前記第1の逆止弁は、膨張手順中、前記外部吸収要素内への流体の流れを可能とし、
前記第2の逆止弁は、前記膨張手順中、前記第1の内部吸収要素内への流体の流れを可能とする、
請求項3に記載の衝撃吸収体。
【請求項6】
前記第1の逆止弁および前記第2の逆止弁の各々は、
そこを通る通路が形成された弁体であって、前記通路が、流体入口および流体出口、前記通路の拡張部内に形成されたチャンバ、前記流体入口に最も近い前記チャンバ内に形成された弁座、ならびに前記弁座の反対側の前記チャンバ内に形成されたリミッタを備える、弁体、
前記通路の拡張部内に形成された前記チャンバ内に配置された弁要素であって、前記弁要素は、前記チャンバ内で移動可能であり、前記弁座と前記リミッタとの間に捕捉される、弁要素、ならびに
前記弁要素および前記弁体を接続するばね
を備える、請求項5に記載の衝撃吸収体。
【請求項7】
前記第1の逆止弁の動作中、
前記第1の開閉弁が開き、前記外部吸収要素を前記第1の圧力で膨張させる時、前記弁要素は、前記通路を閉じるように前記弁座を圧迫し、
前記第1の開閉弁が開き、前記外部吸収要素を膨張させている最中であるが、前記第1の圧力にない時、前記弁要素は、前記弁座と前記リミッタとの間に配置されて、前記通路を通る流体の流れを可能とする、
請求項6に記載の衝撃吸収体。
【請求項8】
前記第1の開閉弁が閉じている時、前記弁要素は、前記弁座と前記リミッタとの間に配置される、請求項7に記載の衝撃吸収体。
【請求項9】
前記ばねは、前記外部吸収要素が前記第1の圧力に加圧されるまで、前記外部吸収要素内への流体の流れを可能とするように較正される、第1のばねである、請求項7に記載の衝撃吸収体。
【請求項10】
前記第2の逆止弁の動作中、
前記第2の開閉弁が開き、前記第1の内部吸収要素を前記第2の圧力で膨張させる時、前記弁要素は、前記通路を閉じるように前記弁座を圧迫し、
前記第2の開閉弁が開き、前記第1の内部吸収要素を膨張させている最中であるが、前記第2の圧力にない時、前記弁要素は、前記弁座と前記リミッタとの間に配置されて、前記通路を通る流体の流れを可能とする、
請求項6に記載の衝撃吸収体。
【請求項11】
前記第2の開閉弁が閉じている時、前記弁要素は、前記弁座と前記リミッタとの間に配置される、請求項10に記載の衝撃吸収体。
【請求項12】
前記ばねは、前記第1の内部吸収要素が前記第2の圧力に加圧されるまで、前記第1の内部吸収要素内への流体の流れを可能とするように較正される、第2のばねである、請求項10に記載の衝撃吸収体。
【請求項13】
前記弁要素は、ボールまたはピストンの1つである、請求項6に記載の衝撃吸収体。
【請求項14】
前記第1の逆止弁は、第1の入口および第1の出口を有する第1の通路を備え、前記第1の出口は、前記外部吸収要素と流体連通し、
前記第2の逆止弁は、第2の入口および第2の出口を有する第2の通路を備え、前記第2の出口は、前記第1の内部吸収要素と流体連通し、
流体マニホールドは、第1の通路の前記第1の入口および前記第2の通路の前記第2の入口の両方と流体連通し、前記流体マニホールドは、流体源とさらに流体連通する、
請求項5に記載の衝撃吸収体。
【請求項15】
前記流体源は、ポンプを備える、請求項14に記載の衝撃吸収体。
【請求項16】
前記ポンプは、手動ポンプおよび電動ポンプの1つである、請求項15に記載の衝撃吸収体。
【請求項17】
前記ポンプは、一体型手動ポンプおよび外部手動ポンプの1つである、請求項15に記載の衝撃吸収体。
【請求項18】
前記ポンプは、一体型電動ポンプおよび外部電動ポンプの1つである、請求項15に記載の衝撃吸収体。
【請求項19】
圧力解放弁は、前記流体マニホールドと流体連通し、前記圧力解放弁は、前記第1の逆止弁、前記第2の逆止弁、前記第1の開閉弁、および前記第2の開閉弁の2つ以上が閉じることにより、前記第1の通路および前記第2の通路の両方が閉ざされた場合に、圧力を解放するように較正される、
請求項15に記載の衝撃吸収体。
【請求項20】
前記圧力解放弁は、それを通した圧力の解放により可聴音を発する可聴圧力解放弁を備える、請求項15に記載の衝撃吸収体。
【請求項21】
第2の内部吸収要素を膨張させる時に、前記第2の内部吸収要素からの第3の流体の流れを制限し、前記膨張手順中、前記第2の内部吸収要素内への流体の流れを可能とする、第3の逆止弁をさらに備え、
前記第3の逆止弁は、第3の入口および第3の出口を有する第3の通路を備え、前記第3の出口は、前記第2の内部吸収要素と流体連通し、
前記流体マニホールドは、前記第3の通路の前記第3の入口とさらに流体連通する、
請求項14に記載の衝撃吸収体。
【請求項22】
第2のチャンバを囲む第2の壁を備える第2の内部吸収要素であって、前記第2の内部吸収要素は、前記一次チャンバ内に配置され、前記第1の流体によって少なくとも部分的に取り囲まれるように構成され、前記第2のチャンバは、第3の圧力下で第3の流体を密封して保持するように構成される、第2の内部吸収要素
をさらに備える、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項23】
前記第1の内部吸収要素は、前記衝撃を受ける側面に隣接して配置され、前記第2の内部吸収要素は、前記第1の内部吸収要素と前記被保護側面との間に配置される、請求項22に記載の衝撃吸収体。
【請求項24】
前記第1の内部吸収要素は、第1の壁厚、第1の断面壁形状、第1の曲げ弾性率、および第1の材料を備え、
前記第2の内部吸収要素は、第2の壁厚、第2の断面壁形状、第2の曲げ弾性率、および第2の材料を備える、
請求項23に記載の衝撃吸収体。
【請求項25】
前記第1の壁厚は、前記第2の壁厚より大きい、請求項24に記載の衝撃吸収体。
【請求項26】
前記第1の曲げ弾性率は、前記第2の曲げ弾性率より大きい、請求項24に記載の衝撃吸収体。
【請求項27】
前記第1の断面壁形状は、前記第2の断面壁形状と異なる、請求項24に記載の衝撃吸収体。
【請求項28】
前記第1の断面壁形状は、前記第2の断面壁形状と同じである、請求項24に記載の衝撃吸収体。
【請求項29】
前記第1の材料は、前記第2の材料と異なる、請求項24に記載の衝撃吸収体。
【請求項30】
前記第1の材料は、前記第2の材料と同じである、請求項24に記載の衝撃吸収体。
【請求項31】
前記第1の圧力は、前記第2の圧力より高い、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項32】
前記第1の圧力は、前記第2の圧力より低い、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項33】
前記第1の圧力は、前記第2の圧力および前記第3の圧力の両方より高い、請求項22に記載の衝撃吸収体。
【請求項34】
前記第1の圧力は、前記第2の圧力および前記第3の圧力の両方より低い、請求項22に記載の衝撃吸収体。
【請求項35】
前記第2の圧力は、前記第3の圧力より高い、請求項23に記載の衝撃吸収体。
【請求項36】
前記第1の圧力は、前記第2の圧力と異なり、前記第1の圧力は、大気圧と異なる、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項37】
前記第1の断面壁形状および前記第2の断面壁形状は、多角形、円、楕円、三角形、長方形、正方形、五角形、および六角形の1つ以上である、請求項21に記載の衝撃吸収体。
【請求項38】
前記外部吸収要素は、前記第1の圧力を制御するために封止される細長い外側チューブであり、前記第1の内部吸収要素は、前記第2の圧力を制御するために封止される第1の細長い内側チューブである、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項39】
前記細長い外側チューブ内の前記第1の圧力は、第1の弁によって制御され、前記第1の細長い内側チューブ内の前記第2の圧力は、第2の弁によって制御される、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項40】
前記第1の内部吸収要素の前記第1の壁は、膨張したパネルとして構成され、前記第1のチャンバは前記膨張したパネルの中に画定され、前記第1のチャンバは、細長いシームによって少なくとも部分的に分割されて、第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバを画定し、前記第1の細長いチャンバは前記第2の細長いチャンバと流体連通する、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項41】
前記第1のチャンバは、第2の細長いシームによって少なくとも部分的にさらに分割されて、第3の細長いチャンバおよび第4の細長いチャンバを画定し、前記第3の細長いチャンバは前記第4の細長いチャンバと流体連通する、請求項40に記載の衝撃吸収体。
【請求項42】
前記第1の細長いシームは、第1の方向に配置され、前記第2の細長いシームは、前記第1の方向と異なる第2の方向に配置され、前記第1の細長いチャンバおよび前記第2の細長いチャンバは、前記第3の細長いチャンバおよび前記第4の細長いチャンバと流体連通する、請求項41に記載の衝撃吸収体。
【請求項43】
前記第1の細長いチャンバおよび前記第2の細長いチャンバは、前記第3の細長いチャンバおよび前記第4の細長いチャンバと流体連通する、請求項41に記載の衝撃吸収体。
【請求項44】
前記第1の細長いシームおよび前記第2の細長いシームは、交差して、前記第1の細長いチャンバおよび前記第2の細長いチャンバの少なくとも1つが、前記第1の細長いチャンバおよび前記第2の細長いチャンバの少なくとも1つと交差するマニホールド領域を形成し、流体連通の少なくとも一部が、前記マニホールド領域を通して生じる、請求項42に記載の衝撃吸収体。
【請求項45】
前記膨張したパネルは、分岐して、第1の衝撃ゾーンおよび第2の衝撃ゾーンを形成し、前記第1の衝撃ゾーンおよび前記第2の衝撃ゾーンの各々は、共通衝撃ゾーンから別々に伸び、前記第2の流体は、前記マニホールド領域を通して、前記第1の衝撃ゾーンと前記第2の衝撃ゾーンとの間を移動することが可能である、請求項44に記載の衝撃吸収体。
【請求項46】
前記第1の衝撃ゾーンは、前記第1の細長いチャンバおよび前記第2の細長いチャンバを備え、前記第2の衝撃ゾーンは、前記第3の細長いチャンバおよび前記第4の細長いチャンバを備える、請求項45に記載の衝撃吸収体。
【請求項47】
前記膨張したパネルは、さらに分岐して、前記共通衝撃ゾーンから伸びる第3の衝撃ゾーンを形成し、前記第3の衝撃ゾーンは、第3の細長いシームによって画定される第5の細長いチャンバおよび第6の細長いチャンバを備え、前記第5の細長いチャンバおよび前記第6の細長いチャンバは、前記第1の細長いチャンバ、前記第2の細長いチャンバ、前記第3の細長いチャンバ、および前記第4の細長いチャンバの各々と流体連通する、請求項45に記載の衝撃吸収体。
【請求項48】
前記衝撃を受ける物体は、個人用保護具の物品の外殻である、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項49】
個人用保護具の前記物品は、ヘルメットである、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項50】
前記衝撃を受ける物体は、物体保護具の物品の外殻である、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項51】
前記衝撃を受ける物体は、バンパーのバンパーカバーである、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項52】
前記第1の内部吸収要素は、前記第1の内部吸収要素と前記流体源との間の流体連通を選択的に調節するように構成された第2の制御弁をさらに備える、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項53】
前記第2の弁は、第2の逆止弁と直列な第2の開閉弁を備え、前記第2の開閉弁は、前記第1の内部吸収要素と前記第2の逆止弁との間に配置され、前記第1の内部吸収要素と前記第2の逆止弁との間の流体の流れを選択的に可能とするように構成される、請求項52に記載の衝撃吸収体。
【請求項54】
前記第2の圧力は、前記第1の圧力と異なる、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【請求項55】
前記第2の圧力は、前記第1の圧力と同じである、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願の主題は、概して、被保護物に向けられる衝撃を吸収するための装置、より具体的には、衝撃を受ける物体と被保護物との間に置かれる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景として、多くの個人用保護具の物品および物体保護具の物品は、少なくとも部分的に衝撃を吸収するための硬質、可撓性、または半硬質外殻を含む。1つ以上のクッション要素が外殻と被保護物との間に置かれて、さらなる衝撃吸収および消散を提供する(クッション要素は、ウェビング、フォーム、ゲル、空気ブラダなどの形態を取り得る)。
【0003】
個人用保護具は、身体が衝突し得る場合において身体(ヒトまたは動物)に着用されるか、または物体に装着され、身体に保護を提供するように設計される。物体保護具は、車、建築物、精密機器などの無生物に保護を提供するように設計される。既存の保護具は、特定の設計に応じて様々な度合いの衝撃からの保護を提供するが、衝撃に存在する高い加速度を適切に制御および低減することができないため、多くの衝撃が、被保護物に依然として付与され得る。
【0004】
個人用保護具の多くの例の1つとして、ヘルメットが、スポーツ、サイクリング、産業、軍事、医療、消防、自動車、および頭部外傷が問題である他の活動において使用される。アメリカンフットボールでは、ヘルメットは、主に、ヘルメットの外殻に付与される直線力の一部を吸収するように設計される。いくつかのヘルメットはまた、外殻に付与される回転力の一部を吸収するように設計される。しかしながら、既存のヘルメット着用中の衝突の間に測定される着用者の頭部の角加速度(単位rad/s2)および直線加速度(単位m/s2)は、依然としてあまりにも高過ぎ、高減速度イベントによる脳振盪および繰り返される低減速度イベントによる脳損傷の蓄積をもたらし得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様は、以下に記載される例示的利点を生み出す構成および使用における特定の利益を教示する。
【0006】
本発明は、衝撃吸収体を提供することによって、上に記載された問題を解決する。少なくとも1つの実施形態では、衝撃吸収体が提供され、使用中、被保護物と衝撃を受ける物体との間に配置されるように構成され、衝撃を受ける物体は、外部の物体による衝撃を受けるように構成される。1つ以上の実施形態では、衝撃吸収体は、外部吸収要素、および外部吸収要素内に配置された第1の内部吸収要素を含む。外部吸収要素は、一次チャンバを囲む外壁を含み、一次チャンバは、第1の圧力下で第1の流体を密封して含有するように構成され、外壁は、衝撃を受ける側面および被保護側面を含み、被保護側面は、使用中、被保護物に向けられるように構成され、衝撃を受ける側面は、使用中、衝撃を受ける物体に向けられるように構成される。第1の内部吸収要素は、第1のチャンバを囲む第1の壁を含み、第1の内部吸収要素は、第1のチャンバが第1の流体によって取り囲まれている状態で一次チャンバ内に配置され、第1のチャンバは、第2の圧力下で第2の流体を密封して含有するように構成され、第2の圧力は、第1の圧力と等しいかまたは異なる。
【0007】
本発明の態様の他の特徴および利点は、本発明の態様の原理を例として示す添付の図面と併せて解釈される、以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
【0008】
添付の図面は、本発明の態様を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】少なくとも1つの実施形態に係る、例示的衝撃吸収体の概略断面図である。
【
図2】少なくとも1つの実施形態に係る、別の例示的衝撃吸収体の概略断面図である。
【
図3】少なくとも1つの実施形態に係る、さらに別の例示的衝撃吸収体の概略断面図である。
【
図4】少なくとも1つの実施形態に係る、様々な断面形状の内部吸収要素を示すさらに別の例示的衝撃吸収体の概略断面図である。
【
図5】少なくとも1つの実施形態に係る、可聴圧力解放弁付きの任意選択の膨張システムを有する例示的衝撃吸収体の概略断面図である。
【
図6】少なくとも1つの実施形態に係る、任意選択の膨張システムを有する別の例示的衝撃吸収体の概略断面図である。
【
図7A】
図6の任意選択の膨張システムの概略断面拡大図である。
【
図7B】さらに拡大した制御弁の1つを示す、
図7Bの任意選択の膨張システムの概略断面拡大図である。
【
図8A-C】(A)無負荷モード、(B)内部吸収要素と外部吸収要素との間の圧力が内部吸収要素内の圧力より高い負荷モード、(C)内部吸収要素と外部吸収要素との間の圧力が内部吸収要素内の圧力より低い負荷モードで示される、円形断面形状の内部吸収要素を示す例示的衝撃吸収体の概略断面図である。
【
図9A-C】(A)無負荷モード、(B)内部吸収要素と外部吸収要素との間の圧力が内部吸収要素内の圧力より高い負荷モード、(C)内部吸収要素と外部吸収要素との間の圧力が内部吸収要素内の圧力より低い負荷モードで示される、六角形断面形状の内部吸収要素を示す例示的衝撃吸収体の概略断面図である。
【
図10A-C】(A)無負荷モード、(B)内部吸収要素と外部吸収要素との間の圧力が内部吸収要素内の圧力より高い負荷モード、(C)内部吸収要素と外部吸収要素との間の圧力が内部吸収要素内の圧力より低い負荷モードで示される、正方形断面形状の内部吸収要素を示す例示的衝撃吸収体の概略断面図である。
【
図11A-C】(A)無負荷モード、(B)内部吸収要素と外部吸収要素との間の圧力が内部吸収要素内の圧力より高い負荷モード、(C)内部吸収要素と外部吸収要素との間の圧力が内部吸収要素内の圧力より低い負荷モードで示される、三角形断面形状の内部吸収要素を示す例示的衝撃吸収体の概略断面図である。
【
図12】重なった3つの内部吸収要素パネルのスタックを示す、例示的内部吸収要素アセンブリの上面斜視図である。
【
図13】内部吸収要素の3つのチャンバへの分割を示す、
図12の内部吸収要素の1つの上面図である。
【
図14】マニホールド領域を示す、
図12および
図13に示されるような1つの内部吸収要素パネルの拡大部分断面斜視図である。
【
図15】ヘルメットに挿入可能な状態である、特定の衝撃荷重に合わせた異なる輪郭形状の吸収チューブを有するクラウン部を含む、代替内部吸収要素アセンブリの上面斜視図である。
【
図16】わかりやすくするために外部吸収要素の一部を取り除いた、ヘルメットに挿入された
図15の内部吸収要素アセンブリの垂直断面図である。
【
図17】ヘルメットに挿入された、斜め衝突中に経験される1つの可能な変形および有効回転角を示す、
図15および
図16の内部吸収要素アセンブリの水平断面図である。
【
図18】ヘルメットに挿入可能な状態である、代替内部吸収要素の水平断面斜視図である。
【
図19】内部吸収要素の断面形状を示す、
図18の実施形態の垂直断面図である。
【
図20】ヘルメットに挿入可能な状態である、代替内部吸収要素アセンブリの上面斜視図である。
【
図21】
図20の内部吸収要素アセンブリの拡大斜視図である。
【
図22】衝撃吸収体の代替実施形態の断面斜視図である。
【
図24A-H】負荷増加下および/または経時的な大きな負荷下での圧縮の様々な段階を示す、
図22の衝撃吸収体実施形態の断面端面図である。
【
図25】少なくとも1つの実施形態に係る、別の例示的衝撃吸収体の断面斜視図である。
【
図26A-G】負荷増加下および/または経時的な大きな負荷下での圧縮の様々な段階を示す、
図25の衝撃吸収体実施形態の断面端面図である。
【
図27】衝撃吸収体の代替実施形態の断面斜視図である。
【
図31】残りの衝撃吸収体構造から分離された、
図27の任意選択の内部構造の分解斜視図である。
【
図32】さらに別の例示的内部吸収要素アセンブリの断面斜視図である。
【
図33】少なくとも1つの実施形態に係る、アセンブリに配置された3層の内部衝撃吸収体の三角形断面形状を示す、さらに別の例示的衝撃吸収体の断面斜視図である。
【
図34】少なくとも1つの実施形態に係る、アセンブリに配置された3層の内部衝撃吸収体の完全または部分六角形断面形状を示す、さらに別の例示的衝撃吸収体の断面斜視図である。
【
図35】少なくとも1つの実施形態に係る、アセンブリに配置された3層の内部衝撃吸収体の完全または部分円形断面形状を示す、さらに別の例示的衝撃吸収体の断面斜視図である。
【
図36】少なくとも1つの実施形態に係る、アセンブリに配置された3層の内部衝撃吸収体の完全または部分正方形断面形状を示す、さらに別の例示的衝撃吸収体の断面斜視図である。
【
図37】バスのベンチシートの2つの背もたれの上端に取り付けられた衝撃吸収体の代替実施形態の概略側面図である。
【
図38】自動車の様々な衝突領域に取り付けられた衝撃吸収体の代替実施形態の概略斜視図である。
【
図40】衝撃吸収体の代替実施形態の概略斜視図である。
【
図42】衝撃吸収体の代替実施形態の断面斜視図である。
【
図43】
図42の内部吸収要素アセンブリの拡大斜視図である。
【
図44】衝撃吸収体の代替実施形態の断面斜視図である。
【
図45】衝撃吸収体の代替実施形態の断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記図面は、その例示的実施形態の少なくとも1つにおける本発明の態様を示し、それらは以下の説明でさらに詳細に定義される。異なる図において同じ符号で参照される本発明の特徴、要素、および態様は、1つ以上の実施形態に係る同じ、同等、または同様の特徴、要素、または態様を表す。
【0011】
まず
図1~4を見ると、本発明の4つの実施形態が断面で概略的に示されて、本衝撃吸収体50の1つ以上の実施形態の基本構成を各々示す。
図1は、衝撃を受ける物体IOと被保護物POとの間に配置された衝撃吸収体50の第1の実施形態を示す。少なくともいくつかの実施形態では、被保護物POおよび衝撃を受ける物体IOは、以下でより詳細に論じられる特定の用途に応じて、本衝撃吸収体50と分離しているか、選択的に一体化しているか、または結合していてもよい。ここでは、被保護物POは、衝撃吸収体50に向けられた被保護表面76を含む。衝撃を受ける物体IOは、衝撃吸収体50から離れる方向に向けられた外面62、および衝撃吸収体50に向けられた内面64を含む。1つ以上の例示的実施形態では、被保護物POは人の頭部であり、衝撃を受ける物体IOはヘルメットの外殻である。衝撃を受ける物体IOは、落下建築物、別のヘルメット、車両、硬い表面などを含む任意の数の物体であり得る第3の物体によりぶつけられるか、押されるか、またはその他の方法で衝撃を受ける。1つ以上の実施形態では、衝撃吸収体50は、それ自体が動作可能であり、衝撃を受ける物体IOの存在を必要としない。さらに、本明細書の例示的実施形態に示される被保護物に対する衝撃吸収体の近さ、向き、および位置は、例示的なものであり、特定の用途の要求に従って変動してよい。例えば、衝撃吸収体50は、被保護物POから離隔した位置に位置し得る(例えば、被保護物POの隣につるされる、支持構造に取り付けられるなど)。
【0012】
この例示的実施形態では、衝撃吸収体50は、外部吸収要素52、および少なくとも部分的に外部吸収要素52内に配置された内部吸収要素53を含む。ここでは、内部吸収要素53は、第2の流体58を密封して含有する第1のチャンバ72を画定する壁57を含む。この例では、内部吸収要素53の第1のチャンバ72は、外部吸収要素52内に密封して含有された第1の流体56によって完全に取り囲まれる。内部吸収要素53は、第1の流体56の中に完全に配置され、第1の流体56によって完全に取り囲まれているように示されている(例えば、内部吸収要素53は、互いへの取り付けの有無にかかわらず、外部吸収要素52と共有した共通の壁を有していない)が、少なくとも1つの実施形態では、互いに積層された材料の層(内部および外部吸収要素アセンブリを作製するシート材料の4つ以上の層)は、それらの共通の外周および/または他の領域の周りを、溶接されるかまたは(ブロー成形プロセスなどで)ともに型締めされて、2つのチャンバを作り出す。この配置では、内部吸収要素53は、1つ以上の縁部によって、外部吸収要素52の対応する縁部に接続されるが、第1のチャンバ72は、内部吸収要素53と外部吸収要素52との間(例えばそれらの間の隙間内)に画定された一次チャンバ70で保持された第1の流体56によって依然として完全に取り囲まれる。さらに、いくつかのブロー成形プロセス、真空成形、および他の一般的なプラスチック成形プロセスでは、外部吸収要素52および内部吸収要素の1つ以上が特定の領域内で共通の壁(単数または複数)を共有し得ることを可能とする。
【0013】
2つ以上内部吸収要素の間に、または1つ以上の内部吸収要素と外部吸収要素との間に1つ以上の共通の壁がある場合でも、第1の流体は、以下でさらに詳細に記載されるように、内部吸収チャンバの1つ以上のチャンバを画定する壁の十分な領域をカバーして、それらが変形するような内部吸収要素への圧力の印加を可能とする。1つ以上の実施形態では、内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の実質的に全てが、第1の流体56によって取り囲まれ、例えば、内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の少なくとも95%が、第1の流体56によって取り囲まれるか、または内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の少なくとも90%が、第1の流体56によって取り囲まれるか、または内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の少なくとも85%が、第1の流体56によって取り囲まれるか、または内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の少なくとも80%が、第1の流体56によって取り囲まれるか、または内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の少なくとも70%が、第1の流体56によって取り囲まれるか、または内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の少なくとも60%が、第1の流体56によって取り囲まれるか、または内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の少なくとも50%が、第1の流体56によって取り囲まれるか、または内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の少なくとも40%が、第1の流体56によって取り囲まれるか、または内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の少なくとも30%が、第1の流体56によって取り囲まれるか、または内部吸収要素内の流体チャンバを画定する壁の少なくとも20%が、第1の流体56によって取り囲まれる。内部吸収要素53内の流体チャンバを画定する壁の100%が第1の流体56によって取り囲まれる場合、内部吸収要素53(または内部吸収要素の1つ以上もしくは全ては、外部吸収要素52内で自由に浮動し得る(例えば、外部吸収要素52に直接取り付けられていないか、または外部吸収要素52と共通のシームを共有していないが、同様のものの材料片によって取り付けられていてよい)。
【0014】
再び
図1を参照すると、衝撃吸収体50は、外部吸収要素52内に含有された内部吸収要素53、および第1のチャンバ72を画定する内壁57の一部または全体を取り囲む第1の流体56とともに、内部吸収要素53内に含有された第2の流体58を含む。第1の流体56は、一次チャンバ70を充填し、第1の圧力(例えば、0.2~5psi、および/または0.1psi~1psiの圧力)に加圧される。第2の流体58は、第1のチャンバ72を充填し、第1の圧力(例えば、0.1~5psi、および/または0.1psi~1psiの圧力)に加圧され、第1の圧力および第2の圧力は、少なくとも1つの実施形態において異なる。例えば、第1の圧力は、第2の圧力より高いか、または低くなり得る。1つ以上の実施形態では、第1および第2の圧力は同じか、または実質的に同じ(例えば、互いの5%、もしくは10%、もしくは20%以内)である。第1の流体56および第2の流体58は、1つ以上の実施形態では空気および/または同じ流体であるが、他の適切な流体または流体の組み合わせが使用されてもよい(気体、液体、ゲル、グリコールなど、または1つ以上の組み合わせ)。1つ以上の実施形態では、第1の流体56および第2の流体58は、異なる流体であり得る。特定の用途では比較的低い圧力が使用され得る(例えば、100psi未満、または50psi未満、または10psi未満、または5psi未満、または1psi未満)が、産業用途、自動車用途、または高い衝撃力が想定される他の用途では、流体の1つ以上の圧力は、100psi超、または500psi超、または1,000psi超、または1,500psi超、または2,000psi超、または2,500psi超、または3,000psi超であり得る。
【0015】
内壁57および外壁59(一次チャンバ70の外側境界を画定する壁)の材料特性は、同様であり得るか、または異なり得る。そして
図2を見ると、内壁57、内壁61、および外壁59の材料特性は、互いと同様であり得るか、または異なり得る。例えば、内壁57および外壁59の壁厚は、異なっていてもよく、または同様もしくは実質的に同様(例えば、互いの5%、もしくは10%、もしくは20%以内)であってもよい。1つ以上の実施形態では、選択される材料は、熱可塑性物質(鎖状低密度ポリエチレン-LLDP、熱可塑性ゴム-PPE、例えばTPE、TPO、もしくはTPU、または他の適切なエラストマー材料など)であり、その柔軟性は、厚さによって変動する(材料が薄くなるほど、材料はより柔軟になる)。内壁57および外壁59の各々のための材料のタイプは、用途に応じて同じかまたは異なっていてよい。例えば、1つ以上の実施形態では、内部吸収要素53の選択される材料および/または材料の厚さは、外部吸収要素52のものと異なり得る。1つ以上の例示的実施形態では、外壁59は、(例えば、密封チャンバを作り出す能力を有する)固体シート材料、(例えば、密封されない)メッシュ材料、ストラップ材料、または第1のチャンバ72を含有する他の材料もしくは設計で作製され得る。
【0016】
なお
図1を見ると、衝撃吸収体50は、衝撃を受ける物体IOと被保護物POとの間に配置される。衝撃吸収体50の衝撃を受ける側面66は、衝撃を受ける物体IOの内面64と離隔することができるか、または接触することができる。同様に、被保護側面68は、被保護物POの被保護表面76と離隔することができるか、または接触することができる。加えて、1つ以上の実施形態では、衝撃吸収体50は、使用中、衝撃を受ける物体IOと被保護物POとの間で圧縮され、その結果、衝撃を受ける側面66および被保護側面68は、それぞれ内面64および被保護表面76と接触するか、またはさらに表面接触するか、またはより高い圧力での接触を強いられる。ヘルメット内での使用などの特定の用途では、衝撃吸収体50を、人の頭部およびヘルメットの内面64にぴったりと合わせることができる。
【0017】
力F1を表す矢印は、衝撃を受ける物体IOの外面62にぶつかる例示的な力を示し、これは、外面62に対して垂直または斜めの任意の方向からぶつかり得る。力が衝撃を受ける物体IOにぶつかる場所および外面62に対する合力の角度に応じて、力は、衝撃を受ける物体IOに直線加速度および角加速度の一方または両方を付与することができる。本衝撃吸収体50の機能は、被保護物POに入る衝撃力および結果として生じる加速度の少なくとも一部を吸収することである。
図1~4は、本衝撃吸収体50の概略楕円形断面を示すが、衝撃吸収体50は、1つ以上の実施形態では、概して細長く(例えば、図は、長い実施形態の断面スライスを表す)、その結果、被保護側面68の大部分は、被保護物POの被保護側面68と接触するかまたは接触するように置かれ得、衝撃を受ける側面66の大部分は、衝撃を受ける物体IOの内面64と接触するかまたは接触するように置かれ得る。
【0018】
力F1の衝突時、ヘルメット外殻などの衝撃を受ける物体IOは、外部の物体(例えば、別のヘルメット、野球のボール、硬い表面など)からの直接接触面積と比べて比較的広い面積にわたって力F1の応力を分散させるのに十分な材料特性(単数または複数)で構成される(例えば、多くの既存のヘルメットに存在する外殻の剛性および弾性特性の組み合わせなど)。力分散領域は、力の接触面積より1.5倍超大きく、かつ/または力の接触面積より2倍超大きく、かつ/または力の接触面積より3倍超大きく、かつ/または力の接触面積より4倍超大きく、かつ/または力の接触面積より5倍超大きく、かつ/または力の接触面積より10倍超大きくなり得る。衝撃を受ける物体IOについて測定された様々な特性としては、ロックウェル硬さ、圧縮強さ、耐衝撃性(例えば、アイゾット衝撃試験を使用して)、ヤング率、引張降伏応力、最大引張強さ、曲げ降伏強さなどが挙げられ得る。
【0019】
力F1が、衝撃を受ける物体IOの力分散領域にわたって分散されると、本衝撃吸収体50は、力分散領域の下に(および1つ以上の実施形態では力分散領域を超えて)位置する圧縮領域にわたって圧縮し始め、圧縮領域では外部吸収要素52および内部吸収要素53は変形する(しかし、各要素の変形は、材料特性、壁厚、流体圧力、ならびに要素のジオメトリおよび形状に応じて、大きさおよび種類が異なり得る)。1つの例示的実施形態では、力F1に応答して、第1の流体56および第2の流体58の一方または両方が、圧縮領域から、衝撃吸収体50内の他の場所にある非圧縮領域または拡張領域に少なくとも部分的に追い出されるため、外部吸収要素52は、圧縮領域では縮み、他の領域では拡張する。それぞれ一次チャンバ70および第1のチャンバ72を通した第1の流体56および第2の流体58の強制移動と組み合わされた、外部吸収要素52および内部吸収要素53の弾性変形は、力F1の衝撃エネルギーの少なくとも一部または大部分を吸収して、被保護物POが経験する直線加速度および角加速度を安全範囲内に低減する。
【0020】
図1の衝撃吸収体50の形状は、例えば、特定の用途に従って様々な構成に修正され得る。少なくとも1つの例示的実施形態では、衝撃吸収体50は、細長いチューブであり得、外部吸収要素52および内部吸収要素53は両方とも、(例えば、円形、卵形、扁平、または他の適切な断面形状を有する細長い)チューブ状であり、両方とも、衝撃点の下かつ衝撃点に隣接した圧縮領域から、衝撃点から離れた別の領域(単数または複数)への、第1の流体56および第2の流体58の移動を可能とするように十分に長い。チューブは、
図17に示されるような流体の水平移動に垂直であり得る。外部吸収要素52および内部吸収要素53の長さは、同じかまたは実質的に同様(例えば、同じ長さの2%以内、もしくは同じ長さの5%以内、もしくは同じ長さの10%以内)であり得るか、あるいは内部吸収要素53は、外部吸収要素52より実質的に短く作製され得るか(例えば、75%の長さ、50%の長さなど)、またはその間の任意の長さであり得る。
【0021】
次に
図2を参照すると、本衝撃吸収体50の別の例示的実施形態が概略的に示される。
図1に示されるようなただ1つの単一の内部吸収要素53の代わりに、外部吸収要素52内に配置された第2の内部吸収要素55が存在する。第2の内部吸収要素55は、第3の流体60を密封して含有する第2のチャンバ74を画定する壁61を含む。この例では、第2の内部吸収要素55の第2のチャンバ74は、外部吸収要素52内に密封して含有された第1の流体56によって完全に取り囲まれ、内部吸収要素53の隣で、内部吸収要素53と外部吸収要素52の被保護側面68との間に配置される。第2の内部吸収要素55は、内部吸収要素53と比べて同様の構成であるか、または異なる構成であってもよい。例えば、内部吸収要素53の壁57の厚さは、第2の内部吸収要素55より厚いかまたは薄くてもよく、第2の流体58は、第3の流体60と同じかまたは異なっていてもよく(例えば、異なる流体は、密度、物質の状態、圧縮性などに基づいて選択され得る)、断面形状(および他の寸法特性)は、内部吸収要素53と第2の内部吸収要素55との間で異なるかまたは同じであってもよい。第2の内部吸収要素55は、外部吸収要素52および内部吸収要素53の一方または両方と接続されるか、または分離されてもよく、内部吸収要素53は、第2の内部吸収要素55と同じかまたは異なる変形特性を有し得る。外部吸収要素52、内部吸収要素53、および第2の内部吸収要素55の各々は、異なる圧力または同じ圧力に設定され得る。
【0022】
図3および
図4は、本衝撃吸収体50のさらに別の例示的実施形態を概略的に示す。
図1および
図2の内部吸収要素53および第2の内部吸収要素55は、より小さいサブチャンバを作り出すためのチャンバ内の分割がない、単一のチャンバまたはブラダとして構成された。(例えば、ブロー成形プロセス、真空成形、および他の一般的なプラスチック成形プロセスを使用する)製造プロセス中に、(ウェブでもあり得る)1つ以上の細長いシーム82が作り出されて、チャンバを2つ以上のサブチャンバ84に分離する。これらの例では、サブチャンバ84は、(本明細書では細長いチューブとしても記載される)細長いチャンバである。1つの例示的製造プロセスでは、細長いシーム82は、ブロー成形プロセス中にピンチオフ技術を使用して作り出され得、他の細長いチャンバ84の1つ以上と流体接続されるかまたは流体的に隔離される、複数または多数の細長いチャンバ84を作り出す。
【0023】
第3の内部吸収要素78が、
図3および
図4の衝撃吸収体50の外部吸収要素52内に配置されることがわかる。第3の内部吸収要素78は、複数の細長いシーム82とともに、第4の流体81を密封して含有する第3のチャンバ80を画定する壁79を含む。この例では、第3の内部吸収要素78の第3のチャンバ80は、外部吸収要素52内に密封して含有された第1の流体56によって完全に取り囲まれ、第2の内部吸収要素55の隣で、第2の内部吸収要素55と外部吸収要素52の被保護側面68との間に配置される。第3の内部吸収要素78は、内部吸収要素53および第2の内部吸収要素55と比べて同様の構成であるか、または異なる構成であってもよい。
【0024】
この例では、内部吸収要素53の壁57が最も厚く、第2の内部吸収要素55の壁61は、内部吸収要素53より薄く、第3の内部吸収要素78の壁79は、内部吸収要素53および第2の内部吸収要素55の両方より薄い。しかしながら、1つ以上の実施形態では、壁の厚さは同じであり得る。変動する壁厚の目的の1つは、被保護物POに最も近い内部吸収要素と比べて衝突中により高いレベルの力を経験する、衝撃を受ける物体IOの内面64に最も近い内部吸収要素において、最大の耐変形性を提供することである。ここでは、第3の内部吸収要素78が、被保護物POに最も近く、外部吸収要素52の被保護側面68を通して被保護物POに圧力を印加し得る。第3の内部吸収要素78の比較的薄い壁は、穏やかで保護的な接触を(被保護側面68を通して)、快適性および安全性が重要な側面である、人の頭部などの被保護物POに提供する。より厚い壁のある内部吸収要素53および第2の内部吸収要素55は、大抵の衝撃シナリオ下でチャンバ72、74のいずれか一方または両方の完全な崩壊を避けるのに十分に厚いであろう。チャンバ72、74、80の各々の流体圧力は、異なるかまたは同じものに設定され得る。1つ以上の実施形態では、チャンバ80内の流体圧力は、チャンバ72および74において設定された流体圧力より低いであろう。流体圧力は、各内部吸収要素(および外部吸収要素52)の変形および/または抵抗性の程度の変動を可能とするように設定される。1つ以上の実施形態では、外部吸収要素52の第1の圧力はまた、外部吸収要素52および内部吸収要素53、55、78を物理的に押しつぶし始める、衝撃を受ける物体IOによって引き起こされる機械的変形に加えて、衝突の圧力下にある時に第1の流体56が均等化された圧力を内部吸収要素53、55、78の各々に印加して、内部吸収要素53、55、78の崩壊および/または変形を引き起こす第1の圧力に設定され得る。
【0025】
図3および
図4の実施形態は、積層された内部吸収要素53、55、78の格子状配置が異なることを除いて、少なくともいくつかの点で同様である。
図4では、細長いチャンバ84のチューブのいくつかが積層して、各細長いチャンバ84の中心が細長いシーム82の各々によって作り出された隅に合う六角形配置を形成する。そして
図3では、細長いチャンバ84のチューブが積層して、各細長いチャンバ84の中心が隣接チューブの中心と整列し、おおよそ接線で接する立方配置を形成する。
図3および
図4は、個々のチャンバは断面形状および壁厚が異なり得ることを示す。
図3は、チャンバの円形断面形状を示し、内部吸収要素53、55、78の各々は、異なる壁厚を有する。
図4は、円形、六角形、および楕円形(oblong)(例えば、丸みのある角、またはとがった角、または他のレンズ状形状を有する楕円形(elliptical)、卵形、先のとがった楕円形(vesica piscis)など)を示す。
【0026】
図5、6、7A~B、および39は、本衝撃吸収体50と適合する概略的に表された膨張システム87を示す。先の図は、内部吸収要素53、55、78および外部吸収要素52を膨張させる手段を示していなかった。これらのブラダの各々は、事前設定圧力まで予め充填され得るか、任意の利用可能なポンプ手段(例えば、コンプレッサ、手動ポンプ、口による膨張など)によって現場で規定圧力または調節された圧力まで充填され得るか、またはブラダを膨張させるための一体化した手段もしくは取り付け可能な手段を含み得る。上で論じられたように、内部吸収要素53、55、78および外部吸収要素52の各々を、それらのそれぞれの流体で特定の圧力に膨張させてよく、これらの圧力は、異なるかまたは同じものに設定され得る。
【0027】
1つ以上の実施形態では、本弁アセンブリ86は、単一の流体源(例えば、ポンプ、口による膨張、圧縮流体源など)を使用して各ブラダを特定の圧力まで充填するために利用され得る。まず
図5を見ると、例示的弁アセンブリ86が簡略化された形態で示される。弁アセンブリ86は、第2の逆止弁102と並列な第1の逆止弁100がその中に形成された弁体106、第1の逆止弁100および第2の逆止弁102の各々と流体連通し、流体源-この例では手動球状ポンプ110-と、直接流体連通でまたはチューブ114を通して流体連通する流体マニホールド108を含む。1つ以上の実施形態では、第1の制御弁88は、第1の逆止弁100および第1の開閉弁94を直列で含む。1つ以上の実施形態では、第2の制御弁90は、第2の逆止弁102および第2の開閉弁96を直列で含む。1つ以上の実施形態では、第1の開閉弁94および第2の開閉弁96は除外され得る。第1の開閉弁94および第2の開閉弁96(および本システムの任意の他の開閉弁)は、流体の流れを選択的に止める多くの既知の弁(例えば、ピンチ弁、シュレーダー弁、4分の1回転遮断弁、ボール弁、チューブの単純なキンク、および流体の流れを遮断する他の適切な手段)から選択されてよい。
【0028】
1つ以上の例では、弁体106は、除外されるか、または第1の逆止弁100および第2の逆止弁102をマニホールド108およびポンプ110まで保持するフレームワークもしくは他の手段の一部として最小限に含まれる。ポンプ110は、弁アセンブリ86内に一体に形成されるか、または取り外し可能であってよい(例えば、ニードル弁、空気タイヤ弁、口による膨張弁、または他の適合する膨張手段および/もしくは弁)。チューブ114は、使用していない時に衝撃吸収体50に隣接して収納されるか、または弁アセンブリ86から取り外されるように構成され得る。弁アセンブリ86は、第1の逆止弁100と第1のチャンバ72との間に配置された第1の開閉弁94および第2の開閉弁96、ならびに第2の逆止弁96と一次チャンバ70との間の第2の開閉弁96をさらに含む。入口97は、第1の逆止弁100と第1のチャンバ72との間の流体連通のための導管を提供する。入口89は、第2の逆止弁102と一次チャンバ70との間の流体連通のための導管を提供する。
【0029】
図6のシステムは、弁アセンブリ86が、2つの内部吸収要素53、55を有する衝撃吸収体50を充填するように適合されることを除いて、
図5のシステムと同様の構成である。したがって、弁アセンブリ86は、第1の制御弁88、第2の制御弁90、および第3の制御弁92を含み、全てが入口側で共通の流体マニホールド108に流体接続される。第3の制御弁92は、第3の開閉弁98と直列な第3の逆止弁104を含み、第3の開閉弁98は、第3の逆止弁104の下流かつ第2の内部吸収要素55への入口93の前にある。もちろん、制御弁の数は、4つ以上であり得、さらなる制御弁を、流体マニホールド108に沿って並列に配置することができ、かつ/または複数の弁アセンブリを併用して、複数の弁アセンブリを各々有するより複雑な衝撃吸収体を充填することができる。マニホールド108と流体連通した可聴圧力解放弁109(または通常の圧力解放弁)が設けられ得、制御弁88、90、92の全てが閉じたら過剰な流体圧力を解放するように構成される。可聴圧力解放弁109(例えば、キーキーと音を立てるリードまたは「キーキー鳴る弁」など)は、マニホールド内で所定の圧力を超えた場合に音を発するように較正(例えば選択)され、所定の圧力は、吸収要素52、53、55の事前設定流体圧力より高い。このように、吸収要素52、53、55が流体で本圧力まで充填され、それぞれの制御弁88、90、92が閉じたら、流体は、可聴圧力解放弁を通って流れることになり、ユーザに膨張させるのをやめるように警告する。
【0030】
次に
図7A~Bを参照すると、
図6の拡大図が示されて、本衝撃吸収体50と適合する本膨張システム87の動作をより明確に説明する。容易に明らかであるように、膨張システム87および衝撃吸収体50は、様々な用途において、システムとしてともに、または別々に使用され得る。膨張システム87は、衝撃吸収体50を膨張させる以外に、多種多様な用途で使用され得る。また、衝撃吸収体50を既知の膨張手段で膨張させることができ、膨張システム87は必要とされない。しかしながら、膨張システム87は独自に、衝撃吸収体50の複数のブラダを各々事前設定圧力まで急速かつ正確に膨張させることができる。各制御弁アセンブリは、単一のブラダに接続されるが、それらのブラダが同じ流体で同じ圧力で充填されることになる場合、制御弁を、複数のブラダ(吸収要素のチャンバ)に接続することができる。さらに、チャンバの1つ以上を、現場以外の工場または施設で充填することができる。例えば、内部吸収要素および外部吸収要素の1つ以上は、流体で1つ以上の選択された圧力まで任意選択で充填され、ユーザによる充填が不可能であるように、それらの製造時に封止されてよい。
【0031】
並列に配置されている制御弁88、90、92の目的は、事前設定圧力を各々有する複数のブラダの、流体(例えば、空気または他の適切な流体)での充填/膨張を可能とすることである。個々の吸収要素52、53、55が事前設定圧力に達すると、その吸収要素と関連する制御弁は、その吸収要素への流体の流れを遮断する一方で、他の高圧吸収要素が、流体源からマニホールド108を通して提供される流体で膨張を続けることを可能とする。吸収要素52、53、55の全てが、それらのそれぞれの事前設定圧力まで充填されたら、制御弁88、90、92の全ては閉じることになり、その結果、流体がマニホールド108に送達され続けても、それ以上の流体は吸収要素52、53、55に入らない。
【0032】
第1の通路116、第2の通路118、および第3の通路120が、弁体106内に形成され、各々が、流体マニホールド108と流体接続し、それぞれの開閉弁94、96、98を有することが
図7Aからわかる。膨張プロセス中、流体は、(例えば、手動ポンプ110、口を使う弁112、またはシュレーダー弁などの既知の空気タイヤ弁を使用して)流体源から導入され、マニホールド108を通って流れ、それぞれ入口164、166、168を通って第1の通路116、第2の通路118、および第3の通路120に入り、出口170、172、174を通って逆止弁100、102、104を出る。各逆止弁100、102、104は、ピン122、124、126とボール134、136、138との間に閉じ込められたばね122、124、126を含む。各ばね122、124、126(示された実施形態では圧縮コイルばね)は、異なるばね定数(または少なくとも、各ボール134、136、138の、それぞれの拡張部146内で動く能力に影響を与える異なる設定もしくは他の特性)を有し、その結果、流体圧力が、ばね力に逆らって閉鎖位置にボール134、136、138を動かすのに不十分である場合に、流体が、入口164、166、168を通って流れる。
【0033】
図7Bを見ると、第2の逆止弁102の拡大図が示され、残りの逆止弁100、104を代表する。したがって、第2の逆止弁102を説明することで、残りの逆止弁100、104は同様に説明される。第2の通路118は、弁体106内に形成され、開閉弁96を介して流体マニホールド108と吸収要素の1つのチャンバ(どれであるかは特定の配置に依存し、設計によって変動し得る)との間で流体連通する。開閉弁96は、1つ以上の実施形態では除外され得る。(周囲の構造をよりわかりやすくするために二点鎖線の中に示された)ボール136は、第2の通路118の拡張部146内で移動するように制限され、弁座140とリミッタ158(例えば、ネック部、ピン、ショルダ、またはボール136が拡張部146から脱落することを防ぐための拡張部146における類似の縮小もしくは部分的妨害)との間に閉じ込められる。1つ以上の実施形態では、リミッタ158は、弁座140に対向する第2の弁座であり得る。ばね130は、ピン124とボール136との間に捕捉され、ばねは、ボール136に接続されるか、または圧力下でボール136を圧迫するように構成される。ばね130は、(接続されているかまたは未接続の)ボール136を圧迫して、弁座140から離れるようにボール136を付勢し、したがって、逆止弁102を常時開位置に付勢する。1つ以上の実施形態では、流体バイパス152が設けられて、ボール136がリミッタ158圧迫していてもリミッタ158を越える流体の通過を可能とする。1つ以上の実施形態では、流体バイパス152は、拡張部146、リミッタ158、および入口166の片側からノッチまたは同様の空洞を切ることによって作製される。
【0034】
膨張手順中、流体は、流体源から流体マニホールド108内に流れる。なお逆止弁102を見ると(残りの逆止弁は同様だが異なる圧力設定点で動作することに留意する)、流体は、入口166を通って第2の通路118に入る。流体圧力は、(吸収要素、この場合は外部吸収要素52が膨張不十分であると仮定すると)最初は低いため、ボール136は、弁座140内に着座せず、流体は、第2の通路118を通り、開いた開閉弁96を越えて移動することが可能である。流体がマニホールド108内に圧送されると、流体圧力は上昇し、ボール136に印加される流体圧力の力がばね力より大きければ、ボール136を、ばね130のバイアスに逆らって弁座140に向かって押し進め始める。事前設定流体圧力に達すると、一次チャンバ70内の事前設定流体圧力が得られたため、ボール136は、圧力によって弁座140に対して上方に押し付けられ、通路118を通る流体の流れを止める。
【0035】
この例示的手順において、残りの通路116、120が開いたままであり(ここでは、それらの通路用の逆止弁は、逆止弁102より高い圧力に設定される)、通路118が閉じていると仮定すると、流体は、マニホールド108から送達され、通路116、120を依然として通過することができる。ユーザが、マニホールド108内に流体を圧送し続けると、2番目に弱いばね定数を有するばねは、ボールが関連する弁座に着座し、関連する弁座を封止するまで、その関連するボールによって圧縮される。ユーザが、マニホールド108内に流体をさらに圧送すると、最も高いばね定数を有するばね(すなわち、最も圧縮に耐える最も強いばね)を有する逆止弁は、その逆止弁用の事前設定圧力に達すると、強制的に閉じられる。このように、逆止弁100、102、104は、圧力が各逆止弁の圧力設定点まで上昇したら1つずつ閉じる。もちろん、1つ以上の実施形態では、同じ圧力の2つ以上の吸収要素を有することが望ましい場合がある。その場合、単一の逆止弁を、2つ以上の吸収要素を充填するのに使用することができるか、または2つの異なる逆止弁を、同じ事前設定圧力に設定する(例えば、ばねが同じばね定数を有する)ことができ、その結果、それらは同じ圧力で同時に閉じることになる。
【0036】
次に
図8~11を見ると、内部吸収要素が、多くの利用可能な断面形状のいくつかで示され、(任意の機械的または接触変形を含まない)圧力のみの印加による潜在的な崩壊シナリオを示す。
図8A~Cは、外部吸収要素177内に配置された円形内部吸収要素176を示し、円形内部吸収要素176を取り囲む一次チャンバ70内に第1の流体56を含み、第1のチャンバ72内に第2の流体58を含む。第1の流体56および第2の流体58は、
図8~11に示されていないが、流体が、それらのそれぞれのチャンバ内に存在し、チャンバの容積を充填または少なくとも部分的に充填することを理解することができる(流体は、わかりやすくするために示されていない)。
【0037】
図8Aでは、変形はなく、この部分の内部圧力は初期設定圧力である。(
図8Bの半径方向に向いた矢印で表されるように)第1の流体56の圧力が上昇すると、そこでは第1の流体圧力は第2の流体圧力より高く、円形内部吸収要素176は変形する。この場合、変形のタイプは、円形内部吸収要素176の壁厚が増加し、外径が減少するものである。(例えば、崩壊する平坦な壁を有していない)円形形状の強みは、概して、チューブが壁厚の増加を通して縮むのを可能とすることになり、その結果、第1のチャンバ72の容積はチューブのこの部分では減少するが、崩壊は依然として可能である。
図8Cを見ると、(
図8Cの半径方向に向いた矢印で表されるように)第1の流体56の圧力が上昇すると、そこでは第2の流体圧力は第1の流体圧力より高く、円形内部吸収要素176は変形する。この場合、変形のタイプは、外径が増加するにつれて、円形内部吸収要素176の壁厚が減少するものである。円形内部吸収要素176が直径の減少または直径の増加のどちらを強いられるかは、外部吸収要素177および円形内部吸収要素176の各々の材料特性、各要素内の流体のタイプおよびそれらの初期圧力、衝撃のタイプなどに依存する。
図8Bおよび
図8Cの衝撃吸収体は、同じかまたは異なる物理的特性を有し得る。
【0038】
衝撃エネルギーは、外部吸収要素52および任意選択で円形内部吸収要素176を衝撃力によって変形させ、流体を横方向(すなわち、長手方向)に動かすことによって、ならびに他の形態(例えば、熱、音など)へのエネルギーの他の変換によって、吸収される。したがって、衝撃吸収体50が細長いか、またはさらには円形であると仮定すると、1つの部分における衝撃は、衝撃を受けた部分の反対側の、または衝撃を受けた部分から離れた、1つ以上の部分における変形を引き起こすことになる。
【0039】
図9A~Cの実施形態は、外部吸収要素179を含み、内部吸収要素178が、円形内部吸収要素176と比べて内部吸収要素178の変形特性を変化させる六角形(または多角形)であることを除いて、
図8A~Cの実施形態によく似たように構成される。
図9Bでは、六角形内部吸収要素178の六角形チューブの平坦な面は、第1の流体56のさらなる圧力印加により内側に曲がって変形し、そこでは第1の流体圧力は第2の流体圧力より高い。
図9Cでは、六角形内部吸収要素178の六角形チューブの平坦な面は、第2の流体58のさらなる圧力印加により外側に曲がって変形し、そこでは第2の流体圧力は第1の流体圧力より高い。
【0040】
図10A~Cの実施形態は、外部吸収要素181を含み、内部吸収要素180が、円形内部吸収要素176と比べて内部吸収要素180の変形特性を変化させる方形であることを除いて、
図8A~Cの実施形態によく似たように構成される。
図10Bでは、方形内部吸収要素180の方形チューブの平坦な面は、第1の流体56のさらなる圧力印加により内側に曲がって変形し、そこでは第1の流体圧力は第2の流体圧力より高い。
図10Cでは、方形内部吸収要素180の方形チューブの平坦な面は、第2の流体58のさらなる圧力印加により外側に曲がって変形し、そこでは第2の流体圧力は第1の流体圧力より高い。
【0041】
図11A~Cの実施形態は、内部吸収要素182が、円形内部吸収要素176と比べて内部吸収要素182の変形特性を変化させる三角形であることを除いて、
図8A~Cの実施形態によく似たように構成される。
図11Bでは、三角形内部吸収要素182の三角形チューブの平坦な面は、第1の流体56のさらなる圧力印加により内側に曲がって変形し、そこでは第1の流体圧力は第2の流体圧力より高い。
図11Cでは、三角形内部吸収要素182の三角形チューブの平坦な面は、第2の流体58のさらなる圧力印加により外側に曲がって変形し、そこでは第2の流体圧力は第1の流体圧力より高い。
【0042】
次に
図12~18(それらのいくつかは、理解しやすくするために一次要素なしで示される)を見ると、ヘルメット外殻に挿入するための内部吸収要素アセンブリ54が示され、互いに整列し(または整列していない)かつ積層され、断面を見ると
図3および
図4の内部吸収要素アセンブリと類似している、第1の内部吸収要素パネル184、第2の内部吸収要素パネル186、および第3の内部吸収要素パネル188を有する。内部吸収要素パネル184、186、188は、一体アセンブリとして作製され得る(例えば、ともに成形される)が、本例では、それらは代わりに、変形することができ、かつ永久変形がほとんどまたは全くなくその元のまたはほぼ元の形状にすぐに戻ることができ、疲労による実質的な永久変形なしで多数の衝撃および変形サイクル(例えば、100サイクル超、または500サイクル超、または1000サイクル超、または5,000サイクル超、または10,000サイクル超)に耐える能力を有する弾性材料(例えば、熱可塑性物質、複合材料、または既知のもしくは将来発見される他の材料)から、(例えば、ブロー成形または他の適切な製造プロセスによって)、個々に成形される。
【0043】
内部吸収要素パネル184、186、188の各々は、概して同様の形状であり、個々のパネルの正確な形状およびサイズは、設計要件および制限に従って層ごとに変動してよい。例えば、被保護物POと衝撃を受ける物体IOとの間の3つの層全てのための特定の領域内に不十分な空間しかない場合があり、したがって、1つ以上の層がその領域で排除され得る。別の例示的シナリオでは、特定の領域において衝撃インシデントが減少する場合があり、その場合、複数の層は必要なく、減らされ、空間、重量、および費用を節約する。
【0044】
上に記載されたように、各内部吸収要素パネル204、186、188の壁厚は、変動し得る。一例では、衝撃を受ける物体IOに最も近い第1の内部吸収要素パネル204のより厚い壁は、衝撃力F1の衝撃が第1の内部吸収要素パネル184を直ちに押しつぶさないように、最大の耐変形性を提供する(もちろん、十分に大きい力は、少なくとも1つの領域でパネルを完全に崩壊させることになる)。代わりに、第1の内部吸収要素パネル184の壁は、部分的に変形し、そこを通して、比較するとより薄い壁厚を有する第2の内部吸収要素パネル186に衝撃力の少なくとも一部を伝達する。(被保護物POに最も近い)最も内側の第3の内部吸収要素パネル188は、外側の層と比べて吸収する衝撃力F1がそれほどなく、保護物への快適かつ/または繊細な接触が一般に望ましいため、最も薄い壁厚を有する。さらなる他の例示的実施形態では、内部吸収要素パネル184、186、188の相対的な厚さは、逆にされる(すなわち、より薄い層が被保護物POに最も近い)か、もしくは任意の順序で配置されてもよく、または、全ての層が同じ厚さであってもよい。
【0045】
第1の内部吸収要素パネル184の構成を見ると、これは、少なくとも1つの実施形態では、厳密に、または少なくとも大まかな基本構造の点で、残りの内部吸収要素パネル186、188を代表する。内部吸収要素アセンブリ54の例示的実施形態は、使用時、(
図3および
図4に示されるのと同様に)外部吸収要素52内に配置および密封されることになる。(
図1および
図2に示されるような)広いチャンバを有する内部吸収要素の代わりに、少なくとも1つ(および好ましくは複数または多数)のバッフル構造が形成されて、内部吸収要素のチャンバを、多数の流体接続したサブチャンバに分割する。1つ以上の実施形態では、サブチャンバの1つ以上は、残りのサブチャンバから流体的に隔離される。
【0046】
図12に示されるように、第1の内部吸収要素パネル184は、そこから他の構造が分岐するベース構造としての役割を果たす、(本明細書ではさらにベース構造202と呼ばれる)共通衝撃ゾーン202を含む。ベース構造202は、
図2および
図3に関して上で論じられたように、複数の細長いチャンバ84がそれらの間に形成される、概して長さ方向に平行に延びる複数の細長いシーム82で分割することによって作り出される。複数の細長いチャンバ84は、別個の流体経路を作り出し、各細長いチャンバ84内の流体は、混じり合うことができ、1つ以上のマニホールド領域190、192、194、196、198、200内の圧力を均等化することができる。マニホールド領域190、192、194、196、198、200は、細長いチャンバ84の間で1つ以上の細長いシーム82が延びるのを終了または中断させることによって(例えば、特定の部分でシームを完全にピンチオフまたは溶接しないことによって)作り出され得、その結果、流体は、ある細長いチャンバ84から次の細長いチャンバ84に移り得る。
【0047】
細長いチャンバの目的は、衝撃を受ける(したがって圧縮され、かつ/または容積が減少する)部分から、他の非圧縮部分への、流体の急速かつ制御された流れを可能とすることである。これは、一次チャンバおよび内部チャンバ内の流体が、両方のチャンバ全体にわたって等方的に拡散し、入ってくる運動エネルギーを非常に広い表面吸収領域に即座に広げることを可能とする。流体は、いくつかの部分を通って単純に流れてもよいか、または衝撃を受けた領域の圧力の局所的な一時的上昇、およびもしくはミリ秒のオーダーであり得る衝撃の持続時間を通した流体の機械的圧送(例えば、衝撃は要素を変形させかつ絞めつけるため、流体も蠕動的に圧送され得る)により、細長いチャンバ84の一部を拡張してもよい。1つの細長いチャンバ84が過大応力を受けるのを防ぐために、流体圧力が、マニホールド領域190、192、194、196、198、200において均等化されることが可能である。1つ以上の実施形態では、単一のマニホールド領域もしくは複数のマニホールド領域が存在するか、またはマニホールド領域は排除され得る。
【0048】
内部吸収要素パネル204、186、188は、外部吸収要素52内に含有され、第1の流体56によって完全にまたは部分的に取り囲まれ、内部吸収要素パネル204、186、188および外部吸収要素52の変形の程度およびタイプは、様々な設計要素(例えば、断面ジオメトリ、チャンバ容積、壁厚、壁材、内部吸収要素アセンブリ54と外部吸収要素52との間の結果として生じる容積(例えば、その中で内部吸収要素が拡張可能である自由空間)、第1の流体56の圧力、第2の流体55の圧力、第3の流体60の圧力、第4の流体80の圧力、ならびに変形および流体の流れに影響を与える他の設計要素)の選択によって相互に関連づけられることに留意する。
【0049】
例として第1の内部吸収要素パネル184をなお見ると、1つ以上の実施形態では、ベース構造202は、任意選択で、ベース構造202または他の構造から分岐する1つ以上の拡張衝撃ゾーン204、206、208、210、212、214(本明細書ではパネル分岐部とも呼ばれる場合がある)を含み得る。これらのパネル分岐部204、206、208、210、212、214の各々は、ベース構造から横方向に伸び、ベース構造202の細長いチャンバ84と交差するように構成される2つ以上の細長いチャンバ84’を画定する複数の細長いシーム82’を含む。
【0050】
第1の内部吸収要素パネル184(および他のパネル)の様々な領域の機能を見ると、この例示的構成は、頭部保護用のヘルメット外殻内に合うように設計される。アメリカンフットボールのヘルメット外殻内に合わせられ、ユーザの頭部に着用される場合(その場合、内部吸収要素アセンブリ54全体が、外部吸収要素52内に配置され、衝撃吸収体は、ヘルメット外殻の内側の湾曲と一致して押し込まれ、面ファスナー、スナップなどの留め具によって所定の位置に固定される)、ベース構造202は、頭部の周囲に巻き付き(全周または周囲の大部分のいずれかをカバーし)、パネル分岐部204は、頭頂部に向かって頭部の後ろを上方に伸び、パネル分岐部206は、パネル分岐部204を横切り、ベース構造202に平行にかつ隣接して伸び、頭蓋の底部をカバーするように構成され、パネル分岐部208は、ベース構造202から下方に伸びて、耳のすぐ前の頭蓋の側部をカバーし、パネル分岐部212は、ベース構造202から下方に伸びて、反対側の耳のすぐ前の頭蓋の側部をカバーし、パネル分岐部210および214は、頭蓋の前部の左右で頭蓋の前部に集まり、頭頂部に向かって伸びる。本衝撃吸収体50は、頭部全体をカバーする必要はないが、1つ以上の例示的実施形態では、そうするように設計され得ることに留意すべきである。
【0051】
パネル分岐部204、206、208、210、212、214の各々が、ベース構造202または別のパネル分岐部のいずれかと交差する箇所では、マニホールド領域190、192、194、196、198、200が形成される。1つ以上のこれらの交差部は、1つ以上の例示的実施形態では、マニホールド領域190、192、194、196、198、200なしで形成され得る。マニホールド領域190、192、194、196、198、200は、分岐部のいずれか1つまたはベース構造202から、ベース構造202および/またはパネル分岐部204、206、208、210、212、214の他の部分への、流体の急速な移動を可能とする。したがって、衝突中、流体は、容積の減少した領域(局所的な衝撃により減少した)から他の全ての領域に移動することができる。
【0052】
細長いチャンバ84および一次チャンバ70を通って衝撃領域から離れるように横方向に動く流体のため、一次チャンバ70内の第1の流体56は、衝撃領域外の領域において、一次チャンバ70の容積を拡張し、かつ/または第1のチャンバ72内の第2の流体58は、衝撃領域外の領域において、第1のチャンバ72の容積を拡張する。あるいは、(1つ以上の実施形態では、外部吸収要素52の拡張を、意図的に、事前設定圧力に対する圧力降下を可能とするには不十分にすることができるため)、一次チャンバ70の容積拡張、および内部吸収要素パネル184、186、188を取り囲む第1の流体56の圧力の付随する上昇は、細長いチャンバ84の丸いチューブ状の壁に垂直な全ての方向から、細長いチャンバ84に大きな力を加えることになる。したがって、第1の流体56は、全ての方向から等しく押しているため、内部吸収要素パネル184、186、188の細長いチャンバ84の壁厚は増加することになり、これは、壁が厚くなっている領域において、細長いチャンバ84の容積を減少させ得る。
【0053】
衝撃イベントが終了するとすぐに、流体56、58、60、80は、衝撃吸収体50のそれぞれのチャンバを通って横方向に流れ、先の衝撃領域に向かって戻り、変形した領域の元の形状への弾性復帰により押し戻される(例えば、外部吸収要素52および任意選択で内部吸収要素の拡張部は、流体を機械的に追い出すことになり、衝撃ゾーンから押し出された流体を急速に埋め戻す移動、および壁厚の元の厚さへの復帰を引き起こす)。基本的に、衝撃吸収体50は、衝撃が終了するとすぐに、全ての構成要素がそれらの元の形状に急速に戻ることによって、均等化された圧力の状態に急速に戻るように付勢される。このリバウンドは急速に生じ、その結果、本衝撃吸収体50は、衝撃後数ミリ秒以内にリセットされて元の形状に戻り、その結果、別の後続の衝撃を、同様に吸収することができる。
【0054】
図13を見ると、1つ以上の実施形態では、
図12の実施形態の内部吸収要素パネル540の1つ以上は、1つ以上のシームによって複数の隔離領域にさらに分割され得る。(ピンチオフプロセスなどによって作り出される)シーム542およびシーム544は、第1の隔離部分546、第2の隔離部分548、および第3の隔離部分550を画定し、それらの各々は、同じかまたは異なる流体圧力を有してよい。各隔離部分内の矢印は、各隔離部分内に密封して含有された流体が、(細長いチャンバおよびマニホールド領域を通って)それぞれの隔離部分全体にわたって流れることができることを示す。各隔離部分546、548、550内の流体は、同じかまたは異なる流体であり得る。この配置は、各領域内で経験されると想定される衝撃のタイプおよび大きさに基づいて、標的化された衝撃吸収を可能とする。
【0055】
図14は、第1の内部吸収要素パネル184のベース構造202とパネル分岐部204との交差部のマニホールド領域190の拡大断面図である。ベース構造202の細長いチャンバ84はベース構造202の細長いチャンバ84’と交差することがわかる。ベース構造202の細長いシーム82およびパネル分岐部204の細長いシーム82’は、ある細長いチャンバが別の細長いチャンバと交差するときに、交差箇所において互いに対してチャネルが開くように、シーム82、82’に途切れた部分を含み、その結果、流体は、遮られていない各チャネルを通って移動することができ、(交差した矢印で示されるように)ベース構造202とパネル分岐部204との間で移動することができる。このように、流体は、第1の内部吸収要素パネル184全体にわたって急速に移動し、パネル分岐部204、206、208、210、212、214とベース構造202との間で、様々なマニホールド領域190、192、194、196、198、200を通して容易に交換される。マニホールド領域190内のコーン256は、マニホールド領域190における変形を制御するように、第1の内部吸収要素パネル184を含む材料の層を接続し、ブロー成形における既知のピンチオフ技術を使用して作り出される。
【0056】
図15は、第1の内部吸収要素パネル184、第2の内部吸収要素パネル186、および第3の内部吸収要素パネル188が、マニホールド領域259、261を通して流体的および機械的に接続する、環状部258と、環状部258の片側から反対側へ弧を成すクラウン部260とで各々作製される、内部吸収要素アセンブリ54の実施形態を示す。頬パッド257および下頸部吸収体263は、主要供給チャンバ186および184の中に成形された一体チャンバであり、入ってくる衝撃荷重を共有するのを助ける。内部吸収要素パネル184、186、188は、あるものが他のものの中に入れ子になっており、流体接続されない(例えば、第2の流体58は、選択的に流体接続されない限り、第3の流体と混じり合わない)。外部吸収要素52は、上で論じられたように、内部吸収要素アセンブリ54を取り囲む。
【0057】
図16は、本衝撃吸収体50を標準的なフットボールヘルメット261(または多種多様な類似のヘルメットのいずれか)の中に合わせたヘルメットアセンブリ262を示す。
図12~15および他の様々な実施形態において具体化された衝撃吸収体50は、ヘルメット261の中に容易に合わせられる。内部吸収要素アセンブリ54は、
図15の実施形態と同様の構成であり、環状部258およびクラウン部260を有し、アセンブリ54は、外部吸収要素52内に密封され、一次チャンバ70内の第1の流体56によって取り囲まれる。一次チャンバ70内に大量の空き空間は必ずしも存在せず、内部吸収要素パネル184、186、188は、外部吸収要素52の外壁59の隣に近接して位置し得るか、またはさらには接触し得ることに留意すべきである。衝撃吸収体50の衝撃を受ける側面66は、ヘルメット外殻264の内面64に隣接することがわかる。
図12~15および他の様々な実施形態において具体化された衝撃吸収体50は、ヘルメット261の中に容易に合わせられる。外部吸収要素52は、ユーザの頭部と内面64との間の空間を充填するように曲がりかつ形成することができる可撓性部材として構成され得る。外部吸収要素52は可撓性であるが、実質的に非弾性であってもよく、その場合、材料は、通常使用および衝撃の応力下で実質的に伸縮しないように設計される。しかしながら、50%未満の寸法変化、または5%未満の寸法変化、または3%未満の寸法変化、または1%未満の寸法変化などの、わずかな弾性伸縮が許容されてもよい。
【0058】
図17は、
図16のフットボールヘルメット261の中に示された撃吸収体50を、頭部Hを横切り、衝撃吸収体50およびヘルメット外殻261を通って取られた横断面で示す(単線で概略的に描かれる)。斜めに当たる力F2は、拡張衝撃ゾーン210(
図13に戻って参照)の上のヘルメット外殻261の領域に、おおよその回転軸(おおよそ着用者の椎骨)からある距離オフセットしてぶつかる。斜めに当たる力F2は、頭部Hに対してヘルメット外殻261を回転させる。本衝撃吸収体50の目的は、力を吸収し、頭部Hの過剰な加速度、この場合、角加速度および直線加速度の両方を防ぐことである。
【0059】
角(回転)加速度のみを見ると、ヘルメット261は、F2に応答して角度θ回転する。衝撃のエネルギーの大部分を吸収するために、拡張衝撃ゾーン210の少なくとも一部は圧縮される。上に記載されたように、第1の内部吸収要素パネル184、第2の内部吸収要素パネル186、および第3の内部吸収要素パネル188は、異なる衝撃吸収特性(例えば、異なる圧力、材料、壁厚、ジオメトリなど)を有し得る。本例示的実施形態では、第1の内部吸収要素パネル184および第2の内部吸収要素パネル186は、最も圧縮性が低いが、(外部吸収要素とともに)初期衝撃の大部分を吸収し得る。その一方で、第3の内部吸収要素パネル188は、力F2の大部分はパネル184および186によって吸収されているが、最も圧縮されて、頭部Hに最大限の保護を提供する。第1の内部吸収要素パネル184、第2の内部吸収要素パネル186、および第3の内部吸収要素パネル188の各々の中に任意選択で統合されたマニホールドシステムによって提供される、様々な領域の相互接続により、各パネル内の流体は、圧縮により、数ミリ秒以内に、圧縮状態にないパネルの残りの部分に(例えば、力F2の衝撃点または衝撃領域のすぐ周囲の領域から離れるように、押し進められる。
【0060】
この例示的実施形態では、外部吸収要素52は、頭部Hの周り(
図16に示されるような環状部258)およびその頭頂部の上(
図16に示されるようなクラウン部260)のパネル184、186、188を取り囲み、かつ含有する。第1の流体56は、外部吸収要素52内に含有され、この例ではパネル184、186、188である内部吸収要素を取り囲む。外部吸収要素52は、弾性伸縮しない(例えば、非弾性または実質的に非弾性である)ように構成されるが、応力下で曲がることができる。衝撃の力F2は、外部吸収要素52を押しつぶすことになり、場合によっては、衝撃を受ける側面66を被保護側面68の近くにより近づけ、それらの間でパネル184、186、188を機械的に押しつぶす。さらに、外部吸収要素52の変形のため、第1の流体56の圧力は、初期設定圧力と比べて上昇することになる。加圧された第1の流体56は、パネル184、186、188を取り囲み、それらを(パネルの各部分の壁に垂直に)圧迫し、流体圧力をパネルの壁に印加し、したがってパネルを変形させて、パネル184、186、188の内部容積を減少させ、かつ/またはパネル184、186、188の壁を厚くする。したがって、多くの衝撃シナリオでは、(衝撃領域内のヘルメット外殻264と頭部Hとの間で生じる物理的な押しつぶしによる)機械的変形、およびパネルを圧迫する流体圧力または液圧によって引き起こされる変形の組み合わせが存在する(そこでは、空気などの第1の流体56は、外部吸収要素52の非弾性特性のため圧縮される)。
【0061】
なお
図17に示された衝突を見ると、衝撃吸収体50の圧縮領域266は、パネル184、186、188の各々および外部吸収要素52において容積が減少し、流体56、58、60、81の各々の一部が圧縮領域166から追い出されるため、流体56、58、60、81は、流体圧力を均等化するために、より圧縮されていない、より低圧の領域に移動しなければならない。流体56、58、60、81は、衝撃吸収体50の領域を少なくとも部分的に拡張することになり、拡張領域288などの最大拡張の領域を有し得、頭部に対するヘルメット外殻のシフト(この例では回転)は、衝撃点から離れて位置する1つ以上の領域に拡張のための空間を作り出すことになる。
図17では、衝撃力F2は、ヘルメット外殻264の左側かつ回転軸Aの前方に印加され、これが、ヘルメットを角度θ回転させる。圧縮領域266の反対側に、ヘルメット外殻264の回転によって作り出される隙間の中で拡張する拡張領域288があるが、頭部Hは、衝撃の少なくとも最初の数ミリ秒間、実質的に静止したままである。パネル184、186、188は、拡張してこの隙間を充填し、各々、様々な程度または同じ程度に拡張する。
【0062】
衝突中、流体56、58、60、81は、衝撃吸収体50の周りで、パネル184、186、188のチューブ状チャネルおよび外部吸収要素52を通って押し進められ、流体56、58、60、81の機械的圧送、衝撃吸収体50の機械的変形、(圧縮または拡張による)パネル184、186、188の液圧変形、および衝撃吸収体50内でのエネルギー吸収の他の形態を通して、エネルギーを吸収する。さらに、衝撃時に作り出された全ての隙間は、拡張によりほぼ直ちに充填されるため、頭部Hは、最初にヘルメットとともに動くこと、および衝撃点の反対側のヘルメットの側面にぶつかることを実質的に防がれる。
【0063】
衝撃力F2が取り除かれた(または少なくとも大きな衝撃が終わった)後、ヘルメット外殻は、衝撃吸収体50によって付勢されて、頭部Hに対するその初期位置に戻り、この例では、角度θ戻る。したがって、本衝撃吸収体は、その元のまたは実質的に元の位置に戻るという点で、セルフセンタリングである。バイアスは、衝撃吸収体50の変形した部分が弾性的に付勢されて、それらの元の形状に戻ることによるものである。したがって、拡張領域288および圧縮領域266は、それらの圧力を均等化するようにともに作用して、流体56、58、60、81を拡張領域288から圧縮領域に押し戻すことになり、それは、衝撃後数ミリ秒以内に生じる。これは、本衝撃吸収体50が、第1の衝撃を吸収し、第2の衝撃がヘルメットにぶつかる前にその元の形状に戻ることができることを意味する。アメリカンフットボールでは、単一のタックルイベントにおいて、ヘルメットは、立て続けにいくつかの力による衝撃を受ける場合があり、例えば、ある選手のヘルメットが別の選手のヘルメットにぶつかることが、第1の衝撃を作り出し、その選手のヘルメットがその直後に地面にぶつかることが、第2の衝撃を作り出す。衝撃吸収体50は、2つの衝撃の時間の間に、その元の形状または実質的に元の形状(例えば、元の形状の60%~90%以内)に急速にリバウンドするため、衝撃吸収体50は、リセットされて、第2の衝撃を吸収可能な状態である。
【0064】
図18および
図19は、円形断面の内部吸収要素のみの代わりに、内部吸収要素53、55、および78が断面の組み合わせであることを除いて、
図16および
図17の実施形態と同様の実施形態を示す。外部吸収要素52は、わかりやすくするために示されていないが、1つ以上の実施形態では、含まれるか、または任意選択で除外されるであろう。例えば、第1の内部吸収要素53の各チューブは、円形断面である。円形断面のチューブは、一般に、圧縮するのが比較的困難であり、1つ以上の実施形態では、衝撃を受ける物体の最も近くに、またはその近傍の近くに配置され、衝撃力の衝撃に耐える。第2の内部吸収要素55は、第1の内部吸収要素53の内側かつ隣に配置される。第2の内部吸収要素55の各チューブは、一般に、円形断面より比較的圧縮および変形しやすい六角形断面を有する。第3の内部吸収要素は、最も内側(例えば、ヘルメット実施形態では、着用者の頭部の隣)に配置される。第3の内部吸収要素78の各チューブは、一般に、比較的最も圧縮しやすい楕円形断面形状(例えば、この示された例では長丸(obround)形状)を有し、着用者の頭部に対する柔軟性および快適性、または被保護物への繊細な保護を提供する。
【0065】
図17の実施形態によく似て、拡張衝撃ゾーン204、210、および214は、断面形状を示すために切断されているように示されるが、それらは、(ヘルメット実施形態では)着用者の頭部の頭頂部の上に各々伸びる。1つ以上の実施形態では、拡張衝撃ゾーン204、210、および214の各々は、弧状に分岐し、(Y字形または類似のもののように)頭頂部上のある点で合流するか、または合流せずに終端する。部分210、214、および204は、横方向のリングに垂直である。これらの領域は、現在では脳震盪の主因と見なされている偏心衝突からの回転衝撃を吸収するように特別に調整された、異なる形状を有し得る。
【0066】
本衝撃吸収体50のさらに別の例示的実施形態が、
図20および
図21に示される。衝撃吸収体50は、内部吸収要素の束として構成される内部吸収要素アセンブリ54を外部吸収要素52が取り囲む、ループとして形成される。ループは、開いている(またはC字形である)ように示されるが、少なくとも1つの実施形態では完全なループを形成し、その結果、ループの周りの流体の流れは途切れない。あるいは、内部吸収要素は、チューブ状要素(または
図9~11に示されたような他の断面形状、もしくは適用に適した他の形状)であり、各端部を封止され、外部吸収要素52内に含有される。
図19は、内部吸収要素アセンブリ54の断面を示し、内部吸収要素の各々は、直径および壁厚が変動し得、最も外側(最も右側)の内部吸収要素が最大の壁厚を有し、最も内側の(最も左側かつ頭部に最も近い)内部吸収要素が最小の壁厚を有することを示す。
【0067】
図22、23、および24A~Hは、対向し、入れ子になった(例えば、概してそれらの間に空間を保ってかみ合い、連動するか、または十分な負荷の下でかみ合いもしくは連動が生じるように、整列した)波形状の構造(例示的波形部の少なくとも一部は、等脚台形断面形状を有し、他は、この形状と曲線形状とのハイブリッドであり得る)が、衝撃力の垂直成分および剪断成分の両方を吸収し、消散させて、それらの後ろにある被保護物の実質的な損傷を防ぐ、さらなる実施形態を示す。まず
図22および
図23を見ると、本衝撃吸収体50のこの例示的実施形態は、概して、シート材料の第6の層406に対して、共通の外周の周りを最終的に封止されて、1つ以上の内部吸収要素を取り囲む一次チャンバ390および391をそれぞれ有する外部吸収要素384および385を画定する、シート材料の第1の層396を含む。シート材料の層は、このおよび他の例示的実施形態では番号付けされているが、各シートの番号付けは、アセンブリ内のシートの数および命名規則における他の明らかな変化に応じて、本明細書中で変化するかまたは再構成されてよい。
【0068】
製造および組み立ての1つの例示的方法を使用して、シート材料の第1の層396およびシート材料の第2の波形層398は、シーム430で共通の外周の周りをともに封止されて、それらの間に一次チャンバ390を画定し、これは、第1のサブアセンブリ408を作り出し、任意選択で、衝撃吸収体50の各サブアセンブリは、ブロー成形によって(または他の既知のプロセスによって、本明細書の他の部分に記載されたように)別々に作製され得、最終的に完全な衝撃吸収体50に組み立てられ得る。
【0069】
次に、シート材料の第2の波形層398およびシート材料の第3の波形層400は、シーム429で共通の外周の周りをともに封止されて(シームは、全てのサブアセンブリがともに封止される場合に作り出される)、それらの間に第1のチャンバ392を画定する。シート材料の第2の波形層398およびシート材料の第3の波形層400の波形部は、例えば、(第3の層400の)リッジ416が、(第2の層398の)トラフ420内に配置され、(第2の層398の)リッジ418が、(第3の層400の)トラフ422内に配置されるように、入れ子になっており、波形部間の空間は、第1のチャンバ392の隙間を作り出す。
【0070】
次いで、シート材料の第3の波形層400およびシート材料の第4の波形層402は、シーム432で共通の外周の周りをともに封止されて、それらの間に第2のチャンバ394を画定し、これは、第2のサブアセンブリ410を作り出す。入れ子になっている波形部の代わりに、波形部は、波形部の頂点が実質的に整列し、シート材料の第3の波形層400の頂点が、少なくともいくつかの負荷条件下でシート材料の第4の波形層402の頂点と接触することができるように対向し、これは、以下でより詳細に論じられる。
【0071】
シート材料の第4の波形層402およびシート材料の第5の波形層404は、シーム429で共通の外周の周りをともに封止されて(シームは、全てのサブアセンブリがともに封止される場合に作り出される)、それらの間に第1のチャンバ393を画定する。シート材料の第4の波形層402およびシート材料の第5の波形層404の波形部は、シート材料の第2の波形層398およびシート材料の第3の波形層400のアセンブリとともに上に記載されたように、入れ子になっている。
【0072】
シート材料の第5の層404およびシート材料の第6の波形層406は、シーム434で共通の外周の周りをともに封止されて、それらの間に一次チャンバ391を画定し、これは、第3のサブアセンブリ412作り出す。上で簡単に説明されたように、第1のサブアセンブリ408、第2のサブアセンブリ410、および第3のサブアセンブリ412は、シール430およびシール434のフランジをともに封止し、それらの間に、シール432によって第2のサブアセンブリを閉じ込めることによって、ともに封止される。サブアセンブリ408、410、412を組み立てることは、チャンバ392および393を作り出す。チャンバ390、391、392、393、および394の各々の中に、流体が、
図22の実施形態の考察で上に記載されたように、事前設定またはユーザ設定圧力下で含有される。
【0073】
シート材料の第1の層396およびシート材料の第6の層406は、衝撃吸収体50に組み立てられた時、層396および406の外側から見ると突出部を形成する、細長い平行なリッジ414(この例では弧状輪郭を有する)を含むように各々成形される。リッジ414はポンプとして機能し、衝撃は、最初に1つ以上のリッジ414を、弧状形状からより平坦な状態(平坦、凹状、またはより緩い弧状、例えば、より大きい半径の弧)に押し、したがって、チャンバ内の流体を圧縮すること、または圧力を隣接チャンバに伝達することのいずれかによって、少なくとも一次チャンバ390内の圧力を潜在的に上昇させる。層396および406は、波形状の細長い平行なリッジが形成されるが、ディンプル、ドームなどの、シート材料の平面層の他の突出および/または不規則性が可能である。
【0074】
各リッジ414の間に、チャンバ390および391に面して、それぞれシート材料の第2の波形層398およびシート材料の第6の波形層406のリッジの頂点と接触するように構成される接触面424がある。これらの接触面は、概して平坦であるが、ある層から次の層に力を伝達するために、対向する接触面または他の表面を圧迫するように構成される、凹面、凸面、または他の形状などの、異なる形状を有してよい。例えば、シート材料の第1の層396に隣接した、衝撃を受ける物体に入る衝撃力によって十分に変形し、圧縮される場合(ここでは、第1の層396は、衝撃を受ける物体に隣接し、第6の層406は、被保護物に隣接するが、これは、設計および用途に応じて交換されてもよい)、シート材料の第1の層396の接触面424は、シート材料の第2の層398の接触面426を圧迫する。示された衝撃吸収体50内の複数または多数の接触面のさらなる例として、シート材料の第1の層396の接触面432は、シート材料の第2の層398の接触面430を圧迫する。
【0075】
加えて、台形波形部の側面または脚は、十分な力および/または圧力(横方向の力および/または垂直な力)で圧縮された場合に、接触することができる。例えば、台形形状の短い底辺を含む接触面424および426の代わりに、接触面の対(例えば、表面434および436または表面432および438)は、台形形状の脚であり得る。第4の波形層402の接触面434および第5の波形層404の接触面436を見ると、表面は、十分な横方向の力(例えば、台形波形部の短い底辺に垂直でない成分を有する力)、および/または十分な垂直な力(例えば、台形波形部の短い底辺に垂直な成分を有する力)、および/または十分な圧力が存在する場合に、その下で互いに接触することになる。台形波形部の脚の接触面は、関連する波形部の動きを妨害する2つの表面によって引き起こされる機械的干渉のため、例えばヘルメットに斜めに当たる打撃によって引き起こされる、隣接層の互いに対する横方向シフトを制御し、したがって、シート材料の様々な層の互いに対するシフト、および最終的には被保護物に対する衝撃を受ける物体のシフトを制御するか、遅くするか、減少させるか、またはその他の方法で影響を与える。
【0076】
図24A~Hは、例示的衝撃および結果として生じる例示的変形を吸収する、
図22および
図23の例示的実施形態を示し、衝撃吸収体は、衝撃を受ける物体と被保護物(各々、図示されていない)との間に配置される。特定の変形および一連の変形が示されているが、変形のタイプおよび変形の順序は、衝撃吸収体50に付与される力の性質、および材料の性質(意図的な設計と、新品時または年月および使用を経た時の材料に固有の意図的でない特性との両方)に応じて変化し得る。
図47Aは、それに作用する外力のない初期状態の衝撃吸収体50の断面端面図を示すが、ヘルメットの例では、着用者の頭部およびヘルメット外殻が、衝撃吸収体を若干変形させ得、初期状態は、必ずしも厳密には示された通りではないが、大部分または全ての変形について同様に振る舞うことになる。さらに、変形の性質は、衝撃吸収体のどの部分が観察されているか(例えば、衝撃領域付近か、または衝撃領域から離れた場所か)に依存し得る。
図48A~Hは、衝撃を受ける物体上の衝撃領域またはその付近の変形を示す。
【0077】
図24Bは、例示的な第1の変形を示し、衝撃力は、(ここでは衝撃吸収体が、衝撃を受ける物体と被保護物との間に位置し、図示されていない衝撃を受ける物体を通して)シート材料の第1の層396に印加される。一次チャンバ390内の圧力は上昇し、その結果、シート材料の第2の波形層398が押されて、接触領域440においてシート材料の第3の波形層400と接触し、台形波形部の1つ以上の脚は、たわむかまたはその他の方法で変形して、第1のチャンバ392の全てまたは一部の崩壊を可能とする。
【0078】
図24Cは、
図24Bに対する、経時的な力および/または圧力の上昇を示す。ここでは、衝撃を受ける物体への力は、シート材料の第1の層396の外側のリッジ414を、平坦または実質的に平坦な状態に押し下げるのに十分であり、したがって、一次チャンバ390の容積を減少させる。さらに、シート材料の第1の層396は押されて、接触領域442においてシート材料の第2の波形層398と接触し、一次チャンバ390の容積をさらに減少させ、一次チャンバ390の側面は、たわむかまたはその他の方法で変形して、一次チャンバ390の全てまたは一部の崩壊を可能とする。
【0079】
図24Dは、
図24Cに対する、経時的な力および/または圧力の上昇を示す。ここでは、衝撃を受ける物体への力は、シート材料の第3の波形層400が押されて、接触領域444においてシート材料の第4の波形層402と接触するのに十分であり、したがって、第2のチャンバ394の容積を減少させる。
【0080】
図24Eは、
図24Dに対する、経時的な力および/または圧力のさらなる上昇をさらに示す。衝撃を受ける物体への力は、シート材料の第4の波形層402が押されて、接触領域446においてシート材料の第5の波形層404と接触するのに十分であり、台形波形部の1つ以上の脚は、たわむかまたはその他の方法で変形して、第1のチャンバ393の全てまたは一部の崩壊を可能とする。
【0081】
図24Fは、
図24Eに対する、経時的な力および/または圧力の上昇を示す。ここでは、衝撃を受ける物体への力は、シート材料の第6の層406の外側のリッジ414を、平坦または実質的に平坦な状態に押し下げるのに十分であり、したがって、一次チャンバ391の容積を減少させる。さらに、シート材料の第5の波形層404は押されて、接触領域448においてシート材料の第6の層398と接触し、一次チャンバ391の容積をさらに減少させ、一次チャンバ391の側面は、たわむかまたはその他の方法で変形して、一次チャンバ391の全てまたは一部の崩壊を可能とする。
【0082】
図24Gは、
図24Fに対する、経時的な、かつ
図17に力の方向F2で示されるような回転衝撃条件下での、力および/または圧力の上昇を示す。ここでは、衝撃を受ける物体への力は、曲がっている領域450に見られるように、(互いに接触して二重層を形成している)層398および400の台形波形部の複数の内部脚のたわみ、他の変形(例えば、曲がる、折り重なる、厚くなるなど)を引き起こすのに十分である。この曲がりまたは(上で論じられた先の変形を含む)他の変形は両方とも、1つ以上のチャンバの容積を減少させ、1つ以上の実施形態では、エネルギーをさらに吸収し、消散させる機械ばねとして機能することもできる。たわみの方向およびタイプは、衝撃力の性質-例えば、衝撃がより斜めであるか、または真っすぐであるかにも依存し得る。ここでは、たわみは、同じ方向に各々丸まっている。しかしながら、それらは、特定の方向にたわむように各々構成され得るか、またはそれらは、印加される力および設計に応じて、異なる方向および方法で各々たわみ得る。
【0083】
図24Hは、
図24Gに対する、経時的な力および/または圧力の上昇を示す。ここでは、衝撃を受ける物体への力は、曲がっている領域452に見られるように、(互いに接触して二重層を形成している)層402および404の台形波形部の複数の内部脚のたわみ、他の変形(例えば、曲がる、折り重なる、厚くなるなど)を引き起こすのに十分である。脚は、隣の脚と反対側に交互にたわみ、一次チャンバ391内の容積の減少の制御を支援することができる弧状構造を形成する。しかしながら、脚は、異なるたわみまたは変形パターン用に構成され得る。
【0084】
本衝撃吸収体50のさらに別の例示的実施形態が、
図25および
図26A~Gに示される。
図3および
図4に関して記載された構成と多少類似して、第1の内部吸収要素653、第2の内部吸収要素655、および第3の内部吸収要素678は、外部吸収要素652内に含有され、その中で互いに積層される。内部吸収要素653、655、および678の各々は、好ましくは、内部吸収要素の長さ全体または少なくともその一部に沿って、そこを通して流体連通を提供する、1つ以上の細長いチャンバが形成される。この例の細長いチャンバは、第1のチャンバ674、第2のチャンバ676、および第3のチャンバ680を含む。細長いチャンバの各々は、任意選択で、ウェブ605または他の類似の接続構造によって隣接チャンバに接続されてパネルを形成する(
図12~14に関して記載されたパネルと同様の概念である)。この例では、細長いチャンバ674、676、および680の各々の断面形状は、概して楕円形であり、一例では、(
図1に示されるような)衝撃力F1に平行なチャンバの寸法は、力F1に垂直な寸法より小さい。この例示的実施形態では、楕円形形状は、(丸みのある角、もしくはとがった角、もしくはゼロに近い半径を有する)楕円形(elliptical)断面形状、卵形断面形状、先のとがった楕円形(vesica piscis)の断面形状、または対称もしくは非対称断面を有する他の適切な楕円形形状の1つ以上(またはそれらの曲線の組み合わせ)であり得る。楕円形断面形状の目的は、少なくとも衝撃領域において、細長いチャンバ674、676、および680の圧縮ならびに完全および/または部分的な崩壊を可能とすることである。細長いチャンバ674、676、および680の各々は、細長いチャンバ674、676、および680の曲がりを可能とする特徴である、一連の曲げ特徴604を含む。曲げ特徴は、ネッキング(例えば、断面サイズの減少した部分)、レリーフ特徴(例えば、しわ、溝など)、または細長いチャンバ674、676、および680に曲げに弱い部分を作り出す任意の他の特徴の1つ以上であり得る。同様に、外部吸収要素652は、外部吸収要素652に曲げに弱い部分を作り出す類似の曲げ特徴602を含み、その結果、内部吸収要素653、655、および678、ならびに外部吸収要素652を曲げることができ、被保護物POならびに/または衝撃を受ける物体IOに一致する形状にすることができる。曲げ特徴602、604は、長さの一部または全てに沿って等間隔にまたは選択的に間隔をあけて配置され得る。
【0085】
図26A~Gを見ると、内部吸収要素653、655、および678の崩壊の進行が示され、これは、エネルギー吸収を通して、被保護物POを徐々に減速させ、その結果、大きな衝撃力F1の吸収は、被保護物で想定される加速度よりはるかに小さい加速度をもたらす。衝撃力F1は、第1の内部吸収要素653のばね力のバイアス、ならびにその中および/またはその周りに含有された流体の圧力の一方または両方に逆らって、まずは部分的に、次いで完全に、第1の内部吸収要素653のチャンバを崩壊させることがわかる。同様に、第2の内部吸収要素655、次いで第3の内部吸収要素678の各々は崩壊して、衝撃力F1の吸収の進行によって段階的に減速する。
【0086】
さらに別の例示的実施形態が、
図27~31に示され、シート材料の1つ以上の層は、かみ合う構成において一方を他方の間に合わせるように構成されるくぼみまたは中空の突出部を有し、概して隣接する突出部間に空間を有して、成形またはその他の方法で製造される。
図272の衝撃吸収体50は、衝撃吸収体50の層の1つ以上において、横方向に整列した(例えば、横方向に、長手方向軸または環状軸に垂直になっている)複数または多数の中空のフィンまたは突出部を含む。
【0087】
図27を見ると、外部吸収要素460は、シート材料の第2の層482とともに共通の外周の周りを封止されたシート材料の第1の層480で作製され、2層の間に一次チャンバ470を画定する。少なくとも1つの横方向に整列したフィン508(存在する場合、残りの多数または複数のフィン508を代表する)は、シート材料の第2の層482に形成され、シート材料の第1の層480から離れて(例えば、フィン508の裏側を含む空洞が、シート材料の第1の層480に面している)、シート材料の第3の層484の方向に向く。フィン508は、概して、各列内のフィンが平行であり、列を横切る各行内のフィンが整列するように配置された、この例では3つの列を含む長方形アレイで配置される。フィンのこの特定の配置が示され、説明されているが、フィンは、用途によって要求されるような任意の配置であり得、フィンのパターンは、それほど整列していない場合があり、ランダム、山形またはジグザグパターン、斜めのパターン、フィンが各領域内で想定される力の印加に応じて配置され得るパターンであり得る(例えば、パターンは、複雑であるか、領域ごとに変化するか、または他のパターン化もしくは非パターン化配置のいずれかである)。それぞれ層480、482、484、486、および488のフィン508、510、512、および514は、上記パターン(および記載された交互パターン)と実質的に類似したパターンを有する。シート材料の第1の層480には、外側のリッジ500が形成され、各々が溝502によって分離されている。リッジ500および溝配置502は、(層の平坦な部分と平面平行であり、長手方向軸に垂直で平面平行でもある)横軸の周りに、容易に曲がることを可能とし、さらなるクッションを提供する。
【0088】
第1の内部吸収要素464は、シート材料の第3の層484とともに共通の外周の周りを封止されたシート材料の第2の層482で作製され、2層の間に第1のチャンバ474を画定する。シート材料の第2の層482およびシート材料の第3の層484は、フィンのアレイ-シート材料の第2の層482に形成されたフィンの第1のアレイ492、およびシート材料の第3の層484上のフィンの第2のアレイを各々含む。層482上のフィン508および層484上のフィン510(それらの各々は、この例示的実施形態について、同じ層上の残りのフィンを代表する)を見ると、フィン510は、フィン508より長く、フィン510の先端が、層482の平坦な部分に触れるかまたはごく接近することがわかる。しかしながら、1つ以上の実施形態では、フィン508はより長くなり得るか、またはフィン508、510は同じサイズであり得る。さらに、フィン508、510は、互いに向き合い、遠位端(例えば、フィンが層に片持ち支持されている場合の、フィンの自由端)は、対向するフィンの長い底部に隣接して位置する。列の端部のフィンを除いて、各フィンは、2つの対向するフィンの間に位置し、2つの対向しかつ連動するフィンの間の空間を保って、かみ合う構成、または連動する構成を有する(例えば、連動またはかみ合いは、あるフィンの任意の部分が、対向するフィン、またはさらに言えば任意のフィンに触れていることを必ずしも意味しない)。
【0089】
第2の内部吸収要素468は、シート材料の第4の層486とともに共通の外周の周りを封止されたシート材料の第3の層484で作製され、2層の間に第2のチャンバ478を画定する。それぞれシート材料の第3の層484およびシート材料の第4の層486の外周壁516、518は、上端同士が当接して、より大きいチャンバ478を作り出し、十分な力の下で圧縮することができるさらなる領域を提供し得る。それぞれシート材料の第3の層484およびシート材料の第4の層486のフィン510、512は、互いから離れる方向に向き、フィンの遠位端は、チャンバ478から外側に向く。この例示的実施形態では、フィン510および512は、鏡像配置で互いに正反対であるが、千鳥配置が可能である。
【0090】
第1の内部吸収要素466は、シート材料の第5の層488とともに共通の外周の周りを封止されたシート材料の第4の層486で作製され、2層の間に第1のチャンバ476を画定する。第1の内部吸収要素466は、この例示的実施形態では、第1の内部吸収要素464によく似たように構成されるが、鏡像である。しかしながら、第1の内部吸収要素466は、1つ以上の実施形態では、第1の内部吸収要素464と異なって作製され得る。それぞれシート材料の第4の層486およびシート材料の第5の層488のフィン512および514は、第1の内部吸収要素464に関して記載されたようなかみ合うパターンで同様に配置される。
【0091】
外部吸収要素460によく似ているがいくつかの点で鏡像である、外部吸収要素462は、シート材料の第6の層490とともに共通の外周の周りを封止されたシート材料の第5の層488で作製され、2層の間に一次チャンバ472を画定する。外部吸収要素460と反対側の外部吸収要素462との差は、外部吸収要素460が、いくつかの実施形態では、リッジ500がリッジ504より背が高い(例えば、層482からさらに離れている)ため、一次チャンバ472より大きい容積の一次チャンバ470を有することであり、これは、外部吸収要素460が、衝撃を受ける物体に隣接するように構成され、外部吸収要素462が、被保護物に隣接するように構成されるためである。各リッジ462の間に、溝502がある。あるいは、シート材料の第6の層490は、層にわたって横方向に形成された一連の平行な溝506を有すると説明され得る。
【0092】
図24A~Hに示された崩壊および圧縮と同様の少なくともいくつかの方法で、
図27~31の衝撃吸収体50は、外力に応答して、たわみ、崩壊、圧力および容積の変化などを行うことができる。ヘルメットの例では、斜めに当たる力は、主要な面が接触して、層の変形および力の消散を制御するように、かみ合っているフィンの1つ以上をシフトさせ得る。
【0093】
上記の例示的実施形態は、リッジおよびフィンを別々の実施形態として示すが、構造は、フィン、リッジ、およびコーンの1つ以上、ならびに他の機械的干渉構造を含むように組み合わされて、多数の衝撃吸収体の設計および構成を作り出すことができる。層間の空洞空間の全ては、いずれかの側で隣接する空洞に等しいか、それより低いか、またはそれより高い流体圧力を有し得る。
【0094】
図32を見ると、内部吸収要素アセンブリ54の実施形態が示され、その長さに沿って(例えば、段階的にまたは漸進的変化で)直径が変動する断面直径を有する円管として成形された、複数の細長い内部吸収要素376を含む。本明細書の他の図に示されたものなどの、他の断面形状が使用され得、ブロー比として知られる特性により、サイズ(例えば、幅、直径、または他の同等の断面測定値)、したがって壁厚の変動を増減させる。示された例示的実施形態では、細長い内部吸収要素376は、直径が変動し、第1の直径378から、ベベルによって第2の直径380に移行し、そしてベベルによって第3の直径382に移行する。第3の直径382から、細長い内部吸収要素376は、ベベルによって移行して第2の直径380に戻り、次いで、ベベルによって移行して第1の直径378に戻り、細長い内部吸収要素376の各々について、パターンを繰り返す。もちろん、直径を変化させるこのパターンは、変わることができ、繰り返しまたは非繰り返しであり得る。
【0095】
細長い内部吸収要素376は、第2の圧力の第2の流体で充填される。1つ以上の実施形態では、細長い内部吸収要素376の壁厚は、直径または断面サイズの他の測定値におおよそ反比例して変動する。この例示的実施形態では、第3の直径382が最大であり、したがって、最も薄い壁厚を有する。そして、第1の直径378が最小であり、したがって、最も厚い壁厚を有する(第2の直径380は、中間の壁厚を有する)。アセンブリ54内の隣接する細長い内部吸収要素376は、第3の直径382を有する部分が、第1の直径373を有する隣接部分に近接して入れ子になっている連動パターンで配置され得、これは、ある細長い内部吸収要素376の、隣接要素に対する長手方向の移動を制限する。さらに、連動パターンは、空間を節約し(例えば、より薄いアセンブリを作り出す)、壁厚を変動させることにより、様々な異なる衝撃吸収速度を提供する。あるいは、アセンブリ54内の隣接する細長い内部吸収要素376は、非連動パターン、および/または連動構成と非連動構成との組み合わせで配置され得る。
【0096】
示されていないが、内部吸収要素アセンブリ54は、1つ以上の実施形態では、外部吸収要素内に密封して含有され、第1の圧力の一次流体によって取り囲まれる。衝撃力が本衝撃吸収体に印加されると、流体圧力は、衝撃を受けていない領域において上昇する。高圧の領域は、上に記載されたように、壁厚を増加させ、かつ/または直径を変化させることによって変形することになる。少なくとも1つの例示的実施形態では、最も薄い壁厚の領域は、膨らむ(すなわち、直径が増加する)ことになる。この例では、第3の直径382を有する部分が、膨らんで、エネルギーを吸収し、かつ第1の直径378を有する隣接部分とさらに連動することになり、これは、摩擦接触および干渉を増大させて、ある細長い内部吸収要素376の、隣接要素に対する長手方向の移動をさらに防ぐ。
【0097】
上記の例によく似たように構成された
図33~36は、内部吸収要素アセンブリ54の複数の変形形態を示し、
図29では三角形内部吸収要素が束になっており、
図34では六角形または部分的な六角形が束になっており、
図35では円形または半円形が束になっており、
図36では方形または部分的な方形が束になっている。
【0098】
本衝撃吸収体50の上記の例示的用途は、個人用保護具に関連していたが、本衝撃吸収体50の様々な利用可能な構成の、多数の用途が存在する。
図37~41は、多数の実際の用途のいくつかを示す。
図37は、スクールバスなどの、典型的なバスまたは他の類似の自動車の室内を示し、そこには、人の頭部Hがすぐ前の座席Sの背もたれSBにぶつかるのを防ぐのに十分な拘束がない場合がある。十分な拘束および保護がないと、背もたれSBにぶつかることは、頭部外傷および/または他の外傷をもたらし得る。衝撃吸収体50は、背もたれSBの最上部または他の部分を覆うか、またはその他の方法でそれに取り付けられるような相補的な形状として概略的に示されている。この例では、衝撃吸収体50の空洞は、その中に背もたれSBの最上部を受け入れ、その結果、上記の様々な実施形態で記載されたように、頭部または他の身体部分による衝撃が吸収され、外傷が防がれる。この例では、被保護物は頭部Hであり、背もたれSBは、衝撃吸収体50の位置を支持するための構造および衝撃を受ける物体として機能し、頭部Hが衝撃吸収体50にぶつかることを除いて、衝撃力F1は第3の物体に衝突するバスから発生し得る。衝突の成分の初期配置は、例えば
図1と異なるが、頭部Hが衝撃吸収体50に衝突する瞬間のエネルギー吸収の動力学はよく似ている。
【0099】
図38~39を見ると、バンパーB、様々なピラー(A、B、C、Dなど)、ドア、室内領域、ならびに外部の物体が自動車MVに衝突するか、または乗客および/もしくは積み荷が自動車MVに衝突する他の領域などの、自動車の様々な領域が、本衝撃吸収体50を含む。バンパーの例を見ると、内部吸収要素および外部吸収要素は、おそらく個人用保護具の例よりはるかに高い圧力に加圧された流体で各々充填される。さらに、バンパーB(および衝突を吸収するために作製された他のもの)の様々な衝撃吸収体50の材料は、典型的な車両衝突の極めて大きい衝撃力の下で制御可能に変形するように構成される様々な金属合金、プラスチック、複合材料、アラミド繊維、織物、スチール強化ゴム、プラスチック管などの、大きく異なる材料で作製され得る。この変形は、衝撃吸収体50がその元のまたはほぼ元の形状に戻る、事実上の弾性であり得るか、または実質的なリバウンドなしで衝突のエネルギーを吸収することになる永久変形であり得る。
【0100】
図40~41は、ローディングドックバンパーLDB、または後退するトレーラーの衝撃を吸収するために建造物もしくは他の周囲の構造物に取り付けられる他の類似の保護具として配置された本衝撃吸収体50を示し、これは、トレーラーおよびローディングドック構造物の両方を保護する。さらに、衝撃吸収体50は、トラックとローディングベイとの間の隙間を埋める衝撃吸収体50の圧縮により、効果的なウェザーシールを作り出す。衝撃吸収体50の構造は、内部吸収要素アセンブリ54を取り囲む外部吸収要素52を含む。外部吸収要素52上にプレート532を形成するなど、プレート532または他の折り畳み構造が、衝撃吸収体50の1つ以上の側面上に含まれ得、その結果、トレーラーの圧力は、プレート532をつぶすことによって、衝撃吸収体50を圧縮する。
【0101】
上で論じられたように、1つ以上の実施形態では、衝撃吸収体50は、概して、内部吸収要素53(1つ以上の内部吸収要素)を囲む外部吸収要素52を含む。そこでは、第1の流体56が、外部吸収要素52内に含有され、内部吸収要素53を取り囲んでいる。かつそこでは、第2の流体58が、内部吸収要素53内に含有される。しかしながら、
図42~45の例示的実施形態は、内部吸収要素53が、内部吸収要素53内の第1のチャンバ72の少なくとも一部を占める1つ以上の支持構造物534を含有する、衝撃吸収体50を示す。支持構造物534は、格子形態、セルラーフォーム形態、または特定の用途に要求されるような様々な他の形態などの、多くの形態を取る。
【0102】
支持構造物534は、様々な構造特性を有する多種多様な構造物を含み得る。支持構造物534は、3D印刷、射出成形、ブロー成形、および他の技術を含む、多種多様な製造技術によって製造され得る。例えば、高度にカスタマイズされた支持構造物534(例えば、生体測定データなどを含む、特定の応力プロファイルを考慮する設計を有する)は、支持構造物534が、デジタル走査または写真撮影を用いて生体測定データまたは他の実環境データを走査することによって生成された3Dモデルファイルを使用して、付加製造技術(例えば、3D印刷)を用いて印刷されることを必要とし得る。さらに、支持構造物534は、エラストマー材料、または支持構造物534が、衝突の直後に、永久変形がほとんどもしくは全くなく、その元のもしくはほぼ元の形状を回復することを可能とする、エラストマー材料と同様かもしくは異なる特性を有する材料で作製され得る。1つ以上の実施形態では、支持構造物534は、衝突後、内部吸収要素53および外部吸収要素52の一方または両方より速くその元の形状を回復し、その結果、支持構造物534は、少なくとも内部吸収要素53を外側に押して、おそらく流体が衝撃領域に戻る機会を得る前に、内部吸収要素がその元の形状を回復するのを支援する。1つ以上の実施形態では、支持構造物534がその元の形状を回復することは、変位した流体をより急速に衝撃領域に引き戻すことになり、その結果、衝撃吸収体50は、より急速にリセットされ、前の衝撃の直後の別の衝撃に備えた状態になっている。
【0103】
図42および
図43に示された衝撃吸収体は、支持構造物534の一例を示し、概して、(接続または分離した)積層された一連の要素を含み、各々、外周フレーム536と、外周フレーム536にわたって斜めに伸びる一連の平行な交差部材538を含む。連続する要素の層の各々の交差部材538は、隣接する交差部材538に対して横にあるか、またはオフセットし得る。この例では、交差部材538は、外周フレーム536にわたって伸びる、長方形断面(および/または外周壁間に伸びる、円形、中空管状、先細の円柱、もしくは
図43に示された長方形梁の断面)を有する材料(プラスチック材料および/または3D印刷された材料など)のストリップであり、交差部材538の各々は、同じ平面内の他の交差部材538から独立して、または隣接する平面から独立して、動くことが可能である。交差部材538の斜め交差配置は、衝撃吸収体50の元の形状の回復を支援することができる。内部吸収要素53内の流体は、支持構造物534内の隙間を取り囲みかつ充填し、支持構造物534の周りで、それを通って動くことが可能である。
【0104】
図44の支持構造物534は、さらに別の形態である、平行に斜めに配置された、一連の波形シート540を示し、この例では、頂点同士が接している。頂点は、ともに接続されて単一の構造を形成してもよいか、または接続されないままであってもよい。
図45の支持構造物534は、さらに別の形態である、内部吸収要素53の中に伸びる複数のコーン542(または他の柱状構造物)を示す。
【0105】
本明細書の態様はまた、以下のように記載され得る。
【0106】
使用中、被保護物と衝撃を受ける物体との間に配置されるように構成された衝撃吸収体であって、衝撃を受ける物体は、外部の物体による衝撃を受けるように構成され、衝撃吸収体は、一次チャンバを囲む外壁を備える外部吸収要素であって、一次チャンバは、第1の圧力下で第1の流体を密封して含有するように構成され、外壁は、衝撃を受ける側面および被保護側面を備え、被保護側面は、使用中、被保護物に向けられるように構成され、衝撃を受ける側面は、使用中、衝撃を受ける物体に向けられるように構成される、外部吸収要素と、第1のチャンバを囲む第1の壁を備える第1の内部吸収要素であって、第1の内部吸収要素は、第1のチャンバが第1の流体によって取り囲まれている状態で一次チャンバ内に配置され、第1のチャンバは、第2の圧力下で第2の流体を密封して含有するように構成され、第2の圧力は、第1の圧力と異なるかまたは等しい、第1の内部吸収要素とを備える、衝撃吸収体。
【0107】
外部吸収要素は、外部吸収要素と流体源との間の流体連通を選択的に調節するように構成された第1の制御弁をさらに備え、第1の内部吸収要素は、第1の内部吸収要素と流体源との間の流体連通を選択的に調節するように構成された第2の制御弁をさらに備える、衝撃吸収体。
【0108】
第1の制御弁は、第1の逆止弁と直列な第1の開閉弁を備え、第1の開閉弁は、外部吸収要素と第1の逆止弁との間に配置され、外部吸収要素と第1の逆止弁との間の流体の流れを選択的に可能とするように構成され、第2の弁は、第2の逆止弁と直列な第2の開閉弁を備え、第2の開閉弁は、第1の内部吸収要素と第2の逆止弁との間に配置され、第1の内部吸収要素と第2の逆止弁との間の流体の流れを選択的に可能とするように構成される、衝撃吸収体。
【0109】
膨張手順中、第1の開閉弁は、第1の逆止弁を外部吸収要素と流体連通させるように開いており、第1の逆止弁は、第1の流体が第1の圧力に加圧されるまで、外部吸収要素内への流体の流れを可能とするように較正され、その後、第1の逆止弁は閉じ、第2の開閉弁は、第2の逆止弁を第1の内部吸収要素と流体連通させるように開いており、第2の逆止弁は、第2の流体が第2の圧力に加圧されるまで、第1の内部吸収要素内への流体の流れを可能とするように較正され、その後、第2の逆止弁は閉じる、衝撃吸収体。
【0110】
第1の逆止弁は、膨張手順中、外部吸収要素内への流体の流れを可能とし、第2の逆止弁は、膨張手順中、第1の内部吸収要素内への流体の流れを可能とする、衝撃吸収体。
【0111】
第1の逆止弁および第2の逆止弁の各々は、そこを通る通路が形成された弁体であって、通路は流体入口および流体出口、通路の拡張部内に形成されたチャンバ、流体入口に最も近いチャンバ内に形成された弁座、ならびに弁座の反対側のチャンバ内に形成されたリミッタを備える弁体と、通路の拡張部内に形成されたチャンバ内に配置された弁要素であって、弁要素は、チャンバ内で移動可能であり、弁座とリミッタとの間に捕捉される弁要素と、弁要素および弁体を接続するばねと、を備える、衝撃吸収体。
【0112】
第1の逆止弁の動作中、第1の開閉弁が開き、外部吸収要素を第1の圧力で膨張させる時、弁要素は、通路を閉じるように弁座を圧迫し、第1の開閉弁が開き、外部吸収要素を膨張させている最中であるが、第1の圧力にない時、弁要素は、弁座とリミッタとの間に配置されて、通路を通る流体の流れを可能とする、衝撃吸収体。
【0113】
第1の開閉弁が閉じている時、弁要素は、弁座とリミッタとの間に配置される、衝撃吸収体。
【0114】
ばねは、外部吸収要素が第1の圧力に加圧されるまで、外部吸収要素内への流体の流れを可能とするように較正される、第1のばねである、衝撃吸収体。
【0115】
第2の逆止弁の動作中、第2の開閉弁が開き、第1の内部吸収要素を第2の圧力で膨張させる時、弁要素は、通路を閉じるように弁座を圧迫し、第2の開閉弁が開き、第1の内部吸収要素を膨張させている最中であるが、第2の圧力にない時、弁要素は、弁座とリミッタとの間に配置されて、通路を通る流体の流れを可能とする、衝撃吸収体。
【0116】
第2の開閉弁が閉じている時、弁要素は、弁座とリミッタとの間に配置される、衝撃吸収体。
【0117】
ばねは、第1の内部吸収要素が第2の圧力に加圧されるまで、第1の内部吸収要素内への流体の流れを可能とするように較正される、第2のばねである、衝撃吸収体。
【0118】
弁要素は、ボールである、衝撃吸収体。
【0119】
第1の逆止弁は、第1の入口および第1の出口を有する第1の通路を備え、第1の出口は、外部吸収要素と流体連通し、第2の逆止弁は、第2の入口および第2の出口を有する第2の通路を備え、第2の出口は、第1の内部吸収要素と流体連通し、流体マニホールドは、第1の通路の第1の入口および第2の通路の第2の入口の両方と流体連通し、流体マニホールドは、流体源とさらに流体連通する、衝撃吸収体。
【0120】
流体源は、ポンプを備える、衝撃吸収体。
【0121】
ポンプは、手動ポンプおよび電動ポンプの1つである、衝撃吸収体。
【0122】
ポンプは、一体型手動ポンプおよび外部手動ポンプの1つである衝撃吸収体。
【0123】
ポンプは、一体型電動ポンプおよび外部電動ポンプの1つである、衝撃吸収体。
【0124】
圧力解放弁は、流体マニホールドと流体連通し、圧力解放弁は、第1の逆止弁、第2の逆止弁、第1の開閉弁、および第2の開閉弁の2つ以上が閉じることにより、第1の通路および第2の通路の両方が閉ざされた場合に、圧力を解放するように較正される、衝撃吸収体。
【0125】
圧力解放弁は、それを通した圧力の解放により可聴音を発する可聴圧力解放弁を備える、請求項15に記載の衝撃吸収体。
【0126】
第2の内部吸収要素を膨張させる時に、第2の内部吸収要素からの第3の流体の流れを制限し、膨張手順中、第2の内部吸収要素内への流体の流れを可能とする、第3の逆止弁をさらに備え、第3の逆止弁は、第3の入口および第3の出口を有する第3の通路を備え、第3の出口は、第2の内部吸収要素と流体連通し、流体マニホールドは、第3の通路の第3の入口とさらに流体連通する、衝撃吸収体。
【0127】
第2のチャンバを囲む第2の壁を備える第2の内部吸収要素であって、第2の内部吸収要素は、一次チャンバ内に配置され、第1の流体によって少なくとも部分的に取り囲まれるように構成され、第2のチャンバは、第3の圧力下で第3の流体を密封して保持するように構成される、第2の内部吸収要素をさらに備える、請求項1に記載の衝撃吸収体。
【0128】
第1の内部吸収要素は、衝撃を受ける側面に隣接して配置され、第2の内部吸収要素は、第1の内部吸収要素と被保護側面との間に配置される、衝撃吸収体。
【0129】
第1の内部吸収要素は、第1の壁厚、第1の断面壁形状、第1の曲げ弾性率、および第1の材料を備え、第2の内部吸収要素は、第2の壁厚、第2の断面壁形状、第2の曲げ弾性率、および第2の材料を備える、請求項23に記載の衝撃吸収体。
【0130】
第1の壁厚は、第2の壁厚より大きい、衝撃吸収体。
【0131】
第1の曲げ弾性率は、第2の曲げ弾性率より大きい、衝撃吸収体。
【0132】
第1の断面壁形状は、第2の断面壁形状と異なる、衝撃吸収体。
【0133】
第1の断面壁形状は、第2の断面壁形状と同じである、衝撃吸収体。
【0134】
第1の材料は、第2の材料と異なる、衝撃吸収体。
【0135】
第1の材料は、第2の材料と同じである、衝撃吸収体。
【0136】
第1の圧力は、第2の圧力より高い、衝撃吸収体。
【0137】
第1の圧力は、第2の圧力より低い、衝撃吸収体。
【0138】
第1の圧力は、第2の圧力および第3の圧力の両方より高い、衝撃吸収体。
【0139】
第1の圧力は、第2の圧力および第3の圧力の両方より低い、衝撃吸収体。
【0140】
第2の圧力は、第3の圧力より高い、衝撃吸収体。
【0141】
第1の圧力は、第2の圧力と異なり、第1の圧力は、大気圧と異なる、衝撃吸収体。
【0142】
第1の断面壁形状および第2の断面壁形状は、多角形、円、楕円、三角形、長方形、正方形、五角形、および六角形の1つ以上である、衝撃吸収体。
【0143】
外部吸収要素は、第1の圧力を制御するために封止される細長い外側チューブであり、第1の内部吸収要素は、第2の圧力を制御するために封止される第1の細長い内側チューブである、衝撃吸収体。
【0144】
細長い外側チューブ内の第1の圧力は、第1の弁によって制御され、第1の細長い内側チューブ内の第2の圧力は、第2の弁によって制御される、衝撃吸収体。
【0145】
第1の内部吸収要素の第1の壁は、膨張したパネルとして構成され、第1のチャンバは膨張したパネルの中に画定され、第1のチャンバは、細長いシームによって少なくとも部分的に分割されて、第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバを画定し、第1の細長いチャンバは第2の細長いチャンバと流体連通する、衝撃吸収体。
【0146】
第1のチャンバは、第2の細長いシームによって少なくとも部分的にさらに分割されて、第3の細長いチャンバおよび第4の細長いチャンバを画定し、第3の細長いチャンバは第4の細長いチャンバと流体連通する、衝撃吸収体。
【0147】
第1の細長いシームは、第1の方向に配置され、第2の細長いシームは、第1の方向と異なる第2の方向に配置され、第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバは、第3の細長いチャンバおよび第4の細長いチャンバと流体連通する、衝撃吸収体。
【0148】
第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバは、第3の細長いチャンバおよび第4の細長いチャンバと流体連通する、衝撃吸収体。
【0149】
第1の細長いシームおよび第2の細長いシームは、交差して、第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバの少なくとも1つが、第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバの少なくとも1つと交差するマニホールド領域を形成し、流体連通の少なくとも一部が、マニホールド領域を通して生じる、衝撃吸収体。
【0150】
膨張したパネルは、分岐して、第1の衝撃ゾーンおよび第2の衝撃ゾーンを形成し、第1の衝撃ゾーンおよび第2の衝撃ゾーンの各々は、共通衝撃ゾーンから別々に伸び、第2の流体は、マニホールド領域を通して、第1の衝撃ゾーンと第2の衝撃ゾーンとの間を移動することが可能である、衝撃吸収体。
【0151】
第1の衝撃ゾーンは、第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバを備え、第2の衝撃ゾーンは、第3の細長いチャンバおよび第4の細長いチャンバを備える、衝撃吸収体。
【0152】
膨張したパネルは、さらに分岐して、共通衝撃ゾーンから伸びる第3の衝撃ゾーンを形成し、第3の衝撃ゾーンは、第3の細長いシームによって画定される第5の細長いチャンバおよび第6の細長いチャンバを備え、第5の細長いチャンバおよび第6の細長いチャンバは、第1の細長いチャンバ、第2の細長いチャンバ、第3の細長いチャンバ、および第4の細長いチャンバの各々と流体連通する、衝撃吸収体。
【0153】
衝撃を受ける物体は、個人用保護具の物品の外殻である、衝撃吸収体。
【0154】
個人用保護具の物品は、ヘルメットである、衝撃吸収体。
【0155】
衝撃を受ける物体は、バンパーのバンパーカバーである、衝撃吸収体。
【0156】
衝撃を受ける物体は、個人用保護具の物品の外殻である、衝撃吸収体。
【0157】
締めくくりに、本明細書の態様は、特定の実施形態に言及することによって強調されているが、これらの開示された実施形態は、本明細書に開示された主題の原理を説明するものにすぎないことを当業者なら容易に認識することを理解すべきである。したがって、開示された主題は、明示的にそのように記載されない限り、本明細書に記載された特定の物品、装置、方法論、プロトコルなどに決して限定されないことを理解すべきである。加えて、特定の変更、修正、並べ替え、調整、追加、削除、およびそれらのサブコンビネーションを、本明細書の趣旨を逸脱することなく、本明細書の教示に従って行うことができることを当業者なら認識するであろう。したがって、この後に導入される以下の添付の特許請求の範囲は、そのような変更、修正、並べ替え、調整、追加、削除、およびサブコンビネーションを全て、それらの真の趣旨および範囲内にあるように含むと解釈されることが意図される。さらに、別々の実施形態が本明細書で記載され、説明されているが、これらの実施形態の各々の1つ以上の態様に、矛盾がなければ、組み合わせ、および再構成、および/または置換を行って、本発明に従ったさらに多くの実施形態を作り出すことができる。
【0158】
最後に、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的とし、特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。したがって、本発明は、正確に示され、説明されたものに限定されない。
【国際調査報告】