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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-29
(54)【発明の名称】翼状カプセル
(51)【国際特許分類】
   A61D 7/00 20060101AFI20230322BHJP
【FI】
A61D7/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548150
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(85)【翻訳文提出日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 US2021016860
(87)【国際公開番号】W WO2021158946
(87)【国際公開日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】62/971,355
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/045,066
(32)【優先日】2020-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522314050
【氏名又は名称】エランコ・アニマル・ヘルス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Elanco Animal Health Incorporated
(71)【出願人】
【識別番号】515115459
【氏名又は名称】エランコ ティーアゲズンタイト アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,エルク
(72)【発明者】
【氏名】リィ,ジャンビン
(72)【発明者】
【氏名】キルロイ,ジェイムズ アール
(72)【発明者】
【氏名】ヘミングウェイ,ジェレミー エル
(57)【要約】
翼状カプセルは、底壁および底壁から延びる管状壁を有するカプセルであって、管状壁および底壁は、物質を含むように適合された内部空間を規定し、底壁は、動物に物質を送達するように適合された開口部を有する、カプセルと、カプセルに接続された中央翼部分と、該中央翼部分に接続され、翼面に沿って該中央翼部分から横方向に延びる翼とを含み、該中央翼部分が最大中央幅を有するカプセル保持器と、を備え、翼の各々は、遠位幅を有する遠位端と、遠位端と中央翼部分との間の中間部分とを有し、中間部分は、中央翼部分に隣接する幅から遠位幅まで狭くなる幅を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物に物質を送達するための翼状カプセルであって、該翼状カプセルは、
底壁および底壁から延びる管状壁を有するカプセルであって、管状壁および底壁は、物質を含むように適合された内部空間を規定し、底壁は、動物に物質を送達するように適合された開口部を有する、カプセルと、
カプセルに接続された中央翼部分と、該中央翼部分に接続され、翼面に沿って該中央翼部分から横方向に延びる翼とを含み、該中央翼部分が最大中央幅を有するカプセル保持器と、
を備え、
前記翼の各々は、遠位幅を有する遠位端と、前記遠位端と前記中央翼部分との間の中間部分とを有し、前記中間部分は、前記中央翼部分に隣接する幅から前記遠位幅まで狭くなる幅を有する、翼状カプセル。
【請求項2】
カプセルが、翼の長手方向の範囲に垂直に測定される外側断面幅を有し、最大中心幅が、カプセルの外側断面幅の少なくとも60%である、請求項1に記載の翼状カプセル。
【請求項3】
カプセル保持器が、カプセル保持器の中央翼部分内に局所的な屈曲領域を含む、請求項1に記載の翼状カプセル。
【請求項4】
カプセル保持器が、中央翼部分にある横方向リブと、翼面に沿って横方向リブから遠位に延びる側縁リブと、側縁リブの間の中間縦リブとからなる、請求項1に記載の翼状カプセル。
【請求項5】
側縁リブ及び中間縦リブの少なくとも1つが、中央翼部分内のノッチを構成する、請求項4に記載の翼状カプセル。
【請求項6】
中央翼部分が局所的な屈曲部を構成する、請求項4に記載の翼状カプセル。
【請求項7】
局所的屈曲領域が、側縁リブおよび/または中間縦リブの高さが減少したリブ部分からなる、請求項6に記載の翼状カプセル。
【請求項8】
前記低減された高さのリブ部分はそれぞれ、前記翼の側縁リブまたは中間縦リブの高さよりも小さい高さを有する、請求項7に記載の翼状カプセル。
【請求項9】
減少した高さがゼロに等しい、請求項7に記載の翼状カプセル。
【請求項10】
前記側縁リブおよび前記中間縦リブは、前記局所的屈曲領域から遠位に延びる、請求項6に記載の翼状カプセル。
【請求項11】
中央翼部分が横方向リブからなり、横方向リブが空洞を含み、横方向リブの幅が空洞の直径より大きい、請求項1に記載の翼状カプセル。
【請求項12】
中央翼部分が、同じ方向に沿って測定されたカプセルの外側断面幅に等しい長さを有する、請求項1に記載の翼状カプセル。
【請求項13】
首部をさらに備え、首部の幅は、同じ方向に沿って測定した中央翼部分の長さよりも小さい、請求項1に記載の翼状カプセル。
【請求項14】
前記カプセルは、底部に隣接する上部を有し、底部は底壁を含み、底壁は、開口を包囲し、第1の厚さを有する平坦面部と、丸められた周縁面と、平坦面部と丸められた半径方向の縁面との間の補強部とを備え、補強部は第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有する、前記請求項のいずれか一項に記載の翼状カプセル。
【請求項15】
前記平坦面部が、内面および該内面に対向する外面を備え、前記補強部が、前記外面から遠位に延びるテーパー状の突出部を備える、請求項14に記載の翼状カプセル。
【請求項16】
テーパー状の突出部が連続した円形である、請求項15に記載の翼状カプセル。
【請求項17】
前記テーパー状の突出部が、間隔を空けて外側に延びるリブを含む、請求項15に記載の翼状カプセル。
【請求項18】
前記リブの各々は、テーパー部と、前記テーパー部を前記丸みを帯びた周縁面に接続する実質的に平坦な部分とを含む、請求項17に記載の翼状カプセル。
【請求項19】
前記平坦面部は、内面および該内面に対向する外面からなり、前記補強部は、前記内面から近位に延びる半径方向の突出部からなる、請求項14に記載の翼状カプセル。
【請求項20】
前記内面から近位に延びる半径方向突出部は、第2の厚さを有する第1のセクションと、前記第1のセクションから半径方向外側に延び、第3の厚さを有する第2のセクションと、を備える、請求項19に記載の翼状カプセル。
【請求項21】
前記半径方向突出部の第1のセクションが第1の平坦な表面からなり、第2のセクションが第2の平坦な表面からなる、請求項20に記載の翼状カプセル。
【請求項22】
前記第2の平坦面は、前記丸みを帯びた周縁面の一部と長手方向に重なっている、請求項21に記載の翼状カプセル。
【請求項23】
第3の厚さが半径方向外側に減少する、請求項22に記載の翼状カプセル。
【請求項24】
上部が管状壁を含み、管状壁が、長手方向に、第2の平坦面と重なる、請求項21に記載の翼状カプセル。
【請求項25】
前記管状壁が前記第2の平坦な表面に接触する、請求項24に記載の翼状カプセル。
【請求項26】
カプセル保持器が、上面および上面に対向する底面、上面から延びる側縁リブおよび中間縦リブ、ならびに底面から延びる底面リブを備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の翼状カプセル。
【請求項27】
前記底部リブは、前記側縁リブよりも短い、請求項26に記載の翼状カプセル。
【請求項28】
底面リブが側縁リブより厚い、請求項27に記載の翼状カプセル。
【請求項29】
動物に物質を送達するための翼状カプセルであって、該翼状カプセルは、
底壁および底壁から延びる管状壁を有するカプセルであって、管状壁および底壁は、物質を含むように適合された内部空間を規定し、底壁は、動物に物質を送達するように適合された開口部を有する、カプセルと、
カプセルに接続された中央翼部分と、該中央翼部分に接続され、翼面に沿って該中央翼部分から横方向に延びる翼と、上面および該上面に対向する底面と、該上面から延びる側縁リブおよび中間縦リブと、底面から延びる底面リブと、を含むカプセル保持器と、
を備える、翼状カプセル。
【請求項30】
前記底面リブは、前記側縁リブよりも短い、請求項29に記載の翼状カプセル。
【請求項31】
前記底面リブが前記側縁リブより厚い、請求項30に記載の翼状カプセル。
【請求項32】
カプセルは、底部に隣接する上部を有し、前記底部は底壁を含み、前記底壁は、開口を包囲し、第1の厚さを有する平坦面部と、丸みを帯びた周縁面と、前記平坦面部と丸みを帯びた半径方向の縁面との間の補強部とを備え、前記補強部は第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有する、請求項29から31のいずれか一項に記載の翼状カプセル。
【請求項33】
前記平坦面部が、内面および該内面に対向する外面を備え、前記補強部が、前記外面から遠位に延びるテーパー状の突出部を備える、請求項32に記載の翼状カプセル。
【請求項34】
テーパー状の突出部が連続した円形である、請求項33に記載の翼状カプセル。
【請求項35】
前記テーパー状の突出部が、間隔を空けて外側に延びるリブを含む、請求項33に記載の翼状カプセル。
【請求項36】
前記リブの各々は、テーパー部と、前記テーパー部を前記丸みを帯びた周縁面に接続する実質的に平坦な部分とを含む、請求項35に記載の翼状カプセル。
【請求項37】
前記平坦面部は、内面および該内面に対向する外面からなり、前記補強部は、前記内面から近位に延びる半径方向の突出部からなる、請求項32に記載の翼状カプセル。
【請求項38】
内面から近位に延びる半径方向突出部が、第2の厚さを有する第1のセクションと、第1のセクションから半径方向外側に延び、第3の厚さを有する第2のセクションとを備える、請求項37に記載の翼状カプセル。
【請求項39】
前記半径方向突出部の第1のセクションが第1の平坦な表面からなり、第2のセクションが第2の平坦な表面からなる、請求項38に記載の翼状カプセル。
【請求項40】
前記第2の平坦面は、前記丸みを帯びた周縁面の一部と長手方向に重なっている、請求項39に記載の翼状カプセル。
【請求項41】
前記第3の厚さが半径方向外側に減少する、請求項38に記載の翼状カプセル。
【請求項42】
上部が管状壁を含み、管状壁が、長手方向に、第2の平坦面と重なる、請求項40に記載の翼状カプセル。
【請求項43】
前記管状壁が前記第2の平坦な表面に接触する、請求項42に記載の翼状カプセル。
【請求項44】
動物に物質を送達するための翼状カプセルであって、該翼状カプセルは、
底壁および底壁から延びる管状壁を有するカプセルであって、管状壁および底壁は、物質を含むように適合された内部空間を規定し、底壁は、動物に物質を送達するように適合された開口部を有する、カプセルと、
カプセルに接続された中央翼部分と、中央翼部分に接続され、翼面に沿って中央翼部分から横方向に延びる翼と、上面および上面と反対側の底面と、上面から延びる側縁リブおよび中間縦リブとを含むカプセル保持器と、
を備え、
前記カプセルは、底部に隣接する上部を有し、前記底部は底壁を含み、前記底壁は、前記開口を包囲し、第1の厚さを有する平坦面部と、丸みを帯びた周縁面と、前記平坦面部と前記丸みを帯びた半径方向の縁面との間の補強部とを備え、前記補強部は前記第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有する、翼状カプセル。
【請求項45】
前記平坦面部が、内面および該内面に対向する外面を備え、前記補強部が、前記外面から遠位に延びるテーパー状の突出部を備える、請求項44に記載の翼状カプセル。
【請求項46】
テーパー状の突出部が連続した円形である、請求項45に記載の翼状カプセル。
【請求項47】
前記テーパー状の突出部が、間隔を空けて外側に延びるリブを含む、請求項45に記載の翼状カプセル。
【請求項48】
前記リブの各々は、テーパー部と、前記テーパー部を前記丸みを帯びた周縁面に接続する実質的に平坦な部分とを含む、請求項47に記載の翼状カプセル。
【請求項49】
前記平坦面部が、内面および該内面に対向する外面を備え、前記補強部が、該内面から近位に延びる半径方向突出部を備える、請求項44に記載の翼状カプセル。
【請求項50】
前記内面から近位に延びる半径方向突出部は、第2の厚さを有する第1のセクションと、前記第1のセクションから半径方向外側に延び、第3の厚さを有する第2のセクションとを備える、請求項49に記載の翼状カプセル。
【請求項51】
前記半径方向突出部の第1のセクションは、第1の平坦な表面からなり、第2のセクションは、第2の平坦な表面からなる、請求項50に記載の翼状カプセル。
【請求項52】
前記第2の平坦面は、前記丸みを帯びた周縁面の一部と長手方向に重なっている、請求項51に記載の翼状カプセル。
【請求項53】
第3の厚さが半径方向外側に減少する、請求項50に記載の翼状カプセル。
【請求項54】
上部が管状壁を含み、管状壁が長手方向に、第2の平坦な表面と重なる、請求項51に記載の翼状カプセル。
【請求項55】
前記管状壁が前記第2の平坦な表面に接触する、請求項54に記載の翼状カプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2020年6月27日に出願された米国特許出願第63/045,066号および2020年2月7日に出願された米国特許出願第62/971,355号の利益および優先権について主張され、前述の出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、一般に、低温状態での落下衝撃および曲げ加工時の幾何学的応力によりよく耐えるように改良された翼状カプセル装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
ケックトン(Kexxtone)は、モネンシン(モネンシンナトリウムとして)の制御放出製剤で、保持翼を備えたプラスチックカプセルに含まれている。カプセルの遠位端の開口部からモネンシンをゆっくりと放出し、授乳中の乳牛に投与後、平均95日間有効性を維持する。また、カプセルは他の製剤の分包にも使用でき、その場合、投与期間は短くても長くてもよく、例えば30~180日の範囲であればよい。
【0004】
モネンシン投与は、翼状カプセルの翼をカプセル本体に沿って折り畳み、投与用具にセットして行う。翼状(折りたたみ)カプセルの入った投与具を動物の口に導入し、プランジャーを押して投与具を作動させ、翼状カプセルを動物の咽頭へ排出させる。その後、カプセルは食道を通過して網状膜に入るが、この時、柔軟で弾力性のある翼が拡張して翼状カプセルを網状膜にとどめ、動物による翼状カプセル膜の逆戻りを防ぐ。
【0005】
翼は柔軟性と弾力性を持ち、挿入と自己拡張を可能にし、カプセルの位置を維持すると同時に、組織の損傷を防ぐことができる。カプセルには丸みを帯びた上部またはドームがあり、翼はドームの中心に取り付けられている。翼を横切る平面または折り畳み面に沿ったドームの丸みを帯びた形状は、翼の折り畳みを容易にし、したがって取り付け面または接続部(joint)は、咽頭への挿入に適した小さなプロファイルを維持する。接合部は、翼とドームの表面との間に首部を形成する少量の材料で構成されてもよい。
【0006】
製造後、複数の翼状カプセルを包装材(通常は袋)の中に入れる。翼状カプセルの包装や袋の輸送の過程で、翼が材料の降伏点を超えて接合部付近で曲がり、その時点で機能的な形状を回復できなくなることが判明している。また、曲がった翼が折れてボーラスから分離することもある。さらに、翼状カプセルは、出荷時や取り扱い時に低温条件(例えば、-20℃~0℃)にさらされるため、特に落下衝撃を受けた後に端部破壊を起こす可能性がある。破損した機器は、その内容に照らして適切に処理されるよう注意して廃棄する必要がある。翼状カプセルの破損を防ぎ、廃棄物や処分費用を削減する経済的な解決策が求められている。
【発明の概要】
【0007】
動物に物質を送達するための大きさ及び構成を有する翼状カプセルが本明細書に提供される。ある実施態様では、翼状カプセルは、底壁および底壁から延びる管状壁を有するカプセルであって、管状壁および底壁は、物質を含むように適合された内部空間を規定し、底壁は、動物に物質を送達するように適合された開口部を有する、カプセルと、カプセルに接続された中央翼部分と、該中央翼部分に接続され、翼面に沿って該中央翼部分から横方向に延びる翼とを含み、該中央翼部分が最大中央幅を有するカプセル保持器と、を備え、翼の各々は、遠位幅を有する遠位端と、遠位端と中央翼部分との間の中間部分とを有し、中間部分は、中央翼部分に隣接する幅から遠位幅まで狭くなる幅を有する。
【0008】
ある実施態様では、翼状カプセルは、底壁および底壁から延びる管状壁を有するカプセルであって、管状壁および底壁は、物質を含むように適合された内部空間を規定し、底壁は、動物に物質を送達するように適合された開口部を有する、カプセルと、
中央翼部分に接続され、翼面に沿って該中央翼部分から横方向に延びる翼を有し、カプセルに接続されているカプセル保持器と、を備え、カプセルは、底部に隣接する上部を有し、底部は、底壁を有し、底壁は、開口部を取り囲む平坦な表面を有し、底部は、底壁の半径方向の周縁に隣接し、底壁の厚さよりも大きな厚さを有する補強部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】翼状カプセルの一実施形態の側面図である。
図1A図1に描かれた翼状カプセルの翼を折り畳んだ状態の上面図である。
図2図1の翼状カプセルの透視図である。
図3図1の翼状カプセルの断面透視図である。
図4】翼状カプセルの追加的な実施形態の断面透視図である。
図5】翼状カプセルの追加的な実施形態の断面透視図である。
図6】翼状カプセルのさらに他の実施形態の部分透視図である。
図7】翼状カプセルのさらに他の実施形態の部分透視図である。
図8図1図7の実施形態の変形例を表す実施形態の部分透視図である。
図9図1図7の実施形態の変形例を表す実施形態の部分透視図である。
図10図1図7の実施形態の変形例を表す実施形態の部分透視図である。
図11図4の翼状カプセルの実施形態を示す側面図である。
図12】翼状カプセルの他の実施形態の側面図、透視図、上面図、および断面図である。
図13】翼状カプセルの他の実施形態の側面図、透視図、上面図、および断面図である。
図14】翼状カプセルの他の実施形態の側面図、透視図、上面図、および断面図である。
図15】翼状カプセルの他の実施形態の側面図、透視図、上面図、および断面図である。
図16】カプセルの底部の一実施形態を示す断面透視図である。
図17】カプセルの底部の一実施形態を示す断面透視図である。
図18図16及び図17のカプセルの実施形態の変形例を示す断面透視図である。
図19】カプセルの底部の他の実施形態を示す断面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面では、対応する参照符号が複数の図を通して対応する部品、機能、および特徴を示している。図面は、本発明による様々な特徴および構成要素の実施形態を表すが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、特定の特徴は、本発明をよりよく図示および説明するために誇張されている場合がある。しかしながら、本発明は、図面に示された実施形態の正確な配置及び手段に限定されるものではない。
【0011】
本発明の原理の理解を促進する目的で、以下に、図面に示された実施形態を参照し、その内容を説明する。以下に開示する実施形態は、本発明を網羅するものではなく、また、以下の詳細な説明で開示する正確な形態に限定するものでもない。むしろ、当業者がその教示を利用できるように、実施形態が選択され、説明されている。これにより、本発明の範囲を限定することは意図していないことが理解されるであろう。本発明は、図示された装置および記載された方法におけるあらゆる変更およびさらなる修正、ならびに特許請求の範囲に規定された本発明の原理のさらなる適用を含むものである。
【0012】
図を参照して後述する一部の部品は、複数の実施形態およびその変形例に共通する。図を通して、共通部分には同じ参照符号が与えられ、共通部分の説明は簡単のために繰り返されない。さらに、特に断らない限り、実施形態およびその変形例の図面は、縮尺通りに作られているが、縮尺は実施形態間で異なることがある。
【0013】
図1~3は、動物に物質を送達するための翼状カプセル10の一実施形態を示す図である。翼状カプセル10は、カプセル14と、カプセル14から延びる首16と、カプセル保持具18とを含む。カプセル14は、管状壁141と底壁143とを有し、管状壁と底壁とは内部空間17を画定し、底壁は、動物に物質を送達するように適合された開口部144を有する。底壁143のリム部は、開口部144を取り囲んでいる。底壁143は、内面143iと外面143oとを有する。カプセル14の中に物質が入れられ、開口部144を通して長期間にわたって放出されるように構成される。物質は、モネンシンまたは他の医薬品、ビタミン、および長期間にわたる送達に適した他の任意の物質から構成されてもよい。延長された期間は、30日、60日、90日、95日、120日、140日、150日、154日以上とできる。
【0014】
カプセル14は、上部と底部の2つの部品が組み合わされて構成されることがある。ここに記載される翼状カプセルのいずれかの製造中、物質は、カプセル14の頂部に挿入され、その後、底部が頂部に取り付けられ、物質17をそこに保持する。また、カプセルの壁面にある側面の開口部から物質を挿入することもできる。上部が首に取り付けられている。
【0015】
カプセル保持器18は、カプセル14の幅に対応する長さCを有する、カプセルに接続された中央翼部分180、「C」と、中央翼部分に接続され、翼面に沿って、中央翼部分から横方向に伸びる翼182とを含む。長さCは、翼182の長手方向の範囲に沿って測定される。カプセル保持器18は、首16によってカプセル14に接続されてもよい。カプセル保持器18は、横方向リブ181を含む。翼182は、横方向リブ181(図2に示す)の両側に延び、翼面を規定する上面183と、上面から延びる複数のリブとを含む。複数のリブは、側縁リブ184、遠位縁リブ185、及び側縁リブの間の中間縦リブ186(図2に示される)を含む。中央翼部分180は、長さCに直交する最大中央幅Wを有し、翼は、遠位幅Wと、WからWまで先細りになる中間幅とを有する。キャビティ188を規定する円形リブ187も示されている。キャビティは、当技術分野で知られているように、変形することなく射出成形を容易にするために(実質的に均等な熱放散を提供するために)設けられている。ただし、キャビティは省略することも可能である。側縁リブ189は、横方向リブ181から側縁リブ184まで延びている。図3に最もよく見られるように、側縁リブ189は、少なくとも部分的に側縁リブ184よりも大きな高さを有し、側縁リブ189が中央翼部分180の周囲に近づくと、高さは側縁リブ184の高さに先細りとなる。この高さの違いにより、中央翼部分、特に首の上の剛性/支持性が追加される。図3に最もよく見られるように、同じ原理が、横リブ181から中間リブ186まで延びる中間リブ190に適用される。本実施形態では、任意選択的に、中間リブ190も、中央翼部分180内で遠位に先細りになる円形リブ187に隣接して、より大きな幅を有する。高さおよび幅が大きいほど、翼の柔軟性が増す中央翼部分180の周囲に到達する前に減少する。
【0016】
側縁リブ184は、中央翼部分から、少なくとも翼端幅を有する翼の部分、すなわち遠位リブ部分184dまで延び、その間に側縁リブの中間部分184iがある。
【0017】
図示のように、中間縦リブ186は、中間部分184iの遠位端と同じくらい遠位まで延びている。中間縦リブ186は、翼の厚さ、形状、材料、および他のリブの構造との組み合わせで所望の柔軟性を得るために、所望により長くても短くてもよい。同様に、示された実施形態は好ましい実施形態であるが、翼の幅移行部は、示されたよりも長くても短くてもよい。特に、局所的な屈曲部(後述)が設けられる場合、図2に対して図6に示すように、移行部の長さを短くできる。
【0018】
いくつかの実施形態では、翼の幅移行部(中央翼部分の遠位端から始まり、翼の幅がその最も狭い幅に等しくなると同時に終わる)は、幅移行部から遠位先端まで延びる翼の長さの最大70%、65%、60%または50%である。
【0019】
いくつかの実施形態では、Wは、同じ方向に沿って測定したWの少なくとも60%である。Wは、より好ましくは、Wの70%以上、80%以上、さらに好ましくは85%以上であってもよい。カプセルが円筒形の場合、カプセルの幅はその直径Dであり、Wは同じ方向に沿って測定した直径Dの55%以上である。Wは、より好ましくは、直径、Dの少なくとも60%、80%、さらに好ましくは少なくとも85%であってよい。また、カプセルの断面は楕円形など他の形状であってもよい。
【0020】
既に述べたように、リテーナの中央翼部分C(カプセル14の直上)のより厚いリブは、最大限の柔軟性が必要でない部分の強度を高め、中央翼部分から遠位にある薄いリブは、必要な柔軟性を提供する。破線は、中間縦リブ186,190の高さを示している。また、図3では、首16が円形リブ187の直下にあることが示されている(平行破線)。したがって、首の真上に応力領域があり、円形リブ187から遠位に離れるように延びるより厚いリブとリブ部分が、中央翼部分Cを補強して、翼を上方に曲げることによって生じる可能性のある損傷を緩和している。本実施形態では、短い移行部は、中央翼部分C図1で最もよく見える)内で終わり、中央のリテーナ部分の周縁部を越えて延びない。
【0021】
いくつかの変形例では、中央翼部分Cのリブと、中央翼部分から遠位にあるリブは、同じ高さ及び/又は幅及び/又は断面を有する。中央翼部分ではリブ断面が折れ曲がりを防ぐ強度を持ち、翼では断面が弾力性を高めている。翼のリブ、例えば中間縦リブ及び側縁リブのうちの1つ以上は、特に翼が中央翼部分よりも実質的に狭い場合、中央翼部分の翼よりも大きな断面を有することも可能である。あるいは、中央翼部分Cのリブと中央翼部分から遠位にあるリブは、高さおよび/または幅および/または断面が異なる。リブの高さが異なる例は前述の通りである。それらの例では、リブの幅は異ならせることができ、例えば、側縁リブは、より広い幅に広がる一方で、より小さい高さに先細にでき、それによって、リブの幅を異ならせることができる。その他のリブのバリエーションを以下に例示する。例えば、図4~15を参照して開示された実施形態は、同じ高さ及び/又は幅及び/又は断面を有する中央翼部分におけるリブ及び中央翼部分から遠位にあるリブを組み込むように変更され得る。上部側のリブと底部側のリブの両方がこのように変更される可能性がある。
【0022】
いくつかの変形例では、中間縦リブおよび側縁リブの1つ以上が遠位端リブまで延び、翼にさらなる剛性を提供する。任意で、遠位端リブは、側縁リブよりも大きな断面、例えば、より幅広い断面を有する。さらに、翼の遠位端の厚みを増し、遠位端リブの端の間に従来存在していた空間を固め、細長い突起ではない隆起部分を設けることで、遠位端リブをなくすことも可能である。図4~15を参照して開示された実施形態は、本段落に開示されるようなリブを組み込むように変更され得る。トップサイドリブとボトムサイドリブの両方がこのように変更される可能性がある。
【0023】
「リブ」という用語は、表面から伸びる細長い突起を意味することが理解されるべきである。リブを表す用語として、「突起」や「隆起部」を使用することも可能である。
【0024】
カプセル14は円筒形を有して示されているが、その長手方向軸を横切るカプセル14の断面は円形である必要はなく、例えば、楕円形、長方形または正方形であり、長方形または正方形の断面の場合には丸い縁があってもなくてもよいことが理解されるべきである。
【0025】
図1Aは、送達デバイスの直径11に翼を折り畳んだ翼カプセル10の上面図である。このように、本実施形態では、中央翼部分の最大中心幅は、カプセルの直径よりもわずかに小さくなっている。翼は、カプセルの外径に近似した直径に圧縮、または折り畳まれて、送達装置に提示されるプロファイルを最小化し、カプセルの直径を最大化できる。送達デバイスの内径は、例えば、30~50mmの範囲であってもよい。折り返し翼径は、内径より1~5mm小さくてもよく、好ましくは内径より1~3mm小さく、より好ましくは内径より1~2mm小さくてもよい。一例では、折り畳まれた翼の直径は約41mm(円10a)であり、送達デバイスは42mmの内径11を有している。別の例では、送達装置の内径は35mmで、折り畳まれた翼の直径は約34mmである。
【0026】
翼状カプセルは、実質的にポリプロピレンを含む材料から射出成形されてもよい。ポリプロピレン材料としては、以下の特性を有する材料が例示されるが、他の射出成形用グレードのポリマーを用いてもよい。これらの材料は、従来のデバイスに使用されていた材料よりも曲げに強く、破損を軽減できる。
【0027】
図4は、それぞれ符号19および20で示される、リテーナを有する翼状カプセルの別の実施形態を示す図である。カプセル保持器20は、カプセルに接続された、長さCLを有する中央翼部分200と、中央翼部分に接続され、翼面に沿って中央翼部分から横方向に延びる翼200’とを含む。リテーナ20は、空洞205を囲む円形リブ201と、中間縦リブ202と、側縁リブ203と、横リブ204とを有する。本実施形態では、円形リブ201は首の内周よりも小さく、リブが首の壁面に張り出し、撓みに対する抵抗力を発揮する。また、翼の幅は中央保持部の方が広く、中央保持部内で幅が細くなり始めている。リブの厚さは実質的に一定である。横リブ204は、円形リブ201の内径とほぼ同じ幅である。横リブ204の幅は、円形リブ201の内径の少なくとも50、60、70、80、または90%であってよい。図11は、翼状カプセル19の側面図である。図12図15は、底面リブを含む翼状カプセル19の変形例を示す図である。
【0028】
図5は、それぞれ符号21および22で示される、リテーナを有する翼状カプセルのさらなる実施形態を示す図である。リテーナ22は、円形リブ221と、中間縦リブ222と、側縁リブ223と、ほぼ全幅Wに渡る空洞228とを有している。本実施形態では、円形リブ221は、首の外周に実質的に重なっている。図4の実施形態と同様に、翼は、中央のリテーナ部分に隣接してより広くなっている。リブの厚さは実質的に一定である。大きな空洞は、円形のリブを首の上まで伸ばし、首とリテーナの接合部である応力破壊しやすい部分を構造的にサポートするために設けられている。
【0029】
本明細書で使用する「局所的屈曲領域」とは、翼が折り畳まれたときに屈曲するようにサイズおよび構成された、翼の長手方向に横切る領域を指し、それによって首が取り付けられた中央翼部分への応力を軽減し、応力破壊を防止できる。従来の装置では、中央の翼部分と首の接続部分に大きな応力がかかることが確認されていた。局所的な屈曲部は、第2の屈曲部とも呼ばれる所定の屈曲部を提供する(第1の屈曲部は、首部が中央翼部分に取り付けられる部分)。局所的な屈曲領域は、高さが減少したリブを有でき、これにはノッチ付きリブ(図8)およびリブの欠如(図6、7、9、および10)が含まれる。また、局所的な屈曲部は、(隣接するリブ部の幅に比して)幅の小さいリブ部を有することもできる。高さを抑えたリブは、横リブと中間リブの両方で示されているが、すべてのリブではなく、いくつかのリブに高さを抑えた部分を設けることによっても、応力を低減できる。
【0030】
図6および図7は、それぞれ符号23および24で示される、リテーナを有する翼状カプセルのさらなる実施形態の斜視図である。リテーナ24は、リテーナ18と同様である。しかし、リテーナ18とは異なり、中央翼部分のリブ(側縁リブ189及び中間リブ190)は、横方向リブ181又は円形リブ187から延びているが、中間リブ186又は側縁リブ184に接続しておらず、それらの間の隙間が、リブを有する翼部よりも容易に曲がる局所屈曲領域240を画定している。本実施形態では、局所的な屈曲部は重ならず、首部の外周の遠位に配置されている。
【0031】
図8を参照すると、図6及び図7に描かれた実施形態の変形例において、リブ184及び186が省略されている。リテーナ26を有する翼状カプセル25が示されている。リテーナ26は、リブ184、186が省略されている点で、リテーナ24と異なっている。リテーナ26は、局所的な屈曲領域240を含む。
【0032】
図9を参照すると、別の実施形態では、局所的屈曲領域は、翼に位置するリブの高さに対して高さが減少したリブ部分から構成されている。リテーナ28を有する翼状カプセル27が示されている。図6および図7に描かれた実施形態におけるリブがないことは、ゼロに等しい低減された高さに相当する。本変形例では、局所的な屈曲領域におけるリブの高さはゼロではなく、局所的な屈曲領域280を形成している。リブを切り欠くことで局所的な屈曲部を作っている。切欠きは成形プロセス中に成形でき、装置の成形後に翼付きリテーナを作成または切断できる。また、リテーナ24とは異なり、中央翼部分のリブ(側縁リブ189及び中間リブ190)は、少なくともキャビティ188の直径と同じ幅の横方向リブ281から延びている。
【0033】
図10は、それぞれ符号29および30で示される、リテーナを有する翼状カプセルのさらに他の実施形態の透視図である。リテーナ30は、リテーナ23、27の変形例である。リテーナ30は、幅広の横方向リブ281を含み、中間リブ186及び横方向エッジリブ184、例えば局所的屈曲領域240に接続する、翼に位置するリブの高さと比較して、高さが減少したリブ部分を含んでいる。局所的な屈曲領域は重ならず、首の外周の遠位にある中央翼部分に配置されている。
【0034】
上述したように、図11は、図4を参照して先に説明したカプセル保持器20を含む翼状カプセル19の側面図を示している。カプセル保持器20は、翼面を規定する上面183と、上面183の反対側にあり首16に接続された下面183’とを含む。カプセル保持器20は、翼の長手方向の範囲に沿って測定された長さCを有する、カプセルに接続された中央翼部分200と、中央翼部分に接続されてそこから横方向に延在する翼200’とを含む。図12から図15に示された、符号33で示される翼状カプセル19の変形例では、符号34で示されるカプセル保持器は、底面183’から延びる底面リブ342を含む。有利なことに、底面リブの提供は、保持を最適化し、梱包および輸送中の損傷を最小限に抑えるために、下向き(カプセルに向かう)および上向き(カプセルから離れる)の両方で適切な曲げ力をカプセル保持器に設計するための別の制御変数を提供する。
【0035】
図12~15を参照すると、カプセル保持器34は、翼の長手方向の範囲に沿って測定された長さCを有する、カプセルに接続された中央翼部分340と、中央翼部分に接続されてそこから横方向に延在する翼340’とを含む。カプセル保持器34は、空洞205を囲む円形リブ201、円形リブ201から延びる中間縦リブ202、横方向リブ204から延びる側縁リブ203、及び底面183’から延びる底面リブ342を有する。円形リブ201は、首の内周より小さくても大きくてもよい。リブ342は首の壁の上に伸びて、屈曲に対する抵抗力を与えることができる。また、翼は中央保持部に隣接する部分の幅が広く、翼の先端は中央保持部に隣接する部分よりも幅が小さくなるように先細りになっている。リブの厚さは、実質的に一定であってもよい。リブは、カプセルの長手方向と平行な面に沿って伸びている。図示のように、側縁リブは、少なくとも部分的に底面リブと重なっている。
【0036】
また、側縁リブの幅は、中央翼部分とそれに隣接する部分では広く、遠位端では狭くなっている。側縁リブの幅も、曲げに対する抵抗力を決定する別の変数である。また、幅は一定であってもよい。
【0037】
中間縦リブ202の幅も、中央翼部分およびそれに隣接する部分では広く、遠位端では狭くなっている。中間縦リブの幅も曲げに対する抵抗力を決定する別の変数である。また、幅は一定であってもよい。
【0038】
図14に示すように、中間縦リブ202及び側縁リブ203は、カプセルの周縁に重なる面に沿って幅が広く、狭い幅に移行している。これは、翼状カプセルの損傷につながる屈曲に抵抗する一方で、中央翼部分に対して屈曲を大きくして、潜在的な組織の損傷を制限するためである。図15には、翼340’の断面A-Aが示されている。
【0039】
図15を参照すると、リブは、それぞれ、上下の翼面183、183’から上方および下方に延びている。図示のように、断面A-Aに沿った側縁リブ203は、中間縦リブ202より広く、底面リブ342ほど厚くない。底面リブ342の厚さは、側縁リブ203の厚さより10%、15%、20%、25%、30%、あるいは40%大きくてもよい。図13~15は縮尺して描かれており、その相対的な寸法は好ましい実施形態を表している。
【0040】
以上、実施形態および変形例により、カプセル保持器の有利な特徴を説明した。特にカプセルを落とした場合のカプセルの破損を防ぐために、さらなる有利な機能が提供される。これらの特徴は、図1図15を参照して説明した翼状カプセルのいずれにも実装できる。したがって、図1から図15に示される翼状カプセルは、先行技術のカプセル、または図16から図19を参照して以下に示されるカプセルのいずれかを含むことができる。類似の方法で、図16~19を参照して以下に描かれたカプセルのいずれかが、先行技術のカプセル保持器または図1~15を参照して上述したカプセル保持器のいずれか、および記載された特徴を組み合わせたその任意の変形に取り付けられることができる。
【0041】
図16を参照すると、一般に、カプセルは、上部と下部とを含む。上部は、管状壁141を含み、下部は、底壁143を含む。先行技術の装置と全く同じ方法で物質が送達されることを確実にするために、開口に隣接する底壁143の厚さ、及び開口144の大きさを、先行技術の装置と同じに維持することが好ましい場合がある。図16及び図17を参照すると、カプセル40の符号401で示される上部と符号402で示される下部との間の接合部が示されている。また、符号403で示される物質の描写が示されている。上部401は、インターロック機能例えばロック突起、接着剤接合、超音波溶接、レーザー溶接、およびそれらの組み合わせを含む任意の数の手段によって底部402に固定されてもよい。例えば、ロック突起を利用してカプセルを形成し、上部と下部が分離できないように溶接することも可能である。溶接部は、例えば、上部と下部の壁が合わさったり、重なり合ったりする周方向の接合部を形成できる。底部402は、底壁143に接続された側壁405を含む。底壁143は、補強機能を含む。以下、補強機能の様々な実施形態について説明する。一般に、底壁は、開口を包囲し、第1の厚さを有するリム部145と、丸みを帯びた周方向端面と、リム部と丸みを帯びた半径方向端面との間の補強部とを備え、補強部は第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有する。補強部は、カプセルに向かって近位に伸びてもよいし、カプセルから遠ざかる方向に伸びてもよい。補強部は、一定の厚さを有していてもよく、一定の厚さの2つ以上の部分部を有していてもよく、また、徐々に(半径方向外側に)厚さが増加するものであってもよい。好ましい実施形態では、補強部の一部が管状壁と重なっており、翼状カプセルが落下した場合、その衝撃は補強部によって受け止められるようになっている。補強部は、リム部から始めてもよい。あるいは、リム部は肉厚が一定の平坦面部であってもよい。
【0042】
一定の厚さを有していてもよい平坦面部は、内面143iと内面に対向する外面143oとを含み、補強部は、外面から遠位に延びるテーパー状の突起部を含む場合がある。
【0043】
テーパー状の突起部は、連続した円形であってもよい。図16及び図17に、連続したテーパー状の突起408の一例を示す。あるいは、図18に示すように、テーパー状の突起部は、間隔をあけて外側に延びるリブを含んでもよい。リブの各々は、テーパー部と、テーパー部と丸みを帯びた周縁面とを接続する実質的に平坦な部分とを含んでもよい。外側とは、管状壁の外周面と底壁の外周面とを結ぶ丸みを帯びた周縁面の方向である半径方向外側を意味する。
【0044】
図16は、底壁143の外面143oから始まり、丸みを帯びた半径方向の端面409まで延びるテーパー状の突出部によって構成された底壁143の補強部407を示す図である。外面143oは、開口部144を包囲する外部半径方向平坦面を提供する。補強部分はわかりやすくするため、このように表記している。補強特徴は、平坦な半径方向部分と、平坦な半径方向部分から延びる徐々に増加する厚さの半径方向部分と、徐々に増加する厚さの半径方向部分から延びる曲線状の縁とを有する底壁として記述することもできる。
【0045】
破線は、底壁143の平坦な表面を表し、補強部407が底壁143の平坦な表面から遠位に延びる様子をより明確に描写するために示されている。図17は、底壁143の平坦部の厚みthと、補強部407の最大厚みthとを説明する図である。最大厚みthは、厚みthよりも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%及び90%以上大きくてもよい。好ましい実施形態では、厚さthは、底壁のうち壁141と重なる部分に生じる。したがって、落下した場合、落下による力は、壁141によって底壁143の厚い部分に加えられる。2本の垂直破線は、底壁143に接する壁141の部分と重なる底壁143の部分を示している。
【0046】
本実施形態の変形例では、連続した半径方向テーパー突起は、半径方向に分布する複数のリブから構成される。
【0047】
図18を参照すると、本実施形態では、補強特徴部、例示的に補強部407’は、開口144を包囲する外部半径方向平坦面から丸められた周縁409まで延びる離散半径方向延在リブ、又は突起440から構成される。図示のように、各リブは、テーパー部と、テーパー部と丸みを帯びた周縁部409との間の平坦部とからなる。
【0048】
図19は、補強特徴を含む、符号50で示されるカプセルの別の実施形態を示している。カプセル50の底部502は、円筒形の壁405、底壁143、第1の補強特徴510、および第2の補強特徴512を含み、両方とも、底壁143に材料を追加してより厚い部分を提供することからなり、または上記の代替で説明したように、上記特徴は底壁143のより高い部分を構成している。底壁143は、したがって、開口部144を包囲し、厚さthを有する第1のセクション508と、セクション508を包囲し、厚さth+thを有する第2のセクション510と、第2のセクション510を包囲し、第2のセクションから長手方向内側に距離、すなわち厚さthだけ延びる第3のセクション512とから構成されている。図示のように、第2および第3のセクションは、第1のセクションの内面143iから長手方向内側に延びている。第3のセクションは、壁141の底面に重なっている。図19は縮尺して描かれている。第1のセクションと第2のセクションの半径方向の長さは、図示のとおりであってもよいし、相対的な長さが図示と異なっていてもよい。
【0049】
反対の意図が明示されている場合を除き、用語「comprises」、「comprising」、「containing」、「having」などは、「includes」、「including」などを意味し、一般にオープンエンドの移行用語と解釈される。無制限の移行項に続いて具体的に記載された構成要素、構造、ステップ等の記載は、当該クレームを具体的に記載された構成要素、構造、ステップ等に限定するものでは決してない。「からなる”consisting of”」または「からなる”consists of”」という用語は、閉じた遷移語である。
【0050】
反対の意図が明示されている場合を除き、本明細書および特許請求の範囲における「第1」「第2」「第3」「第4」などの用語は、同様の要素を区別するために用いられ、必ずしも特定の順序または時系列を記述するために用いられるものではない。このように使用される任意の用語は、本明細書に記載される実施形態が、例えば、本明細書に図示またはその他の方法で記載されるもの以外のシーケンスで動作可能であるような適切な状況下で互換性があることが理解される。同様に、ある方法が一連のステップを含むものとして本明細書に記載されている場合、本明細書に提示されているようなステップの順序は、必ずしもそのようなステップが実行され得る唯一の順序ではなく、記載されているステップのあるものはおそらく省略されてもよく、及び/又は本明細書に記載されていない他のあるステップがおそらくその方法に追加されてもよい。
【0051】
反対の意図が明示されている場合を除き、用語は明確にするために単数形で使用され、その複数形を含むことが意図されている。
【0052】
なお、本明細書において、「一実施形態において」または「一態様において」という表現は、必ずしも全てが同じ実施形態または態様を指しているわけではない。
【0053】
本発明は、実施形態および実施例によって例示されたデザインを有するものとして説明されてきたが、本発明は、本開示の精神および範囲内でさらに変更できる。したがって、本出願は、その一般原理を用いた本発明の変形、使用、または適応を対象とすることを意図している。さらに、本出願は、本発明が属する技術分野において既知または慣用の範囲内にある、本開示からの逸脱を対象とすることを意図している。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】