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特表2023-512842心外膜ワイヤとベッドサイドモニタと一時的ペースメーカーとを同時接続する為の電気コネクタ及びカバー
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  • 特表-心外膜ワイヤとベッドサイドモニタと一時的ペースメーカーとを同時接続する為の電気コネクタ及びカバー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-29
(54)【発明の名称】心外膜ワイヤとベッドサイドモニタと一時的ペースメーカーとを同時接続する為の電気コネクタ及びカバー
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/375 20060101AFI20230322BHJP
   A61N 1/37 20060101ALI20230322BHJP
   A61N 1/362 20060101ALI20230322BHJP
【FI】
A61N1/375
A61N1/37
A61N1/362
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022548408
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 US2021017179
(87)【国際公開番号】W WO2021163016
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】16/786,433
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390023641
【氏名又は名称】ウイスコンシン アラムナイ リサーチ ファウンデーシヨン
【氏名又は名称原語表記】WISCONSIN ALUMNI RESEARCH FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ボン バーゲン,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】クノエスペル,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】テリアン,フィリップ
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053KK02
(57)【要約】
心外膜ペース調整及びテレメトリ監視の為のインタフェースユニットは、心外膜ペーシングリードを使用する電位図視覚化の間の同時ペーシングの為にペースメーカーとベッドサイドモニタとを接続する。インタフェースユニットは、心外膜リードの片手手動装着部を有する電気絶縁ハウジングと、心外膜リードの上に延在する格納可能な保護シュラウドとを備える。インタフェースユニットは更に、ペースメーカー及びベッドサイドモニタへの選択的装着の為の電気コネクタを備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心外膜ペース調整及びテレメトリ監視の為のインタフェースユニットであって、
電気絶縁ハウジングと、
前記ハウジングの対応の開口からアクセス可能であると共に、第1及び第2心外膜リードワイヤを挿入軸線と平行に前記ハウジングの内部へ解除可能に収容するのに適応した第1及び第2電気端子と、
ペースメーカーコネクタを第3及び第4端子で解除可能に収容するように前記絶縁ハウジングに装着される第1電気コネクタと、
テレメトリコネクタ接続部を第5端子で収容するように前記絶縁ハウジングに装着される第2電気コネクタと、
前記ハウジングの中に配置される回路であって、前記第2及び第3電気端子の間、そして前記第1、第4端子と前記第5端子との間に電気通信を設ける回路と、
前記第1及び第2心外膜ワイヤが前記第1及び第2電気端子により収容されて、前記第1及び第2端子の近位の第1位置と前記第1及び第2端子から取り外された第2位置との間で移動するように前記ハウジングに移動可能に装着される前に、前記第1及び第2心外膜ワイヤを収容する為の第1及び第2開口を備えて、前記第1及び第2端子から外向きに延出する前記第1及び第2心外膜ワイヤの絶縁カバーとなる電気絶縁シュラウドと、
を具備するインタフェースユニット。
【請求項2】
前記シュラウドが前記挿入軸線上で前記ハウジングに対して移動可能である、請求項1のインタフェースユニット。
【請求項3】
前記ハウジングが前後の両側表面を備え、前記第1及び第2心外膜ワイヤと前記ペースメーカーコネクタからの前記第1電気コネクタとが共通軸線と平行に延在し得るように前記第1及び第2端子の前記開口が前表面に在って前記第1電気コネクタが反対の後表面に在る、請求項1のインタフェースユニット。
【請求項4】
前記ハウジングが更に両側の上方及び下方表面を備え、前記第2電気コネクタが前記上方表面に在る、請求項1のインタフェースユニット。
【請求項5】
前記第1及び第2心外膜リードワイヤを拘束するボタンを更に含む、請求項1のインタフェースユニット。
【請求項6】
前記ボタンが前記ハウジングの左右の両側表面に在る、請求項5のインタフェースユニット。
【請求項7】
前記第1及び第2心外膜リードワイヤを拘束するように前記ボタンがスプリングにより操作軸線上で付勢される、請求項6のインタフェースユニット。
【請求項8】
前記ボタンが、共有スプリングにより前記操作軸線上で反対方向に付勢される両側の第1及び第2ボタンである、請求項7のインタフェースユニット。
【請求項9】
前記操作軸線が前記挿入軸線に直交している、請求項7のインタフェースユニット。
【請求項10】
前記ボタンが、前記ハウジングに延出して第1位置で前記第1及び第2電気端子と前記第1及び第2開口との間に配置されるブロックアームを備えると共に、第2位置で前記第1及び第2電気端子と前記第1及び第2開口との間に経路を設ける、請求項6のインタフェースユニット。
【請求項11】
前記ボタンが前記第2位置に在る時に前記挿入軸線上で整合される窓部を前記ブロックアームが含む、請求項10のインタフェースユニット。
【請求項12】
前記回路が少なくとも1キロオームの抵抗を備える、請求項1のインタフェースユニット。
【請求項13】
前記第1及び第2コネクタの少なくとも一方を被覆する係留カバーを更に具備する、請求項1のインタフェースユニット。
【請求項14】
前記第1及び第2開口の近位にそれぞれ配置されるマイナス及びプラス符号の基準ラベルを更に具備する、請求項1のインタフェースユニット。
【請求項15】
前記第1及び第2位置の少なくとも一方で前記ハウジングと前記シュラウドとの間に配置される戻り止めを更に含む、請求項1のインタフェースユニット。
【請求項16】
前記第2電気コネクタが、前記ハウジングから外向きに延出して前記回路アセンブリに電気結合される金属ボスにより画定されるスタッドコネクタであり、前記スタッドコネクタが前記ハウジングの外面に配置される、請求項1のインタフェースユニット。
【請求項17】
心外膜ペース調整及びテレメトリ監視の為のコネクタアセンブリであって、
患者の心臓に接続された心外膜ペーシングリードを通して前記心臓に電気ペーシングを行うように構成される電気インパルスを提供するペース発生器と、
前記心外膜ペーシングリードから電気心臓信号を受理して前記電気心臓信号の表示を提供するように構成されるテレメトリモニタと、
インタフェースユニットであって、
電気絶縁ハウジングと、
前記ハウジングの対応の開口からアクセス可能であって、挿入軸線と平行に前記ハウジングの内部へ第1及び第2心外膜リードワイヤを解除可能に収容するのに適応した第1及び第2電気端子と、
ペースメーカーコネクタを第3及び第4電気端子で解除可能に収容するように前記絶縁ハウジグに装着される第1電気コネクタと、
テレメトリモニタ接続部を第5端子で収容するように前記絶縁ハウジングに装着される第2電気コネクタと、
前記ハウジングの中に配置される回路であって、前記第2及び第3電気端子の間と前記第1、第4端子と前記第5端子との間に電気通信を設ける回路と、
前記第1及び第2心外膜ワイヤが前記第1及び第2電気端子に収容されて、前記第1及び第2端子の近位の第1位置と前記第1及び第2端子から取り外された第2位置との間で移動するように前記ハウジングに移動可能に装着される前に、前記第1及び第2心外膜ワイヤを収容する為の第1及び第2開口を備えて、前記第1及び第2端子から外向きに延出する前記第1及び第2心外膜ワイヤの絶縁カバーとなる電気絶縁シュラウドと、
を具備するインタフェースユニットと、
を具備するコネクタアセンブリ。
【請求項18】
前記シュラウドが前記ハウジングに対して前記挿入軸線上で移動可能である、請求項17のアセンブリ。
【請求項19】
前記第1開口及び第1端子が第1挿入軸線上で整合され、前記第2開口及び第2端子が第2挿入軸線上で整合され、前記第1及び第2挿入軸線が平行に離間している、請求項17のアセンブリ。
【請求項20】
前記第1及び第2心外膜リードワイヤを拘束するボタンを更に具備する、請求項17のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、心外膜ペース調整及びテレメトリ監視の為のインタフェースユニットに、特に、心外膜ペーシングリードを使用する電位図視覚化の間に同時ペーシングを行うペースメーカー及びベッドサイドモニタの為の電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
テレメトリ監視により、医療専門家は、心臓の電気的活動を実時間で、かつ長期間にわたって監視できる。テレメトリ監視は、患者の不整脈のリスクが最も高い時に、心臓外科手術に続いて使用されることが多い。体表心電図(ECG)電極は従来、心臓リズムを検出及び監視するように患者の皮膚に載置される。
【0003】
術後不整脈のリスク故に、一時的な体外ペースメーカーによる心臓のペーシングを許容するように心臓心外膜の外側に載置される一時的ペーシングワイヤが多くの患者に用意される。
【0004】
従来、患者の胸部に載置されてベッドサイドモニタで視認される体表ECG電極から心臓リズムが得られる。しかしながら、体表ECG電極を使用して心房信号を視覚化するのは容易でない。それ故、医療専門家が不規則性を検出した時に、従来の解決法は、医療専門家がECG信号を高い精度で解釈できるようにECG技師が心外膜ペーシングワイヤをECGモニタに接続することである。言い換えると、心外膜ペーシングワイヤは体表ECG電極よりも心房インパルスの近くに配置され、それ故、心房波形について高品質の情報が得られた。不整脈が検出されて医療専門家が心臓のペーシングを求める場合には、心外膜ペーシングワイヤがECGモニタから取り外されてペーシングの為に一時的ペースメーカーに再接続されなければならない。
【0005】
心外膜ペーシングワイヤを接続及び切断するプロセスは時間を要し、連続的に繰り返される視覚化及びペーシングの為に反復される必要があり得る。これは、ECGモニタ、ペースメーカー、そして心外膜接続部からの3組のコネクタの接続ミスのリスクも伴う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、心外膜ペーシングリードを使用する電位図視覚化の間の同時ペーシングの為にペースメーカーとベッドサイドモニタとを同時に接続する心外膜ペース調整及びテレメトリ監視の為のインタフェースユニットを提供する。インタフェースユニットは、心外膜リードの片手手動装着を行う電気絶縁ハウジングと、心外膜リードに延在する格納式保護シュラウドとを備える。インタフェースユニットは更に、ペースメーカー及びベッドサイドモニタへの選択的装着の為の電気コネクタを備える。
【0008】
本発明は、一態様において、電気絶縁ハウジングと、ハウジングの対応の開口からアクセス可能であると共にハウジングの内部へ第1及び第2心外膜リードワイヤを挿入軸線と平行に解除可能に収容するのに適応した第1及び第2電気端子と、第3及び第4電気端子でペースメーカーコネクタを解除可能に収容するように絶縁ハウジングに装着される第1電気コネクタと、第5端子でテレメトリモニタ接続部を収容するように絶縁ハウジングに装着される第2電気コネクタと、ハウジングの中に配置される回路であって、第2及び第3電気端子の間及び第1、第4端子と第5端子との間に電気通信を設ける回路と、第1及び第2心外膜ワイヤが第1及び第2電気端子に収容されて、第1及び第2端子の近位の第1位置と、第1及び第2端子から取り外された第2位置との間で移動するようにハウジングに移動可能に装着される前に第1及び第2心外膜ワイヤを収容する為の第1及び第2開口を備えて、第1及び第2端子から外向きに延出する第1及び第2心外膜ワイヤの絶縁カバーとなる電気絶縁シュラウドとを含む、心外膜ペース調整及びテレメトリ監視の為のインタフェースユニットを提供する。
【0009】
故に、環境からの心外膜リード保護を行うインタフェースユニットを設けると共に、挿入開口部の近位に端子を載置することによりユーザが心外膜リードをユニットの端子に容易に接続できるようにすることが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0010】
シュラウドは、挿入軸線上でハウジングに対して移動可能であり得る。
【0011】
故に、ユニットへの心外膜ワイヤの挿入と、ワイヤを妨害しない保護シュラウドの移動とを可能にすることが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0012】
ハウジングは前後の両側表面を備え、第1及び第2心外膜ワイヤとペースメーカーコネクタからの第1コネクタとが共通軸線上で平行に延在するように第1及び第2端子の開口は前表面に在って第1電気コネクタが反対の後表面に在る。
【0013】
故に、ワイヤの屈曲が少ないインタフェースユニットへのリード/コネクタのより直感的な接続を設けることが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0014】
ハウジングは更に両側の上方及び下方表面を備え、第2電気コネクタは上方表面に在る。
【0015】
故に、ユニットの各電気コネクタを視覚的に隔離して、ユニットが患者の胸部に支承されている時にECGモニタコネクタをアクセス可能にすることが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0016】
第1及び第2心外膜リードワイヤを拘束するのにボタンが使用され得る。
【0017】
故に、コネクタ孔が充分に大きなサイズであるのでワイヤの挿入の為に必要な力がゼロであってワイヤへの挟持力がスプリング付勢ボタンにより印加されることが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。コネクタ孔は多様なサイズ及び直径の心外膜ワイヤも収納する。
【0018】
ボタンは、ハウジングの左右の両側表面に設けられ得る。
【0019】
故に、心外膜ワイヤを他のコネクタから空間的に取り外して患者を下向きに押圧せずに装着可能にすることが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。またこの特徴は、両方のボタンを同時に把持することによる心外膜ワイヤの迅速解除を可能にする。
【0020】
第1及び第2心外膜リードワイヤを拘束するようにスプリングによりボタンが付勢され得る。ボタンは、共有スプリングにより互いから離間するように付勢される両側の第1及び第2ボタンであり得る。
【0021】
故に、心外膜ワイヤの片手での拘束及び解除を可能にすることが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。又、スプリング力により、心臓からワイヤを取り外す力を下回る大きな力でワイヤが取り外され得る。
【0022】
操作軸線は挿入軸線に直交し得る。
【0023】
故に、サイドボタンの操作の為に自然なグリップ角度を使用することが本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。又、この特徴によって、ボタン押圧により生じるハウジングの想定外の移動でワイヤが外れることは無い。
【0024】
ハウジングへ延出して第1位置で第1及び第2電気端子と第1及び第2開口との間に配置されると共に第2位置で第1及び第2端子と第1及び第2開口との間に経路を設けるブロックアームがボタンに設けられ得る。ブロックアームは、ボタンが第2位置に在る時に挿入軸線に整合される窓部を含み得る。
【0025】
故に、ワイヤが装着されていない時に端子の環境露出を阻止することが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0026】
回路は、少なくとも50キロオームの抵抗を備え得る。
【0027】
故に、程度の異なる電気保護(例えばCF(心臓流動)型分類)を行う多様なテレメトリモニタと共にユニットを機能させることが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0028】
係留カバーは第1及び第2コネクタの少なくとも一方を被覆し得る。
【0029】
故に、ペースメーカーが使用されていない時に偶発的な短絡を防止することが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0030】
第1及び第2開口の近位には、プラス及びマイナス符号の基準ラベルがそれぞれ配置され得る。
【0031】
故に、心外膜リードの正及び負のワイヤの直感的な接続を用意して混同を防止することが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0032】
第1及び第2位置の少なくとも一方でハウジングとシュラウドとの間に戻り止めが配置され得る。
【0033】
故に、心外膜リードワイヤがユニットに装着された時にシュラウドを延出保護位置に維持することが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0034】
第2電気コネクタは、ハウジングから外向きに延出して回路アセンブリに電気結合される金属ボスにより画定されるスタッドコネクタであり、スタッドコネクタはハウジングの外面に配置される。
【0035】
故に、多様な標準ECGモニタコネクタとの接続を行うことが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0036】
本発明は、別の態様において、患者の心臓に接続された心外膜ペーシングリードを通して心臓に電気的ペーシングを行うように構成される電気パルスを提供するペース発生器と、心外膜ペーシングリードから電気心臓信号を受理して電気心臓信号の表示を提供するように構成されるテレメトリモニタと、電気絶縁ハウジングと、ハウジングの対応の開口からアクセス可能であって、挿入軸線と平行にハウジングの内部への第1及び第2心外膜リードワイヤを解除可能に収容するのに適応した第1及び第2電気端子と、絶縁ハウジングに装着されて第3及び第4電気端子でペースメーカーコネクタを解除可能に収容する第1電気コネクタと、絶縁ハウジングに装着されて第5端子でテレメトリモニタ接続部を収容する第2電気コネクタと、ハウジングの中に配置される回路であって、第2及び第3電気端子の間と、第1、第4端子と第5端子との間での電気通信を行う回路と、第1及び第2心外膜ワイヤが第1及び第2電気端子に収容されて、第1及び第2端子の近位の第1位置と第1及び第2端子から取り外された第2位置との間で移動するようにハウジングに移動可能に装着される前に第1及び第2心外膜ワイヤを収容する為の第1及び第2開口を備えて、第1及び第2端子から外向きに延出する第1及び第2心外膜ワイヤの絶縁カバーとなる電気絶縁シュラウドとを備える。
【0037】
故に、電位図視覚化の間にペースメーカーがインタフェースユニットに任意で接続されるようにすることが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0038】
第1開口と第1端子とは第1挿入軸線上で整合され、第2開口と第2端子とは第2挿入軸線上で整合され、第1及び第2挿入軸線は平行に離間している。
【0039】
故に、正及び負の開口及び端子の各々を絶縁して短絡及び接続ミスを防止することが、本発明の少なくとも一つの実施形態の特徴である。
【0040】
本発明は、別の態様において、開口を備えるハウジングと、ハウジングの中に配置される回路アセンブリとを含むコネクタを提供する。回路アセンブリは端子を備える回路板を含む。コネクタは更に、第1位置と第2位置との間でハウジングに対して移動可能であるシュラウドを含む。ハウジングは少なくとも部分的にシュラウドの中に配置される。コネクタは更に、端子と開口との間に配置されるブロックアームを含むボタンを含む。ボタンは、ブロック位置と非ブロック位置との間において操作軸線上で移動可能である。コネクタは更に、ボタンをブロック位置へ付勢する付勢部材を含む。
【0041】
本発明は、別の態様において、第1開口と第2開口とを備えるハウジングと、ハウジングの中に配置される回路アセンブリとを含むコネクタを提供する。回路アセンブリは、第1端子と第2端子とを備える回路板を含む。コネクタは更に、ハウジングを少なくとも部分的に包囲するシュラウドを含み、シュラウドは第1外部開口と第2外部開口とを含む。第1開口と第1端子と第1外部開口とは第1挿入軸線上で整合され、第2開口と第2端子と第2外部開口とは第2挿入軸線上で整合される。ハウジングは少なくとも部分的にシュラウドの中に配置される。
【0042】
本発明は、別の態様において、開口を備えるハウジングと、ハウジングの中に配置される回路アセンブリとを含むコネクタを提供する。回路アセンブリは、挿入軸線を画定する端子を備える回路板を含む。コネクタは更に、ハウジングに結合されるボタンを含む。ボタンはブロック部分と窓部を画定し、ボタンはブロック位置と非ブロック位置との間において操作軸線上で移動可能である。操作軸線は挿入軸線に直交している。コネクタは更に、ボタンをブロック位置へ付勢する付勢部材を含む。ボタンがブロック位置に在る時にはボタンのブロック部分が開口と端子との間に配置され、ボタンが非ブロック位置に在る時にはボタンの窓部が開口と端子との間に配置される。
【0043】
これらの特定の目的及び利点は、請求項に含まれる幾つかの実施形態のみに適用され、故に、本発明の範囲を規定しない。
【0044】
本発明の他の特徴及び態様は、以下の詳細な記載及び添付図面の検討により明白となるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】ECGモニタ、ペースメーカー、及び患者へのコネクタの接続を示す、本発明の一実施形態によるコネクタを備える医療システムの概略図である。
図2図1のコネクタの上斜視図である。
図3】コネクタのシュラウドの一部分がコネクタ内側ハウジングから取り外された図1のコネクタの上斜視図である。
図4図1のコネクタの分解図である。
図5図1のコネクタの両側ボタンの一方の斜視図である。
図6】スプリングにより外向きに付勢された両側ボタンが露出した図2の6-6線における図1のコネクタの断面図である。
図7】明瞭性の為に部分的に取り外された図1のコネクタの底斜視図である。
図8A】孔ブロック位置で解除されたボタンと第1格納位置のシュラウドとを含む、図2の8-8線における図1のコネクタの断面図である。
図8B】非孔ブロック位置で押下されたボタンと第1格納位置のシュラウドとを含む、図2の8-8線における図1のコネクタの断面図である。
図8C】孔内のワイヤで解除されたボタンと第1格納位置のシュラウドとを含む、図2の8-8線における図1のコネクタの断面図である。
図8D】孔内のワイヤで解除されたボタンと第2延出位置のシュラウドとを含む、図2に示された8-8線における図1のコネクタの断面図である。
図9】ペースメーカーをコネクタに接続するのに使用されるペースメーカーコードの斜視図である。
図10】電気信号を調整するのに使用されるコネクタの回路アセンブリの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の実施形態が詳細に説明される前に、以下の記載に挙げられるか以下の図面に示されているコンポーネントの組立及び仕組みの詳細への適用に本発明が限定されないことが理解されるはずである。本発明は、他の実施形態、そして様々な手法で実践又は実行されることが可能である。又、本明細書で使用される語句及び用語は説明を目的とし、限定と見なされるべきではないことが理解されるはずである。
図1を参照すると、患者14の看護の為の医療システム10は、心電計(ECG)モニタ18とペースメーカー24と複数のペーシングワイヤ28とコネクタ100とを含む。コネクタ100(つまりアダプタ、カップリング等)は、医療システム10の多数の医療器具とインタフェース接続されるように構成される。例えば、コネクタ100は、複数のペーシングワイヤ28、ペースメーカー24、そしてECGモニタ18とインタフェース接続する(つまり接続を設ける、相互接続する等)ように構成され得る。より詳しく記すと、ペースメーカー24はペースメーカーコード32(図9に図示)によりコネクタ100に電気結合され、ECGモニタ18はECGリードワイヤ36によりコネクタ100に電気結合され、そして下で更に詳しく記載されるように、患者14は複数のペーシングワイヤ28によりコネクタ100に電気結合される。このような統合医療システムの態様は、米国特許出願公開第15/229,371号に開示されており、本明細書ではその内容全体が援用される。
【0047】
図2乃至4を参照すると、コネクタ100は、外側シュラウド104と、少なくとも部分的にシュラウド104の中に摺動可能に配置される内側ハウジング108と、外側シュラウド104及び内側ハウジング108から外向きに延出する第1ボタン112及び第2ボタン116とを含む。図示された実施形態において、シュラウド104は、上及び底部材104A,104Bを接合することにより、例えば接着又は溶接により形成される略矩形の筐体であり、内側ハウジング108は、上及び底部材108A,108B(図3)を接合することにより、例えば接着又は溶接により同様に形成される略矩形の箱である。外側シュラウド104と内側ハウジング108とは生体適合性及びガンマ適合性の材料で製作され得る。一実施形態において、外側シュラウド104はポリカーボネート-ABS(PC-ABS)のような電気絶縁プラスチックであり、内側ハウジングはポリブチレンテレフタレート(PBT)のような電気絶縁プラスチックであり得る。外側シュラウド104と内側ハウジング108とは、心室ペーシング用(白色指定)ではなく心房ペーシング用のコネクタを指定するように、白色以外の色で着色され、例えば外側シュラウド104は青色であって内側ハウジング108は灰色であり得る。他の適合性を持つ材料及び色が使用され得ることは理解されている。
【0048】
図3及び4を詳しく参照すると、シュラウド104は、患者14の胸部の平面121と平行な平面に延在して患者14の胸部から概ね離間した上壁部120と、患者14の胸部の平面121と平行な平面に延在して患者14の胸部と概ね当接する底壁部124と、患者14の胸部の平面121に垂直に延在して患者14の下方に概ね配置される前壁部128とを含む。加えて、シュラウド104は、それぞれ左右の縁部で上壁部122と底壁部124とを接合する側壁部140を含み、下で更に詳細に考察される対応のボタン112,116を収容するトラック144を画定する矩形開口部が側壁部140に設けられる。
【0049】
前壁部128は第1外部開口132と第2外部開口136とを備え、第1外部開口132と第2外部開口136とは離間しておりペーシングワイヤ28の近位端部48を収容する丸い孔である。孔は少なくとも0.9mmと少なくとも1mmの直径を有して、およそ1.5mmである。孔は、異なるワイヤサイズの挿入に対応するようにペーシングワイヤ28の端部ロッド52の最大直径より概ね大きい直径を有し得る。
【0050】
図示されている実施形態において、シュラウド104の後端部138にハウジング108が摺動可能に収容されるように、シュラウド104の後端部138は概ね開口している(つまり包囲されていない)。しかしながら、代替実施形態では内側ハウジング108がシュラウド104に完全に包囲されてもよい。下でより詳細に説明されるように、ペーシングワイヤ28の近位端部48をブロックする為に、シュラウド104は、第1格納位置(図8A)と第2延出位置(図8D)との間でハウジング108に対して移動可能である。
【0051】
ハウジング108は、患者14の胸部の平面121と平行に延在して患者14の胸部から概ね離間している上壁部145と、患者14の胸部の平面121と平行に延在して患者14の胸部に概ね当接する底壁部146と、患者14の胸部の平面121に垂直に延在して概ね患者14の下方に配置される前壁部147と、患者の胸部の平面121に垂直に延在して概ね患者14の上方に配置される後壁部149とを含む。加えて、ハウジング108は、左右の縁部でそれぞれ上壁部145と底壁部146とを接合する側壁部150を含む。
【0052】
前壁部147は、第1開口184と第2開口188とを含み、第1開口184と第2開口188とは、離間しておりペーシングワイヤ28の近位端部48を収容する丸い孔である。孔は少なくとも0.9mmと少なくとも1mmの直径を有しておよそ1.5mmであり得る。異なるワイヤサイズの挿入に対応するように、孔はペーシングワイヤ28の端部ロッド52の最大直径より概ね大きい直径を有し得る。第1開口184及び第2開口188は、第1外部開口132及び第2外部開口136より大きい直径を有し得る。
【0053】
第1開口184及び第2開口188はシュラウド104の第1外部開口132及び第2外部開口136の配置に対応し、ペーシングワイヤ28の近位端部48を収容するように構成される。第1開口184と第1外部開口132とは第1挿入軸線192上で整合される。同様に、第2開口188と第2外部開口136とが第2挿入軸線196上で整合される。言い換えると、第1開口184は第1端子156と同軸に整合され、第1外部開口132は第1開口184と同軸に整合される。同様に、第2開口188は第2端子160と同軸に整合され、第2外部開口136は第2開口188と同軸に整合される。その為、第1挿入軸線192は、第1端子156と第1開口184と第1外部開口132の各々により独立的かつ集合的に画定される。同様に、第2挿入軸線196は、第2端子160と第2開口188と第2外部開口136の各々により独立的かつ集合的に画定される。第1及び第2挿入軸線192,196は、患者の胸部の平面121と実質的に平行に延在する。
【0054】
図示された実施形態において、第1挿入軸線192は望ましくは第2挿入軸線196から離間してこれと平行である。一実施形態において、第1挿入軸線192は、少なくとも20mm又は少なくとも25mm又は少なくとも30mmだけ第2挿入軸線196から離間している。一実施形態において、シュラウド104が第2位置(図8D)に在る時に、シュラウド104の前壁部128と端子156,160との間の距離の少なくとも3倍から6倍の距離だけ、第1挿入軸線192が第2挿入軸線196から離間している。代替実施形態において、第1挿入軸線192と第2挿入軸線196とは交差するが、ペーシングワイヤ28の接触は見られない。
【0055】
図8A乃至8Dを参照して、そして下でより詳細に説明されるように、ユーザは、第1格納位置(図8A)、第2延出位置(図8D)、又は、その間のいずれかの中間位置にシュラウド104を移動させてこれを選択的に配置できる。言い換えると、第1挿入軸線192及び第2挿入軸線196上でシュラウド104がハウジング108に対して移動可能(例えば摺動可能)である。シュラウド104が第2位置(図8D)に在る時に、前壁部128と、前壁部128により保持される第1及び第2外部開口132,136とは、シュラウド104が第1位置(図8A)に在る時よりも、端子156,160から離間して配置される。一実施形態において、シュラウド104が第2位置(図8D)に在る時に、前壁部128は端子156,160から少なくとも4mm離間して、又は少なくとも5mm離間して、又は少なくとも6mm離間して配置される。
【0056】
図4及び7も参照すると、シュラウド104の底壁部124の内側表面は、シュラウド104が第1格納位置(図8A)に在る時にはハウジング108の底壁部146の外側表面に形成された第1凹部204(つまり第1トラック)の中に収容されると共に、シュラウド104が第2延出位置(図8D)に在る時にはハウジング108に形成された第2凹部208(つまり第2トラック)の中に収容される戻り止め200を含む。代替実施形態では、戻り止め200はハウジング108に形成され、対応の凹部204,208がシュラウド104に形成される。
【0057】
図示された実施形態において、戻り止め200は、シュラウド104に形成されて、片持ちスプリングアーム212(図4)の先端に形成される内向き付勢突部216を有する片持ちスプリングアーム212である。第1凹部204はハウジング108の底壁部146の外側表面で第2凹部208に隣接して配置され、第2凹部208は、第1凹部204よりも開口184,188の近くに配置されている。複数のカム表面220がハウジング108に形成され、第1凹部204と第2凹部208との間に配置される。図示された実施形態では、第1凹部204と第2凹部208との間に三つのカム表面220が配置され、第1カム表面220aは第1凹部204と第2凹部208との間に延在し、第2カム表面220bは第1凹部204から第1カム表面220aへ上向きに延在し、第3カム表面220cは第1カム表面220aから第2凹部208へ下向きに延在する。
【0058】
シュラウド104が格納位置(図8A)に在る時に、戻り止め200の突部216は、ハウジング108に形成された第1凹部204に収容される。所定量の力が挿入軸線192,196上でシュラウド104に印加されると、突部216をカム220bに沿って上向きに第1凹部204から移動させる。力の勢いにより、突部が延出位置(図8D)へ移動する。シュラウド104へのペーシングワイヤ28の端部ロッド52の挿入中には、所定量の力が印加されるまでシュラウド104は格納位置(図8A)に残り、設置中のシュラウド104の想定外の移動を防止する。
【0059】
シュラウド104が挿入軸線192,196上で延出位置(図8D)へ移動する際に、シュラウド104はハウジング108から離間し、スプリングアーム212は突部216が傾斜カム表面220b,220a,220cそれぞれに沿ってカム動作を行うとハウジング108から離れるように撓曲し、最終的にはカム表面220aから下向き延在カム表面220cに沿って第2凹部208に収容される。第2凹部208は、内向き付勢突部216を密着収容するサイズを持つ。カム表面220cと反対の第2凹部208の壁部は、第2凹部208の底表面に実質的に垂直であって、挿入軸線192,196上での突部216の更なる移動を制限する。その為、突部216が第2凹部208の中に選択的に固着されることにより、シュラウド104を延出位置(図8D)に保持する。
【0060】
ユーザが閾値レベルの力をシュラウド104に印加するまで、シュラウド104は延出位置(図8D)に保持される。特に、ユーザが挿入軸線192,196上で閾値レベルの力を印加すると、ハウジング108及びシュラウド104を互いへ押圧してシュラウド104をまた格納位置(図8A)へ移動させる。より詳しく記すと、閾値レベルの力がシュラウド104に印加されると、スプリングアーム212を撓曲させ、突部216にカム表面220を越えてまた第1凹部204へ摺動カム動作を行わせる。
【0061】
一実施形態において、スプリングアームを撓曲させ、突部216にカム表面220を越えてまた第1凹部204への摺動カム動作を行わせるのに必要な閾値レベルの力は、突部216がカム表面220に沿ってカム動作を行なって第2凹部208に収容される際にスプリングアーム212をハウジング108から撓曲させるのに必要な閾値レベルの力より大きい。言い換えると、シュラウド104を延出位置(図8D)へ移動させるのに必要な力のレベルは、シュラウド104をまた格納位置(図8A)へ移動させるのに必要な力のレベルより小さい。
【0062】
図3及び4を参照すると、コネクタ100は更に、ハウジング108の中に配置されて対向する第1ボタン112と第2ボタン116との間に配置される付勢部材224(例えばコイルスプリング)を含む。第1ボタン112と第2ボタン116とは部分的にハウジング108の中に収容され、ハウジング108内の矩形キャビティ226の中に保持される。第1ボタン112と第2ボタン116とはハウジング108から延出して、シュラウド104が延出位置(図8D)と格納位置(図8A)との間で移動される時に摺動するようにシュラウド104のトラック114の中に配置される。図示された実施形態において、第1ボタン112は機能的には第2ボタン116と同一であるが第1ボタン112の反転鏡像であり、それ故、鏡像的な幾何学形状を有することを除いて第1ボタン112についての記載は第2ボタン115にも同様に適用可能である。しかしながら代替実施形態では、第1ボタン112と第2ボタン116との間に変化が存在してもよい。
【0063】
図5を参照すると、第1ボタン112が明瞭性の為に単独で示されている。ボタン112は、ユーザ操作部分228とステム232とブロックアーム236とシート240(つまりスプリングシート)とを含む。図3を参照すると、ブロックアーム236とシート240とはハウジング108に結合されてその中に配置され、ステム232はハウジング108から延出し、ユーザ操作部分228はハウジング108の外側及びシュラウド104の外側に配置されている。特に、ステム232は、ハウジング108に形成されたスロット244に延在し、ユーザ操作部分228は、シュラウド104に形成されたトラック144の中に収容される。図示された実施形態において、ユーザ操作部分228は丸みを帯びており、ユーザにより(つまりユーザ操作部分228を押下することにより)操作軸線248上で操作されるように構成される。ステム232は、ユーザ操作部分228をシート240及びブロックアーム236に接続する。シート240は付勢部材224を収容するか、或いはこれを支持するように構成される。図示された実施形態において、シート240は凹部として形成される。代替実施形態において、シート240は、例えば付勢部材224が嵌着する柱体であり得る。
【0064】
下でより詳細に説明されるように、ユーザ操作部分228の操作を受けて、ボタン112はブロック位置(図8A)と非ブロック位置(図8B)との間において操作軸線248上で移動する。言い換えると、ユーザ操作つまりボタン112の押圧を受けて、ボタン112は更にハウジング108の中へ操作軸線248上で移動する。付勢部材224はボタン112をブロック位置(図8A)へ付勢するので、ユーザがユーザ操作部分228を解除するとボタン112は自動的にまたブロック位置(図8A)へ移動する。図示された実施形態において、操作軸線248は第1挿入軸線192及び第2挿入軸線196と直交している。代替実施形態において、操作軸線248は第1挿入軸線192及び/又は第2挿入軸線196と直交していない。
【0065】
図6と8A乃至8Cとを参照すると、付勢部材224(例えばコイルスプリング)は第1ボタン112と第2ボタン116との間に配置されて、第1ボタン112と第2ボタン116の両方をブロック位置(図8A)へ付勢する。特に、付勢部材224の第1端部252は第1ボタン112のシート240の中に収容され、付勢部材224の第2の反対端部256は第2ボタン116のシート240の中に収容される。コイルスプリングは、第1ボタン112及び第2ボタン116の両側シート240の間で付勢部材224を安定させてコイルスプリングの回転を防止する研削端部を有し得る。
【0066】
第1ボタン112と同様に、第2ボタン116はブロック位置(図8A)と非ブロック位置(図8B)との間において操作軸線248上で移動可能である。図示された実施形態において、第1ボタン112は第2ボタン116から独立してハウジング108に対して移動可能である。言い換えると、第1ボタン112は、必ずしも第2ボタン116を動かすことなく操作軸線248上で移動し得るし、その逆もあり得る。下でより詳細に説明されるように、ボタン112,116はブロック位置(図8A)と非ブロック位置(図8B)との間の中間位置へも移動可能である。中間位置の一例として、ボタン112,116は拘束位置(図8C)へも移動可能である。下でより詳細に説明されるように、ボタン112,116が拘束位置(図8C)に在る時に、ボタン112,116はペーシングワイヤ26の端部ロッド52をコネクタ100の中に固定する。
【0067】
続けて図5を参照すると、ボタン112のブロックアーム236はボタン112のシート240から離間しており、ハウジング108の前壁部147に沿って延在し、ブロック部分260と窓部264とを含む。窓部264は、ブロックアーム236に形成される開口部268と、開口部268に隣接する複数の傾斜表面272とを含む。ボタン112のシート240とブロックアーム236との間に形成される空間266は、下で更に記載されるように回路アセンブリ148を支持する。
【0068】
図8Aを参照すると、回路アセンブリ148はブロックアーム236とハウジング108との間に配置される。より詳しく記すと、第1ボタン112のブロックアーム236は第1端子156と第1開口184との間に配置される。同様に、第2ボタン116のブロックアーム236は第2端子160と第2開口188との間に配置される。ボタン112がブロック位置(図8A)に在る時に、ブロックアーム236のブロック部分260は第1開口184と第1端子156との間に配置されてこれらと整合される。同様に、ボタン112が非ブロック位置(図8B)に在る時に、ブロックアーム236の窓部265は第1開口184と第1端子156との間に配置されてこれらと整合される。
【0069】
回路アセンブリ148はハウジング108の中に配置され、第1ボタン112及び第2ボタン116の空間266の中に保持される。回路アセンブリ148は、前壁部128と平行に延在して第1端子156と第2端子160とを保持する矩形回路板152を含む。矩形回路板152の基板は厚さがおよそ3mmから4mmであり、これは一般的な回路板の平均厚さの約2倍であり、故に強度と挿入接点奥行が追加される。矩形回路板152の基板は、片側又は両側に銅箔ボンドを含むガラス繊維強化エポキシ樹脂であり得る。矩形回路板152の基板は、二以上の層、例えば、プリプレグ(接着シート)で接着された片側又は両側の銅箔ボンドを含む30層ものガラス繊維強化エポキシ樹脂も含み得る。
【0070】
図4及び10を参照すると、回路アセンブリ148は保護信号調整回路を含み得る。図示された実施形態では、回路アセンブリ148を通過する電気信号を受動的に調整するレジスタ164を回路アセンブリ148が含む。言い換えると、レジスタ164は、望ましくない大量の電流がコネクタ100に流れるのを防止する。より詳しく記すと、レジスタ164は、大量の電流がコネクタ100を通ってECGモニタ18へ流れるのを防止する。図示された実施形態において、回路アセンブリ148はソフトウェア又は能動的な決定回路構成を含まず、これは設計全体を単純化して総コストを削減する。プリント回路は、基板の表面にメッキ又はエッチングされる銅であり得る。銅回路は、酸化を防止するようにスズ鉛の層でコーティングされ得る。接触フィンガは、導電性の為にスズ鉛、ニッケル、及び金でメッキされ得る。
【0071】
図10を詳しく参照すると、ペースメーカー24を接続するペースメーカーコード32の正のワイヤ350及び負のワイヤ352は、ハウジング108から露出してハウジング108内に保持された回路アセンブリ148の連結点354,356にそれぞれ接続される雌型ソケット313を有するペース発生器コネクタ172に収容され得る。同じ連結点354,356は、ハウジング108から露出して心外膜ペーシングワイヤ28の正のワイヤ358及び負のワイヤ360と通信する心外膜端子156,160にも接続され得る。回路アセンブリ148によるペースメーカー信号への過負荷を防止するように1キロオームと50キロオームの間或いは50キロオームより高くなるようなサイズのレジスタ362に、連結点354,356が接続され得る。レジスタ362は、抵抗を変化させる調節可能な分圧器を備える電位差計であり得る。レジスタ362に続いて、信号出力364は、スタッドコネクタ168を通してECGモニタ18にアクセス可能なリード366を備える。詳しく記すと、リード366はECGモニタ18の(V)端子に接続される。一組のECGコネクタ368、例えば4本のケーブルは、患者14の胸部に載置され、更に反対端部でECGモニタ18に電気結合される対応の体表電極370に装着され得る。ECGコネクタ368の出力信号は、リード366の信号出力364について参照点(仮想接地)を合成するように組み合わされ得る(例えば平均化され得る)。
【0072】
図4を参照すると、第1端子156と第2端子160とは、回路板152に形成された導電性の貫通孔電気接続部であり、孔は、第1外部開口132及び第2外部開口136と平行に、そして回路板152に垂直に延在する。貫通孔電気コネクタは、ペーシングワイヤ28との良好な電気接触の為に第1端子156及び第2端子162を端部ロッド52に食い込ませる先鋭な内側縁部を有するアイレットであり得る。一実施形態において、アイレットは、酸化又は腐食を防止するようにスズでメッキされた真鍮アイレットであり得る。
【0073】
幾つかの実施形態において、ハウジング108の中と回路アセンブリ148の周りとにポッティングされる低圧オーバーモールド(不図示)により、回路アセンブリ148が所定箇所に保持され得る。オーバーモールドは、電気絶縁、埃及び破片侵入保護、そして付加的な構造的支持をその他と共に提供する。
【0074】
外科手術中に、ペーシングワイヤ28の遠位端部40は患者の心臓44の外側層(つまり心外膜)に配置されるのに対して、ペーシングワイヤ28の近位端部48は患者14の体外でアクセス可能な状態にある。ペーシングワイヤ28の露出した近位端部48により、心臓リズムを検出及び監視する(つまりECGモニタ18を介した)手法と、心臓をペーシングする電気信号を送る(つまり外部ペースメーカー24による)手法の両方が得られる。
【0075】
図8Cを参照してより詳しく記すと、ペーシングワイヤ28の近位端部48は露出した硬質の端部ロッド52を含み、端部ロッド52は、間に延在する絶縁ワイヤ部分56によりペーシングワイヤ28の遠位端部40に電気結合される。端部ロッド52が多様な直径及び長さを有し得ることは理解されている。例えば、端部ロッド52の直径は0.8mmから2.2mmの間で変化し得るのに対して、端部ロッド52の長さは15mmから25mmの間で変化しておよそ23mmであり得る。
【0076】
下でより詳細に説明されるように、第1端子156と第2端子160とは、ペーシングワイヤ28の露出近位端部48を収容するように構成される。より詳しく記すと、端子156,160は、ペーシングワイヤ28の端部ロッド52を収容してこれと電気接続するように構成される。
【0077】
続けて図4を参照すると、コネクタ100は更に、ハウジング108の外面に配置されるスタッドコネクタ168及びペース発生器コネクタ172を含む。スタッドコネクタ168は少なくとも1本のワイヤ176により回路アセンブリ148に電気結合され、ペース発生器コネクタ172はワイヤ180により回路アセンブリ148に電気結合される。
【0078】
より詳しく記すと、ハウジング108の上壁部145は、ハウジング108から外向きに延出する金属ボスであって「スナップ」型と「クリップ」型接続のいずれかを利用し得るECGリードワイヤ36に接続されるように構成されるスタッドコネクタ168を支持し得る。ECGリードワイヤ36は、心外膜ペーシングワイヤ28により検出される心臓リズムを監視及び表示する為にスタッドコネクタ168に電気結合される。ECGモニタ18は、スタッドコネクタ168と回路アセンブリ148との間に電気接続を設けるECGリードワイヤ36によりコネクタ100に電気結合される。
【0079】
ハウジング108の後壁部149は、例えばメドトロニックペースメーカー(Medtronic Pacemaker)と関連するペースメーカーコード32との適合性を持ち得るスミスインターコネクト社(Smiths Interconnect)によるハイパートロニック(Hypertronic)シリーズコネクタ(Dシリーズ)であり得るペース発生器コネクタ172を支持し得る。言い換えると、ペース発生器コネクタ172は心外膜ペーシングワイヤ28を外部ペースメーカー24とインタフェース接続する。
【0080】
患者の胸部の平面121と概ね平行に、そして第1開口184及び第2開口188のそれぞれの第1挿入軸線192及び第2挿入軸線196と概ね平行に延在する第3挿入軸線314上でペースメーカーコード32のコネクタを収容する内部キャビティ312を備えるD形状ソケットが、ペース発生器コネクタ172に含まれ得る。内部キャビティ312は、横並置構成で配設されてペースメーカーコード32の雄型接点315を収容するように構成される二つの雌型端子313を含み得る。第3挿入軸線314は概ね第1及び第2軸線192,196と同じ平面に設けられ得る。
【0081】
幾つかの実施形態において、ペース発生器コネクタ172は、ハウジング108の中にポッティングされた低圧オーバーモールド(不図示)により所定箇所に保持され得る。オーバーモールドは、電気絶縁、埃及び破片侵入保護、そして付加的な構造的支持を、その他と共に提供する。
【0082】
図9を参照すると、一実施形態では、対応のペース発生器コネクタ172の対応の「D」形状ソケットと係合すると共に、横並置構成で配設されてペース発生器コネクタの対応の雌型端子313に収容される第1及び第2突起334つまり正及び負の突起を支持する「D」形状フランジ332を備える簡易切断コネクタ330が、ペースメーカーコード32に含まれ得る。「D」形状フランジ332により、ペースメーカーコード32の簡易切断コネクタ330の係合配向がペース発生器コネクタ172と容易に係合する。簡易切断コネクタ330は更に、ペース発生器コネクタ172の対応の孔又は凹部と係合及び脱係合する摺動可能な戻り止めと関連する押しボタン336を含み得る。
【0083】
簡易切断コネクタ330に結合されて、外部ペースメーカー24に結合されてこれと適合性を持つ2本のケーブル342,344の遠位端部にワイヤコネクタ端部346を備える2本のケーブル342,344に分岐する第1ケーブル340を含むYコネクタ338に、簡易切断コネクタ330が更に結合される。簡易切断コネクタ330とワイヤコネクタ端部346とがケーブル340,342,344に出会うところの一連の隆起部の形の歪み除去ブシュ(不図示)が、簡易切断コネクタ330とワイヤコネクタ端部346とに更に含まれる。それ故、ペース発生器コネクタ172と回路アセンブリ148との間に電気接続を設けるペースメーカーコード32により、体外ペースメーカー24がコネクタ100に電気結合される。
【0084】
図2及び4を参照すると、コネクタ100は、スタッドコネクタ168及び/又はペース発生器コネクタ172の電気接続のうち一以上を被覆するか或いは保護するように構成される係留カバー276を更に含む。カバー276は、マウント280(図4)と、第1可撓性アーム部分288によりマウント280に結合される第1端部284と、第2可撓性アーム部分296によりマウント280に結合される第2端部292とを含む。言い換えると、カバー276は、第1端部284と反対の第2端部292とを備える両端部カバーである。ハウジング108に形成された溝部300にマウント280が嵌着し、マウント280は、スタッドコネクタ168の一部分が収容される開口304(図4)を含む。言い換えると、ハウジング108に固定されたスタッドコネクタ168により、カバー276がハウジング108の溝部300に固定される。
【0085】
カバー276の第1端部284は、ペース発生器コネクタ172(つまり雌型コネクタ)に収容されるように構成される突出ボス308を含む。より詳しく記すと、突出ボス308は、ペース発生器コネクタ172により画定される内部キャビティ312に収容される。カバー276の第2端部292は、開口320が形成されたプラグ316を含む。プラグ316はスタッドコネクタ168(つまり雄型コネクタ)を被覆するように構成される。より詳しく記すと、スタッドコネクタ168は、プラグ316に形成された開口320に部分的に収容される。図示された実施形態において、カバー276は、第1可撓性アーム部分288と第2可撓性アーム部分296とをマウント280に対して移動(つまり撓曲)させる可撓性材料(例えばエラストマ材料)で製作される。その為、第1端部284と第2端部292とはマウント280に対して移動可能である。
【0086】
図2及び3を参照すると、コネクタ100は更に、ハウジング108に形成された装着部分222を含む。図示された実施形態において、装着部分22は湾曲している(つまり円弧の形状である)。例えば患者のガウン、ベッドシーツ、又は患者側の他の材料にコネクタ100が固定され得るように、ユーザはクリップ(例えばIDバッジクリップ)又は他の適当な固定器具を装着部分222に装着し得る。言い換えると、コネクタ100は患者14の皮膚に直接載置される必要はない。一実施形態において、ペース発生器コネクタ172はコネクタの後端部で患者の頭部を向くように配向されるのに対して、ペーシングワイヤ28はコネクタ100の前端部で患者の脚部を向くようにペース発生器コネクタ172とは反対にコネクタ100により収容される。患者の胸部に載置されたECGリードにとって自然な平面である患者の胸部に平行な上壁部に、スタッドコネクタ168が配置される。両側のボタン112,116は、ハウジング108の両側表面でコネクタ100の左側及び右側に配向されて、親指と人差し指と中指との間でユーザの手に容易に把持される。
【0087】
動作時に、コネクタ100は医療システム10の様々な医療器具18,24,28に相互接続される。詳しく記すと、コネクタ100により、ペーシングワイヤ28とペースメーカー24とECGモニタ18との同時的かつ連続的な相互接続が許容される。特に、ECGリードワイヤ36はスタッドコネクタ168に結合され、ペースメーカーコード32はペース発生器コネクタ170に電気結合される。コネクタ100へのECGモニタ18及びペースメーカー24の結合に加えて、以下の記載のようにユーザは心外膜ペーシングワイヤ26をコネクタ100に電気結合し得る。
【0088】
最初に、コネクタ100は図8Aに示されているニュートラル状態に在る。ニュートラル状態で、シュラウド104は第1格納位置に在って、付勢部材224は第1及び第2ボタン112,116をそれぞれのブロック位置へ付勢する。ボタン112,116がブロック位置に在ると、ブロックアーム236のブロック部分260は端子156,160と開口184,188との間に配置される。ブロック位置に在る間に、ブロック部分260は、ペーシングワイヤ26が回路アセンブリ148へ挿入されてこれに電気結合されることを防止する。その為、ボタン112,116のブロック部分160は端子156,160を保護する。又、シュラウド104が格納位置に在ると、コネクタ100の全体サイズが縮小する。
【0089】
図8Bを参照すると、ペーシングワイヤ28をコネクタ100に電気結合するには、第1ボタン112及び/又は第2ボタン116が操作され得る。図示された実施形態において、第1ボタン112は第2ボタン116から独立して操作され得る。詳しく記すと、ユーザの力324により、例えば、人差指と中指が右側壁140を保持して親指がボタン112を押下すると、第1ボタン112が操作軸線248上で押下され、又、ユーザの力328により、例えば人差指と中指が左側壁140を保持して親指がボタン116を押下すると、第2ボタン116が操作軸線248上で押下される。第1及び第2ボタン112,116が充分に押下されると、ボタン112,116は非ブロック位置になる。非ブロック位置で、ブロック部分260に形成された窓部264は、ハウジング108の対応の開口184,188及びシュラウド104の外部開口132,136と整合される。言い換えると、ボタン112,116が非ブロック位置に在る時に、コネクタ100はペーシングワイヤ28の端部ロッド52を端子156,160の一つに収容するように構成される。
【0090】
図8Cを参照すると、ペーシングワイヤ26の端部ロッド52が端子156,160へ挿入されると、ユーザによりボタン112,116が解除され得る。ボタン112,116を解除した後に、付勢部材224はまた図8Aのブロック位置へボタン112,116を付勢する。しかしながら、端子156,160へ端部ロッド52が挿入されると、ボタン112,116がブロック位置へ完全に戻ることが防止される。代わりに、回路アセンブリ148とボタン112,116の窓部264とハウジング108の開口184,188との間にペーシングワイヤ28の端部ロッド52が挟持される(つまり固定される)拘束位置へ、ボタン112,116が付勢される。言い換えると、付勢部材224は、端部ロッド52がコネクタ100の中に固定される拘束位置へボタン112,116を付勢する。その為、ユーザがボタン112,116を解除した後に、ペーシングワイヤ28がコネクタ100内に自動的に固定される。ブロック位置において、端部ロッド52は、第1端子156及び第2端子160との確実な電気接続を行う。
【0091】
図8Dを参照すると、ペーシングワイヤ28がコネクタ100に固定されている間、又はその後に、シュラウド104が延出位置に移動され得る。図示されている実施形態において、シュラウド104が延出位置に在る時に、ハウジング108から外向きに延出する端部ロッド52をシュラウド104が完全に包囲する。一実施形態において、シュラウド104が延出位置にある時にペーシングワイヤ28の絶縁ワイヤ部分56の少なくとも一部分はシュラウド104の中に収容される。心外膜ペーシングワイヤ28は脆弱であって、ペーシングワイヤ28(取り分け端部ロッド52)を周囲環境に露出させることは望ましくない。例えば、ペーシングワイヤ28は、患者14を囲繞する環境に露出された時に破損又は他の物理的損傷を受け得る。更に、ペーシングワイヤ28の端部ロッド52が露出された場合に、心臓の適正なペーシングと心臓リズムの正確な監視とに影響を与える静電気ショックを端部ロッド52が受け得る。
【0092】
ペーシングワイヤ28をコネクタ100から切断するには、対応のボタン112,116を押下してボタン112,116をまた非ブロック位置(図8B)へ移動させる。ボタン112,116が非ブロック位置に在る間には、ペーシングワイヤ28の端部ロッド52は端子156,160及びコネクタ100から自由に取り外される。ペーシングワイヤ28は、延出位置、格納位置、又はその間の位置でシュラウド104と共にコネクタ100から取り外され得る。
【0093】
例えば、ペーシングワイヤ28が患者によりコネクタ100から引き抜かれる場合に、緊急状況で対応のボタン112,116がまた非ブロック位置(図8B)へ移動しなくても閾値レベルの力によりペーシングワイヤ28の近位端部48がコネクタ100から取り外され得ることは理解されている。閾値レベルの力は、ペーシングワイヤ28の遠位端部40を患者の心臓44から引っ張るのに必要な閾値レベルの力より小さい。
【0094】
正及び負のペーシングワイヤ28の適正な接続を示す基準ラベルがシュラウド104に貼付され、例えば、心外膜ペーシングワイヤ28の正のワイヤ358又は負のワイヤ360が挿入されるべきところを示すように心外膜端子156,160の為の開口にプラス(+)符号及びマイナス(-)符号のラベルが付けられ得ることは理解されている。第1格納位置(図8A)と第2延出位置(図8D)との間でシュラウド104をロック又はロック解除するように内側ハウジング108に対してシュラウド104を引っ張るか押す方向、つまり第1及び第2挿入軸線192,196を、矢印のような他の印が示してもよい。ペーシングワイヤ28を挿入するように操作されるコネクタ100の側壁部のボタン112,116の箇所を示すのにも、矢印が使用され得る。
【0095】
コネクタ100は、心外膜ペーシングワイヤ28への接続を切り替えるのに必要な時間の掛かる作業を回避して接続ミスのリスクを低下させる。
【0096】
本明細書ではある種の用語が参照目的のみで使用され、故に限定は意図されていない。例えば、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「上の(above)」、「下の(below)」は、参照が行われる図面上での方向を指す。「前部(front)」、「背部(back)」、「後部(rear)」、「底部(bottom)」、「側部(side)」のような語は、考察対象のコンポーネントが記載される文章及び関連の図面を参照することにより明白となる一貫した任意の参照系におけるコンポーネント部分の配向を記す。このような用語は、上で詳細に言及された単語、その派生語、そして類似の意味の単語を含み得る。同じく、「第1(first)」、「第2(second)」、その他、構造に言及するこのような数を表す語は、文脈により明白に指摘されていない限りシーケンス又は順序を含意していない。要素が電気接続されると記される時に、この接続は直接的であるか介在の導電性要素を通したものであり得る。
【0097】
本開示及び例示的な実施形態の要素又は特徴を紹介する時に、冠詞の“a”,“an”,“the”、“said”はこのような要素又は特徴が一以上あるという意味を持つことが意図されている。「包含する(comprising)」、「含む(including)」、及び、「有する(having)」は包括的であることが意図されており、詳しく記されたもの以外の追加要素又は特徴があり得ることを意味する。本明細書に記載される方法ステップ、プロセス、そして動作は、実施順序として詳しく特定されていない限り、考察又は図示された特定の順序での実施を必ず必要とすると解釈されてはならないことは、更に理解されるはずである。付加的又は代替的なステップが採用され得ることも理解されるはずである。
【0098】
本発明が本明細書に含まれる実施形態及び図例に限定されず、以下の請求項の範囲に含まれる実施形態部分及び異なる実施形態の要素の組み合わせを含めてこれらの実施形態の修正形を含むものとして請求項が理解されるべきであることが明確に意図されている。特許及び非特許出版物を含めて本明細書に記載される出版物全てが、参照により全体として本明細書に援用される。
【符号の説明】
【0099】
10 医療システム
14 患者
18 心電計(ECG)モニタ
24 ペースメーカー
28 ペーシングワイヤ
32 ペースメーカーコード
36 ECGリードワイヤ
40 ペーシングワイヤの遠位端部
44 心臓
48 ペーシングワイヤの近位端部
52 端部ロッド
100 コネクタ
104 外側シュラウド
104A 上部材
104B 底部材
108 内側ハウジング
108A 上部材
108B 底部材
112 第1ボタン
116 第2ボタン
120 上壁部
121 患者胸部の平面
124 底壁部
128 前壁部
132 第1外部開口
136 第2外部開口
138 後端部
140 側壁部
144 トラック
145 上壁部
146 底壁部
147 前壁部
148 回路アセンブリ
149 後壁部
150 側壁部
152 回路板
156 第1端子
160 第2端子
164 レジスタ
168 スタッドコネクタ
172 ペース発生器コネクタ
176 ワイヤ
180 ワイヤ
184 第1開口
188 第2開口
192 第1挿入軸線
196 第2挿入軸線
200 戻り止め
204 第1凹部
208 第2凹部
212 スプリングアーム
216 突部
220 カム表面
220A 第1カム表面
220B 第2カム表面
220C 第3カム表面
222 装着部分
224 付勢部材
226 矩形キャビティ
228 ユーザ操作部分
232 ステム
236 ブロックアーム
240 シート
244 スロット
248 操作軸線
252 付勢部材の第1端部
256 付勢部材の第2端部
260 ブロック部分
264 窓部
266 空間
268 開口部
272 傾斜表面
276 係留カバー
280 マウント
284 第1端部
288 第1可撓性アーム部分
292 第2端部
296 第2可撓性アーム部分
300 溝部
304 開口
308 突出ボス
312 内部キャビティ
313 雌型端子
314 第3挿入軸線
315 雄型接点
316 プラグ
320 開口
324 ユーザの力
328 ユーザの力
330 簡易切断コネクタ
332 フランジ
334 第1及び第2突起
336 押しボタン
338 Yコネクタ
340 第1ケーブル
342,344 ケーブル
346 コネクタ端部
350 正のワイヤ
352 負のワイヤ
354,356 連結点
358 正のワイヤ
360 負のワイヤ
362 レジスタ
364 信号出力
366 リード
368 ECGコネクタ
370 体表電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
【国際調査報告】