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特表2023-512867全地球航法衛星システム(GNSS)に差分コードバイアス(DCB)補正を提供するための方法
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  • 特表-全地球航法衛星システム(GNSS)に差分コードバイアス(DCB)補正を提供するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】全地球航法衛星システム(GNSS)に差分コードバイアス(DCB)補正を提供するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/07 20100101AFI20230323BHJP
【FI】
G01S19/07
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022532059
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2020082197
(87)【国際公開番号】W WO2021104909
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】19211996.4
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521138501
【氏名又は名称】スペースオパル ゲーエムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】522212000
【氏名又は名称】デー エル アール ゲゼルシャフト フォー ラウムファートアンヴェンダンゲン エムベーハー
(71)【出願人】
【識別番号】522212011
【氏名又は名称】ドイチェス ツェントラム フォー ルフト ウント ラウムファート エー ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】バウリン、アンドル
(72)【発明者】
【氏名】ハウシルド、アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ペイフゲン、ヴァルター
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062CC07
5J062DD03
5J062DD24
5J062EE02
(57)【要約】
少なくとも、両方とも第1の搬送周波数(C1)を有する第1の信号(41)および追加の第1の信号(41’)、ならびに、両方とも第2の搬送周波数(C2)を有する第2の信号(42)および追加の第2の信号(42’)、を使用することにより通信している衛星(2)を使用して全地球航法衛星システム(GNSS)で差分コードバイアス(DCB)、詳細には一次差分コードバイアス(DCB1)および二次差分コードバイアス(DCB2)を提供するための方法であって、第1の信号(41)および第2の信号(42)に関する一次差分コードバイアス(DCB1)を決定し、一次差分コードバイアス(DCB1)は、追加の第1の信号(41’)および前記追加の第2の信号(42’)に関する二次差分コードバイアス(DCB2)を決定するために、詳細には提供するために使用される方法。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、両方とも第1の搬送周波数(C1)上の第1の信号(41)および追加の第1の信号(41’)、ならびに、両方とも第2の搬送周波数(C2)上の第2の信号(42)および追加の第2の信号(42’)、を使用することにより通信している衛星(2)を使用して全地球航法衛星システム(global navigation satellite system、GNSS)で差分コードバイアス(DCB)、詳細には一次差分コードバイアス(DCB1)および二次差分コードバイアス(DCB2)を提供するための方法であって、
前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)に関する一次差分コードバイアス(DCB1)を決定し、詳細には提供し、
前記一次差分コードバイアス(DCB1)は、前記追加の第1の信号(41’)および前記追加の第2の信号(42’)に関する二次差分コードバイアス(DCB2)を決定するために使用されることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記一次差分コードバイアス(DCB1)は、別の信号に対する、好ましくは共通信号に対する前記第1の信号(41)と前記第2の信号(42)の間の関係に関係し、前記二次差分コードバイアス(DCB2)は、前記追加の第1の信号(41’)と前記第1の信号(41)の間の関係、および/または前記第2の信号(42’)と前記追加の第2の信号(42)の間の関係に関係することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記共通信号は、前記一次差分コードバイアス(DCB1)と前記二次差分コードバイアス(DCB2)の両方を近似するために使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)は、第1の受信機により追跡され、前記追加の第1の信号(41’)および前記追加の第2の信号(42’)は、第2の受信機により追跡され、前記共通信号は、前記第1の受信機および第2の受信機により追跡されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の信号(42)および/または前記追加の第2の信号(42’)は、精密点測位(precise point positioning、PPP)のための補正情報(20)を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記追加の第1の信号(41’)および/または前記追加の第2の信号(42’)は、ユーザの副グループにだけ利用可能であり、前記副グループのメンバを測位する精度を高めるために、DCB測位の決定は、前記第1の信号(41)および/または前記第2の信号(42)に割り当てられている情報に依存することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の信号(41)、および第3の周波数(C3)を有する第3の信号(43)は、2周波数測定のために使用されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記一次差分コードバイアス(DCB1)を決定するために、前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)の中に符号化された観測値を使用することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記一次差分コードバイアス(41)および/または前記二次差分コードバイアス(42)の時間評価を決定することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記一次差分コードバイアス(DCB1)および/または前記二次差分コードバイアス(DCB2)は、ほぼリアルタイムで提供されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
複数の基準局(15)で衛星(2)から生データを受信するステップと、前記基準局(15)で受信した前記生データを中央計算ユニット(30)に、詳細には単一中央計算ユニットにリアルタイム・データ・ストリームで転送するステップと、異なる前記基準局(15)から受信した前記生データに基づき前記計算ユニット(30)で前記補正情報(20)を決定するステップと、前記移動受信機(5)の位置を決定するために、少なくとも1つの前記衛星(2)を介して前記受信機(15)に前記補正情報(20)を伝送するステップと、をさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
複数の基準局(15、15’)および中央計算ユニット(30)、詳細には単一中央計算ユニットであって、少なくとも、両方とも第1の搬送周波数(C1)を有する第1の信号(41)および追加の第1の信号(41’)、ならびに、両方とも第2の搬送周波数(C2)を有する第2の信号(42)および追加の第2の信号(42’)、を使用することにより通信している衛星(2)を使用して全地球航法衛星システム(GNSS)で差分コードバイアス(DCB)、詳細には一次差分コードバイアス(DCB1)および二次差分コードバイアス(DCB2)を提供するように構成された複数の基準局(15、15’)および中央計算ユニット(30)において、
前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)に関する一次差分コードバイアス(DCB1)は、前記中央計算ユニットにより決定され、前記一次差分コードバイアス(DCB1)は、前記追加の第1の信号(41’)と前記追加の第2の信号(42’)の間の二次差分コードバイアス(DCB2)を決定し、詳細には提供するために使用される、
複数の基準局(15、15’)および中央計算ユニット(30)。
【請求項13】
前記複数の基準局(15)で衛星(2)から生データを受信し、データストリーム(18)を、詳細には共通データストリームを使用して、前記基準局(15)で受信した前記生データを前記中央計算ユニット(30)に、詳細には前記単一中央計算ユニットに転送し、異なる前記基準局(15)から提供された前記生データに基づき前記計算ユニット(30)で補正情報(20)を決定し、前記移動受信機(5)の位置を決定するために、少なくとも1つの前記衛星(2)および/または地上の通信手段を介して前記受信機(15)に前記補正情報(20)を伝送するようにさらに構成される、請求項12に記載の複数の基準局(15、15’)および中央計算ユニット(30)。
【請求項14】
前記追加の第1の信号(41)および/または前記追加の第2の信号(42’)を取り扱う基準局(15’)を備える、請求項12または11に記載の複数の基準局(15、15’)および中央計算ユニット(30)。
【請求項15】
ソフトウェア製品および/またはネットワークであって、
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法の1つを実装するためのプログラムコードを備えることを特徴とする、
ソフトウェア製品および/またはネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全地球航法衛星システム(global navigation satellite system、GNSS)に差分コードバイアス(differential code bias、DCB)補正を、詳細には一次差分コードバイアスおよび二次差分コードバイアスを提供するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GNSシステムは周知である。GNSシステムに関する例はGPS、GLONASS、BeiDou、およびGalileoである。これらは、静的受信機または移動受信機の位置を決定する機能性を提供し、この機能性は、たとえば測地学システムまたはナビゲーションシステム、および携帯電話受信機などの多数の下流市場用途に統合できる。DCBは、クロック基準信号と異なる信号または信号の組合せを処理するときに必要とされる。GNSシステムの不可欠の部分は、地球を周回してナビゲーション信号を放出する衛星である。ナビゲーション信号は、1つまたは複数の測距コード変調、および任意選択で測距コードの上に変調されたナビゲーションデータをそれぞれ伴う搬送波信号をいくつか備える。
【0003】
DCBは、同じまたは異なる周波数上の2つの擬似距離信号間の差分バイアスである。これらのバイアスの、異なる起源の中には、信号処理チェーンの一部を送受信する際の測定計器遅延および不完全な信号同期がある。DCBは、タイプが同じまたは異なるがすべて、対応する衛星の信号を受信する基準受信機から構成された複数の基準局により集められた経験的情報に基づき評価される。
基準局は、DCB推定器に擬似距離およびナビゲーションメッセージ、ならびに他の情報を提供している。バイアスに関する適切な知識は、多くのナビゲーション用途に極めて重要であるが、さらにまたたとえば電離圏全電子数(total electron content、TEC)を抽出する電離圏分析、および時刻比較(time transfer)など、ナビゲーション以外の用途にも極めて重要である。DCBは、詳細にはGNSS受信機でのコードに基づく測位、および他の用途のために必要とされる。
【0004】
その上、1つの信号組合せに関して推定されたDCBは、同じ衛星上であってさえ別の信号組合せに移しかえられず、または適用できない。むしろ、衛星および受信機に依存するDCBは、関心のある信号組合せごとに推定しなければならない。その理由は、各衛星に搭載された信号発生および放出用の異なる構成要素が、周波数および信号にも依存する個々のバイアスおよび同期誤差により影響を受けるためである。同様に、受信機の信号処理チェーンでの異なる構成要素はまた、異なる周波数および信号に依存するバイアスにより影響を受ける。
【0005】
さらに、いくつかの信号は、基準局によって取り扱われ、一般の人々に利用できない。そのような基準局の数は、一般の人々に利用できる基準局の数と比較して典型的には減少するので、非公共基準局に割り当てられた信号に関するDCBは、対応するDCBを評価するために、数が減少した情報だけにしか依存できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第10194428(A2)号明細書
【特許文献2】欧州特許第2281210(B1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記で記述する従来技術から始めて、詳細には衛星により放出されている複数の信号に関して計算または推定された異なるコードバイアスの信頼度を低下させることなく、自由に測定できない信号に関して、または基準局の数が制限された場合に、異なるコードバイアスを提供するステップを簡略化する方法を実現することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、少なくとも、両方とも同じ第1の搬送周波数帯域または同じ第1の搬送周波数上にある第1の信号、すなわち第1のパイロットチャネル信号、および追加の第1の信号、ならびに、両方とも同じ第2の搬送周波数帯域または同じ搬送周波数上にある第2の信号、すなわち第2のパイロットチャネル信号、および追加の第2の信号、を使用することにより通信している衛星を使用する全地球航法衛星システム(GNSS)で差分コードバイアス(DCB)を、詳細には一次差分コードバイアスを、詳細には測定されたGNSS信号に関して推定された一次差分コードバイアス、および二次差分コードバイアスを提供するための方法により解決され、第1の信号および第2の信号に関する一次差分コードバイアスは、たとえば、第1の信号および/または第2の信号を受信している受信機の位置、詳細にはPPP位置を算出するために決定され、詳細には提供され、一次差分コードバイアスは、たとえば追加の第1の信号および/または追加の第2の信号を受信している受信機の位置を算出するために、追加の第1の信号および追加の第2の信号に関する二次差分コードバイアスを決定するために使用され、詳細には、二次差分コードバイアスを提供するために使用される。その結果、周波数内補正差分コードバイアス(DCB)を提供することが可能である。
【0009】
最新技術に反して、本発明によれば、第1の信号および第2の信号に関する一次差分コードバイアスを使用することにより、詳細には対応する周波数内バイアスにより補正された、追加の第1の信号および追加の第2の信号に関する二次差分コードバイアスを決定することが提供される。その結果、有利には二次差分コードバイアスを分離して算出または評価することを回避できる。むしろ、一次差分コードバイアスを使用して二次差分コードバイアスを決定する。特に、本発明は、二次差分コードバイアスと同じ搬送周波数に基づいている一次差分コードバイアスを使用することを利用する。電離層遅延を追加で推定する必要のない周波数内DCBを推定する結果、推定の精度は改善される。周波数内DCBは、精度を損なうことなく、推定された周波数間DCBと組み合わせ可能である。
【0010】
当業者は、好ましくは、第1の信号および第1の追加信号の他に、第1の周波数または第1の周波数帯域上に別の追加の第1の信号が存在してよく、第2の信号および第2の追加信号の他に、第2の周波数帯域の第2の周波数帯域上に別の追加の第2の信号が存在してよい ことを知っており、詳細には二次差分コードを決定するステップに関して記述するように、一次差分コードおよび/または二次差分コードを使用することにより別の二次差分コードバイアスを提供するステップを決定できる。その結果、方法は、第1および第2の搬送周波数帯域、ならびにそれらの変調されたチャネルとは別の類似する挙動の追加信号に適用できる。
【0011】
好ましくは、全地球航法衛星システムを使用して受信機の位置を、詳細には携帯電話または車両などのような移動受信機の位置を決定する。そのために、GNSSの衛星により放出されたナビゲーション信号は、擬似距離を測定するために使用され、擬似距離は、次に受信機の位置を決定するために使用される。好ましくは、位置を推定するために少なくとも4つの衛星のナビゲーション信号を使用する。詳細には、受信機の正確な位置を決定するために使用するために、詳細には擬似距離またはその組合せを補正するために使用するために、一次差分コードバイアスおよび/または二次差分コードバイアスを受信機に提供する。その上、ナビゲーション信号は、詳細には一定の搬送周波数を有する第1の信号、追加の第1の信号、第2の信号、追加の第2の信号、および/または第3の信号を含む。詳細には、第1の搬送周波数を有することまたは第2の搬送周波数を有することは、一方では第1の信号もしくは追加の第1の信号の成分、または他方では第2の信号もしくは追加の第2の信号の成分が同じ搬送周波数を使用することを意味する。それにより、第1の搬送周波数および第2の搬送周波数に割り当てられた周波数の帯域または間隔は、スペクトルが互いに分離される。好ましくは、差分コードバイアスは、異なる搬送周波数の2つのGNSSコード観測値間の系統誤差に関係する。そのような差分コードバイアスはたとえば、コード観測値からそのような系統誤差を除去するために考慮される。好ましくは、そのような差分コードバイアスは、複数の基準局により一緒に集められた情報に対して評価される。その結果、たとえば差分コードバイアスの時間発展を推定することが可能である。好ましくは、差分コードバイアスは、経験的に決定される。一次差分コードバイアスおよび/または二次差分コードバイアスを決定および/または提供するために、詳細には本発明による方法ステップの少なくとも1つを遂行するように構成されたマイクロプロセッサを含む計算ユニットを使用する。好ましくは、一次差分コードバイアスは、地上の別個のデータチャネルと衛星を介した別個のデータチャネルの両方を介して提供される。DCBは好ましくは、エンドユーザにより適用される周波数組合せに関するクロック補正データを提供するために適用される。その上、好ましくは、第1の信号および/または第2の信号は暗号化されないことが提供される。詳細には、第2の差分コードバイアスは、非公共チャネルに提供される。詳細には、方法は、補正された差分コードバイアスを推定する、移しかえる、および提供することが提供される。
【0012】
好ましくは、一次差分コードバイアスを二次差分コードバイアスに移しかえる。換言すれば、二次差分コードバイアスによる追加の第1の信号および追加の第2の信号の補正は、さらに複雑な算出および/または変換を何もすることなく、大部分は一次差分コードバイアスに基づく。換言すれば、いくらかの追加オフセットを使用してよいという仮定を含み、二次差分コードバイアスは、大部分は一次差分コードバイアスに一致すると仮定される。
【0013】
その上、当業者は詳細には、決定するという用語を近似すると理解している。その上、一次差分コードは、それぞれ共通信号に対する第1の信号と第2の信号の間の関係に関係するということ、および、二次差分コードは、第1の追加信号と第1の信号の間の関係、および/または第2の信号と追加の第2の信号の間の関係に関係するということが提供される。
【0014】
詳細には、共通信号は、一次コードバイアスと二次差分コードバイアスの両方を近似するために使用されることが提供される。特に、一次差分コードバイアスは、第1の信号および第2の信号に関してそれぞれ決定され、詳細には追加の第1の信号および第2の追加信号のDCBを近似するために提供されることが提供される。その結果、追加の第1の信号および追加の第2の信号に基づき位置を決定するための精度は、実例ではたとえばクロック補正を補正するためにPPPがDCBを必要とするので、第1の信号および第2の信号に基づき位置を決定するための精度に少なくとも匹敵する、または等しい。
【0015】
詳細には、共通信号を使用して少なくとも2つの一次差分コードバイアスを、すなわちDCB1(第1の信号-共通信号)およびDCB1(第2の信号-共通信号)を決定することが提供される。DCB1(第1の信号-共通信号)およびDCB1(第2の信号-共通信号)に加えて、別の一次差分コードバイアスDCB1(第1の追加信号-共通信号)およびDCB1(第2の追加信号-共通信号)を決定/近似することが可能である。その結果、第1段階では、詳細には少なくとも5つの信号を使用することにより、4つの独立した一次差分コードバイアスDCB1が提供される。
【0016】
その上、二次差分コードバイアスは、それぞれ第1の信号と追加の第1の信号の間の差分コードバイアス、ならびに第2の信号と追加の第2の信号の間の差分コードバイアスを表すことが提供される。特に、4つの独立した一次差分コードバイアスDCB1に基づき、2つの独立した二次差分コードバイアスDCB2が提供されることが提供される。第2の差分コードバイアスを認識しているので、第1の追加信号および第2の追加信号を近似するために、量が減少した情報が、たとえばPPPを遂行するために必要な情報が他の方法で利用可能であるが、第1の信号および第2の信号に関して利用可能な情報量およびデータの信頼性を、追加の第1の信号および追加の第2の信号に適用することが可能である。
【0017】
詳細には、
DCB2(第1の信号-追加の第1の信号)=DCB1(第1の信号-共通信号)-DCB1(第1の追加信号-共通信号)
DCB2(第2の信号-追加の第2の信号)=DCB1(第2の信号-共通信号)-DCB1(第2の追加信号-共通信号)
により第2の差分コードを変形することが提供される。
【0018】
そのために、第1の信号および追加の第1の信号は、第1の受信機により追跡され、第2の信号および追加の信号は、第2の受信機により追跡され、共通信号は、第1の受信機および第2の受信機により追跡される。その結果、たとえば必要な情報を算出するためのデータを提供するために使用される基準局の数が制限されるために、追加の第1の信号および追加の第2の信号の差分コードバイアスに関する情報は制限されるが、十分に保護された高精度なデータを第2の受信機に提供することが可能である。その結果さらにまた、量が減少した情報しか他の方法で利用可能にできない追加の第1の信号および追加の第2の信号にアクセスできる第2の受信機の位置を決定するとき、ナノ秒未満およびデシメートル未満の分解能を提供することが可能である。
【0019】
好ましくは、第1の受信機および第2の受信機は、異なるタイプの受信機である。特に、第1の受信機および第2の受信機は、特有の信号を観測および/または分析する能力が異なる。換言すれば、第1の受信機は、第1の信号および第2の信号を観測および/または分析できるが、追加の第1の信号および追加の第2の信号を観測および/または分析できない。同時に、第2の受信機は、追加の第1の信号および追加の第2の信号を観測および/または分析でき、一方、第1の信号および第2の信号を観測および/または分析できない。第1の受信機と第2の受信機の間の違いを確立するために、第1の受信機および第2の受信機は、相関器実装など、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにより互いに識別される。特に、第1の受信機および第2の受信機は、異なるPRS認証を有する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態では、第2の信号および/または追加の第2の信号は、精密点測位のための補正情報を備える。移動受信機の近傍で密な基準局ネットワークに依存することなく測位精度を改善するために精密点測位(precise point positioning、PPP)方式は開発されてきた。DGPSまたはRTKとは対照的に、PPPの取り組み方法は、差分測定の空間誤差相関に依存するのではなく、むしろ移動受信機に関する位置を算出する際の正確なモデルを通して、たとえば衛星の軌道またはクロック、バイアス、および大気遅延が生じさせる個々の誤差成分を除去する。その結果、2周波測定を用いてデシメートルまたはさらにそれ以下まで正確な位置を算出することが可能である。正確な補正情報を、詳細には正確な軌道およびクロックの補正情報を提供することは、そのような精度を実現するために不可欠である。このため、補正される「追加の、または非公共の」サービスのためのナビゲーション情報だけではなく「第1の、または公共の」サービスに対するナビゲーション情報も必要とされる。さらに、PPPは、密な基準局ネットワークのない領域でさえ移動受信機の位置を正確に決定できるようにする。PPPの取り組み方法を実現するための例は、PPPに関する内容が本明細書に明示的に援用される欧州特許出願公開第1094428(A2)号明細書および欧州特許第2281210(B1)号明細書で認めることが可能である。
【0021】
異なる好ましい実施形態では、追加の第1の信号は、ユーザの副グループにだけ利用可能であることが提供される。詳細には、追加の第1の信号および/または追加の第2の信号は、ユーザの大多数により必要とされない情報を含む。たとえば、追加の第1の信号および追加の第2の信号は、追加の第1の信号および追加の第2の信号にアクセスできるユーザに権限を与えるためだけに提供される。たとえば、追加の第1の信号および/または追加の第2の信号は、追加の第1の信号および/または追加の第2の信号の中に符号化された情報をユーザのある種の副グループだけが使用できるようにするために暗号化される。詳細には、追加の第1の信号および追加の第2の信号は、基準局により取り扱われるのに対して、第1の信号および第2の信号は、第1の信号および第2の信号、ならびに/または第3の信号だけを取り扱うが、追加の第1の信号および/または追加の第2の信号を取り扱わない異なる基準局によって取り扱われる。追加の第1の信号および/または追加の第2の信号を取り扱う基準局の数は、第1の信号、第2の信号、および第3の信号を取り扱う基準局と比較して数が減少しているので、二次DCBを算出するステップは、数が減少した基準局の、数少ない情報だけに依存する。したがって、第1の差分コードバイアスを使用することにより二次差分コードバイアスを使用するまたは決定することにより、追加の第1の信号および追加の第2の信号に関する二次差分コードバイアスの信頼度は改善される。
【0022】
詳細には、副グループのメンバを測位する精度を高めるために、測位のために使用されている補正の決定は、第1の受信機に提供されている第1の信号および/または第2の信号に割り当てられている情報に依存する。詳細には、副グループのメンバは、第2の受信機により表される。
【0023】
好ましくは、第1の信号、および第3の周波数を有する第3の信号は、2周波数測定のために使用される。2周波数測定を使用することにより、電離圏の影響を決定することが可能である。特に、いずれにせよ2周波数測定のために使用される第1の信号および第3の信号を使用して、差分コードバイアスを算出するために利用することは、当業者により公知であった。しかしながら、追加の第2の周波数は、第3の搬送周波数を有さないので、二次差分コードバイアスを決定するために三次差分コードバイアスを使用できない。
【0024】
好ましくは、第1の差分コードバイアスおよび/または二次差分コードバイアスは、天体暦を補正するために使用される、および/または通常は衛星補正メッセージの一部として伝送される。次いでこれらのメッセージから得られたDCB情報を使用して、クロック基準信号と異なる信号または信号組合せを使用できる。
【0025】
好ましくは、一次差分コードバイアスは、詳細には擬似距離観測値を使用することにより第1の信号および第2の信号上に符号化された情報により決定される。その結果、実質的に二次差分コードバイアスを決定するために使用される一次差分コードバイアスを算出および/または評価することが可能である。
【0026】
詳細には、一次差分コードバイアスおよび/または二次差分コードバイアスの時間評価を決定する。たとえば、一次差分コードバイアス、およびその結果としての二次差分コードバイアスは、補正期間に至る過去に記録された観測値に基づき評価または推定されることが考えられる。過去の時間評価を考慮すると、一次差分コードバイアス、およびその結果としての二次差分コードバイアスの時間評価を外装することが可能である。
【0027】
好ましくは、一次差分コードバイアスおよび/または二次差分コードバイアスは、ほぼリアルタイムで提供される。特に、一次差分コードバイアスの外装または時間評価を使用することにより、一次差分コードバイアスまたは二次差分コードバイアスを提供することが可能であり、その結果、一次差分コードバイアスおよび二次差分コードバイアスは、たとえば受信機の位置をリアルタイムで推定するために使用できる。
【0028】
好ましくは、方法は、複数の基準局で衛星から生データを受信するステップと、基準局で受信した生データをリアルタイム・データ・ストリームで中央計算ユニットに、詳細には単一中央計算ユニットに転送するステップと、異なる基準局から受信した生データに基づき計算ユニットで補正情報を決定するステップと、移動受信機の位置を決定するために、少なくとも1つの衛星または地上リンクを介して受信機に補正情報を伝送するステップと、をさらに備える。詳細には、中央計算ユニットは、すべての生データを収集し、補正情報を、詳細には組み合わせた軌道誤差、クロックオフセット、信号バイアス、および追加の補正情報を決定し、その後、補正情報メッセージは、少なくとも1つのGNS(global navigation satellite、全地球航法衛星)を介して、好ましくはある種の移動受信機に生データを提供する各GNSを介して、認証の手段を実装する移動受信機に伝送されることが提供される。その結果、1つの中央計算ユニットで所望の精度を確立するための補正情報を決定するために、多数の基準局の生データ考慮することが可能である。さらに、本発明は、補正情報の集中配布を可能にする。その結果、異なる分配センタ間の通信はまったく必要ない。補正情報をブロードキャストするためにGNSを使用する別の利点は、既存の衛星からすでに利用可能なインフラストラクチャを使用する可能性であり、追加の地上送信機または衛星搭載送信機はまったく必要ない。
【0029】
本発明の別の様態は、少なくとも、両方とも第1の搬送周波数を有する第1の信号および追加の第1の信号、ならびに、両方とも第2の搬送周波数を有する第2の信号および追加の第2の信号、を使用することにより通信する衛星を使用して全地球航法衛星システムで差分コードバイアスを、詳細には一次差分コードバイアスおよび二次差分コードバイアスを提供するように構成された、複数の基準局および中央計算ユニット、詳細には単一中央計算ユニットであり、第1の信号および第2の信号に関する一次差分コードバイアスは、中央計算ユニットにより決定され、一次差分コードバイアスは、追加の第1の信号と追加の第2の信号の間の二次差分コードバイアスを決定するために、詳細には提供するために使用される。差分コードバイアスを提供するための方法に関連して記述する特徴および利益は、複数の基準局および中央計算ユニットに同じように適用され、逆もまた同様である。
【0030】
好ましくは、中央計算は、前記複数の基準局で衛星から生データを受信し、データストリームを、詳細には共通データストリームを使用して、基準局で受信した生データを前記中央計算ユニットに、詳細には前記単一中央計算ユニットに転送し、異なる基準局から提供された生データに基づき計算ユニットで補正情報を決定し、少なくとも1つの衛星および/または地上の通信手段を介して受信機に補正情報を伝送する、または移動受信機の位置を決定するように構成される。
【0031】
詳細には、複数の基準局は、追加の第1の信号および/または追加の第2の信号を取り扱う基準局を含む。
【0032】
本発明の別の様態は、ソフトウェア製品および/またはネットワークであり、ソフトウェア製品および/またはネットワークは、本発明による方法の1つを実装するためのプログラムコードを備える。
【0033】
差分コードバイアスを提供するための方法に関連して記述する特徴および利益は、ソフトウェア製品および/またはネットワークに同じように適用され、逆もまた同様である。
【0034】
これまで明示的に記述していない場合はいつでも、個々の実施形態、または個々の実施形態の個々の様態および特徴は、組合せまたは交換が本発明の観点から意味があるときはいつでも、記述する本発明の範囲を限定または拡張することなく互いにそのように組み合わせ、または交換することが可能である。本発明の一実施形態に関して記述する利点はまた、適用可能な場合はいつでも、本発明の他の実施形態の利点でもある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の第1の好ましい実施形態による、差動コードバイアス補正を提供するための方法の第1の部分を例示する概略図である。
図2】本発明の第1の好ましい実施形態による、差分コードバイアスを提供するための方法の第2の部分を例示する概略図である。
図3】少なくとも1つの衛星を介して中央計算ユニットから移動受信機に補正情報を伝送することを例示する概略図である。
図4】本発明の好ましい実施形態による方法用にナビゲーション信号を放出する衛星を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1では、全地球航法衛星システム(GNSシステム)を使用することにより移動受信機5の位置を決定するための方法を例示する。全地球航法衛星システムは、地球14の周りを周回する、いくつかの搬送波周波数で変調されたナビゲーション信号4を放出する衛星2を備える。移動ユニットおよび/または車両に組み込まれてよい移動ナビゲーションシステムなどの移動受信機5は、アンテナ6を介してナビゲーション信号4を受信する。受信したナビゲーション信号4は、移動受信機5の位置を、詳細には実際の位置を決定するための生データを備える。受信したナビゲーション信号4を増幅する帯域フィルタおよび低雑音増幅器7にアンテナ6を接続する。
帯域フィルタおよび低雑音増幅器7、ならびに基準発振器9に接続された後続のダウンコンバータ8では、基準発振器9から得られる発振信号を使用して、受信したナビゲーション信号4をより低い周波数に変換する。ダウンコンバートされたナビゲーション信号は、帯域通過およびサンプリングニット10を通過し、このユニットでは、アナログナビゲーション信号4をサンプリングする。次いで、サンプリングされたナビゲーション信号4を追跡ユニット11に渡し、追跡ユニット11では、ナビゲーション信号4を、詳細には搬送波信号の位相を、および/またはナビゲーション信号4に含まれるコード信号の遅延を追跡する。追跡ユニット11の次にバイアス減算ユニット12が続き、バイアス減算ユニット12では、搬送波信号の位相から、およびコード信号から、位相および/またはコードバイアスを減算する。後続の位置推定ユニット13は、搬送波信号を処理することにより得た位相信号に基づき、かつコード信号に基づき、ナビゲーション機器5の実際の位置を決定する。最後に、位置推定結果をモニタ機器14に表示できる。
【0037】
移動受信機5は、受信したGNS信号4を使用して、擬似距離および搬送波位相測定値を生成し、粗い衛星位置、クロックオフセット、および信号バイアスを包含するナビゲーションデータを復号する。追加で、移動受信機5は、GNS信号4のサブセットについて、追跡された衛星2のサブセットから配布された補正データ情報20を復号する。次いで、粗いナビゲーションデータと組み合わせて正確な補正データを使用して、擬似距離および搬送波位相測定値を正確にモデル化し、場合によっては大気遅延を補正する。正確にモデル化された観測値により、移動受信機は、PPPを使用して位置の、詳細には実際の位置の正確な推定値を計算可能になる。
【0038】
図2には基準局15を例示する。これらの基準局15は、全地球14の周りに分布し、自身のアンテナ6によりナビゲーション信号4を受信する。基準局15は、基準局15の位置が既知であるということだけではなく、多数の基準局がGNS衛星からナビゲーション信号を受信しているという事実を使用することにより、補正情報20を決定するために使用する、観測可能な生データを生成する。さらに、基準局を使用して、第1の信号および第2の信号に関するDCBを決定および/または推定でき、ならびに詳細にはDCBの時間評価を決定および/または推定できる。
差分コードバイアス(DCB)は、同じまたは異なる周波数での2つのGNSSコード観測値間の系統誤差またはバイアスである。DCBは、対応する衛星の信号を受信する複数の基準局により集められた経験的情報に基づき評価される。DCBに関する適切な知識は、多くのナビゲーション用途に極めて重要であるが、さらにまたたとえば電離圏全電子数(TEC)を抽出する電離圏分析、および時刻比較など、ナビゲーション以外の用途にも極めて重要である。DCBは、詳細にはGNSS受信機のコードに基づく測位および他の用途のために必要とされる。
【0039】
ローカル基地局と、補正データを分配するために数km近傍にある移動受信機へのリンクとを必要とするリアル・タイム・キネマティック(Real Time Kinematic、RTK)解決手段とは対照的に、精密点測位(PPP)技法は全地球的に、したがって、ローカル基地局、および移動受信機との直接無線リンクなしに、コードに基づく測位作業を遂行する。この場合、衛星軌道およびクロック、オフセット誤差、電離圏遅延、対流圏遅延、コードバイアス、ならびに/または位相バイアスに関する補正を考慮する補正情報20を、衛星2を介して移動受信機5に伝送する。
【0040】
補正情報20を決定するために、少なくとも1つの基準局15により1組のいくつかの衛星2の生データを受信することを提供する。更に、別の1組の衛星2または同じ1組の衛星2から生データを受信する基準局15が追加で存在する。その上、受信した生データを、好ましくはデータストリーム18の形で中央計算ユニット30に転送することを提供する。詳細には、データストリーム18に含まれる生データを、ある種の基準局15にそれぞれ割り当てる。
【0041】
好ましくは、対応する基準局15に割り当てられた生データを、異なる基準局15から得られた他の生データと一緒にデータストリーム18で、詳細には共通データストリームで中央計算ユニット30に転送する。中央計算ユニット30は、詳細には衛星2ごとに個々に補正情報20を決定するように構成されたプロセッサを備える。
【0042】
図3に例示するように、決定され、詳細には算出され、認証された補正情報20を少なくとも1つの衛星2を介して中央計算ユニット30から移動受信機5に伝送する。たとえば、補正情報20を含む補正信号22を少なくとも1つの衛星2を介して移動受信機5に伝送するように、アップリンク局21で補正情報をアップリンクで送信する。好ましくは、いくつかの衛星2は、詳細には移動受信機5に利用できるすべての衛星2は、対応する補正情報20を移動受信機5に提供する。
【0043】
図4は、本発明の好ましい実施形態による方法用にナビゲーション信号4を放出する衛星2を示す。用語「ナビゲーション信号4」は、ここでは移動受信機5および/または基準局15と通信するために衛星2により放出されている信号に関する一般的な用語として使用される。詳細には、ナビゲーション信号4は少なくとも、第1の搬送周波数C1を有する第1の信号41および第2の搬送周波数C2を有する第2の信号42を備える。その上、ナビゲーション信号4には第3の搬送周波数C3を有する第3の信号43が含まれる。
Galileo GNSSでは、第1の搬送周波数C1、第2の搬送周波数C2、および第3の搬送周波数C3は、それぞれ周波数帯域E1、E6、およびE5により表される。第1の信号41、第2の信号42、および/または第3の信号43は、対応する搬送周波数を有する信号41、42、43を変調することにより一定の情報を含む。詳細には、第1の信号41および第3の信号43は、2周波法を遂行して、電離圏により生じているような影響を除去または低減するために使用され、他の点では、信号41、42、および43の移動時間に関する、対応する時間遅延をもたらす。特に、第1の信号41および第3の信号43に関する別の第3の差分コードバイアスDCB3を決定することが提供される。
【0044】
その上、第2の信号42は、精密点測位PPPのために使用される補正情報20を含む。換言すれば、第2の信号42は主として、写真3に提示または例示される補正信号22に対応する。第1の信号41、第2の信号42、および第3の信号43の他に、ナビゲーション信号4は、第1の搬送周波数C1を有する追加の第1の信号41’および第2の搬送周波数C2を有する追加の第2の周波数42’を備えることができることもまた公知である。詳細には、第1の信号41も追加の第1の信号41’も同じ搬送周波数C1を使用するのに対して、第2の信号42および追加の第2の信号42’は、第2の搬送周波数C2を使用することが提供される。同じ第1の搬送周波数C1を使用することは、第1の信号41および/または追加の第1の信号41’が同じ周波数帯域の周波数を使用することを意味するように、搬送周波数C1、第2の搬送周波数C2、および第3の搬送周波数C3は周波数間隔を表すことは当業者に自明である。
【0045】
同じことは、第2の搬送周波数間隔または帯域での第2の信号42および追加の第2の信号42’に関して当てはまる。追加の第1の信号41’および追加の第2の信号42’は、ユーザ、すなわち移動受信機5の大多数により使用されなくてよい。たとえば、追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’は、正常動作中に必要とされなかった情報を含む。たとえば、受信機5は、追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’にアクセスできない。たとえば、追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’は暗号化され、その結果、受信機5は、追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’にアクセスできず、またはそこへのアクセスを制限される。
追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’は詳細には、第1の信号41および第2の信号42ならびに/または第3の信号43だけを取り扱う基準局15と異なる基準局15’により取り扱われた。それにより、第1の信号41、第2の信号42、および/または第3の信号43を取り扱う基準局15の数は、追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’を取り扱う基準局15’の数よりもかなり多い。好ましくは、追加の第2の信号42’は、精密点測位PPPのために使用される補正情報20を備える。
【0046】
追加の第1の信号41’と追加の第2の信号42’の間の二次差分コードバイアスDCB2を考慮するために、最新技術のGNSSは、追加の第1の信号41’および追加の第2の信号42’を取り扱う基準局15’に依存する必要がある。二次コードバイアスDCB2は、追加の第1の信号41’および追加の第2の信号42’を取り扱う、数が減少した基準局15’に基づくので、二次差分コードバイアスDCB2を算出または決定することにより、計算する手間がさらに生じるだけではなく、あまり信頼できないことがある差分コードバイアスも得られる。
【0047】
二次差分コードバイアスDCB2を計算する手間を低減し、二次差分コードバイアスDCB2の信頼性を改善するために、第1の信号41と第2の信号42の間の第1の差分コードバイアスDCB1を決定することが提供される。その後、一次差分コードバイアスDCB1は、詳細には一次差分コードバイアスDCB1を二次差分コードバイアスDCB2に移しかえることにより二次差分コードバイアスDCB2を決定するために使用できる。この処理には、一次差分コードバイアスDCB1を二次差分コードバイアスDCB2に移しかえるという利点があり、第1の差分コードバイアスDCB1および二次差分コードバイアスDCB2は、同じ搬送周波数に基づき評価される。
【0048】
二次差分コードバイアスDCB2のための基礎として一次差分コードバイアスDCB1を使用することにより、その結果として、追加の第1の信号41’および追加の第2の信号42’だけを取り扱う基準局15に利用できる情報と比べて数が増えた基準局15に由来する一次差分コードバイアスDCB1に依存できるようになる。さらに、二次差分コードバイアスDCB2を追加で計算することを回避できる。
【符号の説明】
【0049】
2 衛星
4 ナビゲーション信号
5 移動受信機
6 アンテナ
7 帯域フィルタおよび低雑音増幅器
8 ダウンコンバータ
9 基準発振器
10 帯域通過およびサンプリングユニット
11 追跡ニット
12 減算ユニット
13 推定ユニット
14 地球
15、15’ 基準局
18 データストリーム
20 補正情報
21 アップリンク局
22 補正信号
30 中央計算ユニット
35 基準値
41 第1の信号
41’ 追加の第1の信号
42 第2の信号
42’ 追加の第2の信号
43 第3の信号
C1 第1の搬送周波数
C2 第2の搬送周波数
C3 第3の搬送周波数
DCB1 一次差分コードバイアス
DCB2 二次差分コードバイアス
DCB3 三次差分コードバイアス
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-09-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全地球航法衛星システム(global navigation satellite system、GNSS)に差分コードバイアス(differential code bias、DCB)補正を、詳細には一次差分コードバイアスおよび二次差分コードバイアスを提供するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GNSシステムは周知である。GNSシステムに関する例はGPS、GLONASS、BeiDou、およびGalileoである。これらは、静的受信機または移動受信機の位置を決定する機能性を提供し、この機能性は、たとえば測地学システムまたはナビゲーションシステム、および携帯電話受信機などの多数の下流市場用途に統合できる。DCBは、クロック基準信号と異なる信号または信号の組合せを処理するときに必要とされる。GNSシステムの不可欠の部分は、地球を周回してナビゲーション信号を放出する衛星である。ナビゲーション信号は、1つまたは複数の測距コード変調、および任意選択で測距コードの上に変調されたナビゲーションデータをそれぞれ伴う搬送波信号をいくつか備える。
【0003】
DCBは、同じまたは異なる周波数上の2つの擬似距離信号間の差分バイアスである。これらのバイアスの、異なる起源の中には、信号処理チェーンの一部を送受信する際の測定計器遅延および不完全な信号同期がある。DCBは、タイプが同じまたは異なるがすべて、対応する衛星の信号を受信する基準受信機から構成された複数の基準局により集められた経験的情報に基づき評価される。
基準局は、DCB推定器に擬似距離およびナビゲーションメッセージ、ならびに他の情報を提供している。バイアスに関する適切な知識は、多くのナビゲーション用途に極めて重要であるが、さらにまたたとえば電離圏全電子数(total electron content、TEC)を抽出する電離圏分析、および時刻比較(time transfer)など、ナビゲーション以外の用途にも極めて重要である。DCBは、詳細にはGNSS受信機でのコードに基づく測位、および他の用途のために必要とされる。
【0004】
その上、1つの信号組合せに関して推定されたDCBは、同じ衛星上であってさえ別の信号組合せに移しかえられず、または適用できない。むしろ、衛星および受信機に依存するDCBは、関心のある信号組合せごとに推定しなければならない。その理由は、各衛星に搭載された信号発生および放出用の異なる構成要素が、周波数および信号にも依存する個々のバイアスおよび同期誤差により影響を受けるためである。同様に、受信機の信号処理チェーンでの異なる構成要素はまた、異なる周波数および信号に依存するバイアスにより影響を受ける。
【0005】
さらに、いくつかの信号は、基準局によって取り扱われ、一般の人々に利用できない。そのような基準局の数は、一般の人々に利用できる基準局の数と比較して典型的には減少するので、非公共基準局に割り当てられた信号に関するDCBは、対応するDCBを評価するために、数が減少した情報だけにしか依存できない。
【0006】
米国特許出願公開第20170090038(A1)号明細書では、補正データ作成ユニットは、第1の時間間隔で衛星測位に使用される誤差の値を受信し、第1の時間間隔の時間間隔の1/n(nは2以上の整数)の時間間隔である第2の時間間隔で誤差の補正値を受信する。補正データ作成ユニットはまた、補正値を使用することにより第2の時間間隔で誤差の値を補正する。
【0007】
米国特許出願公開第20160047917(A1)号明細書は、擬似距離観測値を補正するための受信機特有補正情報を生成するための方法に関係する。方法は、NSS受信機が多数の時期にわたり複数のNSS衛星から多数の周波数信号を観測することにより得られた生観測値を受信するステップと、(i)衛星の各々の軌道位置、(ii)衛星の各々のクロックオフセット、および(iii)衛星の各々に関連する1組のバイアスに関して、正確な衛星情報を得るステップと、正確な衛星情報またはそれから導出された情報を使用して、受信した生観測値の搬送波位相の不明確さを推定するステップと、推定した不明確さと共に、受信した生観測値に基づき、組合せ値を計算して幾何形状の影響、ならびにクロック、対流圏、および電離圏の影響を相殺するステップと、計算した組合せ値に基づき衛星ごとに補正情報を生成するステップとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第20170090038(A1)号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第20160047917(A1)号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第10194428(A2)号明細書
【特許文献4】欧州特許第2281210(B1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記で記述する従来技術から始めて、詳細には衛星により放出されている複数の信号に関して計算または推定された異なるコードバイアスの信頼度を低下させることなく、自由に測定できない信号に関して、または基準局の数が制限された場合に、異なるコードバイアスを提供するステップを簡略化する方法を実現することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、少なくとも、両方とも同じ第1の搬送周波数帯域または同じ第1の搬送周波数上にある第1の信号、すなわち第1のパイロットチャネル信号、および追加の第1の信号、ならびに、両方とも同じ第2の搬送周波数帯域または同じ搬送周波数上にある第2の信号、すなわち第2のパイロットチャネル信号、および追加の第2の信号、を使用することにより通信している衛星を使用する全地球航法衛星システム(GNSS)で差分コードバイアス(DCB)を、詳細には一次差分コードバイアスを、詳細には測定されたGNSS信号に関して推定された一次差分コードバイアス、および二次差分コードバイアスを提供するための方法により解決され、第1の信号および第2の信号に関する一次差分コードバイアスは、たとえば、第1の信号および/または第2の信号を受信している受信機の位置、詳細にはPPP位置を算出するために決定され、詳細には提供され、一次差分コードバイアスは、たとえば追加の第1の信号および/または追加の第2の信号を受信している受信機の位置を算出するために、追加の第1の信号および追加の第2の信号に関する二次差分コードバイアスを決定するために使用され、詳細には、二次差分コードバイアスを提供するために使用される
【0011】
最新技術に反して、本発明によれば、第1の信号および第2の信号に関する一次差分コードバイアスを使用することにより、追加の第1の信号および追加の第2の信号に関する二次差分コードバイアスを決定することが提供される。その結果、有利には二次差分コードバイアスを分離して算出または評価することを回避できる。むしろ、一次差分コードバイアスを使用して二次差分コードバイアスを決定する。特に、本発明は、二次差分コードバイアスと同じ搬送周波数に基づいている一次差分コードバイアスを使用することを利用する
【0012】
当業者は、好ましくは、第1の信号および第1の追加信号の他に、第1の周波数または第1の周波数帯域上に別の追加の第1の信号が存在してよく、第2の信号および第2の追加信号の他に、第2の周波数帯域の第2の周波数帯域上に別の追加の第2の信号が存在してよい ことを知っており、詳細には二次差分コードを決定するステップに関して記述するように、一次差分コードおよび/または二次差分コードを使用することにより別の二次差分コードバイアスを提供するステップを決定できる。その結果、方法は、第1および第2の搬送周波数帯域、ならびにそれらの変調されたチャネルとは別の類似する挙動の追加信号に適用できる。
【0013】
好ましくは、全地球航法衛星システムを使用して受信機の位置を、詳細には携帯電話または車両などのような移動受信機の位置を決定する。そのために、GNSSの衛星により放出されたナビゲーション信号は、擬似距離を測定するために使用され、擬似距離は、次に受信機の位置を決定するために使用される。好ましくは、位置を推定するために少なくとも4つの衛星のナビゲーション信号を使用する。詳細には、受信機の正確な位置を決定するために使用するために、詳細には擬似距離またはその組合せを補正するために使用するために、一次差分コードバイアスおよび/または二次差分コードバイアスを受信機に提供する。その上、ナビゲーション信号は、詳細には一定の搬送周波数を有する第1の信号、追加の第1の信号、第2の信号、追加の第2の信号、および/または第3の信号を含む。詳細には、第1の搬送周波数を有することまたは第2の搬送周波数を有することは、一方では第1の信号もしくは追加の第1の信号の成分、または他方では第2の信号もしくは追加の第2の信号の成分が同じ搬送周波数を使用することを意味する。それにより、第1の搬送周波数および第2の搬送周波数に割り当てられた周波数の帯域または間隔は、スペクトルが互いに分離される。好ましくは、差分コードバイアスは、異なる搬送周波数の2つのGNSSコード観測値間の系統誤差に関係する。そのような差分コードバイアスはたとえば、コード観測値からそのような系統誤差を除去するために考慮される。好ましくは、そのような差分コードバイアスは、複数の基準局により一緒に集められた情報に対して評価される。その結果、たとえば差分コードバイアスの時間発展を推定することが可能である。好ましくは、差分コードバイアスは、経験的に決定される。一次差分コードバイアスおよび/または二次差分コードバイアスを決定および/または提供するために、詳細には本発明による方法ステップの少なくとも1つを遂行するように構成されたマイクロプロセッサを含む計算ユニットを使用する。好ましくは、一次差分コードバイアスは、地上の別個のデータチャネルと衛星を介した別個のデータチャネルの両方を介して提供される。DCBは好ましくは、エンドユーザにより適用される周波数組合せに関するクロック補正データを提供するために適用される。その上、好ましくは、第1の信号および/または第2の信号は暗号化されないことが提供される。詳細には、第2の差分コードバイアスは、非公共チャネルに提供される。詳細には、方法は、補正された差分コードバイアスを推定する、移しかえる、および提供することが提供される。
【0014】
好ましくは、一次差分コードバイアスを二次差分コードバイアスに移しかえる。換言すれば、二次差分コードバイアスによる追加の第1の信号および追加の第2の信号の補正は、さらに複雑な算出および/または変換を何もすることなく、大部分は一次差分コードバイアスに基づく。換言すれば、いくらかの追加オフセットを使用してよいという仮定を含み、二次差分コードバイアスは、大部分は一次差分コードバイアスに一致すると仮定される。
【0015】
その上、当業者は詳細には、決定するという用語を近似すると理解している。その上、一次差分コードは、それぞれ共通信号に対する第1の信号と第2の信号の間の関係に関係するということ、および、二次差分コードは、第1の追加信号と第1の信号の間の関係、および/または第2の信号と追加の第2の信号の間の関係に関係するということが提供される。
【0016】
詳細には、共通信号は、一次コードバイアスと二次差分コードバイアスの両方を近似するために使用されることが提供される。特に、一次差分コードバイアスは、第1の信号および第2の信号に関してそれぞれ決定され、詳細には追加の第1の信号および第2の追加信号のDCBを近似するために提供されることが提供される。その結果、追加の第1の信号および追加の第2の信号に基づき位置を決定するための精度は、実例ではたとえばクロック補正を補正するためにPPPがDCBを必要とするので、第1の信号および第2の信号に基づき位置を決定するための精度に少なくとも匹敵する、または等しい。
【0017】
詳細には、共通信号を使用して少なくとも2つの一次差分コードバイアスを、すなわちDCB1(第1の信号-共通信号)およびDCB1(第2の信号-共通信号)を決定することが提供される。DCB1(第1の信号-共通信号)およびDCB1(第2の信号-共通信号)に加えて、別の一次差分コードバイアスDCB1(第1の追加信号-共通信号)およびDCB1(第2の追加信号-共通信号)を決定/近似することが可能である。その結果、第1段階では、詳細には少なくとも5つの信号を使用することにより、4つの独立した一次差分コードバイアスDCB1が提供される。
【0018】
その上、二次差分コードバイアスは、それぞれ第1の信号と追加の第1の信号の間の差分コードバイアス、ならびに第2の信号と追加の第2の信号の間の差分コードバイアスを表すことが提供される。特に、4つの独立した一次差分コードバイアスDCB1に基づき、2つの独立した二次差分コードバイアスDCB2が提供されることが提供される。第2の差分コードバイアスを認識しているので、第1の追加信号および第2の追加信号を近似するために、量が減少した情報が、たとえばPPPを遂行するために必要な情報が他の方法で利用可能であるが、第1の信号および第2の信号に関して利用可能な情報量およびデータの信頼性を、追加の第1の信号および追加の第2の信号に適用することが可能である。
【0019】
詳細には、
DCB2(第1の信号-追加の第1の信号)=DCB1(第1の信号-共通信号)-DCB1(第1の追加信号-共通信号)
DCB2(第2の信号-追加の第2の信号)=DCB1(第2の信号-共通信号)-DCB1(第2の追加信号-共通信号)
により第2の差分コードを変形することが提供される。
【0020】
そのために、第1の信号および追加の第1の信号は、第1の受信機により追跡され、第2の信号および追加の信号は、第2の受信機により追跡され、共通信号は、第1の受信機および第2の受信機により追跡される。その結果、たとえば必要な情報を算出するためのデータを提供するために使用される基準局の数が制限されるために、追加の第1の信号および追加の第2の信号の差分コードバイアスに関する情報は制限されるが、十分に保護された高精度なデータを第2の受信機に提供することが可能である。その結果さらにまた、量が減少した情報しか他の方法で利用可能にできない追加の第1の信号および追加の第2の信号にアクセスできる第2の受信機の位置を決定するとき、ナノ秒未満およびデシメートル未満の分解能を提供することが可能である。
【0021】
好ましくは、第1の受信機および第2の受信機は、異なるタイプの受信機である。特に、第1の受信機および第2の受信機は、特有の信号を観測および/または分析する能力が異なる。換言すれば、第1の受信機は、第1の信号および第2の信号を観測および/または分析できるが、追加の第1の信号および追加の第2の信号を観測および/または分析できない。同時に、第2の受信機は、追加の第1の信号および追加の第2の信号を観測および/または分析でき、一方、第1の信号および第2の信号を観測および/または分析できない。第1の受信機と第2の受信機の間の違いを確立するために、第1の受信機および第2の受信機は、相関器実装など、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにより互いに識別される。特に、第1の受信機および第2の受信機は、異なるPRS認証を有する。
【0022】
本発明の好ましい実施形態では、第2の信号および/または追加の第2の信号は、精密点測位のための補正情報を備える。移動受信機の近傍で密な基準局ネットワークに依存することなく測位精度を改善するために精密点測位(precise point positioning、PPP)方式は開発されてきた。DGPSまたはRTKとは対照的に、PPPの取り組み方法は、差分測定の空間誤差相関に依存するのではなく、むしろ移動受信機に関する位置を算出する際の正確なモデルを通して、たとえば衛星の軌道またはクロック、バイアス、および大気遅延が生じさせる個々の誤差成分を除去する。その結果、2周波測定を用いてデシメートルまたはさらにそれ以下まで正確な位置を算出することが可能である。正確な補正情報を、詳細には正確な軌道およびクロックの補正情報を提供することは、そのような精度を実現するために不可欠である。このため、補正される「追加の、または非公共の」サービスのためのナビゲーション情報だけではなく「第1の、または公共の」サービスに対するナビゲーション情報も必要とされる。さらに、PPPは、密な基準局ネットワークのない領域でさえ移動受信機の位置を正確に決定できるようにする。PPPの取り組み方法を実現するための例は、PPPに関する内容が本明細書に明示的に援用される欧州特許出願公開第1094428(A2)号明細書および欧州特許第2281210(B1)号明細書で認めることが可能である。
【0023】
異なる好ましい実施形態では、追加の第1の信号は、ユーザの副グループにだけ利用可能であることが提供される。詳細には、追加の第1の信号および/または追加の第2の信号は、ユーザの大多数により必要とされない情報を含む。たとえば、追加の第1の信号および追加の第2の信号は、追加の第1の信号および追加の第2の信号にアクセスできるユーザに権限を与えるためだけに提供される。たとえば、追加の第1の信号および/または追加の第2の信号は、追加の第1の信号および/または追加の第2の信号の中に符号化された情報をユーザのある種の副グループだけが使用できるようにするために暗号化される。詳細には、追加の第1の信号および追加の第2の信号は、基準局により取り扱われるのに対して、第1の信号および第2の信号は、第1の信号および第2の信号、ならびに/または第3の信号だけを取り扱うが、追加の第1の信号および/または追加の第2の信号を取り扱わない異なる基準局によって取り扱われる。追加の第1の信号および/または追加の第2の信号を取り扱う基準局の数は、第1の信号、第2の信号、および第3の信号を取り扱う基準局と比較して数が減少しているので、二次DCBを算出するステップは、数が減少した基準局の、数少ない情報だけに依存する。したがって、第1の差分コードバイアスを使用することにより二次差分コードバイアスを使用するまたは決定することにより、追加の第1の信号および追加の第2の信号に関する二次差分コードバイアスの信頼度は改善される。
【0024】
詳細には、副グループのメンバを測位する精度を高めるために、測位のために使用されている補正の決定は、第1の受信機に提供されている第1の信号および/または第2の信号に割り当てられている情報に依存する。詳細には、副グループのメンバは、第2の受信機により表される。
【0025】
好ましくは、第1の信号、および第3の周波数を有する第3の信号は、2周波数測定のために使用される。2周波数測定を使用することにより、電離圏の影響を決定することが可能である。特に、いずれにせよ2周波数測定のために使用される第1の信号および第3の信号を使用して、差分コードバイアスを算出するために利用することは、当業者により公知であった。しかしながら、追加の第2の周波数は、第3の搬送周波数を有さないので、二次差分コードバイアスを決定するために三次差分コードバイアスを使用できない。
【0026】
好ましくは、第1の差分コードバイアスおよび/または二次差分コードバイアスは、天体暦を補正するために使用される、および/または通常は衛星補正メッセージの一部として伝送される。次いでこれらのメッセージから得られたDCB情報を使用して、クロック基準信号と異なる信号または信号組合せを使用できる。
【0027】
好ましくは、一次差分コードバイアスは、詳細には擬似距離観測値を使用することにより第1の信号および第2の信号上に符号化された情報により決定される。その結果、実質的に二次差分コードバイアスを決定するために使用される一次差分コードバイアスを算出および/または評価することが可能である。
【0028】
詳細には、一次差分コードバイアスおよび/または二次差分コードバイアスの時間評価を決定する。たとえば、一次差分コードバイアス、およびその結果としての二次差分コードバイアスは、補正期間に至る過去に記録された観測値に基づき評価または推定されることが考えられる。過去の時間評価を考慮すると、一次差分コードバイアス、およびその結果としての二次差分コードバイアスの時間評価を外装することが可能である。
【0029】
好ましくは、一次差分コードバイアスおよび/または二次差分コードバイアスは、ほぼリアルタイムで提供される。特に、一次差分コードバイアスの外装または時間評価を使用することにより、一次差分コードバイアスまたは二次差分コードバイアスを提供することが可能であり、その結果、一次差分コードバイアスおよび二次差分コードバイアスは、たとえば受信機の位置をリアルタイムで推定するために使用できる。
【0030】
好ましくは、方法は、複数の基準局で衛星から生データを受信するステップと、基準局で受信した生データをリアルタイム・データ・ストリームで中央計算ユニットに、詳細には単一中央計算ユニットに転送するステップと、異なる基準局から受信した生データに基づき計算ユニットで補正情報を決定するステップと、移動受信機の位置を決定するために、少なくとも1つの衛星または地上リンクを介して受信機に補正情報を伝送するステップと、をさらに備える。詳細には、中央計算ユニットは、すべての生データを収集し、補正情報を、詳細には組み合わせた軌道誤差、クロックオフセット、信号バイアス、および追加の補正情報を決定し、その後、補正情報メッセージは、少なくとも1つのGNS(global navigation satellite、全地球航法衛星)を介して、好ましくはある種の移動受信機に生データを提供する各GNSを介して、認証の手段を実装する移動受信機に伝送されることが提供される。その結果、1つの中央計算ユニットで所望の精度を確立するための補正情報を決定するために、多数の基準局の生データ考慮することが可能である。さらに、本発明は、補正情報の集中配布を可能にする。その結果、異なる分配センタ間の通信はまったく必要ない。補正情報をブロードキャストするためにGNSを使用する別の利点は、既存の衛星からすでに利用可能なインフラストラクチャを使用する可能性であり、追加の地上送信機または衛星搭載送信機はまったく必要ない。
【0031】
本発明の別の様態は、少なくとも、両方とも第1の搬送周波数を有する第1の信号および追加の第1の信号、ならびに、両方とも第2の搬送周波数を有する第2の信号および追加の第2の信号、を使用することにより通信する衛星を使用して全地球航法衛星システムで差分コードバイアスを、詳細には一次差分コードバイアスおよび二次差分コードバイアスを提供するように構成された、複数の基準局および中央計算ユニット、詳細には単一中央計算ユニットであり、第1の信号および第2の信号に関する一次差分コードバイアスは、中央計算ユニットにより決定され、一次差分コードバイアスは、追加の第1の信号と追加の第2の信号の間の二次差分コードバイアスを決定するために、詳細には提供するために使用される。差分コードバイアスを提供するための方法に関連して記述する特徴および利益は、複数の基準局および中央計算ユニットに同じように適用され、逆もまた同様である。
【0032】
好ましくは、中央計算は、前記複数の基準局で衛星から生データを受信し、データストリームを、詳細には共通データストリームを使用して、基準局で受信した生データを前記中央計算ユニットに、詳細には前記単一中央計算ユニットに転送し、異なる基準局から提供された生データに基づき計算ユニットで補正情報を決定し、少なくとも1つの衛星および/または地上の通信手段を介して受信機に補正情報を伝送する、または移動受信機の位置を決定するように構成される。
【0033】
詳細には、複数の基準局は、追加の第1の信号および/または追加の第2の信号を取り扱う基準局を含む。
【0034】
本発明の別の様態は、ソフトウェア製品および/またはネットワークであり、ソフトウェア製品および/またはネットワークは、本発明による方法の1つを実装するためのプログラムコードを備える。
【0035】
差分コードバイアスを提供するための方法に関連して記述する特徴および利益は、ソフトウェア製品および/またはネットワークに同じように適用され、逆もまた同様である。
【0036】
これまで明示的に記述していない場合はいつでも、個々の実施形態、または個々の実施形態の個々の様態および特徴は、組合せまたは交換が本発明の観点から意味があるときはいつでも、記述する本発明の範囲を限定または拡張することなく互いにそのように組み合わせ、または交換することが可能である。本発明の一実施形態に関して記述する利点はまた、適用可能な場合はいつでも、本発明の他の実施形態の利点でもある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の第1の好ましい実施形態による、差動コードバイアス補正を提供するための方法の第1の部分を例示する概略図である。
図2】本発明の第1の好ましい実施形態による、差分コードバイアスを提供するための方法の第2の部分を例示する概略図である。
図3】少なくとも1つの衛星を介して中央計算ユニットから移動受信機に補正情報を伝送することを例示する概略図である。
図4】本発明の好ましい実施形態による方法用にナビゲーション信号を放出する衛星を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1では、全地球航法衛星システム(GNSシステム)を使用することにより移動受信機5の位置を決定するための方法を例示する。全地球航法衛星システムは、地球14の周りを周回する、いくつかの搬送波周波数で変調されたナビゲーション信号4を放出する衛星2を備える。移動ユニットおよび/または車両に組み込まれてよい移動ナビゲーションシステムなどの移動受信機5は、アンテナ6を介してナビゲーション信号4を受信する。受信したナビゲーション信号4は、移動受信機5の位置を、詳細には実際の位置を決定するための生データを備える。受信したナビゲーション信号4を増幅する帯域フィルタおよび低雑音増幅器7にアンテナ6を接続する。
帯域フィルタおよび低雑音増幅器7、ならびに基準発振器9に接続された後続のダウンコンバータ8では、基準発振器9から得られる発振信号を使用して、受信したナビゲーション信号4をより低い周波数に変換する。ダウンコンバートされたナビゲーション信号は、帯域通過およびサンプリングニット10を通過し、このユニットでは、アナログナビゲーション信号4をサンプリングする。次いで、サンプリングされたナビゲーション信号4を追跡ユニット11に渡し、追跡ユニット11では、ナビゲーション信号4を、詳細には搬送波信号の位相を、および/またはナビゲーション信号4に含まれるコード信号の遅延を追跡する。追跡ユニット11の次にバイアス減算ユニット12が続き、バイアス減算ユニット12では、搬送波信号の位相から、およびコード信号から、位相および/またはコードバイアスを減算する。後続の位置推定ユニット13は、搬送波信号を処理することにより得た位相信号に基づき、かつコード信号に基づき、ナビゲーション機器5の実際の位置を決定する。最後に、位置推定結果をモニタ機器14に表示できる。
【0039】
移動受信機5は、受信したGNS信号4を使用して、擬似距離および搬送波位相測定値を生成し、粗い衛星位置、クロックオフセット、および信号バイアスを包含するナビゲーションデータを復号する。追加で、移動受信機5は、GNS信号4のサブセットについて、追跡された衛星2のサブセットから配布された補正データ情報20を復号する。次いで、粗いナビゲーションデータと組み合わせて正確な補正データを使用して、擬似距離および搬送波位相測定値を正確にモデル化し、場合によっては大気遅延を補正する。正確にモデル化された観測値により、移動受信機は、PPPを使用して位置の、詳細には実際の位置の正確な推定値を計算可能になる。
【0040】
図2には基準局15を例示する。これらの基準局15は、全地球14の周りに分布し、自身のアンテナ6によりナビゲーション信号4を受信する。基準局15は、基準局15の位置が既知であるということだけではなく、多数の基準局がGNS衛星からナビゲーション信号を受信しているという事実を使用することにより、補正情報20を決定するために使用する、観測可能な生データを生成する。さらに、基準局を使用して、第1の信号および第2の信号に関するDCBを決定および/または推定でき、ならびに詳細にはDCBの時間評価を決定および/または推定できる。
差分コードバイアス(DCB)は、同じまたは異なる周波数での2つのGNSSコード観測値間の系統誤差またはバイアスである。DCBは、対応する衛星の信号を受信する複数の基準局により集められた経験的情報に基づき評価される。DCBに関する適切な知識は、多くのナビゲーション用途に極めて重要であるが、さらにまたたとえば電離圏全電子数(TEC)を抽出する電離圏分析、および時刻比較など、ナビゲーション以外の用途にも極めて重要である。DCBは、詳細にはGNSS受信機のコードに基づく測位および他の用途のために必要とされる。
【0041】
ローカル基地局と、補正データを分配するために数km近傍にある移動受信機へのリンクとを必要とするリアル・タイム・キネマティック(Real Time Kinematic、RTK)解決手段とは対照的に、精密点測位(PPP)技法は全地球的に、したがって、ローカル基地局、および移動受信機との直接無線リンクなしに、コードに基づく測位作業を遂行する。この場合、衛星軌道およびクロック、オフセット誤差、電離圏遅延、対流圏遅延、コードバイアス、ならびに/または位相バイアスに関する補正を考慮する補正情報20を、衛星2を介して移動受信機5に伝送する。
【0042】
補正情報20を決定するために、少なくとも1つの基準局15により1組のいくつかの衛星2の生データを受信することを提供する。更に、別の1組の衛星2または同じ1組の衛星2から生データを受信する基準局15が追加で存在する。その上、受信した生データを、好ましくはデータストリーム18の形で中央計算ユニット30に転送することを提供する。詳細には、データストリーム18に含まれる生データを、ある種の基準局15にそれぞれ割り当てる。
【0043】
好ましくは、対応する基準局15に割り当てられた生データを、異なる基準局15から得られた他の生データと一緒にデータストリーム18で、詳細には共通データストリームで中央計算ユニット30に転送する。中央計算ユニット30は、詳細には衛星2ごとに個々に補正情報20を決定するように構成されたプロセッサを備える。
【0044】
図3に例示するように、決定され、詳細には算出され、認証された補正情報20を少なくとも1つの衛星2を介して中央計算ユニット30から移動受信機5に伝送する。たとえば、補正情報20を含む補正信号22を少なくとも1つの衛星2を介して移動受信機5に伝送するように、アップリンク局21で補正情報をアップリンクで送信する。好ましくは、いくつかの衛星2は、詳細には移動受信機5に利用できるすべての衛星2は、対応する補正情報20を移動受信機5に提供する。
【0045】
図4は、本発明の好ましい実施形態による方法用にナビゲーション信号4を放出する衛星2を示す。用語「ナビゲーション信号4」は、ここでは移動受信機5および/または基準局15と通信するために衛星2により放出されている信号に関する一般的な用語として使用される。詳細には、ナビゲーション信号4は少なくとも、第1の搬送周波数C1を有する第1の信号41および第2の搬送周波数C2を有する第2の信号42を備える。その上、ナビゲーション信号4には第3の搬送周波数C3を有する第3の信号43が含まれる。
Galileo GNSSでは、第1の搬送周波数C1、第2の搬送周波数C2、および第3の搬送周波数C3は、それぞれ周波数帯域E1、E6、およびE5により表される。第1の信号41、第2の信号42、および/または第3の信号43は、対応する搬送周波数を有する信号41、42、43を変調することにより一定の情報を含む。詳細には、第1の信号41および第3の信号43は、2周波法を遂行して、電離圏により生じているような影響を除去または低減するために使用され、他の点では、信号41、42、および43の移動時間に関する、対応する時間遅延をもたらす。特に、第1の信号41および第3の信号43に関する別の第3の差分コードバイアスDCB3を決定することが提供される。
【0046】
その上、第2の信号42は、精密点測位PPPのために使用される補正情報20を含む。換言すれば、第2の信号42は主として、写真3に提示または例示される補正信号22に対応する。第1の信号41、第2の信号42、および第3の信号43の他に、ナビゲーション信号4は、第1の搬送周波数C1を有する追加の第1の信号41’および第2の搬送周波数C2を有する追加の第2の周波数42’を備えることができることもまた公知である。詳細には、第1の信号41も追加の第1の信号41’も同じ搬送周波数C1を使用するのに対して、第2の信号42および追加の第2の信号42’は、第2の搬送周波数C2を使用することが提供される。同じ第1の搬送周波数C1を使用することは、第1の信号41および/または追加の第1の信号41’が同じ周波数帯域の周波数を使用することを意味するように、搬送周波数C1、第2の搬送周波数C2、および第3の搬送周波数C3は周波数間隔を表すことは当業者に自明である。
【0047】
同じことは、第2の搬送周波数間隔または帯域での第2の信号42および追加の第2の信号42’に関して当てはまる。追加の第1の信号41’および追加の第2の信号42’は、ユーザ、すなわち移動受信機5の大多数により使用されなくてよい。たとえば、追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’は、正常動作中に必要とされなかった情報を含む。たとえば、受信機5は、追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’にアクセスできない。たとえば、追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’は暗号化され、その結果、受信機5は、追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’にアクセスできず、またはそこへのアクセスを制限される。
追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’は詳細には、第1の信号41および第2の信号42ならびに/または第3の信号43だけを取り扱う基準局15と異なる基準局15’により取り扱われた。それにより、第1の信号41、第2の信号42、および/または第3の信号43を取り扱う基準局15の数は、追加の第1の信号41’および/または追加の第2の信号42’を取り扱う基準局15’の数よりもかなり多い。好ましくは、追加の第2の信号42’は、精密点測位PPPのために使用される補正情報20を備える。
【0048】
追加の第1の信号41’と追加の第2の信号42’の間の二次差分コードバイアスDCB2を考慮するために、最新技術のGNSSは、追加の第1の信号41’および追加の第2の信号42’を取り扱う基準局15’に依存する必要がある。二次コードバイアスDCB2は、追加の第1の信号41’および追加の第2の信号42’を取り扱う、数が減少した基準局15’に基づくので、二次差分コードバイアスDCB2を算出または決定することにより、計算する手間がさらに生じるだけではなく、あまり信頼できないことがある差分コードバイアスも得られる。
【0049】
二次差分コードバイアスDCB2を計算する手間を低減し、二次差分コードバイアスDCB2の信頼性を改善するために、第1の信号41と第2の信号42の間の第1の差分コードバイアスDCB1を決定することが提供される。その後、一次差分コードバイアスDCB1は、詳細には一次差分コードバイアスDCB1を二次差分コードバイアスDCB2に移しかえることにより二次差分コードバイアスDCB2を決定するために使用できる。この処理には、一次差分コードバイアスDCB1を二次差分コードバイアスDCB2に移しかえるという利点があり、第1の差分コードバイアスDCB1および二次差分コードバイアスDCB2は、同じ搬送周波数に基づき評価される。
【符号の説明】
【0050】
2 衛星
4 ナビゲーション信号
5 移動受信機
6 アンテナ
7 帯域フィルタおよび低雑音増幅器
8 ダウンコンバータ
9 基準発振器
10 帯域通過およびサンプリングユニット
11 追跡ニット
12 減算ユニット
13 推定ユニット
14 地球
15、15’ 基準局
18 データストリーム
20 補正情報
21 アップリンク局
22 補正信号
30 中央計算ユニット
35 基準値
41 第1の信号
41’ 追加の第1の信号
42 第2の信号
42’ 追加の第2の信号
43 第3の信号
C1 第1の搬送周波数
C2 第2の搬送周波数
C3 第3の搬送周波数
DCB1 一次差分コードバイアス
DCB2 二次差分コードバイアス
DCB3 三次差分コードバイアス
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、両方とも第1の搬送周波数(C1)上の第1の信号(41)および追加の第1の信号(41’)、ならびに、両方とも第2の搬送周波数(C2)上の第2の信号(42)および追加の第2の信号(42’)、を使用することにより通信している衛星(2)を使用して全地球航法衛星システム(global navigation satellite system、GNSS)で差分コードバイアス(DCB)、詳細には一次差分コードバイアス(DCB1)および二次差分コードバイアス(DCB2)を提供するための方法であって、
前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)に関する一次差分コードバイアス(DCB1)を決定し、詳細には提供し、
前記一次差分コードバイアス(DCB1)は、前記追加の第1の信号(41’)および前記追加の第2の信号(42’)に関する二次差分コードバイアス(DCB2)を決定するために使用され
第1の受信機は、前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)を観測および/または分析でき、前記追加の第1の信号(41’)および前記追加の第2の信号(42’)を観測および/または分析できず、
第2の受信機は、前記追加の第1の信号(41’)および前記第追加の2の信号(42’)を観測および/または分析でき、前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)を観測および/または分析できず、
前記第2の信号(42)および/または前記追加の第2の信号(42’)は、精密点測位(precise point positioning、PPP)のための補正情報(20)を備えることを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記共通信号は、前記一次差分コードバイアス(DCB1)と前記二次差分コードバイアス(DCB2)の両方を近似するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)は、第1の受信機により追跡され、前記追加の第1の信号(41’)および前記追加の第2の信号(42’)は、第2の受信機により追跡され、前記共通信号は、前記第1の受信機および第2の受信機により追跡されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の信号(41)、および第3の周波数(C3)を有する第3の信号(43)は、2周波数測定のために使用されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記一次差分コードバイアス(DCB1)を決定するために、前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)の中に符号化された観測値を使用することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記一次差分コードバイアス(41)および/または前記二次差分コードバイアス(42)の時間評価を決定することを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記一次差分コードバイアス(DCB1)および/または前記二次差分コードバイアス(DCB2)は、ほぼリアルタイムで提供されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
複数の基準局(15)で衛星(2)から生データを受信するステップと、前記基準局(15)で受信した前記生データを中央計算ユニット(30)に、詳細には単一中央計算ユニットにリアルタイム・データ・ストリームで転送するステップと、異なる前記基準局(15)から受信した前記生データに基づき前記計算ユニット(30)で前記補正情報(20)を決定するステップと、前記移動受信機(5)の位置を決定するために、少なくとも1つの前記衛星(2)を介して前記受信機(15)に前記補正情報(20)を伝送するステップと、をさらに備える、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
複数の基準局(15、15’)および中央計算ユニット(30)、詳細には単一中央計算ユニットであって、少なくとも、両方とも第1の搬送周波数(C1)を有する第1の信号(41)および追加の第1の信号(41’)、ならびに、両方とも第2の搬送周波数(C2)を有する第2の信号(42)および追加の第2の信号(42’)、を使用することにより通信している衛星(2)を使用して全地球航法衛星システム(GNSS)で差分コードバイアス(DCB)、詳細には一次差分コードバイアス(DCB1)および二次差分コードバイアス(DCB2)を提供するように構成された複数の基準局(15、15’)および中央計算ユニット(30)において、
前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)に関する一次差分コードバイアス(DCB1)は、前記中央計算ユニットにより決定され、前記一次差分コードバイアス(DCB1)は、前記追加の第1の信号(41’)と前記追加の第2の信号(42’)の間の二次差分コードバイアス(DCB2)を決定し、詳細には提供するために使用され
第1の受信機は、前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)を観測および/または分析でき、前記追加の第1の信号(41’)および前記追加の第2の信号(42’)を観測および/または分析できず、
第2の受信機は、前記追加の第1の信号(41’)および前記追加の第2の信号(42’)を観測および/または分析でき、前記第1の信号(41)および前記第2の信号(42)を観測および/または分析できず、
前記第2の信号(42)および/または前記追加の第2の信号(42’)は、精密点測位(PPP)のための補正情報(20)を備えることを特徴とする、
複数の基準局(15、15’)および中央計算ユニット(30)。
【請求項10】
前記複数の基準局(15)で衛星(2)から生データを受信し、データストリーム(18)を、詳細には共通データストリームを使用して、前記基準局(15)で受信した前記生データを前記中央計算ユニット(30)に、詳細には前記単一中央計算ユニットに転送し、異なる前記基準局(15)から提供された前記生データに基づき前記計算ユニット(30)で補正情報(20)を決定し、前記移動受信機(5)の位置を決定するために、少なくとも1つの前記衛星(2)および/または地上の通信手段を介して前記受信機(15)に前記補正情報(20)を伝送するようにさらに構成される、請求項に記載の複数の基準局(15、15’)および中央計算ユニット(30)。
【請求項11】
前記追加の第1の信号(41)および/または前記追加の第2の信号(42’)を取り扱う基準局(15’)を備える、請求項10に記載の複数の基準局(15、15’)および中央計算ユニット(30)。
【請求項12】
ソフトウェア製品および/またはネットワークであって、
請求項1~のいずれか一項に記載の方法の1つを実装するためのプログラムコードを備えることを特徴とする、
ソフトウェア製品および/またはネットワーク。
【国際調査報告】