(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】ねじドライブ
(51)【国際特許分類】
F16B 23/00 20060101AFI20230323BHJP
B25B 15/00 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
F16B23/00 U
F16B23/00 B
F16B23/00 A
B25B15/00 610A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538101
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 AT2020060475
(87)【国際公開番号】W WO2021119708
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】GM50246/2019
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】515306231
【氏名又は名称】アヴィオ ゲーエムベーハー アンド ツェーオー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ハブマン,ゲルハルト
(57)【要約】
ねじ(1)用のねじ頭ブッシュ(2)であって、ねじ頭ブッシュ(2)は、外側部分(3)と外側部分(3)に続く内側部分(4)とを有し、外側部分(3)は、内側部分(4)よりも大きい直径(D)を有し、外側部分(3)は、本質的に、内側部分(4)に向かって先細になる円錐台として構成され、内側部分(4)は、ねじ頭ドライブ(6)を回転可能に固定して収容するための係合形状として構成される、ねじ頭ブッシュ(2)。
【選択図】
図1a、1b、および1c
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ(1)用のねじ頭ブッシュ(2)であって、前記ねじ頭ブッシュ(2)は外側部分(3)と前記外側部分(3)に続く内側部分(4)とを有し、前記外側部分(3)は前記ねじ頭ブッシュ(2)の深さ(T)に対して垂直に配向された少なくとも第1の軸(A
1)において前記外側部分(4)よりも大きい直径(D)を有する、ねじ頭ブッシュ(2)であり、
前記外側部分(3)は、本質的に、前記内側部分(4)に向かって先細になる円錐台として構成され、前記内側部分(4)は、ねじ頭ドライブ(6)を回転可能に固定して収容するための係合形状として構成されることを特徴とする、ねじ頭ブッシュ(2)。
【請求項2】
前記外側部分(3)は、円筒シェルに対して2.5°~10°の範囲で傾斜した円錐台シェルを備えることを特徴とする、請求項1に記載のねじ頭ブッシュ(2)。
【請求項3】
前記ねじ頭ブッシュ(2)は、前記外側部分(3)と前記内側部分(4)との間に配置され、挿入面(12)を有する挿入領域(11)を備え、前記挿入面(12)は、前記外側部分(3)の円錐台の基部領域に対して本質的に10°の傾斜を有することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のねじ頭ブッシュ(2)。
【請求項4】
前記係合形状は、フィリップス形状、トルクス形状またはスロット形状であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のねじ頭ブッシュ(2)。
【請求項5】
前記係合形状は、前記ねじ頭ブッシュ(2)の深さ(T)に対して垂直に配向され、前記第1の軸(A
1)とは異なる第2の軸(A
2)において、前記ねじ頭ブッシュ(2)を貫通するスロット形状であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のねじ頭ブッシュ(2)。
【請求項6】
外側部分(9)と前記外側部分(9)に続く内側部分(10)とを有するねじ頭ドライブ(6)であって、前記内側部分(10)は前記ねじ頭ドライブ(6)の高さ(H)に対して垂直に配向された少なくとも第1の軸(A
1)において前記外側部分(9)よりも大きい直径(D)を有する、ねじ頭ドライブ(6)であり、
前記内側部分(10)は、本質的に、前記外側部分(9)に向かって先細になる円錐台として構成され、前記外側部分(9)は、記ねじ頭ブッシュ(2)の係合形状と回転可能に固定する形で係合するように構成された接触形状を備えることを特徴とする、ねじ頭ドライブ(6)。
【請求項7】
前記内側部分(10)は、円筒シェルに対して2.5°~10°の範囲で傾斜した円錐台シェルを備えることを特徴とする、請求項6に記載のねじ頭ドライブ(6)。
【請求項8】
前記ねじ頭ドライブ(6)は、前記外側部分(9)と前記内側部分(10)との間に配置され、挿入面(12)を有する挿入領域(11)を備え、前記挿入面(11)は、前記内側部分の円錐台の基部領域に対して本質的に10°の傾斜を有することを特徴とする、請求項6または7のいずれかに記載のねじ頭ドライブ(6)。
【請求項9】
前記接触形状は、フィリップス形状、トルクス形状またはスロット形状であることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれかに記載のねじ頭ドライブ(6)。
【請求項10】
前記接触形状は、前記ねじ頭ドライブ(6)の高さ(H)に対して垂直に配向され、前記第1の軸(A
1)とは異なる第2の軸(A
2)において、前記ねじ頭ドライブ(6)を貫通するスロット形状であることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれかに記載のねじ頭ドライブ(6)。
【請求項11】
外側部分(9)と前記外側部分(9)に続く内側部分(10)とを有する、ねじ頭内にねじ頭ブッシュ(2)を形成するための成形工具(13)であって、前記内側部分(10)は前記成形工具(13)の高さ(H)に対して垂直に配向された少なくとも第1の軸(A
1)において前記外側部分(9)よりも大きい直径(D)を有する、成形工具(13)であり、
前記内側部分(10)は、本質的に、前記外側部分(9)に向かって先細になる円錐台として構成され、前記外側部分(9)は、前記ねじ頭内でねじ頭ドライブ(6)を回転可能に固定して収容するための係合形状を形成するように構成された接触形状を備えることを特徴とする、成形工具(13)。
【請求項12】
前記内側部分(10)は、円筒シェルに対して2.5°~10°の範囲で傾斜した円錐台シェルを備えることを特徴とする、請求項11に記載の成形工具(13)。
【請求項13】
前記成形工具(13)は、前記外側部分(9)と前記内側部分(10)との間に配置され、挿入面(12)を有する挿入領域(11)を備え、前記挿入面(12)は、前記内側部分(10)の円錐台の基部領域に対して本質的に10°の傾斜を有することを特徴とする、請求項11または12のいずれかに記載の成形工具(13)。
【請求項14】
前記接触形状は、フィリップス形状、トルクス形状またはスロット形状であることを特徴とする、請求項11乃至13のいずれかに記載の成形工具(13)。
【請求項15】
前記接触形状は、前記成形工具(13)の高さ(H)に対して垂直に配向され、前記第1の軸(A
1)とは異なる第2の軸(A
2)において、前記成形工具(13)を貫通するスロット形状であることを特徴とする、請求項11乃至13のいずれかに記載の成形工具(13)。
【請求項16】
請求項1乃至5のいずれかに記載のねじ頭ブッシュ(2)を備えることを特徴とするねじ(1)。
【請求項17】
前記ねじ(1)は、前記ねじ頭ブッシュ(2)の外側部分(3)を中心として環状に回転し、本質的に前記ねじ(1)の長手方向軸の方向に延びる突出部(15)を有することを特徴とする、請求項16に記載のねじ(1)。
【請求項18】
前記ねじ(1)は、前記ねじ頭ブッシュ(2)の外側部分(3)を中心として環状に回転し、前記ねじ(2)の半径方向外側へ向かって下降しているカバー面(16)を有することを特徴とする、請求項16に記載のねじ(1)。
【請求項19】
前記ねじ(1)は、前記ねじ(1)の長手方向に延在し、前記ねじ頭ブッシュ(2)の外側部分(3)を中心として本質的に完全に回転する外面(17)を有することを特徴とする、請求項16に記載のねじ(1)。
【請求項20】
請求項16乃至19のいずれかに記載のねじ(1)と、請求項6乃至10のいずれかの記載のねじ頭ドライブ(6)とを備えるキットであって、前記ねじ頭ドライブ(6)の内側部分(10)は、円筒シェルに対して、前記ねじ(1)のねじ頭ブッシュ(2)の外側部分(3)の円錐台シェルよりも大きい傾斜角(γ)を有することを特徴とする、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載のねじ用のねじ頭ブッシュ、請求項6の前提部分に記載のねじ頭ドライブ、請求項11の前提部分に記載のねじ頭ブッシュを形成するための成形工具、請求項16の前提部分に記載のねじ、ならびにねじおよびねじ頭ドライブを備えるキットに関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ頭ブッシュは、ねじ頭内に形成され、ねじ頭ドライブを回転可能に固定して収容するように意図された幾何学的構造である。ねじを材料にねじ込むまたは材料からねじ戻しするために、ねじ頭ドライブを用いて、トルクがねじに伝達され得る。先行技術では、例えば、フィリップス、スロットまたはトルクスの形状などのねじ頭ドライブおよびねじ頭ブッシュのための複数の形状が周知である。これらの形状は、ねじドライブと表されることが多い。例えばトルクス形状のような形状は、ねじ頭ドライブからねじ頭ブッシュに高トルクを伝達するために最適化される。
【0003】
多くのねじドライブの欠点は、ねじ頭ブッシュに対するねじ頭ドライブの不十分にセンタリングされた配向(例えば、傾斜配向)の場合に、ねじ頭ドライブとねじ頭ブッシュとの間の形状嵌合が不十分な形でしか確立されず、そのため、ねじ頭ドライブがねじ頭ブッシュ内で滑る場合があることである。これは、ねじ頭ブッシュおよび/またはねじ頭ドライブの損傷につながる場合があり、その結果、ねじ頭ドライブが設けられたねじのねじ込みまたはねじ戻しに必要なトルクをそれ以上伝達することができなくなる。このことにより、それぞれのねじを、簡単な手段を使用して材料にねじ込むまたは材料から取り外すこともできなくなり、そのため、ねじがねじ込まれたワークピースが損傷を受ける、またはその機能が損なわれる場合がある。
【0004】
ねじ頭ブッシュ内のねじ頭ドライブの配向を改善するための形状は、先行技術において、US 6,951,158 B1(米国特許第6,951,158号公報)として公開されているTTAPねじドライブとして周知である。TTAPねじドライブのねじ頭ブッシュは、外側部分と内側部分とを備え、内側部分はセンタリングコーンを備える。このようにして、ねじ頭ドライブは、ねじ頭ブッシュ内の中心に配向される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高いトルク伝達を確実にし、さらにねじ頭ブッシュ内でのねじ頭ドライブのセンタリングを可能にする、ねじドライブのための代替形状を提供するという課題に基づいている。
【0006】
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴を有するねじ頭ブッシュと、請求項6の特徴を有するねじ頭ドライブと、請求項11の特徴を有するねじ頭ブッシュを形成するための成形工具と、請求項16の特徴を有するねじと、請求項17の特徴を有するねじおよびねじ頭ドライブを備えるキットとによって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ねじ用のねじ頭ブッシュの本発明に係る実施形態は、外側部分と、外側部分に続く内側部分とを備える。外側部分は、ねじ頭ブッシュの深さに対して垂直に配向された少なくとも第1の軸において内側部分よりも大きい直径を有し、本質的に、内側部分に向かって先細になる円錐台として構成される。内側部分は、ねじ頭ドライブを回転可能に固定して収容するための係合形状として構成される。円錐状に先細になる外側部分によって、ねじ頭ドライブのためのガイドが形成され、そのことにより、ねじ頭ドライブがねじ頭ブッシュ内に傾斜して挿入されることが防止される。さらに、係合形状として具現化された内側部分は、外側部分の背後に、または外側部分よりも深い深さにそれぞれ位置し、そのことにより、ねじ頭ドライブが係合形状に係合する前に外側部分によってセンタリングされるように配向されることが確実になる。このようにして、不適切に挿入されたねじ頭ドライブによる係合形状の摩耗が防止される。
【0008】
外側部分は、好ましくは、円筒シェルに対して2.5°~10°の範囲で傾斜した円錐台シェルを備える。このようにして、傾斜して設置されたねじ頭ドライブが、膨大な労力を費やすことなく中央に配向されるという利点が得られる。
【0009】
さらに、好ましい実施形態に係る本発明のねじ頭ブッシュは、外側部分と内側部分との間に配置され、挿入面を有する挿入領域を備え、挿入面は、外側部分の円錐台の基部領域に対して本質的に10°だけ傾斜している。このようにして、ねじ頭ドライブの接触形状をねじ頭ブッシュの係合形状内に滑り込ませることが容易になる。
【0010】
本発明に係るねじ頭ブッシュの係合形状は、フィリップス形状、トルクス形状またはスロット形状であるのが好ましい。特に好ましくは、係合形状は、ねじ頭ブッシュの深さに対して垂直に配向され、第1の軸とは異なる第2の軸において、ねじ頭ブッシュを貫通するスロット形状である。このようにして、本発明の範囲内で複数の異なるねじドライブ形状を用いることができるという利点が得られる。
【0011】
ねじ頭ドライブの本発明に係る構成は、外側部分と外側部分に続く内側部分とを備え、内側部分は、ねじ頭ドライブの高さに対して垂直に配向された少なくとも第1の軸において、外側部分よりも大きい直径を有する。内側部分は、本質的に、外側部分に向かって先細になる円錐台として構成され、外側部分は、ねじ頭ブッシュの係合形状と回転可能に固定する形で係合するように構成された接触形状を備える。ねじ頭ドライブの円錐状に先細になる内側部分により、ねじ頭ドライブの接触形状がねじ頭ブッシュの係合形状に傾斜して挿入されることを防止するガイドが形成される。
【0012】
本発明に係るねじ頭ドライブの内側部分は、好ましくは、円筒シェルに対して2.5°~10°の範囲で傾斜した円錐台シェルを備える。このようにして、傾斜して設置されたねじ頭ドライブが大きな労力を費やすことなく中央に配向されるという利点が得られる。
【0013】
本発明に係る本発明のねじ頭ドライブは、外側部分と内側部分との間に配置され、挿入面を有する挿入領域を備え、挿入面は、内側部分の円錐台の基部領域に対して本質的に10°だけ傾斜している。このようにして、ねじ頭ドライブの接触形状をねじ頭ブッシュの係合形状内に滑り込ませることが容易になる。
【0014】
本発明に係るねじ頭ブッシュの接触形状は、フィリップス形状、トルクス形状またはスロット形状であるのが好ましい。特に好ましくは、接触形状は、ねじ頭ドライブの高さに対して垂直に配向され、第1の軸とは異なる第2の軸において、ねじ頭ドライブを貫通するスロット形状である。このようにして、本発明の範囲内で複数の異なるねじドライブ形状を用いることができるという利点が得られる。
【0015】
ねじ頭内にねじ頭ブッシュを形成するための本発明に係る成形工具は、外側部分と外側部分に続く内側部分とを備え、内側部分は、成形工具の高さに対して垂直に配向された少なくとも第1の軸において、外側部分よりも大きい直径を有する。内側部分は、本質的に、外側部分に向かって先細になる円錐台として構成され、外側部分は、ねじ頭内のねじ頭ドライブを回転可能に固定して収容するための係合形状を形成するように構成された接触形状を備える。このようにして、本発明に係るねじ頭ブッシュをねじブランク内に形成することができるという利点が得られる。
【0016】
本発明に係る成形工具の内側部分は、好ましくは、円筒シェルに対して2.5°~10°の範囲で傾斜した円錐台シェルを備える。本発明に係る成形工具の好ましい実施形態によれば、成形工具は、外側部分と内側部分との間に配置され、挿入面を有する挿入領域をさらに備え、挿入面は、内側部分の円錐台の基部領域に対して本質的に10°だけ傾斜している。このようにして、ねじ頭ブッシュ内へのねじ頭ドライブの単純な挿入およびセンタリングが達成される。
【0017】
本発明に係る成形工具の接触形状は、フィリップス形状、トルクス形状またはスロット形状であるのが好ましい。特に好ましくは、接触形状は、成形工具の高さに対して垂直に配向され、第1の軸とは異なる第2の軸において、成形工具を貫通するスロット形状である。このようにして、本発明の範囲内で複数の異なるねじドライブ形状を用いることができるという利点が得られる。
【0018】
本発明に係るねじは、好ましくは本発明に係る成形工具を用いて構成された、本発明に係るねじ頭ブッシュを備える。
【0019】
本発明に係るキットは、本発明に係るねじと、本発明に係るねじ頭ドライブとを備える。本発明に係るキットのねじ頭ドライブの内側部分は、本発明に係るキットのねじのねじ頭ブッシュの外側部分の円錐台シェルよりも円筒シェルに対する傾斜角が大きい円錐台シェルを有する。このようにして、ねじのねじ頭ブッシュとねじ頭ドライブとの間に摩擦嵌合が達成され、そのことにより保持力が得られる。保持力により、例えば、ねじはねじ頭ドライブに固着した状態であり続け、ワークピース上に容易に配置され得る。ねじ頭ドライブをねじ頭ブッシュから引き抜くことによって、この保持力は容易に克服される。キットの本発明に従う実施形態により、ねじに作用する保持力が、先行技術で周知の任意の追加の磁気素子を用いずに生成され得るという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1a】本発明に係るねじ頭ブッシュを有する本発明に係るねじのねじ頭の断面図である。
【
図1b】
図1aのねじ頭ブッシュの別の断面図である。
【
図2a】フィリップス形状の形態の係合形状を有する本発明に係るねじ頭ブッシュの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図2b】フィリップス形状の形態の係合形状を有する本発明に係るねじ頭ブッシュの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図2c】フィリップス形状の形態の係合形状を有する本発明に係るねじ頭ブッシュの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図3a】スロット形状の形態の係合形状を有する本発明に係るねじ頭ブッシュの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図3b】スロット形状の形態の係合形状を有する本発明に係るねじ頭ブッシュの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図3c】スロット形状の形態の係合形状を有する本発明に係るねじ頭ブッシュの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図4a】本発明に係るねじ頭ドライブの側面図である。
【
図5a】フィリップス形状の形態の接触形状を有する本発明に係るねじ頭ドライブの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図5b】フィリップス形状の形態の接触形状を有する本発明に係るねじ頭ドライブの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図5c】フィリップス形状の形態の接触形状を有する本発明に係るねじ頭ドライブの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図6a】スロット形状の形態の接触形状を有する本発明に係るねじ頭ドライブの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図6b】スロット形状の形態の接触形状を有する本発明に係るねじ頭ドライブの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図6c】スロット形状の形態の接触形状を有する本発明に係るねじ頭ドライブの別の実施形態の変形例を示す図である。
【
図7a】トルクス形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成形工具を示す図である。
【
図7b】トルクス形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成形工具を示す図である。
【
図8a】フィリップス形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成形工具を示す図である。
【
図8b】フィリップス形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成形工具を示す図である。
【
図9a】スロット形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成形工具を示す図である。
【
図9b】スロット形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成形工具を示す図である。
【
図10a】本発明に係るねじの第1の実施形態の変形例を示す図である。
【
図10b】本発明に係るねじの第1の実施形態の変形例を示す図である。
【
図11a】本発明に係るねじ1の第2の実施形態の変形例を示す図である。
【
図11b】本発明に係るねじ1の第2の実施形態の変形例を示す図である。
【
図12a】本発明に係るねじ1の第3の実施形態の変形例を示す図である。
【
図12b】本発明に係るねじ1の第3の実施形態の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1aは、本発明に係るねじ1内に形成された本発明に係るねじ頭ブッシュ2を示すために、本発明に係るねじ1のねじ頭を断面図で示している。本発明に係るねじ頭ブッシュ2は、外側部分3と、この外側部分3に続く内側部分4とを有する。外側部分3は、ねじ頭のカバー面5から始まる部分であり、ねじ1をねじ込むためには、
図4a~
図4cに示される本発明に係るねじ頭ドライブ6が外側部分3を通って内側部分4に挿入される。外側部分3は、ねじ頭ブッシュ2の深さTに対して垂直に配向され、
図1cに示されている少なくとも第1の軸A
1において、内側部分4よりも大きい直径Dを有する。このようにして、ねじ頭ドライブ6のねじ頭ブッシュ2への挿入が容易になる。外側部分3は、本質的に、内側部分4に向かって先細になる円錐台の形状を有する。このようにして、ねじ頭ドライブ6のためのガイドが形成される。内側部分4は、ねじ頭ドライブ6を回転可能に固定して収容するための係合形状として構成される。本発明の範囲内の係合形状として、先行技術で周知のねじドライブのための任意の形状が提供され得る。係合形状として特に好ましいのは、フィリップス形状、トルクス形状またはスロット形状である。
図1~
図1cには、トルクス形状が示されている。外側部分3および内側部分4の本発明に係る構成は、ねじ頭ブッシュ2内への挿入中のねじ頭ドライブ6の改善されたガイド、ならびに係合形状に完全に係合する前のねじ頭ブッシュ2内でのねじ頭ドライブ6のセンタリングを可能にする。このようにして、不適切に設置されたねじ頭ドライブ6による係合形状の摩耗が防止される。
図1bは、
図1aに係るねじ頭ブッシュ2を有するねじ1のねじ頭の別の断面図であり、
図1aに関してねじ頭ドライブ2の長手方向軸Lによって回転される。
図1a~
図1cに示される係合形状は、トルクス形状であり、
図1aには、トルクス形状の最大直径が示されている。
図1cは、
図1aおよび
図1bに係るねじ頭を上から見た図であり、係合形状は上面図で示されている。
【0022】
本発明に係るねじ頭ブッシュの外側部分3は、円筒シェルに対して2.5°~10°の範囲で傾斜した円錐台シェルを有する。円錐台シェルの傾斜は、
図1aおよび
図1bにおいて角度αで示されている。この角度範囲は、ねじ頭ドライブ6の容易な挿入性に関して特に有利であることが証明されている。
【0023】
ねじ頭ブッシュ2は、好ましくは、外側部分3と内側部分4との間に配置され、挿入面8を有する挿入領域7をさらに備える。これらは
図1a、
図1bおよび
図1cに示されている。挿入面8は、本発明に係るねじ頭ブッシュ2の好ましい実施形態によれば、
図1aに示されている外側部分3の円錐台の基部領域に対して本質的に10°の傾斜βを有する。このようにして、ねじ頭ドライブ6の接触形状をねじ頭ブッシュ2の係合形状内に滑り込ませることが容易になる。
【0024】
図2a、
図2bおよび
図2cは、フィリップス形状の形態の係合形状を有する本発明に係るねじ頭ブッシュ2の代替形態の変形例を示しており、
図3a、
図3bおよび
図3cは、スロット形状の形態の係合形状を有する本発明に係るねじ頭ブッシュ2の別の実施形態の変形例を示している。
【0025】
図3cから分かるように、係合形状は、ねじ頭ブッシュ2の深さTに対して垂直に配向され、第1の軸A
1とは異なる第2の軸A
2において、ねじ頭ブッシュ2を貫通するスロット形状であり得る。このようにして、本発明に係るねじ頭ブッシュ2が設けられたねじを回すために先行技術で周知のスロットねじ回しを使用することができるという利点が得られる。
【0026】
図4a、
図4bおよび
図4cには、本発明に係るねじ頭ドライブ6が示されている。本発明に係るねじ頭ドライブ6は、外側部分9と外側部分9に続く内側部分10とを備え、内側部分10は、ねじ頭ドライブ6の高さHに対して垂直に配向された少なくとも第1の軸A
1において、外側部分9よりも大きい直径Dを有し、
図4cに示されている。内側部分10は、本質的に、外側部分9に向かって先細になる円錐台として構成される。外側部分9は、ねじ頭ブッシュ2の係合形状部と回転可能に固定して係合するように構成される接触形状を備える。本発明の範囲内の接触形状として、先行技術で周知のねじドライブのための任意の形状が提供され得る。これは、
図4bおよび
図4cに詳細に示されている。
図4a~
図4cには、トルクス形状が示されている。接触形状として特に好ましいのは、フィリップス形状、トルクス形状またはスロット形状である。ねじ頭ドライブ6およびねじ頭ブッシュ2は、互いに本質的に相補的な幾何学的形状を示す。ねじ頭ドライブ6の円錐状に先細になる内側部分10により、ねじ頭ブッシュ2の外側部分3の円錐状の実施形態との協働によるガイドが形成され、そのことにより、ねじ頭ドライブ6の接触形状がねじ頭ブッシュ2の係合形状に傾斜して挿入されることが防止される。このようにして、ねじ頭ブッシュ2内へのねじ頭ドライブ6の不適切な挿入が防止され、ねじ頭ブッシュ2内でのねじ頭ドライブ6の滑りが回避される。
【0027】
本発明に係るねじ頭ドライブ6の内側部分10は、円筒シェルに対して2.5°~10°の範囲で傾斜した円錐台シェルを備える。この傾斜は、傾斜角γを用いて
図4aに示されている。この角度範囲は、ねじ頭ドライブ6の容易な挿入性に関して特に有利であることが証明されている。
【0028】
ねじ頭ドライブ6は、好ましくは、外側部分9と内側部分10との間に配置され、挿入面12を有する挿入領域11をさらに備える。これらの挿入面12は、
図4bおよび
図4cに示されている。挿入面12は、好ましくは、
図4bに示されている内側部分10の円錐台の基部領域に対して本質的に10°の傾斜δを有する。このようにして、ねじ頭ドライブ6の接触形状をねじ頭ブッシュ2の係合形状内に滑り込ませることが容易になる。
【0029】
図5a、
図5bおよび
図5cは、フィリップス形状の形態の接触形状を有する本発明に係るねじ頭ドライブ6の代替形態の変形例を示しており、
図6a、
図6bおよび
図6cは、スロット形状の形態の接触形状を有する本発明に係るねじ頭ドライブ6の別の実施形態の変形例を示している。
【0030】
図6cから分かるように、接触形状は、ねじ頭ドライブ6の高さHに対して垂直に配向され、第1の軸A
1とは異なる第2の軸A
2において、ねじ頭ドライブ6を貫通するスロット形状であり得る。
【0031】
ねじ頭内にねじ頭ブッシュ2を形成するための本発明に係る成形工具13は、ねじブランクのねじ頭内に本発明に係るねじ頭ブッシュ2を形成するために、ねじの製造時に使用される。この成形工具13は、本発明に係るねじ頭ドライブ6と本質的に同じ形状を有する。したがって、成形工具13およびねじ頭ブッシュ2は、本質的に互いに相補的な幾何学的形状を示す。したがって、
図4a、
図4bおよび
図4c、
図5a、
図5bおよび
図5c、ならびに
図6a、
図6bおよび
図6cは、一例として、本発明に係る成形工具13の上部も示している。
【0032】
ねじ頭内にねじ頭ブッシュ2を形成する成形工具13は、ねじ頭ドライブ6と同様に、外側部分9と外側部分9に続く内側部分10とを備え、内側部分10は、成形工具13の高さHに対して垂直に配向された少なくとも第1の軸A1において、外側部分9よりも大きい直径Dを有する。内側部分10は、本質的に、外側部分9に向かって先細になる円錐台として構成され、外側部分10は、ねじ頭内でねじ頭ドライブ6を回転可能に固定して収容するための係合形状を形成するように構成された接触形状を備える。本発明の範囲内で、先行技術で周知のねじドライブのための任意の形状が、接触形状または係合形状としてそれぞれ提供され得る。
【0033】
成形工具13の内側部分10は、好ましくは、円筒シェルに対して2.5°~10°の範囲で傾斜した円錐台シェルを備える。この傾斜は、
図4aにおいて傾斜角γで示されている。この角度範囲は、ねじ頭ドライブ6の容易な挿入性に関して特に有利であることが証明されている。
【0034】
本発明に係る成形工具13の好ましい実施形態によれば、成形工具13は、外側部分9と内側部分10との間に配置され、挿入面12を有する挿入領域11を備える。挿入面12は、好ましくは、
図4bに示されている内側部分10の円錐台の基部領域に対して本質的に10°の傾斜δを有する。このようにして、ねじ頭ドライブ6の接触形状をねじ頭ブッシュ2の係合形状内に滑り込ませることが容易になる。
【0035】
図5a、
図5bおよび
図5cは、フィリップス形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成型工具13の代替形態の変形例を示しており、
図6a、
図6bおよび
図6cは、スロット形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成型工具13の別の実施形態の変形例を示している。
【0036】
図6cから分かるように、接触形状は、ねじ頭ドライブ6の高さHに対して垂直に配向され、第1の軸A
1とは異なる第2の軸A
2において、成型工具13を貫通するスロット形状であり得る。
【0037】
図7a~
図9bは、本発明に係る成形工具13を本質的に完全な形で示しており、成形工具13は、ねじ製造装置内に成形工具13を取り付けるための部分14を備える。
図7aおよび
図7bは、2つの異なるサイズのトルクス形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成形工具13を示す図である。
図8aおよび
図8bは、2つの異なるサイズのフィリップス形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成型工具13を示しており、
図9aおよび
図9bは、2つの異なるサイズのスロット形状の形態の接触形状を有する本発明に係る成型工具13を示している。
【0038】
本発明に係るキットは、本発明に係るねじ1と、本発明に係るねじ頭ドライブ6とを備える。本発明に係るキットのねじ頭ドライブ6の内側部分10は、本発明に係るねじ1のねじ頭ブッシュ2の外側部分3の円錐台シェルよりも円筒シェルに対する傾斜角γが大きい円錐台シェルを有する。このようにして、ねじ頭ドライブ6をねじ1のねじ頭ブッシュ2内に配置するときに、ねじ頭ブッシュ2の円錐台シェルとねじ頭ドライブ6の円錐台シェルとの間の形状嵌合が達成され、ねじ1はねじ頭ドライブ6に固着される。これは、ねじ1を、保持せずに、ワークピース上に簡単に配置して、その後にねじ込むことができ、さらに、ねじドライブ頭6内に磁気素子を設ける必要がないという利点を有する。試験によれば、現在市販されているねじ頭ドライブは一般に過大寸法であることが分かっている。例えば、先行技術で周知のTX25ドライブは、ドライブが比較的深い深さを有するので、4mmの直径を有する木製ねじにおいて、ねじの分数トルクの倍数のトルクを伝達し得る。この知識は、結果として、ねじをねじ込むためにドライブの深さ全体が必要ではないので、本発明の範囲内で利用される。したがって、本発明によれば、ねじ1をねじ頭ドライブ6で保持するために、深さの一部が自己接着形状嵌合に使用される。ねじ頭ドライブ6およびねじ頭ブッシュ2の2つの円錐台シェルの異なる角度αおよび角度γ(例えば、ねじ頭ブッシュ2では5°、およびねじ頭ドライブ6では10°)は、ねじ頭ドライブ6におけるねじ1の非常に効果的な形状嵌合保持をもたらす。本発明の効果は、任意の形態のねじドライブ形状で使用され得る。別の利点は、ねじ頭ドライブ6の軸方向における確実なガイドである。このようにして、ねじ頭ドライブ6をねじ1上に傾斜してまたは斜めに設置することが不可能になり、その結果、ねじ頭ブッシュ2の望ましくない摩擦および/またはねじ頭ドライブ6の過度の摩耗が最小限に抑えられる、または完全に防止される。
【0039】
図10aおよび
図10bは、本発明に係るねじ1の第1の実施形態の変形例を示す図である。
図10aは、ねじ1の上面図であり、
図10bは、線A-Aに沿った
図10aのねじの断面図である。この実施形態の変形例では、ねじ1は、ねじ頭ブッシュ2の外側部分3を中心として環状に回転し、本質的にねじ1の長手方向軸の方向に延びる突出部を有する。突出部15は、好ましくは0.75mmの高さを有する。突出部15は、ねじ頭ブッシュ2の追加の深さTを形成するという利点を有し、そのことにより、外側部分3は、突出部15内に少なくとも部分的に延在し得る。このようにして、内側部分4の深さが増大され得、その結果、ねじ頭ブッシュ2の係合形状とねじ頭ドライブ6の接触形状との間のより大きな力伝達接触面が実現される。
【0040】
図11aおよび
図11bは、本発明に係るねじ1の第2の実施形態の変形例を示し、ねじ1は、本質的にねじ頭ブッシュ2の外側部分3を中心として環状に回転し、ねじ2の半径方向外側へ向かって下降しているカバー面16を有する。カバー面16は、好ましくは0.75mmの高さにわたって下降している。
図11aは、ねじ1の上面図であり、
図11bは、線A-Aに沿った
図11aのねじの断面図である。カバー面13の形状により、本発明に係るねじ1の第1の実施形態の変形例と同様に、ねじ頭ブッシュ2の追加の深さTが形成されるという技術的効果が得られる。
【0041】
図12aおよび
図12bは、本発明に係るねじ1の第3の実施形態の変形例を示す図である。
図12aは、ねじ1の上面図であり、
図12bは、線A-Aに沿った
図12aのねじの断面図である。この実施形態の変形例によれば、ねじ1は、ねじ1の長手方向に延在し、ねじ頭ブッシュ2の外側部分3を中心として本質的に完全に回転する外面17を有する。外面17は、好ましくは1.31mmの高さを有する。外面17はまた、ねじ頭ブッシュ2の追加の深さTを形成し、さらに外側部分3の追加の機械的安定性を提供する。
【0042】
先行技術で周知のTX25ドライブは、1.9mm~2.3mmの範囲のねじ頭ブッシュの深さTを有する。これらの深さTは、通常、5mmの範囲内のねじ頭ブッシュの直径および9.5mm~10mmのねじ頭直径の場合に得られる。その結果、ねじ頭の高さは、4.8mm~5.2mmとなる。
【0043】
本発明に係るねじ1は、規定のねじサイズによれば、5.75mmの範囲のねじ頭の高さを有し、内側部分4の係合形状の深さは、好ましくは約1.95mmである。この場合、ねじ1の頭直径は約10mmである。任意の他のねじサイズに関して、これらの値は、その比に従って増減される。
【国際調査報告】