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特表2023-512902湾曲器具によるプランニング及び可視化の改良、並びにその湾曲器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】湾曲器具によるプランニング及び可視化の改良、並びにその湾曲器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/10 20160101AFI20230323BHJP
   A61B 18/18 20060101ALN20230323BHJP
   A61B 18/24 20060101ALN20230323BHJP
【FI】
A61B34/10
A61B18/18
A61B18/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540783
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(85)【翻訳文提出日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 US2021012715
(87)【国際公開番号】W WO2021142272
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/959,095
(32)【優先日】2020-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596130705
【氏名又は名称】キヤノン ユーエスエイ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CANON U.S.A.,INC
(71)【出願人】
【識別番号】503146324
【氏名又は名称】ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】The Brigham and Women’s Hospital, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】フリスケン サラ
(72)【発明者】
【氏名】ミラベル クレメント
(72)【発明者】
【氏名】ジュヴエカー パリクシット
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴久
(72)【発明者】
【氏名】ゴルビー アレクサンドラ ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】コスグローヴ ガース アール
(72)【発明者】
【氏名】ノ トーマス
【テーマコード(参考)】
4C026
4C160
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026BB08
4C160MM32
(57)【要約】
湾曲可能医療機器と併用できる曲線進路軌道を提供する例示の方法及びシステム。曲線経路は、直線セグメントと、曲線状の連結された弧状セグメントとを含むことができる。方法及びシステムは、プランニングと、可視化と、例えばレーザ間質温熱療法(LITT)を用いた側頭葉てんかん(TLE)の治療や、アブレーション療法を用いた腫瘍の治療とを提供することができる。曲線経路を用いると、医師は、重要構造を回避するとともに、治療/診断対象の標的ボリュームを直線経路よりも大きくカバーするように、インターベンションの計画を作成することができる。
【選択図】図3-2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランニング及び可視化の方法であって、
医用画像内で進入点及び標的ボリュームを特定するステップと、
前記標的ボリュームの幾何学的要素に基づいて、前記進入点と前記標的ボリュームの間で予備曲線進路を画定するステップであって、前記予備曲線進路は少なくとも2つのセグメントを含み、前記少なくとも2つのセグメントのうちの少なくとも1つは弧状セグメントである、画定するステップと、
ユーザ入力に基づいて前記予備曲線進路を変更して、外科的曲線進路を形成するステップと、
前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つは、手術ロボットの物理パラメータによって制約されると、
前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つを表示し、前記標的ボリュームを表示するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記予備曲線進路は、2つ以上の連結された弧状セグメントと、少なくとも1つの直線セグメントとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記外科的曲線進路は、2つ以上の連結された弧状セグメントと、少なくとも1つの直線セグメントとを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記直線セグメントは、前記弧状セグメントと前記進入点の間で連結される、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記予備曲線進路は、3つ以上の連結された弧状セグメントと、前記弧状セグメントと前記進入点の間で連結された1つの直線セグメントとを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路は、前記手術ロボットの前記物理パラメータによって制約される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記予備曲線進路は、前記標的ボリュームの中心線に基づく、
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記予備曲線進路を変更して外科的曲線進路を形成するステップは、1つ以上の弧状セグメントの曲率半径又は曲げ角度を変更するためのユーザ入力を受け取るステップを含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザ入力は、表示された前記予備曲線進路に対する微調整を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザが前記予備曲線進路を変更するときに、前記ユーザに対して前記幾何学的要素を表示するステップ、を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記外科的曲線進路及び前記標的ボリュームは、前記医用画像の表示に重ね合わせて表示される、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記予備曲線進路又は前記外科的曲線進路から前記標的ボリュームの境界までの、当該曲線進路に沿った複数の点での最小距離及び/又は最大距離を表示するステップ、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
隣接する弧の間の接続点は、隣接する弧の両方の1つの接線を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記弧状セグメントは、円弧状セグメントである、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記標的ボリュームは、腫瘍、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経及び脳幹のうちの少なくとも1つである解剖学的物体の3次元モデルである、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
曲線進路のプランニング及び可視化のためのシステムであって、
コンピュータによって実装されるプランニング及び可視化のサブシステムを備え、前記プランニング及び可視化のサブシステムは、
医用画像内で進入点及び標的ボリュームを特定することと、
前記標的ボリュームの幾何学的要素に基づいて、前記進入点と前記標的ボリュームの間で予備曲線進路を画定することであって、前記予備曲線進路は少なくとも2つのセグメントを含み、前記少なくとも2つのセグメントのうちの少なくとも1つは弧状セグメントである、画定することと、
前記予備曲線進路を変更するとともに外科的曲線進路を形成するためのユーザ入力を受け取ることであって、前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つは、手術ロボットの物理パラメータによって制約される、受け取ることと、
前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つを表示し、前記標的ボリュームを表示することと、
を実行するように構成される、システム。
【請求項17】
前記予備曲線進路は、2つ以上の連結された弧状セグメントと、少なくとも1つの直線セグメントとを含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路は、前記手術ロボットの前記物理パラメータによって制約される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記予備曲線進路は、前記標的ボリュームの中心線に基づく、
請求項16~18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記予備曲線進路及び前記標的ボリュームは、前記医用画像に重ね合わせて表示される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記円弧状セグメントは、3次元空間において弧パラメータによって画定され、当該弧パラメータは、弧長と、曲率半径と、曲げ角度と、湾曲面とのうちの少なくとも2つを含む、
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記標的ボリュームは、腫瘍、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経、脳溝及び脳幹のうちの少なくとも1つである解剖学的物体の3次元モデルである、
請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記進入点及び前記標的ボリュームの特定と、前記予備曲線進路の変更に関して、ユーザ情報を入力するように構成されたユーザインタフェースを更に備える、
請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記プランニング及び可視化のサブシステムは、前記ユーザインタフェースを介したユーザ入力に基づいて、前記進入点と、前記標的ボリュームと、前記予備曲線進路とのうちの少なくとも1つを修正するように構成される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
請求項1~15の少なくとも1つに記載の方法を実行するように構成された、コンピュータによって実装されるプランニング及び可視化のサブシステムと、
2つ以上の湾曲セクションを備える手術ロボットと、
を備える、医用プランニング及び実施のシステムであって、
2つ以上の前記弧状セグメントの弧長は、前記2つ以上の湾曲セクションの長さと実質的に同じである、
医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項26】
前記曲線進路は、2つ以上の連結された弧状セグメントと、前記2つ以上の弧状セグメントの近位に位置する少なくとも1つの直線セグメントとを含み、前記湾曲可能医療機器は、2つ以上の湾曲可能セクションと、少なくとも1つの直線近位セクションとを有する、
請求項25に記載の医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項27】
前記曲線進路及び前記標的ボリュームは、前記医用画像に重ね合わせて表示される、
請求項25に記載の医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項28】
前記標的ボリュームは、腫瘍、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経及び脳幹のうちの少なくとも1つである解剖学的物体の3次元モデルである、
請求項25に記載の医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項29】
前記進入点及び前記標的ボリュームの特定と、前記予備曲線進路の変更に関して、ユーザ情報を入力するように構成されたユーザインタフェースを更に備える、
請求項25に記載の医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項30】
前記プランニング及び可視化のサブシステムは、前記ユーザインタフェースを介したユーザ入力に基づいて、前記進入点及び前記標的ボリュームのうちの少なくとも1つを修正するように構成される、
請求項25に記載の医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項31】
側頭葉てんかん(TLE)をもつ患者を治療する方法であって、
前記患者の医用画像内で進入点を特定するステップと、
前記進入点と扁桃体及び海馬の幾何学的要素との間で予備曲線進路を画定するステップであって、前記予備曲線進路は少なくとも2つのセグメントを含み、前記少なくとも2つのセグメントのうちの少なくとも1つは弧状セグメントである、画定するステップと、
ユーザ入力に基づいて前記予備曲線進路を変更して、外科的曲線進路を形成するステップであって、前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つは、手術ロボットの物理パラメータによって制約される、形成するステップと、
前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つを表示し、前記標的ボリュームを表示するステップと、
2つ以上の湾曲セクションを備える手術ロボットを用いて、前記患者に対してレーザ間質温熱療法(LITT)を施すステップであって、LITTは実質的に前記外科的曲線進路に沿って施される、施すステップと、
を含む方法。
【請求項32】
前記幾何学的要素は、前記扁桃体及び海馬の中心線である、
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記外科的曲線進路は、2つ以上の連結された弧と、直線セグメントとを含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記手術ロボットの前記2つ以上の湾曲セクションの長さは、前記外科的曲線進路の前記2つ以上の弧状セグメントの弧長と実質的に同じである、
請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願への相互参照
本願は、2020年1月9日に米国特許商標庁に提出された米国仮出願第62/959095号から優先権を主張し、その開示は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
米国政府の権利
本発明は、NIH助成金P41-EB015898及びR01-EB027134に基づく研究の実施においてなされた可能性がある。政府は、本発明の権利を有する可能性がある。
【0003】
本願の開示は、概して、ソフトウェア及び機器を備えた医用システムに関し、特に、インターベンション用のツール及び器具(カテーテルやアブレーションプローブ等)の誘導に適用可能な湾曲機器を備えたコンピュータ支援システムに関する。
【背景技術】
【0004】
低侵襲インターベンションは、多くの医療分野で広く採用されている。例えば、神経外科的手技では、レーザ間質温熱療法(LITT)は、脳外科手術において、コストに見合った生存率の改善や、深い病変その他の外科的にアクセスしにくい病変を治療する能力と関連付けられている。更に、LITTは血液脳関門を回避するので、標的薬物送達に有望である。具体的には、てんかんでは、LITTは現在、小児視床下部過誤腫の第一線の外科的選択肢であり、また、内側てんかんに対する主要な外科的選択肢として受け入れられている。
【0005】
LITTは、腫瘍アブレーション、放射線壊死及びてんかんの治療を含む低侵襲の治療技術である。LITTでは、ダイオードレーザ先端を備えたカテーテルが用いられ、先端は、直径2~3mmのカニューレを通して脳内に定位的に配置される。カニューレは、直線経路に沿って、頭蓋骨と脳実質を通って標的病変へ向かう。レーザは、その先端でエネルギーを発して、標的箇所で関心ゾーンのアブレーションを行う。アブレーションは、磁気共鳴温度測定(MRT)を用いて実施することができ、MRTは、アブレーションゾーンの温度について、グラジエントリコールド(gradient recalled)エコーシーケンスを用いて外科医にリアルタイムフィードバックを提供する。
【0006】
LITTは低侵襲であるので、直視下手術よりも回復が速く、罹患率が低い。しかしながら、側頭葉てんかん(TLE)に罹患した患者の治療におけるLITTの成功率は、たったの50%であり、これは、側頭葉切除術での80%の成功率よりも著しく低い。これは、挿入されたカニューレの直線進路では、1回の挿入で扁桃体と海馬の全体にアクセスできないので、これらの構造の部分的なアブレーションしか実施できないということが原因であると考えられる。
【0007】
よって、プランニングソフトウェアとLITTの誘導の両方に、曲線軌道が必要である。利用可能なプランニングソフトウェアには、様々なものがある。例えば、米国特許第9,818,231号は、インターベンション用の可視化ソフトウェアを開示している。ソフトウェアは、解剖学的アイテムとともに曲線経路を表示する。曲線経路は、スプライン曲線として表現され、経路に沿った点を含み、解剖学的アイテムと点との間の距離を決定する。
【0008】
しかしながら、この技術や類似の技術には、依然として重大な制約がある。例えば、米国特許第9,818,231号の曲線経路は、情報を提供して、患者を提供するとともに術中に臨床医に知らせる一方、スプライン曲線と同じくらい滑らかな曲線として軌道を表す。このスプライン曲線に、挿入された器具の実際の挿入経路や器具の形状自体が正確に従う可能性は低い。したがって、このソフトウェアによって生成された計画は、現実のインターベンションの実際の経路を本質的に表すことはできず、よって、挿入中のエラーを避けるために使用することはできない。
【0009】
よって、外科的インターベンション(例えばLITT)中に曲線軌道に沿ってインターベンション用のツール及び器具(例えばカテーテル)を誘導するのに適用可能な機器の挿入進路に更にぴったりと対応する曲線軌道を提供するシステム及び方法と、その使用法が必要である。
【発明の概要】
【0010】
本発明の少なくとも1つの実施形態によれば、プランニング及び可視化の方法が提供され、該方法は以下を含む:医用画像内で進入点及び標的ボリュームを特定するステップ;標的ボリュームの幾何学的要素(例えば中心線)に基づいて、進入点と標的ボリュームの間で予備曲線進路を画定するステップであって、予備曲線進路は少なくとも2つのセグメントを含み、少なくとも2つのセグメントのうちの少なくとも1つは弧状セグメントである、画定するステップ;ユーザ入力に基づいて予備曲線進路を変更して、外科的曲線進路を形成するステップであって、予備曲線進路及び外科的曲線進路のうちの少なくとも1つは、手術ロボットの物理パラメータによって制約される、形成するステップ;及び、予備曲線進路及び外科的曲線進路のうちの少なくとも1つを表示し、標的ボリュームを表示するステップ。
【0011】
一部の実施形態では、予備曲線進路及び/又は外科的曲線進路には、2つ以上の連結された弧状セグメントと、少なくとも1つの直線セグメントとがあり、直線セグメントは、弧状セグメントと進入点の間で連結されている。予備曲線進路及び外科的曲線進路のうちの一方又は両方は、手術ロボットの物理パラメータによって制約され得る。可視化は、予備曲線進路と、外科的曲線進路と、標的ボリュームと、幾何学的要素と、曲線進路から標的ボリュームの境界までの距離とのうちの2つ以上を、個別に、或いは互いに重ね合わせて、或いは医用画像に重ね合わせて、表示することを含んでよい。
【0012】
他の実施形態によれば、曲線進路のプランニング及び可視化のためのシステムが提供される。該システムは、コンピュータによって実装されるプランニング及び可視化のサブシステムを備え、プランニング及び可視化のサブシステムは、以下を実行するように構成される:医用画像内で進入点及び標的ボリュームを特定すること;標的ボリュームの幾何学的要素に基づいて、進入点と標的ボリュームの間で予備曲線進路を画定することであって、予備曲線進路は少なくとも2つのセグメントを含み、少なくとも2つのセグメントのうちの少なくとも1つは弧状セグメントである、画定すること;予備曲線進路を変更するとともに外科的曲線進路を形成するためのユーザ入力を受け取ることであって、予備曲線進路及び外科的曲線進路のうちの少なくとも1つは、手術ロボットの物理パラメータによって制約される、受け取ること;及び、予備曲線進路及び外科的曲線進路のうちの少なくとも1つを表示し、標的ボリュームを表示すること。
【0013】
更に他の実施形態によれば、以下を備える医用プランニング及び実施のシステムが提供される:本明細書に記載の方法を実行するように構成された、コンピュータによって実装されるプランニング及び可視化のサブシステム;及び、2つ以上の湾曲セクションを備える手術ロボット。2つ以上の弧状セグメントの弧長は、2つ以上の湾曲セクションの長さと実質的に同じである。
【0014】
他の実施形態では、側頭葉てんかん(TLE)をもつ患者を治療する方法が提供され、当該方法は以下を含む:患者の医用画像内で進入点を特定するステップ;進入点と扁桃体及び海馬の幾何学的要素との間で予備曲線進路を画定するステップであって、予備曲線進路は少なくとも2つのセグメントを含み、少なくとも2つのセグメントのうちの少なくとも1つは弧状セグメントである、画定するステップ;ユーザ入力に基づいて予備曲線進路を変更して、外科的曲線進路を形成するステップであって、予備曲線進路及び外科的曲線進路のうちの少なくとも1つは、手術ロボットの物理パラメータによって制約される、形成するステップ;予備曲線進路及び外科的曲線進路のうちの少なくとも1つを表示し、標的ボリュームを表示するステップ;及び、2つ以上の湾曲セクションを備える手術ロボットを用いて、患者に対してレーザ間質温熱療法(LITT)を施すステップであって、LITTは実質的に外科的曲線進路に沿って施される、施すステップ。
【0015】
本開示のこれら及び他の目的、特徴及び利点は、本開示の例示の実施形態の以下の詳細な説明を添付の図面及び提供された特許請求の範囲と併せて読むと、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の更なる目的、特徴及び利点は、本開示の例示の実施形態を示す添付の図と併せて解釈すると、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0017】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に対する、脳インターベンション用の改良されたプランニングソフトウェアの表示を示す。
図2図2(A)及び図2(B)は、弧状セグメント2及びその弧のパラメータを示す図である。1つの弧状セグメントは、両端に接続点4をもつ円弧である(図2(A))。この弧状セグメント2は、XYZ座標系において角度uを成す平面A上にあり、原点は接続点の1つにあり、Z方向は弧状セグメント2の接線である。角度uは、弧パラメータのひとつであり、湾曲面と呼ばれる。
図3-1】図3(A)及び図3(B)は、本発明の第2の実施形態に対する湾曲可能カテーテルサブシステムを示す。
図3-2】図3(C)は、遠位端と近位端の間の3つの弧状セグメントと1つの直線セグメントを示す図である。図3(D)は、同様の曲線を示すが、ロボットカテーテルモデルのモデル内である。
図4-1】図4(A)~図4(H)は、レーザアブレーション療法用のプランニングシステムの様々な実施形態を用いたスクリーンショットであり、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経及び脳幹がセグメント化された例示のLTE症例を示す。
図4-2】図4(I)~図4(P)は、レーザアブレーション療法用のプランニングシステムの様々な実施形態を用いたスクリーンショットであり、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経及び脳幹がセグメント化された例示のLTE症例を示す。
図5図5(A)~図5(D)は、例示の腫瘍症例のプランニングシステムの実施形態のスクリーンショットであり、腫瘍、脳室、脳幹、機能的言語領域(fMRIによる)及び白質路(dMRIによる)がセグメント化されている。
図6図6(A)~図6(H)は、脳神経外科の研修医によって設計された直線進路の3つのビューを示す。
図7図7は、図6(A)~図6(H)に示される設計段階の後に、MTLEの治療のために扁桃体及び海馬に到達するために手術で用いられる実際の進路を示す。
図8図8(A)~図8(C)は、扁桃体及び海馬における側頭葉てんかんのカバレッジについて、図7の外科的進路のカバレッジを示すチャージである(TLE1右(図8(A))及びTLE1左(図8(B))。腫瘍カバレッジを図8(C)に示す。
図9図9(A)は、本発明の少なくとも1つの装置、システム、方法及び/又は記憶媒体の1つ以上の実施形態と併用できるコンピュータの実施形態の概略図を示す。図9(B)は、本開示の1つ以上の態様に係る、本発明の少なくとも1つの装置、システム、方法及び/又は記憶媒体の1つ以上の実施形態と併用できるコンピュータの別の実施形態の概略図を示す。
【0018】
図全体を通して、別段の記載がない限り、同じ参照番号及び文字は、例示される実施形態の同様の特徴、要素、コンポーネント又は部分を示すために用いられる。更に、これから図を参照して本開示を詳細に説明するが、それは、例示の実施形態に関連してなされる。添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の真の範囲及び主旨から逸脱することなく、説明される例示の実施形態に対して変更及び修正を行うことができることが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0019】
プランニングソフトウェアは、インターベンションのための視覚情報を医師に提供する。特定の一実施形態の表示は、様々なビュー(事前定義されてもよいし、ユーザによって使用中に設定されてもよい)(図1の右側)と、インターベンション計画用の制御パネル(図1の左側)とを含む。
【0020】
ソフトウェアは、ビューポートに医用画像を表示することができる。この特定の実施形態では、ソフトウェアは、脳のMRI画像を表示する。
【0021】
操作者は、MRI画像の特定部分をセグメント化することにより、標的ボリュームを特定することができる。図1では、ソフトウェアは、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経及び脳幹をセグメント化し、そのような解剖学的構造のセグメント化モデルを、カラーラインを用いてMRI画像と重ね合わせている。具体的には、この実施形態では、扁桃体5及び海馬6のモデルが、LITT手技で切除する対象の解剖学的構造である標的ボリュームである。操作者は、回避すべきボリューム(血管、脳室、視索、視交叉、視神経及び脳幹のモデルであり得る)を特定することもできる。
【0022】
一部の実施形態では、標的ボリュームは、解剖学的物体の3次元モデルのボリュームである。例えば、海馬全体を標的ボリュームとし、アブレーションの標的とすることができる。他の実施形態では、標的ボリュームは、3次元の解剖学的物体のボリュームよりも小さい場合があり、更に他の実施形態では、標的ボリュームは、解剖学的物体のボリュームよりも大きい場合がある(例えば物体及びマージン)。
【0023】
また、操作者は、進入点3(頭蓋骨を通るアブレーション器具の進入点であり得る)を特定することもできる。
【0024】
セグメント化された解剖学的構造と進入点3を用いることにより、医師は、医用画像と、標的ボリュームと、回避すべき構造までの距離の測定値と、標的ボリュームの到達可能量とを可視化して、最適経路を探しながら、挿入と除去の経路をシミュレーションすることができる。
【0025】
このようにシミュレーションされる挿入及び除去の経路は、標的ボリュームを通して方向付けられる。標的ボリュームは、特定の関心領域又は関心点として定めることができ、或いは、一部の実施形態ではより興味深いことに、ボリューム全体(扁桃体又は海馬の全体や、腫瘍の全体等)として定めることができる。よって、どの程度の標的ボリュームが到達可能であるかについての情報は、最適化プロセスを支援するために、このプランニングステップ中に視覚的に示すこともできるし、或いは計算して数値で提示することもできる。
【0026】
経路には、近位の直線セグメント1と、弧状セグメント2a、2b、2cとが含まれる。当該セグメントは、接続点4a、4b、4c、4dで連結される。
【0027】
曲線経路を用いて、医師は、複雑な長手方向形状を含む扁桃体5及び海馬6のモデルにおいて、アブレーション対象の標的ボリュームをカバーするための最適経路を見つけることができる。また、医師は、MRI画像とともにオーバーレイモデルを用いることによって、重要な解剖学的構造を回避するための経路を見つけることができる。
【0028】
弧状セグメント2a、2b、2cは、それぞれの弧パラメータ((1)弧長、(2)曲率半径又は曲げ角度、及び(3)湾曲面を含む)をもつ円弧を含む。
【0029】
一部の他の実施形態では、弧状セグメントは、円弧の代わりに、微分可能な曲線の弧状セグメントである。よって、弧状セグメントは、楕円の弧状セグメントであってよい。他の実施形態では、弧状セグメントは、例えば、湾曲可能カテーテル内の湾曲セクションの近位部分と遠位部分の間の摩擦の差を調整するために、放物線又は双曲線の弧状セグメントであってよい。本明細書では当然のことなら、弧状セグメント(円弧状セグメントか、或いは微分可能な曲線の弧状セグメントのいずれかである)は、ゼロよりも大きい曲率半径又は曲げ角度を有する。好ましくは、弧状セグメントは、10cm未満の曲率半径を有する。
【0030】
一部の実施形態では、最適経路は、本明細書に記載されるように定められる。他の実施形態では、最適経路は、例えば、外科医が本明細書に記載のプランニングシステム及びカテーテルを使用することによって、画定されてよい。他の実施形態では、標的領域及び回避すべき重要構造に基づいて、最適経路に関するより多くの目的パラメータや、患者のアウトカムと相関すると見られる他のパラメータが考案されてよい。他の実施形態では、最適な曲線経路は、例えば、M.Pinzi、S.Galvan及びY.B.F.Rodriguez(Int J Comput Assist Radiol Surg、第14巻、第4号、pp.659-670、2019年4月)、A.Hong他(Int J Med Robot、第15巻、第4号、pp.e1998、2019年8月)、並びに/又は、J.Granna、A.Nabavi及びJ.Burgner-Kahrs(Int J Comput Assist Radiol Surg、第14巻、第2号、pp.335-344、2019年2月)によって記述された研究に従って、自動的に設計されてよい。
【0031】
図2(A)及び図2(B)は、弧状セグメント2及びその弧のパラメータを説明する。1つの弧状セグメントは、端に接続点4、5をもつ円弧である(図2(A))。この弧状セグメント2は、XYZ座標系において角度uを成す平面A上にあり、原点は接続点の1つにあり、Z方向は、接続点での弧状セグメント2の接線である。角度uは、弧パラメータのひとつであり、湾曲面と呼ばれる。
【0032】
平面A上では、弧状セグメント2の長さはsであり、曲率半径はrである。図2(B)において、矢印Cは、接続点5での弧状セグメント2の方向ベクトルを表す。弧長s及び曲率半径rは、弧パラメータである。また、図1の弧状セグメント2a、2b、2cは、共通の曲率半径r、弧長及び曲げ角度tを有する代わりに、それぞれ独立した弧パラメータを有するように構成される。しかしながら、曲率の連続性を保ために、隣接する弧状セグメントの間の接続点において、隣接する弧状セグメントの接線は同一である。
【0033】
操作者は、弧状セグメント2a、2b、2cの制御ペイン7、8、9(図1)を用いて、ソフトウェアでそのような弧パラメータを変更することができ、脳インターベンションのための複数の曲線経路を探し、特定することができる。
【0034】
異なる実施形態では、曲線経路は、近位の直線セグメント1を含まない。この実施形態では、曲線経路は、進入点3から標的ボリューム5、6まで弧状セグメント2のみを含む。
【0035】
図2(A)及び図2(B)は単一の弧状セグメントを示すが、他の実施形態は、例示の湾曲可能カテーテルサブシステムが記載される図3(A)及び図3(B)に示される。湾曲可能カテーテルサブシステムは、前述のプランニングソフトウェアとともにインターベンションシステムを形成する。湾曲可能カテーテルサブシステムは、湾曲可能カテーテル10及び制御ハンドル11を備える。
【0036】
制御ハンドル11は、湾曲可能カテーテル10の湾曲セクションを曲げるための曲げ手段を含む。曲げ手段は、操作者からの力を伝えるように構成されたモータ或いは機械構造であってよい。
【0037】
湾曲可能カテーテルは、3つの湾曲セクション12、13、14及び近位セクション19を含む。3つの湾曲セクション12、13、14は、制御ハンドル11によって3次元で曲げることができる。近位部19は、受動的に柔軟であってもよいし、或いは、硬質であるとともに直線状の外形を有してもよい。一部の実施形態では、湾曲セクションの各々は、2本か3本のガイドワイヤを有し、当該ガイドワイヤは、制御ハンドル11によって湾曲可能セクションの押しと引きの両方の作動を提供する。一部の実施形態では、近位セクションの向きを制御するための腱又はガイドワイヤがないという点で、近位セクション19はパッシブである。ただし、該セクションにはある程度の柔軟性があり、これにより、該セクションを動かして、湾曲可能機器内の摩擦を低減することができ、かつ/又は、管腔内で操作されるときに湾曲セクションの方向により良好に従うことができる。
【0038】
具体的には、この実施形態では、ソフトウェアは、湾曲セクションの長さに対応する弧長の固定パラメータを有する。また、湾曲可能カテーテル10は最大の湾曲可能曲率半径を含むが、ソフトウェアは、プランニング手続きにおいて、曲率半径をこの最大の湾曲可能曲率半径内に自動的に制限することが可能であるので、医師は、実現不可能なインターベンションの計画を除外することができる。
【0039】
他の類似の実施形態では、3つの湾曲セクション12、13、14と近位セクション19を有する代わりに、湾曲可能カテーテルサブシステムは、例えば2つ、4つ、5つ、6つ、或いは更に多くの湾曲可能セクションを有してよい。追加の湾曲可能セクションを設けて、より高い柔軟性を提供し、曲がりくねった進路を進めるようにすることができる。図3(A)及び図3(B)に示される湾曲可能カテーテルサブシステムは、例えば脳外科手術に好適な小さな外径を有するように設計されているが、他の実施形態は小さな直径を有することに制約されず、前述のカテーテルに基づいて、追加の制御ワイヤひいては湾曲可能セクションを追加することができる。同様に、湾曲可能セクションが少なかったり多かったりするような、或いは、非湾曲可能セクション又はパッシブセクションが追加されるような、湾曲可能カテーテルサブシステムの他の構成が用いられてもよい。
【0040】
湾曲セクション(3つ設けられるか、或いは必要に応じて増減する)は、それぞれ円弧に近似することができるので、ソフトウェアは、実際の湾曲可能カテーテルが辿ることのできる実現可能で正確な経路を作成することができる。
【0041】
使用時、湾曲可能カテーテルサブシステムは、例えば湾曲可能セクション12と湾曲可能セクション13を独立して曲げるとともに、湾曲可能セクション14を曲げることによって、操作することができる。よって、プランニング段階では、曲線経路が3つの連結された弧状セグメントを含み、弧状セグメントの長さが湾曲可能セクション12、13、14の長さに対応し、直線セクションがセクション19に対応する場合に、LITTや腫瘍アブレーション療法等の外科的インターベンション中に湾曲可能カテーテルサブシステムが辿ることのできる有用な計画軌道が提供される。
【0042】
一部の実施形態では、湾曲可能カテーテルサブシステムは、米国特許公開第2015/0088161号;2018/0192854号;2018/0296800号;2018/0310804号;2018/0243900号;2018/0311006号;2019/0015978号及び2019/010546号と、PCT公報WO2018204202とのうちの1つ以上に記載されており、その各々が全体として参照により援用される。
【0043】
例示の研究
LTEその他の脳神経外科用途のためのレーザアブレーションシステムが利用可能であり、Visualase(Medtronic社)及びNeuroBlate(Monteris社)が挙げられる。どうちらのシステムも、直線状のカニューレを用いて脳病変にアクセスする。カニューレの1つのチャネルはレーザファイバ専用であり、もう1つのチャネルは冷却システム用である。挿入進路は、一般に、術前MRIの2D断面で計画されている。挿入進路は、典型的には、1つの進路終点を標的内に配置し、もう1つを頭蓋骨表面に配置することによって、術前に設計されている。従来のアキシャル/サジタル/コロナルビューで、或いは、進路と整列される(インライン)とともに進路に垂直である直交ビューで、MRI画像の2D断面をスクロールすることにより、標的その他の関心脳構造に関して進路全体を見ることができる。また、進路は、セグメント化された関心構造に関する円柱として3Dビューで見ることもできる。図1は、この研究では3D SlicerのPythonモジュールとして実装された、直線進路挿入のためのカスタム進路プランニングシステムを示す。外科医は、進路終点を調整して、重要構造(例えば血管、脳室、視索等)を回避しながら標的病変(例えば、LTEでは扁桃体及び海馬、腫瘍アブレーションでは腫瘍)を可能な限りカバーする進路を見つける。残念ながら、脳の構造と病変の形状が幾何学的に複雑であるせいで、この直線進路挿入ジオメトリを用いたレーザの1回の挿入では、重要構造を回避しながら病変全体をカバーすることが不可能である場合がある。複数回の挿入を考慮して、外科医は、最適な治療と出血や機能障害との間の妥協点のバランスを取る必要がある。進路は、従来のアキシャル/サジタル/コロナルビュー或いはインライン/垂直ビューで、編集及び2D表示することができる。終点は、2D或いは3Dで選択及びドラッグすることができる。
【0044】
曲線挿入進路
現在の実施形態は、曲線挿入進路を提供し、また、例えば図3(A)及び図3(B)に記載の湾曲可能カテーテルサブシステムを含むこともできる。このような曲線挿入進路により、LITTによる脳病変へのアクセスがより良好になり、脳内へのレーザの挿入中に重要構造をより良好に回避することができる。更に、弧状セグメントを提供するプランニングソフトウェアを用いると、より一般の曲線軌道に比べて、湾曲可能カテーテルサブシステムの実際の動作及び位置によりぴったりと対応する曲線軌道が画定される。
【0045】
曲線挿入進路は、1つ以上の連結された弧を含む。(例えば図3(C)の点C0とC1、C1とC2、C2とC3の間の連結された弧。)曲線挿入進路は、図3(C)の点C3とC4の間に示されるような直線セクションを含んでもよい。一部の好ましい実施形態では、直線セクションは、頭蓋骨の進入点から標的(例えば脳病変)又はその付近の点まで使用され、次いで、2つ以上の連結された弧が、病変を通る進路を提供する。これは図3(D)に見ることができ、図3(D)では、3つの連結された弧と、進入点からC4まで延びる長めの直線セクションとが提供されている。
【0046】
研究
4人のてんかん患者と1人の脳深部腫瘍患者からの後ろ向きデータを用いて、研究を実施した。4人の臨床医が、LTE患者の左側と右側について、また、腫瘍症例について、従来の直線挿入進路を計画した(臨床医1人あたり合計9つの進路)。2人の技師は、進路プランニングシステムの改良版を用いて、同じ症例について最適な曲線挿入進路を手動で計画した。直線挿入進路と曲線挿入進路の差を解析して、直線挿入進路に対する曲線挿入進路の利点を定量化した。挿入進路は、病変のカバー率と、進路から最も近い重要構造までの距離とに基づいて評価した。
【0047】
この後ろ向き研究には、2019年にブリガム・アンド・ウィメンズ・ホスピタルでLITT治療を受けた5人の患者が含まれた。表1に、この研究の症例について利用可能な標的及び画像データを含む、各患者の利用可能な画像データを示す。画像は、臨床的適応のために取得されたものであるので、研究全体で一貫していない。標的構造(すなわち各LTE患者の左右の扁桃体及び海馬と、腫瘍患者の脳腫瘍)と、回避すべき重要構造(例えば血管、脳室、視索)を、BrainLAB Elements Segmentation Cranialソフトウェアを用いてセグメント化した。このシステムにおける自動のアトラスベースのセグメンテーションは、いくつかのMRIプロトコルから正確にラベル付けされた構造を提供する[J.F.Daisne及びA.Blumhofer、Radiat Oncol、第8巻、pp.154、2013年1月26日]。次に、セグメンテーションを3D Slicerにエクスポートし、3D Slicer Segment Editorモジュールを用いて閉じたサーフェスメッシュを作成するのに使用した[C.Pinter、A.Lasso及びG.Fichtinger、Comput Methods Programs Biomed、第171巻、pp.19-26、2019年4月]。セグメント化されたオブジェクトを、3Dシーンと3つの断面2Dビューで表示した。各症例の代表的な断面と、関連構造(標的病変及び回避すべき重要構造)の再構成3Dモデルを、図4(A)~図4(P)及び図5(A)~図5(D)に示す。
【表1】
【0048】
進路プランニングシステム
脳神経外科医がこの実施形態の挿入進路を計画できるように、Pythonの例示のカスタム3D Slicerモジュールを用いて、プランニングシステムを作成した。モジュールは、断面画像及び3Dモデルを表示するためのツールと、挿入進路を計画するためのツールとを提供するインタラクティブなグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含む(図1及び図4)。進路は、レーザの先端と頭蓋骨上の進入点とに対応する1組の目印を配置することによって設計され、これら2つの点をつなぐ線によって、LITT用カニューレの挿入進路が画定される。カニューレを表す半径2.5mmの円筒が進路に沿って配置され、また、アブレーションゾーンを表す半径2.5mmの球がレーザの先端に配置される。カニューレとアブレーションゾーンの半径は、GUIを介して調節することができる。ユーザは、レーザ先端と進入点の位置を、アキシャルビュー、サジタルビュー及びコロナルビューと3Dビューで編集することができる。2D断面は、従来のアキシャル/サジタル/コロナルビューで、或いは挿入進路に垂直かつ平行であるビューで、表示することができる。挿入進路は、円柱と現在のスライスとの交点を表す楕円を選択してドラッグすることによって、任意の2Dビューで編集することができる。このアクションは、次いで進路の進入点を頭蓋骨表面上に保持しながら、該進入点を再計算する。
【0049】
曲線挿入進路のための進路プランニングシステムの改良
改良されたプランニングシステムは、[Y.Gao、K.Takagi、T.Kato、N.Shono及びN.Hata、IEEE Trans Biomed Eng、2019年4月29日]に記載の手術ロボットのような、ワイヤ駆動の多関節手術ロボットの制約を包含する。例示のロボットは、直径3.5mmのニタノール(Nitanol)チューブで構成され、柔軟なセグメントを作製するために規則的にカットされる。各セグメントは、剛性セクションによってその隣接部と繋がれるので、セグメントは異なる平面で曲がることができる。セグメントを曲げることにより、固定された長さと最大曲率をもつ大まかな円弧が形成される。ロボットの曲げに関与するプッシュプルワイヤは、管の壁に規則的に配置されたワイヤガイドに挿入される。各セクションには1つのワイヤガイドがあり、各ワイヤガイドは、そのセクションの遠位端で固定される。ガイドワイヤは、ワイヤ1本あたり1つのモータによって作動システムに接続される。このロボットは、フォローザリーダー運動アルゴリズムを用いて、脳組織に対する挿入中の負担を最小化する。チューブには直径2.5mmのインナーチャネルがあり、これは、LITT用の光ファイバレーザを収容するために用いることができる。他の実施形態では、他の手術ロボットを代わりに用いることができ、このようなシステムの制約は、本明細書に記載の改良されたプランニングシステムに包含され得る。他のワイヤ駆動の多関節手術ロボットは、例えば米国特許公開第2015/0088161号;2018/0192854号;2018/0296800号;2018/0310804号;2018/0243900号;2018/0311006号;2019/0015978号及び2019/010546号、並びにPCT公報WO2018204202に記載されている場合がある。
【0050】
このロボットの制約を模倣するために、本明細書で提供される進路プランニングシステムは、ユーザが複数の直線セグメント及び曲線セグメントで構成される進路を設計することを可能にする。各セグメントは、単一面に拘束された円弧を形成することができる。セグメントの数と、各セグメントの長さ及び最大曲率は、GUIでカスタマイズされる。2つの連続するセクションの接合部での接線は、進路が連続するように、等しい大きさをもつように制約される。進路は、セグメントのパラメータを編集し、2D断面ビュー又は3Dビューでセグメントの終点をドラッグすることによって、計画される。一部の実施形態では、2Dで進路をフリーハンドで描画し、次にカスタムアルゴリズムを実行して、フリーハンド進路に最適にフィットするようにセグメント終点と曲面を配置することによって、進路が設計される。次に、結果として得られた進路は、セグメントの終点をドラッグすることによって編集することができる。
【0051】
このシステムは有用であるが、技術をもたない臨床医には好ましくない場合がある。3Dでセグメントの終点を動かすという複雑さが増すので、単一の2D断面では3D曲線を可視化することができず、3Dビューの可視化及び操作、臨床ユーザによっては不快を感じることが必要となる。この理由から、この予備研究では、技術ユーザが、直線進路と比較するための最適な曲線進路を計画した。
【0052】
直線進路のプランニング
市販のソフトウェアを用いて複数のLITT症例を計画した経験のある4人の臨床医(脳神経外科の研修医、2人の脳神経外科フェロー、脳神経外科のポスドク研究員を含む)が、この研究に参加した。各臨床医に、LTE患者の両側(臨床医1人あたり8つの軌道)と腫瘍症例について、前述の直線進路プランニングシステムを用いて、従来の直線挿入進路を計画するように求めた。
【0053】
直線進路プランニングシステムで利用可能な3D Slicerの制御及び機能についての案内の後、臨床医は各症例と自由にインタラクトした。臨床医には、彼らの優先事項と彼らが回避しようとしている構造をよく理解できるようにするために、計画中に彼らの考えを声に出すように求めた。後の操作者内比較と進路品質の評価のために、各軌道について終点を保存した。
【0054】
曲線進路のプランニング
2人の技師は、進路プランニングシステムの改良版を用いて、直線進路プランニングで使用されたのと同じ症例について、最適な曲線挿入進路を手動で設計した。ユーザは、最適な進路を達成するために、各セグメントの数、長さ及び最大曲率を変更することができた。標的とする優先事項と回避しようとしている構造についての臨床ユーザからのフィードバックに基づいて、曲線進路の以下の2つのアプローチを検討した:(1)頭蓋骨から標的までの直線状のアクセスと、それに続く標的構造内への曲線状挿入;及び、(2)標的構造への曲線状のアクセス及び挿入。
【0055】
進路の評価
この例示の研究では、以下の2つの測定基準に基づいて進路の品質を評価した。
(1)計画挿入進路によって病変がどの程度カバーされたか:この研究では、カバレッジは、レーザ先端の周りの1cmのレーザアブレーション半径を想定しており、レーザが引き抜かれるときに複数の位置でレーザを発射でき、結果として進路に沿って最大1cmの円柱形アブレーションゾーンを達成することができると想定している。
(2)計画挿入進路が、本研究の臨床医と2人の上級脳神経外科医によって重要であるとみなされた近くの構造にどれだけ接近するか。この研究では、各挿入進路をその全長に沿って1mm間隔でサンプリングし、近くの重要構造までの距離を測定した。LTE症例での重要構造には、セグメント化された脳室、血管、溝のひだ(sulcal folds)、視索、視交叉及び脳幹を含めた。脳腫瘍症例での重要な構造には、血管と、脳室と、機能的MRI(fMRI)によって画定された言語領域と、拡散テンソルイメージング(dMRI)によって画定された膨大部、下縦束及び下前頭後頭束の白質路とを含めた(図3参照)。
【0056】
品質を比較するために、カバレッジと安全性を測定するための測定基準を定める必要があった。カバレッジについて、標的構造のボクセルをセグメント化した(ここで扁桃体は緑色、海馬はピンク色である)。アブレーションゾーンを、挿入進路から特定距離内にある標的構造のボリュームであると定義した。標的カバレッジを、標的のボクセルのうち、アブレーション領域内にあるボクセルの割合であると定義した。挿入進路から5mmと10mmの距離について、標的カバレッジを測定した。これらの距離は、LITTでのアブレーション半径の典型的な範囲を表す。
【0057】
安全性について、挿入進路の回避すべき重要構造ごとに距離フィールドを計算した。次に、挿入進路に沿って1mm間隔で、各重要構造までの距離をサンプリングした。挿入進路から各重要構造までの最小距離と、各重要構造の5mm以内と10mm以内にある進路の長さを、両方とも記録した。
【0058】
このような単純な測定値では、カバレッジと安全性を完全に測定することはできず、無視される要素が複数存在する。しかしながら、これらによってある程度の理解が得られ、また、両方をリアルタイムで計算して、挿入進路の設計時に即座にフィードバックを提供することができる。
【0059】
各臨床医によって計画された直線進路と、本明細書に開示の実施形態に係る曲線進路は、技師によって9つの症例のそれぞれについて定められた。曲線進路は、直線進路と比較して改善をもたらすことが分かった。例えば、曲線進路では、より小さなアブレーション半径を用いても病変のカバレッジが大きくなる。
【0060】
図6(A)~図6(H)は、脳神経外科の研修医によって設計された直線進路と、MTLEの治療のために扁桃体及び海馬に到達するために手術で用いられる実際の進路とを示す。これらの進路では、変動が比較的少ないことを観察した。なぜなら、おそらく、MTLE症例では、進入点と標的点が、標的及び周囲の重要構造の形状と位置によって大きく制約を受けるからである。対照的に、図7に示される腫瘍への進路は、より多くの変動を示した。この場合、標的腫瘍へのアクセスは、それほど大きな制約を受けなかった。また、腫瘍が2次元で曲がっていたので、1回の直線挿入進路では腫瘍全体に到達することはできなかった。よって、臨床医は、異なる方針を用いて、カバレッジを最適化するために腫瘍のできるだけ多くの部分に到達するように試みた。
【0061】
進路プランニングに対する断言
システムを最適化するとともに、曲線進路の進路プランニングに要する時間及び技能を最低限に抑えるために、予備曲線進路を提供することができる。この予備曲線進路(直線セクションを含んでよく、1つ以上或いは2つ以上の連結された弧を含んでよい)は、臨床医によって変更されて、計画進路を提供することができる。よって、一部の実施形態では、予備曲線進路を作成するために、幾何学的要素を用いて標的エリア(例えば扁桃体、海馬その他の器官)までの進路が画定され、最初の提案進路の一部として用いられる。
【0062】
幾何学的要素は、例えば、中心線、表面、距離フィールド又はラベルマップであってよい。一実施形態では、幾何学的要素は、標的エリアの中心線である。例えば、標的構造をセグメント化することによって、標的ボリューム(例えば扁桃体と海馬の組合わせ)を決定することができる。次に、標的ボリュームの中心線を決定して、最初の提案進路(予備曲線進路)を指定することができる。更に、中心線から標的ボリュームの境界までの最小距離及び最大距離を、中心線に沿った各点で定めて、各点で初期アブレーション半径の境界を提供することができる。
【0063】
本実施形態では、レーザがその先端位置の周りの組織の球状ボリュームを切除すると仮定して、標的ボリュームの中心線によって、標的ボリュームのできるだけ多くの部分にアクセスするための合理的な進路が提供される。標的ボリュームの形状とその中心線は、3次元で複雑な曲率をもつ場合があるので、この最初の提案進路に、外科医が最初の提案進路に小さな変更を行えるようにする単純なGUIを設けることによって、最適な曲線進路を画定するタスクを大幅に簡素化することができる。
【0064】
一部の実施形態では、予備曲線進路は、連結された弧状構造と、手術用ロボット(図3(B)に示されるとともに本明細書に記載されるワイヤ駆動の多関節手術用ロボット等)の物理パラメータとに基づいて、計算される。このような手術用ロボットでは、セクション12、13、14、19の各々の長さと、最大曲率と、ロボットの各セクションの直径とが予め定められている。手術に用いられる特定の手術用ロボットの制限を用いて、予備曲線進路を制約できるので、当該進路の外科的再現が可能となる。一部の実施形態では、予備曲線進路の制約は、手術用ロボットによって可能になるよりも制限的である。例えば、潜在的な弧の曲率を、予備曲線進路の最大曲率のパーセンテージ(例えば70%、80%、90%)に限定して、あまり厳しくない初期ルートを提供し、曲率を上げて(臨床医によって示されるが、依然として手術用ロボットの物理パラメータの制約内にある場合)該進路を調節できるようにすることが好ましい可能性がある。制約は、単一のタイプの物理パラメータ(例えば様々な弧状セグメントの最大曲率)の制約であってもよいし、或いは、2つ以上の物理パラメータ(例えば様々な弧状セグメントの最大曲率及び長さ)の制約であってもよい。
【0065】
直線セグメント(もしあれば)の数と、連結された円弧の数は、使用される手術ロボットに基づいて固定されてもよいし、或いは臨床医によって調整可能であってもよい。例えば、2つの弧と1つの直線セグメントがあってもよいし、或いは3つの弧と1つの直線セグメントがあってもよい。他の実施形態では、4つ又は5つの弧を用いることができる。更に他の実施形態では、セグメントは、1つの弧と、直線セグメントと、次に別の弧状セグメントとを含んでよい。各弧状セグメントは、単一面に拘束された円弧を形成することができる。セグメントの数と、各セグメントの長さ及び最大曲率は、GUIでカスタマイズされる。2つの連続するセクションの接合部での接線は、進路が連続するように、等しい大きさをもつように制約される。
【0066】
予備曲線進路は、幾何学的要素(及び、任意に手術用ロボットの物理パラメータ)に基づいて自動的に、例えば標的構造の中心線として、計算することができる。別の例では、自動方法により、中心線に近い一連の円弧と直線セグメントが決定され得る。第3の例では、自動方法は、手術用ロボットの幾何学的制約や、曲線進路から回避すべき構造までの距離等、追加の制約又は目的を包含してよい。
【0067】
他の実施形態では、予備曲線進路は、例えば、プランニングシステムの最初の提案進路と、臨床医が最初の提案進路を変更できるようにするGUIとを提供することによって、半自動的に作成される。プランニングシステムは、医用画像と、標的ボリュームと、セグメント化された回避すべき構造と、回避すべき距離までの測定値と、標的ボリュームの到達可能量の測定値との観点から、進路の可視化を提供することができる。
【0068】
一部の実施形態では、臨床医がこの最初の事前経路を用いずに外科的曲線進路を作成する場合、進路の改良が複数の次元で制約され、進路の作成にかなりのスキルセット又は時間が必要となるので、予備曲線進路から始めることが有利である。
【0069】
予備曲線進路が計算された後、この進路を臨床医に示すことができ、臨床医には、該進路を変更して外科的曲線進路を作成する選択肢が与えられる。予備曲線進路の変更は、手術用ロボット(図3(B)に示されるとともに本明細書に記載されるワイヤ駆動の多関節手術用ロボット等)の物理パラメータに基づいて、外科的曲線進路を制限するように制約され得る。この手術用ロボットでは、セクション12、13、14、19の各々の長さと、ロボットの各セクションの最大曲率とが予め定められており、これらの物理パラメータを用いて、予備曲線進路及び/又は外科的曲線進路を制約することができる。
【0070】
手術用ロボットの物理パラメータに基づいて予備曲線進路と外科的曲線進路の両方を制約することができるが、これらの曲線進路の少なくとも一方を制約することもできる。手術に用いられる指定の手術用ロボットの物理パラメータを用いて、曲線進路の一方又は両方を制約することができるので、手術中の該進路の再現が最適化され、或いは少なくとも可能である。予備曲線進路と外科的曲線進路の少なくとも一方を、プロセスの任意のポイントで制約することができる。例えば、それは、中心線(又は他の幾何学的パラメータ)を画定した後や、臨床医が予備進路を外科的進路に変更した後、或いは、予備進路及び/又は外科的進路の形成時と同時に、発生し得る。外科的曲線進路について、ユーザに許容される変更は、手術用ロボットの物理パラメータに基づいて制約されてよい。或いは、ユーザ変更に対する制約は少なくてもよく、ユーザが変更を行った後に、手術用ロボットの制約に合うように外科的曲線進路を調節する追加のステップが発生してよい。これは、ユーザ変更とレビュー、及び/又は物理パラメータに基づく制約の追加の間の反復プロセスであってもよい。更に、一部の実施形態では、物理パラメータの1つ以上を用いてユーザ変更を制約することができ、他の物理パラメータは、プロセス中の異なる時点で含めることができる。
【0071】
予備曲線進路のみが手術用ロボットの物理パラメータによって制約される実施形態では、外科用曲線進路の作成に用いられる調整が、手術用ロボットの最適な性能から計画をどれだけ遠ざけたかを説明するためのパラメータを、臨床医に提供することができる。この最適な性能は、例えば手術用ロボットの実際の限界であってもよいし、或いは、例えば該性能のパーセンテージ(例えば弧状セグメントで利用可能な最大曲率の90%)であってもよい。
【0072】
扁桃体及び海馬を治療する方法
一部の実施形態では、側頭葉てんかん(TLE)の治療の方法が提供され、該方法では、扁桃体及び海馬が曲線軌道を用いて標的とされ、次いでLITT療法を用いて治療される。TLEの治療は既知であるが、本発明は、低侵襲の治療法を提供する。曲線経路により、湾曲可能機器の1回の挿入で扁桃体及び海馬の全体へのアクセスが提供されるので、必要なエリア全体をLITT療法によって切除することができる。更に、曲線経路により、進入点と扁桃体及び海馬との間の重要構造の回避が可能となる。
【0073】
扁桃体及び海馬におけるMTLE及び腫瘍アブレーションでは、直線進路よりも曲線進路の方が一貫して良好に機能することが分かった。曲線進路により、より小さなアブレーション半径でより良好な病変カバレッジが得られるので、周辺組織に対する損傷が少なくなる可能性がある。
【0074】
ソフトウェア関連の開示
図9(A)には、コンピュータシステム1200の様々なコンポーネントが提供される。コンピュータシステム1200は、中央処理装置(「CPU」)1201、ROM1202、RAM1203、通信インタフェース1205、ハードディスク(及び/又は他の記憶装置)1204、スクリーン(又はモニタインタフェース)1209、キーボード(又は入力インタフェース;キーボードに加えてマウス又は他の入力デバイスを含んでもよい)1210、及び前述のコンポーネントのうち1つ以上の間のBUS又は他の接続線(例えば、接続線1213)を含んでよい(例えば図9に示されるように)。加えて、コンピュータシステム1200は、前述のコンポーネントのうち1つ以上を備えてよい。例えば、コンピュータシステム1200は、CPU1201、RAM1203、入出力(I/O)インタフェース(通信インタフェース1205等)及びバスを含んでよく(コンピュータシステム1200のコンポーネント間の通信システムとして1つ以上の配線1213を含んでよい;1つ以上の実施形態では、コンピュータシステム1200と少なくともそのCPU1201は、1つ以上の配線1213を介して、本明細書で前述した1つ以上のコンポーネント或いはそれを用いるデバイス又はシステム(システム100、システム100'、システム100''及び/又はシステム100'''等)と通信してよい)、1つ以上の他のコンピュータシステム1200は、他の前述のコンポーネントの1つ以上の組合わせを含んでよい。CPU1201は、記憶媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を読み込んで実行するように構成される。コンピュータ実行可能命令は、本明細書に記載の方法及び/又は計算の実行のための命令を含んでよい。コンピュータシステム1200は、CPU1201に加えて1つ以上の追加のプロセッサを含んでよく、CPU1201を含む当該プロセッサは、それと併用されるか又は本明細書で論じられるソフトウェア、プランニングシステム及び湾曲可能カテーテルサブシステムと併用されるデバイス、システム又は記憶媒体の制御及び/又は製造に用いることができる。システム1200は、ネットワーク接続を介して(例えばネットワーク1206を介して)接続された1つ以上のプロセッサを更に含んでよい。CPU1201と、システム1200によって用いられている追加のプロセッサは、同じテレコムネットワーク内に配置されてもよいし、異なるテレコムネットワークに配置されてもよい(例えば、技術の実行、製造、制御及び/又は使用は、リモートで制御することができる)。
【0075】
I/Oインタフェース又は通信インタフェース1205は、入出力デバイスに通信インタフェースを提供し、入出力デバイスとしては、例えばMRIイメージングシステムのイメージングシステム又はイメージングデータベース、通信ケーブル及びネットワーク(有線又は無線)、キーボード1210、マウス(例えば図9(B)に示されるマウス1211を参照)、タッチスクリーン又はスクリーン1209、ライトペン等が挙げられる。モニタインタフェース又はスクリーン1209は、それに対する通信インタフェースを提供する。
【0076】
本開示の任意の方法及び/又はデータ(本明細書に記載されるようなプランニングの方法、該方法と併用される機器、システム又は記憶媒体の使用及び/又は製造、並びに/又は、プランニングシステムの方法、ソフトウェアの方法、及び、湾曲可能カテーテルサブシステムの制御の方法等)は、コンピュータ可読記憶媒体に格納することができる。本明細書に開示される方法のステップをプロセッサ(前述のコンピュータシステム1200のプロセッサ又はCPU1201等)に実行させるために、一般に使用されるコンピュータ可読及び/又は書込み可能な記憶媒体を用いることができる(例えば、ハードディスク(例えばハードディスク1204、磁気ディスク等)、フラッシュメモリ、CD、光ディスク(例えばコンパクトディスク(「CD」)、デジタル多用途ディスク(「DVD」)、Blu-ray(商標)ディスク等)、光磁気ディスク、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)(RAM1203等)、DRAM、リードオンリーメモリ(「ROM」)、分散コンピュータシステムのストレージ、メモリカード又は類似のもの(例えば不揮発性メモリカード、ソリッドステートドライブ(SSD)(図9(B)のSSD1207を参照)、SRAM等の他の半導体メモリ)、それらの任意の組合せ、サーバ/データベース等のうち1つ以上)。コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体であってよく、かつ/又は、コンピュータ可読媒体は、一時的であり信号を伝搬していることを唯一の例外として、全てのコンピュータ可読媒体を含んでよい。コンピュータ可読記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ等、所定の期間、限定された期間又は短期間に、かつ/又は電源の存在下でのみ、情報を格納するメディアを含んでよい。本開示の実施形態は、記憶媒体(より完全には「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」と呼ぶこともできる)に記録されたコンピュータ実行可能命令(例えば1つ以上のプログラム)を読み出し実行して、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行し、かつ/又は、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行するための1つ以上の回路(例えば特定用途向け集積回路(ASIC))を含むシステム又は装置のコンピュータによって実現することもできるし、また、システム又は装置のコンピュータが、記憶媒体からコンピュータ実行可能命令を読み出し実行して、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行すること、及び/又は1つ以上の回路を制御して、前述の実施形態のうち1つ以上の機能を実行することによって実行される方法によって実現することもできる。
【0077】
本開示の少なくとも1つの態様によれば、前述の方法、デバイス、システム、及びプロセッサ(前述のコンピュータ1200のプロセッサ、コンピュータ1200'のプロセッサ等)に関連付けられたコンピュータ可読記憶媒体は、図に例示されるような適切なハードウェアを利用して達成することができる。本開示の1つ以上の態様の機能は、図9(A)に示されているような適切なハードウェアを利用して達成することができる。そのようなハードウェアは、標準のデジタル回路、ソフトウェア及び/又はファームウェアプログラムを実行するように動作可能な既知のプロセッサのいずれか、1つ以上のプログラム可能なデジタルデバイス又はシステム(プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、プログラマブルアレイロジックデバイス(PAL)等)のような、既知の技術を利用して実装することができる。CPU1201(図9(A)又は図10(B)に示される)は、1つ以上のマイクロプロセッサ、ナノプロセッサ、1つ以上のグラフィックスプロセシングユニット(「GPU」、ビジュアルプロセシングユニット(「VPU」)とも呼ばれる)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、又は他のタイプの処理コンポーネント(例えば特定用途向け集積回路(ASIC))を含んでもよく、かつ/又はそれから成ってもよい。更に、本開示の様々な態様は、適切な記憶媒体(例えばコンピュータ可読記憶媒体、ハードドライブ等)又は輸送性及び/又は配布のための媒体(フロッピーディスク、メモリチップ等)に格納することのできるソフトウェア及び/又はプログラムによって実装することができる。コンピュータは、コンピュータ実行可能命令を読み出して実行するための別個のコンピュータ又は別個のプロセッサのネットワークを含んでよい。コンピュータ実行可能命令は、例えばネットワークク又は記憶媒体から、コンピュータに提供することができる。
【0078】
前述のように、図9(B)には、コンピュータ又はコンソール1200'の代替実施形態のハードウェア構造が示されている。コンピュータ1200'は、中央処理装置(CPU)1201、グラフィックスプロセシングユニット(GPU)1215、ランダムアクセスメモリ(RAM)1203、ネットワークインタフェースデバイス1212、操作インタフェース1214(ユニバーサルシリアルバス(USB)等)及びメモリ(ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ(SSD)1207等)を含む。好ましくは、コンピュータ又はコンソール1200'は、ディスプレイ1209を含む。コンピュータ1200'は、操作インタフェース1214又はネットワークインタフェース1212を介して、システム(例えばシステム100、システム100'、システム100''、システム100'''等)の1つ以上の他のコンポーネントと接続することができる。例えば、コンピュータ1200'は、湾曲可能カテーテルサブシステムの動作を制御する1つ以上のアクチュエータに接続することができる。操作インタフェース1214は、マウスデバイス1211、キーボード1210、湾曲可能カテーテルサブシステムのコントローラ、及び/又はタッチパネルデバイス等の操作ユニットと接続される。コンピュータ1200'は、各コンポーネントの2つ以上を含んでよい。或いは、CPU1201又はGPU1215は、コンピュータ(コンピュータ1200、コンピュータ1200'等)の設計に応じて、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)又は他の処理ユニットによって置換することができる。
【0079】
コンピュータプログラムはSSD1207に格納されており、CPU1201は、プログラムをRAM1203にロードし、プログラムの命令を実行して、基本的な入力、出力、計算、メモリ書込み及びメモリ読出しのプロセスだけでなく、本明細書に記載の1つ以上のプロセスを実行する。
【0080】
コンピュータ(コンピュータ1200、1200'等)は、プランニング及び/又はインターベンション療法を実施するために、イメージングシステム、プランニングシステム及び湾曲可能カテーテルサブシステム、並びにシステム(システム100、100'、100''、100'''等)の1つ以上の他のコンポーネントと通信する。モニタ又はディスプレイ1209は、再構成された画像を表示し、また、イメージング条件又はイメージング対象の物体に関する他の情報を表示することができる。また、プランニング又は実装中にユーザがシステム(例えばシステム100、システム100'、システム100''、システム100'''等)を操作するとともに、ナビゲーションを行い、例えば進入点や標的ボリュームを任意に変更し、或いは予備曲線軌道を変更するためのユーザインタフェースが提供される。操作信号は、操作ユニット(例えばマウスデバイス1211、キーボード1210、タッチパネルデバイス等)からコンピュータ1200'の操作インタフェース1214に入力され、操作信号に対応して、コンピュータ1200'はシステム(例えばシステム100、システム100'、システム100''、システム100'''等)に命令する。
【0081】
定義
説明に言及する際、開示する例を完全に理解できるようするために、具体的な詳細が記載される。他の例では、本開示を不必要に長くしないように、周知の方法、手順、コンポーネント及び回路は、詳細には説明されない。
【0082】
当然のことながら、要素又は部品が他の要素又は部品に関して「~上に」、「~に対して」、「~に接続される」、或いは「~に結合される」と言及される場合、それは、当該他の要素又は部品に対して直接的に上にあってよく、対してよく、接続されてよく、或いは結合されてよく、又は、介在する要素又は部品が存在してもよい。対照的に、ある要素が別の要素又は部品に関して「直上にある」、「直接接続される」又は「直接結合される」と言及されるとき、介在する要素又は部品は存在しない。使用される場合、「及び/又は」という語句は、そのように提供される場合、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組合わせを含む。
【0083】
様々な図に示されるようなある要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係を説明するための記述を簡易にするために、本明細書では、「下」、「真下」、「下方」、「低い」、「上方」、「上」、「近位」、「遠位」等の空間的な相対語が使用される場合がある。ただし、当然のことながら、空間的な相対語は、図に示されている向きに加えて、使用中又は動作中の機器の様々な向きを包含することが意図される。例えば、他の要素又は特徴の「下方」又は「真下」にあると記述されている要素は、図中の機器が裏返されると、当該他の要素又は特徴の「上方」に向けられることになる。よって、「下方」等の相対的な空間用語は、上と下の両方の向きを包含することができる。機器は、他の方法で方向付けられてもよく(90度回転又は他の方向に)、本明細書で使用される空間的な相対的記述子は、それに応じて解釈されるべきである。同様に、相対的な空間用語「近位」と「遠位」も、該当する場合、交換可能である場合がある。
【0084】
本明細書で使用される「約」という用語は、例えば10%以内、5%以内又はそれ未満を意味する。一部の実施形態では、「約」という用語は、測定誤差内を意味することがある。
【0085】
本明細書では、様々な要素、コンポーネント、領域、部品及び/又は部分を説明するために、第1、第2、第3等の用語が使用される場合がある。当然のことながら、これらの要素、コンポーネント、領域、部品及び/又は部分はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素、コンポーネント、領域、部品又は部分を別の領域、部品又は部分から区別するためにのみ使用されている。よって、後述する第1の要素、コンポーネント、領域、部品又はセクションは、本明細書の開示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、部品又はセクションと呼ぶことができる。
【0086】
「実質的に」という用語は、意図された目的に悪影響を及ぼさない、記述子からの逸脱を許容することを意味する。例えば、臨床医が計画経路をたどる能力の限界による逸脱や、製造公差内の差。5%未満の変動は、実質的に同じ範囲内にあると見なすことができる。指定された記述子は、絶対値(例えば、実質的に球形、実質的に垂直、実質的に同心等)又は相対語(例えば、実質的に類似、実質的に同じ等)であり得る。
【0087】
本明細書において用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的のものにすぎず、限定することを意図するものではない。本明細書において用いられる場合、単数形は、文脈上明確に別段の指示がない限り、複数形も含むことを意図している。更に、当然のことながら、「含む」という用語は、本明細書において用いられる場合、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、明示的に記載されていない1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。
【0088】
図面に示された例示の実施形態を説明する際、分かりやすくするために、具体的な専門用語が使用される。しかしながら、本特許明細書の開示はそのように選択された具体的な専門用語に限定されることを意図するものではなく、当然ながら、具体的な要素の各々は、同様に機能する技術的な均等物を全て含む。
【0089】
本開示は、例示の実施形態を参照して説明されたが、当然のことながら、本開示は、開示された例示の実施形態に限定されない。以下の特許請求の範囲は、そのような変更並びに均等の構造及び機能を全て包含するように、最も広い解釈が与えられるべきである。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランニング及び可視化を行う機器の制御方法であって、
前記機器のプロセッサが、医用画像内で進入点及び標的ボリュームを特定するステップと、
前記プロセッサが、前記標的ボリュームの幾何学的要素に基づいて、前記進入点と前記標的ボリュームの間で予備曲線進路を画定するステップであって、前記予備曲線進路は少なくとも2つのセグメントを含み、前記少なくとも2つのセグメントのうちの少なくとも1つは弧状セグメントである、画定するステップと、
前記プロセッサが、ユーザ入力に基づいて前記予備曲線進路を変更して、外科的曲線進路を形成するステップと、
前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つ、手術ロボットの物理パラメータによって制約されると、前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つを前記プロセッサが表示部に表示し、前記プロセッサが前記表示部に前記標的ボリュームを表示するステップと、
を含む制御方法。
【請求項2】
前記予備曲線進路は、2つ以上の連結された弧状セグメントと、少なくとも1つの直線セグメントとを含む、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記外科的曲線進路は、2つ以上の連結された弧状セグメントと、少なくとも1つの直線セグメントとを含む、
請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
前記直線セグメントは、前記弧状セグメントと前記進入点の間で連結される、
請求項2に記載の制御方法。
【請求項5】
前記予備曲線進路は、3つ以上の連結された弧状セグメントと、前記弧状セグメントと前記進入点の間で連結された1つの直線セグメントとを含む、
請求項2に記載の制御方法。
【請求項6】
前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路は、前記手術ロボットの前記物理パラメータによって制約される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項7】
前記予備曲線進路は、前記標的ボリュームの中心線に基づく、
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項8】
前記予備曲線進路を変更して外科的曲線進路を形成するステップは、1つ以上の弧状セグメントの曲率半径又は曲げ角度を変更するためのユーザ入力を前記プロセッサが受け取るステップを含む、
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項9】
前記ユーザ入力は、表示された前記予備曲線進路に対する微調整を含む、
請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記ユーザが前記予備曲線進路を変更するときに、前記ユーザに対して前記幾何学的要素を表示するステップ、を更に含む、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項11】
前記外科的曲線進路及び前記標的ボリュームは、前記医用画像の表示に重ね合わせて前記表示部に表示される、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項12】
前記予備曲線進路又は前記外科的曲線進路から前記標的ボリュームの境界までの、当該曲線進路に沿った複数の点での最小距離及び/又は最大距離を、前記プロセッサが前記表示部に表示するステップ、
を更に含む、請求項1に記載の制御方法。
【請求項13】
隣接する弧の間の接続点は、隣接する弧の両方の1つの接線を含む、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項14】
前記弧状セグメントは、円弧状セグメントである、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項15】
前記標的ボリュームは、腫瘍、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経及び脳幹のうちの少なくとも1つである解剖学的物体の3次元モデルである、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項16】
曲線進路のプランニング及び可視化のためのシステムであって、
コンピュータによって実装されるプランニング及び可視化のサブシステムを備え、前記プランニング及び可視化のサブシステムは、
医用画像内で進入点及び標的ボリュームを特定することと、
前記標的ボリュームの幾何学的要素に基づいて、前記進入点と前記標的ボリュームの間で予備曲線進路を画定することであって、前記予備曲線進路は少なくとも2つのセグメントを含み、前記少なくとも2つのセグメントのうちの少なくとも1つは弧状セグメントである、画定することと、
前記予備曲線進路を変更するとともに外科的曲線進路を形成するためのユーザ入力を受け取ることであって、前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つは、手術ロボットの物理パラメータによって制約される、受け取ることと、
前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つを表示し、前記標的ボリュームを表示することと、
を実行するように構成される、システム。
【請求項17】
前記予備曲線進路は、2つ以上の連結された弧状セグメントと、少なくとも1つの直線セグメントとを含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路は、前記手術ロボットの前記物理パラメータによって制約される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記予備曲線進路は、前記標的ボリュームの中心線に基づく、
請求項16~18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記予備曲線進路及び前記標的ボリュームは、前記医用画像に重ね合わせて表示される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記弧状セグメントは、3次元空間において弧パラメータによって画定され、当該弧パラメータは、弧長と、曲率半径と、曲げ角度と、湾曲面とのうちの少なくとも2つを含む、
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記標的ボリュームは、腫瘍、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経、脳溝及び脳幹のうちの少なくとも1つである解剖学的物体の3次元モデルである、
請求項16に記載のシステム。
【請求項23】
前記進入点及び前記標的ボリュームの特定と、前記予備曲線進路の変更に関して、ユーザ情報を入力するように構成されたユーザインタフェースを更に備える、
請求項16に記載のシステム。
【請求項24】
前記プランニング及び可視化のサブシステムは、ユーザインタフェースを介したユーザ入力に基づいて、前記進入点と、前記標的ボリュームと、前記予備曲線進路とのうちの少なくとも1つを修正するように構成される、
請求項16に記載のシステム。
【請求項25】
少なくとも請求項1に記載の方法を実行するように構成された、コンピュータによって実装されるプランニング及び可視化のサブシステムと、
2つ以上の湾曲セクションを備える手術ロボットと、
を備える、医用プランニング及び実施のシステムであって、
2つ以上の前記弧状セグメントの弧長は、前記2つ以上の湾曲セクションの長さと実質的に同じである、
医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項26】
前記曲線進路は、2つ以上の連結された弧状セグメントと、前記2つ以上の弧状セグメントの近位に位置する少なくとも1つの直線セグメントとを含み、湾曲可能医療機器は、2つ以上の湾曲可能セクションと、少なくとも1つの直線近位セクションとを有する、
請求項25に記載の医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項27】
前記曲線進路及び前記標的ボリュームは、前記医用画像に重ね合わせて表示される、
請求項25に記載の医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項28】
前記標的ボリュームは、腫瘍、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経及び脳幹のうちの少なくとも1つである解剖学的物体の3次元モデルである、
請求項25に記載の医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項29】
前記進入点及び前記標的ボリュームの特定と、前記予備曲線進路の変更に関して、ユーザ情報を入力するように構成されたユーザインタフェースを更に備える、
請求項25に記載の医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項30】
前記プランニング及び可視化のサブシステムは、ユーザインタフェースを介したユーザ入力に基づいて、前記進入点及び前記標的ボリュームのうちの少なくとも1つを修正するように構成される、
請求項25に記載の医用プランニング及び実施のシステム。
【請求項31】
機器の制御方法であって、
前記機器のプロセッサが、患者の医用画像内で進入点を特定するステップと、
前記プロセッサが、前記進入点と扁桃体及び海馬の幾何学的要素との間で予備曲線進路を画定するステップであって、前記予備曲線進路は少なくとも2つのセグメントを含み、前記少なくとも2つのセグメントのうちの少なくとも1つは弧状セグメントである、画定するステップと、
前記プロセッサが、ユーザ入力に基づいて前記予備曲線進路を変更して、外科的曲線進路を形成するステップであって、前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つは、手術ロボットの物理パラメータによって制約される、形成するステップと、
前記プロセッサが、前記予備曲線進路及び前記外科的曲線進路のうちの少なくとも1つを表示し、標的ボリュームを表示するステップと、
を含み、
前記外科的曲線進路は、2つ以上の湾曲セクションを備える前記手術ロボットが前記外科的曲線進路に沿って施すための進路である
制御方法。
【請求項32】
前記幾何学的要素は、前記扁桃体及び海馬の中心線である、
請求項31に記載の制御方法。
【請求項33】
前記外科的曲線進路は、2つ以上の連結された弧と、直線セグメントとを含む、
請求項31に記載の制御方法。
【請求項34】
前記手術ロボットの前記2つ以上の湾曲セクションの長さは、前記外科的曲線進路の前記2つ以上の弧状セグメントの弧長と実質的に同じである、
請求項33に記載の制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に対する、脳インターベンション用の改良されたプランニングソフトウェアの表示を示す。
図2図2(A)及び図2(B)は、弧状セグメント2及びその弧のパラメータを示す図である。1つの弧状セグメントは、両端に接続点4、5をもつ円弧である(図2(A))。この弧状セグメント2は、XYZ座標系において角度uを成す平面A上にあり、原点は接続点の1つにあり、Z方向は弧状セグメント2の接線である。角度uは、弧パラメータのひとつであり、湾曲面と呼ばれる。
図3-1】図3(A)及び図3(B)は、本発明の第2の実施形態に対する湾曲可能カテーテルサブシステムを示す。
図3-2】図3(C)は、遠位端と近位端の間の3つの弧状セグメントと1つの直線セグメントを示す図である。図3(D)は、同様の曲線を示すが、ロボットカテーテルモデルのモデル内である。
図4-1】図4(A)~図4(H)は、レーザアブレーション療法用のプランニングシステムの様々な実施形態を用いたスクリーンショットであり、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経及び脳幹がセグメント化された例示のLTE症例を示す。
図4-2】図4(I)~図4(P)は、レーザアブレーション療法用のプランニングシステムの様々な実施形態を用いたスクリーンショットであり、扁桃体、海馬、血管、脳室、視索、視交叉、視神経及び脳幹がセグメント化された例示のLTE症例を示す。
図5図5(A)~図5(D)は、例示の腫瘍症例のプランニングシステムの実施形態のスクリーンショットであり、腫瘍、脳室、脳幹、機能的言語領域(fMRIによる)及び白質路(dMRIによる)がセグメント化されている。
図6-1】 図6(A)、図6(C)、図6(E)、図6(G)は、脳神経外科の研修医によって設計された直線進路の3つのビューを示す。
図6-2】 図6(B)、図6(D)、図6(F)、図6(H)は、脳神経外科の研 修医によって設計された直線進路の3つのビューを示す。
図7図7は、図6(A)~図6(H)に示される設計段階の後に、MTLEの治療のために扁桃体及び海馬に到達するために手術で用いられる実際の進路を示す。
図8-1】図8(A)~図8)は、扁桃体及び海馬における側頭葉てんかんのカバレッジについて、図7の外科的進路のカバレッジを示すチャージである(TLE1右(図8(A))及びTLE1左(図8(B))。
図8-2】 図8(C)は、腫瘍カバレッジを示す
図9図9(A)は、本発明の少なくとも1つの装置、システム、方法及び/又は記憶媒体の1つ以上の実施形態と併用できるコンピュータの実施形態の概略図を示す。図9(B)は、本開示の1つ以上の態様に係る、本発明の少なくとも1つの装置、システム、方法及び/又は記憶媒体の1つ以上の実施形態と併用できるコンピュータの別の実施形態の概略図を示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図5
図6-1】
図6-2】
図7
図8-1】
図8-2】
図9
【国際調査報告】