(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】棚のための締結要素
(51)【国際特許分類】
A47B 96/06 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
A47B96/06 B
A47B96/06 H
A47B96/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543446
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 IB2021051058
(87)【国際公開番号】W WO2021161175
(87)【国際公開日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】102020000002677
(32)【優先日】2020-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522283228
【氏名又は名称】ボルトルッツィ システミ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】スポンガ,ブルーノ
(57)【要約】
締結要素(10;100;200)は、棚(M)を家具品目の区画の内側に締結するよう説明される。棚の側面には空洞(52)が装備され、空洞(52)は使用中に垂直であり、下方に面した開口部と、例えば下方に面した開口部に下部当接部(54)とを備える。締結要素は、片持ち梁式に延び、例えばその自由端に制止歯状部(22)が装備された可撓性要素(20)を備え、締結要素は、上記の下方に面した開口部を介して空洞の内側に挿入可能なように構成され、それによって制止歯状部(22)は当接部(54)と係合し、棚が内面に対して持ち上がるのを防止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚(M)を家具品目の区画の内面に締結するための締結要素(10;100;200)であって、前記棚の側面には、使用中に垂直である空洞(52)が装備され、
前記空洞は、
下方に面した開口部と、
例えば下方に面した前記開口部における、下部当接部(54)と、
を備え、
前記締結要素は、
片持ち梁式に延びて、例えばその自由端において制止歯状部(22)が装備された、可撓性要素(20)を備え、
前記締結要素は、下方に面した前記開口部を介して前記空洞の内側に挿入可能に構成され、それによって前記制止歯状部(22)は前記当接部(54)と係合して、前記棚が前記内面に対して持ち上がるのを防止する、締結要素。
【請求項2】
前記締結要素の側部において、
前記棚の前記側方開口部の縁部に対して実質的に相補的である、第1の側縁部(30)と、
前記第1の縁部よりも大きい幅を有し、前記第1及び第2の縁部間に周辺段差(37)を形成する、第2の側縁部(32)と、
を備える、請求項1に記載の締結要素。
【請求項3】
使用中に上部にある部分を備え、前記上部分は、前記区画を固定するための貫通穴(14)が装備される、請求項2に記載の締結要素。
【請求項4】
前記上部分は、例えば凸状で少なくとも半円形の周縁部を備え、前記周縁部は、第1の縁部(30)及び第2の縁部(32)を備え、前記第2の縁部は、
前記第1の縁部よりも大きい幅を有し、前記第1及び第2の縁部間に段差(36)を形成し、
前記上部分の前記段差(36)は、前記棚の前記空洞の外形に当接するよう構成される、請求項3に記載の締結要素。
【請求項5】
使用中に上部にある部分であって、凹状で例えば少なくとも半円形の周縁部を伴い、前記周縁部は、第1の縁部(132)及び第2の縁部(130)を備え、前記第2の縁部は前記第1の縁部よりも大きい幅を有し、前記第1及び第2の縁部間に段差(136)を形成する、上部分と、
前記棚のための補助的支持要素(190)であって、
前記区画に対して可撓性で、
前記上部分の段差に対して相補的な段差(192、194)を備え、
それぞれの前記段差間で、形状連結によって前記上部分と連結可能である、
補助的支持要素(190)と、
を備える、請求項2に記載の締結要素(100)。
【請求項6】
2つの平行で離隔されたセグメント(16)を備え、
前記可撓性要素は、前記2つのセグメント間に設置され、前記セグメントから突出し、かつ前記セグメントに対して平行であり、
各平行のセグメントは、前記第1及び第2の縁部が存在する、最も外側の縁部を有する、請求項1~5のうちいずれか一項に記載の締結要素。
【請求項7】
前記第1及び第2の縁部は、前記締結要素のための周辺段差(37)を形成し、前記周辺段差は、前記制止歯状部が突出する面に載る、請求項1~6のうちいずれか一項に記載の締結要素。
【請求項8】
それぞれの平行でオフセットした面で見ると、異なる幅を有する2つの断面を備え、両端の縁部における一方の断面は、前記第1の縁部と一体化し、両端の縁部における他方の断面は、前記第2の縁部と一体化する、請求項1~7のうちいずれか一項に記載の締結要素。
【請求項9】
棚、及び、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の締結要素の組立方法であって、前記締結要素は、例えばスナップ作用で当接面に係合するよう、制止歯状部を位置付ける下方に面した開口部を介して、空洞の内側に挿入される、組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具品目の棚または棚ユニット用の締結システム、及びこのシステムの構成要素に関する。本発明は、家具品目の区画の内面で、遮断可能である棚を締結するための要素にも関する。棚は、トレイ、容器、引出し、またはボードも意味する。
【背景技術】
【0002】
家具品目またはキャビネットは、棚が取付けられ、それらの棚は、水平に摺動せず取り外し可能ではないことが多く、すなわち棚は家具の壁に固定されることが、知られている。経済性及び組立の容易さのために、固定は、壁から突出したピンと、棚の対応した垂直凹状部との間で成される。
【0003】
明白である最大の欠点は、棚の重量のみで棚を家具品目に留めるので、棚が予期せず持ち上げられる場合があることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当技術分野のこの状況を改善することが、本発明の主な目標であり、それは添付の特許請求の範囲において定義され、その中で従属請求項は有利な変形を定義する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
締結要素は、家具品目の区画における内面で遮断可能な棚を締結することが提案され、棚の側面は、
使用中に下方に面した開口部と、
例えば下方に面した開口部における下部当接部と、を備えた空洞を有し、
締結要素は、
片持ち梁式に延びて、例えば自由端において制止歯状部が装着された、可撓性要素を備え、
上記の下方に面した開口部を介して、例えばスナップ留めによって、歯状部が上記の当接部を係合するよう、空洞の中に(使用中に垂直方向に)挿入可能となるよう構成される。
【0006】
好ましい変形において、締結要素は家具品目に固定され、棚を受ける。詳細には、締結要素は区画の内面に固定される。
【0007】
本発明の別の態様は、家具品目の区画における内面に遮断可能な棚、及び上記の締結要素を備えたシステム(または構成要素のキット)に関する。
【0008】
本発明の別の態様は、上記の棚及び上記の締結要素の組立方法に関し、締結要素は、上記の下方に面した開口部を介して、例えばスナップ留めなどで、上記の当接部に係合するよう歯状部を位置付けることによって、空洞の中に(使用中に垂直方向に)挿入される。空洞の中への締結要素の挿入は、相対運動であり、2つのうちの他方を固定したまま、一方のみを動かすことによって実現され得る。
【0009】
本発明のこれらの態様によって、制止歯状部と当接部との間の協働により、棚が支持部材から予期せず持ち上がって外れるのを防止する。
【0010】
追加として、棚は製作が簡単で、区画の内側における組立てが迅速かつ容易である。
【0011】
本発明のそれらの態様における、いくつかの好ましい変形が以下にあり、それは単独または互いに組合わせて利用することができる。
【0012】
詳細には、締結要素は、棚を支持するための支持機能を伴う構成要素も備え得る。
【0013】
詳細には実質的に垂直及び/または収束する縁部である、縁部で区切られた側方開口部を有する棚のために、締結要素は、好ましくは側部に、
側方開口部の縁部に対して実質的に相補的である、第1の側縁部と、
第1の縁部よりも大きい幅を有し、第1及び第2の縁部間に段差を形成する、第2の側縁部と、
を備える。
【0014】
このように、部品の反対側によって保持することで、側方に抜け出すのを回避するため、第1の縁部を、側方開口部の上記の縁部間に位置付けることができ、かつ第2の縁部を、側方開口部の上記の縁部における背後の空洞内に位置付けることができる。
【0015】
締結要素は、使用中における上部分を備え、その1つの変形は、
-例えばネジによる区画への締結のための貫通穴と、
-第1の縁部及び第2の縁部を備えた、例えば凸状及び/または少なくとも半円形の周縁部であって、第2の縁部は第1の縁部よりも大きい幅を有し、第1と第2の縁部間に段差を形成し、上部分のこの段差は、空洞の外形に当接する、周縁部と、を備える。
【0016】
この段差は、上部分が棚の空洞外形に当接するとき、棚を保持及び/または支持するよう作用し得る。
【0017】
締結要素の変形は、使用中に、凹状で例えば少なくとも半円形の周縁部が設けられた、使用中における上部分を備える。周縁部は、第1の縁部及び第2の縁部を備え、第2の縁部は、第1の縁部よりも大きい幅を有し、第1及び第2の縁部間に段差を形成し、
区画に対して可撓性である、棚を支持するための補助的要素は、
上部分の段差と相補的な段差を備え、かつ、
それぞれの段差間で、形状連結によって上部分と連結可能である。
【0018】
一般的に、上記の第1及び第2の縁部は、締結要素における1つの同じ個々の部品に存在し得るか、または組立中に互いに連結され得る分離した部品に存在し得る。変形において、第1及び第2の縁部は、締結要素の上部分、及び/または締結要素の異なる部品に存在する。または、上部分は、第1及び第2の縁部を備えた補助的要素に含まれ、それが締結要素に連結され、締結要素に支持機能を与える。詳細には、第1及び第2の縁部は、区画に締結要素を固定するために使用される、ワッシャまたは締結部材に含まれ得る。この締結部材は、好ましくはネジ、及び/または好ましくは上記の貫通穴に取付けられる。
【0019】
上部分は、中央に穴が開けられ、第1及び第2の縁部を備えた、例えば少なくとも半円形及び/または凸状の周縁部が設けられた部分、とし得る。または、上部分は、穴が無く、第1及び第2の縁部を備えた、凹状で例えば(ネジのステム部及びヘッド部を受けるための)少なくとも半円形の周縁部が設けられた部分、とし得る。
【0020】
好ましくは、上記の第1及び第2の縁部によって形成された段差、及び上記の第1及び第2の縁部によって形成された段差は、他方が延長したものである。
【0021】
垂直の空洞は、上方に開いているか、または上方に閉じている。
【0022】
空洞の上記の縁部は、好ましくは上方へのテーパーが付いており、第1の縁部と空洞の縁部との間に楔を作り出し、それに対応して、第1の縁部はそれらの空洞に対して平行ではないが、整合するよう収束する。
【0023】
上記の上部分は、垂直の空洞の天井に対して当接し、追加の支持を提供し得る。
【0024】
これらの構成において、締結要素は、側方開口部の縁部及び/または棚を支持するものによって保持を保たれることが、常に保証される。
【0025】
上記の下部当接部は、例えば、構造の簡略化のために垂直の空洞の端部とし得るか、または空洞自体が同様に凹状部を備え、その縁部が当接部を形成する。
【0026】
詳細には、上記の当接部及び/または空洞の縁部もしくは凹状部の縁部は、水平である。
【0027】
締結要素は、好ましくは2つの平行で離隔されたセグメントを備え、
可撓性要素は、これら2つのセグメント間に位置付けられ、それらから片持ち梁式に、かつ平行に突出し、
各平行セグメントは、上記の第1及び第2の縁部のような縁部が存在する、最も外側の縁部を有する。
【0028】
詳細には、可撓性要素は、上部分から片持ち梁式に延びるか、または上記の第1及び第2の縁部を備えた本体から、片持ち梁式に延びる。
【0029】
変形において、可撓性要素は、(もしあるなら)貫通穴の軸に対して直交した面内に載る。詳細には、歯状部は、(もしあるなら)貫通穴の軸に対して平行に延びる。
【0030】
機械的堅固さを最大にするために、可撓性要素は、使用中に上部分から垂直に延び、かつ空洞または凹状部の上記の縁部は、水平方向に延びる。
【0031】
締結部材または上記の本体は、好ましくは、2つの平行で離隔されたセグメントを備え、可撓性部材は、これら2つのセグメント間に設置され、かつそれらに対して平行である。
【0032】
2つの平行セグメントの変形は、上部分から延びるか、または他の変形において、上記の本体に含まれる。
【0033】
上記の平行セグメント及び/または上部分の外側縁部は、上記の第1及び第2の縁部のように構成され得る。
【0034】
第1及び第2の縁部は、周辺部の段差を形成する。第1及び第2の縁部が上部分に存在する場合、好ましくは周辺部の段差は、少なくとも90°、好ましくは180°の弧に沿って、(もしあるなら)貫通穴の軸の周り、または虚軸の周りに延びる。
【0035】
第2の縁部は、周囲または周辺の端部を画定する。この端部は、空洞外形の幅よりも大きく、棚を保持及び/または支持するために有用である。好ましくは、周囲または周辺の端部は、制止歯状部が突出する面に載る。好ましくは、この空洞は、周辺の端部を受けるための相補的なアンダーカットを備える。
【0036】
詳細には、上記の周辺段差を作るために、締結要素の一部または本体は2つの断面を有する。それらは、互いに対して平行で、(もしあるなら)貫通穴の軸に対してオフセットかつ直交したそれぞれの面で見ると、異なる幅を有する。
【0037】
好ましくは、締結部材は、(もしあるなら)上部分の反対にある2つの平行セグメントの端部と一体化した、平坦部材を備える。この平坦部材は、(もしあるなら)貫通穴の軸に対して実質的に平行な面に延びる。そうでなければ、2つの平行セグメントの端部と一体化した平坦要素は、平行セグメントの延長軸に対して実質的に直交した面内に延びる。平坦要素は、棚の空洞のための、支持及び/または閉塞機能を有し得る。
【0038】
好ましくは、可撓性要素には、例えばその自由端において、上部分に対して反対方向に延びた第2の歯状部が装着される。第2の歯状部は、例えばツールで押されたときに、制止歯状部の解放を容易にする。
【0039】
棚における垂直の空洞は、金属製棚の側部に直接作られてもよく、または特に棚の側部に金属もしくはプラスチック形材が存在する事例において、金属製の側部を用いて作られてもよい。木製棚の側部に直接垂直の空洞を作ることは、より困難であるので、変形として上記の垂直の空洞は、棚の側部に付けられた挿入部に含まれる。詳細には、挿入部は、上記で画定したような垂直の空洞、特に下方及び側方に開かれ、上方に閉じられ、かつ上記の下部当接部を備えた、垂直の空洞を備え、及び/または形成する。詳細には、挿入部は、垂直の空洞のための、上述した1つまたは各々の変形を備える。詳細には、挿入部は、垂直の空洞と、本体からこの空洞の垂直延長に対して直交方向に突出して延びた、ネジ山付きピンと、の境界を定める本体を備え得る。
【0040】
締結要素は、プラスチック、木材、または金属シートを曲げることによって、製造することができる。
【0041】
本発明の利点は、添付の図面を参照して、システムの好ましい例における以下の説明から、より明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図4】IV-IV面に沿った、
図1の締結要素の垂直断面図である。
【
図5】
図1の締結要素における変形の立面図である。
【
図6】
図1の締結要素の取付けシーケンスを示す図である。
【
図7a】
図1の締結要素の取付けシーケンスを示す図であり、
図7a及び
図7bの対は、同じ取付け構成を示し、
図7aは断面図である。
【
図7b】
図1の締結要素の取付けシーケンスを示す図であり、
図7a及び
図7bの対は、同じ取付け構成を示し、
図7bは斜視図である。
【
図8a】
図1の締結要素の取付けシーケンスを示す図であり、
図8a及び
図8bの対は、同じ取付け構成を示し、
図8aは断面図である。
【
図8b】
図1の締結要素の取付けシーケンスを示す図であり、
図8a及び
図8bの対は、同じ取付け構成を示し、
図8bは斜視図である。
【
図9a】
図1の締結要素の取付けシーケンスを示す図であり、
図9a及び
図9bの対は、同じ取付け構成を示し、
図9aは断面図である。
【
図9b】
図1の締結要素の取付けシーケンスを示す図であり、
図9a及び
図9bの対は、同じ取付け構成を示し、
図9bは斜視図である。
【
図16】
図1の締結要素における変形の立面図である。
【
図17】
図1の締結要素における変形の立面図である。
【
図18】
図16の締結要素及び組立てられた棚の、垂直断面図である。
【
図19】
図1の締結要素における変形の立面図である。
【
図20】
図1の締結要素における変形の立面図である。
【
図21】
図1の締結要素における変形の立面図である。
【
図22】
図19の締結要素及び組立てられた棚の、垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図面において、同じ番号は、同じまたは概念的に類似の部分を示し、要素は使用中として説明する。様々な変形における、等しいか、または実質的に等しい部分は、100桁の数字を加えて示す。
【0044】
図面を煩雑にしないために、いくつかの参照番号は省略する。
【0045】
棚Mをキャビネット区画(図示せず)の内面S(
図6~
図9b、
図13~
図15、
図18、及び
図22)に締結するためのシステム(または構成要素のキット)は、棚M、ならびに締結及び支持要素10(
図1)を備える。
【0046】
要素10は、ネジVまたは面Sに対する同等の固定手段のために、X軸を有する貫通穴14が設けられた、上部分12を備える(
図6または
図13参照)。
【0047】
上部分12は、2つの平行で離隔されたセグメントすなわち脚部16を備えた下部分13に接合し、セグメント間には、セグメント16に対して平行の可撓性部材20が設置される。
【0048】
可撓性部材20は、上部分12から片持ち梁式に延び、かつその自由端には制止歯状部22が設けられる。制止歯状部22は、セグメント16に対して穴14のX軸に平行に突出する。
【0049】
上部分12は、好ましくは2つの部分30、32を備える。2つの部分30、32は、互いに平行で、かつ軸Xに対して直交したそれぞれの面で見ると、異なる幅を有する断面を有する。部分30は、部分32よりも狭い断面を有し、それによって部分30、32間には、X軸周りで約180°の弧に沿って延びた、周辺段差36を画定して残る。したがって部分32は、上部分12において周囲の端部を画定する。部分12の形状または平面図は、例示したものと異なっていてもよい。
【0050】
好ましくは、下部分13は、互いに平行で、かつX軸に対して直交したそれぞれの面で見ると、異なる幅を有する2つの部分も備え、それによって2つの部分は側方段差37(
図1)を画定する。
【0051】
要素10の変形は、
図5のように(任意選択で)平坦要素40を備え得る。要素40は、上部分12の反対側のセグメント16における端部と一体化され、要素40はX軸に対して実質的に平行面に延びる。要素40は、棚Mのための突出した支持縁部として有用である。すなわち一旦取付けられると、棚Mは要素40によって(さらに)支持される。要素40は、棚Mにおける空洞のための閉塞部としても有用である。
【0052】
可撓性要素20には、その自由端において、上部分12に対して反対方向に延びた、(任意選択の)第2の歯状部24が設けられる。
【0053】
図6~
図9bの棚Mは、一般的に木材または金属で作られ、空洞または垂直溝52が形成された側面に、金属製またはプラスチック製の周辺の形材50を備える。空洞52は下方及び側方に開かれ、上方に閉じられる。詳細には、空洞52の側方開口部は、空洞52の縁部によって境界を定められた側方外形56(
図7b)を画定する。例示された例において、側方外形56は、逆U、逆V、または逆Ωのように形状付けられる。例えば垂直の空洞または溝52は、凹状部として形成されるか、または木製、プラスチック、もしくは金属製棚に加工され得る。
【0054】
形材50は、例えば空洞52の縁部、及び/または、例えば空洞52の下方に面した開口部に位置された外形56の縁部、として得られた、底部当接部54を備える。
【0055】
次に、部分12、13における構築によって、外形56の周縁部と実質的に相補的な第1の側方周縁部と、第1の周縁部よりも大きい幅を有する第2の周縁部と、を画定して残す。
【0056】
要素10、詳細には部分12及びセグメント16は、空洞52に対して相補的な形状を有し、それによって、X軸に対して垂直かつ直交したZ軸に沿って、空洞52(
図7、及び
図8a、
図8b)の中に、垂直に挿入することができる。挿入後(
図8a及び
図8b参照)、側方外形56は、周辺段差36に当接かつ保持し、それによって部分32は、面Sから形材50の水平方向に(すなわちXに沿って)予期せず外れることに対抗する。部分30は、任意選択で、形材50すなわち棚Mを支持することができる。
【0057】
上述の挿入が完了した後(
図9a及び
図9b)、可撓要素20は空洞42の入口の近くに動かされており、上から静止したままにするために、歯状部22は、当接部54の上にスナップ留めされる。このように、歯状部22は、形材50の(Z軸に沿った)上方の動きに対抗し、要素10から形材50が外れるのを防止する。
【0058】
第2の歯状部24は、形材50を要素10から係合解除するのを容易にする。なぜなら第2の歯状部24は、例えば下からドライバを使用することで、要素20をより近付きやすくするからである。
【0059】
要約すると、固定シーケンスは以下のようにまとめることができる。
1)要素10は、ネジVを使用して面Sに取付けられる(
図6)。
2)形材50は、空洞52を部分32に垂直方向に整合することによって、面Sの近くに動かされる(
図7a及び
図7b)。
3)空洞52は、部分32を縁部68の背部における空洞52の中に挿入することによって、Z軸に沿って要素10の上に下げられる。要素20は、挿入中に後方に(面Sに向けて)曲げられる(
図8a及び
図8b)。
4)要素10が、空洞52の内側の端部制止位置にあるとき、縁部68は、部分30に当接し、部分32は縁部68の背部にある。次に歯状部22は、当接部54に重なり、形材50が後方へ動くのを防止し、それによって形材50及び要素10は、共に拘束される。要素10は、棚Mすなわち形材50が、予期せず持ち上げられるのを防止することに、留意されたい。
【0060】
図6~
図9a、
図9bの、棚Mすなわち形材50が、部分的または全体的に木材で作られた場合、木材に空洞52を作ること、及び/または弾性化することは、困難となり得る。その場合、空洞52を分離した挿入部に作り、それを棚に連結することが好ましい。
【0061】
【0062】
挿入部60は、空洞66を区切る、及び/または形成する。それは使用中に垂直方向に展開し、下方及び側方に開かれ、かつ上方に閉じられる。空洞66は、空洞52と機能的に同等である。
【0063】
この目的のため、挿入60は、空洞66の底部を閉じて構築した実質的な平坦壁62によって、かつ壁62の周縁部から直交して立ち上がる周辺壁64によって形成された、箱状構造を有する。壁64は、実質的にU、V、またはΩ形状を有する平面で、UまたはVまたはΩの両端部は、空洞66の入口の幅を画定する。
【0064】
壁62には、ネジVまたは面Sに対する同等の締結手段のための、X軸を有する貫通穴14が設けられる。
【0065】
縁部68は、壁64から片持ち梁式に突き出て、壁62に対して平行面に残り、UまたはVまたはΩの中心に向かって収束する。すなわちX軸に向けて、壁62に対して直交方向、すなわちX軸方向に、空洞66の断面が狭くなるよう収束する。
【0066】
縁部68は、外形56のような側方外形を形成する。
【0067】
さらに、挿入部60は、下部当接部70も備える。下部当接部70は、当接部54と同等で、壁62に存在する凹状部によって画定された段差によって作られる。
【0068】
図10及び
図11の変形において、壁62は、棚の側部にネジまたは同等手段によって固定するための、貫通穴72を備える。
【0069】
挿入部60を面Sに固定するために使用される締結部のタイプは、様々であってよい。締結の変形は、
図12の挿入部80を伴って例示される。今回、穴72の代わりに、壁62は、ネジ山付きまたはヘリンボン拡張ピンであってもよいピン82を備える。拡張は、例えば中央穴の中に挿入される、ネジまたはスチール製ピンによって実現される。ピン82は、壁62から壁62に対して直交方向に、要素60の空洞と構造的に同じである空洞66の反対側から突出して延びる。ピン82によって、挿入部80を、締り嵌めまたはネジ留めによって、棚の側部に得られた座部の中に、直接固定することができる。ネジ留めまたは挿入を容易にするために、ここでは壁62、64は円形の外側周辺部を有する。
【0070】
挿入部60、80と、要素10との間の協働は、
図6、
図7a、
図7b、
図8a、
図8b、
図9a、
図9bのための説明と同じである。唯一異なるのは、ここでは歯状部22が当接部または段差70上に静止することである(
図13~
図15)。
【0071】
図16~
図18は、締結要素100の変形を示し、それは例えばアルミニウムまたは木材の棚に有用であり、上部分12が無い一方で部分13が実質的に変わらないことを除き、
図1と構造的に同じである。
【0072】
上部分12は、互いに対してそれぞれ平行な面でみると、異なる幅の断面を有する2つの縁部または部分130、132から構成された、半円形の凹状部に置き換えられる。部分130は、部分132よりも、より外側に突出した断面を有し、それによって部分130、132間で、周辺段差136を画定して残る。周辺段差136は、軸(
図1の軸Xに相当)の周りに約150~180°の弧に沿って延びる。
【0073】
図1における周辺段差36は、ここでは区画に連結されたワッシャ190によって形成される(ワッシャ290も参照)。詳細には、この目的のため、ワッシャ190は、ブッシング192と、ブッシング192から径方向に突出した縁部194と、を備える。
【0074】
組立後、ワッシャ190(
図18)の部分は、要素100の半円形凹状部に静止し、かつ共に嵌合する。部分130、132によって形成された周辺段差136は、ブッシング192と縁部194との間の段差に対して、相補的である。
【0075】
図18において、ネジVが、空洞52に挿入されたワッシャ190を支持するのが確認できる。ワッシャ190は、縁部68の背後で終端し、棚Mすなわち形材50を支持及び/または保持する。
【0076】
要素100は、ワッシャ190の下で空洞52の中に挿入され、空洞52の入口を閉じる。そうすることによって、要素20は、(
図9a及び
図9bのように)当接部54の上を弾性的に動き、要素100を所定の位置に保つ。それは、棚Mすなわち形材50を所定の位置に保持するよう働き、棚Mすなわち形材50が、予期せず持ち上げられるのを防止する。
【0077】
好ましくは、この構成において、段差37も外形56と協働して、棚Mすなわち形材50を保持し、棚Mすなわち形材50が再び予期せず持ち上げられるのを防止する。
【0078】
要素100は、
図10または
図12における変形と組合わせても使用され得る。
【0079】
図19~
図22は、例えばアルミニウムまたは木材の棚に使用できる、支持要素200の変形を示す。
【0080】
図1の変形と比較すると、要素200は、基本的に平坦で、例えば金属シートで作られる。
【0081】
上部分212は平坦であり、ネジVまたは面Sに対して同等の締結手段で支持されたワッシャ290のための、X軸を有する貫通穴214が設けられる(
図20参照)。
【0082】
下部分213は、2つのセグメントすなわち脚部216を備え、それらは平坦で、平行かつ離隔される。それらの間には、セグメント216に対して平行な可撓性部材220が設置または形成される。
【0083】
可撓性部材220は、上部分212から片持ち梁式に延び、かつ制止歯状部222を形成するために曲げられる。制止歯状部222は、セグメント216に対して穴214のX軸に平行に突出する。
【0084】
図1における周辺段差36は、ここでは穴214に連結したワッシャ290によって形成される。詳細には、この目的のため、ワッシャ290は、ブッシング292と、ブッシング292から径方向に突出した縁部294と、を備える。
【0085】
支持要素200の変形は、(任意選択で)平坦要素240を備え得る。それはセグメント216の端部と一体化され、軸Xに対して実質的な平行面に延びる。要素240は、棚Mのための突出した支持縁部として役立つ。すなわち一旦取付けられると、棚Mは要素240によっても支持される。または、2つの側方要素240は、「ケーシング」を覆うという唯一の目的を有し得る。
【0086】
2つのセグメントすなわち脚部216は、棚支持部10の対応したセグメント13のように、覆う機能も有する。しかし、主な支持機能は、ワッシャ290によって実施される。
【0087】
要素200の固定シーケンスは、以下のように要約することができる。
1)要素200は、ネジVと、ワッシャ190または290とを使用して面Sに取付けられる(
図22)。
2)形材50は、空洞52をネジVに、垂直方向に整合させることによって、面Sの近付くよう動かされる。
3)空洞52は、ネジVを縁部68の背部における空洞52の中に挿入することによって、要素210の上に下げられる。要素220は、挿入中に後方に(面Sに向けて)曲げられる。
4)要素200は、空洞52の内の端部制止位置にあるとき、上部凸状縁部68は、上部分192、292及びセグメント216の外側縁部に当接する。要素220は、
図9a及び
図9bと類似の機能を用いて、要素220自体を当接部54に持ってくることによって、当初の位置に弾性的に戻る。棚が木材で作られ、
図10または
図12における挿入部が準備されたとき、同等の機能が実現される。
【0088】
ワッシャ190、290及びネジVは、十分に大きいヘッド部を伴うネジで置き換えられ得る。
【国際調査報告】