(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】ドラム洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/08 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
D06F39/08 311C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543488
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2020138195
(87)【国際公開番号】W WO2021143465
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】202010050745.4
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂艶芬
(72)【発明者】
【氏名】▲ハォ▼興慧
(72)【発明者】
【氏名】呉迪
(72)【発明者】
【氏名】金学峰
(72)【発明者】
【氏名】李涛
(72)【発明者】
【氏名】方相九
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA05
3B166AB42
3B166AE02
3B166BA10
3B166BA26
3B166BA35
3B166CA01
3B166CA05
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166DA31
3B166DC03
3B166DC13
3B166DC29
3B166DC40
3B166DE01
3B166DE02
3B166DE04
3B166DE06
3B166DE07
3B166FB01
3B166GA12
(57)【要約】
ドラム洗濯機は、洗浄時に洗浄水を独立して収容する内槽(410)と、内槽(410)側に開口した収容室を有する集水装置(420)を含む。内槽(410)は収容室内に設置される。収容室の底壁には受水凹溝(421)が設置されている。内槽(410)からの排出水流は受水凹溝(421)内に排出される。集水装置(420)を設置し、且つ集水装置(420)内に受水凹溝(421)を更に設置することで、内槽(410)からの排出水流を受水凹溝(421)内に集束可能となるため、内槽(410)の壁面に対する排出水流の飛散が更に減少する。且つ、受水凹溝(421)の集束作用によって、排出水流の排出効率が向上する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄時に洗浄水を独立して収容する内槽と、内槽側に開口した収容室を有する集水装置を含み、前記内槽が前記収容室内に設置されているドラム洗濯機であって、
前記収容室の底壁には受水凹溝が設置されており、前記内槽からの排出水流は前記受水凹溝内に排出されることを特徴とするドラム洗濯機。
【請求項2】
前記集水装置は底壁及び側壁を含み、前記底壁は前記内槽と同軸に設置され、前記側壁は、前記底壁の辺縁に設置されて、前記内槽の方向に延伸するとともに、前記内槽の外部に環状に設置され、
前記受水凹溝は、前記内槽から離間する方向に凹陥し、前記底壁に環状に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のドラム洗濯機。
【請求項3】
前記受水凹溝は、第1側壁、第2側壁及び凹溝底壁を含み、
前記凹溝底壁と前記内槽の底壁は平行に設置され、前記第1側壁は、前記底壁の辺縁が前記内槽から離間する方向に折り返されて形成され、且つ前記凹溝底壁に接続され、前記第2側壁は、前記凹溝底壁及び前記集水装置の側壁にそれぞれ接続され、
好ましくは、前記受水凹溝と前記底壁は一体的に成型されることを特徴とする請求項2に記載のドラム洗濯機。
【請求項4】
前記受水凹溝は、第1側壁、第2側壁及び凹溝底壁を含み、
前記第1側壁は、前記集水装置の底壁の辺縁に接続されて、前記内槽から離間する方向に延伸しており、
前記第2側壁は、前記集水装置の側壁に接続されて、前記内槽に近接する方向に延伸しており、
前記凹溝底壁は、前記第1側壁及び前記第2側壁にそれぞれ接続され、
前記受水凹溝は一体的に成型されており、前記集水装置の底壁及び側壁に固定的に接続され、
好ましくは、前記受水凹溝と前記集水装置は、溶接接続、ネジ接続、リベット接合又は挿接接続されることを特徴とする請求項2に記載のドラム洗濯機。
【請求項5】
前記受水凹溝は、前記集水装置の底壁に開設される周方向を囲繞する凹溝であることを特徴とする請求項2に記載のドラム洗濯機。
【請求項6】
前記内槽の下部に位置する前記集水装置の側壁に開設される集水装置排水口を含み、
前記集水装置排水口の外縁と前記受水凹溝との間の側壁、及び、前記集水装置排水口の外縁と前記集水装置の側壁の外縁との間の側壁はいずれも傾斜して設置され、前記集水装置排水口は傾斜側壁の最低位置に配置されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のドラム洗濯機。
【請求項7】
前記集水装置の側壁の外縁に環状に設置される止水リングを含み、
前記集水装置排水口の外縁と前記受水凹溝との間の側壁、及び、前記集水装置排水口の外縁と止水リングとの間の側壁はいずれも傾斜して設置され、前記集水装置排水口は傾斜側壁の最低位置に配置されることを特徴とする請求項6に記載のドラム洗濯機。
【請求項8】
吐水案内構造が前記内槽と連通しており、前記内槽からの排出水流を案内し、
前記吐水案内構造の排水端は前記受水凹溝内まで延伸していることを特徴とする請求項6に記載のドラム洗濯機。
【請求項9】
前記内槽は内槽底壁及び内槽側壁を含み、
前記内槽側壁には吐水口が開設されており、前記吐水口には吐水装置が設置されており、前記吐水案内構造は、前記内槽側壁の外壁に設置されるとともに、一端が吐水口箇所に固定され、他端が前記内槽底壁に向かって延伸しており、且つ、前記吐水案内構造の排水端は前記受水凹溝内まで延伸していることを特徴とする請求項8に記載のドラム洗濯機。
【請求項10】
前記内槽は内槽底壁及び内槽側壁を含み、
前記吐水案内構造は内槽側壁の内壁に設置されており、前記吐水案内構造は、内槽底壁に向かって延伸し、且つ内槽の外部と連通する案内流路であり、前記吐水案内構造には、内槽と案内流路を連通させる吐水口が開設されており、前記吐水口には吐水装置が設置されていることを特徴とする請求項8に記載のドラム洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電気製品の分野に属し、具体的にはドラム洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、通常、ドラム洗濯機は、密封されて水を収容する外槽、及び外槽と連通する洗濯内槽を含む。洗濯容量は内槽が基準となるが、この設計では、内槽の容積が制限されるだけでなく、内槽と外槽の間に垢が溜まりやすく、クリーニングも容易でない。上記の課題に対し、技術者は、内槽を密封容器として設計する構想を創造的に提案している。
【0003】
特許文献1は、本体、扉体及び内槽を含むドラム洗濯機を開示している。前記内槽は、回転可能に本体内に設置される。内槽は洗浄過程で水を収容する。また、支持ベースを更に含む。支持ベースは制震装置を介して本体内に装着される。支持ベース内には開口した収容空間が備わっており、前記内槽の底部は支持ベースの収容空間内に設置される。上記の中心回転軸は、回転可能に支持ベースの底壁に支持される。当該発明では、内槽の貯水機能を実現しつつ、内槽の回転による洗浄及び脱水機能に支障をきたすことがない。且つ、従来の大きな容積を占める外槽の代わりに支持ベースを用いることで、内槽の容量増大を実現している。
【0004】
しかし、上記の特許文献1は、排水過程で排水が内槽の側壁や底壁に飛散しやすく、内槽の壁面を汚染してしまう。以上に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願第2017103201913号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、ドラム洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0008】
ドラム洗濯機は、洗浄時に洗浄水を独立して収容する内槽と、内槽側に開口した収容室を有する集水装置を含み、前記内槽が前記収容室内に設置されている。前記収容室の底壁には受水凹溝が設置されており、前記内槽からの排出水流は前記受水凹溝内に排出される。
【0009】
更に、前記集水装置は底壁及び側壁を含む。前記底壁は前記内槽と同軸に設置され、前記側壁は、前記底壁の辺縁に設置されて、前記内槽の方向に延伸するとともに、前記内槽の外部に環状に設置される。
【0010】
前記受水凹溝は、前記内槽から離間する方向に凹陥し、前記底壁に環状に設置されている。
【0011】
更に、前記受水凹溝は、第1側壁、第2側壁及び凹溝底壁を含む。
【0012】
前記凹溝底壁と前記内槽の底壁は平行に設置される。前記第1側壁は、前記底壁の辺縁が前記内槽から離間する方向に折り返されて形成され、且つ前記凹溝底壁に接続される。前記第2側壁は、前記凹溝底壁及び集水装置の側壁にそれぞれ接続される。
【0013】
好ましくは、前記受水凹溝と前記底壁は一体的に成型される。
【0014】
更に、前記受水凹溝は、第1側壁、第2側壁及び凹溝底壁を含む。
【0015】
前記第1側壁は、前記集水装置の底壁の辺縁に接続されて、前記内槽から離間する方向に延伸している。
【0016】
前記第2側壁は、前記集水装置の側壁に接続されて、前記内槽に近接する方向に延伸している。
【0017】
前記凹溝底壁は、前記第1側壁及び第2側壁にそれぞれ接続される。
【0018】
前記受水凹溝は一体的に成型されており、前記集水装置の底壁及び側壁に固定的に接続される。
【0019】
好ましくは、前記受水凹溝と前記集水装置は、溶接接続、ネジ接続、リベット接合又は挿接接続される。
【0020】
更に、前記受水凹溝は、前記集水装置の底壁に開設される周方向を囲繞する凹溝である。
【0021】
更に、前記内槽の下部に位置する集水装置の側壁に開設される集水装置排水口を含む。
【0022】
前記集水装置排水口の外縁と受水凹溝との間の側壁、及び、集水装置排水口の外縁と集水装置の側壁の外縁との間の側壁はいずれも傾斜して設置され、集水装置排水口は傾斜側壁の最低位置に配置される。
【0023】
更に、前記集水装置の側壁の外縁に環状に設置される止水リングを含む。
【0024】
前記集水装置排水口の外縁と受水凹溝との間の側壁、及び、集水装置排水口の外縁と止水リングとの間の側壁はいずれも傾斜して設置され、集水装置排水口は傾斜側壁の最低位置に配置される。
【0025】
更に、吐水案内構造は前記内槽と連通しており、前記内槽からの排出水流を案内する。
【0026】
前記吐水案内構造の排水端は前記受水凹溝内まで延伸している。
【0027】
更に、前記内槽は内槽底壁及び内槽側壁を含む。
【0028】
前記内槽側壁には吐水口が開設されており、前記吐水口には吐水装置が設置されている。前記吐水案内構造は、内槽側壁の外壁に設置されるとともに、一端が吐水口箇所に固定され、他端が内槽底壁に向かって延伸している。且つ、前記吐水案内構造の排水端は前記受水凹溝内まで延伸している。
【0029】
更に、前記内槽は内槽底壁及び内槽側壁を含む。
【0030】
前記吐水案内構造は内槽側壁の内壁に設置されている。前記吐水案内構造は、内槽底壁に向かって延伸し、且つ内槽の外部と連通する案内流路である。前記吐水案内構造には、内槽と案内流路を連通させる吐水口が開設されており、前記吐水口には吐水装置が設置されている。
【発明の効果】
【0031】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0032】
1)本発明では、外槽構造を省略して、内槽の容量増大を実現している。また、内槽壁面に吐水案内構造を設置することで、内槽からの排出水流を内槽底壁の後部まで直接案内する。これにより、内槽壁面に対する排出水流の飛散が減少し、槽壁の汚染が低下するため、槽壁が清潔に保たれて、洗浄効果が向上する。且つ、吐水案内構造を取り外し可能に設置した場合には、クリーニングの難度も低下する。
【0033】
2)本発明では、集水装置を設置し、且つ集水装置内に受水凹溝を更に設置することで、内槽からの排出水流を受水凹溝内に集束可能としているため、内槽の壁面に対する排出水流の飛散が更に減少する。且つ、受水凹溝の集束作用によって、排出水流の排出効率が向上する。
【0034】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0035】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図2】
図2は、本発明の
図1におけるA-A断面の概略構造図である。
【
図3】
図3は、本発明の
図2におけるB部分の拡大構造の概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の
図2におけるB部分の別の実施形態の拡大構造の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の
図2におけるB部分の別の実施形態の拡大構造の概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の
図2におけるB部分の別の実施形態の拡大構造の概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の
図2におけるB部分の別の実施形態の拡大構造の概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の
図1におけるリフティングリブの内部の一部の概略構造図である。
【
図9】
図9は、本発明の
図2における受水凹溝部分の構造の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0038】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0039】
本発明の記載において、説明すべき点として、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0040】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定しない限り、「装着する」、「連なる」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、機械的な接続であってもよいし、電気的な接続であってもよい。更には、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0041】
図1及び
図2に示すように、本発明のドラム洗濯機は、ハウジング100、本体ドア120、コントローラ300、内槽410、集水装置420及び排水装置800を含む。従来の洗濯機と比較して、本発明におけるドラム洗濯機は外槽を省略しており、集水装置を用いて内槽からの排出水流を収集するとともに、排水装置まで案内する。このことは、内槽410の容量増大にとって有利であり、洗濯機の内槽の利用率が向上する。
【0042】
本発明における内槽410は密封容器であり、洗浄時に洗浄水を独立して収容する。また、内槽底壁417、内槽側壁416及び内槽ドア411を含む。内槽ドア411は、ユーザによる衣類の投入/取り出しに都合がよいよう、開閉可能に内槽に設置される。内槽410内には、リフティングリブ412及びシールバルブ413(
図8参照)を含む吐水装置が設置されている。リフティングリブ412には通水孔が設けられている。また、シールバルブ413は、開閉可能に吐水口415に設置されている。内槽410の脱水時には、シールバルブ413が遠心力の作用で開放されることで、吐水口415が内槽410と連通し、内槽からの排出水流が吐水口413を通じて流出する。
【0043】
内槽410からの排出水流を集水装置420内に案内しやすいよう、更に、吐水案内構造414を含む。前記吐水案内構造414は前記内槽410と連通しており、前記内槽410からの排出水流を集水装置420に直接排出する。これにより、内槽の壁面に対する排出水流の飛散が減少し、内槽壁面の汚染が低下する。
【0044】
前記吐水案内構造414は内槽側壁416に設置されており、内槽の軸方向に延伸する案内部を有している。
【実施例1】
【0045】
本実施例における吐水案内構造414は内槽側壁416の外壁に設置されており、内槽410の従来構造に対する影響が小さい。吐水案内構造414は、外付け部材として内槽側壁416に直接装着可能なため、操作が簡単であり、配設コストが低下する。
【0046】
図3及び
図4に示すように、内槽側壁416には吐水口415が開設されている。図中では、吐水口415に設置される吐水装置(
図8参照)は省略している。前記吐水案内構造414は内槽側壁416の外壁に設置されている。案内部は吐水口415部分に固定されており、吐水口415から流出した内槽410からの排出水流を吐水案内構造414内に直接進入可能とする。案内部の他端は内槽底壁417に向かって延伸し、内槽底壁417の後方まで延伸している。
【0047】
本実施例の一方案として、
図3に示すように、前記案内部は案内流路である。案内流路は、一端が吐水口415と連通しており、他端が内槽底壁417に向かって延伸している。好ましくは、前記吐水案内構造414は筐体を含み、前記案内流路は前記筐体の内部を貫通している。前記吐水案内構造414は筐体を有し、筐体の内部に案内流路が設置されている。この方案では、吐水案内構造414を独立した構造として内槽側壁416に接続しているため、内槽410からの排出水流が外槽側壁416の外壁に直に接触することで内槽側壁416を汚染するとの事態が直接的に回避される。
【0048】
且つ、好ましくは、吐水案内構造414は、内槽側壁416の外壁に取り外し可能に設置される。これにより、洗濯機の運転期間が長期に及ぶことで、吐水案内構造414内に垢が堆積し、ひいては閉塞させた場合には、吐水案内構造414を容易に取り外して、クリーニング又は修繕、交換等の操作を実施することができる。
【0049】
より好ましくは、吐水案内構造414は、材料を入手しやすく、製造が容易であり、装着しやすい吐水案内管路である。
【0050】
吐水案内構造414の装着に都合がよいよう、内槽410の外壁には、吐水案内構造の設置位置に、固定係接ベースか、前記吐水案内構造414の固定に都合のよい構造を設置すればよい。これにより、内槽410の脱水時に、吐水案内構造が遠心力の作用でぐらつき、ひいては脱落するとの事態が防止される。
【0051】
本実施例の別の方案として、
図4に示すように、前記案内部は案内壁である。案内壁は、一端が前記吐水口415に間隔を置いて面しており、他端が内槽底壁417に向かって延伸している。吐水口415から流出した内槽410からの排出水流は、案内壁の遮断作用によって、案内壁沿いに内槽底壁417の方向に流動する。これにより、排出水流が周囲に飛散して内槽410の壁面を汚染するとの事態が回避される。案内壁の遮断効果が最適となるよう、案内壁の幅は吐水口415のサイズよりも大きい。
【0052】
好ましくは、前記案内壁と内槽側壁416は一体的に成型される。或いは、前記案内壁には、緊締部材によって前記内槽側壁416に固定的に接続される接続構造が設置されている。これにより、内槽410の脱水時に、吐水案内構造414が遠心力の作用でぐらつき、ひいては脱落するとの事態が防止される。
【0053】
或いは、排出水流をより良好に遮断するために、前記吐水案内構造414は、更に、案内壁両側の接続側壁を含み、接続側壁が案内壁と凹溝構造を構成する。前記接続側壁は前記内槽側壁416に接続される。この方案において、案内壁の幅は吐水口415を覆うことができればよい。接続側壁が内槽側壁416に接続されたあと、案内壁は溝状をなし、案内壁と内槽側壁の間に排出水流の流路が形成される。内槽410からの排出水流は流路に沿って流動するため、内槽壁面に対する排出水流の飛散が更に減少し、汚染が低減する。
【0054】
集水装置420は、内槽410の後部に同軸に配設される。前記集水装置420は、内槽側に開口した収容室を有する。前記収容室の開口の辺縁には止水リング423が設けられている。また、前記吐水案内構造414の排水端は前記収容室内まで延伸している。止水リング423を設置することで、集水装置420内に排出された水が内槽410の前端まで運動し、内槽410の前端を汚染するとの事態が回避される。
【0055】
好ましくは、吐水案内構造414と内槽側壁416との接続箇所は止水リング423の内部に設置される。
【0056】
図2に示すように、前記内槽410の下部に位置する集水装置420の側壁422には集水装置排水口424が開設されている。前記集水装置排水口424の外縁と集水装置の底壁との間の側壁、及び、集水装置排水口424の外縁と止水リング423との間の側壁はいずれも傾斜して設置され、集水装置排水口424は傾斜側壁の最低位置に配置される。
図2に示すように、集水装置排水口424は排水装置800に接続されている。集水装置420に進入した排水は、傾斜側壁の作用で急速に排水装置800内に流入可能であり、排水管810を通じて洗濯機の外部に排出される。これにより、排水が集水装置420内に滞留し、クリーニングしにくい垢が形成されるとの事態が回避される。
【0057】
集水装置420の集水性能を更に最適化して、排水による内槽壁面の汚染を減少させるために、前記収容室の底壁には受水凹溝421が設置されている。前記受水凹溝421は、前記内槽410から離間する方向に凹陥し、且つ環状に設置されている。前記吐水案内構造414の排水端は前記受水凹溝421内まで延伸している。排水は、受水凹溝421に進入したあと、溝壁の遮断作用によって急速に集水装置420の下部に集束するため、集水効率が向上する。
【0058】
好ましくは、集水装置排水口424の外縁と受水凹溝421との間の側壁、及び、集水装置排水口424の外縁と止水リング423との間の側壁はいずれも傾斜して設置され、集水装置排水口424は傾斜側壁の最低位置に配置される。
【実施例2】
【0059】
本実施例における上記の吐水案内構造414は内槽側壁416の内壁に設置されている。
【0060】
本実施例の一方案として、
図5に示すように、案内部は案内壁であり、一端が内槽底壁417に固定的に接続されるか一体的に成型されており、他端が内槽底壁417から離間する内槽の内部に向かって延伸するとともに、内槽側壁416の内壁に接続されている。内槽側壁416における内槽底壁417に向かって延伸する一端は浮いた状態で設置されており、且つ、内槽底壁417の後方まで延伸している。
【0061】
好ましくは、案内壁は、前記内槽底壁417の辺縁周りに環状をなして周方向に設置されている。吐水装置は案内壁の内壁に設置されており、案内壁と内槽側壁416の間に環状の流路が形成されている。吐水口415は案内壁に開設されており、内槽と環状の流路を連通させている。案内壁を内槽側壁416の内部に環状に設置することで、内槽の容積を更に増大させることができ、内槽410の利用率が向上する。且つ、環状に設置される案内壁は構造がシンプルであり、加工難度が低く、実現しやすい。
【0062】
本実施例の別の方案として、
図6及び
図7に示すように、案内部は、内槽底壁417に向かって延伸し、且つ内槽の外部と連通する案内流路である。前記吐水案内構造414には、内槽410と案内流路を連通させる吐水口415が開設されており、前記吐水口415には吐水装置が設置されている(図示していないが、具体的な構造は
図8の通りである)。本実施例の上記の方案と比較して、本方案における内槽410の壁面構造は変化が小さく、内槽側壁416における内槽底壁417方向に延伸する一端は一般的な洗濯機と同じである。内槽側壁416は内槽底壁417と一体的に成型されており、浮いた状態では設置されない。
【0063】
前記吐水案内構造414は、内槽側壁416の内壁に装着されるカバー部材である。前記カバー部材内には独立した案内流路が備わっている(
図6参照)。吐水案内構造414は独立した部材として内槽側壁416に接続されるため、内槽410からの排出水流が外槽側壁416の内壁に直に接触することで内槽側壁416を汚染するとの事態が直接的に回避される。
【0064】
且つ、好ましくは、吐水案内構造414は、内槽側壁416の内壁に取り外し可能に設置される。これにより、洗濯機の運転期間が長期に及ぶことで、吐水案内構造414内に垢が堆積し、ひいては閉塞させた場合には、吐水案内構造414を容易に取り外して、クリーニング又は修繕、交換等の操作を実施することができる。
【0065】
より好ましくは、吐水案内構造414は、材料を入手しやすく、製造が容易であり、装着しやすい吐水案内管路である。
【0066】
吐水案内構造414の装着に都合がよいよう、内槽410の内壁には、吐水案内構造414の設置位置に、固定係接ベースか、前記吐水案内構造414の固定に都合のよい構造を設置すればよい。これにより、内槽410の脱水時に、吐水案内構造が遠心力の作用でぐらつき、ひいては脱落するとの事態が防止される。
【0067】
案内流路と内槽の外部との連通を実現するために、前記内槽側壁416又は内槽底壁417には開口が開設されている(図示しない)。前記カバー部材は開口箇所まで延伸し、案内流路が開口と連通する。
【0068】
或いは、排水による内槽外壁の汚染を更に回避するために、前記カバー部材は開口を貫通するよう延伸し、前記案内流路が内槽の外部まで延伸している。
【0069】
本方案の別の実施形態として、
図7に示すように、前記カバー部材は前記内槽側壁416の内壁に密封状に接続され、これらにより前記案内流路が形成される。前記内槽側壁416又は内槽底壁417には開口が開設されている。前記カバー部材は開口箇所まで延伸し、案内流路が開口と連通している。或いは、前記カバー部材は開口を貫通するよう延伸し、前記案内流路が内槽の外部まで延伸している。
【0070】
好ましくは、吐水案内構造414は槽状をなしており、槽壁が前記内槽側壁416の内壁に密封状に接続されて、これらにより前記案内流路が形成される。内槽側壁416又は内槽底壁417には開口が開設されており、槽体を開口箇所まで延伸させて開口と連通させることで、排水を内槽の外部に直接排出可能となる。また、排水による内槽外壁の汚染を更に回避するために、槽体が開口を貫通するよう延伸し、且つ内槽の外部まで延伸してもよい。
【0071】
集水装置420は、内槽410の後部に同軸に配設される。前記集水装置420は、内槽側に開口した収容室を有する。前記収容室の開口の辺縁には止水リング423が設けられている。また、前記吐水案内構造414の排水端は前記収容室内まで延伸している。止水リング423を設置することで、集水装置420内に排出された水が内槽410の前端まで運動し、内槽410の前端を汚染するとの事態が回避される。
【0072】
好ましくは、前記吐水案内構造414の排水端は止水リング423の内部に設置される。
【0073】
図2に示すように、前記内槽410の下部に位置する集水装置420の側壁422には集水装置排水口424が開設されている。前記集水装置排水口424の外縁と集水装置の底壁との間の側壁、及び、集水装置排水口424の外縁と止水リング423との間の側壁はいずれも傾斜して設置され、集水装置排水口424は傾斜側壁の最低位置に配置される。
図2に示すように、集水装置排水口424は排水装置800に接続されている。集水装置420に進入した排水は、傾斜側壁の作用で急速に排水装置800内に流入可能であり、排水管810を通じて洗濯機の外部に排出される。これにより、排水が集水装置420内に滞留し、クリーニングしにくい垢が形成されるとの事態が回避される。
【0074】
集水装置420の集水性能を更に最適化して、排水による内槽壁面の汚染を減少させるために、前記収容室の底壁には受水凹溝421が設置されている。前記受水凹溝421は、前記内槽410から離間する方向に凹陥し、且つ環状に設置されている。前記吐水案内構造414の排水端は前記受水凹溝421内まで延伸している。排水は、受水凹溝421に進入したあと、溝壁の遮断作用によって急速に集水装置420の下部に集束するため、集水効率が向上する。
【0075】
好ましくは、集水装置排水口424の外縁と受水凹溝421との間の側壁、及び、集水装置排水口424の外縁と止水リング423との間の側壁はいずれも傾斜して設置され、集水装置排水口424は傾斜側壁の最低位置に配置される。
【実施例3】
【0076】
本実施例では、受水凹溝について説明する。
【0077】
図1~
図2に示すように、ドラム洗濯機は、洗浄時に洗浄水を独立して収容する内槽410を含む。集水装置420は、内槽側に開口した収容室を有する。前記内槽410は前記収容室内に設置されている。前記収容室の底壁417には受水凹溝421が設置されており、前記内槽410からの排出水流は前記受水凹溝421内に排出される。これにより、内槽410からの排出水流を受水凹溝421内に集束可能となるため、内槽410の壁面に対する排出水流の飛散が減少する。且つ、受水凹溝421の集束作用によって、排出水流の排出効率が向上する。
【0078】
図2に示すように、前記集水装置420は底壁425及び側壁422を含む。前記底壁425は前記内槽と同軸に設置され、内槽410の後部に設置される。前記側壁422は、前記底壁425の辺縁に設置されて、前記内槽410の方向に延伸するとともに、前記内槽410の外部に環状に設置される。側壁422の延伸長は、吐水口415の位置に応じて具体的に設定される。好ましくは、吐水口415は側壁422の囲繞範囲内に設置される。特に、吐水口415が実施例1のように設置される場合には、吐水口415を側壁422の囲繞範囲内に設置する。これにより、内槽410からの排出水流に対し遮断作用を効果的に奏することができ、内槽410の壁面に対する排出水流の飛散が防止される。
【0079】
合わせて、
図9に示すように、前記受水凹溝421は、前記内槽410から離間する方向に凹陥し、前記底壁425に環状に設置されている。
【0080】
図9に示すように、前記受水凹溝421は、第1側壁4211、第2側壁4212及び凹溝底壁4213を含む。
【0081】
本実施例の一方案として、前記凹溝底壁4213と前記内槽の底壁417は平行に設置される。また、前記第1側壁4211は、前記底壁425の辺縁が前記内槽410から離間する方向に折り返されて形成され、且つ前記凹溝底壁4213に接続される。前記第2側壁4212は、前記凹溝底壁4213及び集水装置の側壁422にそれぞれ接続される。好ましくは、前記受水凹溝421と前記底壁425は一体的に成型される。内槽410からの排出水流が受水凹溝421に進入したあとは、第1側壁4211と第2側壁4212が水流の上昇に対し遮断作用を奏するため、内槽底壁417及び側壁416に対する排水水流の飛散及び汚染が減少する。
【0082】
本実施例の別の方案として、前記第1側壁4211は、前記集水装置の底壁425の辺縁に接続されて、前記内槽410から離間する方向に延伸している。また、前記第2側壁4212は、前記集水装置の側壁422に接続されて、前記内槽410に近接する方向に延伸している。前記凹溝底壁4213は、前記第1側壁4211及び第2側壁4212にそれぞれ接続されている。本方案における上記の受水凹溝421は一体的に成型されており、独立した部材として前記集水装置の底壁425及び側壁422に固定的に接続される。独立した部材として集水装置420に固設することで、加工が容易となる。特に、受水凹溝421を取り外し可能に前記集水装置420に固定的に接続した場合には、後に受水凹溝421に対しクリーニング及び修繕を行うのに有利となる。
【0083】
前記受水凹溝421と前記集水装置420は、溶接接続、ネジ接続、リベット接合又は挿接接続とすることが可能である。
【0084】
本実施例の別の方案として、前記受水凹溝421は、前記集水装置の底壁425に開設される周方向を囲繞する凹溝(図示しない)である。この場合、集水装置420の従来構造をそのまま利用して、底壁425に凹溝を直接開設するため、構造がシンプルであり、加工しやすい。
【0085】
図9に示すように、集水装置420は、更に、前記内槽410の下部に位置する集水装置の側壁422に開設される集水装置排水口424を含む。前記集水装置排水口424の外縁と受水凹溝421との間の側壁、及び、集水装置排水口424の外縁と集水装置の側壁422の外縁との間の側壁はいずれも傾斜して設置され、集水装置排水口424は傾斜側壁の最低位置に配置される。このように設置することで、受水凹溝421内に進入した内槽からの排出水流は、重力の作用で急速に傾斜側壁422に沿って集水装置排水口424に進入可能となる。これにより、排出水流が側壁422内に滞留して堆積し、凝固することで、排水環境を汚染するとともに、ひいては排水口を閉塞させるとの事態が回避される。
【0086】
図9に示すように、更に、集水装置420は、前記集水装置の側壁422の外縁に環状に設置される止水リング423を含む。前記集水装置排水口424の外縁と受水凹溝421との間の側壁、及び、集水装置排水口424の外縁と止水リング423との間の側壁はいずれも傾斜して設置され、集水装置排水口424は傾斜側壁の最低位置に配置される。止水リング423を設置することで、内槽410からの排出水流が側壁422に沿って集水装置420の外部に流動し、洗濯機内の環境を汚染するとの事態が回避される。
【0087】
図9に示すように、内槽410からの排出水流を受水凹溝421まで案内しやすいよう、本実施例の洗濯機は吐水案内構造414を含む。吐水案内構造414は前記内槽410と連通しており、前記内槽からの排出水流を案内する。前記吐水案内構造414の排水端は前記受水凹溝421内まで延伸している。
【0088】
吐水案内構造414の具体的設置方式については、実施例1及び実施例2で詳述したため、ここでは改めて説明しない。
【0089】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは補足は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0090】
100 ハウジング
120 本体ドア
300 コントローラ
400 洗剤ケース
410 内槽
411 内槽ドア
412 リフティングリブ
413 シールバルブ
414 吐水案内構造
415 吐水口
416 内槽側壁
417 内槽底壁
420 集水装置
421 受水凹溝
4211 第1側壁
4212 第2側壁
4213 凹溝底壁
422 側壁
423 止水リング
424 集水装置排水口
425 底壁
430 シール構造
440 入水構造
500 モータ
600 給水管
700 給水弁
800 排水装置
810 排水管
【国際調査報告】