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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】内槽及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 21/04 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
D06F21/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543492
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 CN2021070572
(87)【国際公開番号】W WO2021143607
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】202010050753.9
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AE02
3B165BA33
3B165CB52
3B165CB60
3B165CB64
3B165CC01
(57)【要約】
内槽及び洗濯機を提供する。前記内槽は、洗浄及びすすぎ過程で洗浄水を独立して収容可能であり、槽底(3)及び槽壁(2)を含む。前記槽壁(2)における槽底(3)に近接する一端には第1接続部が設けられており、前記槽底(3)の側面には第2接続部が設けられている。前記第1接続部は第2接続部に固定的に接続され、これらの間に密封部材(6)が設けられている。前記内槽は、槽底(3)と槽壁(2)の接続構造の間に密封部材(6)が設置されており、槽壁(2)と槽底(3)の密封を実現する。これにより、両者の間に漏水の問題が存在するとの事態が防止され、洗浄及びすすぎ過程における内槽の密封が保証される。前記洗濯機は前記内槽を含むため、内槽と外槽の間に汚れが溜まるとの事態が回避される。且つ、内槽と外槽の間が無水となるため、洗浄水の使用量が減少し、水資源の節約となる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄及びすすぎ過程で洗浄水を独立して収容可能であり、槽底及び槽壁を含む内槽であって、
前記槽壁における前記槽底に近接する側には第1接続部が設けられており、前記槽底の側面には第2接続部が設けられており、前記第1接続部は前記第2接続部に固定的に接続され、これらの間に密封部材が設けられていることを特徴とする内槽。
【請求項2】
前記槽壁における前記槽底に近接する側には、槽口から離間する方向に延伸する第1接続壁が設けられており、前記第1接続壁の端部に第1屈曲部が設けられており、前記槽底には、前記第1接続壁と同じ方向に延伸する第2接続壁が設けられており、前記第2接続壁の端部に第2屈曲部が設けられており、前記第2接続壁は前記第1接続壁の内側に装着され、これらの間に密封部材が設けられており、前記第1屈曲部は、前記第2屈曲部と前記第2接続壁の間に伸入して、前記槽底と前記槽壁を固定的に接続することを特徴とする請求項1に記載の内槽。
【請求項3】
前記第1接続壁の内側及び/又は前記第2接続壁の外側にシール剤を塗布してからこれらを接続し、前記シール剤が硬化することで密封部材が形成され、或いは、前記第1接続壁の内側及び/又は前記第2接続壁の外側に、軟性体又は弾性体を密封部材として接着してからこれらを接続し、
或いは、前記第2接続壁を前記第1接続壁の内側に装着してから、これらの間にシール剤を注入し、前記シール剤が硬化することで密封部材が形成され、或いは、前記第2接続壁を前記第1接続壁の内側に装着してから、これらの間に軟性体又は弾性体を密封部材として嵌入することを特徴とする請求項2に記載の内槽。
【請求項4】
前記第1接続壁には内側へ突出する第1貫通孔が開設されており、前記第2接続壁には内側へ突出する第2貫通孔が開設されており、前記第2接続壁は前記第1接続壁の内側に装着され、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔は一対一で対応することを特徴とする請求項2に記載の内槽。
【請求項5】
前記槽壁における前記槽底に近接する一端は、前記槽底が存在する方向に向かって直径が徐々に縮小する錐状構造を有し、前記第1接続壁は、錐状構造の小径端から水平に延伸する筒状構造をなしていることを特徴とする請求項2に記載の内槽。
【請求項6】
前記内槽は開口部を有しており、前記開口部における前記槽壁に近接する一端の直径は、前記槽壁における前記開口部に近接する一端の直径よりも小さく、前記槽壁と前記開口部は段差構造を有する接続部を介して接続されることを特徴とする請求項1に記載の内槽。
【請求項7】
前記接続部は、前記開口部が存在する方向に延伸し、直径が順次縮小する第1接続リング、第2接続リング及び第3接続リングを含み、前記第1接続リングと前記第2接続リングとの接続箇所には第1垂直壁が形成されており、前記第2接続リングと前記第3接続リングとの接続箇所には第2垂直壁が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の内槽。
【請求項8】
前記第1接続リングは、前記開口部が存在する方向に延伸し、直径が徐々に縮小する錐状構造をなしており、
及び/又は、前記第2接続リングと前記第3接続リングは、前記開口部が存在する方向に水平に延伸する筒状構造をなしていることを特徴とする請求項7に記載の内槽。
【請求項9】
前記内槽は、更に、前記開口部を開閉可能に密閉する内槽ドアを含み、前記第2垂直壁には、前記内槽ドアのドアピボットヒンジベース固定構造とドアロックベース固定構造が設置されていることを特徴とする請求項7に記載の内槽。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の内槽を含むことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の技術分野に属し、具体的には、内槽及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、ドラム洗濯機の大多数は、外槽に水を貯え、内槽に衣類を投入して洗浄する方式で動作している。この場合には、内槽と外槽の隙間に汚れが溜まり、クリーニングも容易でないため、細菌が繁殖することもある。また、汚れの付着が増えるにつれて、衣類に対する二次汚染が発生し、ユーザの健康を脅かす。更には、隙間に位置する水は衣類の洗浄に関与しないため、ある程度の水資源の無駄が発生する。上記の課題を解決するために、一般的な方案では、洗浄過程で密封される内槽を設計している。これにより、洗浄水は内槽にのみ存在し、洗浄過程で内槽と外槽の間に進入することがなくなる。
【0003】
特許文献1は、洗濯機を開示している。洗濯機の内槽の槽口には、開口を開閉可能に密閉する内槽蓋が設けられており、内槽蓋が槽口に然るべく掛合することで、内槽が密閉された容器を形成する。従来技術では、多くの場合、内槽の槽底と槽壁が2つの部材からなっており、これらを組み付けることで洗浄室が形成される。そのため、これらの組み付け及び接触位置に隙間が存在することで、漏水の問題が発生しやすい。また、三脚ブラケットを内槽の底部に固定するために、内槽の底部の側面に貫通したボルト孔を開設せねばならないことからも、漏水の問題が発生する。
【0004】
以上に鑑みて、本発明を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願第201810161902.1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、洗浄及びすすぎ段階で密封構造を有する内槽及び洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0008】
内槽は、洗浄及びすすぎ過程で洗浄水を独立して収容可能であり、槽底及び槽壁を含む。前記槽壁における槽底に近接する側には第1接続部が設けられており、前記槽底の側面には第2接続部が設けられている。前記第1接続部は第2接続部に固定的に接続され、これらの間に密封部材が設けられている。
【0009】
更に、前記槽壁における槽底に近接する側には、槽口から離間する方向に延伸する第1接続壁が設けられており、第1接続壁の端部に第1屈曲部が設けられている。前記槽底には、前記第1接続壁と同じ方向に延伸する第2接続壁が設けられており、第2接続壁の端部に第2屈曲部が設けられている。前記第2接続壁は第1接続壁の内側に装着され、これらの間に密封部材が設けられている。第1屈曲部は、第2屈曲部と第2接続壁の間に伸入して、前記槽底と槽壁を固定的に接続する。
【0010】
更に、前記第1接続壁の内側及び/又は第2接続壁の外側にシール剤を塗布してからこれらを接続し、前記シール剤が硬化することで密封部材が形成される。或いは、前記第1接続壁の内側及び/又は第2接続壁の外側に、軟性体又は弾性体を密封部材として接着してからこれらを接続する。
【0011】
或いは、前記第2接続壁を第1接続壁の内側に装着してから、これらの間にシール剤を注入し、前記シール剤が硬化することで密封部材が形成される。或いは、前記第2接続壁を第1接続壁の内側に装着してから、これらの間に軟性体又は弾性体を密封部材として嵌入する。
【0012】
更に、前記第1接続壁には内側へ突出する第1貫通孔が開設されており、前記第2接続壁には内側へ突出する第2貫通孔が開設されている。前記第2接続壁は第1接続壁の内側に装着され、前記第1貫通孔と第2貫通孔は一対一で対応する。
【0013】
更に、前記槽壁における槽底に近接する一端は、槽底が存在する方向に向かって直径が徐々に縮小する錐状構造を有し、前記第1接続壁は、錐状構造の小径端から水平に延伸する筒状構造をなしている。
【0014】
更に、前記内槽は開口部を有している。前記開口部における槽壁に近接する一端の直径は、前記槽壁における開口部に近接する一端の直径よりも小さく、前記槽壁と前記開口部は段差構造を有する接続部を介して接続される。
【0015】
更に、前記接続部は、前記開口部が存在する方向に延伸し、直径が順次縮小する第1接続リング、第2接続リング及び第3接続リングを含む。前記第1接続リングと第2接続リングとの接続箇所には第1垂直壁が形成されており、前記第2接続リングと第3接続リングとの接続箇所には第2垂直壁が形成されている。
【0016】
更に、前記第1接続リングは、前記開口部が存在する方向に延伸し、直径が徐々に縮小する錐状構造をなしており、及び/又は、前記第2接続リングと第3接続リングは、前記開口部が存在する方向に水平に延伸する筒状構造をなしている。
【0017】
更に、前記内槽は、更に、前記開口部を開閉可能に密閉する内槽ドアを含む。前記第2垂直壁には、前記内槽ドアのドアピボットヒンジベース固定構造とドアロックベース固定構造が設置されている。
【0018】
本発明の別の目的は、上記の内槽を含む洗濯機を提供することである。
【発明の効果】
【0019】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0020】
本発明の内槽は、洗浄及びすすぎ過程で洗浄水を独立して収容可能であり、槽底と槽壁の間に密封部材が設けられている。これにより、内槽の底部の密封構造が保証されるため、洗浄及びすすぎ過程で内槽の底部に漏水が発生するとの事態が回避される。
【0021】
本発明の内槽は、段差構造を有する接続部を設置することで槽壁と開口部を接続している。接続部には、垂直のリング状壁が存在しているため、内槽ドアの構造との連携がより容易となり、内槽ドアと内槽との接続及び閉止後のロックが実現される。
【0022】
本発明の洗濯機は、洗浄及びすすぎ過程で洗浄水を独立して収容可能な内槽を設置しているため、内槽と外槽の間に汚れが溜まるとの事態が回避される。且つ、内槽と外槽の間が無水となるため、洗浄水の使用量が減少し、水資源の節約となる。
【0023】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0024】
図面は、本発明の一部として本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の内槽の概略構造図である。
図2図2は、本発明の内槽を正面から見た概略構造図である。
図3図3は、本発明の図2におけるA-A面の概略断面図である。
図4図4は、本発明における図3のA部分の概略拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0027】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0028】
本発明の記載において、説明すべき点として、「前」、「後」、「垂直」、「内」、「外」等の用語で示される方向又は位置関係は、図示に基づく方向又は位置関係であって、本発明の記載の便宜上及び記載の簡略化のためのものにすぎず、対象となる装置又は部材が特定の方向を有し、且つ特定の方向で構成及び操作されねばならないことを明示又は暗示するものではない。よって、本発明を制限するものと理解すべきではない。
【0029】
本発明の記載において、説明すべき点として、別途明確に規定及び限定している場合を除き、「装着する」、「接続する」との用語は広義に解釈すべきである。例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的な接続であってもよい。また、直接的な連なりであってもよいし、中間媒体を介した間接的な連なりであってもよい。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を解釈可能である。
【0030】
図1図4に示すように、本発明における洗濯機の内槽は、洗浄及びすすぎ過程で洗浄水を独立して収容可能であり、槽底3及び槽壁2を含む。槽壁2における槽底3に近接する側には第1接続部が設けられており、槽底3の側面には第2接続部が設けられている。第1接続部は第2接続部に固定的に接続され、これらの間に密封部材6が設けられている。
【0031】
本発明の好ましい実施形態として、槽壁2における槽底3に近接する側には後方へ延伸する第1接続壁601が設けられており、第1接続壁601の端部に第1屈曲部611が設けられている。また、槽底3には、第1接続壁601と同じ方向に延伸する第2接続壁602が設けられており、第2接続壁602の端部に第2屈曲部612が設けられている。第2接続壁602は第1接続壁601の内側に装着され、これらの間に密封部材6が設けられている。第1屈曲部611は、第2屈曲部612と第2接続壁602の間に伸入して、槽底3と槽壁2を固定的に接続する。
【0032】
本発明の好ましい実施形態として、まず、第1接続壁601の内側及び/又は第2接続壁602の外側に、密封部材6として、シール剤を塗布するか、軟性体又は弾性体を接着してから、第1接続壁601と第2接続壁602を接続する。
【0033】
本発明におけるその他の好ましい実施形態として、まず、第2接続壁602を第1接続壁601の内側に装着してから、密封部材6として、これらの間にシール剤を注入するか、軟性体又は弾性体を嵌入する。
【0034】
本発明の好ましい実施形態として、前記内槽は開口部1を有している。開口部1における槽壁2に近接する一端の直径は、槽壁2における開口部1に近接する一端の直径よりも小さく、槽壁2と開口部1は段差構造を有する接続部4を介して接続される。
【実施例1】
【0035】
図1図4に示すように、本実施例における上記の内槽は孔無し構造をなしている。槽口には、開放/閉止可能に内槽ドアが装着されており、閉止時に内槽とともに独立した洗浄室を形成することで、洗浄及びすすぎ過程で洗浄水を独立して収容可能とする。前記内槽は槽底3及び槽壁2を含む。槽壁2の前部は、前方から後方に向かって直径が徐々に拡大する前錐構造21をなしている。また、中央部は直径が変化しない筒状をなしており、後部は、前方から後方に向かって直径が徐々に縮小する後錐構造22をなしている。槽壁2の中央部における直径が変化しない位置には、槽壁2の外側に向かって突出する排水孔23が設置されている。排水孔23は、直径が内槽の内側から外側に向かって縮小する錐状構造をなしており、排水孔23内に設置されている排水バルブプラグの開閉と連携して、孔無し内槽の排水及び密封を実現する。
【0036】
後錐構造22の末端には、水平に後方へ延伸する第1接続壁601が設けられており、第1接続壁601には、内側へ突出する錐状の第1ボルト孔621が開設されている。また、槽底3の側面には、水平に後方へ延伸する第2接続壁602が設けられており、第2接続壁602には、内側へ突出する錐状の第2ボルト孔622が開設されている。第1ボルト孔621と第2ボルト孔622の形状及び位置は一対一で対応している。第2接続壁602を第1接続壁601の内側に装着した場合、第2接続壁602の端部は第1接続壁601の端部よりも長い。よって、まず、第2接続壁602の端部を外側に折り返して第1接続壁601の外側を覆ってから、双方を同時に外側に折り返す。これにより、第1接続壁601の端部に外側へ1回折り返された第1屈曲部611が形成され、第2接続壁602の端部に外側へ2回折り返された第2屈曲部612が形成される。且つ、第1屈曲部611が第2屈曲部612と第2接続壁602の間に伸入して、槽底3と槽壁2を固定的に接続する。
【0037】
内槽の底部に三脚ブラケットを装着する退避空間を形成するために、槽底3の中央部には、内槽の内部に向かって窪んだ構造が備わっている。第1ボルト孔621と第2ボルト孔622にネジを挿通して三脚ブラケットの3つの支持脚に接続することで、三脚ブラケットを内槽の底部に固定する。
【0038】
本実施例の好ましい実施形態では、まず、第1接続壁601の内側及び/又は第2接続壁602の外側にシール剤を塗布してから、第2接続壁602を第1接続壁601の内側に装着し、端部を2回折り返すことで固定的に接続する。そして、シール剤が硬化することで密封部材6が形成され、第1接続壁601と第2接続壁602の間、及び、第1ボルト孔621と第2ボルト孔622との係合及び装着箇所周辺に存在する隙間を密封可能となる。これにより、内槽の槽底3と槽壁2の間に漏水の問題が存在するとの事態が防止される。
【0039】
本実施例の別の好ましい実施形態では、まず、第1接続壁601の内側及び/又は第2接続壁602の外側に軟性体又は弾性体を接着してから、第2接続壁602を第1接続壁601の内側に装着し、端部を2回折り返すことで固定的に接続する。前記軟性体又は弾性体は、密封部材6として、槽底3と槽壁2の間の接続構造を密封可能である。これにより、槽底3と槽壁2の間に漏水の問題が存在するとの事態が防止される。
【0040】
本実施例では、まず、シール剤を塗布するか、軟性体又は弾性体を接着してから、槽底と槽壁を固定的に接続することで、これらの間の隙間のない接続を実現する。これにより、槽底と槽壁との接続箇所に漏水の問題が存在するとの事態が防止される。
【実施例2】
【0041】
本実施例は、上記実施例1と以下の点において異なっている。まず、第2接続壁602を第1接続壁601の内側に装着し、端部を2回折り返すことで固定的に接続する。その後、これらの間にシール剤を注入し、硬化させることで密封部材6を形成するか、これらの間に軟性体又は弾性体を密封部材6として嵌入する。
【0042】
本実施例では、まず、槽底と槽壁を接続してから、これらの間にシール剤、軟性体又は弾性体を充填し、これらの接続箇所の隙間を埋めることで、槽底と槽壁との接続箇所に漏水の問題が存在するとの事態を防止する。
【実施例3】
【0043】
図1図4に示すように、本実施例は上記実施例1を更に限定する。前記内槽は開口部1を有している。開口部1は、前方から後方に向かって直径が徐々に縮小する錐状構造をなしており、前端に外側へ折り返されたフランジを有している。開口部1の小径端の直径は、槽壁2における開口部1に近接する一端の直径よりも小さく、これらの間は段差構造を有する接続部4を介して接続される。接続部4は、後方から前方に向かって直径が順次縮小する第1接続リング401、第2接続リング402及び第3接続リング403を含む。第1接続リング401と第2接続リング402との接続箇所には第1垂直壁411が形成されており、第2接続リング402と第3接続リング403との接続箇所には第2垂直壁412が形成されている。第1接続リング401は、後方から前方に向かって直径が徐々に縮小する錐状構造をなしており、第2接続リング402及び第3接続リング403は直径が変化しない筒状構造をなしている。接続部4は、開口部1と一体的に成型される一方、槽壁2とは、一体的に成型されるか、カールエッジプロセスにより接続される。
【0044】
内槽ドアは、回動可能に内槽の槽口に設置され、ドアピボットヒンジを介して内槽にヒンジ接続される。第2垂直壁412には、ドアピボットヒンジベースと内槽を固定的に接続するドアピボットヒンジベース固定構造が設置されている。ドアピボットヒンジは、ドアピボットヒンジベースに装着されて、内槽と内槽ドアを接続する。また、第2垂直壁412におけるドアピボットヒンジベース固定構造と対称な位置には、ドアロックベース固定構造が設置されている。当該構造にはドアロックベースが固定的に装着されている。また、内槽ドアの対応位置にはドアロックアセンブリが設置されている。内槽ドアが閉じられると、ドアロックアセンブリはドアロックベースと掛合して、内槽ドアのロックを実現する。
【0045】
本実施例の好ましい実施形態において、第2垂直壁412にはドアピボットヒンジベース固定孔52が開設されている。また、ドアピボットヒンジベースには、ドアピボットヒンジベース固定孔52に挿入されて第2垂直壁412に固定的に接続される対応構造が設けられている。更に、第2垂直壁412にはドアロックベース固定孔51が開設されている。また、ドアロックベースには、ドアロック固定孔51に挿入されて第2垂直壁412に固定的に接続される対応構造が設けられている。
【0046】
本実施例の別の好ましい実施形態では、第2垂直壁412に、ドアピボットヒンジベース固定構造及びドアロックベース固定構造が溶接又は係接されている。また、ドアピボットヒンジベース及びドアロックベースには、各々の固定構造に固定的に接続される対応構造がそれぞれ設置されている。好ましくは、一体部品にドアピボットヒンジベース固定構造とドアロックベース固定構造をそれぞれ設置して、当該部品を第2垂直壁412に固定的に装着する。
【0047】
本実施例では、内槽が内槽ドアと組み合わせ可能な錐状の開口部を有するように設置することで、内槽ドアの閉止後の槽口部分の密封がより良好に実現される。また、槽壁と開口部の間に段差構造を有する接続部が設置されており、接続部に垂直のリング状壁が存在している。これにより、ドアピボットヒンジベース及びドアロックベースの固定的な接続がより容易となり、内槽ドアの構造と連携させることで、内槽ドアの装着及び閉止後のロックが実現される。
【実施例4】
【0048】
本実施例は、上記実施例1~3のいずれかで述べた内槽を応用する洗濯機を提供する。当該洗濯機は、内槽の槽口部分に内槽ドアが開放/閉止可能に装着されている。前記洗濯機は外槽を更に含み、外槽と内槽が同軸に装着される。ユーザは、内槽ドアを開放して衣類を内槽に投入したり、衣類を内槽から取り出したりすることが可能である。洗濯過程では、内槽ドアが閉止されて、内槽とともに独立した洗浄室を形成することで、洗浄及びすすぎ過程で洗浄水を独立して収容可能とする。内槽の槽底又は内槽ドアには、給水管と連通して内槽への給水を実現する給水孔が設置されている。また、内槽の槽壁には排水孔が設けられている。排水孔内には、洗浄及びすすぎ過程で排水孔を閉塞し、排水段階で排水孔を開放して内槽からの排水を実現する排水バルブプラグが装着されている。
【0049】
本実施例では、孔無し内槽と内槽ドアが連携することで、洗浄及びすすぎ過程において、洗濯機の内槽が洗浄水を独立して収容する。これにより、内槽と外槽の間に洗浄水が代わる代わる存在し、汚れが蓄積するとともに、クリーニングも容易でないことから、洗濯物の二次汚染が発生するとの事態が回避される。且つ、内槽と外槽の間が無水となるため、洗濯過程における水の使用量が大幅に減少し、水資源の節約となる。
【0050】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは補足は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0051】
1 開口部
2 槽壁
21 前錐構造
22 後錐構造
23 排水孔
3 槽底
4 接続部
401 第1接続リング
402 第2接続リング
403 第3接続リング
411 第1垂直壁
412 第2垂直壁
51 ドアロックベース固定孔
52 ドアピボットヒンジベース固定孔
6 密封部材
601 第1接続壁
602 第2接続壁
611 第1屈曲部
612 第2屈曲部
621 第1ボルト孔
622 第2ボルト孔
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】