(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】子宮内膜症を有する個体における妊孕性向上食事推奨案を提供するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/60 20180101AFI20230323BHJP
【FI】
G16H20/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543768
(86)(22)【出願日】2021-02-16
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2021053767
(87)【国際公開番号】W WO2021165258
(87)【国際公開日】2021-08-26
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アフィッシュ ツェヒル, ミリアム
(72)【発明者】
【氏名】バザロワ, ロリータ
(72)【発明者】
【氏名】プレスティナ, ロコ
(72)【発明者】
【氏名】ロンガ, フレデリック
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
本発明は、妊孕性の改善を望むユーザに向けた個別化されたリアルタイムの食事及び生活習慣の推奨案のための、新規で革新的な方法及びシステムを提示する。好ましい実施形態では、本発明は、子宮内膜症を有する女性における妊孕性を改善するための新規の食事推奨案に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ属性を要求して取得する工程と、
前記複数のユーザ属性を、エビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準と比較する工程と、
少なくとも、前記複数のユーザ属性、及び前記エビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準との前記比較、に基づいて複数の妊娠支援機会を決定する工程と、
少なくとも前記複数の妊娠支援機会に基づいて複数の妊孕性向上推奨案を特定する工程と、
前記複数の妊孕性向上推奨案のうち少なくとも1つを提示する工程と、
を含む、子宮内膜症を有する個体の妊孕性及び妊娠を向上させる、方法。
【請求項2】
前記個体が、子宮内膜症を有し、かつ/又は、ホルモン避妊薬、ゴナドトロピン放出ホルモン(Gn-RH)アゴニスト及びアンタゴニスト、プロゲスチン並びにアロマターゼ阻害剤からなる群より選択されるホルモン治療を受けている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個体が、子宮内膜症を有し、かつ/又は、異所性子宮内膜組織の外科的除去を受けている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のユーザ属性が、
子宮内膜症の状態に関する情報、及び、
年齢、性別、体重、身長、活動レベル、食物過敏症、食事の選好、妊孕性体質、生活習慣の選択、及び任意の併存症から選択される前記ユーザ属性のうち少なくとも1つ、
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の妊孕性向上推奨案を特定する工程が、食事推奨案を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の妊孕性向上推奨案を特定する工程が、栄養補助食品の推奨案を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記栄養補助食品の推奨案が、
(i)ビタミンB6、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンDからなる群より選択されるビタミン、
(ii)マグネシウム、亜鉛、カルシウム、セレン、鉄からなる群より選択されるミネラル、
(iii)イコサペンタン酸、ドコサヘキサン酸、オメガ-3-エチルエステルからなる群より選択されるオメガ脂肪酸、及び
(iv)メラトニン、
からなる群より選択される栄養補助食品を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記栄養補助食品の推奨案が、
(i)少なくとも200mg/日の用量のビタミンB6、4000IU/日未満の用量のビタミンA、少なくとも8週間にわたって少なくとも約1000mg/日の用量のビタミンC、少なくとも約8週間にわたって少なくとも約1200IU/日の用量のビタミンE、少なくとも8週間にわたって少なくとも100mg/日の用量のビタミンB1、少なくとも約300,000IU/日の用量のビタミンDからなる群より選択されるビタミン、
(ii)少なくとも約250~400mg/日の用量のマグネシウム、少なくとも約220mg/日の用量の、亜鉛硫酸の形態での亜鉛、少なくとも約1000mg/日の用量のカルシウム、少なくとも約200ug~400ug/日の用量のセレン、少なくとも約30mg/日の用量の鉄からなる群より選択されるミネラル、
(iii)少なくとも約1080mg/日の用量のイコサペンタン酸、少なくとも約720mg/日の用量のドコサヘキサン酸、1日2回、少なくとも約1000mgの用量のオメガ-3-エチルエステルからなる群より選択されるオメガ脂肪酸、及び
(iv)少なくとも約10mg/日の用量のメラトニン、
からなる群より選択される、別個の栄養補助食品として又は組み合わせて、投与される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の妊孕性向上推奨案を特定する工程が、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ブレーべ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、及びストレプトコッカス・サリバリウス亜種サーモフィルスの群から選択される乳酸産生菌を含む栄養補助食品を、70kgの平均重量を有する成人に対して1日あたり3兆6000億個の菌の用量で投与すること、
を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の妊孕性向上推奨案を特定する工程が、
グルテンフリーの食事を摂ること、並びに/又は、
少なくとも6人前の果物、野菜、及び穀物を摂取すること、
の群より選択される食事推奨案を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも前記複数の妊娠支援機会に基づいて前記複数の妊孕性向上推奨案を特定する工程が、
前記複数の妊娠支援機会をクラウドベースの人工知能サービスに提供する工程と、
前記クラウドベースの人工知能サービスから、前記クラウドベースの人工知能サービスに提供された前記妊娠支援機会に基づく複数の妊孕性向上推奨案を取得する工程と、
を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
子宮内膜症を有する個体の妊孕性及び妊娠を向上させるための妊孕性向上推奨案を生成するためのコンピュータ実装システムであって、
メモリと、
CPUと、
属性質問票をユーザに提示するように構成されたディスプレイと、
少なくとも前記属性質問票に基づく複数のユーザ属性を取得するように構成された属性取得ユニットと、
前記取得された複数のユーザ属性を、対応する複数の妊孕性基準と比較するように構成された属性比較ユニットと、
少なくとも前記複数のユーザ属性及び前記対応する複数の妊孕性基準との比較に基づいて複数の妊孕性向上推奨案を生成するように構成されたエビデンスベースの食事及び生活習慣推奨エンジンと、
を備え、
前記ディスプレイが、前記複数の妊孕性向上推奨案のうち少なくとも1つを前記ユーザに提示するように更に構成されている、コンピュータ実装システム。
【請求項13】
前記複数のユーザ属性が、疼痛のレベル又はホルモン薬の種類の群より選択される、子宮内膜症を有する前記個体に関する情報、
を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のユーザ属性が、年齢、性別、体重、身長、活動レベル、食物過敏症、食事の選好、妊孕性体質、生活習慣の選択、及び任意の併存症の群より選択される更なるユーザ属性のうち少なくとも1つに関する情報、
を含む、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
前記エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジンが、
レシピ、特定の食品品目、製品、又は食事のヒントのうち1つ以上を含む複数のデータベースと、
食物過敏症、食事の選好、妊孕性関連の症状、又は併存症のうち1つ以上を含む食事制限による複数のフィルタと、
カロリー摂取量、食品群、又は栄養素のうち1つ以上に基づいて前記複数の妊孕性向上推奨案を最適化するように構成された最適化ユニットと、
を含む、請求項12~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記最適化ユニットが、
(i)ビタミンB6、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンDからなる群より選択されるビタミン、
(ii)マグネシウム、亜鉛、カルシウム、セレン、鉄からなる群より選択されるミネラル、
(iii)イコサペンタン酸、ドコサヘキサン酸、オメガ-3-エチルエステルからなる群より選択されるオメガ脂肪酸、及び
(iv)メラトニン、
からなる群より選択される栄養補助食品を含む、子宮内膜症を有する個体に対する食事栄養補助食品の推奨案、
を含む妊孕性向上推奨案を最適化するように構成されている、請求項12~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記最適化ユニットが、
(i)少なくとも200mg/日の用量のビタミンB6、4000IU/日未満の用量のビタミンA、少なくとも8週間にわたって少なくとも約1000mg/日の用量のビタミンC、少なくとも約8週間にわたって少なくとも約1200IU/日の用量のビタミンE、少なくとも8週間にわたって少なくとも100mg/日の用量のビタミンB1、少なくとも約300,000IU/日の用量のビタミンDからなる群より選択されるビタミン、
(ii)少なくとも約250~400mg/日の用量のマグネシウム、少なくとも約220mg/日の用量の、亜鉛硫酸の形態での亜鉛、少なくとも約1000mg/日の用量のカルシウム、少なくとも約200ug~400ug/日の用量のセレン、少なくとも約30mg/日の用量の鉄からなる群より選択されるミネラル、
(iii)少なくとも約1080mg/日の用量のイコサペンタン酸、少なくとも約720mg/日の用量のドコサヘキサン酸、1日2回、少なくとも約1000mgの用量のオメガ-3-エチルエステルからなる群より選択されるオメガ脂肪酸、及び
(iv)少なくとも約10mg/日の用量のメラトニン、
からなる群より選択される、別個の栄養補助食品として又は組み合わせて、前記用量で投与される栄養補助食品を含む、子宮内膜症を有する個体に対する食事栄養補助食品の推奨案、
を含む妊孕性向上推奨案を最適化するように構成されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記最適化ユニットが、
ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ブレーべ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、及びストレプトコッカス・サリバリウス亜種サーモフィルスの群から選択される、別個の栄養補助食品として又は組み合わせて、70kgの平均重量を有する成人に対して1日あたり3兆6000億個の菌の用量で投与される、乳酸産生菌の栄養補助食品からなる、子宮内膜症を有する個体に対する食事栄養補助食品の推奨案を含む妊孕性向上推奨案、
を最適化するように構成されている、請求項16又は17に記載のシステム。
【請求項19】
前記最適化ユニットが、
グルテンフリーの食事を摂ること、並びに/又は、
少なくとも6人前の果物、野菜、及び穀物を摂取すること、
の群より選択される、子宮内膜症を有する個体に対する食事推奨案を含む妊孕性向上推奨案、
を最適化するように構成されている、請求項12~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジンが、クラウドベースのAIとして構成されている、請求項12~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
複数のユーザ食事属性を取得する工程と、
前記複数のユーザの食事属性を複数の対応する妊孕性食事基準と比較する工程と、
少なくとも前記複数のユーザの食事属性と前記複数の対応する妊孕性食事基準の前記比較に基づいて複数の食物摂取不足を決定する工程と、
前記複数の食物摂取不足に基づいて具体的な複数の栄養補給推奨案を生成する工程と、
前記複数の栄養補給推奨案を提示する工程と、
を含む、妊孕性及び妊娠を促進するための具体的な栄養補給法を提供する方法。
【請求項22】
前記栄養補給推奨案が、
(i)ビタミンB6、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンDからなる群より選択されるビタミン、
(ii)マグネシウム、亜鉛、カルシウム、セレン、鉄からなる群より選択されるミネラル、
(iii)イコサペンタン酸、ドコサヘキサン酸、オメガ-3-エチルエステルからなる群より選択されるオメガ脂肪酸、及び、
(iv)メラトニン、
からなる群より選択される栄養補助食品を推奨することを含む、栄養補助食品の投与を別個の栄養補助食品として又は組み合わせて推奨すること、
を含む、請求項21に記載の妊孕性及び妊娠を促進するための具体的な栄養補給法を提供する方法。
【請求項23】
前記栄養補給推奨案が、
(i)少なくとも200mg/日の用量のビタミンB6、4000IU/日未満の用量のビタミンA、少なくとも8週間にわたって少なくとも約1000mg/日の用量のビタミンC、少なくとも約8週間にわたって少なくとも約1200IU/日の用量のビタミンE、少なくとも8週間にわたって少なくとも100mg/日の用量のビタミンB1、少なくとも約300,000IU/日の用量のビタミンDからなる群より選択されるビタミン、
(ii)少なくとも約250~400mg/日の用量のマグネシウム、少なくとも約220mg/日の用量の、亜鉛硫酸塩の形態での亜鉛、少なくとも約1000mg/日の用量のカルシウム、少なくとも約200ug~400ug/日の用量のセレン、少なくとも約30mg/日の用量の鉄からなる群より選択されるミネラル、
(iii)少なくとも約1080mg/日の用量のイコサペンタン酸、少なくとも約720mg/日の用量のドコサヘキサン酸、1日2回、少なくとも約1000mgの用量のオメガ-3-エチルエステルからなる群より選択されるオメガ脂肪酸、及び、
(iv)少なくとも約10mg/日の用量のメラトニン、
からなる群より選択される栄養補助食品を推奨することを含む、栄養補助食品の投与を別個の栄養補助食品として又は組み合わせて推奨すること、
を含む、請求項21又は22に記載の妊孕性及び妊娠を促進するための具体的な栄養補給法を提供する方法。
【請求項24】
前記栄養補給推奨案が、
ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・デルブリッキィ亜種ブルガリクス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス、ビフィドバクテリウム・ブレーべ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、及びストレプトコッカス・サリバリウス亜種サーモフィルスの群から選択される乳酸産生菌を、70kgの平均重量を有する成人に対して1日あたり3兆6000億個の菌の用量で追加的に含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の妊孕性及び妊娠を促進するための具体的な栄養補給法を提供する方法。
【請求項25】
複数のユーザ属性を要求して取得する工程が、
利用可能な家庭用検査キットのリストを提供する工程と、
前記利用可能な家庭用検査キットのリストのうち少なくとも1つのキットからの複数の結果を取得する工程と、
少なくとも前記複数の結果に基づいて複数のユーザ属性を決定する工程と、
を含む、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
複数のユーザ属性を要求して取得する工程が、
自己評価ツールを提供する工程と、
前記自己評価ツールからの複数の結果を取得する工程と、
少なくとも前記複数の結果に基づいて前記複数のユーザ属性を決定する工程と、
を含む、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
複数のユーザ属性を要求して取得する工程が、標準健康検査からの複数のユーザ属性を取得する工程を含み、前記標準健康検査が医療従事者によって執り行われる、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
複数のユーザ属性を取得する工程と、
前記複数のユーザ属性を、エビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準と比較する工程と、
少なくとも前記複数のユーザ属性、及び前記エビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準との前記比較に基づいて複数の妊娠支援機会を決定する工程と、
少なくとも前記複数の妊娠支援機会、前記複数のユーザ属性、及び属性経歴データベースに基づいて複数の妊孕性向上推奨案を特定する工程と、
前記複数の妊孕性向上推奨案のうち少なくとも1つを提示する工程と、
妊娠のコーチと連絡をとるための要求を取得する工程と、
を含む、家族の妊娠を支援する方法。
【請求項29】
前記複数の妊孕性向上推奨案に基づいて妊娠のバーチャルコーチを決定する工程と、
前記妊娠のバーチャルコーチへのアクセスを提供する工程と、
を更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記複数の妊孕性向上推奨案に基づいて妊娠のパーソナルコーチを決定する工程と、
前記妊娠のパーソナルコーチへのアクセスを提供する工程と、
を更に含む、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、妊孕性の改善を望むユーザに向けた個別化されたリアルタイムの食事及び生活習慣の推奨案のための、新規で革新的な方法及びシステムを提示する。
【0002】
好ましい実施形態では、本発明は、子宮内膜症を有する個体、特に女性の妊孕性及び妊娠を改善するための新規の食事推奨案に関する。
【背景技術】
【0003】
子宮内膜症は、子宮外での子宮内膜組織の異常成長を特徴とする。これは、腹腔内の慢性的な炎症につながる、病因が不明な多因子疾患である。この疾患の一般的な症状は、月経困難症及び性交疼痛症である。子宮内膜症は、生殖可能年齢のすべての女性の12~45パーセントの関連有病率を有する、生殖可能年齢の女性の不妊に対する主要な一因である。
【0004】
現在、治療は、典型的にはホルモン療法薬によるものである。
【0005】
(i)ホルモン避妊薬を使用して、毎月の子宮内膜組織の増殖を担うホルモンを制御し、疼痛を低減することができる。
【0006】
(ii)ゴナドトロピン放出ホルモン(Gn-RH)アゴニスト及びアンタゴニストは、卵巣刺激ホルモンの産生を遮断し、エストロゲン濃度を低下させ、月経が子宮内膜組織を収縮させるのを防止する。これは人工的な閉経につながるため、Gn-RHアゴニスト及びアンタゴニストと一緒に低用量のエストロゲン又はプロゲスチンを服用することで、ホットフラッシュ、膣の乾燥感及び骨粗しょう症などの閉経期の副作用を減少させ得る。月経期及び妊孕能は、薬物療法を停止すると戻る。
【0007】
(iii)レボノルゲストリル(MIRENA、SKYLA)、避妊用インプラント(NEXPLANON)、避妊注射(DEPO-PROVERA)又はプロゲスチンピル(CAMILA)を含むプロゲスチン療法は、月経期及び子宮内膜移殖の成長を止めることができ、それによって子宮内膜症の徴候及び症状を緩和し得る。月経期及び妊孕能は、薬物療法を停止すると戻る。
【0008】
(iv)アロマターゼ阻害剤は、体内のエストロゲンの量を減らす。子宮内膜症を治療するために、アロマターゼ阻害剤を、プロゲスチン又は組み合わせホルモン避妊薬と共に使用し得る。
【0009】
上記の様々なホルモン薬物療法による治療にもかかわらず、有効な治療法はなく、進行している子宮内膜症においては、腹腔鏡による異所性組織の除去が推奨され得る。
【0010】
子宮内膜症を有する女性は、大幅に低い移殖率及び妊娠率を有し、妊娠がより困難である。進行した子宮内膜症では、卵巣反応の減少及び体外受精サイクル中でのより高い失敗率があるが、異所性組織の除去によって改善され得る。
【0011】
しかしながら、腹腔内の慢性的な炎症、並びに月経困難症及び性交疼痛症からの疼痛は依然として持続し得る。したがって、これらの症状を改善し、子宮内膜症を有する女性の妊孕性及び妊娠を改善するための解決策を提供する必要がある。
【0012】
現在、子宮内膜症に対する食事推奨案は、妊孕性及び食事に関する研究が一日における食生活全体又は一食全体として目を向けることなく一度に単一の栄養素又は食品群のみで調査しており、また1日あたりに摂取する、若しくは子宮内膜症などの妊孕性に影響を与える具体的な医学的状態それぞれについての推奨摂取量を提供していないため、一般的なものが多い。
【0013】
本発明は、ユーザに対する個別化されたリアルタイムでの食事及び生活習慣の推奨案のための新規かつ革新的な方法及びシステムを提供することによって、現況技術の欠陥に対処する。
【0014】
本発明の食事推奨案は、月経困難症又は骨盤痛などの子宮内膜症関連の症状の改善に寄与し、ホルモン治療による従来の医療療法も補完する。
【0015】
具体的には、本発明は、子宮内膜症を有する個体における妊孕性及び妊娠を向上させる特定の条件に対し、以下を組み合わせた、新規で統合された食事の推奨案を提供することで対処する。
・毎日摂取することが推奨される具体的な食事成分
・具体的な食事摂取量
・特定の食事成分を回避するための具体的な推奨案
・生活習慣の要素に関する具体的な推奨案
【発明の概要】
【0016】
本発明は、妊孕性の改善を望むユーザに向けた個別化されたリアルタイムの食事及び生活習慣の推奨案のための、新規で革新的な方法及びシステムを提示する。
【0017】
いくつかの実施形態では、複数のユーザ属性を要求して取得し、その複数のユーザ属性を、エビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準と比較して、その複数のユーザ属性、及びエビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準との比較、に基づいて複数の妊娠支援機会を決定し、その複数の妊娠支援機会に基づいて複数の妊孕性向上推奨案を特定し、その複数の妊孕性向上推奨案のうち少なくとも1つを提示することを含む方法及びシステムが提供される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、システム及び方法は、子宮内膜症を有する個体における妊孕性を増加させるための妊孕性向上推奨案を提示する。
【0019】
本発明の別の好ましい実施形態では、本発明の食事推奨案は、月経困難症又は骨盤痛などの子宮内膜症関連の症状の改善に、及びホルモン治療による従来の医療療法を補完することに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態によるシステムを示す図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態によるシステム構成要素を示す図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態によるシステム構成要素を示す図である。
【
図4-1】本発明の例示的な実施形態による、ユーザに対する複数の食事推奨案の例を示す図である。
【
図4-2】本発明の例示的な実施形態による、ユーザに対する複数の食事推奨案の例を示す図である。
【
図4-3】本発明の例示的な実施形態による、ユーザに対する複数の食事推奨案の例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による方法を示す図である。
【
図6A】本発明の一実施形態による方法を示す図である。
【
図6B】本発明の一実施形態による方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
ユーザの妊孕性を促進するためには、妊孕性の向上に関心のあるユーザに食事及び生活習慣のカスタマイズされた計画を提供することが有用であり得る。したがって、妊娠のチャンスを向上させるのに最大の利益を提供するためには、カスタマイズされた統合的なアプローチが不可欠である。
【0022】
このレベルの個別化を提供する1つの方法は、ある種の医学的状態又は疾病及び妊娠の現状に関する情報を個体から取得し、過去のエビデンスベースの妊孕性データベースと比較して、提供された情報に基づいて患者の妊孕性を改善する推奨される食事及び生活習慣の選択肢を作り出すことである。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態では、生殖補助医療の異なる方法の使用及びタイミングを含む、患者の妊孕性経歴を文書化して、患者の妊孕性及び妊娠の機会を改善するのに役立つ推奨された食事及び生活習慣の選択肢を生成する。
【0024】
システムの一例は、妊娠の計画の初期段階から最終段階にわたる妊娠の過程全体を通してユーザ支援を提供することができれば、有益であり得る。したがって、このシステム例は、妊娠、生活習慣、栄養、及び運動の、バーチャルコーチ及びパーソナルコーチ両方へのコンスタントな24時間のアクセスを提供できるならば、有用であろう。更に、あるシステム例は、不安に対処し、ストレスを低減し、又は、具体的な栄養補給法を提供する(これらはすべてユーザの妊孕性にも関連している)ための推奨案を提供し得る。
【0025】
図1は、本開示の一実施形態によるシステム100を示す。システム100は、ユーザデバイス102及び推奨システム104を含む。ユーザデバイス102は、コンピュータ、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、又は、関連するユーザが推奨システム104と通信することができる他のウェアラブルなどのコンピューティングデバイスとして実施されてもよい。ユーザデバイス102はまた、例えば、ユーザから音声要求を受信し、ユーザに近接するコンピュータデバイス上でローカルに、又はリモートコンピューティングデバイス上のいずれかで(例えば、リモートコンピューティングサーバで)、要求を処理するように構成された音声アシスタントとして実施されてもよい。
【0026】
推奨システム104は、ディスプレイ106、属性取得ユニット108、属性比較ユニット110、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン112、属性分析ユニット114、属性記憶ユニット116、メモリ118、及びCPU120のうち1つ以上を含む。留意すべきこととして、いくつかの実施形態では、ディスプレイ106は、追加で、又は代替的に、ユーザデバイス102内に配置されてもよい。一例では、推奨システム104は、複数の妊孕性向上推奨案140に対する要求を取得するように構成されてもよい。例えば、推奨サービスへの登録をユーザに要求するアプリケーションを、ユーザがユーザデバイス102にインストールしてもよい。このサービスに登録することによって、ユーザデバイス102は、妊孕性向上推奨案140に対する要求を送信してもよい。別の例では、ユーザは、ユーザデバイス102を使用して、ユーザ固有の資格情報を使用してウェブポータルにアクセスしてもよい。このウェブポータルを通して、ユーザは、推奨システム104からの妊孕性向上推奨案をユーザデバイス102に要求させてもよい。
【0027】
別の例では、推奨システム104は、複数のユーザ属性122を要求して取得するように構成されてもよい。例えば、ディスプレイ106は、属性質問表124をユーザに提示するように構成されてもよい。属性取得ユニット108は、ユーザ属性122を取得するように構成されてもよい。一例では、属性取得ユニット108は、属性質問表124に基づく複数の回答126を取得し、その複数の回答に基づいて複数のユーザ属性122を判断してもよい。例えば、属性取得ユニット108は、ユーザの食事が栄養所要量(RDA)と同等であることを示唆する回答を属性質問表124に取得し、次いで、ユーザ属性122が500mg/日のビタミンCなどのRDAと同等であると判断してもよい。別の例では、ユーザデバイス属性取得ユニット108は、ユーザデバイス102からユーザ属性122を直接取得してもよい。
【0028】
別の例では、属性取得ユニット108は、家庭用検査キットの検査結果、医療従事者が執り行った標準健康検査の結果、ユーザが使用した自己評価ツールの結果、又は任意の外部若しくは第三者検査の結果を取得するように構成されてもよい。属性取得ユニット108は、これらの検査又はツールのいずれかからの結果に基づいてユーザ属性122を決定するように構成されてもよい。例えば、これは、標準栄養素濃度と比較され得る、ユーザの血液中又は尿中の栄養素濃度の測定値であり得る。
【0029】
推奨システム104は、複数のユーザ属性122をエビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準128と比較するように更に構成されてもよい。例えば、属性比較ユニット110は、ユーザ妊孕性区分130を決定するように構成されてもよい。一例では、ユーザ妊孕性区分130は、計画中で不安のある者、計画中で健康な者、妊娠試行中で困難のある者、及び妊娠試行中で健康な者、のうちのいずれかであってもよい。この例では、計画中で不安のある者とは、ユーザが妊孕性の健康に関連する医学的問題を有しており、現在、家族計画の段階にある区分を表し、計画中で健康な者とは、ユーザが健康な妊孕性体質を有しており、現在、家族計画段階にあるとみなされる区分を表し、妊娠試行中で困難のある者とは、ユーザが妊孕性の健康に関連する医学的問題を有しており、現在、積極的に妊娠を試みている区分を表し、妊娠試行中で健康な者とは、ユーザが健康な妊孕性体質を有しており、現在、積極的に妊娠を試みているとみなされる区分を表す。
【0030】
好ましい例では、ユーザ妊孕性区分は、これよりもっと具体的であってもよい。例えば、ユーザ妊孕性区分は、子宮内膜症を有するユーザであり得る。ユーザ妊孕性区分は、高BMIを有するユーザとして更に特定することができる。
【0031】
更に、属性比較ユニット110は、ユーザ妊孕性区分130に基づいて妊孕性基準セット132を決定するように更に構成されてもよい。例えば、属性比較ユニット110が、複数のユーザ属性122に基づいて、あるユーザが子宮内膜症のユーザ妊孕性区分130に当てはまると判断した場合、属性比較ユニット110は、ホルモン療法などの特定の医学的治療を受けているユーザの具体的なニーズに従って作成及び定義された妊孕性基準セット132を選択してもよい。
【0032】
比較ユニット110は、この決定した妊孕性基準セット132からエビデンスベースの複数の妊孕性基準128を選択し、ここで選択したエビデンスベースの妊孕性基準128を対応するユーザ属性122のそれぞれと比較するように更に構成されてもよい。例えば、妊孕性基準セット132が決定されると、その決定に応答して、属性比較ユニット110は、ユーザのビタミンC摂取を表すユーザ属性122を、基準ビタミンC摂取量を表すエビデンスベースの妊孕性基準128と比較し、ユーザの摂取量が基準ビタミンC摂取量より少ないか、基準量どおりか、又は、それより多いのかを判断してもよい。この例は具象的な数値比較に基づくが、基準比較の別の例は定性的であり、人によって異なり得る。例えば、ユーザ属性122は、ユーザが現在、通常レベルよりも高いストレスを受けていることを示すことがある。ユーザのストレスレベルに関連する基準の一例は、平均又は低レベルのストレスが望ましいことを示してもよく、よって、より高いレベルのストレスを示すユーザ属性122はその基準未満であると判断される。異なるユーザは異なるレベルのストレスを受けるので、同じ状況の下にあっても、そのような比較にはカスタマイズされたアプローチが必要になる。
【0033】
更に、先述の例での比較の間に、属性比較ユニット110は、エビデンスベースの妊孕性基準128とユーザ属性122との間の比較に基づいてユーザ妊孕性スコア134を決定するように構成されてもよい。例えば、ユーザ属性122が対応するエビデンスベースの妊孕性基準128のすべて又はほとんどをほぼ完全に満たす場合、属性比較ユニット110は、95/100というユーザ妊孕性スコアを決定してもよい。別の例では、スコアは、ユーザが自分たちの現在の属性が基準の間で、どれぐらいにランク付けされているか解釈できるように、文字等級、記号、又はその他のランキングシステムで表されてもよい。このユーザ妊孕性スコア134は、ディスプレイ106を通して提示されてもよい。
【0034】
推奨システム104は、複数のユーザ属性122、及びエビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準128との比較、に基づいて複数の妊娠支援機会138を決定するように更に構成されてもよい。一例では、属性比較ユニット110は、対応するエビデンスベースの妊孕性基準を満たしていないすべてのユーザ属性122について、妊娠支援機会138を決定してもよい。この例では、対応するエビデンスベースの妊孕性基準128は、ユーザが500mg/日のビタミンCを摂取することを必要とし得るが、ユーザ属性は、ユーザが200mg/日のビタミンCしか摂取していないことを示し得る。したがって、属性比較ユニット110は、ビタミンC摂取量の増加を妊娠支援機会138として決定してもよい。
【0035】
別の例では、属性比較ユニット110は、エビデンスベースの複数の妊孕性基準128のうち対応する基準未満である複数のユーザ属性122のそれぞれからなる第1のユーザ属性のセット136を特定し、並びに、その対応するエビデンスベースの妊孕性基準128以上である複数のユーザ属性122のそれぞれからなる第2のユーザ属性のセット136を特定するように構成されてもよい。第1のユーザ属性のセット136は上に挙げた例と同様に決定されるが、第2のユーザ属性のセット136は、関連するユーザは不備を有するように見えないものの、ユーザに現在の慣行を維持するように推奨することによって妊孕性を支援する機会、又は現在の慣行について更に改善する機会があり得るという点で、異なる。したがって、推奨システム104は、どの属性122がどちらのセット136に入るかに基づいて、妊孕性を支援する機会を決定してもよい。
【0036】
推奨システム104は、複数の妊娠支援機会138に基づいて複数の妊孕性向上推奨案140を特定するように更に構成されてもよい。例えば、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン112は、クラウドベースで構成されてもよい。推奨エンジン112は、複数のデータベース142、複数の食事制限フィルタ144、及び最適化ユニット146のうち1つ以上を含んでもよい。推奨エンジン112は、複数の機会138に基づいて、複数のデータベース142、食事制限フィルタ144、及び最適化ユニット146のうち1つ以上に従って、複数の妊孕性向上推奨案140を特定してもよい。
【0037】
別の例では、推奨システム104は、先行のユーザ属性に基づいて継続的な推奨案を提供するように構成されてもよい。例えば、推奨システム104は、前述の要素に加えて、属性記憶ユニット116及び属性分析ユニット114を含んでもよい。属性記憶ユニット116は、属性取得ユニット108が複数のユーザ属性122を取得したことに応答して、取得したユーザ属性122を、複数のユーザ属性122がいつ取得されたかに基づいて新しいエントリとして属性経歴データベース148に追加するように構成されてもよい。例えば、ユーザ属性122が属性取得ユニット108によって第1の日に取得されると、属性記憶ユニット116は、取得したユーザ属性122をエントリの日付を記して累積的な属性経歴データベース148に追加し、この日付は、この例では第1の日である。その後、ユーザ属性122が属性取得ユニット108によって第2の日、例えば翌日に取得されると、属性記憶ユニット116は更に、これらの新しい属性を、それらが第2の日に取得されたことを記して属性経歴データベース148に追加し、一方で、それより前の第1の日からの属性も保存する。
【0038】
この属性分析ユニット114は、属性経歴データベース148内に記憶された複数のユーザ属性122を分析するように構成されてもよく、記憶された複数のユーザ属性122を分析することは、長期的調査150を行うことを含む。上述の例を続けると、属性分析ユニット114は、属性経歴データベース148内で見つかる、第1日からの、第2日からの、及び他のすべてのユーザ属性122の集合のそれぞれからのユーザ属性122の長期的調査を行ってもよい。エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン112は、少なくとも、属性経歴データベース148内で見つかる記憶されたユーザ属性122及び属性分析ユニット114によって行われる分析に基づいて、複数の妊孕性向上推奨案140を生成するように更に構成されてもよい。
【0039】
一実施形態では、属性分析ユニット114は、属性記憶ユニット116が属性経歴データベース148に新しいエントリを追加したことに応答して、属性経歴データベース148内に記憶された複数のユーザ属性122を繰り返し分析して、事実上、新しいユーザ属性122が取得された直後に属性経歴データベース148内のデータのすべてを再分析するように更に構成される。同様に、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン112は、属性分析ユニット114が分析を完了したことに応答して、複数の妊孕性向上推奨案140を繰り返し生成し、それによって、ユーザ属性の新しいセット122が取得されるたびに、過去及び現在のすべてのユーザ属性122を考慮に入れた新しい妊孕性向上推奨案140を効果的に生成するように更に構成されてもよい。
【0040】
図2は、複数のユーザ属性122を含む例示的なデータベースを示す。例えば、ユーザ属性122には、年齢202、性別204、体重206、身長208、活動レベル210、食物過敏症212、食事の選好214、妊孕性体質216、妊孕性関連の医学的状態218、併存症220、及び生活習慣の選択222のうち1つ以上に関する情報が入り得る。食物過敏症212のいくつかの例には、ラクトース、卵、ナッツ、甲殻類、大豆、魚、及びグルテン過敏症が含まれる。食事の選好214のいくつかの非限定的な例には、ベジタリアン、ビーガン、地中海食、コーシャ、ハラル、パレオ、低炭水化物、及び低脂肪の食事が含まれる。
【0041】
妊孕性関連の医学的状態218のいくつかの非限定的な例には、多嚢胞性卵巣症候群、早発卵巣不全、子宮内膜症、不育症(recurring pregnancy loss)、IVF治療中、精液異常、アナボリックステロイド及びプロテイン補給剤の誤用、勃起不全、ホルモンバランスの乱れ、低テストステロン、並びに前立腺の問題が含まれる。
【0042】
好ましい実施形態では、妊孕性関連の医学的状態218は子宮内膜症である。
【0043】
併存症220のいくつかの非限定的な例には、糖尿病、肥満、高血圧、高コレステロール、セリアック病、及び胸焼けが含まれる。生活習慣の選択222のいくつかの非限定的な例に、通常の夜間睡眠時間などの睡眠習慣、現在ユーザが受けているストレスのレベル若しくは通常受けているストレスのレベルなどのストレス属性、ユーザの喫煙の有無、普段摂取するアルコール飲料の杯数、運動の頻度、又は、妊孕性に影響を与えてきた可能性のある任意の他の生活習慣の選択222が含まれてもよい。
【0044】
図3は、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン112の実施形態例を示す。一実施形態例では、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン112は、複数のデータベース142、複数の食事フィルタ制限144、及び最適化ユニット146を含む。複数のデータベース142は、レシピ302、食品品目304、食品製品306、及び食事のヒント308のうち1つ以上からなるデータベースを含んでもよい。食事フィルタ制限144は、食物過敏症310、食事の選好312、妊孕性関連の症状314、及び併存症316のうち1つ以上についてのフィルタを含んでもよい。最適化ユニット146は、カロリー摂取量318、食品群310、及び特定栄養素312のうち1つ以上に基づく最適化規則を含んでもよい。
【0045】
図4-1~
図4-3は、本開示の例示的な実施形態による、複数の食事及び生活習慣の推奨案の例を示す。この食事推奨案の例400は具体的な推奨案の詳細を示し、複数の妊孕性向上推奨案140が推奨システム104によって決定された後にユーザに提示されてもよい。具体的には、例400は、特定の妊孕性関連の医学的状態218を有するユーザのために決定された妊孕性向上推奨案140の詳細を示す。具体的には、実施例400は、子宮内膜症を有するユーザについて決定された妊孕性向上推奨案を示す。
【0046】
他の推奨案140は、特定の食品品目の摂取を単に回避する、又は増加させることであり得る。同様に、推奨案140は、ある物質を適度に摂取するための推奨案、又は、1つの物質を別の物質に優先して選ぶための推奨案を含んでもよい。例400には多くの異なるタイプの推奨案140が見られるが、これらの食品品目及び栄養素に関して、任意のタイプの定性的又は定量的な推奨を行ってもよいことを理解されたい。
【0047】
更に、推奨システム400は、活動レベルの変更、夜間の休息時間数の増加、ストレス低減の行動、又は生活習慣に影響する類似の行動などの生活習慣の変更を含む、妊孕性向上推奨案140を生成してもよい。例えば、高レベルのストレスは、ユーザの妊孕性に悪影響を及ぼすことがある。そのようなストレスは、積極的に妊娠を試みているパートナー間の関係に由来することがある。いくつかの妊孕性向上推奨案の例140は、ストレスを軽減するために、カップルがその関係における緊張を減少させ得る方法についての提案を含んでもよい。別の例では、妊孕性向上推奨案140は、睡眠習慣の推奨案を含め、ユーザが休息する時間を増加させるための推奨案を含んでもよい。これらの推奨案は、もっと睡眠をとるようにとの指示などの概括的な推奨案から、具体的な運動日課、具体的な食事及びレシピ、又は医療従事者に受診する日の提案などを含む、より詳細な推奨案までの範囲にわたってもよい。
【0048】
更に、別の実施形態では、推奨システム104によって生成された妊孕性向上推奨案140は、製品についての具体的な推奨案を含んでもよい。例えば、推奨システム104は、市場における様々な栄養補助食品に関する情報を含むデータベースにアクセスしてもよい。次いで、推奨システム104は、独自の分析に基づいて、又は第三者研究の使用を通じて、ビタミンCなどの特定の栄養補助食品の複数の異なる選択肢を分析して、第1のブランド、すなわちブランドAからの特定の500mgの栄養補助食品が、第2のブランド、第3のブランド、及び第4のブランドから入手可能な他の500mgのビタミンC栄養補助食品と比較して最も有益な栄養補助食品であると判断してもよい。そのような分析は、栄養補助食品の品質、栄養補助食品の価格、知られている副作用、製造方法、又は、あるブランドにより提供される栄養補助食品を別のブランドにより提供される栄養補助食品と区別し得る任意の他の要因に基づいて行われてもよい。推奨システム104は、特定のタイプ又はブランドのリンゴなどの食品品目に関して、また、利用可能な複数の選択肢のうち1つをユーザが選択する必要のあり得る任意の他のカテゴリの製品に関しても、同様の推奨案を提供してもよい。
【0049】
図5は、システム100に関連して上述したように、本開示の方法の方法500の実施形態例を示す。方法500は、システム100などのシステム内、又はCPU上で実施されてもよい。例えば、この方法は、属性取得ユニット108、属性分析ユニット114、属性記憶ユニット116、属性比較ユニット110、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン112、又はユーザデバイス102のうち1つ以上によって実施されてもよい。方法500はまた、プロセッサによって実行されると、その方法をコンピュータシステムに実行させる、コンピュータ可読媒体上に記憶された命令のセットによって実施されてもよい。例えば、方法500のすべて又は一部は、CPU120及びメモリ118によって実施されてもよい。以下の例は、
図5に示すフローチャートを参照して記載されるが、
図5に関連する動作を行う、それ以外の多くの方法を使用してもよい。例えば、ブロックのうちいくつかの順序を変更してもよく、特定のブロックを他のブロックと組み合わせてもよく、ブロックのうち1つ以上を繰り返してもよく、また、記載されたブロックのいくつかは任意選択であってもよい。
【0050】
ブロック502は、複数のユーザ属性122を要求して取得することを含むことができる。例えば、ディスプレイ106は、回答126を求める属性質問表124を提示してもよく、それにユーザデバイス102が回答126を提供し、次いで、それがユーザ属性122として選択される。ブロック504で、複数のユーザ属性122と、エビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準128との比較が発生してもよい。ブロック506で、これらの比較に基づいて、複数のユーザ属性122、及びエビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準128との比較、に基づいて複数の妊娠支援機会138を決定することができる。ブロック508で、方法500の実施形態は、複数の妊娠支援機会138に基づいて複数の妊孕性向上推奨案140を特定してもよい。例えば、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン112は、妊娠支援機会を解釈して推奨案140を提供するように訓練されたクラウドベースのシステムを含んでもよい。最後に、ブロック510で、複数の妊孕性向上推奨案140のうち少なくとも1つを提示することができる。
【0051】
図6A及び
図6Bは、本開示の方法の方法600の実施形態例を開示する。方法600は、システム100などのシステム内、又はCPU上で実施されてもよい。例えば、この方法は、属性取得ユニット108、属性分析ユニット114、属性記憶ユニット116、属性比較ユニット110、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン112、又はユーザデバイス102のうち1つ以上によって実施されてもよい。方法600はまた、プロセッサによって実行されると、その方法をコンピュータシステムに実行させる、コンピュータ可読媒体上に記憶された命令のセットによって実施されてもよい。例えば、方法600のすべて又は一部は、CPU120及びメモリ118によって実施されてもよい。以下の例は、
図6A及び
図6Bに示すフローチャートを参照して記載されるが、
図6A及び
図6Bに関連する動作を行う、それ以外の多くの方法を使用してもよい。例えば、ブロックのうちいくつかの順序を変更してもよく、特定のブロックを他のブロックと組み合わせてもよく、ブロックのうち1つ以上を繰り返してもよく、また、記載されたブロックのいくつかは任意選択であってもよい。
【0052】
ブロック602は、複数の妊孕性向上推奨案140に対する要求を取得することを含んでもよい。例えば、ユーザは、妊孕性向上推奨案140に対する要求を、いくつもの方法を通して提出してもよく、これらの方法には、ユーザデバイス102上のアプリケーションを開くこと、ユーザデバイス102上のアプリケーションを介して正式要求を行うこと、ユーザデバイス102を介して定期的な妊孕性向上推奨案140の要求を提出すること、ウェブブラウザを介してオンライアンアカウントに登録すること、ウェブブラウザを介して正式要求を行うこと、又は、そのウェブブラウザを介して定期的な妊孕性向上推進案140の要求を提出することが含まれ得る。
【0053】
ブロック604で、推奨システム104は、複数のユーザ属性122を要求して取得してもよい。例えば、推奨システム104は、属性質問表124をユーザに提示してもよい。この属性質問表124は、標準質問表、又は知られている予備属性に基づいて、若しくは先行の質問に対する回答に基づいてカスタマイズされた質問表であってもよい。別の例では、推奨システム104は、ユーザが自宅で使用し得る入手可能な家庭用検査キットのリストを提供することによって、複数のユーザ属性122を要求してもよい。次いで、検査が行われた後、推奨システム104は、検査からの結果を取得し、これらの結果に基づいて、そのような検査に関連するユーザ属性122を決定してもよい。例えば、家庭用検査キットは、追加のユーザデバイス上の更なるアプリケーションによって監視され得る妊娠の最良の日付を決定するために、ユーザの排卵サイクルのタイミングを追跡するアプリケーションであり得る。
【0054】
別の例では、ブロック604で、推奨システム104は自己評価ツールを提供してもよい。先述の例と同様に、ユーザは、この自己評価ツールを使用し、その結果を推奨システム104に提出してもよい。再び、取得された結果に基づいて、推奨システム104は、検査に基づいてユーザ属性122を決定してもよい。更に別の例では、推奨システム104は、ユーザに医療従事者によって行われる標準健康検査を受けるように要求してもよい。この例では、この行われた健康検査の結果が推奨システム104に提出されてもよく、それにより、推奨システム104は結果に基づいてユーザ属性122を決定する。外部検査に関するいくつかの具体的な例を示したが、推奨システム104は対応するユーザ属性122を決定するために任意の外部又は第三者検査の結果を取得するように構成されてもよいので、これらの例は非限定的なものである。
【0055】
ブロック606で、推奨システム104は、複数のユーザ属性122をエビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準128と比較するように構成されてもよい。例えば、これらのエビデンスベースの妊孕性基準128は、個人差にかかわらず全員に与えられる基準として、標準化された基準を含んでもよい。別の例では、これらの基準128は、特定のユーザの経歴又は目標に基づいてカスタマイズされてもよい。例えば、健康なユーザが自分の妊孕性を改善しようとしており、現在のユーザ属性122がすべての標準のエビデンスベースの妊孕性基準128を超える場合、推奨システム104は、その特定のユーザが目指すべきカスタマイズされた妊孕性基準セット132を決定するように構成されてもよい。対照的に、別の例では、上記例とは異なるユーザが標準的なエビデンスベースの妊孕性基準128をはるかに下回る場合、このユーザは、前進を促しかつマイルストーンを提供するためのやり方として、より低い異なった基準値と比較されてもよい。
【0056】
この方法例は、ブロック608で、複数のユーザ属性122、及びエビデンスベースのものである対応する複数の妊孕性基準128との比較、に基づいて複数の妊娠支援機会138を決定するように構成されてもよい。例えば、推奨システム104は、ユーザ属性122が最適より高いストレスレベルに対応すると判断してもよい。この比較に基づいて、推奨システム104は、ストレスを低減するための妊娠支援機会138を決定してもよい。別の例では、推奨システム104は、ユーザがまだ医療従事者に受診していないと判断してもよく、したがって、医療従事者に受診するための妊娠支援機会138を決定してもよい。
【0057】
ブロック610で、推奨システム104は、少なくとも、複数の妊娠支援機会138に基づいて複数の妊孕性向上推奨案140を特定してもよい。例えば、推奨システムは、属性経歴データベース148を分析し、取得したユーザ属性122と属性経歴データベース148内の複数の先行ユーザ属性との類似性を特定することによって、複数の類似先行事例を決定してもよい。例えば、推奨システム104は、ユーザ属性122が、平均より高いBMI、及び特定の過去ユーザグループに対応する他の類似性を有するユーザを詳述していることを確認(identify)してもよく、したがって、その特定の過去ユーザグループのメンバーの事例が、類似先行事例として決定される。
【0058】
更に、この例では、推奨システム104は、複数の類似先行事例に基づいて複数の先行事例結果を決定してもよい。先に詳述したように、属性経歴データベース148は、先行ユーザ属性に関連する対応する推奨案、及びこれらの対応する推奨案の有効性を含んでもよい。したがって、推奨システム104は、その特定の過去ユーザグループに関連する対応する推奨案及びそれらの有効性を分析して、複数の先行事例結果を決定してもよい。
【0059】
更に、この例では、推奨システム104は、複数の先行事例結果に基づいて成功推奨案及び複数の不成功推奨案を決定してもよい。例えば、推奨システム104が、その特定の過去ユーザグループのユーザに、ある事例では運動レベルを引き上げるように推奨し、他の事例では食物摂取を減少させるように推奨していたこともあり得る。属性経歴データベース148に基づいて決定される先行事例結果に基づいて、推奨システム104は、食物摂取を減少させる推奨案はあまり成功しなかったが運動レベルの引き上げはとても成功したと判断してもよく、したがって、運動レベルの引き上げは成功推奨案であるが食物摂取の減少は不成功推奨案であると判断してもよい。これらの先行ユーザ属性、選択推奨案、及び対応する推奨案の有効性の分析を行うことによって、推奨システム104は、異なるサブセットの患者集団に関連する傾向を特定し、それによって複数の生活習慣介入案を作成して検証してもよい。異なるグループが同じ推奨案に対して経験する成功のレベルはそれぞれ異なり得るので、成功推奨案及び不成功推奨案のこれらの例は、非限定的なものである。
【0060】
更に、推奨システム104は、複数の成功推奨案及び複数の不成功推奨案に基づいて複数の妊孕性向上推奨案を決定するように構成されてもよい。例えば、推奨システム104は、複数の成功推奨案のみを推奨するように構成されてもよい。別の例では、推奨システム104はなおも、不成功推奨案のいずれかを推奨してもよい。推奨システム104は、こうした推奨を、任意の数の理由に基づいて行ってもよく、その理由には、先行ユーザ属性と比較した際のユーザ属性122における相違がわずかであること、真の不成功推奨案であるとの根拠となる不十分なデータの欠如、又は、その推奨案が、失敗はしたが人気があり、ユーザによって実践されることが多いことを裏付けるデータなどが含まれる。別の例では、推奨システム104は、複数の成功推奨案のすべてではなく一部のみを推奨してもよい。一例では、複数の推奨案のうちどれを提示及び生成するか選択するための判断は、AIによって行われてもよい。
【0061】
別の例では、成功推奨案は、子宮内膜症を有するユーザなどの、特定の医学的状態に関連するガイドラインに基づくこともある。その場合、これらのガイドラインが成功推奨案として決定されることになろう。
【0062】
ブロック612で、推奨システムは、複数の妊孕性向上推奨案140のうち少なくとも1つを提示してもよい。ブロック614で、推奨システム104は、複数の妊孕性向上推奨案140のうち提示された少なくとも1つから選択された、選択推奨案を取得してもよい。例えば、ユーザは、3つの妊孕性向上推奨案140、グルテンフリーの食事を摂ること、果物、野菜、及び穀物の摂取を増加させること、並びにカフェイン摂取量を1日あたり200mg未満に低減すること、を提示されてもよい。ユーザは、これらの選択肢のうち1つ、2つ、又は3つすべてを選択してもよい。一例では、ユーザは、ユーザデバイス102を使用して、グルテンフリーの食事に従うこと、並びに果物、野菜、及び穀物の摂取を増加させることの妊孕性向上推奨案140を選択してもよい。したがって、推奨システム104は、選択されたこれら2つの推奨案を選択推奨案としてユーザデバイス102から取得する。別の例では、ユーザは提示された推奨案のいずれも選択しないことがあり、その時点で、推奨システム104は、別の複数の妊孕性向上推奨案140を生成して提示してもよい。
【0063】
別の例では、提示された妊孕性向上推奨案140をユーザが検討した後、ユーザは、妊娠のコーチと連絡をとるための要求を提出してもよい。例えば、ユーザは推奨案を実施する方法に関して決断できないことがあり、又は、単にユーザが答えを探している質問があることもある。ある場合には、推奨システム104は、ユーザが答えを探している質問はバーチャルコーチによって適切に回答され得ると判断してもよく、それにより、バーチャルコーチへのアクセス及びそのコーチとの対話を提供してもよい。他の場合には、推奨システム104は、その質問はパーソナルコーチ、すなわち生きた個人によって最も良く処理されると判断してもよく、それにより、当該パーソナルコーチへのアクセス及びそのコーチとの対話を提供してもよい。
【0064】
ブロック616で、推奨システム104は、複数のユーザ属性122、及び選択推奨案を属性経歴データベース148に記憶してもよい。例えば、推奨システム104は、第1の日に取得したすべてのユーザ属性122を、その同じ第1の日に取得した選択推奨と共に記憶してもよい。これらのユーザ属性122及び選択推奨案は、次いで推奨システム104によって、将来、属性経歴データベース148を分析するときにアクセスされてもよい。
【0065】
ブロック618で、推奨システム104は少なくとも1つの推奨案結果を取得してもよい。一例では、ユーザは、ユーザデバイス102を介して推奨案結果を提出してもよい。この結果は、ユーザによって選択された定性的又は定量的な評価を含んでもよい。別の例では、推奨システム104は、将来の複数のユーザ属性122を取得してもよく、その時点で、取得した将来のユーザ属性を、属性経歴データベース148内の以前に取得したユーザ属性、つまり今の先行ユーザ属性と比較してもよい。この比較に基づいて、推奨システム104は、BMIの低下又は上昇などの、推奨案結果を判断してもよい。この推奨案結果を取得した後、推奨システム104は、少なくとも1つの推奨案結果を、先行の選択推奨案に対応する属性経歴データベース148に記憶してもよい。この推奨システム104は次いで、妊孕性向上推奨案140に対する別の要求を待機し、その時点で、ブロック602で方法600を再び行ってもよい。
【0066】
図6A及び
図6Bに開示されているような方法例では、継続的でカスタマイズされた統合推奨システム104を、属性経歴データベース148のサイズが増大するにつれて、推奨に関して際限なく改善することを可能にする。この増大の間、推奨システム104は、また、いくつかの実施形態では、エビデンスベースの食事及び生活習慣の推奨エンジン112は、拡大し続けるデータのセットを有し、そこから、どんなユーザがどの推奨を取得するかに関する特殊性を増加させながら、妊孕性向上推奨案140を導出することができる。
【0067】
別の態様では、ある治療方法が、上述のシステム又は方法のいずれかを使用して、妊孕性向上推奨案140、食事及び生活習慣の推奨案、又は、具体的な栄養補給推奨案のうちいずれか1つ以上を生成することを含んでもよい。更に、この治療方法は、少なくとも、妊孕性向上推奨案140、食事及び生活習慣の推奨案、又は、具体的な栄養補給推奨案のうちいずれか1つ以上に基づいて、あるユーザに治療を施すことを含んでもよい。例えば、あるユーザのビタミンC摂取量を500mg/日から1000mg/日に、500mgのビタミンC栄養補助食品によって増加させることを含む妊孕性向上推奨案140を推奨システム104が決定した場合、治療方法の例は、500mgのビタミンC栄養補助食品を含む治療を毎日ユーザに施すことを含んでもよい。
【0068】
本開示に記載される開示された方法及び手順はすべて、1つ以上のコンピュータプログラム又は構成要素を使用して実施することができる。これらの構成要素は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気若しくは光学ディスク、光学メモリ、又は他の記憶媒体などの揮発性及び不揮発性メモリを含む、任意の従来のコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体上の一連のコンピュータ命令として提供されてもよい。命令は、ソフトウェア又はファームウェアとして提供されてもよく、ASIC、FPGA、DSP、又は任意の他の類似するデバイスなどのハードウェア構成要素においても、全体的又は部分的に実施されてもよい。命令は、一連のコンピュータ命令を実行するときに、開示された方法及び手順のすべて又は一部の性能を遂行する又は容易にする1つ以上のプロセッサによって実行されるように構成されてもよい。
【0069】
本明細書に記載される実施例に対する様々な変更及び改変が、当業者には明らかであることは理解されるべきである。そのような変更及び変形は、本発明の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なわずに、行うことができる。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。
【実施例1】
【0070】
実施例1:子宮内膜症を有する個体についての食事推奨案
以下は、子宮内膜症を有する個体に対する、又は月経困難症若しくは骨盤痛などの子宮内膜症関連の症状を改善させるための、及びホルモン治療による従来の医療療法を補完する、食事推奨案又は栄養補助食品である。
【表1】
【0071】
1. Proctor,M.and P.A.Murphy,Herbal and dietary therapies for primary and secondary dysmenorrhoea.Cochrane Database of Systematic Reviews,2001(2).
2. Pattanittum,P.,et al.,Dietary supplements for dysmenorrhoea.Cochrane Database of Systematic Reviews,2016(3).
3. Santanam,N.,et al.,Antioxidant supplementation reduces endometriosis-related pelvic pain in humans.Translational Research,2013.161(3):p.189-195.
4. Sesti,F.,et al.,Hormonal suppression treatment or dietary therapy versus placebo in the control of painful symptoms after conservative surgery for endometriosis stage III-IV.A randomized comparative trial.Fertil Steril,2007.88(6):p.1541-7.
5. Khodaverdi,S.,et al.,Beneficial Effects of Oral Lactobacillus on Pain Severity in Women Suffering from Endometriosis:A Pilot Placebo-Controlled Randomized Clinical Trial.International journal of fertility & sterility,2019.13(3):p.178-183.
6. Itoh,H.,et al.,Lactobacillus gasseri OLL2809 is effective especially on the menstrual pain and dysmenorrhea in endometriosis patients:randomized,double-blind,placebo-controlled study.Cytotechnology,2011.63(2):p.153-161.
7. Marziali,M.,et al.,Gluten-free diet:a new strategy for management of painful endometriosis related symptoms. Minerva Chir,2012.67(6):p.499-504.
8. Halpern,G.,E.Schor,and A.Kopelman,Nutritional aspects related to endometriosis.Rev Assoc Med Bras,2015.61(6):p.519-23.
9. Harel,Z.,et al.,Supplementation with omega-3 polyunsaturated fatty acids in the management of dysmenorrhea in adolescents.Am J Obstet Gynecol,1996.174(4):p.1335-8.
10. Abokhrais,I.M.,et al.,A two-arm parallel double-blind randomised controlled pilot trial of the efficacy of Omega-3 polyunsaturated fatty acids for the treatment of women with endometriosis-associated pain(PurFECT1).PLoS One,2020.15(1):p.e0227695.
11. Fjerbaek,A.and U.B.Knudsen,Endometriosis,dysmenorrhea and diet-What is the evidence. European Journal of Obstetrics and Gynecology and Reproductive Biology,2007.132(2):p.140-147.
12. Quaas,A.M.,E.A.Weedin,and K.R.Hansen,On-label and off-label drug use in the treatment of endometriosis.Fertil Steril,2015.103(3):p.612-25.
13. Sayegh,L.,H.Fuleihan Gel,and A.H.Nassar,Vitamin D in endometriosis:a causative or confounding factor. Metabolism,2014.63(1):p.32-41.
【国際調査報告】