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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】点字教育教材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 21/00 20060101AFI20230323BHJP
   B42D 15/00 20060101ALI20230323BHJP
   B42D 1/00 20060101ALI20230323BHJP
【FI】
G09B21/00 B
B42D15/00 301N
B42D1/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544067
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 KR2020012573
(87)【国際公開番号】W WO2022034962
(87)【国際公開日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0100072
(32)【優先日】2020-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522286997
【氏名又は名称】センシー株式会社
【氏名又は名称原語表記】SENSEE,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】ソ インシク
(72)【発明者】
【氏名】ジョ ジユン
(57)【要約】
本発明は、点字教育教材及びその製造方法に係り、より詳細には、点字の縦点及び横点のうち、点字の凸点に該当する点に教具が付着できるようにして、感覚が発達していない点字初心者でも点字学習が可能な点字教育教材及びその製造方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点字教育教材において、
予め設定された学習領域に、学習に使用される点字ではない学習情報が表示された情報部(100)と、
予め設定された点字領域に、点字の縦点と横点に該当する点(210)が表示された点字部(200)と、
前記点(210)に着座するか或いは着脱される教具部(300)と、を含む、点字教育教材。
【請求項2】
前記情報部(100)は、凹凸形態で情報が表示されていることを特徴とする、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項3】
前記情報部(100)は、
学習に使用される情報が文字である場合、
文字の字画ごとに字画が書かれる方向が表示された字画部(110)を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の点字教育教材。
【請求項4】
前記情報部(100)は、
学習に使用される情報が文字である場合、
文字の字画ごとに字画の始点が表示された開始部(120)を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の点字教育教材。
【請求項5】
前記点字教育教材は、
点字教育教材が広げられた面のうち、予め設定された領域に、前記開始部(120)と対応する形態が文字の字画を書く順序と同じ順序で表示された書き順案内部(400)をさらに含む、請求項4に記載の点字教育教材。
【請求項6】
前記点字部(200)は、
点字の凸点に該当する点(210)がどの点(210)であるかが、視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示されていることを特徴とする、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項7】
前記点字部(200)は、
前記点(210)の位置に面ファスナーを備えていることを特徴とする、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項8】
前記点字教育教材は、
予め設定されたタグ領域に備えられ、前記学習情報の音声案内に必要な情報を保存したNFCタグ部(図示せず)と、
前記NFCタグ部(図示せず)を認識すると、当該学習情報を音声で出力するNFCリーダ部(図示せず)と、を含む、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項9】
前記点(210)が備えられたシートは、
前記点(210)がホール形状に形成された表示面(1100)と、
前記点(210)が備えられた位置に手の感覚で区分できるように構成された意味部(220)が形成された裏地面(1200)と、が順次積層されて形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の点字教育教材。
【請求項10】
請求項9に記載の点字教育教材を作る点字教育教材の製造方法において、
前記表示面(1100)に点(210)、又は点(210)と情報部(100)の学習情報を穿孔する表示面穿孔ステップ(S10)と、
前記表示面(1100)及び裏地面(1200)、又は前記表示面(1100)、裏地面(1200)及び表示面(1100)を順次積層して接着させることにより、前記点(210)が備えられたシートを形成するシート製作ステップ(S20)と、を含むことを特徴とする、点字教育教材の製造方法。
【請求項11】
前記点字教育教材の製造方法は、
接着シートを用いて、前記点(210)が備られたシートを作ることを特徴とする、請求項10に記載の点字教育教材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点字教育教材及びその製造方法に係り、より詳細には、点字の縦点及び横点のうち、点字の凸点に該当する点に教具が付着できるようにして、感覚が発達していない点字初心者でも点字学習が可能な点字教育教材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
点字は、人の触覚を通じて読み書きできるように様々な点形に意味を与えておいた文字象徴体系である。このような点字は、通常3*2や4*2などの点字が用いられており、点字の個数と配列を変えて文字体系を形成する。
【0003】
視覚障害者にとって、点字とは、単純な情報アクセス手段を超えて、より豊かな生活を過ごすことができる機会を提供する核心手段である。
【0004】
点字教育を通じて、より多くの教育の機会、世界とのコミュニケーション、更にはより多様な職業及び経済的機会を享受することができる。
【0005】
全世界には約2億8千5百万人の視覚障害者がいるが、これらの中で点字を読み書きできる視覚障害者は10%内外(低視力を含む数値)である。
【0006】
現在、点字教育分野には専門教師が不足しており、視覚障害児が点字に容易かつ楽しく接近することができる教育資料やツールも不足している。
【0007】
実際に印刷されて使用される点字は、サイズが小さいため、感覚が発達していない点字初心者や感覚障害のある糖尿病患者、加齢により失明した中途失明者などの場合、実際サイズの点字で学習させれば、点字を学んで慣れるまで困難があり、多くの視覚障害者が中途にあきらめてしまうことが多いという問題点がある。
【0008】
韓国特許第10-0849449号公報には、点字絵本及びこれを含む幼児用学習資料セットが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、点字の縦点と横点のうち、点字の凸点に該当する点に教具が付着できるようにして、感覚の発達していない点字初心者でも点字学習が可能な点字教育教材及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の実施例の目的は、上述した目的に限定されず、上述していない別の目的は、以降の記載から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の一実施例による点字教育教材は、点字教育教材において、予め設定された学習領域に、学習に使用される点字ではない学習情報が表示された情報部100と、予め設定された点字領域に、点字の縦点と横点に該当する点210が表示された点字部200と、前記点210に着座するか或いは着脱される教具部300と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、情報部100は、凹凸形態で情報が表示されていることを特徴とする。
【0013】
また、情報部100は、学習に使用される情報が文字である場合、文字の字画ごとに字画が書かれる方向が表示された字画部110を備えていることを特徴とする。
【0014】
また、情報部100は、学習に使用される情報が文字である場合、文字の字画ごとに字画の始点が表示された開始部120を備えていることを特徴とする。
【0015】
また、点字教育教材は、点字教育教材が広げられた面のうち、予め設定された領域に、前記開始部120と対応する形態が文字の字画を書く順序と同じ順序で表示された書き順案内部400をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また、前記点字部200は、点字の凸点に該当する点210がどの点210であるかが視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示されていることを特徴とする。
【0017】
また、前記点字部200は、前記情報部100に表示された情報を表現する点字の凸点に該当する点210の位置に面ファスナーを備えていることを特徴とする。
【0018】
また、前記点字教育教材は、予め設定されたタグ領域に設けられ、前記学習情報の音声案内に必要な情報を保存したNFCタグ部(図示せず)と、前記NFCタグ部(図示せず)を認識すると、当該学習情報を音声で出力するNFCリーダ部(図示せず)と、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、前記点210が備えられたシートは、前記点210がホール形状に形成された表示面1100と、前記点210が備えられた位置に手の感覚で区分できるように構成された意味部220が形成された裏地面1200とが順次積層されて形成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の一実施例による点字教育教材を作る点字教育教材の製造方法において、前記表示面1100に点210、又は点210と情報部100の学習情報を穿孔する表示面穿孔ステップ(S10)と、前記表示面1100及び裏地面1200、又は表示面1100、裏地面1200及び表示面1100を順次積層して接着させることにより、点210が備えられたシートを作るシート製作ステップ(S20)と、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、前記点字教育教材の製造方法は、接着シートを用いて、前記点210が備られたシートを作ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施例による点字教育教材及びその製造方法によれば、点字の縦点と横点のうち、点字の凸点に該当する点に教具が付着できるようにして、感覚が発達していない点字初心者でも点字学習が可能であるという効果がある。
【0023】
また、情報部が凹凸形態で表示されることにより、視覚障害者は一人でも学習情報の確認ができるようにして、視覚障害者は一人でも点字学習が可能であるという効果がある。
【0024】
また、文字の字画が書かれる方向が表示されることにより、視覚障害者が当該文字をどの方向に触れながら追従すべきかを確認することができるようにして、視覚障害者が文字をより容易に確認することができるという効果がある。
【0025】
また、文字の字画ごとに字画の始点が表示されることにより、文字の字画の始点をより速やかに確認させることができるため、文字を確認する時間を短縮させることができるという効果がある。
【0026】
また、文字の字画の書き順と同じ順序で表示された書き順案内部を備えることにより、視覚障害者にも文字の書き順を学習させることができるという効果がある。
【0027】
また、点字の凸点に該当する点がどの点であるかを視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示させることにより、点字を知らない一般人も視覚障害者の点字学習を助けられるようにすることができるという効果がある。
【0028】
また、点字の凸点に該当する点の位置に粉末形態が接着剤と混合されて貼り付けられた点字部を形成することにより、別途の表示なしにも一般人及び視覚障害者が点字の凸点に該当する点がどの点であるかを容易に確認することができるという効果がある。
【0029】
また、表示面と裏地面とが積層されて、点が備えられたシートを形成することにより、表示面と裏地面を別々に製作して接着させるので、点が備えられたシートをより容易に製造することができるという効果がある。
【0030】
また、表示面穿孔ステップ及びシート製作ステップを介して点字教育教材を製造することにより、点字教育教材をさらに容易に作ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例による点字教育教材であって、1つのページに情報部と点字部の両方が備えられた例を示す図である。
図2】本発明の一実施例による点字教育教材であって、点字教育教材が広げられた面のうち、1つのページには情報部が備えられ、もう1つのページには点字部が備えられた例を示し、字画部が備えられたことを示す図である。
図3】本発明の一実施例による点字教育教材であって、教具部が点字点に着座するか或いは着脱されることを示す図である。
図4図2に開始部と終端部が追加された例を示す図である。
図5図4に書き順案内部が追加された例を示す図である。
図6図5の点字の凸点が視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示された例を示す図である。
図7】本発明の一実施例による点字教育教材の点字部が形成されたシートが、表示面と裏地面とが積層されて形成されることを示す図である。
図8】本発明の一実施例による点字教育教材の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、多様な変更を加えることができ、種々の実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に例示して詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施例に対して限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものと理解されるべきである。
【0033】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いると言及された場合には、該他の構成要素に直接連結または接続されていることもあるが、それらの間に別の構成要素が介在することもあると理解されるべきである。
【0034】
一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いると言及された場合には、それらの間に別の構成要素が介在しないと理解されるべきである。
【0035】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、工程、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、工程、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0036】
別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上において持つ意味と一致する意味であると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限りは、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0037】
以下、添付図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。これに先立ち、本明細書及び請求の範囲に使用された用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定解釈されてはならず、発明者は自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈されるべきである。また、使用される技術用語及び科学用語において他の定義がなければ、この発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が通常的に理解している意味を有し、下記の説明及び添付図面において、本発明の要旨を不要に曖昧にするおそれがある公知の機能及び構成についての説明は省略する。次に紹介される図面は、当業者に本発明の思想が十分に伝達できるようにするために例として提供される。よって、本発明は、以下に提示される図面に限定されず、他の形態に具体化されることも可能である。また、明細書全般にわたって、同一の参照番号は同一の構成要素を示す。図面中の同じ構成要素は、できる限り何処でも同一の符号で示していることに留意すべきである。
【0038】
図1は本発明の一実施例による点字教育教材であって、1つのページに情報部と点字部の両方が備えられた例を示す図、図2は本発明の一実施例による点字教育教材であって、点字教育教材が広げられた面のうち、1つのページには情報部が備えられ、もう1つのページには点字部が備えられた例を示し、字画部が備えられたことを示す図、図3は本発明の一実施例による点字教育教材であって、教具部が点字点に着座するか或いは着脱されることを示す図、図4図2に開始部と終端部が追加された例を示す図、図5図4に書き順案内部が追加された例を示す図、図6図5の点字の凸点が視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示された例を示す図、図7は本発明の一実施例による点字教育教材の点字部が形成されたシートが、表示面と裏地面とが積層されて形成されることを示す図、図8は本発明の一実施例による点字教育教材の製造方法を示すフローチャートである。
【0039】
本発明の一実施例による点字教育教材は、点字教育教材において、情報部100、点字部200、及び教具部300を含む。
【0040】
情報部100は、予め設定された学習領域に、学習に使用される点字ではない学習情報が表示される。
【0041】
ここで、学習情報とは、文字(字、数字、記号など)、イメージなどであって、点字学習のための情報をいう。
【0042】
【0043】
図1及び図2では、前記情報部100が後述の点字部200を基準として左側に備えられていると図示したが、本発明は、これに限定されず、後述の点字部200を基準として右側、上側、下側などに備えられるなど、様々な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0044】
前記点字部200は、予め設定された点字領域に、点字の縦点と横点に該当する点210が表示される。
【0045】
前記点字部200において、点字の縦点と横点に該当する点210が表示されるというのは、前記点210が他の部分と区分可能に表示されることを意味し、視覚的に区分が可能であるとともに、触覚的にも区分が可能であることを意味する。これは、点字教育教材が視覚障害者のためのものだからである。
【0046】
このとき、前記点210を陰刻で形成し、他の部分と区分可能にすることが好ましい。
【0047】
これは、後述の教具部300を点210に該当する位置に付着させるとき、ガイドの役割を果たすようにするためである。
【0048】
言い換えれば、前記教具部300を前記点210に付着させるとき、他の部分よりも陥没した領域に付着していることを確認することにより、前記点210に該当する位置に正確に付着したかを確認し易くするためである。
【0049】
前記点字部200は、前記点210が備えられた位置に、手の感覚で区分できるように構成された意味部220を備えることができる。
【0050】
前記意味部220は、全ての点210を同一に形成することもできるが、前記情報部100に表示された情報を表現する点字の凸点に該当する点210のみ他の点210と区分されるように形成することもできるなど、様々な実施が可能である。
【0051】
教具部300は、前記点210に着座するか或いは着脱される(図3参照)。
【0052】
例えば、前記点210が凹状に段差付いて形成される場合、前記教具部300は、前記点210の段差付いた凹状の内側に重力によって着座できる。
【0053】
ここで、着座は、前記教具部300が座につくという表現であって、一度着座すると、特定以上の外部の力が加えられてこそ座を移動させることができるという意味である。
【0054】
別の例として、前記教具部300の下部は、前記点210に着脱可能な構造(面ファスナーなど)で形成され、前記教具部の上部は、手で把持可能に形成されていることが好ましい。
【0055】
このとき、前記教具部300を手で握って前記教具部300が前記点210同士の間を通るように動かすと、着脱可能な構造によって前記点210に前記教具部300が付着できる。
【0056】
このとき、前記情報部100に表示された情報を表現する点字の凸点に該当する点210にのみ前記教具部300が着脱できるようにすることができる。
【0057】
本発明の一実施例による点字教育教材は、点字の凸点に該当する点210の位置に前記教具部300が着座するか或いは着脱されるようにして、指先の感覚が発達していない人々も点字の形態を学ぶことができるようにするためのものである。
【0058】
これは、点字のサイズが大きい教材を用いて、点字の形態を学んだ後、サイズを減らしながら学習をさせれば、点字をより速く学ぶことができるためである。
【0059】
本発明の一実施例による点字教育教材の情報部100は、凹凸形態で情報が表示されていることを特徴とすることができる。
【0060】
すなわち、前記情報部100に表示された学習情報は、凹凸形態で表示することができる。
【0061】
言い換えれば、前記情報部100に表示された学習情報は、陰刻形態、陽刻形態、エンボス加工形態など、手の感触で区分可能な凹凸形態で表示することができる。
【0062】
これは、視覚障害者は一人でも学習情報の確認ができるようにして、視覚障害者が一人でも点字学習を行うことを可能にするためである。
【0063】
上記において、情報部100が凹凸形態で表示された例を挙げたが、本発明は、これに限定されるものではなく、一般的なイメージのみで表示されることも可能であり、一般的なイメージと凹凸形態が複合的に適用されることも可能であるなど、様々な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0064】
本発明の一実施例による点字教育教材の情報部100は、情報の形態が陰刻で形成された陰刻部(図示せず)と、前記陰刻部(図示せず)の形態と対応し、前記陰刻部(図示せず)に嵌合できるように形成された陽刻部(図示せず)と、を含むことを特徴とすることができる。
【0065】
これにより、視覚障害者は一人でも学習情報の形態確認を容易に行うことができる。
【0066】
すなわち、前記陰刻部(図示せず)に触れながら陰刻形態から学習情報を確認する学習を行うことができ、前記陽刻部(図示せず)に触れながら陽刻形態から学習情報を確認する学習を行うことができる。
【0067】
前記陽刻部(図示せず)は、前記陰刻部(図示せず)に嵌合できるように形成されることができるが、締まりばめの形態は、教具の材質特性上、破損のおそれがあるため、磁力を利用して前記陽刻部(図示せず)が前記陰刻部(図示せず)側に付着するようにすることが好ましい。
【0068】
すなわち、前記陽刻部(図示せず)に磁石が備えられるか、或いは磁石で陽刻部(図示せず)を形成するなど、様々な実施が可能である。
【0069】
図2に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の情報部100は、学習に用いられる情報が文字である場合、文字の字画ごとに字画が書かれる方向が表示された字画部110を備えていることを特徴とすることができる。
【0070】
前記字画部110は、文字の字画をどのように書くか、その進行方向を知らせるためのものであり、学習を助けるための教育者が学習者を指導するのに参考にすることができる。
【0071】
このとき、前記字画部110は凹凸形態で表示されていることを特徴とすることができる。
【0072】
これは、文字学習を学習者が一人で行えるように助けるためのものであり、このとき、前記字画部110は、視覚障害者が当該文字をどの方向に触れながら追従すべきかを確認することができるようにガイドする役割を果たすことができる。
【0073】
【0074】
図2において前記字画部110を点線の形態で表示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、大なり(>)、三角形(△)、矢印(→)など、様々な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0075】
図4に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の情報部100は、学習に使用される情報が文字である場合、文字の字画ごとに字画の始点が表示された開始部120を備えていることを特徴とすることができる。
【0076】
前記開始部120は、文字の字画がどこから始まるべきか、その始点を知らせるためのものであり、学習を助けるための教育者が学習者を指導するのに参考にすることができる。
【0077】
前記開始部120は、数字、文字、図形、イメージなど、多様に表示することができる。
【0078】
図2のように字画110のみ形成されている場合、視覚障害者は、文字の始点と終点を確認するために、その周辺をさらに手指で探らなければならないので、文字の確認に時間がもっとかかる。
【0079】
文字学習を学習者が一人で行えるように助けるために、前記開始部120は凹凸形態で表示されていることを特徴とすることができる。
【0080】
これは、前記開始部120が文字の字画の始点をより速やかに確認させることができるため、文字を確認する時間を短縮させることができる。
【0081】
図4に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の情報部100は、学習に使用される情報が文字である場合、文字の字画ごとに字画の終点が表示された終端部130を備えていることを特徴とすることができる。
【0082】
前記終端部130は、文字の字画がどこで終わるべきか、その終点を知らせるためのものであり、学習を助けるための教育者が学習者を指導するのに参考にすることができる。
【0083】
前記終端部130は、数字、文字、図形、イメージなど、多様に表示することができる。
【0084】
図2のように字画部110のみ形成されている場合、視覚障害者は、文字の始点と終点を確認するために、その周辺をさらに手指で探らなければならないので、文字の確認に時間がもっとかかる。
【0085】
文字学習を学習者が一人で行えるように助けるために、前記終端部130は凹凸形態で表示されていることを特徴とすることができる。
【0086】
これは、前記終端部130は、文字の字画の終点をより速やかに確認させることができるため、文字を確認する時間を短縮させることができる。
【0087】
よって、前記開始部120と終端部130とが一緒に形成されることがより好ましい。
【0088】
図5に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材は、点字教育教材が広げられた面のうち、予め設定された領域に、前記開始部120と対応する形態が文字の字画の書き順と同じ順序で表示された書き順案内部400をさらに含むことができる。
【0089】
前記書き順案内部400は、文字の書き順がどうであるかを知らせるためのものであり、学習を助けるための教育者が学習者を指導するのに参考にすることができる。
【0090】
前記書き順案内部400は、視覚障害者にも文字の書き順を学習させるためのものである。
【0091】
すなわち、書き順案内部400に表示された開始部120の個数から画数が何画であるかを確認することができ、前記書き順案内部400によりどんな順番で字画を書くべきかを確認することができる。
【0092】
文字学習を学習者が一人で行えるように助けるために、前記書き順案内部400は凹凸形態で表示されていることを特徴とすることができる。
【0093】
図5では書き順案内部400を左側上部に表示しているが、前記書き順案内部400はどこにでも配置することができるのは言うまでもない。
【0094】
図5及び図6に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の点字部200は、点字の凸点に該当する点210がどの点210であるかが視覚、触覚、又は視覚及び触覚的に表示されていることを特徴とすることができる。
【0095】
視覚的には枠、周囲の色、点210の色などで表示することができ、触覚的には枠を凹凸形態で表示したり、枠の内側を凹凸形態で表示したりするなど、多様な実施が可能である。
【0096】
これは、視覚障害者だけでなく、一般人も点字の凸点に該当する点210がどの点210であるかを確認することができるようにして、点字を知らない一般人も視覚障害者の点字学習を助けられるようにするためである。
【0097】
すなわち、前記教具部300の付着位置が正確であるかを確認し易くするためである。
【0098】
本発明の一実施例による点字教育教材の点字部200は、前記点210の位置に面ファスナーが備えられていることを特徴とすることができる。
【0099】
面ファスナーは、一方にフック、もう一方にループがあり、互いに貼り付けたり剥がしたりすることができる構成であって、前記点210の位置にフックが形成されると、前記教具部300にループが形成され、前記点210の位置にループが形成されると、前記教具部300にフックが形成される。
【0100】
このとき、前記点210のうち、前記情報部100に表示された情報を表現する点字の凸点に該当する点210の位置にのみ面ファスナーが備えられるようにすることができる。
【0101】
すなわち、前記意味部220が面ファスナーで形成されることができる。
【0102】
これは、前記教具部300が、前記情報部100に表示された情報を表現する点字の凸点に該当する点210にのみ面ファスナーによって付着できるようにするためである。
【0103】
これにより、学習者は、自らも点字の凸点に該当する点210が何であるかを触感で確認することができる。
【0104】
【0105】
【0106】
図1及び図2では、前記点字部200が前記情報部100を基準として右側に備えられていると図示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、前記情報部100を基準として左側、上側、下側などに備えられるなど、様々な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0107】
前記点字教育教材は、前記情報部100と点字部200からなる一対が広げられた片面(1つのページ)に形成(図1参照)されることも可能であり、広げられた両面(2つのページ)に形成(図2参照)されることも可能であり、一枚(前面ページと背面ページ)に形成されることも可能であるなど、多様な実施が可能であるのは言うまでもない。
【0108】
ここで、前記情報部100と点字部200からなる一対は、前記情報部100の学習情報と同じ点字学習ができるように構成された対を意味する(図1及び図2参照)。
【0109】
このとき、前記情報部100と点字部200の一対は、点字教育教材が広げられた面のうち、予め設定された学習領域と予め設定された点字領域に備えられることが好ましい。
【0110】
これは、ページをめくることなく、1つの学習が可能だからである。
【0111】
本発明の一実施例による点字教育教材は、NFCタグ部(図示せず)及びNFCリーダ部(図示せず)を含むことができる。
【0112】
NFCタグ部(図示せず)は、予め設定されたタグ領域に備えられ、前記学習情報の音声案内に必要な情報を保存する。
【0113】
NFCリーダ部(図示せず)は、前記NFCタグ部(図示せず)を認識すると、当該学習情報を音声で出力する。
【0114】
NFCとは、「Near Field Communication」の略字であって、近距離で無線データをやりとりする通信技術を意味する。
【0115】
前記タグ領域は、教材(冊子)の角部に設定することが好ましい。
【0116】
これは、視覚障害者が教材(冊子)の角部を最も容易に探すことができるからである。
【0117】
前記NFCタグ部(図示せず)は、シートの内部に挿入されるようにすることが好ましい。
【0118】
これは、NFCタグ部(図示せず)が外部の接触などにより脱落することを防止するためである。
【0119】
前記NFCタグ部(図示せず)は、前記NFCリーダ部(図示せず)から認識されるように指定された方向の反対側にNFCリーダ部(図示せず)から認識されないように遮蔽膜が形成されていることを特徴とすることができる。
【0120】
これは、本発明の一実施例による点字教育教材が複数枚のシートから構成され、それぞれのシートにNFCタグ部(図示せず)が備えられている場合、当該シートに必要な情報以外のNFCタグ部(図示せず)により誤った情報が出力されないようにするためである。
【0121】
例えば、1つのページのタグ領域にNFCリーダ部(図示せず)を近づけたとき、他のページのNFCタグ部(図示せず)が前記NFCリーダ部(図示せず)に認識されないようにするためである。
【0122】
図7に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材の前記点210が備えられたシートは、前記点210がホール形状に形成された表示面1100と、前記点210が備えられた位置に手の感覚で区分可能に構成された意味部220が形成された裏地面1200とが順次積層されて形成されていることを特徴とすることができる。
【0123】
このとき、前記意味部220は、前記裏地面1200に一部又は全部が外部に露出するように形成されることができる。
【0124】
本発明の一実施例による点字教育教材の前記点210が備えられたシートは、前記表示面1100と裏地面1200とが順次積層されるように接着できる。
【0125】
また、本発明の一実施例による点字教育教材の前記点210が備えられたシートは、前記表示面1100と裏地面1200とが順次積層されたとき、前記点210が外部に露出するように形成されることが好ましい。
【0126】
ここで、外部に露出するというのは、手で触れることができることを意味する。すなわち、陥没しても突出してもよい。
【0127】
図8に示すように、本発明の一実施例による点字教育教材を作る点字教育教材の製造方法は、表示面穿孔ステップ(S10)及びシート製作ステップ(S20)を含む。
【0128】
前記表示面穿孔ステップ(S10)では、前記表示面1100に点210を穿孔する。
【0129】
前記表示面穿孔ステップ(S10)では、図7と同様に、前記表示面1100に点210を穿孔する。ブライユ式点字を使用する場合には、点字1つにつき6つの点210を穿孔する。
【0130】
穿孔にはパンチング加工を利用することができる。
【0131】
パンチング加工は、母材にパンチ加工を行って製品を得るための加工であって、母材にパンチを用いて穴を開ける場合、穴を開けてから残った母材が製品となる加工をいい、ブランク加工とは反対の概念である。
【0132】
シート製作ステップ(S20)では、前記表示面1100及び裏地面1200、又は前記表示面1100、裏地面1200及び表示面1100を順次積層して接着させることにより、前記点210が備えられたシートを作る。
【0133】
前記シート製作ステップ(S20)は、
表示面1100の1つのページが片面に備えられた一枚のシートを作る場合、前記表示面1100及び裏地面1200、又は前記裏地面1200及び表示面1100を接着させることにより、前記点210が備えられたシートを作ることができ、
表示面1100の2つのページが両面に備えられた一枚のシートを作る場合、前記表示面1100、裏地面1200及び表示面1100を順次積層して接着させることにより、前記点210が備えられたシートを作ることができる。
【0134】
本発明の一実施例による点字教育教材の製造方法は、接着シートを用いて、前記点210が備えられたシートを作ることを特徴とすることができる。
【0135】
すなわち、表示面1100、裏地面1200、又は表示面1100及び裏地面1200に接着シートを先に貼り付けた後、積層させて接着することができる。
【0136】
これは、接着剤が外部に露出するのを防ぎ、接着剤がいずれか一方側に集中して表面が不均一になるのを防ぐためである。
【0137】
このとき、前記表示面1100にのみ接着シートを貼り付けることが好ましく、前記表示面1100に接着シートを貼り付けた後、穿孔作業を行うと、接着シートが外部に露出せず、きれいに接着されるようにすることができる。
【0138】
本発明は、上述した実施例に限定されず、適用範囲が様々であるのはもとより、請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、様々な変形実施が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0139】
100 情報部
110 字画部
120 開始部
130 終端部
200 点字部
210 点
220 意味部
300 教具部
400 書き順案内部
1100 表示面
1200 裏地面
S10 表示面穿孔ステップ
S20 シート製作ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】