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特表2023-512970エアコンのクリーニング方法及びエアコン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】エアコンのクリーニング方法及びエアコン
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/86 20180101AFI20230323BHJP
【FI】
F24F11/86
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544331
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2022-07-21
(86)【国際出願番号】 CN2020126306
(87)【国際公開番号】W WO2021174891
(87)【国際公開日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】202010140876.1
(32)【優先日】2020-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517372472
【氏名又は名称】青島海尓空調器有限総公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER AIR CONDITIONER GENERAL CORP.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park,No.1 Haier Road,Laoshan District Qingdao,Shandong 266101 China
(71)【出願人】
【識別番号】520150337
【氏名又は名称】海尓智家股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宋 玉軍
(72)【発明者】
【氏名】国 徳防
(72)【発明者】
【氏名】王 飛
(72)【発明者】
【氏名】李 陽
(72)【発明者】
【氏名】呉 洪金
(72)【発明者】
【氏名】張 心怡
(72)【発明者】
【氏名】許 文明
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA16
3L260CA12
3L260CA32
3L260CB04
3L260CB24
3L260FB15
(57)【要約】
【要約】本出願は、スマート家電技術の分野に関し、エアコンクリーニング方法を開示する。本方法は、クリーニングコマンドに応答して、対象熱交換器の表面に対して着霜の制御を行うことと、着霜完了条件を満たした後、前記対象熱交換器の着霜を除霜する制御を行うことと、除霜完了条件を満たした後、対象熱交換器の表面温度を除菌温度までに低下してクイッククール除菌を行うことと、を含み、ここで、除菌温度と除霜時の除霜温度との温度差が所定温度変化除菌条件を満たす。本開示の実施例によって提供されるエアコンクリーニング方法は、着霜-除霜工程、クイッククール除菌工程を順序的に実行することができ、着霜-除霜工程によって熱交換器の塵埃などの汚れを効果的に剥がし、根深い菌を見えるようにし、その後、除霜工程からクイッククール工程に切り替える際の高温と低温との間の急激な変化を利用して除菌できるクイッククール除菌工程を行う。この方法は、熱交換器に付着した細菌やカビなどの微生物を効果的に減少させることで、エアコン内部の清潔さを向上させることができる。本出願は、エアコンも提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコンクリーニング方法であって、
クリーニングコマンドに応答して、対象熱交換器の表面に対して着霜の制御を行うことと、
着霜完了条件を満たした後、前記対象熱交換器の着霜を除霜する制御を行うことと、
除霜完了条件を満たした後、対象熱交換器の表面温度を除菌温度までに低下してクイッククール除菌を行うことと、を含み、
ここで、除菌温度と除霜時の除霜温度との温度差が所定温度変化除菌条件を満たすことを特徴とするエアコンクリーニング方法。
【請求項2】
前記所定温度変化除菌条件は、
除霜-T除菌≧T閾値℃を含み、
ここで、T除霜は前記除霜温度であり、T除菌は前記除菌温度であり、T閾値は55℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のエアコンクリーニング方法。
【請求項3】
前記クイッククール除菌の第一クイッククール除菌パラメータは、室外環境温度に応じて取得られ、
ここで、前記第一クイッククール除菌パラメータは、室外ファンの第一室外機回転数および圧縮機の第一周波数を含むことを特徴とする請求項1に記載のエアコンクリーニング方法。
【請求項4】
室外環境温度に応じて前記クイッククール除菌の第一クイッククール除菌パラメータを取得することは、
前記室外環境温度に基づいて、所定の第一関連関係から対応するクイッククール除菌パラメータを取得することを含み、
ここで、前記所定の第一関連関係は、室外環境温度と室外機の回転数と室外機の周波数との対応関係を含むことを特徴とする請求項3に記載のエアコンクリーニング方法。
【請求項5】
前記クイッククール除菌の第二クイッククール除菌パラメータは、室内環境温度に応じて取得られ、
ここで、前記第二クイッククール除菌パラメータが、絞込み装置の第一開度を含むことを特徴とする請求項1または3または4に記載のエアコンクリーニング方法。
【請求項6】
室内環境温度に応じて前記クイッククール除菌の第二クイッククール除菌パラメータを取得することは、
前記室内環境温度に基づいて、所定の第二関連関係から対応するクイッククール除菌パラメータを取得することを含み、
ここで、前記所定の第二関連関係は、室内環境温度と開度との対応関係を含むことを特徴とする請求項5に記載のエアコンクリーニング方法。
【請求項7】
前記着霜の第一着霜パラメータは、室外環境温度に応じて取得られ、
ここで、前記第一着霜パラメータは、室外ファンの第二室外機回転数を含むことを特徴とする請求項1に記載のエアコンクリーニング方法。
【請求項8】
室外環境温度に応じて前記着霜の第一着霜パラメータを取得することは、
前記室外環境温度に基づいて、所定の第三関連関係から対応する着霜パラメータを取得することを含み、
ここで、前記所定の第三関連関係は、室外環境温度と室外機の回転数との対応関係を含むことを特徴とする請求項7に記載のエアコンクリーニング方法。
【請求項9】
前記着霜の第二着霜パラメータは、室内環境温度に応じて取得られ、
ここで、前記第二着霜パラメータは、圧縮機の第二周波数と絞込み装置の第二開度を含むことを特徴とする請求項1または7または8に記載のエアコンクリーニング方法。
【請求項10】
エアコンであって、
プロセッサと、プログラムコマンドを有するメモリとを備え、
前記プロセッサは、前記プログラムコマンドの実行時に、請求項1~9のいずれか1項に記載のエアコンクリーニング方法を実行するように構成されていることを特徴とするエアコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、中国特許出願の第202010140876号、出願日2020年3月3日との特許に基づき、その優先権を主張し、その内容全体を参照により本出願に導入するものである。
【0002】
本出願は、スマート家電の技術分野に関し、例えば、エアコンのクリーニング方法およびエアコンに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、家庭環境の清潔さや健康への関心はますます多くのユーザによって重視されている。室内環境の温度や湿度を調整する一般的な空気調整設備であるエアコンの清潔さは、室内環境の清潔さに大きく影響する。エアコンの使用経験から見ると、エアコンが室内空気を循環搬送する過程で、室内環境の塵埃や異物等が気流に乗ってエアコン内に侵入し、エアコンの使用時間が経過した後にエアコン内部に多くの汚れが蓄積する。このような状況に対応するため、既存のエアコンメーカーは、熱交換器に対する噴射・水洗機能を持つエアコン、熱交換器をスチームクリーニングする機能を持つエアコンなど、セルフクリーニング機能を持つエアコンを多数開発・製造している。
【0004】
本開示の実施例を実現する過程で、当該技術には少なくとも以下のような問題が存在することが判明した。
【0005】
エアコンは使用中に汚れが溜まりやすくなるだけでなく、夏の暑い時期に冷房運転をすると、熱交換器の表面に結露が多く発生し、エアコン内部にも細菌やカビなどの微生物が極めて繁殖しやすくなる。既存のエアコンのセルフクリーニング機能は、塵埃や油などの汚れのみで、繁殖した微生物のクリーニングには効果がない場合が多いである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
開示された実施例のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、以下に簡単な概要を説明する。記載された概要は、一般的な解説を目的としたものではなく、また、重要な/重要な構成要素を特定したり、これらの実施例の保護範囲を描写したりするものではなく、むしろ、後に続く詳細な説明の前文として記載されたものである。
【0007】
本開示の実施例は、関連技術におけるエアコンクリーニング機能の除菌効果が低いという技術的課題を解決するエアコンクリーニング方法及びエアコンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの実施例では、本方法は、クリーニングコマンドに応答して、対象熱交換器の表面に対して着霜の制御を行うことと、着霜完了条件を満たした後、対象熱交換器の着霜を除霜する制御を行うことと、除霜完了条件を満たした後、対象熱交換器の表面温度を除菌用温度まで低下させ、クイッククール除菌を行うことと、を含み、ここで、除菌用温度と除霜時の除霜温度との温度差が所定温度変化除菌条件を満たす。
【0009】
いくつかの実施例では、エアコンは、プロセッサと、プログラムコマンドを記憶したメモリとを備え、プロセッサは、プログラムコマンドを実行するときに、上記のいくつかの実施例に例示され、エアコンクリーニングを行う方法を実行するように構成される。
【0010】
本開示の実施例により提供されるエアコンクリーニング方法及びエアコンは、以下の技術的効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の実施例によって提供されるエアコンクリーニング方法は、着霜-除霜工程、クイッククール除菌工程を順序的に実行することができ、着霜-除霜工程によって熱交換器の塵埃などの汚れを効果的に剥がし、根深い菌を見えるようにし、その後、除霜工程からクイッククール工程に切り替える際の高温と低温との間の急激な変化を利用して除菌できるクイッククール除菌工程を行う。この方法は、熱交換器に付着した細菌やカビなどの微生物を効果的に減少させることで、エアコン内部の清潔さを向上させることができる。
【0012】
上記の一般的な説明および以下の説明は、例示的および説明的なものに過ぎず、本出願を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の実施例によって提供されるエアコンクリーニング方法を示す概略図である。
図2】本開示の実施例によって提供されるクリーニングプロセス中の各部材のパラメータの変化の模式図である。
図3】本開示の実施例によって提供され、エアコンをクリーニングするための装置の概略図である。
図4】本開示の実施例によって提供され、エアコンをクリーニングするための別の装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施例の特徴及び技術内容をより詳細に理解できるようにするために、本開示の実施例を図面と併せて以下に詳細に説明する。これらの図面は例示のみを目的として提供され、本開示の実施例を限定することを意図するものでない。以下の技術的説明では、理解の便利さから、開示された実施例の完全な理解のために、様々な詳細を説明する。しかし、そのような詳細がない場合でも、1つ以上の実施例が実施することができる。他の場合、添付図面を簡略化するために、当業者に知られている構造および装置を簡略化して示すことができる。
【0015】
本開示の実施例の明細書及び特許請求の範囲並びに上述した添付図面における「第1」、「第2」等の用語は、類似の対象を区別するために用いられ、特定の順序又は前後順序を説明するために用いることではない。このように使用されるデータは、本開示に記載される実施例を説明するために、適切な場合には交換できることを理解されたい。また、「含む」、「有する」、及びそれらの変形表現は、非排他的な包含を意図する。
【0016】
特に指定のない限り、「複数」は2つ以上を示す。本開示の実施例では、「/」の前のオブジェクトと「/」の後のオブジェクトとが「または」の関係であることを示す。例えば、A/Bという意味は、AまたはBという意味である。
【0017】
「および/または」は、オブジェクトの関連付けの意味であり、3つの関係が存在しうることを示す。例えば、「Aおよび/またはB」という意味は、「A」、「B」、「AおよびB」という3つの意味である。
【0018】
図1は、本開示の実施例によって提供されるエアコンクリーニング方法を示す概略図である。
【0019】
図1と関連して、本開示の実施例は、エアコンクリーニング方法を提供する。該方法は、エアコン内部の細菌、カビなどを死滅させ、微生物の数を減らすために使用できる。この実施例では、このエアコンクリーニング方法は、クリーニングコマンドに応答して、対象熱交換器の表面に対して着霜の制御を行うステップS101を含む。
【0020】
いくつかの選択的な実施例では、エアコンのリモートコントロールとコントロールパネルは、「細菌死滅機能」または「除菌機能」などの新しいクリーニングオプションを有する。該クリーニングオプションは、この実施例でエアコンクリーニングを実行する方法プロセスをトリガすることができる。そうすると、ユーザがクリーニングオプションを選択した後、エアコンが相応的なクリーニングコマンドを生成し、動作を実行する。
【0021】
ほかのいくつかの選択的な実施例では、エアコンが普通トリガ、タイミングトリガなど方式によって、相応的なクリーニングコマンドを生成することもできる。例えば、エアコンは、1つ以上の特定の種類の微生物の量を検出するために使用できる微生物検出装置を有する。そうすると、微生物の検出量が所定量の閾値よりも高いとき、エアコンの微生物の量が多すぎて、エアコンが相応的なクリーニングコマンドを生成する。あるいは、エアコンは、タイミングモジュールを備える。該タイミングモジュールは、冷房モードや除湿モードでの累積運転時間など、エアコンの累積運転時間をカウントできる。ここで、冷房モードや除湿モードでのエアコンの累積運転時間が長くなると、エアコン内部に結露した水が多くなり、その湿潤環境で繁殖増殖した微生物が多くなるので、エアコンの累積運転時間が所定運転時間の閾値より長くなると相応的なクリーニングコマンドを生成するように設定する。
【0022】
ほかのいくつかの選択的な実施例では、エアコンが元のエアコンのクリーニング機能に連動してトリガする。例えば、ユーザが元のクリーニング機能を選択した後、元のクリーニング機能によって定義されたクリーニングプロセスを実行する前に、クリーニングコマンドを生成して本願のクリーニング方法プロセスを実行し、または、ユーザが元のクリーニング機能を選択した後、元のクリーニング機能によって定義されたクリーニングプロセスを実行した後に、クリーニングコマンドを生成して本願のクリーニング方法プロセスを実行する。即ちユーザが元のクリーニング機能を選択した後、2つの異なるクリーニングプロセスを順序的に実行することで、ダブルクリーニングによるエアコン内部の清潔さを効果的に保証する。
【0023】
例えば、エアコンの本来のクリーニング機能は、噴射クリーニング機能である。該噴射クリーニング機能は、エアコンの熱交換器に水を噴射して、流水クリーニングの方式で熱交換器をクリーニング機能である。選択的な実施様態では、噴射クリーニング機能の実行前に、本出願のクリーニング方法工程を実行する。即ちユーザが噴射クリーニング機能を選択した後、先に本願のクリーニング方法工程を実行し、細菌などの微生物を死滅し、その後噴射クリーニング機能を実行することで、流水が塵埃、油などの汚れを洗い流すだけでなく、熱交換器の死滅された微生物を一緒に洗い流すことができる。
【0024】
本実施例では、主に、室内熱交換器を対象熱交換器として例示的に説明する。ステップS101を実行するとき、エアコンは、系統内の冷媒の流れ方向を冷房モードの冷媒流れ方向に沿って一致的に調整することで、室内熱交換器へ入力される冷媒を低温冷媒とし、それにより低温冷媒の吸熱による蒸発効果を利用して室内熱交換器の温度を低下させる。この実施例では室内熱交換器の温度を着霜限界温度まで温度を低下させる。これは室内空気が室内熱交換器を流れるとき、水蒸気が室内熱交換器の表面に付着され、水分が気体-液体-固体に変化する過程で、室内熱交換器の表面に付着した塵埃や油などの汚れを剥がすことができる。それにより、大きな汚染物質に対するクリーニング効果が向上するだけでなく、根深い微生物を露出させるため、その微生物を死滅しやすくなる。
【0025】
選択的に、着霜限界温度は0℃以下である。本実施例では、着霜限界温度は0℃である。
【0026】
ステップS102では、着霜完了条件を満たした後、対象熱交換器の着霜を除霜する制御を行う。
【0027】
選択的に、着霜完了条件は、
着霜≧t1着霜を含み、
ここで、t着霜は、ステップS101における着霜工程の継続時間であり、t1着霜は、所定の着霜時間の閾値である。選択的に、所定の着霜時間の閾値は、15分から17分までの範囲にある。
【0028】
ここで、エアコンはタイミングモジュールを含む。このタイミングモジュールは、対象熱交換器の表面に着霜する時間の計時に用いられる。エアコンは、タイミングモジュールが計時した時間に基づいて、着霜完了条件を満たしたと判断した後、室内熱交換器に十分な厚さの霜が結露していることを判明した。このとき室内熱交換器の除霜への切り替えを行えばよい。
【0029】
ステップS101の除霜工程を実行するとき、エアコンは、系統内の冷媒の流れ方向を暖房モード時の冷媒の流れ方向と同じになるように調整する。このときの室内熱交換器へ入力される冷媒が高温冷媒であり、それにより高温冷媒を利用して室内熱交換器を加熱し、室内熱交換器の表面に凝縮した霜が吸熱して溶けることで、「除霜」を実現させる。本実施例では、室内熱交換器の温度を所定の除霜温度まで上昇させる。選択的に、除霜温度は50℃、55℃などの温度である。
【0030】
本実施例では、着霜完了条件が満たされていない場合、ステップS101の着霜工程を継続する。
【0031】
ステップS103では、除霜完了条件を満たした後、対象熱交換器の表面温度を除菌温度までに低下してクイッククール除菌し、ここで、除菌温度と除霜時の除霜温度との温度差が所定温度変化除菌条件を満たす。
【0032】
選択的に、除霜完了条件は、
除霜≧t2除霜を含み、
ここで、t除霜は、ステップS102における除霜工程の継続時間であり、t2除霜は、所定の除霜時間の閾値である。選択的に、所定の除霜時間の閾値は、30分以上にある。
【0033】
ここで、エアコンのタイミングモジュールはさらに、対象熱交換器に除霜する継続時間の計時に用いられる。エアコンは、タイミングモジュールが計時した時間に基づいて、除霜完了条件を満たしたと判断した後、室内熱交換器に十分な厚さの霜が溶けられることを判明した。
【0034】
本実施例では、除霜完了条件が満たされていない場合、ステップS102の除霜処理を継続する。
【0035】
ここで、エアコンには、室内熱交換器のコイル位置に温度センサが設けられる。該温度センサが室内熱交換器のコイルのリアルタイム温度を検出できる。そのため、ステップS101とステップS102では、温度センサで検出した温度データとの比較に基づいて、室内熱交換器の温度が、着霜限界温度または除霜温度に達したかどうかを判断できる。ここで、着霜完了条件または除霜完了条件が満たされると、タイミングモジュールは、リセットされる。
【0036】
いくつかの選択的な実施様態では、ステップS103のクイッククール除菌工程を行う際に、エアコンは、系統内の冷媒の流れ方向を冷房モード時の冷媒の流れ方向と同じになるように調整することで、圧縮機から排出された高温冷媒が先に室外熱交換器を流させ、その後、絞り込まれて減圧した低温冷媒が室内熱交換器に供給され、それにより、低温冷媒の「冷たさ」を利用し、室内熱交換器の熱を吸収し、室内熱交換器を再冷却し、室内熱交換器の表面温度を除菌温度まで低下させ、クイッククール除菌を行う。
【0037】
選択的に、所定温度変化除菌条件は、
除霜-T除菌≧T閾値℃を含み、
ここで、T除霜は56℃以上の除霜温度であり、T除菌は0~5℃の除菌温度でり、T閾値は55℃以上である。
【0038】
ここで、前の除霜工程では室内熱交換器が高温状態にあり、後のクイッククール除菌工程では室内熱交換器が低温状態に切り替え、室内熱交換器の表面温度は大きな熱・低温変化を受け、高温から低温への急激な変化でも微生物を効果的に死滅できることが実験で証明され、それにより除菌強化の効果が得られる。
【0039】
例えば、除霜工程での所定の除霜温度が56℃であり、相応的なクイッククール除菌工程での除菌温度が1℃であり、両者の温度差は55℃であり、それが上記所定の所定温度変化除菌条件を満たす。あるいは、除霜温度が59℃であり、相応的なクイッククール除菌工程での除菌温度が2℃であり、両者の温度差は57℃であり、それも上記所定の所定温度変化除菌条件を満たす。
【0040】
いくつかの選択的な実施例では、ステップS103を実行した後、クイッククール除菌条件が満たされた場合、クイッククール除菌を終了するように制御される。
【0041】
選択的に、クイッククール除菌条件は、
クイッククール≧t3クイッククールを含み、
ここで、tクイッククールは、クイッククール除菌の継続時間であり、t3クイッククールはクイッククール除菌継続時間の閾値である。
【0042】
選択的に、t3クイッククールの値の範囲は、10分以上である。本実施例では、t3クイッククールは、10分である。本実施例では、ステップS103を実行した後、前記のタイミングモジュールは、クイッククール除菌工程の継続時間を計時することにも用いられる。
【0043】
本実施例では、クイッククール除菌条件が満たされていない場合、ステップS103のクイッククール除菌工程を継続する。
【0044】
本開示の実施例によって提供されるエアコンクリーニング方法は、着霜-除霜工程、クイッククール除菌工程を順序的に実行することができ、着霜-除霜工程によって熱交換器の塵埃などの汚れを効果的に剥がし、根深い菌を見えるようにし、その後、除霜工程からクイッククール工程に切り替える際の高温と低温との間の急激な変化を利用して除菌できるクイッククール除菌工程を行う。この方法は、熱交換器に付着した細菌やカビなどの微生物を効果的に減少させることで、エアコン内部の清潔さを向上させることができる。
【0045】
本実施例では、ステップS101とステップS102の着霜-除霜とS103のクイッククール除菌という2つの工程による除菌効果を確保するために、主に室内ファン、エアガイド、室外ファン、絞り込み装置、圧縮機および/または四方弁などの部材の運転パラメータを制御することにより実現する。 以下では、図2を参考しながら各段階のパラメータ制御を例示的に説明する。ここで、図2の縦座標が制御対象の各部材のパラメータであり、横座標は時間である。
【0046】
(一)着霜工程と除霜工程
室内ファンは着霜工程と除霜工程での制御手順は、第一段階と第二段階と第三段階とを備える。第一段階(露の凝縮)については、室内ファンがミドル風速状態(中域風速)であり、このとき主に室内ファンの運転により、より多くの室内空気を室内の熱交換器を流れ、したがって、多くの水蒸気を気体の状態から液体の状態に凝縮する。第二段階については、室内ファンが停止状態であり、このときエアコンが室内の熱交換器に低温冷媒を供給し、そして、室内の熱交換器をできるだけ早く冷却し、室内環境への冷たい空気の損失を減らすために、室内のファンが停止するように制御する。第三段階(除霜)については、室内ファンは低速状態(低風速)であり、第一段階と第二段階を行った後、室内の熱交換器の表面に十分な霜が凝縮され、その後、除霜工程を開始し、室内ファンを低回転数で運転することで、室内機内部の暖まりを早め、除霜のスピード向上することを図っている。
【0047】
選択的に、室内ファンの3つ段階を所定の継続時間に設定することができ、例えば、着霜工程と除霜工程の合計時間が45分以上である場合、第一段階の継続時間を2分とし、第二段階の継続時間を13~15分とし、第三段階の継続時間を30分以上とする。そうすると、各段階の継続時間をカウントすることにより、継続時間の要件を満たしたときに室内ファンの状態の切換を制御する。
【0048】
いくつかの選択的な実施例にでは、着霜工程および除霜工程では、室内機のガイド板は閉鎖状態またはわずかな開放状態であり、それにより、着霜工程および除霜工程中における室内熱交換器と室内環境との間の熱交換を低減して、着霜工程中の着霜効率および除霜工程中の除霜効率を確保することができる。
【0049】
着霜処理は、室外環境温度に基づいて第一着霜パラメータを取得することを備え、ここで前記第一凝縮パラメータが、室外ファンの第二室外機回転速度を含む。
【0050】
着霜工程の室外ファン制御に対して、室外ファンに対する室外熱交換器は発熱状態にあり、室外環境温度と室外熱交換器の伝熱温度差の値は、室外熱交換器の発熱効率に影響でき、さらに室内熱交換器の着霜効果に影響できる。ここで、室外環境温度と室外ファンは正相関関係であり、すなわち室外環境温度が高いほど、室外熱交換器との伝熱温度差は低くなり、発熱効果を確保するために必要な伝熱空気量は多くなる。そのため、本実施形態では、室外環境温度の値に応じて室外ファンの回転数を調整することで、室外熱交換器の発熱効率を高め、さらに着霜効果を高めることができる。
【0051】
選択的に、エアコンには、室外環境温度と室外機の回転数との第三関連関係がセットされる。その第三関連関係は、室外環境温度と室外機の回転数との1対1の対応関係を含む。したがって、第三関連関係を調べることで、現在の室外環境温度に対応する室外機回転数を取得し、さらにその室外機回転数を第二室外機回転数速度として、室外機を制御することが可能である。
【0052】
ほかのいくつかの選択的な実施例では、圧縮機の周波数も、室外熱交換器の発熱効率に影響を与えることができる。ここで、圧縮機の運転周波数が高いほど、冷媒の吐出量が多くなるため、室外熱交換器へ流れる熱交換用の冷媒の量が多くなる。したがって、本実施例では、室外環境温度と圧縮機周波数を併用し、室外ファンの着霜段階の温度を決定する。 選択的な室外環境温度Taoと圧縮機周波数fと室外ファンの室外機回転数との間の対応関係を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
本実施例では、室外ファンの回転数桁を7段階に設定し、順に回転数を上げている。室外環境温度と周波数の組み合わせが異なる場合の室外ファンの回転数範囲は表1の通りである。本実施例では、着霜工程の室外ファンの回転数の制御が上記の表1で決定される。
【0055】
同様に、除霜工程の室外ファンの第三回転数も、室外環境温度に基づいて求めることができる。着霜工程の室外ファン制御に対して、室外ファンに対する室外熱交換器は吸熱状態にある。ここで、室外環境温度と室外ファンはマイナス相関関係であり、すなわち室外環境温度が低いほど、室外熱交換器との伝熱温度差は高くなり、吸熱効果を確保するために必要な伝熱空気量は多くなる。そのため、本実施形態では、室外環境温度の値に応じて室外ファンの回転数を調整することで、室外熱交換器の吸熱効率を高め、さらに除霜効果を高めることができる。
【0056】
ほかのいくつかの選択的な実施例では、圧縮機の周波数も、室外熱交換器の吸熱効率に影響を与えることができる。したがってこの実施例では、室外環境温度と圧縮機周波数を併用し、室外ファンの着霜段階の温度を決定する。 選択的な室外環境温度Taoと圧縮機周波数fと室外ファンの室外機回転数との間の対応関係を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
本実施例では、除霜工程の室外ファンの回転数の制御が上記の表2で決定される。
【0059】
この実施例では、着霜工程は、室内環境温度に応じて取得される第二凝縮パラメータをさらに備え、ここで第二凝縮パラメータは、圧縮機の第二周波数および絞り込み装置の第二開度を含む。ここで、凝縮工程では、室内熱交換器は着霜状態にあり、室内機は室内環境にあるため、着霜速度は室内環境温度の影響を受け、室内環境温度が高いほど着霜に与える影響は大きくなる。圧縮機の周波数は循環の冷媒の量を変えることができ、絞り込み装置の開度は室内熱交換器へ流入する冷媒の温度と圧力を直接決定することができる。 本願は室内環境温度に応じて圧縮機の周波数と絞込み装置の開度を取得し、調整した冷媒が室内熱交換器の着霜の要求を満たし、室内環境温度の着霜工程への影響を低減することができるようにする。
【0060】
選択的に、エアコンには、第四関連関係がセットされる。その第四関連関係は、室内環境温度と周波数の対応関係を含む。この関係では、室内環境温度と圧縮機の周波数は正相関関係であり、すなわち室内環境温度が高いほど、圧縮機の運転周波数が高くなるため、室内熱交換器への低温冷媒の供給量が多くなり、それのより室内環境温度が高くても高い着霜効果を得ることができる。
【0061】
例の説明として、着霜工程における室内環境温度Tpと圧縮機の周波数f、絞込み装置の開度との対応関係を表3に示す。
【0062】
【表3】
【0063】
本実施例では、着霜工程における圧縮機と絞込み装置の制御が上記の表3で決定される。
【0064】
いくつかの選択的な実施例では、除霜工程では、室外環境温度に応じて室外機の第三室外機回転数を取得できることに加えて、室外環境温度に応じて絞込み装置の第一開度も取得できる。ここで、除霜工程では、冷媒は室内熱交換器から室外熱交換器に流れ、除霜工程の除霜効果を確保するためには、室外熱交換器に流れる冷媒が外部環境からより多くの熱を吸収できる必要がある。そのため本実施例では、現在の室外環境温度条件の熱交換ニーズを適応できるように、絞込み装置の開度を調整する。
【0065】
本実施例では、室外ファンの第三室外機回転数と絞込み装置の第一開度とを除霜工程の第一除霜パラメータとして定義する。ここで、エアコンには、第五関連関係がセットされる。その第五関連関係は、室外環境温度と室外機回転数または開度との対応関係を含む。
【0066】
例の説明として、除霜工程における室外環境温度Taoと絞込み装置の開度との対応関係を表4に示す。
【表4】
【0067】
したがって本実施例では、除霜工程における絞込み装置の開度制御が上記の表4で決定される。
【0068】
(二)クイッククール除霜工程
室内ファンは、クイッククール除菌段階では中速、高速など除霜工程より高い回転数で運転する。クイッククール除菌段階では冷媒は冷蔵モードと同じ方向に沿って流れ、室内熱交換器に供給される冷媒は低温冷媒である。 前の除霜工程では、室内機内部の全体が高温状態にあったため、室内熱交換器の温度を短時間で低下させ、室内熱交換器の温度の急激な変化を実現するために、本出願が、室内機内部の高温空気と低温冷媒との熱交換を促進するように室内ファンの回転数を上げるとともに、室内熱交換器を除菌温度以下にまで冷却するように高温空気の室内への排出を促進する。
【0069】
図に示されていないいくつかの実施例では、クイッククール除菌段階における室内ファンの回転数制御も、室内コイル温度に基づいて決定されてもよい。
【0070】
例示的には、エアコンがステップS103のクイッククール除菌段階を開始すると、リアルタイム温度センサを用いて室内熱交換器のコイル温度を検出し、コイル温度が除菌温度に低下する前に室内ファンを中速状態に制御し、コイル温度が除菌温度に低下した後に室内ファンを低速状態に切り替えるまたは室内ファンを停止させる。この制御により、室内熱交換器のクイッククール除菌段階のクイッククール効果を改善し、さらに除菌を効果的に高めている。
【0071】
いくつかの選択的な実施例では、クイッククール除菌段階では室内機のガイド板はわずかに開く状態にあるため、室内機からの高温空気の排出が加速され、クイッククール効果が増加する。同時に、現在エアコンが暖房段階または冷房段階により、室内機のガイド板の開く角度をさらに制御する。例えば、暖房段階では、室内機のガイド板を少し大きめの角度で開くように制御して、より多くの高温空気を室内環境に放出できるようにし、除霜工程の廃熱の利用率を向上でき、冷房段階では、室内機のガイド板を上向きに送風するように制御して、ユーザに直接温風が当たらないようにしてユーザの使用感を向上できる。
【0072】
クイッククール除菌段階は、室外環境温度に基づいて取得される第一クイッククール除菌パラメータを含み、ここで第一クイッククール除菌パラメータは、室外ファンの第一室外機回転数及び圧縮機の第一周波数を含む。
【0073】
クイッククール除菌段階の室外ファン制御に対して、室外ファンに対する室外熱交換器は発熱状態にあり、室外環境温度と室外熱交換器の伝熱温度差の値は、室外熱交換器の発熱効率に影響でき、さらに室内熱交換器のクイッククール効果に影響できる。ここで、室外環境温度と室外ファンは正相関関係であり、すなわち室外環境温度が高いほど、室外熱交換器との伝熱温度差は低くなり、吸熱効果を確保するために必要な伝熱空気量は多くなる。そのため、本実施形態では、室外環境温度の値に応じて室外ファンの回転数を調整することで、室外熱交換器の放熱効率を高め、さらにクイッククール除菌効果を高めることができる。
【0074】
選択的に、エアコンには、室外環境温度と室外機の回転数との第一関連関係がセットされる。その第一関連関係は、室外環境温度と室外機の回転数との1対1の対応関係を含む。したがって、第一関連関係を調べることで、現在の室外環境温度に対応する室外機回転数を取得し、さらにその室外機回転数を第一室外機回転数速度として、室外機を制御することが可能である。
【0075】
ほかのいくつかの選択的な実施例では、圧縮機の周波数も、室外熱交換器の発熱効率に影響を与えることができる。ここで、圧縮機の運転周波数が高いほど、冷媒の吐出量が多くなるため、室外熱交換器へ流れる熱交換用の冷媒の量が多くなる。したがって、本実施例では、室外環境温度と圧縮機周波数を併用し、室外ファンのクイッククール除菌段階の温度を決定する。 選択的な室外環境温度Taoと圧縮機周波数fと室外ファンの室外機回転数との間の対応関係を表5に示す。
【0076】
【表5】
【0077】
本実施例では、室外ファンの回転数桁の設定は先の実施例と同じように、本実施例では、クイッククール除菌段階での室外ファンの速度制御は、上記の表5で決定される。
【0078】
いくつかの選択的な実施例では、クイッククール除菌段階のキーポイントの1つは、短時間で室内熱交換器を除菌温度以下に低下させて維持することである。ここで、クイッククール除菌段階では、圧縮機から排出された高温冷媒はまず室外熱交換器に流れるため、室外の環境温度は室外熱交換器における冷媒の放熱効率と室外環境における冷媒の放熱効率とを影響し、さらに室内熱交換器に流れる冷媒温度を影響する。こうすると本願では、室外環境温度に基づいて圧縮機周波数を取得するので、調整された圧縮機周波数は、室内熱交換器を除菌温度までクイッククールする要求を満たすことができる。
【0079】
選択的に、第一関連関係は、室外環境温度と圧縮機周波数との間の1対1の対応関係も含み、その対応関係を調べることによって、現在の室外環境温度に対応する圧縮機周波数を取得することが可能である。
【0080】
例えば、室外環境温度が第一の室外環境温度閾値よりも大きいときには、高い値である第一の周波数で圧縮機を運転するように制御し、それにより、排出冷媒の温度と冷媒量を増加させ、室外熱交換器における冷媒と外部環境との熱交換効率を高める。室外環境温度が第一の室外環境温度閾値より低いときに、冷媒と室外環境との熱交換効率が高くなり、第一周波数より小さい値である第二周波数で圧縮機を運転するように制御し、それにより、クイッククール除菌段階における圧縮機の消費電力を効果的に低減することができる。
【0081】
いくつかの選択的な実施例では、クイッククール除菌段階は、室内環境温度に基づいて取得られる第二クイッククール除菌パラメータをさらに含み、ここで第二クイッククール除菌パラメータは、絞込み装置の第一開度を含む。本実施例では、クイッククール除菌段階の室内ファンをミドル回転数で運転するので、室内環境温度は室内熱交換器の温度にある程度影響するため、クイッククール除菌効果を確保できるために、室内環境の異なる温度状況に応じて絞り込み装置の開度を調整し、室内熱交換器への低温冷媒の温度と圧力を変化させて、それにより、室内の環境温度がクイッククール除菌の効果に対する悪影響を低減することができる。
【0082】
選択的に、エアコンには、第二関連関係がセットされる。所定の第二関連関係は、室内環境温度と周波数の対応関係を含む。表6は、選択的な実施例における室内環境温度Tpと絞込み装置の開度との対応関係を示す表である。
【0083】
【表6】
【0084】
したがって本実施例では、クイッククールの各段階における絞込み装置の開度制御が上記の表6で決定される。
【0085】
いくつかの選択的な実施例では、ステップS101を実行するときに、電気補助加熱装置を使用して補助加熱し、電気補助加熱装置を利用することで室内機の内部の温度を高め、室内熱交換器が第一の除菌温度に達するまでの時間を短縮する。
【0086】
いくつかの選択的な実施例では、高温除菌条件が満たされた後、クイッククール除菌の前に、冷媒流れ方向を暖房モードから冷房モードに切り替える必要があるので、切り替えプロセス中のエアコンの内部システムの安定性を確保するために、本出願は圧力安定操作の実行を制御する。ここで圧力安定操作は、絞込み装置を最大開度で開く操作と、圧縮機の周波数低減の操作とを含み、現在の圧力安定操作の継続時間が所定の圧力安定操作の継続時間の以上になることを特定すると、クイッククール除菌を開始することが可能である。
【0087】
選択的に、所定の圧力安定操作の継続時間は、1~2分である。
【0088】
いくつかの選択的な実施例では、エアコンクリーニングのための本願方法は、対象熱交換器の表面温度が第一の除菌温度まで加熱されたときに、紫外線除菌装置の作動を制御することをさらに含む。紫外線除菌装置は、紫外線で室内機内の微生物を死滅することで、全体の除菌効果を高めることができる。
【0089】
図3と関連して、本開示の実施例は、着霜モジュール31と、除霜モジュール32と、クイッククール除菌モジュール33とを備えるエアコンクリーニングの装置を提供する。着霜モジュール31は、クリーニングコマンドに応答して対象熱交換器の表面の着霜を制御するように構成される。除霜モジュール32は、着霜完了条件が満たされた後に対象熱交換器の除霜を制御するように構成される。クイッククール除菌モジュール33は、除霜完了条件が満たされた後に対象熱交換器の表面温度を除菌温度まで低下させ、クイッククール除菌をするように構成される。ここで、除菌用温度と除霜時の除霜温度との温度差が所定温度変化除菌条件を満たす。
【0090】
本開示の実施例によって提供されるエアコンクリーニング用の装置を使用することで、熱交換器上の細菌、カビなどの微生物の減少が容易になり、エアコン内部の清潔さが向上する。
【0091】
図4と関連して、本開示の実施例は、プロセッサ(processor)100とメモリ(memory)101とを備えるエアコンクリーニングの装置を提供する。選択的に、該装置は、通信インタフェース(Communication Interface)102およびバス103を含んでいてもよい。ここで、プロセッサ100、通信インタフェース102、及びメモリ101は、バス103を介して互いに通信することができる。通信インタフェース102は、情報の授受に用いることができる。プロセッサ100は、メモリ101の論理コマンドを呼び出して、それにより上述した実施例のエアコンクリーニング方法を実行することができる。
【0092】
また、上述したメモリ101の論理コマンドは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現され、単体製品として販売または使用される場合には、コンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。
【0093】
メモリ101はコンピュータ可読記憶媒体として、本開示の実施例における方法に対応するプログラムコマンド/モジュールなどのようなソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能プログラムを格納することができる。プロセッサ100は、メモリ101に格納されたプログラムコマンド/モジュールを実行することにより、機能アプリケーションとデータ処理を実行し、すなわち上記実施例におけるエアコンクリーニングの方法を実行する。
【0094】
メモリ101は、プログラム格納領域とデータ格納領域とを含み、ここでプログラム格納領域は、オペレーティングシステムと少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションを格納する。データ格納領域は、端末装置の使用状況に応じて作成されるデータ等を格納する。また、メモリ101は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに不揮発性メモリを含んでもよい。
【0095】
本開示の実施例は、上述したエアコンクリーニング装置を備えるエアコンを提供する。
【0096】
本開示の実施例は、コンピュータ実行可能なコマンドを記憶するコンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ実行可能なコマンドは、上述したエアコンクリーニングの方法を実行するように設定されている。
【0097】
本開示の実施例は、コンピュータプログラム製品を提供する。前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されたコンピュータプログラムを含む。前記コンピュータプログラムは、プログラムコマンドを含む。前記プログラムコマンドがコンピュータによって実行されると、前記コンピュータに前記エアコンのクリーニング方法を実行させる。
【0098】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、一過性のコンピュータ可読記憶媒体であってもよいし、非一過性のコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0099】
本開示の技術的実施例は、ソフトウェア製品の形態で具現化されてもよい。該ソフトウェア製品は、1つ記憶媒体に格納され、コンピュータ設備(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワーク装置などであってもよい)に本開示の実施例で説明した方法のステップの全てまたは一部を実行させるための1つまたは複数のコマンドを含む。前記記憶媒体は、非一過性の記憶媒体であってもよく、例えば、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ディスクまたはCD-ROM、その他プログラムコードを格納できる種々の媒体であり、また一過性の記憶媒体であってもよい。
【0100】
以上の説明及び添付図面により、本開示の実施例が十分に説明され、当業者がそれらを実践することが可能となる。その他の実施例としては、構造的、論理的、電気的、プロセス的、およびその他の変形を含むことができる。実施例は、あくまで可能な変形例である。個別の部品や機能は選択的なものであり、明示的に要求されない限り、動作の順序が異なる場合がある。いくつかの実施例の部品および特徴は、他の実施例の部品および特徴に含まれてもよく、または他の実施例の部品および特徴によって置換されてもよい。さらに、本願で使用される用語は、実施例を説明するためのものであり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。同様に、本願で使用される場合、用語「および/または」は、関連しリストされる1つまたは複数からなる任意のおよびすべての可能な組み合わせを指す。さらに限定することなく、「1つ...を含む」という記述によって定義される要素は、当該要素からなるプロセス、方法または装置における追加の同一要素の存在を排除するものではない。本明細書では、各実施例について、他の実施例との相違点を中心に説明し、実施例間の同様の類似点を相互参照する場合がある。なお、実施例に開示された方法、製品等については、実施例開示の方法部分に該当する場合、当該部分は方法部分の説明で確認することができる。
【0101】
当業者は、本明細書に開示された実施例に関連して説明された様々な例のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせとして実装可能であることを認識することができる。これらの機能をハードウェアで実行するか、ソフトウェアで実行するかは、技術ソリューションの特定のアプリケーションと設計上の制約に依存することができる。当業者は、説明した機能を実装するために、特定のアプリケーションごとに異なる方法を使用することができるが、そのような実装は、本開示の実施例の範囲外であると考えるべきではない。説明の便宜上および簡潔さのために、上述したシステム、デバイスおよびユニットの動作のための特定のプロセスは、先行する方法の実施例における対応するプロセスを参照することができ、本明細書では繰り返さないことは、前記当業者には明らかであろう。
【0102】
本明細書に開示された実施例に開示された方法、製品(装置、機器などを含むが、これらに限定されない)は、他の方法で実施されてもよい。例えば、上述した装置の実施例は単に概略的なものであり、例えば、記載されたユニットの分割は、単に論理的な機能分割であってもよく、実際には他の方法で実施されてもよく、例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが結合されてもよく、または別のシステムに統合されてもよく、または一部の機能が無視されてもよく、または実装されてもいなくてもよい。別個の構成要素として図示したユニットは、物理的に別個であってもなくてもよく、ユニットとして図示した構成要素は、物理的な単位であってもなくてもよく、すなわち、一箇所に配置されていてもよく、また複数のネットワークユニットに分散して配置されてもよい。これらのユニットの一部または全部は、本実施例を実施するための実際的な必要性に応じて選択され得る。また、本開示の実施例における様々な機能ユニットは、単一の処理ユニットに統合されてもよいし、個々のユニットが物理的に別々に存在してもよいし、2つ以上のユニットが単一のユニットに統合されてもよい。
【0103】
添付図面のフローチャート及びブロック図は、本開示の実施例のシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実施可能なアーキテクチャ、機能性及び動作の可能な実装を示すものである。この点で、フローチャートまたはブロック図の各ボックスは、モジュール、プログラムセグメントまたはコードの一部を示すことができ、前記モジュール、プログラムセグメントまたはコードの一部は、定義された論理機能を実行するための1つまたは複数の実行可能なコマンドを含んでいる。代替品としてのいくつかの実現方式では、ボックス内に記入された機能は、添付の図面に示されたものとは異なる順序で発生することもある。例えば、関連する機能により、連続する2つのボックスは、実際には実質的に並行して実行されることがあり、逆の順序で実行されることもある。添付図面のフローチャートやブロック図に対応する説明では、異なるボックスに対応する動作やステップも、説明で開示した順序とは異なる順序で行われる場合があり、異なる動作やステップの間に特定の順序が存在しない場合もある。例えば、関連する機能により、連続する2つの操作またはステップは、実際には実質的に並行して実行されることがあり、逆の順序で実行されることもある。ブロック図及び/又はフローチャートの各ボックス、並びにブロック図及び/又はフローチャートのボックスの組み合わせは、指定された機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースのシステムで実装してもよく、専用のハードウェアとコンピュータコマンドとの組み合わせで実装してもよい。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】