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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】被膜を有する縁部導体
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/11 20060101AFI20230323BHJP
【FI】
H05K1/11
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545379
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(85)【翻訳文提出日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 US2021013148
(87)【国際公開番号】W WO2021154494
(87)【国際公開日】2021-08-05
(31)【優先権主張番号】62/966,286
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,ディヴィッド リン
(72)【発明者】
【氏名】ガーナー,ショーン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ラスコウスキー,クリスティーナ マリー
(72)【発明者】
【氏名】マスリン,ケヴィン レイ
(72)【発明者】
【氏名】ソレンセン,マイケル レスリー
(72)【発明者】
【氏名】タデッセ,ヘリジワイン
【テーマコード(参考)】
5E317
【Fターム(参考)】
5E317AA11
5E317AA22
5E317BB04
5E317BB12
5E317BB14
5E317GG20
(57)【要約】
縁部導体は基板の第1表面上の第1導体に電気的に接続された第1部分と、前記基板の第2表面上の第2導体に電気的に接続された第2部分と、前記第1部分と前記第2部分の間で前記基板の縁に沿って延在する第3部分と、前記第3部分の少なくとも一部を覆う被膜とを備え、前記基板の前記第2表面は前記第1表面と反対側であり、前記基板の前記縁は前記基板の前記第1表面と前記第2表面の間に延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁部導体であって、
基板の第1表面上の第1導体に電気的に接続された第1部分と、
前記基板の前記第1表面と反対側の第2表面上の第2導体に電気的に接続された第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分の間で前記基板の縁に沿って延在する第3部分であって、前記縁は前記基板の前記第1表面と前記第2表面の間に延在する、第3部分と、
前記第3部分の少なくとも一部を覆う被膜と
を備える縁部導体。
【請求項2】
前記縁部導体の前記第1部分と前記第2部分は互いに概ね平行であり、前記被膜は前記縁部導体の前記第1部分の少なくとも一部と前記縁部導体の前記第2部分の少なくとも一部を更に覆う、請求項1記載の縁部導体。
【請求項3】
前記縁部導体の前記第1部分と前記第3部分の間の第1湾曲と、
前記縁部導体の前記第2部分と前記第3部分の間の第2湾曲と
を更に備え、
前記第1湾曲と前記第2湾曲は概ね直角であり、
前記被膜は少なくとも前記第1湾曲及び前記第2湾曲を更に覆う、請求項1又は2記載の縁部導体。
【請求項4】
ディスプレイタイルであって、
第1表面、前記第1表面と反対側の第2表面、及び前記第1表面と前記第2表面の間に延在する縁表面を有する基板と、
前記基板の前記第1表面上の第1導体と、
前記基板の前記第2表面上の第2導体と、
前記第1表面、前記第2表面、及び前記縁表面に沿って延在する第3導体と、
前記第3導体の少なくとも前記縁表面に沿った部分を覆う被膜と
を備え、
前記第3導体は前記第1導体と前記第2導体の両方と電気的に結合される、ディスプレイタイル。
【請求項5】
ディスプレイタイルを作製する方法であって、
縁部導体を基板の第1表面、前記基板の前記第1表面と反対側の第2表面、及び前記基板の縁表面に沿って延在するように形成するステップであって、前記縁表面は前記基板の前記第1表面と前記第2表面の間に延在する、ステップと、
前記縁部導体の少なくとも前記基板の前記縁表面に沿った部分を被覆するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2020年1月27日に出願された米国仮特許出願第62/966286号の米国特許法第119条の下の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体を本明細書に引用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は電気導体の被覆に概ね関する。特に、本開示は基板、例えばディスプレイタイルのガラス基板の互いに反対側の表面上の導体を電気的に結合する縁部導体の被覆に関する。
【背景技術】
【0003】
電子ディスプレイは多種類の装置、例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、自動車電子機器、拡張現実装置などで使用されることがある。互いに隣接するタイル上の画素がタイル内の画素と同じピッチで続くタイル張り状ディスプレイは、ベゼルのない又は継ぎ目のないタイル張り状ディスプレイを実現するために使用されることがある。タイル張り状ディスプレイはガラス基板の一方の表面の上又はその表面に隣接する制御電子回路とガラス基板の反対側の表面上の発光体とを含んでよい。
【0004】
電気信号をディスプレイタイルのガラス基板の一方の表面と反対側の表面の間で転送する1つの手法は、ガラス基板の縁の周りにガラス基板の一方の表面から反対側の表面へ延在する縁部導体を含んでもよい。しかし、このような縁部導体は曝露により損傷することがあり、及び/又はディスプレイタイルの光学特性に影響することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、縁部導体を少なくとも部分的に又は完全に被覆して縁部導体を保護及び/又は隠すことが本書に開示される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の幾つかの実施形態は縁部導体に関する。縁部導体は基板の第1表面上の第1導体に電気的に接続された第1部分と、前記基板の第2表面上の第2導体に電気的に接続された第2部分と、前記第1部分と前記第2部分の間で前記基板の縁に沿って延在する第3部分と、前記第3部分の少なくとも一部を覆う被膜とを備える。前記基板の前記第2表面は前記第1表面と反対側であり、前記基板の前記縁は前記基板の前記第1表面と前記第2表面の間に延在する。
【0007】
本開示の他の実施形態はディスプレイタイルに関する。ディスプレイタイルは第1表面、前記第1表面と反対側の第2表面、及び前記第1表面と前記第2表面の間に延在する縁表面を有する基板と、前記基板の前記第1表面上の第1導体と、前記基板の前記第2表面上の第2導体と、前記第1表面、前記第2表面、及び前記縁表面に沿って延在する第3導体と、前記第3導体の少なくとも前記縁表面に沿った部分を覆う被膜とを備える。前記第3導体は前記第1導体と前記第2導体の両方と電気的に結合される。
【0008】
本開示の他の実施形態はディスプレイタイルを作製する方法に関する。本方法は縁部導体を基板の第1表面、前記基板の前記第1表面と反対側の第2表面、及び前記基板の縁表面に沿って延在するように形成するステップであって、前記縁表面は前記基板の前記第1表面と前記第2表面の間に延在する、ステップを含む。本方法は前記縁部導体の少なくとも前記基板の前記縁表面に沿った部分を被覆するステップを更に含む。
【0009】
本書に開示された被覆された縁部導体及び方法は、縁部導体を保護及び/又は隠す一方、ガラス基板の一方の表面から反対側の表面へ電気信号の転送を可能にする。
【0010】
追加の特徴及び利点は下記の詳細な説明で明らかにされ、その説明から当業者には容易に明白であるか、又は下記の詳細な説明、請求項、及び添付図面を含む本明細書に記載された実施形態を実施することで理解されるであろう。
【0011】
上記概要説明と下記の詳細な説明の両方が様々な実施形態を説明し、請求項に示された対象の特質及び特性を理解するための概観又は枠組みを提供するよう意図されていることは理解されるべきである。添付図面は様々な実施形態の更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ一部をなしている。図面は本書に記載した様々な実施形態を例示し、記述内容と共に請求項に示された対象の原理と動作を説明するよう働く。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】ディスプレイタイルの一例の前面図を概略的に描く。
図1B】ディスプレイタイルの一例の背面図を概略的に描く。
図2】複数の縁部導体を有するディスプレイタイルの基板の一例の展開斜視図を概略的に描く。
図3図2の基板に固定された縁部導体の一例の側面図を概略的に描く。
図4図2の基板に固定され被膜で被覆された縁部導体の一例の側面図を概略的に描く。
図5】複数の縁部導体と縁部導体上の被膜を有するディスプレイタイルの基板の一例の斜視図を概略的に描く。
図6A】被膜を複数のディスプレイタイルに一度に付ける時に使用されうるスペーサーの一例を概略的に描く。
図6B】被膜を複数のディスプレイタイルに一度に付ける時に使用されうるスペーサーの一例を概略的に描く。
図6C】被膜を複数のディスプレイタイルに一度に付ける時に使用されうるスペーサーの一例を概略的に描く。
図7A】被膜を1つ以上のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描く。
図7B】被膜を1つ以上のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描く。
図7C】被膜を1つ以上のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描く。
図8A】被膜を1つ以上のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描く。
図8B】被膜を1つ以上のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描く。
図9A】被膜を1つ以上のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描く。
図9B】被膜を1つ以上のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描く。
図9C】被膜を1つ以上のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描き、図9AのC‐Cの視点からの概略断面図である。
図9D】被膜を1つ以上のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描き、図9AのC‐Cの視点からの概略断面図である。
図10】被膜を1つ以上のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描く。
図11】被膜を複数のディスプレイタイルに付ける時に使用されうる固定具の一例を概略的に描く。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面にそれらの例が示された本開示の実施形態を詳細に記述する。可能ならいつでも、同じ又は類似の部品を指すために同じ符号を全図面に亘って使用する。しかし、本開示は多くの異なる形態で具体化されてよいし、本明細書に明記された実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0014】
範囲は本明細書で「約」特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までとして表されうる。そのような範囲を表す時、別の実施形態はその特定の値から及び/又はその別の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」の使用により値が近似値として表される時、その特定の値は別の実施形態を形成することは理解されるであろう。各範囲の端点は他の端点と関連してまた他の端点と独立して意味があることも理解されるであろう。
【0015】
本書で使用される方向の用語、例えば上方、下方、右、左、前、後、上面、底面、垂直、水平は描かれた図を参照してのみ使用され、絶対的な方向を示唆するように意図されていない。
【0016】
そうでないと明確に記述されていない限り、本書で明らかにされるどんな方法も、特定の順序でそのステップが実行されることを要求していると解釈されることも、またどんな装置でも特定の向きが要求されることも決して意図していない。従って、方法請求項がそのステップが従う順序を実際に明記しない場合、又は装置請求項が個々の部品の順序又は向きを実際に明記しない場合、又は請求項でも説明でもステップが特定の順序に限定されるべきであると明記されていない、又は装置の部品の特定の順序又は向きが明記されていない場合、順序又は向きがどんな点でも推測されることは決して意図されていない。この事は、ステップの配列、動作フロー、部品の順序、又は部品の向きに関する論理事項、文法構成又は句読点から導出される平易な意味、本書で説明される実施形態の数又は種類を含む、解釈のためのどんな可能な非明示の根拠にも当てはまる。
【0017】
本書で使用されるように、文脈からそうでないと明らかに指示されない限り、英語の単数形「a」、「an」、及び「the」は複数の指示対象を含む。従って、例えば、1つの構成要素への言及は、文脈からそうでないと明らかに示されない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0018】
図1A、1Bを参照すると、代表的なディスプレイタイル100が概略的に描かれている。より具体的には、図1Aはディスプレイタイル100の一例の前面図を概略的に描き、図1Bはディスプレイタイル100の一例の背面図を概略的に描く。ディスプレイタイル100は基板110、複数の光源180、及び駆動回路又は制御電子回路190を含む。ディスプレイタイル100は多タイル配列ディスプレイ(例えば、継ぎ目のないタイル張り状ディスプレイ)の一部であっても、又は単一タイル個別ディスプレイであってもよい。
【0019】
描かれた例では、基板110は第1表面112(図1A)と第1表面112と反対側の第2表面114(図1B)を有し、第1表面112上に光源180が設けられ、第2表面114上に制御電子回路190が設けられている。例では、第1表面112はディスプレイタイル100の前面又は第1面102を表し、第2表面114はディスプレイタイル100の背面又は第2面104を表す。
【0020】
基板110はガラス、ガラスセラミック、セラミック、重合体材料、又はこれらの材料の様々な組み合わせを層状に又は混合物として含む複合材料から成ってもよい。例では、基板110は0.005mmと2mmの間の厚み、より具体的には0.01mmと1mmの間、0.01mmと0.7mmの間、0.05mmと0.6mmの間、0.1mmと0.5mmの間、又は0.2mmと0.4mmの間の厚みを有してもよい。例では、基板110は図1A、1Bに示すような矩形形状であっても、別の定形又は非定形幾何学形状であってもよい。
【0021】
光源180は、例えば任意の数の行と列から成るアレイ状に又は他のパターンに配列されてよい。各光源180は駆動回路、例えば駆動回路又は制御電子回路190に電気的に結合され、各光源180を駆動し又は動作を制御する。制御電子回路190は、例えば駆動IC、薄膜トランジスタ、マイクロドライバIC、導体、容量、他の電気素子、及び/又は電気相互接続もしくは連結を含んでもよい。第2表面114上に設けられていると示されているが、他の例では、制御電子回路190(又はその部品)は第1表面112上に光源180と共に設けられてもよい。各光源180は、例えば発光ダイオード(LED)、マイクロLED、ミニLED、有機発光ダイオード(OLED)、又は他の適切な光源もしくは光変調器、例えばミラーもしくは光弁から成ってもよい。一例では、第1面102上の光源180の代わりに、第1面102は液晶セルと接触してもよい。
【0022】
図2はディスプレイタイル100の基板110の一例として複数の縁部導体230を有するディスプレイタイル200の基板210の一例の展開斜視図を概略的に描く。基板210は第1表面212と第1表面212と反対側の第2表面214を有し、第1表面212上に光源180(図1A)などの光源(不図示)が設けられ、第2表面214上に駆動回路又は制御電子回路190(図1B)などの駆動回路又は制御電子回路(不図示)が設けられている。また、基板210は第1表面212と第2表面214の間に延在する第3表面216を有し、第3表面216は基板210の縁表面218を表す。例では、駆動回路又は制御電子回路(又はその部品)も第1表面212上に設けられてもよい。
【0023】
例では、第1表面212と第2表面214は概ね互いに平行であり、縁表面218は第1表面212及び第2表面214に概ね直交する。例では、第1表面212はディスプレイタイル200の前面又は第1面202を表し、第2表面214はディスプレイタイル200の背面又は第2面204を表す。
【0024】
描かれた例では、基板210は概ね矩形形状を有し、第1表面212と第2表面214の間に延在する縁(又は側)表面を有する。他の例では、基板210は他の適切な形状、例えば円形、三角形、又は他の多角形形状を有し、対応する又は関連する表面を有してもよい。
【0025】
描かれた例では、ディスプレイタイル200は基板210の第1表面212上の第1導体220と基板210の第2表面214上の第2導体222を備える。例では、第1導体220は基板210の第1表面212上に設けられた光源(不図示)、例えば光源180(図1A)に電気的に接続され、第2導体222は基板210の第2表面214上に設けられた駆動回路又は制御電子回路(不図示)、例えば駆動回路又は制御電子回路190(図1B)に光源を制御するために電気的に接続される。例では、複数の第1導体220と複数の第2導体222はそれぞれ第1表面212と第2表面214上で間隔をあけられ、縁表面218に近接して位置し縁表面218から内方へ延びる。
【0026】
一例では、相互接続材料226が第1導体220と第2導体222の縁表面218に近接した端に隣接して設けられる。例では、相互接続材料226は導電性材料であり、下記のように縁部導体230の第1導体220及び第2導体222との電気的接続を可能にする。例では、相互接続材料226は導電性金属、例えば銅、導電性ペースト、例えば異方性導電性ペースト(ACP)、導電性膜、例えば異方性導電性膜(ACF)、又は導電性接着剤、例えば異方性導電性接着剤(ACA)から成ってもよい。他の例では、相互接続材料226がない時、縁部導体230は第1導体220及び第2導体222と直接接続してもよい。
【0027】
縁部導体230はディスプレイタイル200の第3導体224を表し、下記のように第1導体220と第2導体222の間の電気的接続を提供する。より具体的には、例では、縁部導体230は基板210の縁表面218に沿って延在するように形成又は曲げられ、基板210の第1表面212上の対応する第1導体220と基板210の第2表面214上の第2導体222の間の電気的接続を提供する。一例では、縁部導体230は銅箔などの金属箔から成る。他の例では、縁部導体230は蒸着された薄い導体膜(例えば、Cu、Ag、Au、Mo、ITO、Ni)、複数の蒸着された薄い導体膜の多層積重ね、又は印刷された溶液ベース導体(例えば、Agインク、Cuインク、カーボンナノチューブ)から成ってもよい。
【0028】
図2の例に描かれているように、縁部導体230は基板210の第1表面212上に設けられた対応する第1導体220及び基板210の第2表面214上に設けられた対応する第2導体222と位置合わせされる。それにより、縁部導体230は縁表面218に沿って第1表面212と第2表面214の間に延在し、基板210の第1表面212上の第1導体220を基板210の第2表面214上の第2導体222と電気的結合する。縁表面218に沿った複数の縁部導体230の間隔は、図2の例に示すように均一であっても、異なってもよい。
【0029】
図3は基板210に固定された縁部導体230の一例の側面図を概略的に描く。図3の例に描かれているように、縁部導体230は第1表面212に沿って延在する第1部分230a、第2表面214に沿って延在する第2部分230b、及び縁表面218に沿って延在する第3部分230cを含む。更に、縁部導体230は第1部分230aと第3部分230cの間の第1湾曲230dと、第2部分230bと第3部分230cの間の第2湾曲230eとを含む。
【0030】
一例では、縁部導体230は第1表面212及び第2表面214に沿って延在するように形成又は曲げられていて、第1部分230aと第2部分230bは概ね互いに平行である。そのため、第1湾曲230dと第2湾曲230eはそれぞれ概ね直角の湾曲である(即ち、第1湾曲230dと第2湾曲230eはそれぞれ約90度である)。一例では、第1部分230aと第2部分230bは概ね同じ長さで、縁部導体230は基板210の第1表面212及び第2表面214に沿って概ね同じ距離を延びる。他の例では、第1湾曲230d及び/又は第2湾曲230eは90度以外であってもよく、例では、曲線状(丸い又は滑らかな輪郭を持つ)、斜め、又は面取されたでもよい。また、他の例では、第1部分230a、第2部分230b、及び/又は第3部分230cは等しくない長さ、幅、厚み、又は材料組成であってもよい。
【0031】
一例では、縁部導体230は基板210に圧着されてもよい。より具体的には、縁部導体230の第1部分230aは基板210の第1表面212上の対応する第1導体220に圧着されてもよく、縁部導体230の第2部分230bは基板210の第2表面214上の対応する第2導体222に圧着されてもよい。縁部導体230を第1導体220及び第2導体222を備える基板210に固定する他の方法が実行されてもよい。
【0032】
図4は基板210に固定され被膜240で被覆された縁部導体230の一例の側面図を概略的に描く。例では、被膜240は縁部導体230を部分的に又は完全に(例えば、余りを持って)覆ってよい。より具体的には、被膜240は縁部導体230の第1部分230a、第2部分230b、及び/又は第3部分230cを部分的に又は完全に(例えば、余りを持って)覆ってよい。例では、被膜240は縁部導体230の第3部分230cの少なくとも一部を覆う。また、例では、被膜240はまた、縁部導体230の第1部分230a及び第2部分230bの少なくとも一部(第1湾曲230d及び第2湾曲230eを含む)を覆う。
【0033】
より具体的には、図4の例に描かれているように、被膜240は縁部導体230を完全に覆い、縁部導体230の露出していた表面上に設けられる。例えば、1つの実施形態では、被膜240は第1部分230a、第2部分230b、及び第3部分230cの露出していた表面231a、231b、及び231cと第1部分230a及び第2部分230bの露出していた端面231f及び231gとを覆って設けられる。このように、被膜240は縁部導体230を覆い、保護し、包み、及び/又は隠す。下記で説明するように、被膜240は機械的利点及び/又は光学的利点を提供しうる。
【0034】
図4の例に示すように、被膜240は等しい長さの第1部分230a及び第2部分230bを覆い第1部分230a、第2部分230b、及び第3部分230c上で均一な厚みを有する。他の例では、被膜240は不等な長さの第1部分230a及び第2部分230bを覆い、第1部分230a、第2部分230b、及び/又は第3部分230c上で不均一(不等)な厚みを有し、被膜240の厚みが第1部分230a、第2部分230b、及び/又は第3部分230cに亘って変わってもよい。例では、被膜240は縁表面218と対称的に位置合わせされてもよい。他の例では、被膜240は縁表面218に対して非対称(即ち、ずれていて第1表面212又は第2表面214により近い)であってもよい。例では、被膜240は第1部分230a及び/又は第2部分230bから除外されてもよい。
【0035】
被膜240の機械的利点は縁部導体230(及び基板210の縁表面218)を損傷から保護するのを助けることを含む。これは縁部導体230(及び縁表面218)を接触、引っ掻き、インデント、機械的衝撃、欠け、及び/又は剥がれから保護することを含んでよい。また、被膜240は環境汚染物、例えば腐食、ほこり、及び/又は湿気(縁部導体230の性能を劣化させうる)に対する障壁として働きうる。被膜240はまた、ディスプレイタイル200の全体機械的強度を向上させることがある。従って、被膜240は縁部導体230(及び縁表面218)を保護することでディスプレイタイル200の信頼性を改善するのを助ける。
【0036】
被膜240の光学的利点は縁部導体230(及び基板210の縁表面218)からの光反射又は散乱を抑える又は防ぐのを助けることを含む。縁部導体230(及び基板210の縁表面218)からの望まれない反射又は光散乱を最小又は除去することで、被膜240は光学的欠陥を防ぎ及び/又は干渉する画像の生成を防ぐのを助ける。前記光学的利点を提供するために、被膜240は光吸収する被膜及び/又は薄膜から成りうる。光吸収する被膜及び/又は薄膜として、被膜240は、縁部導体230(及び/又は基板210の縁表面218)からそうでなければ反射又は散乱される光を吸収するか又は捕える。このように、被膜240により入射光は吸収されるか又は見る人から離れるよう散乱(拡散)されうる。例では、被膜240は光吸収するインクから成る。例では、光吸収するインクは400~800nm波長範囲の可視域において0.5超、1超、1.5超、2超、3超、4超、4.5超、5超、又は10超の光学密度(OD)を有してもよい。
【0037】
例では、被膜240は透明な被膜もしくは薄膜又は不透明な被膜もしくは薄膜であってもよい。例では、被膜240は溶剤を含んでも又は溶剤なしでもよく、耐溶剤性を有し化学的/機械的に耐久性を有してもよい。被膜240は有機物、無機物、又は重合体及び樹脂、例えばアクリラート、ウレタン、エポキシ、シリコーンなどを含む混成材料を結合剤及び溶剤の様々な可能な組み合わせと共に含有してもよい。被膜240は様々なサイズの粒子、即ち、ナノ粒子又は微小粒子、可塑剤、及び様々な色の顔料を含んでよい。被膜240は付着性を向上し、溶剤の気化を低減し、及び/又は粘度を調整する添加剤を含んでもよい。例では、被膜240は着色顔料を含んでもよい。
【0038】
例では、被膜240は通常及び好ましくは非導電性であり(即ち、高い抵抗を有し電気を伝えることができない)、隣接する縁部導体230間の短絡を防ぐ。1つの実施形態では、被膜240は光吸収する非導電性黒インクである。例では、被膜240の厚みは、例えば50nmから100μmの範囲であってよい。例では、被膜240の厚みは、例えば2μmから50μmの範囲であってよい。例では、被膜は高温(例えば、50℃、100℃未満、150℃未満、200℃未満、250℃未満、300℃未満、350℃未満)に曝される場合があるので、被膜240は熱的に安定であってよい。
【0039】
例では、被膜240は単一層又は複数の層から成ってよい。1つの実施形態では、被膜240は、被膜240の1つの層(又は構成要素)が非導電性で被膜240の別の層(又は構成要素)が光吸収性である多層積重ねであってもよい。例えば、光学的に透明で同等に薄く(例えば、1μm未満の厚み)非導電性の第1層が縁部導体230上に(即ち、接触して)付けられ、同等でより厚い(例えば、1μm超の厚み)光吸収性でたぶん導電性の第2層が第1層上に(即ち、接触して)付けられてもよい。例では、複数の層の厚み、電気抵抗率、光吸収、硬さ、及びヤング率は異なってもよい。
【0040】
被膜240は、例えば浸す、転がす、吹き付ける、印刷する、噴射する、繊維を動かす、ブラシをかける、粉末を被覆する、焼結する、又は他の手法により付けられてよい。また、被膜を空気乾燥、オーブン乾燥、UV硬化、IR硬化、又はそれらの組み合わせにより乾燥及び硬化させてもよい。乾燥又は硬化は被覆処理の一部として直列に組み込まれても、又は被覆処理と別に単独で実行されてもよい。例では、被膜240はプラズマ蒸着、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、又は他の蒸着手法を使って付けられてよい。
【0041】
例では、被膜240は基板210の縁輪郭及び縁部導体230の輪郭又は形状に合致する。直角の縁輪郭を持つとして示されているが、基板210は別の縁輪郭、例えば斜めもしくは面取された輪郭又は非直線輪郭、例えば曲がった、丸い、波状の、又は連続波状の輪郭を有してもよい。また、基板210の縁はその長さに沿って真っ直ぐでも、又は正弦波又は他の非直線形状を有してもよい。
【0042】
図5は縁部導体230と縁部導体230上の被膜240を有する基板210の一例の斜視図を概略的に描く。より具体的には、図5の例に描かれているように、被膜240は複数の縁部導体230上に延在し、隣接する縁部導体230間の基板210の縁表面218を覆う。このように、例では、被膜240は基板210の縁表面218に沿って連続する。他の例では、被膜240はパターンが形成されるか又は基板210の縁表面218に沿って不連続で被膜240が縁部導体230上のみに存在してもよい。また、例では、被膜240はより薄い、より厚い、又は縁部導体230と概ね同様の厚みであってもよい。例では、被膜240は基板210の縁表面218に沿って合致して覆うか、不連続か、又は平坦化された表面を提供してもよい。例えば、被膜240の厚みは、隣接する縁部導体230間と比べて縁部導体230上で異なってもよい。
【0043】
一例では、図5の例に描かれているように、被膜240は縁表面218を越えて延在し第1表面212と第2表面214に沿って延びる縁部導体230の一部を覆う。一例では、被膜240はまた、縁部導体230に隣接した及び/又は縁部導体230間の第1表面212の一部と第2表面214の一部を覆う。一例では、縁部導体230は基板210の第1表面212と第2表面214に沿って距離d1延在し、被膜240は距離d1より小さいオーバーフロー寸法d2を有する。例では、被膜240は25μm未満、50μm未満、100μm未満、200μm未満、500μm(以上)未満又はこの範囲内のオーバーフロー寸法d2を有してもよい。
【0044】
例では、基板210の1つの縁だけ又は複数の縁(例えば、2つの縁、3つの縁、全ての縁)が縁部導体230を備えてもよい。このように、被膜240は縁部導体230を備えるどんな縁にも付けられてよい。被覆された縁は、特定の縁を被覆した後、又は全ての所望の縁を被覆した後、1度に一縁ずつ乾燥又は硬化されてもよい。
【0045】
一例では、被膜240はインクから成り、印刷、より具体的にはスクリーン印刷によって付けられる。このような印刷方法により、単一又は複数の層の被膜240が単一又は異なる組成の複数のインクを使って付けられてよい。このように、様々な厚みの混成被膜又は薄膜構造体が作くられてよい。被膜240のインクは透明でも色付きでもよく、光吸収性で、複数の層から成り、熱もしくはUV硬化性で、及び/又は有機物、無機物、又は混成材料を含む組成物から成ってもよい。また、被膜240のインクはある印刷厚み、光学密度(OD)、抵抗率、及び/又は他の印刷特徴を実現するために調整されてよい。
【0046】
一例では、被膜240はディスプレイタイル200の積み重ねた列に垂直形スクリーン印刷手法を使って付けられる。より具体的には複数のディスプレイタイル、例えば基板210と縁部導体230とを有するディスプレイタイル200が、水平に配列され隣接する基板210の縁部導体230を備える縁表面218が露出するように垂直に位置合わせされる。このように、被膜240は基板210の縁部導体230及び/又は縁表面218に付けられてよい。
【0047】
開示された印刷方法は縁表面218に沿って連続して、例えば一端から反対側の端まで被膜240を付けるのに使用されてもよく、又は被膜240を、例えば縁部導体230上だけを含むパターンで付けるのに使用されてもよい。開示された印刷方法は縁表面218に沿った均一な印刷を可能にするのを助け、硬い基板、半硬質の基板、半柔軟な基板、及び柔軟な基板に使用されうる。開示された印刷方法はまた、様々な基板組成及び寸法に対して使用されうる。開示した垂直形スクリーン印刷手法によって、被膜240は単一のディスプレイタイル又は複数のディスプレイタイルに一度に付けられうる。
【0048】
図6A、6B、6Cは、被膜240を複数のディスプレイタイル200に一度に付ける時に使用されうるスペーサー250の一例を概略的に描く。例では、スペーサー250は平ら又は波状であるか、又は突出したもしくは隆起した特徴もしくは要素を含んでもよく、合致し押されるか圧縮された時に正角でありうる。例えば、下記に説明するように、スペーサー250はディスプレイタイル200の積み重ねた列のディスプレイタイル200間に配置された時、ディスプレイタイル200に合致しうる。
【0049】
1つの実施形態では、図6Aに概略的に示すように、スペーサー250は基板252と、基板252によって及び/又は上にパターン形成されるか、支持されるか、又は形成された複数のスペーサー特徴又は要素254とを備える。1つの実施形態では、スペーサー特徴又は要素254は基板252の両面上に設けられ、1つのスペーサー250が2つの隣接するディスプレイタイル200間に配置される。形状が矩形であるとして示されているが、スペーサー特徴又は要素254は他の形状、サイズ、又は幾何学的形状であってもよい。例えば、スペーサー特徴又は要素254は第1表面212(又は第2表面214)上の第1導体220(又は第2導体222)を囲むように枠(即ち、額縁)形状であってもよい。
【0050】
例では、複数のスペーサー要素254は、縁表面218に沿った縁部導体230の間隔に対応して基板252に沿って間隔を空けられる。また、例では、スペーサー要素254は縁部導体230の厚みに対応する(又はより大きな)厚みを有する。このように、例では、スペーサー250、より具体的にはスペーサー要素254は、基板210の第1表面212(又は第2表面214)に沿って隣接する縁部導体230間の隙間を占める。
【0051】
1つの実施形態では、図6Bに概略的に示すように、スペーサー250は隣接する基板210間に配置され、一度に被覆するために複数のディスプレイタイル200を整列させ及び/又は間隔を空ける。このように、例では、スペーサー250は隣接する基板210間の、第1表面212(又は第2表面214)に沿った縁部導体230の厚み及び第1表面212(又は第2表面214)上の第1導体220(又は第2導体222)の厚みによる隙間を占める。例では、一度に複数のディスプレイタイル200に被膜240を付ける時、スペーサー250はありうるオーバーフロー及び/又は隣接するタイル200間の毛管現象によるインク漏れを抑え又は低減するのを助ける。スペーサー250はまた、積み重ねた基板210の外面上に置かれてもよい。例では、スペーサー250はまた、ディスプレイタイル200の続く処理、ハンドリング、及び/又は輸送(例えば乾燥、硬化、後処理、及び/又は出荷を含む)中にディスプレイタイル200に支持及び/又は保護を提供する。
【0052】
一例では、図6Cに概略的に示すように、隣接する基板210の位置合わせを制御及び/又は維持するのを助けるために、圧力(例えば、第1表面212及び第2表面214に垂直な)をディスプレイタイル200の積み重ねた列に印加してもよい(例えば、矢印259で表される)。1つの実施形態では、スペーサー250が隣接する基板210間にあり、圧力が配列されたタイル積み重ねに加えられた時、スペーサー250は縁部導体230及び第1導体220(又は第2導体222)の形状に合致しうる。例えば、スペーサー250は縁部導体230及び第1導体220(又は第2導体222)に、より具体的には縁部導体230及び第1導体220(又は第2導体222)の上面に接触(及び合致)するようなサイズであってよい。他の例では、スペーサー250は縁部導体230及び第1導体220(又は第2導体222)の周りに追加の空間を提供するようなサイズであってもよい(即ち、縁部導体230及び第1導体220(又は第2導体222)との直接接触を避ける)。
【0053】
例では、スペーサー250は硬い、半硬質の、半柔軟な、柔軟な、圧縮可能な、及び/又は非圧縮性の薄膜、層、及び/又は部品(例えば、板、円板、ガスケット、棒、テープなどを含む)から成ってもよい。例では、スペーサー250は粘着性の、流動性の、硬化性の、除去可能な、溶ける、溶解性の、及び/又は一時的な薄膜、層、及び/又は部品(例えば、板、円板、ガスケット、棒、テープなどを含む)から成ってもよい。例では、スペーサー250は使い捨て、多数回使用、及び/又は再使用可能であってよい。
【0054】
例では、印刷処理中、クランプ、固定具、テープ、又は他の保持又は支持要素が、積み重ねた基板210を一時的に保持するのに使用されてよい。一例では、隣接するタイル200間のインク漏れを抑え又は低減するのを助けるために、真空ベースシステムが使用されインク流れを助け及び/又は制御してもよい。
【0055】
例では、下記に説明するように、固定具が垂直形印刷を可能にするのに使用されてよい。より具体的には、固定具が1つ又は複数のディスプレイタイル200を保持し縁表面218上及び縁部導体230上への印刷を可能にするのに使用されてよい。例では、複数のディスプレイタイル200を平行に保持及び/又は位置合わせして複数のディスプレイタイル縁に同時に印刷するのを可能にするのに使用されてよい。
【0056】
図7A、7B、7Cは、被膜240を1つ以上のディスプレイタイル200に付ける時に使用されうる固定具260の一例を概略的に描く。図7A、7Bの例に示すように、固定具260は1つ以上のスロット264がその表面266に形成されたブロック262を備える。例では、固定具260はスロット264当り1つ以上のディスプレイタイル200を平行に保持してもよい。このように、スロット264はディスプレイタイル200を本書で開示された処理のために保持又は拘束する。
【0057】
示した例では、固定具260のブロック262は対向する溝縁269を有する開口268を備える。このように、一例では、各スロット264は一対の対向する溝縁269によって形成される。例では、スロット264の深さ及び/又は固定具260の高さは、ディスプレイタイル200が固定具260のスロット264内に配置された時、縁表面218に沿った縁部導体230が表面266と同一平面上にあるように設定される。このように、固定具260は平行に整列したディスプレイタイル縁への印刷を可能にする。例では、印刷方向はスロット264の長さと平行である。
【0058】
例では、固定具260は、ディスプレイタイル200の処理、ハンドリング、及び/又は輸送(例えば印刷、乾燥、硬化、後処理、及び/又は出荷を含む)中にディスプレイタイル200を支持及び/又は保持する(スペーサー、例えばスペーサー250あり又はなしで)のに使用されてよい。このように、例では、固定具260はディスプレイタイルがこすれ合う(タイルを損傷させうる)のを防ぐのを助ける。
【0059】
図7Cの例に示すように、印刷スクリーン又はステンシル270は被膜240を付ける時に使用されてよい。例では、ステンシル270は平行なスロット274が貫通して形成されたパネル又は枠272を備える。従って、パネル又は枠272は固定具260の表面266(図7A、7B)上に位置し、スロット274は基板210の縁表面218(縁部導体230を備える)と位置合わせされる。このように、被膜240は基板210の縁表面218及び縁部導体230にスロット274を通して付けられる。ステンシル270を使用する時、印刷方向はスロット274の長さと平行である。固定具260は4つのスロット264を有する(4つのディスプレイタイル200を保持するために)として示され、ステンシル270は4つのスロット274を有するとして示されているが、スロット264及びスロット274の数は変わってもよい。
【0060】
例では、スロット264を備える固定具260の寸法は、異なるサイズ及び形状のディスプレイタイル200を収容するように調整されてよい。また、スロット274を備えるステンシル270の寸法は、様々なサイズ及び形状のディスプレイタイル200を収容するように調整されてよい。
【0061】
図8A、8Bは、被膜240を1つ以上のディスプレイタイル200に付ける時に使用されうる固定具280の一例を概略的に描く。図8A、8Bの例に示すように、固定具280は一対の保持又は位置合わせブロック282を備える。一対のブロック282はそれらの間に1つ以上のディスプレイタイル200をクランプ又は保持する。例では、位置合わせブロック282の少なくとも1つを、他方の位置合わせブロック282に対して移動させそれらの間にディスプレイタイル200を固定又は挟んでよい。より具体的には、1つの実施形態では、位置合わせブロック282の少なくとも1つを他方の位置合わせブロック282に対して第1表面212及び第2表面214に垂直な方向(例えば、矢印269で表されるように)に移動させそれらの間にディスプレイタイル200をクランプ又は保持してよい。例では、複数のディスプレイタイル200がそれらの間又は積み重ねの両端にスペーサー(例えば、図6A、6B、6Cに示したスペーサー250)を有して積み重ねられ、位置合わせブロック282間に挟まれてよい。例では、固定具280を使いながら、印刷スクリーン又はステンシル(例えば、印刷スクリーン又はステンシル270)が被膜240をディスプレイタイル200に付けるのに使用されてよい。例では、印刷方向は位置合わせブロック282の長さと平行である。
【0062】
図9A、9B、9C、9Dは、被膜240を1つ以上のディスプレイタイル200に付ける時に使用されうる固定具290の一例を概略的に描き、図9C、9Dは図9AのC‐Cの視点からの概略断面図である。図9A、9B、9C、9Dの例に示すように、固定具290は一対の保持又は位置合わせブロック292を備える。一対のブロック292はそれらの間に縁部導体230を備えた1つ以上のディスプレイタイル200をクランプ又は保持する。一例では、図9Bに示すように、位置合わせブロック292は底板294上又は内に配置される。
【0063】
一例では、図9C、9Dに示すように、位置合わせブロック292の少なくとも1つを他方の位置合わせブロック292に対して移動させ、それらの間にディスプレイタイル200を固定又は挟んでよい。より具体的には、1つの実施形態では、位置合わせブロック292の少なくとも1つを他方の位置合わせブロック292に対して第1表面212及び第2表面214に垂直な方向(例えば、矢印299で表されるように)に移動させそれらの間にディスプレイタイル200をクランプ又は保持してよい。例では、位置合わせブロック292の高さは、ディスプレイタイル200が固定具290内に配置された時、縁表面218に沿った縁部導体230が位置合わせブロック292の上面293と同一平面上にあるように設定されている。例では、複数のディスプレイタイル200がそれらの間又は積み重ねの両端にスペーサー(例えば、図6A、6B、6Cに示したスペーサー250)を有して積み重ねられ、位置合わせブロック292間に挟まれてよい。例では、固定具290を使いながら、印刷スクリーン又はステンシル(例えば、印刷スクリーン又はステンシル270)が被膜240をディスプレイタイル200に付けるのに使用されてよい。例では、印刷方向は位置合わせブロック292の長さと平行である。
【0064】
図10は、被膜240を1つ以上のディスプレイタイル200に付ける時に使用されうる固定具300の一例を概略的に描く。図10の例に示すように、固定具300は一対の保持又は位置合わせブロック302を備える。一対のブロック302はそれらの間に1つ以上のディスプレイタイル200をクランプ又は保持する。1つの実施形態では、位置合わせブロック302の少なくとも1つを他方の位置合わせブロック302に対して第1表面212及び第2表面214に垂直な方向(例えば、矢印309で表されるように)に移動させそれらの間にディスプレイタイル200をクランプ又は保持してよい。例では、複数のディスプレイタイル200が積み重ねられ、位置合わせブロック302間に挟まれてよい。一例では、スペーサー、例えばスペーサー350が隣接するディスプレイタイル200間に合致して配置されてもよい。例では、固定具300を使いながら、印刷スクリーン又はステンシル(例えば、印刷スクリーン又はステンシル270)が被膜240をディスプレイタイル200に付けるのに使用されてよい。例では、印刷方向は位置合わせブロック302の長さと平行である。
【0065】
図11は、被膜240を複数のディスプレイタイル200に付ける時に使用されうる固定具400の一例を概略的に描く。図11の例に示すように、固定具400は、ディスプレイタイル200の積み重ねをそれらの間に保持する一対の位置合わせ又は保持要素402を備える。1つの実施形態では、保持要素402は積み重ねの第1ディスプレイタイル200の第1表面212(又は第2表面214)から積み重ねのディスプレイタイル200の隣接する端に沿って積み重ねの最後のディスプレイタイル200の第2表面214(又は第1表面212)まで延在するか又は包む。このように、一例では、保持要素402は複数のディスプレイタイル200をそれらの端部に沿って保持及び/又は整列させる端部結束具を表す。1つの実施形態では、保持要素402は結束材、例えばテープから成る。一例では、スペーサー、例えばスペーサー450が隣接するディスプレイタイル200間に合致して配置されてもよい。例では、固定具400を使いながら、印刷スクリーン又はステンシル(例えば、印刷スクリーン又はステンシル270)が被膜240をディスプレイタイル200に付けるのに使用されてよい。例では、印刷方向は保持要素402の長さに垂直で、積み重ねのディスプレイタイル200の一端から積み重ねのディスプレイタイル200の反対側の端への方向である。
【0066】
本書で特定の例が示され説明されたが、様々な代わりの及び/又は等価な実施形態を、本開示の範囲から逸脱することなく示され説明された特定の例と置き換えてもよい。この出願は本書に記載された特定の例のどんな改変又は変形も含むように意図されている。
【0067】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0068】
実施形態1
縁部導体であって、
基板の第1表面上の第1導体に電気的に接続された第1部分と、
前記基板の前記第1表面と反対側の第2表面上の第2導体に電気的に接続された第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分の間で前記基板の縁に沿って延在する第3部分であって、前記縁は前記基板の前記第1表面と前記第2表面の間に延在する、第3部分と、
前記第3部分の少なくとも一部を覆う被膜と
を備える縁部導体。
【0069】
実施形態2
前記縁部導体の前記第1部分と前記第2部分は互いに概ね平行であり、前記被膜は前記縁部導体の前記第1部分の少なくとも一部と前記縁部導体の前記第2部分の少なくとも一部を更に覆う、実施形態1記載の縁部導体。
【0070】
実施形態3
前記被膜は前記縁部導体の形状に合致する、実施形態1記載の縁部導体。
【0071】
実施形態4
前記被膜は光吸収性である、実施形態1記載の縁部導体。
【0072】
実施形態5
前記被膜は前記縁部導体上に付けられた非導電性層と前記非導電性層上に付けられた光吸収性層とを備える、実施形態1記載の縁部導体。
【0073】
実施形態6
前記縁部導体の前記第1部分と前記第3部分の間の第1湾曲と、
前記縁部導体の前記第2部分と前記第3部分の間の第2湾曲と
を更に備え、
前記第1湾曲と前記第2湾曲は概ね直角であり、
前記被膜は少なくとも前記第1湾曲及び前記第2湾曲を更に覆う、実施形態1記載の縁部導体。
【0074】
実施形態7
前記被膜は前記縁部導体に隣接する前記基板の前記縁を更に覆う、実施形態1記載の縁部導体。
【0075】
実施形態8
前記被膜は前記縁部導体の形状に合致する、実施形態1記載の縁部導体。
【0076】
実施形態9
前記縁部導体は金属箔から成り、前記被膜は非導電性層から成る、実施形態1記載の縁部導体。
【0077】
実施形態10
ディスプレイタイルであって、
第1表面、前記第1表面と反対側の第2表面、及び前記第1表面と前記第2表面の間に延在する縁表面を有する基板と、
前記基板の前記第1表面上の第1導体と、
前記基板の前記第2表面上の第2導体と、
前記第1表面、前記第2表面、及び前記縁表面に沿って延在する第3導体と、
前記第3導体の少なくとも前記縁表面に沿った部分を覆う被膜と
を備え、
前記第3導体は前記第1導体と前記第2導体の両方と電気的に結合される、ディスプレイタイル。
【0078】
実施形態11
前記被膜は前記第3導体の少なくとも前記基板の前記第1表面に沿った部分と前記第3導体の少なくとも前記基板の前記第2表面に沿った部分とを更に覆う、実施形態10記載のディスプレイタイル。
【0079】
実施形態12
前記被膜は光吸収性である、実施形態10記載のディスプレイタイル。
【0080】
実施形態13
前記被膜は前記第3導体に隣接する前記基板の前記縁表面を更に覆う、実施形態10記載のディスプレイタイル。
【0081】
実施形態14
前記被膜は前記第3導体及び前記基板の前記縁表面に合致する、実施形態13記載のディスプレイタイル。
【0082】
実施形態15
ディスプレイタイルを作製する方法であって、
縁部導体を基板の第1表面、前記基板の前記第1表面と反対側の第2表面、及び前記基板の縁表面に沿って延在するように形成するステップであって、前記縁表面は前記基板の前記第1表面と前記第2表面の間に延在する、ステップと、
前記縁部導体の少なくとも前記基板の前記縁表面に沿った部分を被覆するステップと
を含む方法。
【0083】
実施形態16
前記縁部導体を前記基板の前記第1表面上の第1導体及び前記基板の前記第2表面上の第2導体と電気的に結合させるステップを更に含み、
前記縁部導体を被覆するステップは、前記縁部導体の少なくとも前記基板の前記第1表面及び前記第2表面に沿った部分を被覆することを更に含む、実施形態15記載の方法。
【0084】
実施形態17
前記縁部導体を被覆するステップは、前記縁部導体を機械的に保護することを含む、実施形態15記載の方法。
【0085】
実施形態18
前記縁部導体を被覆するステップは、前記縁部導体を光吸収性の被膜で被覆することを含む、実施形態15記載の方法。
【0086】
実施形態19
前記縁部導体を被覆するステップは、前記被膜を前記縁部導体に合致させることを含む、実施形態18記載の方法。
【0087】
実施形態20
前記縁部導体を被覆するステップは、前記縁部導体に隣接する前記基板の前記縁表面を被覆することを含む、実施形態15記載の方法。
【符号の説明】
【0088】
100、200 ディスプレイタイル
110、210 基板
112、212 第1表面
114、214 第2表面
180 光源
190 駆動回路又は制御電子回路
218 縁表面
220 第1導体
222 第2導体
226 相互接続材料
230 縁部導体
240 被膜
250 スペーサー
252 基板
254 スペーサー特徴
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10
図11
【国際調査報告】