(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】モノリシックマイクロ波集積回路フロントエンドモジュール
(51)【国際特許分類】
H03F 3/24 20060101AFI20230323BHJP
H03F 1/26 20060101ALI20230323BHJP
H03F 3/60 20060101ALN20230323BHJP
【FI】
H03F3/24
H03F1/26
H03F3/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545940
(86)(22)【出願日】2021-02-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2021053310
(87)【国際公開番号】W WO2021160728
(87)【国際公開日】2021-08-19
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520404964
【氏名又は名称】エピノバテック、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】EPINOVATECH AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】マルティン、アンドレアス、オルソン
【テーマコード(参考)】
5J067
5J500
【Fターム(参考)】
5J067AA04
5J067AA12
5J067AA31
5J067AA51
5J067AA62
5J067AA63
5J067AA64
5J067AA65
5J067AA66
5J067AA67
5J067CA33
5J067CA36
5J067CA52
5J067CA61
5J067CA86
5J067FA16
5J067FA18
5J067HA12
5J067HA25
5J067HA29
5J067HA33
5J067HA38
5J067KA02
5J067KA12
5J067KA53
5J067KA55
5J067KA66
5J067QA02
5J067QS04
5J067SA01
5J067SA14
5J067TA01
5J500AA04
5J500AA12
5J500AA41
5J500AA51
5J500AA62
5J500AA63
5J500AA64
5J500AA65
5J500AA66
5J500AA67
5J500AC33
5J500AC36
5J500AC41
5J500AC52
5J500AC58
5J500AC61
5J500AC86
5J500AC92
5J500AF16
5J500AF18
5J500AH12
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH33
5J500AH38
5J500AK02
5J500AK12
5J500AK53
5J500AK55
5J500AQ02
5J500AS01
5J500AS14
5J500AT01
5J500LV07
5J500LV08
5J500WU08
(57)【要約】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)フロントエンドモジュール(100)であって、
シリコン基板(120)によって支持される窒化ガリウム構造(110)と、
送信モードと受信モードを有するシリコンベース送受信スイッチ(130)と、
前記MMICフロントエンドモジュールによって送信される発信信号を増幅するように構成された送信増幅器(112)であって、前記送信増幅器は、前記送受信スイッチに電気的に接続され(132)、前記送信増幅器は、前記窒化ガリウム構造内に形成された窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(HEMT)(114)を備える、送信増幅器と、
前記MMICフロントエンドモジュールによって受信される着信信号を増幅するように構成された受信増幅器(113)であって、前記受信増幅器は、前記送受信スイッチに電気的に接続され(133)、前記受信増幅器は、前記窒化ガリウム構造内に形成された窒化ガリウムHEMT(115)を備える、受信増幅器と、
を備える、MMICフロントエンドモジュール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)フロントエンドモジュール(100)であって、
シリコン基板(120)によって支持される窒化ガリウム構造(110)と、
送信モードと受信モードを有するシリコンベース送受信スイッチ(130)と、
前記MMICフロントエンドモジュールによって送信される発信信号を増幅するように構成された送信増幅器(112)であって、前記送信増幅器は、前記送受信スイッチに電気的に接続され(132)、前記送信増幅器は、前記窒化ガリウム構造内に形成された窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(HEMT)(114)を備える、送信増幅器と、
前記MMICフロントエンドモジュールによって受信される着信信号を増幅するように構成された受信増幅器(113)であって、前記受信増幅器は、前記送受信スイッチに電気的に接続され(133)、前記受信増幅器は、前記窒化ガリウム構造内に形成された窒化ガリウムHEMT(115)を備える、受信増幅器と、
前記送信増幅器(112)に電気的に接続された(332)シリコンベース周波数アップコンバータ(342)であって、前記周波数アップコンバータ(342)は前記MMICフロントエンドモジュールによって送信される発信信号の周波数をアップコンバートするように構成される、周波数アップコンバータと、
前記受信増幅器(113)に電気的に接続された(333)シリコンベース周波数ダウンコンバータ(343)であって、前記周波数ダウンコンバータ(343)は前記MMICフロントエンドモジュールによって受信される着信信号の周波数をダウンコンバートするように構成される、周波数ダウンコンバータと、
を備える、MMICフロントエンドモジュール。
【請求項2】
前記送信増幅器が、前記窒化ガリウム構造内に形成される複数のHEMTを備える、請求項1に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項3】
前記受信増幅器が、前記窒化ガリウム構造内に形成される複数のHEMTを備える、請求項1又は2に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項4】
前記シリコン基板によって支持される前記窒化ガリウム構造が、第1窒化ガリウム島(211)及び第2窒化ガリウム島(212)を備え、前記第1窒化ガリウム島及び前記第2窒化ガリウム島は、前記シリコン基板上で、物理的に離間され、且つ横方向に共に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項5】
前記送信増幅器の前記窒化ガリウムHEMTが前記第1窒化ガリウム島に形成され、前記受信増幅器の前記窒化ガリウムHEMTが前記第2窒化ガリウム島に形成される、請求項4に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項6】
前記第1窒化ガリウム島及び前記第2窒化ガリウム島が、0.1μmから10μmまでの範囲内の横寸法を有する、請求項4又は5に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項7】
前記窒化ガリウム構造が、0.1μmから10μmまでの範囲内の横寸法を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項8】
無線信号を送信及び受信するように構成されたアンテナ(451)をさらに備え、前記送受信スイッチは前記アンテナに電気的に接続される(453)、請求項1~7のいずれか一項に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項9】
前記アンテナは前記シリコン基板によって支持される、請求項8に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項10】
前記アンテナはアレイアンテナであって、前記アレイアンテナが複数のアンテナアレイ素子(455)を備える、請求項8又は9に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項11】
前記窒化ガリウム構造が、前記シリコン基板に垂直に配置される縦ナノワイヤー構造を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項12】
前記窒化ガリウム構造が、窒化ガリウム層(517)及び、0≦x≦0.95であるAl
xGa
1-xN層(518)を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項13】
前記窒化ガリウム構造が窒化アルミニウム層(519)を備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項14】
前記シリコンベース送受信スイッチが前記シリコン基板に一体化して形成される、或いは前記シリコンベース送受信スイッチが前記シリコン基板によって支持される、請求項1~13のいずれか一項に記載のMMICフロントエンドモジュール。
【請求項15】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)フロントエンドモジュール(100)であって、
シリコン基板(120)によって支持される窒化ガリウム構造(110)であって、前記シリコン基板によって支持される前記窒化ガリウム構造は、第1窒化ガリウム島(211)及び第2窒化ガリウム島(212)を備え、前記第1窒化ガリウム島及び前記第2窒化ガリウム島は、前記シリコン基板上で、物理的に離間され、且つ横方向に共に配置される、窒化ガリウム構造と、
送信モードと受信モードを有するシリコンベース送受信スイッチ(130)と、
前記MMICフロントエンドモジュールによって送信される発信信号を増幅するように構成された送信増幅器(112)であって、前記送信増幅器は、前記送受信スイッチに電気的に接続され(132)、前記送信増幅器は、前記窒化ガリウム構造内に形成された窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(HEMT)(114)を備える、送信増幅器と、
前記MMICフロントエンドモジュールによって受信される着信信号を増幅するように構成された受信増幅器(113)であって、前記受信増幅器は、前記送受信スイッチに電気的に接続され(133)、前記受信増幅器は、前記窒化ガリウム構造内に形成された窒化ガリウムHEMT(115)を備える、受信増幅器と、
を備える、MMICフロントエンドモジュール。
【請求項16】
モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)フロントエンドモジュール(100)であって、
シリコン基板(120)によって支持される窒化ガリウム構造(110)であって、前記窒化ガリウム構造は、前記シリコン基板に垂直に配置される縦ナノワイヤー構造(516)を有する、窒化ガリウム構造と、
送信モードと受信モードを有するシリコンベース送受信スイッチ(130)と、
前記MMICフロントエンドモジュールによって送信される発信信号を増幅するように構成された送信増幅器(112)であって、前記送信増幅器は、前記送受信スイッチに電気的に接続され、前記送信増幅器は、前記窒化ガリウム構造内に形成された窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(HEMT)(114)を備える、送信増幅器と、
前記MMICフロントエンドモジュールによって受信される着信信号を増幅するように構成された受信増幅器(113)であって、前記受信増幅器は、前記送受信スイッチに電気的に接続され、前記受信増幅器は、前記窒化ガリウム構造内に形成された窒化ガリウムHEMT(115)を備える、受信増幅器と、
を備える、MMICフロントエンドモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数(RF: radio frequency)送受信機フロントエンドモジュールに関する。本発明は特にモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC:monolithic microwave integrated circuit)フロントエンドモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
RF増幅器などの多くのアプリケーションにおいて、従来のシリコン相補型金属酸化膜半導体(CMOS:complementary metal-oxide semiconductor)トランジスタは性能面で限界に達している。窒化ガリウムベーストランジスタ及び高電子移動度トランジスタ(HEMT:high-electron-mobility transistor)は、従来のシリコンのものと比べて改善された性能を提供する。しかしながら、シリコンCMOS技術の全体的な技術的成熟度のため、デジタル論理及びスイッチングなど様々なアプリケーションにおいてシリコンは依然として望ましい。したがって、例えば、トランジスタ、スイッチ、コンバータ、及び増幅器など、シリコンと窒化ガリウムデバイスの両方を備える集積RF回路を有することが望ましい。しかしながら、このような一体化は、一つには材料特性の違いのため、簡単ではない。この違いは、高品質の窒化ガリウムを従来のシリコン基板上に集積することを特に複雑にする。これは、例えば、高性能のHEMTを作るには高品質の窒化ガリウム材料が要求されるため、問題となる。この問題に対する従来の解決法は、厚く複雑なバッファ層又は構造を含み得る。しかしながら、これらは、一体化による品質の低下を軽減する以上に、一貫して十分ではない。バッファ層又は構造の加えられた厚さにより、材料使用も不都合に増える。したがって、当技術分野において改善が必要である。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的の1つは、先行技術の問題の一部を少なくとも軽減することである。
【0004】
本発明の第1の態様によると、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)フロントエンドモジュールが提供される。MMICは、
シリコン基板によって支持される窒化ガリウム構造と、
送信モードと受信モードを有するシリコンベース送受信スイッチと、
MMICフロントエンドモジュールによって送信される発信信号を増幅するように構成された送信増幅器であって、送信増幅器は、送受信スイッチに電気的に接続され、送信増幅器は、窒化ガリウム構造内に形成された窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(HEMT)を備える、送信増幅器と、
MMICフロントエンドモジュールによって受信される着信信号を増幅するように構成された受信増幅器であって、受信増幅器は、送受信スイッチに電気的に接続され、受信増幅器は、窒化ガリウム構造内に形成された窒化ガリウムHEMTを備える、受信増幅器と、
を備える。
【0005】
「窒化ガリウム構造」という用語は、横方向に閉じ込められた構造、つまりシリコン基板領域全体を覆わない層を言及すると理解されるべきである。窒化ガリウム構造は、窒化ガリウム材料を任意の程度に備える構造としてさらに理解されるべきである。
【0006】
「支持される」という用語は、窒化ガリウム構造が、シリコン基板の上面に垂直かつ直交する縦方向において、シリコン基板上又は上方に位置することを言及する。
【0007】
「送信モード」及び「受信モード」という用語は、無線信号を送信又は受信するように適合された送受信スイッチを有することを言及する。実際には、送信モードでは、発信信号のための送信増幅器とアンテナの間に、より直接的な電気経路を提供するようにスイッチが適合され、受信モードでは、着信信号のためのアンテナと受信増幅器の間に、より直接的な電機経路を提供するようにスイッチが適合される。送信モードは、MMICフロントエンドモジュールが無線発信信号を送信し得るモードとして理解されてもよい。受信モードは、MMICフロントエンドモジュールが無線着信信号を受信し得るモードとして理解されてもよい。MMICフロントエンドモジュールは、送信モード及び受信モードの両方が存在するため、トランシーバとして理解されてもよい。
【0008】
「送信増幅器」という用語は、一般的にRF電力増幅器(PA:power amplifier)として理解されてよい。したがって、「受信増幅器」という用語は、一般的にRF低ノイズ増幅器(LNA:low-noise amplifier)として理解されてよい。
【0009】
材料、即ち元素と化合物は、例えばシリコンや窒化ガリウムのような正式名称(full name)、又は例えばSi又はGaNのようなIUPAC記号/名称のいずれかにより言及され得る。
【0010】
「発信信号」及び「着信信号」という用語は、例えば電圧又は電流などの、電気ノード上の電気信号、又は、例えば電波などの、例えば空気又は真空などの自遊空間媒質中の、電磁信号として理解されてよい。信号は、MMICフロントエンドモジュールの一部である、又は接続されたアンテナによって、純粋に電気的なもの又は電磁的なものの間で変換され得る。信号は、例えば、増幅器及び周波数コンバータなど、MMICフロントエンドモジュールの構成要素を通じて処理され得る。
【0011】
発信信号は、周波数コンバータによって周波数アップコンバートされ、送信増幅器によって増幅され、及び/又はアンテナによって自由空間に送信された後も依然として発信信号であり得る。同様に、着信信号は、アンテナによって受信され、受信増幅器によって増幅され、及び/又は周波数コンバータによって周波数ダウンコンバートされた後も依然として着信信号であり得る。
【0012】
シリコン基板上又はその上方に窒化ガリウム構造を設けることにより、本発明者は、窒化ガリウムHEMTデバイスが、送信増幅器及び受信増幅器の一部として、シリコンベース送受信スイッチ並びに他のシリコンベースデバイス及び構成要素とより密接に集積され得ることを実現した。これは、MMICの重要度の低い構成要素/デバイス、又は異なる要件を有する構成要素/デバイスだけをシリコンベースにする代わりに、最も必要と思われる場所、例えば増幅器に、窒化ガリウムだけを使用することができる点で有利である。
【0013】
窒化ガリウム材料は、従来のシリコン材料と比べてより大きいバンドギャップ、より高い電子移動度、向上した熱伝導率、及びより高い融点を特徴とし得る。一方、これは、例えば、より高いスイッチング周波数、より低いエネルギー損失、より高い電圧動作、及びより高い温度動作を有するトランジスタなどのデバイスに繋がる可能性がある。
【0014】
HEMTは、従来の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)と比べて有利であり得る。HEMTは、より低い電気抵抗なバリスティック電荷担体伝導を提供し得る。これは、HEMTの向上した効率、速度、及び電力性能に繋がる。
【0015】
HEMT及び窒化ガリウム材料を採用した結果、MMICフロントエンドモジュールは、当技術分野の従来の解決法及びデバイスと比べて、省電力及び全体的により効率的な動作を提供し得る。
【0016】
送信増幅器は、窒化ガリウム構造内に形成された複数のHEMTを備え得る。
【0017】
受信増幅器は、窒化ガリウム構造内に形成された複数のHEMTを備え得る。
【0018】
送信増幅器、そして実際には受信増幅器も、増幅器回路のための選択された設計によって、それぞれ、1つのHEMT又は複数のHEMTで生成され得る。それほど複雑でない増幅器は、少ない数のHEMT或いは1つだけのHEMTを特徴とし、より複雑な複数のHEMT増幅器は、より高い周波数作動及びより低い電力損失など、改善された増幅器性能指標を提供し得る。
【0019】
シリコン基板によって支持される窒化ガリウム構造は、第1窒化ガリウム島(island)及び第2窒化ガリウム島(island)を備え、第1窒化ガリウム島及び第2窒化ガリウム島は、シリコン基板上で、物理的に離間され、且つ横方向に共に配置される。
【0020】
複数の島として窒化ガリウム構造を提供することの1つの利点は、熱特性の改善であり得る。温度の変化によって1つの構造として膨張及び収縮する代わりに、島は個別に且つ独立的にそうすることができる。こうして、膨張及び収縮の機械的ストレスが島全体に分散され得る。したがって、全体的な最大の機械的ストレスが低減され得る。シリコンと窒化ガリウムが異なる熱膨張係数を有するため、これは特に関係がある。さらに、例えば、能動的又は受動的冷却による窒化ガリウム島の温度の制御は、より大きい構造の制御と比べて複雑でない可能性がある。また、窒化ガリウム島は、複数のデバイスからの熱蓄積がより均等に分散され得るため、有利であり得る。
【0021】
送信増幅器の窒化ガリウムHEMTは、第1窒化ガリウム島内に形成されてもよい。受信増幅器の窒化ガリウムHEMTは、第2窒化ガリウム島内に形成されてもよい。
【0022】
異なるデバイスを異なる物理的構造、つまり島に位置させることにより、第1のデバイスが第2のデバイスの動作に及ぼす干渉を減らせる。このような干渉は、例えばよりノイズの多い信号として理解されてよい。
【0023】
第1窒化ガリウム島は、0.1μmから10μmまでの範囲の横寸法を有し得る。第2窒化ガリウム島は、0.1μmから10μmまでの範囲の横寸法を有し得る。
【0024】
窒化ガリウム構造は、0.1μmから10μmまでの範囲の横寸法を有し得る。
【0025】
「横寸法」という用語は、シリコン基板の平坦な上面と並行な寸法を言及し得る。窒化ガリウム構造又は窒化ガリウム島の観点からは、横寸法は、例えば、多角形又は円の、直径又は半径として理解されてよい。窒化ガリウムは、多くの場合ウルツ鉱型結晶構造で組成されるため、窒化ガリウム構造又は窒化ガリウム島の形は六角形に対応し得る。或いは、横寸法は、例えば構造や島の緑の長さなど、他の寸法を言及し得る。
【0026】
MMICフロントエンドモジュールは、
送信増幅器に電気的に接続されたシリコンベース周波数アップコンバータであって、前記周波数アップコンバータは、前記MMICフロントエンドモジュールによって送信される発信信号の周波数をアップコンバートするように構成される、周波数アップコンバータと、
送信増幅器に電気的に接続されたシリコンベース周波数ダウンコンバータであって、前記周波数ダウンコンバータは、前記MMICフロントエンドモジュールによって受信される着信信号の周波数をダウンコンバートするように構成される、周波数ダウンコンバータと、
をさらに備え得る。
【0027】
「周波数ダウンコンバータ」、及び実際には「周波数アップコンバータ」という用語は、RFミキサ-に対応すると理解されてよい。周波数アップコンバータは、送信される発振信号を、中間周波数(IF: intermediate frequency)信号からRF信号に変換するものとして理解されてよい。周波数アップコンバータは、着信/受信されたRF信号をIF信号に変換するものとして結果的に理解されてよい。
【0028】
提示された窒化ガリウム及びシリコンデバイスの一体化は、送受信スイッチがシリコンベースであることを可能にすることに加えて、周波数コンバータもシリコンベースデバイスにすることを可能とする。
【0029】
MMICフロントエンドモジュールは、無線信号を送信及び受信するように構成されたアンテナをさらに備えてよく、送受信スイッチはアンテナに電気的に接続されている。
【0030】
アンテナは、無線の電磁信号を送受信するように構成された、又はそれに適した任意の構成要素/構造として理解されてよい。アンテナをMMICフロントエンド、半導体デバイス、増幅器、及びスイッチの近くに一体化することは、寄生損失が減少しMMICフロントエンドモジュールの全体のサイズが小型化され得るので、、好ましい。
【0031】
アンテナは、シリコン基板によって支持されていてもよい。これにより、より緊密なアンテナ集積が達成され得る。
【0032】
アンテナは、アレイアンテナであってもよく、アレイアンテナは複数のアンテナアレイ素子を備えていてもよい。アンテナアレイはビーム整形を可能とし、したがってまた、より無駄が少なく、より柔軟な無線通信を可能とする。
【0033】
窒化ガリウム構造は、シリコン基板に垂直に構成された縦ナノワイヤー構造を備えてもよい。
【0034】
窒化ガリウム構造は、窒化ガリウム層及び、0≦x≦0.95であるAlxGa1-xN層を備えてよい。
【0035】
窒化ガリウム構造は、窒化アルミニウム層を備えてよい。
【0036】
このような窒化ガリウム構造の利点は、高い結晶品質と少ない欠陥を有する、改善された半導体材料を含む。また、窒化ガリウム構造は、バッファ層を用いる構造よりも、より薄く作られることができ、製造のためにより少ない材料を必要とし得る。
【0037】
シリコンベース送受信スイッチは、シリコン基板に一体化して形成されてもよく、又は、シリコンベース送受信スイッチはシリコン基板によって支持される。
【0038】
そのため、構成要素のより緊密な一体化が達成され得る。シリコンベースデバイスを形成するために既に存在するシリコン基板を用いることにより、製造工程からいくつかの製造ステップが除去されてもよく、全体的に複雑さを軽減する。
【0039】
本発明の更なる適用範囲は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の範囲内の様々な変更及び修正は、この詳細な説明から当業者に明らかになるので、詳細な説明及び具体的な例は、本発明の好ましい実施形態を示しながらも、、例示としてのみ与えられることを理解されたい。
【0040】
ゆえに、そのようなデバイス及び方法は変化し得るので、本発明は、説明されたデバイスの特定の構成部品または説明された方法の行為に限られないことが理解されるであろう。また、本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図していないことを理解されたい。
【0041】
なお、本明細書及び添付された特許請求の範囲に使われるように、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「前記(the)」、及び「前記(said)」は、文脈が明らかにそうでないことを明示しない限り、1つ又は複数の要素があることを意味することを意図することを留意しなければならない。したがって、例えば、「ユニット」又は「前記ユニット」に対する言及は、複数のデバイスなどを含み得る。さらに、「備える」、「含む」、「包含する」、及び同様の単語は、他の要素及びステップを除外しない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明の上記及び他の態様は、以下おいて、添付された図面を参照しながらより詳しく説明される。図面は限定的なものとして解釈されるべきではなく、代わりに説明及び理解の目的のために解釈されるべきである。
【0043】
図面に示されるように、層及び領域の大きさは例示目的のために誇張されている場合があり、したがって、一般的な構造を示すように提供されている。同じ参照番号は全体を通して同じ要素を参照する。
【0044】
【
図1】MMICフロントエンドモジュールの模式図。
【
図2】2つの窒化ガリウム島を備えるMMICフロントエンドモジュールの模式図。
【
図3】周波数アップコンバータ及び周波数ダウンコンバータを備えるMMICフロントエンドモジュールの模式図。
【
図4】アンテナを備えるMMICフロントエンドモジュールの模式図。
【発明の詳細な説明】
【0045】
本発明は、発明の現在好ましい実施形態が示された添付された図面を参照して、以下により詳細に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実施されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は徹底性と完璧性のために、且つ、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。
【0046】
図1は、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)フロントエンドモジュール100を示す。
【0047】
MMICフロントエンドモジュール100は、窒化ガリウム構造110を備える。窒化ガリウム構造110は、シリコン基板120によって支持される。
【0048】
MMICフロントエンドモジュール100は、シリコンベース送受信スイッチ130をさらに備える。送受信スイッチ130は、送信モードと受信モードを有する。
【0049】
窒化ガリウム構造110は、0.1μmから10μmまでの範囲の横寸法を有し得る。窒化ガリウム構造110は、上面から見て円又は多角形の形状を有し得る。窒化ガリウム構造110は、六角形の形を有し得る。
【0050】
シリコンベース送受信スイッチ130は、シリコン基板120に一体化して形成され得る。シリコンベース送受信スイッチ130は、シリコン基板120によって支持され得る。シリコンベース送受信スイッチは、最初はシリコン基板120の一部ではなく、付加されたシリコン構造内に形成され得る。このような付加されたシリコン構造は、例えば、化学気相成長(CVD: chemical vapor deposition)または同様の堆積技術によって堆積され得る。
【0051】
シリコン基板120は、<111>のミラー指数を有する平坦な上面を有し得る。シリコン基板120は、実質的に単結晶シリコン基板であり得る。シリコン基板120は、シリコンウェーハであってもよい。
【0052】
MMICフロントエンドモジュール100は、送受信スイッチ130に電気的に接続(132)された送信増幅器112をさらに備える。送信増幅器112は、MMICフロントエンドモジュール100によって送信される発信信号を増幅するように構成され得る。送信増幅器112は、窒化ガリウム構造110内に形成された窒化ガリウム高電子移動度トランジスタ(HEMT)114を備える。HEMT114は、ソースノード、ドレインノード、及びゲートノードを含んでよく、ゲートノードに印加される電圧はソースノードとドレインノードの間の電流に影響し得る。
【0053】
送信増幅器112は、PAであってよい。送信増幅器112は、クラスA、B、AB、C、D、E、F、G、又はH級PAであってよい。送信増幅器112は、差動増幅器であってよい。
図6は、クラスE増幅器である、例示的な送信増幅器112の回路を示す。送信増幅器112は、例えばその電圧又は電流を増加させることによって発信信号を増幅するように構成され得る。送信増幅器112は、窒化ガリウム構造110内に形成された複数のHEMTを備え得る。
【0054】
MMICフロントエンドモジュール100は、送受信スイッチ130に電気的に接続(133)された受信増幅器113をさらに備える。受信増幅器113は、MMICフロントエンドモジュール100によって受信される着信信号を増幅するように構成され得る。受信増幅器113は、窒化ガリウム構造110内に形成された窒化ガリウムHEMT115を備える。HEMT115は、ソースノード、ドレインノード、及びゲートノードを含んでよく、ゲートノードに印加される電圧はソースノードとドレインノードの間の電流に影響し得る。
【0055】
受信増幅器113は、LNAであってよい。受信増幅器113は、差動増幅器であってよい。
図7は、例示的な受信増幅器113の回路を示す。受信増幅器113は、例えばその電圧又は電流を増加させることによって着信信号を増幅するように構成され得る。受信増幅器113は、窒化ガリウム構造110内に形成された複数のHEMTを備え得る。
【0056】
図1-4において、増幅器112、113は破線の三角形として示されている。これらは、増幅器の概略的なブロックの表現として見られるべきであり、一方、
図6-7は増幅器112、113の例示的な回路を示す。
【0057】
図6において、出力ノード(VOUT)は電気的接続132に対応する。
図7において、入力ノード(VIN)は電気的接続133に対応する。
【0058】
VIN及びVOUTは個別の増幅器のレベルで言及される。ゆえに、
図6のVINノードは
図7のVINノードに対応しない。同じ理由で、
図6のVOUTノードは
図7のVIOUTノードに対応しない。ドライブノード(VDD)は、増幅器112、113両方について、共有又は分離されてよい。VDDノードは、実質的に固定された電圧レベルを有し得る又は有するように適合され得る。接地ノード(GND)は、増幅器112、113両方について共有又は分離されてよい。GNDノードは、実質的に固定された電圧レベルを有する相対的な接地ノードとして言及されると理解されてよい。GNDノードは、VDDノードより低い電圧レベルを有し得る。
図7の例示的なLNAのバイアスノード(VBIAS)は、HEMT115のゲートノードでの電圧レベルに影響を与えるように構成された、バイアス電圧レベルを有し得る、又は有するように適合され得る。例示的な回路はまた、抵抗、インダクタ、及びキャパシタを備えることが示され、これらは増幅器回路内の導電体の特性に基づいて、別々の構成要素として、又は固有の部品として形成されてよい。
【0059】
送受信スイッチ130を送信モードに設定することは、送信増幅器112から、電気的接続部132を介して、送受信スイッチ130を通じて、例えばアンテナまで、電気的経路を形成することを含み得る。送受信スイッチ130を受信モードに設定することは、受信増幅器113から、電気的接続133を介して、送受信スイッチ130を通じて、例えばアンテナまで、電気的経路を形成することを含み得る。
【0060】
図2は、シリコン基板120によって支持される窒化ガリウム構造110が、第1窒化ガリウム島211及び第2窒化ガリウム島212を備えるMMICフロントエンドモジュール100を示す。第1窒化ガリウム島211及び第2窒化ガリウム島212は、シリコン基板上で、物理的に離間され、且つ横方向に共に配置される。
【0061】
送信増幅器112の窒化ガリウムHEMT114は、第1窒化ガリウム島211内に形成されてよい。受信増幅器113の窒化ガリウムHEMT115は、第2窒化ガリウム島212内に形成されてよい。
【0062】
第1窒化ガリウム島211は、0.1μmから10μmまでの範囲の横寸法を有し得る。第2窒化ガリウム島212は、0.1μmから10μmまでの範囲の横寸法を有し得る。窒化ガリウム島211、212は、上面から見て円又は多角形の形状を有し得る。窒化ガリウム島211、212は六角型の形状を有し得る。
【0063】
図3は、送信増幅器112に電気的に接続された332シリコンベース周波数アップコンバータ342をさらに備えるMMICフロントエンドモジュール100を示す。周波数アップコンバータ342は、MMICフロントエンドモジュール100によって送信される発信信号の周波数をアップコンバートするように構成され得る。
【0064】
MMICフロントエンドモジュール100は、受信増幅器113に電気的に接続(333)されたシリコンベース周波数ダウンコンバータ343をさらに備え得る。周波数ダウンコンバータ343は、MMICフロントエンドモジュール100によって受信される着信信号の周波数をダウンコンバートするように構成され得る。
【0065】
周波数アップ及びダウンコンバータ342、343は、ミキサであってよい。周波数アップ及びダウンコンバータ342、343は、予測可能な発振信号を出力する局部発振器に接続されてよい。周波数アップコンバータ342は、IF信号である発信信号を対応するRF信号に変換し得る。周波数ダウンコンバータ343は、RF信号である着信信号を対応するIF信号に変換し得る。ここで、IF<<RFである。
【0066】
シリコンベース周波数アップ及びダウンコンバータ342、343は、シリコン基板120に一体化して形成され得る。シリコンベース周波数アップ及びダウンコンバータ342、343は、最初はシリコン基板120の一部ではなく、付加されたシリコン構造内に形成され得る。このような付加されたシリコン構造は、例えばCVDや同様の堆積技術によって堆積され得る。
【0067】
図4は、アンテナ451をさらに備えるMMICフロントエンドモジュール100を示す。アンテナ451は、無線信号を送信及び受信するように構成され得る。送受信スイッチ130は、アンテナ451に電気的に接続(453)され得る。
【0068】
アンテナ451は、電磁無線信号を送信及び受信するように構成され得る。アンテナ451は、10MHzから100GHzまでの範囲、好ましくは24GHzから72GHzまでの範囲の周波数を持つ無線信号を送信及び受信するように構成及び最適化され得る。
【0069】
アンテナ451は、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナなどであってよい。アンテナ451は、多入力多出力(MIMO:multiple input multiple output)アンテナであってよい。アンテナ451は、完全電気導体(PEC:perfect electrical conductor)を備えてよい。アンテナ451は、金属を含んでよい。アンテナ451は、縮退してドープされた半導体、例えばシリコンを含んでよい。アンテナ451は、誘電体材料を含んでよい。
【0070】
アンテナ451は、シリコン基板120によって支持され得る。アンテナ451は、シリコン基板120内に一体化して形成され得る。
【0071】
アンテナ451はアレイアンテナであってよい。アレイアンテナは、複数のアンテナアレイ素子455を備える。
【0072】
図5は、シリコン基板120に垂直に配置される縦ナノワイヤー構造516を備える窒化ガリウム構造110を示す。
【0073】
縦ナノワイヤー構造516は、窒化ガリウムを備えるか、又は実質的に窒化ガリウムからなる。縦ナノワイヤー構造516は、窒化アルミニウムを備えるか、又は実質的に窒化アルミニウムからなる。窒化ガリウム構造110は、複数の縦ナノワイヤー構造516を備え得る。縦ナノワイヤー構造516は、シリコン基板120上に形成され得る。
【0074】
窒化ガリウム構造110は、窒化ガリウム層517及び、0≦x≦0.95であるAlxGa1-xN層518を備え得る。窒化ガリウム層517は、基板120から縦方向にAlxGa1-xN層518上に位置されてよい。AlxGa1-xN層518は、縦ナノワイヤー構造516を横方向及び縦方向に囲み得る。
【0075】
AlxGa1-xN層518は、連続的又は離散的グレーディング(grading)を備え得る。連続的グレーディングとは、縦方向に沿ったAlxGa1-xN層518の異なる位置において、値xが実質的に連続して変化することとして理解されてよい。同様に、離散的グレーディングとは、縦方向に沿ったAlxGa1-xN層518の異なる位置において、値xがより大きい離散的ステップ、例えば1ステップにつき-0.2、によって変化することとして理解されてよい。
【0076】
窒化ガリウム構造110は、窒化アルミニウム層519を備えてよい。窒化アルミニウム層519は、基板120から縦方向にAlxGa1-xN層518の下に位置してよい。
【0077】
窒化ガリウム構造110は、出願通りの欧州特許出願第19215267.6号明細書の文脈内の「半導体層構造」としてさらに理解されてよい。概要の「第1の態様」に関連するテキストを参照されたい。また、
図1-4及び明細書の対応する部分を参照されたい。特定された主題は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
HEMT114、115は、同じく出願通りの欧州特許出願第19215267.6号明細書においてのHEMTとしてさらに理解されてよい。概要の「第2の態様」に関連するテキストを参照されたい。また、
図5-6及び明細書の対応する部分を参照されたい。特定された主題は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0079】
一般的に、電気的接続132、133、333、332、453、及び符号によって参照されない他の接続、例えば増幅器112、113の内部の接続は、電流の伝送に適した任意の物理的な接続として理解されてよい。接続は、シリコン集積回路ための従来のBEOL(back end of line)処理の一部として形成されてよい。
【0080】
電気的接続132、133、333、332、453は、アルミニウム、銅、パラジウム、銀、及び/又は金などの金属材料、そして前述した材料の合金を含んでよい。例えば、電気的接続132、133、333、332、453に使われる合金は、アルミニウムと銅、或いはパラジウムと金を含んでよい。電気的接続132、133、333、332、453は、縮退してドープされた半導体、例えばシリコンとして実現されてもよい。
【0081】
MMICフロントエンドモジュール100を形成する方法は、
窒化ガリウム層構造で覆われたシリコン基板120を提供することと、
窒化ガリウム層構造から窒化ガリウム構造110又は複数の窒化ガリウム島211、212をエッチングすることと、
必要に応じて、CVDによって、シリコン基板120上に多結晶シリコン構造を堆積することと、
シリコン基板120又は堆積された多結晶シリコン構造の中にシリコンベースデバイス130、342、343を形成することと、
窒化ガリウム構造110又は複数の窒化ガリウム島211、212の中に窒化ガリウムHEMTデバイス114、115を形成することと、
シリコンベースデバイス130、342、343と窒化ガリウムHEMTデバイスを接続するように金属層、ビア、及び総合接続を形成することと、
例えば、堆積をもって、上述したMMICフロントエンドモジュール100を不動態化することと、
を含み得る。
【0082】
MMICフロントエンドモジュール100は、第5世代の新しい無線(5G NR:5th Generation New Radio)通信用に構成されてよい。MMICフロントエンドモジュール100は、ブルートゥース通信用に構成されてもよい。MMICフロントエンドモジュール100は、例えば無線基地局などの、ネットワーク相互接続点の一部であってよい。MMICフロントエンドモジュール100は、例えばモバイルデバイス、コンピュータ、IoT(internet-of-things)デバイスなどの、ネットワークデバイスの一部であってよい。当業者であれば本発明が上述した例のみに限定されないことを理解するだろう。MMICフロントエンドモジュール100は、10MHzから100GHzまでの範囲、好ましくは24GHzから72GHzまでの範囲の周波数用に構成されてよい。或いは、MMICフロントエンドモジュール100がブルートゥース通信用に構成されたとき、MMICフロントエンドモジュール100は、1GHzから3GHzまでの範囲、好ましくは2.4GHzから2.5GHzまでの範囲の周波数用に構成されてもよい。
【0083】
加えて、開示された実施形態の変形は、請求される発明を実施する当業者により、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から理解され、影響され得る。
【国際調査報告】