(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(54)【発明の名称】解剖学的特徴決定のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230323BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20230323BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20230323BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230323BHJP
【FI】
A61F2/24
A61B34/20
A61B6/03 377
A61B6/03 360J
G06T7/00 612
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547254
(86)(22)【出願日】2021-02-02
(85)【翻訳文提出日】2022-10-03
(86)【国際出願番号】 US2021016139
(87)【国際公開番号】W WO2021158503
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヤラ・カデル
【テーマコード(参考)】
4C093
4C097
5L096
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093DA02
4C093FF17
4C093FF22
4C093FF28
4C097AA27
4C097BB01
4C097SB01
5L096AA06
5L096AA09
5L096BA06
5L096BA13
5L096CA04
5L096DA02
5L096FA62
5L096FA64
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
5L096KA04
(57)【要約】
自然弁尖の位置を決定するための技法は、人工弁の移植前に自然弁尖上のミネラル形成の位置を識別することと、心臓血管内に移植された人工弁を表す画像を分析することとを含むことができる。分析は、人工弁が移植された後の心臓血管内のミネラル形成の位置を識別することができる。人工弁の移植前の自然弁尖上のミネラル形成の位置および心臓血管内のミネラル形成の位置に基づいて、心臓血管内の自然弁尖の位置を決定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然弁尖の位置を決定するための方法であって、
心臓血管内の自然弁を表す処置前画像を取得するステップと、
前記自然弁の自然弁尖上のミネラル堆積物の位置を決定するために、前記処置前画像を分析するステップと、
制御回路によって、前記自然弁に移植された人工弁を表す処置後画像を取得するステップと、
前記心臓血管内の前記ミネラル堆積物の位置を識別するために、前記処置後画像を分析するステップと、
前記自然弁尖上の前記ミネラル堆積物の前記位置、および前記心臓血管内の前記ミネラル堆積物の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記制御回路によって、前記心臓血管内の前記自然弁尖の位置を決定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記自然弁が前記大動脈弁を含み、前記心臓血管が前記大動脈を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記心臓血管内の前記自然弁尖の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記心臓血管に関連付けられた流体血管へのアクセスを決定するステップ
をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記処置後画像の前記分析に少なくとも部分的に基づいて、前記心臓血管内の前記人工弁の少なくとも一部の位置を識別するステップ
をさらに含み、前記流体血管へのアクセスを決定する前記ステップが、前記心臓血管内の前記人工弁の少なくとも前記一部の前記位置に少なくとも部分的に基づく、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記処置前画像の前記分析に少なくとも部分的に基づいて、前記心臓血管内の接合弁尖の位置を識別するステップと、
前記接合弁尖の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記自然弁尖の端部を決定するステップと、
前記自然弁尖の前記端部と前記ミネラル堆積物との間の距離を決定するステップと
をさらに含み、前記流体血管へのアクセスを決定する前記ステップが、前記自然弁尖の前記端部と前記ミネラル堆積物との間の前記距離に少なくとも部分的に基づく、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記自然弁尖上の前記ミネラル堆積物の前記位置を識別するために、前記処置前画像を分析する前記ステップが、
前記処置前画像を表すユーザインターフェースデータを生成するステップと、
前記ユーザインターフェースデータを表示デバイスに提供するステップと、
前記ミネラル堆積物に関する入力を受信するステップと、
前記入力に少なくとも部分的に基づいて、前記ミネラル堆積物の前記位置を識別するステップと
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記自然弁尖上の前記ミネラル堆積物の前記位置を識別するために、前記処置前画像を分析する前記ステップが、
前記自然弁尖上の前記ミネラル堆積物の前記位置を識別するために、前記処置前画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行するステップ
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
制御回路と、
前記制御回路に通信可能に結合され、前記制御回路によって実行されると、前記制御回路に、
心臓血管内の自然弁の自然弁尖上のミネラル形成の位置を示すデータを受信することと、
前記自然弁に移植された人工弁の画像を表すグラフィカルインターフェースデータを生成することと、
前記画像内のミネラル表現の位置に関する入力を受信することと、
前記入力および前記データに少なくとも部分的に基づいて、前記心臓血管内の前記自然弁尖の位置を決定することと
を含む動作を実行させる実行可能命令を記憶するメモリと
を含むコンピューティングシステム。
【請求項9】
前記画像が、前記心臓血管のコンピュータ断層撮影画像またはX線画像のうちの少なくとも一方を含む、請求項8に記載のコンピューティングシステム。
【請求項10】
前記自然弁が前記大動脈弁を含み、前記心臓血管が前記大動脈を含む、請求項8または9に記載のコンピューティングシステム。
【請求項11】
前記動作が、
前記心臓血管内の前記自然弁尖の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、冠状動脈へのアクセスの量を決定すること
をさらに含む、請求項8から10のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項12】
前記動作が、
前記大動脈内の前記人工弁の少なくとも一部の位置を識別すること
をさらに含み、前記冠状動脈への前記アクセスの量を前記決定することが、前記大動脈内の前記人工弁の少なくとも前記一部の前記位置に少なくとも部分的に基づく、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項13】
前記データが、前記自然弁尖の端部に対する前記ミネラル形成の位置を示し、前記心臓血管内の前記自然弁尖の前記位置を前記決定することが、前記自然弁尖の前記端部に対する前記ミネラル形成の前記位置に少なくとも部分的に基づく、請求項8から12のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項14】
前記データが、前記ミネラル形成の1つまたは複数の特性を示し、前記動作が、
前記データに少なくとも部分的に基づいて、前記画像内の前記ミネラル表現が前記自然弁尖上の前記ミネラル形成を表すことを決定するために、前記画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行すること
をさらに含む、請求項8から13のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項15】
方法であって、
制御回路によって、心臓血管内の自然弁に移植された人工弁を表す画像を取得するステップと、
前記制御回路によって、前記人工弁の移植前に、自然弁尖上のミネラル形成の位置を示すデータを受信するステップと、
前記心臓血管内の前記ミネラル形成の位置を識別するために、前記画像を分析するステップと、
前記ミネラル表現の前記位置および前記データに少なくとも部分的に基づいて、前記心臓血管内の前記自然弁尖の位置を決定するステップと
を含む方法。
【請求項16】
前記心臓血管内の前記自然弁尖の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記心臓血管に関連付けられた流体血管へのアクセスの量を決定するステップ
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記心臓血管内の前記人工弁の少なくとも一部の位置を識別するステップ
をさらに含み、前記流体血管への前記アクセスの量を決定する前記ステップが、前記心臓血管内の前記人工弁の少なくとも前記一部の前記位置に少なくとも部分的に基づく、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記心臓血管内の接合弁尖の位置を識別するステップと、
前記接合弁尖の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、前記自然弁尖の端部を決定するステップと、
前記自然弁尖の前記端部と前記ミネラル形成との間の距離を決定するステップと
をさらに含み、前記流体血管への前記アクセスの量を決定する前記ステップが、前記自然弁尖の前記端部と前記ミネラル形成との間の前記距離に少なくとも部分的に基づく、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記データが、前記自然弁尖の端部に対する前記ミネラル形成の位置を示し、前記心臓血管内の前記自然弁尖の前記位置を決定する前記ステップが、前記自然弁尖の前記端部に対する前記ミネラル形成の前記位置に少なくとも部分的に基づく、請求項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記心臓血管内の前記ミネラル形成の前記位置を識別するために、前記画像を分析する前記ステップが、
前記心臓血管内の前記ミネラル形成の前記位置を識別するために、前記画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行するステップ
を含む、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
方法であって、
心臓血管内の自然弁尖上のミネラル堆積物の位置を決定するために、第1の画像を分析するステップであり、前記第1の画像が人工弁を表す、分析するステップと、
前記心臓血管内の前記ミネラル堆積物の位置を識別するために、第2の画像を分析するステップであり、前記第2の画像が人工弁を表す、分析するステップと、
前記自然弁尖上の前記ミネラル堆積物の前記位置、および前記心臓血管内の前記ミネラル堆積物の前記位置に少なくとも部分的に基づいて、冠状動脈へのアクセスを決定するステップと、
冠状動脈アクセス状態を示す指示を提供するステップであり、前記指示が、前記冠状動脈への前記決定されたアクセスに少なくとも部分的に基づく、提供するステップと
を含む方法。
【請求項22】
前記指示が、前記冠状動脈にアクセスすることを含む処置を行うことに関連付けられたリスクレベルを示す、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記指示が、前記冠状動脈へのアクセスの量を示し、前記方法が、
前記冠状動脈への前記アクセスの量がしきい値未満であることを決定するステップと、
前記冠状動脈への前記アクセスの量が前記しきい値未満であることを決定するステップに少なくとも部分的に基づいて、前記冠状動脈へのアクセスを含む処置を行うことを控えるステップと
をさらに含む、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
前記指示が、前記冠状動脈へのアクセスの量を示し、前記方法が、
前記冠状動脈への前記アクセスの量がしきい値よりも大きいことを決定するステップと、
前記冠状動脈への前記アクセスの量が前記しきい値よりも大きいことを決定するステップに少なくとも部分的に基づいて、前記冠状動脈へのアクセスを含む処置を行うステップと
をさらに含む、請求項21または22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月4日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR ANATOMICAL FEATURE DETERMINATION」と題する米国仮出願第62/970,110号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、医療デバイスおよび処置の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
大動脈弁石灰化は、心臓の大動脈弁にカルシウム堆積物が形成されるときに起こる。カルシウム堆積物により、大動脈弁が開口部で狭くなり、および/または硬くなる可能性がある。石灰化がひどくなると、大動脈弁は適切に開閉することができなくなり、大動脈弁狭窄と呼ばれる状態である、弁を通る血流に影響を及ぼす。大動脈弁の石灰化または狭窄のいくつかのケースでは、大動脈弁を人工弁と交換する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、1つまたは複数の方法および/またはシステムの解剖学的特徴決定について説明する。いくつかの態様では、本開示は、ミネラル堆積物(mineral deposit)を表す1つまたは複数の画像の分析に基づいて、解剖学的特徴のためのアクセスを決定するための方法およびシステムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、本開示は、自然弁尖の位置を決定するための方法に関する。方法は、心臓血管内の自然弁を表す処置前画像を取得するステップと、自然弁の自然弁尖上のミネラル堆積物の位置を決定するために、処置前画像を分析するステップとを含むことができる。方法はまた、制御回路によって、自然弁に移植された人工弁を表す処置後画像を取得するステップと、心臓血管内のミネラル堆積物の位置を識別するために、処置後画像を分析するステップとを含むこともできる。さらに、方法は、制御回路によって、心臓血管内の自然弁尖の位置を決定するステップを含むことができる。自然弁尖の位置は、自然弁尖上のミネラル堆積物の位置、および心臓血管内のミネラル堆積物の位置に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。いくつかの実装形態では、自然弁は大動脈弁を含み、心臓血管は大動脈を含む。
【0006】
いくつかの実装形態では、方法は、心臓血管内の自然弁尖の位置に少なくとも部分的に基づいて、心臓血管に関連付けられた流体血管へのアクセスを決定するステップをさらに含む。いくつかの実装形態では、方法は、処置後画像の分析に少なくとも部分的に基づいて、心臓血管内の人工弁の少なくとも一部の位置を識別するステップをさらに含む。流体血管へのアクセスを決定するステップは、心臓血管内の人工弁の少なくとも一部の位置に少なくとも部分的に基づき得る。さらに、いくつかの実施形態では、方法は、処置前画像の分析に少なくとも部分的に基づいて、心臓血管内の接合弁尖の位置を識別するステップと、接合弁尖の位置に少なくとも部分的に基づいて、自然弁尖の端部を決定するステップと、自然弁尖の端部とミネラル堆積物との間の距離を決定するステップとをさらに含む。流体血管へのアクセスを決定するステップは、自然弁尖の端部とミネラル堆積物との間の距離に少なくとも部分的に基づき得る。
【0007】
いくつかの実装形態では、自然弁尖上のミネラル堆積物の位置を識別するために、処置前画像を分析するステップは、処置前画像を表すユーザインターフェースデータを生成するステップと、ユーザインターフェースデータを表示デバイスに提供するステップと、ミネラル堆積物に関する入力を受信するステップと、入力に少なくとも部分的に基づいて、ミネラル堆積物の位置を識別するステップとを含み得る。さらに、いくつかの実装形態では、自然弁尖上のミネラル堆積物の位置を識別するために、処置前画像を分析するステップは、自然弁尖上のミネラル堆積物の位置を識別するために、処置前画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行するステップを含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は、コンピューティングシステムに関し、コンピューティングシステムは、制御回路と、制御回路に通信可能に結合され、制御回路によって実行されると、制御回路に動作を実行させる実行可能命令を記憶するメモリとを含む。動作は、心臓血管内の自然弁の自然弁尖上のミネラル形成の位置を示すデータを受信することと、自然弁に移植された人工弁の画像を表すグラフィカルインターフェースデータを生成することと、画像内のミネラル表現の位置に関する入力を受信することと、入力およびデータに少なくとも部分的に基づいて、心臓血管内の自然弁尖の位置を決定することとを含むことができる。いくつかの実施形態では、画像は、心臓血管のコンピュータ断層撮影画像またはX線画像のうちの少なくとも一方を含む。
【0009】
いくつかの実装形態では、自然弁は大動脈弁を含み、心臓血管は大動脈を含む。いくつかの実施形態では、動作は、心臓血管内の自然弁尖の位置に少なくとも部分的に基づいて、冠状動脈へのアクセスの量を決定することをさらに含む。さらに、いくつかの実施形態では、動作は、大動脈内の人工弁の少なくとも一部の位置を識別することをさらに含む。冠状動脈へのアクセスの量を決定することは、大動脈内の人工弁の少なくとも一部の位置に少なくとも部分的に基づき得る。
【0010】
いくつかの実装形態では、データは、自然弁尖の端部に対するミネラル形成の位置を示し、心臓血管内の自然弁尖の位置を決定することは、自然弁尖の端部に対するミネラル形成の位置に少なくとも部分的に基づく。さらに、いくつかの実装形態では、データは、ミネラル形成の1つまたは複数の特性を示し、動作は、データに少なくとも部分的に基づいて、画像内のミネラル表現が自然弁尖上のミネラル形成を表すことを決定するために、画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行することをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、本開示は、方法に関し、方法は、制御回路によって、心臓血管内の自然弁に移植された人工弁を表す画像を取得するステップと、制御回路によって、人工弁の移植前に、自然弁尖上のミネラル形成の位置を示すデータを受信するステップとを含む。方法はまた、心臓血管内のミネラル形成の位置を識別するために、画像を分析するステップと、ミネラル表現の位置およびデータに少なくとも部分的に基づいて、心臓血管内の自然弁尖の位置を決定するステップとを含み得る。
【0012】
いくつかの実装形態では、方法は、心臓血管内の自然弁尖の位置に少なくとも部分的に基づいて、心臓血管に関連付けられた流体血管へのアクセスの量を決定するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、大動脈内の人工弁の少なくとも一部の位置を識別するステップをさらに含む。流体血管へのアクセスの量を決定するステップは、心臓血管内の人工弁の少なくとも一部の位置に少なくとも部分的に基づき得る。さらに、いくつかの実施形態では、方法は、心臓血管内の接合弁尖の位置を識別するステップと、接合弁尖の位置に少なくとも部分的に基づいて、自然弁尖の端部を決定するステップと、自然弁尖の端部とミネラル形成との間の距離を決定するステップとをさらに含む。流体血管へのアクセスの量を決定するステップは、自然弁尖の端部とミネラル形成との間の距離に少なくとも部分的に基づき得る。
【0013】
いくつかの実装形態では、データは、自然弁尖の端部に対するミネラル形成の位置を示す。心臓血管内の自然弁尖の位置を決定するステップは、自然弁尖の端部に対するミネラル形成の位置に少なくとも部分的に基づき得る。さらに、いくつかの実装形態では、心臓血管内のミネラル堆積物の位置を識別するために、画像を分析するステップは、心臓血管内のミネラル形成の位置を識別するために、画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行するステップを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本開示は、方法に関し、方法は、心臓血管内の自然弁尖上のミネラル堆積物の位置を決定するために、第1の画像を分析するステップと、心臓血管内のミネラル堆積物の位置を識別するために、第2の画像を分析するステップとを含む。第1の画像は自然弁を、第2の画像は人工弁を表し得る。方法はまた、自然弁尖上のミネラル堆積物の位置、および心臓血管内のミネラル堆積物の位置に少なくとも部分的に基づいて、冠状動脈へのアクセスを決定するステップと、冠状動脈アクセス状態を示す指示を提供するステップとを含み得る。指示は、冠状動脈への決定されたアクセスに少なくとも部分的に基づき得る。いくつかの実装形態では、指示は、冠状動脈にアクセスすることを含む処置を行うことに関連付けられたリスクレベルを示す。
【0015】
いくつかの実装形態では、指示は、冠状動脈へのアクセスの量を示す。いくつかの実施形態では、方法は、冠状動脈へのアクセスの量がしきい値未満であることを決定するステップと、冠状動脈へのアクセスの量がしきい値未満であることを決定するステップに少なくとも部分的に基づいて、冠状動脈へのアクセスを含む処置を行うことを控えるステップとをさらに含む。さらに、いくつかの実施形態では、方法は、冠状動脈へのアクセスの量がしきい値よりも大きいことを決定するステップと、冠状動脈へのアクセスの量がしきい値よりも大きいことを決定するステップに少なくとも部分的に基づいて、冠状動脈へのアクセスを含む処置を行うステップとをさらに含む。
【0016】
本開示を要約する目的のために、いくつかの態様、利点、および新規の特徴について説明してきた。必ずしもすべてのそのような利点が、任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではないことを理解されたい。したがって、開示された実施形態は、本明細書で教示または示唆され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点または利点群を達成または最適化する方法で実行され得る。
【0017】
様々な実施形態が、例示の目的で添付の図面に示されており、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。加えて、異なる開示された実施形態の様々な特徴を組み合わせて、本開示の一部である追加の実施形態を形成することができる。図面全体を通して、参照番号は、参照要素間の対応を示すために再使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】1つまたは複数の実施形態による例示的な心臓の斜視図である。
【
図2】1つまたは複数の実施形態による例示的な心臓の断面上面図である。
【
図3】1つまたは複数の実施形態による、大動脈弁上にミネラル形成を有する例示的な心臓の断面図である。
【
図4】1つまたは複数の実施形態による、大動脈弁に移植された人工弁を有する、
図3の心臓の例示的な断面図である。
【
図5】1つまたは複数の実施形態による、ミネラル堆積物を表す1つまたは複数の画像の分析に基づいて、解剖学的特徴に対するアクセスを決定するための例示的なアーキテクチャである。
【
図6】1つまたは複数の実施形態による、例示的な自然弁尖およびミネラル形成の断面図である。
【
図7】1つまたは複数の実施形態による、例示的な自然弁尖、ミネラル形成、および人工弁の断面図である。
【
図8A】1つまたは複数の実施形態による、解剖学的特徴の位置/特性を決定するために1つまたは複数の画像を分析するためのプロセスの例示的なフロー図である。
【
図8B】1つまたは複数の実施形態による、解剖学的特徴の位置/特性を決定するために1つまたは複数の画像を分析するためのプロセスの例示的なフロー図である。
【
図9】1つまたは複数の実施形態による、解剖学的特徴の位置/特性を決定するためのインターフェースを提供するためのプロセスの例示的なフロー図である。
【
図10】1つまたは複数の実施形態による、人工弁の移植前の心臓血管の例示的な画像である。
【
図11】1つまたは複数の実施形態による、人工弁の移植後の心臓血管の例示的な画像である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で提供される見出しは、便宜上のものにすぎず、特許請求される主題の範囲または意味に必ずしも影響を及ぼさない。本開示は、ミネラル堆積物を表す1つまたは複数の画像の分析に基づいて、解剖学的特徴のためのアクセスを決定するためのシステム、デバイス、および方法に関する。
【0020】
いくつかの好ましい実施形態および例が以下に開示されるが、主題は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替的な実施形態および/または使用、ならびにその修正および均等物に及ぶ。したがって、ここから生じ得る特許請求の範囲は、以下に記載される特定の実施形態のいずれによっても限定されない。たとえば、本明細書で開示される任意の方法またはプロセスにおいて、方法またはプロセスの行為または動作は、任意の適切な順序で実行されてもよく、必ずしも任意の特定の開示された順序に限定されない。様々な動作は、いくつかの実施形態を理解するのに役立ち得る方法で、複数の個別の動作として順に説明され得るが、説明の順序は、これらの動作が順序依存であることを暗示するように解釈されないものとする。加えて、本明細書で説明される構造、システム、および/またはデバイスは、統合されたコンポーネントとして、または別個のコンポーネントとして具現化され得る。様々な実施形態を比較するために、これらの実施形態のいくつかの態様および利点を説明する。必ずしもすべてのそのような態様または利点が、任意の特定の実施形態によって達成されるわけではない。したがって、たとえば、様々な実施形態は、本明細書で教示または示唆され得るような他の態様または利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点または利点群を達成または最適化する方法で実行され得る。
【0021】
「に関連付けられる」という用語は、本明細書では、その広範かつ通常の意味に従って使用される。たとえば、第1の特徴、要素、コンポーネント、デバイス、または部材が、第2の特徴、要素、コンポーネント、デバイス、または部材と「関連付けられている」として説明される場合、そのような説明は、第1の特徴、要素、コンポーネント、デバイス、または部材が、直接的または間接的にかかわらず、第2の特徴、要素、コンポーネント、デバイス、または部材と物理的に結合されている、取り付けられている、または接続されている、統合されている、少なくとも部分的に中に組み込まれている、あるいはそうでなければ物理的に関連していると示すものとして理解されたい。
【0022】
概要
上述のように、大動脈弁の石灰化または狭窄のいくつかのケースでは、大動脈弁を人工弁と交換する必要がある。人工心臓弁の移植は、人工弁を自然弁に送達し、人工弁を弁および/または周囲の解剖学的構造に対して配備することを伴い得る。たとえば、人工弁が大動脈弁に移植されるとき、弁の自然弁尖は、大動脈壁および周囲の解剖学的構造に向かって変位する。いくつかの場合において、1つまたは複数の自然弁尖は、冠状動脈口を完全にまたは部分的にブロックし、冠状動脈へのアクセスをブロックし得る。将来、心臓または周囲の解剖学的構造に対して他の処置(「再アクセス処置」と呼ばれることもある)を実行するために、冠状動脈へのアクセスが必要とされる場合がある。たとえば、いくつかの再アクセス処置では、医師は、大動脈を通して大動脈弁までスコープまたはカテーテルなどのデバイスをナビゲートし、冠状動脈口を通して冠状動脈内に移動しようと試みることができる。しかしながら、医師は、自然弁尖が冠状動脈へのアクセスをブロックしている程度まで、自然弁尖が人工弁によって変位していることに気付かない場合がある。そのようなブロックは、成功の可能性のために、不成功の再アクセス処置および/または再アクセス処置の実行の失敗をもたらし得る。
【0023】
本開示は、ミネラル堆積物を表す1つまたは複数の画像の分析に基づいて、解剖学的特徴のためのアクセスを決定するための技法およびシステムについて説明する。いくつかの実施形態では、本技法は、人工弁がその中に移植された後に、自然弁の位置を推定することができる。たとえば、この技法は、自然弁の処置前画像を分析して、自然弁尖上のカルシウム堆積物など、自然弁尖上のミネラル堆積物の位置を決定することができる。人工弁の移植に続いて、この技法は、人工弁の処置後画像を分析して、心臓弁エリア内のミネラル堆積物の位置を識別することができる。(処置前画像から決定されるような)自然弁尖上のミネラル堆積物の位置、および(処置後画像から識別されるような)心臓弁エリア内のミネラル堆積物の位置に基づいて、技法は、人工弁移植後の自然弁尖の位置を推定することができる。そのような情報は、冠状動脈のような自然弁に近接して位置する血管へのアクセスの量(たとえば、利用可能な空間)を決定するために使用され得る。
【0024】
多くの実施形態では、技法およびシステムは、大動脈石灰化/狭窄の場合のように、弁上のカルシウムおよび/またはリン酸塩形成の状況で論じられる。しかしながら、技法およびシステムは、他のミネラルおよび/または解剖学的特徴などの様々な状況に適用することができる。
【0025】
例示的な心臓の解剖学的構造
図1および
図2は、本開示のいくつかの態様に関連する様々な特徴を有する例示的な心臓100を示す。特に、
図1は心臓100の斜視図を示し、
図2は心臓100の断面上面図を示す。心臓100は、4つのチャンバ、すなわち、左心室102、左心房104、右心室106、および右心房108を含む。中隔と呼ばれる筋肉の壁は、左側のチャンバを右側のチャンバから分離する。特に、心房中隔壁部分は、左心房104を右心房108から分離し、一方、心室中隔壁部分は、左心室102を右心室106から分離する。心臓100の下端110は、心尖と呼ばれ、一般に、第5肋間腔内の鎖骨中心線上またはその近くに位置する。
【0026】
心臓100は、その中の血液の循環を補助するための4つの弁を含む。心臓弁は、一般に、本明細書で弁輪と呼ばれる比較的密な繊維性リング、ならびに弁輪に取り付けられた複数の弁尖または尖点を含むことができる。一般に、心臓が収縮すると、対応する心腔内で生成された結果として生じる増大した血圧が、少なくとも部分的に弁尖を強制的に開き、心腔からの流れを可能にするような弁尖または尖点のサイズおよび位置とすることができる。心腔内の圧力が低下すると、後続の心腔または血管内の圧力が優勢になり、弁尖を押し戻す可能性がある。その結果、弁尖/尖点は、互いに並置し、それによって、流路を閉鎖する。
【0027】
心室(102、106)を囲んでいるのは、酸素化された血液を心筋に供給する多数の動脈112(「冠状動脈112」と呼ばれることもある)、および、左心室102の上部の周りにほぼ延在し、右心房108に戻る血液のための戻し導管を提供する比較的大きい静脈である冠状静脈洞を介して心筋から右心房108に血液を戻す多数の静脈(図示せず)である。
【0028】
左心室102は、心臓100の一次ポンプ室である。健康な左心室は、一般に、(心臓100の平均電気軸に対して)幅よりも長く(左心室102の対向する壁の間で最も広い点で延びる横軸に対して)、断面直径および/または円周が減少する基部114から点または心尖110に下降するという点で、形状が概ね円錐形または心尖である。一般に、心臓100の心尖領域は、左心室領域および/または右心室領域内にあるが、僧帽弁202および三尖弁204に対して遠位であり、心臓の先端110に向かって配置される、心臓100の底部領域と考えることができる。
【0029】
左心室102からの血液のポンピングは、圧迫運動およびねじり(twisting)またはねじり(torsional)運動によって達成される。圧迫運動は、左心室102の側壁と中隔との間で生じる。ねじり運動は、心臓100の周りをほぼ円形または螺旋方向に延びる心筋線維の収縮の結果である。これらの線維が収縮すると、心臓100の平均電気軸を中心とした心尖110から基部114への心筋の角変位の勾配が生じる。合力ベクトルは、大動脈弁208および上行大動脈116を通る血液の流れに対して約30~60度の角度で延びる。心臓100の収縮は、心尖110から見たとき(すなわち、心臓100の下面図)、基部114に対する心尖110の反時計回りの回転として現れる。心臓100の収縮は、それぞれ、左心房104および心室102の充填容積と関連して、少なくとも心周期のあるフェーズの間、心臓100の左側に比較的高い流体圧力をもたらし得る。
【0030】
心臓100の左側のチャンバ(すなわち、左心房104および左心室102)の主要な役割は、肺(図示せず)から戻る血液のための保持チャンバとして働き、心臓100の他の領域に血液を輸送するためのポンプとして働くことである。左心房104は、肺静脈を介して肺から酸素化血液を受け取る。左心房104内の肺静脈から収集された酸素化血液は、僧帽弁202を通って左心室102に入る。患者によっては、左心房104の壁が右心房108の壁よりもわずかに厚い。脱酸素化された血液は、下大静脈118および上大静脈120を通って右心房108に入る。次いで、心臓100の右側(すなわち、右心房108および右心室106)は、この脱酸素化された血液を肺の周囲の肺動脈120に送り込む。そこで、新鮮な酸素が血流に入り、血液は、最終的に左心房104で終わる肺静脈のネットワークを介して心臓100の左側に移動する。
図1では、左冠状動脈112(A)を露出させるために、肺幹の一部が取り除かれている(すなわち、点線で示される)。
【0031】
心臓100の弁は、右心房108を右心室106から分離する三尖弁204を含む。三尖弁204は、一般に、3つの弁点または弁尖を有することができ、一般に、心室収縮(すなわち、収縮期)中に閉じ、心室拡張(すなわち、拡張期)中に開くことができる。心臓100の弁は、右心室106を肺動脈120から分離する肺動脈弁206をさらに含み、肺動脈弁206は、血液を肺に向けてポンプ輸送することができるように、収縮期に開き、血液が肺動脈120から心臓100に漏れて戻るのを防止するように、拡張期に閉じるように構成され得る。肺動脈弁206は、一般に、3つの尖点/弁尖を有し、各々、三日月型の形状を有することができる。心臓100はまた、僧帽弁202を含み、僧帽弁202は、一般に、2つの尖点/弁尖を有し、左心房104を左心室102から分離する。僧帽弁202は、一般に、左心房104内の血液が左心室102内に流れ込むことができるように、拡張期中に開き、血液が左心房104内に漏れて戻るのを防止するように、収縮期中に閉じるように構成され得る。さらに、心臓100は、左心室102を大動脈116から分離する大動脈弁208を含む。大動脈弁208は、一般に、3つの尖点/弁尖を有し、各々、三日月型の形状を有することができる。大動脈弁208は、左心室102を出る血液が大動脈116に入ることを可能にするために収縮期中に開き、血液が左心室102に漏れて戻ることを防止するために拡張期中に閉じるように構成される。
【0032】
房室(すなわち、僧帽弁および三尖弁)心臓弁は、一般に、弁尖の適切な接合を促進および/または円滑にし、その脱出を防止するために、それぞれの弁の弁尖を固定する腱索および乳頭筋の集合を含む、弁下装置に関連付けられる。たとえば、乳頭筋は、一般に、心室壁からの指状突起を含むことができる。腱索は、一般に、弁尖が誤った方向に開かないようにし、それによって、血液が左心房104に逆流するのを防止する。
【0033】
心臓100の大動脈の解剖学的構造をさらに参照すると、上行大動脈は、一般に、心臓の左心室102内の大動脈弁208の開口部から始まる。上行大動脈は、肺動脈幹と共通の心膜鞘を通ることができる。上行大動脈の根元において、血管管腔は、一般に、大動脈弁208の尖点と大動脈116の壁との間に、3つの比較的小さいポケット(すなわち、大動脈洞または「バルサルバ洞」)を提示し得る。左大動脈洞は、左冠状動脈112(A)(「LCA112(A)」とも呼ばれる)の起始部を含み、右大動脈洞は、同様に、右冠状動脈112(B)(「RCA112(B)」とも呼ばれる)が起始している。後大動脈洞は冠状動脈を生じない。
【0034】
図2は、冠状動脈112に関連する様々な特徴を示す。上述のように、左冠状動脈112(A)および右冠状動脈112(B)は、大動脈洞を起始部としている。左冠状動脈112(A)は、大動脈弁208の左尖208(A)(「左弁尖208(A)」とも呼ばれる)の上から始まり、右冠状動脈112(B)は、大動脈弁208の右尖208(B)(「右弁尖208(B)」とも呼ばれる)の上から始まる。大動脈116の根元は、冠状動脈112に接続する冠状動脈口210を含み、左冠状動脈口210(A)は左尖208(A)の上に位置し、右冠状動脈口210(B)は右尖208(B)の上に位置する。
【0035】
例示的な大動脈弁石灰化および人工弁
図3および
図4は、1つまたは複数の実施形態による、大動脈弁208上にミネラル形成物を有する心臓100の断面図を示す。本明細書で使用される場合、「ミネラル形成」または「ミネラル堆積物」という用語は、一般に、解剖学的特徴に埋め込まれた、および/または付着した1つまたは複数のミネラルを指し得る。たとえば、
図3および
図4では、カルシウムおよび/またはリン酸塩は、大動脈弁208の弁尖上または内など、大動脈弁208に埋め込まれ、かつ/または大動脈弁208に付着している。多くの例示的な実施形態が、大動脈弁上のカルシウム形成および/またはリン酸形成の文脈において論じられるが、他のタイプのミネラル形成は、大動脈弁および/または他の弁/解剖学的特徴上で生じ得る。
【0036】
図3および
図4の例では、大動脈弁208は、比較的重篤な石灰化(たとえば、大動脈弁狭窄)を含み、大動脈弁208を人工弁402(
図4に示される)と交換する必要がある。いくつかの実施形態では、人工弁402は、最小侵襲処置を行うことによって、大動脈弁208に移植され得る。たとえば、医師は、動脈または静脈などの患者の解剖学的管腔にアクセスするために、患者の脚または胸部など、患者に比較的小さい切開(たとえば、しきい値未満のサイズ)を行うことができる。医師は、カテーテルベースのデバイスを解剖学的管腔(たとえば、大腿静脈/動脈、下大静脈など)内に前進させ、カテーテルベースのデバイスを移植部位、すなわち大動脈弁208にナビゲートすることができる。カテーテルベースのデバイスまたは別のデバイス(たとえば、バルーンカテーテル)を使用して、医師は、大動脈弁208において人工弁402を配備して、自然の大動脈弁208を置換し得る。いくつかの実施形態では、そのような処置は、経カテーテルアクセスを使用する経カテーテル大動脈弁置換(TAVR)または経カテーテル大動脈弁移植(TAVI)処置を含む。いくつかの実施形態は、経カテーテルアクセスを使用して人工弁を移植するという文脈で論じられるが、人工弁は、(たとえば、外科用人工弁を移植するために)心臓への切り込みを含むより侵襲的な処置など、他の処置を使用して移植され得る。
【0037】
いずれにしても、人工弁402を移植するとき、大動脈弁208の弁尖は、
図4に示されるように、大動脈壁に向かって変位され得る。たとえば、人工弁402は、半径方向に拡張し、大動脈弁208の弁尖を大動脈壁に向かって押すことができる。言い換えれば、人工弁402のサイズ/直径は、外向きの半径方向の力を提供し、大動脈弁208の弁尖を大動脈壁に向かって変位させるように変化することができる。いったん移植されると、人工弁402は、外向きの半径方向の力を提供し続け、大動脈弁208の弁尖を
図4に示される位置に維持することができる。いくつかの場合には、大動脈弁208の自然弁尖が大動脈壁に向かって変位した状態で、自然弁尖は、冠状動脈へのアクセスを制限することができる(
図3および
図4には図示せず)。すなわち、自然弁尖は、大動脈116から冠状動脈口210を介した冠状動脈112へのアクセスを妨害し得る。
【0038】
人工弁402(「人工心臓弁402」と呼ばれることもある)は、カテーテルベースの人工弁(たとえば、経カテーテル心臓弁(THV))、外科用人工弁など、様々なタイプの人工弁を含むことができる。いくつかの実施形態では、人工弁402は、患者の血管系を通して送達するために、半径方向に圧縮されて圧縮状態になるように構成される。人工弁402は、患者の血管系内の所望の位置に配置されると、あらかじめ設定された直径を有する、自然な、圧縮されていない、または機能的な状態まで自己拡張するように構成することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、人工弁402は、人工弁402を心臓100の欠陥のある弁輪内に、またはそれに隣接して固定するように構成されたステントなどの格子状フレームワークを含み得る支持フレームを含むことができる。支持ステント構造は、安定性をさらに提供し、人工弁402が移植された後に人工弁402が移動するのを防止することができる。支持ステント構造は、記憶金属、ステンレス鋼またはコバルトクロムなどの金属合金、および/またはポリマーなど、任意の適切なまたは望ましい材料を含むことができる。さらに、支持ステント構造は、
図4に示されるもの以外の構成を有することができる。たとえば、支持ステント構造は、異なる形状、より多くのまたはより少ない垂直支持バー、および/または追加の安定性のための追加の構造を有することができる。いくつかの実施形態では、支持ステント構造は、支柱メッシュおよび/またはスリーブ構造を含むことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、支持ステント構造は、弁尖アセンブリに固定することができる。弁尖アセンブリは、互いに接合することによって一方向弁として集合的に機能する複数の弁尖を含むことができる。たとえば、人工大動脈弁に関して、弁尖アセンブリは、3つの弁尖を含むことができる。しかしながら、人工弁は、より多くのまたはより少ない数の弁尖を有することができることが諒解されよう。弁尖アセンブリの様々なコンポーネントは、たとえば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの任意の適切な生体材料またはポリマーから全体的にまたは部分的に形成することができる。
【0041】
例示的なアーキテクチャ
図5は、1つまたは複数の実施形態による、ミネラル堆積物を表す1つまたは複数の画像の分析に基づいて、解剖学的特徴に対するアクセスを決定するための例示的なアーキテクチャ500を示す。アーキテクチャ500は、患者504の1つまたは複数の画像をキャプチャ/生成するように構成された1つまたは複数の撮像デバイス502(議論を容易にするために「撮像デバイス502」と呼ばれる)と、患者504に関連付けられた解剖学的特徴に対するアクセスを決定するために1つまたは複数の画像を評価するように構成された1つまたは複数のコンピューティングシステム506(議論を容易にするために「コンピューティングシステム506」と呼ばれる)とを含む。撮像デバイス502およびコンピューティングシステム506は、撮像デバイス502によって作成された1つまたは複数の画像および/または任意の他のデータを含むデータを送信/受信するなど、1つまたは複数のネットワーク508を介して通信するように構成することができる。コンピューティングシステム506は、医師、技術者、放射線科医などのユーザから入力を受信し、かつ/またはユーザに出力を提供するように構成することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、撮像デバイス502は、人工弁の移植前に患者504の1つまたは複数の処置前画像を生成し、1つまたは複数の処置前画像をコンピューティングシステム506に提供するように構成することができる。コンピューティングシステム506は、医師とインターフェースするか、または独立して動作して、1つまたは複数の処置前画像に基づいて、自然弁上の1つまたは複数のミネラル形成の位置/特性を決定することができる。人工弁の移植に続いて、または移植中に、撮像デバイス502は、患者504の1つまたは複数の処置画像または処置後画像を生成し、1つまたは複数の処置画像または処置後画像をコンピューティングシステム506に提供するように構成することができる。コンピューティングシステム506は、医師とインターフェースするか、または独立して動作して、心臓血管内の1つまたは複数のミネラル形成の位置を識別することができる。さらに、コンピューティングシステム506は、1つまたは複数のミネラル形成の位置を示す処置前データを使用して、心臓血管内の自然弁の位置を決定することができ、これは、一般に、人工弁の移植に起因する変位位置であり得る。さらに、コンピューティングシステム506は、心臓血管内の人工弁の位置を決定することができる。自然弁および/または人工弁の位置に基づいて、コンピューティングシステム506は、冠状動脈などの心臓血管内の流体血管にアクセスするために利用可能な空間の量を決定することができる。
【0043】
コンピューティングシステム506および撮像デバイス502は、多くの実施形態では、処置前処理と処置後処理の両方を実行するものとして説明されているが、コンピューティングシステム506および/または撮像デバイス502は、処置前処理および/または処置後処理を実行することができる1つまたは複数のデバイス/システムとして実装することができる。いくつかの実施形態では、第1のコンピューティングシステムおよび/または撮像デバイスを使用して、処置前処理を実行することができ、一方、第2のコンピューティングシステムおよび/または撮像デバイスを使用して、処置後処理を実行することができる。さらに、いくつかの実施形態では、撮像デバイス502およびコンピューティングシステム506は、同じ施設/環境/位置に配置され、他の実施形態では、撮像デバイスおよびコンピューティングシステム506は、別個の施設/環境/位置に配置される。
【0044】
コンピューティングシステム506は、1つまたは複数のデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、サーバ、スマートフォン、電子リーダデバイス、モバイルハンドセット、パーソナルデジタルアシスタント、ポータブルナビゲーションデバイス、ポータブルゲームデバイス、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス(たとえば、腕時計、光学ヘッドマウントディスプレイなど)、ポータブルメディアプレーヤ、テレビ、セットトップボックス、車両内のコンピュータシステム、電気器具、カメラ、セキュリティシステム、ホームベースのコンピュータシステム、プロジェクタ、医療モニタなどのような1つまたは複数のコンピューティングデバイスとして実装することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、クラスタ、データセンター、クラウドコンピューティング環境、またはそれらの組合せで構成される。さらに、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、撮像デバイス502から離れて位置するリモートコンピューティングリソースとして実装される。他の実施形態では、1つまたは複数のコンピューティングデバイスは、撮像デバイス502の環境にローカルに位置するローカルリソースとして実装される。
【0045】
図示のように、コンピューティングシステム506は、制御回路510、1つまたは複数のI/Oコンポーネント512、1つまたは複数のネットワークインターフェース514、および/またはデータストレージ/メモリ516のコンポーネント、デバイス、モジュール、および/またはユニット(本明細書では「コンポーネント」と呼ぶ)のうちの1つまたは複数を、別々に/個別に、および/または組み合わせて/まとめて含むことができる。コンピューティングシステム506のいくつかのコンポーネントが
図5に示されているが、図示されていない追加のコンポーネントを本開示による実施形態に含めることができることを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、図示されたコンポーネントのうちのいくつかを省略することができる。制御回路510は、
図5の図では別個のコンポーネントとして示されているが、コンピューティングシステム506の残りのコンポーネントのいずれかまたはすべてを、少なくとも部分的に制御回路510で具現化できることを理解されたい。すなわち、制御回路510は、様々なデバイス(能動および/または受動)、半導体材料および/またはエリア、層、領域、および/またはその一部、導体、リード、ビア、接続などを含むことができ、コンピューティングシステム506の他のコンポーネントの1つもしくは複数および/またはその一部は、そのような回路コンポーネント/デバイス内に/によって少なくとも部分的に形成および/または具現化することができる。
【0046】
コンピューティングシステム506の様々なコンポーネントは、制御回路510の一部であってもなくてもよい、いくつかの接続回路/デバイス/機能を使用して、電気的および/または通信可能に結合することができる。たとえば、接続機能は、コンピューティングシステム506の様々なコンポーネント/回路のうちの少なくともいくつかの取付および/または相互接続を容易にするように構成された1つまたは複数のプリント回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御回路510、1つもしくは複数のI/Oコンポーネント512、1つもしくは複数のネットワークインターフェース514、および/またはデータストレージ/メモリ516のうちの2つ以上は、互いに電気的および/または通信可能に結合され得る。
【0047】
1つまたは複数のI/Oコンポーネント512は、ユーザとのインターフェースなどのために、入力を受信し、かつ/または出力を提供するための様々なコンポーネントを含むことができる。1つまたは複数のI/Oコンポーネント512は、タッチ、スピーチ、ジェスチャ、または任意の他のタイプの入力を受信するように構成することができる。さらに、1つまたは複数のI/Oコンポーネント512は、表示データ、オーディオデータ、触覚フィードバックデータ、または任意の他のタイプの出力データを出力するように構成することができる。1つまたは複数のI/Oコンポーネント512は、1つまたは複数のディスプレイ(「1つまたは複数の表示デバイス」と呼ばれることもある)、タッチスクリーン、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(たとえば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想または拡張現実デバイス(たとえば、ヘッドマウントディスプレイ)、スピーカ(たとえば、オーディオ信号に基づいてサウンドを出力するように構成される)、マイクロフォン(たとえば、サウンドを受信し、オーディオ信号を生成するように構成される)、カメラなどを含むことができる。1つまたは複数のディスプレイは、1つまたは複数の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ、および/または任意の他のタイプの技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のディスプレイは、入力を受信し、かつ/またはデータを表示するように構成された1つまたは複数のタッチスクリーンを含む。
【0048】
1つまたは複数のネットワークインターフェース514は、1つまたは複数のネットワーク508を介して1つまたは複数のデバイス/システムと通信するように構成することができる。たとえば、1つまたは複数のネットワークインターフェース514は、撮像デバイス502によって取り込まれた1つまたは複数の画像など、ネットワークを介してワイヤレスおよび/またはワイヤードでデータを送信/受信することができる。1つまたは複数のネットワーク508は、1つまたは複数のローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(たとえば、インターネット)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ボディエリアネットワーク(BAN)などを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のネットワークインターフェース514は、Bluetooth、Wi-Fi、ニアフィールド通信(NFC)などのワイヤレス技術を実装することができる。
【0049】
図示のように、メモリ516は、本明細書で説明する様々な機能を容易にするように構成された特徴決定コンポーネント518、グラフィカルユーザインターフェースコンポーネント520、および/または画像処理コンポーネント522を含むことができる。いくつかの実施形態では、コンポーネント518~522のうちの1つもしくは複数は、制御回路510によって実行されると、制御回路510に1つもしくは複数の動作を実行させる、1つまたは複数の実行可能命令を含むことができ、かつ/または1つもしくは複数の実行可能命令として実装することができる。多くの実施形態が、制御回路512によって実行可能な1つまたは複数の命令を含むコンポーネント518~522の文脈で説明されているが、コンポーネント518~522のいずれも、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つまたは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つまたは複数のプログラム固有標準製品(ASSP)、1つまたは複数の複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)など、1つまたは複数のハードウェア論理コンポーネントとして少なくとも部分的に実装することができる。さらに、コンポーネント518~522は、コンピューティングシステム506内に含まれるものとして示されているが、コンポーネント518~522のいずれも、撮像デバイス502および/または別のデバイス/システムなどの別のデバイス/システム内に少なくとも部分的に実装することができる。同様に、コンピューティングシステム506の他のコンポーネントのいずれも、別のデバイス/システム内で少なくとも部分的に実装することができる。
【0050】
特徴決定コンポーネント518は、1つもしくは複数の解剖学的特徴および/または1つもしくは複数の解剖学的特徴の特性/位置を識別するように構成することができる。たとえば、特徴決定コンポーネント518は、撮像デバイス502によってキャプチャされ、かつ/または画像データストア524に記憶された1つまたは複数の処置前画像を評価することができる。1つまたは複数の処置前画像は、人工弁が心臓血管内に移植される前など、医療デバイスが患者504に移植される前の患者504の1つまたは複数の特徴を表すことができる。1つまたは複数の処置前画像の評価は、患者504内の1つまたは複数の解剖学的特徴の1つまたは複数の特性/位置を決定することができる。たとえば、特徴決定コンポーネント518は、自然弁尖の特性/位置(たとえば、心臓血管内の自然弁尖の位置、弁尖の長さ、弁尖の端部から特定の平面までの距離、接合弁尖に基づく自然弁尖の端部の位置など)、ミネラル堆積物の特性/位置(たとえば、自然弁尖上のミネラル堆積物の位置、ミネラル堆積物の寸法など)、自然弁尖の周囲の解剖学的構造の特性/位置(たとえば、冠状動脈の直径、大動脈の直径、冠状動脈口の弁輪平面および底面からの距離など)、接合弁尖の特性/位置(たとえば、接合弁尖の位置)などを決定することができる。特徴決定コンポーネント518は、そのような特性/位置を示すデータを解剖学的特徴データストア526に記憶することができる(「処置前データ」と呼ばれることもある)。
【0051】
さらに、特徴決定コンポーネント518は、撮像デバイス502によってキャプチャされ、かつ/または画像データストア524に記憶された1つまたは複数の処置画像または処置後画像を評価することができる。1つまたは複数の処置または処置後画像は、医療デバイスが患者504に移植されている間、および/または人工弁が心臓血管内に移植された後など、医療デバイスが移植された後に、患者504の1つまたは複数の特徴を表すことができる。1つまたは複数の処置または処置後画像の評価は、処置中/処置後の患者504内の1つまたは複数の解剖学的特徴の1つまたは複数の特性/位置を決定することができる。たとえば、特徴決定コンポーネント518は、処置中/処置後の自然弁尖の特性/位置、処置中/処置後の自然弁尖上のミネラル堆積物の特性/位置、処置中/処置後の自然弁尖の周囲の解剖学的構造の特性/位置、処置中/処置後の解剖学的特徴へのアクセス量(たとえば、冠状動脈へのアクセス量)など、大動脈環状/弁領域に関連する1つまたは複数の特性/位置を決定することができる。特徴決定コンポーネント518は、そのような特性/位置を示すデータを解剖学的特徴データストア526に記憶することができる(「処置データ」または「処置後データ」と呼ばれることもある)。
【0052】
1つまたは複数の処置画像または処置後画像を評価する際に、特徴決定コンポーネント518は、処置前データなど、解剖学的特徴データストア526に記憶されたデータを参照することができる。たとえば、特徴決定コンポーネント518は、処置後画像内のカルシウム表現を識別し、特定のカルシウム堆積物の特性(たとえば、カルシウム堆積物の寸法)を示す処置前データに基づいて、カルシウム表現が自然弁尖上の特定のカルシウム堆積物に対応することを決定することができる。さらに、特徴決定コンポーネント518はまた、処置前データに基づいて、心臓血管内の自然弁尖の位置を決定することができ、これは、自然弁尖の端部からカルシウム堆積物までの距離など、自然弁尖上のカルシウム堆積物の位置を示すことができる。さらに、特徴決定コンポーネント518は、自然弁尖に近接して位置する流体血管へのアクセスの量を決定することができる(たとえば、自然弁尖の位置が流体血管へのアクセスをどれだけブロックするかを決定する)。たとえば、医療機器が大動脈から冠状動脈にアクセスするために、(現在、冠状動脈口を部分的に覆っている可能性がある)自然弁尖の周りに十分な空間があるかどうかを決定することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、特徴決定コンポーネント518は、壁、カルシウム堆積物、接合弁尖、腔、および/または可視の/表された他の解剖学的特徴など、1つもしくは複数の画像において可視の/表された解剖学的特徴を識別するために、1つもしくは複数の処置前画像、処置画像、および/または処置後画像を評価することができる。そのような可視の/表された解剖学的特徴の識別に基づいて、特徴決定コンポーネント518は、可視の/表された解剖学的特徴の特性/位置を決定することができる。さらに、特徴決定コンポーネント518は、可視の/表された解剖学的特徴の特性/位置に基づいて、隠れた/表されていない解剖学的特徴および/または隠れた/表されていない解剖学的特徴の特性/位置を識別することができる。特徴決定コンポーネント518は、解剖学的特徴データストア526に、表されたおよび/または表されていない解剖学的特徴に関する特性/位置を記憶することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、特徴決定コンポーネント518は、異なる向き/位置/角度から、複数の処置前、処置、および/または処置後を評価することができる。たとえば、特徴決定コンポーネント518は、患者内の第1の向き/位置からの第1の画像を分析し、患者内の第2の向き/位置からの第2の画像を分析することによって、解剖学的特徴の1つまたは複数の特性/位置を識別することができる。
【0055】
1つまたは複数の解剖学的特徴の例示的な特性/位置は、自然弁尖の特性/位置(たとえば、自然弁尖の厚さ/長さ/幅/形状、心臓血管内の自然弁尖の位置、自然弁尖の端部から特定の平面までの距離、接合弁尖に基づく自然弁尖の端部の位置など)、ミネラル形成の特性/位置(たとえば、ミネラル形成の厚さ/長さ/幅/形状、自然弁尖上のミネラル形成の位置、心臓血管内のミネラル形成の位置など)、流体血管の特性/位置(たとえば、冠状動脈の直径、大動脈/大動脈根の直径など)、開口部の特性/位置(たとえば、大動脈弁輪領域内のおよび/または自然弁尖/人工弁に対する冠状動脈口の位置など)、および/または任意の他の特性/寸法を含むことができる。いくつかの実施形態では、解剖学的特徴の位置は、別の解剖学的特徴までの距離、人工弁までの距離、ミネラル形成までの距離などの寸法で表され/示される。さらに、いくつかの実施形態では、解剖学的特徴の位置は、座標系/空間内の解剖学的特徴の1つまたは複数の座標を含むことができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、解剖学的特徴の1つまたは複数の特性/位置は、人体構造内に移植された人工弁のサイズ/形状/位置などの、解剖学的特徴に移植されたデバイスの1つまたは複数の特性/位置を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、解剖学的特徴の1つまたは複数の特性/位置は、解剖学的特徴に付着および/または埋め込まれたミネラル形成の1つまたは複数の特性/位置を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、解剖学的特徴の1つまたは複数の特性/位置は、視覚的表現のサイズ、視覚的表現の色/陰影、画像内の視覚的表現の位置など、画像内の解剖学的特徴の視覚的表現の特性/位置を含むことができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、特徴決定コンポーネント518は、グラフィカルユーザインターフェースコンポーネント520と協働して動作する。たとえば、グラフィカルユーザインターフェースコンポーネント520は、画像を含むインターフェースを提供するように構成することができる。医師または技術者などのユーザは、画像を見て、解剖学的特徴の特性に関する入力を提供することができる。一例では、ユーザは、カルシウム堆積物、弁尖、冠状動脈、大動脈壁など、特定の解剖学的特徴を表すものとして画像内の表現を指定することができる。別の例では、ユーザは、画像上の第1の点/位置および画像内の第2の点/位置を指定し、第1の点/位置と第2の点/位置との間の距離を計算することを要求する入力を提供することができる。ユーザはまた、距離にラベルを付けるための入力を提供することもできる。例では、ユーザは、
図6および
図7で論じた例示的な寸法のいずれかを決定/ラベル付けするための入力を提供することができる。例では、特徴決定コンポーネント518は、ユーザによって提供された入力を使用して、1つまたは複数の画像を評価し、かつ/または526における解剖学的特徴データストアに1つまたは複数の解剖学的特徴の1つまたは複数の特性/位置に関するデータを記憶することができる。
【0058】
さらに、いくつかの実施形態では、特徴決定コンポーネント518は、画像を評価するために画像処理コンポーネント522と協働して動作する。たとえば、画像処理コンポーネント522は、1つまたは複数の画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行して、1つまたは複数の画像内の画像ベースの特徴を自動的に識別し、かつ/または1つまたは複数の画像ベースの特徴を解剖学的特徴として分類することができる。いくつかの実施形態では、画像処理コンポーネント522は、1つまたは複数の機械訓練モデルなどの1つまたは複数の人工知能技法を使用して、1つまたは複数の画像を分析する。例では、特徴決定コンポーネント518は、画像処理コンポーネント522によって決定された情報を使用して、1つまたは複数の画像を評価し、および/または526における解剖学的特徴データストアに1つまたは複数の解剖学的特徴の特性/位置に関するデータを記憶することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、コンポーネント518~522のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の画像を評価して、1つまたは複数の画像において一般に可視化されない/表されない可能性がある解剖学的特徴を識別する。たとえば、自然弁尖は、自然弁尖の特性(たとえば、自然弁尖のサイズ/寸法)、撮像デバイス502の特性(たとえば、撮像デバイス502の検出可能な解像度)などのために、心臓血管の画像において可視化されない/表されない可能性がある。例示のために、撮像デバイス502は、特定のサイズ/厚さよりも大きい解剖学的特徴を検出するように構成することができ、自然弁尖は、その特定のサイズ/厚さよりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、自然弁尖よりも大きいサイズを有し得る人工弁への自然弁尖の近接性、および/または撮像デバイス502が人工弁からのより強い信号を検出することになる他の特性のために、自然弁尖が検出されないことがある。すなわち、人工弁からの信号は、自然弁尖からの信号よりも強く、自然弁尖を検出されないようにすることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、単一の弁尖は、画像において可視化されない/表されない場合があるが、接合弁尖は、画像において可視化/表され得る。接合弁尖の位置/特性を使用して、自然弁尖の先端/端部を決定することができる。たとえば、コンポーネント518~522のうちの1つまたは複数は、画像を評価して、接合弁尖を識別し、ミネラル堆積物から自然弁尖(すなわち、接合弁尖)の先端までの距離など、心臓血管内の接合弁尖および/または他の解剖学的特徴の特性/位置を決定することができる。
【0061】
本明細書で生成/決定されたデータ/情報は、様々な方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、解剖学的特徴の特性/位置に関するデータを使用して、再アクセス処置などの処置を行うことができるかどうかを決定することができる。たとえば、コンピューティングシステム506は、大動脈弁に人工弁を埋め込んだ後の冠状動脈へのアクセス量を示すデータを生成することができる。そのようなデータは、カテーテルなどの医療機器が大動脈から冠状動脈にアクセスできるかどうかを決定するために使用することができる。例では、利用可能な空間の量が医療機器の直径よりも2~3倍大きい場合、医療機器を用いて冠状動脈にアクセスするための十分な空間があると決定することができる。例では、冠状動脈へのアクセスは、人工弁のフレームを介するなど、人工弁の上方/周囲/を通して、および/または自然弁尖の上方/周囲で行うことができる。例では、冠状動脈などの解剖学的特徴へのアクセス量に関するデータを、医師、技術者、患者などのユーザに提供して、人工弁の移植後に処置を行う際、および/または処置に適した患者を選択する際に成功する可能性に関する決定をユーザが行うのを支援することができる。例では、そのような情報は、ユーザインターフェースを介してユーザに表示することができる。
【0062】
さらに、いくつかの実施形態では、解剖学的特徴の特性/位置に関するデータを使用して、医療機器が大動脈から冠状動脈にアクセスすべき場所/方法を示す情報など、処置を行うための命令/情報を生成することができる。この処置は、医師および/またはロボットシステム(たとえば、ロボット制御処置)によって行われ得る。さらに、いくつかの実施形態では、解剖学的特徴の特性/位置に関するデータは、人工弁を最初に移植するため、および/または人工弁を再配置するための処置の後など、処置の間に使用することができる。そのようなデータは、冠状動脈および/または他の解剖学的特徴に対するブロックを最小限に抑えるために、適切な位置に人工弁を配置または再配置するのを支援することができる。加えて、いくつかの実施形態では、解剖学的特徴の特性/位置に関するデータを使用して、移植された人工弁内に追加の人工弁を移植することができる(「TAVI-in-TAVI処置」と呼ばれることもある)。さらに、いくつかの実施形態では、解剖学的特徴の特性/位置に関するデータは、複数の患者から収集され、自然弁尖の平均位置、流体血管にアクセスするために利用可能な空間の平均量など、複数の患者に関するメトリックを決定するために使用され得る。例では、そのようなメトリックは、処置の実行に関する決定を行うことを支援するために、ユーザに提供することができる。
【0063】
上述のように、画像データストア524は、処置前画像、処置画像、および/または処置後画像などの1つまたは複数の画像を記憶することができる。画像データストア524は、撮像デバイス502および/または他の撮像デバイスからの画像を記憶することができる。同様に、解剖学的特徴データストア526は、処置前の解剖学的特徴、処置の解剖学的特徴、および/または処置後の解剖学的特徴の特性/位置に関するデータを記憶することができる。解剖学的特徴データストア526は、特徴決定コンポーネント518、グラフィカルユーザインターフェースコンポーネント520、画像処理コンポーネント522、および/または別のデバイス/システムによって決定/生成されたデータを記憶することができる。画像データストア524および解剖学的特徴データストア526は、コンピューティングシステム506内に含まれるものとして示されているが、いくつかの実施形態では、画像データストア524および/または解剖学的特徴データストア526は、リモートリソース内など、他の場所で実施することができる。
【0064】
撮像デバイス502は、1つまたは複数のコンピュータ断層撮影(CT)またはコンピュータ軸断層撮影(CAT)デバイス、磁気共鳴撮像(MRI)デバイス、X線デバイス、超音波デバイス、赤外線サーモグラフィ(IRT)デバイス、陽電子放射断層撮影(PET)デバイス、および/または他のタイプの医療用撮像デバイスとして実装することができる。撮像デバイス502は、一般に、患者の器官/組織/他の解剖学的特徴などの内部解剖学的構造の視覚的表現を含む1つまたは複数の画像をキャプチャ/生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、撮像デバイス502は、患者504の異なる向き/角度から1つまたは複数の画像をキャプチャ/生成する。これにより、患者504の解剖学的構造を、異なるスライスのデータで、および/または異なる向きから見ることが可能になる。撮像デバイス502は、2次元(2D)画像、3次元(3D)画像、モデルなどを生成するように構成することができる。いくつかの実施形態では、造影剤または他の物質が、画像のキャプチャ/生成を支援するために使用される。たとえば、患者は、造影剤を含む物質を摂取して、撮像デバイス502による画像のキャプチャ/生成を支援することが必要になり得る。
【0065】
図示のように、撮像デバイス502は、制御回路528、1つまたは複数のネットワークインターフェース530、データストレージ/メモリ532、1つまたは複数のI/Oコンポーネント534、および1つまたは複数の撮像コンポーネント536のコンポーネント、デバイス、モジュール、および/またはユニット(本明細書では「コンポーネント」と呼ぶ)のうちの1つまたは複数を、別々に/個別に、および/または組み合わせて/まとめて含むことができる。撮像デバイス502のいくつかのコンポーネントが
図5に示されているが、図示されていない追加のコンポーネントを本開示による実施形態に含めることができることを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態では、図示されたコンポーネントのうちのいくつかを省略することができる。制御回路528は、
図5の図では別個のコンポーネントとして示されているが、撮像デバイス502の残りのコンポーネントのいずれかまたはすべてを、少なくとも部分的に制御回路528で具現化できることを理解されたい。すなわち、制御回路528は、様々なデバイス(能動および/または受動)、半導体材料および/またはエリア、層、領域、および/またはその一部、導体、リード、ビア、接続などを含むことができ、撮像デバイス502の他のコンポーネントの1つもしくは複数および/またはその一部は、そのような回路コンポーネント/デバイス内に/によって少なくとも部分的に形成および/または具現化することができる。
【0066】
撮像デバイス502の様々なコンポーネントは、制御回路528の一部であってもなくてもよい、いくつかの接続回路/デバイス/機能を使用して、電気的および/または通信可能に結合することができる。たとえば、接続機能は、撮像デバイス502の様々なコンポーネント/回路のうちの少なくともいくつかの取付および/または相互接続を容易にするように構成された1つまたは複数のプリント回路基板を含むことができる。いくつかの実施形態では、制御回路528、1つもしくは複数のネットワークインターフェース530、データストレージ/メモリ532、1つもしくは複数のI/Oコンポーネント534、および/または1つもしくは複数の撮像コンポーネント536のうちの2つ以上は、互いに電気的および/または通信可能に結合され得る。
【0067】
1つまたは複数のネットワークインターフェース530は、1つまたは複数のネットワーク508を介して1つまたは複数のデバイス/システムと通信するように構成することができる。たとえば、1つまたは複数のネットワークインターフェース530は、1つまたは複数の画像など、ネットワークを介してワイヤレスおよび/またはワイヤードでデータを送信/受信することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のネットワークインターフェース530は、Bluetooth、Wi-Fi、ニアフィールド通信(NFC)などのワイヤレス技術を実装することができる。
【0068】
1つまたは複数のI/Oコンポーネント534は、ユーザとのインターフェースなどのために、入力を受信し、かつ/または出力を提供するための様々なコンポーネントを含むことができる。1つまたは複数のI/Oコンポーネント534は、タッチ、スピーチ、ジェスチャ、または任意の他のタイプの入力を受信するように構成することができる。さらに、1つまたは複数のI/Oコンポーネント534は、表示データ、オーディオデータ、触覚フィードバックデータ、または任意の他のタイプの出力データを出力するように構成することができる。1つまたは複数のI/Oコンポーネント534は、1つまたは複数のディスプレイ(「1つまたは複数の表示デバイス」と呼ばれることもある)、タッチスクリーン、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス(たとえば、光学ヘッドマウントディスプレイ)、仮想または拡張現実デバイス(たとえば、ヘッドマウントディスプレイ)、スピーカ(たとえば、オーディオ信号に基づいてサウンドを出力するように構成される)、マイクロフォン(たとえば、サウンドを受信し、オーディオ信号を生成するように構成される)、カメラなどを含むことができる。1つまたは複数のディスプレイは、1つまたは複数の液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、電子ペーパーディスプレイ、および/または任意の他のタイプの技術を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のディスプレイは、入力を受信し、かつ/またはデータを表示するように構成された1つまたは複数のタッチスクリーンを含む。
【0069】
1つまたは複数の撮像コンポーネント536は、信号/放射線を提供/生成し、かつ/または信号/放射線を受信/検出するように構成された生成器、センサ、検出器、カメラなどを含むことができ、1つまたは複数の画像をキャプチャ/生成するために使用することができる。いくつかの実施形態では、撮像デバイス502は、患者504を保持し、かつ/または患者504を1つまたは複数の撮像コンポーネント536の近傍内に移動させるための構造を含むことができる。
【0070】
「制御回路」という用語は、本明細書では、その広い意味および通常の意味に従って使用され、1つまたは複数のプロセッサ、処理回路、処理モジュール/ユニット、チップ、ダイ(たとえば、1つまたは複数の能動および/または受動デバイスおよび/または接続回路を含む半導体ダイ)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、状態機械(たとえば、ハードウェア状態機械)、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、ならびに/あるいは回路および/または動作命令のハードコーディングに基づいて信号(アナログおよび/またはデジタル)を操作する任意のデバイスの任意の集合を指すことができる。制御回路は、単一のメモリデバイス、複数のメモリデバイス、および/またはデバイスの埋め込み回路内に具現化することができる、1つまたは複数の記憶デバイスをさらに含むことができる。そのようなデータストレージは、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックメモリ、ダイナミックメモリ、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、データ記憶レジスタ、および/またはデジタル情報を記憶する任意のデバイスを含むことができる。制御回路がハードウェア状態機械を含む(および/またはソフトウェア状態機械を実装する)実施形態では、アナログ回路、デジタル回路、および/または論理回路、任意の関連する動作命令を記憶するデータ記憶デバイス/レジスタは、状態機械、アナログ回路、デジタル回路、および/または論理回路を含む回路内またはその外部に埋め込むことができることに留意されたい。
【0071】
「メモリ」という用語は、本明細書では、その広範かつ通常の意味に従って使用され、任意の適切なまたは望ましいタイプのコンピュータ可読媒体を指すことができる。たとえば、コンピュータ可読媒体は、任意の適切なまたは望ましいコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のタイプのデータを含む、任意の技術、レイアウト、および/またはデータ構造/プロトコルを使用して実装された、1つまたは複数の揮発性データ記憶デバイス、不揮発性データ記憶デバイス、リムーバブルデータ記憶デバイス、および/または非リムーバブルデータ記憶デバイスを含むことができる。
【0072】
本開示の実施形態に従って実装することができるコンピュータ可読媒体は、限定はしないが、相変化メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいはコンピューティングデバイスによるアクセスのための情報を記憶するために使用することができる任意の他の非一時的媒体を含む。本明細書のいくつかのコンテキストにおいて使用されるように、コンピュータ可読媒体は、一般に、変調されたデータ信号および搬送波などの通信媒体を含まない場合がある。したがって、コンピュータ可読媒体は、一般に、非一時的媒体を指すと理解されたい。
【0073】
例示的な心臓血管
図6および
図7は、1つまたは複数の実施形態による、例示的な解剖学的特徴および解剖学的特徴の特性/位置の断面図を示す。特に、
図6および
図7は、大動脈602に関連付けられた解剖学的特徴、すなわち、大動脈弁輪/弁領域を示し、これは、自然弁尖604の端部608で大動脈弁輪606に取り付けられた自然弁尖604と、冠状動脈口612を介して大動脈602に流体接続された冠状動脈610とを含む。図示のように、自然弁尖604は、自然弁尖604に埋め込まれ、かつ/または取り付けられたカルシウム堆積物614を含む。これらの例では、冠状動脈610は左冠状動脈であり、いくつかの場合には、右冠状動脈と比較して、人工弁移植時に閉塞の危険性がより高い可能性がある。しかしながら、左冠状動脈610に関する説明は、同様に、右冠状動脈(図示せず)、別のタイプの流体血管、および/または任意の他の解剖学的特徴に適用可能であることを理解されたい。
図6は、大動脈弁内に人工弁702が移植されていない処置前状態の自然弁尖604を示し、
図7は、大動脈弁内に人工弁702が移植された処置後状態の自然弁尖604を示す。
【0074】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じる技法およびシステムは、
図6に示す解剖学的特徴を表す1つまたは複数の処置前画像を評価して、1つまたは複数の処置前画像において可視の/表された解剖学的特徴、たとえば、大動脈壁、カルシウム堆積物614、弁尖先端/端部(たとえば、接合弁尖に基づく)、冠状動脈610、および/または可視の/表された他の解剖学的特徴を識別することができる。1つまたは複数の処置前画像を評価するいくつかの例では、閉鎖/拡張期の間など、弁尖が別の弁尖と接合するときに、自然弁尖先端/端部を識別することができる。1つまたは複数の処置前画像において可視の/表された解剖学的特徴を識別することに基づいて、本技法およびシステムは、可視の/表された解剖学的特徴(および/または隠れた/表されていない解剖学的特徴)の特性/位置を決定することができ、位置決めは、1つまたは複数の寸法で表現される。
【0075】
図6は、1つまたは複数の処置前画像について決定することができる(解剖学的特徴の位置を表す/識別することができる)いくつかの例示的な寸法を示し、弁輪の平面618と冠状動脈口612の平面620(「下側平面620」とも呼ばれる)との間の距離/寸法A、自然弁尖接合の平面622と自然交連平面624との間の距離/寸法B、冠状動脈610の直径/寸法C(その口612に近接する左冠状動脈610の直径を表すことができる)、カルシウム堆積物614の上端と冠状動脈口612の底面620との間の距離/寸法D、カルシウム堆積物614の上端616と弁尖604の端部616との間の距離/寸法E、弁輪の平面618と自然弁尖接合の平面622との間の距離/寸法F、および/またはカルシウム堆積物614の上端と弁輪の平面618との間の距離/寸法Gを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、
図6に示されるように、カルシウム堆積物614の上端が、拡張期の間に冠状動脈口612の平面620の下に位置する場合、距離Dは、そのようなことを示す識別子(たとえば、正の符号(+))に関連付けられ得る。さらに、カルシウム堆積物614の上端が、拡張期の間に冠状動脈口612の平面620の上に位置する場合、距離Dは、そのようなことを示す識別子(たとえば、負の符号(-))に関連付けられ得る。
【0077】
図7は、人工弁702が移植された、
図6の大動脈弁の一例を示す。特に、人工弁702は、大動脈弁において移植/配備された状態に拡張される。図示のように、自然弁尖604は、実質的に真っ直ぐで垂直な位置に再配置される。ここで、自然弁尖604および/または人工弁702は、冠状動脈口612を少なくとも部分的にブロックする。
【0078】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じる技法およびシステムは、
図7に示す解剖学的特徴を表す1つまたは複数の処置/処置後画像を評価して、1つまたは複数の画像において可視の/表された解剖学的特徴、たとえば、大動脈壁、カルシウム堆積物614、冠状動脈610、人工弁710、および/または可視の/表された他の解剖学的特徴を識別することができる。1つまたは複数の処置/処置後画像において可視の/表された解剖学的特徴を識別することに基づいて、本技法およびシステムは、可視の/表された解剖学的特徴(および/または隠れた/表されていない解剖学的特徴)の特性/位置を決定することができ、位置決めは、1つまたは複数の寸法で表現される。
【0079】
図7は、1つまたは複数の処置/処置後画像について決定することができるいくつかの例示的な寸法(解剖学的特徴の位置を表す/識別することができる)を示し、冠状動脈口612の平面620とカルシウム堆積物614の上端との間の距離/寸法H(たとえば、カルシウム堆積物614の上端の平面704)、人工弁702のフレームと冠状動脈口612の中心との間の距離/寸法I、カルシウム堆積物614の上端の平面704と洞管接合(STJ)平面706との間の距離/寸法J、および/またはカルシウム堆積物614の上端の平面704と人工弁702の上端708との間の距離/寸法Kを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、カルシウム堆積物614の上端が、人工弁702の配備後に冠状動脈口612の平面620の下に位置する場合、距離Hは、そのようなことを示す識別子(たとえば、正の符号(+))に関連付けられ得る。さらに、カルシウム堆積物614の上端が、
図7に示されるように、人工弁702の配備後に冠状動脈口612の平面620の上方に位置する場合、距離Hは、そのようなことを示す識別子(たとえば、負の符号(-))に関連付けられ得る。さらに、いくつかの実施形態では、人工弁702が移植されると、自然弁尖604の上端/先端の位置は、冠状動脈口612の中心の位置に近づく。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じる技法およびシステムは、
図6および/または
図7を参照して上記で論じた寸法のうちの1つまたは複数に基づいて、移植された人工弁702を用いて解剖学的特徴を表す/識別するために、1つまたは複数の追加の寸法を決定することができ、たとえば、人工弁702の上端708と冠状動脈口612の平面620との間の距離/寸法K-H(すなわち、距離Kプラス距離H)、STJ平面706と人工弁702の上端708との間の距離/寸法J-K(すなわち、距離Jマイナス距離K)、STJ平面706と自然弁604の上端/先端616との間の距離/寸法J-E(すなわち、距離Jマイナス距離E)、人工弁702の上端708と自然弁尖604の上端616との間の距離/寸法K-E(すなわち、距離Kマイナス距離E)、および/または、自然弁尖604の上端616と冠状動脈口612の平面620との間の距離/寸法E-H(すなわち、距離Eプラス距離H)を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じる技法およびシステムは、冠状動脈620へのアクセス量を決定するために、上記で論じた寸法のうちの1つまたは複数を使用することができる。たとえば、距離K-H、K-E、および/またはJ-Eは、人工弁702の上/を通して、および/または自然弁尖604の上で冠状動脈610にアクセスするために利用可能な空間の量を示すことができる。言い換えれば、距離K-H、K-E、および/またはJ-Eは、人工弁702および/または自然弁尖604が冠状動脈610に対する冠状動脈口612をどれだけ妨害しているかを示すことができる。そのような情報は、人工弁702の移植により冠状動脈610を通るアクセスで処置を行うことができるかどうかを決定するのに有用であり得る。人工弁702が大動脈弁に移植されると(
図7に示されるように)、冠状動脈610へのアクセス量は、(
図6に示されるように)人工弁を有さない大動脈弁と比較して低減する。距離K-H、K-E、および/またはJ-Eが例で論じられるが、冠状動脈610にアクセスするために利用可能な空間の量を決定する際に、1つまたは複数の他の寸法を使用することができる。
【0083】
いくつかの例示的な寸法が
図6および
図7を参照して説明されるが、他の寸法を付加的にまたは代替的に決定することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で論じる技法およびシステムは、解剖学的特徴に関連付けられた距離/寸法を決定するために、1つまたは複数のアルゴリズム、たとえば、画像内のピクセルの数またはピクセル間の距離を解剖学的特徴の距離/寸法に変換するアルゴリズムを使用することができる。
【0084】
例示的なフロー図
図8A、
図8B、および
図9は、本明細書で説明する1つまたは複数の技法を実行するためのプロセスの例示的なフロー図を示す。プロセスに関連付けられた様々なブロックは、1つまたは複数のデバイス/システム、ユーザなどによって実行することができる。たとえば、ブロックのうちの1つまたは複数は、コンピューティングシステム506および/または撮像デバイス502の制御回路によって実行することができ、かつ/または医師、技術者、および/または任意の他のユーザによって実行することができる。
【0085】
図8A~
図8Bは、1つまたは複数の実施形態による、解剖学的特徴の位置/特性を決定するために1つまたは複数の画像を分析するためのプロセス804の例示的なフロー図を示す。
図8Aでは、ブロック802で、プロセス800は、心臓血管内の自然弁を表す1つまたは複数の第1の画像を取得することを含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイス/システムの制御回路は、撮像デバイスから1つまたは複数の処置前画像を受信することができる。1つまたは複数の処置前画像は、大動脈弁輪領域内の大動脈弁などの心臓血管を表すデータを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、ユーザは、撮像デバイス、コンピューティングシステム、および/または別のデバイス/システムから1つまたは複数の処置前画像を取得/受信することができる。
【0086】
ブロック804において、プロセス800は、1つまたは複数のミネラル形成の1つまたは複数の特性/位置を決定するために、1つまたは複数の第1の画像を分析することを含むことができる。例において、ミネラル形成の特性は、ミネラル形成のサイズ/形状/寸法を含むことができる。さらに、例では、ミネラル形成の位置は、自然弁尖、冠状動脈、大動脈壁、座標系/空間などの先端/端部または別の部分などの解剖学的特徴に対するミネラル形成の位置を含むことができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、ブロック806に示されるように、制御回路は、1つまたは複数のミネラル形成の1つまたは複数の特性/位置を決定するために、1つまたは複数の処置前画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行することができる。たとえば、1つまたは複数の画像処理技法は、画像内の1つまたは複数の画像特徴(たとえば、エッジ、コーナー、ブロブ、リッジなど)を識別しようとする検出、画像/フレームにわたって1つまたは複数の画像特徴を追跡しようとする追跡、および/または1つもしくは複数の画像特徴を1つもしくは複数のカテゴリに分類しようとする分類を含むことができる。例では、1つまたは複数の画像処理技法は、機械訓練モデル、ユーザ訓練モデル、または画像特徴(たとえば、ミネラル形成を表す画像特徴)を分類するように訓練された別のモデルなど、1つまたは複数のモデルを使用することができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、
図6および
図7を参照して説明した寸法のいずれかを決定することができる。
【0088】
さらに、いくつかの実施形態では、ブロック806に示されているように、制御回路は、ユーザにユーザインターフェースを提供し、および/または1つもしくは複数のミネラル形成の1つもしくは複数の特性/位置に関する入力を受信することができる。たとえば、制御回路は、処置前画像を含むユーザインターフェースを表すユーザインターフェースデータを生成することができ、かつ/または処置前画像を含むユーザインターフェースの表示のためにユーザインターフェースデータを表示デバイスに送信することができる。ユーザは、インターフェースを介して処置前画像を見て、ミネラル形成の位置を識別する入力を提供することができる。一例では、ユーザは、画像内の表現/位置を、ミネラル形成を表すものとして指定することができる。別の例では、ユーザは、画像上の第1の点/位置および画像上の第2の点/位置を指定し、第1の点/位置と第2の点/位置との間の距離を計算することを要求する入力を提供することができる。第1の点/位置および/または第2の点/位置は、ミネラル表現上またはその近傍にあり得る。したがって、距離は、別の特徴に対するミネラル形成の位置を示すことができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、
図6および
図7を参照して説明した寸法のいずれかを指定する(および/または制御回路に決定させる)ために、画像上の様々な点/位置を選択することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、制御回路および/またはユーザは、接合弁尖(すなわち、互いに接触しているか、または互いに近接している弁尖)に基づいて、自然弁尖の先端/端部を識別することができる。たとえば、制御回路および/またはユーザは、典型的には接合弁尖に関連付けられる特定の陰影/色/サイズに関連付けられる画像内の領域を識別することができる。制御回路および/またはユーザは、接合弁尖の領域を自然弁尖の先端/端部として指定することができる。例では、制御回路および/またはユーザは、ミネラル形成の位置と自然弁尖の先端/端部との間の距離など、自然弁尖の先端/端部に対するミネラル形成の位置を決定することができる。
【0090】
ブロック810において、プロセス800は、1つまたは複数のミネラル形成の1つまたは複数の特性/位置を示す処置前データを生成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、ブロック804で決定/識別された特性/位置に基づいて、1つまたは複数のミネラル形成の1つまたは複数の特性/位置を示す処置前データを生成することができる。ひとたび生成されると、処置前データは、制御回路に関連付けられた、および/またはネットワーク上に配置されたデータストアなどのデータストアに記憶され得る。
【0091】
ブロック812で、プロセス800は、自然弁に移植された人工弁を表す1つまたは複数の第2の画像を取得することを含むことができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、撮像デバイスから1つまたは複数の処置/処置後画像を受信することができる。1つまたは複数の処置/処置後画像は、大動脈弁内に配備された人工大動脈弁などの心臓血管内の人工弁を表すデータを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、ユーザは、撮像デバイス、コンピューティングシステム、および/または別のデバイス/システムから1つまたは複数の処置/処置後画像を取得/受信することができる。
【0092】
ブロック814において、プロセス800は、処置前データを取得することを含むことができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、いくつかの場合にはネットワーク上に配置され得るデータストアから処置前データを取り出すことができる。例では、処置前データは、人工弁の移植前の1つまたは複数のミネラル形成の1つまたは複数の特性/位置を示すことができる。さらに、いくつかの実施形態では、ユーザは、処置前データを取得/受信することができる。
【0093】
図8Bでは、ブロック816において、プロセス800は、1つもしくは複数のミネラル形成の1つもしくは複数の特性/位置および/または人工弁の1つもしくは複数の特性/位置を決定するために、1つもしくは複数の第2の画像を分析することを含むことができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、ブロック818に示されるように、制御回路は、ブロック806を参照して上述した技法のうちの1つまたは複数を含むことができる1つまたは複数のミネラル形成の1つまたは複数の特性/位置を決定するために、1つまたは複数の処置/処置後画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行することができる。例では、制御回路は、ミネラル形成のサイズ/形状/色、および/または処置前画像におけるミネラル形成を表す視覚的表現のサイズ/形状/色など、ミネラル形成/処置前ミネラル表現の特性を示す処置前データを取得することができる。制御回路は、処置前データを使用して、処置前画像内のミネラル形成/ミネラル表現と1つまたは複数の類似した特性(たとえば、1つまたは複数の類似しきい値を満たす)を有する処置/処置後画像内のミネラル表現を識別することができる。
【0095】
さらに、いくつかの実施形態では、制御回路は、人工弁の1つまたは複数の特性/位置を決定するために、1つまたは複数の処置/処置後画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行することができる。たとえば、制御回路は、1つまたは複数の表現が実質的に垂直な平面/軸に沿って配置されている場合、1つまたは複数の接続表現を介して互いに接続されている場合、典型的な人工弁の特性を有する場合などに、処置後画像内の1つまたは複数の表現を人工弁の1つまたは複数の要素に対応するものとして識別することができる。例では、制御回路は、人工弁データのライブラリを参照して、典型的なフレームのサイズ/形状または人工弁の別の特徴など人工弁の特性を識別することができる。
【0096】
さらに、いくつかの実施形態では、ブロック818にも示されているように、制御回路は、ユーザにユーザインターフェースを提供し、および/または1つもしくは複数のミネラル形成および/または人工弁の1つもしくは複数の特性/位置に関する入力を受信することができる。たとえば、制御回路は、処置/処置後画像を含むユーザインターフェースを表すユーザインターフェースデータを生成することができ、かつ/またはユーザインターフェースの表示のためにユーザインターフェースデータを表示デバイスに送信することができる。ユーザは、インターフェースを介して処置/処置後画像を見ることができ、ブロック806を参照して上述した技法のうちの1つまたは複数と同様に、ミネラル形成の位置および/または人工弁の位置を識別する入力を提供することができる。例では、ユーザインターフェースは、処置前画像および/または処置前画像内のミネラル形成に関する情報を表示して、ユーザが処置/処置後画像内のミネラル形成を識別するのを支援することができる。
【0097】
ブロック820において、プロセス800は、心臓血管内の自然弁の位置を決定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、制御回路および/またはユーザは、人工弁の移植前の自然弁尖上のミネラル形成の位置(処置前データに示すことができる)および/または人工弁の移植後の心臓血管内のミネラル形成の位置に基づいて、心臓血管内の自然弁/弁尖の位置を決定することができる。例では、自然弁尖の位置/向きは、1つまたは複数のミネラル形成の位置および/または人工フレームの位置に基づいて推定することができる。たとえば、人工弁の複数のミネラル形成および/またはフレーム要素が、実質的に垂直な平面/軸において識別される場合、自然弁尖は、垂直な平面/軸に実質的に平行、および/または垂直な平面/軸までの距離内にあると推定され得る。
【0098】
ブロック822において、プロセス800は、心臓血管に関連付けられた流体血管へのアクセスを決定することを含むことができる。たとえば、制御回路および/またはユーザは、人工弁の移植後の心臓血管内の自然弁の位置、心臓血管内の人工弁の位置などに基づいて、心臓血管に関連付けられた流体血管へのアクセス量を決定することができる。アクセスの量は、自然弁尖および/または人工弁の上、および/または自然弁尖の上にある人工弁の一部を通る、利用可能な空間を示すことができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、
図6および/または
図7に示される寸法のうちの1つまたは複数を決定し、1つまたは複数の寸法を使用して、自然弁尖の先端/端部と、自然弁尖の先端/端部の実質的に上にある大動脈壁の部分との間、人工弁の上端部と人工弁の端部の実質的に上にある大動脈壁の部分との間など、利用可能な空間の量を決定することができる。
【0099】
さらに、いくつかの実施形態では、制御回路は、処置/処置後画像をユーザインターフェースに提供することができ、ユーザは、ミネラル形成の上端を選択し、大動脈壁の一部を選択するための入力を提供することができる。ユーザは、ミネラル形成の上端と大動脈壁の部分との間の距離を計算することを要求する入力を提供することができる。制御回路は、そのような距離を決定し、その距離、ならびに任意の他の距離を使用して、アクセス空間の量を決定することができる。
【0100】
ブロック824において、プロセス800は、自然弁および/または人工弁の1つもしくは複数の特性/位置を示すデータを生成することを含むことができる。たとえば、制御回路は、心臓血管内への人工弁の移植後に、自然弁/弁尖および/または人工弁の1つまたは複数の特性/位置を示すデータを生成することができる。いくつかの実施形態では、データは、流体血管へのアクセス量を示す寸法など、流体血管へのアクセス量を示すこともできる。制御回路は、データをデータストアに記憶することができる。
【0101】
ブロック826において、プロセス800は、冠状動脈アクセス状態などの流体血管のアクセス状態を示す指示を提供することを含むことができる。いくつかの例では、流体血管にアクセスすることを含む処置を行うことに関連付けられたリスク/リスクレベル(たとえば、人工弁の移植および/または自然弁尖の位置に起因する冠状動脈へのブロックが存在する高/中/低リスク)を示す指示を提供することができる。たとえば、指示は、冠状動脈へのアクセスが完全にブロックされている、部分的にブロックされている、開いている(たとえば、ブロックされていない)などを示すことができる。指示は、流体血管へのアクセス量に基づくことができ、かつ/またはそれを示すことができる。いくつかの実施形態では、指示は、ディスプレイまたは視覚/音声表現などの他の出力デバイスを介してユーザに提供される。しかしながら、指示は、他の方法で提供することができる。いくつかの実施形態では、患者は、流体血管へのアクセス状態を示す指示に関連付けることができる。
【0102】
ブロック828において、プロセス800は、流体血管にアクセスすることを含む処置を行うこと、または処置を行うことを控えることを含むことができる。いくつかの実施形態では、プロセス800は、冠状動脈へのアクセス量がしきい値未満であること、および/またはリスク/リスクレベルが特定の値(たとえば、冠状動脈へのブロックの比較的高いリスク)であることを決定することと、そのような決定に基づいて、冠状動脈にアクセスすることを含む処置を行うことを控えることとを含むことができる。代替的または追加的に、プロセス800は、冠状動脈へのアクセス量がしきい値よりも大きいこと、および/またはリスク/リスクレベルが特定の値(たとえば、冠状動脈へのブロックの比較的低いリスク)であることを決定することと、そのような決定に基づいて、冠状動脈にアクセスすることを含む処置を行うこととを含むことができる。
【0103】
ブロック802~828のうちの1つまたは複数は、様々な時間に実行することができる。いくつかの実施形態では、ブロック802~810のうちの1つまたは複数は、人工弁が移植される前に実行することができ、ブロック812~828のうちの1つまたは複数は、人工弁が移植された後に実行することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ブロック802~810のうちの1つまたは複数は、人工弁が移植された後に実行することができる。たとえば、人工弁が移植される前に撮影された1つまたは複数の処置前画像は、人工弁が移植された後に分析することができる。しかしながら、ブロック802~828は、他の時間および/または任意の順序で実行することができる。
【0104】
図9は、1つまたは複数の実施形態による、解剖学的特徴の位置/特性を決定するためのインターフェースを提供するためのプロセス900の例示的なフロー図を示す。ブロック902において、プロセス900は、ミネラル形成の位置/特性を示すデータを受信することを含むことができる。たとえば、制御回路は、データストアから処置前データを取り出すことができる。いくつかの実施形態では、処置前データは、人工弁の移植前の1つまたは複数のミネラル形成の1つまたは複数の特性/位置、たとえば、自然弁尖の端部/先端に対するミネラル形成の位置を示すことができる。
【0105】
ブロック904において、プロセス900は、自然弁に移植された人工弁の画像を表すグラフィカルインターフェースデータを生成することを含むことができる。たとえば、制御回路は、自然弁に移植された人工弁の処置/処置後画像を含むユーザインターフェースを表すユーザインターフェースデータを生成することができる。
【0106】
ブロック906において、プロセス900は、グラフィカルインターフェースデータを表示デバイスに提供することを含むことができる。たとえば、制御回路は、処置/処置後画像を含むユーザインターフェースを表示するために、グラフィカルインターフェースデータを表示デバイスに送信することができる。いくつかの実施形態では、表示デバイスは、制御回路が配置されるコンピューティングシステムのコンポーネントであり、他の実施形態では、表示デバイスは、別のコンピューティングシステムのコンポーネントである。
【0107】
ブロック908において、プロセス900は、画像内のミネラル表現の位置/特性に関する入力を受信することを含むことができる。たとえば、制御回路は、ミネラル形成の位置、ミネラル形成に関連付けられた寸法などを識別する入力など、処置/処置後画像に示されたミネラル表現の位置/特性に関する入力を、ユーザインターフェースを介して受信することができる。
【0108】
ブロック910で、プロセス900は、画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行することを含むことができる。たとえば、制御回路は、画像内のミネラル表現が自然弁尖上のミネラル形成を表すことを決定するために、処置/処置後画像を使用して1つまたは複数の画像処理技法を実行することができる。例では、1つまたは複数の画像処理技術は、ミネラル形成の1つまたは複数の特性を示すデータを使用することができる。
【0109】
ブロック912において、プロセス900は、心臓血管内の自然弁および/または人工弁の位置を決定することを含むことができる。たとえば、制御回路は、ブロック908で受信された入力、ブロック910で実行された画像処理、および/またはミネラル形成の位置/特性を示す処置前データに基づいて、心臓血管内の自然弁/弁尖の位置を決定することができる。
【0110】
ブロック914において、プロセス900は、心臓血管に関連付けられた流体血管へのアクセスを決定することを含むことができる。たとえば、制御回路は、自然弁/弁尖の位置および/または心臓血管内の人工弁の少なくとも一部の位置に基づいて、冠状動脈へのアクセス量を決定することができる。
【0111】
例示的な画像
図10および
図11は、それぞれ、1つまたは複数の実施形態による撮像デバイスによって生成することができる例示的な処置前画像1000および処置後画像1100を示す。これらの例では、画像1000および1100は、大動脈弁領域内の様々な解剖学的特徴を示すCTまたはX線画像を表す。たとえば、画像1000および1100は、左心室1004と大動脈1006との間に位置する大動脈弁1002を示し、大動脈弁1002の上に位置する冠状動脈1008を示す。
図10は、人工弁1102のない処置前状態の大動脈弁領域を示し、一方、
図11は、大動脈弁1002を置換するために移植された人工弁1102を有する大動脈弁領域を示す。大動脈弁1002の自然弁尖は、一般に、CT画像またはX線画像内で可視化されない/表されない可能性があるが、例示を容易にするために、大動脈弁1002の自然弁尖は、点線で
図10および
図11に示される。
【0112】
これらの例では、大動脈弁102は、カルシウム堆積物1010を含み、カルシウム堆積物1010は、画像1000および1100内の白色表現として現れ得る(たとえば、より明るい領域)。カルシウム堆積物1010は、カルシウム堆積物1010が撮像デバイスによって検出されることを可能にすることができる特定の特性/位置を含むことができる。たとえば、カルシウム堆積物1010は各々、撮像デバイスによる検出に関連付けられたサイズ/厚さしきい値を満たすサイズを有することができる。カルシウム堆積物1010は、これらの例では、大動脈弁1002の自然弁尖の頂部に付着されているように示されているが、カルシウム堆積物1010は、自然弁尖の下および/または内部に付着/埋め込むことができる。
【0113】
図10に示されるように、処置前画像1000はまた、接合弁尖を示すわずかに暗い領域1012を含む。接合弁尖は、接合弁尖が撮像デバイスによって検出されることを可能にすることができる特定の特性/位置を含むことができる。たとえば、接合弁尖は、互いに接触し得るか、または互いに近接し得る2つ以上の自然弁尖を含み、自然弁尖単独よりも実質的に厚い領域を作成するので、接合弁尖は、撮像デバイスによる検出に関連付けられたサイズ/厚さしきい値を満たすことができる。領域1012は、一般に、大動脈弁1002の自然弁尖の端部/先端を表すことができる。したがって、大動脈弁1002の自然弁尖は、一般に、処置前画像1000内で可視化されない/表されない可能性があるが、自然弁尖が別の弁尖と接合しているときに、大動脈弁1000の自然弁尖の先端/端部は、(たとえば、より暗い領域1012で)可視化/表され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じるシステムおよび技法は、
図10の処置前画像1000を分析して、処置前画像1000内で可視化/表された特徴を識別し、かつ/または可視化/表されたおよび/または隠れた/表されていない特徴の1つまたは複数の特性/位置を決定することができる。たとえば、システムおよび技法は、カルシウム堆積物1010、大動脈弁1002の自然弁尖の先端/端部を表す領域1012、大動脈壁、冠状動脈1008、および/または他の解剖学的特徴を識別することができる。システムおよび技法はまた、特徴の位置、特徴のサイズ/形状など、そのような特徴に関する特性を決定することができる。いくつかの実施形態では、システムおよび技法は、カルシウム堆積物1010の位置を使用して、大動脈弁1002の自然弁尖の位置を推定することができる。たとえば、大動脈弁1002の自然弁尖の位置は、カルシウム堆積物1010下/上/にあると推定することができる。カルシウム堆積物1010の特性/位置、および/または大動脈弁1002の自然弁尖の推定された特性/位置(および/または他の情報)に関するデータは、処置前データとして記憶することができる。
【0115】
上述のように、
図11は、大動脈弁1002を置換するために移植された人工弁1102を有する大動脈弁領域を示す処置後画像1100を示す。ここで、大動脈弁1002の自然弁尖は、人工弁1002によって加えられる半径方向外向きの力によって、大動脈壁および冠状動脈1008に向かって押される。人工弁1102のフレームは、一般に、撮像デバイスによる検出に関連付けられたサイズ/厚さしきい値を満たすサイズ/厚さを有することができるので、人工弁1102のフレームは、撮像デバイスによって検出され、処置後画像1100に表され得る。
図11に示されるように、人工弁1102のフレームは、(たとえば、複数のフレーム要素/部分を表す)白色表現で示される。
【0116】
いくつかの実施形態では、本明細書で論じるシステムおよび技法は、
図11の処置後画像1100を分析して、処置後画像1100内で可視化/表された特徴を識別し、かつ/または可視化/表されたおよび/または隠れた/表されていない特徴の1つまたは複数の特性/位置を決定することができる。たとえば、システムおよび技法は、カルシウム堆積物1010、大動脈壁、冠状動脈1008、人工弁1102のフレーム要素、および/または他の解剖学的特徴を識別することができる。システムおよび技法はまた、特徴の位置、特徴のサイズ/形状など、そのような特徴に関する特性を決定することができる。いくつかの実施形態では、システムおよび技法は、大動脈弁1002の自然弁尖の位置および/または冠状動脈1008へのアクセス(たとえば、冠状動脈1008へのアクセス量)を推定するために、処置前画像1000内のカルシウム堆積物1010の位置を使用することができる。カルシウム堆積物1010の特性/位置、および/または大動脈弁1002の自然弁尖の推定された特性/位置、および/または推定されたアクセス(および/または他の情報)に関するデータは、処置後データとして記憶することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で論じるシステムおよび技法は、洞隔離の可能性をマッピングすることができる。
【0117】
追加の特徴および実施形態
本開示の実施形態の上記の説明は、網羅的であること、または本開示を上記に開示された正確な形態に限定することを意図していない。特定の実施形態および例が、例示の目的で上記に説明されているが、当業者が認識するように、様々な同等の修正が、本開示の範囲内で可能である。たとえば、プロセスまたはブロックは所与の順序で提示されているが、代替の実施形態は、ステップを有するルーチンを実行することができ、またはブロックを有するシステムを異なる順序で使用することができ、いくつかのプロセスまたはブロックは、削除、移動、追加、細分化、結合、および/または修正され得る。これらのプロセスまたはブロックの各々は、様々な異なる方法で実施することができる。また、プロセスまたはブロックは、時々、直列に実行されるものとして示されているが、これらのプロセスまたはブロックは、代わりに、並列に実行されてもよく、または異なる時間に実行されてもよい。
【0118】
本明細書では、様々な開示された実施形態に関して、位置のいくつかの用語が使用される。「外側」、「内側」、「上側」、「下側」、「下」、「上」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」などのいくつかの空間的に相対的な用語、および同様の用語が、別のデバイス/要素または解剖学的構造に対する1つのデバイス/要素または解剖学的構造の空間的関係を説明するために本明細書で使用されているが、これらの用語は、図面に示されるように、要素/構造間の位置関係を説明するために説明を容易にするために本明細書で使用されることを理解されたい。空間的に相対的な用語は、図面に示されている向きに加えて、使用中または動作中の要素/構造の異なる向きを包含することを意図する。たとえば、別の要素/構造の「上」と記載される要素/構造は、対象患者または要素/構造の代替的な向きに関して、そのような他の要素/構造の下または横にある位置を表すことができ、逆もまた同様である。
【0119】
本明細書で使用される条件付き言語、たとえば、「できる(can)」、「できる(could)」、「可能性がある(might)」、「可能性がある(may)」、「たとえば」などは、特に明記しない限り、または文脈内で使用されるように理解されない限り、その通常の意味で意図され、一般に、いくつかの実施形態はいくつかの特徴、要素、および/またはステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることが意図される。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、および/またはステップが、1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要とされること、または1つもしくは複数の実施形態が、これらの特徴、要素、および/またはステップが、任意の特定の実施形態に含まれるか、または任意の特定の実施形態で実行されるべきかどうかを、著者入力またはプロンプトの有無にかかわらず、決定するための論理を必然的に含むことを暗示することを意図するものではない。
【0120】
いくつかの順序用語(たとえば、「第1の」または「第2の」)は、参照を容易にするために提供することができ、必ずしも物理的特性または順序を暗示するものではないことを理解されたい。したがって、本明細書で使用されるように、構造、コンポーネント、動作などの要素を修正するために使用される順序用語(たとえば、「第1の」、「第2の」、「第3の」など)は、必ずしも、任意の他の要素に関する要素の優先順位または順序を示すわけではなく、むしろ、一般に、その要素を、類似または同一の名前を有する別の要素と区別することができる(ただし、順序用語を使用する場合)。加えて、本明細書で使用される不定冠詞(「a」および「an」)は、「1つ」ではなく「1つまたは複数」を示すことができる。さらに、条件またはイベントに「基づいて」実行される動作は、明示的に列挙されていない1つまたは複数の他の条件またはイベントに基づいて実行することもできる。いくつかの文脈では、述べたイベントまたは条件が「に基づいて」、または「少なくとも部分的に基づいて」発生している、または実行されている動作またはイベントの記述は、述べたイベントまたは条件によってトリガされている、または述べたイベントまたは条件に応答して実行されていると解釈することができる。
【0121】
本明細書で開示される様々な方法およびプロセスに関して、動作またはステップの特定の順序が図示および/または説明されているが、図示および説明される様々なステップおよび動作は、任意の適切なまたは望ましい時間的順序で実行され得ることを理解されたい。さらに、図示されたおよび/または説明された動作またはステップのいずれも、任意の所与の方法またはプロセスから省略することができ、図示された/説明された方法およびプロセスは、明示的に図示または説明されていない追加の動作またはステップを含むことができる。
【0122】
実施形態の上記の説明では、開示を合理化し、開示の様々な態様のうちの1つまたは複数の理解を助けるために、様々な特徴が、単一の実施形態、図、またはその説明で一緒にグループ化されることがあることを諒解されたい。しかしながら、この開示の方法は、いかなる請求項も、その請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されないものとする。さらに、本明細書の特定の実施形態において図示および/または説明された任意のコンポーネント、特徴、またはステップは、任意の他の実施形態に適用されるか、または任意の他の実施形態とともに使用され得る。さらに、コンポーネント、特徴、ステップ、またはコンポーネント、特徴、またはステップのグループは、各実施形態に必要または必須ではない。したがって、本開示の範囲は、上述の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下に続く特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきであることが意図される。
【0123】
文脈が特に明確に要求しない限り、明細書および特許請求の範囲を通じて、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」などの用語は、閉じた、排他的な、または網羅的な意味とは対照的に、開いた、包括的な意味で、すなわち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるものとする。
【0124】
本明細書で一般に使用される「結合された」という用語は、直接的または間接的(たとえば、1つまたは複数の中間要素、コンポーネント、および/またはデバイスを介して)にかかわらず、物理的、機械的、および/または電気的に接続されるか、そうでなければ関連付けられることが可能な2つ以上の要素を指す。加えて、本明細書で使用される場合、「本明細書」、「上記」、「下記」、および同様の意味の用語は、参照により組み込まれる任意の開示を含む、本出願全体を指すものとし、本開示の任意の特定の部分を指すものではない。文脈が許す場合、単数または複数を使用する本開示の用語は、それぞれ、複数または単数を含むこともできる。
【0125】
単語「または」は、2つ以上の項目のリストに関して、その単語の以下の解釈、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目のすべて、およびリスト内の項目の任意の組合せのすべてを包含する。さらに、本明細書で使用する場合、要素間で(たとえば、要素のリストの最後の2つの間で)使用される用語「および/または」は、参照される/関連する要素のうちの任意の1つまたは複数を意味する。たとえば、「A、B、および/またはC」という語句は、「A」、「B」、「C」、「AおよびB」、「AおよびC」、「BおよびC」、または「A、B、およびC」を意味する。
【0126】
本明細書で使用され得る「実質的に」および「約」という用語は、その対応する用語および/または項目間の相対性に対する業界で許容される許容範囲を提供する。ある業界では、業界で許容される許容範囲は1パーセント未満であり、他の業界では、業界で許容される許容範囲は10パーセント以上であり得る。業界で許容される許容範囲の他の例は、1パーセント未満から50パーセントまでの範囲である。業界で許容される許容範囲は、限定はしないが、コンポーネント値、集積回路プロセス変動、温度変動、立ち上がりおよび立ち下がり時間、熱雑音、寸法、シグナリングエラー、ドロップされたパケット、温度、圧力、材料組成、および/または性能メトリックに対応する。業界内では、許容される許容範囲の許容差は、パーセンテージレベルより大きくても小さくてもよい(たとえば、約+/-1%未満の寸法許容差)。項目間の何らかの相対性は、パーセンテージレベル未満の差から数パーセントまでの範囲であり得る。項目間の他の相対性は、数パーセントの差から差の大きさまでの範囲であり得る。
【0127】
特定の機能の実行およびその関係を示す方法ステップを用いて、1つまたは複数の実施形態を上記で説明してきた。これらの機能的構成単位と方法ステップの境界およびシーケンスは、説明の便宜のために、本明細書において任意に定義されている。指定された機能および関係が適切に実行される限り、代替の境界およびシーケンスを定義することができる。したがって、任意のそのような代替の境界またはシーケンスは、特許請求の範囲および趣旨内である。さらに、これらの機能的構成単位の境界は、説明の便宜のために、任意に定義されている。いくつかの重要な機能が適切に実行される限り、代替の境界を定義することができる。同様に、フロー図のブロックはまた、ある重要な機能を示すために、本明細書で任意に定義されている。
【0128】
使用される範囲で、フロー図のブロック境界およびシーケンスは、他の方法で定義されていた可能性があり、依然としてある重要な機能を実行することができる。したがって、両方の機能的構成単位、フロー図ブロック、およびシーケンスのそのような代替の定義は、特許請求の範囲および趣旨内である。当業者であれば、本明細書の機能的構成単位、および他の例示的なブロック、モジュール、およびコンポーネントは、図示されるように、または個別のコンポーネント、特定用途向け集積回路、適切なソフトウェアを実行するプロセッサなど、またはそれらの任意の組合せによって実装できることも認識するであろう。
【0129】
1つまたは複数の実施形態は、1つまたは複数の態様、1つまたは複数の特徴、1つまたは複数の概念、および/または1つまたは複数の例を示すために本明細書で使用される。装置、製造品、機械、および/またはプロセスの物理的実施形態は、本明細書で論じられる実施形態のうちの1つまたは複数を参照して説明される態様、特徴、概念、例などのうちの1つまたは複数を含むことができる。さらに、図の間で、実施形態は、同じ参照番号、関連する参照番号、または無関係の参照番号を使用することができる、同じまたは同様に命名された機能、ステップ、モジュールなどを組み込むことができる。関連する特徴、要素、機能、動作、モジュールなどは、同じまたは同様の機能であってもよく、または無関係であってもよい。
【符号の説明】
【0130】
100 心臓
102 左心室
104 左心房
106 右心室
108 右心房
110 下端
112 冠状動脈
114 基部
116 上行大動脈
118 下大静脈
120 上大静脈
202 僧帽弁
204 三尖弁
206 肺動脈弁
208 大動脈弁
402 人工弁
500 アーキテクチャ
502 撮像デバイス
504 患者
506 コンピューティングシステム
508 ネットワーク
510 制御回路
512 I/Oコンポーネント
514 ネットワークインターフェース
516 データストレージ/メモリ
518 特徴決定コンポーネント
520 グラフィカルユーザインターフェースコンポーネント
522 画像処理コンポーネント
524 画像データストア
526 解剖学的特徴データストア
528 制御回路
530 ネットワークインターフェース
532 データ記憶/メモリ
534 I/Oコンポーネント
536 撮像コンポーネント
602 大動脈
604 自然弁尖
606 大動脈弁輪
608 端部
610 冠状動脈
612 冠状動脈口
614 カルシウム堆積物
616 上端
618 平面
620 平面
622 平面
624 自然交連平面
702 人工弁
704 平面
706 平面
708 上端
1000 処置前画像
1002 大動脈弁
1004 左心室
1006 大動脈
1008 冠状動脈
1010 カルシウム堆積物
1012 領域
1100 処置後画像
1102 人工弁
【国際調査報告】